説明

位置情報サービスにおける位置情報要求を処理する方法

本発明は、位置情報サービスにおいて位置情報要求を処理する方法を開示している。本方法は、位置情報要求受信部に対して処理指示を有する位置情報要求を送信する位置情報要求開始部を有し、位置情報要求受信部は、位置情報要求を受信した後、処理指示の型に従って、位置情報要求に対して同期処理又は非同期処理の何れを行うかを決定し、その後、位置情報要求に対して対応する処理を実行する。本方法は、効果的にLCSシステムのシステムリソースを節約し、位置情報サービスインターフェースのリソースの浪費を避け、位置情報サービスの処理能力を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置情報技術、より詳細には位置情報サービスにおける位置情報要求を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信ネットワークにおける位置情報サービス(LCS,Location Service)とは位置情報技術によって対象となる移動機(UE,User Equipment)の位置情報を取得するものであり、対象UEとは移動通信ネットワークにおいて位置決定された移動機端末のことを表し、位置情報には地理的緯度/経度情報又は地域の街路の位置情報が含まれる。LCSシステムにより取得された位置情報は、対象UEが自身の位置決定するため、又は通信システム自体が地域毎の課金や動作メンテナンスを行うため、又は対象UEの位置情報を所望する組織や個人等の他のクライアントアプリケーション端末が付加価値サービスを行うため提供され得る。それ故、位置情報サービスは、緊急救助、車両ガイダンス及びインテリジェント交通システム、作業スケジュール及びチーム管理、移動電話帳案内、ネットワークの効率向上、及びその他の様相の点から広い応用性を有する。第3世代共同計画(3GPP,3rd Generation Partnership Project)には、LCS仕様に加えて、LCSシステム全体の機能モデル、構造、ステータス記述、メッセージフロー及び他の態様が全て記載されている。
【0003】
図1は、LCSネットワークのロジック構造を示す略示図である。図1に示されるように、機能ロジックの点から、位置情報サービスを実施するための機能的ロジックの実体は、要求末端101、LCSシステムを有するネットワーク106、及び対象UE107を備える。LCSシステムを有するネットワーク106は、ゲートウェイ移動位置情報センタ(GMLC,Gateway Mobile Location Center)102、ユーザデータ記憶サーバ(HLR/HSS)103、中央ネットワーク(CN,Central Network)104及び無線アクセスネットワーク(RAN,Radio Access Network)105を備える。要求末端101は、要求者及びLCSクライアントを有する。LCSクライアントとは、1つ以上の対象UE107の位置情報を得るために用いられるソフトウェア実体及びハードウェア実体のことを表し、LCSシステムを有するネットワーク106と接続される。要求者とは、対象UE107の位置情報を要求する組織や個人等の要求アプリケーションクライアント末端のことを表し、位置情報要求の開始者である。LCSクライアント末端は、同時に要求者でもあり得る。GMLC102は、要求末端とLCSシステムを有するネットワーク106との間の情報相互通信のための標準LCSインターフェイスを提供し、要求末端101のプライバシに加えて、要求末端101によって送られる位置情報要求のそれも確認する。両方のプライバシ確認をパスした場合、GMLC102は、CN104に対して対象UE107の位置把握するための要求を送る。CN104は、対象UE107の位置把握をするためにRAN105と共働し、GMLC102に対して対象UE107の位置把握結果を返信する。最終的に、GMLC102は、要求末端101に対して対象UE107の位置把握結果を送る。GMLC102は更に、要求GMLC(R−GMLC,Requesting GMLC)108、ホームGMLC(H−GMLC,Home GMLC)109及び訪問GMLC(V−GMLC,Visited GMLC)110を備えてよい。R−GMLC108は、LCSシステムを有するネットワーク106に位置するGMLCであり、要求末端101からの対象UE107の位置情報要求を受信するために用いられる。H−GMLC109は、LCSシステムを有するネットワーク106に位置し、対象UE107が連携しているGMLCである。V−GMLC110は、対象UE107がその時訪問している、LCSシステムを有するネットワーク106に位置するGMLCであり、即ち対象UE107がその時点で位置する、LCSシステムを有するネットワーク106のGMLCである。R−GMLC108、H−GMLC109及びV−GMLC110は、1つの物理的実体として一体化されていても、異なる実体として配置されていてもよい。R−GMLC108及びH−GMLC109はLrインターフェイスを介して接続されており、H−GMLC109及びV−GMLC110も同様である。要求末端101及びR−GMLC108はLeインターフェイスを介して接続されている。HLR/HSS103は、ユーザデータを記憶し、H−GMLC109、V−GMLC110及びCN104の、ユーザに関連するアドレス情報等の移動機に関する情報を他のネットワークのロジック実体に提供する。CN104は、GMLC102から対象UE107の位置情報要求を受信して処理し、対象UE107の位置把握をするためにRAN105と共働し、GMLC102に対して対象UE107の位置把握結果を返信する。
【0004】
現在、要求末端からの対象UEの位置情報要求は、3GPPのLCS仕様では2つのカテゴリに分類されている。即ち、即時位置情報要求及び遅延位置情報要求である。即時位置情報要求に対する処理とは、LCSシステムが要求末端から対象UEの位置情報要求を受信した後即座に対象UEの位置把握をし、直ちに要求末端に対して対象UEの位置把握結果を返信することである。遅延位置情報要求に対する処理とは、未来のある時点又はある事態が起こった際にLCSシステムによる位置把握結果を与えることである。
【0005】
図2は、3GPPのLCS仕様に画定されている位置情報要求を開始する、要求末端の処理を説明するフローチャートであり、図2に示すように、対象UEに対する位置情報要求を開始する要求末端の処理は、以下のステップを備えている。
【0006】
まず、以下にステップ201乃至205を説明する。要求末端は、R−GMLCに対してLCSサービス要求(LCS Service Request)を送信して、LCSシステムが対象UEの位置情報を提供することを要求する。LCSサービス要求を受信した後、R−GMLCは、HLR/HSSに対してLCSのための送信経路情報(Send Routing Info for LCS)を送信して、HLR/HSSがH−GMLCのアドレスを提供することを要求する。LCSのための送信経路情報を受信した後、HLR/HSSは、R−GMLCに対してLCSのための送信経路情報のACK(Send Routing Info for LCS ACK)を送信し、H−GMLCのアドレス情報を返信する。LCSのための送信経路情報のACKを受信した後、R−GMLCは、H−GMLCに対してLCSサービス要求を送信して、対象UEの位置情報を要求する。LCSサービス要求を受信した後、H−GMLCは、送信されたLCSサービス要求に関してだけでなくR−GMLCに関してプライバシを確認し、両方のプライバシ確認をパスした場合、ステップ206が実行される。それ以外の場合、H−GMLCは、R−GMLCに対してエラー応答を送信する。
【0007】
以下にステップ206乃至209を説明する。H−GMLCは、HLR/HSSに対してLCSのための送信経路情報を送信して、HLR/HSSがV−GMLCのアドレスとCNのそれとを提供することを要求する。LCSのための送信経路情報を受信した後、HLR/HSSは、H−GMLCに対してLCSのための送信経路情報のACKを送信し、V−GMLCのアドレス情報とCNのそれとを返信する。LCSのための送信経路情報のACKを受信した後、H−GMLCは、V−GMLCに対してLCSサービス要求を送信して、対象UEの位置情報を要求する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をする。
【0008】
以下にステップ210乃至211を説明する。対象UEの位置把握が終了した後、V−GMLCは、H−GMLCに対してLCSサービス要求を送信し、対象UEの位置把握結果を返信する。LCSサービス応答を受信した後、H−GMLCは、必要なときにR−GMLCによって返信された対象UEの位置情報に関してプライバシを確認し、プライバシ確認をパスした場合、ステップ212が実行される。さもなければ、H−GMLCは、R−GMLCに対してエラー応答を送信する。
【0009】
以下にステップ212乃至213を説明する。H−GMLCは、R−GMLCに対してLCSサービス応答(LCS Service Response)を送信して、対象UEの位置把握結果を返信する。LCSサービス応答を受信した後、R−GMLCは、必要時に対象UEの返信された位置把握結果を変換、例えば、緯度/経度情報を地域の地理的情報に変換することができる。R−GMLCは、要求末端に対してLCSサービス応答を送信して、最終的に変換された、対象UEの位置把握結果を返信する。
【0010】
上述は、単に、要求末端がLCSシステムに対象UEの位置情報を提供することを要求する基本的手順である。3GPP LCS仕様には、要求末端からR−GMLCに送信されたLCSサービス要求は、同期処理指示又は非同期処理指示のいずれかの処理指示を更に含むことができることが明示されており、R−GMLCは処理指示の型に従って受信したLCSサービス要求を処理する。同期処理指示の場合、R−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して同期処理を実行する。一方、非同期処理指示の場合、R−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して非同期処理を実行する。LCSサービス要求に対するR−GMLCの同期処理方式と非同期処理方式は、以下に詳細に述べられる。
【0011】
図3は、要求末端及びR−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートであり、図3に示すように、同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0012】
以下にステップ301乃至302を説明する。要求末端は、R−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信し、R−GMLCは同期処理指示に従って、受信したLCSサービス要求に対する同期処理を実行し、このLCSサービス要求をH−GMLCに転送する。H−GMLCは、このLCSサービス要求に関してプライバシを確認し、プライバシ確認をパスした場合、H−GMLCは、このLCSサービス要求をV−GMLCに転送する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をする。V−GMLCは、H−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス応答を返信し、H−GMLCは、R−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス応答を転送し、最終的に、R−GMLCは、要求末端に対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス応答を返信する。
【0013】
V−GMLCが、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握に成功した場合、LCSサービス応答は、対象UEの位置把握結果を有する。一方、V−GMLCが、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握することに失敗した場合、LCSサービス応答は、位置把握が不成功となった理由を有する。
【0014】
図4は、要求末端及びR−GMLC間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートであり、図4に示すように、非同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0015】
以下にステップ401乃至402を説明する。要求末端は、R−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信し、R−GMLCは非同期処理指示に従って、受信したLCSサービス要求に対する非同期処理を実行する。R−GMLCは、先ず、要求末端に対してLCSサービス応答を送信して、要求末端に、要求末端から対象UEへのLCSサービス要求が受付けられたことを知らせ、次いで、R−GMLC及び要求末端の間の接続リソースを解放する。LCSサービス応答を受信した後、要求末端は、R−GMLC及び自身の間の接続リソースを解放する。その後、R−GMLCは、H−GMLCにより実行されるプライバシ確認を要求末端がパスした後にV−GMLCに対してLCSサービス要求を転送するH−GMLCに対して、LCSサービス要求を送信する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をする。
【0016】
以下にステップ403を説明する。CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をした後、V−GMLCは、R−GMLCに対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス応答を転送するH−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス応答を返信する。R−GMLCは、LCSサービス応答を受信した後、自身及び要求末端の間の接続を再確立し、要求末端に対して、対象UEの位置把握結果を有する位置情報メッセージを返信する。
【0017】
V−GMLCが、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握に成功した場合、位置情報は、対象UEの位置把握結果を有する。一方、V−GMLCが、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握することに失敗した場合、位置情報は、位置把握が不成功となった理由を有する。
【0018】
上述の処理指示は、要求末端から対象UEへの位置情報要求の型に従って決定することができる。例えば、要求末端が、対象UEの即時位置情報要求を開始する場合、要求末端は、R−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。一方、要求末端が、対象UEの遅延位置情報要求を開始する場合、要求末端は、R−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。
【0019】
上記記載のLCSサービス要求は、位置情報要求の一例である。
【0020】
現在、3GPPのLCS仕様では、R−GMLC及び要求末端の間のLeインターフェースにおいて、位置情報要求に対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行すべきかについて機構が明示されており、一方で、R−GMLC及びH−GMLCの間又はH−GMLC及びV−GMLCの間のLrインターフェースは、位置情報要求に対する同期処理のみをサポートすることができ、位置情報要求に対する非同期処理をサポートすることはできない。このようにして、V−GMLCが、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をし、H−GMLCに対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス要求を返信した後にのみ、V−GMLC及びH−GMLCの間の接続リソースは解放できる。同時に、H−GMLCが、R−GMLCに対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス要求を返信した後にのみ、H−GMLC及びV−GMLCの間の接続リソースは解放できる。位置把握技術の違い及び要求末端から要求される位置把握の精度の違いによって、V−GMLCがCN及びRANと共働して対象UEの位置把握する場合、長時間を要することがありうる。そのような場合、R−GMLC、H−GMLC及びV−GMLCの間では、同期処理のみが利用可能であるため、H−GMLC及びV−GMLCの間だけでなく、R−GMLC及びH−GMLCの間の接続リソースは、対象UEの位置把握が終了するまで解放できず、Lrインターフェースにおけるリソースの浪費となる。ほかにも、H−GMLC及びV−GMLCの間だけでなく、R−GMLC及びH−GMLCの間が長距離である場合、メッセージ対話手順中に遅れが生じ、H−GMLCは、V−GMLCの応答を長時間待つことになり、R−GMLCは、H−GMLCの応答を長時間待つことになる。そのような場合、H−GMLC及びR−GMLCの間だけでなく、V−GMLC及びH−GMLCの間の接続リソースは長時間を占有し、H−GMLC及びR−GMLCの間だけでなく、V−GMLC及びH−GMLCの間の接続リソースを浪費し、Lrインターフェースにおけるリソースの浪費となる。
【特許文献1】中国特許出願公開1324553号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
これを鑑み、本発明の目的は、効果的にLCSシステムのシステムリソースを節約し、かつ位置情報サービスの処理能力を向上するような、位置情報サービスの際に位置情報要求を処理する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明は、位置情報サービスにおける位置情報要求を処理する方法において、
A.位置情報要求開始部が、位置情報要求受信部に対して処理指示を含む位置情報要求を送信するステップと、
B.位置情報要求を受信した後、位置情報要求受信部が処理指示の型に従って位置情報要求に対して同期処理又は非同期処理の何れを行うかを決定し、その後位置情報要求に対して対応する処理を実行するステップとを有することを特徴とする方法を提供する。
【0023】
位置情報要求受信部が、ステップBにおいて、処理指示の前記型に従って位置情報要求に対して同期処理を行うことを決定するという条件下で、ステップB中の、位置情報要求に対して対応する処理を実行するステップにおいて、LCSシステムが対象UEの位置把握をした後、位置情報要求受信部が位置情報要求開始部に対して対象UEの位置把握結果を含む位置情報応答を送信することを特徴とする。
【0024】
位置情報要求受信部が、ステップBにおいて、処理指示の前記型に従って位置情報要求に対して非同期処理を行うことを決定するという条件下で、ステップBは、
B1.位置情報要求受信部が位置情報要求開始部に対して位置情報サービス応答を送信し、自身及び位置情報要求開始部の間の接続リソースを開放するステップと、
B2.位置情報サービス応答を受信した後、位置情報要求開始部が自身及び位置情報要求受信部の間の接続リソースを開放するステップと、
B3.LCSシステムが対象UEの位置把握をした後、位置情報要求受信部が自身及び位置情報要求開始部の間の接続を再確立し、その後位置情報要求開始部に対して対象UEの位置把握結果を含むLCSサービス結果を送信するステップとを有することを特徴とする。
【0025】
処理指示の前記型は、位置情報要求開始部によって受信された位置情報要求が含む処理指示の型に従って、又は位置情報要求開始部によって受信された位置情報要求が有するサービスの質のパラメータに従って、又は位置情報要求受信部のアドレス型に従って、又は上記の任意の組み合わせに従って決定されることを特徴とする。
【0026】
位置情報要求開始部はLCSクライアントであり、位置情報要求受信部はR−GMLCであることを特徴とする。
【0027】
位置情報要求開始部はR−GMLCであり、位置情報要求受信部はH−GMLCであることを特徴とする。
【0028】
位置情報要求開始部はH−GMLCであり、位置情報要求受信部はV−GMLCであることを特徴とする。
【0029】
本発明で提供される本方法によれば、位置情報要求開始部は、位置情報要求に対し様々な状況によって異なる処理方式を採用でき、これにより、位置情報要求受信部は、位置情報要求開始部によって決定された位置情報要求処理方式に従って、自身及び位置情報要求開始部の間の接続リソースに対する対応する処理を実施できる。非同期処理方式を採用した場合、LCSシステムのシステムリソースは節約され、位置情報サービスインターフェースにおけるリソースの浪費は避けられ、位置情報サービスの処理能力が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、添付図を参照して以下に詳細に述べられる。
【0031】
本発明において、位置情報要求開始部は、様々な状況によって、位置情報要求に対して異なる処理方式を採用することができ、これにより、位置情報要求受信部は、位置情報要求開始部によって決定された位置情報要求処理方式に基づいて、自身及び位置情報要求開始部の間の接続リソースに対して対応する処理を実行することができる。このようにして、非同期処理方式が位置情報要求に対して採用された場合、LCSシステムのシステムリソースは効果的に節約される。例えば、V−GMLC及びH−GMLCの間だけでなく、H−GMLC及びR−GMLCの間のLrインターフェースにおいて位置情報要求対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行すべきかを判定する機構を追加することによって、R−GMLC及びH−GMLCは、様々な状況によって、位置情報要求に対して異なる処理方式を採用することができ、非同期処理方式の場合顕著に、V−GMLC及びH−GMLCの間だけでなく、H−GMLC及びR−GMLCの間の接続リソースを節約し、Lrインターフェースのリソースの浪費を避け、LCSシステムの処理能力を向上することができる。
【0032】
自身によって設定された規則に従ってH−GMLCに対してLCSサービス要求を送信する場合、R−GMLCは、R−GMLC及びH−GMLCの間の対話に対して同期処理又は非同期処理のどちらを採用すべきかを決定する。H−GMLCに送信されたLCSサービス要求は、LCSサービス要求に対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行すべきかを指示する処理指示を有し、H−GMLCは、処理指示の型に従って、受信したLCSサービス要求を処理する。同期処理指示の場合、H−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して同期処理を実行する。一方、非同期処理指示の場合、H−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して非同期処理を実行する。そしてその後、H−GMLCは、自身によって設定された規則に従ってV−GMLCに送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。
【0033】
V−GMLC及びH−GMLCの間だけでなくH−GMLC及びR−GMLCの間のLCSサービス要求に対する同期処理及び非同期処理が、以下にそれぞれ述べられる。
【0034】
図5は、R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートであり、図5に示されるように、R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0035】
以下にステップ501乃至502を説明する。R−GMLCは、H−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信し、その後、H−GMLCは同期処理指示に従って、受信したLCSサービス要求に対する同期処理を実行し、受信したLCSサービス要求に関してプライバシを確認する。プライバシ確認をパスした場合、H−GMLCは、このLCSサービス要求をV−GMLCに転送し、LCSサービス要求は、H−GMLCシステムの規則に従って設定され、かつ、このLCSサービス要求に対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行するかをV−GMLCに指示するために用いられる、処理指示を有する。一方、プライバシ確認が失敗した場合、H−GMLCは、要求末端からの対象UEの位置情報要求を拒絶する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、処理指示の型に従って、受信したLCSサービス要求を処理する。同期処理指示の場合、V−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して、図7に示す同期処理を実行する。非同期処理指示の場合、V−GMLCは、受信したLCSサービス要求に対して、図8に示す同期処理を実行する。
【0036】
図6は、R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートであり、図6に示されるように、R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0037】
以下にステップ601乃至602を説明する。R−GMLCは、H−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信し、H−GMLCは、非同期処理指示に従って、受信したLCSサービス要求に対する非同期処理を実行し、R−GMLCに対してLCSサービス応答を送信して、R−GMLCに、LCSサービス要求が受付けられたことを知らせ、自身及びR−GMLCの間の接続リソースを解放する。その後、H−GMLCは、このLCSサービス要求に関してプライバシを確認する。要求末端がプライバシ確認をパスした場合、H−GMLCは、V−GMLCに対して、LCSサービス要求を転送する。このLCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をする。要求末端がプライバシ確認をパスしなかった場合、H−GMLCは、要求末端から対象UEへの位置情報要求を拒絶する。LCSサービス要求を受信した後に、R−GMLCは、自身及びH−GMLCの間の接続リソースを解放する。
【0038】
以下にステップ603を説明する。CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をした後、V−GMLCは、H−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。H−GMLCは、自身及びR−GMLCの間の接続を再確立し、R−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。
【0039】
R−GMLCは、以下に示す規則のいずれかに従って、H−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。
規則1を以下に説明する。要求末端から送信されたLCSサービス要求が有する処理指示の型に従って、R−GMLCは、H−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。例えば、要求末端からR−GMLCに送信されたLCSサービス要求が同期処理指示を有する場合、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求もそれに応じて同期処理指示を有する。要求末端からR−GMLCに送信されたLCSサービス要求が非同期処理指示を有する場合、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求もそれに応じて非同期処理指示を有する。
規則2を以下に説明する。要求末端から送信されたLCSサービス要求が有するサービスの質(QoS)のパラメータに従って、R−GMLCは、H−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。QoSパラメータによって要求される位置把握の精度が高い場合、LCSシステムは、対象UEの位置把握に長時間を費やす。そのような場合、LCSシステムリソースを節約するために、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求は非同期処理指示を有する。さもなければ、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求は同期処理指示を有する。
規則3を以下に説明する。H−GMLCの型に従って、R−GMLCは、H−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。H−GMLCのアドレス型は、ローカルアドレスとリモートアドレスに分類される。例えば、H−GMLCのアドレス型がローカルアドレスの場合、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求は同期処理指示を有する。一方、H−GMLCのアドレス型がリモートアドレスの場合、R−GMLCからH−GMLCに送信されるLCSサービス要求は非同期処理指示を有する。
【0040】
R−GMLCが、H−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する場合、上記の規則のいずれの組み合わせも可能である。例えば、要求末端からR−GMLCに送信されたLCSサービス要求が同期処理指示を有し、かつQoSパラメータが高い位置把握精度を要求する場合、R−GMLCは、総合的な分析に従って、H−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。
【0041】
上述の、LCSサービス要求に対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行すべきかを決定する手順が、R−GMLC及びH−GMLCの間のLrインターフェースにおいて実行される。
【0042】
図7は、H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートであり、図7に示されるように、H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0043】
以下にステップ701乃至702を説明する。H-GMLCは、V−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは同期処理指示に従って、LCSサービス要求に対する同期処理を実行し、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をし、その後、H−GMLCに対して、対象UEの位置把握の位置把握結果を有するLCSサービス応答を返信する。
【0044】
図8は、H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートであり、図8に示されるように、H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理の実施手順は、以下のステップを有する。
【0045】
以下にステップ801乃至802を説明する。H−GMLCは、V−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。LCSサービス要求を受信した後、V−GMLCは、非同期処理指示に従って、LCSサービス要求に対する非同期処理を実行し、H−GMLCに対してLCSサービス応答を送信し、H−GMLCに、LCSサービス要求が受付けられたことを知らせ、自身及びH−GMLCの間の接続リソースを解放する。LCSサービス応答を受信した後、H−GMLCは、自身及びV−GMLCの間の接続リソースを解放する。
【0046】
以下にステップ803を説明する。CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をした後、V−GMLCは、自身及びH−GMLCの間の接続を再確立し、H−GMLCに対して、対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。
【0047】
H−GMLCは、以下に示す規則のいずれかに従って、V−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。
規則1を以下に説明する。R−GMLCから送信されたLCSサービス要求が有する処理指示の型に従って、H−GMLCは、V−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。例えば、R−GMLCからH−GMLCに送信されたLCSサービス要求が同期処理指示を有する場合、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求もそれに応じて同期処理指示を有する。R−GMLCからH−GMLCに送信されたLCSサービス要求が非同期処理指示を有する場合、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求もそれに応じて非同期処理指示を有する。
規則2を以下に説明する。R−GMLCから送信されたLCSサービス要求が有するQoSのパラメータに従って、H−GMLCは、V−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。QoSパラメータによって要求される位置把握の精度が高い場合、LCSシステムは、対象UEの位置把握に長時間を費やす。そのような場合、LCSシステムリソースを節約するために、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求は非同期処理指示を有する。さもなければ、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求は同期処理指示を有する。
規則3を以下に説明する。V−GMLCの型に従って、H−GMLCは、V−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する。V−GMLCのアドレス型は、ローカルアドレスとリモートアドレスに分類される。例えば、V−GMLCのアドレス型がローカルアドレスの場合、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求は同期処理指示を有する。一方、V−GMLCのアドレス型がリモートアドレスの場合、H−GMLCからV−GMLCに送信されるLCSサービス要求は非同期処理指示を有する。
【0048】
H−GMLCが、V−GMLCに対して送信されるLCSサービス要求が有すべき処理指示の型を決定する場合、上記の規則のいずれの組み合わせも可能である。例えば、R−GMLCからH−GMLCに送信されたLCSサービス要求が同期処理指示を有し、かつQoSパラメータが高い位置把握精度を要求する場合、H−GMLCは、総合的な分析に従って、V−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信してよい。
【0049】
上述の、LCSサービス要求に対して同期処理又は非同期処理のどちらを実行すべきかを決定する手順が、H−GMLC及びV−GMLCの間のLrインターフェースにおいて実行される。
【0050】
実際の応用において、要求末端は、対象UEの位置情報要求を開始して、LCSシステムに対象UEの現在の位置情報を提供することを要求する。要求末端は、R−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。LCSサービス要求を受信した後、R−GMLCは、位置情報要求に対する同期処理手順を入力する。対象UEが連携しているH−GMLCのアドレス情報を入手した後、R−GMLCは、LCSサービス要求が有するQoSパラメータが高い位置把握精度を要求しており、従ってLCSシステムが対象UEの位置把握をするのに長時間を要すると判断し、そこで、R−GMLCは、H−GMLCでLCSサービス要求に対する非同期処理を採用することを決定し、H−GMLCに対して非同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。LCSサービス要求を受信した後、H−GMLCは、LCSサービス要求に対する非同期処理を実行し、R−GMLCに対してLCSサービス応答を送信し、その後、自身及びR−GMLCの間の接続リソースを解放する。LCSサービス応答を受信した後、R−GMLCは、自身及びH−GMLCの間の接続リソースを解放する。
【0051】
H−GMLCは、LCSサービス要求に関してプライバシを確認する。プライバシ確認をパスした場合、H−GMLCは、HLR/HSSを通じて得られるV−GMLCのアドレス型に従って、LCSサービス要求に対する処理方式を決定する。V−GMLCのアドレス型がローカルアドレスである場合、同期処理が、H−GMLC及びV−GMLCの間のLCSサービス要求について採用される。そのような場合、H−GMLCは、V−GMLCに対して同期処理指示を有するLCSサービス要求を送信する。V−GMLCは、受信後、受信されたLCSサービス要求に対して同期処理を実行し、CN及びRANと共働して対象UEの位置把握をし、その後、H−GMLCに対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。LCSサービス結果を受信した後、H−GMLCは、自身及びR−GMLCの間の接続を再確立し、R−GMLCに対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。LCSサービス結果を受信した後、R−GMLCは、要求末端に対して対象UEの位置把握結果を有するLCSサービス結果を返信する。
【0052】
以上により、先の記述は、本発明に対する限定というよりむしろ実例による説明であることが正しく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】LCSネットワークのロジック構造を説明する略示図である。
【図2】3GPP LCS仕様で位置情報要求を開始する要求末端の処理を説明するフローチャートである。
【図3】要求末端及びR−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートである。
【図4】要求末端及びR−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートである。
【図5】R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートである。
【図6】R−GMLC及びH−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートである。
【図7】H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する同期処理を説明するフローチャートである。
【図8】H−GMLC及びV−GMLCの間の位置情報要求に対する非同期処理を説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報サービスにおける位置情報要求を処理する方法において、
A.位置情報要求開始部が、位置情報要求受信部に対して処理指示を含む位置情報要求を送信するステップと、
B.位置情報要求を受信した後、位置情報要求受信部が処理指示の型に従って位置情報要求に対して同期処理又は非同期処理の何れを行うかを決定し、その後位置情報要求に対して対応する処理を実行するステップと
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
位置情報要求受信部が、ステップBにおいて、処理指示の前記型に従って位置情報要求に対して同期処理を行うことを決定するという条件下で、ステップB中の、位置情報要求に対して対応する処理を実行するステップにおいて、
LCSシステムが対象UEの位置把握をした後、位置情報要求受信部が位置情報要求開始部に対して対象UEの位置把握結果を含む位置情報応答を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置情報要求受信部が、ステップBにおいて、処理指示の前記型に従って位置情報要求に対して非同期処理を行うことを決定するという条件下で、ステップBは、
B1.位置情報要求受信部が位置情報要求開始部に対して位置情報サービス応答を送信し、自身及び位置情報要求開始部の間の接続リソースを開放するステップと、
B2.位置情報サービス応答を受信した後、位置情報要求開始部が自身及び位置情報要求受信部の間の接続リソースを開放するステップと、
B3.LCSシステムが対象UEの位置把握をした後、位置情報要求受信部が自身及び位置情報要求開始部の間の接続を再確立し、その後位置情報要求開始部に対して対象UEの位置把握結果を含むLCSサービス結果を送信するステップと
を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
処理指示の前記型は、
位置情報要求開始部によって受信された位置情報要求が含む処理指示の型に従って、又は
位置情報要求開始部によって受信された位置情報要求が有するサービスの質のパラメータに従って、又は
位置情報要求受信部のアドレス型に従って、又は
上記の任意の組み合わせに従って
決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
位置情報要求開始部はLCSクライアントであり、位置情報要求受信部はR−GMLCであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
位置情報要求開始部はR−GMLCであり、位置情報要求受信部はH−GMLCであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
位置情報要求開始部はH−GMLCであり、位置情報要求受信部はV−GMLCであることを特徴とする請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−507123(P2007−507123A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517938(P2006−517938)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000737
【国際公開番号】WO2005/004503
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(306034561)
【Fターム(参考)】