説明

位相判別装置および位相判別方法

【課題】PLC送信装置とPLC受信装置を配線につなぐ前に、配線が同相か異相であるかを予め判別し、同相にPLC送信装置とPLC受信装置を容易に接続可能にする位相判別装置および位相判別方法を提供する。
【解決手段】位相判別装置は、電力波形の測定を開始するためのスイッチと、スイッチの測定開始から電力波形の周期毎の同一位相を表すクロックを発生するための発振器と、クロックからの時間経過で電力波形を変換した値を記憶するメモリーと、を有する。第1の位置における配線に対するスイッチの測定の開始によって得られてメモリーに保持された第1の値と第2の位置における配線に対するスイッチの測定の開始によって得られてメモリーに保持された第2の値とを比較することにより位相を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相判別装置に関し、特に、電力線通信(PLC)用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別装置および位相判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力線を用いた信号の通信において、単相三線式や三相三線式あるいは、三相四線式の配電系統のなかで適当な場所に送信装置を配置し、別な適当な場所に受信装置を配置したときにおいて、別な相にそれらが接続される場合がある。例えば、図10aの単相三線式配電系では、送信装置が中性線Nと線L1との間に接続され、受信装置が中性線Nと線L2の間に接続される場合がある。また、図10bの三相三線式配電系では、例えば、送信装置が線Rと線Tの間に接続され、受信装置が線Tと線Sとの間に接続される場合がある。このような単相三線式配電系の場合においては、図11に示すように、信号がトランスの2次巻線を通過するために大きな信号の減衰が発生し、通信ができないことがあった。また、三相三線式配電系の場合でも、同様に、信号がトランスの2次巻線を通過するために大きな信号の減衰が発生した。
【0003】
すなわち、一般的に、高圧(660OV)から低圧、100Vあるいは、200Vに変換する変圧器は住宅の場合は、外の電柱に設置される。ビルの場合には、屋上や、地下のキュービクルの中に設置される。いずれにしても、単相三線式配線や三相三線式配線では、異なった相に送信装置と受信装置が接続されると、通信用の信号は、トランスまでいって、その2次巻線内を通過してくるために、信号の減衰は大きい。
【0004】
この信号の減衰の問題を解決するような異相間通信装置が特開2007−082124号公報、特開2007−043618号公報、特開2006−261940号公報に提案されている。
【特許文献1】特開2007−082124号公報
【特許文献2】特開2007−043618号公報
【特許文献3】特開2006−261940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のような異相間通信装置を利用するよりも、利用者、特に家庭の利用者が、ランダムにコンセントにPLC装置を差し込むとき、同一の相であるのかどうかが予めわかれば、同じ相にPLC装置をつなぐことにより、送受信間の通信性能を格段に向上させることができる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、PLC送信装置とPLC受信装置を配線につなぐ前に、配線が同相か異相であるかを予め判別し、同相にPLC送信装置とPLC受信装置を容易に接続可能にする位相判別装置および位相判別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために、本発明の位相判別装置は、電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別装置において、電力波形の測定を開始するためのスイッチと、該スイッチの測定開始から電力波形の周期毎の同一位相を表すクロックを発生するための発振器と、前記クロックからの時間経過で電力波形を変換した値を記憶するメモリーと、を有し、第1の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第1の値と第2の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第2の値とを比較することにより位相を判別することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の位相判別装置は、電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別装置において、電力波形の測定を開始するためのスイッチと、電力波形の周期毎の同一位相を表す第1のクロックを発生し、かつ電力波形の周期より短い時刻毎の第2のクロックを発生するための発振器と、該発振器の第2のクロック毎に電力波形をA/D変換するA/Dコンバータと、該A/Dコンバータで変換された電力波形の値を前記第2のクロック毎に保持するメモリーと、を有し、
前記第1のクロックを基準として、第1の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第1グループの値と第2の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第2グループの値とを比較することにより位相を判別することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の位相判別方法は、電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別方法において、配線の第1の位置で電力波形を方形波に変換し、変換した方形波の立ち上がりエッジでCPU内部のタイマーをスタートし、立ち上がりエッジのスタートから電力波形の周期毎の時間(X)をメモリーに記憶し、最初の時間とnX(nは1以上の整数)を経過するたびにメモリー内にフラグ(F1)を立て、配線の第2の位置で電力波形を方形波に変換し、方形波の立ち上がりエッジで割り込みをあげ、割り込みがあがったとき、フラグ(F1)がONか否かを見て、フラグ(F1)がONのとき、同一位相と判断し、フラグ(F1)がOFFのとき、異なった位相と判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、PLC装置(送信装置および受信装置)を配線につなぐ前に、配線が同一位相か異なった位相か判別できるので、PLC装置を同一位相の配線に間違いなく接続でき、これによって、信号の減衰による問題が解決できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、単相三線式配電方式および三相三線式配電方式の各配線間の位相が同一位相か異なった位相かを見出す位相判別装置および位相判別方法である。単相三線式配電方式では、図1aに示すように、低圧側の中間タップをニュートラルとして用い、第2種接地をしている。この場合、Nを中心としたL1とL2相では、位相が180度回転している。
また、図1bに示す三相三線式配電方式では、図1cに示すように、おのおの、120度の位相差をもつ。このような異なった相での位相回転を利用し、位相が同一か異なった位相かを見出す。
【0012】
具体的には、実施例1および実施例2で後述するが、本発明の位相判別装置は、発振器、好ましくは、精度の十分高い水晶またはセラミック振動子と、CPUからなるマイクロコントローラと、コンパレータもしくはA/Dコンバータと、データを一時的に保持するメモリーと、バッテリーと、スイッチと、LEDなどの表示器から構成される。なお、以下、単相三線式を例にとり説明するが、三相三線式に対しても適用できるものである。
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1の位相判別装置のブロック図である。図1に示すように、位相判別装置は、主要部品として、増幅器12と、ヒステリシスコンパレータ(以下、単にコンパレータという)14と、マイクロコントローラ(CPU)16と、発振器に用いられる水晶振動子18と、メモリー20と、バッテリー22と、スイッチ24と、表示器としての用いられるLED26と、からなる。なお、さらに詳細な構成は、図4に示す。
【0013】
図3aに示す電力線の波形は、図3bに示すように、増幅器12で十分大きな振幅となり、そのあと、コンパレータ14により波形をデジタル化する。コンパレータ14の立ち上がりパルスで、時計がスタートし、1周期分の波形データに対し時計にしたがって正確に、立ち上がりパルスの発生時間を再現できるようにする。コンパレータ出力の立ち上がりエッジの発生時間を時計の絶対的な時間(電力波形の周期毎の同一位相が生じる時間)をもとに正確に再現できるようにメモリー20の中でタイミングを保持する。すなわち、発振器で電力波形の周期毎の同一位相が生じる時間に対応したクロックを発生させ、それらのクロックをメモリーに記憶させる。
【0014】
メモリー20とマイクロコントローラ16はバッテリー22でバックアップされ、位相判別装置を別なコンセントに差すために持ち運んでいる間も、コンパレータ14の立ち上がりエッジの周期と絶対時間は維持される。
【0015】
そして、位相判別装置を移動して、例えば、家庭内の別なコンセントに差し込んだときに、新たに印加された電灯線波形のコンパレータ出力の立ち上がりと、メモリーに保存されていた絶対時間を元にした立ち上がりパルスの発生時間が同じであれば、それは同相であり、違っていれば違う相であると判定できる。
【0016】
図4は、図3の位相判別装置をさらに具体化した位相判別装置を示すブロック図である。図4において、28は信号増幅器を示し、この信号増幅器は、線Aもしくは線Bのどちらか一方に接続され線Aもしくは線Bのどちらが電灯線の中性線(接地側)であるのかを検出するために用いる。30はa接点スイッチを示し、このスイッチはバッテリーの電圧をCPU16に加えるのに用いられる。32はトランジスタ(もしくは、FET)を示し、このトランジスタはスイッチ30によってCPU16が働き出すとオンして、スイッチ30がオフになってもバッテリー22の電圧がCPU16に供給できるようにするためのものである。34はコンデンサを示し、このコンデンサはスイッチ30が押されたときに、一定時間CPU16に電圧が供給されるようにするための静電容量を持つものである。なお、表示器26として、2つのLED1およびLED2が用いられる。
【0017】
次に、位相判別装置の動作について説明する。
【0018】
スイッチ30が押されると、AおよびBに印加されている電灯線の50Hzまたは60Hzの電力波形は差動増幅器12、コンパレータ14によって方形波に変換され、CPU16に入力される。これと同時に、例えば線Bから入力されている信号により、この線Bが中性線であるか否かが信号増幅器28によって検出され、この検出結果に基づいてCPU16が動作するように適合される。なお、CPU(マイクロコントローラ)16の動作については図5のフローチャートを参照して後述する。
【0019】
今、位相判別装置を適当な電灯コンセントにつなぎ、スイッチ30を押下する。すると、LED1が点燈する。次に、位相判別装置を電灯コンセントから抜くと、LED1は消灯する。その後、別な電灯コンセントにつなぐ。再度、スイッチ30を押す。このとき、LED1が点燈すれば、同相であり、LED2が点燈すれば、異なった相につながっていることを意味する。
【0020】
図5はマイクロコントローラの動作を示すフローチャートである。フローチャートにおいて、位相判別装置を適当な電灯コンセントにつなぎ、スイッチ30を押すと、電力波形から変換された方形波の立ち上がりエッジで内部タイマーがスタートする(ステップS1)。
【0021】
次に、立ち上がりエッジのスタート時間から電力波形の周期毎の時間(X)をメモリー記憶する(ステップS2)。
【0022】
次に、最初の時間とn(1以上の整数)Xを経過するたびにメモリー内にフラグ(F1)が立つ(ステップS3)。
【0023】
次に、位相判別装置を別の電灯コンセントにつなぐと、電力波形から変換された方形波の立ち上がりエッジで割り込みをあげる(ステップS4)。
【0024】
次に、割り込みがあがったとき、フラグ(F1)がONかどうか見る(ステップS5)。
【0025】
そのとき、フラグ(F1)がオンであれば、同相用LED1を点灯し、フラグ(F1)がオフであれば、異相用LED2を点灯する(ステップS6、ステップS7)。
【0026】
以下、位相判別装置をさらに別の電灯コンセントにつなぐと、ステップS4〜ステップS7を繰り返す。
【0027】
次に、位相判別装置の具体的な使用方法を説明する。図6は位相判別装置の使用形態を説明するための図である。
【0028】
図6aに示すように、相検出用ユニット(単独製品)として、家庭の中であるいは、工場やビルの中で、相が同相か異相かを見つけるために使われる。同相の電灯コンセントには、同じ色のラベルを貼っておくことで、電灯コンセントが同相に接続されているのか、異相なのかを簡単に知ることができる。これによって、電灯線通信(電力線通信)の装置を購入した人は、同相のコンセントで通信をすることで、いままでより格段に通信信頼性が向上する。
【0029】
さらに、図6cに示すように、同相コンセントと異相コンセントを知ることで、利用者は、それぞれのコンセント間に相間をつなぐ相関カプラーをつなぐことで、いままで、電気工事士でなければできなかった作業を家庭の主婦でもできるようにするものである。従来、電灯線の相を信号的につなぐためには、家庭の配電盤の中に専用の信号カプラーを異なった相間に挿入していた。しかし、このためには、電気工事士に依頼する必要があった。
なお、相関カプラ−の回路は、例えば、特開2007−082124号公報に提案されている回路と同様な回路であってもよい。
【0030】
さらに、図6bに示すように、位相判別装置は、すべての電灯線通信装置に対して、小型にモジュール化し装置に組み込んで使用することが可能である。高速通信PLCなどにおいては、信号の減衰が大きいため、異なった相の間での通信はできなかった。位相判別装置をモジュールとして導入し、同じ相をあらかじめ把握することで利用者の利便性は格段に向上する。
(実施例2)
実施例2は、実施例1で用いているコンパレータの代わりに、ADコンバータを用いている点において、主に異なっている。図7は実施例2の位相判別装置のブロック図ある。図7に示すように、コンパレータに代えて、A/Dコンバータ34が用いられている。
【0031】
次に、この位相判別装置の動作を説明する。スイッチ24を押すことにより、発振器として機能する振動子18によって決められる精度の時計が開始される。発振器は、電力波形の周期毎のクロック(第1のクロック)と、電力波形の周期より短い時間ごとのクロック(電力波形の周期を分割した時間毎のクロック)(第2のクロック)を発生する。この時計の第2のクロック同期して、A/Dコンバータ34が電力線の波形をデジタル化し、マイコロコントロータ16はA/Dコンバータ34の出力を受けて、時間ごとの波形の高さをメモリー20へ転送する。1周期分の波形データに対し時計にしたがってメモリー20の内容を順番に参照できるようになっている。時計は、スイッチを押すことで開始しその後は、この時間と電力波形をA/D変換した値の相関を正確に持ち続ける。
【0032】
メモリーへの記録の方法は、図8a、図8bに示すように、波形の1周期時間から、60Hzなのか50Hzなのかを最初に判定する。判定後、例えば、50Hzの場合、少なくとも位相で45度以内、時間で2.5msec以内の分解能でサンプリングデータをとって、メモリーに保存し、時計(0.1msec以下の精度)が2.5msecを刻むごとに(第2のクロックの発生毎に)、メモリーにデータを順番に呼び込む。このデータは、バッテリーによってバックアップされ、連続した時間でこの波形データ周期をメモリー内部に保ち続ける。
【0033】
次に、次に、図8cに示すように、新たな電力線につながれたときに、その波形を2.5msec毎にサンプリングする。そして、そのサンプリングデータと、元のメモリーにあるデータを2.5msecごとに比較する。比較は、少なくとも任意の3点を用い、傾向が異なるときは、異なった異相であるのでLED2を点燈させる。もし、異なった位相の場合は、図9に示すような4種類の違った傾向を見出せる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の位相判別装置が用いられる単相三線式および三相三線式を説明するための図である。
【図2】本発明の実施例1の位相判別装置のブロック図である。
【図3】電力波形と位相判別装置のコンパレータの出力を示す図である。
【図4】図3の位相判別装置をさらに具体化した位相判別装置を示すブロック図である。
【図5】マイクロコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図6】位相判別装置の使用例を示すための図である。
【図7】本発明の実施例2の位相判別装置のブロック図である。
【図8】実施例2の位相判別装置のメモリーへの記録を説明するための図である。
【図9】異なった相の場合のサンプリングデータの3点の値の傾向を説明するための図である。
【図10】単相三線式および三相三線式において、異なった位相の配線に送信装置および受信装置が接続された状態を説明するための図である。
【図11】従来例のPLC装置における信号の減衰を説明するための図である。
【符号の説明】
【0035】
12 増幅器
14 コンパレータ
16 マイクロコントローラ
18 発振器(水晶振動子)
20 メモリー
22 バッテリー
24 スイッチ
26 表示器(LED)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別装置において、
電力波形の測定を開始するためのスイッチと、
該スイッチの測定開始から電力波形の周期毎の同一位相を表すクロックを発生するための発振器と、
前記クロックからの時間経過で電力波形を変換した値を記憶するメモリーと、を有し、
第1の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第1の値と第2の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第2の値とを比較することにより位相を判別することを特徴とする位相判別装置。
【請求項2】
請求項1記載の位相判別装置において、前記電力波形は方形波形に変換され、前記クロックからの所定の時間内の方形波形の立ち上がりエッジの有無が第1の値および第2の値として前記メモリーに記憶されることを特徴とする位相判別装置。
【請求項3】
請求項2記載の位相判別装置において、前記第1の値および第2の値として前記方形波形の立ち上がりエッジが有の場合、同一位相と判断することを特徴とする位相判別装置。
【請求項4】
請求項1記載の位相判別装置において、配線の位相が同一か異なったものかを表示する表示器をさらに有し、該表示器は、同一位相の場合を表示する第1表示器と、異なった位相の場合を表示する第2表示器からなることを特徴とする位相判別装置。
【請求項5】
請求項1記載の位相判別装置において、中性線を検出する手段をさらに有することを特徴とする位相判別装置。
【請求項6】
請求項1記載の位相判別装置において、電力波形の方形波形の変換はコンパレータによって行われることを特徴とする位相判別装置。
【請求項7】
電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別装置において、
電力波形の測定を開始するためのスイッチと、
電力波形の周期毎の同一位相を表す第1のクロックを発生し、かつ電力波形の周期より短い時刻毎の第2のクロックを発生するための発振器と、
該発振器の第2のクロック毎に電力波形をA/D変換するA/Dコンバータと、
該A/Dコンバータで変換された電力波形の値を前記第2のクロック毎に保持するメモリーと、を有し、
前記第1のクロックを基準として、第1の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第1グループの値と第2の位置における配線に対する前記スイッチの測定の開始によって得られて前記メモリーに保持された第2グループの値とを比較することにより位相を判別することを特徴とする位相判別装置。
【請求項8】
請求項7記載の位相判別装置において、前記第1グループの値の時間経過上の変化の傾向と前記第2グループの時間経過上の変化の傾向が同一の場合、同一位相と判断し、逆の場合、異なった位相と判断することを特徴とする位相判別装置。
【請求項9】
請求項7記載の位相判別装置において、配線の位相が同一か異なったものかを表示する表示器をさらに有し、該表示器は、同一位相の場合を表示する第1表示器と、異なった位相の場合を表示する第2表示器からなることを特徴とする位相判別装置。
【請求項10】
請求項7記載の位相判別装置において、中性線を検出する手段をさらに有することを特徴とする位相判別装置。
【請求項11】
電力線通信用の送信装置および受信装置のそれぞれを単相三線式または三相三線式を用いた配線中の異なった位置に接続するとき、異なった位置のそれぞれにおける配線の位相を判別する位相判別方法において、
配線の第1の位置で電力波形を方形波に変換し、
変換した方形波の立ち上がりエッジでCPU内部のタイマーをスタートし、
立ち上がりエッジのスタートから電力波形の周期毎の時間(X)をメモリーに記憶し、
最初の時間とnX(nは1以上の整数)を経過するたびにメモリー内にフラグ(F1)を立て、
配線の第2の位置で電力波形を方形波に変換し、
方形波の立ち上がりエッジで割り込みをあげ、
割り込みがあがったとき、フラグ(F1)がONかOFFかを見て、
フラグ(F1)がONのとき、同一位相と判断し、フラグ(F1)がOFFのとき、異なった位相と判断することを特徴とする位相判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−60191(P2009−60191A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223424(P2007−223424)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(506429880)株式会社サードプラステクノロジー (2)
【Fターム(参考)】