説明

二次電池

【課題】電極体の温度が許容範囲を超えることで不具合が生じてしまうことを防止すること。
【解決手段】正極側集電端子30A及び正極12、もしくは負極側集電端子及び負極の少なくともいずれか一方を、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、正極側集電端子30Aと正極12との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続を遮断可能な第1〜第6接続部材51〜56により接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極と負極との間を絶縁してこれらを捲回、又は積層してなる電極体を備えた二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(蓄電池)として例えば特許文献1に開示のものがある。図5に示すように、特許文献1の蓄電池は、正極用及び負極用の電極板71が複数枚積層されるとともに、正極用及び負極用の各電極板71に各集電端子72が接続された構成になっている。正極用及び負極用の電極板71は、活物質が塗布されている反応部73及び活物質が塗られていないリード部74とから形成されている。なお、図5では正極側の構成のみ図示し、負極側の構成は省略している。また、図5では、説明の便宜上、複数の電極板71のうちの第1〜第4電極板71a,71b,71c,71dのみを図示している。
【0003】
集電端子72の側面には第1〜第4溶接面72a,72b,72c,72dが形成されている。第1〜第4溶接面72a,72b,72c,72dは、第1〜第4電極板71a,71b,71c,71dが積層される方向(図5に示す矢印W1の方向)に互いに異なる位置に配置されている。また、第1〜第4電極板71a,71b,71c,71dが積層される方向と直交する方向(図5に示す矢印W2の方向)においては、第1溶接面72a及び第2溶接面72bと、第3溶接面72c及び第4溶接面72dとが互いに異なる位置に配置されている。そして、第1電極板71a及び第2電極板71bのリード部74の突起部74aを束ねて第1溶接面72aに溶接することで、第1電極板71a及び第2電極板71bが集電端子72に接続される。同様に、第3電極板71c及び第4電極板71dのリード部74の突起部74aを束ねて第3溶接面72cに溶接することで、第3電極板71c及び第4電極板71dが集電端子72に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−213299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような蓄電池は、充放電に伴う第1〜第4電極板71a,71b,71c,71dの発熱によって温度が許容範囲を超えると不具合が生じる虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、電極体の温度が許容範囲を超えることで不具合が生じてしまうことを防止することができる二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、正極と負極との間を絶縁してこれらを捲回、又は積層してなる電極体を備え、前記正極に正極側集電端子が接続されるとともに、前記負極に負極側集電端子が接続される二次電池であって、前記正極側集電端子及び前記正極、もしくは前記負極側集電端子及び前記負極の少なくともいずれか一方は、前記電極体の温度が所定の温度に達したときに、前記正極側集電端子と前記正極との接続、もしくは前記負極側集電端子と前記負極との接続を遮断可能な接続部材により接続されていることを要旨とする。
【0007】
ここで、「所定の温度」とは、電極体の温度において、二次電池が正常に動作しなくなることが無い許容範囲内に存在する温度であり、その許容範囲内において上限に近い温度のことである。この発明によれば、電極体の温度が所定の温度に達したときに、接続部材により接続された正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続が遮断されるため、例えば、充放電に伴う電極体の発熱によって電極体の温度が所定の温度よりも上昇してしまうことを未然に防止することができる。その結果として、電極体の温度が許容範囲を超えることで二次電池に不具合が生じてしまうことを防止することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続部材は、前記電極体の温度が所定の温度に達したときに、前記電極体の熱により溶融する低融点合金により形成されていることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、電極体の温度が所定の温度に達したときに、接続部材が溶融することで、正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続を遮断することができる。よって、例えば、切断手段を用いて接続部材を切断することで、正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続を遮断する場合に比べて、正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続を容易に遮断することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記接続部材は、前記正極側集電端子と前記正極との接続、もしくは前記負極側集電端子と前記負極との接続が遮断された状態において、前記電極体の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になったときに、前記正極側集電端子と前記正極、もしくは前記負極側集電端子と前記負極とが遮断状態から接続状態へ復帰可能になっていることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続が一度遮断された二次電池を再び使用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記接続部材は温度に応じて変形可能な材質により形成されていることを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、電極体の温度が所定の温度に達したときに、電極体の熱によって接続部材が変形し、正極側集電端子と正極との接続、もしくは負極側集電端子と負極との接続が遮断される。その後、電極体の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になると、接続部材の温度も下がることで接続部材が元の形状に復帰し、正極側集電端子と正極、もしくは負極側集電端子と負極とが遮断状態から接続状態へ復帰することができる。よって、電極体の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になったときに、例えば、復帰手段を用いて接続部材を元の形状に復帰させて、正極側集電端子と正極、もしくは負極側集電端子と負極とが遮断状態から接続状態へ復帰させるようにする場合に比べて、容易に正極側集電端子と正極、もしくは負極側集電端子と負極とが遮断状態から接続状態へ復帰させることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、電極体の温度が許容範囲を超えることで不具合が生じてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態における二次電池の縦断面図。
【図2】電極体の一部を展開して示す斜視図。
【図3】正極側集電端子の本体部を表面側から見た斜視図。
【図4】正極側集電端子と正極との接続状態を示す断面図。
【図5】従来例における二次電池の一部を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、二次電池10は、電極体11と、電極体11を収容するケースCと、ケースCの蓋Fとから構成されている。ケースCは一面が開口する有底矩形箱状をなすとともに、内部に電解液が注入されている。蓋Fには、正極端子F1及び負極端子F2が取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、電極体11は、帯状の正極12と帯状の負極13との間に帯状のセパレータ14を介在させて正極12と負極13との間を絶縁し、これらを捲回軸L周りに渦捲き状に捲回して構成されている。正極12はアルミニウムから形成されるとともに、負極13は銅から形成されている。正極12及び負極13には、活物質が塗布されている塗工部12a,13aと、活物質が塗布されていない未塗工部12b,13bとが形成されている。
【0017】
正極12及び負極13は、セパレータ14を介して幅方向にずらして積層されるとともに、正極12及び負極13の未塗工部12b,13bを、セパレータ14の両端縁14a,14bから夫々外側へ突出させた状態で捲回軸L周りに渦捲き状に捲回される。そして、正極12、負極13及びセパレータ14が渦捲き状に捲回された後、正極12、負極13及びセパレータ14を径方向両側から圧縮することにより扁平状の電極体11が形成される。電極体11は、周方向(図2に示す矢印Y1の方向)両端に位置する弧状に湾曲するように折り曲げられた両折り曲げ部21,22と、周方向に延びて両折り曲げ部21,22同士を繋ぐ連結部23とから形成されている。
【0018】
図1に示すように、電極体11の捲回軸L方向両端において、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bには正極側集電端子30Aが接続されるとともに、負極13の未塗工部13bには負極側集電端子30Bが接合されている。
【0019】
以下、正極12の未塗工部12bに接合される正極側集電端子30Aについて詳しく説明する。なお、負極13の未塗工部13bに接合される負極側集電端子30Bは、正極12の未塗工部12bに接合される正極側集電端子30Aと同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0020】
図3に示すように、正極側集電端子30Aの本体部30Cは、基端から先端に向かうにつれて先細りする平板形状をなしている。本体部30Cには、その先端側に先端部301aが形成されており、先端部301aの両側面には第1取付面31及び第2取付面32が形成されている。第1取付面31及び第2取付面32は側面視矩形状をなす平坦面状に形成されるとともに、電極体11の周方向(図3に示す矢印Y1の方向)へ互いに平行に延びている。
【0021】
本体部30Cには、先端部301aの基端に連なる第1連繋部302aが形成されている。第1連繋部302aの両側面には、本体部30Cの先端から基端に向かうにつれて、未塗工部12bの層間に挿入された状態において電極体11における層の厚さ方向(図3に示す矢印Z1の方向)に、夫々が離れるように傾斜する第1傾斜面37及び第2傾斜面38が形成されている。第1傾斜面37は第1取付面31と連なるとともに、第2傾斜面38は第2取付面32と連なっている。ここで、「電極体11における層の厚さ方向」とは、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層が並ぶ方向と同じ方向のことをいう。
【0022】
本体部30Cには、第1連繋部302aの基端に連なるとともに本体部30Cの中央に位置する中央部303aが形成されている。中央部303aの両側面には第3取付面33及び第4取付面34が形成されている。第3取付面33及び第4取付面34は側面視矩形状をなす平坦面状に形成されるとともに、電極体11の周方向へ互いに平行に延びている。第3取付面33は第1傾斜面37と連なるとともに、第4取付面34は第2傾斜面38と連なっている。
【0023】
本体部30Cには、中央部303aの基端に連なる第2連繋部304aが形成されている。第2連繋部304aの両側面には、本体部30Cの先端から基端に向かうにつれて、未塗工部12bの層間に挿入された状態において電極体11における層の厚さ方向に、夫々が離れるように傾斜する第3傾斜面39及び第4傾斜面40が形成されている。第3傾斜面39は第3取付面33と連なるとともに、第4傾斜面40は第4取付面34と連なっている。
【0024】
本体部30Cには、第2連繋部304aの基端に連なるとともに本体部30Cの基端側に位置する一対の基端部305a,306aが形成されている。各基端部305a,306aにおいて、電極体11における層の厚さ方向外側の側面には、第5取付面35及び第6取付面36が形成されている。第5取付面35及び第6取付面36は側面視矩形状をなす平坦面状に形成されるとともに、電極体11の周方向へ互いに平行に延びている。第5取付面35は第3傾斜面39と連なるとともに、第6取付面36は第4傾斜面40と連なっている。また、各基端部305a,306aにおける互いに対向する側面41,42の間には幅H9分だけ間隔があいている。
【0025】
電極体11における層の厚さ方向において、第1取付面31と第2取付面32との間の距離H1、第1取付面31と第3取付面33との間の距離H2、第3取付面33と第5取付面35との間の距離H3、第2取付面32と第4取付面34との間の距離H4、及び第4取付面34と第6取付面36との間の距離H5は全て同じになっている。すなわち、第1〜第6取付面31〜36は、電極体11における層の厚さ方向において等間隔おきに配置されている。
【0026】
また、電極体11の周方向において、第1取付面31及び第2取付面32と第3取付面33及び第4取付面34との間の距離H11は、第3取付面33及び第4取付面34と第5取付面35及び第6取付面36との間の距離H12と同じになっている。すなわち、第1取付面31及び第2取付面32と第3取付面33及び第4取付面34と第5取付面35及び第6取付面36とは、電極体11の周方向において等間隔おきに配置されている。
【0027】
本体部30Cにおける電極体11側(正極12の未塗工部12b側)の面とは反対側の面である表面301には、正極端子F1に接続される端子接続部45が設けられている。なお、負極13の未塗工部13bに接合される負極側集電端子30Bにおいて、本体部30Cの表面301に設けられる端子接続部45は負極端子F2に接続される。
【0028】
第1〜第6取付面31〜36には、接続部材としての第1〜第6接続部材51〜56が固着されている。第1〜第6接続部材51〜56は矩形板状をなすとともに、低融点合金(インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)を複合してなる合金)により形成されている。この低融点合金の融点は約100℃である。第1〜第6接続部材51〜56の長手方向一端側は第1〜第6取付面31〜36に接続されるとともに、長手方向他端側は正極側集電端子30Aにおける正極12の未塗工部12b側の面である裏面302よりも正極12の未塗工部12b側へ突出している。第1〜第6接続部材51〜56の短手方向の幅は、電気が流れ易く、且つ溶融し易い幅に設定されており、この幅は、例えば実験等によって得られる。
【0029】
図4に示すように、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの各層において、未塗工部12bは、未塗工部12bの各層に対応する第1〜第6取付面31〜36に取り付けられた第1〜第6接続部材51〜56の長手方向他端側に接続されている。なお、本実施形態では、連結部23は、6つの正極12の未塗工部12bの層から形成されているものとする。
【0030】
具体的には、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向(図4に示す矢印Z1の方向)において最も一端側に位置する第1層S1の未塗工部12bは、第5接続部材55の他端側に接続されている。また、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向において一端側から2層目に位置する第2層S2の未塗工部12bは、第3接続部材53の他端側に接続されている。さらに、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向において一端側から3層目に位置する第3層S3の未塗工部12bは、第1接続部材51の他端側に接続されている。また、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向において一端側から4層目に位置する第4層S4の未塗工部12bは、第2接続部材52の他端側に接続されている。さらに、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向において一端側から5層目に位置する第5層S5の未塗工部12bは、第4接続部材54の他端側に接続されている。また、連結部23を形成する正極12の未塗工部12bの層のうち、電極体11における層の厚さ方向において最も他端側に位置する第6層S6の未塗工部12bは、第6接続部材56の他端側に接続されている。
【0031】
第1〜第6接続部材51〜56の他端側と未塗工部12bとは、その接触部位に向けてレーザービームを照射することで、その接触部位が溶融し、これら溶融した部位が再凝固することで互いに接合されている。これにより、正極側集電端子30Aと正極12の未塗工部12bとが接続されている。
【0032】
なお、負極側集電端子30Bと負極13の未塗工部13bとの接続は、正極側集電端子30Aと正極12の未塗工部12bとの接続と同じであるため、その詳細な説明を省略する。このため、負極側集電端子30Bと負極13の未塗工部13bとの接続についての説明は、前述の説明中における「正極12」を「負極13」に、「正極側集電端子30A」を「負極側集電端子30B」に、「未塗工部12b」を「未塗工部13b」に夫々読み替えることで説明される。
【0033】
そして、各端子接続部45を正極端子F1又は負極端子F2に接続するとともに、正極側集電端子30A又は負極側集電端子30Bを介して正極12又は負極13と正極端子F1又は負極端子F2とが接続された電極体11をケースCに収容し、蓋FによりケースCの開口を塞いで密閉することで二次電池10が構成される。
【0034】
次に、本実施形態の作用について説明する。
二次電池10において、充放電に伴う電極体11の発熱によって、電極体11の温度が上昇する。電極体11の熱は第1〜第6接続部材51〜56に伝わる。そして、電極体11の温度が所定の温度(本実施形態では約100℃)に達したときに、第1〜第6接続部材51〜56は、電極体11の熱によって溶融する。これにより、第1〜第6接続部材51〜56を介した正極側集電端子30Aと正極12との接続、又は負極側集電端子30Bと負極13の未塗工部12b,13bとの接続が遮断され、二次電池10における充放電が行われなくなる。
【0035】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とを、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を夫々遮断可能な第1〜第6接続部材51〜56により接続した。よって、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、第1〜第6接続部材51〜56により接続された正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続が夫々遮断される。このため、例えば、充放電に伴う電極体11の発熱によって電極体11の温度が所定の温度よりも上昇してしまうことを未然に防止することができる。その結果として、電極体11の温度が許容範囲を超えることで二次電池10に不具合が生じてしまうことを防止することができる。
【0036】
(2)第1〜第6接続部材51〜56を低融点合金により形成した。よって、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、第1〜第6接続部材51〜56が溶融することで、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を夫々遮断することができる。したがって、例えば、切断手段を用いて第1〜第6接続部材51〜56を切断することで、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を夫々遮断する場合に比べて、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を容易に遮断することができる。
【0037】
(3)第1〜第6取付面31〜36は、電極体11における層の厚さ方向に間隔をおき、且つ電極体11の周方向に間隔をおいて配置されており、これら第1〜第6取付面31〜36に、正極12の未塗工部12b又は負極13の未塗工部13bと接続される第1〜第6接続部材51〜56が取り付けられている。よって、連結部23を形成する正極12の未塗工部12b又は負極13の未塗工部13bの各層において、正極側集電端子30Aと未塗工部12b、負極側集電端子30Bと未塗工部13bとの接続箇所を分散することができる。このため、連結部23を形成する正極12の未塗工部12b又は負極13の未塗工部13bの層同士の間で電位差が生じてしまうことを抑制することができる。その結果として、連結部23を形成する正極12又は負極13の電極反応を均一にし易くすることができる。
【0038】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、第1〜第6接続部材51〜56を、正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続が夫々遮断された状態において、電極体11の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になったときに、正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とが遮断状態から接続状態へ復帰可能な構成にしてもよい。例えば、第1〜第6接続部材51〜56を、形状記憶合金やバイメタル等の温度に応じて変形可能な材質により形成する。そして、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、電極体11の熱によって第1〜第6接続部材51〜56が変形し、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続が夫々遮断される。その後、電極体11の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になると、第1〜第6接続部材51〜56自身の温度も下がるため、第1〜第6接続部材51〜56が元の形状に復帰し、正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とが遮断状態から接続状態へ復帰する。これによれば、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続が一度遮断された二次電池10を再び使用することができる。また、例えば、別の復帰手段を用いて第1〜第6接続部材51〜56を元の形状に復帰させて、正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とが遮断状態から接続状態へ復帰させるようにする場合に比べて、容易に正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とが遮断状態から接続状態へ復帰させることができる。なお、電極体11の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になったときに、例えば、復帰手段を用いて第1〜第6接続部材51〜56を元の形状に復帰させて、正極側集電端子30Aと正極12、及び負極側集電端子30Bと負極13とが遮断状態から接続状態へ復帰させるようにしてもよい。
【0039】
○ 実施形態において、第1〜第6接続部材51〜56の幅を局部的に小さく形成してもよい。これによれば、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、第1〜第6接続部材51〜56における局部的に幅を小さくした部位から溶融し易くすることができ、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を素早く遮断することができる。
【0040】
○ 実施形態において、第1〜第6接続部材51〜56の長手方向他端側を、未塗工部12b,13bから離間する方向へ付勢する付勢力を有するように形成してもよい。そして、第1〜第6接続部材51〜56を未塗工部12b,13bに溶接する際に、第1〜第6接続部材51〜56の長手方向他端側を未塗工部12b,13b側へ押し付けるようにしながら溶接する。このようにすれば、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、第1〜第6接続部材51〜56と未塗工部12b,13bとの接合部位が外れると、第1〜第6接続部材51〜56は、未塗工部12b,13bに対して離間する方向へ跳ね上がるように勢い良く外れる。よって、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を素早く遮断することができる。
【0041】
○ 実施形態において、電極体11の温度が所定の温度に達したときに、切断手段を用いて第1〜第6接続部材51〜56を切断することで、正極側集電端子30Aと正極12との接続、及び負極側集電端子30Bと負極13との接続を遮断するようにしてもよい。
【0042】
○ 実施形態において、未塗工部12b,13bの層の数に応じて、本体部30Cに形成される取付面の数をさらに増やすとともに、接続部材の数をさらに増やしてもよい。
○ 実施形態において、本体部30Cの形状は特に限定されるものではない。例えば、平板形状でなく、厚みがある板を用いてもよい。また、第1取付面31と第2取付面32との間の距離H1、第1取付面31と第3取付面33との間の距離H2、第3取付面33と第5取付面35との間の距離H3、第2取付面32と第4取付面34との間の距離H4、及び第4取付面34と第6取付面36との間の距離H5は同じでなくともよい。さらに、第1取付面31及び第2取付面32と第3取付面33及び第4取付面34との間の距離H11と、第3取付面33及び第4取付面34と第5取付面35及び第6取付面36との間の距離H12は同じでなくともよい。
【0043】
○ 実施形態において、正極側集電端子30A又は負極側集電端子30Bのいずれか一方にのみ第1〜第6接続部材51〜56が設けられていてもよい。第1〜第6接続部材51〜56が設けられない正極側集電端子30A又は負極側集電端子30Bのいずれか一方は、未塗工部12b,13bに直接接触している必要がある。
【0044】
○ 実施形態において、例えば、未塗工部12b,13bの層のうち、第1層S1及び第2層S2の未塗工部12b,13bを束ねて、第1層S1及び第2層S2の未塗工部12b,13bを第5取付面35に取り付けられた第5接続部材55に接続してもよい。すなわち、第1〜第6取付面31〜36に取り付けられた第1〜第6接続部材51〜56に接続させる未塗工部12b,13bの層の数を適宜変更してもよい。
【0045】
○ 実施形態では、正極12及び負極13は、セパレータ14を介して幅方向にずらして積層されていたが、これに限らず、正極12及び負極13が幅方向にずれずにセパレータを介して積層されていてもよい。
【0046】
○ 実施形態では、帯状の正極12及び負極13の間に帯状のセパレータ14を介在させて、これらを捲回軸L周りに渦捲き状に捲回して構成された電極体11を用いたが、これに限らず、例えば、正極と負極との間にセパレータを介在させて、これらを積層して構成された電極体を用いてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…二次電池、11…電極体、12…正極、13…負極、30A…正極側集電端子、30B…負極側集電端子、51〜56…接続部材としての第1〜第6接続部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極との間を絶縁してこれらを捲回、又は積層してなる電極体を備え、前記正極に正極側集電端子が接続されるとともに、前記負極に負極側集電端子が接続される二次電池であって、
前記正極側集電端子及び前記正極、もしくは前記負極側集電端子及び前記負極の少なくともいずれか一方は、前記電極体の温度が所定の温度に達したときに、前記正極側集電端子と前記正極との接続、もしくは前記負極側集電端子と前記負極との接続を遮断可能な接続部材により接続されていることを特徴とする二次電池。
【請求項2】
前記接続部材は、前記電極体の温度が所定の温度に達したときに、前記電極体の熱により溶融する低融点合金により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記接続部材は、前記正極側集電端子と前記正極との接続、もしくは前記負極側集電端子と前記負極との接続が遮断された状態において、前記電極体の温度が所定の温度から予め設定された温度分だけ下がった温度になったときに、前記正極側集電端子と前記正極、もしくは前記負極側集電端子と前記負極とが遮断状態から接続状態へ復帰可能になっていることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
前記接続部材は温度に応じて変形可能な材質により形成されていることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−89318(P2013−89318A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226059(P2011−226059)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】