交通監視システム
【課題】見通しの悪いT字路、十字路等の交差点での出合い頭による車両同士の衝突事故等を防止する。
【解決手段】交通監視システムを、移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を解析し前記対象物の位置と移動方向と移動速度を解析する画像解析装置と、前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、交差点周辺の背景画像を記録する背景画像記録装置と、前記類似画像と前記背景画像とを合成する画像合成装置と、合成画像を表示する画像表示装置とを備えるように構成し、前記対象物の特徴に基づき抽出した類似画像を、前記対象物の位置と移動方向と移動速度に基づいて背景画像に合成して、合成画像を前記画像表示装置に表示する。
【解決手段】交通監視システムを、移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を解析し前記対象物の位置と移動方向と移動速度を解析する画像解析装置と、前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、交差点周辺の背景画像を記録する背景画像記録装置と、前記類似画像と前記背景画像とを合成する画像合成装置と、合成画像を表示する画像表示装置とを備えるように構成し、前記対象物の特徴に基づき抽出した類似画像を、前記対象物の位置と移動方向と移動速度に基づいて背景画像に合成して、合成画像を前記画像表示装置に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見通しの悪い道路における出合い頭の車両事故等を防止するうえで有用な交通監視システムに関し、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、車両の運転者へ提供することにより、車両事故等を防止するようにする交通監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、見通しの悪い道路における状況について、図9を用いて説明する。図9は、上方から見た交差点(T字路)の状況を示す図である。図9においては、横方向に直線状に延びる道路2bと、道路2bに垂直方向に直線状に延びる道路2aとが、T字状に交差している。道路2bには、交差点方向に進行中の車1bと車1cが存在する。道路2aには、交差点に向けて進行し交差点直前で一旦停止する車1aが存在する。道路2aの両側には、塀5bと塀5cが設置され、車1aの視界を遮る遮蔽物となっている。建物3a〜3eは、車1a〜1cの相対的位置関係を図で示しやすいように、目印として活用するために記載してある。
【0003】
車1aに搭乗している運転者が、道路2bを見たときの視界について、図10〜12を用いて説明する。図10〜12において、破線は、遮蔽物(塀5bと塀5c)によって、運転者から見ることができない物体の輪郭を表している。
まず、運転者が道路2bを正面に見たときの視界について、図10を用いて説明する。図10に示してあるとおり、道路2bの右側と左側は、それぞれ、塀5bと塀5cによって遮られ、建物3cの前方に位置する部分しか目視確認することができない。
【0004】
次に、運転者から道路2bの右側を見たときの視界について、図11を用いて説明する。図11に示してあるとおり、建物3dの前方に位置する車1bは、塀5bによって遮蔽され、運転者からは目視確認できない。
次に、運転者が道路2bの左側を見たときの視界について、図12を用いて説明する。
左側も右側の図11と同様であるが、建物3bの前方に位置する車1cは、塀5cによって遮蔽され、運転者からは目視確認できない。
【0005】
このように従来の見通しの悪い交差点では、道路2bの状況の一部分しか目視確認できない状態のまま、道路2bへ車1aを移動させなければならず、衝突事故の可能性が比較的高い。
【0006】
このような見通しの悪いT字路、十字路等の交差点での出合い頭による車両同士の衝突事故を防止するために、多数の提案がされている。下記の特許文献1には、交差点付近の交通事故の原因調査や解消等を目的として、交通信号灯の信号の状況情報と交差点に設けた監視用TVカメラから得られる交差点およびその周辺を俯瞰する映像を関連付けて得て、交通信号灯の点灯状況を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-328574公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、見通しの悪いT字路、十字路等の交差点での出合い頭による車両同士の衝突事故等を防止するために為されたもので、見通しの悪い道路における出合い頭の車両事故等を防止するうえで有用な交通監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するため、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、車両の運転者へ提供するものである。本願発明の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、
該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を判別するための特徴を解析するとともに、前記対象物の移動状態の特徴を解析する画像解析装置と、
前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、
前記画像解析装置によって解析された前記対象物を判別するための特徴に基づいて前記類似画像記録装置から前記対象物の類似画像を抽出し、前記画像解析装置によって解析された前記対象物の移動状態の特徴に基づいて当該類似画像を予め記憶された背景画像と合成して合成画像を生成する画像合成装置と、
前記画像合成装置で合成した前記合成画像を表示する画像表示装置とを備えることを特徴とする交通監視システム。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、例えば、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、実際の風景に近い状態で、車両の運転者へ提供することにより、車両事故等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。
【図3】第2の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図6】第1、第2の実施形態における画像表示を示す図である。
【図7】第2の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図8】第2の実施形態の変形例におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図9】上方から見た交差点の状況を示す図である。
【図10】運転者から見た交差点前方の状況を示す図である。
【図11】運転者から見た交差点右側の状況を示す図である。
【図12】運転者から見た交差点左側の状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細は後述するが、以下において説明する第1の実施形態と第2の実施形態の内容を簡単に比較すると、第1の実施形態ではカメラで撮影した映像をそのまま表示装置に表示させる技術が主体となっており、第2の実施形態ではカメラで撮影した映像に対して画像処理技術を適用することによって、衝突の可能性がある対象物を検知し、その検知した情報に基づいて作成した映像を表示装置に表示させる技術を主体としている。
【0013】
そこで、以降の説明の理解を容易にする目的で、まず始めに、装置構成が比較的シンプルな第1の実施形態の機能説明と実施例について説明し、その次に、装置構成が比較的複雑で画像処理技術や画像情報合成技術を含む第2の実施形態の機能説明と実施例を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の交通監視システムの第1実施形態について説明する。まず始めに、第1実施形態のシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【0015】
第1実施形態のシステムは、撮影セクション10と画像表示セクション20の、2つのセクションで構成されている。
まず1つ目の撮影セクション10において、複数のカメラ11a、11b、・・がシステムと接続されている。このカメラは、道路や歩道を移動する車両や自転車、人などの対象物を撮影するための装置である。
【0016】
次に、2つ目の画像表示セクション20について説明する。
このセクションにおいて、複数の画像表示装置21a、21b、・・がシステムと接続されている。これらの画像表示装置は、車両の運転者が衝突事故を回避するために必要な情報を、該運転者に対して、画像情報として提供することを目的としている。具体的な表示内容については後述する。
【0017】
この2つのセクションの連携動作により、カメラで撮影した画像情報を画像表示装置にて、運転者へ表示することで、運転者の衝突事故回避行動を促すことが可能となる。
【0018】
また、図2に示す変形例のように、撮影セクション110と画像表示セクション120に、それぞれ無線通信装置15、25を追加し、2つのセクションを無線接続する構成も可能である。図2は、第1の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。なお、無線接続にすることで得られる効果については、後述する第2の実施形態の説明にて、まとめて行う。
【0019】
次に、第1実施形態の各種装置間の連携動作について、実施例を用いて説明する。
まず、T字路へ各種装置を設置した場合について、図5を用いて説明するが、車両、建物、道路、塀の相対的位置関係と役割については、図9で説明した内容と同様であるため、図9との相違点を中心に説明する。図5は、第1の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【0020】
まず、カメラ11aは、車1aに対して塀5bの裏側に設置され、車1aの運転者の視界が塀5bによって遮蔽されている道路2bの右側の方角を撮影し、その画像情報を画像表示装置21aへ送信する。
その画像情報を画像表示装置21aが表示することによって、図11においては塀5bによって遮蔽され破線で輪郭が示されていた車1bを含む領域を、車1aの運転者が認識することができる。このようにして、図6に示すように、画像表示装置21aを見ることにより、車1aの運転者が1bの存在を確認することができるようになる。図6は、第1の実施形態における画像表示を示す図である。
【0021】
以上説明したように、本実施形態のシステムによれば、運転者の視界を遮蔽している障害物の方角をカメラで撮影した映像を、前記障害物の方角に設置した画像表示装置へ表示するので、例えば、運転者と塀の間に設置する画像表示装置へ表示することが可能となる。したがって、運転者は、カメラで撮影した映像を、実際の風景に近い状態で見ることができる。
なお、ここでは効率よく本発明の理解が得られるように、説明が簡略化できるシンプルなT字路を実施例として説明しているが、本発明はさまざまな形状の道路へ適用可能である。
【0022】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の説明を行う。
第2の実施形態では、より多くの装置を連動させた動作が必要となる。そこで以降では、まず始めにシステム構成と各機能部位について説明をした後で、T字路や十字路に本発明を適用した実施例について説明する。
【0023】
まず始めに、システム構成について図3を用いて説明する。
第2実施形態のシステムは、撮影セクション30と画像表示セクション40と画像処理セクション50の、3つのセクションを備えている。
【0024】
まず1つ目の撮影セクション30において、複数のカメラ11a、11b、・・がシステムと接続されている。このカメラは、道路や車両や自転車、歩道を移動する人などの対象物を撮影するための装置である。
【0025】
次に、2つ目の画像表示セクション40について説明する。
このセクションにおいて、複数の画像表示装置21a、21b、・・がシステムと接続されている。これらの画像表示装置は、衝突事故を回避するために必要な情報を、車両の運転者に画像情報として提供することを目的としている。具体的な表示内容については後述する。
【0026】
最後に3つ目の画像処理セクション50について説明する。このセクションには画像処理に関係する複数の装置が属するので、それぞれの役割について個別に説明する。
画像解析装置51は、前記カメラ11a、11b、・・が撮影した画像情報(画像データ)に基づき、道路上を移動する対象物の種別や大きさ等(例えば、普通自動車、大型自動車、自動二輪車、自転車、歩行者の区別)の、対象物を判別するための特徴を解析し、また、対象物の位置や移動方向や移動速度や加速度など、対象物の移動状態の特徴を解析し、それらの特徴を出力する装置である。前記移動状態の特徴は、対象物の位置や移動方向や移動速度や加速度のうち、少なくとも1つを含むものであり、また、それらの組合せでもよい。
なお、道路上を移動する対象物とは、ある運転者が運転する車両や、該運転者が運転する車両と衝突する可能性のある車両や自転車や人などの物体(以降、死角にある障害物と表現することもある。)を指す。
【0027】
類似画像記録装置52は、前記画像解析装置51が解析した車両等の対象物と類似又は対応する類似画像を記録する装置である。解析した類似画像の詳細な用途については後述するが、この類似画像は画像表示装置21a等へ表示する画像の一部として用いるものである。
【0028】
背景画像記録装置53は、交差点周辺の背景画像を記録、特に、運転者から死角となっている部分の画像を記録する装置である。詳細は後述するが、この背景画像記録装置53に記録された背景画像は、前記類似画像と合成され、前記画像表示装置21a等へ表示される画像の一部として用いるものである。
【0029】
画像合成装置54は、画像解析装置51が出力する前記対象物を判別するための特徴に基づき、類似画像記録装置52から前記対象物の類似画像を抽出するとともに、前記対象物の移動状態の特徴(対象物の位置と移動方向と移動速度など)に基づき、前記抽出した類似画像を背景画像記録装置53から抽出した背景画像に合成し、その合成画像を出力する装置である。つまり、画像合成装置54は、予め記憶された背景画像と類似画像を、移動状態の特徴に従って合成して、類似画像が移動している合成画像を生成し、出力する。また、画像合成装置54は、どの背景画像に前記対象物の類似画像を合成するかを、当該対象物を撮影したカメラ11aの位置や撮影方向等の情報に基づいて決定する。
【0030】
画像配信装置55は、画像表示セクション40の画像表示装置21a等へ、画像合成装置54で合成した合成画像を配信する装置である。画像配信装置55は、どの画像表示装置21a等へ合成画像を配信するかを、その合成画像の対象物を撮影したカメラ11aの位置や撮影方向等の情報、又は、背景画像の識別情報(どの背景画像かを示すID等)に基づいて、選択し決定する。
【0031】
これら3つのセクションの連携動作により、複数のカメラで撮影した画像の中から衝突する可能性のある対象物を特定し、該対象物の類似画像と背景画像を抽出し、それらの相対的な位置関係に基づく合成画像を作成し、その画像情報を運転者へ表示することで、運転者の衝突事故回避行動を促すことが可能となる。
【0032】
次に、第2の実施形態における交通監視システムの変形例を、図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。図4に示すような、無線ネットワークで各セクションを接続するような構成は、交差点などで有線ネットワークを構成することが困難な場合に有用である。
【0033】
大部分において、図3と図4のシステム構成や各装置の役割に違いはないが、一部の装置が図3とは別のセクションに配置されているので、図3との相違点を中心に、図4について説明する。
また、一般的に無線ネットワークでのデータ伝送速度は、有線ネットワークよりも低いことが多いが、そういった無線ネットワーク特有の課題に対する対策を含め、図4について説明する。
【0034】
まずシステム全体の相違点としては、各セクションがそれぞれ無線通信装置31a、31b、41a、41b、56等によって接続されていることが挙げられる。これは交差点において、死角にある障害物の撮影に適したカメラの設置場所と、運転者へ表示する画像表示装置の設置場所とが、必ずしも近接していないことや、それぞれの装置の設置場所に、必ずしも有線ネットワークが敷設済みであるとは限らないことが想定されるため、その対策方法の一つとして無線通信によるネットワーク接続を示している。
【0035】
そこで、データ伝送速度が低いという無線ネットワーク特有の課題を解決するための方法として、無線通信で伝送するデータ量を軽減させる装置構成について説明する。
まず、図4では、撮影セクション130のカメラ11a、11bのそれぞれに、画像解析装置51a、51b、および無線通信装置31a、31bを設置している。こうすることで、カメラ11aが撮影した画像が、カメラ11aと有線接続されている画像解析装置51aへ入力され、画像解析装置51aで死角にある対象物が解析され、その解析対象の特徴を示す情報(対象物の種別や大きさ、位置や移動方向や移動速度や加速度など)のみを、無線通信装置31aにより、画像処理セクション150へ無線伝送することを可能としている。
このように、撮影セクション130は、各1台のカメラと画像解析装置と無線通信装置から構成される小セクション130a、130b、・・から構成されている。
【0036】
画像処理セクション150では、撮影セクション130から送信された解析情報を、無線通信装置56で受信し、類似画像記録装置52、背景画像記録装置53、画像合成装置54、画像配信装置55により、図3のシステムにおける画像処理セクション50と同様の処理を行い、生成した合成画像を、無線通信装置56により、画像表示セクション140へ無線送信する。
【0037】
画像表示セクション140では、画像表示装置21a、21b、・・のそれぞれに、無線通信装置41a、41b、・・を設置しており、無線通信装置41aで受信した合成画像を画像表示装置21aに表示し、無線通信装置41bで受信した合成画像を画像表示装置21bに表示する。
【0038】
このように、図4のシステム例では、後続の処理に必要最低限のデータ、例えば、対象物の種別を示す情報と、対象物の移動方向及び移動速度に関する情報のみを無線通信で伝送することで、無線ネットワークのトラフィック負荷を軽減させることを可能としている。
ただし、データ伝送容量が潤沢な無線通信システムを採用した場合には、図3に示したシステム構成と同様に、カメラの撮影データのすべてを画像処理セクション150へ伝送することは当然可能である。また、画像処理セクション150と画像表示セクション140とを有線で接続することも当然可能である。
【0039】
図4のシステム構成により無線ネットワークのトラフィック負荷を軽減させることは可能であるが、逆に画像解析装置の台数は増加することになる。このような場合には、本実施形態のシステムを適用する場所の条件と、システムの投資費用の条件に基づき、最適なシステム構成を決定することが必要となる。
【0040】
以上説明したように、第2実施形態のシステムによれば、カメラで撮影した映像を画像処理することで道路上の状況を把握し、運転者の視界を遮断している塀を排除したときに、運転者が見ることのできる景色と同等な映像を生成し、その映像を、例えば運転者と塀の間に設置する画像表示装置へ表示することが可能となる。
【0041】
次に、第2実施形態における各種装置間の連携動作について実施例を用いて説明する。
まず、T字路へ各種装置を設置した場合について、図7を用いて説明するが、車両、建物、道路、塀の相対的位置関係と役割については、図9で説明した内容と同様であるため、図9との相違点を中心に説明する。図7は、第2の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【0042】
まず、カメラ11aは建物3cに設置され、道路2aの方角を撮影し、その撮影範囲に含まれる車1aの情報を生成する。生成された情報は、画像処理セクション50の装置群へ送信される。
カメラ11bは、カメラ11aと同様に建物3cに設置され、道路2aから見て、道路2bの右側を撮影し、車1aの運転者の死角にある、障害物となり得る物体を含めた画像情報を生成する。生成された画像情報は、カメラ11aと同様に、画像処理セクション50の装置群へ送信される。
【0043】
次に、表示する画像を合成する動作について説明する。
本実施例の場合における画像合成処理は、背景画像と死角にある障害物(本実施例では車1b)の画像を時間経過とともに更新し、両者の画像を更新されるたびに合成することである。
【0044】
そこでまず、背景画像の生成および更新処理について説明する。
カメラ11aで車1aを撮影し、画像解析装置51の画像解析処理によって、道路2a上での車1aを検出し、車種、位置、移動方向、移動速度などの特徴を抽出する。抽出した位置情報等によって、画像合成装置54が、車1aに搭乗する運転者から見た場合の、塀5b側の景色の見え方を計算し、その位置に適した背景画像を、背景画像記録装置53に記録した背景画像の中から選択する。例えば、画像合成装置54は、移動する対象物(ここでは車1a)の位置と移動速度や加速度に応じた背景画像の情報を、実験やシミュレーションにより予め保持しており、上述した撮影カメラの位置や撮影方向等の情報とに基づいて、背景画像記録装置53が保持する複数の背景画像の中から最適な背景画像を選択する。
なお、車1aに後続車が複数存在する場合も想定されるが、そのときは、死角にある障害物との衝突の可能性が一番高い車両である、先頭車両の位置情報に基づき、背景画像を選択する。
【0045】
次に、車1bの画像の生成および更新処理について説明する。
カメラ11bで車1bを撮影し、画像解析装置51の画像解析処理によって、道路2b上での車1bを検出し、車種、位置、移動方向、移動速度などの特徴を抽出する。それらの特徴と前記車1aの位置情報から、画像合成装置54が、車1aの運転者から車1bを直接見たときと同等な形状の類似画像を、類似画像記録装置52に記録した類似画像の中から選択する。
本実施例では、死角にある障害物が車1bの1つのみであるが、複数の車両や自転車や人などの衝突の要因となる対象物については、それぞれ、車1bと同様な処理を行う。
このように、画像合成装置54が、時間経過によって推移する車1aと車1bの位置関係に追従するように,背景画像と類似画像を更新し、さらにそれぞれの画像を合成することで、画像表示装置21aへ表示する画像を生成する。
【0046】
その生成した画像を、画像表示装置21aで表示することによって、図11においては塀5bによって遮蔽され破線で輪郭が示されていた車1bを含む領域を、車1aの運転者が認識することができる。このようにして、図6に示すように、画像表示装置21aを見ることにより、車1aの運転者が1bの存在を確認することができるようになる。図6は、本実施例における画像表示を示す図である。
【0047】
なお、T字路に近い状況への適用例としては、道路に面した住宅の車両出口周辺が塀や植え込みで囲まれている場所や、市街地などで見られる左右の見通しが利かない立体駐車場の出口への設置などがあり、このような場所では、本実施例の効果を発揮することができる。
【0048】
さらに付け加えると、図7における道路2bに相当するような進入しようとする道路の手前で、車両が一旦停止することが十分想定されるような場所(交差点)への本実施形態のシステムの適用を考えた場合、カメラ11aを使用せず車1aの位置情報を停止位置に固定させ、カメラ11bで車1bのみを撮影しても、上記までの説明と同等の効果を得ることは可能であり、同時に装置構成の縮小化によるコスト低減効果を得ることができる。
【0049】
上述した技術、特に画像処理技術については、従来技術として既に一般的に実用化されている技術の組み合わせで実現可能である。それぞれの特徴となっている技術について、以降に説明する。
車の有無検知や位置情報抽出、車の移動方向や移動速度情報等の抽出は、監視カメラ分野で使用されている侵入者検知技術を応用することにより実現可能である。
車種の判定、表示する車などの類似画像の選択は、同一人物を検索する際において、2つの顔の類似性を判別するときに用いられる類似画像検索技術の応用により実現可能である。
【0050】
背景画像と車の類似画像の合成については、ドライブシミュレータなどで市街地における建物と車両の振る舞いや相対的位置関係をコンピュータ内にモデル化し、それを動作させるときには、あらゆる視点から見た表示を可能とする技術が既知であり、その技術の応用により実現可能である。
上記のそれぞれの技術は、現在、一般的に市販されているパソコンで実現可能な処理である。そういったことから本発明の処理も同様に、一般的に市販されているパソコンで実現可能であり、超高速並列処理で動作するスーパーコンピュータなどのような高額で希少な装置は必要ではない。
【0051】
次に、本実施形態のシステムの複雑な交差点への適用例として、十字路への適用事例について、図8を用いて説明する。図8の十字路では、カメラなどの装置や車なども増え、複雑に見えるが、具体的な仕組みは前述の図7のT字路と同じである。
図8に記載されている装置等について以下に説明する。
道路2a〜2d上に車1a〜1dが存在し、それぞれの道路の右側には、平面視がL字形状の塀6a〜6dがある。また、道路2a〜2dを接続する交差点エリア7がある。
カメラ11a〜11dは、交差点を中心とし、カメラ番号にそれぞれ対応した道路2a〜2dの対向側に設置されている。
【0052】
画像表示装置21a〜21dは、それぞれ道路2a〜2dの交差点に接する塀6a〜6dに設置されている。また、画像表示装置22b〜22d、22aも、それぞれ塀6a〜6dに設置されている。画像表示装置22a〜22dは、その表示面が、それぞれ画像表示装置21a〜21dの表示面に対向するように設置されている。
本例では、カメラ11a〜11dと、画像表示装置21a〜21d、22a〜22dと、画像処理セクション150の装置群は、それぞれ無線通信装置により、ネットワーク接続されていることとする。
【0053】
画像表示装置21aに表示する場合を例にとって説明すると、カメラ11aで道路2aを撮影し、運転者の車1aを検出する。同時にカメラ11bで道路2bを撮影し、車1aの死角にある障害物として車1bを検出する。
それらの検出した情報に基づき、画像処理セクション150の装置群は、車1bの類似画像と、車1aから見た道路2bの背景画像とを合成して合成画像を生成し、画像表示装置21aへ配信し、該合成画像が表示される。
このように交差点の形状が複雑になっても、カメラと画像表示装置を増設することで、本発明を適用することは可能である。
【0054】
なお、本発明の提案分野における従来の解決方法には、反射鏡や信号機が挙げられるので、それぞれと本発明との相違点について説明する。
反射鏡と本発明との相違点は、反射鏡の場合は、運転者との位置関係から、反射鏡の設置場所が本発明と比較し限定的であることと、反射鏡から運転者へ提供される映像が左右反対になっていることである。
前者(反射鏡の設置場所が限定的であること)は、運転者の死角となっている道路やその周辺を映し出すための最適な設置場所が限られているためである。後者(反射鏡から提供される映像が左右反対になっていること)については、反射鏡に映し出される像が左右反転しているため、運転者自身の思考により、反射鏡の情報を左右逆転させ、危険回避のための情報を再構築することが必要であり、運転者の負担が大きいという問題がある。
【0055】
それに対し、本発明では、運転者の死角となっている道路とその周辺の状況をどの角度から撮影しても、死角にある障害物の移動方向や移動速度などを画像処理で抽出可能であるため、カメラの設置場所への制約が小さいことが挙げられる。
また、運転者へ提供する画像情報は、運転者と死角の障害物との実際の位置関係に基づいて生成して表示するため、運転者が画像情報の理解が容易に行えることが大きな利点として挙げられる。
【0056】
また、信号機と本発明との相違点については、設置の容易さが挙げられ、信号機の設置は、民間人が独自に判断して実現できるものではない。それに対し、本発明のシステムは、運転者への事故回避のための参考情報を提供することを目的としており、信号機のような運転者への運転指示を行うものではない。そのため、道路交通法などにより、設置に関する制約を受けることがなく、設置場所の確保が比較的容易である。特に、駐車場の出入口や、駐車場内の交差路や、人や自転車が通る通路や、店や施設内の通路等には、容易に設置することができる。
【0057】
なお、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1a・・車、1b・・車、1c・・車、1d・・車、2a・・道路、2b・・道路、2c・・道路、2d・・道路、5b・・塀、5c・・塀、6a・・塀、6b・・塀、6c・・塀、6d・・塀、7・・交差点エリア、10・・撮影セクション、11a・・カメラ、11b・・カメラ、15・・無線通信装置、20・・画像表示セクション、21a・・画像表示装置、21b・・画像表示装置、21c・・画像表示装置、21d・・画像表示装置、22a・・画像表示装置、22b・・画像表示装置、22c・・画像表示装置、22d・・画像表示装置、25・・無線通信装置、30・・撮影セクション、31a・・無線通信装置、31b・・無線通信装置、40・・画像表示セクション、41a・・無線通信装置、41b・・無線通信装置、50・・画像処理セクション、51・・画像解析装置、51a・・画像解析装置、51b・・画像解析装置、52・・類似画像記録装置、53・・背景画像記録装置、54・・画像合成装置、55・・画像配信装置、56・・無線通信装置、110・・撮影セクション、120・・画像表示セクション、130・・撮影セクション、140・・画像表示セクション、150・・画像処理セクション。
【技術分野】
【0001】
本発明は、見通しの悪い道路における出合い頭の車両事故等を防止するうえで有用な交通監視システムに関し、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、車両の運転者へ提供することにより、車両事故等を防止するようにする交通監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、見通しの悪い道路における状況について、図9を用いて説明する。図9は、上方から見た交差点(T字路)の状況を示す図である。図9においては、横方向に直線状に延びる道路2bと、道路2bに垂直方向に直線状に延びる道路2aとが、T字状に交差している。道路2bには、交差点方向に進行中の車1bと車1cが存在する。道路2aには、交差点に向けて進行し交差点直前で一旦停止する車1aが存在する。道路2aの両側には、塀5bと塀5cが設置され、車1aの視界を遮る遮蔽物となっている。建物3a〜3eは、車1a〜1cの相対的位置関係を図で示しやすいように、目印として活用するために記載してある。
【0003】
車1aに搭乗している運転者が、道路2bを見たときの視界について、図10〜12を用いて説明する。図10〜12において、破線は、遮蔽物(塀5bと塀5c)によって、運転者から見ることができない物体の輪郭を表している。
まず、運転者が道路2bを正面に見たときの視界について、図10を用いて説明する。図10に示してあるとおり、道路2bの右側と左側は、それぞれ、塀5bと塀5cによって遮られ、建物3cの前方に位置する部分しか目視確認することができない。
【0004】
次に、運転者から道路2bの右側を見たときの視界について、図11を用いて説明する。図11に示してあるとおり、建物3dの前方に位置する車1bは、塀5bによって遮蔽され、運転者からは目視確認できない。
次に、運転者が道路2bの左側を見たときの視界について、図12を用いて説明する。
左側も右側の図11と同様であるが、建物3bの前方に位置する車1cは、塀5cによって遮蔽され、運転者からは目視確認できない。
【0005】
このように従来の見通しの悪い交差点では、道路2bの状況の一部分しか目視確認できない状態のまま、道路2bへ車1aを移動させなければならず、衝突事故の可能性が比較的高い。
【0006】
このような見通しの悪いT字路、十字路等の交差点での出合い頭による車両同士の衝突事故を防止するために、多数の提案がされている。下記の特許文献1には、交差点付近の交通事故の原因調査や解消等を目的として、交通信号灯の信号の状況情報と交差点に設けた監視用TVカメラから得られる交差点およびその周辺を俯瞰する映像を関連付けて得て、交通信号灯の点灯状況を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11-328574公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、見通しの悪いT字路、十字路等の交差点での出合い頭による車両同士の衝突事故等を防止するために為されたもので、見通しの悪い道路における出合い頭の車両事故等を防止するうえで有用な交通監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、上記課題を解決するため、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、車両の運転者へ提供するものである。本願発明の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、
該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を判別するための特徴を解析するとともに、前記対象物の移動状態の特徴を解析する画像解析装置と、
前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、
前記画像解析装置によって解析された前記対象物を判別するための特徴に基づいて前記類似画像記録装置から前記対象物の類似画像を抽出し、前記画像解析装置によって解析された前記対象物の移動状態の特徴に基づいて当該類似画像を予め記憶された背景画像と合成して合成画像を生成する画像合成装置と、
前記画像合成装置で合成した前記合成画像を表示する画像表示装置とを備えることを特徴とする交通監視システム。
【発明の効果】
【0010】
本願発明によれば、例えば、見通しの利かない道路状況を撮影した画像を、実際の風景に近い状態で、車両の運転者へ提供することにより、車両事故等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。
【図3】第2の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。
【図5】第1の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図6】第1、第2の実施形態における画像表示を示す図である。
【図7】第2の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図8】第2の実施形態の変形例におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【図9】上方から見た交差点の状況を示す図である。
【図10】運転者から見た交差点前方の状況を示す図である。
【図11】運転者から見た交差点右側の状況を示す図である。
【図12】運転者から見た交差点左側の状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細は後述するが、以下において説明する第1の実施形態と第2の実施形態の内容を簡単に比較すると、第1の実施形態ではカメラで撮影した映像をそのまま表示装置に表示させる技術が主体となっており、第2の実施形態ではカメラで撮影した映像に対して画像処理技術を適用することによって、衝突の可能性がある対象物を検知し、その検知した情報に基づいて作成した映像を表示装置に表示させる技術を主体としている。
【0013】
そこで、以降の説明の理解を容易にする目的で、まず始めに、装置構成が比較的シンプルな第1の実施形態の機能説明と実施例について説明し、その次に、装置構成が比較的複雑で画像処理技術や画像情報合成技術を含む第2の実施形態の機能説明と実施例を説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の交通監視システムの第1実施形態について説明する。まず始めに、第1実施形態のシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態における交通監視システムの構成例を示す図である。
【0015】
第1実施形態のシステムは、撮影セクション10と画像表示セクション20の、2つのセクションで構成されている。
まず1つ目の撮影セクション10において、複数のカメラ11a、11b、・・がシステムと接続されている。このカメラは、道路や歩道を移動する車両や自転車、人などの対象物を撮影するための装置である。
【0016】
次に、2つ目の画像表示セクション20について説明する。
このセクションにおいて、複数の画像表示装置21a、21b、・・がシステムと接続されている。これらの画像表示装置は、車両の運転者が衝突事故を回避するために必要な情報を、該運転者に対して、画像情報として提供することを目的としている。具体的な表示内容については後述する。
【0017】
この2つのセクションの連携動作により、カメラで撮影した画像情報を画像表示装置にて、運転者へ表示することで、運転者の衝突事故回避行動を促すことが可能となる。
【0018】
また、図2に示す変形例のように、撮影セクション110と画像表示セクション120に、それぞれ無線通信装置15、25を追加し、2つのセクションを無線接続する構成も可能である。図2は、第1の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。なお、無線接続にすることで得られる効果については、後述する第2の実施形態の説明にて、まとめて行う。
【0019】
次に、第1実施形態の各種装置間の連携動作について、実施例を用いて説明する。
まず、T字路へ各種装置を設置した場合について、図5を用いて説明するが、車両、建物、道路、塀の相対的位置関係と役割については、図9で説明した内容と同様であるため、図9との相違点を中心に説明する。図5は、第1の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【0020】
まず、カメラ11aは、車1aに対して塀5bの裏側に設置され、車1aの運転者の視界が塀5bによって遮蔽されている道路2bの右側の方角を撮影し、その画像情報を画像表示装置21aへ送信する。
その画像情報を画像表示装置21aが表示することによって、図11においては塀5bによって遮蔽され破線で輪郭が示されていた車1bを含む領域を、車1aの運転者が認識することができる。このようにして、図6に示すように、画像表示装置21aを見ることにより、車1aの運転者が1bの存在を確認することができるようになる。図6は、第1の実施形態における画像表示を示す図である。
【0021】
以上説明したように、本実施形態のシステムによれば、運転者の視界を遮蔽している障害物の方角をカメラで撮影した映像を、前記障害物の方角に設置した画像表示装置へ表示するので、例えば、運転者と塀の間に設置する画像表示装置へ表示することが可能となる。したがって、運転者は、カメラで撮影した映像を、実際の風景に近い状態で見ることができる。
なお、ここでは効率よく本発明の理解が得られるように、説明が簡略化できるシンプルなT字路を実施例として説明しているが、本発明はさまざまな形状の道路へ適用可能である。
【0022】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態の説明を行う。
第2の実施形態では、より多くの装置を連動させた動作が必要となる。そこで以降では、まず始めにシステム構成と各機能部位について説明をした後で、T字路や十字路に本発明を適用した実施例について説明する。
【0023】
まず始めに、システム構成について図3を用いて説明する。
第2実施形態のシステムは、撮影セクション30と画像表示セクション40と画像処理セクション50の、3つのセクションを備えている。
【0024】
まず1つ目の撮影セクション30において、複数のカメラ11a、11b、・・がシステムと接続されている。このカメラは、道路や車両や自転車、歩道を移動する人などの対象物を撮影するための装置である。
【0025】
次に、2つ目の画像表示セクション40について説明する。
このセクションにおいて、複数の画像表示装置21a、21b、・・がシステムと接続されている。これらの画像表示装置は、衝突事故を回避するために必要な情報を、車両の運転者に画像情報として提供することを目的としている。具体的な表示内容については後述する。
【0026】
最後に3つ目の画像処理セクション50について説明する。このセクションには画像処理に関係する複数の装置が属するので、それぞれの役割について個別に説明する。
画像解析装置51は、前記カメラ11a、11b、・・が撮影した画像情報(画像データ)に基づき、道路上を移動する対象物の種別や大きさ等(例えば、普通自動車、大型自動車、自動二輪車、自転車、歩行者の区別)の、対象物を判別するための特徴を解析し、また、対象物の位置や移動方向や移動速度や加速度など、対象物の移動状態の特徴を解析し、それらの特徴を出力する装置である。前記移動状態の特徴は、対象物の位置や移動方向や移動速度や加速度のうち、少なくとも1つを含むものであり、また、それらの組合せでもよい。
なお、道路上を移動する対象物とは、ある運転者が運転する車両や、該運転者が運転する車両と衝突する可能性のある車両や自転車や人などの物体(以降、死角にある障害物と表現することもある。)を指す。
【0027】
類似画像記録装置52は、前記画像解析装置51が解析した車両等の対象物と類似又は対応する類似画像を記録する装置である。解析した類似画像の詳細な用途については後述するが、この類似画像は画像表示装置21a等へ表示する画像の一部として用いるものである。
【0028】
背景画像記録装置53は、交差点周辺の背景画像を記録、特に、運転者から死角となっている部分の画像を記録する装置である。詳細は後述するが、この背景画像記録装置53に記録された背景画像は、前記類似画像と合成され、前記画像表示装置21a等へ表示される画像の一部として用いるものである。
【0029】
画像合成装置54は、画像解析装置51が出力する前記対象物を判別するための特徴に基づき、類似画像記録装置52から前記対象物の類似画像を抽出するとともに、前記対象物の移動状態の特徴(対象物の位置と移動方向と移動速度など)に基づき、前記抽出した類似画像を背景画像記録装置53から抽出した背景画像に合成し、その合成画像を出力する装置である。つまり、画像合成装置54は、予め記憶された背景画像と類似画像を、移動状態の特徴に従って合成して、類似画像が移動している合成画像を生成し、出力する。また、画像合成装置54は、どの背景画像に前記対象物の類似画像を合成するかを、当該対象物を撮影したカメラ11aの位置や撮影方向等の情報に基づいて決定する。
【0030】
画像配信装置55は、画像表示セクション40の画像表示装置21a等へ、画像合成装置54で合成した合成画像を配信する装置である。画像配信装置55は、どの画像表示装置21a等へ合成画像を配信するかを、その合成画像の対象物を撮影したカメラ11aの位置や撮影方向等の情報、又は、背景画像の識別情報(どの背景画像かを示すID等)に基づいて、選択し決定する。
【0031】
これら3つのセクションの連携動作により、複数のカメラで撮影した画像の中から衝突する可能性のある対象物を特定し、該対象物の類似画像と背景画像を抽出し、それらの相対的な位置関係に基づく合成画像を作成し、その画像情報を運転者へ表示することで、運転者の衝突事故回避行動を促すことが可能となる。
【0032】
次に、第2の実施形態における交通監視システムの変形例を、図4を用いて説明する。図4は、第2の実施形態における交通監視システムの変形例を示す図である。図4に示すような、無線ネットワークで各セクションを接続するような構成は、交差点などで有線ネットワークを構成することが困難な場合に有用である。
【0033】
大部分において、図3と図4のシステム構成や各装置の役割に違いはないが、一部の装置が図3とは別のセクションに配置されているので、図3との相違点を中心に、図4について説明する。
また、一般的に無線ネットワークでのデータ伝送速度は、有線ネットワークよりも低いことが多いが、そういった無線ネットワーク特有の課題に対する対策を含め、図4について説明する。
【0034】
まずシステム全体の相違点としては、各セクションがそれぞれ無線通信装置31a、31b、41a、41b、56等によって接続されていることが挙げられる。これは交差点において、死角にある障害物の撮影に適したカメラの設置場所と、運転者へ表示する画像表示装置の設置場所とが、必ずしも近接していないことや、それぞれの装置の設置場所に、必ずしも有線ネットワークが敷設済みであるとは限らないことが想定されるため、その対策方法の一つとして無線通信によるネットワーク接続を示している。
【0035】
そこで、データ伝送速度が低いという無線ネットワーク特有の課題を解決するための方法として、無線通信で伝送するデータ量を軽減させる装置構成について説明する。
まず、図4では、撮影セクション130のカメラ11a、11bのそれぞれに、画像解析装置51a、51b、および無線通信装置31a、31bを設置している。こうすることで、カメラ11aが撮影した画像が、カメラ11aと有線接続されている画像解析装置51aへ入力され、画像解析装置51aで死角にある対象物が解析され、その解析対象の特徴を示す情報(対象物の種別や大きさ、位置や移動方向や移動速度や加速度など)のみを、無線通信装置31aにより、画像処理セクション150へ無線伝送することを可能としている。
このように、撮影セクション130は、各1台のカメラと画像解析装置と無線通信装置から構成される小セクション130a、130b、・・から構成されている。
【0036】
画像処理セクション150では、撮影セクション130から送信された解析情報を、無線通信装置56で受信し、類似画像記録装置52、背景画像記録装置53、画像合成装置54、画像配信装置55により、図3のシステムにおける画像処理セクション50と同様の処理を行い、生成した合成画像を、無線通信装置56により、画像表示セクション140へ無線送信する。
【0037】
画像表示セクション140では、画像表示装置21a、21b、・・のそれぞれに、無線通信装置41a、41b、・・を設置しており、無線通信装置41aで受信した合成画像を画像表示装置21aに表示し、無線通信装置41bで受信した合成画像を画像表示装置21bに表示する。
【0038】
このように、図4のシステム例では、後続の処理に必要最低限のデータ、例えば、対象物の種別を示す情報と、対象物の移動方向及び移動速度に関する情報のみを無線通信で伝送することで、無線ネットワークのトラフィック負荷を軽減させることを可能としている。
ただし、データ伝送容量が潤沢な無線通信システムを採用した場合には、図3に示したシステム構成と同様に、カメラの撮影データのすべてを画像処理セクション150へ伝送することは当然可能である。また、画像処理セクション150と画像表示セクション140とを有線で接続することも当然可能である。
【0039】
図4のシステム構成により無線ネットワークのトラフィック負荷を軽減させることは可能であるが、逆に画像解析装置の台数は増加することになる。このような場合には、本実施形態のシステムを適用する場所の条件と、システムの投資費用の条件に基づき、最適なシステム構成を決定することが必要となる。
【0040】
以上説明したように、第2実施形態のシステムによれば、カメラで撮影した映像を画像処理することで道路上の状況を把握し、運転者の視界を遮断している塀を排除したときに、運転者が見ることのできる景色と同等な映像を生成し、その映像を、例えば運転者と塀の間に設置する画像表示装置へ表示することが可能となる。
【0041】
次に、第2実施形態における各種装置間の連携動作について実施例を用いて説明する。
まず、T字路へ各種装置を設置した場合について、図7を用いて説明するが、車両、建物、道路、塀の相対的位置関係と役割については、図9で説明した内容と同様であるため、図9との相違点を中心に説明する。図7は、第2の実施形態におけるカメラと画像表示装置の設置状況を示す図である。
【0042】
まず、カメラ11aは建物3cに設置され、道路2aの方角を撮影し、その撮影範囲に含まれる車1aの情報を生成する。生成された情報は、画像処理セクション50の装置群へ送信される。
カメラ11bは、カメラ11aと同様に建物3cに設置され、道路2aから見て、道路2bの右側を撮影し、車1aの運転者の死角にある、障害物となり得る物体を含めた画像情報を生成する。生成された画像情報は、カメラ11aと同様に、画像処理セクション50の装置群へ送信される。
【0043】
次に、表示する画像を合成する動作について説明する。
本実施例の場合における画像合成処理は、背景画像と死角にある障害物(本実施例では車1b)の画像を時間経過とともに更新し、両者の画像を更新されるたびに合成することである。
【0044】
そこでまず、背景画像の生成および更新処理について説明する。
カメラ11aで車1aを撮影し、画像解析装置51の画像解析処理によって、道路2a上での車1aを検出し、車種、位置、移動方向、移動速度などの特徴を抽出する。抽出した位置情報等によって、画像合成装置54が、車1aに搭乗する運転者から見た場合の、塀5b側の景色の見え方を計算し、その位置に適した背景画像を、背景画像記録装置53に記録した背景画像の中から選択する。例えば、画像合成装置54は、移動する対象物(ここでは車1a)の位置と移動速度や加速度に応じた背景画像の情報を、実験やシミュレーションにより予め保持しており、上述した撮影カメラの位置や撮影方向等の情報とに基づいて、背景画像記録装置53が保持する複数の背景画像の中から最適な背景画像を選択する。
なお、車1aに後続車が複数存在する場合も想定されるが、そのときは、死角にある障害物との衝突の可能性が一番高い車両である、先頭車両の位置情報に基づき、背景画像を選択する。
【0045】
次に、車1bの画像の生成および更新処理について説明する。
カメラ11bで車1bを撮影し、画像解析装置51の画像解析処理によって、道路2b上での車1bを検出し、車種、位置、移動方向、移動速度などの特徴を抽出する。それらの特徴と前記車1aの位置情報から、画像合成装置54が、車1aの運転者から車1bを直接見たときと同等な形状の類似画像を、類似画像記録装置52に記録した類似画像の中から選択する。
本実施例では、死角にある障害物が車1bの1つのみであるが、複数の車両や自転車や人などの衝突の要因となる対象物については、それぞれ、車1bと同様な処理を行う。
このように、画像合成装置54が、時間経過によって推移する車1aと車1bの位置関係に追従するように,背景画像と類似画像を更新し、さらにそれぞれの画像を合成することで、画像表示装置21aへ表示する画像を生成する。
【0046】
その生成した画像を、画像表示装置21aで表示することによって、図11においては塀5bによって遮蔽され破線で輪郭が示されていた車1bを含む領域を、車1aの運転者が認識することができる。このようにして、図6に示すように、画像表示装置21aを見ることにより、車1aの運転者が1bの存在を確認することができるようになる。図6は、本実施例における画像表示を示す図である。
【0047】
なお、T字路に近い状況への適用例としては、道路に面した住宅の車両出口周辺が塀や植え込みで囲まれている場所や、市街地などで見られる左右の見通しが利かない立体駐車場の出口への設置などがあり、このような場所では、本実施例の効果を発揮することができる。
【0048】
さらに付け加えると、図7における道路2bに相当するような進入しようとする道路の手前で、車両が一旦停止することが十分想定されるような場所(交差点)への本実施形態のシステムの適用を考えた場合、カメラ11aを使用せず車1aの位置情報を停止位置に固定させ、カメラ11bで車1bのみを撮影しても、上記までの説明と同等の効果を得ることは可能であり、同時に装置構成の縮小化によるコスト低減効果を得ることができる。
【0049】
上述した技術、特に画像処理技術については、従来技術として既に一般的に実用化されている技術の組み合わせで実現可能である。それぞれの特徴となっている技術について、以降に説明する。
車の有無検知や位置情報抽出、車の移動方向や移動速度情報等の抽出は、監視カメラ分野で使用されている侵入者検知技術を応用することにより実現可能である。
車種の判定、表示する車などの類似画像の選択は、同一人物を検索する際において、2つの顔の類似性を判別するときに用いられる類似画像検索技術の応用により実現可能である。
【0050】
背景画像と車の類似画像の合成については、ドライブシミュレータなどで市街地における建物と車両の振る舞いや相対的位置関係をコンピュータ内にモデル化し、それを動作させるときには、あらゆる視点から見た表示を可能とする技術が既知であり、その技術の応用により実現可能である。
上記のそれぞれの技術は、現在、一般的に市販されているパソコンで実現可能な処理である。そういったことから本発明の処理も同様に、一般的に市販されているパソコンで実現可能であり、超高速並列処理で動作するスーパーコンピュータなどのような高額で希少な装置は必要ではない。
【0051】
次に、本実施形態のシステムの複雑な交差点への適用例として、十字路への適用事例について、図8を用いて説明する。図8の十字路では、カメラなどの装置や車なども増え、複雑に見えるが、具体的な仕組みは前述の図7のT字路と同じである。
図8に記載されている装置等について以下に説明する。
道路2a〜2d上に車1a〜1dが存在し、それぞれの道路の右側には、平面視がL字形状の塀6a〜6dがある。また、道路2a〜2dを接続する交差点エリア7がある。
カメラ11a〜11dは、交差点を中心とし、カメラ番号にそれぞれ対応した道路2a〜2dの対向側に設置されている。
【0052】
画像表示装置21a〜21dは、それぞれ道路2a〜2dの交差点に接する塀6a〜6dに設置されている。また、画像表示装置22b〜22d、22aも、それぞれ塀6a〜6dに設置されている。画像表示装置22a〜22dは、その表示面が、それぞれ画像表示装置21a〜21dの表示面に対向するように設置されている。
本例では、カメラ11a〜11dと、画像表示装置21a〜21d、22a〜22dと、画像処理セクション150の装置群は、それぞれ無線通信装置により、ネットワーク接続されていることとする。
【0053】
画像表示装置21aに表示する場合を例にとって説明すると、カメラ11aで道路2aを撮影し、運転者の車1aを検出する。同時にカメラ11bで道路2bを撮影し、車1aの死角にある障害物として車1bを検出する。
それらの検出した情報に基づき、画像処理セクション150の装置群は、車1bの類似画像と、車1aから見た道路2bの背景画像とを合成して合成画像を生成し、画像表示装置21aへ配信し、該合成画像が表示される。
このように交差点の形状が複雑になっても、カメラと画像表示装置を増設することで、本発明を適用することは可能である。
【0054】
なお、本発明の提案分野における従来の解決方法には、反射鏡や信号機が挙げられるので、それぞれと本発明との相違点について説明する。
反射鏡と本発明との相違点は、反射鏡の場合は、運転者との位置関係から、反射鏡の設置場所が本発明と比較し限定的であることと、反射鏡から運転者へ提供される映像が左右反対になっていることである。
前者(反射鏡の設置場所が限定的であること)は、運転者の死角となっている道路やその周辺を映し出すための最適な設置場所が限られているためである。後者(反射鏡から提供される映像が左右反対になっていること)については、反射鏡に映し出される像が左右反転しているため、運転者自身の思考により、反射鏡の情報を左右逆転させ、危険回避のための情報を再構築することが必要であり、運転者の負担が大きいという問題がある。
【0055】
それに対し、本発明では、運転者の死角となっている道路とその周辺の状況をどの角度から撮影しても、死角にある障害物の移動方向や移動速度などを画像処理で抽出可能であるため、カメラの設置場所への制約が小さいことが挙げられる。
また、運転者へ提供する画像情報は、運転者と死角の障害物との実際の位置関係に基づいて生成して表示するため、運転者が画像情報の理解が容易に行えることが大きな利点として挙げられる。
【0056】
また、信号機と本発明との相違点については、設置の容易さが挙げられ、信号機の設置は、民間人が独自に判断して実現できるものではない。それに対し、本発明のシステムは、運転者への事故回避のための参考情報を提供することを目的としており、信号機のような運転者への運転指示を行うものではない。そのため、道路交通法などにより、設置に関する制約を受けることがなく、設置場所の確保が比較的容易である。特に、駐車場の出入口や、駐車場内の交差路や、人や自転車が通る通路や、店や施設内の通路等には、容易に設置することができる。
【0057】
なお、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1a・・車、1b・・車、1c・・車、1d・・車、2a・・道路、2b・・道路、2c・・道路、2d・・道路、5b・・塀、5c・・塀、6a・・塀、6b・・塀、6c・・塀、6d・・塀、7・・交差点エリア、10・・撮影セクション、11a・・カメラ、11b・・カメラ、15・・無線通信装置、20・・画像表示セクション、21a・・画像表示装置、21b・・画像表示装置、21c・・画像表示装置、21d・・画像表示装置、22a・・画像表示装置、22b・・画像表示装置、22c・・画像表示装置、22d・・画像表示装置、25・・無線通信装置、30・・撮影セクション、31a・・無線通信装置、31b・・無線通信装置、40・・画像表示セクション、41a・・無線通信装置、41b・・無線通信装置、50・・画像処理セクション、51・・画像解析装置、51a・・画像解析装置、51b・・画像解析装置、52・・類似画像記録装置、53・・背景画像記録装置、54・・画像合成装置、55・・画像配信装置、56・・無線通信装置、110・・撮影セクション、120・・画像表示セクション、130・・撮影セクション、140・・画像表示セクション、150・・画像処理セクション。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、
該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を判別するための特徴を解析するとともに、前記対象物の移動状態の特徴を解析する画像解析装置と、
前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、
前記画像解析装置によって解析された前記対象物を判別するための特徴に基づいて前記類似画像記録装置から前記対象物の類似画像を抽出し、前記画像解析装置によって解析された前記対象物の移動状態の特徴に基づいて当該類似画像を予め記憶された背景画像と合成して合成画像を生成する画像合成装置と、
前記画像合成装置で合成した前記合成画像を表示する画像表示装置とを備えることを特徴とする交通監視システム。
【請求項1】
移動する対象物が通る所定の領域を撮影するカメラと、
該カメラにより撮影された画像情報に基づき、前記対象物を判別するための特徴を解析するとともに、前記対象物の移動状態の特徴を解析する画像解析装置と、
前記対象物の類似画像を記録する類似画像記録装置と、
前記画像解析装置によって解析された前記対象物を判別するための特徴に基づいて前記類似画像記録装置から前記対象物の類似画像を抽出し、前記画像解析装置によって解析された前記対象物の移動状態の特徴に基づいて当該類似画像を予め記憶された背景画像と合成して合成画像を生成する画像合成装置と、
前記画像合成装置で合成した前記合成画像を表示する画像表示装置とを備えることを特徴とする交通監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−59139(P2012−59139A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203486(P2010−203486)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]