説明

交換時期報知装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】装置を構成する複数の構成要素の交換時期が個別に到来することに伴う構成要素の交換作業の煩雑さを回避することが可能な交換時期報知装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】装置を構成する交換可能な複数の構成要素の交換時期を管理する管理手段と、前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交換時期報知装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置は、感光体ドラム等の像保持体や現像装置などは勿論のこと、記録用紙を供給する供給ローラを備えた給紙装置など、まとまりのある機能を持った複数の構成要素を組み合わせることによって構成されている。
【0003】
そこで、上記画像形成装置において、像保持体や供給ローラなどの個々の部品の寿命を検知する技術としては、例えば、特開平8−85671号公報や、特開平8−314221号公報、特開平11−100148号公報、特開2002−179285号公報、特開2002−356241号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0004】
上記特開平8−85671号公報に係る画像形成装置は、用紙をローラの回転により給紙してその用紙上に画像を形成する画像形成装置において、前記ローラを経た用紙を順次に検知する第1センサおよび第2センサと、前記第1センサが用紙を検知してから前記第2センサが用紙を検知するまでの時間を計測する計測手段と、この計測手段の計測時間が設定値を超えているか否か判定する判定手段と、この判定手段の判定が満足される回数の統計により前記ローラの寿命を判定する判定手段と、を具備するように構成したものである。
【0005】
また、上記特開平8−314221号公報に係る画像形成装置は、静電潜像の形成される像担持体と、該担持体に形成された静電潜像を、トナーとキャリアを有する二成分系現像剤を用いてトナー像として可視像化する現像装置とを具備し、前記現像装置が、現像に供される二成分系現像剤を担持して搬送する現像剤担持搬送部材を有し、前記像担持体に形成されたトナー像を転写材に転写して記録画像を得る画像形成装置において、前記像担持体の寿命と、前記二成分系現像剤のキャリアの寿命とを一致させるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開平11−100148号公報に係る画像形成装置は、記録材を画像形成装置内部へ搬送するための給紙ローラと、前記記録材が複数枚搬送されないように、搬送されるべき記録材以外の記録材を分離するための分離手段とを有する給紙装置を具備し、前記記録材の搬送経路に配置したジャムセンサが前記記録材の先端到達時間を検知することにより、この記録材の遅れを測定し、この遅れ時間が所定値を超えている場合に、前記搬送経路の一部を構成する転写部(転写搬送部)への前記記録材の供給を一旦中止し、記録材一枚分の時間経過の後、前記記録材の供給を再開する飛びモードシーケンスを有する画像形成装置において、前記シーケンスを行った回数等の、ジョブ履歴を記録するメモリを有し、その回数が設定値を超えているか否かの判定手段により、前記給紙ローラの寿命を判断する手段を具備するように構成したものである。
【0007】
又、上記特開2002−179285号公報に係る紙葉類取扱装置は、紙葉類をローラを用いて搬送する搬送路を有する紙葉類取扱装置であって、前記搬送路中を搬送される紙葉類の一定区間の搬送時間を計測する計測手段と、該計測手段で計測された一定区間の搬送時間を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶されている1以上の紙葉類に対する前記一定区間の搬送時間に基づき、搬送速度モードを正規の速度を有する第1の速度モードと該第1の速度モードより低速の第2の速度モードの間で切換える搬送制御手段を具備するように構成したものである。
【0008】
更に、上記特開2002−356241号公報に係る媒体搬送装置は、媒体を複数のホッパ機構部より個別に繰り出し、該媒体を排出部に搬送する手段と、各搬送手段の前後に該媒体の通過を検知する媒体検知手段を備えた媒体搬送装置において、該ホッパ機構部にそれぞれ内蔵され、清掃部材を清掃点検が必要である搬送手段まで繰り出し、該清掃部材を接触させながら、該搬送手段を空転させることにより清掃を行い、清掃終了後は該清掃部材を回収して収納する複数個の自動清掃手段を有し、かつ、常時各媒体検知手段間で媒体搬送時間を測定し、各媒体搬送時間の平均値を算出し、該平均値と予め設定された清掃点検要判定値とを比較して、比較の結果、清掃点検が必要と判断したときには、必要な搬送手段に対して清掃点検要フラグを上げる装置制御部と、前記清掃点検フラグを検知して、清掃点検の必要な搬送手段に最も近くに設けられた自動清掃手段を選択し、該自動清掃手段により該搬送手段に対して清掃を行わせるホストコンピュータとを接続するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−85671号公報
【特許文献2】特開平8−314221号公報
【特許文献3】特開平11−100148号公報
【特許文献4】特開2002−179285号公報
【特許文献5】特開2002−356241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、装置を構成する複数の構成要素の交換時期が個別に到来することに伴う構成要素の交換作業の煩雑さを回避することが可能な交換時期報知装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、請求項1に記載された発明は、装置を構成する交換可能な複数の構成要素の交換時期を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、
前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする交換時期報知装置である。
【0012】
また、請求項2に記載された発明は、前記構成要素の1つは、記録媒体に画像を形成する画像形成モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記画像形成モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項1に記載の交換時期報知装置である。
【0013】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体を供給する供給ロールを備えた記録媒体供給モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記記録媒体供給モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0014】
又、請求項4に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体を供給する供給ロールを備えた記録媒体供給モジュールからなり、
前記管理手段は、前記供給ロールの磨耗量に基づいて前記記録媒体供給モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0015】
更に、請求項5に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体の姿勢を整合して搬送する記録媒体整合部を備えたレジストレーションモジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記レジストレーションモジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0016】
また、請求項6に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出された前記記録媒体を予め定められた排出位置まで搬送する排出モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記排出モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0017】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出、若しくは前記排出モジュールから反転搬送された前記記録媒体を前記画像形成モジュールに再搬送する搬送手段を備えた両面印刷モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記両面印刷モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0018】
又、請求項8に記載された発明は、前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出、若しくは前記排出モジュールから排出された前記記録媒体を後処理する後処理モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記後処理モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0019】
更に、請求項9に記載された発明は、前記構成要素の1つは、原稿読み取りモジュールからなり、
前記管理手段は、前記原稿の枚数の積算値に基づいて前記原稿読み取りモジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0020】
また、請求項10に記載された発明は、前記構成要素の1つは、各構成要素に電力を供給する電源モジュールからなり、
前記管理手段は、前記電源モジュールの通電時間の積算値に基づいて前記電源モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置である。
【0021】
さらに、請求項11に記載された発明は、前記判別手段は、前記予め定められた期間を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の交換時期報知装置である。
【0022】
又、請求項12に記載された発明は、画像形成装置を構成する交換可能な複数の構成要素と、
前記構成要素の交換時期を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、
前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、装置を構成する複数の構成要素の交換時期が個別に到来することに伴う構成要素の交換作業の煩雑さを回避することができる。
【0024】
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、画像形成モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0025】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、記録媒体供給モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0026】
又、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、記録媒体供給モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0027】
更に、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、レジストレーションモジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0028】
また、請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、排出モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0029】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、両面印刷モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0030】
又、請求項8に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、後処理モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0031】
更に、請求項9に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、原稿読み取りモジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0032】
また、請求項10に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、電源モジュールの交換時期を適切に管理することができる。
【0033】
さらに、請求項11に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、ユーザーの使用頻度等に応じて構成要素の交換時期を適切に報知することができる。
【0034】
又、請求項12に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、複数の構成要素から構成される画像形成装置において、複数の構成要素の交換時期が個別に到来することに伴う構成要素の交換作業の煩雑さを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置の動作を示す模式図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールを示す外観斜視図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに手差しモジュールと制御モジュールを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに排出モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに自動給紙モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに自動給紙モジュールと排出モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに自動給紙モジュールと排出モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに原稿読み取りモジュールと自動給紙モジュールと排出モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールに原稿読み取りモジュールと自動給紙モジュールと排出モジュールと制御モジュールとを装着した状態を示す外観斜視図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールと自動給紙モジュールを示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールと自動給紙モジュールを示す構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置の画像形成モジュールと自動給紙モジュールと両面印刷モジュールを示す構成図である。
【図13】図13は制御モジュールを示す斜視構成図である。
【図14】図14は制御モジュールに画像形成モジュールを装着した状態を示す斜視構成図である。
【図15】図15は制御モジュールに画像形成モジュールを装着した状態を示す斜視構成図である。
【図16】図16は制御回路を示すブロック図である。
【図17】図17は動作を示すフローチャートである。
【図18】図18は各ジュールの寿命を示すグラフである。
【図19】図19は各ジュールの寿命を示すグラフである。
【図20】図20は各ジュールの寿命を示すグラフである。
【図21】図21は各ジュールの寿命を示すグラフである。
【図22】図22はこの発明の実施の形態2の動作を示すフローチャートである。
【図23】図23はこの発明の実施の形態2の動作を示すフローチャートである。
【図24】図24は装置の寿命特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る交換時期報知装置を適用した画像形成装置を示すものである。
【0038】
この画像形成装置1は、図2に示すように、中核となる構成要素として、外部から供給される記録媒体に対して画像を形成する構成要素としての画像形成モジュール2を備えている。この画像形成モジュール2は、外部から供給される記録媒体に対して画像を形成可能なものであれば、どのような構成を有するものであっても良く、記録媒体にフルカラーの画像を形成するものや、モノクロの画像を形成するものであっても良い。また、上記画像形成モジュール2としては、例えば、電子写真方式を用いて記録媒体に対して画像を形成するものが用いられるが、これに限定されるものではなく、インクジェット方式など他の画像形成方式を採用したものであっても良い。
【0039】
また、上記画像形成モジュール2は、基本的に、それ単独では使用されず、他の種々のモジュール(構成要素)と組み合わせることによって使用される。上記画像形成モジュール2と組み合わされる他の構成要素としては、例えば、図3に示すように、記録媒体としての記録用紙を手差しで供給する手差しモジュール3と、画像形成モジュール2に電力を供給するとともに当該画像形成モジュール2を制御する制御モジュール4が挙げられる。
【0040】
さらに、上記画像形成モジュール2と組み合わされる他の構成要素としてのモジュールとしては、例えば、図4に示すように、画像が形成された記録用紙を画像形成モジュール2の上部に設けられた排出部上に排出する排出モジュール5や、図5に示すように、100〜250枚程度の記録用紙を収容して画像形成モジュール2に自動的に供給する第1の自動給紙モジュール6、あるいは、図6に示すように、画像形成モジュール2に排出モジュール5と第1の自動給紙モジュール6の双方を組み合わせたもの、図7に示すように、多数枚(例えば、500枚程度)の記録用紙を収容して画像形成モジュール2に自動的に供給可能な第2の自動給紙モジュール7、更には図8及び図9に示すように、原稿を自動的に搬送しながら当該原稿の画像を読み取る画像読取モジュール8、及びこれらの画像読取モジュール8に読取動作や第1及び第2の自動給紙モジュール6、7からの給紙動作、画像形成モジュール2による画像形成動作などを操作する操作モジュール9などが挙げられる。なお、上記操作モジュール9は、図8及び図9に示すように、原稿の画像を読み取る画像読取モジュール8に対する取付位置が、画像形成モジュール2の配置等に応じて、画像読取モジュール8の正面又は側面などに選択的に変更可能となっており、操作性を向上させている。
【0041】
上記画像形成モジュール2は、図10に示すように、当該画像形成モジュール本体10の内部に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像を形成する画像形成部11Y、11M、11C、11Kを備えており、これらの画像形成部11Y、11M、11C、11Kは、水平方向に沿って予め定められた間隔を隔てて並列的に配置されている。これらのイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各画像形成部11Y、11M、11C、11Kは、形成する画像の色以外は同様に構成されており、像保持体としての感光体ドラム12と、当該感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電ロール13と、感光体ドラム12の表面に対応する色の画像情報に基づいて画像露光を施す画像露光装置14と、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像を現像することによりトナー像を形成する現像装置15と、感光体ドラム12の表面を徐電する徐電ランプ16と、感光体ドラム12の表面を清掃する清掃装置17とを備えるように構成されている。
【0042】
また、上記イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像形成部11Y、11M、11C、11Kの下方には、これらの画像形成部の感光体ドラム12上に形成された各色のトナー像が転写ロール18によって順次多重に転写される記録媒体を搬送する搬送ベルト19が配置されている。この搬送ベルト19は、駆動ロール20と従動ロール21との間に架け渡されており、感光体ドラム12の周速と等しい速度で循環移動するように回転駆動される。上記搬送ベルト19には、画像形成モジュール2の外部から記録用紙22がレジストロール23によって給紙タイミングが調整されて供給され、この記録用紙22は、吸着ロール24により帯電されて搬送ベルト18上に静電的に吸着され搬送される。
【0043】
上記搬送ベルト19によって搬送される間にイエロー、マゼンタ、シアン、黒等の各色のトナー像が順次多重に転写された記録用紙22は、搬送ベルト19から分離された後、定着装置25によって熱及び圧力でトナー像が定着され、画像形成モジュール2の外部に排出される。
【0044】
また、上記記録用紙22は、例えば、図3に示すように、手差しモジュール3の給紙トレイ26上に複数枚ずつ載せられた状態で収容され、当該手差しモジュール3の図示しない供給ロールによって1枚ずつ分離された状態で、画像形成モジュール2のレジストロール23へと給紙される。
【0045】
さらに、上記記録用紙22は、図10に示すように、第1の自動給紙モジュール6の給紙カセット27に100〜250枚程度積層した状態で収容され、当該給紙カセット27から予め定められたサイズ及び材質の記録用紙22が、給紙ロール28及び分離ロール対29によって1枚ずつ分離された状態で給紙された後、用紙搬送路30に設けられた供給ロール31によって画像形成モジュール2のレジストロール23へと給紙される。
【0046】
また、上記画像形成モジュール2によって画像が形成された記録用紙22は、図3に示すように、画像形成モジュール2の外部にそのまま排出しても良いが、図4に示すように、画像形成モジュール2の一側部に装着された排出モジュール5によって、画像形成モジュール2の上部に設けられた排出部としての排出トレイ32上に排出するように構成される。
【0047】
この排出モジュール5は、図10に示すように、画像形成モジュール2の排出口33から排出される記録用紙22が導入される導入口34を備えており、当該導入口34から導入された記録用紙22は、搬送ロール35が配置された搬送路36に沿って搬送され、画像形成モジュール2の上部に位置する排出ロール37によって排出口38から、画像形成モジュール2上の排出トレイ32上に排出される。
【0048】
さらに、上記画像形成モジュール2の上部には、図10に示すように、図示しない原稿の画像を読み取る画像読取モジュール8が装着可能となっており、この画像読取モジュール8には、操作モジュール9が装着されるように構成されている。
【0049】
また、上記第2の自動給紙モジュール7は、図11に示すように、給紙カセット27に500枚程度の記録用紙22を積層した状態で収容し、当該給紙カセット27から予め定められたサイズ及び材質の記録用紙22が、給紙ロール28及び分離ロール対29によって1枚ずつ分離された状態で給紙される。
【0050】
さらに、この実施の形態では、図12に示すように、例えば、第1の自動給紙モジュール6の下部に両面モジュール40を装着可能となっており、片面に画像が形成された記録用紙22を排出モジュール5によってそのまま排出トレイ32上に排出せずに、片面に画像が形成された記録用紙22を一旦排出モジュール5に搬送した後、当該排出モジュール5を逆転させて両面モジュール40へと搬送し、当該両面モジュール40の内部に搬送路41に沿って設けられた搬送ロール42により、再度画像形成モジュール2へと表裏を反転した状態で搬送するように構成されている。
【0051】
一方、上記制御モジュール4は、図13及び図14に示すように、画像形成モジュール2の背面(又は側面)及び下方に渡って配置されている。この制御モジュール4は、その下部43に設けられた装着用溝44及び突起45などを介して画像形成モジュール2に装着されるとともに、その側部46に設けられた接続端子47及び通電部48を介して、画像形成モジュール2に制御信号及び駆動電力を通電するように構成されている。また、上記制御モジュール4の上面49には、操作パネル50を交換可能に装着する装着部51が設けられている。
【0052】
また、上記制御モジュール4は、図示しないパーソナルコンピュータ等や電話回線、あるいはLAN等と接続可能となっており、当該制御モジュール4の内部には、図10に示すように、画像処理部52及びCPU等を備えた動作制御部53が設けられている。
【0053】
さらに、上記制御モジュール4には、図13及び図14に示すように、画像形成モジュール2を手差しモジュール3や排出モジュール5、第1及び第2の自動給紙モジュール6、7、あるいは画像読取モジュール8及び操作モジュール9など接続するための接続端子54、55、56が、下部43の側面や正面に設けられている。
【0054】
そして、上記画像形成モジュール2は、図15に示すように、その下部に設けられた凹部57及び装着用の凸部58を介して、制御モジュール4の下部43に装着されるとともに、その背面に設けられた接続端子59及び通電部60を介して制御モジュール4に電気的に接続される。
【0055】
また、上記第1及び第2の自動給紙モジュール6、7及び排出モジュール5等も、図15に示すように、接続端子及び通電部61、62を介して制御モジュール4に電気的に接続されるとともに、画像形成モジュール2と連結される。
【0056】
ところで、この実施の形態では、画像形成装置を構成する交換可能な複数の構成要素と、
前記構成要素の交換時期を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、
前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えるように構成されている。
【0057】
図16はこの実施の形態に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
【0058】
図16において、100は画像形成装置を制御するCPUを示すものであり、このCPU100は、画像形成装置1の画像形成モジュール2や手差しモジュール2、第1、第2の自動給紙モジュールなどの交換時期(寿命)を管理する管理手段としての機能と、当該管理手段によって管理される複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段としての機能を兼ね備えている。
【0059】
そして、上記CPU100は、ROM101に予め記憶されたプログラム、及びRAM102に記憶されるパラメータ等に基づいて、画像形成装置1の画像形成モジュール2や手差しモジュール2、第1、第2の自動給紙モジュールなどの交換時期(寿命)を管理するとともに、当該交換時期が予め定められた期間内、例えば、1カ月後や2カ月後、あるいは数週間後などに到来する構成要素を判別する。
【0060】
また、上記CPU100は、操作パネルや図示しないパーソナルコンピュータ等と接続されており、交換時期が予め定められた期間内に到来すると判別した構成要素を、操作パネルの表示部や図示しないパーソナルコンピュータ等の報知手段に表示することによって、ユーザーに交換が必要なモジュールを報知する。
【0061】
なお、上記の説明では、画像形成装置1の構成要素として、画像形成モジュール2や手差しモジュール2、第1、第2の自動給紙モジュールなどの大きな構成要素について説明したが、交換可能な構成要素としては、更に小さい単位の構成要素からなるものであっても勿論良い。
【0062】
例えば、上記画像形成モジュール2は、図10に示すように、感光体ドラム12、帯電ロー13、画像露光装置14、現像装置15、現像装置15にトナーを供給する図示しないトナーカートリッジ、清掃装置17、レジストロール23、定着装置25などの構成要素単位で交換可能としても良い。
【0063】
また、第1、第2の自動給紙モジュール6、7としては、給紙カセット27、給紙ロール28、分離ロール対29などの構成要素単位で交換可能としても良い。
【0064】
さらに、排出モジュール5としては、搬送ロールや排出ロールなどの構成要素単位で交換可能としても良い。
【0065】
また、制御モジュール9としては、操作パネル50、画像処理部52、動作制御部53、高圧電源、低圧電源、駆動系制御回路、冷却ファン等の構成要素単位で交換可能としても良い。
【0066】
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、装置を構成する複数の構成要素の交換時期が個別に到来することに伴う構成要素の交換作業の煩雑さを回避することが可能となっている。
【0067】
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置1では、図2乃至図9に示すように、ユーザーの希望によって種々の態様で使用することが可能となっている。この画像形成装置1は、例えば、図10に示すように、画像形成モジュール2と、制御モジュール4と、第1の自動給紙モジュール6と、排出モジュール5と、画像読取モジュール8とを組み合わせて構成される。
【0068】
上記画像形成装置1を構成する複数のモジュールは、それぞれ異なった寿命を有しており、例えば、画像形成モジュール2は、感光体ドラム12が寿命に達したり、現像装置15内の現像剤が消費されたりした場合など、それ以上画像形成モジュール2を使用することができず、交換時期つまり寿命に達する。
【0069】
上記画像形成モジュール2の寿命は、例えば、感光体ドラム12の累積的な回転数や、当該画像形成モジュール2によって画像が形成された記録用紙22の累積枚数(プリント枚数:pv)などによって管理される。
【0070】
また、上記第1の自動給紙モジュール6は、図10に示すように、給紙ロール26、29、31などを備えており、当該給紙ロール26などは、記録用紙22を給紙したり、搬送することにより、徐々に摩耗して、ロールの摩耗量にある程度の値に達すると、記録用紙22を給紙する際にスリップするなどの給紙不良が発生し、寿命となる。この第1の自動給紙モジュール6の寿命は、給紙された記録用紙22の累積枚数などによって管理される。
【0071】
さらに、上記排出モジュール5は、同じく、記録用紙22を排出する排出ロール35、37などを備えており、当該排出ロール35、37などは、記録用紙22を搬送したり、排出することにより、徐々に摩耗して、ロールの摩耗量にある程度の値に達すると、記録用紙22を排出する際にスリップするなどの搬送不良が発生し、寿命となる。この排出モジュール5の寿命は、給紙された記録用紙22の累積枚数などによって管理される。
【0072】
この実施の形態では、図17に示すように、制御モジュール4のCPU100は、印刷モードに応じて、画像形成モジュール2や排出モジュール5、第1の自動給紙モジュール7あるいは両面モジュール40など各モジュールの使用量を計数する。即ち、上記CPU100は、操作パネル50のスタートボタンが押されるか、通信回線を介して外部のパーソナルコンピュータ等のドライバからプリントモードを受信すると(ステップ101)、画像形成モジュール2を動作させて印刷動作を開始するとともに(ステップ102)、プリントモードが片面プリントモードか両面プリントモードかを識別する(ステップ103)。
【0073】
そして、CPU100は、片面プリントモードであると判別すると、画像形成モジュール2(含むレジモジュール)や排出モジュール5、第1の自動給紙モジュール7の各モジュールに対応した使用量記憶領域に、それまでの使用量に+1pv(プリントボリューム)を加算して(ステップ104)、プリントされた記録用紙21が正常に排出されたか否かを判別する(ステップ105)。
【0074】
一方、CPU100は、両面プリントモードであると判別すると、給紙モジュール6、両面モジュール40に対応した使用量記憶領域に、+1pv(プリントボリューム)を加算するとともに、レジモジュールを含む画像形成モジュール2に対応したRAM102の使用量記憶領域に+2pv(プリントボリューム)を加算して(ステップ106)、プリントが正常に排出されたか否かを判別する(ステップ105)。
【0075】
その後、CPU100は、プリントが正常に排出されたと判別すると、印刷動作を終了して(ステップ107)、当該交換時期管理動作を終了する。
【0076】
また、CPU100は、プリントが正常に排出されなかったと判別すると(ステップ105)、ジャムリカバリー動作を操作パネル50等に表示してユーザーに指示し(ステップ108)、ジャムリカバリー動作が正常に終了したか否かを判別して(ステップ109)、ジャムリカバリー動作が正常に終了しなかった場合には、ステップ108に戻り、ジャムリカバリー動作が正常に終了した場合には、ステップ102に戻って印刷動作を再度開始する。
【0077】
そして、上記CPU100は、図1及び図18に示すように、各モジュールの単位期間(例えば、月単位)の使用プリント枚数(pv)を計数し、各モジュールの設定寿命までの期間を算出して、予測値として記憶手段としてのRAM102に記憶する。なお、各モジュールの設定寿命までの期間を算出するにあたり、図18に示すような使用履歴において、直近の数カ月の使用履歴である勾配を求め、当該勾配に基づいて設定寿命までの期間を算出する。図示の例では、判り易くするため、各モジュールの使用履歴を直線で近似しているが、必ずしも直線で近似できるとは限らないことは勿論である。
【0078】
CPU100は、図18に示すように、最初に交換時期(寿命)が到来したモジュール、図示例では、モジュールAが12カ月で寿命が到来しているため、他の各モジュールが交換時期に達するまでの期間、|A−B|、|A−C|、|A−D|をそれぞれ算出する。
【0079】
次に、CPU100は、予め記憶されたプログラムに従って、算出した期間|A−B|、|A−C|、|A−D|をそのまま表示するか、以下の判断基準として使用する。
ここでは、いずれか1つのモジュールが交換時期に達した場合、当該交換時期から他のモジュールの予想される交換時期までの期間を、予め定められた期間(t)に設定した場合、期間|A−B|、|A−C|、|A−D|がその予め定められた期間(t)より短い期間であるか、長い期間であるかを判別する。
【0080】
そして、CPU100は、期間|A−B|、|A−C|、|A−D|がその予め定められた期間(t)より長い期間であり、モジュールA以外は同時に交換不要であると判断した場合は、モジュールAのみを交換するようにメッセージを操作パネル50又は図示しないパーソナルコンピュータに表示し、モジュールAが交換された場合には、カウンタの値を0に戻す。
【0081】
次に、モジュールAを交換してから7カ月が経過し、図19に示すように、モジュールBの交換時期(寿命)が到来したとすると、当該時期から他の各モジュールが交換時期に達するまでの期間、|B−C|、|B−D|、|B−A|をそれぞれ算出する。
【0082】
そして、CPU100は、予め記憶されたプログラムに従って、算出した期間|B−C|、|B−D|、|B−A|をそのまま表示するか、以下の判断基準として使用する。
【0083】
ここでは、いずれか1つのモジュールが交換時期に達した場合、当該交換時期から他のモジュールの予想される交換時期までの期間を、予め定められた期間(t)に設定した場合、期間|B−C|、|B−D|、|B−A|がその予め定められた期間(t)より短い期間であるか、長い期間であるかを判別する。
【0084】
そして、CPU100は、期間|B−C|、|B−D|、|B−A|がその予め定められた期間(t)より長い期間であり、モジュールB以外は同時に交換不要であると判断した場合は、モジュールBのみを交換するようにメッセージを操作パネル50又は図示しないパーソナルコンピュータに表示し、モジュールBが交換された場合には、モジュールBのカウンタの値を0に戻す。
【0085】
また、CPU100は、期間|B−C|、|B−D|、|B−A|のうち、いずれか1つでも予め定められた期間(t)より短い期間であり、モジュールB以外にも交換時期が到来するモジュールがあると判断した場合は、図示例では、モジュールCがあると判断した場合は、モジュールBと共にモジュールCを合わせて交換するようにメッセージを操作パネル50又は図示しないパーソナルコンピュータに表示し、モジュールB及びCが交換された場合には、これらのカウンタの値を0に戻す。
【0086】
次に、モジュールDが使用を開始してから23カ月が経過し、図20に示すように、モジュールDの交換時期(寿命)が到来したとすると、当該時期から他の各モジュールが交換時期に達するまでの期間、|D−A|、|D−B|、|D−C|をそれぞれ算出する。
【0087】
そして、CPU100は、予め記憶されたプログラムに従って、算出した期間|D−A|、|D−B|、|D−C|をそのまま表示するか、以下の判断基準として使用する。
【0088】
ここでは、いずれか1つのモジュールが交換時期に達した場合、当該交換時期から他のモジュールの予想される交換時期までの期間を、予め定められた期間(t)に設定した場合、期間|D−A|、|D−B|、|D−C|がその予め定められた期間(t)より短い期間であるか、長い期間であるかを判別する。
【0089】
そして、CPU100は、期間|D−A|、|D−B|、|D−C|がその予め定められた期間(t)より長い期間であり、モジュールD以外は同時に交換不要であると判断した場合は、モジュールDのみを交換するようにメッセージを操作パネル50又は図示しないパーソナルコンピュータに表示し、モジュールDが交換された場合には、カウンタの値を0に戻す。
【0090】
また、CPU100は、期間|D−A|、|D−B|、|D−C|のうち、いずれか1つでも予め定められた期間(t)より短い期間であり、モジュールD以外にも交換時期が到来するモジュールがあると判断した場合、図示例では、モジュールAがあると判断した場合は、モジュールDと共にモジュールAを合わせて交換するようにメッセージを操作パネル50又は図示しないパーソナルコンピュータに表示し、モジュールD及びAが交換された場合には、図21に示すように、これらのカウンタの値を0に戻す。
【0091】
このように、CPU100は、いずれか1つのモジュールでも交換時期に到達したと判別すると、当該交換時期から予め定められた期間内に交換時期が到来する他のモジュールの有無を判別し、他のモジュールが存在すると判別した場合には、予め定められた期間内に交換時期が到来する複数のモジュールを同時に報知して交換を促すことができるため、頻繁にサービスエンジニアを呼んで、モジュールを交換する手間を省くことができ、ランニングコストの低減、及びユーザーの装置が頻繁に使用不可能となる事態を回避することができる。
【0092】
実施の形態2
図22はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0093】
すなわち、この実施の形態2では、図22に示すように、各モジュールの単位期間の使用プリント枚数(pv)を計数し、各モジュールが予め設定された交換時期に到達する期間mm(A)、mm(B)、mm(C)、mm(D)を算出して、予測値としてRAM等に記憶する(ステップ201)。
【0094】
ここで、上記期間mm(A)、mm(B)、mm(C)、mm(D)は、次のようにして算出される。
【0095】
いま、対象となるモジュールの使用開始年月日をyymm(S)、現在の年月日をyymm(N)、mmはモジュールの使用を開始しから現在までの期間、mm=yymm(N)−mm(S)である。また、mm(t)は、次のモジュール交換までの期間、予め設定された値又は入力された設定値、mm(Min)は直近の交換時期、pv(A)はモジュールAの使用量(枚数)、pv(B)はモジュールBの使用量(枚数)、pv(C)はモジュールCの使用量(枚数)、pv(A)はモジュールDの使用量(枚数)、L(A)はモジュールAの交換時期(寿命:既定値)、L(B)はモジュールBの交換時期(寿命:既定値)、L(C)はモジュールCの交換時期(寿命:既定値)、L(D)はモジュールDの交換時期(寿命:既定値)、mm(A)はモジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間、mm(B)はモジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間、mm(C)はモジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間、mm(D)はモジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間をそれぞれ示している。
【0096】
図22において、CPU100は、直近の交換時期mm(Min)をモジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)であると仮定して(ステップ202)、直近の交換時期mm(Min)がモジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)以上であるか否かを判別する(ステップ203)。
【0097】
CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)以上であると判別すると、モジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも短いことになるため、直近の交換時期mm(Min)をモジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)に置き換える(ステップ204)。
【0098】
一方、CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)以上でないと判別すると、モジュールBが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(B)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも長いことになるため、ステップ205に進んで、直近の交換時期mm(Min)がモジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)以上であるか否かを判別する。
【0099】
そして、CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)以上であると判別すると、モジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも短いことになるため、直近の交換時期mm(Min)をモジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)に置き換える(ステップ206)。
【0100】
一方、CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)以上でないと判別すると、モジュールCが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(C)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも長いことになるため、ステップ207に進んで、直近の交換時期mm(Min)がモジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)以上であるか否かを判別する。
【0101】
CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)以上であると判別すると、モジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも短いことになるため、直近の交換時期mm(Min)をモジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)に置き換える(ステップ208)。
【0102】
一方、CPU100は、直近の交換時期mm(Min)がモジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)以上でないと判別すると、モジュールDが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(D)の方が、モジュールAが交換時期(寿命)を迎えるまでの期間mm(A)よりも長いことになるため、ステップ209に進む。
【0103】
CPU100は、ステップ209において、|mm(Min)−mm(A)|、|mm(Min)−mm(B)|、|mm(Min)−mm(C)|、|mm(Min)−mm(D)|をそれぞれ算出する。
【0104】
次に、CPU100は、求められた|mm(Min)−mm(A)|が予め定められた期間mm(t)以下であるか否かを判別し(ステップ210)、求められた|mm(Min)−mm(A)|が予め定められた期間mm(t)以下であると判別した場合には、モジュールAを交換対象であると判別する(ステップ211)。
【0105】
また、CPU100は、求められた|mm(Min)−mm(A)|が予め定められた期間mm(t)以下でないと判別した場合には、モジュールAを交換対象でないと判別する(ステップ212)。
【0106】
同様に、CPU100は、求められた|mm(Min)−mm(B)|が予め定められた期間mm(t)以下であるか否かを判別し(ステップ213)、求められた|mm(Min)−mm(B)|が予め定められた期間mm(t)以下であると判別した場合には、モジュールBを交換対象であると判別する(ステップ214)。
【0107】
また、CPU100は、求められた|mm(Min)−mm(B)|が予め定められた期間mm(t)以下でないと判別した場合には、モジュールBを交換対象でないと判別する(ステップ215)。
【0108】
このようにして、複数のモジュールのうち、予め定められた期間mm(t)内に交換時期が到来するモジュールを判別することができる。
【0109】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0110】
実施の形態3
図23はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0111】
すなわち、この実施の形態3では、図23に示すように、各モジュールの交換時期(寿命)までの期間を表示する要求に従い、寿命までの期間を計算して操作パネル50やパーソナルコンピュータ等に表示するように構成されている。
【0112】
CPU100は、操作パネル50の操作等によって各モジュールの寿命表示が要求されると(ステップ301)、使用開始からの経過期間(年数、月数、日数など)を次の式に基づいて算出する(ステップ302)。
mm=yymm(N)−yymm(S)
【0113】
次に、CPU100は、各モジュールが交換時期(寿命)に到達する期間を算出し(ステップ303)、当該各モジュールが交換時期(寿命)に到達する期間を操作パネル50やパーソナルコンピュータ等に表示する(ステップ304)。
mm(A)=L(A)/(pv(A)/mm)
mm(B)=L(B)/(pv(B)/mm)
mm(C)=L(C)/(pv(C)/mm)
mm(D)=L(D)/(pv(D)/mm)
【0114】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0115】
なお、構成要素が搬送ロールなどを含む場合には、図24に示すように、搬送ロールの摩耗等に起因した搬送速度の低下は、必ずしも理論値通りに変化するとは限らないため、搬送ロールによる記録用紙の搬送速度を実際に検出して、搬送ロールの交換時期を判別するように構成しても良い。この場合には、搬送ロールの交換時期を判別するにあたり、搬送ロールによる搬送速度が既定値を下回ると予想されるプリント枚数を交換時期であると判別すれば良い。
【0116】
また、前記実施の形態では、装置として画像形成装置に適用した場合について説明したが、家電製品など複数の構成要素から構成される装置にも広く適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0117】
1:画像形成装置、2:画像形成モジュール、3:手差しモジュール、5:排出モジュール、6、7:自動給紙モジュール、100:CPU(管理手段、判別手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置を構成する交換可能な複数の構成要素の交換時期を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、
前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする交換時期報知装置。
【請求項2】
前記構成要素の1つは、記録媒体に画像を形成する画像形成モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記画像形成モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項1に記載の交換時期報知装置。
【請求項3】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体を供給する供給ロールを備えた記録媒体供給モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記記録媒体供給モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項4】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体を供給する供給ロールを備えた記録媒体供給モジュールからなり、
前記管理手段は、前記供給ロールの磨耗量に基づいて前記記録媒体供給モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項5】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールに前記記録媒体の姿勢を整合して搬送する記録媒体整合部を備えたレジストレーションモジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記レジストレーションモジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項6】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出された前記記録媒体を予め定められた排出位置まで搬送する排出モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記排出モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項7】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出、若しくは前記排出モジュールから反転搬送された前記記録媒体を前記画像形成モジュールに再搬送する搬送手段を備えた両面印刷モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記両面印刷モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項8】
前記構成要素の1つは、前記画像形成モジュールから搬出、若しくは前記排出モジュールから排出された前記記録媒体を後処理する後処理モジュールからなり、
前記管理手段は、前記記録媒体の枚数の積算値に基づいて前記後処理モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項9】
前記構成要素の1つは、原稿読み取りモジュールからなり、
前記管理手段は、前記原稿の枚数の積算値に基づいて前記原稿読み取りモジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項10】
前記構成要素の1つは、各構成要素に電力を供給する電源モジュールからなり、
前記管理手段は、前記電源モジュールの通電時間の積算値に基づいて前記電源モジュールの交換時期を管理することを特徴とする請求項2に記載の交換時期報知装置。
【請求項11】
前記判別手段は、前記予め定められた期間を任意に設定可能であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の交換時期報知装置。
【請求項12】
画像形成装置を構成する交換可能な複数の構成要素と、
前記構成要素の交換時期を管理する管理手段と、
前記管理手段によって管理される前記複数の構成要素の交換時期に基づいて、当該交換時期が予め定められた期間内に到来する構成要素を判別する判別手段と、
前記判別手段によって予め定められた期間内に交換時期が到来すると判別された構成要素を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−112773(P2011−112773A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267565(P2009−267565)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】