説明

位置情報管理システム、位置情報管理方法、プログラム、および位置情報管理サーバ

【課題】移動端末やサーバの処理負荷、および回線負荷を軽減させることが可能な位置情報管理システム、位置情報管理方法、プログラム、および位置情報管理サーバを提供する。
【解決手段】位置情報管理システムは、位置情報管理サーバと、中継局と、移動端末とを備える。位置情報管理サーバは、特定の相手の位置情報が必要になった際に、前記特定の相手に対する位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信する。中継局は、位置情報管理サーバから位置問い合わせメッセージを受信し、自局の通信圏内に存在する通信端末に前記位置問い合わせメッセージを通知する。移動端末は、位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認すると、該問い合わせメッセージに対応する応答メッセージを位置情報管理サーバへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報管理システム、位置情報管理方法、プログラム、および位置情報管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
以下に、本発明に関連する位置情報管理システムについて説明する。
【0003】
図1を参照すると、この位置情報管理システムは、移動端末1と、中継局2と、公衆網3と、位置情報管理サーバ4を含む。
【0004】
移動端末1は、無線通信により中継局2と通信する通信端末である。中継局2(2−i、i=1〜n:nは局数)は、例えば基地局であり、自身がカバーするエリア内(通信圏内)の移動端末1と通信を行う。公衆網3は、中継局2により利用される公衆電話網やインターネットといった電気通信回線である。位置情報管理サーバ4は、公衆網3を介して中継局2から移動端末1の位置情報を取得して管理する。
【0005】
図1に示すように、この位置情報管理システムでは、移動端末1が管理エリアを移動する度に中継局2のいずれかと通信し、自局(移動端末1)の位置情報を更新する情報を管理サーバ4に通知する。
【0006】
なお、上記の位置情報管理システムの一例が、特開平05−167704号公報(特許文献1)に記載されている。この文献のシステムにおいて、移動電話は、電話の現在位置を管理エリアとする無線中継局からその識別番号を受信すると、情報受信者との回線接続を行う。そして、少なくとも上記識別番号を含む位置情報を、携帯電話網及び公衆網(一般加入者電話網又はISDN等)を介し情報受信者に送信する。情報受信者は、その受信する位置情報に基づき、位置情報データベース内のその位置情報を送信してきた移動電話の位置情報を更新する。
【0007】
他の関連技術として、特開2005−026936号公報(特許文献2)に通信システム、ゲートウェイ装置、ゲートキーパ装置及び移動管理方法が開示されている。この通信システムは、移動端末が移動した際、ゲートウェイ装置からの登録要求を受けて、移動端末とゲートウェイ装置の情報を更新して位置情報を一元管理する。
【0008】
また、特開昭61−112443号公報(特許文献3)に開示の移動体通信システムにおいて、情報は、全ての無線基地局へ制御チャネルを介して放送などによる同報の形式で通知される。ここで、同報とは、一度に同一の情報を複数の相手に報知することである。
【0009】
また、特開平11−355859号公報(特許文献4)に開示の無線通信ネットワークシステムにおいて、端末局は、測位した位置情報を基地局に送信する。
【0010】
また、特表2004−502341号公報(特許文献5)は、ビーコンを利用したデータ配信について開示する。この場合、問い合わせメッセージは、同報通信される。
【0011】
【特許文献1】特開平05−167704号公報
【特許文献2】特開2005−026936号公報
【特許文献3】特開昭61−112443号公報
【特許文献4】特開平11−355859号公報
【特許文献5】特表2004−502341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に開示の位置情報管理システムの場合、移動端末が管理エリア間を移動する毎に、中継局を介して移動端末が自局の位置情報をサーバ宛に送信し、位置情報を管理するデータベースを更新する必要がある。このため、実際に送受信を行うデータが無い場合でも、移動端末は一定の頻度で中継局と双方向の通信を行う必要があった。従って、上記構成の場合、移動端末やサーバの処理負荷、および無線端末からサーバへの上り回線の負荷増大が懸念される。
【0013】
本発明の目的は、移動端末やサーバの処理負荷、および回線負荷を軽減させることが可能な位置情報管理システム、位置情報管理方法、プログラム、および位置情報管理サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明の位置情報管理システムは、特定の相手の位置情報が必要になった際に、特定の相手に対する位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信し、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて特定の相手の位置情報を更新する位置情報管理サーバと、位置情報管理サーバから位置問い合わせメッセージを受信し、自局の通信圏内に存在する通信端末に位置問い合わせメッセージを通知する中継局と、特定の相手が所持し、中継局から位置問い合わせメッセージを受信し、位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認すると応答メッセージを位置情報管理サーバに送信する移動端末とを具備する。
【0015】
本発明の他の位置情報管理システムは、特定の移動端末の位置情報が必要になった際に、特定の移動端末に対する位置問い合わせメッセージを出力し、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて特定の移動端末の位置情報を更新する位置情報管理サーバと、位置情報管理サーバから位置問い合わせメッセージを受信し、位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信するマルチキャストサーバとを具備する。位置情報管理サーバは、特定の移動端末が複数の中継局のいずれかの通信圏内に存在する場合、特定の移動端末から応答メッセージを受信する。
【0016】
本発明の位置情報管理方法は、(a)特定の移動端末の位置情報の要求を受け付けるステップと、(b)特定の移動端末に対する位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信するステップと、(c)特定の移動端末が複数の中継局のいずれかの通信圏内に存在する場合、特定の移動端末から応答メッセージを受信するステップと、(d)位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて特定の移動端末の位置情報を更新するステップとを具備する。
【0017】
本発明のプログラムは、上記のいずれかの位置情報管理方法を、コンピュータに実行させる。
【0018】
本発明の位置情報管理サーバは、複数の中継局と接続し、1つ以上の移動端末の位置情報を管理する位置情報管理サーバであって、所定の移動端末の位置情報が必要となった場合、この移動端末の位置を問い合わせるためのメッセージを、複数の中継局に対してマルチキャスト送信する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の位置情報管理システム、位置情報管理方法、プログラム、および位置情報管理サーバによれば、移動端末やサーバの処理負荷、および回線負荷が軽減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態に係わる位置情報管理システムは、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBS(Multicast−Broadcast−System)を利用することにより、特定の移動端末宛のデータが発生した場合にのみ位置情報が更新されることを可能とする。
【0021】
本発明の実施形態に係る位置情報管理サーバは、特定の端末宛の送信データが発生し、その端末の位置情報が必要となった場合にのみ、位置を問い合わせるメッセージをマルチキャストで送信する。このマルチキャスト通信としてWiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSを利用することにより、移動端末の位置を問い合わせるメッセージを複数の中継局に同報(報知)する。これによって、移動端末が複数の中継局の通信圏の間を移動している場合も、新しい中継局を経由して位置情報を更新する必要なく、移動端末はマルチキャストデータを受信することが可能であるため、自局宛の位置問い合わせメッセージであることを認識した移動端末が、応答メッセージを送信することにより、位置情報管理サーバが移動端末の現在の位置を識別する。尚、位置問い合わせメッセージは、移動端末を識別するための識別情報を含む。この識別情報としては、例えば、移動端末固有の宛先アドレスとすることができる。
【0022】
以下に本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態は、企業内で外出中の社員の現在位置を確認するための位置情報管理システムへの適用例であり、社内にいる社員から外出先の社員の位置情報を要求された位置情報管理サーバが、位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバに送信する。
【0024】
図2を参照すると、本発明の第1実施形態に係わる位置情報管理システムは、社内端末10と、位置情報管理サーバ20と、マルチキャストサーバ30と、中継局40と、移動端末50を含む。
【0025】
社内端末10は、社内にいる社員(社員A)が使用する通信端末である。例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)でも良い。有線/無線は問わない。
【0026】
位置情報管理サーバ20は、社内にいる社員(社員A)から外出先の社員(社員B)の位置情報の要求を受け付ける。ここでは、社員Aが使用する社内端末10から社員Bが携帯する移動端末50の位置情報の要求を受信する。移動端末50の位置情報を既に記憶していれば、移動端末50の位置情報を確認した後、移動端末50の位置情報を更新して管理する。なお、位置情報管理サーバ20は、社内に設置し、社内の通信端末(例えば社内端末10)からのみアクセスできるようにすることが好ましい。但し、実際には、アクセスを許可された通信端末か否か(例えば社員か否か)の認証を行うことで、外出先の社員(社員B)が、移動端末50を用いて位置情報管理サーバ20にアクセスし、外出先の他の社員の位置情報を要求できるようにしても良い。
【0027】
マルチキャストサーバ30は、位置情報管理サーバ20から位置問い合わせメッセージを受信する。更に、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。ここでは、WiMAXシステムは、中継局40と、移動端末50を含む。
【0028】
中継局40(40−i、i=1〜n:nは局数)の各々は、例えば基地局であり、自身がカバーするエリア内(通信圏内)の移動端末50に位置問い合わせメッセージを通知する。また、位置問い合わせメッセージに対する移動端末50からの応答メッセージを位置情報管理サーバ20に送信する。但し、実際には基地局に限定されない。基地局を介して移動端末50と通信可能なルータやサーバ、或いは交換機といった中継装置でも良い。衛星通信を利用している場合は衛星(通信衛星)でも良い。
【0029】
移動端末50は、外出中の社員(社員B)が携帯する通信端末である。無線通信により中継局40と通信する。例として、携帯電話機、PDA、無線通信対応のコンピュータ、ハンディターミナル、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤが挙げられる。なお、必ずしも社員B自身が携帯していなければならない訳ではなく、社員Bが利用するものに付随する装置、例えば、カーナビゲーションシステム、ETC車載器でも良い。また、通信端末そのものに限らず、無線通信に用いられる通信用インタフェース(例えば無線LANカード)でも良い。
【0030】
次に、本発明の第1実施形態に係わる位置情報管理システムの動作について説明する。
【0031】
社内にいる社員(社員A)から外出先の社員(社員B)の位置情報を要求された位置情報管理サーバ20が、位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に送信する。マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。中継局40の各々は同一の位置問い合わせメッセージを無線回線に送信し、中継局40−3の通信圏に位置している社員Bが携帯する移動端末50が、位置問い合わせメッセージを受信する。移動端末50は位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識し、応答メッセージを中継局40−3を経由して位置情報管理サーバ20に返信する。これを受信した位置情報管理サーバ20が社員Bの位置情報を更新する。
【0032】
図3は、本発明の第1実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0033】
(1)ステップS101
社内にいる社員(社員A)から位置情報管理サーバ20に外出先の社員(社員B)の位置情報を要求する。すなわち、社内にいる社員(社員A)が社内端末10から、位置情報管理サーバ20に対して、外出先の社員(社員B)が携帯する移動端末50の位置情報を要求する。
【0034】
(2)ステップS102
位置情報管理サーバ20は、位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に送信する。
【0035】
(3)ステップS103
マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。
【0036】
(4)ステップS104
中継局40の各々は、同一の位置問い合わせメッセージを無線回線に送信し、中継局40の通信圏に位置している移動端末に通知する。ここでは、社員Bが携帯する移動端末50は中継局40−3の通信圏に位置しているため、中継局40−3が移動端末50に位置問い合わせメッセージを通知する。
【0037】
(5)ステップS105
移動端末50は、位置問い合わせメッセージを受信する。
【0038】
(6)ステップS106
移動端末50は、位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識する。このとき、移動端末50の表示画面に位置問い合わせメッセージを表示することで、社員Bが、位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認できるようにすることも可能である。
【0039】
(7)ステップS107
移動端末50は、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを中継局40−3を経由して位置情報管理サーバ20に返信する。
【0040】
(8)ステップS108
位置情報管理サーバ20は、移動端末50からの応答メッセージを受信し、社員B(移動端末50)の位置情報を更新する。
【0041】
以上説明した本発明の第1実施形態において、位置情報管理データベースの更新の他、携帯電話システムにも利用が可能である。すなわち、携帯電話がエリアを移動する度に、自局の位置情報を通知する必要がなく、着信が発生した場合に、網がMBSを利用して携帯電話の位置問い合わせ情報をマルチキャスト送信することにより、携帯電話の現在位置を認識することが可能である。
【0042】
また、無線通信システムに限らず、有線通信を用いる通信装置の位置情報の管理にも以上説明した本発明の第1実施形態の構成を適用することが可能である。例えば、社内での社員の席替え等による通信端末の移動が発生した場合に、本発明の位置情報管理システムにより、移動した通信端末の位置情報を管理することが考えられる。
【0043】
以下に、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。
【0044】
第2実施形態は、宅配会社の再配送要求受付システムである。
【0045】
図4を参照すると、本発明の第2実施形態に係わる位置情報管理システム(以下、該システムを再配送要求受付システムとも言う。)は、顧客端末11と、再配送受付システム21と、マルチキャストサーバ30と、中継局40と、移動端末51を含む。
【0046】
顧客端末11は、顧客が利用する通信端末である。例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、固定電話機がある。有線/無線は問わない。顧客が宅配会社の社員(担当者)に電話やメールで連絡する場合も考えられる。顧客端末11は、留守中の配達通知に記載されているドライバ番号を再配送要求と一緒に再配送受付システム21に連絡する。配達通知がバーコードを記載した用紙や電子的な記憶媒体である場合、これらを読み取る装置(リーダ)が顧客端末11に該当する。なお、顧客端末11は、顧客自身が所有している必要は無く、例えば、顧客が来店したコンビニエンスストアに設置されている通信端末でも良い。
【0047】
再配送受付システム21は、顧客から再配送要求及びドライバ番号を受け付ける。ここでは、顧客端末11から再配送要求及びドライバ番号を受信する。このとき、図2の社内端末10が顧客端末11から再配送要求及びドライバ番号を受け付け、社内端末10から再配送受付システム21に再配送要求及びドライバ番号を通知するようにすることも可能である。また、コールセンターを設けて、顧客から電話連絡により再配送要求及びドライバ番号を受け付けるようにしても良い。この場合、コールセンターで受け付けた再配送要求及びドライバ番号を再配送受付システム21に登録する。再配送受付システム21は、ドライバ番号に該当するドライバ(配達人)が携帯する移動端末51の位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に通知する。なお、再配送受付システム21は、図2の位置情報管理サーバ20と一体でも良い。すなわち、再配送要求受付システム21は、社内端末10と、位置情報管理サーバ20を含む場合もある。
【0048】
マルチキャストサーバ30は、再配送受付システム21から位置問い合わせメッセージを受信する。更に、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。ここでは、WiMAXシステムは、中継局40と、移動端末51を含む。
【0049】
中継局40(40−i、i=1〜n:nは局数)の各々は、例えば基地局であり、自身がカバーするエリア内(通信圏内)の移動端末51に位置問い合わせメッセージを通知する。また、位置問い合わせメッセージに対する移動端末51からの応答メッセージを再配送受付システム21に送信する。但し、実際には基地局に限定されない。基地局を介して移動端末51と通信可能なルータやサーバ、或いは交換機といった中継装置でも良い。衛星通信を利用している場合は衛星(通信衛星)でも良い。
【0050】
移動端末51は、ドライバ(配達人)が携帯する通信端末である。無線通信により中継局40と通信する。例として、携帯電話機、PDA、無線通信対応のコンピュータ、ハンディターミナル、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤが挙げられる。なお、必ずしもドライバ(配達人)自身が携帯していなければならない訳ではなく、ドライバ(配達人)が利用するものに付随する装置、例えば、カーナビゲーションシステム、ETC車載器でも良い。また、通信端末そのものに限らず、無線通信に用いられる通信用インタフェース(例えば無線LANカード)でも良い。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態に係わる再配送要求受付システムの動作について説明する。
【0052】
留守中に配達された荷物の再配送を希望する顧客から、顧客端末11を介して、宅配会社の再配送受付システム21に再配送要求が通知される。顧客は、留守中の配達通知に記載されているドライバ番号を再配送要求と一緒に再配送受付システム21に連絡する。再配送受付システム21は、該当するドライバ(配達人)の位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に送信する。
【0053】
マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。中継局40の各々は同一の位置問い合わせメッセージを無線回線に送信し、中継局40−2の通信圏に位置しているドライバ(配達人)が携帯する移動端末51が、位置問い合わせメッセージを受信する。移動端末51は位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識し、応答メッセージを中継局40−2を経由して再配送受付システム21に返信する。ドライバ(配達人)の現在位置を認識した再配送受付システム21は、中継局40−2を経由して、再配送要求に関する情報をドライバ(配達人)の所持する移動端末51に送信する。
【0054】
図5は、本発明の第2実施形態に係わる再配送要求受付システムの動作を示すシーケンス図である。
【0055】
(1)ステップS201
顧客が、顧客端末11を介して、宅配会社の再配送受付システム21に再配送要求を通知する。このとき、留守中の配達通知に記載されているドライバ番号を再配送要求と一緒に再配送受付システム21に連絡する。
【0056】
(2)ステップS202
再配送受付システム21は、通知されたドライバ番号に該当するドライバ(配達人)の位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に送信する。
【0057】
(3)ステップS203
マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージをWiMAXシステムの中継局40の各々に同報する。
【0058】
(4)ステップS204
中継局40の各々は同一の位置問い合わせメッセージを無線回線に送信する。ここでは、ドライバ(配達人)が携帯する移動端末51は中継局40−2の通信圏に位置しているため、中継局40−2が移動端末51に位置問い合わせメッセージを送信する。
【0059】
(5)ステップS205
移動端末51は、中継局40−2から位置問い合わせメッセージを受信する。
【0060】
(6)ステップS206
移動端末50は、位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識する。このとき、移動端末51の表示画面に位置問い合わせメッセージを表示することで、ドライバ(配達人)が、位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認できるようにすることも可能である。
【0061】
(7)ステップS207
移動端末51は、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを中継局40−2を経由して位置情報管理サーバ21に返信する。
【0062】
(8)ステップS208
位置情報管理サーバ21は、移動端末51からの応答メッセージを受信し、ドライバ(配達人)、すなわち移動端末51の位置情報を更新する。
【0063】
(9)ステップS209
ドライバ(配達人)の現在位置を認識した再配送受付システム21は、中継局40−2を経由して、再配送要求に関する情報をドライバ(配達人)の所持する移動端末51に送信する。
【0064】
以下に、本発明の第3実施形態に係わる位置情報管理システムについて詳細に説明する。
【0065】
ここまで、移動端末が応答する場合について説明してきたが、実際には、移動端末以外の通信装置が応答することも可能である。例えば、外出先の社員やドライバ(配達人)が立ち寄りそうな店舗や施設を中継局又は移動端末とみなし、これらの店舗や施設が応答するようにしても良い。店舗や施設の例としては、自社や関連会社の事業所や営業所、コンビニエンスストア、喫茶店、レストラン、ホテル、交通機関、公共施設、ETCレーンが挙げられる。この場合、これらの店舗や施設において社員やドライバ(配達人)が店舗や施設の利用を行ったときに社員やドライバ(配達人)の識別情報を取得し、社員やドライバ(配達人)の滞在した日時を記録する。これらの店舗や施設が位置情報管理サーバから社員やドライバ(配達人)の位置問合せを受けた場合、店舗や施設の位置情報と共に、社員やドライバ(配達人)の識別情報と滞在した日時を応答する。これにより、社員やドライバ(配達人)の現在位置のみならず、移動経路まで把握することが可能になる。また、第1実施形態や第2実施形態と組み合わせて実施する場合も考えられる。様々な手段で位置問合せを行うことにより、早期に、且つ、確実に、位置情報を取得することが可能になる。
【0066】
以上のように、本発明における位置情報管理サーバは、特定の端末宛の送信データが発生し、その端末の位置情報が必要となった場合に、位置を問い合わせるメッセージをマルチキャストで送信する。WiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSを利用することにより、位置情報管理サーバが移動端末の位置を問い合わせるメッセージは、複数の中継局に同報(報知)される。これによって、移動端末が複数の中継局の通信圏の間を移動している場合も、新しい中継局を経由して位置情報を更新する必要なく、移動端末はマルチキャストデータを受信することが可能である。受信したマルチキャストデータの内容から自局宛の位置問い合わせメッセージであることを認識した移動端末が、応答メッセージを送信することにより、位置情報管理サーバが移動端末の現在の位置を知ることができる。
【0067】
また、WiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSにおいては、複数の中継局間で同期を確立して同一のマルチキャストデータを送信するため、中継局間を移動中の端末においてもデータ受信の欠落が生じる確率を抑制することが可能である。
【0068】
以下に、本発明の第4実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第4実施形態は、例えば、学校で利用されるシステムであり、より具体的には、課外活動などで分散している生徒の現在位置を収集する位置情報管理システムである。
【0069】
図6を参照すると、本発明の第4実施形態に係わる位置情報管理システムは、学校内端末12と、位置情報管理サーバ20と、マルチキャストサーバ30と、中継局40−1〜4−3と、移動端末52とを備える。
【0070】
学校内端末12は、学校内に設置され、教師等によって操作される。学校内端末12は、位置情報管理サーバ20に対して、生徒の位置情報要求を行う。
【0071】
移動端末52は、例えば、課外活動をしている生徒によって携帯される。移動端末52は、無線通信により中継局40−1〜40−3と通信する。移動端末52は、中継局40−1〜40−3から位置問い合わせメッセージを受信する。該メッセージが自分宛のメッセージであった場合、移動端末52は、該メッセージに対する応答メッセージを中継局40−1〜40−3へ送信する。
【0072】
位置情報管理サーバ20は、学校内端末12から、課外活動中のある特定の生徒の位置情報要求を受信する。位置情報管理サーバ20は、該生徒が携帯する移動端末52の位置を問い合わせるためのメッセージを、マルチキャストサーバ30へ送信する。また、位置情報管理サーバ20は、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを、中継局40−1〜40−3のいずれかを介して、移動端末52から受信する。位置情報管理サーバ20は、移動端末毎に位置情報を管理するための不図示のデータベースを備える。位置情報管理サーバ20は、移動端末の位置情報をデータベースに記憶するとともに、位置情報に変化が発生した場合、データベースの内容を更新する。
【0073】
マルチキャストサーバ30は、位置情報管理サーバ20から位置問い合わせメッセージを受信し、該受信した位置問い合わせメッセージを、WiMAXシステムを構成する複数の中継局40−1〜40−3の各々にマルチキャスト送信する。
【0074】
複数の中継局40−1〜40−3の各々は、マルチキャスト送信された位置問い合わせメッセージを、自身がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末に対して無線送信する。位置問い合わせメッセージに対する移動端末52からの応答メッセージを受信した中継局40−1〜40−3のいずれかは、該応答メッセージを、位置情報管理サーバ20へ送信する。
【0075】
次に、以上説明した第4実施形態に係わる位置情報管理システムの動作について説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0076】
(1)ステップS301
学校内にいる教師の操作により、例えば、課外活動中の所定の生徒の現在位置を問い合わせるメッセージが、学校内端末12から位置情報管理サーバ20に対して送信される。
【0077】
(2)ステップS302
位置情報管理サーバ20は、位置問い合わせメッセージをマルチキャストサーバ30に送信する。
【0078】
(3)ステップS303
マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージを各中継局40−1〜40−3に同報する。
【0079】
(4)ステップS304
各中継局40−1〜40−3は、マルチキャスト送信された位置問い合わせメッセージを、自身がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末に対して無線送信する。
【0080】
(5)ステップS305
各中継局40−1〜40−3がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末は、位置問い合わせメッセージを受信する。
【0081】
(6)ステップS306
移動端末52は、位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識する。このとき、移動端末52の表示画面に位置問い合わせメッセージを表示することで、該移動端末52を携帯する生徒は、位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認することができる。
【0082】
(7)ステップS307
移動端末52は、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを、自身が在圏する中継局を経由して位置情報管理サーバ20へ送信する。
【0083】
(8)ステップS308
位置情報管理サーバ20は、移動端末52からの応答メッセージを受信し、生徒(移動端末52)の位置情報を更新する。さらに、位置情報管理サーバ20は、必要に応じて、生徒の位置情報を学校内端末12へ送信する。
【0084】
尚、上記の第1〜第4の実施形態においては、いずれも1台の移動端末の現在位置を確認する場合を例に挙げたが、複数の移動端末の現在位置を確認することもできる。
【0085】
複数の移動端末の現在位置を確認する、本発明の第5実施形態について添付図面を参照して説明する。第5実施形態は、例えば、企業で利用されるシステムであり、より具体的には、外出中の社員の現在位置を確認するためのシステムある。該実施形態は、例えば、第2実施形態のシステム(再配送要求受付システム)や第4実施形態のシステム(生徒安全管理システム)においても応用することができる。
【0086】
図8を参照すると、本発明の第5実施形態に係わる位置情報管理システムは、社内端末10と、位置情報管理サーバ20と、マルチキャストサーバ30と、中継局40−1〜40−3と、複数の移動端末50−1および50−2を備える。尚、移動端末の数は便宜上2台として説明するが、その数を3台以上とすることもできる。図8において、図1に示すのと同一の構成要素については、同一の参照符号を付与し、その説明を省略する。
【0087】
移動端末50−1は、外出中の社員Bによって携帯される。移動端末50−2は、外出中の社員Cによって携帯される。移動端末50−1および50−2は、マルチキャストグループを形成し、該グループには、所定のマルチキャストグループアドレスが付与される。
【0088】
位置情報管理サーバ20は、社内端末10から、社員Bおよび社員Cの位置情報要求を受け付けた際、移動端末50−1および50−2が属するマルチキャストグループ宛の位置問い合わせメッセージを、マルチキャストサーバ30へ送信する。マルチキャストサーバ30は、該位置問い合わせメッセージを各中継局40−1〜40−3へマルチキャスト送信する。
【0089】
各中継局40−1〜40−3は、マルチキャスト送信された位置問い合わせメッセージを、自身がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末に対して無線送信する。該位置問い合わせメッセージに対する移動端末からの応答メッセージを受信した中継局40−1〜40−3のいずれかは、該応答メッセージを、位置情報管理サーバ20へ送信する。
【0090】
次に、以上説明した本発明の第5実施形態に係わる位置情報管理システムの動作について説明する。図9は、本発明の第5実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。尚、図9において、図3に示すのと同様の処理については、必要に応じてその説明を簡素化あるいは省略する。
【0091】
(1)ステップS401
会社内で勤務する社員Aの操作により、外出先の社員Bが携帯する移動端末50−1および外出先の社員Cが携帯する移動端末50−2の現在位置を問い合わせるメッセージが、社内端末10から位置情報管理サーバ20へ送信される。
【0092】
(2)ステップS402
位置情報管理サーバ20は、位置問い合わせメッセージを、マルチキャストサーバ30へ送信する。
【0093】
(3)ステップS403
マルチキャストサーバ30は、位置問い合わせメッセージを、中継局40−1〜40−3の各々に同報する。
【0094】
(4)ステップS404
各中継局40−1〜40−3は、マルチキャスト送信された位置問い合わせメッセージを、各自がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末に対して無線送信する。
【0095】
(5)ステップS405
各中継局40−1〜40−3がカバーする通信圏内に存在する全ての移動端末は、位置問い合わせメッセージを受信する。
【0096】
(6)ステップS406
この場合、位置問い合わせメッセージの宛先アドレスは、前述した通り、移動端末50−1および50−2が属するマルチキャストグループアドレスであるため、移動端末50−1および50−2は、該位置問い合わせメッセージが自局宛であることを認識する。
【0097】
(7)ステップS407
移動端末50−1および50−2は、位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを、自身が在圏する中継局を経由して位置情報管理サーバ20へ送信する。この場合、例えば、図8に示すように、移動端末50−1が中継局40−3に在圏し、移動端末50−2が中継局40−2に在圏したとする。従って、移動端末50−1からの応答メッセージは、中継局40−3を経由して位置情報管理サーバ20へ送信される。また、移動端末50−2からの応答メッセージは、中継局40−2を経由して位置情報管理サーバ20へ送信される。
【0098】
(8)ステップS408
位置情報管理サーバ20は、移動端末50−1および50−2からの各応答メッセージを受信し、必要に応じて、社員B(移動端末50−1)および社員C(移動端末50−2)の位置情報を更新する。
【0099】
以上説明した第5実施形態は、複数の外出社員(移動端末)の位置を一回の確認作業により同時に知ることができる。従って、作業者の手間およびシステム負荷は軽減される。
【0100】
尚、マルチキャストシステムは、上記のWiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSに限定されず、その他のマルチキャストシステムとすることができる。さらに、その他のマルチキャストシステムにおいて、複数の中継局間でマルチキャストデータ送信の同期を確立することにより、MBSと同様に、中継局間を移動中の端末におけるデータ受信の欠落を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】関連技術としての位置情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わる位置情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係わる再配送要求受付システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係わる再配送要求受付システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係わる位置情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係わる位置情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係わる位置情報管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0102】
10 社内端末
11 顧客端末
12 学校内端末
20 位置情報管理サーバ
21 再配送受付システム
30 マルチキャストサーバ
40(−i、i=1〜n) 中継局
50、50−1、50−2 移動端末
51 移動端末
52 移動端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の相手の位置情報が必要になった際に、前記特定の相手に対する位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信し、前記位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて前記特定の相手の位置情報を更新する位置情報管理サーバと、
前記位置情報管理サーバから前記位置問い合わせメッセージを受信し、自局の通信圏内に存在する通信端末に前記位置問い合わせメッセージを通知する中継局と、
前記特定の相手が所持し、前記中継局から前記位置問い合わせメッセージを受信し、前記位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認すると前記応答メッセージを前記位置情報管理サーバに送信する移動端末を具備することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の位置情報管理システムであって、
前記位置問い合わせメッセージは、移動端末を識別するための識別情報を含むことを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の位置情報管理システムであって、
前記識別情報は、移動端末が属するマルチキャストグループに付与されるマルチキャストグループアドレスであることを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置情報管理システムであって、
前記位置情報管理サーバは、社内にいる第1社員から外出先の第2社員の位置情報の要求を受け付けると、前記第2社員が所持する移動端末に対する前記位置問い合わせメッセージをマルチキャストで送信することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置情報管理システムであって、
前記位置情報管理サーバは、顧客から再配送要求とドライバ番号を受け付けると、前記ドライバ番号に対応するドライバ(配達人)が所持する移動端末に対する前記位置問い合わせメッセージをマルチキャストで送信し、前記位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージがあれば、前記ドライバが所持する移動端末に前記再配送要求を通知することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置情報管理システムであって、
前記位置情報管理サーバは、学校の教師から生徒の位置情報要求を受け付けた際、前記生徒が所持する移動端末に対する前記位置問い合わせメッセージをマルチキャストで送信することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の位置情報管理システムであって、
前記マルチキャスト送信は、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBS(Multicast−Broadcast−System)を用いて行われることを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項8】
特定の移動端末の位置情報が必要になった際に、前記特定の移動端末に対する位置問い合わせメッセージを出力し、前記位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて前記特定の移動端末の位置情報を更新する位置情報管理サーバと、
前記位置情報管理サーバから前記位置問い合わせメッセージを受信し、前記位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信するマルチキャストサーバを具備し、
前記位置情報管理サーバは、前記特定の移動端末が前記複数の中継局のいずれかの通信圏内に存在する場合、前記特定の移動端末から前記応答メッセージを受信することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の位置情報管理システムであって、
前記位置問い合わせメッセージは、移動端末を識別するための識別情報を含むことを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の位置情報管理システムであって、
前記識別情報は、移動端末が属するマルチキャストグループに付与されるマルチキャストグループアドレスであることを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の位置情報管理システムにおいて、
前記マルチキャスト送信は、WiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSを用いて行われることを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項12】
(a)特定の移動端末の位置情報の要求を受け付けるステップと、
(b)前記特定の移動端末に対する位置問い合わせメッセージを複数の中継局にマルチキャストで送信するステップと、
(c)前記特定の移動端末が前記複数の中継局のいずれかの通信圏内に存在する場合、前記特定の移動端末から前記応答メッセージを受信するステップと、
(d)前記位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージに応じて前記特定の移動端末の位置情報を更新するステップを具備することを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の位置情報管理方法であって、
前記(c)ステップは、
(c1)前記複数の中継局の各々が、前記位置問い合わせメッセージを受信し、自局の通信圏内に存在する通信端末に前記位置問い合わせメッセージを通知するステップと、
(c2)前記特定の移動端末が、前記複数の中継局のいずれかから前記位置問い合わせメッセージを受信し、前記位置問い合わせメッセージが自分宛であることを確認すると前記応答メッセージを出力するステップを具備することを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項14】
請求項12または13に記載の位置情報管理方法であって、
(e)顧客から再配達要求と一緒に、前記特定の移動端末を所持するドライバ(配達人)を示すドライバ番号を受け付けるステップと、
(f)前記特定の移動端末から前記応答メッセージを受信した後、前記特定の移動端末に前記再配達要求を通知するステップを更に具備することを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項15】
請求項12〜14のいずれか1項に記載の位置情報管理方法であって、
前記位置問い合わせメッセージは、移動端末を識別するための識別情報を含むことを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の位置情報管理方法であって、
前記識別情報は、移動端末が属するマルチキャストグループに付与されるマルチキャストグループアドレスであることを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれか1項に記載の位置情報管理方法において、
前記マルチキャスト送信は、WiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSを用いて行われることを特徴とする位置情報管理方法。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか1項に記載の位置情報管理方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項19】
複数の中継局と接続し、1つ以上の移動端末の位置情報を管理する位置情報管理サーバであって、
所定の移動端末の位置情報が必要となった場合、この移動端末の位置を問い合わせるためのメッセージを、複数の中継局に対してマルチキャスト送信することを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項20】
請求項19記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記所定の移動端末から、前記位置問い合わせメッセージに対する応答メッセージを受信し、該応答メッセージに基づいて前記移動端末の位置情報を更新することを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項21】
請求項19または20記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記位置問い合わせメッセージは、前記所定の移動端末を識別するための識別情報を含むことを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項22】
請求項21記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記識別情報は、前記所定の移動端末が属するマルチキャストグループに付与されるマルチキャストグループアドレスであることを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項23】
請求項19〜22のいずれか1項に記載の位置情報管理サーバにおいて、
位置情報を要求する所定の位置情報要求端末から前記所定の移動端末の位置情報の要求を受けた場合、この移動端末に対する位置問い合わせメッセージを、前記複数の無線中継局に対してマルチキャスト送信することを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項24】
請求項23記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記位置情報要求端末は、社内の第1社員が操作する端末であり、前記移動端末は、外出先の第2社員が所持する端末であることを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項25】
請求項23記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記位置情報要求端末は、顧客が操作する端末であり、前記移動端末は、顧客に配達物を届けるドライバが所持する端末であることを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項26】
請求項23記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記位置情報要求端末は、教師が操作する端末であり、前記移動端末は、生徒が所持する端末であることを特徴とする位置情報管理サーバ。
【請求項27】
請求項19〜26のいずれか1項に記載の位置情報管理サーバにおいて、
前記マルチキャスト送信は、WiMAX及びIEEE802.16e標準仕様におけるMBSを用いて行われることを特徴とする位置情報管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−219863(P2008−219863A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329400(P2007−329400)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】