説明

交換可能なプローブを組み込んだ非破壊検査のシステムおよび方法

【課題】ロボットアームと、ロボットアームに近接した保管デバイスと、保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査(NDI)プローブ組立体とを含む非破壊検査デバイスを提供すること。
【解決手段】それぞれの非破壊検査プローブ組立体450は、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、およびロボットアームと対応する非破壊検査プローブ組立体450との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを含む。それぞれの非破壊検査プローブ組立体450は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、ロボットアーム302は、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、ツールおよびプローブ組立体450の動きに選択的に係合するために動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に、非破壊検査(NDI)の機器および工程に関し、より詳細には、交換可能なプローブを組み込んだ非破壊検査のシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、航空機用の主要な構造的複合部品および複合リブ部品などの複合部品の製作工程の一部は、非破壊検査(NDI)工程が含む。しかしながら、一例示的な製作において、複合リブは、互いに同一ではない。すなわち、リブ番号2は、たとえば、リブ番号5とは全く異なるサイズである。さらに、この例示的な製作において、航空機の右側用のリブは、航空機の左側用のリブとは異なる。
【0003】
現在、非破壊検査は、エフェクタの端部に取り付けられた非破壊検査プローブによるx−y−zスキャナを使用して実施される。非破壊検査プローブは、部品に関連付けられたさまざまな非破壊検査テストを実施するために、オペレータによって交換される。個々のコンポーネントのための別個の検査システム、およびプローブを交換するオペレータには、法外な費用がかかる。さらに、深い水タンクにおいて多くの非破壊検査が実施されるとき、そのようなタンクに関連付けられる支出は、企業が避けたいコストである。
【0004】
超音波非破壊検査システムによるロボット検査は、電気的接続/分離に対するプローブヘッドの感度のために、常に限界があった。しかしながら、上で説明したように、あらゆる検査条件のために異なるプローブヘッドを有することは、ロボットのサイズおよびコストに影響を与えることになる、重く複雑なエンドエフェクタをもたらすことになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、ロボットアームと、ロボットアームに近接した保管デバイスと、保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査(NDI)プローブ組立体とを含む非破壊検査デバイスが提供される。それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、およびロボットアームと対応する非破壊検査プローブ組立体との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを含む。それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、ロボットアームは、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、ツールおよびプローブ組立体の動きに選択的に係合するために動作可能である。
【0006】
多数の構造的特徴を組み込んだ部品の非破壊検査(NDI)のための方法が提供される。方法は、ロボットアームに近接して準備された複数の非破壊検査プローブ組立体から、検査されることになる部品に関連付けられた多数の構造的特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、非破壊検査プローブ組立体を選択するステップと、選択された非破壊検査プローブ組立体をロボットアームに係合させるステップと、選択された非破壊検査プローブ組立体が、選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた部品の構造的特徴のうちの1つに近接して、検査されることになる部品に係合するように、ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップと、選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたトランスデューサが非破壊検査に関連付けられた信号を提供し、受信している間に、非破壊検査プローブ組立体を画定された経路において部品に沿ってガイドするステップと、選択された非破壊検査プローブ組立体を準備エリアに戻すステップと、ロボットアームに近接して準備された少なくともあと1つの非破壊検査プローブ組立体について、選択するステップ、係合させるステップ、動かすステップ、ガイドするステップ、および戻すステップを繰り返すステップであって、非破壊検査プローブ組立体がロボットアームに展開されるときも、ロボットアームに近接して準備されるときも、それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、部品の少なくとも1つの異なる構造的特徴に関連付けられ、対応する電子組立体に通信可能に結合される、繰り返すステップとを含む。
【0007】
さらに別の態様において、リニアトラックと、リニアトラックに沿って動くように動作可能なキャリッジと、キャリッジに装着されたロボットアームと、キャリッジに装着された保管デバイスと、キャリッジに装着された複数の電子組立体と、対応する電子組立体に通信可能に結合された、保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体とを含む非破壊検査(NDI)システムが提供される。電子組立体のそれぞれは、非破壊検査において利用される特定のトランスデューサの動作に信号を提供するように動作可能である。それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、コンポーネントの非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および複数の構造的特徴を有するコンポーネントの非破壊検査のためのロボットアームに対する機械的インターフェースを含む。システムは、少なくとも1つの特定の構造的特徴の非破壊検査のために、保管デバイスから非破壊検査プローブ組立体のうちの1つを選択し、係合させ、取り出すようにロボットアームを動作し、非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた少なくとも1つのトランスデューサが少なくとも1つの構造的特徴の非破壊検査のための開始ポジションに近接するように、取り出された非破壊検査プローブ組立体をコンポーネントに対するポジションに設置し、非破壊検査を開始するためのコマンドを実行し、キャリッジおよびロボットアームのうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの画定された走査経路に沿って、取り出された非破壊検査プローブ組立体を動かし、取り出された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたコンポーネントの構造的特徴の非破壊検査の完了時に、取り出された非破壊検査プローブ組立体を保管デバイスに戻すように、プログラムされている。システムはさらに、コンポーネントに関連付けられた複数の構造的特徴のために特定の一組の非破壊検査テストを完了することを必要とする、保管デバイス内の非破壊検査プローブ組立体のそれぞれについて、動作、設置、実行、動かすこと、および戻すことを繰り返すように、プログラムされている。
【0008】
本発明の他の態様は、以下を含むことができる。
A.リニアトラックに沿って動くように動作可能なキャリッジを備える前記リニアトラックと、
前記キャリッジに装着されたロボットアームと、
前記キャリッジに装着された保管デバイスと、
前記キャリッジに装着された複数の電子組立体であって、前記電子組立体のそれぞれが、非破壊検査において利用される特定のトランスデューサの動作に信号を提供するように動作可能である、複数の電子組立体と、
対応する前記電子組立体に通信可能に結合された、前記保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体と
を備える非破壊検査(NDI)システムであって、
それぞれの非破壊検査プローブ組立体が、コンポーネントの非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および複数の構造的特徴を有するコンポーネントの非破壊検査のための前記ロボットアームに対する機械的インターフェースを備え、
前記システムが、
少なくとも1つの特定の構造的特徴の非破壊検査のために、前記保管デバイスから前記非破壊検査プローブ組立体のうちの1つを選択し、係合させ、取り出すように前記ロボットアームを動作し、
前記非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた少なくとも1つのトランスデューサが、少なくとも1つの構造的特徴の非破壊検査のための開始ポジションに近接するように、取り出された非破壊検査プローブ組立体をコンポーネントに対するポジションに設置し、
非破壊検査を開始するためのコマンドを実行し、
前記キャリッジおよび前記ロボットアームのうちの少なくとも1つを使用して、少なくとも1つの画定された走査経路に沿って、取り出された非破壊検査プローブ組立体を動かし、
取り出された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたコンポーネントの構造的特徴の非破壊検査の完了時に、取り出された非破壊検査プローブ組立体を前記保管デバイスに戻すように、プログラムされており、
前記システムはさらに、
コンポーネントに関連付けられた複数の構造的特徴のために特定の一組の非破壊検査テストを完了することを必要とする、前記保管デバイス内の前記非破壊検査プローブ組立体のそれぞれについて、動作、設置、実行、動かすこと、および戻すことを、繰り返すように、プログラムされている
非破壊検査(NDI)システム。
【0009】
B.それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体が、
第1のプローブ組立体半分と、
第2のプローブ組立体半分と、
前記プローブ組立体半分両方を機械的に接続するために利用される少なくとも1つのガイドバーと
を備え、
前記第2のプローブ組立体半分が前記第1のプローブ組立体半分に対して可動であり、それぞれの前記プローブ組立体半分が、その中に配置された少なくとも1つの磁石を備え、前記非破壊検査プローブ組立体が非破壊検査を受けることになるコンポーネントの部分に適正に係合するように、前記磁石は前記第2のプローブ組立体半分を動かすように動作可能である、
パラグラフAに記載の非破壊検査システム。
【0010】
C.前記リニアトラックに近接した浅い水タンクをさらに備え、
前記ロボットアームが前記リニアトラックに沿って前記浅い水タンクの長さを移動することができるように、前記リニアトラックが前記浅い水タンクに近接して位置付けられる、
パラグラフAに記載の非破壊検査システム。
【0011】
D.前記非破壊検査プローブ組立体が前記ロボットアームに展開されるときも、前記保管デバイス内に配置されるときも、前記電子組立体は、対応する前記トランスデューサに通信可能に結合される、パラグラフAに記載の非破壊検査システム。
【0012】
E.前記非破壊検査プローブ組立体が、
上部半径およびキャッププローブ組立体と、
下部半径および側面プローブ組立体と、
内部半径プローブ組立体と
を備える、パラグラフAに記載の非破壊検査システム。
【0013】
F.6軸関節アームペデスタルロボットを備えるロボットアームと、
前記ロボットアームに近接した保管デバイスと、
前記保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体と
を備える非破壊検査(NDI)デバイスであって、
それぞれの非破壊検査プローブ組立体が、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および前記ロボットアームと対応する前記非破壊検査プローブ組立体との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを備え、それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、前記ロボットアームが、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、前記ツールおよび前記プローブ組立体の動きに選択的に係合するために動作可能である、非破壊検査(NDI)デバイス。
【0014】
G.ロボットアームと、
前記ロボットアームに近接した保管デバイスと、
前記保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体と
を備える非破壊検査(NDI)デバイスであって、
それぞれの非破壊検査プローブ組立体が、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および前記ロボットアームと対応する前記非破壊検査プローブ組立体との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを備え、それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、前記ロボットアームが、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、前記ツールおよび前記プローブ組立体の動きに選択的に係合するために動作可能であり、
非破壊検査プローブ組立体はまた、
対応する前記トランスデューサのためのホルダーと、
前記ロボットアームを介して、非破壊検査が実施されることになるコンポーネントに係合し、前記トランスデューサを部品の非破壊検査のためのポジションに設置するように動作可能な外部磁気誘導フィクスチャと
を備え、
前記外部磁気誘導フィクスチャは、部品の非破壊検査を可能にするポジションに前記トランスデューサを設置するために動作可能な機械的インターフェースを備える、
非破壊検査(NDI)デバイス。
【0015】
H.ロボットアームと、
前記ロボットアームに近接した保管デバイスと、
前記保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体と
を備える非破壊検査(NDI)デバイスであって、
それぞれの非破壊検査プローブ組立体が、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および前記ロボットアームと対応する前記非破壊検査プローブ組立体との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを備え、それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、前記ロボットアームが、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、前記ツールおよび前記プローブ組立体の動きに選択的に係合するために動作可能であり、
非破壊検査プローブ組立体はまた、
第1のプローブ組立体半分と、
第2のプローブ組立体半分と、
前記プローブ組立体半分両方を機械的に接続するために利用される少なくとも1つのガイドバーと
を備え、
前記第2のプローブ組立体半分が前記第1のプローブ組立体半分に対して可動であり、それぞれの前記プローブ組立体半分が、その中に配置された少なくとも1つの磁石を備え、前記非破壊検査プローブ組立体が非破壊検査を受けることになる部品の部分に適正に係合するように、前記磁石は前記第2のプローブ組立体半分を動かすように動作可能である、
非破壊検査(NDI)デバイス。
【0016】
I.多数の構造的特徴を組み込んだ部品の非破壊検査(NDI)のための方法であって、前記方法は、
ロボットアームに近接して準備された複数の非破壊検査プローブ組立体から、検査されることになる部品に関連付けられた多数の構造的特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、非破壊検査プローブ組立体を選択するステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体をロボットアームに係合させるステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体が、選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた部品の構造的特徴のうちの1つに近接して、検査されることになる部品に係合するように、ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたトランスデューサが非破壊検査に関連付けられた信号を提供し、受信している間に、非破壊検査プローブ組立体を画定された経路において部品に沿ってガイドするステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体を準備エリアに戻すステップと、
ロボットアームに近接して準備された少なくともあと1つの非破壊検査プローブ組立体について、選択するステップ、係合させるステップ、動かすステップ、ガイドするステップ、および戻すステップを繰り返すステップであって、非破壊検査プローブ組立体がロボットアームに展開されるときも、ロボットアームに近接して準備されるときも、それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、部品の少なくとも1つの異なる構造的特徴に関連付けられ、対応する電子組立体に通信可能に結合される、繰り返すステップと
を含み、
非破壊検査プローブ組立体を画定された経路において部品に沿ってガイドするステップが、
非破壊検査を受ける部品に近接したリニアトラックに沿ってロボットアームを動かすステップ、および
ロボットアームに関連付けられた6軸関節アームペデスタルを動かすステップ
のうちの少なくとも1つを含む、
方法。
【0017】
J.ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップが、誘導フィクスチャ内のトランスデューサが最初の非破壊検査走査のための部品に近接して適正に設置されるように、検査されることになる部品を誘導フィクスチャに係合させるステップをさらに含む、パラグラフIに記載の方法。
【0018】
論じされた特徴、機能、および利点は、さまざまな実施形態において独立して達成されてもよく、または以下の説明および図面を参照してそのさらなる詳細を見ることができる、他の実施形態に組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】航空機の生産および点検の方法論のフローダイアグラムである。
【図2】航空機のブロックダイアグラムである。
【図3】一実施形態に従った非破壊検査(NDI)システムの正面図である。
【図4】図3の非破壊検査システムの背面図である。
【図5】図3および図4のシステムを使用する、部品の非破壊検査のためのロボット運動制御プログラム行動を図示するフローチャートである。
【図6】ハット補剛剤のための上部半径およびキャップのデータのプロットを含む図である。
【図7】ハット補剛剤のための下部半径および側面のデータのプロットを含む図である。
【図8】ハット補剛剤のための内部半径のデータのプロットを含む図である。
【図9A】振幅データの形態で非破壊検査トランスデューサからの複合データを図示する図である。
【図9B】飛行時間データの形態で非破壊検査トランスデューサからの複合データを図示する図である。
【図10】図3および図4のシステムによってステッチで合わせられた振幅データのイメージである。
【図11】図3および図4のシステムのための超音波サブシステムインターフェースの一実施形態のブロックダイアグラムである。
【図12】プローブ組立体の図である。
【図13】上部半径およびキャッププローブ組立体の図である。
【図14】図13の上部半径およびキャッププローブ組立体の代替図である。
【図15】下部半径および側面プローブホルダー組立体の図である。
【図16】図15の下部半径および側面プローブホルダー組立体の代替図である。
【図17】内部半径プローブホルダー組立体を図示する図である。
【図18】データ処理システムのダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明する実施形態は、航空機の多数のリブおよび縦通材の非破壊検査(NDI)を実施する非破壊検査システムを対象としているが、実施形態はそのように限定されるものとして解釈されるべきではない。説明する実施形態は、深い水タンクの非破壊検査テストに比べてよりコスト効率のよい浅い水タンクにおいて、非破壊検査を実施する。
【0021】
実施形態において、非破壊検査システムは、ロボットアームと、ロボットアーム上で交換することができる多数の非破壊検査プローブ組立体とを組み込み、これにより、異なる設計の複合リブの非破壊検査の実装を可能にする。より具体的には、ロボットアームの動作および多数の非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたプログラミングが、優れたデータ走査を生みだし、多数のリブ構成のための効率的な非破壊検査走査を提供する。さらに、説明する非破壊検査システムの実施形態は、同様の構造体を検査するために現在利用されている非破壊検査システムに比べ、より早く(推定>5倍)、より信頼できる。非破壊検査工程は、本明細書で説明する実施形態によって自動化され、非破壊検査オペレータの数の減少を可能にする。
【0022】
上で言及した改良点を実現するために、非破壊検査システムは、さまざまな複合部品のさまざまな構造的特徴の検査のために、多数の非破壊検査プローブ組立体を組み込む。そのようなプローブ組立体は、非破壊検査のための自動化されたシステムの中に組み込まれる。非破壊検査システムはさらに、非破壊検査プローブの選択、位置付け、走査を円滑化するロボットアームを組み込む。単一のロボットアームデバイスで多数の非破壊検査プローブ組立体を使用することにより、さまざまな複合構造部品を走査するプローブのための、多数の非破壊検査システムおよび/またはロボットシステムが必要なくなるので、結果的にコストの削減になる。
【0023】
一実施形態において、本明細書で説明する方法、システム、およびコンピュータ可読媒体の技術的効果は、(a)複雑な複合部品のための無駄のない、効率的な非破壊検査システムおよび方法を提供するステップ、(b)ロボットアームに近接して準備された複数の非破壊検査プローブ組立体から、検査されることになる部品に関連付けられた多数の構造的特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、非破壊検査プローブ組立体を選択するステップ、(c)選択された非破壊検査プローブ組立体をロボットアームに係合させるステップ、(d)選択された非破壊検査プローブ組立体が、選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた部品の構造的特徴のうちの1つに近接して、検査されることになる部品に係合するように、ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップ、(e)選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたトランスデューサが非破壊検査に関連付けられた信号を提供し、受信している間に、非破壊検査プローブ組立体を画定された経路において部品に沿ってガイドするステップ、(f)選択された非破壊検査プローブ組立体を準備エリアに戻すステップ、および(g)それぞれの非破壊検査プローブ組立体が部品の少なくとも1つの異なる構造的特徴に関連付けられた、ロボットアームに近接して準備された少なくともあと1つの非破壊検査プローブ組立体について、選択するステップ、係合させるステップ、動かすステップ、ガイドするステップ、および戻すステップを繰り返すステップ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0024】
本明細書で使用されるとき、単数形で挙げられ、単語「a」または「an」に続く要素またはステップは、そのような排除を明示的に挙げていない限り、複数の要素またはステップを排除しないものとして理解されるべきである。さらに、本発明の「一実施形態」または、「例示的な実施形態」への言及は、挙げられた特徴をやはり組み込んだ、追加的な実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図しない。
【0025】
図面をさらに詳細に参照して、本開示の実施形態を、図1に示すような航空機の製造および点検方法100、および図2に示すような航空機200のコンテキストにおいて、説明することができる。生産前において、航空機の製造および点検方法100は、航空機200の規格および設計102と、材料の調達104とを含むことができる。
【0026】
生産中、航空機200のコンポーネントおよび部分組立体の製造106、ならびにシステム統合108が行われる。その後、航空機200は、就航112させるために、認定および納入110を経ることができる。顧客によって使用されている間、航空機200は、定期的な保守および点検114(改造、再構成、改装なども含むことができる)についてスケジュールされる。
【0027】
航空機の製造および点検方法100の工程のそれぞれは、システムインテグレータ、第三者、および/またはオペレータ(たとえば、顧客)によって実施または実行されてよい。この説明の目的のために、システムインテグレータは、限定はせずに、任意の数の航空機製造業者および大手のシステム下請け業者を含むことができ、第三者は、たとえば、限定はせずに、任意の数のベンダ、下請け業者、および部品製造業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事体、点検組織などであってよい。
【0028】
図2に示すように、航空機の製造および点検方法100によって生産される航空機200は、複数のシステム204を備える機体202と、室内206とを含むことができる。システム204の例には、推進システム208、電気システム210、油圧システム212、および環境システム214のうちの1つまたは複数が含まれる。任意の数の他のシステムが、この例にシステムに含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているが、本開示の原理は、自動車産業などの他の産業に応用されてもよい。
【0029】
本明細書で具体化される装置および方法は、航空機の製造および点検方法100の段階のうちの任意の1つまたは複数の間に利用されてよい。たとえば、限定はせずに、コンポーネントおよび部分組立体の製造106に対応したコンポーネントまたは部分組立体を、航空機200が使用されている間に生産されるコンポーネントまたは部分組立体と同様のやり方で、製作または製造することができる。
【0030】
また、1つもしくは複数の装置実施形態、方法実施形態、またはそれらの実施形態の組合せが、たとえば、限定はせずに、実質的に航空機200の組立てを早める、または航空機200のコストを削減することによって、コンポーネントおよび部分組立体の製造106およびシステム統合108の間に利用されてよい。同様に、装置実施形態、方法実施形態、またはそれらの実施形態の組合せのうちの1つもしくは複数が、航空機200が使用されている間に利用されてもよく、たとえば、限定はせずに、保守および点検114が、システム統合108の間に使用されてもよく、および/または、保守および点検114が、部品が互いに接続され得るか、および/または噛み合うことができるどうかを判定するために使用されてもよい。
【0031】
異なる有利な実施形態の説明が、例証および説明の目的で提示されてきたが、説明は、包括的であること、または開示された形態での実施形態に限定されることを意図しない。多くの修正形態または変形形態が、当業者には明らかであろう。さらに、異なる有利な実施形態が、他の有利な実施形態と比較して、違った利点を提供することがある。選択された1つまたは複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の応用を最もよく説明するために、かつ、企図された特定の使用に適したさまざまな修正形態を有するさまざまな実施形態についての開示を他の当業者が理解することができるように、選ばれ、説明される。
【0032】
次に図3を見てみると、非破壊検査(NDI)システム300のダイアグラムが、説明的な実施形態に従って描かれている。システム300は、対応するプローブおよびプローブホルダーと組み合わせた、多数のデータ取得超音波電子およびロボット機械式走査サブシステム、ならびに図3および図4に示すように配列された部分浸水タンクからなるものとする。より具体的には、非破壊検査システム300は、リニアレール304に沿って可動である6軸関節アーム(ペデスタル)ロボット302を含む。図3の構成において、ロボット302と組み合わせたリニアユニット304を組み込むことにより、全部で7軸の協調運動が提供される。図3に示すように、非破壊検査システム300は、オペレータインターフェース310を含み、オペレータインターフェース310は、たとえば、ディスプレイ312、314、および処理デバイス316を含む。浅い水タンク320は、非破壊検査テストにかけられることになるコンポーネントの浸水のために利用される。図3から理解できるように、レール304に沿ったロボット302の動き、およびロボット302の6軸の動きにより、検査プローブ330は、浅い水タンク320内で任意の位置に動くことができる。
【0033】
ロボット302は、図4の背面図からよりよく見られるように、超音波プローブ組立体チェンジャー性能をさらに組み込む。図4を参照すると、プローブ保管デバイス400は、ロボット302の面板410に取り付けられた主側板402を含む。プローブ保管デバイス400は、以下でさらに説明するように、複数のプローブ組立体の保管のために構成されている。
【0034】
リニア軸キャリッジ430は、プローブ保管デバイス400内に配置された個々のプローブ組立体450内の特定の超音波ユニットに対応した電子ユニット442を収容する機器ラック440に、空間を提供する。プローブ組立体450を、そのそれぞれをサポートする電子ユニット442に、接続、分離、および再接続することに伴う本明細書で説明する問題に対処するために、電子ユニット442とそれぞれの非破壊検査プローブ組立体450との間の半永続的な取り付けを可能にする、一組のケーブル460が非破壊検査システム300の中に組み込まれる。使用において、電子ユニット442とそれぞれの非破壊検査プローブ組立体450との間の電気的相互接続を維持している間、ケーブル460は、配線され、ロボット302がプローブ保管デバイス400に対して個々のプローブ組立体450を抜き取り、利用し、交換するのを可能にするポジションに、維持される。ロボット302に展開される非破壊検査プローブ組立体450に接続されているケーブル460のうちの1つが、図4に示されている。
【0035】
実施形態において、それぞれのプローブ組立体450は、1つまたは複数の超音波検査プローブ、関連付けられたプローブホルダー、およびツールからなり、ツールは、ロボット302とプローブ組立体450との間に機械的インターフェースを提供する。航空機の縦通材の下部内側半径の非破壊検査においては、たとえば、多数の非破壊検査プローブ組立体450が利用されてよい。1つの非破壊検査プローブ組立体450において、超音波トランスデューサのためのホルダーだけでなく、たとえば、外部磁気誘導フィクスチャが提供される。外部誘導フィクスチャは、システム300によって検査されているコンポーネントに対する特定の位置において、対応するトランスデューサの機械的設置のために構成されている。具体的には、外部磁気誘導フィクスチャは、ロボットアーム302を介して、非破壊検査が実施されることになるコンポーネント470に係合するように動作可能である。したがって、多数のプローブ組立体450が、コンポーネントまたは部品の完全な非破壊検査を可能にするポジションに、さまざまなトランスデューサを設置するのに欠かせないさまざまな機械的特徴に対応し、そのような機械的特徴を組み込む。
【0036】
超音波検査プローブ(たとえば、パルサー受信機ユニット)と、対応する電子ユニット442とを接続するケーブルは、ロボット302のリニアユニットと、オペレータインターフェース310の固定された機器スタンドとの間で要求されるすべての電気的相互接続を可能にするのに十分な、ケーブルトラック内に展開される。例として、ケーブルトラックは、一般に、110ボルトAC電力線、およびイーサネットデータ転送ケーブルを収容する。
【0037】
非破壊検査システム300の動作は、オペレータがロボット302の作業空間に入ることを要求する。一実施形態において、レーリングシステムおよび光スクリーンベースのロボット防護システムが非破壊検査システム300に組み込まれ、オペレータが作業空間に入るときに、ロボット302への電力を非導電状態にする。
【0038】
非破壊検査システム300は、ティーチペンダントを使用して点座標を追加することによって実行可能な走査プログラムに変換することができる、ロボット運動制御プログラムを利用する。基本的な運動制御プログラムは、安全な「ホーム」ポジションにおいて開始され、非破壊検査プローブ組立体450を選択し、一連のほぼ直線の走査を行い、非破壊検査プローブ組立体450を戻し、ホームに戻るように設計されている。実施形態において、ホームポジションは、非破壊検査システム300によりテストされる部品のそれぞれについて異なっている。これは、非破壊検査システム300による部品の走査が、部品のそれぞれを検査するために実行される異なるプログラムを要求するために、そうすることが欠かせない。また、プローブのそれぞれは、機械的な構成の違いのために、異なる走査プログラムを要求することになる。走査プログラムの実施形態において、プローブとロボットとの組合せ、および検査されている1つまたは複数の部品、ツールフィクスチャ、ならびに浅い水タンク320の間の衝突を防ぐために、安全策特徴が走査ソフトウェアにリンクされている。
【0039】
図5は、本明細書で説明したシステム300を使用する、部品(この例ではリブ)の非破壊検査のためのロボット運動制御プログラム行動を図示するフローチャート500である。ロボット302は、エフェクタ端部をホームポジションに動かすこと(502)によって開始するようにプログラムされている。非破壊検査プローブ組立体450が、検査されることになる部品の関連する部分に基づいて選択される(504)。非破壊検査プローブ組立体450の選択は、ロボット302のアームを、関連する非破壊検査プローブ組立体をプローブ保管デバイス400から抜き取ることができる位置へと動かすことを含む。実行されているプログラムに基づいて、抜き取られた非破壊検査プローブ組立体450は、走査1の開始点P1aに動かされる(506)。理解されるように、ロボットのポジション、そのアーム、およびロボットに取り付けられたプローブ組立体450のトランスデューサの間には補間が存在する。
【0040】
システム300がTTL走査開始パルスを発行し、ポジションパルスの出力を始めるとき、走査が開始される(508)。走査は、たとえば、点P1aから終点P1bまでの直線においてエフェクタ端部(プローブ内のトランスデューサ)を動かすことによって実行される(510)。一般に、動きは、軸線にほぼ沿う。エフェクタ端部が終点P1bに達するとき、ポジションパルスの出力が終了し(512)、TTL走査停止パルスが発行される。エンドエフェクタは、一般に正のZ軸に沿って、クリアランスポジションへと上に向かって動かされ、走査が完了していない場合(514)、プローブ組立体、およびしたがって、トランスデューサは、次の走査の開始ポジション、たとえば、走査2の開始点P2aに動かされる(516)。残りの走査が、特定の非破壊検査プローブ組立体450に関連付けられたすべての走査が完了する(514)まで、フローチャート500に示すように実行され、完了した時点で、非破壊検査プローブ組立体450はプローブ保管デバイス400に戻され(518)、ロボットアームはホームポジションに戻される。
【0041】
一実施形態において、かつ検査されることになる特定の一組の複合コンポーネントに関連して、データセグメントごとの走査パルスの開始および終止による以下の順において、さまざまなプローブ組立体450により超音波データが生成される。ハット補剛剤1からNのための上部半径およびキャップのデータのN個のセグメント、ハット補剛剤1からNのための下部半径および側面のデータのN個のセグメント、ハット補剛剤1からNのための内部半径のデータのN個のセグメント、複合リブのためのウェブのデータのM個のセグメント、およびウェブのステッチされた走査。
【0042】
システム300の一実施形態において動作するデータ取得ソフトウェアが、以下のように配列されるデータを表示する。位置合わせされた、上部半径およびキャップのデータ、下部半径および側面のデータ、ならびに内部半径のデータをそれぞれ収容するN個のセグメント。より詳細には、データは、図6から図8に示すように表示され、ここで、図6は、ハット補剛剤のための上部半径およびキャップのデータのプロット600を含み、図7は、ハット補剛剤のための下部半径および側面のデータのプロット700を含み、図8は、ハット補剛剤のための内部半径のデータのプロット800を含む。プロット600、700、および800は、トランスデューサシューごとに個々に示された縦通材のデータを有する。非破壊検査分析工程フローでは、リブごとに1つのイメージにステッチで合わせられ、表示されるデータファイルを有することが望ましい。
【0043】
縦通材のためのすべてのプローブについてデータが取得された後のデータが、複合イメージとしてのデータを表示することになる。図9Aおよび図9Bは、振幅データおよび飛行時間データの形態でトランスデューサからの複合データを図示するプロット900および910をそれぞれ含むので、図9Aおよび図9Bは共に、超音波ゲートごとにデータファイルについての振幅イメージおよび飛行時間イメージを有する。
【0044】
一実施形態において、複合リブのための非破壊検査データ走査は、振幅データおよび飛行時間データが表示された1つのイメージにステッチで合わせられている。図10は、システム300によってステッチで合わせられたときの振幅データのイメージ1000である。
【0045】
図11は、システム300のための、超音波サブシステムインターフェース1100の一実施形態のブロックダイアグラムである。図示された実施形態において、時に電子パルサー受信機システムと呼ばれるサブシステムインターフェース1100は、3つのリニアトランスデューサユニット1102、1104、1106を含み、3つのリニアトランスデューサユニット1102、1104、1106は、コンピュータ316に結合され、またロボット302に符号器信号を提供している。特定の実施形態において、トランスデューサユニット1102、1104、および1106は、オリンパス非破壊検査フォーカスリニアトランスデューサユニットであるが、非破壊検査システムはまた、図11に示すトランスデューサユニットに加えて、または図11に示すトランスデューサユニットと組み合わせて、利用されてもよい。図11に示すように、トランスデューサユニット1102は、インターフェースボックス1112に結合されて、インターフェースボックス1112は、トランスデューサユニット1102と、その中のトランスデューサ、とりわけ、上部半径キャップシュートランスデューサ要素1122および下部内側半径シュートランスデューサ要素1124との間に、インターフェースを提供する。トランスデューサユニット1104は、インターフェースボックス1114に結合されて、インターフェースボックス1114は、トランスデューサユニット1104と、その中のトランスデューサ、とりわけ、下部外側半径および縦通材側面シュートランスデューサ要素1132との間に、インターフェースを提供する。トランスデューサユニット1106は、ウェブシュートランスデューサ1140に直接結合されている。
【0046】
図12は、プローブ組立体450の図である。動作では、プローブホルダー1200が、ロボット302に取り付けられる。プローブ組立体450がプローブ保管デバイス400から抜き取られ、プローブ組立体450に装着されたトランスデューサ1202が上で言及した開始点に近接するようにプローブ組立体450が浅い水タンクの中に設置されるように、ロボット302は、適切なプローブ組立体450に係合するようにプログラムされている。さらに、一実施形態において、プローブ組立体450は、1つまたは複数のガイドバー1210、1212を含み、ガイドバー1210、1212は、プローブ組立体450のプローブ組立体半分1220および1222を機械的に接続するために利用され、プローブ組立体半分1222は、プローブ組立体半分1220に対して可動である。一実施形態において、プローブ組立体半分1220および1222に磁石が利用されて、引き付けモードおよび反発モードの両方において、プローブ組立体450が非破壊検査テストを受けることになる複合部品の部分に適正に係合するように、プローブ組立体半分1222を動かす。
【0047】
図13は、トランスデューサ1302を含むプローブ組立体の図である。プローブ組立体1300は、上部半径およびキャッププローブと呼ばれ、図14に示すように、複合部品1402の上端キャップ1400をテストするために構成されている。わかりやすいように、ロボット302とプローブ組立体1300との間の機械的インターフェースは示されていない。
【0048】
図15のプローブ組立体1500は、代替のプローブ組立体構成を図示する。より詳細には、プローブ組立体1500は、上端キャップ1552の側壁1550をテストするために位置付けられたトランスデューサ1502を組み込む。プローブ組立体1500は、時に下部半径および側面プローブホルダー組立体と呼ばれる。図16は、トランスデューサ1502をさらに図示する、プローブ組立体1500の底面図である。再度わかりやすいように、ロボット302とプローブ組立体1500との間の機械的インターフェースは示されていない。
【0049】
図17のプローブ組立体1700は、代替のプローブ組立体構成を図示する。より詳細には、プローブ組立体1700は、たとえば、上端キャップ1552の内部半径1750をテストするために位置付けられたトランスデューサ1702を組み込む。プローブ組立体1700は、時に内部半径プローブホルダー組立体と呼ばれる。ロボット302とプローブ組立体1700との間の機械的インターフェースは示されていない。
【0050】
使用において、本明細書で説明したタイプのプローブ組立体は、ロボット302のリニアユニットの一部であるプローブ保管デバイス400内に設置される。そのような構成により、図4および図11に関して上で説明したように、使用しやすさのために、図13〜図17に関して説明した3つの例示的なプローブ組立体、および具体的にはそれぞれのためのトランスデューサを、個々のトランスデューサ(たとえば、超音波アレイ)に関連付けられた電子ユニットに、直接かつ永続的にケーブル接続することができる。具体的には、ロボットが1つのプローブ組立体の使用を完了すると、プローブ組立体をプローブ保管デバイス400の中に置き、使用のための別のプローブ組立体を選択し、ユーザは、2番での使用のために1番からケーブル配線を分離する必要がない。それぞれのプローブ組立体450のパルサー受信機は、ケーブルトラックを通してデータ取得コンピュータ316に接続されて、走査データの転送を可能にする。
【0051】
コンピュータ316、ならびにディスプレイ312および314は、データ処理システム1800の一例である図18にさらに図示され、データ処理システム1800は、通信ファブリック1802を含み、通信ファブリック1802は、プロセッサユニット1804、メモリ1806、永続記憶装置1808、通信ユニット1810、入力/出力(I/O)ユニット1812、およびディスプレイ1814の間に通信を提供する。通信ユニット1810は、ロボット302およびさまざまな非破壊検査プローブ組立体450に、インターフェースを提供する。
【0052】
プロセッサユニット1804は、メモリ1806にロードすることができるソフトウェアのための命令を実行する役目を果たす。プロセッサユニット1804は、特定の実装形態に応じて、1つまたは複数のプロセッサの組であってもよく、またはマルチプロセッサコアであってもよい。さらに、プロセッサユニット1804は、単一のチップ上にメインプロセッサが二次プロセッサと共に存在する1つまたは複数の異種プロセッサシステムを使用して実装されてもよい。別の説明的な例として、プロセッサユニット1804は、同じタイプの多数のプロセッサを収容する対称マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0053】
メモリ1806および永続記憶装置1808は、記憶デバイスの例である。記憶デバイスは、一時的ベースおよび/または永続的ベースのいずれかで情報を記憶することができる任意のハードウェアである。メモリ1806は、これらの例において、たとえば、限定はせずに、ランダムアクセスメモリ、または任意の他の好適な揮発性もしくは不揮発性の記憶デバイスであってよい。永続記憶装置1808は、特定の実装形態に応じてさまざまな形態を取ることができる。たとえば、限定はせずに、永続記憶装置1808は、1つまたは複数のコンポーネントまたはデバイスを収容することができる。たとえば、永続記憶装置1808は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書き換え可能な光学ディスク、書き換え可能な磁気テープ、または上記のなんらかの組合せであってよい。永続記憶装置1808により使用される媒体もまた、取り外し可能であってよい。たとえば、限定はせずに、取り外し可能なハードドライブを、永続記憶装置1808に使用することができる。
【0054】
通信ユニット1810は、これらの例において、他のデータ処理システムまたはデバイスとの通信を提供する。これらの例において、通信ユニット1810は、ネットワークインターフェースカードである。通信ユニット1810は、物理的な通信リンクおよびワイヤレス通信リンクのいずれか、または両方の使用を通して、通信を提供することができる。
【0055】
入力/出力ユニット1812は、データ処理システム1800に接続することができる他のデバイスとのデータの入力および出力を可能にする。たとえば、限定はせずに、入力/出力ユニット1812は、キーボードおよびマウスを通してユーザ入力に接続を提供することができる。さらに、入力/出力ユニット1812は、プリンタに出力を送ることができる。ディスプレイ1814は、ユーザに情報を表示するための機構を提供する。
【0056】
オペレーティングシステムおよびアプリケーションための命令、またはプログラムは、永続記憶装置1808に位置している。これらの命令は、プロセッサユニット1804による実行のために、メモリ1806にロードされてよい。異なる実施形態の工程は、メモリ1806などのメモリに位置することができるコンピュータ実装命令を使用して、プロセッサユニット1804によって実施されてもよい。これらの命令は、プログラムコード、コンピュータ使用可能プログラムコード、またはコンピュータ可読プログラムコードと呼ばれ、プロセッサユニット1804のプロセッサによって、読み込まれ、実行されてよい。異なる実施形態におけるプログラムコードは、メモリ1806または永続記憶装置1808などの、異なる物理的な、または有形のコンピュータ可読媒体上で具体化されてもよい。
【0057】
プログラムコード1816は、選択的に取り外し可能であるコンピュータ可読媒体1818に機能的な形態で位置しており、処理ユニット1804による実行のために、データ処理システム1800にロードされる、またはそこに転送されてもよい。プログラムコード1816およびコンピュータ可読媒体1818は、これらの例において、コンピュータプログラム製品1820を形成する。一例において、コンピュータ可読媒体1818は、永続記憶装置1808の一部であるハードドライブなどの記憶デバイスへの転送のために、永続記憶装置1808の一部であるドライブまたは他のデバイスに挿入される、または設置される、たとえば、光学ディスクまたは磁気ディスクなどの有形形態であってよい。有形形態において、コンピュータ可読媒体1818はまた、データ処理システム1800に接続されたハードドライブ、サムドライブ、またはフラッシュメモリなどの永続記憶装置の形態を取ることができる。コンピュータ可読媒体1818の有形形態はまた、コンピュータ記録可能な記憶媒体と呼ばれる。いくつかの事例において、コンピュータ可読媒体1818は、取り外し可能でなくてもよい。
【0058】
代替として、プログラムコード1816は、通信ユニット1810への通信リンクを通して、および/または入力/出力ユニット1812への接続を通して、コンピュータ可読媒体1818からデータ処理システム1800に転送されてよい。通信リンクおよび/または接続は、説明的な例において、物理的であっても、ワイヤレスであってもよい。コンピュータ可読媒体はまた、プログラムコードを収容する通信リンクまたはワイヤレス伝送などの、非有形媒体の形態を取ることができる。
【0059】
いくつかの説明的な実施形態において、プログラムコード1816は、データ処理システム1800内での使用のために、別のデバイスまたはデータ処理システムから永続記憶装置1808に、ネットワーク上でダウンロードされてもよい。たとえば、サーバデータ処理システムのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラムコードが、サーバからデータ処理システム1800に、ネットワーク上でダウンロードされてもよい。プログラムコード1816を提供するデータ処理システムは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、またはプログラムコード1816を記憶し、伝送することができるなんらかの他のデバイスであってよい。
【0060】
データ処理システム1800について図示された異なるコンポーネントは、異なる実施形態を実装することができるやり方にアーキテクチャ上の制限を与えることを意味しない。異なる説明的な実施形態は、データ処理システム1800について図示されたコンポーネントに加えて、またはその代わりであるコンポーネントを含むデータ処理システムにおいて実装されてよい。図18に示す他のコンポーネントは、示された説明的な例とは異なっていてもよい。
【0061】
一例として、データ処理システム1800の記憶デバイスは、データを記憶することができる任意のハードウェア装置である。メモリ1806、永続記憶装置1808、およびコンピュータ可読媒体1818は、有形形態における記憶デバイスの例である。
【0062】
別の例において、バスシステムが、通信ファブリック1802を実装するのに使用されてもよく、システムバスまたは入力/出力バスなどの1つまたは複数のバスから構成されてもよい。当然ながら、バスシステムは、バスシステムに取り付けられた異なるコンポーネント間またはデバイス間に、データ転送を提供する任意の好適なタイプのアーキテクチャを使用して実装されてよい。加えて、通信ユニットは、モデムまたはネットワークアダプタなどの、データを送受信するのに使用される1つまたは複数のデバイスを含むことができる。さらに、メモリは、たとえば、限定はせずに、メモリ1806、または、通信ファブリック1802に存在してよいインターフェースおよびメモリコントローラハブにおいて見られるような、キャッシュであってもよい。
【0063】
この書面による説明は、例を使用して、ベストモードを含むさまざまな実施形態を開示し、あらゆる当業者が、任意のデバイスまたはシステムを作成し、使用し、任意の組み込まれた方法を実施することを含んで、それらの実施形態を実践することを可能にする。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語と異ならない構造的要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲の文字通りの言語とわずかな違いを伴う均等な構造的要素を含む場合に、特許請求の範囲内であることを意図する。
【符号の説明】
【0064】
200 航空機
202 機体
204 システム
206 室内
208 推進システム
210 電気システム
212 油圧システム
214 環境システム
300 非破壊検査(NDI)システム
302 ロボット/ロボットアーム
304 リニアレール/リニアユニット
310 オペレータインターフェース
312 ディスプレイ
314 ディスプレイ
316 処理デバイス/コンピュータ
320 浅い水タンク
330 検査プローブ
400 プローブ保管デバイス
402 主側板
410 面板
430 リニア軸キャリッジ
440 機器ラック
442 電子ユニット
450 プローブ組立体
460 ケーブル
470 コンポーネント
1100 超音波サブシステムインターフェース
1102 リニアトランスデューサユニット
1104 リニアトランスデューサユニット
1106 リニアトランスデューサユニット
1112 インターフェースボックス
1114 インターフェースボックス
1122 上部半径キャップシュートランスデューサ要素
1124 下部内側半径シュートランスデューサ要素
1132 下部外側半径および縦通材側面シュートランスデューサ要素
1140 ウェブシュートランスデューサ
1200 プローブホルダー
1202 トランスデューサ
1210 誘導バー
1212 誘導バー
1220 プローブ組立体半分
1222 プローブ組立体半分
1300 プローブ組立体
1302 トランスデューサ
1400 上端キャップ
1402 複合部品
1500 プローブ組立体
1502 トランスデューサ
1550 (上端キャップの)側壁
1552 上端キャップ
1700 プローブ組立体
1702 トランスデューサ
1750 (上端キャップの)内部半径
1800 データ処理システム
1802 通信ファブリック
1804 プロセッサユニット
1806 メモリ
1808 永続記憶装置
1810 通信ユニット
1812 入力/出力(I/O)ユニット
1814 ディスプレイ
1816 プログラムコード
1818 コンピュータ可読媒体
1820 コンピュータプログラム製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに近接した保管デバイスと、
前記保管デバイス内に配置された複数の非破壊検査プローブ組立体と
を備える非破壊検査(NDI)デバイスであって、
それぞれの非破壊検査プローブ組立体が、部品の非破壊検査のために動作可能な少なくとも1つのトランスデューサ、および前記ロボットアームと対応する前記非破壊検査プローブ組立体との間の機械的インターフェースとして動作可能なツールを備え、それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体は、部品の非破壊検査のための特定の非破壊検査タスクのために構成されており、前記ロボットアームが、部品の少なくとも一部の非破壊検査のために、前記ツールおよび前記プローブ組立体の動きに選択的に係合するために動作可能である、
非破壊検査(NDI)デバイス。
【請求項2】
対応する前記トランスデューサに関連付けられた複数の電子組立体をさらに備え、
非破壊検査プローブ組立体が前記ロボットアームに展開されるときも、前記保管デバイス内に配置されるときも、前記電子組立体は、対応する前記トランスデューサに通信可能に結合される、
請求項1に記載の非破壊検査デバイス。
【請求項3】
リニアトラックをさらに備え、
前記ロボットアームおよび前記電子組立体が、前記リニアトラックに沿って可動であり、それにより、使用中も、前記保管デバイス内に設置されるときも、前記トランスデューサが、対応する前記電子組立体への通信可能な結合を維持することを可能にする、
請求項2に記載の非破壊検査デバイス。
【請求項4】
浅い水タンクをさらに備え、
前記ロボットアームが前記浅い水タンクの長さを移動することができるように、前記リニアトラックが前記浅い水タンクに近接して位置付けられる、
請求項3に記載の非破壊検査デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのトランスデューサに加えて、それぞれの前記非破壊検査プローブ組立体が、
対応する前記トランスデューサのためのホルダーと、
前記ロボットアームを介して、非破壊検査が実施されることになるコンポーネントに係合し、前記トランスデューサを部品の非破壊検査のためのポジションに設置するように動作可能な外部磁気誘導フィクスチャと
を備える、請求項1に記載の非破壊検査デバイス。
【請求項6】
多数の構造的特徴を組み込んだ部品の非破壊検査(NDI)のための方法であって、
ロボットアームに近接して準備された複数の非破壊検査プローブ組立体から、検査されることになる部品に関連付けられた多数の構造的特徴のうちの1つまたは複数に基づいて、非破壊検査プローブ組立体を選択するステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体をロボットアームに係合させるステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体が、選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられた部品の構造的特徴のうちの1つに近接して、検査されることになる部品に係合するように、ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体に関連付けられたトランスデューサが非破壊検査に関連付けられた信号を提供し、受信している間に、非破壊検査プローブ組立体を画定された経路において部品に沿ってガイドするステップと、
選択された非破壊検査プローブ組立体を準備エリアに戻すステップと、
ロボットアームに近接して準備された少なくともあと1つの非破壊検査プローブ組立体について、選択するステップ、係合させるステップ、動かすステップ、ガイドするステップ、および戻すステップを繰り返すステップであって、非破壊検査プローブ組立体がロボットアームに展開されるときも、ロボットアームに近接して準備されるときも、それぞれの非破壊検査プローブ組立体は、部品の少なくとも1つの異なる構造的特徴に関連付けられ、対応する電子組立体に通信可能に結合される、繰り返すステップと
を含む方法。
【請求項7】
部品に近接したリニアトラックに沿ってロボットアームを動かすステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ロボットアームに近接した保管デバイスに近接して複数の非破壊検査プローブ組立体を配置するステップをさらに含み、
保管デバイスが、リニアトラックに沿った動きのためにロボットアームに機械的に結合される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ロボットアームを準備エリアから検査エリアへと動かすステップが、選択された非破壊検査プローブ組立体を浅い水タンク内のポジションに動かすステップを含み、検査されることになる部品が、浅い水タンク内に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
選択された非破壊検査プローブ組立体をロボットアームに係合させるステップが、少なくとも1つのトランスデューサがその内部に装着された誘導フィクスチャを機械的に係合させるステップを含む、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−40920(P2013−40920A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−152298(P2012−152298)
【出願日】平成24年7月6日(2012.7.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】