二酸化炭素固定のための方法および装置
藻を用いて二酸化炭素を固定する方法及び装置は複数の垂直に吊り下げられたバイオリアクタを有し、それぞれのバイオリアクタは、半透明であり、複数のバッフルによって形成された流路を有する。培養タンクは水及び少なくとも一つの藻の懸濁液を含み、懸濁液中に二酸化炭素含有ガスを導入するための複数のガス噴出口を有する。培養タンクは、光の存在下で懸濁液を流路に流すために、それぞれの流路の導入口と流体連通している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦支援の研究開発に関する記述
不適用
背景
発明の分野
本発明は概して二酸化炭素の固定の分野に関連しており、より詳細には藻を用いた二酸化炭素を固定する装置及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
二酸化炭素(CO2)の地球規模の増加は、ここしばらくの間の世界的な懸念事項である。体積に関して測定されると、産業革命の開始時の空気100万部中に二酸化炭素は約280部であったが、今日では100万あたり360部(ppm)であり、30パーセント増加している。一年あたりの増加は2ppmであり、増加し続けている。現在の傾向が続くと、大気中の二酸化炭素濃度は21世紀の後半において二倍になり約700ppmになるであろう。現在、多くの科学者は、過去50年に見られた地球温暖化のほとんどは人間の活動由来のこの二酸化炭素の増加が原因であると考えている。
【0003】
緑の植物が光合成によって二酸化炭素を取り込むことは周知である。光合成は日光の持続的なエネルギーを生物が利用可能なエネルギーへと変換する。クロロフィルの存在下において植物は日光を用いることで、二酸化炭素および水を、食物を必要とするほぼ全ての動物及び人間に直接又は間接的に供給する炭化水素、およびこの作用の副産物として放出される酸素といくらかの水とに変換する。光合成の速度に影響を与える主要な因子は、好ましい温度、光強度のレベル、及び二酸化炭素の利用可能性である。大半の緑の植物は現在の大気レベルよりかなり高い二酸化炭素濃度に非常に好ましく反応する。
【0004】
植物などの生物システムにおいて二酸化炭素の取り込みを増加させる方法は多数あるものの、費用効率の良い方法においてそれを行うことは困難であることが示されてきた。様々な種類の藻が最速の二酸化炭素の取り込みを示す。海での濃縮計画は侵襲的であり、それらが解決するより多くの問題をもたらすであろう。特にその計画は藻の形態の海草を生育しようとし、エコシステム全体に障害を与える又は破壊するであろう。さらに、そのような方法で産生された藻を収穫する手段はない。
【0005】
地上での藻のシステムは二酸化炭素を捕捉するのに非常に効果的であるが、利用可能な土地およびコストによって制限される。開放的な受動又はバッチシステムにおいては、一年あたり1ヘクタールで藻から約150メートルトン(150,000kg)の乾燥バイオマスを生産することができるのみである。これらの数字を用いると、天気や水の利用可能性を考慮しないとしても、1000メガワットのガスタービン発電所から排出されるものを捕捉するためには、200ヘクタール以上の開けた土地が必要であろう。大量の藻の産生に不可欠なものは光の存在である。藻は光を用いて二酸化炭素を糖へと変換する、すなわち、光合成を行う。残念なことに、光は藻の活性的な培養物中に数センチメートル透過するのみである。藻類生物が繁殖して培養物の密度が上昇するにつれて、光の透過度は低下する。いくつかの研究は光ファイバの使用を活用しており、それは非常に高価で非効率的であった。
【0006】
結果的に、藻を用いて二酸化炭素を固定する装置及び方法であって、費用効果が良く藻を十分な量の光に当てることができるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US5981271A
【発明の概要】
【0008】
概要
藻を利用して気体から二酸化炭素を固定および除去するための装置および方法が本明細書中で説明される。開示される装置および方法は一つ以上のバイオリアクタを用いて二酸化炭素の固定のための連続的な処理を提供し、各バイオリアクタは藻を二酸化炭素と反応させるバッフル付きの流路を有する。それぞれのバイオリアクタは透明又は半透明なポリマー材料で作られており、それは容易に製造可能であるとともに安価なバイオリアクタを通る流路を形成する。さらに、透明又は半透明なポリマー材料による流路は露光のための大きな表面積をもたらすことで、流路の形状に関する可撓性とともに、より長い藻の露光を可能にする。
【0009】
ある実施形態においては、二酸化炭素を固定するための装置は水および少なくとも一種の藻の懸濁液を含む培養タンクを有する。培養タンクは、二酸化炭素含有ガスを懸濁液に導入するための複数のガス噴出口を有する。また、装置は一つ以上のバイオリアクタを有し、各バイオリアクタはそこを通る懸濁液の流れのための流路を形成し、それぞれのバイオリアクタは複数のバッフルと導入口とを有する。それぞれの導入口は各バイオリアクタの上部に配置されていることが好ましく、培養タンクと流体連通している。さらに、装置は懸濁液を一つ以上のバイオリアクタの上部にある導入口に送るためのポンプを有する。
【0010】
別の実施形態においては、二酸化炭素を固定する方法は、二酸化炭素が懸濁液中に溶解するように、水および少なくとも一つの藻の懸濁液が充填された培養タンクに二酸化炭素含有ガスを導入することを含む。方法は、垂直に吊るされた複数のバイオリアクタに培養タンクから重力流によって流すことを更に有し、複数のバイオリアクタはそれぞれ複数の水平なバッフルを備える培養流路を有する。さらに、方法はバイオリアクタを光に当てることを有する。また、方法は光合成によって二酸化炭素を少なくとも一つの有機化合物に変換することを有する。
【0011】
開示される方法及び装置の多くの利点の内の一つは、バッチ法よりもダイナミック又は連続的である処理の導入である。連続処理は常に動く藻の流れに対する最大の露光を可能にする。したがって、バッチシステムと比較すると、各藻類生物は閉じたシステムを継続的に流れるため、最終的には光に照らされる。
【0012】
前述の記載は本発明の特徴及び技術的な利点を広く概説しており、それは以下に続く本発明の詳細な説明をより良く理解できるようにするためである。本発明の更なる特徴及び利点はこれ以降において説明され、それは本発明の請求の範囲の対象を形成する。構想及び開示される特定の実施形態は、本発明と同一の目的を果たすための別の構造を改良又は設計するための基礎として利用できることが当業者によって理解されなければならない。また、当業者はそのような同等の構成が添付された請求項に規定される発明の精神及び範囲から逸脱しないことを認識すべきである。
【0013】
本発明の好適な実施形態の詳細な説明のために、以下添付の図について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】藻を用いて二酸化炭素を固定するための装置の概略図を示している。
【図2】バイオリアクタの培養流路の実施形態の一部分の側断面図および正面図を示している。
【図3】バイオリアクタの培養流路の他の実施形態を示している。
【図4A】垂直のバッフルを有するバイオリアクタの正面図を示している。
【図4B】上向きのバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図4C】上および下向きの平行に配置されたバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図4D】全てが下を向いたバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図5A】一つ以上のバイオリアクタの長方形のマトリクス形状である配置の上面図を示している。
【図5B】一つ以上のバイオリアクタの別の長方形のマトリクス形態である配置の上面図を示している。
【図5C】一つ以上のバイオリアクタの多角形状の配置の上面図を示している。
【図6】バイオリアクタのための清浄装置を示している。
【0015】
表記および命名
ある用語が、特定のシステム要素を参照するために以下の記載および請求項において使用される。この文書は、名称の点で異なる要素間を区別することを意図しておらず、機能の点で異なる要素間を区別することを意図している。以下の説明においては、用語「含んでいる」および「有している」は、非制限用法として使用しており、したがって、「含んでいるが、・・・に限定されない」を意味していると解釈されるべきである。
【0016】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、藻を用いて二酸化炭素を固定するための装置の実施形態を示している。この実施形態において、装置は培養タンク101、ポンプ122および一つ以上のバイオリアクタ131を有している。培養タンク101、ポンプ122およびバイオリアクタ131は、互いに全て流体流通するとともに複数の導管或いはラインを介して互いに全て接続されている。
【0017】
培養タンク101は藻および水の懸濁液で満たされている。通常、培養タンク101は長方形構造を有している。しかしながら、培養タンク101はいかなる構造でも構わない。すなわち、藻を培養するために最適である通常の技術内の一つとして既知の円筒形でもよい。培養タンク101は、ポリマー或いはステンレス鋼のような腐食に耐える材料からできている。好適な実施例では、培養タンク101はプラスチック、プラスチックライナ、処理金属、或いはそれらの組み合わせからできている。他の実施形態によれば、培養タンク101は装置100がクローズドシステムであるように大気に対して閉じられる。クローズドシステムを持つことによって、水の蒸発と同様に藻の懸濁液の汚染を防止できる。培養タンク101に入ってくる唯一のガスは、ガス噴出口103を介する。さらに、バイオリアクタ131に入ってくる全ての培地および流体は、汚染をさらに防止するために殺菌されることが望ましい。すなわち、懸濁液は殺菌状態でバイオリアクタ131を通って流れる。ここで、無菌状態とは、当業者が細菌或いは微生物の汚染がない無菌環境を維持することができるような既知の状態を指している。
【0018】
培養タンク101は、少なくとも一つのガス噴出口103も有している。ガス噴出口103は、二酸化炭素含有ガスを培養タンク101に案内する。ガス噴出口103は、適切なタイプの入口、たとえばバルブ、ノズル、或いはガスディフューザを有している。好適な実施形態においては、複数のガス噴出口103は複数のガスディフューザを有している。ガスディフューザは、案内されたガスを小さくてより可溶性の高い泡へと細かくする。もう一つの好適な実施形態によれば、複数のガス噴出口103は、培養タンクの底部に配置される。
【0019】
あらゆる適切な藻がタンク101で培養可能である。好適な実施例において、藻の種であるクロレラ(Chlorella)が使用される。適切な藻の種の他の例は、紅藻類、褐藻類、スピルリナ(Spirulina)、或いはそれらの組み合わせを含んでおり、制限はない。好適な実施形態によれば、藻の種は、装置を詰まらせないように繊維状でないことが好ましい。一つの実施形態では、藻の種は、約1ミクロンから約15ミクロンの範囲内にある単細胞の藻の種である。
【0020】
通常、水、すなわち水道水或いは蒸留水が藻を培養するために使用される。一つの実施形態では、水は殺菌されており、いかなる汚染物質も存在しない。或いは、塩水種の藻を培養するために塩水が使用される。しかしながら、当業者に既知のあらゆる適切な培地が特定の藻の種に応じて使用可能である。他の実施形態では、複数の魚が培養タンク101に維持される。魚は糞の形で硝酸塩を作り出すとともに藻を摂取する。魚の糞は、藻をさらに培養するために使用される。さらなる実施形態では、培養タンク101は藻にさらなる栄養物を導入あるいは提供するための一つ以上の飼料導入口を有している。この一つ以上の飼料導入口は、特定の種類の栄養物、鉱物、培地などが充填された一つ以上の飼料タンクに接続される。一つの実施形態では、一つ以上の飼料タンクが培養タンクに直列に或いは並列に配置される。飼料導入口および飼料タンクは、殺菌状態の下で維持されるのが好ましい。
【0021】
飼料導管120は、培養タンク101からポンプ122へと延びている。ポンプ122は、懸濁液をポンプでくみ上げ可能な適切な装置であればよい。適切な装置の例は、遠心力ポンプ、インペラーポンプ、或いは回転ポンプを含んでおり、これに限定されない。一つの実施形態では、飼料導管120は、より多くの二酸化炭素含有ガスで藻の懸濁液を飽和可能にする空気導入口バルブ124をさらに有している。空気導入口バルブ124によって、ガスは飼料導管120に入ることが可能となるが、いかなる藻の懸濁液も逃がさないようになっている。このように、藻の懸濁液は、二酸化炭素を常に供給されている。飼料導管120は、さらに、ポンプ122から導入口連結管151へと延びている。導入口連結管151は、二酸化炭素の豊富な藻の懸濁液を各バイオリアクタ131の導入口132に分配する。各バイオリアクタ131の導入口132は、図2に示されるように、藻の懸濁液がバイオリアクタを介して下方に流れるように、各バイオリアクタ131の上端に配置されるのが好ましい。
【0022】
バイオリアクタ131は、通常は、透明或いは半透明のポリマー材料で構成されている。言い換えると、光を透過するポリマー材料である。さらに、ポリマー材料は可撓性の材料が好ましい。可撓性材料によって、バイオリアクタは扱いがより容易になるとともに異なる流速の補正が可能となる。幾つかのケースでは、ポリマー材料は弾性特性さえ有している。適切な材料の例は、制限するのではないが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン−ポリエチレンの共重合体、ポリウレタン、或いはそれらの組み合わせを含んでいる。好適な実施形態では、バイオリアクタ131はポリエチレンでできている。高濃度のポリエチレン或いは低濃度のポリエチレンを含んだあらゆるタイプのポリエチレンが使用可能である。さらに、ポリマー材料は、繰り返しの露光及び長時間の露光に耐えるように、UV処理されている。
【0023】
ポリマー材料の厚さは、約3mmから約10mmの範囲内であり、さらに好ましくは、約4mmから約6mmの範囲内である。ポリマー材料は、少なくとも50ガロンの水の重さに耐えることのできる引張強度を有しているのが望ましい。
【0024】
ポリマー材料は、通常はチューブの形で生成されて、ヒートシール可能である。チューブ状のポリマー材料は折り曲げられて隣接側部を形成し、隣接側部がヒートシールされることによって、チューブ状のポリマー材料の上端及び下端を閉じて内部流路133を形成することができる。以下において、より詳細に記載される。当然のことながら、バイオリアクタ131は、バイオリアクタ131の両側をシールするためにヒートシールされたポリマー材料の二つの平面シートからできていてもよい。
【0025】
好適な実施形態では、バイオリアクタ131は、ほぼ平面の形状である。例示的な実施形態では、各バイオリアクタは、高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約2フィート(約60.96cm)であり、或いは高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約4フィート(約121.92cm)、或いは高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約10フィート(約304.8cm)である。しかしながら、他の実施形態では、各バイオリアクタは、約4フィート(約121.92cm)の幅から約30フィート(約914.4cm)の幅および約5フィート(約152.4cm)の高さから約20フィート(約609.6cm)の高さの範囲内でもよい。さらに、各バイオリアクタの高さ:幅の比率は、いかなる比率でもよい。実施形態においては、各バイオリアクタの高さ:幅の比率は、約10:1から約1:1の範囲内である。さらに、各バイオリアクタ131は、循環する藻に対する露光を最適化するために、異なる高さおよび幅を有してもよい。
【0026】
流路133は、複数のバッフル或いは仕切り135によって形成される。バッフル135は、各流路133において藻の滞留時間を最大化するのに役目を果たす。藻の滞留時間が長ければ長いほど、バイオリアクタ131内の藻はそれだけ長く露光される。実施形態では、バイオリアクタ131内の藻の滞留時間は、約1分から約60分、或いは約5分から約45分、或いは約10分から約15分の範囲内である。一つの実施形態において、バッフル135は、材料の隣接する側に沿った特定の場所でポリマー材料をヒートシールすることによって作り出される。
【0027】
バッフル135は、各バイオリアクタ131内に流路133を形成する。図2は、バイオリアクタ131の典型的な実施形態における流路133の断面を示している。図2において、各流路133の高さ(各バッフル135間の空間)をhと呼び、各流路133の最大幅をwと呼ぶ。hは、約3インチ(約7.62cm)以下が好ましい。さらに、ほとんどの実施形態では、hは約2インチ(約5.08cm)以下が好ましい。各流路の幅wは、各流路133を流れる藻が生存するのに十分な光を受けるように設定される。バイオリアクタを流れる懸濁液の重量はポリマー材料を伸ばし、その結果、ポリマー材料を透過する光が流路133を流れる懸濁液内の全ての藻に到達することが可能となるように、幅wを最小に維持させるようになっている。この重量により流路133が膨張することを防止されることによって、幅wが増加し、流路133の中央を流れる藻に光が到達することを防止することができる。
【0028】
ある実施形態では、ほぼ水平の流路139および端の流路137を形成するために、バッフル135は交互に水平に配置される。各水平の流路139は、開放端141および閉端143を有している。端の流路137は、上方のバッフル135の開放端141および隣接する下方のバッフル135の閉端143の周辺に形成される。バッフル135によって、流路133は蛇行の形になる。各バッフルの端141は、藻の懸濁液がバイオリアクタ131を下方に流れるにつれて、藻の懸濁液内に乱流を発生させる。この乱流は、これらの端141において渦を発生させ、これによって、藻の懸濁液のより良い混合を可能にする。培養懸濁液の滞留時間をさらに増加させるため、追加のバッフル(図4A)は、水平に配置されたバッフル135に対して垂直向きに形成されることができる。
【0029】
ここで図3を参照すると、別の実施形態において、バッフル135が上に向けられることによって、図3に示されるようにバイオリアクタ131における藻の滞留時間を長くすることができる。すなわち、それぞれのバッフル135は、バイオリアクタ131の側部157とバイオリアクタ131の上部に向いた上向きの鋭角155を形成する。角149又はポケットが、それぞれのバッフル135とバイオリアクタ131の側部157との交差部において形成される。角149は循環する藻および培地中に渦を形成することができる。藻がバイオリアクタ131を流れるにつれて、藻はそれぞれの角149に形成された渦または混合領域で一時的に循環し又は渦巻き、結果的にバイオリアクタ131中の藻の露光時間を長くすることができる。いくつかの実施形態においては、バッフル135は図4Dに示されるように下に向けられることができる。このように、バッフル135は、バイオリアクタ131の側部157から約30度から約160度の範囲であるあらゆる適切な角度に向けることができることが想定される。
【0030】
通常、各バッフル135は同じ角度に向けられている。しかしながら、別の実施形態においては、各バッフル135は相互に異なる角度に向けられることができる。図4A−Dは、バイオリアクタ131に利用可能な様々な形態のバッフル135を示している。図4Bは、バッフルが全て上に向けられた実施形態を示している。図4Cは、バッフル135が交互に上又は下に向けられている平行な配置に形成されている一つの実施形態を示している。図4Dは、バッフル135が全て下に向けられている一つの実施形態を示している。バッフル135の配置はこれらの実施形態に限定されず、藻による二酸化炭素の固定を増加するための無数の形状を有することができることが理解される。複数のバイオリアクタ131を備える実施形態においては、各バイオリアクタは異なるバッフルの配置又は形状を有することで、藻の滞留時間を最適化することができる。
【0031】
好適な実施形態においては、複数の透明なバイオリアクタ131が垂直に垂れ下げられる又は吊るされる。バイオリアクタ131はあらゆる適切な形態で吊るされることができる。しかしながら、バイオリアクタ131にとって、各流路133が最大量の光に照らされるよう吊り下げられることが望ましい。図5A−Cは、バイオリアクタ131がトップダウンの視点から垂れ下げられる又は吊るされている様々な変形体の模式的な平面図を図示する。図5Aは、バイオリアクタが長方形マトリクス形状に形成されている典型的な実施形態を示している。例えば図5Aにおいて、マトリクスは二つのバイオリアクタの幅であり、6つのバイオリアクタの流路の深さである。図5Bは、マトリクスが6つのバイオリアクタの幅であり、二つのバイオリアクタの深さである更に別の実施形態を示している。バイオリアクタがマトリクス形状に配置されている実施形態においては、バイオリアクタ131は6インチ(15.24センチ)以下離れていることが好ましい。図5Cは、バイオリアクタが多角形状に配置されている別の実施形態を図示している。このように、バイオリアクタは培地の露光を最大にするための形状に関してほぼ無限の可能性を有する。
【0032】
ある実施形態においては、複数のバイオリアクタ131は異なる高さに吊るされている。異なる高さにバイオリアクタ131を吊るすことは、各バイオリアクタ131を通る藻の懸濁液の流速を変化させる。各バイオリアクタ131に対して流速を変えることは、各バイオリアクタ131に対する改善された光の分配をもたらすと考えられる。
【0033】
ここで図1を参照すると、排出口連結管153は、各バイオリアクタ131の排出口134からの流れを案内する。通常、排出口134はそれぞれのバイオリアクタ131の底に配置されており、排出口連結管153に通じている。排出口連結管153は流れを排出管139へと分配する。排出管139は、藻の懸濁液を培養タンク101に戻るよう再循環させる。或いは、それぞれのバイオリアクタ131は各排出口134に連結された個別の排出管を有する。そして、各排出管は培養タンクに直接流れ出る。別の実施形態においては、各バイオリアクタ131は図2に見られるガス導入口163を有する。ガス導入口163は、通常各バイオリアクタ131の底又は下端に配置されている。しかしながら、ガス導入口163はバイオリアクタ131のあらゆる部分に配置可能である。ある実施形態においては、ガス導入管163はガス供給ライン107に連結可能である。さらに、ガス導入口163はバイオリアクタ131へのガスの流れを調整するためのバルブを有することができる。ガス導入口163の機能は以下においてより詳細に説明される。別の実施形態において、排出口連結管153は、バイオリアクタ中に存在する過剰な酸素を排出するための一つ以上の穴を有することができる。一つ以上の穴は一つ以上のパージバルブを有することができる。さらに、一つ以上の穴は、バイオリアクタ131内の殺菌状態を維持するため等のように過剰な酸素を排出することができる。
【0034】
ここで図6を参照すると、別の実施形態においては、バイオリアクタ131は少なくとも二つの洗浄部材148を有することによって、バイオリアクタ131の内部に付着したあらゆる藻を落とし、バイオリアクタ131内に流すことができる。いくつかの実施形態において、洗浄部材148はバイオリアクタ131の両面に平行移動可能に配置された細長い棒又はローラである。言い換えると、バイオリアクタ131は洗浄部材の間に配置されている。ある実施形態では、洗浄部材148はバイオリアクタ131の両側に配置された垂直トラック146に連結されている。洗浄部材148は、それぞれの部材148の間にバイオリアクタ131を有し、バイオリアクタ131の高さにわたって垂直に上又は下に移動することで、バイオリアクタ131の内面に付着したあらゆる藻を除去することができる。さらに、洗浄部材148が上および下に移動することによって各バイオリアクタ131を圧迫又は解放できるように、洗浄部材148は移動可能なスクリューアームによって垂直トラック146に連結可能である。洗浄部材148はコンピュータ制御又は手動で操作可能である。
【0035】
別の実施形態においては人工光源が設置されている。光源は自然な日光が好ましいものの、一つ以上の人工光源も利用可能である。適切な人工光源の例は、蛍光灯、ハロゲンランプなどである。特定の実施形態においては、金属ハロゲンライトとナトリウム蒸気ライトとの組み合わせが利用される。人工光源は一つ以上のバイオリアクタ131の周りに配置されることによって、各バイオリアクタ131内の藻に多量の光を供給することができる。
【0036】
再び図1を参照すると、別の実施形態においては、装置は藻収穫機171を有する。タンクの排出管163は培養タンク101から藻収穫機171へと延びている。通常、藻収穫機171は藻の懸濁液から藻をこすためのフィルタを有する。また、藻収穫機171はコンベヤを有し、前記コンベヤは加熱装置のそばを通過することで、藻から水分を除去することができる。コンベヤは収集機へと延びており、前記収集機は乾燥した藻をこすことができる。
【0037】
別の実施形態においては、装置は水再生装置又は再循環装置173を有する。水蒸気は、培養タンク101から水再循環導管161を介して水再循環装置173へとポンプによって輸送される。ある実施形態においては、水際循環装置173はコンデンサを有し、前記コンデンサは水蒸気を凝結する。さらに水再循環装置173は、再循環される水を培養タンクに送り戻される前に浄化するためのろ過システムを有する。或いは、水再循環装置173は当業者に周知の水を純化するためのあらゆる装置を有することができる。
【0038】
さらに別の実施形態においては、一つ以上のバイオリアクタ131が保護シェル181によって完全に覆われている。シェル181の機能は、バイオリアクタ131の寿命を延ばすことと、それらを風や雨などの環境要素から保護することである。ある実施形態においては、保護シェル181はクォンセット型(Quonset-type)シェルである。クォンセットシェルは光を透過可能な全天候型材料で作られることが好ましい。適切な材料の例には、限定するのではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン又はガラスが含まれる。別の実施形態においては、保護シェル181は温室型の筐体である。そのような実施形態では、追加人工光源に電力供給するために温室型の筐体内で生じた熱は電力に変換可能である。
【0039】
別の実施形態においては、導入管120又は排出管139などの様々なラインが地下深くを走ることによって、培地及び藻を冷却することができる。理論によって制限されることなく、地面は自然のヒートシンク又は熱交換機として機能することによって、ライン中の暖かな流体から熱を吸収することができる。暑い夏の月の間でさえ、地面は装置100を流れる培地および藻を冷却するのに十分に冷たく保たれる。
【0040】
ある実施形態においては、二酸化炭素を固定する方法は、藻と水との懸濁液を含む培養タンク101へとガス噴出口103を介して二酸化炭素含有ガスを入れることを含む。ガス噴出口103は藻の懸濁液の中でガスを泡にする。ある実施形態においては、ガス噴出口103はガス供給ライン107からガスを供給される。外気が培地タンク101の中で泡にされることが好ましい。通常、飼料導管120に入る藻の懸濁液は所定の二酸化炭素濃度を有する。ある実施形態においては、二酸化炭素レベルは約5000ppm以下であり、又は約2500ppm以下であり、或いは約1000ppm以下である。あるレベル以上の二酸化炭素濃度は、藻の懸濁液を酸性にするため、藻の生育を阻害する。二酸化炭素に富む藻の懸濁液は、培養タンク101から飼料導管120を通って導入口連結管151へとポンプ輸送される。
【0041】
ある実施形態においては、培養タンク101は地下に配置されている。したがって、ポンプ122は、藻の懸濁液を地下の培養タンク101から飼料導管120を介してバイオリアクタ131の上部へと送る。別の実施形態においては、培養タンク101はバイオリアクタ131の上部と同じ高さに持ち上げられている。そのような実施形態においては、藻の懸濁液は重力によって培養タンクから導入口連結管151へと流れる。ポンプ122は、その代わりに藻の懸濁液を排出管139から培養タンク101へと送り込む。
【0042】
導入口連結管151は、垂直に吊るされた各バイオリアクタ131の上部に藻の懸濁液を分配する。藻の懸濁液は、重力流によって導入口連結管151からバイオリアクタ131の迂回流路133を通って下へと流れる。懸濁液がバイオリアクタ131を通って下に流れるにつれて、混合物中の藻は光、好ましくは自然の日光にさらされる。藻は懸濁液に溶解した二酸化炭素を取り込み又は固定し、それを光合成の過程を経て糖及び炭水化物に変換する。光合成において、光子が生体内のクロロプラストに当たる。クロロプラストは化合物であるクロロフィルを有する。クロロフィルおよび二酸化炭素の存在下においては、化学反応が起きて炭水化物、糖、および酸素を生成する。したがって、光合成の自然作用を経て、藻は二酸化炭素を固定し、それを他の有用な炭素化合物へと変換する。生成された化合物は藻にとっての栄養源であり、更なる藻の生育及び産生を可能にする。光が利用できない場合は、藻は細胞呼吸を行い、更なる藻を産生するために糖をエネルギーへと変換する。ある実施形態においては、1ヘクタールの土地あたり約1000から約2000トンの二酸化炭素が1年で固定可能である。
【0043】
藻の懸濁液の流速は、他の因子の中でもバイオリアクタ131の高さに依存している。通常、各バイロリアクタを流れる懸濁液の流速は約1ガロン(3.785リットル)/時間から約100ガロン(378.5リットル)/時間の範囲、好ましくは約5ガロン(18.93リットル)/時間から約75ガロン(283.9リットル)/時間の範囲、より好ましくは約10ガロン(37.85リットル)/時間から約50ガロン(189.3リットル)/時間の範囲である。或いは、バイオリアクタを通る藻の懸濁液の流速は約1cm/秒から約50cm/秒、好ましくは約3cm/秒から約25cm/秒、より好ましくは約5cm/秒から約15cm/秒の範囲である。
【0044】
ある実施形態においては、藻の懸濁液は、バイオリアクタ131を出て、各バイオリアクタからの排出口を一つの排出管139へと連結している排出口連結管153を通ることで、豊富な藻を培養タンク101へと送ことができる。別の実施形態において、それぞれのバイオリアクタ131は、直接培養タンク101へと流れこむ排出管を有する。或いは、それぞれのバイオリアクタ131は、別のバイオリアクタ131の導入口へと藻を導く排出管を有する。このように、一つより多いバイオリアクタ131を有する実施形態においては、藻は少なくとも一度それぞれのバイオリアクタ131を通って回る又は循環することによって、藻の露光を最大にすることができる。結局、一つ以上のバイオリアクタ131由来の藻は最終的に培養タンク101へと戻り、その後に何度も連続的に一つ以上のバイオリアクタ131を通って循環される。このように、連続処理の利点は、いくらかの藻は一回の循環において十分な光を受けることができないとしても、一つ以上のバイオリアクタ131を通る藻の連続的な再分配によってそれらの藻が最終的に露光される機会があることである。
【0045】
ある実施形態においては、二酸化炭素などのガスがガス導入口163を通って各バイオリアクタ131に導入される(例えば泡にされる)。ガスはガス供給107又は外気などの他の供給源から導入可能である。あらゆる適切なガスは、ガス導入口を介してバイオリアクタ131へと導入可能である。バイオリアクタ131へと導入されたガスは、いくつかの目的を果たすことができる。例えば、バイオリアクタ131を通るガスの泡立て作用は、バイオリアクタ131内の藻および培地の更なるかき混ぜ及び混合を促進することができる。理論によって制限されることなく、光合成反応が二酸化炭素濃度に依存するため、ガスの導入は藻による光合成の速度を維持するのに役立つ。バイオリアクタ131内の二酸化炭素濃度が低下しすぎると、藻はその光合成を停止させるであろう。さらに、ガス導入口を介するバイオリアクタ131への二酸化炭素含有ガスの導入は、外気から二酸化炭素を吸収又は固定する更なる手段を提供できる。
【0046】
ある実施形態においては、藻の生育又は濃度は、各バイオリアクタを透過する光のレベルを測定することによってモニタ可能である。例えば、光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)より小さい場合、藻の生育は、光がバイオリアクタの最深領域を透過することができない飽和点又は飽和濃度に到達しているであろう。別の実施形態においては、藻の生育又は濃度は、当業者にとって既知の細胞密度(すなわち、培養溶液の細胞数/ml)を測定する方法又は装置を用いて測定可能である。例えば、限定するのではないが、コールターカウンタ(登録商標)(Coulter Counter (R))又は遠心分離などの装置および方法が細胞密度を決定するために使用することができる。藻の生育が最大に達したことを光のレベルから判定されると、藻の懸濁液が培養タンク101から収穫導管163を通って藻の収穫装置171へとポンプで輸送される。また、装置100内の状態は、あらゆる適切なタイプのモニタ装置を用いてモニタ可能である。モニタされる他の変更可能な要素には、限定するのではないが、pH、温度、流速、および圧力が含まれる。
【0047】
通常、藻の収穫装置171は、藻が別の目的のために使用できるように藻を除去及び回収するよう用いられる。ある実施形態においては、藻は藻の懸濁液からろ過されて、その後にコンベヤーベルト上に堆積される。コンベヤーベルトは乾燥チャンバ又はヒータを通ることによって、藻を乾燥させることができる。そして、乾燥した藻は次なる使用のために収集される。いくつかの実施形態においては、乾燥した藻はバイオディーゼル用の油を生産するために用いられる。乾燥した藻は、限定するのではないが、家畜用の栄養タブレット、薪ストーブ用の燃料、および製紙用の材料を含む多くの用途に用いることができる。ろ過された水は循環導管165を通って培養タンク101に戻される。通常、開示された方法及び装置は、約100ppmから約1900ppmの範囲の量だけ領域内の二酸化炭素レベルを減少させることができる。
【0048】
本発明及びその利点は詳細に開示されているものの、添付された請求項によって規定される発明の範囲から逸脱することなく様々な変更、置換及び修正をこの中ですることができることが理解される。同様に、請求項中の工程の順次的な記載は、工程が順番に行われること、又は別の段階の開始前に特定の段階が完了することを必要とすることを意図していない。
【技術分野】
【0001】
連邦支援の研究開発に関する記述
不適用
背景
発明の分野
本発明は概して二酸化炭素の固定の分野に関連しており、より詳細には藻を用いた二酸化炭素を固定する装置及び方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
二酸化炭素(CO2)の地球規模の増加は、ここしばらくの間の世界的な懸念事項である。体積に関して測定されると、産業革命の開始時の空気100万部中に二酸化炭素は約280部であったが、今日では100万あたり360部(ppm)であり、30パーセント増加している。一年あたりの増加は2ppmであり、増加し続けている。現在の傾向が続くと、大気中の二酸化炭素濃度は21世紀の後半において二倍になり約700ppmになるであろう。現在、多くの科学者は、過去50年に見られた地球温暖化のほとんどは人間の活動由来のこの二酸化炭素の増加が原因であると考えている。
【0003】
緑の植物が光合成によって二酸化炭素を取り込むことは周知である。光合成は日光の持続的なエネルギーを生物が利用可能なエネルギーへと変換する。クロロフィルの存在下において植物は日光を用いることで、二酸化炭素および水を、食物を必要とするほぼ全ての動物及び人間に直接又は間接的に供給する炭化水素、およびこの作用の副産物として放出される酸素といくらかの水とに変換する。光合成の速度に影響を与える主要な因子は、好ましい温度、光強度のレベル、及び二酸化炭素の利用可能性である。大半の緑の植物は現在の大気レベルよりかなり高い二酸化炭素濃度に非常に好ましく反応する。
【0004】
植物などの生物システムにおいて二酸化炭素の取り込みを増加させる方法は多数あるものの、費用効率の良い方法においてそれを行うことは困難であることが示されてきた。様々な種類の藻が最速の二酸化炭素の取り込みを示す。海での濃縮計画は侵襲的であり、それらが解決するより多くの問題をもたらすであろう。特にその計画は藻の形態の海草を生育しようとし、エコシステム全体に障害を与える又は破壊するであろう。さらに、そのような方法で産生された藻を収穫する手段はない。
【0005】
地上での藻のシステムは二酸化炭素を捕捉するのに非常に効果的であるが、利用可能な土地およびコストによって制限される。開放的な受動又はバッチシステムにおいては、一年あたり1ヘクタールで藻から約150メートルトン(150,000kg)の乾燥バイオマスを生産することができるのみである。これらの数字を用いると、天気や水の利用可能性を考慮しないとしても、1000メガワットのガスタービン発電所から排出されるものを捕捉するためには、200ヘクタール以上の開けた土地が必要であろう。大量の藻の産生に不可欠なものは光の存在である。藻は光を用いて二酸化炭素を糖へと変換する、すなわち、光合成を行う。残念なことに、光は藻の活性的な培養物中に数センチメートル透過するのみである。藻類生物が繁殖して培養物の密度が上昇するにつれて、光の透過度は低下する。いくつかの研究は光ファイバの使用を活用しており、それは非常に高価で非効率的であった。
【0006】
結果的に、藻を用いて二酸化炭素を固定する装置及び方法であって、費用効果が良く藻を十分な量の光に当てることができるものが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US5981271A
【発明の概要】
【0008】
概要
藻を利用して気体から二酸化炭素を固定および除去するための装置および方法が本明細書中で説明される。開示される装置および方法は一つ以上のバイオリアクタを用いて二酸化炭素の固定のための連続的な処理を提供し、各バイオリアクタは藻を二酸化炭素と反応させるバッフル付きの流路を有する。それぞれのバイオリアクタは透明又は半透明なポリマー材料で作られており、それは容易に製造可能であるとともに安価なバイオリアクタを通る流路を形成する。さらに、透明又は半透明なポリマー材料による流路は露光のための大きな表面積をもたらすことで、流路の形状に関する可撓性とともに、より長い藻の露光を可能にする。
【0009】
ある実施形態においては、二酸化炭素を固定するための装置は水および少なくとも一種の藻の懸濁液を含む培養タンクを有する。培養タンクは、二酸化炭素含有ガスを懸濁液に導入するための複数のガス噴出口を有する。また、装置は一つ以上のバイオリアクタを有し、各バイオリアクタはそこを通る懸濁液の流れのための流路を形成し、それぞれのバイオリアクタは複数のバッフルと導入口とを有する。それぞれの導入口は各バイオリアクタの上部に配置されていることが好ましく、培養タンクと流体連通している。さらに、装置は懸濁液を一つ以上のバイオリアクタの上部にある導入口に送るためのポンプを有する。
【0010】
別の実施形態においては、二酸化炭素を固定する方法は、二酸化炭素が懸濁液中に溶解するように、水および少なくとも一つの藻の懸濁液が充填された培養タンクに二酸化炭素含有ガスを導入することを含む。方法は、垂直に吊るされた複数のバイオリアクタに培養タンクから重力流によって流すことを更に有し、複数のバイオリアクタはそれぞれ複数の水平なバッフルを備える培養流路を有する。さらに、方法はバイオリアクタを光に当てることを有する。また、方法は光合成によって二酸化炭素を少なくとも一つの有機化合物に変換することを有する。
【0011】
開示される方法及び装置の多くの利点の内の一つは、バッチ法よりもダイナミック又は連続的である処理の導入である。連続処理は常に動く藻の流れに対する最大の露光を可能にする。したがって、バッチシステムと比較すると、各藻類生物は閉じたシステムを継続的に流れるため、最終的には光に照らされる。
【0012】
前述の記載は本発明の特徴及び技術的な利点を広く概説しており、それは以下に続く本発明の詳細な説明をより良く理解できるようにするためである。本発明の更なる特徴及び利点はこれ以降において説明され、それは本発明の請求の範囲の対象を形成する。構想及び開示される特定の実施形態は、本発明と同一の目的を果たすための別の構造を改良又は設計するための基礎として利用できることが当業者によって理解されなければならない。また、当業者はそのような同等の構成が添付された請求項に規定される発明の精神及び範囲から逸脱しないことを認識すべきである。
【0013】
本発明の好適な実施形態の詳細な説明のために、以下添付の図について記載する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】藻を用いて二酸化炭素を固定するための装置の概略図を示している。
【図2】バイオリアクタの培養流路の実施形態の一部分の側断面図および正面図を示している。
【図3】バイオリアクタの培養流路の他の実施形態を示している。
【図4A】垂直のバッフルを有するバイオリアクタの正面図を示している。
【図4B】上向きのバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図4C】上および下向きの平行に配置されたバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図4D】全てが下を向いたバッフルを有する実施形態の正面図を示している。
【図5A】一つ以上のバイオリアクタの長方形のマトリクス形状である配置の上面図を示している。
【図5B】一つ以上のバイオリアクタの別の長方形のマトリクス形態である配置の上面図を示している。
【図5C】一つ以上のバイオリアクタの多角形状の配置の上面図を示している。
【図6】バイオリアクタのための清浄装置を示している。
【0015】
表記および命名
ある用語が、特定のシステム要素を参照するために以下の記載および請求項において使用される。この文書は、名称の点で異なる要素間を区別することを意図しておらず、機能の点で異なる要素間を区別することを意図している。以下の説明においては、用語「含んでいる」および「有している」は、非制限用法として使用しており、したがって、「含んでいるが、・・・に限定されない」を意味していると解釈されるべきである。
【0016】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、藻を用いて二酸化炭素を固定するための装置の実施形態を示している。この実施形態において、装置は培養タンク101、ポンプ122および一つ以上のバイオリアクタ131を有している。培養タンク101、ポンプ122およびバイオリアクタ131は、互いに全て流体流通するとともに複数の導管或いはラインを介して互いに全て接続されている。
【0017】
培養タンク101は藻および水の懸濁液で満たされている。通常、培養タンク101は長方形構造を有している。しかしながら、培養タンク101はいかなる構造でも構わない。すなわち、藻を培養するために最適である通常の技術内の一つとして既知の円筒形でもよい。培養タンク101は、ポリマー或いはステンレス鋼のような腐食に耐える材料からできている。好適な実施例では、培養タンク101はプラスチック、プラスチックライナ、処理金属、或いはそれらの組み合わせからできている。他の実施形態によれば、培養タンク101は装置100がクローズドシステムであるように大気に対して閉じられる。クローズドシステムを持つことによって、水の蒸発と同様に藻の懸濁液の汚染を防止できる。培養タンク101に入ってくる唯一のガスは、ガス噴出口103を介する。さらに、バイオリアクタ131に入ってくる全ての培地および流体は、汚染をさらに防止するために殺菌されることが望ましい。すなわち、懸濁液は殺菌状態でバイオリアクタ131を通って流れる。ここで、無菌状態とは、当業者が細菌或いは微生物の汚染がない無菌環境を維持することができるような既知の状態を指している。
【0018】
培養タンク101は、少なくとも一つのガス噴出口103も有している。ガス噴出口103は、二酸化炭素含有ガスを培養タンク101に案内する。ガス噴出口103は、適切なタイプの入口、たとえばバルブ、ノズル、或いはガスディフューザを有している。好適な実施形態においては、複数のガス噴出口103は複数のガスディフューザを有している。ガスディフューザは、案内されたガスを小さくてより可溶性の高い泡へと細かくする。もう一つの好適な実施形態によれば、複数のガス噴出口103は、培養タンクの底部に配置される。
【0019】
あらゆる適切な藻がタンク101で培養可能である。好適な実施例において、藻の種であるクロレラ(Chlorella)が使用される。適切な藻の種の他の例は、紅藻類、褐藻類、スピルリナ(Spirulina)、或いはそれらの組み合わせを含んでおり、制限はない。好適な実施形態によれば、藻の種は、装置を詰まらせないように繊維状でないことが好ましい。一つの実施形態では、藻の種は、約1ミクロンから約15ミクロンの範囲内にある単細胞の藻の種である。
【0020】
通常、水、すなわち水道水或いは蒸留水が藻を培養するために使用される。一つの実施形態では、水は殺菌されており、いかなる汚染物質も存在しない。或いは、塩水種の藻を培養するために塩水が使用される。しかしながら、当業者に既知のあらゆる適切な培地が特定の藻の種に応じて使用可能である。他の実施形態では、複数の魚が培養タンク101に維持される。魚は糞の形で硝酸塩を作り出すとともに藻を摂取する。魚の糞は、藻をさらに培養するために使用される。さらなる実施形態では、培養タンク101は藻にさらなる栄養物を導入あるいは提供するための一つ以上の飼料導入口を有している。この一つ以上の飼料導入口は、特定の種類の栄養物、鉱物、培地などが充填された一つ以上の飼料タンクに接続される。一つの実施形態では、一つ以上の飼料タンクが培養タンクに直列に或いは並列に配置される。飼料導入口および飼料タンクは、殺菌状態の下で維持されるのが好ましい。
【0021】
飼料導管120は、培養タンク101からポンプ122へと延びている。ポンプ122は、懸濁液をポンプでくみ上げ可能な適切な装置であればよい。適切な装置の例は、遠心力ポンプ、インペラーポンプ、或いは回転ポンプを含んでおり、これに限定されない。一つの実施形態では、飼料導管120は、より多くの二酸化炭素含有ガスで藻の懸濁液を飽和可能にする空気導入口バルブ124をさらに有している。空気導入口バルブ124によって、ガスは飼料導管120に入ることが可能となるが、いかなる藻の懸濁液も逃がさないようになっている。このように、藻の懸濁液は、二酸化炭素を常に供給されている。飼料導管120は、さらに、ポンプ122から導入口連結管151へと延びている。導入口連結管151は、二酸化炭素の豊富な藻の懸濁液を各バイオリアクタ131の導入口132に分配する。各バイオリアクタ131の導入口132は、図2に示されるように、藻の懸濁液がバイオリアクタを介して下方に流れるように、各バイオリアクタ131の上端に配置されるのが好ましい。
【0022】
バイオリアクタ131は、通常は、透明或いは半透明のポリマー材料で構成されている。言い換えると、光を透過するポリマー材料である。さらに、ポリマー材料は可撓性の材料が好ましい。可撓性材料によって、バイオリアクタは扱いがより容易になるとともに異なる流速の補正が可能となる。幾つかのケースでは、ポリマー材料は弾性特性さえ有している。適切な材料の例は、制限するのではないが、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン−ポリエチレンの共重合体、ポリウレタン、或いはそれらの組み合わせを含んでいる。好適な実施形態では、バイオリアクタ131はポリエチレンでできている。高濃度のポリエチレン或いは低濃度のポリエチレンを含んだあらゆるタイプのポリエチレンが使用可能である。さらに、ポリマー材料は、繰り返しの露光及び長時間の露光に耐えるように、UV処理されている。
【0023】
ポリマー材料の厚さは、約3mmから約10mmの範囲内であり、さらに好ましくは、約4mmから約6mmの範囲内である。ポリマー材料は、少なくとも50ガロンの水の重さに耐えることのできる引張強度を有しているのが望ましい。
【0024】
ポリマー材料は、通常はチューブの形で生成されて、ヒートシール可能である。チューブ状のポリマー材料は折り曲げられて隣接側部を形成し、隣接側部がヒートシールされることによって、チューブ状のポリマー材料の上端及び下端を閉じて内部流路133を形成することができる。以下において、より詳細に記載される。当然のことながら、バイオリアクタ131は、バイオリアクタ131の両側をシールするためにヒートシールされたポリマー材料の二つの平面シートからできていてもよい。
【0025】
好適な実施形態では、バイオリアクタ131は、ほぼ平面の形状である。例示的な実施形態では、各バイオリアクタは、高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約2フィート(約60.96cm)であり、或いは高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約4フィート(約121.92cm)、或いは高さ約10フィート(約304.8cm)で幅約10フィート(約304.8cm)である。しかしながら、他の実施形態では、各バイオリアクタは、約4フィート(約121.92cm)の幅から約30フィート(約914.4cm)の幅および約5フィート(約152.4cm)の高さから約20フィート(約609.6cm)の高さの範囲内でもよい。さらに、各バイオリアクタの高さ:幅の比率は、いかなる比率でもよい。実施形態においては、各バイオリアクタの高さ:幅の比率は、約10:1から約1:1の範囲内である。さらに、各バイオリアクタ131は、循環する藻に対する露光を最適化するために、異なる高さおよび幅を有してもよい。
【0026】
流路133は、複数のバッフル或いは仕切り135によって形成される。バッフル135は、各流路133において藻の滞留時間を最大化するのに役目を果たす。藻の滞留時間が長ければ長いほど、バイオリアクタ131内の藻はそれだけ長く露光される。実施形態では、バイオリアクタ131内の藻の滞留時間は、約1分から約60分、或いは約5分から約45分、或いは約10分から約15分の範囲内である。一つの実施形態において、バッフル135は、材料の隣接する側に沿った特定の場所でポリマー材料をヒートシールすることによって作り出される。
【0027】
バッフル135は、各バイオリアクタ131内に流路133を形成する。図2は、バイオリアクタ131の典型的な実施形態における流路133の断面を示している。図2において、各流路133の高さ(各バッフル135間の空間)をhと呼び、各流路133の最大幅をwと呼ぶ。hは、約3インチ(約7.62cm)以下が好ましい。さらに、ほとんどの実施形態では、hは約2インチ(約5.08cm)以下が好ましい。各流路の幅wは、各流路133を流れる藻が生存するのに十分な光を受けるように設定される。バイオリアクタを流れる懸濁液の重量はポリマー材料を伸ばし、その結果、ポリマー材料を透過する光が流路133を流れる懸濁液内の全ての藻に到達することが可能となるように、幅wを最小に維持させるようになっている。この重量により流路133が膨張することを防止されることによって、幅wが増加し、流路133の中央を流れる藻に光が到達することを防止することができる。
【0028】
ある実施形態では、ほぼ水平の流路139および端の流路137を形成するために、バッフル135は交互に水平に配置される。各水平の流路139は、開放端141および閉端143を有している。端の流路137は、上方のバッフル135の開放端141および隣接する下方のバッフル135の閉端143の周辺に形成される。バッフル135によって、流路133は蛇行の形になる。各バッフルの端141は、藻の懸濁液がバイオリアクタ131を下方に流れるにつれて、藻の懸濁液内に乱流を発生させる。この乱流は、これらの端141において渦を発生させ、これによって、藻の懸濁液のより良い混合を可能にする。培養懸濁液の滞留時間をさらに増加させるため、追加のバッフル(図4A)は、水平に配置されたバッフル135に対して垂直向きに形成されることができる。
【0029】
ここで図3を参照すると、別の実施形態において、バッフル135が上に向けられることによって、図3に示されるようにバイオリアクタ131における藻の滞留時間を長くすることができる。すなわち、それぞれのバッフル135は、バイオリアクタ131の側部157とバイオリアクタ131の上部に向いた上向きの鋭角155を形成する。角149又はポケットが、それぞれのバッフル135とバイオリアクタ131の側部157との交差部において形成される。角149は循環する藻および培地中に渦を形成することができる。藻がバイオリアクタ131を流れるにつれて、藻はそれぞれの角149に形成された渦または混合領域で一時的に循環し又は渦巻き、結果的にバイオリアクタ131中の藻の露光時間を長くすることができる。いくつかの実施形態においては、バッフル135は図4Dに示されるように下に向けられることができる。このように、バッフル135は、バイオリアクタ131の側部157から約30度から約160度の範囲であるあらゆる適切な角度に向けることができることが想定される。
【0030】
通常、各バッフル135は同じ角度に向けられている。しかしながら、別の実施形態においては、各バッフル135は相互に異なる角度に向けられることができる。図4A−Dは、バイオリアクタ131に利用可能な様々な形態のバッフル135を示している。図4Bは、バッフルが全て上に向けられた実施形態を示している。図4Cは、バッフル135が交互に上又は下に向けられている平行な配置に形成されている一つの実施形態を示している。図4Dは、バッフル135が全て下に向けられている一つの実施形態を示している。バッフル135の配置はこれらの実施形態に限定されず、藻による二酸化炭素の固定を増加するための無数の形状を有することができることが理解される。複数のバイオリアクタ131を備える実施形態においては、各バイオリアクタは異なるバッフルの配置又は形状を有することで、藻の滞留時間を最適化することができる。
【0031】
好適な実施形態においては、複数の透明なバイオリアクタ131が垂直に垂れ下げられる又は吊るされる。バイオリアクタ131はあらゆる適切な形態で吊るされることができる。しかしながら、バイオリアクタ131にとって、各流路133が最大量の光に照らされるよう吊り下げられることが望ましい。図5A−Cは、バイオリアクタ131がトップダウンの視点から垂れ下げられる又は吊るされている様々な変形体の模式的な平面図を図示する。図5Aは、バイオリアクタが長方形マトリクス形状に形成されている典型的な実施形態を示している。例えば図5Aにおいて、マトリクスは二つのバイオリアクタの幅であり、6つのバイオリアクタの流路の深さである。図5Bは、マトリクスが6つのバイオリアクタの幅であり、二つのバイオリアクタの深さである更に別の実施形態を示している。バイオリアクタがマトリクス形状に配置されている実施形態においては、バイオリアクタ131は6インチ(15.24センチ)以下離れていることが好ましい。図5Cは、バイオリアクタが多角形状に配置されている別の実施形態を図示している。このように、バイオリアクタは培地の露光を最大にするための形状に関してほぼ無限の可能性を有する。
【0032】
ある実施形態においては、複数のバイオリアクタ131は異なる高さに吊るされている。異なる高さにバイオリアクタ131を吊るすことは、各バイオリアクタ131を通る藻の懸濁液の流速を変化させる。各バイオリアクタ131に対して流速を変えることは、各バイオリアクタ131に対する改善された光の分配をもたらすと考えられる。
【0033】
ここで図1を参照すると、排出口連結管153は、各バイオリアクタ131の排出口134からの流れを案内する。通常、排出口134はそれぞれのバイオリアクタ131の底に配置されており、排出口連結管153に通じている。排出口連結管153は流れを排出管139へと分配する。排出管139は、藻の懸濁液を培養タンク101に戻るよう再循環させる。或いは、それぞれのバイオリアクタ131は各排出口134に連結された個別の排出管を有する。そして、各排出管は培養タンクに直接流れ出る。別の実施形態においては、各バイオリアクタ131は図2に見られるガス導入口163を有する。ガス導入口163は、通常各バイオリアクタ131の底又は下端に配置されている。しかしながら、ガス導入口163はバイオリアクタ131のあらゆる部分に配置可能である。ある実施形態においては、ガス導入管163はガス供給ライン107に連結可能である。さらに、ガス導入口163はバイオリアクタ131へのガスの流れを調整するためのバルブを有することができる。ガス導入口163の機能は以下においてより詳細に説明される。別の実施形態において、排出口連結管153は、バイオリアクタ中に存在する過剰な酸素を排出するための一つ以上の穴を有することができる。一つ以上の穴は一つ以上のパージバルブを有することができる。さらに、一つ以上の穴は、バイオリアクタ131内の殺菌状態を維持するため等のように過剰な酸素を排出することができる。
【0034】
ここで図6を参照すると、別の実施形態においては、バイオリアクタ131は少なくとも二つの洗浄部材148を有することによって、バイオリアクタ131の内部に付着したあらゆる藻を落とし、バイオリアクタ131内に流すことができる。いくつかの実施形態において、洗浄部材148はバイオリアクタ131の両面に平行移動可能に配置された細長い棒又はローラである。言い換えると、バイオリアクタ131は洗浄部材の間に配置されている。ある実施形態では、洗浄部材148はバイオリアクタ131の両側に配置された垂直トラック146に連結されている。洗浄部材148は、それぞれの部材148の間にバイオリアクタ131を有し、バイオリアクタ131の高さにわたって垂直に上又は下に移動することで、バイオリアクタ131の内面に付着したあらゆる藻を除去することができる。さらに、洗浄部材148が上および下に移動することによって各バイオリアクタ131を圧迫又は解放できるように、洗浄部材148は移動可能なスクリューアームによって垂直トラック146に連結可能である。洗浄部材148はコンピュータ制御又は手動で操作可能である。
【0035】
別の実施形態においては人工光源が設置されている。光源は自然な日光が好ましいものの、一つ以上の人工光源も利用可能である。適切な人工光源の例は、蛍光灯、ハロゲンランプなどである。特定の実施形態においては、金属ハロゲンライトとナトリウム蒸気ライトとの組み合わせが利用される。人工光源は一つ以上のバイオリアクタ131の周りに配置されることによって、各バイオリアクタ131内の藻に多量の光を供給することができる。
【0036】
再び図1を参照すると、別の実施形態においては、装置は藻収穫機171を有する。タンクの排出管163は培養タンク101から藻収穫機171へと延びている。通常、藻収穫機171は藻の懸濁液から藻をこすためのフィルタを有する。また、藻収穫機171はコンベヤを有し、前記コンベヤは加熱装置のそばを通過することで、藻から水分を除去することができる。コンベヤは収集機へと延びており、前記収集機は乾燥した藻をこすことができる。
【0037】
別の実施形態においては、装置は水再生装置又は再循環装置173を有する。水蒸気は、培養タンク101から水再循環導管161を介して水再循環装置173へとポンプによって輸送される。ある実施形態においては、水際循環装置173はコンデンサを有し、前記コンデンサは水蒸気を凝結する。さらに水再循環装置173は、再循環される水を培養タンクに送り戻される前に浄化するためのろ過システムを有する。或いは、水再循環装置173は当業者に周知の水を純化するためのあらゆる装置を有することができる。
【0038】
さらに別の実施形態においては、一つ以上のバイオリアクタ131が保護シェル181によって完全に覆われている。シェル181の機能は、バイオリアクタ131の寿命を延ばすことと、それらを風や雨などの環境要素から保護することである。ある実施形態においては、保護シェル181はクォンセット型(Quonset-type)シェルである。クォンセットシェルは光を透過可能な全天候型材料で作られることが好ましい。適切な材料の例には、限定するのではないが、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド、ポリプロピレン又はガラスが含まれる。別の実施形態においては、保護シェル181は温室型の筐体である。そのような実施形態では、追加人工光源に電力供給するために温室型の筐体内で生じた熱は電力に変換可能である。
【0039】
別の実施形態においては、導入管120又は排出管139などの様々なラインが地下深くを走ることによって、培地及び藻を冷却することができる。理論によって制限されることなく、地面は自然のヒートシンク又は熱交換機として機能することによって、ライン中の暖かな流体から熱を吸収することができる。暑い夏の月の間でさえ、地面は装置100を流れる培地および藻を冷却するのに十分に冷たく保たれる。
【0040】
ある実施形態においては、二酸化炭素を固定する方法は、藻と水との懸濁液を含む培養タンク101へとガス噴出口103を介して二酸化炭素含有ガスを入れることを含む。ガス噴出口103は藻の懸濁液の中でガスを泡にする。ある実施形態においては、ガス噴出口103はガス供給ライン107からガスを供給される。外気が培地タンク101の中で泡にされることが好ましい。通常、飼料導管120に入る藻の懸濁液は所定の二酸化炭素濃度を有する。ある実施形態においては、二酸化炭素レベルは約5000ppm以下であり、又は約2500ppm以下であり、或いは約1000ppm以下である。あるレベル以上の二酸化炭素濃度は、藻の懸濁液を酸性にするため、藻の生育を阻害する。二酸化炭素に富む藻の懸濁液は、培養タンク101から飼料導管120を通って導入口連結管151へとポンプ輸送される。
【0041】
ある実施形態においては、培養タンク101は地下に配置されている。したがって、ポンプ122は、藻の懸濁液を地下の培養タンク101から飼料導管120を介してバイオリアクタ131の上部へと送る。別の実施形態においては、培養タンク101はバイオリアクタ131の上部と同じ高さに持ち上げられている。そのような実施形態においては、藻の懸濁液は重力によって培養タンクから導入口連結管151へと流れる。ポンプ122は、その代わりに藻の懸濁液を排出管139から培養タンク101へと送り込む。
【0042】
導入口連結管151は、垂直に吊るされた各バイオリアクタ131の上部に藻の懸濁液を分配する。藻の懸濁液は、重力流によって導入口連結管151からバイオリアクタ131の迂回流路133を通って下へと流れる。懸濁液がバイオリアクタ131を通って下に流れるにつれて、混合物中の藻は光、好ましくは自然の日光にさらされる。藻は懸濁液に溶解した二酸化炭素を取り込み又は固定し、それを光合成の過程を経て糖及び炭水化物に変換する。光合成において、光子が生体内のクロロプラストに当たる。クロロプラストは化合物であるクロロフィルを有する。クロロフィルおよび二酸化炭素の存在下においては、化学反応が起きて炭水化物、糖、および酸素を生成する。したがって、光合成の自然作用を経て、藻は二酸化炭素を固定し、それを他の有用な炭素化合物へと変換する。生成された化合物は藻にとっての栄養源であり、更なる藻の生育及び産生を可能にする。光が利用できない場合は、藻は細胞呼吸を行い、更なる藻を産生するために糖をエネルギーへと変換する。ある実施形態においては、1ヘクタールの土地あたり約1000から約2000トンの二酸化炭素が1年で固定可能である。
【0043】
藻の懸濁液の流速は、他の因子の中でもバイオリアクタ131の高さに依存している。通常、各バイロリアクタを流れる懸濁液の流速は約1ガロン(3.785リットル)/時間から約100ガロン(378.5リットル)/時間の範囲、好ましくは約5ガロン(18.93リットル)/時間から約75ガロン(283.9リットル)/時間の範囲、より好ましくは約10ガロン(37.85リットル)/時間から約50ガロン(189.3リットル)/時間の範囲である。或いは、バイオリアクタを通る藻の懸濁液の流速は約1cm/秒から約50cm/秒、好ましくは約3cm/秒から約25cm/秒、より好ましくは約5cm/秒から約15cm/秒の範囲である。
【0044】
ある実施形態においては、藻の懸濁液は、バイオリアクタ131を出て、各バイオリアクタからの排出口を一つの排出管139へと連結している排出口連結管153を通ることで、豊富な藻を培養タンク101へと送ことができる。別の実施形態において、それぞれのバイオリアクタ131は、直接培養タンク101へと流れこむ排出管を有する。或いは、それぞれのバイオリアクタ131は、別のバイオリアクタ131の導入口へと藻を導く排出管を有する。このように、一つより多いバイオリアクタ131を有する実施形態においては、藻は少なくとも一度それぞれのバイオリアクタ131を通って回る又は循環することによって、藻の露光を最大にすることができる。結局、一つ以上のバイオリアクタ131由来の藻は最終的に培養タンク101へと戻り、その後に何度も連続的に一つ以上のバイオリアクタ131を通って循環される。このように、連続処理の利点は、いくらかの藻は一回の循環において十分な光を受けることができないとしても、一つ以上のバイオリアクタ131を通る藻の連続的な再分配によってそれらの藻が最終的に露光される機会があることである。
【0045】
ある実施形態においては、二酸化炭素などのガスがガス導入口163を通って各バイオリアクタ131に導入される(例えば泡にされる)。ガスはガス供給107又は外気などの他の供給源から導入可能である。あらゆる適切なガスは、ガス導入口を介してバイオリアクタ131へと導入可能である。バイオリアクタ131へと導入されたガスは、いくつかの目的を果たすことができる。例えば、バイオリアクタ131を通るガスの泡立て作用は、バイオリアクタ131内の藻および培地の更なるかき混ぜ及び混合を促進することができる。理論によって制限されることなく、光合成反応が二酸化炭素濃度に依存するため、ガスの導入は藻による光合成の速度を維持するのに役立つ。バイオリアクタ131内の二酸化炭素濃度が低下しすぎると、藻はその光合成を停止させるであろう。さらに、ガス導入口を介するバイオリアクタ131への二酸化炭素含有ガスの導入は、外気から二酸化炭素を吸収又は固定する更なる手段を提供できる。
【0046】
ある実施形態においては、藻の生育又は濃度は、各バイオリアクタを透過する光のレベルを測定することによってモニタ可能である。例えば、光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)より小さい場合、藻の生育は、光がバイオリアクタの最深領域を透過することができない飽和点又は飽和濃度に到達しているであろう。別の実施形態においては、藻の生育又は濃度は、当業者にとって既知の細胞密度(すなわち、培養溶液の細胞数/ml)を測定する方法又は装置を用いて測定可能である。例えば、限定するのではないが、コールターカウンタ(登録商標)(Coulter Counter (R))又は遠心分離などの装置および方法が細胞密度を決定するために使用することができる。藻の生育が最大に達したことを光のレベルから判定されると、藻の懸濁液が培養タンク101から収穫導管163を通って藻の収穫装置171へとポンプで輸送される。また、装置100内の状態は、あらゆる適切なタイプのモニタ装置を用いてモニタ可能である。モニタされる他の変更可能な要素には、限定するのではないが、pH、温度、流速、および圧力が含まれる。
【0047】
通常、藻の収穫装置171は、藻が別の目的のために使用できるように藻を除去及び回収するよう用いられる。ある実施形態においては、藻は藻の懸濁液からろ過されて、その後にコンベヤーベルト上に堆積される。コンベヤーベルトは乾燥チャンバ又はヒータを通ることによって、藻を乾燥させることができる。そして、乾燥した藻は次なる使用のために収集される。いくつかの実施形態においては、乾燥した藻はバイオディーゼル用の油を生産するために用いられる。乾燥した藻は、限定するのではないが、家畜用の栄養タブレット、薪ストーブ用の燃料、および製紙用の材料を含む多くの用途に用いることができる。ろ過された水は循環導管165を通って培養タンク101に戻される。通常、開示された方法及び装置は、約100ppmから約1900ppmの範囲の量だけ領域内の二酸化炭素レベルを減少させることができる。
【0048】
本発明及びその利点は詳細に開示されているものの、添付された請求項によって規定される発明の範囲から逸脱することなく様々な変更、置換及び修正をこの中ですることができることが理解される。同様に、請求項中の工程の順次的な記載は、工程が順番に行われること、又は別の段階の開始前に特定の段階が完了することを必要とすることを意図していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を固定するための装置であって、
一つ以上の半透明のバイオリアクタを有し、
前記バイオリアクタは、光の存在下において藻を含む懸濁液を連続して流すためのバイオリアクタを通る流路を有する装置。
【請求項2】
水及び少なくとも一つの藻の懸濁液を含む培養タンクを更に有し、
前記培養タンクが前記懸濁液中に二酸化炭素含有ガスを導入するための複数のガス噴出口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
バイオリアクタが一つ以上のバイオリアクタの上部に配置された導入口を有し、
それぞれの導入口が培養タンクと流体連通している請求項2に記載の装置。
【請求項4】
一つ以上のバイオリアクタの導入口に懸濁液を送るためのポンプを更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
一つ以上のバイオリアクタが流路を形成する複数のバッフルを有する請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のバッフルが水平に向けられている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のバッフルが一定の角度に向けられている請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のバッフルが上向きの角度に向けられている請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のバッフルが様々な角度に向けられている請求項7に記載の装置。
【請求項10】
一つ以上のバイオリアクタが垂直に吊るされている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
一つ以上のバイオリアクタが半透明である請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一つ以上のバイオリアクタが可撓性ポリマー材料で作られている請求項1に記載の装置。
【請求項13】
ポリマー材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
一つ以上のバイオリアクタがガス導入口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項15】
流路が複数の垂直なバッフルを有する請求項1に記載の装置。
【請求項16】
藻がクロレラである請求項1に記載の装置。
【請求項17】
流路が3インチ(7.62cm)以下の幅である請求項1に記載の装置。
【請求項18】
一つ以上のバイオリアクタがマトリクス形状に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項19】
人工光源を更に有する請求項1に記載の装置。
【請求項20】
一つ以上のバイオリアクタの底部が、前記懸濁液を培養タンクに戻す排出口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項21】
培養タンクと流体連通している藻収穫機を更に有する請求項1に記載の装置。
【請求項22】
培養タンクと流体連通している水再循環装置を更に有する請求項2に記載の装置。
【請求項23】
各バイオリアクタが少なくとも二つの部材の間に配置されており、前記少なくとも二つの部材はそれぞれのバイオリアクタの両面上を水平に移動可能に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項24】
二酸化炭素を固定する方法であって、
水及び藻の懸濁液を形成することと、
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことと、
藻を光に当てることと、
光合成によって二酸化炭素を有機化合物へと変換することと
を有する方法。
【請求項25】
二酸化炭素が懸濁液に溶けるように二酸化炭素含有ガスを懸濁液が充填された培養タンクに導入することと、
重力流によって懸濁液を前記培養タンクから流路に流すことと
を更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
流路は複数のバッフルを有し、前記バッフルは流路を通る懸濁液の流れの中に渦を作り出す請求項24に記載の方法。
【請求項27】
複数のバッフルが、渦を作り出すために上に向けられている請求項26に記載の方法。
【請求項28】
懸濁液を流路の導入口へとポンプ輸送することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項29】
約10ガロン(37.85リットル)/時の流速で懸濁液を流路に流すことを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項30】
ガスが外気である請求項25に記載の方法。
【請求項31】
懸濁液が日光に当てられる請求項24に記載の方法。
【請求項32】
懸濁液を培養タンクへ戻すことを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項33】
それぞれの流路を透過する光のレベルをモニタすることを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項34】
一つ以上のバイオリアクタに二酸化炭素含有ガスを導入することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項35】
光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)以上に到達するまで、流路を通る懸濁液の流れを持続することを更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項36】
光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)に到達した後に、ろ過によって藻を除去することを更に有する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
懸濁液の細胞密度を測定することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項38】
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことが、約5cm/秒から約15cm/秒の範囲の流速で懸濁液を流すことを有する請求項24に記載の方法。
【請求項39】
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことが、滅菌状態で懸濁液を流路に流すことを有する請求項24に記載の方法。
【請求項1】
二酸化炭素を固定するための装置であって、
一つ以上の半透明のバイオリアクタを有し、
前記バイオリアクタは、光の存在下において藻を含む懸濁液を連続して流すためのバイオリアクタを通る流路を有する装置。
【請求項2】
水及び少なくとも一つの藻の懸濁液を含む培養タンクを更に有し、
前記培養タンクが前記懸濁液中に二酸化炭素含有ガスを導入するための複数のガス噴出口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
バイオリアクタが一つ以上のバイオリアクタの上部に配置された導入口を有し、
それぞれの導入口が培養タンクと流体連通している請求項2に記載の装置。
【請求項4】
一つ以上のバイオリアクタの導入口に懸濁液を送るためのポンプを更に有する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
一つ以上のバイオリアクタが流路を形成する複数のバッフルを有する請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のバッフルが水平に向けられている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のバッフルが一定の角度に向けられている請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のバッフルが上向きの角度に向けられている請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のバッフルが様々な角度に向けられている請求項7に記載の装置。
【請求項10】
一つ以上のバイオリアクタが垂直に吊るされている請求項1に記載の装置。
【請求項11】
一つ以上のバイオリアクタが半透明である請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一つ以上のバイオリアクタが可撓性ポリマー材料で作られている請求項1に記載の装置。
【請求項13】
ポリマー材料が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリル酸、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される請求項12に記載の装置。
【請求項14】
一つ以上のバイオリアクタがガス導入口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項15】
流路が複数の垂直なバッフルを有する請求項1に記載の装置。
【請求項16】
藻がクロレラである請求項1に記載の装置。
【請求項17】
流路が3インチ(7.62cm)以下の幅である請求項1に記載の装置。
【請求項18】
一つ以上のバイオリアクタがマトリクス形状に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項19】
人工光源を更に有する請求項1に記載の装置。
【請求項20】
一つ以上のバイオリアクタの底部が、前記懸濁液を培養タンクに戻す排出口を有する請求項1に記載の装置。
【請求項21】
培養タンクと流体連通している藻収穫機を更に有する請求項1に記載の装置。
【請求項22】
培養タンクと流体連通している水再循環装置を更に有する請求項2に記載の装置。
【請求項23】
各バイオリアクタが少なくとも二つの部材の間に配置されており、前記少なくとも二つの部材はそれぞれのバイオリアクタの両面上を水平に移動可能に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項24】
二酸化炭素を固定する方法であって、
水及び藻の懸濁液を形成することと、
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことと、
藻を光に当てることと、
光合成によって二酸化炭素を有機化合物へと変換することと
を有する方法。
【請求項25】
二酸化炭素が懸濁液に溶けるように二酸化炭素含有ガスを懸濁液が充填された培養タンクに導入することと、
重力流によって懸濁液を前記培養タンクから流路に流すことと
を更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
流路は複数のバッフルを有し、前記バッフルは流路を通る懸濁液の流れの中に渦を作り出す請求項24に記載の方法。
【請求項27】
複数のバッフルが、渦を作り出すために上に向けられている請求項26に記載の方法。
【請求項28】
懸濁液を流路の導入口へとポンプ輸送することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項29】
約10ガロン(37.85リットル)/時の流速で懸濁液を流路に流すことを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項30】
ガスが外気である請求項25に記載の方法。
【請求項31】
懸濁液が日光に当てられる請求項24に記載の方法。
【請求項32】
懸濁液を培養タンクへ戻すことを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項33】
それぞれの流路を透過する光のレベルをモニタすることを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項34】
一つ以上のバイオリアクタに二酸化炭素含有ガスを導入することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項35】
光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)以上に到達するまで、流路を通る懸濁液の流れを持続することを更に有する請求項26に記載の方法。
【請求項36】
光のレベルが約250フート・カンデラ(2691ルクス)に到達した後に、ろ過によって藻を除去することを更に有する請求項35に記載の方法。
【請求項37】
懸濁液の細胞密度を測定することを更に有する請求項24に記載の方法。
【請求項38】
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことが、約5cm/秒から約15cm/秒の範囲の流速で懸濁液を流すことを有する請求項24に記載の方法。
【請求項39】
一つ以上の半透明なバイオリアクタ中に形成されている流路に懸濁液を流すことが、滅菌状態で懸濁液を流路に流すことを有する請求項24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【公表番号】特表2009−539608(P2009−539608A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515640(P2009−515640)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/071165
【国際公開番号】WO2007/147028
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508368183)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/071165
【国際公開番号】WO2007/147028
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508368183)
【Fターム(参考)】
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