説明

仕切付紙製容器の製造方法、仕切付紙製容器及び仕切付紙製容器の製造装置

【課題】 歩留まりよく仕切付紙製容器を製造することができる仕切付紙製容器の製造方法を提供する。
【解決手段】 紙製ブランク2を一対の金型3、4でプレス成形して仕切付紙製容器を製造する方法であって、一対の金型3、4を加熱して、この加熱した一対の金型3、4で紙製ブランク2を加熱しつつプレス成形して仕切付の紙製容器5を製造することにより前記課題を解決した。一対の金型が、メス金型3と、このメス金型3の上方に上下方向に移動可能に配置されたオス金型4とからなり、メス金型3が、オス金型4より高い温度に加熱されることが好ましい。また、紙製ブランク2が、100%パルプの紙基材を含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁当箱、弁当箱用の中敷容器、トレー、化粧品箱、化粧品箱用の中敷容器、お菓子箱、お菓子箱用の中敷容器、果物箱、果物箱用の中敷容器等のその他の容器として好適に用いられる仕切付紙製容器の製造方法、仕切付紙製容器及び仕切付紙製容器の製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
弁当箱、弁当箱用の中敷容器等として、リサイクルや焼却等の廃棄処理を容易に行えるようにプラスチック製や金属製容器に代わって紙の内面にポリエチレンやポリエステル等の樹脂層を備えた耐水性を有する紙製複合トレーなどの仕切付紙製容器が広く使用されるようになってきている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実公昭61−14437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1に記載された仕切付紙製容器は、表面にポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムを積層した厚紙を圧縮成形して得られるものである。この仕切付紙製容器は、プラスチックフィルムを積層した厚紙を圧縮成形して凹凸状に形成されるが、圧縮成形した後のプラスチックフィルムを有する厚紙は元の形状に戻ろうとすることがあり、その場合、保形性が低く、歩留まりが悪くなった。特に30mm以上の深絞りを行う場合には、製品として使用するものがほとんど得られなかった。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、歩留まりよく仕切付紙製容器を製造することができる仕切付紙製容器の製造方法、仕切付紙製容器及び仕切付紙製容器の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するための本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法は、紙製ブランクを一対の金型でプレス成形して仕切付紙製容器を製造する方法であって、前記一対の金型を加熱して、この加熱した一対の金型で前記紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して仕切付の紙製容器を製造することを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、加熱した一対の金型で紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して仕切付の紙製容器を製造することにより、プレス成形時、紙製ブランクが加熱されて軟化状態となるために、紙製容器がプレス成形前の形状に戻ることがないので、保形性に優れた仕切付紙製容器が得られる。従って、仕切付紙製容器を歩留まりよく製造することが可能となる。
【0007】
本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法において、前記一対の金型が、メス金型と、このメス金型の上方に上下方向に移動可能に配置されたオス金型とからなり、前記メス金型が、前記オス金型より高い温度に加熱されることが好ましい。また、本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法において、前記メス金型が、140℃〜160℃に加熱されると共に、前記オス金型が、90℃〜120℃に加熱されることが好ましい。また、本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法において、前記紙製ブランクが、100%パルプの紙基材を含むことが好ましい。
【0008】
また、前記の目的を達成するための本発明に係る仕切付紙製容器は、加熱されている一対の金型で100%パルプの紙基材を含む紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して得られたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、加熱されている一対の金型で100%パルプの紙基材を含む紙製ブランクが加熱されつつプレス成形されることにより、プレス成形時、紙製ブランクが加熱されて軟化状態となるために、仕切付紙製容器がプレス成形前の形状に戻ることがなく保形性に優れたものである。
【0010】
また、前記の目的を達成するための本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置は、紙製ブランクを一対の金型でプレス成形して仕切付紙製容器を製造する装置であって、前記一対の金型が、当該金型を加熱する加熱器をそれぞれ有し、かつ、これら金型のプレス成形時の間隔が、前記紙製ブランクの厚さと同じ寸法で形成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、一対の金型が、当該金型を加熱する加熱器をそれぞれ有していることにより、加熱された金型で紙製ブランクを加熱しつつプレス成形することができるために、プレス成形時、紙製ブランクが加熱されて軟化状態となるので、プレス成形体がプレス成形前の形状に戻ることがなく、保形性に優れた仕切付紙製容器が得られる。従って、仕切付紙製容器を歩留まりよく製造することが可能となる。
【0012】
本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置において、前記一対の金型が、金型凹部及び金型凹部の周縁が平面状に形成された平面部を有するメス金型と、このメス金型の上方に上下方向に移動可能に設けられ、前記金型凹部に嵌合して前記紙製ブランクをプレス成形して絞り加工する金型凸部を有するオス金型とからなり、前記金型凹部と前記金型凸部とが嵌合する前に前記平面部に接触して当該平面部とで前記紙製ブランクの周囲を保持すると共にこの保持が前記金型凹部と前記金型凸部とが嵌合するときに紙製ブランクが前記金型凹部内にスライド移動し得る保持力であるホルダを備えることが好ましい。また、本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置において、前記メス金型の上方に、前記金型凸部及び前記ホルダが設けられている移動体を設け、この移動体を上下方向に移動可能に支持する油圧シリンダを設けることが好ましい。本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置において、前記ホルダが、前記オス金型の周囲を覆う枠状に形成され、このホルダの前記平面部に接触する保持面が平面状に形成され、この保持面に、前記オス金型方向に延びる溝を多数設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法、仕切付紙製容器及び仕切付紙製容器の製造装置によれば、紙製ブランクが加熱されつつプレス成形されるために、プレス成形時、紙製ブランクが加熱されて軟化状態となり、プレス成形前の形状に戻ることがないので、仕切付紙製容器を歩留まりよく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法、仕切付紙製容器及び仕切付紙製容器の製造装置を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1は本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置の一例を示す概略構成図である。図2は本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法の一例を説明するための図である。本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置は、図1に示すように、紙製ブランク2を一対の金型3、4でプレス成形して仕切付紙製容器5(図2参照。)を製造するものであって、一対の金型3、4が、当該金型3、4を加熱する加熱器7、8をそれぞれ有し、かつ、これら金型3、4のプレス成形時の間隔が、紙製ブランク2の厚さと同じ寸法で形成されていることに特徴がある。
【0016】
成形品である仕切付紙製容器5としては、特に限定されず、弁当箱、弁当箱用の中敷容器、トレー、化粧品箱、化粧品箱用の中敷容器、お菓子箱、お菓子箱用の中敷容器、果物箱、果物箱用の中敷容器等のその他の容器等が挙げられる。仕切付紙製容器5の形状も特に限定されない。なお、本発明の形態では、仕切付紙製容器5としては、弁当箱、弁当箱用の中敷容器、トレー、化粧品箱、化粧品箱用の中敷容器、お菓子箱、お菓子箱用の中敷容器、果物箱、果物箱用の中敷容器等に限定せずに説明する。
【0017】
紙製ブランク2は、特に限定されず、紙基材のみであってもよいし、紙基材に熱可塑性樹脂層等が設けられたものでもよい。紙基材としては、特に限定されず、パルプ100%のもの、厚紙等が挙げられるが、例えば、100%パルプのもの等であることが好ましい。この100%パルプの紙基材としては、例えば、日本製紙株式会社製の商品名:WAVY WAVY等が挙げられる。紙基材には、樹脂が含有されて剛性、耐水性、耐熱水性が付与されたものでもよい。
【0018】
熱可塑性樹脂層は、保形性や耐水性等の特性を持たせるため等に設けられている。熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、変性ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール等が挙げられる。熱可塑性樹脂層の厚さは、特に限定されず、熱可塑性樹脂や紙基材に応じて任意に決められるが、例えば、0.03μm〜0.05μmの範囲が望ましい。
【0019】
熱可塑性樹脂層は、例えばラミネートにより設けられ、このラミネート方法としては、特に限定されず、ドライラミネート法、エクストルーダーサンドラミネート法、共押し出しラミネート法、ウエットラミネート法等が挙げられる。
【0020】
紙製ブランク2は、例えば、矩形状に形成されている。紙製ブランク2は、ロール状に巻かれたロール体から所望の矩形状の大きさに切断したものであってもよい。
【0021】
一対の金型3、4は、紙製ブランク2をプレス成形して仕切付紙製容器5を製造するものであり、所望の形状の仕切付紙製容器5を形成し得るように、例えば、メス金型3とオス金型4とからなる。
【0022】
メス金型3は、金型凹部31と金型凹部の周縁が平面状に形成された平面部32とを備えている。金型凹部31内には、仕切付紙製容器5の仕切を形成するための凸部(図示せず)が設けられている。オス金型4は、メス金型3の上方にその上下方向に移動可能に設けられている。オス金型4は、金型凹部31に嵌合して紙製ブランク2をプレス成形して絞り加工する金型凸部41を備えている。このオス金型4とメス金型3とは、金型凸部41が金型凹部31に嵌合時(プレス成形時)、金型凸部41と金型凹部31との間の間隔が紙製ブランク2の厚さと同じ寸法で形成されてなる。なお、本発明において紙製ブランク2の厚さと同じ寸法とは、紙製ブランク2の厚さと略同じ寸法が含まれているものとする。
【0023】
オス金型4を移動させる移動手段としては、特に限定されないが、オス金型4とメス金型3とが嵌合する時間すなわちプレス時間を調節し得るものが好ましく、例えば、油圧シリンダ11等が挙げられる。例えば、油圧シリンダ11のピストンロッド12には、移動体15が設けられ、この移動体15にオス金型4が設けられて、オス金型4は、メス金型3の上方にその上下方向に移動可能になって金型凸部41が金型凹部31に嵌合して紙製ブランク2をプレス成形して絞り加工し得るようになっている。
【0024】
また、メス金型3とオス金型4には、メス金型3及びオス金型4をそれぞれ加熱する加熱器7、8が設けられている。加熱器7、8は、メス金型3及びオス金型4をそれぞれ個別に所定の温度に加熱することができれば特に限定されない。メス金型3に設けられている加熱器7(第1加熱器7ということがある。)は、例えば、メス金型3を140℃〜160℃、特に150℃に加熱することができるものである。また、オス金型4に設けられている加熱器8(第2加熱器8ということがある。)は、例えば、オス金型4を90℃〜120℃、特に110℃に加熱することができるものである。なお、本発明において90℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃とは、略90℃、略110℃、略120℃、略130℃、略140℃、略150℃、略160℃が含まれているものとする。
【0025】
また、金型凸部41の周囲には、ホルダ9が設けられていることが好ましい。ホルダ9は、金型凸部41と金型凹部31とが嵌合する前に平面部32に接触して平面部32とで紙製ブランク2の周囲を保持するものである。この保持力は、金型凸部41と金型凹部31とが嵌合するときに紙製ブランク2が金型凹部31内にスライド移動し得る保持力であることが好ましい。すなわち、この保持力は、ホルダ9と平面部32とで紙製ブランク2を保持させても、金型凸部41と金型凹部31とが嵌合するときに紙製ブランク2が金型凹部31内に引き込まれてプレス成形し得る保持力であることが好ましい。
【0026】
ホルダ9は、例えば、金型凸部41の周囲を覆う矩形枠状に形成されている。ホルダ9には支持部材91が設けられ、この支持部材91が移動体15に上下方向に移動可能に設けられている。ホルダ9と移動体15との間には、ホルダ9を移動体15から離間する方向に付勢する付勢手段95が設けられている。付勢手段95は、例えば、コンプレッションスプリング等である。この付勢手段95の付勢力がホルダ9と平面部32とで紙製ブランク2を保持する保持力を決定するものであり、この付勢手段95の付勢力を調節することにより、その保持力を調節することができる。
【0027】
また、ホルダ9の平面部と接触する保持面9aは、図3に示すように、平面状に形成されている。この保持面には、オス金型4方向に延びる溝9bが多数設けられており、金型凸部41と金型凹部31とが嵌合するときに紙製ブランク2が金型凹部31内に引き込まれ易いようになっている。なお、油圧シリンダ11のピストンロッド12に移動体15を設け、この移動体15にオス金型4とホルダ9を設けたが、油圧シリンダ11のピストンロッド12にオス金型を設け、このオス金型にホルダ9を設けるようにしてもよい。
【0028】
次に、この仕切付紙製容器の製造装置1を用いて本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法を説明する。
【0029】
まず、第1加熱器7及び第2加熱器8により、例えば、メス金型3を150℃に加熱すると共に、オス金型4を110℃に加熱する。この状態のまま、矩形状の紙製ブランク2(図2(a)参照。)を図2(b)に示すようにメス金型3にその金型凹部31を閉塞するように任意の位置に載置する。
【0030】
載置後、油圧シリンダ11を駆動させて、オス金型4を下方に移動させる(メス金型3に向けて下降させる)。このとき、金型凸部41と金型凹部31とが嵌合する前であって金型凸部41が紙製ブランク2に接触する前に、図2(c)に示すように、ホルダ9が紙製ブランク2の周囲に接触して紙製ブランク2をメス金型3の平面部32に押し付ける。すなわち、ホルダ9と平面部32とで紙製ブランク2の周囲を保持する。保持後、金型凸部41が紙製ブランク2に接触して紙製ブランク2を金型凹部31内に押し込んで、図2(d)に示すように、紙製ブランク2を金型凸部41と金型凹部31とでプレス成形する。このプレス成形時間は、特に限定されないが、3秒〜5秒であることが好ましく、特に4秒であることが好ましい。
【0031】
このように、加熱された一対のメス金型3及びオス金型4で紙製ブランク2が加熱されつつプレス成形されるために、プレス成形時、紙製ブランク2が加熱されて軟化状態となるので、紙製ブランク2が切れることなくプレス成形される。このとき、メス金型3の方がオス金型4より温度が高く加熱されていることにより、確実に紙製ブランク2が切れることなくプレス成形することができる。また、金型凸部41と金型凹部31との間の間隔が紙製ブランク2の厚さと同じ寸法で形成されているために、プレス成形時に紙製ブランク2が切れることなくプレス成形される。その結果、得られた仕切付紙製容器5がプレス成形前の形状に戻ることがないので、仕切を設けても保形性に優れ、仕切付紙製容器5が歩留まりよく得られる。例えば、メス金型3を150℃に加熱すると共にオス金型4を110℃に加熱した状態で、紙製ブランク2を加熱しつつプレス成形すると、約35mmの深絞りの仕切付紙製容器5を歩留まり良く得られた。
【0032】
また、紙製ブランク2の周囲をホルダ9と平面部32とで保持した状態で、金型凸部41が紙製ブランク2を金型凹部31内に押し込むために、紙製ブランク2が立ち上がってしわになったり折れたりした状態でプレス成形されることがない。また、プレス成形時、紙製ブランク2の周囲がホルダ9と平面部32とで保持されて紙製ブランク2にテンションが掛けられているので、しわになることなくプレス成形を行える。その結果、紙製ブランク2を確実にプレス成形することができ、一層歩留まり良く仕切付紙製容器5を製造することができる。
【0033】
図2(e)及び(f)に示すようにプレス成形して得られた成形品の周縁部が例えばカット工程で刃形やレーザーカットによって縁取られると共に、耐久性が向上するように周縁部が丸く加工されて、仕切付紙製容器5となる。そして、この仕切付紙製容器5が検査工程や箱詰め工程等の他の工程に送られる。なお、成形品の周縁部の縁取りや加工は、プレス成形と同時に行うようにしてもよい。
【0034】
このように歩留まりよく仕切付紙製容器を製造することができるので、紙製の弁当箱を歩留まりよく製造することができる。例えば、前述の仕切付紙製容器の製造方法及び仕切付紙製容器の製造装置を用いて、例えば、図4に示すように、中仕切505を有する外箱501、食材別収容用中箱502及び蓋体503を作成することができる。
【0035】
外箱501は、特に限定されず、矩形状、円形状、楕円形状、三角形状、多角形状どのような形状でもよく、例えば、矩形状に形成されている。また、外箱501は、中仕切505を有していてもよいし、中仕切505がなくてもよい。食材別収容用中箱502は、外箱501に収容されるもので、その形状は特に限定されず、矩形状、円形状、楕円形状、三角形状、多角形状等が挙げられる。食材別収容用中箱502は、例えば、細長の矩形状に形成された第1の食材別収容用中箱511が1つと、矩形状に形成された第2の食材別収容用中箱512が2つと、矩形状に形成され、中仕切513aを有する第3の食材別収容用中箱513が1つの合計4つからなる。
【0036】
これらの4つの食材別収容用中箱511、512、512、513を外箱501内に収容させ、この外箱501に蓋体503で蓋をすることにより、紙製の弁当箱500を作成することができる。この弁当箱500は、外箱501、食材別収容用中箱511、512、512、513、蓋体503が前述の第1及び第2の仕切付紙製容器の製造方法を用いて作成されているので、品質がよいと共に歩留まりよく製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法は、加熱された一対の金型で紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して仕切付の紙製容器を製造することにより、プレス成形時、紙製ブランクが加熱されて軟化状態となり、プレス成形前の形状に戻ることがないので、仕切付紙製容器を歩留まりよく製造することができ、弁当箱、弁当箱用の中敷容器、トレー、化粧品箱、化粧品箱用の中敷容器、お菓子箱、お菓子箱用の中敷容器、果物箱、果物箱用の中敷容器等のその他の容器の製造方法として好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る仕切付紙製容器の製造装置の一例を示す概略構成図で、(a)は一対の金型が嵌合する前の状態を示す図、(b)は一対の金型が嵌合した状態を示す図である。
【図2】本発明に係る仕切付紙製容器の製造方法の一例を説明するための図である。
【図3】本発明に係るホルダの一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る紙製の弁当箱の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 仕切付紙製容器の製造装置
2 紙製ブランク
3 メス金型
4 オス金型
5 仕切付紙製容器
7 加熱器
8 加熱器
9 ホルダ
11 油圧シリンダ
15 移動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製ブランクを一対の金型でプレス成形して仕切付紙製容器を製造する方法であって、
前記一対の金型を加熱して、この加熱した一対の金型で前記紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して仕切付の紙製容器を製造することを特徴とする、仕切付紙製容器の製造方法。
【請求項2】
前記一対の金型が、メス金型と、このメス金型の上方に上下方向に移動可能に配置されたオス金型とからなり、前記メス金型が、前記オス金型より高い温度に加熱されることを特徴とする、請求項1に記載の仕切付紙製容器の製造方法。
【請求項3】
前記メス金型が、140℃〜160℃に加熱されると共に、前記オス金型が、90℃〜120℃に加熱されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の仕切付紙製容器の製造方法。
【請求項4】
前記紙製ブランクが、100%パルプの紙基材を含むことを特徴とする、請求項1〜3のずれか1項に記載の仕切付紙製容器の製造方法。
仕切付紙製容器。
【請求項5】
加熱されている一対の金型で100%パルプの紙基材を含む紙製ブランクを加熱しつつプレス成形して得られたことを特徴とする、仕切付紙製容器。
【請求項6】
紙製ブランクを一対の金型でプレス成形して仕切付紙製容器を製造する装置であって、
前記一対の金型が、当該金型を加熱する加熱器をそれぞれ有し、かつ、これら金型のプレス成形時の間隔が、前記紙製ブランクの厚さと同じ寸法で形成されていることを特徴とする、仕切付紙製容器の製造装置。
【請求項7】
前記一対の金型が、金型凹部及び金型凹部の周縁が平面状に形成された平面部を有するメス金型と、このメス金型の上方に上下方向に移動可能に設けられ、前記金型凹部に嵌合して前記紙製ブランクをプレス成形して絞り加工する金型凸部を有するオス金型とからなり、
前記金型凹部と前記金型凸部とが嵌合する前に前記平面部に接触して当該平面部とで前記紙製ブランクの周囲を保持すると共にこの保持が前記金型凹部と前記金型凸部とが嵌合するときに紙製ブランクが前記金型凹部内にスライド移動し得る保持力であるホルダを備えたことを特徴とする、請求項6に記載の仕切付紙製容器の製造装置。
【請求項8】
前記メス金型の上方に、前記金型凸部及び前記ホルダが設けられている移動体を設け、この移動体を上下方向に移動可能に支持する油圧シリンダを設けたことを特徴とする、請求項7に記載の仕切付紙製容器の製造装置。
【請求項9】
前記ホルダが、前記オス金型の周囲を覆う枠状に形成され、このホルダの前記平面部に接触する保持面が平面状に形成され、この保持面に、前記オス金型方向に延びる溝を多数設けたことを特徴とする、請求項7又は8に記載の仕切付紙製容器の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−223157(P2007−223157A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46875(P2006−46875)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(504026742)有限会社朝日商会 (2)
【Fターム(参考)】