説明

位置決め包装方法及び装置

【課題】
複数種の品物を、包装袋又は容器内のそれぞれ所定位置に位置決めされた状態で充填して包装する方法及び装置を提供する。
【解決手段】
複数の異なる包装品11〜15を包装袋16内にそれぞれ位置決めした状態で包装する位置決め包装装置であって、複数個のトレー4を搬送するチェーン3と、包装すべき複数の所定量の包装品11〜15を、トレー4上にそれぞれ位置決めして載置させる複数個の包装品計量投入装置と、その包装品計量投入装置によって包装品11〜15を位置決めして載置されたトレー4を包装すべき袋に入れる手段と、包装袋16内に入れられたトレー4を上下反転させる反転機構と、反転されたトレー4から包装袋16を引き抜く袋引き抜き機構とを有し、トレー4上に位置決め状態に載置された包装品11〜15を包装袋16内に位置決め状態のまま移して包装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の品物、例えば色とりどりの複数種のカット野菜など、をそれぞれ袋又は容器内に位置決めして配置された状態にして包装する位置決め包装方法及び位置決め包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今は、商品を所定量ずつ袋や容器(パック)に詰めた状態にして流通させることが多くなっている。例えば、色とりどりのカット野菜類を色取り良く混合した状態に袋詰め又は容器詰めして流通させ、そのまま野菜炒めやサラダとして食することができるようにしたものなどが見られる。一方、種々の色彩のカット野菜類を色取り良く袋又は容器内の所定位置に別々に位置決めして見栄え良い状態に袋詰め又は容器詰めして購買意欲を高めるようにした商品として流通されることなども行われている。また、各種の菓子類についても、それぞれ見栄え良く位置決めした状態に袋詰め又は容器詰めして商品化されている。
【0003】
このように各種の品物をそれぞれ袋又は容器内に位置決めして配置した状態に袋詰め又は容器詰めして包装することを機械的に自動で行うことは極めて難しいため、そのような位置決め包装は手作業で行われているのが実情である。複数種の品物を袋や容器内に手作業で位置決め配置した状態に詰める作業は極めて煩雑で神経を使う作業であり、複数種の品物を位置決めして袋詰め又は容器詰めした商品の価格に占める人件費の比率は高くならざるを得ない。また、複数種の品物を手作業で袋又は容器内に位置決めして詰めた後、その包装袋の開口部をシールするときや容器の開口をフィルムで覆って閉じるときに、袋又は容器内に位置決めされた品物を移動させてしまい、所期した位置決め状態を崩すことも多い。
単品の品物、例えば、もやしを包装袋の所定位置に、一定方向を向けて整列された状態で入れた状態にして包装する整列包装技術は既に提案したが(特許文献1)、複数種の品物をそれぞれ所定位置に位置決めされた状態で機械的に袋詰め又は容器詰めする技術は現在、なお提案されていない。
【特許文献1】特開2000−289712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数種の品物を、包装袋又は包装容器内のそれぞれ所定位置に位置決めされた状態で充填して包装することを可能とする、複数包装品の位置決め包装方法及び位置決め包装装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記した課題を解決するため、複数の異なる包装品を袋又は容器内にそれぞれ位置決めして配置した状態で包装する位置決め包装方法であって、包装すべき複数の品物をトレー上の所定位置にそれぞれ載置し、同包装品が位置決めして載置されたトレーに包装すべき袋又は容器を被せた状態にしたのち、同トレーをその袋又は容器と共に上下反転し、前記トレー及び前記袋又は容器の少なくともいずれか一方を引き抜くことによって、前記トレーに位置決め状態に配置された品物を前記袋又は容器内に位置決めされた状態のまま移して包装する複数包装品の位置決め包装方法を提供する。
【0006】
また、本発明は、前記した課題を解決するため、複数の異なる包装品を袋又は容器内にそれぞれ位置決めして配置した状態で包装する位置決め包装装置であって、複数個のトレーを搬送するトレー搬送手段と、包装すべき複数の所定量の品物を前記搬送手段で搬送される前記トレーにそれぞれ位置決めして載置させる複数個の包装品供給手段と、同包装品供給手段によって包装品を位置決めして載置されたトレーに包装すべき袋又は容器を被せた状態にする包装袋又は容器被せ手段と、同トレーをその袋又は容器と共に上下反転させる反転手段と、反転された前記トレー及び前記袋又は容器の少なくともいずれか一方を引き抜く引き抜き手段とを有し、前記トレーに位置決め状態に揃えられた品物を前記袋又は容器内に位置決め状態のまま移して包装する複数包装品の位置決め包装装置を提供する。
【0007】
前記した位置決め包装置における反転手段として、上下2枚の板部材を備え包装すべき品物が位置決め状態に揃えられ袋又は容器を被せて搬送されて来るトレーを前記板部材の間に位置させて上下反転する反転手段であり、前記引き抜き手段が、同上下反転されたトレーを横方向に送る第1のコンベア、同第1のコンベアを横切って配置され前記トレーから前記袋又は容器を引き抜く方向に搬送される第2のコンベア、及び同第1のコンベア及び前記第2のコンベアのいずれかを上下動させるコンベア上下手段を有する構成のものを採用することができる。
【発明の効果】
【0008】
前記した本発明の位置決め包装方法によれば、包装すべき複数の品物をトレー上の所定位置にそれぞれ載置し、その包装品が位置決めして載置されているトレーを包装すべき袋に入れた状態、又は包装すべき容器(パック)をトレーに伏せて被せた状態にして、トレーをその袋又は容器と共に上下反転し、そのトレー又は袋のいずれか一方、又はトレー及び袋又は容器の両方、を互いに離す方向に引き抜くことによって、トレー上に位置決めして配置された品物を包装袋又は包装容器内に位置決めされた状態のまま移して、包装袋又は包装容器の開口を閉じることによって複数種の包装品のそれぞれを包装袋又は包装容器内に位置決めした状態で所望の包装を行うことができる。この場合、包装袋内を所望の脱気状態にして閉じて包装すると、包装袋や包装容器内に位置決めして配置された包装品は包装袋や包装容器又はその開口部を覆うシートによって押さえられた状態になり、包装品の位置決め状態が保持された包装品を得ることができる。
【0009】
また、前記した本発明の位置決め包装装置によれば、トレー搬送手段によって搬送されて来るトレー上に、複数個の各包装品供給手段から複数個の包装品を所定位置にそれぞれ載置し、包装袋又は包装容器被せ手段によって、包装品が位置決めして載置されたトレーを包装すべき袋に入れた状態、又は包装すべき容器をトレーに伏せて被せた状態にしたのち、反転手段によって、そのトレーを袋又は容器と共に上下反転し、引き抜き手段によってそのトレー及び袋又は容器のいずれか一方、又はトレー及び袋又は容器の両方、を互いに離す方向に引き抜くことによって、そのトレー上に位置決め状態に配置された品物を包装袋又は包装容器内に位置決めされた状態のまま移し、その包装袋又は容器の開口を閉じて複数種の包装品のそれぞれを包装袋又は包装容器内に位置決めしたままで包装を行うことができる。
【0010】
前記した本発明の位置決め包装装置において、その反転手段として、上下2枚の板部材を備え包装すべき品物が位置決め状態に揃えられ袋又は容器に入れられて搬送されて来るトレーを、その板部材の間に位置させて上下反転する構成のものを採用すると、上下反転されるトレーに位置決めして載置された包装品は、その位置決め状態を、反転手段を構成する2枚の板部材によって挟まれることによって保持され、上下反転動作によりトレー上の包装品は位置決め状態が崩れるのが防止される。
【0011】
更に、本発明の位置決め包装装置において、引き抜き手段として上下反転されたトレーを横方向に送る第1のコンベア、同第1のコンベアを横切って配置され前記トレーから袋又は容器を引き抜く方向に搬送される第2のコンベア、及び同第1のコンベア及び前記第2のコンベアのいずれかを上下動させるコンベア上下手段を採用した構成としたものでは、上下反転によってトレーから包装品が移された包装袋又は包装容器は、コンベア上下手段により第1のコンベアから第2のコンベアに載せ替えられてトレーから引き抜かれるので、位置決めされた複数種の包装品を入れられた包装袋又は包装容器を円滑にトレーから分離することができる。また、この第2のコンベアを通気性のベルトで構成し、前記トレーとの間で引き抜きが行われる前記袋又は容器を前記第2のコンベア上に保持する吸引力を同コンベアを介して同袋に働かせる吸引箱を同第2のコンベアの走行路の下方に配置した構成とすることによって、第2のコンベアは、吸引箱からの吸引力を包装品が内部に移された包装袋又は容器に作用させその袋を第2のコンベア上に保持させるので、包装袋とトレーの引き離しを支障なく確実に行わせることができるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の複数包装品の位置決め包装方法及び位置決め包装装置について図示した一実施例によって具体的に説明する。この実施例による包装装置の全体構成を示す説明図である図1において、1,2は互いに離間して配置されたチェーンホイールであり、このチェーンホイール1,2の間にはエンドレスなチェーン3が掛け渡されている。チェーンホイール1,2の一方が回転駆動されることによって、チェーン3は図示した矢印方向に移動される。チェーン3には互いに適宜の間隔を保って複数個のトレー4が取り付けられていて、トレー4はチェーン3の移動によって矢印方向に搬送される構成となっている。
【0013】
トレー4の構造を図2によって説明すると、トレー4は3方を側壁5によって囲まれ先端6が開放された塵取り状の構造となっている。図3に示しているように、トレー4は軸7の回りに回転されることにより上下反転可能に取り付けられている。8はガイドローラで、エンドレスなチェーン3の移動によって矢印方向に搬送されるトレー4を、図示してないガイドと当接して保持する働きをする。図1における9は、トレー4の先端部を案内するガイドを示している。トレー4がチェーン3の移動によって矢印方向に搬送される区間のうち、区間10は、包装品計量投入区間を示しており、この包装品計量投入区間10では、図1においてトレー4の上方に複数個の包装品計量投入装置が配置されていて、搬送されて来るトレー4に対しその複数個の包装品計量投入装置から包装品の所定量を計量してトレー4上の所定位置に供給して載せる。
【0014】
図1では、第1、第2、・・・第5の5つの包装品計量投入装置が並べて配置されていることを示している。第1、第2、・・・第5の包装品計量投入装置は、トレー4上のそれぞれ予め定められた位置へ、予め定められた量の包装品11、12、13、14、15を投入して載置させる。トレー4上への包装品11〜15の計量供給は、公知の計量供給装置を適宜選択して採用してよい。その一例として特開昭62−287801号公報や特開昭63−47224号公報に示すような公知のものなどを適宜採用してよい。トレー4上に載置される包装品11、12、・・・の数に応じて、包装品計量投入装置の配置台数が設定される。包装品計量投入区間10の後には、給袋区間20が設けられている。給袋区間20では、包装品計量投入区間10で複数個の包装品11、12、・・・が載置されたトレー4を包装袋16内に入れる操作が行われる。複数個の包装品11、12、・・・が載置されたトレー4を包装袋16内に入れるには、載置される包装品に応じて適宜の手段を採用してよく、その一例として、特開平2003−11920号公報に示す袋開口装置によって開口された袋をトレー4の先端6の方から被せるなど、当分野で行われる公知のやり方を適宜採用してよいので、その詳細な説明は省略する。
【0015】
給袋区間20において包装袋16内に入れられたトレー4は、次いで反転区間30に搬送されて来る。反転区間30では、包装袋16内に入れられたトレー4が軸7回りに180°回転され、トレー4は上下が反転される。トレー4を軸7回りに回転させて上下を反転させるには適宜の機構を採用してよいが、例えば、特開2000−318705号公報や特開2000−289712号公報に示しているような公知の機構を適宜採用することができる。反転区間30に設けられるその反転機構の例を図4に示してある。反転区間30に設けられている反転機構31は面を平行にして互いに間隔を保たれて対向されている2枚の板部材32、33を有し、その2枚の板部材32、33は、軸35の回りに反転駆動装置34によって180°ずつ上下方向が反転されるように構成されている。包装袋16内に入れられたトレー4が反転区間30に搬送されて来て、互いに対向して保持されている2枚の板部材32,33の間に入るとエンドレスなチェーン3による搬送が一時停止され、2枚の板部材32,33が軸35の回りに反転駆動装置34によって180°上下が反転され、それにより包装袋16が被らされたトレー4が軸7の回りに180°反転される。
【0016】
以上のとおり、トレー4が上下方向を反転される時にトレー4は上下を2枚の板部材32,33によって挟まれているので、トレー4上に位置決めして載置されている複数個の包装品11、12、・・・は、その載置された位置からずれるのを防止され、上下方向を反転された後は、トレー4上に載置されたと同じ位置決めを保って反転された状態で包装袋16内に収められる。反転区間30の下流には袋引き抜き区間40が配設されており、そこに配設される袋引き抜き機構の構成を図5及び図6により説明する。袋引き抜き区間40に配設される袋引き抜き機構には、ローラ42,43の周りに掛け渡された細長いエンドレスコンベア41が配置されており、このエンドレスコンベア41は、モータ44により駆動回転されるローラ43でエンドレスなチェーン3と同じ方向に移動される。エンドレスコンベア41は、反転区間30で上下が反転されてエンドレスなチェーン3の移動によって搬送されるトレー4の下にある包装袋16と包装品11、12・・・を下から支えながら搬送する。エンドレスコンベア41を支持する枠体45は、機体46に軸47の回りに回動可能に枢着されている。
【0017】
エンドレスコンベア41の下方には、ローラ42,43の間の位置にエアシリンダ(図示していない)が配置されており、そのエアシリンダのピストンロッドがエンドレスコンベア41を支持する枠体45に連結されていて、そのエアシリンダの伸縮によって、エンドレスコンベア41を支持している枠体45が軸47の回りに回動して上下方向に変位する。50はエンドレスコンベアで、エンドレスコンベア41に直交するする方向に走行するよう配設されている。エンドレスコンベア50は、ガイドローラ51、52、53、54、56、57の周りに掛け渡されて上方の走行路が図5、図6の左方向へ搬送される。エンドレスコンベア50は、図6に明示されているように、ガイドローラ52,54の間で、下方に位置されたガイドローラ53の周りを走行されることによって走行面に窪みを形成しており、そこにエンドレスコンベア41が配置されている。
【0018】
図5、図6に示した袋引き抜き区間40には、以上説明した構造の袋引き抜き機構が配置されており、エンドレスコンベア41によって底部を支持されて反転区間30から包装品11、12・・・を載せたトレー4が、トレー4を内部に入れた包装袋16と共に、この袋引き抜き区間40に搬送されて来てエンドレスコンベア50の中央部に達すると、チェーン3による搬送が停止され、また、エンドレスコンベア41の下の図示していないエアシリンダが縮められる。それによって、エンドレスコンベア41は軸47の回りに下方へ回転されるので、エンドレスコンベア41の搬送面はエンドレスコンベア50の搬送面よりも下方に降下され、エンドレスコンベア50が搬送を開始される。
【0019】
エンドレスコンベア41の搬送面がエンドレスコンベア50の搬送面よりも下方に降下されると、エンドレスコンベア41が底部を支持して搬送していたトレー4、包装袋16、包装品11、12、・・・は、エンドレスコンベア50の搬送面に載せられた状態となる。こうして、エンドレスコンベア50の搬送面に載せられた包装袋16と包装品11、12、・・・は、トレー4から引き抜かれる矢印方向に搬送されることになる。
このようにしてトレー4の上に位置決めして載置された後、包装袋16に入れられたトレー4の上下方向反転によって位置決めされたまま包装袋16に入れられた状態になった包装品11、12、・・・は、包装袋16に入ったままエンドレスコンベア50の搬送面に載せられエンドレスコンベア50の矢印方向への搬送につれトレー4から引き出され、エンドレスコンベア50によって、図1(a)における下方にある脱気シール区間60へ搬送される。脱気シール区間60では、位置決めされて包装品11、12、・・・が入れられた包装袋16内を脱気して開口端部をシールし、内部の位置決めされた包装品11、12、・・・が包装袋16内で変位しない状態に包装された製品として図1の左側から排出される。なお、包装品11、12・・・を入れた包装袋16を脱気してシールする機構としては、公知の機構を適宜採用してよいので、その詳細についての説明は省略する。
【0020】
包装品11、12、・・・を入れた包装袋16がエンドレスコンベア41の位置から外れた時点で、エンドレスコンベア41の下方に配置されているエアシリンダが伸張され、エンドレスコンベア41の搬送面がエンドレスコンベア50の搬送面より上にされ、再び移動を開始するチェーン3によって次のトレー4が搬送されて来るのを待機する状態になる。
なお、反転区間30で下向きに反転されたトレー4は、そのエンドレス搬送路における戻り行程で元の上向きの状態に戻され、次の包装品11、12・・・をトレー4上に位置決めされた状態で受け入れ、前記したと同様の袋被せ、180°の上下方向反転、包装袋16の引き抜き、が繰り返される。
【0021】
次に、図7は、図6に示した袋引き抜き機構の変形例を示したもので、エンドレスコンベア50に多数の貫通孔を設けるなどによって、エンドレスコンベア50を通気性ある構成のものにするとともに、包装品11、12・・・が内部に移された包装袋16とトレー4との引き離しが行われるときの包装袋16を保持する位置におけるエンドレスコンベア50の走行路の下に吸引箱58を配置したものとしている。吸引箱58がエンドレスコンベア50と接する上部には貫通する多数の吸引孔59が設けられており、吸引箱58は適宜の吸引源70に接続されている。このようにエンドレスコンベア50を、吸引箱58が配置された位置で包装袋16が吸着されて保持される構成とすることにより、トレー4との間で引き離しが行われる包装袋16をエンドレスコンベア50が確実に保持できるようにすることにより、トレー4と包装袋16の間の引き抜きを円滑に行わせることができる。
【0022】
以上、本発明の位置決め包装方法及び包装装置を図示した実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明はこの実施例に限定されないことはいうまでもない。
例えば、本発明における反転区間30、袋引き抜き区間40において採用している反転機構31、エンドレスコンベア41,50による包装袋16の引き抜き機構は単なる一例にすぎず、他の適宜の機構によるものを採用してよい。また、図示した実施例ではトレー4と、トレー4を内部に入れた包装袋16を共に180°上下方向を反転させた後、トレー4から包装袋16を抜き出すのに包装袋16をエンドレスコンベア41によってトレー4から引き出す機構のものを採用しているが、包装袋16を変位させずにトレー4を包装袋16から引き出すよう移動させることによって、或いは、トレー4と包装袋16の両方を互いに引き出す方向に変位させることによって行う構成のものを採用してもよい。
【0023】
また、図示した実施例では、反転区間30においてトレー4を反転させるための反転機構31として2枚の板部材32,33によってトレー4と包装袋16を上下両側から挟んで、トレー4上に位置決め載置された包装物が反転動作中に移動して位置決め状態を崩さないようにした構成のものを採用しているが、包装袋16内に入れられたトレー4上の包装物が反転によって位置決め状態を崩す恐れがあまりない場合など包装する品物によっては、この2枚の板部材32,33をもつ構成のものを採用しなくてもよい。
【0024】
また、図示した実施例における袋引き抜き区間40に配設された袋引き抜き機構では、2つのエンドレスコンベア41と50を用い、エンドレスコンベア50を固定、エンドレスコンベア41を上下動させることによって、包装品11、12、・・・を入れた包装袋16を移送するコンベアを切替えてトレー4から包装袋16を抜き出すようにしているが、トレー4から包装袋16を引き抜く機構はこれに限らないし、また、この機構を採用する場合であっても、エンドレスコンベア41を固定、エンドレスコンベア50を上下動させるようにした構成にするなど適宜変更してよい。
【0025】
また、図示した実施例では、位置決め包装する包装品11、12、・・・をトレー4上の互いに異なる位置にそれぞれ載置させるものとして説明したが、少なくとも一部の包装品が適宜重なるように、又は1つの包装品の上に他の包装品を載せて載置させるなど、適宜の態様で載置してよい。
更にまた、図示した実施例では、包装品11、12・・・が載置されたトレー4を包装袋16に入れて上下反転させ袋詰めするようにしているが、包装品が載置されたトレー4上に、包装すべき容器(パック)を逆さにして被せ、そのトレー4と容器を上下反転させてトレー4上に載置された包装品をその容器内に移した後、その容器の開口部をシートで覆って塞いで容器入り包装品としてもよい。この場合、位置決めして包装品が載置されたトレー4に容器を逆さにして被せるのには、特開昭61−113号公報に示された公知の機構によるものなど適宜の手段を採用してよい。また、容器としては、四角形、円形の皿状のものなど適宜の形状の容器を採用してよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施例による位置決め包装装置の全体構成を示す説明図で、(a)は平面で示す説明図、(b)は側面で示す説明図。
【図2】図1に示した位置決め包装装置に用いられているトレー4の構成を示す斜視図。
【図3】図1に示した位置決め包装装置に用いられているトレー4の全体構成を示す平面図。
【図4】図1における反転区間30で用いられるトレー反転機構の例を示す図面で、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図5】図1に示した包装袋を引き抜き区間に採用される袋引き抜き機構の例を示す平面図。
【図6】図4に示された袋引き抜き機構の側面図。
【図7】図6に示した袋引き抜き機構の変形例を示す説明図。
【符号の説明】
【0027】
1、2 チェーンホイール
3 チェーン
4 トレー
5 側壁
6 先端
7 軸
8 ガイドローラ
9 ガイド
10 包装品計量投入区間
11〜15 包装品
16 包装袋
20 給袋区間
30 反転区間
31 反転機構
32、33 板部材
34 反転駆動装置
35 軸
40 袋引き抜き区間
41 エンドレスコンベア
42、43 ローラ
44 モータ
45 枠体
46 機体
47 軸
50 エンドレスコンベア
51〜57 ガイドローラ
58 吸引箱
59 吸引孔
60 脱気シール区間
70 吸引源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる包装品を袋又は容器内にそれぞれ位置決めして配置した状態で包装する位置決め包装方法であって、包装すべき複数の品物をトレー上の所定位置にそれぞれ載置し、同包装品が位置決めして載置されたトレーに包装すべき袋又は容器を被せた状態にしたのち、同トレーをその袋又は容器と共に上下反転し、前記トレー及び前記袋又は容器の少なくともいずれか一方を引き抜くことによって、前記トレーに位置決め状態に配置された品物を前記袋又は容器内に位置決めされた状態のまま移して包装することを特徴とする複数包装品の位置決め包装方法。
【請求項2】
複数の異なる包装品を袋又は容器内にそれぞれ位置決めして配置した状態で包装する位置決め包装装置であって、複数個のトレーを搬送するトレー搬送手段と、包装すべき複数の所定量の品物を前記搬送手段で搬送される前記トレーにそれぞれ位置決めして載置させる複数個の包装品供給手段と、同包装品供給手段によって包装品を位置決めして載置されたトレーに包装すべき袋又は容器を被せた状態にする包装袋又は容器被せ手段と、同トレーをその袋又は容器と共に上下反転させる反転手段と、反転された前記トレー及び前記袋又は容器の少なくともいずれか一方を引き抜く引き抜き手段とを有し、前記トレーに位置決め状態に揃えられた品物を前記袋又は容器内に位置決め状態のまま移して包装することを特徴とする複数包装品の位置決め包装装置。
【請求項3】
前記反転手段が、上下2枚の板部材を備え包装すべき品物が位置決め状態に揃えられ袋又は容器を被せて搬送されて来るトレーを前記板部材の間に位置させて上下反転する反転手段であり、前記引き抜き手段が、同上下反転されたトレーを横方向に送る第1のコンベア、同第1のコンベアを横切って配置され前記トレーから前記袋又は容器を引き抜く方向に搬送される第2のコンベア、及び同第1のコンベア及び前記第2のコンベアのいずれかを上下動させるコンベア上下手段を有する構成であることを特徴とする請求項2に記載の複数包装品の位置決め包装装置。
【請求項4】
前記第2のコンベアを通気性のベルトで構成し、前記トレーとの間で引き抜きが行われる前記袋又は容器を前記第2のコンベア上に保持する吸引力を同コンベアを介して同袋又は容器に働かせる吸引箱を同第2のコンベアの走行路の下方に配置したことを特徴とする請求項3に記載の複数包装品の位置決め包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−13149(P2010−13149A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−174240(P2008−174240)
【出願日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(000149273)株式会社大生機械 (35)
【Fターム(参考)】