説明

交流電気車

【課題】 セクションの切替え区間を直通運転することができ、冗長性を備え、部品点数を削減することが可能な交流電気車を提供する。
【解決手段】 3台の主遮断器4を搭載した構成の交流電気車は、来線や新幹線に関わらず、パンタグラフ2と電車線1の接触を維持しながらセクションの切替え区間の走行が可能となる。また2つのパンタグラフ2のどちらか一方が降下又は破損した場合においても、もう一方のパンタグラフ2と保護接地装置3によって、緊急時に変電所からの送電を停止するため冗長性を確保することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電気車に関する。
【背景技術】
【0002】
国内では車両の走行中にパンタグラフの上げ下げが行われないため、パンタグラフ1台で車両が走行する在来線セクションと、複数台のパンタグラフで車両が走行する新幹線セクションとが切り替わる区間を車両が直通して走行する際は、セクションの切り替わりに対応するために車両の走行方法に工夫が施されている。例えば、図11のような交流電気車である。図11の交流電気車は、架線電力を通電する電車線1に第一のパンタグラフ2aと第二のパンタグラフ2bが接続され、第一のパンタグラフ2aと第二のパンタグラフ2bは特別高圧用電源ケーブル等で接続される。第一のパンタグラフ2aは第一の主変圧器4a第一の変圧器6aと接続され、第一の変圧器6aは、第一の電力変換装置7aと第一の電動機8aと接続される。また、第一の主遮断器4aと反対側では、保護接地装置3a及び接地座10aが接続される。第二のパンタグラフ2b側も同様に構成されている。
【0003】
電車線1からの架線電圧は、第一のパンタグラフ2a、第一の主遮断器4aを通って第一の変圧器6aで降圧され、第一の電力変換装置7aに印加される。第一の電力変換装置7aは降圧した電圧を3相の交流電圧に変換し、3相線を介して第一の電動機8aに3相の交流電流を流し、第一の電動機8aが駆動する。第一の電力変換装置7aまたは第一の電動機8aが故障などにより過大な電流が発生した場合、第一の主遮断器4aを開放することにより、第一の変圧器6a、第一の電力変換装置7a及び第一の電動機8aの損傷を抑制し、第一の変圧器6a以降への電力供給を停止及び開放し、車両の走行を継続させる。また第一のパンタグラフ2a付近で事故が発生した緊急時に、保護接地装置3aが投入されるとパンタグラフ2aが接地座10aと接触することになる。パンタグラフ2aと接地座10aが接触すると変電所が異常を検知し、送電を停止することで車両を停車する。
【0004】
このような構成の交流電気車は、在来線セクションの区間を走行する直前の駅で停車し、第一のパンタグラフ2aまたは第二のパンタグラフ2bのどちらか一方のパンタグラフ2を下げることで、在来線のセクションに対応している。また新幹線においては、異なる変電所からの送電切替地点には、走行する車両全体が収まるような長さをもつ切替セクションと呼ばれる区間を設けている。そのため、切替セクションを通過することでセクションの切り替えに対応した走行ができるようにしている。
【0005】
在来線は、上記のような走行方法で送電の切り替わりに対応しているため、旅客電車のような、乗客の乗降などのため、駅に停車する必要がない場合であっても、セクションの切替え区間の手前の駅などで停車し、パンタグラフ2の上げ下げを行わなくてはならなかった。このような動作は不必要な停車や、在来線と新幹線でき電切替え方式が異なるため、メンテナンスや設備が2重に必要であるといった問題があったため、図9に示すような、セクションの切替え区間を直通運転できるような交流電気車が提案されている。図12は、図11の回路に第四の主遮断器4eと第五の主遮断器4fが追加された構成である。第四の主遮断器4eは、第一のパンタグラフ2aと第一の主遮断器4a間に接続される。また第五の主遮断器4fは第二のパンタグラフ2bと第二の主遮断器4b間に接続される。このような構成の交流電気車は、例えば、第一のパンタグラフからセクションの切替え区間に進入する場合、第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b、第四の主遮断器4e及び第5の主遮断器4fを投入してある状態から、第四の主遮断器4eを開放する。第四の主遮断器4eを開放すると、架線電力は第二のパンタグラフ2bから、第五の主遮断器4f、第一の主遮断器4aを通って第一の電力変換装置7aに供給され、第五の主遮断器4f、第二の主遮断器4bを通って第二の電力変換装置7bに供給される。
【0006】
また、同様に第一のパンタグラフ2a及び第二のパンタグラフ2bのどちらか一方に短絡事故が発生した場合でも、4つの主遮断器を投入/開放することによって車両走行に必要な駆動力を維持することが可能となる。例えば、第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b、第四の主遮断器4e、第五の主遮断器4fが投入され、第一のパンタグラフ2aと第二のパンタグラフ2bを介して供給される電力で交流電気車が走行している場合で、第一のパンタグラフ2aが短絡事故を起こしたときについて説明する。第四の主遮断器4eを開放すると、架線電力は第二のパンタグラフを介して2台の電力変換装置に供給されることになる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−69505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のような交流電気車は、短絡事故時の冗長性は確保できるが、主遮断器のような大型の部品点数が多いため、保護または省保守化のために主遮断器を車内に搭載しようとする場合、スペース不足や配線の複雑化といった問題が生じるおそれがあった。
【0009】
本発明は、冗長性と部品点数の問題点を解決するためになされたもので、異なるセクションに対応し、直通運転が可能な交流電気車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記を解決するために、本発明による交流電気車は、電車線から電車線電力を集電するパンタグラフと、前記パンタグラフと接続され、電気的切断を可能とする主遮断器と前記主遮断器と接続し、電車線電圧を降圧する変圧器と、前記変圧器と接続し、電車線電力を3相交流電力に変換する電力変換装置と、前記電力変換装置から供給される3相交流電力によって駆動する電動機と前記パンタグラフと前記主遮断器とは反対側に接続され、緊急時に電車線を接地し変電所からの送電を停止させる保護接地装置及び接地座と前記パンタグラフ、前記主遮断器、前記変圧器、前記電力変換装置、前記電動機で構成される第1の回路と、前記駆動システムと同一に構成された第2の回路と、前記第1の回路と前記第2の回路を前記変圧器の1次側同志を第三の遮断器を介して接続したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異なるセクションを直通運転することができ、冗長性を備え、部品点数を削減することが可能な交流電気車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の回路構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態の主遮断器の配置構造図。
【図3】本発明の第2の実施形態の回路構成図。
【図4】本発明の第2の実施形態の変形例の回路構成図。
【図5】本発明の第2の実施形態の変形例の動作システム図。
【図6】本発明の第3の実施形態の回路構成図。
【図7】本発明の第4の実施形態の回路構成図。
【図8】本発明の第5の実施形態の回路構成図。
【図9】本発明の第5の実施形態の変形例の回路構成図。
【図10】本発明の第6の実施形態の回路構成図。
【図11】従来発明の第1の回路構成図。
【図12】従来発明の第1の回路構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
本実施形態の構造について説明する。図1は第1の実施形態の回路構成である。図1に示すように、本実施形態の回路は電車線1、第一のパンタグラフ2a、第二のパンタグラフ2b、第一の保護接地装置3a、第二の保護接地装置3b、第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b、第三の主遮断器4c、第一の避雷器5a、第二の避雷器5b、第一の変圧器6a、第二の変圧器6b、第一の電力変換装置7a、第二の電力変換装置7b、第一の電動機8a、第二の電動機8b、第一の接地座10a、第二の接地座10b、第三の接地装置10c、第四の接地装置10dで構成され、車両に搭載されている。
【0015】
変電所からの架線電力を交流電気車に供給する電車線1は、電車線1からの架線電力を交流電気車に伝える第一のパンタグラフ2a、第二のパンタグラフ2bと接続される。第一のパンタグラフ2aは、緊急時に電車線1を接地し、変電所からの送電を停止させるための第一の保護接地装置3aと、第一の保護接地装置3aを介して第一のパンタグラフ2aを車体に接地するための第一の接地座10aを介して接続され、第一の接地座10aと反対側では、電気的切断を可能とする第一の主遮断器4aより第一のパンタグラフ2a側と、第一の主遮断器4a以降を電気的に切断する第一の主遮断器4aを介して、架線電圧を降圧する第一の変圧器6aと接続される。第一の変圧器6aにより降圧された単相交流を、第一の電動機8aを駆動させるための3相交流に変換する第一の電力変換装置7aを介して、車輪を回転させ交流電気車を駆動させる第一の電動機8aが接続されている。第一の主遮断器4aと第一の変圧器6aの間には、非常に高い電圧がかかったときに回路全体を守る役割を果たす第一の避雷器5aが接続され、第一の変圧器6aの第一の主遮断器4aと反対側に、第三の接地装置10cが接続される。
【0016】
第二のパンタグラフ2bから、第二の保護接地装置3b、第二の接地座10b、第二の主遮断器4b、第二の避雷器5b、第二の変圧器6b、第二の電力変換装置7b、第二の電動機8b、第四の接地装置10dが、第一のパンタグラフ2aからの構成と同様に接続されている。
【0017】
また、第一の主遮断器4aと第一の変圧器6a間と、第二の主遮断器4bと第二の変圧器6b間を接続するように第三の主遮断器4cが接続される。
【0018】
このような接続関係をもった交流電気車において、変電所から送られてくる電力は、電車線1からパンタグラフ2を通って交流電気車の回路内に供給される。例えば、第一のパンタグラフ2aが投入状態のとき、第一の保護接地装置3aは開放され、第一のパンタグラフ2aからの架線電圧は第一の主遮断器4aを通って第一の変圧器6aに印加される。印加された電圧は、第一の変圧器6aによって降圧され、第一の電力変換装置7aに印加される。第一の電力変換装置7aは、印加された交流電圧を直流電圧に変換し、さらに直流電圧を第一の電動機8aが駆動可能な3相の交流電圧に変換して、第一の電動機8aに3相の交流電流を流す。第一の電動機8は、流れてくる3相の交流電流で回転磁界を発生させ、回転磁界を駆動力として回転する。第二のパンタグラフ2b側も同様の作用を有している。
【0019】
第一の接地座10aは、緊急時に第一の保護接地装置3aが投入され、第一の接地座10aが電車線1に接地することによって変電所が異常を検知し、変電所からの送電を停止する。また、第一の避雷器5aは、通常の電圧では絶縁状態であるが、架線や送電系統に雷が落ちるなど、交流回路内で非常に高い電圧がかかったときに、導通状態となり、第一の避雷器5aより放電し、回路内電圧上昇を防止する。また、接地装置10cは、通常の通電回路であり、第一の変圧器6aを通過してきた帰線電流をレールに接地し、電車線1からの電力を変電所へ返す。第二のパンタグラフ側も同様の作用を有している。
【0020】
上記のような構造を有する本実施形態の交流電気車は以下のような作用を有する。第一のパンタグラフ2a、第二のパンタグラフ2bの両方を上昇させた状態でかつ、第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cを投入・開放させることで、第一のパンタグラフ2aまたは第二のパンタグラフ2bで集電を行うことになる。例えば、2台のパンタグラフ2で集電を行う新幹線セクションから1台のパンタグラフで集電を行う在来線セクションに進入する場合、在来線セクションに先に侵入するパンタグラフ2を主遮断器4によって電気的に遮断することで、2台のパンタグラフを電車線1に接触させながら、走行中の車両が異なるセクションを跨ぐことなく、次のセクションに対応することが可能となる。そのため、切替え区間の直通運転に支障はなく、第一の変圧器6aと第2の変圧器6bのいずれにも給電が可能である。
【0021】
次に、車両を立ち上げた際に、第一の主遮断器4aを開放し、第二の主遮断器4bと第三の主遮断器4cを投入する場合について説明する。この場合、最初に第一の主遮断器4aを開放し、第二の主遮断器4bと第三の主遮断器4cを投入することによって、それ以降は第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b、第三の主遮断器4cを動作させることなくセクションの切替え区間においても直通運転が可能となる。集電に用いない第一のパンタグラフ2aは、第一の主遮断器4aが開放の状態であれば、常に電気的に開放されている状態であるため、第一のパンタグラフ2a及び第二のパンタグラフ2bを出発時より上昇させたままで、セクションの切替え区間の走行が可能となる。また、入出区などで第一のパンタグラフ2aを下げる必要がある場合にも、第一の主遮断器4aを開放状態のまま動作させずに第一のパンタグラフ2aを降下させることが可能である。
【0022】
例えば、第一の主遮断器4a及び第二の主遮断器4bを投入し、第三のパンタグラフ4cを開放すると、構内や車庫内で第一のパンタグラフ4aまたは第二のパンタグラフ4bのどちらかでのみ集電する必要がある場合、一旦、第一の主遮断器4aを開放してから第一のパンタグラフ2aを降下させ、次に第三の主遮断器4cを投入するという手続きを踏む必要があり、開放/投入の動作が多くなる。しかしながら、通常状態として第一の主遮断器4aを開放し、第二の主遮断器4b、第三の主遮断器4cを開放しておくことで、様々な電力の供給状態に対応することが可能となる。
【0023】
このような3台の主遮断器4を搭載した構成の交流電気車は、在来線や新幹線に関わらず、第一のパンタグラフ2aと第二のパンタグラフ2bを電車線1に接触させながらセクションの切替え区間の直通運転が可能となる。そのため、2つのパンタグラフ2のどちらか一方で破損または意図しない降下が生じた場合においても、もう一方のパンタグラフ2によって、どちらか一方の保護接地装置3の機能を有することが可能である。つまり、第一の保護接地装置3a及び第二の保護接地装置3bの両方の機能を有する2重系保護接地機能を有する。
【0024】
また、図2は本発明の第1の実施形態の主遮断器の天井方向からの配置構造図である。図2で示すように、本実施形態は主遮断器4として真空遮断器(VCB)を使用し、パンタグラフと主遮断器4を接続し、車内に搭載している。以下に車内の主遮断器4の配置方法について説明する。第一の主遮断器4aは、3つの端部36a、36b及び36cを有し、そのうちの2つの端部36aと36bは平行に位置するT字型の遮断部35aと、遮断部35aと端部36cで接続される制御部34aで構成される。第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cも同様である。端部36b及び端部36dは、第一の変圧器6aに接続され、端部36e及び端部36gは第二の変圧器6bに接続される。
【0025】
第一の主遮断器4aの端部36aと第二の主遮断器4bの端部36hが、第一の遮断器4aと第二の遮断器4b間の短絡を防止できるようなある一定の空間を介して対向し、第一の主遮断器4aの端部36bと第二の主遮断器4bの端部36gが第一の遮断器4aと第二の遮断器4b間の短絡を防止できるある一定の空間を介して対向し、配置されている。第三の遮断器4cは、第一の遮断器4aの端部36bの近傍に第三の遮断器4cの端部36dが位置し、第二の遮断器4bの端部36gの近傍に第三の遮断器36eが位置するように配置されている。
【0026】
このような配置方法を採用することにより、車内の限られたスペースに3つの主遮断器4が短絡を防止するための空間を有しながら配置されることが可能となる。車内に主遮断器4を搭載することで、外部の粉塵等により汚損や破損することがないため、主遮断器4への保守力を削減することが可能となる。また上記配置方法は、第一の主遮断器4a、第三の主遮断器4cと第一の変圧器6a間の配線及び、第二の主遮断器4b、第三の主遮断器4cと第二の変圧器6b間の配線を複雑化することがない。そのため、省スペースかつ簡易的に設置可能であり、省保守化を実現するため主遮断器4の搭載方法として理想的であると考えられる。
【0027】
以上のような回路構成、構造を有した交流電気車は、セクションの切替え区間を直通運転することが可能である。また、1つのパンタグラフ2付近で短絡事故が起きても、該当するパンタグラフ2を開放することで、電力変換装置7の動作を維持することが可能となり、冗長性が確保できる。また、3つの主遮断器4を車内に設置できるような配置方法を採ることで、スペース、配線の複雑化を解消し、主遮断器4に対する省保守化を実現できる。
【0028】
また、本実施形態の回路構成は、変圧器6を用いない交流電気車への適用も可能である。さらに、本実施形態の回路構成における電送機8の代わりに、ヒータや送風機等の電源を用いることも可能である。
【0029】
(第2の実施形態)
本発明に基づく第2の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図3は、本発明の第2の実施形態の回路構成図である。尚、図1乃至2と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0030】
本実施形態は、第1の実施形態とは、第一の電圧検知器9aと第二の電圧検知器9bが回路構成に追加されている点が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0031】
図3に示すように、第一の変圧器6aの三次側に第一の電圧検知器9aを設ける。第二の変圧器6bの三次側に第二の電圧検知器9bを設ける。
【0032】
車両の走行時に、第一の電圧検知器9aは、第一の変圧器6aの三次側の電圧値を検出する。第二の電圧検知器9bは、第二の変圧器6bの三次側の電圧値を検出する。それぞれの電圧検知器9を三次側に接続することで低圧回路として2つのパンタグラフ2からの電圧値を検出する。
【0033】
また、図4は図3に保安装置を取り付けた回路構成図で、保安装置26、制御電源線28、第一のリレー29a、第二のリレー29b、第三のリレー29c、第四のリレー29d、第五のリレー29eが追記されている。図4に示すように、保安装置26は、第一のリレー29aを介して第一の主遮断器4aと接続され、第二のリレーを介して第二の主遮断器4bと接続され、第三のリレー29cを介して第三の主遮断器4cと接続され、第四のリレー29dを介して第一の電圧検知器9aと接続され、第五のリレー29eを介して第二の電圧検知器9bと接続され、また外部機器と接続されている。
【0034】
第一のリレー29aは第一の主遮断器4aの開放・投入状態と連動した動作をする。第一の主遮断器4aが開放状態のとき、第一の主遮断器4aに対応した第一のリレー29aの接点は閉路され、第一のリレー29aから保安装置26へ向けて“主遮断器の開放”信号が出力される。また、第一の主遮断器4aが投入状態のとき、第一のリレー29aの接点は開放され、第一のリレー29aから保安装置26へ向けて“主遮断器の開放”信号の出力が停止される。第二のリレー29bと第二の主遮断器4bの連動動作状態と、第三のリレー29cと第三の主遮断器29cの連動動作状態は、第一のリレー29aと第一の主遮断器4aと同様である。第4のリレー29dは第一の遮断器4aの開放・投入状態と連動した動作をし、第五のリレー29eは第二の主遮断器4bの開放・投入状態と連動した動作をする。第一の電圧検知器9aによって一定の電圧がある検出されている場合、第四のリレー29dの接点は閉路された状態になり、第一の同期信号が保安装置26に入力される。また、第一の電圧検知器9bによって電圧が検出されなくなり、第四のリレー29dの接点が開放されると、第一の同期信号の保安装置26への入力が停止される。また、第二の電圧検知器9bと第五のリレー29eも第一の電圧検知器9aと第四のリレー29dと同様の作用を有する。
【0035】
例えば、図5の動作システム図に示すように、何らかの不具合、故障により第一の電圧検知器9aまたは第二の電圧検知器9bで電圧が検出されなくなると、保安装置26への第一の同期信号または第二の同期信号の入力が停止する(S1)。次に、主遮断器4が開放され、リレー29が閉路されることにより保安装置26に入力される主遮断器の開放信号があるかどうか判断される(S2)。主遮断器の開放信号がある場合、変電所からの電力供給があると判断され(S3)、非常ブレーキ出力停止信号の出力が停止される(S4)。そのため、車両の走行は継続される(S5)。また、主遮断器の開放信号がない場合、変電所からの電力供給は中断されていると判断され(S6)、非常ブレーキ出力停止信号が外部へと出力される(S7)。そのため、車両の走行が停止する(S8)。
通常の交流電気車は、第一の電圧検知器9a及び第二の電圧検知器9bなどから得られる同期信号の有り無しを非常ブレーキ信号を出力する判断信号として用いているが、このような構成の交流電気車は、電圧検知器9から保安装置26へ同期信号の入力が停止しても、車両に無用な非常ブレーキを作用させないよう、変電所からの電力中断ではなく、主遮断器4bが開放状態による同期信号の停止であることを伝える信号(主遮断器の開放信号)を保安装置26に入力することが可能である。
【0036】
そのため、本実施形態の構成を有する交流電気車は、第1の実施形態と同様の効果を有し、かつ回路内の電圧を監視することで車両走行の安全性を向上させることが可能である。
【0037】
(第3の実施形態)
本発明に基づく第3の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図6は、本発明の第3の実施形態の回路構成図である。尚、図1乃至5と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0038】
本実施形態は、第2の実施形態とは、第一の電流検知器11aと第二の電流検知器11bが回路構成に追加されている点が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0039】
図6に示すように、第一の電流検知器11aは、第一のパンタグラフ2aと第一の主遮断器4aの間に接続されている。また、第二の電流検知器11bは、第二のパンタグラフ2bと第二の主遮断器4bの間に接続されている。
【0040】
第一の電流検知器11aは、第一のパンタグラフ2aから回路内に流れる電流を検知する。第一の遮断器4aが投入状態にある場合、第一のパンタグラフ2aから回路内に流れる電流を検知することになる。第二の電流検知器11bは、第二のパンタグラフ2bから回路内に流れる電流を検知する。第二の遮断器2bが投入状態にある場合は、第二のパンタグラフ2bから回路内に流れる電流を検知することになる。
【0041】
このような構成の交流電気車は、パンタグラフ2から主遮断器4で発生した接地事故を検知することが可能である。また、主遮断器4のどちらかを開放状態にした場合、1つの電流検知器11によって回路全体の合計電流値を検知することが可能である。そのため、第1の実施形態と同様の効果を有し、回路内の電流異常を発見することが可能となる。また、第2の実施形態と組み合わせることで第2の実施形態を有することも可能である。
【0042】
(第4の実施形態)
本発明に基づく第4の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図7は、本発明の第4の実施形態の回路構成図である。尚、図1乃至6と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態は、第3の実施形態とは、第一の電流検知器11aと第二の電流検知器11bの回路内の接続位置が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0044】
図7に示すように、第三の電流検知器11cは、第一の主遮断器4a、第一の避雷器5aと第一の変圧器6aの間に接続されている。また、第四の電流検知器11dは、第二の主遮断器4b、第二の避雷器5bと第二の変圧器6bの間に接続されている。
【0045】
第三の電流検知器11cは、第一のパンタグラフ2aから第一の変圧器6aに流れる電流を検知する。例えば、第一の主遮断器4a及び、第二の主遮断器4bが投入状態にあり、第三の主遮断器4cが開放状態ある場合、第一のパンタグラフ2aから第一の変圧器6aに流れる電流を検知することになる。また、第一の主遮断器4aが開放され、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cが投入状態の場合、第二のパンタグラフ2bから第一の変圧器に6a流れる電流を検知することになる。
【0046】
第四の電流検知器11bは、第二のパンタグラフ2bから第二の変圧器6bに流れる電流を検知する。例えば、第一の主遮断器4a及び第二の遮断器4bが投入状態にあり、第三の主遮断器4cが開放状態にある場合は、第二のパンタグラフ2bから第二の変圧器6bに流れる電流を検知することになる。また、第一の主遮断器4aが開放され、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cが投入状態にある場合、第二のパンタグラフ2bから第二の変圧器6bに流れる電流を検知することになる。
【0047】
このような構成の交流電気車は、第1の実施形態と同様の効果を有し、変圧器6に流れる電流値を検出するため、電力変換装置7に影響を及ぼすような過大な電流等を検出することが可能であり、回路の安全性を高めることが可能である。また第2の実施形態及び第3の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0048】
(第5の実施形態)
本発明に基づく第5の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図8は、本発明の第5の実施形態の回路構成図である。尚、図1乃至7と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0049】
本実施形態は、第4の実施形態とは、第一の接触器20a、第一の入力側接触器24a、第二の入力側接触器24bが回路構成に追加され、第一の電力変換装置7aが第一の交流電力変換装置15a及び第一の直流電力変換装置16aで構成され、第二の電力変換装置7bが第二の交流電力変換装置15b及び第二の直流電力変換装置16bで構成されている点が異なっている。以下、その点について詳細に説明する。
【0050】
第一の交流電力変換装置15aは、第一の変圧器6aと接続される。第一の直流電力変換装置16aは第一の交流電力変換装置15aと接続される。第一の交流電力変換装置15aと第一の直流電力変換装置16a間には、正極側に第一の正極側接触器24aが設置されている。また、第二の交流電力変換装置15bと第二の直流電力変換装置16b間には、正極側に第二の正極側接触器24bが設置されている。
【0051】
第一の正極側接触器24aと第一の交流電力変換装置16a間と第二の正極側接触器24bと第二の交流電力変換装置16b間とを第一の接触器20aが接続している。
【0052】
このような構成の交流電気車は、第一の直流電力変換装置15a及び第二の直流電力変換装置15bの直流側を第一の接触器20aを介して接続しているため、第一の主遮断器4aと第三の主遮断器4cを開放し、かつ第一の正極側接触器24aを開放した場合においても、第二の交流電力変換装置15bより第一の直流電力変換装置16a及び第二の直流電力変換装置16bに給電することが可能である。
【0053】
例えば、第一の変圧器6aを20kV用、第二の変圧器6bを25kV用とし、電車線電圧が20kV区間において、第一のパンタグラフ2a及び第二のパンタグラフ2bを電車線1と接続させ、第一の主遮断器4aを投入し、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cを開放状態とする。電車線1から第一のパンタグラフ2a、第一の主遮断器4a、第一の変圧器6aを介して供給される電車線電力を第一の電力変換装置15aで直流電力に変換する。変換された直流電力を第1の電力変換装置16a及び第二の電力変換装置16bに供給し、それぞれの電動機8を駆動させる。また、電車線電圧が25kV区間において、第一のパンタグラフ2a及び第二のパンタグラフ2bを電車線1と接続させ、第二の主遮断器4bを投入し、第一の主遮断器4aと第三の主遮断器4cを開放状態にする。電車線1から第二のパンタグラフ2b、第二の主遮断器4b、第二の変圧器6bを介して供給される電車線電力を第二の電力変換装置15bで直流電力に変換する。変換された直流電力を第一の直流電力変換装置16a及び第二の直流電力変換装置16bに供給し、それぞれの電動機8を駆動する。
【0054】
なお、図9は、本発明の第5の実施形態の変形例であり、図8に第二の接触器20b、第一の接触器25a、第二の接触器25bの部品を追加した回路構成となっている。第一の交流電力変換装置15aと第一の直流電力変換装置16aの間には、正極側に第一の正極側接触器24aが設置され、負極側には第一の負極側接触器25aが設置されている。第二の交流電力変換装置15bと第二の直流電力変換装置16bの間には、正極側に第二の正極側接触器24bが設置され、負極側には第二の負極側接触器25bが設置されている。また、第一の負極側接触器25aと第一の直流電力変換装置16a間と第二の負極側接触器25bと第二の直流電力変換装置16b間とを第二の接触器20bが接続している。図8の交流電気車の回路装置が複数の車両間で分散配置されている場合、接地点が複数存在することで帰線電流のアンバランス、高調波電流の迷走が生じやすくなり、制御システムが複雑になる恐れがある。しかし、図9のような第一の正極側接触器25a、第二の正極側接触器25b、第二の接触器20bを追加した回路構成にすることによって、帰線電流のアンバランスや高調波電流の迷走を抑制し、回答装置が複数の車両間に分散配置することが可能となり、保守の省力化及び配線の簡易化が可能となる。
【0055】
このような構成の交流電気車は、第1の実施形態と同様の効果を有し、セクション方式の切替え区間を直通運転することが可能である。また第2の実施形態乃至第4の実施形態と組み合わせることも可能である。また、本実施形態は電動機8への給電を示したが、送風機などの電源、客車へのサービス電源等、車内に搭載されている電源を必要とする機器への給電システムとしても適用可能である。
【0056】
(第6の実施形態)
本発明に基づく第6の実施形態について図を参照し、詳細に説明する。図10は、本発明の第6の実施形態の回路構成図である。尚、図1乃至9と同一の構成をとるものについては、同符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施形態は、図10に示すように、電車線1、第一のパンタグラフ2a、第二のパンタグラフ2b、第一の車両31a、第二の車両31b、第一の車輪32a、33a、第二の車輪32b、33b、連結器34、第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b、第三の主遮断器4cで構成される。
【0058】
第一のパンタグラフ2aは第一の車両31aに設置され、第一の車両31aは第一の車輪32a及び第二の車輪32bを備えている。また、第二のパンタグラフ2bは第二の車両31bに設置され、第二の車両31bは第一の車輪33a及び第二の車輪33bを備えている。第一の車両31aと第二の車両31bは、連結器34により連結されている。第一の主遮断器4a、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4c間の接続状態と、パンタグラフ2との接続状態は第1の実施形態乃至第5の実施形態と同様である。
【0059】
図10に示すように、第一のパンタグラフ2aは第一の車両31aの天井部外面の外側に設置されている。また、第二のパンタグラフ2bは第二の車両31bの天井部外面の内側(連結側)に設置されている。
【0060】
例えば、第1の実施形態と同様に第一の主遮断器4aを開放し、第二の主遮断器4b及び第三の主遮断器4cを投入状態とし、第一の車両31aを先頭車両とした場合、新幹線の切替えセクションの通過の際は、第一の車両31aと第二の車両31bの全体が、切替えセクション内に進入したことを、第一の車輪32aの軌道上での位置検知装置(図示せず)により検知し、切替えセクションにおけるき電回路が切替えられる。
【0061】
このような構成の交流電気車は第1の実施形態と同様の効果を有する。また従来において、2つのパンタグラフ2間の配置距離が狭いと、パンタグラフ2が電車線1を押し上げることによって、どちらかのパンタグラフ2に離線が生じるおそれがあった。このような離線を回避するため第一のパンタグラフ2aを第一の車両31aの外側に、第二のパンタグラフ2bを第二の車両31bの外側に配置すると、新幹線の切替えセクション区間の切替えを検知する車輪32、33よりもさきにパンタグラフ2が切替えセクション内を通過してしまうことによるトラブルが発生していた。このようなトラブルを回避しようとパンタグラフ2を車両31の中央に配置すると、屋上機器の設置スペースがなくなり、設計上の問題となった。しかし、本実施形態のような構成の交流電気車は、パンタグラフ2の押し上げによる、もう一方のパンタグラフ2の離線を防止することが可能であり、また、第一のパンタグラフ2aの電気的接続を遮断しておくことで、第一の車両31a、第二の車両31bのどちらが先頭車両となっても、セクション通過の際の切替えトラブルを防止することが可能である。また、パンタグラフ2は車両31に対して端部に設置されているため、屋上機器の設置スペースを確保することも容易となる。さらに、乗務員の頭上への電気的に接続しているパンタグラフ2の設置を回避することで、乗務員の安全性の向上に繋がる。
【0062】
また、本実施形態は第2の実施形態乃至第5の実施形態と組み合わせて使用することが可能で、その場合、各実施形態の効果を有する。
【符号の説明】
【0063】
1 電車線
2 パンタグラフ
2a 第一のパンタグラフ
2b 第二のパンタグラフ
3 保護接地装置
3a 第一の保護接地装置
3b 第二の保護接地装置
4 主遮断器
4a 第一の主遮断器
4b 第二の主遮断器
4c 第三の主遮断器
4e 第四の主遮断器
4f 第五の主遮断器
5 避雷器
5a 第一の避雷器
5b 第二の避雷器
6 変圧器
6a 第一の変圧器
6b 第二の変圧器
7 電力変換装置
7a 第一の電力変換装置
7b 第二の電力変換装置
8 電動機
8a 第一の電動機
8b 第二の電動機
9 電圧検知器
9a 第一の電圧検知器
9b 第二の電圧検知器
10 接地装置
10a 第一の接地座
10b 第二の接地座
10c 第三の接地装置
10d 第四の接地装置
11 電流検知器
11a 第一の電流検知器
11b 第二の電流検知器
11c 第三の電流検知器
11d 第四の電流検知器
15 交流電力変換装置
15a 交流電力変換装置
15b 交流電力変換装置
16 直流電力変換装置
16a 直流電力変換装置
16b 直流電力変換装置
17 避雷器
18 変流器
19 電流検知器
20 接触器
20a 第一の接触器
20b 第二の接触器
23 電力変換装置
24 正極側接触器
24a 第一の正極側接触器
24b 第二の正極側接触器
25 負極側接触器
25a 第一の負極側接触器
25b 第二の負極側接触器
26 保安装置
28 制御電源線
29 リレー
29c 第三のリレー
29d 第四のリレー
29e 第五のリレー
31 車両
31a 第一の車両
31b 第二の車両
32a 第一の車輪
32b 第二の車輪
33a 第一の車輪
33b 第二の車輪
34 連結器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車線から電車線電力を集電するパンタグラフと、
前記パンタグラフと接続され、電気的切断を可能とする主遮断器と
前記主遮断器と接続し、電車線電圧を降圧する変圧器と、
前記変圧器と接続し、電車線電力を3相交流電力に変換する電力変換装置と、
前記電力変換装置から供給される3相交流電力によって駆動する電動機と
一端が前記パンタグラフと接続され、他端が接地座と接続され、緊急時に電車線を接地し変電所からの送電を停止させる保護接地装置及と
前記パンタグラフ、前記主遮断器、前記変圧器、前記電力変換装置、前記電動機で構成される第1の回路と、
前記第1の回路と同一に構成された第2の回路と、
前記第1の回路と前記第2の回路を前記変圧器の1次側の間で接続する第三の遮断器と、
前記パンタグラフの使用が可能な場合、前記第1の回路の主遮断器を開放し、前記第2の回路を主遮断器及び、前記第三の遮断器を投入することによって、前記パンタグラフと前記電車線の接触を維持しながら異なるセクションの直通運転が可能となり、また、前記第1の回路の前記パンタグラフまたは前記第2の前記パンタグラフのどちらか一方が事故等で故障した場合、故障した側の前記保護接地装置を投入し、前記主遮断器を開放することで、故障していない側の前記パンタグラフ及び前記主遮断器を介して、前記電力変換装置に電力を供給することを特徴とする交流電気車。
【請求項2】
前記第1の回路と前記第2の回路において、
前記第1の回路の第一のパンタグラフと第一の変圧器の間に接続される第一の避雷器と、
前記第一の避雷器と前記第一のパンタグラフの間に接続される第一の主遮断器と、
前記第2の回路の第二のパンタグラフと第二の変圧器の間に接続される第二の避雷器と、
前記第二の避雷器と前記第二のパンタグラフの間に接続される第二の主遮断器と、
前記第一の主遮断器と前記第一の変圧器の間と、前記第二の主遮断器と前記第二の変圧器の間を接続する第三の主遮断器と、
前記第三の主遮断器を投入し、前記第一のパンタグラフ及び前記第二のパンタグラフのどちらか一方から電車線を通じて集電することで、前記第一の変圧器に接続される第一の電力変換装置と前記第二の変圧器に接続される第二の電力変換装置に電力を供給することを特徴とした請求項1記載の交流電気車。
【請求項3】
前記第1の回路と前記第2の回路において、前記変圧器の600V以下の低圧回路として電圧検知器を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項2記載の交流電気車。
【請求項4】
前記第1の回路の主遮断器、前記第2の回路の主遮断器及び、第三の主遮断器において、前記第1の回路の電圧検知器及び前記第2の回路の電圧検知器からの入力信号と、前記第1の回路の主遮断器、前記第2の回路の主遮断器及び、前記第三の主遮断器からの入力信号をもとに、前記第一の回路及び前記第二の回路への電力供給が、前記第1の回路の主遮断器、前記第2の回路の主遮断器及び、前記第三の主遮断器の開放動作により電気的切断されたことで停止されたかどうかを判断し、非常ブレーキ停止信号を出力するか判断する保安装置を有することを特徴とした請求項3記載の交流電気車。
【請求項5】
前記第1の回路と前記第2の回路において、前記パンタグラフと前記主遮断器間に電流検知器を設けたことを特徴とする請求項1乃至第4記載の交流電気車。
【請求項6】
前記第1の回路と前記第2の回路において、前記主遮断器と前期変圧器間に電流検知器を設けたことを特徴とする請求項1乃至第5記載の交流電気車。
【請求項7】
前記第1の回路と前記第2の回路において、電力変換装置は交流電力変換装置と直流電力変換装置で構成され、前記交流電力変換装置と前記直流電力変換装置間の正極側を正極側接触器を介して接続し、負極側を負極側接触器を介して接続した構成とし、前記第1の回路の前記正極側接触器と前記直流電力変換装置間と前記第2の回路の前記正極側接触器と前記直流電力変換装置間を第一の接触器を介して接続し、前記第1の回路の前記負極側接触器と前記直流電力変換装置間と前記第2の回路の前記負極側接触器と前記直流電力変換装置間を第二の接触器を介して接続したことを特徴とする請求項1乃至7記載の交流電気車。
【請求項8】
前記第1の回路のパンタグラフと前記第2の回路のパンタグラフにおいて、前記第1の回路が接続される第一の車両の天井部、外側に前記第1の回路のパンタグラフが設置され、前記第2の回路が接続される第二の車両の天井部、内側に前記第2の回路のパンタグラフが設置されることを特徴とした請求項1乃至請求項8記載の交流電気車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−166961(P2011−166961A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27744(P2010−27744)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】