位置情報信号受信手段を有する携帯用電子機器
【課題】位置情報信号受信装置の無駄な動作を回避し、電力の浪費を抑制することができる携帯用電子機器を提供すること。
【解決手段】現在時刻を表示する時刻表示手段22と、位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段12と、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段116と、位置情報信号の発信時刻に基づいて時刻表示手段22が表示する時刻を位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段118とを有し、位置情報信号受信手段12は、屋内外判断手段116が現在位置は屋外であると判断した場合に位置情報信号の受信を行うことを特徴とする携帯用電子機器10。
【解決手段】現在時刻を表示する時刻表示手段22と、位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段12と、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段116と、位置情報信号の発信時刻に基づいて時刻表示手段22が表示する時刻を位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段118とを有し、位置情報信号受信手段12は、屋内外判断手段116が現在位置は屋外であると判断した場合に位置情報信号の受信を行うことを特徴とする携帯用電子機器10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報受信手段を有する携帯用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工衛星を利用した測位システムとしてGPS(Global Positioning System)が用いられている。GPSを利用すると、GPS受信機の現在位置を算出できると共に、GPS衛星に搭載されている高精度の原子時計にGPS受信機の時計を同期させることができる。そのため、GPSは、本来の位置算出用途のほかに時計の時刻補正の用途にも用いられている。
【0003】
人が移動するときに携行する携帯用電子機器は、多くの場合、小容量の電池を電力供給源としている。そのため、GPS衛星から発信される測位信号を受信することが困難で測位または時刻同期に失敗すると予想される場合には、GPS装置の無駄な動作による電力浪費を避ける必要がある。
特許文献1では、腕時計型GPS装置にGPS受信機のアンテナ姿勢検出手段を設け、アンテナが測位信号を受信することが困難な方向を向いている場合には、GPS受信機を動作させない構成が提案されている。
【特許文献1】特開平10−325862号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、高感度のGPSモジュール(たとえば、感度−150dBm程度、寸法30mm×25mm×7mm程度、消費電力600mW程度)も実用化されていて、建物の内部等の測位信号の受信強度が弱い場所でも測位等を行うことが可能となっている。しかし、携帯用電子機器、特に腕時計のような小型の機器には、消費電力とGPSモジュールの大きさの問題から、通常感度のGPSモジュール(たとえば、感度−135dBm程度、寸法12mm×12mm×3mm程度、消費電力100mW程度)が採用される場合が多い。このような、通常感度のGPSモジュールでは、建物の内部等の環境では、測位を試みても失敗に終わる確率が高い。
同様に、特許文献1に開示されている発明では、GPS受信装置を有している携帯用電子機器が屋内においてGPS受信機を無駄に動作させ電力を浪費してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、位置情報信号受信装置の無駄な動作を回避し、電力の浪費を抑制することができる携帯用電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、第1の発明によれば、現在時刻を表示する時刻表示手段と、位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段と、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段と、前記位置情報信号の発信時刻に基づいて前記時刻表示手段が表示する時刻を前記位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段とを有し、前記屋内外判断手段が現在位置は屋内であると判断した場合に前記位置情報信号受信手段を動作させないことを特徴とする携帯用電子機器により達成される。
【0007】
第1の発明の構成によれば、携帯用電子機器を携行する使用者は、時刻表示手段に表示される時刻を視認して現在の時刻を知ることができる。位置情報衛星が発信する位置情報信号には、信号を発信した時刻を示す情報が含まれているから、位置情報信号受信手段が位置情報信号を受信して解析することにより、信号の発信時刻を取得することができる。この発信時刻は、位置情報衛星に搭載されている原子時計等の高精度な時計に基づくものである。
時計修正手段は、位置情報信号の発信時刻に基づいて時刻表示手段が表示する時刻を修正するから、携帯用電子機器の使用者は精度の高い時刻を知ることができる。
屋内外判断手段は、携帯用電子機器の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する。ここで、「屋内」とは位置情報衛星と携帯用電子機器との間に位置情報信号をさえぎる物体があり位置情報信号受信手段が受信する位置情報信号の強度が微弱ないしは零となる場所、たとえば建物の内部や地下街の内部等を意味する。「屋外」とは前記の「屋内」以外の場所を意味する。屋内外判断手段が、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することにより、その場所において位置情報信号受信手段が十分な強度で位置情報信号を受信して位置情報信号の発信時刻を取得することができるか否かを予想することができる。屋内では、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率が低く、屋外では高いと考えられる。
位置情報信号受信手段は、屋内外判断手段によって現在位置が屋内であると判断された場合、すなわち位置情報信号の発信時刻の取得に成功する可能性が低い場合には動作しない。
このように、本発明の携帯用電子機器は、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する可能性が低い場合には電力消費量が多い位置情報信号受信手段を動作させない。そのため、位置情報信号受信装置を無駄に動作させることがなく電力の浪費を少なくすることができる。
【0008】
好ましくは、第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記携帯用電子機器の表面に照射される紫外線の強度を測定する紫外線センサを有し、前記屋内外判断手段は、前記紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする。
【0009】
第2の発明の構成によれば、屋内外判断手段は、紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて携帯用電子機器の現在位置が屋内か屋外かを判断する。
太陽光には紫外線が含まれているから、たとえば紫外線センサにより検出された紫外線の強度があるしきい値よりも大きいい場合は屋外、小さい場合は屋内と判断することができる。そのため、公知の安価で小型な紫外線センサを用いて屋内外の判断をすることができる。
また、白熱灯や蛍光灯など照明機器が発する光には紫外線はほとんど含まれていないから、本発明の携帯用電子機器は、照明機器が用いられている室内を誤って屋外と判断することがない。
さらに、紫外線はガラスをほとんど透過しないから、窓ガラス越しに太陽光が差し込んでいる室内を誤って室外と判断することもない。
【0010】
好ましくは、第3の発明によれば、第2の発明の構成において、現在の日付に基づいて現在の季節を判断する季節判断手段と、現在の時刻と現在の季節とに基づいて現在は昼か夜かを判断する昼夜判断手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合に前記紫外線センサを動作させないことを特徴とする。
【0011】
第3の発明の構成によれば、昼夜判断手段は、現在の時刻と季節に基づいて、現在は昼であるか夜であるかを判断し、現在が夜である場合には紫外線センサを動作させない。
夜間は、屋外であっても太陽光が存在しないため、紫外線強度に基づいてい屋内外の判断をすることができない。したがって、夜間にも紫外線センサを動作させていると電力を浪費することになる。
本発明の携帯用電子機器は、夜間には紫外線センサを動作させないから電力の浪費を防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、第4の発明によれば、第3の発明の構成において、前記携帯用電子機器の表面の照度を測定する照度センサを有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合には、前記屋内外判断手段は、前記照度センサが検出した照度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の構成によれば、照度センサが、紫外線センサが動作していない夜間に、携帯用電子機器の表面の照度を測定する。
人が夜間に屋内で活動する場合には、照明機器を用いるのが普通である。屋外では、照明はないか、あるいは街路灯のように歩行等をするのに十分な照度である場合が多く、屋内に比べて照度は低いことが多い。したがって、たとえば照度があるしきい値以上の場合は屋内、しきい値未満の場合は屋外と判断することができる。
このように、本発明の携帯用電子機器は、太陽光の存在しない夜間においても、携帯用電子機器の現在位置が屋内か屋外かを判断することができる。
【0014】
好ましくは、第5の発明によれば、第3の発明の構成において、前記時刻表示手段を照明する照明手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断し、かつ、前記照明手段が前記時刻表示手段を照明している場合に、前記位置情報信号受信手段を動作させることを特徴とする。
【0015】
第5の発明の構成によれば、携帯用電子機器は照明手段を有しているから、使用者は暗い場所、たとえば照明のない夜間の屋外でも時刻表示手段に表示された時刻を視認することができる。
使用者が、夜間に屋内にいる場合には、照明器具を用いて一定の明るさを確保していることが多いと考えられ、携帯用電子機器の照明手段を使用する機会は少ない。したがって、夜間に携帯用電子機器の照明手段が使用された場合は、使用者は屋外にいる可能性が高く位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率が高いということができる。
本発明の携帯用電子機器は、夜間に照明装置が使用された場合、すなわち携帯用電子機器の現在位置が屋外である確率が高い場合に位置情報信号受信手段を動作させるから、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率を高くすることができる。
【0016】
好ましくは、第6の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかに記載の構成において、前記携帯用電子機器を使用者の体または衣服に装着する装着手段と、前記携帯用電子機器が使用者の体または衣服に装着されているときに使用者の体と接触する前記携帯用電子機器の部位の温度を測定する温度センサを有し、前記温度センサが検出した温度が体温相当温度以下の場合には、前記位置情報信号受信手段と前記紫外線センサと前記照度センサを動作させないことを特徴とする。
【0017】
第6の発明の構成によれば、携帯用電子機器、たとえば腕時計は装着手段を有しているから、使用者の体または衣服に装着することができる。温度センサは、携帯用電子機器の装着時に使用者と接触する部位の温度を測定する。したがって、温度センサが測定する温度は、携帯用電子機器の装着時には使用者の体温に近いもの、非装着時には気温に近いものとなる。
多くの場合、気温は人間の体温よりも低いから、温度センサの測定温度が人間の体温に相当する温度である体温相当温度以下の場合は、携帯用電子機器は使用者の体または衣服に装着されていないと判断することができる。
腕時計のような人体に装着可能な携帯用電子機器は、就寝時にははずされる場合が多い。また、就寝時には室内の照明を消すか照度をごく弱くする習慣の人が大半である。そのため、屋内外判断手段が使用者の就寝中に照度に基づいて屋内外を判断した場合には、照度が弱いため現在位置は屋外と誤って判断して位置情報信号受信手段を動作させて電力を浪費してしまうことが考えられる。
しかし、本発明の携帯用電子機器では、使用者が室内で就寝中と考えられる温度センサの測定温度が体温相当温度以下の場合は、位置情報信号受信手段と紫外線センサと照度センサを動作させないから使用者の就寝時に電力を浪費することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
(腕時計10の主なハードウエア構成について)
図1は、本発明の実施形態の腕時計10の外観を示す概略図である。
腕時計10は薄い円筒状の本体11を有している。本体11の周辺部の対称となる位置には、装着手段の一例である2本のベルト24が取り付けられている。腕時計10の使用者は、ベルト24を手首付近に巻き付けて腕時計10を装着する。
本体11の正面側11aには、時刻表示手段の一例である表示装置22が取り付けられていて、使用者が視認できるように現在の時刻を文字や画像で表示する。表示装置22は、たとえば液晶ディスプレイにより構成されている。
腕時計は、携帯用電子機器の一例であり、本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等他の種類の携帯用電子機器にも適用することができる。
【0020】
位置情報信号受信手段の一例であるGPS装置12は、本体11の内部に組み込まれている。GPS装置12は、GPSアンテナ12aにより位置情報衛星、たとえばGPS衛星から発信されている位置情報信号を受信して、位置情報信号の発信時刻の一例であるGPS時刻を取得する。GPS時刻は、位置情報衛星に搭載されている原子時計に基づく高精度の時刻である。GPSアンテナ12aは、位置情報信号を受信しやすいように、腕時計10の正面側11aに配置されている。
なお、GPS装置12は、GPS時刻の取得だけでなく位置算出のために用いることもできる。
【0021】
本体11には、紫外線センサ14、照度センサ16および温度センサ18も組み込まれている。紫外線センサ14と照度センサ16は、受光部が、通常の使用状態では光が当たる側である正面側11aに向くように配置されている。
温度センサ18は、腕時計10が使用者の腕に装着されている状態では使用者の腕に接触する部位である本体背面側11bの温度を測定することができる位置に配置されている。そのため、温度センサ18が検出する温度は、装着時には使用者の体温、非装着時には気温に近い温度となる。
【0022】
図2は、腕時計10の主なハードウエア構成を示す概略図である。
腕時計10は、制御機能及び演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)50、記憶装置60、出力装置の一例である表示装置22を有している。すなわち、腕時計10はコンピュータを有している。
CPU50は、バス80を介して記憶装置60等の他の構成要素との間でデータ及びコントロールコードの授受を行えるようになっている。CPU50は、記憶装置60に格納されているプログラムを読み込んで実行することにより、腕時計10全体を制御している。
記憶装置60はたとえばRAM(Random Access Memory)により構成されていて、OS(Operating System)、デバイスドライバ等の各種プログラム及びデータが格納されている。
【0023】
クロック55は、たとえば水晶発振器で構成されていて、CPU50や記憶装置60に動作クロック信号を供給する。
電子時計26は、クロック55から出力されるクロック信号をもとに、1秒間隔のパルスを発生させて表示装置22に時刻を表示する。また、電子時計26は日付もカウントすることができる。
紫外線センサ14および照度センサ16は、たとえばフォトダイオードで構成されていて、特定波長の光が入力された場合に入力光の強度に応じた電流を発生させる。この電流の大きさを測定することにより、紫外線または可視光線の強度を知ることができる。
温度センサ18は、たとえばサーミスタで構成されていて、温度による半導体の特性の変化を利用して、サーミスタに接している物体の温度を測定する。
電池70は、たとえばボタン型の酸化銀電池であり、腕時計10を構成する各装置に電力を供給する。
【0024】
(腕時計10の主なソフトウエア構成)
図3は、腕時計10のソフトウェア構成を示す概略図である。
制御部100は、メモリ管理、タスク管理、入出力管理等の機能を有し、腕時計10の動作全体を制御するためのプログラムである。具体的には、記憶装置60に格納されているOSに実装されていて、CPU50により実行される。
GPS部142、紫外線センサ部144、照度センサ部146、温度センサ部148、表示部150、時計部152はそれぞれ、GPS装置12、紫外線センサ14、照度センサ16、温度センサ18、表示装置22、電子時計26を制御するためのプログラムである。これらのプログラムは、たとえばデバイスドライバとして実装されていて記憶装置60に格納されている。
【0025】
CPU50は、制御部100の制御のもと、プログラム記憶部110に格納されているプログラムを順次読み込んで実行する。CPU50は、プログラムの実行にあたり必要なデータを、データ記憶部170から読み込んで取得する。また、制御部100が取得したデータやプログラム記憶部110に格納されているプログラムが生成したデータも、データ記憶部170に格納される。
なお、図3に示した3個の記憶部は、物理的に独立した3個の記憶装置を腕時計10が有していることを示すものではなく、説明の便宜上、記憶装置に格納される情報をその種類により分類して示すためのものである。
【0026】
装着判断プログラム112は、温度センサ18により測定された温度に基づいて、腕時計10が使用者の体に装着されているか否かを判断する。装着判断プログラム112は、制御部100を介して温度センサ18が示している温度を取得して、取得した温度とデータ記憶部170に格納されている温度しきい値174とを比較する。温度しきい値174は、多くの場合に外気温よりは高く、かつ、人間の体温に近い温度、たとえば35°Cに設定しておく。すなわち、温度しきい値174は体温相当温度の一例である。
そして、温度センサ18の示している温度が温度しきい値174以上である場合には、腕時計10が人体に装着されていると判断し、センサ動作フラグ176の値を真に設定する。センサ動作フラグは、たとえば1個の論理変数で、値が真である場合には、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可することを示し、値が偽である場合には、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可しないことを示す。
装着判断プログラム112は、上記の動作をデータ記憶部170に格納されている温度測定間隔172に示される時間、たとえば10分間隔で繰り返す。
【0027】
昼夜判断手段の一例である昼夜判断プログラム114は、センサ動作フラグ176の値が真である場合に、時計部152から取得した現在の日時とデータ記憶部170に格納されている昼夜判断基礎情報182に基づいて、現在が「昼」であるか「夜」であるかを判断する。
昼夜判断基礎情報182は、上記の「昼」と「夜」を定義するための情報で、昼夜定義情報182aと季節定義情報182bとからなる。図4(a)は、昼夜定義情報182aの内容を示す概略図である。表の第1列は、昼夜の定義が適用される季節を、第2列は「昼」の開始時刻、第3列は「昼」の終了時刻を示している。図4(b)は、季節定義情報182bの内容を示す概略図である。表の第1列は「夏」の開始日を、第2列は「夏」の終了日を示している。
たとえば、現在日時が5月10日18時30分である場合には、昼夜判断プログラム114はまず、季節定義情報182bを参照して現在の日付が夏開始日と夏終了日の間にあることから、現在は「夏」であると判断する。このような動作を行うから、昼夜判断プログラム114は、季節判断手段の一例でもある。次に、昼夜定義情報182aの1行目を参照し、現在時刻が昼開始時刻と昼終了時刻の間にあることから現在は「昼」であると判断する。現在日時が10月20日18時30分である場合は、上述と同様の手順で現在は「夜」であると判断する。
昼夜判断プログラム114は、判断結果をデータ記憶部170に昼夜情報180として格納する。昼夜情報180は、たとえば整数変数で、たとえば、判断結果が昼の場合は値を「1」、判断結果が夜の場合は「2」とする。
【0028】
屋内外判断手段の一例である屋内外判断プログラム116は、紫外線センサ14または照度センサ16が検出した紫外線または可視光の強度に基づいて、腕時計10が屋内にあるか屋外にあるかを判断する。
昼夜情報180が、現在が「昼」であることを示している場合には、紫外線センサ14が検出した紫外線強度と紫外線強度しきい値184とを比較する。紫外線強度が紫外線強度しきい値184よりも強い場合には、現在位置は、太陽光線が照射されている屋外であると判断する。そうでない場合には、屋内であると判断する。
昼夜情報180が、現在が「夜」であることを示している場合には、照度センサ14が検出した照度と照度しきい値186とを比較する。照度が照度しきい値186よりも小さい場合には、現在位置は、照明設備がないかあって暗いものである屋外であると判断する。そうでない場合には、屋内であると判断する。
そして、現在位置が屋外であると判断した場合には、制御部100を介してGPS部142に、GPS信号の受信の開始を指示する。
【0029】
JISのガイドラインによると、屋内での望ましい照度として読書等を行う場合で350ないし2000ルクス、その他の場合で50ないし500ルクス、が示されている。また、屋根があるため本明細書においては「屋内」に分類されるアーケード街では、100ないし750ルクスを確保すべきとされている。一方、屋外の中では比較的照度の高い商店街では10ないし100ルクスとされている。
このことから、照度しきい値186は50ルクスから100ルクスの間に設定すると、屋内屋外の判断を誤ることが少なくなると考えられて好ましい。
【0030】
時計修正手段の一例である時刻修正プログラム118は、GPS部142が取得したGPS時刻に基づいて、電子時計26が刻む時刻を修正する。たとえば、電子時計26が1秒ごとに発信する正秒パルスをGPS時刻に同期するように修正する。
【0031】
(腕時計10の主な動作例について)
腕時計10は以上のように構成されるが、次に、その動作例等について図2、図3、図5および図6を参照しながら説明する。
図5は、腕時計10が温度測定間隔172が経過するごとに温度センサ18を参照して紫外線センサ14と照度センサ16を動作させるか否かを決定するプロセスを示す概略フローチャートである。
装着判断プログラム112は、前回温度センサ18の温度を参照してから、温度測定間隔172(たとえば10分)が経過すると、温度センサ18の温度と温度しきい値174を比較する(ST1の判断がYes、ST2)。温度測定間隔172の経過は、たとえばタイマ割り込みによって制御部100が装着判断プログラム112に通知する。
温度センサ18の温度が、温度しきい値174以上である場合には、装着判断プログラム112は、センサ動作フラグ176の値を真に設定し(センサ動作フラグ176をオンとし)、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可する(ST2の判断がYes、ST3)。センサ動作フラグ176の設定が終わると温度測定間隔172の経過待ち状態(ST1)に戻る。
温度センサ18の温度が、温度しきい値174未満である場合には、装着判断プログラム112は、センサ動作フラグ176の値を偽に設定し(センサ動作フラグ176をオフとし)、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を禁止する(ST2の判断がNo、ST4)。センサ動作フラグ176の設定が終わると温度測定間隔172の経過待ち状態(ST1)に戻る。
装着判断プログラム112は、上記のST1からST4の動作を腕時計10の電源が入っている間は常に行っている。
【0032】
図6は、腕時計10が、GPS信号を利用して電子時計26の時刻を補正するプロセスを示す概略フローチャートである。
前回時刻補正を試みてから時刻補正間隔178(たとえば1時間)が経過すると、昼夜判断プログラム114は、センサ動作フラグ176を参照して紫外線センサ14および照度センサ16の動作が許可されているか否かを判断する(ST10の判断がYes、ST12)。時刻補正間隔172の経過は、たとえばタイマ割り込みによって制御部100が昼夜判断プログラム114に通知する。
センサ動作フラグ176の値が真である場合には、昼夜判断プログラム114は、時計部152から取得した現在日時と昼夜判断基礎情報182とを比較して、現在が「昼」なのか「夜」なのかを判断する(ST12の判断がYes、ST14)。そして、現在が「昼」の場合には、昼夜情報180の値を「1」とする。現在が「夜」の場合には、昼夜情報180の値を「2」とする。
【0033】
屋内外判断プログラム116は、紫外線センサ14または照度センサ16を参照して、腕時計10の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する。
現在が昼である場合、すなわち昼夜情報180が「1」である場合は、紫外線センサ14を判断に用いるセンサとして選択する(ST15の判定がYes、ST16)。そして、紫外線センサ14から取得した紫外線強度と紫外線強度しきい値184とを比較して、紫外線強度が紫外線強度しきい値184以上である場合には、現在位置が屋外であると判断し、GPS部142にGPS時刻の取得を指示する(ST18の判断がYes、ST24)。紫外線強度が、紫外線強度しきい値未満の場合は、測位は行わず時刻補正間隔の経過待ち状態に戻る(ST18の判断がNo、ST10)。
現在が夜である場合、すなわち昼夜情報180が「2」である場合は、照度センサ16を判断に用いるセンサとして選択する(ST15の判定がNo、ST20)。そして、照度センサ16から取得した照度と照度しきい値186とを比較して、照度が照度しきい値186未満である場合には、現在位置が屋外であると判断し、GPS部142にGPS時刻の取得を指示する(ST22の判断がNo、ST24)。照度が、照度しきい値186未満の場合は、測位は行わず時刻補正間隔178の経過待ち状態に戻る(ST22の判断がYes、ST10)。
GPS時刻の取得に成功した場合には、時刻修正プログラム118が、GPS時刻と電子時計26とを同期させ時刻を修正する(ST26の判断がYes、ST28)。GPS時刻の取得が失敗した場合には、時刻補正間隔178の経過待ち状態に戻る(ST26の判断がNo、ST10)。
図6に示したプロセスは、図5に示したプロセスと並行して腕時計10の電源が入っている間は常に動作している。
【0034】
このように、本発明の腕時計10によれば、屋内外判断プログラム116が、紫外線センサ14または照度センサ16の測定値に基づいて、腕時計10の現在位置が屋内か屋外かを判断することができる。そして、屋内外判断プログラム116は、現在位置が屋内であると判断した場合には、GPS装置12を動作させない。そのため、GPS時刻の取得に失敗する可能性の高い屋内でGPS装置12を動作させて電力を浪費することがない。
また、屋内外判断プログラム116は、紫外線強度に基づいて屋内外を判断するため、昼間に白熱灯などで照明されている室内や太陽光が差し込んでいる屋内を誤って屋外と判断することがない。
さらに、昼夜判断プログラム114を有しているため、現在が昼か夜かを判断することができる。そのため、紫外線センサ14を屋内外判断のために有効に利用することができる昼間だけ動作せることができ、さらなる省電力を実現することができる。
さらに、照度センサ16を有しているから、紫外線強度に基づいて屋内外を判断することができない夜間においても、屋内外判断プログラム116が照度に基づいて屋内外の判断をすることができる。そのため、夜間においても、室内でGPS装置12を無駄に動作させることを防ぐことができ、電力の浪費を抑制することができる。
さらに、温度センサ18を有しているため、装着判断プログラム112が、温度センサ18によって測定された温度に基づいて腕時計10が使用者の体または衣服に装着されているか否かを判断することができ、装着されていないときには、GPS装置12を動作させないようにすることができる。そのため、使用者が照明を消した屋内で腕時計10を腕からはずして就寝しているときに、誤って現在位置を屋外であると判断し、GPS装置12を無駄に動作させてしまうことがない。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態である腕時計10aについて説明する。腕時計10aの構成は腕時計10と同一の部分が多いので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0036】
(腕時計10aのハードウェア構成)
図7は、腕時計10aの外観を示す概略図である。
腕時計10aは、腕時計10が有していた照度センサ16(図1参照)は有していない。これは、腕時計10aは、夜間においては腕時計10とは異なる方法でGPS装置12の動作可否を決定するからである。
腕時計10aは表示装置22を背面から照明するバックライト30bを有している。バックライト30bが点灯した状態では、腕時計10aの使用者は、夜間の屋外等照明機器のない場所でも表示装置22に表示された時刻を視認することができる。本体11の側面部には、ライト点灯ボタン30aが配置されている。ライト点灯ボタン30aが図7の矢印P方向に押し下げられるとバックライト30bが点灯する。ライト点灯ボタン30aを押し下げていた力が解除されると、ライト点灯ボタン30aは元の位置に戻り、バックライト30bは消灯する。
【0037】
図8は、腕時計10aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
照度センサは有していないことと、照明装置30を有していることが図2の腕時計10と異なっている。
照明手段の一例である照明装置30は、ライト点灯ボタン30aとバックライト30bにより構成されている。ライト点灯ボタン30aは、バックライト30bを点灯または消灯するためのボタンで、たとえば使用者が指で押すことにより操作する。
バックライト30bは、たとえばLED(Light Emitting Diode)により構成されていて、表示装置22の背面から光を照射して暗い場所でも使用者が表示装置に表示された時刻を視認できるようにする。
【0038】
(腕時計10aのソフトウェア構成)
図9は、腕時計10aのソフトウェア構成を示す概略図である。
腕時計10aは、照度センサを有していないため、屋内外判断プログラム116aの動作が、腕時計10の屋内外判断プログラム116(図3参照)とは異なっている。また、ライト点灯ボタン30bが押されたことを検出するために、ボタン監視プログラム120がプログラム記憶部110に格納されている。
データ記憶部170に格納されるデータでは、腕時計10が有している照度しきい値情報186(図3参照)を腕時計10aは有していない。
【0039】
屋内外判断プログラム116aは、第1に、時刻補正間隔178が経過し、かつセンサ動作フラグ176の値が真である場合に起動する。そして、起動した時が昼夜判断プログラム114aにより昼と判断された場合には腕時計10の場合と同様に紫外線センサ14から取得した紫外線強度に基づいて屋内外の判定をする。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより夜と判断された場合は、屋内外の判定を行わず、GPS部142に対するGPS時取得指示も行わない。
屋内外判断プログラム116aは、第2に、ライト点灯ボタン30aが押されたときに起動する。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより昼と判断された場合には、屋内外の判定を行わず、GPS部142に対するGPS時刻取得指示も行わない。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより夜と判断された場合には、GPS部142に対してGPS時刻の取得を指示する。これは、夜間にライト点灯ボタン30aが押された場合には、腕時計10の現在位置は、外部の照明のない屋外であると推定することができ、GPS時刻の取得に成功する確率が高いからである。
【0040】
ボタン監視プログラム120は、ライト点灯ボタン30aの動作を常時監視していて、ライト点灯ボタン30aが押されたときに、屋内外判断プログラム116aを起動する。たとえば、ライト点灯ボタン30aの出力信号を監視し、ライト点灯ボタン30aが押されたことを示す信号を検出したときに、制御部100に対して屋内外判断プログラム116aの起動要求メッセージを送出する。
【0041】
(腕時計10aの主な動作例について)
本実施の形態に係る腕時計10aは以上のように構成されるが、次に、その動作例等について図8、図9、図10および図11を参照しながら説明する。
温度センサ18の測定温度に基づいて、紫外線センサ14の動作を許可する動作は、図5に示した腕時計10の場合と同様である。
【0042】
図10は、腕時計10aが、位置情報信号を利用して電子時計26の時刻を補正するプロセスを示す概略フローチャートである。この動作も、図6に示す腕時計10の場合と基本的には同様である。
前回時刻補正を試みてから時刻補正間隔178(たとえば1時間)が経過すると、昼夜判断プログラム114aは、センサ動作フラグ176を参照して紫外線センサ14の動作が許可されているか否かを判断する(ST10の判断がYes、ST12)。
センサ動作フラグ176の値が真である場合には、昼夜判断プログラム114aは、時計部152から取得した現在日時と昼夜判断基礎情報182とを比較して、現在が「昼」なのか「夜」なのかを判断し昼夜情報180の値を設定する(ST12の判断がYes、ST14)。
現在が昼の場合には、屋内外判断プログラム116aが、紫外線強度に基づいて屋内外の判断を行い、腕時計10aの現在位置が屋外である場合に、時刻修正プログラム118がGPS装置12を利用して電子時計26の補正を行う(ST15の判断がYes、ST16からST28)。この場合の動作の詳細は、図6に示した腕時計10と同様である。
現在が夜の場合には、ライト点灯ボタン30aが押されたときに、時刻修正プログラム118がGPS装置12を利用して電子時計26の補正を行う(ST15の判断がNo、図11のST50)。
【0043】
図11は、図10のST15の判断がNoとなった後にライト点灯ボタン30aが押されたときの腕時計10aの動作を示す概略フローチャートである。
ボタン監視プログラム120が、バックライト30aが押されたことを検出すると、屋内外判断プログラム116a(図9参照)が再度起動され、昼夜判断プログラム114aにより昼夜判断が行われる(ST50の判定がYes、ST52)。図10のST15の判断が行われてから時間が経過し、現在は昼となっている可能性があるからである。
現在が昼の場合には、なにもせず終了する(ST52の判定がNo、終了)。昼の場合には、ライト点灯ボタン30aの押下に伴ってGPS装置12が起動されることはない。
現在が夜の場合には、屋内外判断プログラム116aが、バックライト30bを点灯させるとともに、GPS部142に対してGPS時刻の取得を指示する(ST52の判定がYes、ST54)。この後の動作(ST58、ST60)は、腕時計10の場合(図6のST26、ST28)と同様である。
【0044】
このように、本発明の腕時計10aによれば、紫外線センサ14を利用して屋内外の判断をすることができない夜間においても、使用者によるライト点灯ボタン30aの操作に基づいて、屋内外の判断をすることができる。
そのため、腕時計10aによれば、GPS時刻の取得に失敗する可能性の高い屋内において、GPS装置12を無駄に動作させて電力を浪費することを防止できる。
【0045】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
上述の動作例の各工程をコンピュータに実行させる携帯用電子機器の制御プログラムとすることができる。
また、このような制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。
【0046】
これら携帯用電子機器の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態にするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0047】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態にかかる腕時計の外観を示す概略図である。
【図2】図1の腕時計の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】図1の腕時計の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図4】昼夜判断基礎情報を示す概略図である。
【図5】図1の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図6】図1の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる腕時計の外観を示す概略図である。
【図8】図7の腕時計の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図9】図7の腕時計の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図10】図7の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図11】図7の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10(10a)・・・腕時計、12・・・GPS装置、14・・・紫外線センサ、16・・・照度センサ、18・・・温度センサ、22・・・表示装置、24・・・ベルト、26・・・電子時計、50・・・CPU、55・・・クロック、60・・・記憶装置、70・・・電池、100・・・制御部、112・・・装着判断プログラム、114・・・昼夜判断プログラム、116・・・屋内外判断プログラム、118・・・時計修正プログラム、30・・・照明装置、120・・・ボタン監視プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報受信手段を有する携帯用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人工衛星を利用した測位システムとしてGPS(Global Positioning System)が用いられている。GPSを利用すると、GPS受信機の現在位置を算出できると共に、GPS衛星に搭載されている高精度の原子時計にGPS受信機の時計を同期させることができる。そのため、GPSは、本来の位置算出用途のほかに時計の時刻補正の用途にも用いられている。
【0003】
人が移動するときに携行する携帯用電子機器は、多くの場合、小容量の電池を電力供給源としている。そのため、GPS衛星から発信される測位信号を受信することが困難で測位または時刻同期に失敗すると予想される場合には、GPS装置の無駄な動作による電力浪費を避ける必要がある。
特許文献1では、腕時計型GPS装置にGPS受信機のアンテナ姿勢検出手段を設け、アンテナが測位信号を受信することが困難な方向を向いている場合には、GPS受信機を動作させない構成が提案されている。
【特許文献1】特開平10−325862号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、高感度のGPSモジュール(たとえば、感度−150dBm程度、寸法30mm×25mm×7mm程度、消費電力600mW程度)も実用化されていて、建物の内部等の測位信号の受信強度が弱い場所でも測位等を行うことが可能となっている。しかし、携帯用電子機器、特に腕時計のような小型の機器には、消費電力とGPSモジュールの大きさの問題から、通常感度のGPSモジュール(たとえば、感度−135dBm程度、寸法12mm×12mm×3mm程度、消費電力100mW程度)が採用される場合が多い。このような、通常感度のGPSモジュールでは、建物の内部等の環境では、測位を試みても失敗に終わる確率が高い。
同様に、特許文献1に開示されている発明では、GPS受信装置を有している携帯用電子機器が屋内においてGPS受信機を無駄に動作させ電力を浪費してしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、位置情報信号受信装置の無駄な動作を回避し、電力の浪費を抑制することができる携帯用電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的は、第1の発明によれば、現在時刻を表示する時刻表示手段と、位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段と、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段と、前記位置情報信号の発信時刻に基づいて前記時刻表示手段が表示する時刻を前記位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段とを有し、前記屋内外判断手段が現在位置は屋内であると判断した場合に前記位置情報信号受信手段を動作させないことを特徴とする携帯用電子機器により達成される。
【0007】
第1の発明の構成によれば、携帯用電子機器を携行する使用者は、時刻表示手段に表示される時刻を視認して現在の時刻を知ることができる。位置情報衛星が発信する位置情報信号には、信号を発信した時刻を示す情報が含まれているから、位置情報信号受信手段が位置情報信号を受信して解析することにより、信号の発信時刻を取得することができる。この発信時刻は、位置情報衛星に搭載されている原子時計等の高精度な時計に基づくものである。
時計修正手段は、位置情報信号の発信時刻に基づいて時刻表示手段が表示する時刻を修正するから、携帯用電子機器の使用者は精度の高い時刻を知ることができる。
屋内外判断手段は、携帯用電子機器の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する。ここで、「屋内」とは位置情報衛星と携帯用電子機器との間に位置情報信号をさえぎる物体があり位置情報信号受信手段が受信する位置情報信号の強度が微弱ないしは零となる場所、たとえば建物の内部や地下街の内部等を意味する。「屋外」とは前記の「屋内」以外の場所を意味する。屋内外判断手段が、現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することにより、その場所において位置情報信号受信手段が十分な強度で位置情報信号を受信して位置情報信号の発信時刻を取得することができるか否かを予想することができる。屋内では、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率が低く、屋外では高いと考えられる。
位置情報信号受信手段は、屋内外判断手段によって現在位置が屋内であると判断された場合、すなわち位置情報信号の発信時刻の取得に成功する可能性が低い場合には動作しない。
このように、本発明の携帯用電子機器は、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する可能性が低い場合には電力消費量が多い位置情報信号受信手段を動作させない。そのため、位置情報信号受信装置を無駄に動作させることがなく電力の浪費を少なくすることができる。
【0008】
好ましくは、第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記携帯用電子機器の表面に照射される紫外線の強度を測定する紫外線センサを有し、前記屋内外判断手段は、前記紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする。
【0009】
第2の発明の構成によれば、屋内外判断手段は、紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて携帯用電子機器の現在位置が屋内か屋外かを判断する。
太陽光には紫外線が含まれているから、たとえば紫外線センサにより検出された紫外線の強度があるしきい値よりも大きいい場合は屋外、小さい場合は屋内と判断することができる。そのため、公知の安価で小型な紫外線センサを用いて屋内外の判断をすることができる。
また、白熱灯や蛍光灯など照明機器が発する光には紫外線はほとんど含まれていないから、本発明の携帯用電子機器は、照明機器が用いられている室内を誤って屋外と判断することがない。
さらに、紫外線はガラスをほとんど透過しないから、窓ガラス越しに太陽光が差し込んでいる室内を誤って室外と判断することもない。
【0010】
好ましくは、第3の発明によれば、第2の発明の構成において、現在の日付に基づいて現在の季節を判断する季節判断手段と、現在の時刻と現在の季節とに基づいて現在は昼か夜かを判断する昼夜判断手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合に前記紫外線センサを動作させないことを特徴とする。
【0011】
第3の発明の構成によれば、昼夜判断手段は、現在の時刻と季節に基づいて、現在は昼であるか夜であるかを判断し、現在が夜である場合には紫外線センサを動作させない。
夜間は、屋外であっても太陽光が存在しないため、紫外線強度に基づいてい屋内外の判断をすることができない。したがって、夜間にも紫外線センサを動作させていると電力を浪費することになる。
本発明の携帯用電子機器は、夜間には紫外線センサを動作させないから電力の浪費を防ぐことができる。
【0012】
好ましくは、第4の発明によれば、第3の発明の構成において、前記携帯用電子機器の表面の照度を測定する照度センサを有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合には、前記屋内外判断手段は、前記照度センサが検出した照度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする。
【0013】
第4の発明の構成によれば、照度センサが、紫外線センサが動作していない夜間に、携帯用電子機器の表面の照度を測定する。
人が夜間に屋内で活動する場合には、照明機器を用いるのが普通である。屋外では、照明はないか、あるいは街路灯のように歩行等をするのに十分な照度である場合が多く、屋内に比べて照度は低いことが多い。したがって、たとえば照度があるしきい値以上の場合は屋内、しきい値未満の場合は屋外と判断することができる。
このように、本発明の携帯用電子機器は、太陽光の存在しない夜間においても、携帯用電子機器の現在位置が屋内か屋外かを判断することができる。
【0014】
好ましくは、第5の発明によれば、第3の発明の構成において、前記時刻表示手段を照明する照明手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断し、かつ、前記照明手段が前記時刻表示手段を照明している場合に、前記位置情報信号受信手段を動作させることを特徴とする。
【0015】
第5の発明の構成によれば、携帯用電子機器は照明手段を有しているから、使用者は暗い場所、たとえば照明のない夜間の屋外でも時刻表示手段に表示された時刻を視認することができる。
使用者が、夜間に屋内にいる場合には、照明器具を用いて一定の明るさを確保していることが多いと考えられ、携帯用電子機器の照明手段を使用する機会は少ない。したがって、夜間に携帯用電子機器の照明手段が使用された場合は、使用者は屋外にいる可能性が高く位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率が高いということができる。
本発明の携帯用電子機器は、夜間に照明装置が使用された場合、すなわち携帯用電子機器の現在位置が屋外である確率が高い場合に位置情報信号受信手段を動作させるから、位置情報信号の発信時刻の取得に成功する確率を高くすることができる。
【0016】
好ましくは、第6の発明によれば、第1ないし第5の発明のいずれかに記載の構成において、前記携帯用電子機器を使用者の体または衣服に装着する装着手段と、前記携帯用電子機器が使用者の体または衣服に装着されているときに使用者の体と接触する前記携帯用電子機器の部位の温度を測定する温度センサを有し、前記温度センサが検出した温度が体温相当温度以下の場合には、前記位置情報信号受信手段と前記紫外線センサと前記照度センサを動作させないことを特徴とする。
【0017】
第6の発明の構成によれば、携帯用電子機器、たとえば腕時計は装着手段を有しているから、使用者の体または衣服に装着することができる。温度センサは、携帯用電子機器の装着時に使用者と接触する部位の温度を測定する。したがって、温度センサが測定する温度は、携帯用電子機器の装着時には使用者の体温に近いもの、非装着時には気温に近いものとなる。
多くの場合、気温は人間の体温よりも低いから、温度センサの測定温度が人間の体温に相当する温度である体温相当温度以下の場合は、携帯用電子機器は使用者の体または衣服に装着されていないと判断することができる。
腕時計のような人体に装着可能な携帯用電子機器は、就寝時にははずされる場合が多い。また、就寝時には室内の照明を消すか照度をごく弱くする習慣の人が大半である。そのため、屋内外判断手段が使用者の就寝中に照度に基づいて屋内外を判断した場合には、照度が弱いため現在位置は屋外と誤って判断して位置情報信号受信手段を動作させて電力を浪費してしまうことが考えられる。
しかし、本発明の携帯用電子機器では、使用者が室内で就寝中と考えられる温度センサの測定温度が体温相当温度以下の場合は、位置情報信号受信手段と紫外線センサと照度センサを動作させないから使用者の就寝時に電力を浪費することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
(腕時計10の主なハードウエア構成について)
図1は、本発明の実施形態の腕時計10の外観を示す概略図である。
腕時計10は薄い円筒状の本体11を有している。本体11の周辺部の対称となる位置には、装着手段の一例である2本のベルト24が取り付けられている。腕時計10の使用者は、ベルト24を手首付近に巻き付けて腕時計10を装着する。
本体11の正面側11aには、時刻表示手段の一例である表示装置22が取り付けられていて、使用者が視認できるように現在の時刻を文字や画像で表示する。表示装置22は、たとえば液晶ディスプレイにより構成されている。
腕時計は、携帯用電子機器の一例であり、本発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等他の種類の携帯用電子機器にも適用することができる。
【0020】
位置情報信号受信手段の一例であるGPS装置12は、本体11の内部に組み込まれている。GPS装置12は、GPSアンテナ12aにより位置情報衛星、たとえばGPS衛星から発信されている位置情報信号を受信して、位置情報信号の発信時刻の一例であるGPS時刻を取得する。GPS時刻は、位置情報衛星に搭載されている原子時計に基づく高精度の時刻である。GPSアンテナ12aは、位置情報信号を受信しやすいように、腕時計10の正面側11aに配置されている。
なお、GPS装置12は、GPS時刻の取得だけでなく位置算出のために用いることもできる。
【0021】
本体11には、紫外線センサ14、照度センサ16および温度センサ18も組み込まれている。紫外線センサ14と照度センサ16は、受光部が、通常の使用状態では光が当たる側である正面側11aに向くように配置されている。
温度センサ18は、腕時計10が使用者の腕に装着されている状態では使用者の腕に接触する部位である本体背面側11bの温度を測定することができる位置に配置されている。そのため、温度センサ18が検出する温度は、装着時には使用者の体温、非装着時には気温に近い温度となる。
【0022】
図2は、腕時計10の主なハードウエア構成を示す概略図である。
腕時計10は、制御機能及び演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)50、記憶装置60、出力装置の一例である表示装置22を有している。すなわち、腕時計10はコンピュータを有している。
CPU50は、バス80を介して記憶装置60等の他の構成要素との間でデータ及びコントロールコードの授受を行えるようになっている。CPU50は、記憶装置60に格納されているプログラムを読み込んで実行することにより、腕時計10全体を制御している。
記憶装置60はたとえばRAM(Random Access Memory)により構成されていて、OS(Operating System)、デバイスドライバ等の各種プログラム及びデータが格納されている。
【0023】
クロック55は、たとえば水晶発振器で構成されていて、CPU50や記憶装置60に動作クロック信号を供給する。
電子時計26は、クロック55から出力されるクロック信号をもとに、1秒間隔のパルスを発生させて表示装置22に時刻を表示する。また、電子時計26は日付もカウントすることができる。
紫外線センサ14および照度センサ16は、たとえばフォトダイオードで構成されていて、特定波長の光が入力された場合に入力光の強度に応じた電流を発生させる。この電流の大きさを測定することにより、紫外線または可視光線の強度を知ることができる。
温度センサ18は、たとえばサーミスタで構成されていて、温度による半導体の特性の変化を利用して、サーミスタに接している物体の温度を測定する。
電池70は、たとえばボタン型の酸化銀電池であり、腕時計10を構成する各装置に電力を供給する。
【0024】
(腕時計10の主なソフトウエア構成)
図3は、腕時計10のソフトウェア構成を示す概略図である。
制御部100は、メモリ管理、タスク管理、入出力管理等の機能を有し、腕時計10の動作全体を制御するためのプログラムである。具体的には、記憶装置60に格納されているOSに実装されていて、CPU50により実行される。
GPS部142、紫外線センサ部144、照度センサ部146、温度センサ部148、表示部150、時計部152はそれぞれ、GPS装置12、紫外線センサ14、照度センサ16、温度センサ18、表示装置22、電子時計26を制御するためのプログラムである。これらのプログラムは、たとえばデバイスドライバとして実装されていて記憶装置60に格納されている。
【0025】
CPU50は、制御部100の制御のもと、プログラム記憶部110に格納されているプログラムを順次読み込んで実行する。CPU50は、プログラムの実行にあたり必要なデータを、データ記憶部170から読み込んで取得する。また、制御部100が取得したデータやプログラム記憶部110に格納されているプログラムが生成したデータも、データ記憶部170に格納される。
なお、図3に示した3個の記憶部は、物理的に独立した3個の記憶装置を腕時計10が有していることを示すものではなく、説明の便宜上、記憶装置に格納される情報をその種類により分類して示すためのものである。
【0026】
装着判断プログラム112は、温度センサ18により測定された温度に基づいて、腕時計10が使用者の体に装着されているか否かを判断する。装着判断プログラム112は、制御部100を介して温度センサ18が示している温度を取得して、取得した温度とデータ記憶部170に格納されている温度しきい値174とを比較する。温度しきい値174は、多くの場合に外気温よりは高く、かつ、人間の体温に近い温度、たとえば35°Cに設定しておく。すなわち、温度しきい値174は体温相当温度の一例である。
そして、温度センサ18の示している温度が温度しきい値174以上である場合には、腕時計10が人体に装着されていると判断し、センサ動作フラグ176の値を真に設定する。センサ動作フラグは、たとえば1個の論理変数で、値が真である場合には、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可することを示し、値が偽である場合には、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可しないことを示す。
装着判断プログラム112は、上記の動作をデータ記憶部170に格納されている温度測定間隔172に示される時間、たとえば10分間隔で繰り返す。
【0027】
昼夜判断手段の一例である昼夜判断プログラム114は、センサ動作フラグ176の値が真である場合に、時計部152から取得した現在の日時とデータ記憶部170に格納されている昼夜判断基礎情報182に基づいて、現在が「昼」であるか「夜」であるかを判断する。
昼夜判断基礎情報182は、上記の「昼」と「夜」を定義するための情報で、昼夜定義情報182aと季節定義情報182bとからなる。図4(a)は、昼夜定義情報182aの内容を示す概略図である。表の第1列は、昼夜の定義が適用される季節を、第2列は「昼」の開始時刻、第3列は「昼」の終了時刻を示している。図4(b)は、季節定義情報182bの内容を示す概略図である。表の第1列は「夏」の開始日を、第2列は「夏」の終了日を示している。
たとえば、現在日時が5月10日18時30分である場合には、昼夜判断プログラム114はまず、季節定義情報182bを参照して現在の日付が夏開始日と夏終了日の間にあることから、現在は「夏」であると判断する。このような動作を行うから、昼夜判断プログラム114は、季節判断手段の一例でもある。次に、昼夜定義情報182aの1行目を参照し、現在時刻が昼開始時刻と昼終了時刻の間にあることから現在は「昼」であると判断する。現在日時が10月20日18時30分である場合は、上述と同様の手順で現在は「夜」であると判断する。
昼夜判断プログラム114は、判断結果をデータ記憶部170に昼夜情報180として格納する。昼夜情報180は、たとえば整数変数で、たとえば、判断結果が昼の場合は値を「1」、判断結果が夜の場合は「2」とする。
【0028】
屋内外判断手段の一例である屋内外判断プログラム116は、紫外線センサ14または照度センサ16が検出した紫外線または可視光の強度に基づいて、腕時計10が屋内にあるか屋外にあるかを判断する。
昼夜情報180が、現在が「昼」であることを示している場合には、紫外線センサ14が検出した紫外線強度と紫外線強度しきい値184とを比較する。紫外線強度が紫外線強度しきい値184よりも強い場合には、現在位置は、太陽光線が照射されている屋外であると判断する。そうでない場合には、屋内であると判断する。
昼夜情報180が、現在が「夜」であることを示している場合には、照度センサ14が検出した照度と照度しきい値186とを比較する。照度が照度しきい値186よりも小さい場合には、現在位置は、照明設備がないかあって暗いものである屋外であると判断する。そうでない場合には、屋内であると判断する。
そして、現在位置が屋外であると判断した場合には、制御部100を介してGPS部142に、GPS信号の受信の開始を指示する。
【0029】
JISのガイドラインによると、屋内での望ましい照度として読書等を行う場合で350ないし2000ルクス、その他の場合で50ないし500ルクス、が示されている。また、屋根があるため本明細書においては「屋内」に分類されるアーケード街では、100ないし750ルクスを確保すべきとされている。一方、屋外の中では比較的照度の高い商店街では10ないし100ルクスとされている。
このことから、照度しきい値186は50ルクスから100ルクスの間に設定すると、屋内屋外の判断を誤ることが少なくなると考えられて好ましい。
【0030】
時計修正手段の一例である時刻修正プログラム118は、GPS部142が取得したGPS時刻に基づいて、電子時計26が刻む時刻を修正する。たとえば、電子時計26が1秒ごとに発信する正秒パルスをGPS時刻に同期するように修正する。
【0031】
(腕時計10の主な動作例について)
腕時計10は以上のように構成されるが、次に、その動作例等について図2、図3、図5および図6を参照しながら説明する。
図5は、腕時計10が温度測定間隔172が経過するごとに温度センサ18を参照して紫外線センサ14と照度センサ16を動作させるか否かを決定するプロセスを示す概略フローチャートである。
装着判断プログラム112は、前回温度センサ18の温度を参照してから、温度測定間隔172(たとえば10分)が経過すると、温度センサ18の温度と温度しきい値174を比較する(ST1の判断がYes、ST2)。温度測定間隔172の経過は、たとえばタイマ割り込みによって制御部100が装着判断プログラム112に通知する。
温度センサ18の温度が、温度しきい値174以上である場合には、装着判断プログラム112は、センサ動作フラグ176の値を真に設定し(センサ動作フラグ176をオンとし)、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を許可する(ST2の判断がYes、ST3)。センサ動作フラグ176の設定が終わると温度測定間隔172の経過待ち状態(ST1)に戻る。
温度センサ18の温度が、温度しきい値174未満である場合には、装着判断プログラム112は、センサ動作フラグ176の値を偽に設定し(センサ動作フラグ176をオフとし)、紫外線センサ14および照度センサ16の動作を禁止する(ST2の判断がNo、ST4)。センサ動作フラグ176の設定が終わると温度測定間隔172の経過待ち状態(ST1)に戻る。
装着判断プログラム112は、上記のST1からST4の動作を腕時計10の電源が入っている間は常に行っている。
【0032】
図6は、腕時計10が、GPS信号を利用して電子時計26の時刻を補正するプロセスを示す概略フローチャートである。
前回時刻補正を試みてから時刻補正間隔178(たとえば1時間)が経過すると、昼夜判断プログラム114は、センサ動作フラグ176を参照して紫外線センサ14および照度センサ16の動作が許可されているか否かを判断する(ST10の判断がYes、ST12)。時刻補正間隔172の経過は、たとえばタイマ割り込みによって制御部100が昼夜判断プログラム114に通知する。
センサ動作フラグ176の値が真である場合には、昼夜判断プログラム114は、時計部152から取得した現在日時と昼夜判断基礎情報182とを比較して、現在が「昼」なのか「夜」なのかを判断する(ST12の判断がYes、ST14)。そして、現在が「昼」の場合には、昼夜情報180の値を「1」とする。現在が「夜」の場合には、昼夜情報180の値を「2」とする。
【0033】
屋内外判断プログラム116は、紫外線センサ14または照度センサ16を参照して、腕時計10の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する。
現在が昼である場合、すなわち昼夜情報180が「1」である場合は、紫外線センサ14を判断に用いるセンサとして選択する(ST15の判定がYes、ST16)。そして、紫外線センサ14から取得した紫外線強度と紫外線強度しきい値184とを比較して、紫外線強度が紫外線強度しきい値184以上である場合には、現在位置が屋外であると判断し、GPS部142にGPS時刻の取得を指示する(ST18の判断がYes、ST24)。紫外線強度が、紫外線強度しきい値未満の場合は、測位は行わず時刻補正間隔の経過待ち状態に戻る(ST18の判断がNo、ST10)。
現在が夜である場合、すなわち昼夜情報180が「2」である場合は、照度センサ16を判断に用いるセンサとして選択する(ST15の判定がNo、ST20)。そして、照度センサ16から取得した照度と照度しきい値186とを比較して、照度が照度しきい値186未満である場合には、現在位置が屋外であると判断し、GPS部142にGPS時刻の取得を指示する(ST22の判断がNo、ST24)。照度が、照度しきい値186未満の場合は、測位は行わず時刻補正間隔178の経過待ち状態に戻る(ST22の判断がYes、ST10)。
GPS時刻の取得に成功した場合には、時刻修正プログラム118が、GPS時刻と電子時計26とを同期させ時刻を修正する(ST26の判断がYes、ST28)。GPS時刻の取得が失敗した場合には、時刻補正間隔178の経過待ち状態に戻る(ST26の判断がNo、ST10)。
図6に示したプロセスは、図5に示したプロセスと並行して腕時計10の電源が入っている間は常に動作している。
【0034】
このように、本発明の腕時計10によれば、屋内外判断プログラム116が、紫外線センサ14または照度センサ16の測定値に基づいて、腕時計10の現在位置が屋内か屋外かを判断することができる。そして、屋内外判断プログラム116は、現在位置が屋内であると判断した場合には、GPS装置12を動作させない。そのため、GPS時刻の取得に失敗する可能性の高い屋内でGPS装置12を動作させて電力を浪費することがない。
また、屋内外判断プログラム116は、紫外線強度に基づいて屋内外を判断するため、昼間に白熱灯などで照明されている室内や太陽光が差し込んでいる屋内を誤って屋外と判断することがない。
さらに、昼夜判断プログラム114を有しているため、現在が昼か夜かを判断することができる。そのため、紫外線センサ14を屋内外判断のために有効に利用することができる昼間だけ動作せることができ、さらなる省電力を実現することができる。
さらに、照度センサ16を有しているから、紫外線強度に基づいて屋内外を判断することができない夜間においても、屋内外判断プログラム116が照度に基づいて屋内外の判断をすることができる。そのため、夜間においても、室内でGPS装置12を無駄に動作させることを防ぐことができ、電力の浪費を抑制することができる。
さらに、温度センサ18を有しているため、装着判断プログラム112が、温度センサ18によって測定された温度に基づいて腕時計10が使用者の体または衣服に装着されているか否かを判断することができ、装着されていないときには、GPS装置12を動作させないようにすることができる。そのため、使用者が照明を消した屋内で腕時計10を腕からはずして就寝しているときに、誤って現在位置を屋外であると判断し、GPS装置12を無駄に動作させてしまうことがない。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態である腕時計10aについて説明する。腕時計10aの構成は腕時計10と同一の部分が多いので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0036】
(腕時計10aのハードウェア構成)
図7は、腕時計10aの外観を示す概略図である。
腕時計10aは、腕時計10が有していた照度センサ16(図1参照)は有していない。これは、腕時計10aは、夜間においては腕時計10とは異なる方法でGPS装置12の動作可否を決定するからである。
腕時計10aは表示装置22を背面から照明するバックライト30bを有している。バックライト30bが点灯した状態では、腕時計10aの使用者は、夜間の屋外等照明機器のない場所でも表示装置22に表示された時刻を視認することができる。本体11の側面部には、ライト点灯ボタン30aが配置されている。ライト点灯ボタン30aが図7の矢印P方向に押し下げられるとバックライト30bが点灯する。ライト点灯ボタン30aを押し下げていた力が解除されると、ライト点灯ボタン30aは元の位置に戻り、バックライト30bは消灯する。
【0037】
図8は、腕時計10aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
照度センサは有していないことと、照明装置30を有していることが図2の腕時計10と異なっている。
照明手段の一例である照明装置30は、ライト点灯ボタン30aとバックライト30bにより構成されている。ライト点灯ボタン30aは、バックライト30bを点灯または消灯するためのボタンで、たとえば使用者が指で押すことにより操作する。
バックライト30bは、たとえばLED(Light Emitting Diode)により構成されていて、表示装置22の背面から光を照射して暗い場所でも使用者が表示装置に表示された時刻を視認できるようにする。
【0038】
(腕時計10aのソフトウェア構成)
図9は、腕時計10aのソフトウェア構成を示す概略図である。
腕時計10aは、照度センサを有していないため、屋内外判断プログラム116aの動作が、腕時計10の屋内外判断プログラム116(図3参照)とは異なっている。また、ライト点灯ボタン30bが押されたことを検出するために、ボタン監視プログラム120がプログラム記憶部110に格納されている。
データ記憶部170に格納されるデータでは、腕時計10が有している照度しきい値情報186(図3参照)を腕時計10aは有していない。
【0039】
屋内外判断プログラム116aは、第1に、時刻補正間隔178が経過し、かつセンサ動作フラグ176の値が真である場合に起動する。そして、起動した時が昼夜判断プログラム114aにより昼と判断された場合には腕時計10の場合と同様に紫外線センサ14から取得した紫外線強度に基づいて屋内外の判定をする。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより夜と判断された場合は、屋内外の判定を行わず、GPS部142に対するGPS時取得指示も行わない。
屋内外判断プログラム116aは、第2に、ライト点灯ボタン30aが押されたときに起動する。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより昼と判断された場合には、屋内外の判定を行わず、GPS部142に対するGPS時刻取得指示も行わない。起動した時が昼夜判断プログラム114aにより夜と判断された場合には、GPS部142に対してGPS時刻の取得を指示する。これは、夜間にライト点灯ボタン30aが押された場合には、腕時計10の現在位置は、外部の照明のない屋外であると推定することができ、GPS時刻の取得に成功する確率が高いからである。
【0040】
ボタン監視プログラム120は、ライト点灯ボタン30aの動作を常時監視していて、ライト点灯ボタン30aが押されたときに、屋内外判断プログラム116aを起動する。たとえば、ライト点灯ボタン30aの出力信号を監視し、ライト点灯ボタン30aが押されたことを示す信号を検出したときに、制御部100に対して屋内外判断プログラム116aの起動要求メッセージを送出する。
【0041】
(腕時計10aの主な動作例について)
本実施の形態に係る腕時計10aは以上のように構成されるが、次に、その動作例等について図8、図9、図10および図11を参照しながら説明する。
温度センサ18の測定温度に基づいて、紫外線センサ14の動作を許可する動作は、図5に示した腕時計10の場合と同様である。
【0042】
図10は、腕時計10aが、位置情報信号を利用して電子時計26の時刻を補正するプロセスを示す概略フローチャートである。この動作も、図6に示す腕時計10の場合と基本的には同様である。
前回時刻補正を試みてから時刻補正間隔178(たとえば1時間)が経過すると、昼夜判断プログラム114aは、センサ動作フラグ176を参照して紫外線センサ14の動作が許可されているか否かを判断する(ST10の判断がYes、ST12)。
センサ動作フラグ176の値が真である場合には、昼夜判断プログラム114aは、時計部152から取得した現在日時と昼夜判断基礎情報182とを比較して、現在が「昼」なのか「夜」なのかを判断し昼夜情報180の値を設定する(ST12の判断がYes、ST14)。
現在が昼の場合には、屋内外判断プログラム116aが、紫外線強度に基づいて屋内外の判断を行い、腕時計10aの現在位置が屋外である場合に、時刻修正プログラム118がGPS装置12を利用して電子時計26の補正を行う(ST15の判断がYes、ST16からST28)。この場合の動作の詳細は、図6に示した腕時計10と同様である。
現在が夜の場合には、ライト点灯ボタン30aが押されたときに、時刻修正プログラム118がGPS装置12を利用して電子時計26の補正を行う(ST15の判断がNo、図11のST50)。
【0043】
図11は、図10のST15の判断がNoとなった後にライト点灯ボタン30aが押されたときの腕時計10aの動作を示す概略フローチャートである。
ボタン監視プログラム120が、バックライト30aが押されたことを検出すると、屋内外判断プログラム116a(図9参照)が再度起動され、昼夜判断プログラム114aにより昼夜判断が行われる(ST50の判定がYes、ST52)。図10のST15の判断が行われてから時間が経過し、現在は昼となっている可能性があるからである。
現在が昼の場合には、なにもせず終了する(ST52の判定がNo、終了)。昼の場合には、ライト点灯ボタン30aの押下に伴ってGPS装置12が起動されることはない。
現在が夜の場合には、屋内外判断プログラム116aが、バックライト30bを点灯させるとともに、GPS部142に対してGPS時刻の取得を指示する(ST52の判定がYes、ST54)。この後の動作(ST58、ST60)は、腕時計10の場合(図6のST26、ST28)と同様である。
【0044】
このように、本発明の腕時計10aによれば、紫外線センサ14を利用して屋内外の判断をすることができない夜間においても、使用者によるライト点灯ボタン30aの操作に基づいて、屋内外の判断をすることができる。
そのため、腕時計10aによれば、GPS時刻の取得に失敗する可能性の高い屋内において、GPS装置12を無駄に動作させて電力を浪費することを防止できる。
【0045】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
上述の動作例の各工程をコンピュータに実行させる携帯用電子機器の制御プログラムとすることができる。
また、このような制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体とすることもできる。
【0046】
これら携帯用電子機器の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態にするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0047】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態にかかる腕時計の外観を示す概略図である。
【図2】図1の腕時計の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】図1の腕時計の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図4】昼夜判断基礎情報を示す概略図である。
【図5】図1の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図6】図1の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる腕時計の外観を示す概略図である。
【図8】図7の腕時計の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図9】図7の腕時計の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図10】図7の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【図11】図7の腕時計の主な動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10(10a)・・・腕時計、12・・・GPS装置、14・・・紫外線センサ、16・・・照度センサ、18・・・温度センサ、22・・・表示装置、24・・・ベルト、26・・・電子時計、50・・・CPU、55・・・クロック、60・・・記憶装置、70・・・電池、100・・・制御部、112・・・装着判断プログラム、114・・・昼夜判断プログラム、116・・・屋内外判断プログラム、118・・・時計修正プログラム、30・・・照明装置、120・・・ボタン監視プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を表示する時刻表示手段と、
位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段と、
現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段と、
前記位置情報信号の発信時刻に基づいて前記時刻表示手段が表示する時刻を前記位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段とを有し、
前記屋内外判断手段が現在位置は屋内であると判断した場合に前記位置情報信号受信手段を動作させないことを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
前記携帯用電子機器の表面に照射される紫外線の強度を測定する紫外線センサを有し、
前記屋内外判断手段は、前記紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
現在の日付に基づいて現在の季節を判断する季節判断手段と、
現在の時刻と現在の季節とに基づいて現在は昼か夜かを判断する昼夜判断手段を有し、
前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合に前記紫外線センサを動作させないことを特徴とする請求項2に記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
前記携帯用電子機器の表面の照度を測定する照度センサを有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合には、前記屋内外判断手段は、前記照度センサが検出した照度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
前記時刻表示手段を照明する照明手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断し、かつ、前記照明手段が前記時刻表示手段を照明している場合に、前記位置情報信号受信手段を動作させることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項6】
前記携帯用電子機器を使用者の体または衣服に装着する装着手段と、
前記携帯用電子機器が使用者の体または衣服に装着されているときに使用者の体と接触する前記携帯用電子機器の部位の温度を測定する温度センサを有し、
前記温度センサが検出した温度が体温相当温度以下の場合には、前記位置情報信号受信手段と前記紫外線センサと前記照度センサを動作させないことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯用電子機器。
【請求項1】
現在時刻を表示する時刻表示手段と、
位置情報衛星から発信される位置情報信号を受信して前記位置情報信号の発信時刻を取得する位置情報信号受信手段と、
現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断する屋内外判断手段と、
前記位置情報信号の発信時刻に基づいて前記時刻表示手段が表示する時刻を前記位置情報衛星の時計と同期させる時計修正手段とを有し、
前記屋内外判断手段が現在位置は屋内であると判断した場合に前記位置情報信号受信手段を動作させないことを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項2】
前記携帯用電子機器の表面に照射される紫外線の強度を測定する紫外線センサを有し、
前記屋内外判断手段は、前記紫外線センサが検出した紫外線の強度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
【請求項3】
現在の日付に基づいて現在の季節を判断する季節判断手段と、
現在の時刻と現在の季節とに基づいて現在は昼か夜かを判断する昼夜判断手段を有し、
前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合に前記紫外線センサを動作させないことを特徴とする請求項2に記載の携帯用電子機器。
【請求項4】
前記携帯用電子機器の表面の照度を測定する照度センサを有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断した場合には、前記屋内外判断手段は、前記照度センサが検出した照度に基づいて、前記携帯端末の現在位置が屋内であるか屋外であるかを判断することを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項5】
前記時刻表示手段を照明する照明手段を有し、前記昼夜判断手段が現在は夜であると判断し、かつ、前記照明手段が前記時刻表示手段を照明している場合に、前記位置情報信号受信手段を動作させることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
【請求項6】
前記携帯用電子機器を使用者の体または衣服に装着する装着手段と、
前記携帯用電子機器が使用者の体または衣服に装着されているときに使用者の体と接触する前記携帯用電子機器の部位の温度を測定する温度センサを有し、
前記温度センサが検出した温度が体温相当温度以下の場合には、前記位置情報信号受信手段と前記紫外線センサと前記照度センサを動作させないことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の携帯用電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−194697(P2006−194697A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5607(P2005−5607)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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