説明

仕分け設備

【課題】本発明は、作業者の負担とならずに信頼性の高い仕分けを実行でき、設備価格の上昇を抑えることができる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】各物品収納部6毎に設けられ、物品収納部6の位置データを当該物品収納部範囲に限定して送信する収納部用アンテナ14と、作業者Pが携帯し、収納部用アンテナ14より物品収納部6の位置データを受信して記憶する作業者用タグ16と、作業者用タグ16より記憶された物品収納部6の位置データを受信しこの位置データを送信する転送用アンテナ28と、各集品容器20毎に設けられ、転送用アンテナ28から送信された物品収納部6の位置データを受信して記憶する容器用タグ22を備え、集品が終了した集品容器20の容器用タグ22に蓄積された物品収納部6の位置データを読み出し、これら物品収納部6の位置データにより集品された物品4の品目を確認することにより、検品を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分けを可能とした仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記仕分け設備には、ピッキング設備とアソート(類別仕分け)設備があり、これらについて特許文献1の[背景技術]の欄にその説明がなされている。
すなわち、仕分け設備の一つであるピッキング設備は、仕分け棚(ピッキング棚)に格納されている物品を仕分け先(店舗など)別に仕分けを行う設備であり、作業者が、物品を収納した仕分け棚(ピッキング棚)の各物品収納部から物品を、各物品収納部毎に設けられたピッキング表示器の表示(取り出す数量などの情報)に応じて、仕分け先(ユーザーや店舗など)毎に取り出し、たとえばコンベヤ装置により搬送されてくる仕分け先毎の集品容器に投入することにより、仕分け先毎に物品の集品(仕分け)が行われる。
【0003】
また上記仕分け設備の一つであるアソート設備は、たとえば入荷してきた物品を仕分け先(店舗など)毎に仕分けを行う設備であり、作業者が、入荷してきた物品が収納された物品容器(バケットやコンテナなど)を、たとえばコンベヤ装置で移動させながら、この物品容器から仕分け先毎の仕分け棚(保管棚)の各物品収納部に対して、この物品収納部毎に設けられた仕分け表示器の表示(投入する数量などの情報)に応じて作業者が物品を移載することにより仕分け先毎の物品の集品(仕分け)が行われる。
【0004】
また特許文献2には、上記ピッキング設備として、客観的な判断に裏打ちされて、作業者が仕分け先ごとに注文商品を確実に集品することができることを目的とした設備が開示されている。すなわち、前記ピッキング棚の各物品収納部におけるピッキング表示器の近傍に、当該物品収納部に保管された物品の仕分け先に関するデータが記憶されたIDタグを備え、一方、作業者の手首に、当該作業者が集品中の仕分け先が記憶されていると共に、IDタグに接近したときに該IDタグに記憶された前記データを読み取るタグリーダを備え、作業者が物品収納部から物品をピッキングしたとき、タグリーダに記憶された仕分け先がIDタグから読み取ったデータ中に存在しない場合には、タグリーダはピッキングエラーを報知し、誤った物品の取り出しを防止し、ピッキング作業の信頼性を高めている。また、ピッキングした物品は、台車の仕分け先毎の集品コンテナに投入されるが、台車に設けた計量部で投入された物品の計量を行い、この計量により投入された物品の個数を求め、信頼性を高めている。
【特許文献1】特開2006−050028号公報
【特許文献2】特開2006−232510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記IDタグ、タグリーダを使用した仕分け設備(ピッキング設備)では、取り出した物品が実際に集品コンテナに投入(あるいは物品コンテナからの物品の取り出し)されたかどうかについては、これらIDタグ、タグリーダを使用してなく、台車に設けた計量部で投入された物品の計量を行い、重量の変化により保証しているが、このように集品コンテナ(あるいは物品コンテナ)の個々の重量を測定するには多額の費用がかかり、実際的ではなかった。またタグリーダは、IDタグの読み取り機能(通信機能)を持つことから電源が必要となり、よって形状が大きく重量も重くなるため、作業者が実際に手首に巻くことは実際的でなく、ピッキング作業者の負担とならざるを得ないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、作業者の負担とならずに信頼性の高い仕分けを実行でき、設備価格の上昇を抑えることができる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、仕分け先毎に集品した物品を投入する集品容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路に沿って配設され、前記物品を品目毎に収納した複数の物品収納部と、各物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品の取り出し個数を表示する個数表示手段とを備え、作業者が前記個数表示手段の表示に基づいて前記物品収納部から物品を取り出して仕分け先毎の前記集品容器に注文物品を集品するように構成された仕分け設備であって、
前記各物品収納部にそれぞれ設けられ、少なくとも当該物品収納部の位置データを、当該物品収納部から物品が取り出される範囲に限定して送信する収納部用アンテナと、前記作業者側に設けられ、前記収納部用アンテナに接近したときに当該収納部用アンテナから送信された物品収納部の位置データを受信し、記憶する作業者用タグと、前記集品容器への前記物品の投入位置に接近してそれぞれ設けられ、前記作業者用タグより前記記憶された物品収納部の位置データを受信し、この位置データを送信する転送用アンテナと、前記各集品容器にそれぞれ設けられ、前記転送用アンテナから送信された物品収納部の位置データを受信し、記憶する容器用タグを備え、集品が終了した前記集品容器より、前記容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データを読み出し、これら物品収納部の位置データにより集品された物品の品目を確認することにより、検品を実行することを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、物品の仕分け作業に際して、仕分け作業を実行する物品収納部の個数表示器に物品の取り出し個数を表示され、同時に収納部用アンテナから物品収納部の位置データが送信される。この物品の取り出し個数が表示された物品収納部に、作業者が手首を突っ込むと、同時に作業者用タグが突っ込まれ、物品の取り出しが行われる。すると、作業者用タグに収納部用アンテナから物品収納部の位置データが受信され、記憶される。次に、作業者は取り出した物品を前記物品の投入位置に位置する集品容器に投入する。すると、作業者用タグより転送用アンテナにより、記憶された物品収納部の位置データが読み取られ、この読み取られた物品収納部の位置データが、集品容器の容器用タグに書き込まれ、蓄積される。このように、集品容器に物品が投入される毎に、集品容器の容器用タグに、投入した物品が取り出された物品収納部の位置データが書き込まれることにより、投入した物品の品目(種類)が特定され、集品容器へ実際に物品が投入されたことが確認される。
【0009】
また作業者はタグを手首に巻くが、タグは単なるメモリに過ぎず、軽量なことから、実際の仕分け作業時に作業者の負担となることが抑えられる。また重量測定を実行せずに、集品容器へ実際に物品が投入されたことが確認され、物品収納部から集品容器までの仕分け作業が保証され、信頼性が向上する。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、ピッキングが実行されない物品収納部の前記収納部用アンテナより警報データが送信され、前記作業者用タグに、前記収納部用アンテナから前記警報データを受信すると作動する警報手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、物品の仕分け作業に際して、仕分け作業を実行しない物品収納部からは、警報データが送信され、この仕分け作業を実行しない物品収納部に対して、作業者が手首を突っ込むと、同時に作業者用タグが突っ込まれ、作業者用タグに収納部用アンテナから警報データが受信され、この警報データにより作業者用タグの警報手段が作動する。この警報手段の作動により、誤った物品収納部から仕分け作業を実行していることに気づき、よって誤った物品収納部からの物品の仕分けが防止される。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記個数表示器と収納部用アンテナは一体型で構成され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されているとき、前記位置データが前記収納部用アンテナより送信され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されていないとき、前記警報データが前記収納部用アンテナより送信されることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、個数表示器へのデータに収納部用アンテナより送信する位置データまたは警報データを載せることができ、信号ラインがシンプルとなり、また個数表示器と収納部用アンテナの一体化により設置が簡単になり、また設置スペースが減少される。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明であって、集品が終了した前記集品容器の重量を計測する重量計を備え、前記容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データにより集品された物品の品目を確認するとともに、計測された重量により集品された物品の個数を推定し、検品を実行することを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、集品が終了した集品容器の容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データにより、投入された物品の品目(種類)が特定され、さらに集品が終了した集品容器の計測された重量により、物品の個数が特定され、集品された物品の品目と個数により検品が実行される。
【0016】
また請求項5記載の発明は、品目ごとに物品が収納された物品容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路に沿って配設され、前記搬送される物品容器より取り出された物品を仕分け先毎に集品する複数の物品収納部と、各物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品の集品個数を表示する個数表示手段とを備え、作業者が前記個数表示手段の表示に基づいて前記搬送される物品容器より取り出された物品を仕分け先毎に前記物品収納部に投入し注文物品を集品するように構成された仕分け設備であって、
前記各物品容器にそれぞれ設けられ、各物品容器を特定するデータが記憶された容器用タグと、前記物品容器からの前記物品の取り出し位置に接近してそれぞれ設けられ、前記容器用タグより前記記憶された物品容器の特定データを受信し、この特定データを送信する転送用アンテナと、前記作業者側に設けられ、前記転送用アンテナに接近したときに転送用アンテナから送信された物品容器の特定データを受信し、記憶する作業者用タグと、前記物品収納部にそれぞれ設けられ、前記作業者用タグより物品容器の特定データを、当該物品収納部へ物品が投入される範囲に限定して受信する収納部用アンテナを備え、前記各物品収納部の収納部用アンテナにより受信された前記物品容器を特定データを蓄積し、仕分けが終了すると、前記蓄積データにより集品された物品の品目を確認することにより前記各物品収納部へ投入された物品の検品を実行することを特徴とするものである。
【0017】
上記構成によれば、物品の仕分け作業に際して、仕分け作業を実行する物品収納部の個数表示器に物品の投入個数を表示される。この表示された物品の投入個数の物品を物品容器より取り出す。すると、作業者用タグに転送用アンテナから物品容器の特定データが受信され、記憶される。次に物品の投入個数が表示された物品収納部に、物品容器より取り出した物品の投入が行われる。すると、作業者用タグより収納部用アンテナに物品容器の特定データが受信され、記憶される。このように、物品収納部に物品か投入される毎に、物品容器の特定データが書き込まれることにより、投入した物品の品目(種類)が特定され、物品収納部へ実際に物品が投入されたことが確認される。
【0018】
また作業者はタグを手首に巻くが、タグは単なるメモリに過ぎず、軽量なことから、実際の仕分け作業時に作業者の負担となることが抑えられる。また集品容器へ実際に物品が投入されたことが確認され、物品容器から物品収納部までの仕分け作業が保証され、信頼性が向上する。
【0019】
また請求項6記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、物品が集品されない物品収納部の前記収納部用アンテナからは警報データが送信され、前記作業者用タグに、前記収納部用アンテナから前記警報データを受信すると作動する警報手段を設けたことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、物品の仕分け作業に際して、仕分け作業を実行しない物品収納部からは、警報データが送信され、この仕分け作業を実行しない物品収納部に対して、作業者が手首を突っ込むと、同時に作業者用タグが突っ込まれ、作業者用タグに収納部用アンテナから警報データが受信され、この警報データにより作業者用タグの警報手段が作動する。この警報手段の作動により、誤った物品収納部へ仕分け作業を実行していることに気づき、よって誤った物品収納部への物品の仕分けが防止される。
【0021】
また請求項7記載の発明は、請求項6に記載の発明であって、前記個数表示器と収納部用アンテナは一体型で構成され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されているとき、前記物品容器の特定データが前記収納部用アンテナにより受信され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されていないとき、前記警報データが前記収納部用アンテナより送信されることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、個数表示器の信号ラインに収納部用アンテナにより受信される物品容器の特定データまたは警報データを載せることができ、信号ラインがシンプルとなり、また一体化により設置が簡単になり、また設置スペースが減少される。
【0023】
また請求項8記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれか記載の発明であって、前記物品収納部に集品された物品の重量を計測する重量計を備え、前記蓄積データにより集品された物品の品目を確認することにより前記各物品収納部へ投入された物品を確認するとともに、計測された重量により集品された物品の個数を推定し、検品を実行することを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、集品が終了した物品収納部毎に蓄積された物品容器の特定データにより、投入された物品の品目(種類)が特定され、さらに集品が終了した物品の計測された重量により、物品の個数が特定され、集品された物品の品目と個数により検品が実行される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の仕分け設備は、仕分け作業時に作業者に設ける作業者用タグを介して、物品を取り出した物品収納部の位置データが集品容器の容器用タグに書き込まれ蓄積されることにより、容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データを読み取ることで、集品容器に投入された物品の品目を確認でき、正しく仕分け作業が実行されたかどうかを確認できる、すなわち自動で検品できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1の仕分け設備の一例であるピッキング設備の概略配置図であり、集品される物品が保管されるストレージラインAと、物品を注文した店舗(仕分け先の一例)毎に、ピッキングされた物品を投入し集品する集品容器を搬送する集品ラインBから構成され、集品ラインBの上流に、空の集品容器に、集品容器を特定するコード(集品容器を特定する情報の一例)が予め記憶された容器用タグを取り付ける作業を行い、一定間隔で集品ラインBへ供給する集品容器投入エリアCが設けられ、また集品ラインBの下流に、検品エリアDが設けられている。
「ストレージラインA」
前記ストレージラインAは、図2に示すように、流動棚から形成されたピッキング棚1から構成され、前方に傾斜している複数段(図では3段)のラック3を有し、各ラック3にはそれぞれ、物品4の収納容器5が収納される複数(図では3列)の物品収納部(間口)6が形成され、各物品収納部6毎にフリーローラコンベヤ7が設けられ、各フリーローラコンベヤ7の前端にはストッパ8が設けられている。この構成により、ストッパ8により係止された収納容器5から必要な物品4を取り出し、収納容器5が空になればその収納容器5を除去することにより、次の収納容器5が前面にでてくる。また複数(図では9列の3段)の物品収納部6毎に、特定の作業者がピッキング作業を担当するピッキングゾーン(ピッキング作業領域の一例)ZがN(2以上の正の整数)、設けられている。本実施の形態では、集品ラインBの上流側から、No.1ピッキングゾーンZ、No.2ピッキングゾーンZ、No.3ピッキングゾーンZ…としている。
【0027】
またピッキング棚1の物品収納部6毎にそれぞれ、その前面に、ピッキング表示器(個数表示手段の一例)11が設けられている。各ピッキング表示器11は、ピッキングする物品4の数量(取り出し個数)を表示する2桁のディジタル表示器12と、ピッキング作業があることを表示するランプおよびボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン13と、収納部用アンテナ14と、この収納部用アンテナ14に接続され、後述する物品収納部のロケーション(位置データ)または警報データを発信するタグリーダ/ライタ(図示せず)から形成されている。前記収納部用アンテナ14から発信される信号(データ)が届く通信範囲(発信エリア)は、ピッキング表示器11がピッキング作業を指示する物品収納部6の前面で、作業者Pの手が入る範囲に限定されており、データが他の物品収納部6へ届かないようにされている。また収納部用アンテナ14に接続されるタグリーダ/ライタから発信される物品収納部のロケーションと警報データでは、発振周波数を変えている。
【0028】
また図2および図3に示すように、各ピッキングゾーンZでピッキング作業を行う作業者Pは手首に、パッシブタグからなる作業者用タグ16を取り付けている(携帯している)。この作業者用タグ16は、2つのアンテナパターンと、一方のアンテナパターンに接続されたメモリを含むICチップと、他方のアンテナパターンに接続されたランプ(警報手段の一例)17から構成され、この構成により、一方のアンテナパターンに共振して受信された、収納部用アンテナ14から発信される信号あるいは後述する転送用アンテナ28から発信される信号に応じて、メモリに物品収納部のロケーションの書き込み・記録が行われ、あるいはメモリに書き込まれた物品収納部のロケーションの読み出しが行われ、また他方のアンテナパターンに共振して受信された、収納部用アンテナ14から発信される信号(警報データ)によりランプ17が点灯される。
「集品ラインB」
前記集品ラインBは、図1および図2に示すように、ピッキングゾーンZを形成するピッキング棚1に沿って配置され、集品容器20を一定速度で搬送する一定経路iを形成するローラ駆動コンベヤ装置(搬送手段の一例)21を設け、このコンベヤ装置21に沿ってその内方(ピッキング棚1の側)に、ピッキングゾーンZ毎にそれぞれ、移動してきた集品容器20に対して物品4を投入する投入位置が設定されている。前記集品容器20は、例えば、コンテナから形成され、上述したように、パッシブタグからなる容器用タグ22が取り付けられている。
【0029】
またピッキングゾーンZ毎に、前記投入位置にはこの投入位置へ集品容器20が移動してきたことを検出する光電スイッチ24が設けられ、さらに前記投入位置には上方にピッキング棚1に向けて、投入表示器(指示手段の一例)25が設けられている。各投入表示器25は、集品容器20へ投入する物品4の総数(総数量)を示す2桁のディジタル表示器26と、ピッキング作業終了を表示するランプと投入完了ボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン27と、転送用アンテナ28と、この転送用アンテナ28に接続され、転送用アンテナ28を介して作業者用タグ16からデータを読み取り、また容器用タグ22へデータを書き込むタグリーダ/ライタ(図示せず)から形成されている。転送用アンテナ28から通信される信号(データ)が届く通信範囲(発振エリア)は、投入位置に停止した集品容器20の容器用タグ22および当該集品容器20に接近した作業者用タグ16への通信が可能な範囲に限定されている。
【0030】
容器用タグ22は、1つのアンテナパターンと、このアンテナパターンに接続されたメモリを含むICチップから構成され、この構成により、アンテナパターンに共振して受信された、転送用アンテナ28から発信される信号に応じて、メモリに物品収納部のロケーションの書き込み・記録が行われる。
【0031】
なお、各ピッキングゾーンZでは、1個の集品容器20に対してピッキング作業が実行され、すべてのピッキングゾーンZにおいてピッキング作業が終了すると、コンベヤ装置21が駆動されて集品容器20は1つ下流のピッキングゾーンZの投入位置まで搬送されるシステムとなっている。
「検品エリアD」
搬送されてきた集品が終了した集品容器(集品済み集品容器)20の重量を計測する重量計29が設けられ、この重量計29に載せられた集品容器20の容器用タグ22から、書き込まれた集品容器20のコードおよび蓄積された物品収納部6のロケーションを読み出すタグリーダ/ライタ(図示せず)およびこのタグリーダ/ライタに接続された検品用アンテナ30が設けられている。また重量計29の近傍に、検品結果を表示する緑ランプと赤ランプからなる検品表示器35が設けられている。この検品表示器35の緑ランプの点灯により検品の結果が“良”であることが表示され、赤ランプの点灯により検品の結果が“不良”であることが表示される。
【0032】
上記ピッキング設備の制御構成図を図4に示す。
図に示すように、各ピッキングゾーンZ毎に、ピッキングコントローラ31が設けられ、このピッキングコントローラ31に、ゾーン内の全てのピッキング表示器11、投入表示器25、および光電スイッチ24が接続されている。
【0033】
また各店舗から注文された、物品4の品目(種類)と数量からなる注文データが入力される統括コントローラ32が設けられ、この統括コントローラ32に、コンベヤ装置21、各ピッキングゾーンZのピッキングコントローラ31、重量計29、検品用アンテナ30(タグリーダ/ライタ)、および検品表示器35が接続されている。
「統括コントローラ32」
統括コントローラ32には、各集品容器20に取り付けられた容器用タグ22に予め記憶されたコード(集品容器を特定するデータの一例)が登録されており、統括コントローラ32は注文データを入力した店舗毎に前記コードを割り当て、容器用タグ22と店舗を1対1で関連付けを行っている。
【0034】
また統括コントローラ32には、各ピッキングゾーンZにそれぞれ収納された物品4の品目(種類)、1個単位の重量、および収納された物品収納部6のロケーションが予め登録されており、統括コントローラ32は、容器用タグ22(仕分け先に対応)毎に、注文データに応じて、どのピッキングゾーンZでどの物品4の品目を何個ピッキングするかを設定し、各ピッキングゾーンZ毎にピッキングデータを形成し、ピッキングコントローラ31へ出力している。ピッキングデータは、容器用タグ22のコード毎に、ピッキングする物品4の品目と数量から形成される。また容器用タグ22毎に、注文データに応じて、各物品4の1個単位の重量に数量を乗算して加算した重量に、さらに集品容器20の重量を加算して集品が終了した時点での集品容器20の重量(推定重量と称す)を求めている。
【0035】
また統括コントローラ32は、全ピッキングコントローラ31からピッキング終了信号(後述する)を入力すると、コンベヤ装置21を駆動して集品容器20を1つ下流のピッキングゾーンZの投入位置まで搬送する。
【0036】
また統括コントローラ32は、重量計29から集品が終了した集品容器20の重量の計測データを入力すると、検品動作を実行する。この検品動作を図5のフローチャートにしたがって説明する。
【0037】
集品容器20の重量の計測データを入力すると(ステップ−1)、検品用アンテナ30が接続されるタグリーダ/ライタに対して検品実行データの読み取りを指令し、検品用アンテナ30により、集品容器20の容器用タグ22から、書き込まれた集品容器20のコードと蓄積された物品収納部6のロケーションを読み出す(ステップ−2)。続いて、読み出した集品容器20のコードにより集品容器20に特定される店舗(仕分け先)を求め、物品収納部6のロケーションにより収納されている物品4を求める(ステップ−3)。これら求めた店舗の物品と店舗の注文データと比較し、物品4の品目に誤差が有るかどうかを確認する(ステップ−4)。物品4の品目に誤差がないとき、続いて上記集品済み集品容器20の推定重量と重量計29の計測データを比較し、誤差が有るかどうか、すなわち集品された物品4の数量に誤差が有るかどうかを確認する(ステップ−5)。そして、物品4の品目に誤差および重量に誤差がないとき、ピッキングミス無しと判断して検品表示器35の緑ランプを点灯して検品を終了し(ステップ−6)、物品4の品目に誤差または重量に誤差があるとピッキングミスがあると判断し、検品表示器35の赤ランプを点灯して検品を終了する(ステップ−7)。
「ピッキングコントローラ31」
ピッキングコントローラ31には、予め管轄するピッキングゾーンZの物品収納部6のロケーション(位置データ)毎に物品4の品目が設定されており、ピッキングコントローラ31は、統括コントローラ32よりピッキングデータを入力すると、ピッキングデータの品目の物品4を収納した物品収納部6のロケーションを求め、物品4の品目をこのロケーションに代えたピッキングデータ(変更ピッキングと称す)とする。この変更ピッキングデータは、容器用タグ22のコード毎に、ピッキングする物品を収納した物品収納部6のロケーションと数量から形成される。
【0038】
ピッキング作業時のピッキングコントローラ31の動作を図6のフローチャートにしたがって説明する。
まず、ピッキングコントローラ31は、光電スイッチ24により新しい集品容器20の到着を確認すると(ステップ−1)、投入表示器25のタグリーダ/ライタへ指令して容器用タグ22に記憶された集品容器20のコードを読み取り(ステップ−2)、このコードにより変更ピッキングデータを検索して、ピッキング対象の物品4を収納した物品収納部6のロケーションと数量を求め、求めたロケーションのピッキング表示器11に対して、数量、ピッキング有り、ロケーションの発信開始からなるデータを送信し(ステップ−3)、ピッキング対象ではないロケーションのピッキング表示器11に対して、警報データの発信開始からなるデータを送信する(ステップ−4)。
【0039】
これにより、ピッキング作業が実行されるピッキング表示器11の表示/完了ボタン13のランプが点灯され、ディジタル表示器12にピッキングする物品の数量が表示され、タグリーダ/ライタにより収納部用アンテナ14を介して物品収納部6のロケーションが発信され、ピッキング表示器11の表示に基づいて物品収納部6の収納容器5へ作業者Pの手が入り、物品4がピッキングされると、作業者用タグ16に物品収納部6のロケーションが書き込まれる。またピッキング対象ではないロケーションのピッキング表示器11のタグリーダ/ライタにより収納部用アンテナ14を介して警報データが発信され、このピッキング対象ではない物品収納部6の収納容器5へ作業者Pの手が入ると、前記警報データにより作業者用タグ16のランプ17が点灯し、作業者Pにピッキング対象の物品収納部6でないことが報知(警報)される。
【0040】
次にピッキングコントローラ31は、ピッキング対象の物品4の総数量を求めて、投入表示器25に対して総数量、ロケーションの読み取り開始からなるデータを送信する(ステップ−5)。
【0041】
これにより、投入表示器25のディジタル表示器26にピッキングする物品4の総数量が表示され、タグリーダ/ライタにより転送用アンテナ28を介して物品収納部6のロケーションの読み取りが開始される。
【0042】
そして、ピッキング表示器11の表示/完了ボタン13の操作信号を入力すると(ステップ−6)、この表示/完了ボタン13を操作した物品収納部6におけるピッキング作業が終了と判断し(ステップ−7)、ディジタル表示器12および表示/完了ボタン13の表示を消灯し、物品収納部6のロケーションの発信を停止し、警報データを発信する(ステップ−8)。
【0043】
そして、ピッキングされた物品4が作業者Pにより集品容器20へ投入されてタグリーダ/ライタにより転送用アンテナ28を介して作業者用タグ16より物品収納部6のロケーションが読み取られ、この物品収納部6のロケーションが入力されると(ステップ−9)、同タグリーダ/ライタにこの物品収納部6のロケーションの書き込みを送信する(ステップ−10)。
【0044】
これによりタグリーダ/ライタにより転送用アンテナ28を介して容器用タグ22へピッキングされた物品収納部6のロケーションが書き込まれる。
そして、全てのピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングする物品収納部の表示/完了ボタン13の操作信号を全て入力したことを確認すると)(ステップ−11)、投入表示器25の表示/完了ボタン27の表示ランプを点灯し(ステップ−12)、次に表示/完了ボタン27の操作信号を確認すると(ステップ−13)、ディジタル表示器26および表示/完了ボタン27の表示を消灯し、各物品収納部6から発信されている警報データを停止し(ステップ−14)、ピッキングした集品容器20のコードとピッキングゾーンZのナンバーを付したピッキング終了信号を統括コントローラ32へ出力して(ステップ−15)、終了する。
【0045】
このようなピッキングコントローラ31による1ピッキング作業時のデータの受け渡しの作用は以下のようになる。
1.物品4のピッキング作業に際して、ピッキング作業を実行する物品収納部6の個数表示器(ピッキング表示器11)に物品4の取り出し数量(個数)が表示され、同時に収納部用アンテナ14から物品収納部6のロケーション(位置データ)が発信される。
【0046】
2.この物品4の取り出し数量が表示された物品収納部6に、作業者Pが手首を突っ込むと、同時に作業者用タグ16が突っ込まれ、物品4の取り出しが行われる。すると、収納部用アンテナ14より作業者用タグ16に物品収納部6のロケーションが書き込まれ、記憶される。
【0047】
3.次に、作業者Pは取り出した物品4を、投入位置に位置する集品容器20に投入する。すると、作業者用タグ16より転送用アンテナ28によって、記憶された物品収納部6のロケーションが読み取られ、この読み取られた物品収納部6のロケーションが、集品容器20の容器用タグ22に書き込まれ、蓄積される。
【0048】
上記ピッキング設備の構成による作用を説明する。
統括コントローラ32は、各店舗から物品4の品目および数量からなる注文データが入力されると、各ピッキングゾーンZ毎にピッキングデータを形成し、ピッキングコントローラ31へ出力する。ピッキングデータは、容器用タグ22のコード毎に、ピッキングする物品の品目と数量から形成される。
【0049】
そして、仕分け作業開始により統括コントローラ32によりコンベヤ装置21が駆動され、集品容器投入エリアCより容器用タグ22を取り付けた集品容器20が一定間隔(ピッキングゾーンZの間隔)でコンベヤ装置21へ投入される。コンベヤ装置21により、投入された集品容器20は各ピッキングゾーンZの投入位置へ搬送される。
【0050】
ピッキングゾーンZの投入位置へ集品容器20が搬送されてくると、まず集品容器20の容器用タグ22に記憶された集品容器20のコードが読み取られ、このコードにより検索された変更ピッキングデータに基づいてピッキング表示器11の表示/完了ボタン13のランプが点灯され、ディジタル表示器12にピッキングする物品の数量が表示され、収納部用アンテナ14より物品収納部6のロケーションが発信される。またピッキング対象ではないロケーションの物品収納部6では、収納部用アンテナ14より警報データが発信される。
【0051】
またピッキング対象の物品4の総数量が求められ、投入表示器25に対して総数量、ロケーションの読み取り開始からなるデータが送信され、投入表示器25のディジタル表示器26にピッキングする物品4の総数量が表示され、転送用アンテナ28により物品収納部6のロケーションの読み取りが開始される。
【0052】
そして、ディジタル表示器12の表示にしたがって、作業者Pによりピッキング作業が実行される。このとき、物品収納部6の収納容器5へ作業者Pの手が入り、物品4がピッキングされると、作業者用タグ16に物品収納部6のロケーションが書き込まれる。なお、誤ってピッキング対象ではない物品収納部6へ作業者Pの手が入ると、作業者用タグ16のランプ17が点灯して報知される。
【0053】
そしてピッキングされた物品4が集品容器20へ投入されると、同時に作業者用タグ16より物品収納部6のロケーションが読み取られ、続いてこの物品収納部6のロケーションが容器用タグ22に書き込まれ、蓄積される。
【0054】
そして、全てのピッキング作業が終了すると、投入表示器25の表示/完了ボタン27の表示ランプが点灯され、表示/完了ボタン27が操作されると、表示/完了ボタン27の表示ランプが消灯され、警報データの発信が停止され、ピッキング作業が終了する。またピッキングした集品容器20のコードとゾーン・ナンバーを付したピッキング終了信号が統括コントローラ32へ出力され、統括コントローラ32は、全ピッキングコントローラ31よりこのピッキング終了信号を入力するとコンベヤ装置21を駆動して集品容器20を1つ下流のピッキングゾーンZへ搬送する。
【0055】
そして、全ピッキングゾーンZでの集品が終了した集品済みの集品容器20は、検品エリアDへ搬送される。検品エリアDでは、集品済みの集品容器20の重量が測定され、また容器用タグ22に蓄積された集品容器20のコードと物品収納部6のロケーションが読み取られ、集品容器20のコードにより店舗が特定され、物品収納部6のロケーションにより物品4の品目が特定され、これら特定された店舗の注文データと物品4の品目により、品目にミスが有るかどうかが確認され、また特定された店舗の注文データにより予め求められた集品済みの集品容器の推定重量と測定された重量により、数量にミスが有るかどうかが確認され、いずれかにミスがあると、検品表示器35の赤ランプが点灯されて“不良”が示され、いずれにもミスが無いとき検品表示器35の緑ランプが点灯されて“良”が示される。
【0056】
以上のように本実施の形態1によれば、集品容器20に物品4が投入される毎に、集品容器20の容器用タグ22に、投入した物品4が取り出された物品収納部6のロケーションが書き込まれ、蓄積されることにより、集品容器20に投入された物品4の品目(種類)を特定することができる。
【0057】
また本実施の形態1によれば、作業者Pは作業者用タグ16を手首に巻くが、作業者用タグ16はメモリに過ぎず、軽量なことから、実際のピッキング作業時に負担となることが抑えることができる。また集品容器20へ実際に物品4が投入されたことが確認されることにより、物品収納部6から集品容器20までのピッキング作業を保証でき、信頼性を向上することができる。
【0058】
また本実施の形態1によれば、物品4のピッキング作業に際して、ピッキング作業を実行しない物品収納部6からは、警報データが送信され、この仕分け作業を実行しない物品収納部6に対して、作業者Pが手首を突っ込むと、作業者用タグ16に収納部用アンテナ14から警報データが受信され、この警報データにより作業者用タグ16のランプ17が点灯することにより、作業者Pは、誤った物品収納部6に対してピッキング作業を実行していることに気づくことができ、よって誤った物品収納部6からの物品4のピッキングを防止することができる。
【0059】
また本実施の形態1によれば、ピッキング表示器11への信号ラインに収納部用アンテナ14より送信するロケーションまたは警報データを載せることができ、信号ラインがシンプルとなり、またピッキング表示器11へのタグリーダ/ライタおよび収納部用アンテナ14の一体化により設置が簡単になり、信号ラインおよび電源ラインを共用でき、また設置の際の作業性を向上することができ、また設置スペースを減少することができる。
【0060】
また本実施の形態1によれば、集品が終了した集品容器20の容器用タグ22に蓄積された物品収納部6のロケーションにより、投入された物品4の品目(種類)を特定でき、さらに集品が終了した集品容器20の計測された重量により、物品4の個数を特定でき、特定した集品された物品4の品目と個数により検品を完全に自動化することができる。また重量計29の設置は1台で済み、集品容器20毎に重量計を設けた場合と比較して設備価格を安価にすることが可能となる。
【0061】
なお、本実施の形態1では、検品エリアDに重量計29を設置し、集品が終了した集品容器20の計測された重量により、物品4の個数を特定しているが、このような重量計29を設置せずに、集品が終了した集品容器20の容器用タグ22に蓄積された物品収納部6のロケーションにより、投入された物品4の品目(種類)だけの検品とすることもできる。
【0062】
また本実施の形態1では、作業者用タグ16には、ピッキングした物品収納部6のロケーションの書き込みを行っているが、物品収納部6に収納されている物品4のコード(物品4を特定するデータの一例)、ピッキングされた物品4の数量を書き込み、これら作業者用タグ16に書き込まれたデータを容器用タグ22に書き込み、蓄積するようにすることも可能である。このとき、ピッキングコントローラ31よりピッキングデータに基づいて、収納部用アンテナ14に接続されたタグリーダ/ライタにこれら物品4のコードと数量のデータを送信する。
[実施の形態2]
上記実施の形態1では、仕分け設備の一例としてピッキング設備について説明しているが、アソート設備とすることもできる。すなわち、各物品収納部6に注文があった店舗(仕分け先の一例)を割り当て、集品容器20に代えて、物品4が収納された物品容器20’をコンベヤ装置21により搬送しながら、この物品容器20’より物品4を各物品収納部6に仕分ける設備とする。なお、アソート設備の構成はピッキング設備と同一であるが、ピッキング棚1はアソート作業が実行される物品4が投入される棚として機能し、ピッキング表示器11はアソート表示器として、投入される物品4の数量を表示する表示器として機能し、投入表示器25はアソート表示器として、物品容器20’から取り出す物品4の総数量を表示器する表示器として機能するものとする。また各ピッキングコントローラ31(アソートのコントローラとして機能する)には、予め、物品容器20’の容器用タグ22に書き込まれた物品容器20’のコード(物品容器を特定するデータの一例)に対応して、物品容器20’に収納されている物品4のコード(物品を特定するデータの一例)が設定される。
【0063】
以下、アソート設備としたときの作用を説明する。
物品4の仕分け作業(アソート作業)に際して、仕分け作業を実行する物品収納部6のピッキング表示器11に物品4の投入数量(個数)が表示される。作業者Pは、ピッキング表示器11に表示された物品4の投入数量の物品4を物品容器20’から取り出し、この物品4の投入数量が表示された物品収納部6に投入する。この物品4を物品容器20’から取り出したとき、投入表示器25の転送用アンテナ28により、物品容器20’の容器用タグ22から物品容器20’のコードが読み取られて、作業者用タグ16に書き込まれ、また物品4を物品収納部6に投入するとき収納部用アンテナ14により作業者用タグ16に書き込まれた物品容器20’のコードが読み取られ、物品収納部6毎にピッキングコントローラ31に蓄積される。またアソート作業が実行されない物品収納部6の収納部用アンテナ14により作業者用タグ16に書き込まれた物品容器20’のコードが読み取られると、警報データが作業者用タグ16に送信され、ランプ17が点灯され、誤った投入が防止される。
【0064】
そして、アソート作業が終了したとき、ピッキングコントローラ31に蓄積された各物品収納部6毎の物品容器20’のコードを確認することにより、各物品収納部6に投入された物品4の品目が特定され、これを注文データと比較することにより、投入された物品4の品目にミスか有るかどうかが確認される。なお、アソート作業が終了したとき、各物品収納部6に投入された物品4の重量を計測することにより、投入された物品4の数量にミスか有るかどうかを確認できる。
【0065】
以上のように本実施の形態2によれば、物品収納部6に物品4が投入される毎に、投入した物品4が取り出された物品容器20’のコードが書き込まれ、蓄積されることにより、物品収納部6に投入された物品4の品目(種類)を特定することができる。物品4の品目(種類)は、物品容器20’のコードにより特定される。
【0066】
また本実施の形態2によれば、作業者Pは作業者用タグ16を手首に巻くが、作業者用タグ16はメモリに過ぎず、軽量なことから、実際のアソート作業時に負担となることが抑えることができる。また物品収納部6へ実際に物品4が投入されたことが確認されることにより、物品容器20’から物品収納部6までの仕分け作業を保証でき、信頼性を向上することができる。
【0067】
また本実施の形態2によれば、物品4のアソート作業に際して、アソート作業を実行しない物品収納部6からは、警報データが送信され、この仕分け作業を実行しない物品収納部6に対して、作業者Pが手首を突っ込むと、作業者用タグ16に収納部用アンテナ14から警報データが受信され、この警報データにより作業者用タグ16のランプ17が点灯することにより、作業者Pは、誤った物品収納部6へアソート作業を実行していることに気づくことができ、よって誤った物品収納部6への物品4の投入を防止することができる。
【0068】
また本実施の形態2によれば、ピッキング表示器11の信号ラインに収納部用アンテナ14から受信する物品容器20’のコード、発信する警報データを載せることができ、信号ラインがシンプルとなり、またピッキング表示器11へのタグリーダ/ライタおよび収納部用アンテナ14の一体化により設置が簡単になり、信号ラインおよび電源ラインを共用でき、また設置の際の作業性を向上することができ、また設置スペースを減少することができる。
【0069】
また本実施の形態2によれば、集品が終了した物品収納部6毎に蓄積された物品容器20’のコードにより、投入された物品4の品目(種類)を特定でき、特定した集品された物品4の品目により検品を行うことができる。さらに集品が終了した物品収納部6に投入された物品4の重量を計測することにより、物品4の数量を特定でき、数量の検品を行うことができる。
【0070】
なお、実施の形態2では、作業者Pが、ピッキング表示器11に表示された物品4の投入数量の物品4を物品容器20’から取り出し、この物品4の投入数量が表示された物品収納部6に投入したときのデータの流れを以下のようにすることもできる。
【0071】
すなわち、作業者Pが物品収納部6に物品4を投入したとき、物品収納部6の収納部用アンテナ14からこの物品収納部6のロケーションが作業者Pの作業者用タグ16に書き込まれる。そして、アソート作業終了時に、投入表示器25の表示/完了ボタン27が操作されると、作業者用タグ16に書き込まれた、アソート作業が実行された物品収納部6のロケーションが、転送用アンテナ28により物品容器20’の容器用タグ22に書き込まれる。そして、アソート作業が終了した物品容器20’の容器用タグ22に書き込まれた、アソート作業が実行された物品収納部6のロケーションを確認することにより、アソート作業が正常に実行されたかを確認することができる。
【0072】
なお、実施の形態1および実施の形態2では、作業者用タグ16と容器用タグに、ハッシブタグを使用しているが、アクティブタグを使用することも可能である。
また実施の形態1および実施の形態2では、作業者Pへの警報手段として、作業者用タグ16にランプ17を設けているが、このようなランプに限ることはなく、ランプに代えて、ブザー、チャイム、あるいは液晶表示器を設けて報知(警報)するようにすることもできる。
【0073】
また実施の形態1および実施の形態2では、各ピッキングゾーンZには、1つの集品容器20または物品容器20’が搬送されて仕分け作業が実行されているが、複数の集品容器20または物品容器20’を同時に1つのピッキングゾーンZ毎に複数の集品容器20または物品容器20’を搬送して仕分け作業を実行するようにすることができる。このとき、各ピッキングゾーンZの集品容器20または物品容器20’の停止位置(前記物品の投入位置または取り出し位置)毎に、投入表示器25を設置する必要がある。
【0074】
また実施の形態1および実施の形態2では、仕分け先を店舗としているが、店舗に限ることはなく、例えば地域別、店舗内に設けられたエリア別とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1の仕分け設備の一例であるピッキング設備の概略配置図である。
【図2】同ピッキング設備の要部側面図である。
【図3】同ピッキング設備の物品収納部へ作業者が手を入れたときの斜視図である。
【図4】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図5】同ピッキング設備においてピッキング作業時の統括コントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図6】同ピッキング設備においてピッキング作業時のピッキングコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
A ストレージライン
B 集品ライン
C 集品容器投入エリア
D 検品エリア
P 作業者
Z ピッキングゾーン
1 ピッキング棚
4 物品
5 収納容器
6 物品収納部
11 ピッキング表示器
14 収納部用アンテナ
16 作業者用タグ
17 ランプ
20 集品容器
21 ローラ駆動コンベヤ装置
22 容器用タグ
24 光電スイッチ
25 投入表示器
26 ディジタル表示器
29 重量計
30 検品用アンテナ
31 ピッキングコントローラ
32 統括コントローラ
35 検品表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け先毎に集品した物品を投入する集品容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路に沿って配設され、前記物品を品目毎に収納した複数の物品収納部と、各物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品の取り出し個数を表示する個数表示手段とを備え、作業者が前記個数表示手段の表示に基づいて前記物品収納部から物品を取り出して仕分け先毎の前記集品容器に注文物品を集品するように構成された仕分け設備であって、
前記各物品収納部にそれぞれ設けられ、少なくとも当該物品収納部の位置データを、当該物品収納部から物品が取り出される範囲に限定して送信する収納部用アンテナと、
前記作業者側に設けられ、前記収納部用アンテナに接近したときに当該収納部用アンテナから送信された物品収納部の位置データを受信し、記憶する作業者用タグと、
前記集品容器への前記物品の投入位置に接近してそれぞれ設けられ、前記作業者用タグより前記記憶された物品収納部の位置データを受信し、この位置データを送信する転送用アンテナと、
前記各集品容器にそれぞれ設けられ、前記転送用アンテナから送信された物品収納部の位置データを受信し、記憶する容器用タグ
を備え、
集品が終了した前記集品容器より、前記容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データを読み出し、これら物品収納部の位置データにより集品された物品の品目を確認することにより、検品を実行すること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
ピッキングが実行されない物品収納部の前記収納部用アンテナより警報データが送信され、
前記作業者用タグに、前記収納部用アンテナから前記警報データを受信すると作動する警報手段を設けたこと
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記個数表示器と収納部用アンテナは一体型で構成され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されているとき、前記位置データが前記収納部用アンテナより送信され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されていないとき、前記警報データが前記収納部用アンテナより送信されること
を特徴とする請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
集品が終了した前記集品容器の重量を計測する重量計を備え、前記容器用タグに蓄積された物品収納部の位置データにより集品された物品の品目を確認するとともに、計測された重量により集品された物品の個数を推定し、検品を実行すること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の仕分け設備。
【請求項5】
品目ごとに物品が収納された物品容器を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の搬送経路に沿って配設され、前記搬送される物品容器より取り出された物品を仕分け先毎に集品する複数の物品収納部と、各物品収納部にそれぞれ設けられ、前記物品の集品個数を表示する個数表示手段とを備え、作業者が前記個数表示手段の表示に基づいて前記搬送される物品容器より取り出された物品を仕分け先毎に前記物品収納部に投入し注文物品を集品するように構成された仕分け設備であって、
前記各物品容器にそれぞれ設けられ、各物品容器を特定するデータが記憶された容器用タグと、
前記物品容器からの前記物品の取り出し位置に接近してそれぞれ設けられ、前記容器用タグより前記記憶された物品容器の特定データを受信し、この特定データを送信する転送用アンテナと、
前記作業者側に設けられ、前記転送用アンテナに接近したときに転送用アンテナから送信された物品容器の特定データを受信し、記憶する作業者用タグと、
前記物品収納部にそれぞれ設けられ、前記作業者用タグより物品容器の特定データを、当該物品収納部へ物品が投入される範囲に限定して受信する収納部用アンテナ
を備え、
前記各物品収納部の収納部用アンテナにより受信された前記物品容器を特定データを蓄積し、仕分けが終了すると、前記蓄積データにより集品された物品の品目を確認することにより前記各物品収納部へ投入された物品の検品を実行すること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項6】
物品が集品されない物品収納部の前記収納部用アンテナからは警報データが送信され、
前記作業者用タグに、前記収納部用アンテナから前記警報データを受信すると作動する警報手段を設けたこと
を特徴とする請求項5に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記個数表示器と収納部用アンテナは一体型で構成され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されているとき、前記物品容器を特定データが前記収納部用アンテナにより受信され、前記個数表示器に個数の表示データが入力されていないとき、前記警報データが前記収納部用アンテナより送信されること
を特徴とする請求項6に記載の仕分け設備。
【請求項8】
前記物品収納部に集品された物品の重量を計測する重量計を備え、前記蓄積データにより集品された物品の品目を確認することにより前記各物品収納部へ投入された物品を確認するとともに、計測された重量により集品された物品の個数を推定し、検品を実行すること
を特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の仕分け設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−168955(P2008−168955A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−892(P2007−892)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】