説明

付着性のあるエチレン性ブロックコポリマー、それらを含有する化粧品用組成物及び化粧品におけるそれらの使用

本発明は、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも二のブロックを含有し、該ブロックの少なくとも一が20℃を超えないガラス転移温度を有する直鎖状のエチレン性ブロックコポリマーに関し;該ポリマーは1Nを超えるタック又は付着性を有するものである。また本発明は、前記コポリマーを含有する化粧品用組成物に関する。コポリマーは、毛髪のスタイリング力及び毛髪用ラッカーの維持性を高め、ネイルラッカーの付着性を増加させ、メークアップ用組成物の維持性及び付着性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、付着性のあるエチレン性ブロックコポリマー型の特定の構造を有する新規のポリマーに関する。
また本発明は、特定の構造を有する前記ポリマーを含有する化粧品用又は製薬用組成物、特に毛髪用組成物に関する。
さらに本発明は、皮膚、爪又は毛髪をトリートメントするための、これらのポリマーの美容的用途に関する。
【0002】
化粧品市場において最も広範囲に流通しているヘアスタイルの成形及び/又は保持のための毛髪のスタイリング用組成物は、スタイリングゲル及びムース又はスプレーである。 これらの組成物は、その官能基の一つが毛髪との間の結合を形成する一又は複数のポリマー樹脂を含有している。これらの化合物は固定剤としても知られており、種々の化粧品用添加剤と混合される。
さらに、高ガラス転移温度のビニルポリマーが仏国特許出願公開第2439798号から化粧品において公知であり、特にスタイリング用組成物に含まれる。
【0003】
スタイリング用組成物の分野では、このようなポリマーはヘアスタイルを保持することを可能にするが、傷みやすい(brittle)という欠点があり、経時的にヘアスタイルを良好に保持することができなくなる。
この傷みやすいという欠点を克服するために、一般的にポリマーは可塑剤で可塑化されているが、これらの可塑剤はポリマーのスタイリング特性を損なうものであった。
よって、組成物、特に化粧品用組成物に含まれる場合、従来技術の組成物の欠点、制限、欠陥及び不具合を有さない組成物にするポリマーが必要とされている。
特に、このようなポリマーは、毛髪をトリートメントするための組成物において、自然な効果を維持しつつ、より良好な保持性を付与するものでなければならない。爪をトリートメントするための2層コーティング組成物においては、最初のコーティングの良好な付着性を可能にし、最後に皮膚をトリートメントするための組成物においては、爪に突張感を付与することなく、快適で非粘着質であると同時に、皮膚へのメークアップの付着を可能にしなければならない。
【0004】
本発明の目的は、とりわけ上述した必要性、特徴及び要求を満足させ、従来技術のポリマーの問題を解決するポリマーを提供することにある。
この目的及びその他の目的は、本発明によって:
− 異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも二のブロックであって;
− これらのブロックの少なくとも一が20℃以下のガラス転移温度を有するもの、
を含んでなる直鎖状のエチレン性ブロックコポリマーであって、1Nを超える付着性又は「タック(tack)」値を有するコポリマーにより、達成される。
また本発明の主題は、前記直鎖状のエチレン性ブロックコポリマーを含有する化粧品用組成物にある。
【0005】
本発明の特定の構造を有するコポリマーは、化粧品用組成物に導入されると、従来のポリマーでは得ることのできなかった、極めて有利な特性を得ることができる。一般に、これらのポリマーは付着性を有しており、よって改善された保持性及び付着性を有する組成物又は系を生じる。
しかして、本発明のコポリマーが毛髪をトリートメントするための組成物、例えばラッカー又はシャンプーに使用される場合、それらは自然な効果を維持しつつ、より良好な保持性を付与する。爪をトリートメントするための組成物、例えばネイルラッカーでは、それらは最初のコーティングの付着性を増加させる。皮膚をトリートメントするための組成物、すなわち多様なメークアップ用組成物では、本発明のコポリマーにより、皮膚への付着性が改善され、快適感が付与され、べとつき感がなくなり、皮膚の突張感が生じない。
【0006】
また本発明は、本発明の化粧品用組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質をメークアップし又は美容的手入れをするための美容方法に関する。
よって本発明は、スタイリング力及び毛髪用ラッカーの保持力を改善するための本発明のコポリマーの使用、ネイルラッカーの付着性を改善するためのコポリマーの使用、最後にメークアップ用組成物の保持力及び付着性を改善するためのコポリマーの使用に関する。
しかして、本発明のコポリマーは、従来のポリマーが有する問題を解決するものである。
【0007】
基本的に直鎖状ポリマーである本発明の特定のコポリマーの予期しない有利な利点は、第1にこの直鎖状の性質により、第2にそれらを構成するブロックの特定の性質により生じる。
特に、本発明のコポリマーのブロックは特定のガラス転移温度により定まる。特定の直鎖状コポリマーを使用し、またコポリマーを構成するブロックの定まったTg条件を設定することにより、本発明において、コポリマーの優れた組合せ特性を得ることができることについては、従来技術では何ら示唆されていない。
【0008】
如何なる理論にも束縛されるものではないが、本発明のコポリマーの有利な特性は、コポリマーを構成するブロックの特定の選択及び特定の構造により、ブロック間の相分離が促進されるという点から生じると考えられる。
特に、本発明の直鎖状コポリマーは、エチレン性コポリマーであると定義されている。これは、このコポリマーを構成しているブロックが誘導されるモノマーが、エチレン型の炭素-炭素不飽和二重結合を含むモノマーであることを意味する。
加えて、特に本発明のコポリマーは直鎖状コポリマーである。これは、本発明が、非直鎖状の構造、例えば分枝状、星型、グラフト等の構造を有するコポリマーをカバーすることを意図していないことを意味する。本発明のコポリマーの直鎖状の性質は、該コポリマーを含有する組成物に、上述した有利な特性を付与するのに重要である。
【0009】
有利には、本発明のコポリマーは皮膜形成ポリマーであり、すなわち20℃〜30℃の範囲の温度で、それだけで、又は補助的な皮膜形成剤の存在下で、ケラチン支持体に付着する(肉眼で見える)連続した皮膜を形成可能である。
本発明において、コポリマーは異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも二のブロックを含有しており、またコポリマーのこれらのブロックの少なくとも一は20℃以下のガラス転移温度を有する。
ガラス転移温度Tgは、本発明のコポリマーのブロック、ひいては本発明のコポリマーを定義する必須のパラメータであるため、本発明で使用されるコポリマー中のブロックのガラス転移温度を示すことは非常に重要であり、該ガラス転移温度は、乾燥ポリマーを、10℃/分の加熱速度で示差走査熱量測定することで測定される。
【0010】
また、本発明のコポリマーは「付着性」又は「タック」といった特定の機械的基準によっても定まる。本発明のコポリマーは、一般に1Nを超える、好ましくは2Nを超える、より好ましくは3Nを超える付着性又はタックを有する。
Fmaxにより定義されるこの「付着性」又は「タック」は次の試験によって測定される。
Fmaxは、対向配置された2つの剛性のある不活性な非吸収性ガラス支持体(A)及び(B)の面積0.95cmの各表面を分離するのに必要な、伸び計を使用して測定される最大張力である。前記表面には、本発明の試験されるコポリマーを含有する組成物が予めコートされ、このコーティング用組成物は10%の固体濃度(C)(組成物100グラム当たりのグラム数)を有しており、支持体の表面は、4/C mg/cmの割合でコートされる。
【0011】
ついで、表面を50%の相対湿度下、22℃で48時間乾燥させ、次に3ニュートンの圧縮力を20秒間かけ、最後に10mm/分の速度で60秒、牽引にかける。
本発明のコポリマーの各ブロックは、一種類のモノマー又はいくつかの異なる種類のモノマーから誘導される。
このことは、各ブロックがホモポリマー又はコポリマーからなることを意味する;このコポリマーのブロックはついでランダム又は交互であってよい。
【0012】
本発明のコポリマーは、異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも二のブロックを含有する。有利には、異なるガラス転移温度を有するこれら2つのブロックのガラス転移温度の差は、一般的に40〜120℃、好ましくは40〜110℃、さらに好ましくは40℃〜100℃である。
コポリマーの数平均分子量は、一般的に10000〜500000、好ましくは50000〜200000である。
有利には、20℃以下のTgを有するブロックの割合は、ポリマーの99%〜40%、好ましくは95%〜55%、さらに好ましくは90%〜50%である。
有利には、20℃以下のTgを有するブロックは、20〜−100℃、好ましくは20℃〜−95℃、さらに好ましくは20〜−90℃のTgを有する。
【0013】
ガラス転移温度が20℃以下であり、ホモポリマー又はコポリマーであるブロックは、好ましくは、一又は複数のモノマーから全体的又は部分的に誘導されたものであり、これらのモノマーから調製されるホモポリマーは、20℃以下のガラス転移温度を有する。
より好ましくは、そのガラス転移温度が20℃以下のブロックは、一種類のモノマーからなるホモポリマー(対応するホモポリマーのTgが20℃以下である)である。
【0014】
そのホモポリマーが20℃以下のTgを有し、好ましくは本発明のコポリマーのTg≦20℃のブロック(群)から誘導されるモノマーは、好ましくは次のモノマーから選択される:
− 2〜10の炭素原子を有するエチレン性炭化水素、例えばエチレン、イソプレン及びブタジエン;
− 式CH=CHCOORのアクリラート類で、ここでRは、tert-ブチル基を除く、直鎖状又は分枝状で1〜12の炭素原子を有するアルキル基を表し、O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよく、該アルキル基は、ヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいもので;
− R基の例が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、エトキシエチル及びメトキシプロピル基であり、
・アクリラート類のRの他の例が、POE(ポリオキシエチレン)-C〜C12アルキル基で、オキシエチレン単位を5〜30回繰り返しているもの、例えばメトキシPOE、すなわちR''=C-C12アルキルであり、n=5〜30であるR基=R''-(OC)- であり、
・Rが5〜30のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレン基も示してもよいもの;
【0015】
− 次の式:
【化1】

[上式中、Rは、O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で3〜12の炭素原子を有するアルキル基を表し、該アルキル基はヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、R基の例は、ヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ラウリル、イソオクチル、イソデシル、ドデシル、メトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシエチル、POE(5〜30回繰り返してオキシエチレン単位を有するポリオキシエチレン)、及び(C〜C30)アルキル-POE(5〜30回のオキシエチレン単位の繰り返しを有する)である]
のメタクリラート類;
− 次の式:
-CO-O-CH=CH
[上式中、Rは直鎖状又は分枝状で2〜12の炭素原子を有するアルキル基を表す]
のビニルエステル;
− このようなビニルエステルの例は:プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、エチルヘキサン酸ビニル、ネオノナン酸ビニル及びネオドデカン酸ビニルである;
− 1〜12の炭素原子を有するアルキルのビニルエーテル、例えばメチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテル;
− N-(1〜12C)アルキルアクリルアミド類、例えばN-オクチルアクリルアミド。
特に好ましいモノマーは:n-ブチルアクリラート、エチルヘキシルアクリラート、イソブチルアクリラート、メトキシエチルアクリラート、エトキシエチル(メタ)アクリラート及びn-ヘキシル(メタ)アクリラートである。
【0016】
上述したモノマーの他に、20℃以下のガラス転移温度を有するブロックで、その対応するホモポリマーのガラス転移温度Tgを20℃以下にするブロックは、付加的なモノマーとして知られている一又は複数の他の異なるモノマーを含有してよい。
これ又はこれらの付加的なモノマー(類)が、ブロックのTgが20℃以下になるように選択されることは明らかである。
【0017】
よって、20℃以下の適切なTgのブロックは、対応するホモポリマーのTgが20℃〜200℃、好ましくは20℃〜120℃の範囲にあるような第1のモノマー、及び対応するホモポリマーのTgが20℃〜−100℃の範囲にあるような第2のモノマーからなるコポリマーから形成され得る。
例えば、100℃に等しい(対応するホモポリマーの)Tgを有するモノマーを、モノマーの全重量に対して35重量%、及び−70℃に等しいTgを有するモノマーを65重量%の割合で、ブロックを形成するコポリマーにおいて組合せることができ、結果として得られるブロックは−30℃のTgを有するであろう。
【0018】
しかして、その等価なホモポリマーが20℃を超えるTgを有しているこれらの付加的なモノマーは、特にアクリラート類、メタクリラート類、メタ(アクリルアミド)、ビニル及びアリル化合物から選択される。
付加的なモノマー(対応するホモポリマーのTg>20℃)は、特に次のモノマーから選択される:
− 次の式:
CH=CH-R
[上式中、Rはヒドロキシル基;次の基:
【化2】

〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)、例えばフルフリル基であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環又は複素環式アルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また該アルキル基はヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のビニル化合物。
【0019】
ビニルモノマーの例は、ビニルシクロヘキサン、スチレン及び酢酸ビニルである。
【0020】
− 式:
CH=CH-COOR
[上式中、Rはtert-ブチル基;C〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)、例えばフルフリル基であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環又は複素環式アルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また該アルキル基はヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のアクリラート類。
アクリラートモノマーの例は、t-ブチルシクロヘキシルアクリラート、tert-ブチルアクリラート、t-ブチルベンジルアクリラート、フルフリルアクリラート及びイソボルニルアクリラートである;
【0021】
− 次の式:
CH=C(CH)-COOR
[上式中、Rは、アルキル基がヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル又はイソブチル基;C〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)、例えばフルフリル基であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、又は複素環又は複素環式アルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また該アルキル基はヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のメタクリラート類。
メタクリラートモノマーの例は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、n-ブチルメタクリラート、メタクリル酸イソブチル、t-ブチルシクロヘキシルメタクリラート、t-ブチルベンジルメタクリラート、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル及びメタクリル酸イソボルニルである;
【0022】
− 次の式:
【化3】

[上式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又は直鎖状又は分枝状で1〜12の炭素原子を有するアルキル基、例えばn-ブチル、t-ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチル又はイソノニル基を表し、R'はH又はメチルを示す]
の(メタ)アクリルアミド類。
(メタ)アクリルアミドモノマーの例は、N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド及びN,N-ジブチルアクリルアミドである。全ての中で好ましくいモノマーとしては、アクリル酸フルフリル、アクリル酸イソボルニル、tert-ブチルアクリラート、tert-ブチルシクロヘキシルアクリラート、tert-ブチルベンジルアクリラート、メタクリル酸メチル、n-ブチルメタクリラート、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、スチレン、酢酸ビニル及びビニルシクロヘキサンから選択されるものを挙げることができる。
【0023】
特に好ましいこれら付加的なモノマーの例は、メタクリル酸メチル、スチレン、(メタ)アクリル酸、アクリル酸イソボルニル及びアクリル酸フルフリルである。
これ又はこれらの付加的なモノマー(類)は、20℃以下のTgを有するブロックの全重量に対して、50重量%以下、好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下の量で一般的に存在する。
【0024】
有利には、本発明のコポリマーは、親水性モノマーを有する少なくとも一の親水性ブロックを含有する。
親水性ブロックは水溶性又は水分散性のブロックとして定義されてもよい。
ブロックを形成するポリマーが25℃で少なくとも5重量%の割合で水に溶解するならば、それは水溶性であるとされる。ブロックを形成するポリマーが、5%濃度及び25℃において、微細で一般的には球形粒子の安定した懸濁液を形成するならば、それは水分散性であるとされる。前記分散液を構成する粒子の平均径は1μm未満、一般的には5〜400nm、好ましくは10〜250nmの範囲である。これらの粒子径は光散乱により測定される。
【0025】
親水性ブロックは、好ましくはそのガラス転移温度が20℃を超えるものであるが、そのガラス転移温度が20℃以下のものであってもよい。
そのホモポリマーが20℃未満のガラス転移温度を含有する親水性モノマーは一般的でないことが知られている。
有利には、親水性ブロックが20℃以下のガラス転移温度を有するブロックである場合、それは有利にはコポリマーである。
この親水性ブロックは、有利には、対応するホモポリマーが20℃を超えるTgを有する一又は複数の親水性モノマー(類)、及びそのホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するものから選択される一又は複数の他の非親水性モノマー(類)を含有する。
【0026】
種々の親水性及び非親水性モノマーの割合は、好ましくは、コポリマーを構成する全ブロックが20℃を超えるTgを有するように選択される。
親水性ブロックが20℃を超えるガラス転移温度を有する場合、一般的に70%〜100%、好ましくは80%〜100%の親水性モノマーを、対応するホモポリマーのTgが20℃を超えるように含有する。
親水性ブロックが20℃以下のガラス転移温度を有する場合、一般的に10%〜70%未満、好ましくは20%〜65%の親水性モノマーを、対応するホモポリマーのTgが20℃を超えるように含有する。
【0027】
対応するホモポリマーのTgが20℃を超える親水性モノマーの例には、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー及び非イオン性モノマーが含まれる。
カチオン性モノマーの例は:
− 2-ビニルピリジン;
− 4-ビニルピリジン;
− ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA);
− ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA);
− ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;及びそれらの塩、
例えば硫酸又は塩酸等の無機酸の塩、もしくは有機酸の塩のいずれであってもよい。
これらの有機酸は、一又は複数のカルボキシル、スルホン又はホスホン基を有していてもよい。それらは直鎖状、分枝状又は環状の脂肪族酸又は芳香族酸であってよい。これらの酸はO及びNから選択される一又は複数のヘテロ原子を、例えばヒドロキシル基の形態で有していてもよい。
【0028】
アルキル基を有する酸の例は、酢酸:CHCOOHである。
多酸の例はテレフタル酸である。
ヒドロキシ酸の例は、クエン酸及び酒石酸である。
【0029】
アニオン性モノマーの例は:
− アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、及びマレイン酸;
− スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルホスホン酸、及びそれらの塩;
である。
【0030】
中和剤は無機塩基、例えばLiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)又はNHOH、又は有機塩基、例えば第1級、第2級又は第3級アミン、例えば第1級アルキルアミン、例えば2-アミノ-2-メチルプロパノール、又は第2級又は第3級アルキルアミンであってよい。
【0031】
非イオン性モノマーの例は:
− (メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルでアルキル基が2〜4の炭素原子を有するもの、特に(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
− ビニルラクタム類、(メタ)アクリルアミド類、及びN-(C-C)アルキル(メタ)アクリルアミド類、例えばイソブチルアクリルアミド;及び多糖類(メタ)アクリラート類、例えばスクロースアクリラート;
である。
【0032】
コポリマーが親水性ブロックを含有していても、コポリマー全体が親水性ある必要はないことを記すべきである。
【0033】
本発明の直鎖状のエチレン性ブロックコポリマーは:
− ジブロックコポリマー;
− トリブロックコポリマー;
− 3つのブロック以上を含有する多ブロックコポリマー;
から選択される。
多ブロックコポリマーの場合、一又は二のブロックはTgが20℃以下であるという基準を満たしている。他のブロックは20℃超え、200℃未満のTgを有する。
例えば、コポリマーは、Tg≦20℃を有する2つのブロック、及びTg≧20℃を有する一又は二のブロックを含有してよい。
【0034】
本発明のコポリマーはアニオン重合により調製されてもよい。
しかしながら好ましくは、本発明のコポリマーは制御フリーラジカル重合(controlled free-radical polymerization)による第1方式で得られるが、標準的なフリーラジカル重合による第2方式で得られてもよい。
【0035】
第1方式:
本発明のブロックコポリマーは、特に「New Method of Polymer Synthesis」Blackie Academic & Professional, London,1995, Volume 2, 1頁に記載されたような、制御フリーラジカル重合により好ましく得られる。
制御フリーラジカル重合により、特に停止段階における成長フリーラジカル種の不活性化反応を減じることができ、これらは、標準的なフリーラジカル重合において、ポリマー鎖の成長を不可逆的及び非制御的に停止させる反応である。
停止反応の可能性を低減させるために、低解離エネルギーを有する結合の形成において、「休眠(dormant)」活性種を形成させることにより、成長フリーラジカル種を一時的かつ可逆的にブロックすることを提案している。
【0036】
従って、重合は、原子移動に従い、又はニトロキシドとの反応により、又は「可逆的付加-フラグメンテーション鎖移動」技術に従い実施され得る。
略語ATRPとしても知られている原子移動フリーラジカル法は、C-ハライド型の結合の形成(金属/配位子錯体の存在下)において、成長フリーラジカル種をブロックすることからなる。この種の重合は、形成されたポリマーの質量の制御性、及び低多分散性指標により表される。
【0037】
一般的に、原子移動フリーラジカル重合は:
− 少なくとも一つの転移可能なハロゲン原子を含有する開始剤;
− 開始剤及び「休眠」ポリマー鎖と共に、還元段階に関与可能な遷移金属を含有する化合物;及び、
− 窒素(N)、酸素(O)、リン(P)又は硫黄(S)原子を有する化合物から選択され得、遷移金属を含有する該化合物にσ結合を介して配位されうる配位子;
の存在下、一又は複数のフリーラジカル重合性モノマーが重合することにより実施され、該遷移金属を含有する化合物とポリマーとの間の直接結合の形成は回避される。
ハロゲン原子は好ましくは塩素又は臭素原子である。
この方法は、特に、国際公開第97/18247号、及びJACS, 117, 5614頁(1995)に公開されているMatyjasezwskiらによる文献に記載されている。
【0038】
ニトロキシドとの反応によるフリーラジカル重合技術は、C-ONR型結合の形成において、成長フリーラジカル種をブロックすることからなり、ここでR及びRは互いに独立して、2〜30の炭素原子を有するアルキル基であるか、又は窒素原子と共に、4〜20の炭素原子を有する環、例えば2,2,6,6-テトラメチルピペリジル環を形成する。この重合技術は、特に国際公開第99/03894号、又はMacromol. Chem. Phys. 1998, Vol.199, 923-935頁に公開されている「Macromolecular engineering via living free radical polymerizations」、及びMacromolecules 1997, 30巻, 4238-4242頁に公開されている「Systhesis of nitroxy-functionalized polybutadiene by anionic polymerization using a nitroxy-functionalized terminator」の論文に記載されている。
【0039】
RAFT(可逆的付加-フラグメンテーション鎖移動)重合技術は、C-S型結合の形成において、成長フリーラジカル種をブロックすることからなる。ジチオ化合物、例えばチオベンゾアート類、ジチオカルバマート類又はキサンタンジスルフィド類がこのために使用される。この技術は、Macromolecules 1999, 32巻, 2071-2074頁に公開されている「A more versatile route to block copolymers and other polymers of complex architecture by living radical polymerization:the RAFT profess」の論文、及び国際公開第98/58974号に特に記載されている。
【0040】
第2方式:
また本発明のブロックポリマーは、連続してモノマーを成型する(cast)ことによる標準的なフリーラジカル重合技術を使用することにより得られ得る。この場合は、ブロックの性質を制御することのみ可能である(質量の制御はされない)。
このことは、第1段階において、重合反応器においてモノマーM1を重合させ、反応速度により、経時的なその消費度合いをモニターし、ついでM1が約95%消費された時に、重合反応器に新たなモノマー2を導入する。
このようにしてM1-M2型のブロック構造のポリマーが容易に得られる。
【0041】
また本発明は、上述した特定の構造のコポリマーを含有する化粧品用又製薬用組成物に関する。
一般的に、これらの組成物は、本発明のコポリマーを、0.1重量%〜60重量%、好ましくは0.5重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜40重量%含有する。
【0042】
本発明のこれらの化粧品用組成物は、前記ポリマーの他に、生理学的に許容可能な媒体、すなわちケラチン物質、例えば皮膚、毛髪、まつげ、眉毛及び爪と融和性のある媒体を含有する。
一般的に、全組成物は生理学的に許容可能であるとみなされるべきである。
前記生理学的に許容可能な媒体は、一般的に、本発明のコポリマーが溶解又は分散した形態で存在する、生理学的に許容可能な適切な溶媒を含む。
【0043】
よって、組成物は、親水性相を形成する溶媒として、水、又は水と親水性有機溶媒(類)、例えばアルコール類、特に2〜5の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の低級モノアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール又はn-プロパノール、及びポリオール類、例えばグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール及びポリエチレングリコール類との混合物を含有していてもよい。また親水性相は親水性Cエーテル及びC-Cアルデヒド類を含有していてもよい。
水、又は水と親水性有機溶媒との混合物は、組成物の全重量に対して0〜99重量%(特に0.1〜99重量%)、好ましくは10重量%〜80重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在し得る。
【0044】
また組成物は、特に室温(一般的に25℃)で液状の脂肪物質、及び/又は室温で固体状の脂肪物質、例えばロウ、ペースト状の脂肪物質、及びガム類、及びそれらの混合物からなる脂肪相をさらに含有してよい。これらの脂肪物質は動物、植物、鉱物又は合成由来のものであってよい。この脂肪相は、親油性有機溶媒をさらに含有し得る。
【0045】
多くの場合油として知られており、本発明で使用されてもよい室温で液状の脂肪物質としては、動物由来の炭化水素ベース油、例えばペルヒドロスクワレン、炭化水素ベースの植物性油、例えば4〜10の炭素原子を有する脂肪酸の液状トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸のトリグリセリド、又はヒマワリ油、コーン油、大豆油、グレープシード油、ゴマ種油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド類、ホホバ油及びカリテバター;鉱物又は合成由来で直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、及び水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(parleam);合成エステル及び合成エーテル、特に脂肪酸とのもの、例えばプルセリン油、ミリスチン酸イソプロピル、2-エチルヘキシルパルミタート、2-オクチルドデシルステアラート、2-オクチルドデシルエルカート及びイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチル、及び脂肪アルキルのヘプタノアート、オクタノアート及びデカノアート;ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノアート、ネオペンチルグリコールジヘプタノアート、又はジエチレングリコールジイソノナノアート;及びペンタエリトリトールのエステル;12〜26の炭素原子を有する脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール;部分的に炭化水素ベース又はシリコーンベースのフルオロ油;シリコーン油、例えば、室温で液状又はペースト状であり、揮発性又は非揮発性で直鎖状又は環状のポリメチルシロキサン類(PDMS)、例えばシクロメチコーン類、ジメチコーン類で、場合によってはフェニル基を有しているもの、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、フェニルジメチコーン類及びポリメチルフェニルシロキサン類;それらの混合物を挙げることができる。
これらの油は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜90重量%、好ましくは0.1重量%〜85重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0046】
本発明の組成物は、化粧品的に許容可能な(許容可能な忍容性、毒性及び感触の)一又は複数の有機溶媒をさらに含有してよい。
これらの溶媒は、組成物の全重量に対して、一般的に0重量%〜90重量%、好ましくは0.1重量%〜90重量%、より好ましくは10重量%〜90重量%、さらに好ましくは30重量%〜90重量%の範囲の含有量で存在し得る。
【0047】
本発明の組成物に使用され得る溶媒としては、酢酸エステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、2-メトキシエチルアセタート又は酢酸イソプロピル;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン;炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ヘキサン又はヘプタン;5〜10の炭素原子を有するアルデヒド類;少なくとも3つの炭素原子を有するエーテル;及びそれらの混合物を挙げることができる。
ロウは、炭化水素ベースワックス、フルオロワックス及び/又はシリコーンワックスであってよく、また植物、鉱物及び/又は合成由来のものであってよい。特に、ロウは25℃を超える、好ましくは45℃を超える融点を有する。
本発明の組成物に使用され得るロウとしては、ミツロウ、カルナウバロウ又はキャンデリラロウ、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン又はオゾケライト;合成ロウ、例えばポリエチレンワックス又はフィッシャー-トロプシュワックス、又はシリコーンワックス、例えばアルキルジメチコーン類、又はアルコキシジメチコーン類で、16〜45の炭素原子を有するものを挙げることができる。
【0048】
ガム類は、一般的に、高分子量のポリジメチルシロキサン類(PDMSs)又はセルロースガム又は多糖類であり、ペースト状物質は、一般的に炭化水素ベース化合物、例えばラノリン類とその誘導体、又はPDMSである。
固体状物質の種類及び量は、所望する機械的特性及びテクスチャーに依存する。指針として、組成物は、組成物の全重量に対して0〜50重量%、好ましくは1重量%〜30重量%のロウを含有し得る。
ポリマーは、一又は複数の補助的な皮膜形成剤と組合せられてもよい。このような皮膜形成剤は、所望の機能を実行可能なように、当業者に公知の任意の化合物から選択され、特に可塑剤及び合体剤から選択され得る。
【0049】
本発明の組成物は、水溶性染料及び微粉状染料、例えば顔料、真珠光沢剤(真珠母)及びフレーク類で、当業者によく知られているものから選択される一又は複数の染料をさらに含有してよい。染料は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲の含有量で、組成物に存在し得る。
【0050】
「顔料」なる用語は、組成物を着色させることを意図しており、生理学的な媒体に不溶な、白色又は有色の任意の形態の無機又は有機粒子を意味すると理解すべきである。
「真珠光沢剤」なる用語は、特にある種の軟体動物により貝殻の内部に生成されたか合成等された、任意の形状をした真珠光沢のある粒子を意味するものと理解されるべきである。
顔料は、白色又は有色、無機物及び/又は有機物であってよい。無機顔料としては、表面処理されていてもよい二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄(黒、黄又は赤)又は酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、及びフェリックブルー、及び金属パウダー、例えばアルミニウムパウダー又は銅パウダーを挙げることができる。
有機顔料としては、カーボンブラック、D&C型の顔料、アルミニウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、コチニールカルミンをベースとしたレーキ類を挙げることができる。
【0051】
真珠光沢顔料は、白色の真珠光沢顔料、例えば、チタン被覆マイカ又はオキシ塩化ビスマス被覆マイカ、有色の真珠光沢顔料、例えば、酸化鉄で被覆されたチタンマイカ、特にフェリックブルー又は酸化クロムで被覆されたチタンマイカ、上述したタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢顔料から選択され得る。
水溶性染料は、例えばビート根汁又はメチレンブルーである。
【0052】
本発明の組成物は、特に組成物の全重量に対して0.01重量%〜50重量%の範囲、好ましくは0.01重量%〜30重量%の範囲の量で、一又は複数のフィラーをさらに含有してよい。「フィラー」なる用語は、組成物が製造される温度に関係なく、組成物の媒体に不溶である、任意の形態をした無色又は白色の無機又は合成粒子を意味すると理解すべきである。これらのフィラーにより、特に組成物のレオロジー又はテクスチャーが変化する。
フィラーは、結晶形態(例えば小葉状、立方体状、六角形状、斜方晶状等)に関係なく、血漿板形、球形又は長方形等の任意の形態の鉱物性又は有機物であってよい。例えば、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリアミドパウダー(ナイロン(登録商標))(アトケム社(Atochem)のオルガソール(Orgasol(登録商標)))、ポリ-β-アラニンパウダー、及びポリエチレンパウダー、テトラフルオロエチレンポリマー(テフロン(登録商標))パウダー、ラウロイルリジン、スターチ、窒化ホウ素、 中空ポリマーミクロスフィア、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルのもの、例えばエクスパンセル(Expancel(登録商標))(ノーベルインダストリー社(Nobel Industrie))、アクリル酸コポリマーのもの(ダウ・コーニング社(Dow Corning)のポリトラップ(登録商標))、シリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば、東芝(Toshiba)のトスパール(Tospearl(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカミクロスフィア(マプレコス社(Maprecos)のシリカビーズ(登録商標))、ガラス又はセラミックマイクロカプセル、8〜22の炭素原子、好ましくは12〜18の炭素原子を含有する有機カルボン酸から誘導される金属石鹸、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛及びミリスチン酸マグネシウムを挙げることができる。
【0053】
本発明の組成物は、化粧品に一般的に使用されている成分、例えばビタミン類、増粘剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、防腐剤、サンスクリーン剤、界面活性剤、酸化防止剤、抜毛を防止するための薬剤、抗フケ剤及び噴霧剤、又はそれらの混合物をさらに含有してよい。
言うまでもなく、当業者であれば、考えられる添加により本発明の組成物の有利な特性が悪影響を受けないか又は実質的に受けないように留意して、これ又はこれらの任意の付加的な化合物(類)及び/又はそれらの量を選択するであろう。
【0054】
本発明の組成物は、懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルション、特に水中油型(O/W)又は油中水型(W/O)エマルション、又は多相エマルション(W/O/W又はポリオール/O/W又はO/W/Oエマルション)の形態、クリーム、ペースト、ムース、小胞体、特にイオン性又は非イオン性脂質の分散液、2相又は多相ローション、スプレー、パウダー、ペースト、特に柔軟なペースト(特に円錐/平板幾何構成で10分間測定した後、200s−1の剪断速度、25℃で、約0.1〜40Pa.sの動粘性係数を有するペースト)であってよい。組成物は無水であってよく、例えば無水ペーストであってよい。
当業者であれば、自身の一般的な知識に基づき、第1に使用される成分の性質、特に支持体におけるそれらの溶解度、第2に組成物の意図する使用を配慮し、適切な提供形態、及びその調製方法を選択し得る。
【0055】
本発明の組成物は、メークアップ用組成物、例えば顔色用製品(ファンデーション)、口紅、アイシャドウ、唇用製品、コンシーラ製品、ほほ紅、マスカラ、アイライナー、眉毛のメークアップ用製品、リップペンシル、アイペンシル、爪用製品、例えばネイルラッカー、体のメークアップ用製品、又は毛髪のメークアップ用製品(毛髪用のラッカー又はマスカラ)であってよい。
本発明の組成物は、毛髪用製品、特にヘアスタイルを保持したり、あるいは髪型を整えるためのものであってよい。毛髪用組成物は、好ましくはシャンプー、ヘアスタイリング用のゲル又はローション、ブロー乾燥用ローション、又は固定用及びスタイリング用組成物、例えばラッカー又はスプレーである。
また、ローションは、噴霧される形態又はムースの形態で組成物を適用するために、種々の形態、特に噴霧器、ポンプ式ディスペンサーボトル又はエアゾール容器に包装されてもよい。このような包装形態は、例えば、毛髪の固定用又はトリートメント用のムース又はスプレーを得ることが望まれている場合に示される。
【実施例】
【0056】
非限定的な例証のために付与される次の実施例を参照して、本発明を以下に説明する。
実施例1:
二官能性重合開始剤の調製
二官能性開始剤を次の反応概略式に従い調製する:
THF/トリエチルアミン
HO-(CH)-OH+2C(CH)(Br)-C(=O)Br
(CH)BrC-C(=O)-O-(CH)-O-C(=O)-C(CH)Br
これを実施するために、18g(0.2mol)の1,4-ブタンジオールを、100gのテトラヒドロフランと混合し、混合物を、室温で10分間平衡にさせる。ついで、40.4g(0.4mol)のトリエチルアミンを、溶液の温度が急激に上昇しないように30分以上かけてゆっくりと添加する。ついで、92g(0.4mol)の2-ブロモイソブチリルブロミドを、3時間以上かけて、極めてゆっくりと添加し、5℃まで冷却する。この添加中に、反応溶液が徐々に黄変してくるのが観察される。25℃で一晩攪拌し続け、温度を徐々に室温まで上昇させる。
反応溶液をTHFを蒸発させて濃縮し、残留物を水中に沈殿させる。ついで、水相をエチルエーテルで3回抽出し、エーテル相を硫酸マグネシウム上で乾燥させる。
エーテルが蒸発した後、このようにして、80%に相当する収率で、63gのビス(n-ブチル-1,4-ブロモイソブチラート)が得られる。
【0057】
実施例2:
ポリ(メチルアクリラート-b-ブチルアクリラート-b-メチルアクリラート)トリブロックコポリマーの調製
工程I:n-ブチルアクリラート、Tg=−50℃の調製
実施例1で調製した1.43E-03mol、すなわち5.54E-01gの二官能性開始剤、2.86E-03mol、すなわち4.10E-01gのCuBr、7.81E-01mol、すなわち100gのアクリル酸ブチル、及び2.86E-03mol、すなわち4.95E-01gのN,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミンを、窒素流入口を具備する密閉容器中で混合し、酸素から保護する。
窒素雰囲気下、90℃の温度まで混合物を加熱し、窒素流入口を封鎖して、温度を7時間30分維持させたところ、結果としてポリマー溶液が形成される。
このポリマー溶液を中性アルミナ吸着床に通し、ついで、透明溶液を5容量のメタノール/水の混合物(80/20)において沈殿させる。
【0058】
工程II:アクリル酸メチル、Tg=+10℃の調製
1.31E-04mol、すなわち10.5gの上述したマクロ開始剤:官能性ポリブチルアクリラート、2.62E-04mol、すなわち2.59E-02gのCuBr、8.40mlのジフェニルジエーテル溶媒、2.62E-04mol、すなわち4.53E-02gのN,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、及び3.93E-02mol、すなわち3.39gのアクリル酸メチルモノマーを、窒素流入口を具備する密閉容器中で混合し、酸素から保護する。
混合物を90℃で4時反応させ、ついで室温まで冷却する。溶液を、約100mlのジクロロメタンに溶解させる。このポリマー溶液を中性アルミナ吸着床に通し、ついで、透明溶液を5容量のメタノール/水の混合物(80/20)において沈殿させる。
ペースト形態をした6gのポリマーが、43重量%に相当する収率で得られる。
【0059】
ペーストを温ヘプタンで洗浄し、そこに存在する任意の残留モノマーを除去する。
重量平均及び数平均分子量を、ゲル浸透液体クロマトグラフィー(THF溶媒、直鎖状ポリスチレン標準体を用いて確立された検量曲線)で測定する。
数平均分子量(Mn)は88000g/molに等しく、重量平均分子量(Mw)は102000g/molに等しい。
コポリマーは2つのガラス転移温度Tgを有しており、第1はポリ(アクリル酸ブチル)ブロックに起因して−47℃に等しく、第2はポリ(アクリル酸メチル)ブロックに起因して10℃に等しい。
上述した方法に従い測定したこのポリマーの「タック」値は3.5Nである。
【0060】
実施例3:
ラッカーの調製
実施例2で調製された9重量%のコポリマーのエタノール溶液100gと、噴霧ガスとして作用するジメチルエーテル75gとを有するエアゾールを調製する。
組成物を、18cm長さのチェスナット色の毛髪の束にスプレーし、ヘアスタイルの保持性及び毛髪の束の柔軟な外観を、0(乏しい)〜5(優れている)の範囲に等級分けされた尺度を使用し、5人のパネラーにより評価する。
ヘアスタイルの保持性について得られた等級は4であり、毛髪の柔軟な外観については4である。
【0061】
実施例4:
ネイルラッカー用の「ベースコート」の調製
コポリマーを酢酸エチルに溶解し:得られた溶液のポリマー含有量は25重量%である。実施例2のコポリマー溶液を爪に適用する。10分間乾燥させた後、標準的な溶媒ベースのネイルラッカーを適用する。
ラッカー強度及び衝撃強度が改善される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 異なるガラス転移温度(Tg)を有する少なくとも二のブロックであって;
− これらのブロックの少なくとも一が20℃以下のガラス転移温度を有するもの、
を含んでなる直鎖状のエチレン性ブロックコポリマーであって、1Nを超える付着性又は「タック」値を有するコポリマー。
【請求項2】
皮膜形成コポリマーである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
付着性又は「タック」値が2Nを超える、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項4】
付着性又は「タック」値が3Nを超える、請求項3に記載のコポリマー。
【請求項5】
異なるガラス転移温度を有する2つのブロックのガラス転移温度(Tg)の差が40〜120℃である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項6】
異なるガラス転移温度を有する2つのブロックのガラス転移温度(Tg)の差が40〜110℃である、請求項5に記載のコポリマー。
【請求項7】
異なるガラス転移温度を有する2つのブロックのガラス転移温度(Tg)の差が40〜100℃である、請求項6に記載のコポリマー。
【請求項8】
数平均分子量が10000〜500000、好ましくは50000〜200000である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項9】
20℃以下のガラス転移温度を有するブロックの割合が、コポリマーの99質量%〜40質量%である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項10】
20℃以下のガラス転移温度を有するブロックの割合が、コポリマーの95質量%〜55質量%、好ましくは90質量%〜50質量%である、請求項9に記載のコポリマー。
【請求項11】
20℃以下のTgを有するブロックが20℃〜−100℃のTgを有している、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項12】
20℃以下のTgを有するブロックが20℃〜−95℃、好ましくは20〜−90℃のTgを有している、請求項11に記載のコポリマー。
【請求項13】
ガラス転移温度が20℃以下であり、ホモポリマー又はコポリマーであるブロックが、モノマーから調製されたホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有する一又は複数のモノマーから全体的又は部分的に誘導されたものである、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項14】
そのガラス転移温度が20℃以下のブロックが、Tg≦20℃の一種類のモノマーからなるホモポリマーである、請求項13のコポリマー。
【請求項15】
そのホモポリマーが20℃以下のTgを有するモノマーが、次のモノマー:
− エチレン、イソプレン及びブタジエン等の2〜10の炭素原子を有するエチレン性炭化水素;
− 式CH=CHCOORのアクリラート類で、Rが、tert-ブチル基を除く、直鎖状又は分枝状で1〜12の炭素原子を有するアルキル基を表し、O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよく、前記アルキル基は、ヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよいもの;又はRが、メトキシPOE等の、C-C12アルキル-POE(ポリオキシエチレン)で、オキシエチレン単位を5〜30回繰り返しているものを表し、又はRが5〜30のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレン基を示すもの;
− 次の式:
【化1】

[上式中、Rは、O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で3〜12の炭素原子を有するアルキル基を表し、前記アルキル基はヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のメタクリラート類;
− 次の式:
-CO-O-CH=CH
[上式中、Rは直鎖状又は分枝状で2〜12の炭素原子を有するアルキル基を表す]
のビニルエステル;
− メチルビニルエーテル及びエチルビニルエーテル等の、1〜12の炭素原子を有するアルキルのビニルエーテル;
− N-オクチルアクリルアミド等の、N-(1〜12C)アルキルアクリルアミド類;
から選択される、請求項13又は14に記載のコポリマー。
【請求項16】
20℃以下のガラス転移温度を有するブロックが、それから調製されるホモポリマーのガラス転移温度が20℃以下になるモノマーの他に、一又は複数の他の異なるモノマー又は付加的なモノマーを含有している、請求項13又は15に記載のコポリマー。
【請求項17】
前記付加的なモノマーが、次のモノマー:
− 次の式:
CH=CH-R
[Rはヒドロキシル基;次の基:
【化2】

〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;フルフリル基等の、複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環又は複素環式アルキル基が、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また前記アルキル基がヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のビニル化合物;
− 式:
CH=CH-COOR
[上式中、Rはtert-ブチル基;C〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;フルフリル基等の複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、複素環又は複素環式アルキル基が、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また前記アルキル基がヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のアクリラート類;
− 次の式:
CH=C(CH)-COOR
[上式中、Rは、アルキル基がヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい、直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有する、メチル、エチル、プロピル又はイソブチル基等のアルキル基;C〜Cシクロアルキル基;C〜C20アリール基;C〜C30アラルキル基(C〜Cアルキル);O、N及びSから選択される一又は複数のヘテロ原子を有する4〜12員の複素環基;フルフリル基等の複素環式アルキル基(C〜Cアルキル)であり;該シクロアルキル、アリール、アラルキル、又は複素環又は複素環式アルキル基が、ヒドロキシル基、ハロゲン原子及び直鎖状又は分枝状で1〜4の炭素原子を有するアルキル基であって、O、N、S及びPから選択される一又は複数のヘテロ原子が挿入されていてもよいものから選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよく、また前記アルキル基がヒドロキシル基及びハロゲン原子(Cl、Br、I及びF)から選択される一又は複数の置換基で置換されていてもよい]
のメタクリラート類;
− 次の式:
【化3】

[上式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又は直鎖状又は分枝状で1〜12の炭素原子を有する、n-ブチル、t-ブチル、イソプロピル、イソヘキシル、イソオクチル又はイソノニル基等のアルキル基を表し、R'はH又はメチルを示す]
の(メタ)アクリルアミド類;
から選択される、請求項15に記載のコポリマー。
【請求項18】
前記付加的なモノマーが、20℃以下のTgを有するブロックの重量に対して、50重量%以下の量で存在する、請求項16又は17に記載のコポリマー。
【請求項19】
前記モノマーが、20℃以下のTgを有するブロックの重量に対して、45重量%以下、好ましくは40重量%以下の量で存在する、請求項18に記載のコポリマー。
【請求項20】
20℃以下のTgを有するブロックが、対応するホモポリマーのTgが20℃〜200℃、好ましくは20℃〜120℃の範囲にある第1のモノマーと、対応するホモポリマーのTgが20℃〜−100℃の範囲にある第2のモノマーとからなるコポリマーから形成される、請求項16ないし19のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項21】
親水性モノマーを有する少なくとも一の親水性ブロックを含有する、請求項1ないし20のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項22】
前記親水性ブロックが20℃を超えるガラス転移温度を有するブロックである、請求項21に記載のコポリマー。
【請求項23】
前記親水性ブロックが20℃以下のガラス転移温度を有するブロックである、請求項21に記載のコポリマー。
【請求項24】
この親水性ブロックが、対応するホモポリマーが20℃を超えるガラス転移温度を有する一又は複数の親水性モノマー、及びそのホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するものから選択される一又は複数の他の非親水性モノマーを含有する、請求項21に記載のコポリマー。
【請求項25】
親水性ブロックが、対応するホモポリマーのTgが20℃を超える親水性モノマーを、70%〜100%、好ましくは80%〜100%含有している、請求項22及び24に記載のコポリマー。
【請求項26】
親水性ブロックが、対応するホモポリマーのTgが20℃を超える親水性モノマーを、10%〜70%、好ましくは20%〜65%含有している、請求項22及び23に記載のコポリマー。
【請求項27】
親水性モノマーが、カチオン性モノマー、アニオン性モノマー及び非イオン性モノマーから選択される、請求項21ないし26のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項28】
カチオン性モノマーが、2-ビニルピリジン;4-ビニルピリジン;ジメチルアミノエチルメタクリラート(DMAEMA);ジエチルアミノエチルメタクリラート(DEAEMA);ジメチルアミノプロピルアクリルアミド;及びその塩から選択される、請求項27に記載のコポリマー。
【請求項29】
アニオン性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルホスホン酸、及びそれらの塩から選択される、請求項27に記載のコポリマー。
【請求項30】
非イオン性モノマーが:
− (メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルでアルキル基が2〜4の炭素原子を有するもの、特に(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
− ビニルラクタム類;
− イソブチルアクリルアミド等の、(メタ)アクリルアミド及びN-(C-C)アルキル(メタ)アクリルアミド類;
− スクロースアクリラート等の、多糖類(メタ)アクリラート類;
から選択される、請求項27に記載のコポリマー。
【請求項31】
ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、及び3つ以上のブロックを含有する多ブロックコポリマーから選択される、請求項1ないし30のいずれか1項に記載のコポリマー。
【請求項32】
一又は二のブロックが20℃以下のTgを有し、他のブロックが20℃を超え、200℃未満のTgを有する多ブロックコポリマーである、請求項31に記載のコポリマー。
【請求項33】
請求項1ないし32のいずれか1項に記載のコポリマーを含有する化粧品用組成物。
【請求項34】
0.1重量%〜60重量%、好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜40重量%のコポリマーを含有する、請求項33に記載の化粧品用組成物。
【請求項35】
前記ポリマーの他に、コポリマーが溶解又は分散した形態で存在する、生理学的に許容可能な媒体を含有している、請求項33又は34に記載の組成物。
【請求項36】
生理学的に許容可能な媒体が、水、並びに、水と親水性有機溶媒、例えばアルコール類、特に2〜5の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状の低級モノアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール又はn-プロパノール、及びポリオール類、特にグリセロール、ジグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ペンチレングリコール及びポリエチレングリコール類との混合物から選択される親水性相を形成する一又は複数の適切な溶媒を含有する、請求項33ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
親水性相が親水性Cエーテル及びC-Cアルデヒド類をさらに含有している、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記生理学的に許容可能な媒体が、室温で液状又は固体状であり、動物、植物、鉱物又は合成由来の脂肪物質からなる脂肪相をさらに含有している、請求項33ないし37のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項39】
一又は複数の化粧品的に許容可能な有機溶媒をさらに含有している、請求項33ないし38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記生理学的に許容可能な媒体が、可塑剤及び合体剤から選択される一又は複数の補助的な皮膜形成剤をさらに含有している、請求項33ないし39のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項41】
水溶性染料、及び顔料、真珠光沢剤及びフレーク等の微粉状染料から選択される一又は複数の染料をさらに含有している、請求項33ないし40のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項42】
フィラーをさらに含有している、請求項33ないし41のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
ビタミン類、増粘剤、微量元素、柔軟剤、金属イオン封鎖剤、香料、酸性化又は塩基性化剤、防腐剤、サンスクリーン剤、界面活性剤、酸化防止剤、抜毛を防止するための薬剤、抗フケ剤及び噴霧剤、又はそれらの混合物等の、化粧品に一般的に使用されている一又は複数の成分をさらに含有している、請求項33ないし42のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項44】
懸濁液、分散液、溶液、ゲル、エマルション、特に水中油型(O/W)又は油中水型(W/O)エマルション、又は多相エマルション(W/O/W又はポリオール/O/W又はO/W/Oエマルション)の形態、クリーム、ペースト、ムース、小胞体、特にイオン性又は非イオン性脂質の分散液、2相又は多相ローション、スプレー、パウダー又はペースト、特に柔軟なペースト又は無水ペーストの形態であることを特徴とする、請求項33ないし43のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項45】
ラッカー又はシャンプー等の毛髪用製品であることを特徴とする、請求項33ないし44のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項46】
ネイルラッカー等のメークアップ用組成物であることを特徴とする、請求項33ないし44のいずれか1項に記載の化粧品用組成物。
【請求項47】
請求項33ないし46のいずれか1項に記載の化粧品用組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質のメークアップ又は手入れのための美容方法。
【請求項48】
スタイリング力及び毛髪用ラッカーの保持力の改善のための、請求項1ないし32のいずれか1項に記載のコポリマーの使用。
【請求項49】
ネイルラッカーの付着性を増大させるための、請求項1ないし32のいずれか1項に記載のコポリマーの使用。
【請求項50】
メークアップ用組成物の保持力及び付着性を改善するための、請求項1ないし32のいずれか1項に記載のコポリマーの使用。

【公表番号】特表2006−514701(P2006−514701A)
【公表日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−547479(P2003−547479)
【出願日】平成14年11月27日(2002.11.27)
【国際出願番号】PCT/FR2002/004067
【国際公開番号】WO2003/046032
【国際公開日】平成15年6月5日(2003.6.5)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】