説明

位置・時刻算出装置および時計

【課題】 装置の位置、たとえば、屋外或いは屋外の何れに位置しているかに応じて適切な測位を実現する。
【解決手段】 CPU20は、電力供給回路34に設けられた太陽光発電回路の発電による電気信号に基づき、光の強度に応じた信号を取得し、取得した信号が所定の周期性を有するか否かを検出する。信号が所定の周期性を有すると判断した場合に、CPU20は、GPS信号処理部18が、2次元測位モードにて測位すべきと判断し、信号が所定の周期性を有していないと判断した場合には、GPS信号処理部18が、3次元測位モードにて測位すべきと判断する。GPS信号処理部18は、決定された測位モードにしたがって、所定数のGPS衛星からのGPSフレームデータを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPSを用いた位置・時刻算出装置およびこの位置・時刻算出装置を備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を適用して、現在位置や正確な時刻を測定することが、多くの分野、たとえば、カーナビゲーションなどに適用されている。GPSを利用した位置測定のことを、以下、GPS測位とも称する。
【0003】
腕時計でも、GPS衛星からの電波(以下、「GPS電波」と称する。)を受信し、GPS測位が可能なGPS時計装置が提案されている。従来のGPS時計装置は、従来の時計装置は、時刻を計時する計時回路11と、GPS電波を受信するGPS受信回路と、種々の情報を記憶するメモリ13と、入力キーなどを含む入力部と、液晶表示装置を含む表示部と、CPUなどを備える。
【0004】
メモリには、GPS受信回路により受信されたGPSフレームデータを格納するほか、たとえば、各都市の緯度、経度および標準時刻との時差が含まれる。また、メモリにはGPS時計装置の種々の機能を実現するプログラム、CPUなどにおける処理により生成されたデータなどが格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムにしたがって、時計回路により計時された時刻を表示部に表示する。
【0005】
また、CPUは、入力部への入力に応答して、或いは、所定の時間間隔でGPS受信回路を動作させて、GPS電波を受信させ、GPS電波に含まれるフレームのデータを取得する。また、CPUは、GPS受信回路により取得されたフレームのデータに基づいて、GPS時計装置の現在位置および現在時刻を算出する。CPUは、算出された現在時刻に基づいて、計時回路の時刻を修正し、また、表示部に算出された現在時刻を表示する。
【0006】
GPS受信回路によるGPS測位は、通常、4つ以上のGPS衛星からのGPS電波を受信する3次元測位モード(3DFix)、3つのGPS衛星からのGPS電波を受信する2次元測位モードの下で行われる。3次元測位モードにおいては、GPS時計装置の現在位置の3次元の座標(x、y、z)およびGPS時計装置の計時している時刻の誤差δを算出することができる。また、2次元測位モードにおいては、現在位置の高さを除く2次元の座標(x,y)およびGPSGPS時計装置の計時している時刻の誤差δを算出することができる。
【0007】
さらに、GPS電波が受信できたGPS衛星が3つより少ない場合には、現在位置の測定はせずに時刻情報のみを取得する場合もある。
【特許文献1】特開2007−256041号公報
【特許文献2】特公平6−75103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
4つのGPS衛星のそれぞれの軌道情報および時刻情報を取得することが困難である状況もしばしば生じる。特許文献1には、GPS受信機を搭載した装置(特許文献1ではナビゲーション装置)において、GPS測位環境の変化や装置が位置する高さ(標高)の変化を検出して、3次元測位と2次元測位を切り替える技術が提案されている。GPS測定環境の劣化に伴って、2次元測位とすることにより、GPS電波を取得すべきGPS衛星の数(受信数)は3つに減じることができる。
【0009】
また、測位誤差の評価のために種々の指標が知られている。たとえば、3次元位置の放射状方向の誤差を求めるためのPDOP(Position Dilution of Precision)、水平方向の誤差を求めるためのHDOP(Horizontal Dilution of Precision)、高度方向の誤差を求めるためのVDOP(Vertical Dilution of Precision)などである。
【0010】
特許文献2には、3次元測位のために選択した衛星のHDOPと、2次元測位のために選択した衛星のHDOPを比較して、前者が大きければ3次元測位を実行し、後者が大きければ2次元測位を実行するような技術が開示されている。
【0011】
特に、腕時計型のGPS時計装置のような電池を電力源とする小型の装置では、消費電力を小さくすることが求められる。定期的に正確な現在時刻および現在位置を得るためには、定期的にGPS受信部を動作させる必要がある。GPS受信部の消費電力は現状で数十ミリワットと大きいため、GPS電波の受信信号強度が小さいところで受信動作をさせた場合には、軌道情報や時刻情報の取得に長時間を要し、場合によっては、受信が失敗する可能性がある。このように、電池を電力源とする小型の装置においては、多量の電力を消費し電池を消耗させたにもかかわらず満足な測位ができなかった状態を回避することが非常に重要である。
【0012】
特に、GPS時計装置の位置によって、衛星からのGPS電波を受信することが容易でない場合がある。たとえば、GPS時計装置が、鉄筋コンクリート建築など建物の内部に位置しているときには、GPS電波を受信可能なGPS衛星の数が少なく、また、GPS電波の受信信号強度も小さい場合が多い。したがって、GPS電波を受信可能なGPS衛星の数が少なく、また、GPS電波の受信信号強度が小さいと予想される状況、特に、GPS時計装置が屋内に位置していることを予め検出できれば、無駄にGPS受信部を動作させることを防止することが可能となる。
【0013】
本発明は、装置の位置、たとえば、屋外或いは屋外の何れに位置しているかに応じて適切な測位が可能な位置・時刻算出装置および当該位置・時刻算出装置を備えた時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、GPS衛星からの電波を受信し、当該電波に基づく信号を出力するGPS受信手段と、
前記GPS受信手段から出力された信号をそれぞれ受け入れて、GPS衛星ごとのGPSフレームデータを取得するデコーダを複数有する多チャンネルデコーダ群と、
前記多チャンネルデコーダ群を構成するデコーダからそれぞれ出力されたGPSフレームデータを記憶するフレームデータメモリと、
前記フレームデータメモリに含まれるGPSフレームデータに基づいて、現在位置および現在時刻を算出する位置・時刻算出制御手段と、
光を受け入れて当該光の強度に応じた信号を出力する光検出手段と、
前記光検出手段から出力された信号に基づき、前記信号が所定の周期性を有するか否かを判断する周期性検出手段と、
3個のGPS衛星にて測位する2次元測位モード、或いは、4個以上のGPS衛星にて測位する3次元測位モードの何れ測位モードで測位すべきかを判断する測位モード決定手段と、を備え、
前記周期性検出手段が、前記信号が所定の周期性を有すると判断した場合に、前記測位モード決定手段が、2次元測位モードにて測位すべきと判断し、前記周期性検出手段が、前記信号が所定の周期性を有していないと判断した場合に、前記測位モード決定手段が、3次元測位モードにて測位すべきと判断し、
前記測位モードにしたがって、前記多チャンネルレコード群において、所定数のデコーダが作動して、それぞれのデコーダが、GPSフレームデータを取得することを特徴とする位置・時刻算出装置により達成される。
【0015】
好ましい実施態様においては、内部クロックにしたがって現在時刻を計時する計時手段を備え、
前記測位モード決定手段が、前記計時手段により計時された現在時刻を参照して、 前記現在時刻が昼間に相当する所定の時間帯に該当する場合に、前記光検出手段から出力された信号のレベルが、所定の閾値以上であるかを判断し、前記信号のレベルが所定の閾値以上である場合には、当該測位モード決定手段が、3次元測位モードにて測位すべきであると判断し、前記閾値より小さい場合には、前記周期性検出手段が周期性を検出し、前記測位モード決定手段が、前記周期性に基づいて測位モードを決定する。
【0016】
より好ましい実施態様においては、前記測位モード決定手段が、前記計時手段により計時された現在時刻を参照して、前記現在時刻が夜間に相当する所定の時間帯に該当する場合に、前記周期性検出手段が周期性を検出し、前記測位モード決定手段が、前記周期性に基づいて測位モードを決定する。
【0017】
別の好ましい実施態様においては、前記3次元測位モードにおいて、前記多チャンネルデコーダ群の全てのデコーダが作動し、前記2次元測位モードにおいては、前記多チャンネルデコーダ群のうち、全てのデコーダ数より少ない所定数、たとえば、3つのデコーダのみが作動する。
【0018】
また、好ましい実施態様においては、前記位置・時刻算出手段が、前記3次元測位モードにおいて、GPS衛星の配置状態の良好度を示す指標値であって、測位に用いることの限度を示す所定の第1のマスク値を用いて、測位の可否を判断し、前記2次元測位モードにおいては、前記第1のマスク値より、良好でない配置を許容する所定の第2のマスク値を用いて測位の可否を判断する。
【0019】
別の好ましい実施態様においては、前記位置・時刻算出手段が、前記3次元測位モードにおいて、GPS衛星の配置状態の良好度を示す指標値であって、測位に用いることの限度を示す所定の第1のマスク値を用いて、測位の可否を判断し、前記2次元測位モードにおいては、前記マスク値を使用することなく測位を行う。
【0020】
また、好ましい実施態様においては、前記光検出手段が、太陽光を含む光に応じて発電する発電手段を有し、
前記周期性判定手段が、前記発電手段の発電による電気信号に基づいて、当該電気信号における所定の周期性を検出する。
【0021】
より好ましい実施態様においては、前記周期性は、商用交流電源の周波数に基づく。
【0022】
また、本発明の目的は、上記位置・時刻算出装置と、
内部クロックにしたがって現在時刻を計時する計時手段と、
前記位置・時刻算出装置により取得された現在時刻にしたがって、前記計時手段の現在時刻を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする時計により達成される。
【0023】
好ましい実施態様においては、前記位置・時刻算出装置により取得された現在位置を表示する表示手段を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、装置の位置、たとえば、屋外或いは屋外の何れに位置しているかに応じて適切な測位が可能な位置・時刻算出装置および当該位置・時刻算出装置を備えた時計を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるGPS時計装置の構成を示すブロックダイヤグラムである。図1に示すように、本実施の形態にかかるGPS時計装置は、アンテナ12、前置増幅回路14、高周波受信回路16、GPS信号処理部18、CPU20,ROM22、RAM24、計時回路26、発振回路28、入力部30、表示部32および電力供給回路34を有する。
【0026】
本実施の形態においては、アンテナ12、前置増幅回路14、高周波受信回路16によりGPS受信回路が構成される。また、GPS信号処理部18は、図1では、CPU20と別体として記載しているが、CPUとは異なる回路として存在しても良いし、CPU内に組み込まれていても良い。後述するGPS制御部37も同様に、CPUとは異なる回路として存在しても良いし、CPU内に組み込まれていても良い。
【0027】
ROM22には、時計装置の種々の機能を実現するためのプログラム、たとえば、後述する2次元測位および3次元測位のいずれのモードの下で動作するかを決定する測位モード設定プログラム、設定された測位モードにしたがって、GPS電波から取得したGPSフレームデータに基づいて現在位置を決定するプログラム、GPSフレームデータに基づいて時刻を修正するプログラム、GPSフレームデータに基づいて種々の指標を算出するプログラムなどが格納されている。また、ROM22には、各都市の緯度、経度および標準時刻との時差なども格納されている。RAM14は、ROM22に格納されたプログラムを一時的に記憶し、また、CPU20などがプログラムを実行する過程で生じたデータを記憶することができる。
【0028】
計時回路26は、発振回路28において生成された内部クロック信号にしたがって計時を行い、現在時刻を算出する。また、GPS信号処理部18により取得された正確な時刻情報にしたがって、計時した時刻を修正できるようになっている。入力部30は入力キーを有し、使用者が所望の指示をGPS時計装置に与えることができる。表示部32は液晶表示装置を有し、現在時刻や現在位置などを表示することが可能である。
【0029】
電力供給回路34は、後述するように、太陽光などの光を受け入れて発電し、発電による電力を二次電池に蓄えることができる。
【0030】
図2は、本実施の形態にかかるGPS信号処理部18の構成を示すブロックダイヤグラムである。図2に示すように、多チャンネルデコーダ群35、メモリ36およびGPS制御部37を有する。多チャンネルデコーダ群35は、複数個のデコーダ41〜4nを有する。デコーダ41〜4nのそれぞれは、1つのGPS衛星からのGPS信号をデコードすることができる。したがって、本実施の形態においては、同時にn個のGPS衛星からのGPS信号を受信し、それぞれをデコードしてデータ(GPSフレームデータ)を得ることができる。メモリ36は、デコーダ41〜4nのそれぞれにおいてデコードされたGPSフレームデータを記憶する。なお、図2においてメモリ36は、RAM24と別のものとして記載されているが、実際には、RAM24の一部をメモリ36として利用しても良い。
【0031】
GPS制御部37は、ROM22に格納され、RAM24に展開されたプログラムにしたがって、測位モードを決定し、決定された測位モードにしたがって、現在位置や現在時刻を算出する。後に詳述するが、本実施の形態においては、測位モードには、3次元測位(3DFix)を行う3DFixモードおよび2次元測位(2DFix)を行う2DFixモードが含まれる。本実施の形態においては、後述するように、GPS時計装置が屋内に位置しているか屋外に位置しているかを判断して、3DFixモード或いは2DFixモードのいずれにて動作するかを判断している。
【0032】
図3は、本実施の形態にかかる電力供給回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。図3に示すように、電力供給回路34は、太陽光発電装置51、フィルタ回路52、ADコンバータ53、レギュレータ54および二次電池55を有している。太陽光発電装置51は、太陽光のほか、蛍光灯、白熱灯などの光を受け入れ、受け入れた光エネルギーを電気信号に変換して出力する。フィルタ回路52は、後述するように100Hzおよび120Hzの信号を通過させるローパスフィルタ(LPF)或いはバンドパスフィルタ(BPF)から構成される。
【0033】
ADコンバータ53は、太陽光発電装置51の出力電圧を示すディジタルデータをCPU20に供給する。レギュレータ54は、太陽光発電装置51から出力された電力を安定化させて二次電池55に与え、二次電池55は、レギュレータ34から出力された電力を蓄える。二次電池55から、負荷となる時計装置の各構成部分に電力が供給される。本実施の形態においては、太陽光発電装置51から出力された電力は二次電池55に与えられて二次電池55において蓄えられる。また、CPU20には、太陽光発電装置51の出力電圧を示すデータが与えられる。
【0034】
図9は、GPS電波に基づくフレームデータを説明する図である。図9(a)に示すように、GPSフレームデータは、1500ビット、30秒のメインフレームを1ページとして合計25ページのデータから構成される。メインフレームは5つのサブフレームから構成され、各サブフレームの先頭の同期用ワード(2ワード)には、30ビットのTLM(Telemetry)のデータ、および、30ビットのHOW(Handover Word)のデータが含まれている。サブフレーム1〜サブフレーム3は、25ページのメインフレームを通して同一のデータ構成であるが、サブフレーム4およびサブフレーム5は、データ量が多いため、25ページに分割されて送信されるようになっている。
【0035】
図9(b)は、それぞれのサブフレームに含まれる情報を示す図である。図9(b)に示すように、サブフレーム1には、GPS電波を送信するGPS衛星自身の衛星時計補正係数、データ更新時期、および、各種のフラグが含まれる。サブフレーム2およびサブフレーム3には、GPS電波を送信するGPS衛星自身の軌道情報(エフェメリス)が含まれる。サブフレーム1〜サブフレーム3は、GPS電波を送信するGPS衛星固有のデータである。これに対して、サブフレーム4およびサブフレーム5には、最大で32個存在する軌道上のGPS衛星に共通の概略軌道情報であるアルマナック、電離層補正係数、衛星の状態(衛星が動作中か休止状態かを示す)を示す情報などが含まれる。
【0036】
アルマナックは、概略的な軌道情報であり、たとえば、本実施の形態にかかる時計装置によりGPS電波を受信可能なGPS衛星を特定するために利用することができる。また、エフェメリスはGPS衛星の詳細な軌道情報であり、GPS衛星の位置を特定するためにはエフェメリスが参照される。
【0037】
CPU20は、アルマナックやエフェメリスを参照して、GPS衛星の現在位置を算出し、算出された現在位置に基づいて、GPS時計装置の現在位置を得ることが可能となる。なお、GPSフレームデータにおいてエフェメリスを取得するためには30秒程度を要する。アルマナックの取得にはそれ以上の時間を要することはいうまでもない。そこで、通常、アルマナック、エフェメリスをメモリ36に保持しておき、これらが利用可能(つまり有効)であれば、これらを利用することで、GPSフレームデータの取得に要する時間を短くする手法が採用されている。
【0038】
その一方、メモリ中にアルマナックおよびエフェメリスが存在しない場合は、コールドスタートと称され、GPSフレームデータの捕捉およびデータの取得に数分を要する。また、メモリ36中にアルマナックが存在する場合は、ウォームスタートと称され、GPSフレームデータの捕捉後、データの取得に30秒〜60秒を要する。その一方、アルマナックおよび有効なエフェメリスが存在する場合は、ホットスタートと称され、GPSフレームデータの捕捉後、データの取得に要する時間は数秒である。
【0039】
以下、本実施の形態にかかる測位モードについて説明する。本実施の形態において、GPS測位は、4つ以上のGPS衛星からのGPS電波を受信する3次元測位モード(3DFixモード)、および、3つのGPS衛星からのGPS電波を受信する2次元測位モード(2DFixモード)の何れかの下で行われる。3DFixモードの下では、GPS時計装置の現在位置の3次元の座標(x、y、z)およびGPS時計装置の計時している時刻の誤差δを算出することができる。2DFixモードの下では、現在位置の高さを除く2次元の座標(x,y)およびGPS時計装置の計時している時刻の誤差δを算出することができる。
【0040】
図4は、本実施の形態にかかるGSP時計装置において実行される処理の例を示すフローチャートである。図4に示すように、GPS時計装置のCPU20は、使用者による入力部30に対する測位の指示があった場合(ステップ401でYes)、或いは、予め定められた測位時刻が到来したときに(ステップ402でYes)、測位モード設定処理を実行する(ステップ403)。
【0041】
図5は、測位モード決定処理の例をより詳細に示すフローチャートである。図5に示すように、CPU20は、計時回路26から現在時刻を取得する(ステップ501)。次いで、取得した現在時刻が夜間の時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップ502)。ここで、夜間の時間帯の情報は、予めROM22に格納しておけばよい。ROM22には、定められた時間帯(たとえば、0時〜6時および19時〜24時)という年月日を考慮しない単一の時間帯の組を記憶しておいてもよい。或いは、季節や月ごとに異なる複数の時間帯の組を記憶しておいてもよい。
【0042】
ステップ502においてNoと判断された場合、つまり、現在時刻が夜間の時間帯に含まれない場合(現在時刻が昼間の時間帯に含まれる場合)には、現在時刻に応じた屋内外判断用の閾値を取得する(ステップ503)。現在時刻に応じた屋内外判断用の閾値は、現在時刻とモニタ電圧データのレベル(モニタ電圧レベル)とを対応付けたテーブルとしてROM22に格納されている。モニタ電圧データは、電力供給回路18のADコンバータ33から出力され、CPU20に与えられる。たとえば、CPU20は、与えられたモニタ電圧データをRAM24に一時的に記憶し、RAM24から一時的に記憶されたモニタ電圧データを読み出せば良い。
【0043】
図6(a)は、ある時期における屋内および屋外での光発電のモニタ電圧レベルの典型例を示す図である。図6(a)において直線で示すグラフ601が、屋外における光発電のモニタ電圧レベルを示し、破線で示すグラフ602が、屋内におけるモニタ電圧レベルを示す。図6(a)においては、夜間に相当する時間帯(0時〜6時、19時〜12時)では、屋内では蛍光灯が点灯していることから、屋内の方が、屋外よりも発電によるモニタ電圧レベルが大きい。その一方、昼間に相当する時間帯(6時〜19時)では、屋外の方が、屋外よりも発電によるモニタ電圧レベルが大きい。そこで、本実施の形態においては、夜間ではない時間帯、つまり昼間に相当する時間帯(たとえば、図6(a)の例では、6時〜19時)で、時刻ごとにGPS時計装置が屋内外の何れに位置しているかを判断するためのモニタ電圧レベルの閾値を決定し、時刻とモニタ電圧レベルとを関連付けてROM22に格納している。図6(b)は、時刻とモニタ電圧レベルの閾値とを示すグラフである。図6(b)において、一点鎖線610で示すグラフが閾値を示す。なお、ステップ505では、たとえば、モニタ電圧レベルのピーク値やピーク値の平均値と閾値とが比較される。
【0044】
CPU20は、ADコンバーター52から出力されたデータに基づいて、太陽光発電装置51の発電レベルを示すモニタ電圧レベルを取得する(ステップ504)。次いで、CPU20は、モニタ電圧が閾値以上であるか(モニタ電圧≧閾値)を判断する(ステップ505)。ステップ505でYesと判断された場合には、GPS時計装置が屋外に位置していると判断して、CPU20は、測位モードを3DFixモードと決定する(ステップ508)。また、CPU20は、測位において使用するPDOPマスク値として、屋外用PDOPマスク値を設定する(ステップ509)。なお、屋外用PDOPマスク値は、屋内用PDOPマスク値より、PDOPの良好性を示す値、つまり、より小さな値となっている。
【0045】
ステップ505でNoと判断された場合には、CPU20は、モニタ電圧データの周波数を算出する。蛍光灯は家庭用交流電源の周波数に応じて点滅しているため、太陽光発電装置51が、蛍光灯の光に基づいて発電する場合には、太陽光発電装置51からの出力電圧も、一定の周波数をもって振動している。たとえば、50Hzの家庭用交流電源を用いている場合には、蛍光灯は1秒間に100回点滅する。その一方、60Hzの家庭用交流電源を用いている場合には、蛍光灯は1秒間に120回点滅する。したがって、これら点滅する蛍光灯の光を受けて発電している太陽光発電装置31から得られたモニタ電圧も、1秒間に100回或いは120回の繰り返し波形を示す。
【0046】
図10は、本実施の形態におけるモニタ電圧データの例を示す図である。図10に示すように、モニタ電圧データは、ゼロレベルから増大してピークから再度減少してゼロレベルに至るような基本波形(符号1001、1002参照)が連続する。たとえば、50Hzの交流電源により点灯している蛍光灯の光による発電に基づくモニタ電圧では、上記基本波形が1秒間に100回連続してあらわれ、60Hzの交流電源により点灯している蛍光灯の光による発電に基づくモニタ電圧では、上記基本波形が1秒間に120回連続してあらわれる。したがって、たとえば、CPU20は、秒あたりの基本波形の数をカウントすることにより、交流電源の周波数を特定することができる。より具体的には、モニタ電圧データのピークを検出して、ピーク値より若干小さい(たとえばピーク値の90%)閾値THを設定し、モニタ電圧データの立ち上がり(増加時)に閾値を超えるポイント(たとえば、符号1011〜1014参照)の数をカウントすればよい。
【0047】
CPU20は、モニタ電圧の周波数に基づく交流電源の周波数60Hzが検出されたか否かを判断する(ステップ506)。周波数60Hzが検出された場合(ステップ506でYes)には、CPU20は、GPS時計装置が屋内に位置していると判断する。また、モニタ電圧の周波数に基づく交流電源の周波数50Hzが検出された場合にも(ステップ507でYes)、CPU20は、GPS時計装置が屋内に位置していると判断する。したがって、これらの場合には、CPU20は、測位モードを2DFixモードと決定する(ステップ510)。また、CPU20は、測位において使用するPDOPマスク値として、屋内用PDOPマスク値を設定する(ステップ511)。
【0048】
また、ステップ502でNoと判断された場合、つまり、現在時刻が夜間に相当する時間帯に含まれると判断された場合にも、モニタ電圧の周波数による判断(ステップ506、507)が実行される。
【0049】
測位モードおよびPDOPマスク値は、CPU20からGPS制御部37に与えられる。GPS制御部37は、後述する測位処理(ステップ404)において、測位モードが、3DFixモードであれば、多チャンネルデコーダ群35中の全てのデコーダ41〜4nに、GPSフレームデータを取得させる。その一方、測位モードが、2DFixモードであれば、GPS制御部37は、多チャンネルデコーダ群35のうち、3つのデコーダ(たとえば、デコーダ41〜43)に、GPSフレームデータを取得させる。
【0050】
測位モード設定処理(ステップ403)が終了すると、CPU20は、測位モードにしたがった測位処理を実行する(ステップ404)。図7、図8は、本実施の形態にかかる測位処理の例を示すフローチャートである。図7に示すように、CPU20は、設定された測位モードが、3DFixモードか否かを判断する(ステップ701)。ステップ701でYesと判断された場合には、CPU20は、GPS制御部37に対して、多チャンネルデコーダ群38中の全てのデコーダ41〜4nにGPGフレームデータの取得を指示する(ステップ702)。
【0051】
GPS制御部37の指示に応答して、多チャンネルデコーダ群38中のデコーダ41〜4nはそれぞれ衛星からのGPSフレームデータを取得し、GPSフレームデータを、それぞれ、メモリ36の所定の領域に格納する。なお、捕捉される衛星の数が、デコーダの数nに満たない場合には、捕捉された衛星の数だけのデコーダが作動すれば足りる。
【0052】
GPS制御部37は、メモリ36に格納された、各衛星のGPSフレームデータから、4つ、或いは、それ以上の衛星の組のそれぞれのPDOP値を算出する(ステップ703)。GPS制御部37は、算出されたPDOP値を比較して、最良、つまり、最小値を示すPDOP値を特定する(ステップ704)。次いで、GPS制御部37は、最良のPDOP値と屋外用PDOPマスク値を比較して、最良のPDOP値が、屋外用PDOPマスクより小さいか否かを判断する(ステップ705)。ステップ705でNoと判断された場合には、処理が終了され、今回の処理において取得したGPSフレームデータによる現在位置の算出は行なわれない。
【0053】
ステップ705でYesと判断された場合には、GPS制御部37は、最良のPDOP値を示した衛星のそれぞれのGPSフレームデータをCPU20に与える。CPU20は、与えられたGPSフレームデータに基づいて、GPS時計装置の現在位置の3次元座標および現在時刻の誤差を算出する(ステップ706)。
【0054】
ステップ701でNo、つまり、測位モードが2DFixモードであった場合には、CPU20は、GPS制御部37に対して、多チャンネルデコーダ群38中のうち、3つのデコーダ41〜43の起動を指示する(ステップ801)。GPS制御部37の指示に応答して、多チャンネルデコーダ群38中の3つのデコーダ41〜43はそれぞれ衛星からのGPSフレームデータを取得し、GPSフレームデータを、それぞれ、メモリ36の所定の領域に格納する。
【0055】
GPS制御部37は、メモリ36に格納された、3つの衛星のGPSフレームデータからPDOP値を算出する(ステップ802)。GPS制御部37は、算出されたPDOP値と屋内用PDOPマスク値を比較して、算出されたPDOP値が、屋内用PDOPマスクより小さいか否かを判断する(ステップ803)。ステップ803でNoと判断された場合には、処理が終了され、今回の処理において取得したGPSフレームデータによる現在位置の算出は行なわれない。
【0056】
ステップ803でYesと判断された場合には、GPS制御部37は、PDOP値を示した衛星のそれぞれのGPSフレームデータをCPU20に与える。CPU20は、与えられたGPSフレームデータに基づいて、GPS時計装置の現在位置の2次元座標および現在時刻の誤差を算出する(ステップ804)。
【0057】
本実施の形態によれば、太陽光発電装置により発電された電気信号のレベル(モニタ電圧レベル)を光の強度に応じた信号として、その信号の周期性を判断している。信号が、交流電源の周波数に基づく所定の周期性を有する場合には、GPS時計装置が屋内に位置していると判断して、2次元測位モードによる測位を実行する。屋内においては可視されるGPS衛星の数が少なく、高精度の測位が見込めない可能性が高いため、予め2次元測位モードによる測位により、平面座標や時刻の誤差のみを取得する。これにより、GPS時計装置の状況に応じて適切な測位モードの下での測位が可能となる。
【0058】
また、本実施の形態においては、現在時刻が昼間に相当する時間帯である場合には、信号のレベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する。この所定の閾値は、昼間に相当する時間帯において、屋内屋外を判断するための値である。信号のレベルが所定の閾値以上である場合には、前記測位モード決定手段が、3次元測位モードにて測位すべきであると判断する。したがって、GPS時計装置が屋外に位置している可能性が相当に高い場合には、3次元測位モードにより高精度の測位を実行することが可能となる。
【0059】
さらに、本実施の形態においては、現在時刻が夜間に相当する時間帯である場合には、周期性検出手段により信号の周期性が判断され、信号に周期性があると判断された場合には、2次元測位モードによる測位が実行される。夜間に相当する時間帯においては、蛍光灯が点灯されている典型的な場所である屋内に、GPS時計装置が位置しているか否かを判断し、これに基づいて、測位モードを決定する。本実施の形態によれば、時間帯に応じてGPS時計装置の位置を適切に判断することが可能となる。
【0060】
本実施の形態においては、3次元測位モードにおいては、多チャンネルデコーダ群の全てのデコーダが作動して、それぞれのデコーダがGPSフレームデータを取得する。その一方、2次元測位モードでは、全てのデコーダ数より少ない数(たとえば必要最低限である3つ)のデコーダが作動して、それぞれのデコーダがGPSフレームデータを取得する。これにより、高精度の測位が見込めない2次元測位モードにおいては、電力消費を極力抑制することが可能となる。
【0061】
また、本実施の形態においては、2次元測位モードにおいて、GPS衛星の配置状態の良好度を示す指標値(たとえば、PDOP値)であって、測位に用いることの限度を示すマスク値を、3次元測位モードにおけるマスク値よりも、良好でない配置を許容する値とする。これにより、2次元測位モードにおいては、精度の高低より、位置の算出を優先することができる。
【0062】
本実施の形態によれば、太陽光発電装置により発電された電気信号のレベル(モニタ電圧レベル)を光の強度に応じた信号として取得する。したがって、光を受信するための専用の素子を用いることなく、光の強度に応じた信号を取得することができる。
【0063】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0064】
たとえば、前記実施の形態においては、電力供給回路が太陽光発電装置を備え、太陽光発電装置にて発電される電力について、モニタ電圧を取得し、モニタ電圧の周波数を検出している。しかしながら、このような構成に限定されるものではない。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるGPS時計装置の構成を示すブロックダイヤグラムである。図11に示すように、GPS時計装置は、アンテナ12、前置増幅回路14、高周波受信回路16、GPS信号処理部18、CPU20,ROM22、RAM24、計時回路26、発振回路28、入力部30、表示部32、受光部110および電力供給回路134を有する。電力供給回路134は、外部からの家庭用交流電源を受け入れるレギュレータ135および二次電池136を有する。また、受光部110は、受光センサ111、フィルタ回路112およびADコンバーター113を有する。
【0065】
受光部110において、受光センサ111は、受け入れた光の強度に応じた信号を出力することができる。受光センサ111からの信号は、フィルタ回路112およびADコンバーター113を経て、CPU20に与えられる。フィルタ回路112およびADコンバーター113は、第1の実施の形態にかかるフィルタ回路52およびADコンバータ53と同様である。CPU20には、受光センサ111により受光された光の強度に基づくデータが与えられる。したがって、第1の実施の形態と同様に、CPU20は、データの周波数を算出し、算出されたデータの周波数に基づき、交流電源の周波数60Hz或いは50Hzを検出することが可能である。
【0066】
また、前記実施の形態においては、屋内用PDOPマスク値として、屋外用PDOPマスク値より、大きい値として予め決めておき、2次元測位モード(2DFixモード)による測位において、屋内用PDOPマスク値を参照して、2DFixモードにおける測位の可否を判断していた(図8のステップ803)。しかしながら、2次元測位モードにおいては、PDOPマスク値を採用せず、3つのGPS衛星から受信したGPS電波に基づいて、これら3つの衛星によるPDOP値と屋内用PDOPマスク値との比較をすることなく、測位を実行しても良い。
【0067】
2DFixモードにおいてはPDOPマスク値を採用しないことにより、2次元測位モードにおいては、精度の高低より、位置の算出を最優先とすることができる。
【0068】
また、前記実施の形態において、2次元測位モード(2DFixモード)では、3つのGPS衛星のGPSフレームデータを得るために、3つのデコーダを作動させていた。しかしながら、これに限定されず、4つ以上のデコーダを作動させても良い。なお、省電力の観点からは、3次元測位モードのように全てのデコーダを作動させるのではなく、一部のデコーダのみを作動させるのが望ましい。
【0069】
また、前記実施の形態においては、モニタ電圧データの周波数を得るために、モニタ電圧データの立ち上がり(増加時)に閾値を超えるポイントの数をカウントしているが、このような手法に限定されるものではない。たとえば、モニタ電圧データのピーク値など他の値をカウントしても良い。また、モニタ電圧の波形のノイズを考慮して、50Hzの交流電源を検出する際に、1秒当たりカウント値が100に一致しなくても良く、カウント値が、所定の範囲内(たとえば、95〜105)であれば、交流電源が50Hzであると判断してよい。60Hzの交流電源を検出する際も同様である。
【0070】
また、モニタ電圧データの立ち上がり(増加時)に閾値を超えるポイントや、ピーク値となるポイントの数をカウントするのではなく、隣接するポイントの間の時間間隔を計測するように構成しても良い。この場合にも、モニタ電圧の波形のノイズを考慮して、複数の時間間隔の平均値が、所定の範囲内(交流電源の周波数が50Hzであれば、9ms〜11msなど)に含まれるか否かを判断すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるGPS時計装置の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図2】図2は、本実施の形態にかかるGPS信号処理部18の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図3】図3は、本実施の形態にかかる電力供給回路の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるGSP時計装置において実行される処理の例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、測位モード決定処理の例をより詳細に示すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、ある時期における屋内および屋外での光発電のモニタ電圧レベルの典型例を示す図、図6(b)は、時刻とモニタ電圧レベルの閾値とを示すグラフである。
【図7】図7は、本実施の形態にかかる測位処理の例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本実施の形態にかかる測位処理の例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、GPS電波に基づくフレームデータを説明する図である。
【図10】図10は、本実施の形態におけるモニタ電圧データの例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるGPS時計装置の構成を示すブロックダイヤグラムである。
【符号の説明】
【0072】
14 前置増幅回路
16 高周波受信回路
18 GPS信号処理部
20 CPU
22 ROM
24 RAM
26 時計回路
28 発振回路
30 入力部
32 表示部
34 電力供給回路
35 多チャンネルデコーダ群
36 メモリ
37 GPS制御部
41、42、・・・ デコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS衛星からの電波を受信し、当該電波に基づく信号を出力するGPS受信手段と、
前記GPS受信手段から出力された信号をそれぞれ受け入れて、GPS衛星ごとのGPSフレームデータを取得するデコーダを複数有する多チャンネルデコーダ群と、
前記多チャンネルデコーダ群を構成するデコーダからそれぞれ出力されたGPSフレームデータを記憶するフレームデータメモリと、
前記フレームデータメモリに含まれるGPSフレームデータに基づいて、現在位置および現在時刻を算出する位置・時刻算出制御手段と、
光を受け入れて当該光の強度に応じた信号を出力する光検出手段と、
前記光検出手段から出力された信号に基づき、前記信号が所定の周期性を有するか否かを判断する周期性検出手段と、
3個のGPS衛星にて測位する2次元測位モード、或いは、4個以上のGPS衛星にて測位する3次元測位モードの何れ測位モードで測位すべきかを判断する測位モード決定手段と、を備え、
前記周期性検出手段が、前記信号が所定の周期性を有すると判断した場合に、前記測位モード決定手段が、2次元測位モードにて測位すべきと判断し、前記周期性検出手段が、前記信号が所定の周期性を有していないと判断した場合に、前記測位モード決定手段が、3次元測位モードにて測位すべきと判断し、
前記測位モードにしたがって、前記多チャンネルレコード群において、所定数のデコーダが作動して、それぞれのデコーダが、GPSフレームデータを取得することを特徴とする位置・時刻算出装置。
【請求項2】
内部クロックにしたがって現在時刻を計時する計時手段を備え、
前記測位モード決定手段が、前記計時手段により計時された現在時刻を参照して、 前記現在時刻が昼間に相当する所定の時間帯に該当する場合に、前記光検出手段から出力された信号のレベルが、所定の閾値以上であるかを判断し、前記信号のレベルが所定の閾値以上である場合には、当該測位モード決定手段が、3次元測位モードにて測位すべきであると判断し、前記閾値より小さい場合には、前記周期性検出手段が周期性を検出し、前記測位モード決定手段が、前記周期性に基づいて測位モードを決定することを特徴とする請求項1に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項3】
前記測位モード決定手段が、前記計時手段により計時された現在時刻を参照して、前記現在時刻が夜間に相当する所定の時間帯に該当する場合に、前記周期性検出手段が周期性を検出し、前記測位モード決定手段が、前記周期性に基づいて測位モードを決定することを特徴とする請求項2に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項4】
前記3次元測位モードにおいて、前記多チャンネルデコーダ群の全てのデコーダが作動し、前記2次元測位モードにおいては、前記多チャンネルデコーダ群のうち、全てのデコーダ数より少ない所定数のデコーダのみが作動することを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項5】
前記位置・時刻算出手段が、前記3次元測位モードにおいて、GPS衛星の配置状態の良好度を示す指標値であって、測位に用いることの限度を示す所定の第1のマスク値を用いて、測位の可否を判断し、前記2次元測位モードにおいては、前記第1のマスク値より、良好でない配置を許容する所定の第2のマスク値を用いて測位の可否を判断することを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項6】
前記位置・時刻算出手段が、前記3次元測位モードにおいて、GPS衛星の配置状態の良好度を示す指標値であって、測位に用いることの限度を示す所定の第1のマスク値を用いて、測位の可否を判断し、前記2次元測位モードにおいては、前記マスク値を使用することなく測位を行うことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項7】
前記光検出手段が、太陽光を含む光に応じて発電する発電手段を有し、
前記周期性判定手段が、前記発電手段の発電による電気信号に基づいて、当該電気信号における所定の周期性を検出することを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置取得装置。
【請求項8】
前記周期性が、商用交流電源の周波数に基づくことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の位置・時刻算出装置と、
内部クロックにしたがって現在時刻を計時する計時手段と、
前記位置・時刻算出装置により取得された現在時刻にしたがって、前記計時手段の現在時刻を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする時計。
【請求項10】
前記位置・時刻算出装置により取得された現在位置を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項9に記載の時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−96686(P2010−96686A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269331(P2008−269331)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】