説明

二次電池

【課題】集電板の電流分布の不均一性を解消し、電池の反応特性を向上させる二次電池を提供する。
【解決手段】開口部を有する有底の電池缶110と、負極板810と正極板820との間にセパレータ830を介して積層して扁平状に捲回し、負極板810の端部はセパレータ830から突出して突出端縁815を形成して、電池缶110内に収納される電極群800と、電池缶110の開口部を塞ぎ、負極電極端子130を一方の端部側に備える封口板120と、突出端縁815と封口板120との間に介挿され、負極板810と負極電極端子130とを電気的に接続する集電板210とを有する。集電板210は、封口板120の負極電極端子130が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる又は幅が幅広になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池缶の内部に電極群が収納され、その電極群から集電板を介して電力を取り出す二次電池に関し、具体的にはその集電板の構造を改良した二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニッケル水素二次電池のような二次電池が、ハイブリッド電気自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(PEV;Pure Electric Vehicle)等の電源用途に用いられている。これらの用途においては、二次電池の高出力化が要求され、電池の反応特性の向上が求められる。
【0003】
例えば、特許文献1には、断面形状が略長方形になるように扁平状に捲回された捲回電極群と、この捲回電極群を収納する電池缶とを有する二次電池が記載されている。電池缶の開口は略長板状の封口板にて塞がれており、この封口板と捲回電極群の端面との間には、これらを電気的に接続する集電板が配置されている。
【0004】
略長板状の封口板には、電極端子が設けられる。封口板には電解液を注入するための注入孔や、二次電池の内圧が上昇すると開弁して内圧を低下させるための防爆弁が設けられることがあり、これらが封口板に設けられる場合にあってはこの電極端子は封口板の一方の端部側に設けられることがある。また、複数の二次電池を組み合わせてモジュール体を形成する場合に、電極端子同士の結合を省スペースにて実現させるため、この電極端子は封口板の一方の端部側に設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−76829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電極端子が封口板の一方の端部側に設けられる場合にあっては、集電板の他方の端部側は電極端子から遠くなるため、集電板の一方の端部側と他方の端部側とにおいて電流分布が不均一になる。そのため、集電板の電極端子から遠い所では、電池の反応特性が低くなる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、集電板の電流分布の不均一性を解消し、電池の反応特性を向上させる二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る二次電池は、開口部を有する有底の電池缶と、帯状の第1極極板と第2極極板との間にセパレータを介在させて積層し、扁平状に捲回されて捲回軸に垂直な面における断面形状が略長方形をなし、前記第1極極板の端部は、前記セパレータから突出して断面形状が略長方形の突出端縁を形成しており、該突出端縁を前記電池缶の開口部側に向けて電池缶内に収納される電極群と、前記電池缶の開口部を塞ぎ、第1極の電極端子を長手方向の一方の端部側に備える略長板状の封口板と、前記電極群の第1極極板の突出端縁と前記封口板との間に介挿され、前記第1極極板の突出端縁に接合されて、前記第1極極板と前記第1極の電極端子とを電気的に接続する略長板状の集電板と、を有する二次電池において、前記集電板は、前記封口板の電極端子が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれて、前記集電板の長手方向に垂直方向の断面積が大きくなることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、集電板は、電極端子の位置する側から遠方へ向かうにつれて、その長手方向に垂直方向の断面積が大きくなる。そのため、電極端子の位置する側から遠方の箇所でも電気抵抗の低下が少ない。
【0010】
また、前記集電板は、前記封口板の電極端子が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる厚肉化設定、及び、該一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる幅広化設定、の少なくとも一方の設定がなされていることが好ましい。かかる場合にあっては、集電板は、電極端子の位置する側から遠方へ向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる。また、電極端子の位置する側から遠方へ向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる。そのため、電極端子の位置する側から遠方の箇所でも電気抵抗の低下が少ない。
【0011】
また、前記第1極極板の突出端縁の一方の端部側には、前記幅広化設定がなされた集電板で覆われていない非被覆部が設けられていることが好ましい。非被覆部が設けられる場合にあっては、この非被覆部から、二次電池内部の発生ガスを排出させることができるので、二次電池内部の圧力上昇を抑制することができる。
【0012】
また、前記厚肉化設定がなされた集電板は、その厚さが連続して増加することが好ましい。集電板の厚さが連続して増加するものである場合は、集電板を流れる電流の不均一性が生じにくい。
【0013】
また、前記幅広化設定がなされた集電板は、その幅が連続して増加することが好ましい。集電板の幅が連続して増加するものである場合は、集電板を流れる電流の不均一性が生じにくい。
【0014】
また、前記封口板には、二次電池の内圧が上昇すると開弁して内圧を低下させる防爆弁が設けられ、前記幅広化設定がなされた集電板には、二次電池内部のガスを前記防爆弁へ逃がすための防爆開口部が設けられ、前記防爆開口部は、前記一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる幅広化設定がなされていることが好ましい。集電板の防爆開口部に幅広化設定がなされている場合にあっては、防爆開口部の一方の端部側付近と他方の端部側付近とにおいて電流が流れる面積に大きな差が生じることはなく、電流分布が不均一になる虞が少ない。
【0015】
また、前記集電板には、前記封口板側に隆起して前記第1極の電極端子と電気的に接続する隆起部が一体的に設けられていることが好ましい。かかる場合にあっては、隆起部を別体で設けて集電板に接合させる場合と比較して部品点数的に有利であり、更に隆起部が設けられている集電板付近の物理的強度を向上させることができる。
【0016】
また、前記集電板には電極群側へ突出する突出部が設けられており、前記集電板は前記突出部にて前記第1極極板の突出端縁に接合されていることが好ましい。かかる場合にあっては集電板と電極群の突出端縁との接合をより確実なものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電極端子の位置する側から遠方の箇所でも電気抵抗の低下が少ないため、集電板の電流分布の不均一性が解消され、電池の反応特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】二次電池の外観を説明する斜視図である。
【図2】電池缶内に収納される電極群の外観を説明する斜視図である。
【図3】封口板及び厚肉化設定がなされた集電板の外観を説明する斜視図である。
【図4】厚肉化設定がなされた集電板の外観を説明する斜視図である。
【図5】厚肉化設定がなされた集電板の断面図である。
【図6】封口板及び幅広化設定がなされた集電板の外観を説明する斜視図である。
【図7】幅広化設定がなされた集電板の外観を説明する斜視図である
【図8】幅広化設定がなされた集電板の平面図である。
【図9】別実施形態における厚肉化設定がなされた集電板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明するが、当該実施形態は本発明の原理の理解を容易にするためのものであり、本発明の範囲は、下記の実施形態に限られるものではなく、当業者が以下の実施形態の構成を適宜置換した他の実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る二次電池の外観を説明する斜視図である。図1に示されるように、二次電池900は、断面形状において、両端部が略半円であり全体として略長方形状の角形電池であり、開口部を有する有底の電池缶110を有している。電池缶110の開口部には略長板状の封口板120が例えば溶接により接合されている。
【0021】
図2は、電池缶110内に収納される電極群800の外観を説明する斜視図である。図2に示されるように、電極群800は、扁平状に捲回されており、捲回軸に垂直な面における断面形状は、両端部が略半円であり全体として略長方形である。電極群800は、負極板(第1極極板)810と正極板(第2極極板)820とが、例えばポリエチレンやポリプロピレンから形成されるセパレータ830を間に介在させた状態で重ね合わせられて積層しており、その積層状態で渦巻状に扁平巻回加工されている。
【0022】
負極板810には、例えば方形状の銅箔からなる負極集電体811の表面に例えば天然黒鉛を有する負極活物質層812が設けられており、上端部には負極集電体811の一部が露出して集電体露出部813が設けられている。正極板820には、例えば方形状のアルミニウム箔から成る正極集電体821の表面に例えばLiCoOを有する正極活物質層822が設けられており、下端部には正極集電体821の一部が露出して集電体露出部823が設けられている。
【0023】
負極板810の端部は、セパレータ830から突出して断面形状において両端部が略半円であり全体として略長方形の突出端縁815を上側に形成している。同様に、正極板820の端部も、セパレータ830から突出して突出端縁825を下側に形成している。
【0024】
電極群800は、正極板820の突出端縁825を電池缶110の底部に載置して電池缶110内に収納される。電池缶110内には、電極群800が電解液又は電解質(以下では「電解質」と記す。)と共に収容される。なお、本実施形態では、正極の集電構造は、正極板820の端部がセパレータ830から突出して突出端縁825を下側に形成し、この突出端縁825が電池缶110の底部に接触載置されているものであるが、このような実施形態に限定されるものではなく、例えば、正極板820の端部はセパレータ830から突出させずに正極板820にリードを接続させてリード集電とすることも可能である。
【0025】
図3は、封口板及び集電板の外観を説明する斜視図である。図3に示されるように、集電板210は、電極群800の負極板810の突出端縁815と、封口板120との間に介挿されている。封口板120には、負極電極端子130が一方の端部側に備えられる。電池缶110と封口板120とは同極であり、封口板120は正極としての役割を担う。封口板120は電池缶110と同じく正極であるので、負極電極端子130はガスケット等の絶縁部材131を介して封口板120に貫設されている。なお、本実施形態では、封口板120は正極としての役割を担うものであるが、このような実施形態に限定されるものではなく、例えば、別途正極端子を設けることも可能である。
【0026】
防爆弁150は封口板120の例えば中央部に設けられており、二次電池の内圧が上昇すると開弁して内圧を低下させる。電池缶110内に注入される電解質は、封口板120に形成された注液孔(不図示)から電池缶110内に注入され、注液孔は電解質が注入されると封栓170で蓋される。封栓170は封口板120の他方の端部側に設けられる。
【0027】
集電板210には、封口板120側に隆起して負極電極端子130と電気的に接続する隆起部290が設けられている。この隆起部290は集電板210と一体的に設けられているが、別体としての隆起部290を溶接等により集電板210に接合するものでも良い。集電板210は、その裏面側にて負極板810の突出端縁815に接合されており、その表面側にて隆起部290を介して負極電極端子130と電気的に接続している。これにより、集電板210は、負極板810と負極電極端子130とを電気的に接続している。
【0028】
図4は、第1実施形態に係る集電板210の外観を説明する斜視図である。図5は、第1実施形態に係る集電板210の断面図である。図4及び図5に示されるように、集電板210は、封口板120の電極端子130が備えられている側である一方の端部側(図5における図面左側)から他方の端部側(図5における図面右側)に向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる厚肉化設定がなされている。
【0029】
集電板210は、平坦部213と、突出部215とを有している。突出部215は、平坦部213よりも電極群800側に突出しており、略矩形の横断面を有している。接続部215Aは、突出部215の突出方向先端に位置しており、突出端縁815に当接されてレーザ溶接等により溶接される。
【0030】
集電板210は、その厚さが連続して増加している。集電板210の厚さが連続して増加しているから、集電板210を流れる電流の不均一性が生じにくい。本実施形態では、図4及び図5に示されるように平坦部213、突出部215、及び、隆起部290の厚さが連続的に厚肉になる。集電板210の厚肉化設定は、集電板の材質並びに二次電池の構造及び種類等を考慮して適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、集電板210は、最薄部の厚さdsから最厚部の厚さdlまで、長手方向に板厚が連続的に増加するように形成されており、例えばdl=ds×(1.2〜2.6)であり、好ましくはdl=ds×(1.4〜2.2)とすることが可能である。
【0031】
本実施形態によれば、集電板210は、負極電極端子130の位置する側から遠方へ向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる。そのため、負極電極端子130の位置する側から遠方の箇所でも電気抵抗の低下が少ない。従って、集電板210の電流分布の不均一性が解消され、電池の反応特性が向上する。また、集電板210の最薄部の厚さdsを従来例と同様の例えば0.4mmとし、ここから厚さを連続して増加するものとすれば、全体として集電板210の強度が向上するため、電池内部のガス圧力による集電板210の変形が起こりにくい。
【0032】
(実施形態2)
上述の実施形態においては集電板には厚肉化設定がなされていた。もっとも本発明の範囲はこのような実施形態に限定されるものではない。実施形態2においては集電板にはその幅が徐々に幅広になる幅広化設定がなされている。
【0033】
図6は、封口板及び幅広化設定がなされた集電板220の外観を説明する斜視図である。図7は、第2実施形態に係る集電板220の外観を説明する斜視図である。図8は、第2実施形態に係る集電板220の平面図である。図6〜図8に示されるように、集電板220は、実施形態1と同様に、平坦部223と、突出部225とを有しており、突出部225の突出方向先端には接続部225Aが位置する。集電板220は、電極群800の負極板810の突出端縁815と、封口板120との間に介挿されており、封口板120には負極電極端子130が一方の端部側に備えられている。集電板220は、その裏面側にて負極板810の突出端縁815に接合されており、その表面側にて隆起部290を介して負極電極端子130と電気的に接続している。
【0034】
集電板220は、封口板120の負極電極端子130が備えられている側である一方の端部側(図8における図面左側)から他方の端部側(図8における図面右側)に向かうにつれてその幅が連続して幅広になる幅広化設定がなされている。集電板220の幅が連続して幅広になるから、集電板220を流れる電流の不均一性が生じにくい。本実施形態では、図7及び図8に示されるように平坦部213、突出部215、及び、隆起部290の幅が連続的に幅広になる。集電板220の幅広化設定は、集電板の材質並びに二次電池の構造及び種類等を考慮して適宜設定することができ、特に限定されるものではないが、集電板220は、最狭部の幅wsから最広部の幅wlまで、長手方向に板幅が連続的に増加するように形成されており、例えばwl=ws×(1.6〜3.2)であり、好ましくはwl=ws×(2.0〜2.6)とすることが可能である。
【0035】
図6及び図8に示されるように、正極板820の突出端縁815の一方の端部側には、集電板220で覆われていない非被覆部816が設けられている。本実施形態においては、この非被覆部816から、二次電池900内部の発生ガスを排出して、二次電池内部に発生ガスが蓄積されることによる内圧の上昇を抑制することができる。また、集電板220の最広部の幅wsを従来例と同様の例えば16mmとし、ここから厚さを連続して減少するものとすれば、集電板220の一方の端部側は幅が狭いものとなり、全体として集電板220の重量が削減されるため、二次電池900の軽量化が可能である。
【0036】
防爆弁150が封口板120の中央部に設けられており、集電板220の中央部にも二次電池900内部のガスをこの防爆弁150へ逃がすための防爆開口部222が設けられている。図6〜図8に示されるように、この防爆開口部222は、封口板120の電極端子130が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれて、その幅が徐々に幅広になる幅広化設定がなされている。防爆開口部222の形状は、特に限定されるものではないが、例えば台形、三角形等である。
【0037】
幅広化設定がなされた集電板220に、仮に長方形のような幅が均等な形状の開口部を設けた場合にあっては、この開口部の一方の端部側付近では他方の端部側付近よりも電流が流れる面積が少なくなるため、電流分布が不均一になる虞がある。しかしながら本実施形態では、集電板220の防爆開口部222は幅広化設定がなされているため、防爆開口部222の一方の端部側付近と他方の端部側付近とにおいて電流が流れる面積に大きな差が生じることはなく、電流分布が不均一になる虞は少ない。
【0038】
本実施形態によれば、集電板220は、負極電極端子130の位置する側から遠方へ向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる。そのため、負極電極端子130の位置する側から遠方の箇所でも電気抵抗の低下が少ない。従って、集電板220の電流分布の不均一性が解消され、電池の反応特性が向上する。
【0039】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、集電板は厚肉化設定又は幅広化設定がなされているものであったが、本発明の範囲はこのような実施形態に限定されるものではなく、集電板は厚肉化設定及び幅広化設定の双方がなされているものでも良い。
【0040】
また、上述の実施形態1では集電板210は板厚が連続的に増加するものであり、実施形態2では集電板220は板幅が連続的に増加するものであったが、本発明の範囲はこのような実施形態に限定されるものではない。実施形態1の変形例として、集電板210は板厚が段階的に増加するものでも良く、また、実施形態2の変形例として、集電板220は板幅が段階的に増加するものでも良い。
【0041】
例えば、図9に示されるように、平坦部213の厚さを徐々に厚肉にするが、突出部215の厚さと隆起部290の厚さとは厚肉化しない設定も可能である。このような設定の場合、集電板の電流分布の不均一性の解消性はやや低下するものの、接続部215Aの厚さが一定であるため、接続部215Aと突出端縁815との当接部に生じる当接応力を均一にしやすい。更に隆起部290の厚さが変化しないため、隆起部290と負極電極端子130との当接部に生じる当接応力を均一にしやすい。また、例えば、平坦部213と隆起部290との厚さを徐々に厚肉にするが、突出部215の厚さは厚肉化しない設定も可能である。
【0042】
また、例えば、平坦部213の幅を徐々に幅広にするが、突出部215の幅と隆起部290の幅とは幅広にしない設定も可能である。また、例えば、平坦部213と隆起部290との幅を徐々に幅広にするが、突出部215の幅は幅広にしない設定も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、携帯型電子機器、移動体通信機器又は車両等の駆動用電源として有用である。
【符号の説明】
【0044】
110:電池缶
120:封口板
130:負極電極端子
150:防爆弁
210:集電板
220:集電板
222:防爆開口部
290:隆起部
800:電極群
810:負極板
820:正極板
815:突出端縁
816:非被覆部
830:セパレータ
900:二次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する有底の電池缶と、
帯状の第1極極板と第2極極板との間にセパレータを介在させて積層し、扁平状に捲回されて捲回軸に垂直な面における断面形状が略長方形をなし、前記第1極極板の端部は、前記セパレータから突出して断面形状が略長方形の突出端縁を形成しており、該突出端縁を前記電池缶の開口部側に向けて電池缶内に収納される電極群と、
前記電池缶の開口部を塞ぎ、第1極の電極端子を長手方向の一方の端部側に備える略長板状の封口板と、
前記電極群の第1極極板の突出端縁と前記封口板との間に介挿され、前記第1極極板の突出端縁に接合されて、前記第1極極板と前記第1極の電極端子とを電気的に接続する略長板状の集電板と、を有する二次電池において、
前記集電板は、前記封口板の電極端子が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれて、前記集電板の長手方向に垂直方向の断面積が大きくなることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記集電板は、前記封口板の電極端子が備えられている側である一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその厚さが徐々に厚肉になる厚肉化設定、及び、該一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる幅広化設定、の少なくとも一方の設定がなされていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記第1極極板の突出端縁の一方の端部側には、前記幅広化設定がなされた集電板で覆われていない非被覆部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記厚肉化設定がなされた集電板は、その厚さが連続して増加することを特徴とする請求項2又は3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記幅広化設定がなされた集電板は、その幅が連続して増加することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記封口板には、二次電池の内圧が上昇すると開弁して内圧を低下させる防爆弁が設けられ、
前記幅広化設定がなされた集電板には、二次電池内部のガスを前記防爆弁へ逃がすための防爆開口部が設けられ、
前記防爆開口部は、前記一方の端部側から他方の端部側に向かうにつれてその幅が徐々に幅広になる幅広化設定がなされていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記集電板には、前記封口板側に隆起して前記第1極の電極端子と電気的に接続する隆起部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記集電板には電極群側へ突出する突出部が設けられており、前記集電板は前記突出部にて前記第1極極板の突出端縁に接合されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−20731(P2013−20731A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151159(P2011−151159)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成23年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発 要素技術開発 高耐久形高容量・高出力リチウム二次電池の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】