説明

二軸配向フィルムのためのプロピレンホモポリマー

【解決手段】 二軸配向フィルムの製造に有用なプロピレンホモポリマーを提供する。特に、本発明のプロピレンホモポリマーは多層二軸配向フィルムのコア物質として有用である。本発明の前記プロピレンホモポリマーは、このポリマーのキシレン不溶層の平均メソ配列長であるNの制御と同時に、前記ポリマー全体中のキシレン可溶性の量を制御することにより、これらの特性が達成する。本発明のよるプロピレンホモポリマーは、約97〜約91重量パーセントキシレン不溶性画分、約9〜約3重量パーセントのキシレン可溶性画分を有する。キシレン不溶性画分は130以下のメソランレングスを有する。さらに、前記プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶性画分の含有量パーセントに対するキシレン不溶性画分のメソランレングスの比率であるrは22以下であり、それは方程式によって決定され、ここで、N=キシレン不溶画分の平均メソ配列の長さであり、さらに%XS=前記プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶画分の含有量パーセントである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルムを製造するためのポリマー樹脂の分野に関連する。さらにとりわけ、本発明は多層BOPPフィルムのコア物質として有用であるプロピレンホモポリマーに関連する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、BOPPフィルムはその用途によって、3〜5層を有するように構成されている。一般に、BOPPフィルム等級の物質は、その変換工程の複雑性のために、優れた加工性およびフィルム特性を提供するように明確な特徴を必要とする。各層は明確な特徴を必要とし、コア層はテンターライン(tenter line)上における前記物質の加工性において最も重要である。コア層に対する物質は、一般的に、比較的多量の例えばキシレン可溶性画分のようなアタクチックポリマー及び/または低いイソ立体規則性(isotacticity)キシレン不溶性画分を有する2〜4MFRのホモポリマーである。極度に低いイソ立体規則値が伸縮におけるウェブ強度を損なうように、キシレン不溶性画分の低いイソ立体規則性は、ある程度までは望ましいものである。これらの特性は容易に得られるものではなく、ポリプロピレンの製造に用いられる触媒系に依存する。
【0003】
コア物質において適した特性が得られなければ、これらに限定されるものではないが、鋳造シートの配向時におけるウェブの破損、フィルムの厚みの不均等性、狭い範囲の加工温度などを含む、多様な加工上の問題をもたらす可能性がある。
【0004】
コア物質に対する加工性とフイルム特性を決定するためには、どのようなプロピレンポリマーの特徴が重要であるかは、製造業者によって多様な理論がある。ある製造業者はフィルムの配向性はステレオブロックの量と「質」に直線的に依存していると主張している。また別の製造業者はポリマー中のメソ−ラセモ(mr)三連構造の量が重要であると考えている。
【0005】
Streekyらによる米国特許出願第6,201,079号公報は、配向フィルムの最適な製造性能のためには、プロピレンポリマー樹脂が、13C NMRによって決定されるメソペンタッド(meso pentad)パーセント(mmmm)によって計測されるような特定の立体規則性において、抽出可能成分と可溶性成分の特定な組み合わせを有するべきであり、これによって広範な加工窓口(window)が実現することを開示している。米国特許出願第6,201,079号公報の開示によると、一般的な目標は、樹脂中の任意のデカリン可溶成分含有量に対して、%mmmmとして計測されるポリマー全体のイソ立体規則性を低減することである。
【0006】
BOPPフィルムの構造加工特性の関連性についてさらに理解を深めることに焦点をあてた研究が実施された。ポリプロピレンは、良好な加工性を有するために、例えばキシレン可溶性のようなアタクチックポリプレンを少なくとも一定量有するべきであることが知られている。しかしながら、キシレン可溶性単独量では、ポリプロピレンの加工性は保証されない。この研究を通じて、ポリプロピレンホモポリマーの二つの特性、すなわちキシレン可溶性の量とキシレン不溶性画分の平均メソ配列長であるNとの均衡によって、BOPPフィルムの製造におけるコア物質としてのプロピレンホモポリマーの一貫した加工性が得られることがわかった。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、配向フィルム、特に二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルムの調製に有用なプロピレンホモポリマーを提供する。本発明の前記プロピレンホモポリマーは低温での優れた加工性と広い加工窓口を示す。本発明の前記プロピレンホモポリマーは多層二軸配向フィルムのコア物質として特に有用である。
【0008】
本発明の前記プロピレンホモポリマーは、ポリマー全体におけるキシレン可溶性の量を制御すると同時に前記ポリマーのキシレン不溶性画分の平均的メソ配列長であるNを制御することによって、これらの特性を獲得する。本発明による前記プロピレンホモポリマーは、約97〜約91重量パーセント、好ましくは、約96〜93重量パーセントのキシレン不溶性画分を含むものであり、さらに約9〜約3重量パーセント、好ましくは約7〜約4パーセントのキシレン可溶性画分を含むものである。
【0009】
前記キシレン不溶性画分は、130以下のメソ配列長を有する。さらに、プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶性画分の含有量パーセントに対するキシレン不溶性画分のメソ配列長の比であるrは22以下であり、それは以下の方程式で決定され、
【0010】
【数6】

【0011】
ここで、
=キシレン不溶性画分の平均メソ配列長
%XS=プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶性画分の含有量パーセント
である。
【0012】
本発明はさらに、上記プロピレンホモポリマーから作られる二軸配向フィルムを提供し、好ましくは本発明のプロピレンホモポリマーから作られたコア層を有する多層配向フィルムを提供する。本発明はさらに、BOPPフィルム製造時において、低温における改善された加工性と広い加工窓口を有するプロピレンホモポリマーの提供方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、二軸配向ポリプロピレン(BOPP)フィルムの調製に有用なプロピレンホモポリマーを提供する。本発明の前記プロピレンホモポリマーは、低温における優れた加工性と広い加工窓口を示す。本発明のプロピレンホモポリマーは多層二軸配向フィルムのコア物質として特に有用である。
【0014】
通常は別のα−オレフィンを少量画分含むプロピレンポリマーをホモポリマーと呼ぶが、本発明による前記プロピレンホモポリマーは、顕著な濃度の他のコモノマーが実質的にないものである。好ましくは、本発明による前記プロピレンホモポリマーは100%プロピレンである。
【0015】
本発明の前記プロピレンホモポリマーは、このポリマー中のキシレン可溶性の量と同時に前記ポリマーのキシレン不溶性画分のメソ配列長を制御することによって、これらの特性を獲得する。本発明による前記プロピレンホモポリマーは約97〜約91重量パーセント、好ましくは、約96〜93重量パーセントのキシレン不溶性画分を含むものであり、さらに、約9〜約3重量パーセント、好ましくは、約7〜約4重量パーセントのキシレン可溶性画分を含むものである。本明細書において定義されるキシレン可溶性画分とキシレン不溶画分は、ASTM 5491−94において定義される方法を用いて決定される。本発明による前記プロピレンホモポリマーは、好ましくは、約2〜約4dg/minのメルトフロー速度を有する。
【0016】
前記キシレン不溶性画分は、130以下の平均メソ配列長を有する。前記平均メソ配列(ラン(run))長であるNは、P(m)/P(mr)によって定義され、ここでP(m)、または%mは二つ組(dyad)メソ配列の確率であり、P(mr)は三つ組(triad)mr(メソ‐ラセモ)配列の確率である。P(m)はP(mm)と1/2P(mr+rm)の和であり、ここでP(mm)は三連構造mm(メソ‐メソ)配列の確率であり、P(mr+rm)はmr配列とrm(ラセモ‐メソ)の配列の確率の和である。これらの値は当業者に周知の方法を用いて13C NMRを通じて得られるものである。理論的には、メソ配列が長くなればなる程、物質の結晶化の可能性が高くなる。
【0017】
さらに、プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶性画分の含有量パーセントに対するキシレン不溶性画分のメソ配列長の比であるrは約22またはそれ未満であり、それは以下の方程式で決定され、
【0018】
【数7】

【0019】
ここで、
=キシレン不溶性画分の平均メソ配列長
%XS=プロピレンホモポリマー中のキシレン可溶性画分の含有量パーセント
である。
【0020】
前述したように、全ポリマー中におけるキシレン不溶性画分の低いイソ立体規則性と高いキシレン可溶性は両者とも多層BOPPフィルムのコア物質において望ましい特性である。しかしながら、これらの特性をそれぞれ独立して獲得することで、配向ラインにおける加工性が保証される訳ではない。さらに、メソ五つ組(pentad)のパーセントなど、ある程度のイソ立体規則性は、物質の加工性を正確に反映しないかもしれない。Nによって測定されるように、キシレン不溶性のイソ立体規則性とキシレン可溶性画分の量の均衡を得ることによって、テンターライン上において優れた加工品質を有するBOPPフィルムのコア層物質が得られることが見出された。
【0021】
従って、本発明による前記プロピレンホモポリマーはBOPPフィルムを作成するために使用され得るものであり、低温における優れた加工性と広い加工窓口を提供する。本発明による前記プロピレンホモポリマーは、BOPPフィルムのコア層として最も好都合に使用される。BOPPフィルムの製造に使用される場合、本発明の前記プロピレンホモポリマーは無核(non−nucleated)である。
【実施例】
【0022】
以下の実施例は、説明のために提供されるものであって、本発明を限定するものではない。二軸配向フィルムの作成に使用するために、10ロットのポリプロピレンホモポリマーを調製した。これらの物質の特性は表1に示す。D〜Jのロットは本発明によるものであり、A〜Cのロットは比較実施例である。平均メソ配列長Nとキシレン可溶性の含有量の間に相関関係があるものの、表1のデータは、サンプルAとFを比較すると、2つの物質のキシレン可溶性画分のレベルが同程度であっても、必ずしも平均メソ配列長が同等ではないことを示す。同様に、サンプルCとDを比較すると、2つのサンプルはキシレン可溶性の異なる値においてほぼ同じ平均メソ配列長を示す可能性がある。以上のように、メソペンタッド(mmmm)の任意のパーセントに対して、メソ配列長であるNは有意に変化する。
【0023】
【表1】

【0024】
これらのロットの全ては、T.M.Longフィルム伸縮機(stretcher)(T.M.Long Corporation,Somerville,NJ)において伸縮能を試験した。これらの物質の産出応力値はpsiとして報告し、表2〜4に示した。T.M.Longフィルム伸縮機において得られた産出応力は、商業用のテンターラインにおける任意物質の性能を正確に予測する判断材料であると見なされる。各温度におけるより低い産出応力値は、テンターラインにおけるより良い加工性に対応する。前記データは試験した検体の分類に基づいて報告している。異なる日に渡って得られたT.M.Longデータは比較できないという幾つかの証拠があるため、同じ日に収集した比較データのみを報告している。
【0025】
【表2】

【0026】
比較検体B〜CのT.M.Longの結果を本発明による検体G−Jと比較すると、Nの値が130以下であり、rの比率が22未満である物質の場合、試験した各温度における産出応力は有意に減少することが明らかである。このことは、検体Cを検体Iと比較すると、特に明白である。検体Iのキシレン不溶性画分のメソランレングスであるNが比較検体であるCよりも高いにもかかわらず、産出応力値はサンプルIにおいて有意に低い。
【0027】
【表3】

【0028】
検体D〜Fは可溶成分の含量が5.3から5.8にいたる物質について比較してある。見て分かるように、三サンプルの全てが、可溶成分含量とNに相違があるにもかかわらず、T.M.ロング配向機によって得られた変形抵抗値は似通っていた。これらのデータはまた、可溶成分の含量が低くても、優れた作業効率を得ることができることを示す。表2と3の比較は、メソランレングスも、キシレン可溶性画分の含量もそれだけでは、物質の配向性をきめられないことを示唆する。
【0029】
【表4】

【0030】

表4において報告されたデータは検体Dの再試験に対して比較検体Aの結果を比較したものである。各温度に対応した産出応力の減少は、別の実施例と同様に本試験においても顕著ではなかったが、本試験において、やはり、各温度における産出応力は本発明の基準に見合う検体に対しては低いという傾向を確認した。
【0031】
A、D、及びEの3ロットはまた、それらの加工特性を決定するために、商業用のテンターラインにおいて試験した。前記物質は単層フィルムを作成して試験した。加工はウェブの破損数で観察され、1日あたり総計3個以上のウェブの破損は、許容できない加工品質とみなした。作成した前記物質についてはフィルムの厚みの変動について検討した。試験結果は表5に示した。
【0032】
【表5】

【0033】
比較検体Aの物質は許容できない厚みの変動を示したが、検体Dの物質は優れた加工性を有した。前記2つの物質間の主な違いはキシレン可溶性(XS)の量とN値である。さらに、比較検体A物質は比較的狭い加工窓口を示した。表5に示したように、検体Eの物質は、検体Dの物質よりもやや低いキシレン可溶性の量を示したが、商業用のラインにおいては同程度の性能を示した。
【0034】
表5に示した結果は、Nとキシレン可溶性含有量の適切な均衡を有する物質が、テンターライン上においてうまく機能することを裏付けるものである。これらの結果は、T.M.Long産出応力データがテンターライン上における性能を予測するものであることを立証するものでもある。
【0035】
従来技術のように、本発明のプロピレンホモポリマーに添加物を加えることが可能であることに留意するべきである。本発明と併せて利用可能である添加物は、これらに限定されないが、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーなどを含む。しかしながら、本発明者は核生成剤(nucleating agent)を本発明の範囲内であるとして予期するものではない。
【0036】
本発明によるプロピレンホモポリマーは単層のBOPPフィルムにおいてまたは多層BOPPフィルムのコア層として使用可能である。本発明のプロピレンホモポリマーは、透明な、不透明な、金属化された、及び被膜されたフィルムを含めた多種類のBOPPフィルムを作成するのに有用である。このようなフィルムは、これらに限定されないが、包装用の積層基質、コンデンサ、収縮フィルム、ラベル、テープ、湿気、化学物質及び光からの障壁、及びシート防御物などを含む多様な分野における使用が見出される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレンホモポリマーであって、
約97〜約91重量パーセントのキシレン不溶性画分と、
約9〜約3重量パーセントのキシレン可溶性画分とを含み、
前記キシレン不溶性画分は130以下のメソランレングス(meso run length)を有しており、
ただし、前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分含有量割合に対する前記キシレン不溶性画分のメソランレングスの比であるrは、22もしくはそれ未満であり、それは以下の方程式によって決定され、
【数1】

ここで、
=前記キシレン不溶性画分のメソランレングス、及び
%XS=前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分の含有量割合である、プロピレンホモポリマー。
【請求項2】
請求項1のプロピレンホモポリマーにおいて、
前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約96〜約93重量パーセントのであり、さらに、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約7〜約4重量パーセントのである。
【請求項3】
請求項1のプロピレンホモポリマーにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、約2〜約4dg/minのメルトフロー速度を有するものである。
【請求項4】
請求項1のプロピレンホモポリマーにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩(phosphonites)、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーから成る群から選択される少なくとも一つの添加剤を含むものである。
【請求項5】
多層二軸配向フィルムであって、
コア層と、少なくとも1つの付加層とを有し、
前記コア層は、本質的に、キシレン不溶性画分とキシレン可溶性画分とを有するプロピレンホモポリマーから成り、
前記キシレン不溶性画分は、130以下のメソランレングスを有し
ただし、前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分含有量割合に対する前記キシレン不溶性画分のメソランレングスの比であるrは、22もしくはそれ未満であり、それは以下の方程式から決定され、
【数2】

ここで、
=前記キシレン不溶性画分のメソランレングス、及び
%XS=前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分の含有量割合である、多層二軸配向フィルム。
【請求項6】
請求項5の多層二軸配向フィルムにおいて、
前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約97〜約91重量パーセントであり、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約9〜約3重量パーセントである。
【請求項7】
請求項6の多層二軸配向フィルムにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、約2〜約4のメルトフロー速度を有するものである。
【請求項8】
請求項5の多層二軸配向フィルムにおいて、前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約96〜約93重量パーセントであり、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約7〜約4重量パーセントである。
【請求項9】
請求項5の多層二軸配向フィルムにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩(phosphonites)、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーから成る群から選択される少なくとも一つの添加剤を含むものである。
【請求項10】
本質的にプロピレンホモポリマーからなる二軸配向フィルムのコア物質であって、前記プロピレンホモポリマーは本質的に、約97〜約91重量パーセントのキシレン不溶性画分と、約9〜約3重量パーセントのキシレン可溶性画分とから成り、
前記キシレン不溶性画分は130以下のメソランレングスを有するものであり、
ただし、前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分含有量割合に対する前記キシレン不溶性画分のメソランレングスの比であるrは、22もしくはそれ未満であり、それは以下の方程式から決定され、
【数3】

ここで、
=前記キシレン不溶性画分のメソランレングス、及び
%XS=前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分の含有量割合である、二軸配向フィルムのコア物質。
【請求項11】
請求項10のコア物質において、
前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約96〜約93重量パーセントであり、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約7〜約4重量パーセントである。
【請求項12】
請求項10のコア物質において、前記プロピレンホモポリマーは、約2〜約4のメルトフロー速度を有するものである。
【請求項13】
請求項10のコア物質において、前記プロピレンホモポリマーは、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩(phosphonites)、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーから成る群から選択される少なくとも一つの添加剤を含むものである。
【請求項14】
二軸配向フィルムの製造にけるコア物質として、広範な加工窓口(window)と、広範囲の加工温度とを示すプロピレンホモポリマーを一貫して製造する方法であって、前記方法は、
製造されるた前記プロピレンホモポリマーが130以下のメソランレングスを有するキシレン不溶性画分を約91〜約97重量パーセントと、約3〜約9重量パーセントのキシレン可溶性画分とを含むように、重合触媒の存在下において、プロピレンを重合化する工程を有し、
ここで、前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分含有量割合に対する前記キシレン不溶性画分のメソランレングスの比であるrは、22もしくはそれ未満であり、それは以下の方程式から決定され、
【数4】

ここで、
=前記キシレン不溶性画分のメソランレングス、及び
%XS=前記プロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分の含有量割合である、プロピレンホモポリマーを一貫して製造する方法。
【請求項15】
請求項14の方法において、前記重合化は、製造された前記プロピレンホモポリマーが130以下のメソランレングスを有するキシレン不溶性画分を約93〜約96重量パーセント含むように制御されるものである。
【請求項16】
請求項14の方法であって、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩(phosphonites)、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーから成る群から選択される少なくとも1つの添加剤を、前記プロピレンホモポリマーに対して添加する工程をさらに含むものである。
【請求項17】
二軸配向フィルムであって、
本質的に、キシレン不溶性画分とキシレン可溶性画分とを有するプロピレンホモポリマーから成り、
前記キシレン不溶性画分は130以下のメソランレングスを有するものであり、
ただし、前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分含有量割合に対する前記キシレン不溶性画分のメソランレングスの比であるrは、22もしくはそれ未満であり、それは以下の方程式から決定され、
【数5】

ここで、
=前記キシレン不溶性画分のメソランレングス、及び
%XS=前記ポリプロピレンホモポリマーにおける前記キシレン可溶性画分の含有量割合である、二軸配向フィルム。
【請求項18】
請求項17の多層二軸配向フィルムにおいて、
前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約97〜約91重量パーセントであり、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約9〜約3重量パーセントである。
【請求項19】
請求項18の多層二軸配向フィルムにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、約2〜約4のメルトフロー速度を有するものである。
【請求項20】
請求項17の多層二軸配向フィルムにおいて、前記キシレン不溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約96から約93重量パーセントであり、前記キシレン可溶性画分は前記プロピレンホモポリマーの約7〜約4重量パーセントである。
【請求項21】
請求項17の多層二軸配向フィルムにおいて、前記プロピレンホモポリマーは、フェノール性抗酸化剤、亜リン酸塩、ホスホン酸塩(phosphonites)、立体障害性アミン光安定剤、ヒドロキシアミン、及び酸スカベンジャーから成る群から選択される少なくとも一つの添加剤を含むものである。

【公表番号】特表2007−514016(P2007−514016A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541157(P2006−541157)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/033752
【国際公開番号】WO2005/056617
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(501061320)スノコ, インコーポレイテッド(アール アンド エム) (9)
【Fターム(参考)】