説明

二酸化炭素濃度測定装置、二酸化炭素濃度測定方法、及び二酸化炭素回収システム

【課題】アミン化合物を含有する吸収液中の二酸化炭素濃度をインラインで連続的かつ自動的に測定可能な二酸化炭素濃度測定装置、二酸化炭素濃度測定方法、及び二酸化炭素回収システムを提供する。
【解決手段】実施形態の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有するガスと、アミン化合物を含有する吸収液とを接触させて、二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収塔から吸収液が供給され、吸収液から二酸化炭素を放出させる再生塔と、再生塔から吸収液が供給され、吸収液を加熱して再生塔に戻すリボイラーと、吸収液が試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、試料セルが振動することを利用して、吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する1台以上の二酸化炭素濃度測定装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、二酸化炭素濃度測定装置、二酸化炭素濃度測定方法、及び二酸化炭素回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産業活動や日常生活の根幹であるエネルギーの供給の多くは、石炭や石油などの化石燃料に依存している。しかしながら、大気中の二酸化炭素濃度の上昇によって地球温暖化が加速される事を阻止すべく、二酸化炭素の排出抑制策が議論されている。特に、火力発電設備やボイラ設備においては、多量の石炭や重油を燃料として消費する事から、温暖化や大気汚染を抑制すべく、二酸化炭素の排出抑制策が近年において盛んに検討されている。
【0003】
二酸化炭素の排出抑制技術として、大量の二酸化炭素を吸収できる化学的吸収法などの処理技術が提案されている。化学的吸収法の例としては、アミン化合物を含有する吸収液を利用したアミン吸収液法などが知られている。
【0004】
アミン吸収液法においては、アミン化合物を含有する吸収液に二酸化炭素を吸収させ、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱によって再生するという工程を、循環システムで連続的に行っている。このようなシステムは、二酸化炭素回収システムと呼ばれる。二酸化炭素回収システムでは、吸収液中の二酸化炭素の吸収量を把握する事が、システムの制御のために重要である。そのため、二酸化炭素回収システムでは、吸収液中の二酸化炭素濃度を知る事が必要となる。
【0005】
一般的な二酸化炭素分析法としては、酸性液を注入し、TOC計により測定を行う無機カーボン測定や、JIS法による炭酸イオン滴定法などがある。しかしながら、アミン吸収液法で使用する吸収液は滴定量が多いため、これらの方法は、アミン吸収液法には適さない。
【0006】
また、ガスクロマトグラフィーイオンクロマトによれば、吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する事が可能である。しかしながら、この手法では、分析装置が初期状態に戻るまでに10分程度の時間を要し、連続測定が可能となってないため、二酸化炭素回収システムの制御にタイムラグが生じる。そのため、この分析装置は、アミン吸収液法で使用する吸収液用としては有効ではない。
【0007】
吸収液が液体のまま二酸化炭素濃度を測定可能な分析方法としては、レーザーラマン測定法などが紹介されている。レーザーラマン測定法では、分子振動のうちの対称伸縮振動により双極子モーメントは変化しないが、分極率が変化する事により、二酸化炭素濃度が測定可能となる。しかしながら、レーザーラマン測定法では、溶存炭酸ガスのような状態を測定対象とする事はできないと言われている。
【0008】
核磁気共鳴(NMR)法は、分子を磁場の中に入れるとスピン運動が生じ、この分子に電磁波を照射すると電磁波の吸収が起こる事を利用している。しかしながら、原子は、その陽子数、中性子数が偶数の場合には、核スピンが起こらない。そのため、核磁気共鳴法の適用は、Hのように中性子数と陽子数が奇数の原子に限られる。また、核磁気共鳴法では、アルカリ性の液状態にてHCOイオンがほぼ比例的に増大する現象を捉えて、NMR装置により化学シフトを測定している。しかしながら、核磁気共鳴装置では、供給設備などの問題から、連続測定を行う事は困難である。
【0009】
また、赤外分光光度法や固体電解質検出器による二酸化炭素の濃度測定では、吸収液中の二酸化炭素をガス化する作業が必要なため、連続測定を行う事は困難である。
【0010】
火力発電設備やボイラ設備は、常に安定して運転されているわけではなく、排気される二酸化炭素ガスのガス濃度も制御されていない。このような状況に対応する事が可能な二酸化炭素回収システムの効率的な運転制御には、迅速な分析手法とインラインによる連続測定が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−258160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、アミン化合物を含有する吸収液中の二酸化炭素濃度をインラインで連続的かつ自動的に測定可能な二酸化炭素濃度測定装置、二酸化炭素濃度測定方法、及び二酸化炭素回収システムを提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態の二酸化炭素濃度測定装置は、二酸化炭素を吸収した吸収液を流すための試料セルと、前記吸収液が前記試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液の密度を計測する振動密度計と、前記吸収液の密度に基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する計算部とを備える。
【0014】
また、別の実施形態の二酸化炭素濃度測定方法では、二酸化炭素を吸収した吸収液を試料セル内に流し、前記吸収液が前記試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液の密度を計測し、前記吸収液の密度に基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する。
【0015】
また、別の実施形態の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有するガスと、アミン化合物を含有する吸収液とを接触させて、前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させる吸収塔と、前記吸収塔から前記吸収液が供給され、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生塔と、前記再生塔から前記吸収液が供給され、前記吸収液を加熱して前記再生塔に戻すリボイラーと、前記吸収液が試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する1台以上の二酸化炭素濃度測定装置とを備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アミン化合物を含有する吸収液中の二酸化炭素濃度をインラインで連続的かつ自動的に測定する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す概略図である。
【図2】第1実施形態の二酸化炭素濃度測定装置(振動密度計)の構成を示す概略図である。
【図3】試料セルがコリオリ力により振動する様子を示した斜視図、及びコリオリ力により振動が遅れる様子を示したグラフである。
【図4】二酸化炭素濃度を計算する計算機構と、二酸化炭素回収システムを制御する制御機構の構成を示す概略図である。
【図5】吸収液の密度と吸収液中の二酸化炭素濃度との関係を示したグラフである。
【図6】吸収液の密度と吸収液の温度との関係を示したグラフである。
【図7】吸収液の密度と吸収液中の水分濃度との関係を示したグラフである。
【図8】第1実施形態において二酸化炭素濃度の測定値が変動する様子の一例を示したグラフである。
【図9】第1実施形態において燃焼排ガス流量のPID制御を行った場合の二酸化炭素濃度、燃焼排ガス流量の時間変動の一例を示したグラフである。
【図10】第1実施形態において燃焼排ガス流量を手動制御した場合の二酸化炭素濃度の時間変動の一例を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の二酸化炭素回収システムの構成を示す概略図である。
【0020】
図1の二酸化炭素回収システムは、吸収塔1と、再生塔2と、第1〜第3の二酸化炭素濃度測定装置11〜13と、循環ポンプ14と、熱交換器15と、リボイラー16と、リボイラー蒸気ライン17と、蒸気流量調整弁18と、燃焼排ガス流量調整弁19とを備えている。
【0021】
吸収塔1は、図1に示すように、吸収塔1内の設置された吸収塔充填材3と、吸収塔1の底部に設置された吸収塔貯留部5と、吸収塔1の底部付近に設置された燃焼排ガス流入口7と、吸収塔1の頂部に設置された処理済みガス放出口8と、吸収塔充填材3と吸収塔貯留部5との間に設置された吸収液受け皿10とを備えている。吸収液受け皿10は、本実施形態の吸収液採取部の例である。
【0022】
吸収塔1内には、二酸化炭素を含有する燃焼排ガスが、燃焼排ガス流入口7から供給される。吸収塔1は、燃焼排ガスと吸収液とを接触させて、燃焼排ガス中の二酸化炭素を吸収液に吸収させる塔である。燃焼排ガスの流量は、燃焼排ガス流量調整弁19により調整可能である。また、吸収液は、吸収塔1の頂部から注入され、吸収塔充填材3内を流れ落ちる間に、燃焼排ガスと気液接触する。本実施形態では、吸収液として、アミン化合物を含有するアミン吸収液が使用される。
【0023】
吸収塔1内では、二酸化炭素が除去された燃焼排ガス(処理済みガス)が、処理済みガス放出口8から排出され、二酸化炭素を吸収した吸収液(リッチ液)が、吸収塔貯留部5や吸収液受け皿10内に溜まる。吸収塔貯留部5内に溜まった吸収液は、吸収塔1外に排出された後、循環ポンプ14により移送され、再生塔2内に供給される。その途中、吸収液は、熱交換器15にて加熱される。
【0024】
再生塔2は、図1に示すように、再生塔2内に設置された再生塔充填材4と、再生塔2の底部に設置された再生塔貯留部6と、再生塔2の頂部に設置された二酸化炭素ガス放出口9とを備えている。
【0025】
再生塔2は、吸収塔1から吸収液が供給され、吸収液から二酸化炭素を放出させる塔である。吸収液は、再生塔2の頂部から注入され、再生塔充填材4内を流れ落ちる。再生塔2内では、吸収液から放出された二酸化炭素ガスが、二酸化炭素ガス放出口9から排出され、二酸化炭素を放出した吸収液(リーン液)が、再生塔貯留部6内に溜まる。再生塔貯留部6内に溜まった吸収液は、再生塔2外に排出された後、循環ポンプ14により移送され、吸収塔1内に供給される。その途中、吸収液は、熱交換器15にて冷却される。
【0026】
再生塔2から排出された吸収液の一部は、熱伝達媒体として利用するため、リボイラー16内に供給される。リボイラー16は、吸収液を加熱する事で、吸収液から蒸気を発生させる。この蒸気は、吸収液と共に、再び再生塔2内に戻される。そして、この蒸気の熱で吸収液が加熱される事で、上述のように、吸収液から二酸化炭素が放出される。
【0027】
なお、リボイラー16には、リボイラー蒸気ライン17が設けられている。リボイラー16から再生塔2内に戻される蒸気の流量は、リボイラー蒸気ライン17に設けられた蒸気流量調整弁18により調整可能である。
【0028】
なお、本実施形態で使用するアミン化合物は、有機物構造物に塩基性アミノ基を有するアルカノールアミンである。アルカノールアミンの例としては、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノールアミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノールなどの「1級アミン」、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノエタノール、2−イソプロピルアミノエタノール、2−n−ブチルアミノエタノール、ジエタノールアミンなどの「2級アミン」、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−エチル−N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンなどの「3級アミン」、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ジメチルピペラジン、2−ピペリジノエタノールなどの「環状アミン類」などが挙げられる。アルカノールアミンの例としてはさらに、ピペリジン類、ピロリジン類、エチレンジアミン、トリエチレンジアミンなどが挙げられる。ただし、本実施形態で使用するアルカノールアミンは、これらの例のみに限定されるものではない。これらのアミン化合物は例えば、水溶媒により10〜70重量%にして利用される。
【0029】
また、本実施形態で処理対象とする燃焼排ガスは、例えば、空気を用いて燃料を燃焼させた際に生じるガスと、調整ガスとを含有する混合ガスである。このような混合ガスは、二酸化炭素の他、例えば、酸素、窒素、水蒸気、SO、NOなどを含有している。図1の二酸化炭素回収システムは、二酸化炭素を含有するガスであれば、燃焼排ガス以外のガスに適用しても構わない。
【0030】
また、吸収塔1は、二酸化炭素をアミン吸収液に吸収させる化学吸収分離装置であれば、どのような方式のものであっても構わない。このような吸収塔1の例としては、充填塔、スクラバー塔、包鐘塔、棚段塔などが挙げられる。
【0031】
(1)二酸化炭素濃度測定装置
次に、図1の二酸化炭素回収システム内に設置された第1〜第3の二酸化炭素濃度測定装置11〜13について説明する。以下、これらの二酸化炭素濃度測定装置を単に、測定装置と表記する。
【0032】
第1の測定装置11は、吸収塔1から再生塔2へと向かう吸収液流路(リッチ液流路)に設置されており、該吸収液流路内を流れる吸収液(リッチ液)中の二酸化炭素濃度を測定する。第1の測定装置11の測定データは、例えば、吸収液における二酸化炭素の吸収状況や、吸収塔1の稼動状況を把握するために利用される。本実施形態では、第1の測定装置11は、吸収塔貯留部5の出口付近に設置されている。よって、第1の測定装置11の測定データからは、吸収塔貯留部5内に溜まっている吸収液中の二酸化炭素濃度を知る事ができる。
【0033】
また、第2の測定装置12は、再生塔2から吸収塔1へと向かう吸収液流路(リーン液流路)に設置されており、該吸収液流路内を流れる吸収液(リーン液)中の二酸化炭素濃度を測定する。第2の測定装置12の測定データは、例えば、吸収液の吸収能力の健全性や、再生塔2の稼動状況を把握するために利用される。本実施形態では、第2の測定装置12は、熱交換器15と吸収塔1との間に設置されている。
【0034】
ここで、吸収塔貯留部5は、吸収液の保持量が多いため、吸収液中の二酸化炭素濃度に変化が生じてから、第1の測定装置11の測定データが変化するまでに、時間がかかる。よって、第1の測定装置11の測定データからは、二酸化炭素濃度の瞬時の変化を把握しにくい。そのため、第1の測定装置11の測定データに基づいて二酸化炭素回収システムを制御すると、制御に時間の遅れが生じ、二酸化炭素濃度の瞬時の変化を制御に反映させにくい。
【0035】
そこで、本実施形態では、吸収塔貯留部5の上部に、吸収液(リッチ液)を溜めるための吸収液受け皿10が設置されている。吸収液受け皿10内に溜まった吸収液は、ポンプにより、第3の測定装置13へと移送される。そして、第3の測定装置13は、この吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する。第3の測定装置13の測定データは、例えば、二酸化炭素回収システムの制御用に利用される。
【0036】
吸収液受け皿10は、吸収塔貯留部5に比べて小型であるため、吸収液中の二酸化炭素濃度の変化は、第3の測定装置13の測定データに瞬時に反映される。そこで、本実施形態では、第3の測定装置13の測定データを利用して、二酸化炭素回収システムの制御を行う。これにより、二酸化炭素濃度の瞬時の変化を制御に反映させる事が可能となる。本実施形態は例えば、火力発電設備やボイラ設備からの燃焼排ガスを処理対象とする場合に有効である。
【0037】
なお、第1〜第3の測定装置11〜13は、二酸化炭素回収システム内において、振動の少ない地点に設置する事が望ましい。理由は、第1〜第3の測定装置11〜13は、後述するように、コリオリ力による試料セルの振動を利用して、二酸化炭素濃度を測定するからである。また、本実施形態では、第1〜第3の測定装置11〜13は、測定対象の吸収液の温度が20〜80℃となるよう設置される。
【0038】
(2)二酸化炭素濃度の測定方法
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態における二酸化炭素濃度の測定方法について説明する。以下の説明では、当該測定方法を、第3の測定装置13による二酸化炭素濃度の測定を例に説明する。以下、第3の測定装置13を単に、測定装置13と表記する。
【0039】
図2は、測定装置13の構成を示す概略図である。図2には、測定装置13を構成する振動密度計の構成が示されている。
【0040】
測定装置13は、図2に示すように、計測部21と、演算部22と、供給ポンプ23とを備えている。そして、計測部21は、恒温槽31と、試料セル(流通管)32と、温度計33と、試料入口34と、試料出口35と、駆動器(トランスミッタ)36と、検出器37とを備えている。また、演算部22は、発振器38と、固有振動周期検出器39とを備えている。
【0041】
吸収液受け皿10(図1)内に溜まった吸収液は、供給ポンプ23により、試料セル32内に供給される。吸収液は、試料入口34から注入され、試料セル32内を試料入口34から試料出口35へと流れ、試料出口35から排出される。
【0042】
吸収液が試料セル32内を流れる際、駆動器36及び発振器38は、試料セル32に振動を加えるよう動作する。これにより、試料セル32には、吸収液の流れに起因するコリオリ力が働き、試料セル32が、コリオリ力により振動する(図3)。図3は、試料セルがコリオリ力により振動する様子を示した斜視図、及びコリオリ力により振動が遅れる様子を示したグラフである。
【0043】
試料セル32に働くコリオリ力は、以下の式(1)で表される。
F=2mωV ・・・(1)
ただし、Fはコリオリ力を表し、mは吸収液の質量、ωは試料セルの角速度、Vは吸収液の速度を表す。
【0044】
試料セル32がコリオリ力により振動すると、コリオリ力による振動と、駆動器36及び発振器38による振動との間に位相差が生じる。この位相差は、検出器37及び固有振動周期検出器39によって検出される。具体的には、固定されたマグネットとコイルにより、試料セル32のねじれに起因する位相差信号が検出される。
【0045】
そして、測定装置(振動密度計)13は、位相差の検出結果に基づいて、吸収液の密度を計測して出力する。測定装置(振動密度計)13はさらに、恒温槽31内に設置された温度計33により、吸収液の温度を計測して出力する。
【0046】
図4は、二酸化炭素濃度を計算する計算機構と、二酸化炭素回収システムを制御する制御機構の構成を示す概略図である。以下、計算機構の詳細を説明し、制御機構の詳細については後述する事にする。
【0047】
図4に示す符号13は、測定装置13を構成する振動密度計を表す。測定装置13は、振動密度計の他、二酸化炭素濃度の計算機構として、アナログ/デジタル(A/D)変換器41と、計算部42とを備え、二酸化炭素回収システムの制御機構として、モータドライバ43と、モータ44と、エンコーダ45と、計算部42と、蒸気流量調整電磁弁(アクチュエータ)46とを備えている。図4に示す2個の計算部42は、同じ計算部であっても、異なる計算部であっても構わない。
【0048】
A/D変換器41には、吸収液の密度と温度の計測値を保持する電気信号が、振動密度計から入力される。A/D変換器41は、この電気信号をデジタル信号に変換し、計算部42のA/D入力端子51に供給する。そして、計算部52は、吸収液の密度に基づいて、吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する。計算部52は例えば、PLC(Program Logic Control)である。
【0049】
以上のように、測定装置13は、コリオリ力による試料セル32の振動を利用して、二酸化炭素濃度を測定する。具体的には、測定装置13は、振動密度計により吸収液の密度を計測し、吸収液の密度に基づいて、二酸化炭素濃度を算出する。
【0050】
振動密度計によれば、吸収液の密度をシステム内で短時間で測定する事ができ、さらには、測定を自動的に繰り返し行う事ができる。よって、本実施形態の測定装置13によれば、二酸化炭素濃度をインラインで短時間に測定する事が可能となり、さらには、測定を連続的かつ自動的に行う事が可能となる。測定装置13を用いて二酸化炭素濃度を測定してみた所、二酸化炭素濃度を7秒間隔で測定する事ができた。
【0051】
なお、第1、第2の測定装置11、12は、第3の測定装置13と同様に、図2〜図4に示す構成を有し、第3の測定装置13と同様の方法で、吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する。ただし、第1、第2の測定装置11、12は、二酸化炭素回収システムの制御は行わないため、モータドライバ43、モータ44、エンコーダ45、及び蒸気流量調整電磁弁46は不要である。
【0052】
なお、本実施形態の二酸化炭素回収システムには、3台の測定装置11〜13が設置されているが、測定装置の設置台数は、3台以外であっても構わない。本実施形態の二酸化炭素回収システムは、測定装置を1台しか備えていなくてもよいし、複数台の測定装置を備えていてもよい。
【0053】
(3)吸収液の密度と吸収液中の二酸化炭素濃度との関係
次に、図5〜図8を参照して、吸収液の密度と、吸収液中の二酸化炭素濃度との関係について説明する。
【0054】
測定により、アミン化合物を含有する吸収液の密度と、該吸収液中の二酸化炭素濃度との間には、図5に示すような線形関係が成り立つ事が解った。図5は、吸収液の密度と吸収液中の二酸化炭素濃度(二酸化炭素負荷量)との関係を示したグラフである。この関係は、以下の式(2)で表される。
二酸化炭素濃度=A×吸収液密度−B ・・・(2)
ただし、A、Bはいずれも、正の定数である。測定装置11〜13は、式(2)を利用する事で、吸収液密度から二酸化炭素濃度を計算する。
【0055】
なお、吸収液密度と二酸化炭素濃度は共に、吸収液の温度に応じて変化する。よって、振動密度計(図2)にて計測される密度は、所定温度における吸収液密度に相当し、計算部42(図4)にて算出される濃度は、所定温度における二酸化炭素濃度に相当する。振動密度計からは、吸収液の密度と温度が出力されるため、計算部42は、吸収液中の二酸化炭素濃度に共に、その吸収液の温度を把握する事ができる。
【0056】
なお、アミン化合物を含有する吸収液の密度と、該吸収液の温度との間には、図6に示すような線形関係が成り立つ。図6は、吸収液の密度と温度との関係を示したグラフである。この関係は、以下の式(3)で表される。
吸収液密度=−C×吸収液温度+D ・・・(3)
ただし、C、Dはいずれも、正の定数である。
【0057】
以上のように、吸収液中の二酸化炭素濃度は、式(2)により計算可能である。しかしながら、アミン化合物を含有する吸収液は、燃焼排ガス中の水蒸気が吸収液中に混入する事で、その密度が変化する。水蒸気の混入により、吸収液中におけるアミン化合物と水分との割合が変化するからである。吸収液の密度は、吸収液中の水分濃度(吸収液全体に占める水分の割合)により、以下の式(4)で表される。
吸収液密度=−E×水分濃度+F ・・・(4)
ただし、E、Fはいずれも、正の定数である。式(4)の関係については、図7に示されている。図7は、吸収液の密度と吸収液中の水分濃度との関係を示したグラフである。
【0058】
よって、燃焼排ガス中の水蒸気が吸収液中に混入した場合、本実施形態では、式(2)の関係を式(4)により補正する。これにより、式(2)は、以下の式(5)のように補正される。
二酸化炭素濃度=G×吸収液密度−H×水分濃度+I ・・・(5)
ただし、G、H、Iはいずれも、正の定数である。燃焼排ガス中の水蒸気が吸収液中に混入した場合、測定装置11〜13は、式(5)を利用する事で、吸収液密度と水分濃度から二酸化炭素濃度を計算する。
【0059】
なお、アミン化合物を含有する吸収液の水分濃度は、例えば、1Nの硫酸溶液(例えば100ml)中に吸収液(例えば5ml)を注入し、吸収液のpH測定により吸収液中のアミン濃度(吸収液全体に占めるアミン化合物の割合)を測定し、アミン濃度から水分濃度を計算する事で測定可能である。
【0060】
ただし、上述の説明における水分濃度、アミン濃度は、吸収液中に二酸化炭素が吸収されていない状態での水分濃度、アミン濃度に相当する。よって、pH測定によるアミン濃度の測定は、吸収液中の二酸化炭素を気散させながら実施する。
【0061】
本実施形態では、式(2)と式(5)を、測定装置11〜13内にあらかじめ記憶させておく。そして、測定装置11〜13は、記憶された式(2)又は式(5)を利用して、二酸化炭素濃度を計算する。なお、上述のA〜Iの定数は、吸収液の種類によって異なる値となる。
【0062】
検証によれば、本実施形態における二酸化炭素濃度の測定誤差は、±0.15%程度と良好であった。本実施形態によれば、吸収液を希釈する事なく二酸化炭素濃度を測定する事が可能である。また、本実施形態によれば、二酸化炭素濃度を、7秒の測定インターバルでインラインで連続自動分析する事が可能である事から、二酸化炭素回収システムの操作工程に適した濃度測定が可能である。よって、本実施形態にて測定される二酸化炭素濃度は、二酸化炭素回収システムの制御用に利用できるだけでなく、二酸化炭素回収システムの操作性の向上に寄与する事ができる。
【0063】
図8は、本実施形態において二酸化炭素濃度の測定値が変動する様子の一例を示したグラフである。本実施形態では、短い測定インターバルで二酸化炭素濃度を測定するため、本実施形態の濃度測定値には、図8に示すように、二酸化炭素濃度の濃度変動が敏感に反映される。よって、本実施形態の濃度測定によれば、二酸化炭素回収システムの停止工程や起動工程、さらには変動過程に対応する事ができ、正確な二酸化炭素濃度を測定する事ができる。
【0064】
(4)二酸化炭素回収システムの制御
次に、再び図4を参照して、第3の測定装置13による二酸化炭素回収システムの制御について説明する。
【0065】
測定装置13は、二酸化炭素回収システムの制御機構として、モータドライバ43と、モータ44と、エンコーダ45と、計算部42と、蒸気流量調整電磁弁(アクチュエータ)46とを備えている。
【0066】
計算部42により計算された二酸化炭素濃度は、パルス信号として計算部42から出力され、モータドライバ43に供給される。モータ44は、循環ポンプ14(図1)を稼動させるためのモータである。モータドライバ43は、パルス信号に応じてモータ44を制御する事で、循環ポンプ14の回転数を制御する。これにより、モータドライバ43は、リッチ液流路を流れるリッチ液の流量を制御し、リッチ液中の二酸化炭素濃度を設定濃度に調整する。
【0067】
エンコーダ45は、循環ポンプ14の回転数を読み取り、読み取り結果をパルス信号として出力する。このパルス信号は、計算部42のパルス入力端子52にフィードバックされる。そして、計算部42は、リボイラー16から再生塔2内に戻される蒸気の流量を、循環ポンプ14の回転数に適した流量に制御すべく、上記パルス信号に基づいて蒸気流量調整弁18(図1)を制御する。具体的には、計算部42は、蒸気流量調整電磁弁46用の制御信号を出力端子53から出力し、蒸気流量調整電磁弁46を調整する事で、蒸気流量調整弁18を制御する。これにより、計算部42は、リーン液中の二酸化炭素濃度を設定濃度に再生させる。
【0068】
また、計算部42は、燃焼排ガス流量調整弁19用の電磁弁を調整する事で、吸収塔1内に供給される燃焼排ガスの流量を制御する事が可能である。この電磁弁については、測定装置13により測定された二酸化炭素濃度に基づいて、PID制御を行ってもよい。
【0069】
図9は、本実施形態において燃焼排ガス流量のPID制御を行った場合の二酸化炭素濃度、燃焼排ガス流量の時間変動の一例を示したグラフである。図9には、二酸化炭素回収システムの起動時におけるPID制御の様子が示されている。本実施形態では、短い測定インターバルで二酸化炭素濃度を測定するため、この二酸化炭素濃度に基づいてPID制御を行う事で、二酸化炭素濃度、燃焼排ガス流量の滑らかな時間変動を実現する事が可能となる。
【0070】
一方、図10は、本実施形態にて燃焼排ガス流量を手動制御した場合の二酸化炭素濃度の時間変動の一例を示したグラフである。この場合、二酸化炭素濃度の滑らかな時間変動を実現する事は難しい。さらには、二酸化炭素濃度が規定値を超えないよう、二酸化炭素濃度を段階的に変動させる必要が生じてしまう(図10)。
【0071】
以上のように、本実施形態では、第3の測定装置13により測定された二酸化炭素濃度に基づいて、二酸化炭素回収システムを制御する。同様に、本実施形態では、第1の測定装置11により測定された二酸化炭素濃度や、第2の測定装置12により測定された二酸化炭素濃度に基づいて、二酸化炭素回収システムを制御してもよい。
【0072】
例えば、第1の測定装置11により測定された二酸化炭素濃度と、第2の測定装置12により測定された二酸化炭素濃度とを同時に解析する事で、再生塔2の二酸化炭素放出量と二酸化炭素放出エネルギーを計算し、これらの計算結果に基づいて、リボイラー16から再生塔2内に戻される蒸気の流量を制御してもよい。
【0073】
また、本実施形態の二酸化炭素回収システムでは、第1〜第3の測定装置11〜13と異なる位置に、測定装置を設置してもよい。例えば、二酸化炭素回収システム内の吸収液補充タンクに測定装置を設け、このタンク内の吸収液を測定対象としてもよい。これにより、吸収液中のアミン濃度を間接的に測定する事が可能となり、吸収液補充タンク内の吸収液のアミン濃度調整を、現場にて簡単に行う事が可能となる。
【0074】
(5)第1実施形態の効果
最後に、第1実施形態の効果について説明する。
【0075】
以上のように、測定装置11〜13は、コリオリ力による試料セル32の振動を利用して、二酸化炭素濃度を測定する。具体的には、測定装置11〜13は、振動密度計により吸収液の密度を計測し、吸収液の密度に基づいて、二酸化炭素濃度を算出する。
【0076】
振動密度計によれば、吸収液の密度をシステム内で短時間で測定する事ができ、さらには、測定を自動的に繰り返し行う事ができる。よって、測定装置11〜13によれば、二酸化炭素濃度をインラインで短時間に測定する事が可能となり、さらには、測定を連続的かつ自動的に行う事が可能となる。測定装置11〜13を用いて二酸化炭素濃度を測定してみた所、二酸化炭素濃度を7秒間隔で測定する事ができた。
【0077】
また、本実施形態では、吸収塔貯留部5の上部に吸収液受け皿10が設置され、第3の測定装置13は、吸収液受け皿10内に溜まった吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する。これにより、二酸化炭素濃度の瞬時の変化を、二酸化炭素濃度の測定結果に反映させる事が可能となる。さらには、第3の測定装置13による二酸化炭素濃度の測定結果に基づいて、二酸化炭素回収システムを制御する事で、二酸化炭素濃度の瞬時の変化を制御に反映させる事が可能となる。
【0078】
以下、第1実施形態の変形例である第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0079】
(第2実施形態)
式(4)を参照して説明したように、第1実施形態では、燃焼排ガス中の水蒸気が吸収液中に混入した場合、吸収液の密度と、吸収液中の水分濃度とに基づいて、二酸化炭素濃度を計算する。この水分濃度は、例えば、1Nの硫酸溶液中に吸収液を注入し、吸収液のpH測定により吸収液中のアミン濃度を測定し、アミン濃度から水分濃度を計算する事で測定される。
【0080】
一方、第2実施形態では、燃焼排ガス中の水蒸気が吸収液中に混入した場合、吸収液の密度と、吸収液中のアミン濃度とに基づいて、二酸化炭素濃度を計算する。このような濃度計算のための式は、式(4)に対し、アミン濃度から水素濃度を計算する式を代入する事で導出する事が可能である。第2実施形態では、こうして導出された式を、測定装置11〜13内にあらかじめ記憶させておく。そして、測定装置11〜13は、記憶された式を利用して、二酸化炭素濃度を計算する。
【0081】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、二酸化炭素濃度をインラインで短時間に測定する事が可能となり、さらには、測定を連続的かつ自動的に行う事が可能となる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1:吸収塔、2:再生塔、3:吸収塔充填材、4:再生塔充填材、
5:吸収塔貯留部、6:再生塔貯留部、7:燃焼排ガス流入口、
8:処理済みガス放出口、9:二酸化炭素ガス放出口、10:吸収液受け皿、
11:第1の二酸化炭素濃度測定装置(リッチ側)、
12:第2の二酸化炭素濃度測定装置(リーン側)、
13:第3の二酸化炭素濃度測定装置(吸収液受け皿用)、
14:循環ポンプ、15:熱交換器、
16:リボイラー、17:リボイラー蒸気ライン、
18:蒸気流量調整弁、19:燃焼排ガス流量調整弁、
21:計測部、22:演算部、23:供給ポンプ、
31:恒温槽、32:試料セル(流通管)、33:温度計、
34:試料入口、 35:試料出口、36:駆動器(トランスミッタ)、
37:検出器、38:発振器、39:固有振動周期検出器、
41:アナログ/デジタル変換器、42:計算部、43:モータドライバ、
44:モータ、45:エンコーダ、46:蒸気流量調整電磁弁(アクチュエータ)、
51:アナログ/デジタル入力端子、52:パルス入力端子、53:出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を吸収した吸収液を流すための試料セルと、
前記吸収液が前記試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液の密度を計測する振動密度計と、
前記吸収液の密度に基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する計算部と、
を備える二酸化炭素濃度測定装置。
【請求項2】
前記吸収液は、アミン化合物を含有する吸収液であり、
前記計算部は、前記吸収液の密度と、前記吸収液中の水分濃度又はアミン濃度とに基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する、
請求項1に記載の二酸化炭素濃度測定装置。
【請求項3】
二酸化炭素を吸収した吸収液を試料セル内に流し、
前記吸収液が前記試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液の密度を計測し、
前記吸収液の密度に基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する、
二酸化炭素濃度測定方法。
【請求項4】
前記吸収液は、アミン化合物を含有する吸収液であり、
前記吸収液中の二酸化炭素濃度は、前記吸収液の密度と、前記吸収液中の水分濃度又はアミン濃度とに基づいて計算される、
請求項3に記載の二酸化炭素濃度測定方法。
【請求項5】
二酸化炭素を含有するガスと、アミン化合物を含有する吸収液とを接触させて、前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させる吸収塔と、
前記吸収塔から前記吸収液が供給され、前記吸収液から前記二酸化炭素を放出させる再生塔と、
前記再生塔から前記吸収液が供給され、前記吸収液を加熱して前記再生塔に戻すリボイラーと、
前記吸収液が試料セル内を流れることで生じるコリオリ力により、前記試料セルが振動することを利用して、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する1台以上の二酸化炭素濃度測定装置と、
を備える二酸化炭素回収システム。
【請求項6】
前記二酸化炭素濃度測定装置は、前記吸収塔と前記再生塔との間の吸収液流路を流れる前記吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する、
請求項5に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項7】
前記吸収塔は、
前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を溜めるための吸収塔貯留部と、
前記吸収塔貯留部の上部にて前記吸収液を採取するための吸収液採取部とを備え、
前記二酸化炭素濃度測定装置は、前記吸収液採取部にて採取された前記吸収液中の二酸化炭素濃度を測定する、
請求項5又は6に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項8】
前記二酸化炭素濃度測定装置は、
前記試料セルの振動を利用して、前記吸収液の密度を計測する振動密度計と、
前記吸収液の密度に基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する計算部と、
を備える請求項5から7のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項9】
前記計算部は、前記吸収液の密度と、前記吸収液中の水分濃度又はアミン濃度とに基づいて、前記吸収液中の二酸化炭素濃度を計算する、
請求項8に記載の二酸化炭素回収システム。
【請求項10】
前記二酸化炭素濃度測定装置は、前記吸収液中の二酸化炭素濃度に基づいて、前記吸収塔と前記再生塔との間の吸収液流路を流れる前記吸収液の流量、前記吸収塔内に供給される前記ガスの流量、又は前記リボイラー内で発生し前記再生塔内に戻される蒸気の流量を制御する、
請求項5から9のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−225709(P2012−225709A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92093(P2011−92093)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】