説明

二環式化合物の調製方法

式:


[式中:Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、その各々は、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、−C(O)R、ニトロ、−NR、シアノ、および基Rから選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく; Rは、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルキル、ハロC1−C6アルコキシ、ハロゲン、NRまたはシアノであり;
は、C1−C4アルキル、−ORまたは−NRであり;
は、水素またはC1−C6アルキルであり;
は、水素またはC1−C6アルキルであり;
は、5−6員複素環であり、飽和されていてもよく、または1〜3個の二重結合を含有していてもよく、1個または複数のR11基で置換されていてもよく;
は、C1−C6アルキルであり、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−C6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく;
11は、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、またはC(O)NRであり;
Xは、ハロゲンであり;ならびに
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
は、水素、C3−C7シクロアルキル、または基Rであり;
は、C3−C7シクロアルキル、または基Rであり;あるいは
およびRはNと一緒になって5−14員複素環を形成し、1〜3個のR10基で置換されていてもよく;
R’’は、水素であり;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
10は、基R、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C(O)NR、フェニルであり、1〜4個のR11基で置換されていてもよく;
R’’11は、R11に対応する]
本発明は、銅触媒のカップリング反応によって、式(I)で示される中間化合物から、コルチコトロピン放出因子(CRF)受容体の有効かつ特異的なアンタゴニストである、式(IA)で示される化合物を調製する新規な方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルチコトロピン放出因子(CRF)受容体の有効かつ特異的なアンタゴニストである、様々な二環式化合物の合成における主要な中間体を調製するために有用な新規の方法および中間化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
第一のコルチコトロピン放出因子(CRF)は、羊の視床下部から単離され、41個のアミノ酸のペプチドとして特定された(Valeら,Science 213:1394−1397,1981)。
CRFが、内分泌系、神経系および免疫系機能において著しい変化を生じることが見出された。CRFは、副腎皮質刺激ホルモン(「ACTH」)、ベンドルフィンおよび下垂体前葉からの他のプロオピオメラノコルチン(「POMC」)誘導ペプチドの基礎およびストレス解消の主要な生理調節因子であると考えられる(Valeら,Science 213:1394−1397,1981)。
【0003】
ACTHおよびPOMCの産生を刺激するその役割に加えて、CRFは、中枢神経系神経伝達物質の一つであると考えられ、ストレスに対して体の全反応を統一する重大な役割を果たしている。
CRFの脳への直接投与は、ストレス環境に曝された動物について観察される同一の行動的、生理的および内分泌的反応を引き起こす。
したがって、臨床データは、CRF受容体アンタゴニストが、CRFの分泌過多を明らかにする精神神経障害の処置に有用であってもよい新規の抗うつ薬および/または抗不安薬に対応してもよいことを示唆する。
【非特許文献1】Valeら,Science 213:1394−1397,1981
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一般式(I):
【化1】

で示される主要な中間体から出発し、WO03/008412に開示される、式(IA)で示される二環式CRFアンタゴニストを調製する新規の方法に関する。
【0005】
式(I)で示される化合物において、RおよびRは、WO03/008412と同義であり、すなわち:
Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、その各々は、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、−C(O)R、ニトロ、−NR、シアノ、または基Rから選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルキル、ハロC1−C6アルコキシ、ハロゲン、NRまたはシアノであり;
は、C1−C4アルキル、−ORまたは−NRであり;
は、水素またはC1−C6アルキルであり;
は、水素またはC1−C6アルキルであり;
は、飽和されていてもよく、または1〜3個の二重結合を含有していてもよく、1個または複数のR11基で置換されていてもよい5−6員複素環であり;
は、C1−C6アルキルであり、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシまたはハロC1−C6アルキルから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく;
11は、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、またはC(O)NRであり;
Xは、ハロゲンである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の態様において、本発明は、WO03/008412に開示されるように、式(IA):
【化2】

[式中:
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
は、水素、C3−C7シクロアルキル、または基Rであり;
は、C3−C7シクロアルキル、または基Rであり;あるいは
Nと一緒になってRおよびRは、5−14員複素環を形成し、1〜3個のR10基で置換されていてもよく;
R’’は、水素であり;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
10は、基R、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C(O)NR、フェニルであり、1〜4個のR11基で置換されていてもよく;
R’’11は、R11に対応する]
で示される化合物の調製に有用な方法を提供する。
【0007】
別の態様において、本発明は、R’’およびR’’がピラゾール環を形成する式(IA)で示される化合物に対応する式(IIA):
【化3】

[式中:R’’、R’’、R’’、R’’は、上記と同義である]
で示される化合物の調製に有用な方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
置換基または置換基の一部として本明細書で用いられる、C1−C6アルキルなる語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖アルキル基をいう:かかる基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシルが挙げられる。
【0009】
C3−C7シクロアルキル基なる語は、3〜7個の炭素原子を有する非芳香族単環式炭化水素環を意味する:かかる基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルが挙げられる;一方、非置換シクロアルキルは、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0010】
ハロゲンなる語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子をいう。
【0011】
ハロC1−C6アルキル、またはハロC1−C2アルキルなる語は、1個または複数の炭素原子を有するアルキル基を意味する(ここで、少なくとも1個の水素原子は、例えば、トリフルオロメチル基などのハロゲンで置換されている)。
【0012】
C1−C6チオアルキルなる語は、直鎖または分岐鎖アルキル基、例えば、チオメチル、チオエチル、チオプロピル、チオイソプロピル、チオブチル、チオsec−ブチル、チオtert−ブチルなどであってもよい。
【0013】
C2−C6アルケニルなる語は、2〜6個の炭素原子を有する1個または複数の二重結合を含有する直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを定義する:かかる基の例として、エテニル、2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニルまたは3−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0014】
C1−C6アルコキシ基なる語は、直鎖または分岐鎖アルコキシ基であってもよい;かかる基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロプ−2−オキシ、ブトキシ、ブト−2−オキシまたはメチルプロプ−2−オキシなどが挙げられる。
【0015】
ハロC1−C6アルコキシ基なる語は、少なくとも1個のハロゲンで置換される上記のC1−C6アルコキシ基であってもよい;かかる基の例として、OCHFまたはOCFが挙げられる。
【0016】
C2−C6アルキニルなる語は、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどを含む、1個または複数の三重結合を含有し、2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを定義する。
【0017】
アリールなる語は、フェニル、ビフェニルまたはナフチルなどの芳香族炭素環部を意味する。
【0018】
ヘテロアリールなる語は、単環式および二環式環系を含む、窒素、酸素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含有する5〜10員芳香族複素環を意味する。
【0019】
典型的なヘテロアリールは、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、キナゾリニルおよびベンゾジオキソリルが挙げられる(が、これに限定されない)。
【0020】
5−6員複素環なる語は、上記の定義によれば、飽和、不飽和または芳香族のいずれかであり、独立して、窒素、酸素または硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する(ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は、所望により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は、所望により四級化されていてもよい)56員単環式複素環を意味する。複素環は、上記のヘテロアリールを含む。複素環は、ヘテロ原子または炭素原子を介して結合されていてもよい。したがって、かかる用語は、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどを含む(が、これに限定されない)。
【0021】
一の態様において、本発明は、式(I)で示される化合物から出発し、式(IA)で示される化合物を調製する方法:
【化4】

であって、銅触媒のカップリング反応による方法を提供する。
【0022】
本発明の一の実施態様において、ゴルトベルク反応と同様のカップリング反応は、以下の製法にしたがって実施されていてもよい。
【0023】
CuI、CuBr、CuBr、Cu(AcO)およびCuOからなる群より選択される適当な銅触媒;ならびにシス−またはトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン、シス−およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンの混合物、シス−またはトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、シス−およびトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノエタンの混合物、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、エタノールアミン、1,10−フェナントロリン、トリフェニルホスフィン、BINAP、Acacからなる群より選択される適当なリガンドの溶液は、上記の極性非プロトン性溶媒の中から選択される適当な溶媒、またはトルエン、ジオキサン、1,2−ビス(メチルオキシ)エタン中で調製される。
次いで、上記の無機または有機塩基を添加し、次いで、上部残基(式(I)で示される化合物中の基−NR’’’R’’’)の反応性誘導体および適当な中間化合物(I)を添加した。次いで、得られた混合物を、4−48時間80℃〜150℃の範囲の温度に保持する。
次いで、混合物を最後に冷却し、二層性混合物を得るために通常処理する。有機層は、上記の適当な有機溶媒で構成される。適当な溶媒を、沈殿を改善するために添加してもよい。
【0024】
一の態様において、本発明は、以下の化合物:
3−メチル−4−[6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−ベンゾニトリル;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
4−[6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
6−メチル−1−(2−メチル−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−モルホリン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−ピリジン−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
4−[1,3’]ビピラゾリル−1’−イル−1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを調製する方法を提供する。
【0025】
一の態様において、本発明は、本発明の製法対象の例として実施例の段落に報告されている、6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの調製を提供する。
【0026】
上記の他の化合物を、6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンについての記載の製法にしたがって容易に調製してもよい。
【0027】
別の態様において、本発明は、式(IX):
【化5】

で示されるCRFアンタゴニスト化合物6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの大量調製中に形成された副生成物である、6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[5−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを提供する。
【0028】
化合物(IX)は新規化合物であり、本発明の別の実施態様である。化合物(IX)は、シンチレーション近接アッセイ(SPA)の同種の方法を用いることにより試験されている。リガンドは、CRF受容体を発現する組換え膜画分に結合し、順次、コムギ胚芽凝集素のコーティングされたSPAビーズに結合する。実施例の部分において、実験の詳細を開示するであろう。化合物は、0.1μm未満のKiを有する。
【0029】
式(I)で示される化合物を、WO04/094420、WO03/008412およびWO04/062665に開示のように調製してもよい。別法として、それらを式(VII)で示される化合物から調製してもよい。
【0030】
式(VII)で示される化合物は、以下のスキーム1:
【化6】

スキーム1
[式中:R、R、およびXは、上記と同義であり、Lgは、アルキルスルホン酸の反応性誘導体の中から選択される脱離基であり、
工程fは、化合物(VII)のヒドロキシピリジンの反応性誘導体の形成を表し;
工程gは、ハロゲン化化合物(I)を得るための化合物(VIII)の反応性誘導体の求核置換を表す]
に記載の式(I)で示される化合物を調製する方法における中間体である。
【0031】
工程fは、ヒドロキシピリジンの反応性誘導体(すなわち、脱離基、Lg)の形成を表す。脱離基は、アルキルスルホン酸の反応性誘導体であってもよく、メシラート、トシラート、トリフラートを含むが、これに限定されない。
塩素化溶媒(例えば、ジクロロメタン)を含むがこれに限定されない、適当な溶媒中の中間化合物(VII)の懸濁液に、水性溶液中の無機塩基を添加し、対応する塩を得る。
適当な無機塩基を、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択してもよい。
そのように形成された塩を分離してもよく、次いで、有機アミンをN下にて室温で添加する。本発明の一の実施態様において、有機アミンはピリジンまたはトリエチルアミンであってもよい。
次いで、混合物を低温(−10℃以下)まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸(triflic)無水物もしくはメタンスルホン酸無水物または塩化メタンスルホニルを慎重に添加する。次いで、反応混合物を通常処理する。
本発明の別の実施態様において、溶液に、予め調製された所望の中間化合物(VIII)の純粋な種晶を添加してもよい。
【0032】
工程gは、式(I)で示される化合物を得るための化合物(VIII)の脱離基の求核置換を表す。
本発明の一の実施態様において、Xはヨウ素であってもよい。
別の実施態様において、Xは臭素であってもよい。
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリジノン(NMP)、アセトニトリル、直鎖または分岐鎖C1−C6アルコール溶媒または非極性溶媒からなる群より選択される極性非プロトン性溶媒を含むがこれに限定されない、適当な溶媒中の中間化合物(VIII)の溶液に、メタンスルホン酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸からなる群より選択される有機酸を添加し、次いで、LiCl、LiBr、LiI、NaCl、NaBr、NaI、KCl、KBr、またはKIを含むアルカリイオンとハロゲン化物塩を添加した。
得られた混合物を通常、2−24時間50〜120℃の範囲の温度に保持する。最後に、反応混合物を通常処理し、二層性混合物を得る。有機層は通常、上記のエーテルまたはエステル溶媒などの適当な有機溶媒で構成される。
以下に記載されうる二環式CRFアンタゴニストの形成のために、粗生成物をそのものとして次の工程に用いてもよい。
【0033】
式(VI)で示される化合物を、WO04/062665およびWO04/094420に開示のように調製してもよい。
【0034】
式(VI)で示される化合物は、互変異性型で存在していてもよい。
【化7】

【0035】
式(IV)の調製方法は、式(II)で示される化合物から出発し、スキーム2記載の以下の工程:
【化8】

スキーム2
[式中:Rは上記と同義であり、Rgは、ハロゲン、アルキルスルホン酸の反応性誘導体から選択される反応基であり、
工程aは、加熱による、塩基の存在下におけるブチロニトリルの反応性誘導体と式(II)で示される適当なアリールアミンまたはヘテロアリールアミンのアルキル化を表し;
工程bは、所望の化合物(IV)を得るための化合物(III)の環化、酸による触媒および加熱により、最終化合物(I)中に含まれる環Bを形成しうる化合物(IV)のピロリジノン部の形成を表す]
を含む本発明の一の実施態様である。
【0036】
出発物質R−NHは、文献公知の一般的な化合物であってもよい。そうでなければ、それを、当業者に既知の従来方法を用いて調製してもよい。
【0037】
工程aは、加熱による、塩基の存在下におけるブチロニトリルの反応性誘導体と式(II)で示される適当なアリールアミンまたはヘテロアリールアミンのアルキル化を表す。
適当なアリールアミンまたはヘテロアリールアミンを、限定されないが第三級C1−C6ジアルキルアミンを含む適当な溶媒で溶解する。
本発明の一の実施態様において、第三級C1−C6ジアルキルアミンは、必要に応じて、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリジノン(NMP)、アセトニトリルからなる群より選択される極性非プロトン性溶媒を一緒に有するトリエチルアミンまたはジイソプロピルアミンであってもよい。
反応を通常、100−150℃の範囲に含まれる温度で実施する。
本発明の一の実施態様において、ブチロニトリルの反応性誘導体は、ハロゲン誘導体である。さらなる実施態様において、ハロゲンはClまたはBrであってもよい。
反応性誘導体を、N下で滴下する。次いで、反応混合物を、2−6時間攪拌する。次いで、混合物を室温に冷却し、限定されないが直鎖、分岐鎖または環状C1−C6ジアルキルエーテルを含む適当な溶媒で希釈する。
本発明の一の実施態様において、溶媒を、メチル-t-ブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる群より選択してもよい。
次いで、反応混合物を通常処理し、最後に、適当な共溶媒を添加する。適当な共溶媒をC1−C10環状アルカンの置換基から選択してもよい。
本発明の一の実施態様において、共溶媒はシクロヘキサンであってもよい。
粗生成物をそのものとして次の工程に用いてもよい。
【0038】
工程bは、化合物(III)の環化によって、最終化合物(I)中に含まれる環Bを形成しうる化合物(I)のピロリジノン部の形成を表す。
限定されないが直鎖または分岐鎖C1−C6アルコール溶媒またはC1−C10芳香族溶媒あるいは直鎖、分岐鎖または環状C1−C6ジアルキルエーテルを含む適当な溶媒中の中間化合物(III)の懸濁液に添加する。
本発明の一の実施態様において、アルコール溶媒はイソプロパノールであってもよく;芳香族溶媒はトルエンであってもよく、エーテル溶媒はテトラヒドロフラン(THF)であってもよい。
次いで、1.5当量の酸を、N下にて室温で添加する。
最も適当な酸は、当業者に既知の有機酸または無機酸の中から選択されてもよい。
有機酸は、酢酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、コハク酸、ピルビン酸、シュウ酸、オキサロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸およびイセチオン酸を含むが、これに限定されない。
無機酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、水素リン酸を含むが、これに限定されない。
【0039】
本発明の一の実施態様において、有機酸は、p-トルエンスルホン酸またはメタンスルホン酸であってもよく、無機酸は、塩酸(HCl)であってもよい。
次いで、混合物を通常、4−8時間加熱還流し、最後に通常処理し、二層性混合物を得る。有機層は通常、限定されないが塩素化溶媒または有機酸のエステルを含むがこれに限定されない適当な有機溶媒で構成される。
本発明の一の実施態様において、塩素化溶媒はジクロロメタンであってもよく、有機酸のエステルは酢酸エチルであってもよい。
粗生成物をそのものとして次の工程に用いてもよい。
【0040】
本発明の一の実施態様において、工程aおよび工程bは、式(IVB)で示される化合物を製造するために、以下のスキーム3:
【化9】

スキーム3
に記載の中間体(III)を単離することなく連続して実施されていてもよく、塩基性条件下における処置後に化合物(IV)として用いられうる。
【0041】
化合物(IV)は、工程(b)に用いられる反応性ブチロニトリルの種類によって、適当な塩、例えば、臭化水素酸塩として単離されてもよい。次いで、ブロモブチロニトリルは、臭化水素酸塩として化合物(IVB)を得るために用いられうる。
実施例の段落に含まれる1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジンイミン(ピロリジニミン)臭化水素酸塩の調製は、本発明の方法を実施するためのかかる別法の例である。
【0042】
化合物(VII)の調製方法は、式(IV)で示される化合物から出発し、以下の工程:
【化10】

スキーム4
[式中:RおよびRは、上記と同義であり、
工程cは、加熱による化合物(IV)に対するブチン酸塩誘導体のマイケル付加を表し;
工程dは、芳香族化合物(VI)を得るための塩基性条件下における環化を表し;
工程eは、化合物(VI)に対する適当な酸の付加による塩形成を表す]
を含む、本発明の別の実施態様である。
【0043】
スキーム4における化合物(IV)は、以下のスキーム5:
【化11】

スキーム5
で説明するように適当な塩基における塩基処理の第一工程c’を提供する化合物(IVB)に置換されていてもよい。
【0044】
工程cは、中間化合物(IV)に対する適当なブチン酸塩誘導体のマイケル付加を表す。
限定されないが上記のエーテル溶媒、極性非プロトン性溶媒またはアルコール溶媒を含む適当な溶媒中の中間化合物(IV)の溶液に、1.0−1.5当量の2−ブチン酸のエステル誘導体を、N下にて室温で添加する。
本発明の一の実施態様において、2−ブチン酸のエステル誘導体は、2−ブチン酸エチルであってもよい。
混合物を加熱還流し、室温まで冷却する前に2−20時間保持した。次いで、反応混合物を蒸発乾固した。粗製油をそのものとして次の工程に用いてもよい。
【0045】
工程dは、芳香族化合物(VI)を得るための中間化合物(V)の塩基性条件における環化を表す。上記のエーテル溶媒、アルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒中から選択される適当な溶媒中の中間化合物(V)の溶液に、カリウムt−ブトキシド、ヘキサメチルジシラザンリチウム、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン、水素化ナトリウムからなる群より選択される適当な塩基を、N下にて室温で添加する。
次いで、反応混合物を通常、加熱還流し、2−14時間攪拌し、最後に通常処理し、二層性混合物を得る。有機層は通常、限定されないが塩素化溶媒を含む適当な有機溶媒で構成される。
本発明の一の実施態様において、塩素化溶媒は、ジクロロメタンであってもよい。
粗生成物をそのものとして次の工程に用いてもよい。
【0046】
工程eは、中間化合物(VI)に対する適当な酸の付加による化合物(VII)の形成を表す。
化合物(VI)を、限定されないが直鎖、分岐鎖または環状C1−C6ジアルキルエーテル、直鎖または分岐鎖脂肪族C1−C6ケトン溶媒を含む適当な溶媒中で溶解する。次いで、溶液を適当な無機酸で処理する。
本発明の一の実施態様において、ケトン溶媒は、アセトンまたは2−ブタノンであってもよく、エーテル溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)であってもよく、酸は、スルホン酸であってもよい。さらなる実施態様において、スルホン酸は、p−トルエンスルホン酸またはメタンスルホン酸であってもよい。
別の実施態様において、溶液に、予め調製された所望の中間化合物(VII)の純粋な種晶を添加してもよい。
2−10時間後、懸濁液を濾過し、ケーキを別の溶媒で洗浄する。
次いで、回収した固体を一般的方法で乾燥する。
【0047】
化合物(VII)の形成は、精製法に関する限りで処理操作を改善する。実際には、これらの塩形成の導入により、今回、クロマトグラフ法を用いることなく適当で純粋な中間体を得ることが可能となる。加えて、かかる中間体の単離は、次の工程において不純物をプロファイルする以上のより良い制御を可能とする。
【0048】
本発明の化合物は、CRF受容体が関与する中枢神経系障害の処置に有用である。特に、双極性うつ病、単極性うつ病、精神病性特徴、緊張性特徴、憂うつ性特徴、非典型的特徴または分娩後開始の有無に関わらない単一性もしくは再発性大うつ病エピソードを含む大うつ病性障害の処置または予防、不安症の処置およびパニック障害の処置において有用である。他の気分障害は、非典型的特徴の有無に関わらない早期発症型または遅発型の気分変調性障害、神経症性うつ病、外傷後ストレス障害、術後ストレスおよび社会恐怖症を含む大うつ病性障害;抑うつ気分の早期発症型または遅発型のアルツハイマー型の認知症;抑うつ気分の血管性認知症;アルコール、アンフェタミン、コカイン、幻覚剤、吸入剤、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬および他の物質により誘発される気分障害;抑うつ型の統合失調性感情障害;ならびに抑うつ気分の適応障害なる用語に含まれる。大うつ病性障害はまた、心筋梗塞、糖尿病、流産または妊娠中絶などを含むがこれに限定されない一般的健康状態によって生じうる。
【0049】
本発明の化合物はまた、妄想型統合失調症、解体型統合失調症、緊張型統合失調症、未分化型(undifferentiated)統合失調症、残遺型統合失調症を含む、統合失調症の処置または予防に有用である。
【0050】
本発明の化合物は、鎮痛剤として有用である。特に、術後疼痛などの外傷痛;腕神経叢などの外傷性剥離障害;骨関節炎、関節リウマチまたは乾癬性関節炎などの関節痛などの慢性疼痛;ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、分節または肋間神経痛、線維筋痛、灼熱痛、末梢神経障害、糖尿病性ニューロパシー、化学療法起因性ニューロパシー、AIDS関連ニューロパシー、後頭神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、幻肢痛などの神経因性疼痛;片頭痛、急性または慢性緊張性頭痛、側頭下顎痛、上顎洞痛、群発頭痛などのさまざまな頭痛;癌疼痛;内臓由来の疼痛;胃腸痛;神経絞扼痛;スポーツ損傷による疼痛;月経困難症(dysmennorrhoea);生理痛;髄膜炎;くも膜炎;筋骨格系疼痛;腰痛(例えば、脊髄の狭窄);椎間板ヘルニア(prolapsed disc);坐骨神経痛;アンギナ;強直性脊椎炎;痛風;熱傷;傷跡の疼痛;掻痒;および脳卒中後視床痛などの視床痛の処置に有用である。
【0051】
本発明の化合物はまた、食欲および食物摂取の機能障害ならびに拒食症、神経性無食欲症および過食症などの状況における処置に有用である。
【0052】
本発明の化合物はまた、ジソムニア(dysomnia)、不眠、睡眠時無呼吸、ナルコレプシー、およびリズム障害を含む睡眠障害の処置に有用である。
【0053】
本発明の化合物はまた、認知障害の処置または予防に有用である。認知障害には、認知症、健忘障害および特定不能の認知障害が含まれる。
【0054】
さらに、本発明の化合物は、認知および/または記憶障害がない健康なヒトの記憶および/または認知エンハンサーとして有用である。
【0055】
本発明の化合物はまた、多数の物質に対する耐性および依存症の処置に有用である。例えば、それは、ニコチン、アルコール、カフェイン、フェンシクリジン(フェンシクリジン様化合物)に対する依存症の処置、またはアヘン剤(例えば、大麻、ヘロイン、モルヒネ)またはベンゾジアゼピン系薬に対する耐性および依存症の処置;コカイン、催眠鎮静薬、アンフェタミンもしくはアンフェタミン関連薬(例えば、デキストロアンフェタミン、メチルアンフェタミン)中毒またはその組み合わせの処置に有用である。
【0056】
本発明の化合物はまた、抗炎症薬として有用である。特に、それらは、喘息、インフルエンザ、慢性気管支炎および関節リウマチの処置;クローン病、潰瘍性大腸炎、術後腸閉塞(POI)、炎症性大腸炎(IBD)および非ステロイド性抗炎症薬誘発損傷などの胃腸管の炎症性疾患;ヘルペスおよび湿疹などの皮膚の炎症性疾患;膀胱炎および急迫性尿失禁などの膀胱の炎症性疾患;ならびに目および歯の炎症の処置に有用である。
【0057】
本発明の化合物は、アレルギー性疾患、特に、蕁麻疹などの皮膚のアレルギー性疾患、および鼻炎などの気道のアレルギー性疾患の処置に有用である。
【0058】
本発明の化合物はまた、嘔吐症、すなわち、悪心(nausea)、レッチング(retching)および嘔吐(vomiting)の処置に有用である。嘔吐症には、急性嘔吐、遅発性嘔吐および予期嘔吐が含まれる。本発明の化合物は、どんなに誘発された嘔吐症であっても、その処置に有用である。例えば、嘔吐症は、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、カルマスティン、ロムスチンおよびクロラムブシル);細胞毒性抗生物質(例えば、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシンCおよびブレオマイシン);代謝拮抗剤(例えば、シタラビン、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル);ビンカ・アルカロイド(例えば、エトポシド、ビンブラスチンおよびビンクリスチン);ならびに例えば、シスプラチン、ダカルバジン、プロカルバジンおよびヒドロキシ尿素の他の薬剤などの抗ガン化学療法剤;ならびにその組み合わせなどの薬剤;放射能疾患;ガンの処置などの放射線治療(例えば、胸部または腹部のX線照射);毒;代謝性障害また感染症(例えば、胃炎、または細菌性もしくはウイルス性胃腸感染症)が起因する毒素などの毒素;妊娠;乗り物酔い、回転性めまい、浮動性めまいおよびメニエール病などの前庭障害;術後疾患;消化管閉塞;胃腸運動性低下;内臓痛(例えば、心筋梗塞または腹膜炎);片頭痛;頭蓋内圧亢進;頭蓋内圧低下(例えば、高山病);モルヒネなどのオピオイド鎮痛薬;ならびに胃・食道逆流性疾患、胃酸過多、食物または飲料の過剰摂取、胃酸、胃の不快感、胸焼け/逆流、一過性胸焼け、夜間胸焼け、および食事誘発胸焼けなどの胸焼けならびに消化不良により誘発されうる。
【0059】
本発明の化合物は、過敏性腸症候群(IBS)などの胃腸障害;乾癬、掻痒および日焼けなどの皮膚障害;アンギナ、血管性頭痛およびレイノー病などの血管けいれん性疾患;くも膜下出血に続く脳血管けいれんなどの脳虚血;強皮症および好酸性肝蛭症などの線維症および膠原病;全身性エリテマトーデスなどの免疫促進または抑制に関連する障害および結合組織炎などのリウマチ性疾患;ならびに咳の処置に特に有用である。
【0060】
本発明の化合物は、脳卒中、血栓寒栓性卒中、出血性脳卒中、脳虚血、脳血管けいれん、低血糖、低酸素症、酸素欠乏症、周生期仮死、心停止に付随する神経毒性損傷の処置に有用である。
【0061】
したがって、本発明は、治療、特に、ヒトの医薬で用いる式(IX)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
【0062】
本発明のさらなる態様として、CRFによって媒介される病態の処置に用いるための医薬の調製における式(IX)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
【0063】
別法またはさらなる態様において、有効量の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物の投与を含む、ヒトを含む哺乳動物の処置、特に、CRFによって媒介される病態の処置のための方法が提供される。
【0064】
治療に用いるために、本発明の化合物を、粗化学物質として投与することは可能であるが、例えば、薬剤が所望の投与経路および標準的な薬務に関して選択される適当な医薬賦形剤、希釈剤または担体と混合している場合には、医薬処方として活性成分を含むことが好ましい。
【0065】
さらなる態様において、本発明は、医薬上許容される担体および/または賦形剤と共に本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物を提供する。担体および/または賦形剤は、処方の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容」されなければならない。
【0066】
したがって、本発明はさらに、医薬上許容される担体および/または賦形剤と共に本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬処方を提供する。担体および/または賦形剤は、処方の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容」されなければならない。
【0067】
さらに本発明により医薬組成物を調製する方法が提供され、方法は、少なくとも1つの本発明の化合物またはその医薬上許容される誘導体を医薬上許容される担体および/または賦形剤と共に合することを含む。
【0068】
医薬組成物は、ヒトまたは動物用のヒトおよび動物薬であってもよく、典型的には、1種または複数の医薬上許容される希釈剤、担体または賦形剤を含むであろう。治療的用途のための許容される担体または希釈剤は、医薬分野において既知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro edit.1985)に記載されている。医薬担体、賦形剤または希釈剤の選択は、所望の投与経路および標準的な薬務に関して選択されうる。医薬組成物は、担体、賦形剤もしくは希釈剤として、またはそれに加えて適当な結合剤(複数でも可)、潤滑剤(複数でも可)、懸濁化剤(複数でも可)、コーティング剤(複数でも可)、可溶化剤(複数でも可)を含んでいてもよい。
【0069】
保存剤、安定剤、染料そしてさらに香料添加剤を医薬組成物中に提供してもよい。保存剤の例として、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。抗酸化剤および懸濁化剤をまた用いてもよい。
【0070】
異なる送達システムによって決まる異なる組成物/剤形の条件があってもよい。一例として、本発明の医薬組成物は、ミニポンプを用いてまたは粘膜経路により、例えば、鼻腔用スプレーまたは吸入用エアロゾルまたは摂取可能な液剤として、あるいは非経口的に送達されるように処方してもよく、組成物は、例えば、静脈内、筋肉内または皮下経路で、送達するための注射剤型で処方される。別法として、処方は、両方の経路で送達されるように設計してもよい。
【0071】
薬剤が胃腸粘膜を介して粘膜に送達される場合、薬剤は胃腸管を介する輸送の間安定な状態を保持するはずであり;例えば、薬剤はタンパク質分解に耐性、酸性pHで安定および胆汁の洗浄効果に耐性を示すはずである。
【0072】
必要に応じて、医薬組成物は、吸入により、坐薬もしくはペッサリーの形態で、典型的には、ローション、液剤、クリーム、軟膏もしくは散布剤の形態で、皮膚用パッチ剤の使用により、でんぷんもしくは乳糖などの賦形剤を含有する錠剤の形態で、またはカプセル剤もしくは小卵(ovule)単独もしくは賦形剤と混合して、香料添加剤もしくは着色剤を含有するエリキシル剤、液剤もしくは懸濁剤の形態で投与されうるか、あるいは非経口的に、例えば、静脈内に、筋肉内にまたは皮下に注射されうる。
非経口投与について、組成物は、血液と等張の溶液を製造するために他の物質、例えば、十分な塩または単糖を含有していてもよい無菌水性溶液の形態で最も用いられうる。口腔または舌下投与について、組成物は、従来どおりに処方することができる錠剤またはトローチ剤の形態で投与してもよい。
【0073】
いくつかの実施態様について、本発明の薬剤はまた、シクロデキストリンと併用して用いてもよい。シクロデキストリンは、薬物分子と包接および非包接複合体を形成することが知られている。薬物−シクロデキストリン複合体の形成は、溶解度、溶出速度、バイオアベイラビリティおよび/または薬物分子の安定度特性を修飾してもよい。薬物−シクロデキストリン複合体は、一般に、最も剤形および投与経路に有用である。薬物との直接的複合体形成の別法として、シクロデキストリンは、補助添加剤、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として用いてもよい。α、βおよびγ−シクロデキストリンは、最も一般的に用いられ、適当な例は、WO−A−91/11172、WO−A−94/02518およびWO−A−98/55148に記載されている。
【0074】
一の実施態様において、本発明の薬剤は、全身的に(経口、口腔、舌下など)送達される。別の実施態様において、薬剤は経口で送達される。
本発明の化合物は、錠剤処方および他の処方タイプについて適当な粒径を得るために湿式粉砕などの既知の製粉法を用いて製粉してもよい。最後に、本発明の化合物の分割された(ナノ粒子)製剤は、当業者に既知の方法、例えば、国際特許出願番号第WO02/00196号(SmithKline Beecham)を参照することにより調製してもよい。
【0075】
経口投与について、医薬組成物は、例えば、結合剤(例えば、プレゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはデンプングリコール酸ナトリウム);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの医薬上許容される賦形剤と従来の手法により調製される錠剤またはカプセルの形態を成してもよい。錠剤は、当業者に既知の方法によりコーティングされていてもよい。経口投与用液体製剤は、例えば、液剤、シロップまたは懸濁液の形態を成していてもよく、またはそれらは、使用前に水もしくは他の適当なビヒクルとの形成のための乾燥生成物として存在していてもよい。かかる液体製剤は、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または硬化食用脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分画植物油);および保存剤(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシ安息香酸塩またはソルビン酸)などの医薬上許容される添加剤と従来の手法により調製してもよい。製剤はまた、必要に応じて、緩衝塩、香料添加剤、着色剤および甘味剤を含んでいてもよい。
【0076】
経口投与用製剤は、活性化合物の放出制御を得るために適当に処方されていてもよい。
【0077】
口腔投与について、組成物は、錠剤の形態を成してもよく、または従来の手法で処方されてもよい。
【0078】
本発明の化合物は、静脈内ボーラスまたは持続注入による非経口投与用に処方してもよい。注射用処方は、添加した保存剤と共に、単位剤形、例えば、アンプルまたは複数回投与容器中に含まれていてもよい。組成物は、懸濁液、液剤または油状乳剤または水性ビヒクルのような形態を成していてもよく、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含有していてもよい。別法として、活性成分は、使用前に適当なビヒクル、例えば、無菌発熱物質不含水との構成について粉体形状であってもよい。
【0079】
本発明の化合物は、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペッサリー、エアロゾルまたは滴剤(例えば、点眼剤、点耳剤または点鼻剤)の形態で局所投与用に処方してもよい。軟膏およびクリームは、例えば、適当な増粘剤および/またはゲル化剤を添加して水性または油性基剤で処方してもよい。眼の投与用軟膏は、無菌成分を用いて無菌法で製造してもよい。
【0080】
ローションは、水性または油性基剤で処方してもよく、一般に、1種または複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、または着色剤もまた含むであろう。滴剤はまた、1種または複数の分散剤、安定化剤、可溶化剤または懸濁化剤を含む水性または非水性基剤で処方してもよい。それらはまた、保存剤を含んでいてもよい。
【0081】
本発明の化合物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの通常の坐剤基剤を含有する坐薬または停留浣腸などの直腸組成物に処方してもよい。
【0082】
本発明の化合物はまた、デポー製剤として処方してもよい。かかる長時間作用型製剤は、注入(例えば、皮下または筋肉内)によりまたは筋肉注射により投与してもよい。したがって、例えば、本発明の化合物は、適当な高分子または疎水性物質(例えば、許容される油中乳剤として)またはイオン交換樹脂で、あるいは難溶性誘導体、例えば、難溶性塩として処方してもよい。
【0083】
経鼻投与について、本発明の化合物は、適当な定量または単位量デバイスを介して投与するための液剤として、または別法として、適当な送達デバイスを用いて投与のための適当な担体を合する粉末として処方してもよい。
【0084】
本発明の化合物の提示される用量は、1日当たり1〜約1000mgである。患者の年齢および状態によって、用量を定期的に変化する必要がありうることは明らかであり、正確な用量は、最終的には、担当医または獣医の判断によるであろう。用量はまた、投与の経路および選択される特定の化合物によって決定するであろう。
したがって、非経口投与について、一日量は、典型的には、1〜約100mgの範囲、好ましくは、1日当たり1〜80mgであろう。経口投与にについて、一日量は、典型的には、1〜300mg、例えば、1〜100mgの範囲内であろう。
【0085】
本発明の目的の方法により調製されうるCRFアンタゴニスト化合物は、医薬上許容される塩の形態であってもよい。適当な塩の報告については、Bergeら,J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19を参照のこと。
【0086】
典型的には、医薬上許容される塩は、必要に応じて、所望の酸または塩基を用いることにより容易に調製されうる。該塩は、溶液から沈殿し、濾過により回収してもよく、または溶媒の蒸発により回収してもよい。
【0087】
適当な付加塩は、無毒性塩を形成する酸から形成され、例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、水素リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸およびイソチオン酸塩である。
【0088】
医薬上許容される塩基性塩には、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウムの塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウムの塩などのアルカリ土類金属塩ならびにイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンおよびN−メチル−D−グルカミンなどの第一級、第二級および第三級アミンの塩を含む、有機塩基との塩が含まれる。
【0089】
多数の有機化合物が、それらと反応するかまたはそれらを沈殿もしくは結晶化する溶媒と複合体を形成しうることは有機化学の当業者には明らかであろう。かかる複合体は、「溶媒和物」として既知である。例えば、水との複合体は、「水和物」として既知である。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内である。
【0090】
式(I)で示される化合物は、対応する溶媒和物を得るために、適当な溶媒の結晶化または蒸発により溶媒分子に結合して容易に単離されうる。
【0091】
一般式(I)で示される化合物の特異的光学異性体を必要とする場合、これは、例えば、従来の方法を用いて、式(I)で示される化合物の対応する鏡像異性混合物の分解により得られうる。したがって、必要とされる鏡像異性体は、キラルHPLC法の使用により式(I)で示されるラセミ化合物から得られうる。
【実施例】
【0092】
別段の定めのない限り、中間体および実施例において:
【0093】
全ての温度は、℃をいう。赤外スペクトルをFT−IR機器で測定した。化合物を、アセトニトリルで溶解された試料を直接注入し、正の静電スプレー(ES)イオン化モードで機能する質量スペクトルにより分析した。プロトン磁気共鳴(H−NMR)スペクトルは400Hzで記録され、化学シフトは、内部標準として用いられるMeSiからppm低磁場(d)において記録され、一重線(s)、広幅一重線(bs)、二重線(d)、二重線の二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q)または多重線(m)として帰属される。本発明の化合物の考えられる位置異性体構造の解明を可能にするために、NOE(核オーバーハウザー効果)相関および/または1H、15N遠距離スカラー相関測定を含む方法を実行している。示される構造は、主要な水素の空間の近傍の測定により検証され、したがって、1D核オーバーハウザー差スペクトルを、1H,1H−双極子−双極子相関を測定するために用いた。
NOE測定が決定的でなかった場合において、1H,15N遠距離スカラー相関を1H,15N−HMBC実験を介して測定した。最適な結果のために6Hzの平均な遠距離スカラー結合2.3J(1H,15N)に対応する遅延時間をセットした。
カラムクロマトグラフィーを、シリカゲル上で実施した(Merck AG Darmstaadt,Germany)。以下の略称を、本明細書で用いる:EtOAc=酢酸エチル、cHex=シクロヘキサン、CHCl=DCM、ジクロロメタン、EtO=ジエチルエーテル、DMF=N,N’−ジメチルホルムアミド、DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DME=エチレングリコールジメチルエーテル、MeOH=メタノール、EtN=トリエチルアミン、TFA=トリフルオロ酢酸、THF=テトラヒドロフラン、KOtBu=カリウムtert−ブトキシド、NMP=N−メチル−2−ピロリジノン、MTBE=メチル−tert−ブチルエーテル、IPA=イソプロパノール、DABCO=ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−エン、BINAP=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、Acac=2,4−ペンタンジオン、MEK=メチルエチルケトン。
【0094】
純度測定のために用いられる方法HPLCは、以下のとおりである:
カラム Phenomenex Luna 3μ C18(2)−50x2.0mm
波長 220nm
流速 1mL
注入量 5uL(2uL)
温度 40℃
実行時間 10分
試料濃度 約0.5mg/mL(約1mg/mL)
移動相 溶液A:水中0.05%TFA
溶液B:ACN中0.05%TFA
勾配 FAST勾配:
0.00−8.00分:100%〜5%A
8.011−8.10分:5%〜100%A
8.11−10.00分:100%A
【0095】
実施例1
中間体(III)の調製
【化12】

第三級アミン(例えば、TEA、DIPEA;1当量)およびRNH(1当量)の極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP)中溶液を、100−150℃に加熱した。4−X−ブチロニトリル(ここで、X=ClまたはBr;1当量)を、N下で滴下した。反応混合物を、2−6時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、エーテル(例えば、MTBE、EtO)で希釈した。水を添加し、相を分離した。有機層を、さらに水で洗浄し、低量に蒸発した。新たなエーテルを添加し、混合物を再度、低量に蒸発した。混合物を、20分かけて環状アルカン(例えば、シクロヘキサン)で処理し、得られた懸濁液を、室温で1−5時間熟成した。懸濁液を濾過し、ケーキをエーテル/アルカン混合物で洗浄した。標記化合物を固体として回収した。
【0096】
4−{[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}ブタンニトリル
収率:65−70% th
【0097】
4−{[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]アミノ}ブタンニトリル
収率:80%
【0098】
全ての解析データは、以下の表1−1に示されている。
【表1】

【0099】
実施例2
中間体(IV)の調製
【化13】

中間体(III)のアルコール溶媒(例えば、IPA)、芳香族溶媒(例えば、トルエン)またはエーテル溶媒(例えば、THF)中溶液に、有機酸(例えば、p−トルエンスルホン酸;メタンスルホン酸)または無機酸(例えば、IPA中5−6NのHCl)(1.5当量)を、N下にて室温で添加した。混合物を、4−8時間加熱還流し、室温まで冷却し、低量に蒸発した。水を添加し、透明な溶液を再度、低量に蒸発し、NaOH水性溶液で処理した。混合物を、有機溶媒(DCM、酢酸エチル)で抽出し、有機層をさらにNaCl水性溶液で洗浄した。有機層を蒸発乾固した。粗生成物をそのものとして次の工程に用いた。
【0100】
1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニミン
4−{[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]アミノ}ブタンニトリル(0.78Kg;1当量)を、水(2.34L)中10%HClで処理し、溶液を85℃に加熱した。4時間後、混合物を20℃まで冷却し、10%NaOHで希釈し、DCMで抽出した。水層を、さらにDCMで抽出した。合した有機層を、15%NaClで洗浄した。回収した有機相をTHFで希釈し、約1L容量に蒸留した(50℃ジャケット、250mbar)。THFを添加し、混合物を再度、約1Lに蒸留した。純粋なTHFを再度添加し、混合物を再度、約4Lまで蒸留した。生成物をそのものとして次の工程に用いた。
収率:95−99% th
【0101】
1−[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2−ピロリジニミン
収率:78% th
【0102】
全ての解析データは、以下の表2−1に示されている。
【表2】

【0103】
実施例3
化合物(IVB)の調製
【化14】

1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニミン臭化水素酸塩
【0104】
2−メチル−4−トリフルオロメチルオキシアニリン(30g)を、NMP(90ml)で溶解した。得られた溶液を、100℃まで加熱した。次いで、純粋なブロモブチロニトリル(1.1当量;17.2mL)を添加し、得られた溶液を115−118℃で2−4時間加熱した。
次いで、反応物を30分で45℃に冷却した。所望の化合物(0.03g)の種晶を添加した。MTBE(270ml)を、30−40分で45℃にて添加した。得られた懸濁液を、20分で20℃に冷却し、2時間攪拌し、次いで、濾過した。ケーキを3:1のMTBE/NMP混合物(3x60mL)で洗浄し、固体を70℃で一晩、すなわち6時間乾燥した。
収率:2−メチル−4−トリフルオロメチルオキシアニリンから88% th
【0105】
NMR(1H,DMSO−d6):9.83(s,1H)、8.62(s,1H)、7.58(d,1H)、7.48(d,1H)、7.41(dd,1H)、3.92(t,2H)、3.08(m,2H)、2.24(m,2H)、2.24(s,3H)。
HPLC % a/a 99%
【0106】
実施例4
中間体(V)の調製
【化15】

中間体(IV)のエーテル溶媒(例えば、THF)、極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトニトリル)、またはアルコール溶媒(例えば、IPA)中溶液に、エチル−2−ブチン酸塩(1.0−1.5当量)をN下にて室温で添加した。混合物を加熱還流し、室温まで冷却する前に2−20時間熟成した。反応混合物を蒸発乾固した。粗製油をそのものとして次の工程に用いた。
【0107】
エチル−3−({(2E)−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニリデン}アミノ)−2−ブテン酸塩
【0108】
予め調製された1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニミンを含有する溶液を、エチル−2−ブチン酸塩(1.1当量、0.49L)で処理した。混合物を12−14時間加熱還流した。混合物を室温に冷却した。生成物をそのものとして次の工程に用いる。
収率:80−90% th
【0109】
エチル−3−({(2E)−1−[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2−ピロリジニリデン}アミノ)−2−ブテン酸塩
収率:89% th
【0110】
エチル−3−({(2E)−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニリデン}アミノ)−2−ブテン酸塩
1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニミン臭化水素酸塩(1.4kg)を、10%NaOH水性溶液(4.2L)で処理し、DCM(4.2L)で抽出した。水層を、さらにDCM(2.8L)で抽出した。合した有機層を15%w/v水性塩化ナトリウム(5.6L)で処理した。回収した有機相を、トルエン(7L)で希釈し、2.8Lに蒸留し、トルエン(14L)で希釈し、2.8Lに蒸留した。溶液を、エチル−2−ブチン酸塩(1.1当量、0.53L)で処理した。混合物を、約9時間加熱還流した。混合物を室温に冷却した。生成物をそのものとして次の工程に用いる。
【0111】
全ての解析データは、以下の表3−1に示されている。
【表3】

【0112】
実施例5
中間体(VI)の調製
【化16】

中間体(V)のエーテル溶媒(例えば、THF)、アルコール溶媒(例えば、IPA)、極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトニトリル、DMF)中溶液に、N下にて室温で塩基(例えば、t−BuOK、LiHMDS、DABCO、DBU、NaH)を添加した。反応混合物を加熱還流し、2−14時間攪拌した。溶液を室温まで冷却し、低量に蒸発し、塩素化溶媒(例えば、DCM)で希釈した。有機層を飽和水性NHClで、次いで、NaCl水性溶液で洗浄した。有機層を蒸発乾固し、粗生成物をそのものとして次の工程に用いた。
【0113】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン
エチル−3−({(2E)−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニリデン}アミノ)−2−ブテン酸塩を含有する前工程からの溶液を、THF中1Mのt−BuOK(7.8L;固体tBuOK(2当量)をTHFで溶解することにより調製)で処理した。t−BuOK溶液の最初の20%を30分で、残存部分を40−50分で添加した。混合物を6時間還流した。次いで、それを20℃に冷却し、濃縮し(50℃ジャケット、300−250mbar)、NHCl飽和溶液で希釈し、DCMで抽出した。水層を戻し、DCMで抽出した。合した有機相を、15%NaClで洗浄した。有機層を約1Lまで蒸留し、MEKで希釈し、約4Lまで蒸発した。純粋なMEKを添加し、混合物を約4Lまで濃縮した。生成物をそのものとして次の工程に用いる。
収率:75−85% th
【0114】
6−メチル−1−[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン
収率:15−20% th
【0115】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン
エチル−3−({(2E)−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2−ピロリジニリデン}アミノ)−2−ブテン酸塩を含有する前工程からの溶液を、THF中1Mのt−BuOK(8.26L;固体tBuOK(2当量)をTHFで溶解することにより調製)で処理した。t−BuOK溶液を30分で添加した。混合物を3時間還流した。次いで、それを20℃に冷却し、4.2Lに濃縮し(50℃ジャケット、300−250mbar)、NHCl飽和溶液(7L)で希釈し、DCM(11.2L)で抽出した。水層を戻し、DCM(4.2L)で抽出した。合した有機相を15%NaCl(2.8L)で洗浄した。有機層を2.8Lまで蒸留し(50℃ジャケット、300mbar)、THF(11.2L)で希釈し、2.8Lまで蒸発した。純粋なTHF(7L)を添加した。溶液を、1時間かけて滴下にてCHSOH(0.28L)で処理した。酸を添加すると沈殿が生じた。懸濁液を4−6時間熟成し、次いで、濾過し、ケーキをTHF(5.6L)で洗浄した。回収した固体を、減圧下にて70℃で少なくとも5−6時間、オーブン中に静置した。
全収率:50−65%
【0116】
全ての解析データは、以下の表4−1に示されている。
【表4】

【0117】
実施例6
中間体(VII)の調製
【化17】

中間体(VI)を、エーテル溶媒(例えば、THF)、ケトン溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン)で溶解し、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸無水物)で処理し、中間体(VII)をシードした。2−10時間後、懸濁液を濾過し、ケーキをさらに溶媒で洗浄した。回収した固体を、減圧下にて40℃で10−24時間、オーブン中に静置した。
【0118】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン メタンスルホン酸塩
予め調製された6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オンを含む溶液を、20−25分かけて滴下にてCHSOH(0.187L)で処理し(温度は内部で20℃〜30℃上昇し)、標記化合物をシードした。シードした後すぐに沈殿が生じた。懸濁液を6時間熟成し、次いで、濾過し、ケーキを2−ブタノンで洗浄した。回収した固体を、減圧下にて40℃で10−12時間、オーブン中に静置した。
収率:90−95% th
【0119】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン 4−メチルベンゼンスルホン酸塩
収率:54% th
【0120】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン トリフルオロメタンスルホン酸塩
NaHCO(6L)の飽和水性溶液を、6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン(1Kg)のジクロロメタン(10L)中懸濁液に室温で添加した。得られた混合物を、室温で20分間攪拌した。分離された有機相を、NaCl(3L)の15%(w/v)水性溶液で洗浄し、次いで、CHCl(10L)で希釈した。得られた溶液を10Lまで蒸留した。純粋なCHCl(5L)を添加し、溶液を10Lに濃縮した。純粋なCHCl(5L)を添加し、溶液を再度、10Lに濃縮した。溶液をそのものとして次の工程に用いる。
【0121】
全ての解析データは、以下の表5−1に示されている。
【表5】

【0122】
実施例7
中間体(VIII)の調製
【化18】

中間体(VII)の塩素化溶媒(例えば、DCM)中懸濁液に、水性溶液中に無機塩基を添加した。相の分離後、有機相をNaCl水性溶液で洗浄し、乾燥した。アミン(例えば、ピリジン、TEA)を、有機溶液でN下にて室温で添加した。混合物を、低温(−10℃以下)まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物またはメタンスルホン酸無水物または塩化メタンスルホニルを滴下した。反応混合物を、30分かけて5℃まで加温し、飽和水性NaHCOで処理した。相を分離し、有機相をさらに水で洗浄し、油に濃縮した。油をアルコール溶媒(IPA)に溶解し、中間体(VIII)をシードした。懸濁液を1−4時間攪拌し、次いで、水を30分かけて添加し、混合物をさらに1−5時間熟成した。懸濁液を濾過し、ケーキをアルコール/水混合物(1/1)で洗浄し、回収し、高真空下にて35−40℃で12−14時間、オーブンで乾燥した。標記化合物を固体として得た。
【0123】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル トリフルオロメタンスルホン酸塩
予め調製された6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン メタンスルホン酸塩(0.4Kg;1当量)をDCM(4L)中で懸濁し、NaHCO飽和溶液(2.4L)で処理した。相を分離し、有機相を15%NaClで洗浄した。有機層をDCMで希釈し、溶液を4Lまで蒸留した。純粋なDCMを再度添加し、混合物を残り4Lまで蒸留した。溶液をピリジン(0.097L、1.1当量)で処理し、−15℃まで冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.193L、1.05当量)を、−10℃以下の温度に保ちながら60分かけて添加した。混合物を20分かけて5℃まで加温し、温度を5℃に保ちながら20分かけて飽和NaHCOで急冷した。CO発生を終わらせるためにさらに20分間攪拌しながら、二相性混合物を室温まで加温し、次いで、分離した。有機相をさらに水で洗浄し、1.6Lまで蒸留し(50℃ジャケット、250mbar)、IPAで希釈した。溶液を約2Lまで蒸留し(50℃ジャケット、100−150mbar)、純粋なIPAで希釈し、再度約2Lまで蒸留した(50℃ジャケット、100−150mbar)。溶液を室温に熱し、標記化合物をシードした。スラリーを60分間熟成した。濾過する前に水を30分かけて添加し、得られた懸濁液を90分間熟成した。ケーキをIPA−水(1:1)で洗浄し、回収し、減圧下にて35℃で一晩、オーブン中に静置した。
収率:80−85% th
【0124】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル メタンスルホン酸塩
収率:82% th
【0125】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル トリフルオロメタンスルホン酸塩
ピリジン(1.1当量、0.21L)を、6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−1,2,3,7−テトラヒドロ−4H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−オン トリフルオロメタンスルホン酸塩を含む溶液に添加し、得られた混合物を−15℃まで冷却した。次いで、−10℃以下の範囲の温度に保ちながら、純粋なトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.05当量、0.41L)を滴下し、次いで、溶液を40分で5℃まで加熱した。次いで、温度を5℃以下に保ちながら、NaHCOの飽和水性溶液(5L)を30分で滴下した。最後に、溶液を30分で20℃まで加熱した。次いで、分離された有機層を水(5L)で洗浄し、4Lに濃縮した。次いで、純粋なIPA(8L)を添加し、得られた溶液を8Lまで蒸留した。純粋なIPA(8L)を添加し、溶液を8Lまで蒸留した。溶液を室温まで冷却した。黄色固体が室温で沈殿した。得られた懸濁液を室温で0.5時間攪拌し、次いで、水(8L)を添加し、懸濁液を一晩攪拌し、濾過し、固体を1:1のIPA/水の混合物(2x2L)で洗浄し、高真空下にて40℃で一晩乾燥した。
全収率:80−95%
【0126】
全ての解析データは、以下の表6−1に示されている。
【表6】

【0127】
実施例8
式(I)で示される化合物の一般的調製
【化19】

中間体(VIII)の極性非プロトン性溶媒(例えば、DMF、NMP、アセトニトリル)、アルコール溶媒(例えば、IPA)または非極性溶媒(例えば、トルエン)中溶液に、有機酸(例えば、メタンスルホン酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸)、次いで、ハロゲン化物塩(例えば、LiX、NaX、KX;X=Cl、Br、I)を添加し、得られた混合物を50−120℃で2−24時間加熱した。
混合物を室温まで冷却し、エーテルまたはエステル溶媒(例えば、MTBE、AcOEt)で希釈し、1NのNaOHで洗浄し;有機相を、水で2回洗浄し、次いで、NaSOで乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、中間体(VIII)を得、そのものとして次の工程に用いた。
【0128】
3−クロロ−6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
収率:85−95% th
【0129】
3−ブロモ−6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
雰囲気下、予め調製された6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル トリフルオロメタンスルホン酸塩(1.2Kg、1.0当量)のDMF(4.2L)中溶液に、CHSOH(232.25ml)を、次いで、臭化ナトリウム(460.33g)を添加した。得られた混合物を、85℃で2.5時間加熱した。
混合物をMTBEで希釈し、1NのNaOHで洗浄し;水相を再度MTBEで抽出し、合した有機相を水で2回洗浄した。有機層を、3.0Lまで蒸留し(50℃ジャケット、500mbar)、純粋なDMFで希釈し、再度3.0Lまで蒸留した(50℃ジャケット、100−150mbar)。DMF溶液をそのものとして次の工程に用いた。
収率:85−95% th
【0130】
3−ヨード−6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
雰囲気下、6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル トリフルオロメタンスルホン酸塩(300g、1.0当量)のNMP(1.05L)中溶液に、CHSOH(58.06mL)を、次いで、ヨウ化カリウム(185.7g)を添加した。得られた混合物を、85℃で7時間加熱した。
混合物をAcOEtで希釈し、1NのNaOHで洗浄し;有機相を水で2回洗浄した。有機層を約1Lまで蒸留し(50℃ジャケット、500mbar)、純粋なNMPで希釈し、再度約1Lまで蒸留した(50℃ジャケット、100−150mbar)。NMP溶液そのものとして次の工程で用いた。HPLC純度は、a/a 92%以上であった。
収率:85−95% th
【0131】
4−ヨード−6−メチル−1−[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
標記化合物を、上記の製法にしたがって調製してもよい。
【0132】
3−ヨード−6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
雰囲気下、6−メチル−1−[2−メチル−4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−4−イル トリフルオロメタンスルホン酸塩(0.4kg)のNMP(1.6L)中溶液に、CHSOH(0.068L、1.2当量)を、ヨウ化カリウム(2.0当量、0.291kg)を添加した。得られた混合物を、2時間90℃に加熱した。
混合物を、25℃まで冷却し、AcOEt(4L)で希釈し、pH=8−9に達するために1NのNaOH(2L)で洗浄し、次いで、有機層を水(1.6L)で2回洗浄した。
有機層を1.2Lまで蒸留し、さらに酢酸エチルを添加し(2L)、希釈し、混合物を1.2Lまで蒸留した。NMP(0.8L)を添加し、再度1.2Lまで蒸留した。NMP溶液をそのものとして次の工程に用いた。
HPLC純度は、a/a 95%以上であった。
【0133】
全ての解析データは、以下の表7−1に示されている。
【表7】

【0134】
実施例9
式(IA)で示される化合物の一般的調製
銅触媒(例えば、CuI、CuBr、CuBr、Cu(AcO)、CuO)およびリガンド(例えば、シス−またはトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンアミン、シス−およびトランス−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミンの混合物、シス−またはトランス−1,2−シクロヘキサンジアミン、シス−およびトランス−1,2−シクロヘキサンジアミンの混合物、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノエタン、NN,N’N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、エタノールアミン、1,10−フェナントロリン、PPh、BINAP、Acac)の溶液を、適当な溶媒(例えば、DMF、NMP、DMSO、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン)中で調製した。
次いで、無機または有機塩基(例えば、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ter−BuOK、DBU、TEA、DIPEA)を、次いで、Z−W−反応性誘導体および中間体(VIII)を添加した。得られた混合物を80℃−150℃で4−48時間加熱した。
混合物を60℃に冷却し、水を滴下した。懸濁液を室温で1時間攪拌し、次いで、白色沈渣を濾過し、1/2のDMF/水の混合物で1回、次いで、水で2回フィルター上で洗浄した。固体を80℃で24時間乾燥し、粗標記化合物を得た。
粗製物を、室温で9/1のDCM/MeOHなどの適当な混合物で溶解した。溶液を、9/1のDCM/MeOHの混合物でフィルター上で洗浄しながらカーボンパッドに通して濾過した。混合物は、アルコール(例えば、メタノール)または芳香族エーテル(例えば、アニソール)などの適当な溶媒に溶媒交換した。得られた懸濁液を2時間熟成し、濾過し、MeOHでフィルター上で洗浄した。回収した固体を80℃で24時間乾燥し、標記化合物を得た。
【0135】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの調製
【0136】
2−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,3−チアゾール
2Lフラスコにおいて、ホルムアミドジメチルアセタール(1当量、1.027L)を、滴下にて2−アセチルチアゾール(0.7当量、0.57L)で処理した。混合物を、激しい発熱反応が共に生じる温度である、75℃に慎重に加熱した。混合物を5時間加熱還流し、次いで、0−5℃に冷却し、30分間熟成した。得られた懸濁液を濾過し、ケーキをt−ブチルメチルエーテルで洗浄した。母液を再度、0−5℃に冷却し、得られた懸濁液を濾過した。ケーキをt−ブチルメチルエーテルで洗浄し、回収した固体を先の固体と合し、704gの(2E)−3−(ジメチルアミノ)−1−(1,3−チアゾール−2−イル)−2−プロペン−1−オンを得た。
上記の化合物をエタノール(2.1L)で懸濁し、10−15℃まで冷却した。80%ヒドラジン水和物(0.85L)の溶液を、15分かけて添加した。得られた溶液を、室温で7時間攪拌し、次いで、60℃でさらに4時間加熱し、最後に再度室温に冷却した。混合物を水で処理し、1時間熟成し、次いで、16時間静置した。得られた懸濁液を濾過し、固体を水で洗浄した。母液を酢酸エチルで抽出し、予めNaSOで乾燥させた有機層を固体に蒸発した。合した固体を、エタノール(0.65L)およびジクロロメタン(0.25L)の混合物中でスラリー状にし、濾過し、430gの2−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,3−チアゾールを得た。
収率:52% th
解析データは、WO03/008412で報告されたものと一致する。
【0137】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1−H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
CuI(2.84g)のNMP(0.71L)中懸濁液に、トランス−N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノシクロヘキサン(31.82g)をN雰囲気下で添加し、緑色溶液を、室温で2−12時間攪拌した(色は緑青色になった)。次いで、325メッシュの炭酸カリウム(309.13g)および2−(1H−ピラゾール−3−イル)−1,3−チアゾール(124.01g)を、次いで、3−ヨード−6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンのNMP(0.71L)中溶液を添加した。得られた混合物を、125℃で12−18時間加熱した。次いで、混合物を室温に冷却し、2LのDCMを、次いで、3Lの水を添加した。合した有機相を水で2回洗浄した。有機層を約1Lまで蒸留し(50℃ジャケット、650mbar)、純粋なDCM(1.5L)で希釈し、再度0.85Lに蒸留し(50℃ジャケット、650mbar)、MeOH(6L)で希釈した。完全溶解が観察されるまでメタノール溶液を80℃で加熱し、次いで、2.4Lまで蒸留した(80℃ジャケット、300mbar)。溶液は室温に達し、得られた懸濁液を2時間熟成した。標記化合物を濾過し、MeOHでフィルター上で洗浄し、80℃で24時間乾燥した。
収率:70% th
HPLC純度は、a/a 99%以上であった。
解析データは、WO03/008412に報告されたものと一致する。
【0138】
6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[5−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
粗物質の一部を、調製用HPLC(カラム:ABZ plus、10cmx21.2mm、5μm;HO/0.1%ギ酸、CHCN/0.1%ギ酸で溶出、勾配:0/5%〜0/100%、流速:20mL/分、DADおよびMS検出;室温 3.78分)により精製し、淡黄色固体として標記化合物を得た。
NMR(H,CDCl):δ 7.87(d,1H)、7.77(d,1H)、7.40(d,1H)、7.18(d,1H)、6.93(d,1H)、6.82(d,1H)、6.78(dd,1H)、6.34(s,1H)、3.81(s,3H)、3.77(t,2H)、2.85(t,2H)、2.30(s,3H)、2.24(s,3H)。
MS(m/z): 404 [MH]
【0139】
6−メチル−1−[2−メチル−6−(メチルオキシ)−3−ピリジニル]−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンの調製
標記化合物を上記の製法にしたがって調製してもよい。
【0140】
実施例10
CRF結合活性
CRF結合アフィニティーは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞膜で発現される組換えヒトCRF受容体から、CRF1およびCRF2 SPAそれぞれについて125I−oCRFおよび125I−ソーバジンに置換する化合物能によりインビトロで決定される。膜調製について、密集T−フラスコからのCHO細胞を、50mLの遠心分離管中のSPA緩衝液(HEPES/KOH 50mM、EDTA 2mM、MgCl 10mM、pH7.4)で回収し、ポリトロン(Polytron)で均質化し、遠心分離した(50,000gにて4℃で5分間:JA20ローターを有するBeckman遠心分離機)。上記同様、ペレットを再懸濁し、均質化し、遠心分離した。
SPA実験は、ウェル当たり1μLの化合物希釈液(100%DMSO溶液)に100μLの試薬混合物を添加することによりOptiplateで実施されている。アッセイ混合物を、SPA緩衝液、WGA SPAビーズ(2.5mg/mL)、BSA(1mg/mL)および膜(CRF1およびCRF2それぞれについて50および5μgのタンパク質/mL)ならびに50pMの放射性リガンドを合することにより調製した。
プレートを室温で一晩(>18時間)培養し、WGA−SPA 125Iカウントプロトコルを有するパッカード・トップカウント(Packard Topcount)で読み取った。
【0141】
実施例11
CRF機能アッセイ
本発明の化合物は、その阻害効果の決定のために機能アッセイで特徴付けられた。ヒトCRF−CHO細胞はCRFで刺激され、受容体活性化は、cAMPの蓄積を測定することにより評価された。
密集T−フラスコからのCHO細胞は、G418を含有しない培地で再懸濁し、25,000c/ウェル、100μL/ウェルを96ウェルプレートに分配し、一晩培養した。培養後、培地を、37℃で加温された100μLのcAMP IBMX緩衝液(5mMのKCl、5mMのNaHCO、154mMのNaCl、5mMのHEPES、2.3mMのCaCl、1mMのMgCl、1mg/mLのBSAにより添加された1g/Lのグルコース(pH7.4)および1mMのIBMX)および1μLの純粋DMSO中アンタゴニスト希釈液に交換した。COが存在しないプレートインキュベータにおける37℃培養のさらに10分後、1μLの純粋DMSO中アゴニスト希釈液を添加した。上記同様、プレートを10分間培養し、次いで、cAMP細胞内含有量をアマシャム(Amersham)社製RPA 538キットを用いることにより測定した。
【0142】
本明細書で引用される特許および特許出願を含むがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
【0143】
本発明は、特定かつ所望の上記の置換基の全ての組み合わせに及ぶことは明らかであろう。
【0144】
本明細書および請求項が一部を成す本出願は、後願に関する優先権の基礎として用いられてもよい。かかる後願の請求項は、特性または本明細書に記載の特性の組み合わせを対象としてもよい。それらは、生成物、組成物、方法、または使用に関する請求項の形式をとっていてもよく、限定することなく請求項を一例として含んでいてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物から出発し、式(IA)で示される化合物を調製する方法:
【化1】

[式中:
Rは、アリールまたはヘテロアリールであり、その各々は、ハロゲン、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、−C(O)R、ニトロ、−NR、シアノ、または基Rから選択される1〜4個の基で置換されていてもよく;
は、水素、C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルキル、ハロC1−C6アルコキシ、ハロゲン、NRまたはシアノであり;
は、C1−C4アルキル、−ORまたは−NRであり;
は、水素またはC−Cアルキルであり;
は、水素またはC−Cアルキルであり;
は、飽和されていてもよく、または1〜3個の二重結合を含んでいてもよい、5−6員複素環であり、1個または複数のR11基で置換されていてもよく;
は、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−C6アルキルから選択される1個または複数の基で置換されていてもよいC1−C6アルキルであり;
11は、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、またはC(O)NRであり;
Xは、ハロゲンであり;ならびに
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
は、水素、C−Cシクロアルキル、または基Rであり;
は、C−Cシクロアルキル、または基Rであり;あるいは
およびRはNと一緒になって、5−14員複素環を形成し、1〜3個のR10基で置換されていてもよく;
R’’は、水素であり;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
R’’は、Rに対応し;
10は、1〜4個のR11基で置換されていてもよい基R、C3−C7シクロアルキル、C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ハロC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、ハロC1−C6アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C(O)NR、フェニルであり;
R’’11は、R11に対応する]
であって、式(I)で示される化合物およびその上部残基−NR’’R’’の反応性誘導体の間の銅触媒のカップリング反応による方法。
【請求項2】
式(IIA)で示される以下の化合物:
3−メチル−4−[6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−ベンゾニトリル;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
4−[6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル]−3−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル;
6−メチル−1−(2−メチル−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(4−メトキシ−2−メチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−チアゾール−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−モルホリン−4−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−4−(3−ピリジン−2−イル−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン;
4−[1,3’]ビピラゾリル−1’−イル−1−(2,4−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−6−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
を調製する請求項1記載の方法。
【請求項3】
以下のスキーム1:
【化2】

スキーム1
[式中:R、R、Xは、請求項1と同義であり、Lgはアルキルスルホン酸の反応性誘導体の中から選択される脱離基であり;
工程fは、化合物(VII)のヒドロキシピリジンの反応性誘導体の形成を表し;
工程gは、ハロゲン化化合物(I)を得るための化合物(VIII)の反応性誘導体の求核置換を表す]
に記載の式(I)で示される化合物を調製する方法。
【請求項4】
RおよびRが請求項1と同義である、請求項2記載の式(VII)で示される中間化合物。
【請求項5】
式(II)で示される化合物から出発し、スキーム2記載の以下の工程:
【化3】

スキーム2
[式中:Rは請求項1と同義であり、Rgはハロゲン、アルキルスルホン酸の反応性誘導体から選択される反応基であり、
工程aは、加熱による、塩基の存在下におけるブチロニトリルの反応性誘導体と式(II)で示される適当なアリールアミンまたはヘテロアリールアミンのアルキル化を表し;
工程bは、化合物(IV)を得るための化合物(III)の環化、酸による触媒および加熱により、最終化合物(I)中に含まれる環Bを形成しうる化合物(IV)のピロリジノン部の形成を表す]
を含む化合物(IV)を調製する方法。
【請求項6】
工程aおよび工程bが、以下のスキーム3:
【化4】

スキーム3
に記載の中間体(III)を単離することなく連続して実施される請求項3記載の式(IVB)で示される化合物を調製する方法。
【請求項7】
Rが請求項1と同義であり、Rgが請求項4と同義である、式(I)で示される化合物の調製における請求項5記載の式(IVB)で示される中間化合物。
【請求項8】
式(IV)で示される化合物から出発し、以下の工程:
【化5】

スキーム4
[式中:RおよびRは請求項1と同義であり、
工程cは、加熱による化合物(IV)に対するブチン酸塩誘導体のマイケル付加を表し;
工程dは、芳香族化合物(VI)を得るための塩基性条件における環化を表し;
工程eは、化合物(VI)に対する適当な酸の付加による塩形成を表す]
を含む化合物(VII)を調製する方法。
【請求項9】
式(IV)で示される化合物(ここで、化合物(IV)は以下のスキーム5:
【化6】

スキーム5
[式中:工程c’は、適当な塩基と化合物(IVB)の塩基処理を表す]
に記載の化合物(IVB)に置換されている)から出発し、請求項7記載の化合物(VII)を調製する方法。
【請求項10】
式(IX):
【化7】

で示される化合物6−メチル−1−[2−メチル−4−(メチルオキシ)フェニル]−4−[5−(1,3−チアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンまたはその医薬上許容される塩。
【請求項11】
CRF(コルチコトロピン放出因子)によって媒介される病態の処置に用いるための医薬の調製における化合物(IX)の使用。
【請求項12】
うつ病および不安症の処置に用いるための医薬の調製における請求項10記載の化合物(IX)の使用。
【請求項13】
IBS(過敏性腸疾患)およびIBD(炎症性腸疾患)の処置に用いるための医薬の調製における請求項10記載の化合物(IX)の使用。
【請求項14】
CRF(コルチコトロピン放出因子)によって媒介される病態の処置に用いるための化合物(IX)。
【請求項15】
うつ病および不安症の処置に用いるための請求項13記載の化合物(IX)。
【請求項16】
IBS(過敏性腸疾患)およびIBD(炎症性腸疾患)の処置に用いるための請求項13記載の化合物(IX)。
【請求項17】
1種または複数の生理学上許容される担体または賦形剤を合した化合物(IX)を含む医薬組成物。
【請求項18】
ヒトを含む、哺乳動物の処置、特に、CRF(コルチコトロピン放出因子)によって媒介される病態の処置のための方法であって、有効量の化合物(IX)の投与を含む方法。
【請求項19】
うつ病および不安症の処置における請求項17記載の方法であって、有効量の化合物(IX)の投与を含む方法。
【請求項20】
IBS(過敏性腸疾患)およびIBD(炎症性腸疾患)の処置における請求項17記載の方法であって、有効量の化合物(IX)の投与を含む方法。

【公表番号】特表2008−534641(P2008−534641A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504708(P2008−504708)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003480
【国際公開番号】WO2006/108689
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(502078239)エスビー・ファルムコ・プエルト・リコ・インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】SB Pharmco Puerto Rico Inc
【出願人】(500389793)ニューロクライン バイオサイエンシーズ, インコーポレイテッド (16)
【Fターム(参考)】