低ノイズ高効率バイアス生成回路及び方法
低ノイズ及び/又は高効率バイアスに寄与する多数の機能のいずれか1つの又はいずれかの実際的な組合せによって定義されるバイアス生成方法又は装置は、正弦波と比較して有限な高調波成分又は歪みを伴う波形を有する電荷ポンプ制御クロック出力と、カスコードデバイスによって制限されるインバータ電流を含み、実質的にレイル・ツー・レイルの出力振幅に達する電荷ポンプクロックを生成するリング発振器と、適切に整合し、位相が反転している2つの位相出力を生成する任意起動及び/又は位相ロック機能を有する差動リング発振器と、電荷ポンプクロックを生成する5よりも少ない段のリング発振器とを有し、電荷トランスファキャパシタスイッチの幾つか又は全てにクロック出力を容量結合し、駆動信号に容量結合されているFETを、出力端子間に現れる波形の一部の間にのみ出力端子間を導通させるアクティブバイアス抵抗回路を介してバイアス電圧へとバイアスをかける。更に/あるいは、バイアス電圧は、波形のサイクルにおいて小キャパシタンスをスイッチングすることによって生成される。バイアス生成のための電荷ポンプは、連続的な範囲にわたって差動増幅器での電流ミラー比率を制御する比率制御入力を有する(他の使用にも適する)OTAを含む調整フィードバックループを有してよく、任意に、比率制御入力によって制御される可変比率電流ミラーを任意に有する第2の差動増幅器によって生成される反転出力を含む差動出力を有する。そのため、比率制御入力は、OTAの差動出力のコモンモード電圧を制御することができる。OTAの周りの制御ループは、1又はそれ以上の可変比率電流ミラーの比を制御するよう構成されてよく、特に、出力コモンモード電圧を制御してよく、増幅器を高ゲイン積分器として機能させるよう反転出力レベルが非反転出力を追随するようにその電圧を制御してよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子集積回路(IC)に幅広く適用可能である。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICは、単一電源により動作することが望ましい。しかし、多くのICは、理想的な動作のために、例えば、内部バイアス電源を与えるよう、2又はそれ以上の異なった電圧源を必要とする。このような異なる電源は集積回路の外部から与えられるが、これはユーザの観点からは望ましくない。追加の電源を与えることは、ユーザにとって不都合であるだけでなく、かかる外部電源をICに結合する導体を必要以上に長くする。このことは、幾つかある問題の中でも、ノイズが電源に存在する場合に、不要な放射を引き起こしうる。そのようなものとして、必要とされる回路動作のために求められる追加のバイアス生成電圧又は他の電圧源を生成するためにICに補助回路を設けることが常識である。電荷ポンプは、ICで使用されるそのような補助電圧生成回路の最も一般的なものの1つである。
【0003】
しかし、電荷ポンプは、一定の用途でそれらを使用することを困難にする特性を有する。具体的に、電荷ポンプは、いつも、相当量の電気ノイズを生成する。電子デバイスが互いに干渉することを防ぐための規制が推奨されており、かかる規制は許容可能な放射の最大量を定めている。幾つかの用途で、電荷ポンプによって生成されるノイズは、IC又はICが配置されているシステムに、最大許容ノイズ放射を超えさせることがある。
【0004】
例えば、大部分の無線通信機、携帯電話機、テレビジョン受像機、及び関連する設備は、今日、種々の送信器及び受信器回路の間の接続を制御するRFスイッチを必要とする(「RF」は、本願では概して、何らかの適度に高周波の交流信号を意味するよう用いられる。)。少なくとも1つの補助電圧発生器は、しばしば、半導体RFスイッチを有するFETに満足にバイアスをかけるために必要とされる。RFスイッチを用いる製品の多くは、放射するのを認められている電気信号に対する厳重に規定された制限に従うトランシーバ(例えば、携帯電話機)である。かかるRFスイッチはトランシーバアンテナに直接に接続されているので、RFスイッチのバイアス発生器によって生成されるごく小さい振幅ノイズ信号でさえ、あまりにも有効に放射されすぎる。従来の電荷ポンプによって生成されるノイズは、当該電荷ポンプを用いるRFスイッチを備える携帯電話機に、適用可能な規制によって許容されている最大のイズ放射を超えさせるには十分であることが分かっている。そのようなものとして、ノイズを伴う電荷ポンプは、携帯電話機を、その商用目的のために適さないものとしうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結果として、従来の電荷ポンプよりも生成されるノイズがはるかに少ない電荷ポンプ等のバイアス生成回路が、一定の用途に欠かせない。低ノイズバイアス生成回路は、規制されるスプリアス放射制限を満足し又は他のローカル回路との干渉を回避しようとなかろうと、幅広い集積回路において有利な用途を見出す。かかる回路は、また、消費される集積回路面積に関して効率的でなければならず、特に、携帯電話機等のバッテリ駆動のデバイスについては、電力消費に関して効率的でなければならない。
【0006】
更に、しばしば、差動入力演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA(operational transconductance amplifier))を含むフィードバック制御ループによって電荷ポンプの出力電圧を制御することが有用である。OTA出力コモンモード電圧は、入力信号の不均衡、差動入力オフセット電圧、入力コモンモード信号の有限なゲイン、及びOTAの全体にわたって起こりうる他の不整合を含む種々のオフセットの影響を含む。このようなオフセットの影響を無にすることは、特に、小信号を増幅するのに有用である。出力電圧レベルを調整することは、また、信号がクリッピングする前に最大ゲインを可能にするのにも有用である。
【0007】
本願で提示される方法及び装置は、電荷ポンプ、調整制御及び増幅回路、バイアスレベル設定回路を含む低ノイズ高効率バイアス生成回路、特に、低ノイズクロック波形有効アクティブ回路の容量結合の必要性に対処する。本願で記載されるバイアス生成方法及び装置の様々な態様も、更なる利点を与えるために考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
入力供給からトランスファキャパシタに電荷を結合し、次いで電荷を出力に結合する電荷ポンプによって静かに且つ効率的にバイアス電圧供給を生成し、アクティブバイアス抵抗(active bias resistor)回路によってバイアスを必要とするノードにバイアス電圧を結合するバイアス生成方法及び装置が示される。様々な新規の特徴が記載され、このようなバイアス生成を達成するために用いられる。多くの電荷ポンプトポロジが可能であり、そのうちの幾つかは、参照により援用される米国特許出願第10/658154号で説明されている。多くの電荷ポンプクロック発振器が適切であり、特に、略正弦波状であって、更に、略対称であり且つ位相が逆である2つの波形を含む、基本周波数を上回る有限な高調波成分を有する生成するものが適切である。このような電荷ポンプは、キャパシタンスを介してトランスファ結合スイッチ制御ノードに結合されてよく、それらのノードは、如何なる有意な抵抗も全く有さないアクティブバイアス抵抗によって導かれる電荷によって、選択されたレベルへとバイアスをかけられてよい。更に、バイアス電圧生成は、制御可能な電流ミラー比率を有する演算増幅回路を含む増幅器ループによって制御されてよく、これは、増幅器からの差動出力のコモンモード制御を可能にする。
【0009】
バイアス生成回路及び方法の1つの重要な側面は、電荷ポンプ生成バイアス電圧が電気ノイズを生成して、電荷ポンプに付随する近くの回路及びデバイスに運ぶ範囲を最小限とすることに焦点を合わせる。バイアス生成回路及び方法の幾つかの特徴は、このようなノイズの生成及び伝導を減らすことを助け、一方、他の特徴は、このようなノイズ低減特性を用いながらバイアス生成が集積回路面積及び電力消費に関して効率的であるようにすることを助ける。これらの様々な特徴のいずれか1つ又はそれ以上は、干渉を低減されたバイアス生成回路及び方法において組み合わされてよい。
【0010】
電荷ポンプ又は他のクロックバイアス生成回路を制御するクロックは、不要な電気ノイズ電流の直接的且つ間接的な発生源であるから、クロックの特性は、バイアス生成回路及び方法の幾つかの実施形態を定義する。実施形態は、電荷ポンプでの低ノイズ生成に夫々寄与する下記の特徴の1又はそれ以上のいずれかの組合せに従って、電荷ポンプにおいてスイッチングデバイスを制御するために用いられるクロックによって定義されてよい。出力は高調波成分をほとんど有さないことが望ましいので、電荷ポンプの1つの際立った特徴は、本願で説明される具体的な高調波成分制限のいずれかによって定義されるような低い高調波成分を有する出力を伴うクロックである。クロックの高調波成分が低減される場合、一般にクロックはより正弦波に近づき、従って、このようなクロック出力は略正弦波状として定義されてよい。代替的に、基本周波数f0での電力で割られる高調波電力(すなわち、全高調波歪み“THD”)は、−5dB、又は−10dB、又は−20dB、又は−30dBよりも小さいよう制限されてよい。更なる代替案として、かかるクロック出力は、f0での電力と比較して−20dB、−30dB、又は−40dBよりも小さい三次高調波電力を有するよう制限される。クロック波形は、また、10ごとに少なくとも20dBだけ、又は10ごとに少なくとも30dBだけ、又は10ごとに少なくとも40dBだけ減少する基本周波数の各高調波の振幅を含むと考えられてよい。従って、8MHzの基本動作周波数f0及びその8MHz正弦波成分に係る振幅A1を有する波形に関して、f0に整数Nを乗じた周波数N×f0での全ての正弦高調波成分の振幅ANは、20、30又は40dB/decadeだけ小さくされてA1よりも大きくないよう求められてよい(すなわち、AN(dBA)≦A1(dBA)−2×N、又はAN(dBA)≦A1(dBA)−3×N、又はAN(dBA)≦A1(dBA)−3×N)。それらの変化する品質レベルのうちクロック波形に必要とされるものは、通常、所望の放射制限と組み合わせて特定のハードウェア実施に基づく問題に依存する。その問題を解決するために、本願で記載される実施形態が用いられる。
【0011】
低高調波成分信号は、容易に、制御クロックを参照してバイアス生成方法又は装置の実施形態を区別し定義する幾つかの特徴をもたらすデジタル回路によって生成又は再生される。特定の電荷ポンプの実施形態は、それらが制御する大部分又は全てのトランスファキャパシタスイッチに容量結合されているクロック出力を有することによって定義されてよく、デジタル回路の制限による適切な低高調波クロック信号にとって有利にされる。また、特に、適切なクロック波形は、通常、スイッチを、ピーク・ツー・ピーク振幅の半分のみを有する状態に駆動するので、その波形を生成するのに利用可能な電源と比較して波形がおおきくなることが重要である。適切なクロック波形は、このようなクロックが生成される電源の振幅の少なくとも95%、98%又は99%であるピーク・ツー・ピーク振幅を有するよう求められてよい。
【0012】
トランスファキャパシタスイッチングデバイスに容量結合されている制御信号にバイアスをかける補助として、第1ノードにあるバイアス電圧をトランジスタ制御ノードに結合された第2ノードに結合するアクティブ回路であるアクティブバイアス抵抗(resistors)を用いることが有用である。目標は、第2ノードに印加される交流駆動信号の振幅を過度に低減することなく第1ノードバイアス電圧を第2ノードに結合することである。前記駆動信号は発振しており、更には、略正弦波状であってよい。このようなアクティブ型バイアス結合回路の実施形態は、2つのノードの間の電圧と比較して、2つのノードの間のインピーダンス制限電流にわたって現れる電圧を実質的に低減するよう構成されてよく、あるいは、代替的に、適切であるようにアクティブデバイスを通る更なる電流による容量充電によって大きな抵抗の存在を完全に回避して電流伝導を制限してよい。それらは、また、第1及び第2のノードの間の電圧がそれらのノード間のピーク電圧と比較して小さい(約0.4V、約0.8V、若しくは約1.2Vよりも小さいと定義されるほど小さいか、又は、代替的に、ピーク電圧の約25%、又は約50%、又は約70%よりも小さいと定義されるほど小さい)場合に、第1及び第2のノードの間を電流が流れることを実質的に妨げることができる。実施形態は、更に、第1及び第2のノードの間のピーク電圧の一部へと充電する容量素子を有してよく、更に、ブリッジ回路であってよく、それによって、2つのノードの間の交流電圧は電流制限回路にわたって可変であるが単極である電圧を引き起こす。電流制限回路は、約10MΩに満たない抵抗と短絡されうるキャパシタンスとの直列回路を有し、アクティブ電流制限回路は短絡されてよい。電流制限直列回路は、選択された電圧を超えるノード電圧について非線形的により大きい電流を導くようバイパス回路と並列に配置されてよい。
【0013】
トランスファキャパシタスイッチングデバイスは夫々、それらが導通し始める対応する閾電圧Vthを有し、一般に、かかるVthに関連する電圧へとバイアスをかけられるべきである。過度に供給電流を吸収せずにバイアス電圧のための基準を与えるために、スイッチキャパシタバイアス供給回路について記載する。実施形態は、クロック信号の第1周期部分の間、容量素子を放電(又は充電)し、クロック信号の第2周期部分の間、ダイオード接続デバイスが出力保持キャパシタに結合されている間ダイオード接続デバイスにより容量素子を充電(又は放電)する。このようなバイアス供給は、単一クロック信号を使用してよく、あるいは、位相関係及び/又は平均電圧レベルにおいて互いに異なる複数のクロック信号を使用してよい。このようなバイアス供給は、具体的に、正弦波状のクロック信号を有して働くよう構成されてよい。
【0014】
整合され且つ適切な特性を有する2つのクロック位相を生成することは困難であるから、電荷ポンプクロックの更なる別の定義は、少なくとも1つの差動インバータ段を含むリング状に結合された奇数個又は偶数個のインバータ段を有するリング発振器によって生成される2つの位相を有することである。差動インバータ段は夫々、第1及び第2のインバータセクションを有してよく、全ての第1のインバータセクションはリング状に連続して結合されてよく、全ての第2のインバータセクションも、偶数個のインバータセクションを用いるリング発振器が、その第1の出力を順番的に次のインバータセクションの第2の入力に結合し且つその第2の出力を順番的に次のインバータセクションの第1の入力に結合することによって1つのインバータセクションの出力を交差結合することを除いて、リング状に連続して結合されてよい。偶数個のインバータ段を有するリング発振器は、また、起動(startup)回路を含むよう求められてよい。かかる起動回路は、非発振状態、又はより具体的にはコモンモード段出力状態を検知することができ、その後、発振駆動信号を供給することができる。より具体的には、起動回路は、差動インバータ段出力のうちの1つの出力電圧を分離するドライブであってよい。奇数個のインバータ段を有する差動リング発振器は、更に、差動フェージングを確かにする位相ロック回路を有するよう求められてよい。適切な位相ロック回路は、他に従来の差動インバータ段の入力及び出力の間に逆並列に結合されている2つの更なるインバータ、又は同様に交差結合されている一対のキャパシタを有してよい。リング発振器が差動であろうとなかろうと、段が少ないほど、望ましくはより矩形でない出力波形が生成されるので、インバータ段の数を制限することは、低高調波成分出力を生成することにとって有利である。結果として、電荷ポンプクロックは、2、3又は4個のインバータ段に制限されるよう定義されてよい。
【0015】
制御回路は、電荷ポンプ出力電圧を所望の値に調整するために用いられてよい。増幅器回路はこのような制御のために必要とされ、然るべく、演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)の実施形態について記載されるが、OTAは一般的適用に適している。OTAの差増幅器回路(OTA−diff amp)は、共有の電流源回路に結合されている共通ドレインを有するトランジスタの差動対においてトランジスタ制御ノードに結合されている差動入力を有する。OTA−diff ampは、更なる可変比率電流ミラー入力ノードを有し、そのノードに印加される信号は、差動入力対トランジスタの一方のトランジスタのドレインブランチにおける検知電流と、差動入力対の他方のトランジスタのドレインブランチにおける前記検知電流のミラー電流との間の比を実質的に制御する。可変比率電流ミラー入力は、例えば、OTA−diff ampのゲインに影響を及ぼし、又は出力電圧レベルを制御するために、使用されてよい。差動出力OTAは、相反する入力ノードを共有する2つの可変比率電流ミラーOTA−diff ampを有してよく、更に、単一のコモンモード制御入力からOTA−diff ampの夫々について可変電流ミラー比率を制御してよい。コモンモード制御入力を駆動する独立ループは、差動出力OTAの2つの出力のコモンモード電圧レベルを選択可能なレベルへと制御するよう構成されてよく、あるいは、2つの出力のうちの一方の電圧レベルを他方の出力の電圧レベルに追随させるようにしてよい。これは、入力不均衡の影響を無効にし、且つ/あるいは、OTA−diff ampの一方のゲインを高めることができる。
【0016】
バイアス生成方法又は装置の実施形態は、当該方法又は装置の個々の態様のいずれかの組合せを用いてよく、幅広いバイアス生成アーキテクチャ及び構成において用いられてよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ソース電圧よりも高いか又はソース電圧とは極性が逆である調整出力電圧を生成するよう構成された電荷ポンプ回路の簡略化されたブロック図である。
【図2A】電荷ポンプクロックがトランスファキャパシタを通って実質的な電流を導くところの電荷ポンプの高度に簡略化された表現である。
【図2B】別個のトランスファキャパシタスイッチング回路とともにトランスファキャパシタを通って実質的な電流を導かない別個のプレクロックを有する図2Aの電荷ポンプクロックを表す。
【図3】実施例に従って供給電圧のおおよそ2倍の負出力電圧を生成するアーキテクチャを表す。
【図4】例となる電荷ポンプの回路素子を示すより詳細なブロック図である。
【図5A】第1のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図5B】第2のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図5C】第3のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図6A】電源から引き出される消費電流を低減しながら単一のクロック位相を用いてバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6B】電源から引き出される消費電流を低減しながら単一のクロック位相を用いてバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6C】電源から引き出される消費電流を低減しながら2つの関連するクロック信号を用いて2つの異なったバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6D】電源から引き出される消費電流を低減しながら2つの関連するクロック信号を用いて2つの異なったバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図7】電荷ポンプの出力電圧を制御する際に使用される例となる高ゲイン増幅器回路のブロック図である。
【図8】増幅器出力信号の範囲を選択的に制限する回路を概略的に表す。
【図9】同じ比率制御入力電圧によって制御される可変比率電流ミラー回路を夫々含む2つの差動対増幅器回路を有する差動出力演算トランスコンダクタンス増幅器を概略的に表す。
【図10】コモンモード調整可能演算トランスコンダクタンス増幅器のための代替の使用を実証する簡略化された図である。
【図11】可変比率電流ミラー回路の代替実施を実証する簡略化された図である。
【図12A】差動出力の位相が反対であることを確かにするよう逆並列ロック回路を夫々が有する、リング発振器の2つの例となる電流制限差動インバータ段を概略的に表す。
【図12B】差動出力の位相が反対であることを確かにするよう逆並列ロック回路を夫々が有する、リング発振器の2つの例となる電流制限差動インバータ段を概略的に表す。
【図13】リング発振器の電流制限差動インバータ段と、その段の出力位相反転を確かにする任意の交差結合キャパシタとを概略的に表す。
【図14】起動回路に結合される4段式リング発振器の特徴を表す簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態は、図面を参照して、より容易に理解されるであろう。図面において、同じ参照符号は、同じ要素を表している。
【0019】
本願で記載されるバイアス生成回路は、集積回路上に作られ、バイアス電圧及び他の供給電圧を供給する。バイアス生成方法又は装置は、バイアス電圧を生成するために1又はそれ以上の電荷ポンプを用いてよい。電荷ポンプは、本願でその語が用いられる場合には、入力供給からの電荷をトランスファキャパシタに蓄積し、次いで、トランスファキャパシタが結合されているノードを切り替えて、その蓄積されている電荷の一部が出力供給に移るようにするプロセスによって定義される。記載される電荷ポンプは、例えば外部キャパシタ等のフィルタリング部品を別にして、もっぱら単一モノリシック集積回路内にあると期待される。
【0020】
参照により本願に援用される2003年9月8日に出願された関連の米国特許出願第10/658154号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump Method and Apparatus」)で開発されたように、正弦波又は正弦波状の電荷ポンプクロック出力は、特に、正弦波状クロック出力がそれ自体ほとんど高調波ノイズを生成しない方法で生成される場合に、電荷ポンプによる高調波ノイズ生成を低減することができる。クロック信号の容量結合は、このようなアナログ波形が、ソース電源から別の出力供給へと電荷を送り込むのに必要な様々なスイッチングデバイスを制御することができることを確かにしながら、同時の導通が、電源レイル(又は他の低インピーダンスノード)にわたって直列に配置されている全てのスイッチングデバイスについて回避されることを確かにするのに有用である。このような結合が意図されたように働くために、トランスファキャパシタ(時々、フライ(fly)キャパシタとも呼ばれる。)への及び該キャパシタからの伝導が可能な限り低いスイッチインピーダンスを有して可能な限り長い使用可能時間に起こることができるように、極めて正確にスイッチングデバイスにバイアスをかけることが有用である。
【0021】
これらの望ましい状態は、略正弦波状であり、又は少なくとも正弦波に比較して有限な高調波成分を有し、かかる電荷ポンプを含む集積回路を製造する半導体プロセスの電圧能力を考慮して可能な限り大きな振幅を有する電荷ポンプ出力を生成することによって、最も良く満足される。より一般的に、バイアス生成は、更に、過度の電流又は集積回路面積を消費することなく、正確なバイアスレベルが生成されてスイッチに搬送されることを必要とする。
【0022】
バイアス供給は、しばしば、調整する必要がある。そのために、低電流高ゲイン増幅器が有用である。例となるノイズのない調整される電荷ポンプにおいて使用される増幅器は、幅広い適用性を有する例外的な特徴を有する。ノイズがなく効率の良いバイアス生成の様々な態様についての例が本願で記載される。
【0023】
「出力供給(output supplies)」若しくは「追加の電源(additional supplies)」又は「電圧源(voltage supplies)」は全て、回路内のノードの対(すなわち、供給ノード及び基準ノード)を指すことに留意すべきである。このような電源を生成する回路は、一般に、一定DC(直流)又はゼロ周波数電圧でノード対の間の差を保つよう設計される。他の回路は、通常、このような電源に作用して、それらに変動をもたせる。しかし、可変出力供給の場合を除いて、電圧におけるこのような変動は偶発的であり、このような変化する信号の発生源に対して減衰される。供給電圧は、その電圧に課された可変負荷の状態下で略一定なままであるよう設計され、かかる機能におけるそれらの成功は、しばしば、それらの品質の主たる指標である。可変出力供給電圧は、制御レベルの制御下で時々値が変化するが、その場合でさえ、数秒間を超える時間略一定のままであって、動作状態環境に従ってのみ変化すると期待される。1又はそれ以上の回路素子をオン及びオフするよう実質的に異なったレベルに周期的に変化する電圧は、電源又は供給電圧ではなく、制御信号又は制御電圧である。これは当業者によってよく知られているが、しばしば誤解されるので、以下で説明される。
【0024】
[概要]
図1は、予め調整される電荷ポンプの機能ブロックを特定するブロック図を有して、対象のバイアス生成回路及び方法に係る例となる実施形態の基本トポロジを表す。前置調整ブロック1は、ソース電源4の基準ノード2及び供給ノード3に接続されている。フィードバック信号6の制御下で、電力制御回路5は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10への入力となる制御電源8を供給する。スイッチドトランスファキャパシタ回路10は、一部の時間周期の間はソース接続14及び15に結合し且つ他の時間周期の間は出力接続16及び17に接続するスイッチブロック12及び13によって表されるスイッチを介して結合される1又はそれ以上のトランスファキャパシタ11を有する。トランスファキャパシタ11は複数であってよく、それらに結合されるソース(14、15)及び出力(16、17)は、調整ソース接続8、2又は調整出力接続18及び19に間接的にのみ関連する中間ソース又は出力であってよい。スイッチブロック12及び13は任意の数の電子スイッチ(例えば、FET)を表し、これらの電子スイッチは、必要に応じて、トランスファキャパシタの端子を接続するよう働く。これらの電子スイッチは、クロック発生器30の出力信号31の制御下で、接続22を介してスイッチ制御回路20によって制御される。
【0025】
フィードバック回路50は、(出力基準19に対する)出力供給18を、電圧基準40によって供給される基準電圧と比較する。フィードバック回路50は、電力制御回路5を制御する制御信号を生成する。例となる実施形態で、スイッチドトランスファキャパシタ回路10内の電圧を最小に保つことに重点が置かれる。事前の調整は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10に結合された電荷ポンプソースVcp8が所望の出力電圧を供給するのに必要とされるよりも大きくないことを確かにする。かかる前置調整トポロジの代替案として、前置レギュレータ1と同様の調整素子は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10の後であるが、出力供給接続18及び19の前に配置されてよく、制御信号6によって同様に接続されてよい。
【0026】
[トランスファキャパシタのスイッチングトポロジ]
例となるトポロジを参照する前に、かかるトポロジの2つの分類の間の区別について記す。電荷ポンプトポロジの第1の分類は、制御専用クロック(control only clock)トポロジと呼ばれ、それらが電荷ポンプクロックと該クロックによって制御されるあらゆるトランスファキャパシタとの間で十分電流を運ばないという事実によって特徴付けられる。電荷ポンプトポロジの第2の分類は、電流搬送クロック(current transfer clock)トポロジと呼ばれ、それらが、トランスファキャパシタを介して出力へと最終的に運ばれる電流の一次ソースである電荷ポンプクロック出力を含むという事実によって特徴付けられる。
【0027】
図1は、制御専用クロックトポロジの電荷ポンプの一例に係るブロック図である。スイッチは、必要とされるように(例えば、スイッチブロック12及び13によって表されるように)、トランスファキャパシタ11の周りに配置されている。これらのトランスファキャパシタスイッチは、ソースからトランスファキャパシタへ、又はトランスファキャパシタから出力部へ電荷を結合する。スイッチ制御回路20及び、特に、この制御回路を駆動する電荷ポンプクロック30の出力31は、トランスファキャパシタスイッチ(12、13)への制御信号しか供給しない。一部の有限電流はクロック出力31及び制御回路20からトランスファキャパシタ11へ導かれる可能性があるが、この電流は十分ではなく、単に制御を提供するのに付随して起こる。例えば、スイッチがFETから成る場合に寄生ゲート容量に起因する電流、又はスイッチがバイポーラトランジスタを有する場合のベース電流は、付随的にトランスファキャパシタに入るが、トランスファキャパシタスイッチがトランスファキャパシタ11の中及び外に意図的に導く電流と比較して大きくない。
【0028】
図2Aは、電流搬送クロックトポロジの電荷ポンプの単純な例を表すブロック図である。この電荷ポンプにおいて、電荷ポンプクロック3000の出力32は、平滑キャパシタ28での蓄積のために、トランスファキャパシタ11へ、最終的には出力供給26に十分な電流を供給するように、トランスファキャパシタ11の端子34へ結合されている。スイッチブロック24で表されるトランスファキャパシタ結合スイッチは、接続22を介してスイッチ制御回路20によって電荷ポンプクロックにより制御されてよい。しかし、トランスファキャパシタ結合スイッチは、また、直接的な制御ライン22を必要とすることなくトランスファキャパシタ11を介して電荷ポンプクロックにより制御可能であるデバイス(例えば、ダイオード接続のFET)であってもよい。いずれの場合にも、この分類の電荷ポンプトポロジの特徴的な性質は、電荷ポンプクロック300からの出力が直接的に十分な電流をトランスファキャパシタ11に供給することである。
【0029】
これら2つの分類の電荷ポンプの間の区別は、異なった電荷ポンプ及び、特に、異なった電荷ポンプクロックを比較する場合に混乱を避けるよう理解されなければならない。しかし、幾つかの点で、区別は大いに図面仕様の事項である。図2Bは、図2Aの電荷ポンプクロック300の内部ブロックを表し、プレクロック(pre-clock)ブロック3030の出力3031の制御下で公称クロック出力32をソース接続Vs13014又はソース接続Vs23015のいずれか一方に結合するスイッチ3012を有する。従って、少なくともこのような例では、クロック設計詳細の観察は、図2Aの電荷ポンプが、重要なスイッチング機能を「クロック」と称されるブロックに組み込むように単純に描かれている制御専用クロックトポロジと考えられることを可能にする。具体的に、プレクロック3030は、スイッチ3012を制御するが電流を(32に接続されているが、図示されない)トランスファキャパシタに直接的に導かない出力3031を有する制御専用の電荷ポンプクロックであると見なされてよい。従って、32を介するトランスファキャパシタ11への電流は、プレクロック3030からは来ず、プレクロック3030の単なる制御下でソースVs13014及びVs23015から入来する。それにも関わらず、多くの電荷ポンプ参照は、このような再特徴付けを可能にする電荷ポンプクロック出力駆動回路の詳細を省略する。結果として、異なった参照において記載される電荷ポンプを比較する場合に、制御専用クロックトポロジと電流搬送クロックトポロジとの間の区別を念頭に置くことが重要である。
【0030】
倍にされ且つ反転された出力を供給する例となるトランスファキャパシタスイッチングトポロジが、図3のブロック図で表されている。トランスファキャパシタ結合スイッチは、スイッチブロック302、304、306及び308によって表されており、それらは全て、(偶数時間スロット中の)位置Aと(奇数時間スロット中の)位置Bとの間で交互に入れ替わると考えられてよい。従って、偶数時間スロット中、スイッチブロック302及び304は位置Aにあるので、第1のトランスファキャパシタTC1310は、ソース接続312(Vcp)とソース接続314(0V)との間に結合されることによって、電圧Vcpに充電される。次の奇数時間スロットの間、4つ全てのスイッチブロックが位置Bになる。TC1310の正側端子は0Vに結合され、負側端子は中間点Vint316に結合され、従って、それは、十分なサイクル後、−Vcpの近くに駆動される。同じ奇数時間スロットの間、第2のトランスファキャパシタTC2318は、ソース接続312(Vcp)と中間電圧Vint316との間にスイッチブロック306及び308によって結合される。十分なサイクル後、負荷が過剰でないとすると、TC2318は、従って、ほぼ2×Vcpに充電される。偶数時間スロットの間、TC2318は出力314(ソース接続と同じ0V)と出力320(Vout)との間に結合される。出力320(Vout)から引き出される電流が過剰でない場合、十分なサイクル後、Voutは−2×Vcpに近づく。図3に表される電荷ポンプブロックのトポロジは第1の制御専用クロックタイプであり、電荷ポンプクロックは十分な電流をトランスファキャパシタに供給せず、代わりに、制御信号のみをトランスファキャパシタスイッチに供給する。
【0031】
図4は、例となるトランスファキャパシタスイッチング回路の幾つかの詳細を表す略ブロック図である。一般に、トランスファキャパシタTC1310及びTC2318は、図3に示されるように切り替えられる。しかし、図4の詳細な回路特性の多くは特異である。クロック出力は、約8MHzで、2つの相反する位相φ1及びφ2の形で供給される。ノイズの生成及び伝達を減らすよう、これらのクロック信号は、本明細書のいずれかの場所で記載されるように、有限な高調波成分を有するべきである。有限な高調波成分を達成するよう、波形は少なくとも角のない形状を有するべきである。より理想的には、有限な高調波成分は波形を実質的に正弦波状にする。また、高効率のために可能な限り堅固(hard)にFETを駆動するために、FETの端子間の耐圧容量及び利用可能な電圧を考慮してできるだけ大きいピーク・ツー・ピーク電圧を有することが波形にとって望ましい。例となる実施形態で、クロック出力振幅は約2.4V(ピーク・ツー・ピーク)である。
【0032】
この回路の詳細は、ほとんどの場合に出願人によって使用される半導体プロセスに特有であるが、当業者は難なく、異なった半導体プロセッシングパラメータを適合するよう、詳細を変更することができる。かかるプロセスは次のFETタイプを含み、これらから回路部品の大部分が製造される。NチャネルFETは、450mVの公称閾電圧を有するレギュラー(Regular)N(RN)FETと、700mVの公称閾電圧を有する高ドープ(High doping)N(HN)FETと、900mVの公称閾電圧を有する濃酸素高ドープ(Thick oxide High doping)N(THN)FETとを含む。THN FETは、RN FET及びHN FETの2.7V耐圧と比較して、約3.6Vであるゲート耐圧を有する。デプリーションモード(Depletion-mode)N(DN)は、約−1Vの閾電圧を有する点を除いてHN及びRNと同じであり、これにより、通常の環境下で十分に導通する。それは、標準的なゲート電圧耐性容量を有する。対応するPチャネルFETは、−400、−600及び−800mVの公称閾電圧を夫々有するR(レギュラー)、H(高ドープ)、及びTH(濃酸素高ドープ)P FETを含む。IN、すなわち内在(intrinsic)FETは約0Vの閾電圧を有してよい。
【0033】
大部分のキャパシタは、1つの端子としてDN FETのドレイン及びソースを接続し、他の端子としてゲートを使用することによって、製造される。このようなキャパシタは、標準的なゲート電圧耐性容量にのみ等しい作動電圧を有する。キャパシタンスは、FETキャパシタがバイアスをオフされる場合に低減し、これは、ソース及びドレインが連結されている(すなわち、キャパシタとして構成された)DN FETが、そのゲートがチャネルよりも約1Vだけ負側に大きいように充電される場合に起こる。従って、調整は、大信号バイポーラ動作のために行われてよい。例えば、金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタは、線形性が重大である場合に使用されてよく、あるいは、2つのDN FETデバイスは、線形性が懸念事項でない場合に逆並列に配置されてよい。他方で、IN FETから形成されるキャパシタは、極めて非線形な特性を有する。すなわち、電圧が零(すなわち、閾電圧)になる場合に、チャネルは、キャパシタの面を生成するという点で実質的に有効でなくなり、従って、キャパシタンスは、より高い電圧でのキャパシタンスのおよそ20%の極めて低い値になる。
【0034】
図4のトランスファキャパシタスイッチング回路は、4つの電圧源レイル、すなわち、1.7Vから2.4Vまで制御可能である電圧Vcp312と、0V314と、負荷に依存しておよそ−Vcpである中間電圧Vint316と、負荷に依存しておよそ−2×VcpであるVout320とを有する。記載されるように、Voutは、約2.4Vのソースに基づいて、必要に応じて、約1.7Vよりも大きいようVcpを制御するフィードバックループによって少なくとも3.4V(負)の大きさを有するよう制御される。
【0035】
TC1310の1つの端子は、交互に、PチャネルFETであるHP402を介してVcp312へ、又はNチャネルFETであるHN404を介して0V314へ結合される。いずれのFETデバイスも、夫々結合キャパシタC406及びC408を介してデバイスのゲートへ容量結合される同じクロック信号φ1から駆動される。C406及びC408は、夫々、それらの対応するFET HP402及びHN404のゲート面積よりも約23倍大きいゲート面積を有するDN FETとして製造されてよい。FETデバイスは半時間のみ導通しているので、C406及びC408の実効キャパシタンスは、それらが駆動する対応するFETのゲートとソースとの間の実効キャパシタンスよりもおよそ46倍大きい。C406及びC408のキャパシタンスは約0.75pFであってよい。
【0036】
例となる実施形態で、HP402の実効ゲート寄生キャパシタンスは、結合キャパシタC406のキャパシタンスの約1/46である。従って、容量性分圧は約2%だけ信号を減衰し、HP402のゲートでの信号はクロック電圧の約98%である。しかし、ゲートバイアス電圧は、例えばバイアスインピーダンスZ412を介してゲートへ結合されなければならない。Z412が抵抗である場合、それは、望ましくは、ゲート駆動信号を有意に更に減衰させないように約4MΩでなければならない。FETスイッチのゲイン並びにクロック信号φ1及びφ2の利用可能な大きさに依存して、これは問題とならないことがある。プロセス要因に依存して、幾つかの実施形態で、クロック動作周波数f0において、FETゲートでのクロック信号の減衰を制限する(すなわち、20%、10%、5%又は3%よりも小さい)ために線形インピーダンスを用いれば十分である。バイアスインピーダンスZ412は抵抗であってよく、あるいは、f0で十分に低い減衰を達成するよう誘導特性を有してよい。
【0037】
他のFETスイッチの夫々は、また、同じようにφ1又はφ2によって駆動されるので、ゲイン値並びにそれらの対応するキャパシタンス及びバイアスインピーダンスの値は、HP402に関して記載される同じ考慮に従って選択される。通常、φ1及びφ2は同じ振幅を有し、夫々のHP402、414、416及び418は略同じ特性を有するので、夫々の対応する結合キャパシタC406、420、C422及びC424は、夫々の対応するバイアスインピーダンスZ412、A426、Z428及びZ430並びに夫々のバイアス電圧RP_Vt410、432及び434と同じように、同じ値を有する。
【0038】
PチャネルFETと同じく、NチャネルFETスイッチHN404、436、438及び440は、一般に、互いに略同じ特性を有する。結果として、バイアスインピーダンスZ442、Z444、Z446及びZ448、結合キャパシタC408、C450、C452及びC454、並びにバイアス電圧HN_Vt456、HN_Vt458及びHN_Vt460を含む対応する部品も互いに同じであってよい。
【0039】
しかし、φ2をHP426及びHN438に結合することは、例となる半導体製造プロセスの通常の〜3ボルトDN型FETキャパシタよりも高電圧のキャパシタを必要とする。従って、これらの低電圧DN型FETキャパシタは、実効電圧耐性容量を増大させるよう直列に配置される。回路構造に起因して、キャパシタ422及び454は例えばキャパシタ406等の他の結合キャパシタの2倍大きく作られ、キャパシタ462は4倍大きく作られ、それにより、HP416及びHN438のゲートでの実効振幅は他のトランスファキャパシタスイッチFETのゲートの夫々での振幅とおおよそ同じである。C462とC422、C452との間の接合は、バイアスインピーダンスZ464を介してRP_Vt432にその接合を結合することによって、中点電圧にバイアスをかけられる。
【0040】
トランスファキャパシタTC1は約15から30pFであってよく、一方、TC2も15から30pFであってよい。より大きなトランスファキャパシタは効率を高めるが、大きな半導体面積を必要とする。例となる実施形態において、TC1及びTC2は、たった約2.7Vの作動電圧を有するキャパシタ接続のDN FETとして製造される。TC2に対する電圧ストレスは単一デバイスの耐性容量を超えるので、TC2は実際には直列に2つのキャパシタンスを用いて製造される。所与のキャパシタンスを得るよう、〜6ボルトTC2は、従って、〜3ボルトTC1よりも4倍大きい面積を必要とする。このような不利な面積条件を考慮して、TC1は比較的大きく作られてよく(約30pF)、一方、TC2は15pFのままであり、従ってサイズはたった2倍である。特定の製造プロセスが不利な面積条件を有さない場合、ほぼ同じ係数だけ両デバイスを増大させることが、より有効である。
【0041】
例えばVcp312と0V314との間に配置されたHP402及びHN404のように、低インピーダンスソースの間に配置されたトランスファキャパシタスイッチ対について同時の導通を回避することが重要である。この目的のために、両デバイスは、クロック駆動信号がその平均値と該値を下回る200mVとの間にある場合に、オフにされる。HP402のゲートでの平均又はバイアス電圧は、大きなバイアスインピーダンスZ412を介してゲートに結合されるRP_Vt追跡ソース410によって制御される。しかし、HPデバイスの閾電圧の大きさは、RPデバイスのものより約200mV大きい(〜−600mV)ので、RP_Vt追跡ソース410は、バイアス電圧を、HP402等のHP FETの閾電圧(〜−600mV)よりも約200mV小さく設定する(〜400mV)。しかし、HN404等のN型FETは、HN_Vtバイアス供給(HN404のためのHN_Vt456)によって約700mVのそれらの閾電圧へとバイアスをかけられる。従って、各FET対における両デバイスは、例となるクロック信号の1.2Vピーク波形においてクロック半周期の5%を僅かに上回るオフ時間(すなわち、f0=8MHzの場合に約3.3ns)に等しいクロック信号の範囲の約200mV外でバイアスをオフされる。これらの集積回路内で物理的に近いデバイス間のパラメータのばらつきはごく小さく、動作条件にわたって互いに追随する傾向を有するので、この小さな公称オフ時間は適切である。
【0042】
[アクティブバイアス抵抗器]
例となる電荷ポンプ回路において、トランスファキャパシタスイッチングFETのゲートで最大クロック信号振幅を保つことが望ましい。ゲート信号振幅を減衰させないよう、バイアスインピーダンスの大きさは、比較的大きく、例となる実施形態では理想的に約4MΩである必要がある。幾つかの半導体プロセスにおいて、大規模アクティブ回路のインピーダンスと比べて、かかる大きさの簡単な抵抗器はより大きなデバイス面積を占め、更に/あるいは、結果として得られるインピーダンスは制御するのがより難しい。アクティブバイアスインピーダンス回路は、有意な容量性部品を含む複素インピーダンスを有してよい。しかし、均一な発振信号を与えられる容量結合されたFETゲートで正確なバイアス電圧を確かにするアクティブ回路は、線形インピーダンスを全く示す必要がない。代わりに、完全に非線形なアクティブ回路がアクティブバイアス抵抗器(active bias resistor)として用いられてよい。
【0043】
図5Aは、端子A502とB504と間に配置されている当該アクティブバイアス抵抗器回路の一例を概略的に表す。それは、定常状態動作においてほとんど電流を導かない極めて非線形なブリッジ回路である。十分な大きさの発振電圧が端子A502とB504との間に現れるとすると、回路は、A端子とB端子との間の交流ピーク電圧の大きさを一様にするよう、必要に応じて電流を導く。ピーク電圧が等しい場合、中点電圧も等しい。例となる実施形態において、端子電圧の1つはDC値(Vt)であるから、回路は、他の端子の正側及び負側のピークがDC値に関して正確にバランスをとられることを確かにするよう働く。
【0044】
端子A502での電圧が端子B504での電圧よりも大きい場合に、正側の半サイクルの間のピーク電圧の大きさをVabpとする。また、端子B504での電圧が端子A502での電圧よりも大きい場合に、他方の負側の半サイクルの間のピーク電圧の大きさをVbapとする。正側の半サイクルの電圧がTHN508の閾値(約900mV)を超える場合、THP506及びTHN508のFETはオンされ、直列接続されているC510及びR512をAとBとの間に結合する(R512は端子A502に結合される。)。C510は、約0.5pFのキャパシタ接続されたDN FETであってよく、且つ、R512は約93.5kΩであるから、それらは、約3.4MHzで極を確立する直列RC回路を形成する。夫々の正側の半サイクルの間、C510は、Vab(Vab>900mV)の平均値を反映する電流を導く。同じことが、端子B504の電圧が900mVだけ端子A502の電圧を超える場合に、負側の半サイクルの間に起こる。但し、Vbaが0.9Vを超える場合には、THP514及びTHN516が導通する(THP506及びTHN508はオフである。)。従って、端子B504はR512に接続されるので、Vba>900mVの間、C510は、この期間中のVbaの平均値を反映する電流を導く。
【0045】
Vab(Vab>0.9V)の平均値がVba(Vba>0.9V)の平均値よりも大きい場合、更なる電流が正の半サイクルの間に端子Aから端子Bへ流れて、C510での電圧を増大させる。Vbaが依然としてVabよりも小さいとすると、電流は負の半サイクルの間にC510から流れ出て、端子Aから端子Bへと流れる正味の正電流と等しい、端子Bから端子Aへと流れる正味の負電流を引き起こす。従って、夫々の半サイクルの間、正味の電流は、より高電圧の端子(その期間中、低い方の端子よりも0.9V以上大きいより高い平均電圧を有する端子)からより低電圧の端子(その期間中、より高電圧の端子よりも0.9V以上小さいより低い平均電圧を有する端子)へと移動する。ゲート接続された端子を通るDC電流はないとすると、これは、ブリッジが導通している(すなわち、V>0.9V)場合に、2つの端子を、夫々の半サイクルのその部分の間、全く同じ平均電圧とする。対称である正及び負の半サイクルを有する端子A及びBの間の如何なる波形に関しても、導通期間中の平均電圧を等しくすることは、夫々の端子電圧の全体の平均値を等しくすることと等価であり、2つの端子でのDC又はバイアス電圧を一様にする。
【0046】
端子A及びBの間の電圧が約900mVよりも小さい場合は、電流は全く流れない。閾値が超えられている時間中、C510は、両半サイクルの間、平均電圧へと充電しようとする。端子A及びBの間のピーク電圧が1.2Vであり、且つ、THN508及び516の閾値が0.9Vであるとすると、電流は、夫々の半波のおおよそ真ん中80度の間流れ、C510は約1.1Vに充電する。各半サイクルにわたる平均電流は定常状態では当然ゼロであるが、流れる電流は非正弦波である。THN518及びTHN520のFETは、1.8Vの公称結合順方向電圧を有し、ピーク電圧の1つ、すなわち1.2Vが1.8Vに達する場合に大電流が流れることを可能にすることによって、迅速なバイアス調整を可能にする。
【0047】
図5Bは、発振駆動信号の存在下でゲートにバイアスを設定する簡単な代替回路を表す。端子A502での電圧が、ダイオード接続のRN522(〜450mV)及びRP524(〜400mV)の結合された閾電圧の大きさだけ端子B504での電圧を上回る場合、電流は、R526(例えば、200kΩ)によって制限されるように端子Aから端子Bへ流れる。端子B504での電圧が、ダイオード接続のRN528及びRP530の結合された閾電圧の大きさだけ端子A502での電圧を上回る場合、電流は、R526によって制限されるように端子Bから端子Aへ流れる。従って、正味の電流は、他方の端子に対して僅かに大きい電圧を有する一方の端子から流れる。2つの逆並列のダイオード接続FET対の閾電圧の組合せは適切に整合されるので、2つの半サイクルの間の平均電流フローは、平均電圧がバランスを取られる場合に、釣り合う。
【0048】
図5Cは、発振駆動信号の存在下でゲートにバイアスを設定する更なる代替回路を表す。図5A及び図5Bとは異なって、図5Cは、端子A502及びB504に対して完全に対称であり、2つの同一の回路がこれらの端子の間に逆並列に配置されている。また、図5Cの回路は、如何なる大きな抵抗器も全く必要としない。代わりに、電流制限は、スイッチドキャパシタ効果によって達成される。すなわち、電流は、入力信号の各サイクルにおいて小さなキャパシタを充放電することに依存する。
【0049】
VA(A502の電圧)がVB(B504の電圧)を超える半サイクル毎に、たった約12.5fFのキャパシタC1532は端子AからBへと結合される電荷を制限する。電荷は、FET536(正の半サイクルの間)又はFET534(負の半サイクルの間)のいずれかを通る完全容量性変位電流であり、ダイオード接続のFET536を通る正側半サイクル電流を反映するに過ぎないFET538及び540を通る電流がなければ、ゼロ平均値を有する。FET540は必須ではないが、ミラーFET538のVdsチャネル変調を軽減する。VBがVAを超える半サイクルに関して、C2542並びにFET544、546、548及び550を有する逆並列の回路は、C1532並びにFET534、536、538及び540と全く反対に動作する。
【0050】
有用であるが必須でない回路の特定の特徴が存在する。一例として、C1532は、ソース及びドレインが連結されており、キャパシタとして構成されたFETである。例となる実施形態で、FETはINAタイプであってよい。「INA」は、FETが内在(intrinsic)Nチャネルであって且つサイズA(チャネル幅は1.4ミクロン、長さは2ミクロンであり、一般に、W/L=1.4/2ミクロンと示される。)であることを示す。特定のプロセスにおいて、INタイプのFETは、約ゼロ電圧の閾電圧Vthを有する。Vgs(=Vgd)がVth(ゼロ)よりも小さい場合、FETのチャネルは実際上消失し、それにより、C1532のキャパシタンスは、Vgsがゼロよりも大きい場合のたった約20%の大きさである。記載される例となる実施形態において、C1532は、Vgs>0Vの場合に約12.5fFのキャパシタンスを有するが、Vgs<0Vの場合にはたった約2.5fFである。端子A502及びB504の間の1つの典型的なAC電圧は1.2Vピークであり、RNタイプのFETは約0.7VのVthを有する。回復(recovery)の間、VBがVAを超える場合、C1532は、最終的に、約−0.5Vの端子間負電圧をサポートする。しかし、この条件下で−0.5Vを確立するのに必要とされる電荷の量は、+0.5Vを確立するのに必要とされる量のたった5分の1にすぎない。結果として、C1は、VAが約0.2Vを超えた場合に、変位電流を必要とする微少電荷を有してリセット半サイクルを出る。そして、電流は、VAが約0.6Vに増大するまで無視可能である。これは、サイクル毎の全体的な電荷移動を小さく保つのを助け、それにより、アクティブバイアス回路は、非常に大きな値の抵抗器に係る低電流消費を有する。しかし、それは、このような大きな値の抵抗器に比べてはるかに小さい集積回路面積しか必要としない。
【0051】
図5Cの回路は、端子A502及び端子B504の間に与えられる発振波形の振幅がFET536及び538のVth(相反する半サイクルに関してはFET546及び548のVth)よりも大きいピーク値を有する場合に、最も良く働く。なお、A及びBの間の発振波形の振幅に対する上限のみが、FET534及び536の最小閾電圧(相反する半サイクルに関してはFET544及び546の最小Vth)だけ増大されたC1532及びFET540(相反する半サイクルに関してはC2542及びFET550)のブレイクダウン電圧である。
【0052】
正側の半サイクルにおいて図5Cに表されるアクティブバイアス抵抗器によって導かれる電荷は、FET538でのミラー電流とC1532の変位電流との和である。変位電流は、C1532をリセットするよう負側の半サイクルの間逆流して、端子A502から端子B504へ結合される正味の電荷としてFET538でのミラー電流を残す。相反する半サイクルにおいて、正味の電流はFET548を流れるミラー電流である。閾電圧が整合され、且つ、C1532のキャパシタンスがC2542のキャパシタンスと等しい限りにおいて、端子AからBへ結合される電荷は、半サイクル振幅が同じである場合にのみゼロになる。そうでない場合には、正味の電流が流れ、バイアスをかけられているノードの平均電圧(例えば、VA)をバイアスソース電圧(例えば、VB)へと移動させる。通常、バイアスをかけられているノードは、比較的大きいFETのゲートである。
【0053】
アクティブバイアス抵抗器は、従来のバイアス抵抗器と同じく、選択されたノードの電圧を、回路の一方の側に印加されているバイアス電圧の平均電圧と同じ平均電圧にさせる。しかし、アクティブバイアス抵抗器は、ノード電圧を、同じ機能を実行し同じ平均電流を導く従来の抵抗器よりも実質的に速やかにバイアスレベルに到達させる。図5Cに表されている実施形態は、このようなより高速な追随に特に適している。しかし、たとえ抵抗器が図5に表されている実施形態のために必要とされないとしても、抵抗器はこの回路に係る何らかの実施形態とともに用いられてよい。しかし、このような抵抗器はいずれも、100kΩ、又は50kΩ、又は20kΩ、又は10kΩ、又は1kΩを超えない最大値に制限されて良い。極めて小さい抵抗器が不利な条件を伴うことなく使用され得る。これは、そのような抵抗器は極めて小さい集積回路面積しか必要とせず、より大きな抵抗器が実質的な面積を占有するためである。
【0054】
[Vtトラッカ]
閾値設定回路は、単純に、制限抵抗を介してソース電圧に結合されるダイオード接続FETであってよい。なお、バッテリ駆動デバイスのためのソース負荷を最小限とするよう制限抵抗は非常に大きい必要があり、そのため、ダイオード接続FETは極めて低い電流で動作し、更に、大きな抵抗のための不利な面積条件が多くの半導体プロセスにおいて導入される。然るに、図6A〜Dは、ソースからほとんど電荷を引き出すことなく(すなわち、低平均電流)、FETにバイアス電圧を供給するスイッチドキャパシタ回路を概略的に表す。このとき、クロックは略正弦波状であってよい。図6A及び図6Bは、夫々、HN FET及びRP FETにVtを供給するために単一クロック位相を用いるVtトラッカを示す。図6C及び図6Dは、夫々、HN FET及びRP FETによりロバストなVtを供給するために2つのクロック位相φ1及びφ2を用いるVtトラッカを示す。
【0055】
図6Aで、VSS604に対するソースVDD602(2.5Vより低い)は、クロック電圧が約1.6V(Vt THN〜900mVmVt HN〜700mV)に増大する場合に、THN608及びHN610を介してC606(4fF)を充電し始める。ほぼ同時に、THN612はオンし、出力HN_Vt614及び平滑キャパシタC616(200fF)をC606及びダイオード接続HN616に結合する。これにより、出力レベルが設定される。C606は(VDD−HN_Vt)の電圧に充電し、必要とされる場合にC616に電流を供給する。クロック(2.4Vp−p)が2.4Vピーク値を通り、約1.6Vに戻ると、THN612及び608並びにHN610はオフし、THP618がオンし、C606を放電し、THN608及び612をより強制的にオフする。この状態は、クロックが約0Vの負ピーク値を通って約1.6Vに増大するまで優勢であり、クロックが約1.6Vに増大した時点で、他のサイクルが始まる。C606及びC616は、適切な面積のキャパシタ結合されたDN FETであってよい。
【0056】
図6Bは、図6Aと同類のRP−FETであるが、VDD601は2.1Vよりも小さくなければならない。クロック信号がそのピーク(約2.4V)からVDDを下回る約1.2Vまで落ちるとき、クロック信号は略正弦波状であってよく(すなわち、0.9Vより小さい)、C620(4fF)はTHP622(Vt〜800mV)及びRP624(Vt〜400mV)を介して充電し始める。THP626はその後にオンし、出力電圧レベルを設定するダイオード接続RP624のドレインを出力RP_Vt628及び平滑キャパシタC616へTHP622を介して結合する。クロック信号がVDD601を下回る1.2Vに戻るとき、RP624、THP622及びTHP626はオフする。THN632は、クロック信号が〜0.9Vに達するときにオンして、C620を放電する。THN632は、RP624、THP622及びTHP626がオフする前に有意にオンすべきではなく、そのため、VDD601は2.1Vを超えるべきではない。
【0057】
図6Cは、回路にパラメータ変動に対する更なる耐性を持たせるために2つの異なったバイアス点でクロック位相を用いるスイッチドキャパシタHN_Vtトラッカを概略的に表す。クロック信号clk_n638が約1.15Vを超える場合に、電源VDD602/VSS604はRN634及びHN610を介してC606(4fF)を充電し、ダイオード接続HN610のVt設定ドレイン電圧はRN634及びRN636を介して出力HN_Vt614及び平滑キャパシタC616(〜200fF)に結合される。clk_n638は約2.4Vp−pの近似正弦波であってよく、VSS604を上回るHN_Vtの平均電圧(約700mV)を有するようバイアスをかけられている。従って、clk_n638は、その180度正側半サイクルの真ん中約136度の間にのみ1.15Vを超え、各端では約22度の間非導通のままである。HN610は、HN_Vtの出力レベルを約700mVに設定し、RN634及び636の閾値は約450mVである。clk_p640は、VDD602を下回って約400mVであるRP_Vtの平均電圧にバイアスをかけられている点を除いて、clk_n638と略同じである。クロック信号clk_p640がVDD602を下回って0.4Vよりも大きいとき、RP642がC606を放電するようオンであるから、RN634及び636並びにHN610はオフでなければならない。この状態は、クロック波形の負側のほぼ半サイクル全体にわたって存在する。clk_n638はクロック出力に容量結合されてよく、本願で記載されるアクティブバイアス抵抗器をclk_n638とHN_Vt614との間に配置することによってバイアスをかけられてよい点に留意すべきである。同様に、clk_p640は、他のキャパシタによって同じクロック出力に容量結合されて、図6Dのclk_p640と出力RP_Vt648との間にアクティブバイアス抵抗器を配置することによってバイアスをかけられてよい。
【0058】
図6Dは、図6CのHN_Vtトラッカとは逆関係のRP_Vt追跡回路を概略的に表し、2つのクロック信号(HN_Vtにバイアスをかけられた)clk_n638及び(VDD602に対してRP_Vtにバイアスをかけられた)clk_p640を使用してよい。clk_p640がVDD602(バイアスレベルを0.4V下回る。)を下回って約0.8Vよりも大きいクロック負側半サイクルの部分の間、C620(4fF)は閾値設定用ダイオード接続RP624及びRP644を介して充電し、RP646はRP624のドレインを出力RP_Vt648及び平滑キャパシタC630に結合する。正側のクロック半サイクルの間、clk_n638がそのバイアスレベルHN_Vt(約0.7V)よりも大きいとき、HN650は、C620を放電するようオンされる。HN650はクロック正側半サイクルのほぼ全体にわたってオンであるが、RP624及び644と同時に導通しない。RP646は、クロックが約400mVであるか又はそのバイアス点を更に下回るときにのみオンであり、クロック信号の負側半サイクルの各端で約20度の間非導通のままである。
【0059】
[電荷ポンプ出力制御フィードバック回路の詳細]
図1のブロック50は、電荷ポンプからの出力18及び19を、ブロック40によって供給される基準電圧と比較し、その誤差から前置調整回路5を制御する電圧6を生成する積分増幅器である。如何なる適切な差動入力演算増幅器もブロック50に使用されてよいが、例となる実施形態は、図7、特に、差動コモンモード制御演算トランスコンダクタンス増幅器(CM_OTA)で概説されるように、この機能のために或る独自の回路を用いる。
【0060】
図7の積分増幅器の全体は、差動入力712及び714と、非反転及び反転差動出力716及び718と、CM_tune入力電圧が増大する場合に出力716及び718の間の出力コモンモード電圧を低減するCM_tune入力720とを有する差動CM_OTA710を有する。差動CM_OTA710の肯定出力716は、事前の調整(図7には図示せず。)を制御するよう出力駆動信号を供給する。差動CM_OTA710のゲインは、積分増幅器50内の内部コモンモードフィードバックループによって制御される。
【0061】
コモンモードフィードバックループは、CM_OTA710の差動出力のコモンモード電圧を調整するよう必要に応じてCM_tune入力部720を駆動し、それにより、負側差動出力718は肯定差動出力716と同じ平均値を有する。ユニティ・ゲイン・バッファ730は、CM_OTA710の肯定出力716の電流制限されたものをレンジリミッタ740に供給する。単純なシングルエンドのOTA750は、CM_OTA710の反転出力718と非反転出力716のレンジ制限されたもの742との間の差を積算する増幅器760として構成される。増幅器760のゲインの大きさは、この回路が扱う電荷ポンプの動作周波数f0(約8MHz)を若干下回る約5MHzの、C766(300fF)によって設定される周波数を上回って、R762(200kΩ)及びR764(100kΩ)によって0.5に制限される。例となる実施形態において、増幅器710、730及び750の出力の夫々は、約2μAよりも小さい電流駆動容量を有する。CM_OTA710の反転出力718と接地との間の小さいキャパシタ(〜100fF。図示せず。)は、制限された電流容量を考慮して、追加の安定のために高周波ループゲインを低減するのに有用である点に留意すべきである。
【0062】
数10mVよりも大きい差動入力が飽和してフィードバックをロックアップすることができるように積分器50は高いゲインを有して動作するよう設計されるので、出力レンジリミッタ740がしばしば必要とされる。図8は、適切なレンジ制限回路を概略的に表す。レンジ制限出力信号742は、上限電圧802及びD804の順方向電圧の和よりも正側に大きくなることを妨げられ、且つ、下限電圧806からD808の順方向電圧を引いたものよりも負側に大きくなることを妨げられる。D804及びD808はダイオード接続のFET、例えば、約400mVの順方向電圧を有するRP FETであってよい。RN810(Vthは約450mV)は、RN814のカスコード構成によってbiasn2816によって設定されるレベルに制御されるRN810のドレイン電圧を有して、電流設定電圧biasn1に基づいて約1.5マイクロAの電流を設定する。RP818及びRP820は、例となる実施形態においてダイオード接続され、上限電圧802がVDDを下回って約800mVよりも小さい場合に、RN810によって設定される電流の全てを導く。742での信号は、D804の順方向電圧を超えてその電圧を上回る。すなわち、言い換えると、信号742の正側の偏位は約VDD−400mVに制限される。
【0063】
信号742は、同様に、biasp2828によって制御されるカスコードRP826によって供給されるドレイン電圧を有して、biasp1824に基づいてRP822によって供給される全ての電流をシンクすることなく、下限電圧806を下回ってD808の順方向電圧(約400mV)よりも低くないよう制限される。より高い、RP832のゲートに印加されるVlow1830、及びRP836のゲートに印加されるVlow2834は、下限電圧806を設定する。信号742は、D808に順方向バイアスをかけるほど十分低くなる場合にクリッピングされる。
【0064】
[コモンモード電圧制御可能差動OTA]
図9は、図7の差動CM_OTA710の例となる詳細を概略的に表す。正側の差動入力対FET902及び904の電流は、カスコードRN908と協働してRN906によって、2μAよりも小さく設定される。FET902は、電流ミラー検知デバイスRP910に電流を確立する。電流ミラーは、FET904のドレインに与えられる電流に、RP910によって導かれる電流を実質的に反映させる。しかし、RP910を通って導かれる電流(検知電流)と、FET904のドレインでの出力に運ばれる電流(ミラー電流)との間の比は、コモンモード制御入力CM_tune912に与えられる電圧によって連続的に制御されてよい。通常のコモンモードフィードバックはロー(low)に保たれたCMF_on914によって有効にされるとすると、RP916によって与えられる約1/2の固定反映比率は、RP918及び920での更なる反映的電導によって増大されてよい。CM_tune912がRP922を完全にオフするほど十分に高い場合、2:1の電流ミラー比に関して、RP916は半分のサイズであり、RP910で検知される(RP910によって導かれる)電流の約半分の電流を反映する。しかし、CM_tune912が極めて低い場合、RP916、918及び920の総面積はRP910の面積の2倍であるから、RP916、918及び920は1:2の電流ミラー比だけ増大されたRP910の電流を反映する。CM_tune912が低下するにつれて、RP918及び920は、検知デバイスRP910の電流よりも漸進的により大きい倍数の電流を反映する。このように、CM_tuneは、約1:2から約2:1までの範囲にわたって差動入力対902及び904の実効電流ミラー比率を制御することができる。
【0065】
OTA(OTA−diff amp)内の差動増幅器回路は、コモンエミッタ又はコモンソース構成で接続されているトランジスタ(例えば、902及び904)の入力差動対の夫々への入力を有する回路である。コモンソースは、おおよそ電流源のように振る舞う回路(例えば、適切にバイアスをかけられたRN906及び908)に結合される。このようなOTA−diff ampは、入力差動対デバイスの夫々のドレイン又はコレクタに結合されている2つのブランチを有する。通常、ブランチの一方は、電流ミラーのための電流検知素子(例えば、RP910)を通って電流を導き、他方のブランチは、例えば、検知デバイスによって生成されたゲート電圧にバイアスをかけられた同等のデバイスを有することによって、検知素子によって導かれる電流を反映するミラーリング(mirroring)電流からミラー(ド)(mirrored)電流を受け取る。通常、ミラーリング回路は、検知デバイスを厳密に整合させて、約1:1のミラー比率を設定する単一デバイスである。なお、可変比率電流ミラーOTA−diff ampと呼ばれる回路において、検知電流とミラー電流との間の実効比は必ずしも1:1であるわけではなく、それは制御入力に基づいて連続的に変更される。それを達成する1つの方法は、検知回路と比較してミラーリング回路の有効サイズを制御することである。図9で、例えば、デバイス916、918及び920は全て、ミラーリング回路の部分であってよい(RP932がバイアスをかけられている場合)。しかし、RP922のドレイン電圧はRP918及び920によってこのようなミラーリング回路に有効な貢献を与える。このようにして、RP922のドレイン電圧を制御することは、実効電流ミラー比率を連続的に制御することができる。電流ミラー比率を変更する代替の方法は、一方のブランチにおいて単純なミラーリング回路(例えば、単一FET)を使用し、且つ、検知回路の実効サイズを変更し、又は導かれて検知デバイスによって検知されるブランチ電流の割合を変更しながら、他方のブランチで電流検知回路を制御可能に平行させ又は短絡することである。この代替案は図11に表されている。
【0066】
このようにして、可変比率電流ミラーOTA−diff ampは、差動入力対トランジスタの一方のブランチで検知される電流と、検知された電流を反映する他方のブランチでのミラー電流との間の比を実質的に制御する信号を印加される追加の可変比率電流ミラー入力ノードを有する。このようなOTA−diff ampでの可変比率電流ミラー入力は、例えば、OTA−diff ampのゲインに作用するために、又は一方のブランチから取り出される出力電圧レベルを制御するために、使用されてよい。図9の回路は、例えば、差動出力のコモンモード電圧を制御するために2つの異なった可変比率電流ミラーOTA−diff ampを用いる。
【0067】
図9で、FET902及びFET904のゲートは、第1の差動入力対のための夫々プラス入力(inP)及び反転入力(inN)である。FET925及び924のゲートは、第2の差動入力対のための夫々プラス入力及び反転入力である。CM_OTAの非反転出力(outP)926は、第1の入力差動対のFET904のドレインにあり、一方、反転出力(outN)928は、第2の入力差動対のFET925のドレインにある。RP930は、第2の差動増幅器回路の電流ミラーのための電流を検知する。
【0068】
RP932及びRP934は、CMF_on入力914での高(high)電圧によってオフされる場合に、両方の差動回路におけるミラーリングFETのうちの最も大きいもの(FET920及び940)に電流が流れないように、両方の差動対回路において働く。第2の差動対回路において、RP936、938及び940は、第1の差動対回路におけるRP916、918及び920によって果たされるのと同じ目的を果たす。第2の差動対回路におけるRN942及び944は、また、第1の差動対回路のRN906及び908と同じように機能する。例となる実施形態において、RP916及び918並びに936及び938は夫々、対応する電流設定用FETであるRP910及び930の半分の実効サイズを有する。RP920及び940はRP910及び930とサイズが等しい。従って、RP932及び934がオフされ、RP922が完全にオンされる場合に、夫々の電流ミラーは約1:1の比率で固定される。例となる回路で、CMF_on914が無効にされる(ハイである)場合、CM_tuneは依然として電流ミラー比率に対して何らかの影響を持ち、電流ミラー比率を約1:1に固定するよう十分に低くされるべきである。
【0069】
可変電流ミラー比率は、RP922によって両方の差動入力対について制御される。各差動回路の非出力ブランチ(RP910及び930)における電流は、夫々の電流ミラーについてセンサによって検知される電流であり、一方、出力926及び928は、夫々、選択可能なFET918及び920並びに選択可能なFET938及び940に接続されている。従って、RP922の導通性を高めることは、両方の出力outP926及びoutN928の電圧レベルを高めるとともに、コモンモード出力電圧を増大させる。RP922の導通性が弱まる場合に、反対のことが起こる。このように、RP922は、図9の差動出力CM_OTAのコモンモード出力電圧を制御する。
【0070】
再び図7のコモンモード制御ループ50を参照すると、CM_OTA710のコモンモード電圧は、差動出力716及び718の平均電圧の間の中点である。肯定出力716は増幅器760の反転接続に結合されているので、CM_tune720は肯定出力716とは逆に変化し、従って、出力コモンモード電圧は肯定出力716に追従する。コモンモード電圧は、肯定出力716のDCレベルに等しいよう駆動される。これは、反転出力718のDCレベルが肯定出力716のDCレベルに等しい場合に起こる。これら2つの状態は等価であるから、それは、反転出力718が肯定出力716と同じ平均電圧を有するまで単にコモンモード電圧を駆動することによって、達成可能である。コモンモード制御ループ50は肯定出力716を更に増大させるので、それを最初に増大させる信号に関して、ループは、特に、より低い周波数で、CM_OTA710のゲインを増大させる。結果として、CM_OTA710は、低周波入力オフセットのために極めて大きいゲインを有して、積分器のように機能することができる。
【0071】
可変比率電流ミラーOTA−diff ampは、特に、より低い周波数で、増幅器におけるゲインを増大させるためにCM_OTA710で用いられる。しかし、CM_OTAは、図10に表されるように、差動出力コモンモードレベルを何らかの所望のレベルに設定するために用いられてよい。図7で見られる差動CM_OTA710は、肯定出力716及び反転出力718を有する。R101及び102によって確立されるコモンモード出力電圧は、任意の高周波ゲイン設定抵抗R105とともにC104によって積分器として構成されるシングルエンドのOTA750によって、任意に選択された電圧103(通常、出力レンジ中点)と比較されてよい。
【0072】
図11は、差動増幅器回路における可変電流ミラーの代替の構成を概略的に表す。図11で、コモンモード制御電圧CMCV111は、コモン出力モード電圧がCMCV111に追従する傾向を有しながら、CM_tuneとは逆向きである傾向を有するので、図9のCM_tuneと同じ極性を有する。HP112は、RP113及び114の組合せの実効サイズを制御する。これは、ミラー比率を変化させる1つの方法である。また、RP113がバイアス設定用FET RP114の周囲の電流を単に吸い上げることも可能である。それにより、RP115からのミラー電流は、diff ampの“+”ブランチにおける電流の部分のみを反映する。用途に依存して、RP113は、例えば、RP114の3倍のサイズであってよく、一方、ミラーリングFET115はRP114の2倍のサイズであってよい。イネーブル入力が加えられてよく、ミラー比率は、図9においてこれらの機能を実行する回路と同じく、1:1に固定可能とされる。
【0073】
上述される図11の可変比率電流ミラー回路は、図9に表されるような差動CM_OTAにおける対応するミラー部品に取って代わるために使用されてよい。しかし、CMCV入力の反転のために、かかるCM_OTAが図7に表されるように用いられる場合には、増幅器760の極性も反転される。
【0074】
図11は、手頃なサイズにされた高抵抗値抵抗器を有するプロセスに適した簡略化された回路を表す。これによって、可変比率電流ミラーを有する単一差動増幅器野毛員は高められる。抵抗116及び117はCMCV111の範囲をVOの関数として設定し、一方、それらはR118及びC119とともに動作して、安定性のために必要に応じて高周波でゲインをロールオフする。HP112をより高い閾値によって置換すると、より低いゲインのTHP FETは、短絡R116及び開放R117がゲインを犠牲にしてサイズ要求下げることを可能にする。多くの半導体プロセスにおいて、部品C119並びにR116、117及び118の幾つか又は全てをアクティブ部品と交換して、同じか又はより良い結果を生み出すことは、より実際的であってよい。
【0075】
入力電圧によって制御される可変比率電流ミラーを有するシングルエンドの差動増幅器は、多くの他の目的に適する。例えば、それらは、入力不均衡又は電圧オフセットの影響を無効化するために使用されてよい。それらは、また、差動増幅器回路によって増幅される信号を独立に変調するために第3の入力として用いられてよい。このような入力の極性は、図9又は図11で見られるような可変比率電流ミラーを使用することによって選択されてよい。
【0076】
[低ノイズ差動電荷ポンプクロック]
正弦波(又は正弦波状)電荷ポンプクロック信号は、スプール(spurs)及び不要な高調波ノイズを生成することなく電荷ポンプを制御するのに極めて有用である。しかし、スイッチングデバイスを駆動するために正弦波クロック信号を用いることには幾つかの欠点が存在する。スイッチングが波形中点の近くで起こる場合には、ピーク・ツー・ピーク波形のおおよそ半分の振幅しか制御ノードをその導通電圧範囲へと駆動するために利用可能でないから、利用可能なクロック出力振幅は、十分な駆動レベルを達成するために用いるのは困難である。複数のクロック位相を用いることは幾つかの電荷ポンプ設計配慮を簡単にすることができるが、通常は、異なったクロック出力位相間のタイミング及び/又は振幅関係を正確に制御する必要性を伴う。
【0077】
一般に、クロック出力を正弦波に近づけることにより、生成される不要な電気ノイズの量は低減される。完璧な正弦波出力は可能でないが、波形品質は、回路の意図された使用のために適切な性能を提供するよう選択されるべきである。クロック出力は実質的に正弦波状であるよう求められるが、設計者は、どの程度出力を正弦波状にすべきかをほぼ任意に選択することができる。夫々の改善は、幾つかのノード又は場所での電気ノイズの低減をもたらすが、夫々の改善は、設計努力及び集積回路面積の使用等で見られる追加のコストを招く。
【0078】
様々なパラメータが、バイアス生成又は他の供給電圧生成によって生じる特定のノイズ問題を解決するのに適したクロック波形を定義するために用いられてよい。動作周波数f0で完全な正弦波と比較されるクロック出力の全高調波歪みのパラメータは、基本周波数f0での電力によって割られる、波形に含まれるf0の全ての高調波における電力の和として定義される。その定義を用いると、様々な実施形態において、波形は、−5dB、−10dB、−20dB又は−30dBよりも大きくないTHDを有するよう有効に制限されてよい。幾つかの用途で、三次高調波は特に関心が持たれ、別の実施形態は三次高調波に、f0での基本電力に対して僅か−20dB、−30dB、−40dB又は−50dBであるよう求める。また、基本周波数の各高調波の振幅が少なくとも20、30又は40dB/decadeだけロールオフされるようにクロック波形を制御することが有用である。このようにして、8MHzの基本動作周波数f0及びその8MHz正弦波成分についての振幅A1を有する波形に関して、f0に整数Nを乗じた周波数N×f0での全ての正弦高調波の振幅ANは、20、30又は40dB/decadeだけ低減されてA1よりも大きくないよう求められてよい。すなわち、夫々の量についてdB又はdBAを用いると、高調波振幅は、[AN≦A1−2×N]又は[AN≦A1−3×N]又は[AN≦A1−4×N]であるように制限される必要がある。明りょうさのために、最後の式を展開すると、[AN(dBA)≦A1(dBA)−4×N(dBA)]である。代替的に、高調波成分の振幅は、(電圧において)次のように、すなわち[AN≦A1/N/m]のように制限されてよい。この式において、環境に依存して、mは0.7、1、1.5、2、2.5、3、4又は6に等しい必要がある。これらの変化する品質レベルのどれがクロック波形のために必要とされるのかは、通常、所望の放射制限と組み合わされる特定のハードウェア実施に基づいて、問題に依存する。本願で記載される実施形態は、この問題を解決するために用いられる。
【0079】
電荷ポンプ回路内の多くの異なったポテンシャルに必然的に配置されるスイッチングデバイスを制御するためのクロック信号の容量結合は、適切なキャパシタに必要とされる比較的大きな半導体面積を正当化するのに十分都合がよい。しかし、一般に、正弦波信号の容量結合は、クロック波形全体の半分(一般に、クロック信号の正又は負の半サイクル)のみを有してスイッチングデバイスをオンに駆動することを伴う。従って、供給電圧が小さい場合、電荷ポンプスイッチングデバイスに十分な駆動電圧を供給することは容易でない。従って、2つの相反する正弦波状の位相を有するだけでなく、利用可能な供給電圧にほぼ等しいピーク・ツー・ピーク振幅を有する電荷ポンプクロック信号を供給することが有益である。
【0080】
低ノイズ電荷ポンプクロックの幾つかの例となる実施形態は、差動インバータ段を用いる。差動段は、ほぼ電源レイルにまで及ぶ大振幅信号を確かにするとともに、当然に相補出力を供給するよう設計されてよい。低ノイズ動作は、各段における各インバータに電流制限を課すことによって促進される。正弦波状出力、すなわち、動作周波数f0を超えた高調波成分をごく僅かしか有さない何らかの出力は、リング発振器において5よりも少ないインバータ段を用いることによって、より容易に生成されてよい。差動リング発振器は、従来のリング発振器に係る教示に反して、リング発振器が、奇数個及び偶数個の両方を含む任意の個数の段を有することを可能にする利点を有する。低ノイズ電荷ポンプクロックの幾つかの実施形態は、2、3又は4のインバータ段を有する差動リング発振器を有してよい。
【0081】
奇数個のインバータ段を有する差動リング発振器は無条件に発振するが、1つのインバータ段に含まれる2つのインバータはコモンモード出力、すなわち、その2つの出力で各時点において逆ではなく同じ電圧を有することが可能である。従って、奇数個の段(例えば、三段)を有する差動リング発振器は、各インバータ段の2つのインバータが反対の位相であることを確かにする方法から利点を得ることができる。単一インバータ段におけるこのような分相回路で十分であるが、他の段における位相制御回路も有効である。
【0082】
逆並列のインバータロック回路を含む差動インバータ段の例となる設計が図12Aに表されている。THP121及びTHN122は、正側反転出力outN124への正側入力inP123の基本インバータを形成し、一方、THP125及びTHN126は、反転(すなわち負)入力inN127から反転(従ってこの場合には正)出力outP128までの相補インバータとして構成される。インバータの駆動容量を制限して、出力遷移を遅く且つ滑らかにするために、両インバータは、RP129及び130を有する電流制限回路を介してVDDに結合され、且つ、RN131及び132を有する電流制限回路を介してGNDに結合される。RP129及びRN131は夫々バイアス電圧biasp1及びbiasn1に基づいて電流を設定し、一方、RP130及びRN132はカスコード接続において構成され、夫々biasp2及びbiasn2によってバイアスをかけられて、電流ソース感度を出力電圧に制限する。電流設定用FETであるRP129は、RP130のドレインでの電圧に関わりなく、ほぼゼロのドレイン電圧で動作するので、このカスコード構成の電流源は、RP130のドレインがほぼVDDである場合でさえ電流を供給することができる。同様に、カスコード構成のRN131及び132は、接地の手前数mVまでのRN132のドレインにおける全出力電圧にわたって正確な電流を供給することができる。このようにして、出力波形は、接地に対して供給電圧VDDにほぼ等しいp−p電圧を達成するよう調整されてよい。それらのFET121〜122、125〜126及び129〜132は、肯定入力123及び反転入力127並びに肯定出力124及び反転出力128を有する完全なる基本の差動インバータ段を構成する。
【0083】
図12Aの残りの回路は、奇数個の段を有する差動発振器の1又はそれ以上のインバータ段に組み込まれる逆並列結合を構成する。奇数個の段を有する差動リング発振器の非反転セクション及び反転セクションは、互いに対して何らかの位相関係で動作することが可能であり、従って、それらの位相が180度で分離されることを確かにする何らかの対策が必要とされる。THP133及びTHN134を有する第1のインバータは、THP135及びTHN136を有する第2のインバータと交差結合されている。これらのFET133〜136は、段の一次インバータのFET121〜122及び125〜126と比較して小さくされてよい(例えば、70%の大きさ)。より重大なことには、これらの逆並列インバータをVDD及びGNDに結合する電流源は、一次インバータセクションに供給されるよりもはるかに小さい電流に関して設計されてよい。例となる実施形態において、逆並列インバータのための別個の電流源は、夫々、一次インバータ電流源の4分の1の電流レベルを供給するよう構成されてよい。RP137及び138並びにRN139及び140は、夫々、RP129及びRN131の約4分の1に電流レベルを設定し、一方、RP141及び142並びにRN143及び144は、電流設定デバイスのドレイン電圧を制御するようカスコード接続されている。一次インバータが並行して発振している場合、それらは電流源129〜130及び131〜132からの電流を供給すべきであるが、その場合でさえ、逆並列インバータ電流源として利用可能な電流の2倍の電流を有する。一次インバータが相反する位相で適切に発振している場合、その段の2つのインバータセクションは同じ電流源を同時には使用しない。
【0084】
図12Bは、逆並列インバータロック回路を含む差動インバータ段の代替実施である。それは、主として、インバータ段を電流制限する方法において、図12Aと相違する。図12Aで、FET129〜130を通る単一電流源は、両方の一次インバータのためのソース電流をFET121及び125のソースに供給し、一方、FET131〜132を通る他の単一電流源は、両方の一次インバータのためのシンク電流をFET122及び126に供給する。別々の電流源が、夫々FET133〜134及び135〜136から成る2つの位相反転ロッキングインバータにソース及びシンク電流を供給する。図12Bでは、それに反して、夫々FET133〜134及び135〜136から成る両方の位相反転ロッキングインバータに対して、FET185〜186を有する1つの単一電流源がソース電流を供給し、FET195〜196を有する他の単一電流源がシンク電流を供給する。逆に、夫々FET181〜182及び183〜184から成る別々の電流源は、夫々、2つの一次インバータのためのソース電流をFET121及び125に供給し、同様に、夫々FET191〜192及び193〜194から成る別々の電流源は、夫々、2つの一次インバータのためのシンク電流をFET122及び126に供給する。
【0085】
インバータ及び関連する電流源トランジスタのサイズも、図12Bと図12Aとの間で相違する。チャネルの幅及び長さは、ミクロン単位で、幅/長さのように、スラッシュ(/)で分離された数字によって図中に示されている。RP FET及びRN FETは夫々、約0.65V及び0.7Vの閾電圧Vthを有し、THP FET及びTHN FETのVthは約0.95V及び1.0Vである。これらは単なる指針に過ぎず、デバイスのサイズは特定の製造プロセスや、発振器の負荷及び他の性能要因に大いに依存する。また、2つの電流制限方式が図12A及び12Bで説明されているが、かかる差動発振器段の実施形態は、本願で説明される本質的な考えから逸脱することなく、且つ、本願で説明される特許請求の範囲の適用範囲を超えることなく、多くの差動電流ソーシング及び逆並列位相反転ロック構成を用いてよい。図13は、位相反転ロッキングを提供する例となる代替手段を表す。
【0086】
図13は、逆並列のロッキングインバータを有さない差動インバータ段を表し、代わりに、差動段の夫々の位相が互いに180度ずれていることを確かにするようキャパシタンスが交差結合されている代替案を表す。基本のインバータ段は、図12Aに表されているのと同じ番号を付与されたFET、すなわち入力及び出力121〜132を有する。キャパシタ145は出力outP128を入力inP123に結合し、一方、キャパシタ146は、出力outN124を入力inN127に結合する。差動リング発振器におけるインバータ対は、一致した位相で同期することはほとんどなく、逆位相で同期する傾向がある。なぜなら、かかるインバータ対は、その場合に、電流源(FET129〜130又は131〜132)の全電流へのアクセスを有するからである。図12Aの逆並列インバータがほとんど電流容量を必要としないのは、この理由による。同じ理由のために、約200fFの適度なキャパシタンスは、図13のインバータ段のインバータの逆位相の同期を確かにするのに適する。図12及び図13は、差動インバータ段の出力の間の位相反転を確かにするための多くの可能な代替案の中の2つを表す。なお、幾つかの半導体製造プロセスにおいて、図12Aで表されるようなアクティブ逆並列インバータ回路は、図13で同じ目的のために図示されたキャパシタよりも半導体面積を必要としない。
【0087】
図13のインバータは、図12A及び12Bの一次インバータと実質的に同じように機能することができるので、それらは同じ参照符号によって示される。それらは、(inP123からoutN124を作る)FET対121、122と、(inN127からoutP128を作る)FET対125、126とを有する。図13で、これら2つのインバータは、図12Aで表されるように理想的には、単一のソース電流源(FET129、130)及び単一のシンク電流源(FET131、132)を共有する。いくつかの環境においては、図12Bで表されているように図13のインバータの夫々に別々の電流源回路を設ける方が適切である。図12Bに表されているように、ソース及びシンク電流は、夫々、FET対181、182及び191、192を介してinPからoutNへ、別のFET対183、184及び193、194を介してinNからoutPへ供給されてよい。
【0088】
偶数個のインバータ段を有するリング発振器は、リング発振器の設計柔軟性を拡張し、付加的なパラメータを与えて、動作周波数範囲を制御するのを助ける。これは、特に、より良い出力を生成するために5よりも少ないインバータ段を含むよう求められる実施形態に有用である。なぜなら、そのような実施形態は、必要条件を満たす代替案の数を3倍にするからである。偶数個のインバータ段は、1つの段の正出力及び負出力を夫々、次の段の負入力及び正入力に交差結合することによって、用いられてよい。このような交差結合は、各段の出力の位相が正確にずれることを確かにするので、インバータ段は、図12及び図13で表されるような分相回路を必要しない。しかし、偶数個のインバータ段を有するリング発振器は無条件に発振するわけではないので、適切な起動のための設備が必要とされる。
【0089】
図14は、起動回路160を結合された4段式差動リング発振器150を概略的に表す。4つの差動インバータ段151〜154は、夫々、キャパシタ145及び146が不要である点を除いて、図13に表されているように構成されてよい。キャパシタ155が、各差動インバータの出力と接地156との間に配置されている。各インバータ段の駆動電流は、ソース電流のための電流制限回路(図13のRP129及び130)及びシンク電流のための電流制限回路(図13のRN131及び132)によって制限されるので、これらのキャパシタ155は、本明細書のいずれかの場所で記載されるように、スプール及び不要な高調波成分を有さず滑らかである略正弦波状の波形を生成するよう出力を平滑化し成形することができる。
【0090】
差動インバータ段151〜153の出力outN(図13の124)の夫々は、後段の入力inP(図13の123)に結合されている。しかし、差動インバータ154のoutN157は、差動インバータ段151のinN(図13の127)に交差結合されている。同様に、差動インバータ段151〜153の出力outP(図13の128)の夫々は、インバータ段151のinPに交差結合されているインバータ段154のoutP158を除いて、後段のinNに結合されている。
【0091】
図14の残りは、差動リング発振器150による発振を確かにする起動回路160の一例を概略的に表す。起動回路160への入力161及び162は、インバータ段151〜154のいずれかのインバータ段の2つの出力に結合されてよい。FET163及び164のドレインにある起動回路160の出力は差動インバータ段154の出力outP158及びoutN157に接続されているが、それらは、代わりに、例えば、起動回路160の入力161及び162であるように、差動インバータ段151の出力に接続されてよい。
【0092】
起動回路160は、インバータ段の両方の出力が、両方ともがロー又はハイである場合に、安定しているところの安定コモンモード状態を識別するよう意図されている。その状態を検知すると、起動回路160は、各インバータ段の2つの出力を反対の極性にする(差動モード)。シュミットトリガ171及び172へのFET入力は実質的に電流を引き込まないので、抵抗165〜170は全て名目上約2MΩ以上であってよい。抵抗165〜170の大きなインピーダンスは、FET173〜176とともに、キャパシタ177及び178と協働して、シュミットトリガデバイス171及び172の入力でのノイズ排除性を高める。
【0093】
第1のコモンモード状態で、入力161及び162は両方ともローであり、P−FET173及び174にバイアスをかけて、少なくとも非常に低い入力電圧の閾電圧範囲内にシュミットトリガ171を徐々に引き込む。N−FET175及び176がバイアスをかけられていない間、ソースは非常に低い入力電圧にあり、C178にある如何なる正電荷もその結合チャネル漏れ電流によって取り除かれる。かかる漏れ電流は、シュミットトリガ172のFET入力からの正リークを大きく上回る。第2のコモンモード状態で、入力161及び162は両方ともハイであり、N−FET175及び176にバイアスをかけて、R167、R168及びR170を介する導通によってシュミットトリガ172の入力をゆっくりと高める。シュミットトリガ171がバイアスをかけられていないP−FET173及び174を通るリークに制限される場合に、導通により電圧は増大する。チャネルリークは極めて小さいが、それは、絶縁ゲートFETシュミットトリガ入力及びC177を通る接地へのリークを上回る。例となるプロセスにおいて、接地に対するほぼ全ての低電圧キャパシタは、無視することができる漏れ電流を有する、キャパシタ接続のデプリーションタイプのN型(DN)FETとして製造される。このように、両方のコモンモード状態において、2つのシュミットトリガは、最終的に、コモン出力電圧に到達する。このような同一極性入力は排他的ORゲート179から低(ロー)出力を生成し、第1のスタータ回路出力P−FET163にバイアスをかけ、インバータ180に第2のスタータ回路出力N−FET164にバイアスをかけさせる。アクティブにされたFET163及び164は、インバータ出力の極めて制限された電流駆動容量のために、差動インバータ段154の出力158及び157を反対の電源レイルに容易に駆動する。
【0094】
起動回路160の入力161及び162に結合されているインバータ段151の出力対を含め、全てのインバータ出力対は、FET163及び164が完全に駆動されたままである限り、安定した逆の極性を有する。入力161及び162での逆(差動)極性は、最終的に、2つのシュミットトリガに相反する状態を確立させ、リングの発振が始まるように起動回路出力駆動の解除をもたらす。第1の差動動作において、入力161はローであり且つ入力162はハイであるから、P−FET173はオフであり、有効にされているP−FET174は、入力162から十分な電流を供給してC177をR166及び169を介して充電することができ、最終的に、シュミットトリガ171への入力はハイになる。同時に、N−FET176はオフであり、それにより、順方向にバイアスをかけられているN−FET175は、R167及びR170を介する導通によってシュミットトリガ172のロー閾値を下回ってC178の電圧を徐々に引き込む。第2の反対の差動動作において、入力161はハイであり、入力162はローである。N−FET175はオフであるから、順方向にバイアスをかけられているN−FET176は、シュミットトリガ172の入力を徐々にローにする。P−FET174もオフであり、順方向にバイアスをかけられているP−FET173が、R165及びR169を介してハイ入力161の電圧へとシュミットトリガ171の入力を増大させることを可能にする。
【0095】
以上のように、可能な逆極性入力状態は両方とも、シュミットトリガ172の入力をローへと駆動しながら、シュミットトリガ171の入力をハイへと駆動する。このようなシュミットトリガの状態は、適切な発振の間、半サイクル毎に促進される。入力値はクロック波形の中点近くでのみ互いに近づき、そのほんの短い期間、駆動電圧は無視することができる。
【0096】
[結論]
上記は、低ノイズ且つ高効率でバイアス供給電圧及び補助供給電圧を生成するための回路及び方法の例となる実施及び新規の特徴を説明する。多くのこのような電圧は、過度の電気ノイズを生成することなく、トランスファキャパシタを介して電荷を組み上げることによって生成される。多くの特徴は夫々別々に記載されているが、所望の結果を生み出すために組み合わされてよい。低ノイズ高効率のバイアス生成のための回路及び方法を実施する最良の態様を構成する装置及び方法の幾つかの特徴は、それ自体新規であり、幅広く有用である。結果として、上記は、必然的に、多種多様な革新について記載する。
【0097】
当業者には当然ながら、記載される方法及び装置の夫々の形態及び詳細における様々な省略、置換及び変更は、かかる方法又は装置の適用範囲から逸脱することなく行われてよい。全ての実施形態を明示的に列挙することは実際的でないので、当然、当該装置又は方法の1つを具現するのに適した上記の(図面によって表される)特徴の夫々の実際的な組合せは、このような装置又は方法の相異なる代替の実施形態を構成する。更に、このような装置又は方法の代替案に相当する夫々の実際的な組合せも、当該装置又は方法の代替の実施形態を構成する。従って、提示される方法及び装置の適用範囲は、添付される特許請求の範囲のみを参照して判断されるべきである。特許請求の範囲は、審査に係属中に補正されることがある。その適用範囲は、その限定が添付の特許請求の範囲で記載されている限りにおいて、本発明の概念を説明するために本願で挙げられている例となる実施形態において説明される特徴によっては限定されない。
【0098】
本願で図示及び記載をされている回路は単なる例であり、当業者が、当業者にとって目下一般的な知識によって、又は予期しないが容易に適用可能であっていずれ当業者に知られる将来の知識によって同じであると容易に判断することができるような代替案を等しく記載していると解されるべきである。
【0099】
特許請求の範囲の各請求項に係る発明の技術的範囲内にある全ての変形例が本願に包含される。各請求項は、当該請求項における表現上においてのみ異なるあらゆるシステム又は方法を、かかるシステム又は方法が先行技術の実施形態でない場合にのみ、包含するよう意図される。このために、各請求項で記載される夫々の要素は、可能な限り広く解釈されるべきであり、先行技術を含まない限り当該用途と等価なあらゆるものを包含すると理解されるべきである。
【0100】
[関連発明の相互参照]
本願は、その全文を参照することにより本願に援用される、2008年7月18日に出力された同時係属の米国特許出願第61/135279号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump with Common-Mode Tuning Op Amp」、代理人整理番号:PER−027−PROV−1)、及び2003年9月8日に出願された同時係属の米国特許出願第10/658154号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump Method and Apparatus」)の優先権を主張するものです。
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子集積回路(IC)に幅広く適用可能である。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICは、単一電源により動作することが望ましい。しかし、多くのICは、理想的な動作のために、例えば、内部バイアス電源を与えるよう、2又はそれ以上の異なった電圧源を必要とする。このような異なる電源は集積回路の外部から与えられるが、これはユーザの観点からは望ましくない。追加の電源を与えることは、ユーザにとって不都合であるだけでなく、かかる外部電源をICに結合する導体を必要以上に長くする。このことは、幾つかある問題の中でも、ノイズが電源に存在する場合に、不要な放射を引き起こしうる。そのようなものとして、必要とされる回路動作のために求められる追加のバイアス生成電圧又は他の電圧源を生成するためにICに補助回路を設けることが常識である。電荷ポンプは、ICで使用されるそのような補助電圧生成回路の最も一般的なものの1つである。
【0003】
しかし、電荷ポンプは、一定の用途でそれらを使用することを困難にする特性を有する。具体的に、電荷ポンプは、いつも、相当量の電気ノイズを生成する。電子デバイスが互いに干渉することを防ぐための規制が推奨されており、かかる規制は許容可能な放射の最大量を定めている。幾つかの用途で、電荷ポンプによって生成されるノイズは、IC又はICが配置されているシステムに、最大許容ノイズ放射を超えさせることがある。
【0004】
例えば、大部分の無線通信機、携帯電話機、テレビジョン受像機、及び関連する設備は、今日、種々の送信器及び受信器回路の間の接続を制御するRFスイッチを必要とする(「RF」は、本願では概して、何らかの適度に高周波の交流信号を意味するよう用いられる。)。少なくとも1つの補助電圧発生器は、しばしば、半導体RFスイッチを有するFETに満足にバイアスをかけるために必要とされる。RFスイッチを用いる製品の多くは、放射するのを認められている電気信号に対する厳重に規定された制限に従うトランシーバ(例えば、携帯電話機)である。かかるRFスイッチはトランシーバアンテナに直接に接続されているので、RFスイッチのバイアス発生器によって生成されるごく小さい振幅ノイズ信号でさえ、あまりにも有効に放射されすぎる。従来の電荷ポンプによって生成されるノイズは、当該電荷ポンプを用いるRFスイッチを備える携帯電話機に、適用可能な規制によって許容されている最大のイズ放射を超えさせるには十分であることが分かっている。そのようなものとして、ノイズを伴う電荷ポンプは、携帯電話機を、その商用目的のために適さないものとしうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結果として、従来の電荷ポンプよりも生成されるノイズがはるかに少ない電荷ポンプ等のバイアス生成回路が、一定の用途に欠かせない。低ノイズバイアス生成回路は、規制されるスプリアス放射制限を満足し又は他のローカル回路との干渉を回避しようとなかろうと、幅広い集積回路において有利な用途を見出す。かかる回路は、また、消費される集積回路面積に関して効率的でなければならず、特に、携帯電話機等のバッテリ駆動のデバイスについては、電力消費に関して効率的でなければならない。
【0006】
更に、しばしば、差動入力演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA(operational transconductance amplifier))を含むフィードバック制御ループによって電荷ポンプの出力電圧を制御することが有用である。OTA出力コモンモード電圧は、入力信号の不均衡、差動入力オフセット電圧、入力コモンモード信号の有限なゲイン、及びOTAの全体にわたって起こりうる他の不整合を含む種々のオフセットの影響を含む。このようなオフセットの影響を無にすることは、特に、小信号を増幅するのに有用である。出力電圧レベルを調整することは、また、信号がクリッピングする前に最大ゲインを可能にするのにも有用である。
【0007】
本願で提示される方法及び装置は、電荷ポンプ、調整制御及び増幅回路、バイアスレベル設定回路を含む低ノイズ高効率バイアス生成回路、特に、低ノイズクロック波形有効アクティブ回路の容量結合の必要性に対処する。本願で記載されるバイアス生成方法及び装置の様々な態様も、更なる利点を与えるために考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
入力供給からトランスファキャパシタに電荷を結合し、次いで電荷を出力に結合する電荷ポンプによって静かに且つ効率的にバイアス電圧供給を生成し、アクティブバイアス抵抗(active bias resistor)回路によってバイアスを必要とするノードにバイアス電圧を結合するバイアス生成方法及び装置が示される。様々な新規の特徴が記載され、このようなバイアス生成を達成するために用いられる。多くの電荷ポンプトポロジが可能であり、そのうちの幾つかは、参照により援用される米国特許出願第10/658154号で説明されている。多くの電荷ポンプクロック発振器が適切であり、特に、略正弦波状であって、更に、略対称であり且つ位相が逆である2つの波形を含む、基本周波数を上回る有限な高調波成分を有する生成するものが適切である。このような電荷ポンプは、キャパシタンスを介してトランスファ結合スイッチ制御ノードに結合されてよく、それらのノードは、如何なる有意な抵抗も全く有さないアクティブバイアス抵抗によって導かれる電荷によって、選択されたレベルへとバイアスをかけられてよい。更に、バイアス電圧生成は、制御可能な電流ミラー比率を有する演算増幅回路を含む増幅器ループによって制御されてよく、これは、増幅器からの差動出力のコモンモード制御を可能にする。
【0009】
バイアス生成回路及び方法の1つの重要な側面は、電荷ポンプ生成バイアス電圧が電気ノイズを生成して、電荷ポンプに付随する近くの回路及びデバイスに運ぶ範囲を最小限とすることに焦点を合わせる。バイアス生成回路及び方法の幾つかの特徴は、このようなノイズの生成及び伝導を減らすことを助け、一方、他の特徴は、このようなノイズ低減特性を用いながらバイアス生成が集積回路面積及び電力消費に関して効率的であるようにすることを助ける。これらの様々な特徴のいずれか1つ又はそれ以上は、干渉を低減されたバイアス生成回路及び方法において組み合わされてよい。
【0010】
電荷ポンプ又は他のクロックバイアス生成回路を制御するクロックは、不要な電気ノイズ電流の直接的且つ間接的な発生源であるから、クロックの特性は、バイアス生成回路及び方法の幾つかの実施形態を定義する。実施形態は、電荷ポンプでの低ノイズ生成に夫々寄与する下記の特徴の1又はそれ以上のいずれかの組合せに従って、電荷ポンプにおいてスイッチングデバイスを制御するために用いられるクロックによって定義されてよい。出力は高調波成分をほとんど有さないことが望ましいので、電荷ポンプの1つの際立った特徴は、本願で説明される具体的な高調波成分制限のいずれかによって定義されるような低い高調波成分を有する出力を伴うクロックである。クロックの高調波成分が低減される場合、一般にクロックはより正弦波に近づき、従って、このようなクロック出力は略正弦波状として定義されてよい。代替的に、基本周波数f0での電力で割られる高調波電力(すなわち、全高調波歪み“THD”)は、−5dB、又は−10dB、又は−20dB、又は−30dBよりも小さいよう制限されてよい。更なる代替案として、かかるクロック出力は、f0での電力と比較して−20dB、−30dB、又は−40dBよりも小さい三次高調波電力を有するよう制限される。クロック波形は、また、10ごとに少なくとも20dBだけ、又は10ごとに少なくとも30dBだけ、又は10ごとに少なくとも40dBだけ減少する基本周波数の各高調波の振幅を含むと考えられてよい。従って、8MHzの基本動作周波数f0及びその8MHz正弦波成分に係る振幅A1を有する波形に関して、f0に整数Nを乗じた周波数N×f0での全ての正弦高調波成分の振幅ANは、20、30又は40dB/decadeだけ小さくされてA1よりも大きくないよう求められてよい(すなわち、AN(dBA)≦A1(dBA)−2×N、又はAN(dBA)≦A1(dBA)−3×N、又はAN(dBA)≦A1(dBA)−3×N)。それらの変化する品質レベルのうちクロック波形に必要とされるものは、通常、所望の放射制限と組み合わせて特定のハードウェア実施に基づく問題に依存する。その問題を解決するために、本願で記載される実施形態が用いられる。
【0011】
低高調波成分信号は、容易に、制御クロックを参照してバイアス生成方法又は装置の実施形態を区別し定義する幾つかの特徴をもたらすデジタル回路によって生成又は再生される。特定の電荷ポンプの実施形態は、それらが制御する大部分又は全てのトランスファキャパシタスイッチに容量結合されているクロック出力を有することによって定義されてよく、デジタル回路の制限による適切な低高調波クロック信号にとって有利にされる。また、特に、適切なクロック波形は、通常、スイッチを、ピーク・ツー・ピーク振幅の半分のみを有する状態に駆動するので、その波形を生成するのに利用可能な電源と比較して波形がおおきくなることが重要である。適切なクロック波形は、このようなクロックが生成される電源の振幅の少なくとも95%、98%又は99%であるピーク・ツー・ピーク振幅を有するよう求められてよい。
【0012】
トランスファキャパシタスイッチングデバイスに容量結合されている制御信号にバイアスをかける補助として、第1ノードにあるバイアス電圧をトランジスタ制御ノードに結合された第2ノードに結合するアクティブ回路であるアクティブバイアス抵抗(resistors)を用いることが有用である。目標は、第2ノードに印加される交流駆動信号の振幅を過度に低減することなく第1ノードバイアス電圧を第2ノードに結合することである。前記駆動信号は発振しており、更には、略正弦波状であってよい。このようなアクティブ型バイアス結合回路の実施形態は、2つのノードの間の電圧と比較して、2つのノードの間のインピーダンス制限電流にわたって現れる電圧を実質的に低減するよう構成されてよく、あるいは、代替的に、適切であるようにアクティブデバイスを通る更なる電流による容量充電によって大きな抵抗の存在を完全に回避して電流伝導を制限してよい。それらは、また、第1及び第2のノードの間の電圧がそれらのノード間のピーク電圧と比較して小さい(約0.4V、約0.8V、若しくは約1.2Vよりも小さいと定義されるほど小さいか、又は、代替的に、ピーク電圧の約25%、又は約50%、又は約70%よりも小さいと定義されるほど小さい)場合に、第1及び第2のノードの間を電流が流れることを実質的に妨げることができる。実施形態は、更に、第1及び第2のノードの間のピーク電圧の一部へと充電する容量素子を有してよく、更に、ブリッジ回路であってよく、それによって、2つのノードの間の交流電圧は電流制限回路にわたって可変であるが単極である電圧を引き起こす。電流制限回路は、約10MΩに満たない抵抗と短絡されうるキャパシタンスとの直列回路を有し、アクティブ電流制限回路は短絡されてよい。電流制限直列回路は、選択された電圧を超えるノード電圧について非線形的により大きい電流を導くようバイパス回路と並列に配置されてよい。
【0013】
トランスファキャパシタスイッチングデバイスは夫々、それらが導通し始める対応する閾電圧Vthを有し、一般に、かかるVthに関連する電圧へとバイアスをかけられるべきである。過度に供給電流を吸収せずにバイアス電圧のための基準を与えるために、スイッチキャパシタバイアス供給回路について記載する。実施形態は、クロック信号の第1周期部分の間、容量素子を放電(又は充電)し、クロック信号の第2周期部分の間、ダイオード接続デバイスが出力保持キャパシタに結合されている間ダイオード接続デバイスにより容量素子を充電(又は放電)する。このようなバイアス供給は、単一クロック信号を使用してよく、あるいは、位相関係及び/又は平均電圧レベルにおいて互いに異なる複数のクロック信号を使用してよい。このようなバイアス供給は、具体的に、正弦波状のクロック信号を有して働くよう構成されてよい。
【0014】
整合され且つ適切な特性を有する2つのクロック位相を生成することは困難であるから、電荷ポンプクロックの更なる別の定義は、少なくとも1つの差動インバータ段を含むリング状に結合された奇数個又は偶数個のインバータ段を有するリング発振器によって生成される2つの位相を有することである。差動インバータ段は夫々、第1及び第2のインバータセクションを有してよく、全ての第1のインバータセクションはリング状に連続して結合されてよく、全ての第2のインバータセクションも、偶数個のインバータセクションを用いるリング発振器が、その第1の出力を順番的に次のインバータセクションの第2の入力に結合し且つその第2の出力を順番的に次のインバータセクションの第1の入力に結合することによって1つのインバータセクションの出力を交差結合することを除いて、リング状に連続して結合されてよい。偶数個のインバータ段を有するリング発振器は、また、起動(startup)回路を含むよう求められてよい。かかる起動回路は、非発振状態、又はより具体的にはコモンモード段出力状態を検知することができ、その後、発振駆動信号を供給することができる。より具体的には、起動回路は、差動インバータ段出力のうちの1つの出力電圧を分離するドライブであってよい。奇数個のインバータ段を有する差動リング発振器は、更に、差動フェージングを確かにする位相ロック回路を有するよう求められてよい。適切な位相ロック回路は、他に従来の差動インバータ段の入力及び出力の間に逆並列に結合されている2つの更なるインバータ、又は同様に交差結合されている一対のキャパシタを有してよい。リング発振器が差動であろうとなかろうと、段が少ないほど、望ましくはより矩形でない出力波形が生成されるので、インバータ段の数を制限することは、低高調波成分出力を生成することにとって有利である。結果として、電荷ポンプクロックは、2、3又は4個のインバータ段に制限されるよう定義されてよい。
【0015】
制御回路は、電荷ポンプ出力電圧を所望の値に調整するために用いられてよい。増幅器回路はこのような制御のために必要とされ、然るべく、演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)の実施形態について記載されるが、OTAは一般的適用に適している。OTAの差増幅器回路(OTA−diff amp)は、共有の電流源回路に結合されている共通ドレインを有するトランジスタの差動対においてトランジスタ制御ノードに結合されている差動入力を有する。OTA−diff ampは、更なる可変比率電流ミラー入力ノードを有し、そのノードに印加される信号は、差動入力対トランジスタの一方のトランジスタのドレインブランチにおける検知電流と、差動入力対の他方のトランジスタのドレインブランチにおける前記検知電流のミラー電流との間の比を実質的に制御する。可変比率電流ミラー入力は、例えば、OTA−diff ampのゲインに影響を及ぼし、又は出力電圧レベルを制御するために、使用されてよい。差動出力OTAは、相反する入力ノードを共有する2つの可変比率電流ミラーOTA−diff ampを有してよく、更に、単一のコモンモード制御入力からOTA−diff ampの夫々について可変電流ミラー比率を制御してよい。コモンモード制御入力を駆動する独立ループは、差動出力OTAの2つの出力のコモンモード電圧レベルを選択可能なレベルへと制御するよう構成されてよく、あるいは、2つの出力のうちの一方の電圧レベルを他方の出力の電圧レベルに追随させるようにしてよい。これは、入力不均衡の影響を無効にし、且つ/あるいは、OTA−diff ampの一方のゲインを高めることができる。
【0016】
バイアス生成方法又は装置の実施形態は、当該方法又は装置の個々の態様のいずれかの組合せを用いてよく、幅広いバイアス生成アーキテクチャ及び構成において用いられてよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ソース電圧よりも高いか又はソース電圧とは極性が逆である調整出力電圧を生成するよう構成された電荷ポンプ回路の簡略化されたブロック図である。
【図2A】電荷ポンプクロックがトランスファキャパシタを通って実質的な電流を導くところの電荷ポンプの高度に簡略化された表現である。
【図2B】別個のトランスファキャパシタスイッチング回路とともにトランスファキャパシタを通って実質的な電流を導かない別個のプレクロックを有する図2Aの電荷ポンプクロックを表す。
【図3】実施例に従って供給電圧のおおよそ2倍の負出力電圧を生成するアーキテクチャを表す。
【図4】例となる電荷ポンプの回路素子を示すより詳細なブロック図である。
【図5A】第1のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図5B】第2のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図5C】第3のアクティブバイアス結合回路を概略的に表す。
【図6A】電源から引き出される消費電流を低減しながら単一のクロック位相を用いてバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6B】電源から引き出される消費電流を低減しながら単一のクロック位相を用いてバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6C】電源から引き出される消費電流を低減しながら2つの関連するクロック信号を用いて2つの異なったバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図6D】電源から引き出される消費電流を低減しながら2つの関連するクロック信号を用いて2つの異なったバイアス電圧を生成する回路を概略的に表す。
【図7】電荷ポンプの出力電圧を制御する際に使用される例となる高ゲイン増幅器回路のブロック図である。
【図8】増幅器出力信号の範囲を選択的に制限する回路を概略的に表す。
【図9】同じ比率制御入力電圧によって制御される可変比率電流ミラー回路を夫々含む2つの差動対増幅器回路を有する差動出力演算トランスコンダクタンス増幅器を概略的に表す。
【図10】コモンモード調整可能演算トランスコンダクタンス増幅器のための代替の使用を実証する簡略化された図である。
【図11】可変比率電流ミラー回路の代替実施を実証する簡略化された図である。
【図12A】差動出力の位相が反対であることを確かにするよう逆並列ロック回路を夫々が有する、リング発振器の2つの例となる電流制限差動インバータ段を概略的に表す。
【図12B】差動出力の位相が反対であることを確かにするよう逆並列ロック回路を夫々が有する、リング発振器の2つの例となる電流制限差動インバータ段を概略的に表す。
【図13】リング発振器の電流制限差動インバータ段と、その段の出力位相反転を確かにする任意の交差結合キャパシタとを概略的に表す。
【図14】起動回路に結合される4段式リング発振器の特徴を表す簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態は、図面を参照して、より容易に理解されるであろう。図面において、同じ参照符号は、同じ要素を表している。
【0019】
本願で記載されるバイアス生成回路は、集積回路上に作られ、バイアス電圧及び他の供給電圧を供給する。バイアス生成方法又は装置は、バイアス電圧を生成するために1又はそれ以上の電荷ポンプを用いてよい。電荷ポンプは、本願でその語が用いられる場合には、入力供給からの電荷をトランスファキャパシタに蓄積し、次いで、トランスファキャパシタが結合されているノードを切り替えて、その蓄積されている電荷の一部が出力供給に移るようにするプロセスによって定義される。記載される電荷ポンプは、例えば外部キャパシタ等のフィルタリング部品を別にして、もっぱら単一モノリシック集積回路内にあると期待される。
【0020】
参照により本願に援用される2003年9月8日に出願された関連の米国特許出願第10/658154号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump Method and Apparatus」)で開発されたように、正弦波又は正弦波状の電荷ポンプクロック出力は、特に、正弦波状クロック出力がそれ自体ほとんど高調波ノイズを生成しない方法で生成される場合に、電荷ポンプによる高調波ノイズ生成を低減することができる。クロック信号の容量結合は、このようなアナログ波形が、ソース電源から別の出力供給へと電荷を送り込むのに必要な様々なスイッチングデバイスを制御することができることを確かにしながら、同時の導通が、電源レイル(又は他の低インピーダンスノード)にわたって直列に配置されている全てのスイッチングデバイスについて回避されることを確かにするのに有用である。このような結合が意図されたように働くために、トランスファキャパシタ(時々、フライ(fly)キャパシタとも呼ばれる。)への及び該キャパシタからの伝導が可能な限り低いスイッチインピーダンスを有して可能な限り長い使用可能時間に起こることができるように、極めて正確にスイッチングデバイスにバイアスをかけることが有用である。
【0021】
これらの望ましい状態は、略正弦波状であり、又は少なくとも正弦波に比較して有限な高調波成分を有し、かかる電荷ポンプを含む集積回路を製造する半導体プロセスの電圧能力を考慮して可能な限り大きな振幅を有する電荷ポンプ出力を生成することによって、最も良く満足される。より一般的に、バイアス生成は、更に、過度の電流又は集積回路面積を消費することなく、正確なバイアスレベルが生成されてスイッチに搬送されることを必要とする。
【0022】
バイアス供給は、しばしば、調整する必要がある。そのために、低電流高ゲイン増幅器が有用である。例となるノイズのない調整される電荷ポンプにおいて使用される増幅器は、幅広い適用性を有する例外的な特徴を有する。ノイズがなく効率の良いバイアス生成の様々な態様についての例が本願で記載される。
【0023】
「出力供給(output supplies)」若しくは「追加の電源(additional supplies)」又は「電圧源(voltage supplies)」は全て、回路内のノードの対(すなわち、供給ノード及び基準ノード)を指すことに留意すべきである。このような電源を生成する回路は、一般に、一定DC(直流)又はゼロ周波数電圧でノード対の間の差を保つよう設計される。他の回路は、通常、このような電源に作用して、それらに変動をもたせる。しかし、可変出力供給の場合を除いて、電圧におけるこのような変動は偶発的であり、このような変化する信号の発生源に対して減衰される。供給電圧は、その電圧に課された可変負荷の状態下で略一定なままであるよう設計され、かかる機能におけるそれらの成功は、しばしば、それらの品質の主たる指標である。可変出力供給電圧は、制御レベルの制御下で時々値が変化するが、その場合でさえ、数秒間を超える時間略一定のままであって、動作状態環境に従ってのみ変化すると期待される。1又はそれ以上の回路素子をオン及びオフするよう実質的に異なったレベルに周期的に変化する電圧は、電源又は供給電圧ではなく、制御信号又は制御電圧である。これは当業者によってよく知られているが、しばしば誤解されるので、以下で説明される。
【0024】
[概要]
図1は、予め調整される電荷ポンプの機能ブロックを特定するブロック図を有して、対象のバイアス生成回路及び方法に係る例となる実施形態の基本トポロジを表す。前置調整ブロック1は、ソース電源4の基準ノード2及び供給ノード3に接続されている。フィードバック信号6の制御下で、電力制御回路5は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10への入力となる制御電源8を供給する。スイッチドトランスファキャパシタ回路10は、一部の時間周期の間はソース接続14及び15に結合し且つ他の時間周期の間は出力接続16及び17に接続するスイッチブロック12及び13によって表されるスイッチを介して結合される1又はそれ以上のトランスファキャパシタ11を有する。トランスファキャパシタ11は複数であってよく、それらに結合されるソース(14、15)及び出力(16、17)は、調整ソース接続8、2又は調整出力接続18及び19に間接的にのみ関連する中間ソース又は出力であってよい。スイッチブロック12及び13は任意の数の電子スイッチ(例えば、FET)を表し、これらの電子スイッチは、必要に応じて、トランスファキャパシタの端子を接続するよう働く。これらの電子スイッチは、クロック発生器30の出力信号31の制御下で、接続22を介してスイッチ制御回路20によって制御される。
【0025】
フィードバック回路50は、(出力基準19に対する)出力供給18を、電圧基準40によって供給される基準電圧と比較する。フィードバック回路50は、電力制御回路5を制御する制御信号を生成する。例となる実施形態で、スイッチドトランスファキャパシタ回路10内の電圧を最小に保つことに重点が置かれる。事前の調整は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10に結合された電荷ポンプソースVcp8が所望の出力電圧を供給するのに必要とされるよりも大きくないことを確かにする。かかる前置調整トポロジの代替案として、前置レギュレータ1と同様の調整素子は、スイッチドトランスファキャパシタ回路10の後であるが、出力供給接続18及び19の前に配置されてよく、制御信号6によって同様に接続されてよい。
【0026】
[トランスファキャパシタのスイッチングトポロジ]
例となるトポロジを参照する前に、かかるトポロジの2つの分類の間の区別について記す。電荷ポンプトポロジの第1の分類は、制御専用クロック(control only clock)トポロジと呼ばれ、それらが電荷ポンプクロックと該クロックによって制御されるあらゆるトランスファキャパシタとの間で十分電流を運ばないという事実によって特徴付けられる。電荷ポンプトポロジの第2の分類は、電流搬送クロック(current transfer clock)トポロジと呼ばれ、それらが、トランスファキャパシタを介して出力へと最終的に運ばれる電流の一次ソースである電荷ポンプクロック出力を含むという事実によって特徴付けられる。
【0027】
図1は、制御専用クロックトポロジの電荷ポンプの一例に係るブロック図である。スイッチは、必要とされるように(例えば、スイッチブロック12及び13によって表されるように)、トランスファキャパシタ11の周りに配置されている。これらのトランスファキャパシタスイッチは、ソースからトランスファキャパシタへ、又はトランスファキャパシタから出力部へ電荷を結合する。スイッチ制御回路20及び、特に、この制御回路を駆動する電荷ポンプクロック30の出力31は、トランスファキャパシタスイッチ(12、13)への制御信号しか供給しない。一部の有限電流はクロック出力31及び制御回路20からトランスファキャパシタ11へ導かれる可能性があるが、この電流は十分ではなく、単に制御を提供するのに付随して起こる。例えば、スイッチがFETから成る場合に寄生ゲート容量に起因する電流、又はスイッチがバイポーラトランジスタを有する場合のベース電流は、付随的にトランスファキャパシタに入るが、トランスファキャパシタスイッチがトランスファキャパシタ11の中及び外に意図的に導く電流と比較して大きくない。
【0028】
図2Aは、電流搬送クロックトポロジの電荷ポンプの単純な例を表すブロック図である。この電荷ポンプにおいて、電荷ポンプクロック3000の出力32は、平滑キャパシタ28での蓄積のために、トランスファキャパシタ11へ、最終的には出力供給26に十分な電流を供給するように、トランスファキャパシタ11の端子34へ結合されている。スイッチブロック24で表されるトランスファキャパシタ結合スイッチは、接続22を介してスイッチ制御回路20によって電荷ポンプクロックにより制御されてよい。しかし、トランスファキャパシタ結合スイッチは、また、直接的な制御ライン22を必要とすることなくトランスファキャパシタ11を介して電荷ポンプクロックにより制御可能であるデバイス(例えば、ダイオード接続のFET)であってもよい。いずれの場合にも、この分類の電荷ポンプトポロジの特徴的な性質は、電荷ポンプクロック300からの出力が直接的に十分な電流をトランスファキャパシタ11に供給することである。
【0029】
これら2つの分類の電荷ポンプの間の区別は、異なった電荷ポンプ及び、特に、異なった電荷ポンプクロックを比較する場合に混乱を避けるよう理解されなければならない。しかし、幾つかの点で、区別は大いに図面仕様の事項である。図2Bは、図2Aの電荷ポンプクロック300の内部ブロックを表し、プレクロック(pre-clock)ブロック3030の出力3031の制御下で公称クロック出力32をソース接続Vs13014又はソース接続Vs23015のいずれか一方に結合するスイッチ3012を有する。従って、少なくともこのような例では、クロック設計詳細の観察は、図2Aの電荷ポンプが、重要なスイッチング機能を「クロック」と称されるブロックに組み込むように単純に描かれている制御専用クロックトポロジと考えられることを可能にする。具体的に、プレクロック3030は、スイッチ3012を制御するが電流を(32に接続されているが、図示されない)トランスファキャパシタに直接的に導かない出力3031を有する制御専用の電荷ポンプクロックであると見なされてよい。従って、32を介するトランスファキャパシタ11への電流は、プレクロック3030からは来ず、プレクロック3030の単なる制御下でソースVs13014及びVs23015から入来する。それにも関わらず、多くの電荷ポンプ参照は、このような再特徴付けを可能にする電荷ポンプクロック出力駆動回路の詳細を省略する。結果として、異なった参照において記載される電荷ポンプを比較する場合に、制御専用クロックトポロジと電流搬送クロックトポロジとの間の区別を念頭に置くことが重要である。
【0030】
倍にされ且つ反転された出力を供給する例となるトランスファキャパシタスイッチングトポロジが、図3のブロック図で表されている。トランスファキャパシタ結合スイッチは、スイッチブロック302、304、306及び308によって表されており、それらは全て、(偶数時間スロット中の)位置Aと(奇数時間スロット中の)位置Bとの間で交互に入れ替わると考えられてよい。従って、偶数時間スロット中、スイッチブロック302及び304は位置Aにあるので、第1のトランスファキャパシタTC1310は、ソース接続312(Vcp)とソース接続314(0V)との間に結合されることによって、電圧Vcpに充電される。次の奇数時間スロットの間、4つ全てのスイッチブロックが位置Bになる。TC1310の正側端子は0Vに結合され、負側端子は中間点Vint316に結合され、従って、それは、十分なサイクル後、−Vcpの近くに駆動される。同じ奇数時間スロットの間、第2のトランスファキャパシタTC2318は、ソース接続312(Vcp)と中間電圧Vint316との間にスイッチブロック306及び308によって結合される。十分なサイクル後、負荷が過剰でないとすると、TC2318は、従って、ほぼ2×Vcpに充電される。偶数時間スロットの間、TC2318は出力314(ソース接続と同じ0V)と出力320(Vout)との間に結合される。出力320(Vout)から引き出される電流が過剰でない場合、十分なサイクル後、Voutは−2×Vcpに近づく。図3に表される電荷ポンプブロックのトポロジは第1の制御専用クロックタイプであり、電荷ポンプクロックは十分な電流をトランスファキャパシタに供給せず、代わりに、制御信号のみをトランスファキャパシタスイッチに供給する。
【0031】
図4は、例となるトランスファキャパシタスイッチング回路の幾つかの詳細を表す略ブロック図である。一般に、トランスファキャパシタTC1310及びTC2318は、図3に示されるように切り替えられる。しかし、図4の詳細な回路特性の多くは特異である。クロック出力は、約8MHzで、2つの相反する位相φ1及びφ2の形で供給される。ノイズの生成及び伝達を減らすよう、これらのクロック信号は、本明細書のいずれかの場所で記載されるように、有限な高調波成分を有するべきである。有限な高調波成分を達成するよう、波形は少なくとも角のない形状を有するべきである。より理想的には、有限な高調波成分は波形を実質的に正弦波状にする。また、高効率のために可能な限り堅固(hard)にFETを駆動するために、FETの端子間の耐圧容量及び利用可能な電圧を考慮してできるだけ大きいピーク・ツー・ピーク電圧を有することが波形にとって望ましい。例となる実施形態で、クロック出力振幅は約2.4V(ピーク・ツー・ピーク)である。
【0032】
この回路の詳細は、ほとんどの場合に出願人によって使用される半導体プロセスに特有であるが、当業者は難なく、異なった半導体プロセッシングパラメータを適合するよう、詳細を変更することができる。かかるプロセスは次のFETタイプを含み、これらから回路部品の大部分が製造される。NチャネルFETは、450mVの公称閾電圧を有するレギュラー(Regular)N(RN)FETと、700mVの公称閾電圧を有する高ドープ(High doping)N(HN)FETと、900mVの公称閾電圧を有する濃酸素高ドープ(Thick oxide High doping)N(THN)FETとを含む。THN FETは、RN FET及びHN FETの2.7V耐圧と比較して、約3.6Vであるゲート耐圧を有する。デプリーションモード(Depletion-mode)N(DN)は、約−1Vの閾電圧を有する点を除いてHN及びRNと同じであり、これにより、通常の環境下で十分に導通する。それは、標準的なゲート電圧耐性容量を有する。対応するPチャネルFETは、−400、−600及び−800mVの公称閾電圧を夫々有するR(レギュラー)、H(高ドープ)、及びTH(濃酸素高ドープ)P FETを含む。IN、すなわち内在(intrinsic)FETは約0Vの閾電圧を有してよい。
【0033】
大部分のキャパシタは、1つの端子としてDN FETのドレイン及びソースを接続し、他の端子としてゲートを使用することによって、製造される。このようなキャパシタは、標準的なゲート電圧耐性容量にのみ等しい作動電圧を有する。キャパシタンスは、FETキャパシタがバイアスをオフされる場合に低減し、これは、ソース及びドレインが連結されている(すなわち、キャパシタとして構成された)DN FETが、そのゲートがチャネルよりも約1Vだけ負側に大きいように充電される場合に起こる。従って、調整は、大信号バイポーラ動作のために行われてよい。例えば、金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタは、線形性が重大である場合に使用されてよく、あるいは、2つのDN FETデバイスは、線形性が懸念事項でない場合に逆並列に配置されてよい。他方で、IN FETから形成されるキャパシタは、極めて非線形な特性を有する。すなわち、電圧が零(すなわち、閾電圧)になる場合に、チャネルは、キャパシタの面を生成するという点で実質的に有効でなくなり、従って、キャパシタンスは、より高い電圧でのキャパシタンスのおよそ20%の極めて低い値になる。
【0034】
図4のトランスファキャパシタスイッチング回路は、4つの電圧源レイル、すなわち、1.7Vから2.4Vまで制御可能である電圧Vcp312と、0V314と、負荷に依存しておよそ−Vcpである中間電圧Vint316と、負荷に依存しておよそ−2×VcpであるVout320とを有する。記載されるように、Voutは、約2.4Vのソースに基づいて、必要に応じて、約1.7Vよりも大きいようVcpを制御するフィードバックループによって少なくとも3.4V(負)の大きさを有するよう制御される。
【0035】
TC1310の1つの端子は、交互に、PチャネルFETであるHP402を介してVcp312へ、又はNチャネルFETであるHN404を介して0V314へ結合される。いずれのFETデバイスも、夫々結合キャパシタC406及びC408を介してデバイスのゲートへ容量結合される同じクロック信号φ1から駆動される。C406及びC408は、夫々、それらの対応するFET HP402及びHN404のゲート面積よりも約23倍大きいゲート面積を有するDN FETとして製造されてよい。FETデバイスは半時間のみ導通しているので、C406及びC408の実効キャパシタンスは、それらが駆動する対応するFETのゲートとソースとの間の実効キャパシタンスよりもおよそ46倍大きい。C406及びC408のキャパシタンスは約0.75pFであってよい。
【0036】
例となる実施形態で、HP402の実効ゲート寄生キャパシタンスは、結合キャパシタC406のキャパシタンスの約1/46である。従って、容量性分圧は約2%だけ信号を減衰し、HP402のゲートでの信号はクロック電圧の約98%である。しかし、ゲートバイアス電圧は、例えばバイアスインピーダンスZ412を介してゲートへ結合されなければならない。Z412が抵抗である場合、それは、望ましくは、ゲート駆動信号を有意に更に減衰させないように約4MΩでなければならない。FETスイッチのゲイン並びにクロック信号φ1及びφ2の利用可能な大きさに依存して、これは問題とならないことがある。プロセス要因に依存して、幾つかの実施形態で、クロック動作周波数f0において、FETゲートでのクロック信号の減衰を制限する(すなわち、20%、10%、5%又は3%よりも小さい)ために線形インピーダンスを用いれば十分である。バイアスインピーダンスZ412は抵抗であってよく、あるいは、f0で十分に低い減衰を達成するよう誘導特性を有してよい。
【0037】
他のFETスイッチの夫々は、また、同じようにφ1又はφ2によって駆動されるので、ゲイン値並びにそれらの対応するキャパシタンス及びバイアスインピーダンスの値は、HP402に関して記載される同じ考慮に従って選択される。通常、φ1及びφ2は同じ振幅を有し、夫々のHP402、414、416及び418は略同じ特性を有するので、夫々の対応する結合キャパシタC406、420、C422及びC424は、夫々の対応するバイアスインピーダンスZ412、A426、Z428及びZ430並びに夫々のバイアス電圧RP_Vt410、432及び434と同じように、同じ値を有する。
【0038】
PチャネルFETと同じく、NチャネルFETスイッチHN404、436、438及び440は、一般に、互いに略同じ特性を有する。結果として、バイアスインピーダンスZ442、Z444、Z446及びZ448、結合キャパシタC408、C450、C452及びC454、並びにバイアス電圧HN_Vt456、HN_Vt458及びHN_Vt460を含む対応する部品も互いに同じであってよい。
【0039】
しかし、φ2をHP426及びHN438に結合することは、例となる半導体製造プロセスの通常の〜3ボルトDN型FETキャパシタよりも高電圧のキャパシタを必要とする。従って、これらの低電圧DN型FETキャパシタは、実効電圧耐性容量を増大させるよう直列に配置される。回路構造に起因して、キャパシタ422及び454は例えばキャパシタ406等の他の結合キャパシタの2倍大きく作られ、キャパシタ462は4倍大きく作られ、それにより、HP416及びHN438のゲートでの実効振幅は他のトランスファキャパシタスイッチFETのゲートの夫々での振幅とおおよそ同じである。C462とC422、C452との間の接合は、バイアスインピーダンスZ464を介してRP_Vt432にその接合を結合することによって、中点電圧にバイアスをかけられる。
【0040】
トランスファキャパシタTC1は約15から30pFであってよく、一方、TC2も15から30pFであってよい。より大きなトランスファキャパシタは効率を高めるが、大きな半導体面積を必要とする。例となる実施形態において、TC1及びTC2は、たった約2.7Vの作動電圧を有するキャパシタ接続のDN FETとして製造される。TC2に対する電圧ストレスは単一デバイスの耐性容量を超えるので、TC2は実際には直列に2つのキャパシタンスを用いて製造される。所与のキャパシタンスを得るよう、〜6ボルトTC2は、従って、〜3ボルトTC1よりも4倍大きい面積を必要とする。このような不利な面積条件を考慮して、TC1は比較的大きく作られてよく(約30pF)、一方、TC2は15pFのままであり、従ってサイズはたった2倍である。特定の製造プロセスが不利な面積条件を有さない場合、ほぼ同じ係数だけ両デバイスを増大させることが、より有効である。
【0041】
例えばVcp312と0V314との間に配置されたHP402及びHN404のように、低インピーダンスソースの間に配置されたトランスファキャパシタスイッチ対について同時の導通を回避することが重要である。この目的のために、両デバイスは、クロック駆動信号がその平均値と該値を下回る200mVとの間にある場合に、オフにされる。HP402のゲートでの平均又はバイアス電圧は、大きなバイアスインピーダンスZ412を介してゲートに結合されるRP_Vt追跡ソース410によって制御される。しかし、HPデバイスの閾電圧の大きさは、RPデバイスのものより約200mV大きい(〜−600mV)ので、RP_Vt追跡ソース410は、バイアス電圧を、HP402等のHP FETの閾電圧(〜−600mV)よりも約200mV小さく設定する(〜400mV)。しかし、HN404等のN型FETは、HN_Vtバイアス供給(HN404のためのHN_Vt456)によって約700mVのそれらの閾電圧へとバイアスをかけられる。従って、各FET対における両デバイスは、例となるクロック信号の1.2Vピーク波形においてクロック半周期の5%を僅かに上回るオフ時間(すなわち、f0=8MHzの場合に約3.3ns)に等しいクロック信号の範囲の約200mV外でバイアスをオフされる。これらの集積回路内で物理的に近いデバイス間のパラメータのばらつきはごく小さく、動作条件にわたって互いに追随する傾向を有するので、この小さな公称オフ時間は適切である。
【0042】
[アクティブバイアス抵抗器]
例となる電荷ポンプ回路において、トランスファキャパシタスイッチングFETのゲートで最大クロック信号振幅を保つことが望ましい。ゲート信号振幅を減衰させないよう、バイアスインピーダンスの大きさは、比較的大きく、例となる実施形態では理想的に約4MΩである必要がある。幾つかの半導体プロセスにおいて、大規模アクティブ回路のインピーダンスと比べて、かかる大きさの簡単な抵抗器はより大きなデバイス面積を占め、更に/あるいは、結果として得られるインピーダンスは制御するのがより難しい。アクティブバイアスインピーダンス回路は、有意な容量性部品を含む複素インピーダンスを有してよい。しかし、均一な発振信号を与えられる容量結合されたFETゲートで正確なバイアス電圧を確かにするアクティブ回路は、線形インピーダンスを全く示す必要がない。代わりに、完全に非線形なアクティブ回路がアクティブバイアス抵抗器(active bias resistor)として用いられてよい。
【0043】
図5Aは、端子A502とB504と間に配置されている当該アクティブバイアス抵抗器回路の一例を概略的に表す。それは、定常状態動作においてほとんど電流を導かない極めて非線形なブリッジ回路である。十分な大きさの発振電圧が端子A502とB504との間に現れるとすると、回路は、A端子とB端子との間の交流ピーク電圧の大きさを一様にするよう、必要に応じて電流を導く。ピーク電圧が等しい場合、中点電圧も等しい。例となる実施形態において、端子電圧の1つはDC値(Vt)であるから、回路は、他の端子の正側及び負側のピークがDC値に関して正確にバランスをとられることを確かにするよう働く。
【0044】
端子A502での電圧が端子B504での電圧よりも大きい場合に、正側の半サイクルの間のピーク電圧の大きさをVabpとする。また、端子B504での電圧が端子A502での電圧よりも大きい場合に、他方の負側の半サイクルの間のピーク電圧の大きさをVbapとする。正側の半サイクルの電圧がTHN508の閾値(約900mV)を超える場合、THP506及びTHN508のFETはオンされ、直列接続されているC510及びR512をAとBとの間に結合する(R512は端子A502に結合される。)。C510は、約0.5pFのキャパシタ接続されたDN FETであってよく、且つ、R512は約93.5kΩであるから、それらは、約3.4MHzで極を確立する直列RC回路を形成する。夫々の正側の半サイクルの間、C510は、Vab(Vab>900mV)の平均値を反映する電流を導く。同じことが、端子B504の電圧が900mVだけ端子A502の電圧を超える場合に、負側の半サイクルの間に起こる。但し、Vbaが0.9Vを超える場合には、THP514及びTHN516が導通する(THP506及びTHN508はオフである。)。従って、端子B504はR512に接続されるので、Vba>900mVの間、C510は、この期間中のVbaの平均値を反映する電流を導く。
【0045】
Vab(Vab>0.9V)の平均値がVba(Vba>0.9V)の平均値よりも大きい場合、更なる電流が正の半サイクルの間に端子Aから端子Bへ流れて、C510での電圧を増大させる。Vbaが依然としてVabよりも小さいとすると、電流は負の半サイクルの間にC510から流れ出て、端子Aから端子Bへと流れる正味の正電流と等しい、端子Bから端子Aへと流れる正味の負電流を引き起こす。従って、夫々の半サイクルの間、正味の電流は、より高電圧の端子(その期間中、低い方の端子よりも0.9V以上大きいより高い平均電圧を有する端子)からより低電圧の端子(その期間中、より高電圧の端子よりも0.9V以上小さいより低い平均電圧を有する端子)へと移動する。ゲート接続された端子を通るDC電流はないとすると、これは、ブリッジが導通している(すなわち、V>0.9V)場合に、2つの端子を、夫々の半サイクルのその部分の間、全く同じ平均電圧とする。対称である正及び負の半サイクルを有する端子A及びBの間の如何なる波形に関しても、導通期間中の平均電圧を等しくすることは、夫々の端子電圧の全体の平均値を等しくすることと等価であり、2つの端子でのDC又はバイアス電圧を一様にする。
【0046】
端子A及びBの間の電圧が約900mVよりも小さい場合は、電流は全く流れない。閾値が超えられている時間中、C510は、両半サイクルの間、平均電圧へと充電しようとする。端子A及びBの間のピーク電圧が1.2Vであり、且つ、THN508及び516の閾値が0.9Vであるとすると、電流は、夫々の半波のおおよそ真ん中80度の間流れ、C510は約1.1Vに充電する。各半サイクルにわたる平均電流は定常状態では当然ゼロであるが、流れる電流は非正弦波である。THN518及びTHN520のFETは、1.8Vの公称結合順方向電圧を有し、ピーク電圧の1つ、すなわち1.2Vが1.8Vに達する場合に大電流が流れることを可能にすることによって、迅速なバイアス調整を可能にする。
【0047】
図5Bは、発振駆動信号の存在下でゲートにバイアスを設定する簡単な代替回路を表す。端子A502での電圧が、ダイオード接続のRN522(〜450mV)及びRP524(〜400mV)の結合された閾電圧の大きさだけ端子B504での電圧を上回る場合、電流は、R526(例えば、200kΩ)によって制限されるように端子Aから端子Bへ流れる。端子B504での電圧が、ダイオード接続のRN528及びRP530の結合された閾電圧の大きさだけ端子A502での電圧を上回る場合、電流は、R526によって制限されるように端子Bから端子Aへ流れる。従って、正味の電流は、他方の端子に対して僅かに大きい電圧を有する一方の端子から流れる。2つの逆並列のダイオード接続FET対の閾電圧の組合せは適切に整合されるので、2つの半サイクルの間の平均電流フローは、平均電圧がバランスを取られる場合に、釣り合う。
【0048】
図5Cは、発振駆動信号の存在下でゲートにバイアスを設定する更なる代替回路を表す。図5A及び図5Bとは異なって、図5Cは、端子A502及びB504に対して完全に対称であり、2つの同一の回路がこれらの端子の間に逆並列に配置されている。また、図5Cの回路は、如何なる大きな抵抗器も全く必要としない。代わりに、電流制限は、スイッチドキャパシタ効果によって達成される。すなわち、電流は、入力信号の各サイクルにおいて小さなキャパシタを充放電することに依存する。
【0049】
VA(A502の電圧)がVB(B504の電圧)を超える半サイクル毎に、たった約12.5fFのキャパシタC1532は端子AからBへと結合される電荷を制限する。電荷は、FET536(正の半サイクルの間)又はFET534(負の半サイクルの間)のいずれかを通る完全容量性変位電流であり、ダイオード接続のFET536を通る正側半サイクル電流を反映するに過ぎないFET538及び540を通る電流がなければ、ゼロ平均値を有する。FET540は必須ではないが、ミラーFET538のVdsチャネル変調を軽減する。VBがVAを超える半サイクルに関して、C2542並びにFET544、546、548及び550を有する逆並列の回路は、C1532並びにFET534、536、538及び540と全く反対に動作する。
【0050】
有用であるが必須でない回路の特定の特徴が存在する。一例として、C1532は、ソース及びドレインが連結されており、キャパシタとして構成されたFETである。例となる実施形態で、FETはINAタイプであってよい。「INA」は、FETが内在(intrinsic)Nチャネルであって且つサイズA(チャネル幅は1.4ミクロン、長さは2ミクロンであり、一般に、W/L=1.4/2ミクロンと示される。)であることを示す。特定のプロセスにおいて、INタイプのFETは、約ゼロ電圧の閾電圧Vthを有する。Vgs(=Vgd)がVth(ゼロ)よりも小さい場合、FETのチャネルは実際上消失し、それにより、C1532のキャパシタンスは、Vgsがゼロよりも大きい場合のたった約20%の大きさである。記載される例となる実施形態において、C1532は、Vgs>0Vの場合に約12.5fFのキャパシタンスを有するが、Vgs<0Vの場合にはたった約2.5fFである。端子A502及びB504の間の1つの典型的なAC電圧は1.2Vピークであり、RNタイプのFETは約0.7VのVthを有する。回復(recovery)の間、VBがVAを超える場合、C1532は、最終的に、約−0.5Vの端子間負電圧をサポートする。しかし、この条件下で−0.5Vを確立するのに必要とされる電荷の量は、+0.5Vを確立するのに必要とされる量のたった5分の1にすぎない。結果として、C1は、VAが約0.2Vを超えた場合に、変位電流を必要とする微少電荷を有してリセット半サイクルを出る。そして、電流は、VAが約0.6Vに増大するまで無視可能である。これは、サイクル毎の全体的な電荷移動を小さく保つのを助け、それにより、アクティブバイアス回路は、非常に大きな値の抵抗器に係る低電流消費を有する。しかし、それは、このような大きな値の抵抗器に比べてはるかに小さい集積回路面積しか必要としない。
【0051】
図5Cの回路は、端子A502及び端子B504の間に与えられる発振波形の振幅がFET536及び538のVth(相反する半サイクルに関してはFET546及び548のVth)よりも大きいピーク値を有する場合に、最も良く働く。なお、A及びBの間の発振波形の振幅に対する上限のみが、FET534及び536の最小閾電圧(相反する半サイクルに関してはFET544及び546の最小Vth)だけ増大されたC1532及びFET540(相反する半サイクルに関してはC2542及びFET550)のブレイクダウン電圧である。
【0052】
正側の半サイクルにおいて図5Cに表されるアクティブバイアス抵抗器によって導かれる電荷は、FET538でのミラー電流とC1532の変位電流との和である。変位電流は、C1532をリセットするよう負側の半サイクルの間逆流して、端子A502から端子B504へ結合される正味の電荷としてFET538でのミラー電流を残す。相反する半サイクルにおいて、正味の電流はFET548を流れるミラー電流である。閾電圧が整合され、且つ、C1532のキャパシタンスがC2542のキャパシタンスと等しい限りにおいて、端子AからBへ結合される電荷は、半サイクル振幅が同じである場合にのみゼロになる。そうでない場合には、正味の電流が流れ、バイアスをかけられているノードの平均電圧(例えば、VA)をバイアスソース電圧(例えば、VB)へと移動させる。通常、バイアスをかけられているノードは、比較的大きいFETのゲートである。
【0053】
アクティブバイアス抵抗器は、従来のバイアス抵抗器と同じく、選択されたノードの電圧を、回路の一方の側に印加されているバイアス電圧の平均電圧と同じ平均電圧にさせる。しかし、アクティブバイアス抵抗器は、ノード電圧を、同じ機能を実行し同じ平均電流を導く従来の抵抗器よりも実質的に速やかにバイアスレベルに到達させる。図5Cに表されている実施形態は、このようなより高速な追随に特に適している。しかし、たとえ抵抗器が図5に表されている実施形態のために必要とされないとしても、抵抗器はこの回路に係る何らかの実施形態とともに用いられてよい。しかし、このような抵抗器はいずれも、100kΩ、又は50kΩ、又は20kΩ、又は10kΩ、又は1kΩを超えない最大値に制限されて良い。極めて小さい抵抗器が不利な条件を伴うことなく使用され得る。これは、そのような抵抗器は極めて小さい集積回路面積しか必要とせず、より大きな抵抗器が実質的な面積を占有するためである。
【0054】
[Vtトラッカ]
閾値設定回路は、単純に、制限抵抗を介してソース電圧に結合されるダイオード接続FETであってよい。なお、バッテリ駆動デバイスのためのソース負荷を最小限とするよう制限抵抗は非常に大きい必要があり、そのため、ダイオード接続FETは極めて低い電流で動作し、更に、大きな抵抗のための不利な面積条件が多くの半導体プロセスにおいて導入される。然るに、図6A〜Dは、ソースからほとんど電荷を引き出すことなく(すなわち、低平均電流)、FETにバイアス電圧を供給するスイッチドキャパシタ回路を概略的に表す。このとき、クロックは略正弦波状であってよい。図6A及び図6Bは、夫々、HN FET及びRP FETにVtを供給するために単一クロック位相を用いるVtトラッカを示す。図6C及び図6Dは、夫々、HN FET及びRP FETによりロバストなVtを供給するために2つのクロック位相φ1及びφ2を用いるVtトラッカを示す。
【0055】
図6Aで、VSS604に対するソースVDD602(2.5Vより低い)は、クロック電圧が約1.6V(Vt THN〜900mVmVt HN〜700mV)に増大する場合に、THN608及びHN610を介してC606(4fF)を充電し始める。ほぼ同時に、THN612はオンし、出力HN_Vt614及び平滑キャパシタC616(200fF)をC606及びダイオード接続HN616に結合する。これにより、出力レベルが設定される。C606は(VDD−HN_Vt)の電圧に充電し、必要とされる場合にC616に電流を供給する。クロック(2.4Vp−p)が2.4Vピーク値を通り、約1.6Vに戻ると、THN612及び608並びにHN610はオフし、THP618がオンし、C606を放電し、THN608及び612をより強制的にオフする。この状態は、クロックが約0Vの負ピーク値を通って約1.6Vに増大するまで優勢であり、クロックが約1.6Vに増大した時点で、他のサイクルが始まる。C606及びC616は、適切な面積のキャパシタ結合されたDN FETであってよい。
【0056】
図6Bは、図6Aと同類のRP−FETであるが、VDD601は2.1Vよりも小さくなければならない。クロック信号がそのピーク(約2.4V)からVDDを下回る約1.2Vまで落ちるとき、クロック信号は略正弦波状であってよく(すなわち、0.9Vより小さい)、C620(4fF)はTHP622(Vt〜800mV)及びRP624(Vt〜400mV)を介して充電し始める。THP626はその後にオンし、出力電圧レベルを設定するダイオード接続RP624のドレインを出力RP_Vt628及び平滑キャパシタC616へTHP622を介して結合する。クロック信号がVDD601を下回る1.2Vに戻るとき、RP624、THP622及びTHP626はオフする。THN632は、クロック信号が〜0.9Vに達するときにオンして、C620を放電する。THN632は、RP624、THP622及びTHP626がオフする前に有意にオンすべきではなく、そのため、VDD601は2.1Vを超えるべきではない。
【0057】
図6Cは、回路にパラメータ変動に対する更なる耐性を持たせるために2つの異なったバイアス点でクロック位相を用いるスイッチドキャパシタHN_Vtトラッカを概略的に表す。クロック信号clk_n638が約1.15Vを超える場合に、電源VDD602/VSS604はRN634及びHN610を介してC606(4fF)を充電し、ダイオード接続HN610のVt設定ドレイン電圧はRN634及びRN636を介して出力HN_Vt614及び平滑キャパシタC616(〜200fF)に結合される。clk_n638は約2.4Vp−pの近似正弦波であってよく、VSS604を上回るHN_Vtの平均電圧(約700mV)を有するようバイアスをかけられている。従って、clk_n638は、その180度正側半サイクルの真ん中約136度の間にのみ1.15Vを超え、各端では約22度の間非導通のままである。HN610は、HN_Vtの出力レベルを約700mVに設定し、RN634及び636の閾値は約450mVである。clk_p640は、VDD602を下回って約400mVであるRP_Vtの平均電圧にバイアスをかけられている点を除いて、clk_n638と略同じである。クロック信号clk_p640がVDD602を下回って0.4Vよりも大きいとき、RP642がC606を放電するようオンであるから、RN634及び636並びにHN610はオフでなければならない。この状態は、クロック波形の負側のほぼ半サイクル全体にわたって存在する。clk_n638はクロック出力に容量結合されてよく、本願で記載されるアクティブバイアス抵抗器をclk_n638とHN_Vt614との間に配置することによってバイアスをかけられてよい点に留意すべきである。同様に、clk_p640は、他のキャパシタによって同じクロック出力に容量結合されて、図6Dのclk_p640と出力RP_Vt648との間にアクティブバイアス抵抗器を配置することによってバイアスをかけられてよい。
【0058】
図6Dは、図6CのHN_Vtトラッカとは逆関係のRP_Vt追跡回路を概略的に表し、2つのクロック信号(HN_Vtにバイアスをかけられた)clk_n638及び(VDD602に対してRP_Vtにバイアスをかけられた)clk_p640を使用してよい。clk_p640がVDD602(バイアスレベルを0.4V下回る。)を下回って約0.8Vよりも大きいクロック負側半サイクルの部分の間、C620(4fF)は閾値設定用ダイオード接続RP624及びRP644を介して充電し、RP646はRP624のドレインを出力RP_Vt648及び平滑キャパシタC630に結合する。正側のクロック半サイクルの間、clk_n638がそのバイアスレベルHN_Vt(約0.7V)よりも大きいとき、HN650は、C620を放電するようオンされる。HN650はクロック正側半サイクルのほぼ全体にわたってオンであるが、RP624及び644と同時に導通しない。RP646は、クロックが約400mVであるか又はそのバイアス点を更に下回るときにのみオンであり、クロック信号の負側半サイクルの各端で約20度の間非導通のままである。
【0059】
[電荷ポンプ出力制御フィードバック回路の詳細]
図1のブロック50は、電荷ポンプからの出力18及び19を、ブロック40によって供給される基準電圧と比較し、その誤差から前置調整回路5を制御する電圧6を生成する積分増幅器である。如何なる適切な差動入力演算増幅器もブロック50に使用されてよいが、例となる実施形態は、図7、特に、差動コモンモード制御演算トランスコンダクタンス増幅器(CM_OTA)で概説されるように、この機能のために或る独自の回路を用いる。
【0060】
図7の積分増幅器の全体は、差動入力712及び714と、非反転及び反転差動出力716及び718と、CM_tune入力電圧が増大する場合に出力716及び718の間の出力コモンモード電圧を低減するCM_tune入力720とを有する差動CM_OTA710を有する。差動CM_OTA710の肯定出力716は、事前の調整(図7には図示せず。)を制御するよう出力駆動信号を供給する。差動CM_OTA710のゲインは、積分増幅器50内の内部コモンモードフィードバックループによって制御される。
【0061】
コモンモードフィードバックループは、CM_OTA710の差動出力のコモンモード電圧を調整するよう必要に応じてCM_tune入力部720を駆動し、それにより、負側差動出力718は肯定差動出力716と同じ平均値を有する。ユニティ・ゲイン・バッファ730は、CM_OTA710の肯定出力716の電流制限されたものをレンジリミッタ740に供給する。単純なシングルエンドのOTA750は、CM_OTA710の反転出力718と非反転出力716のレンジ制限されたもの742との間の差を積算する増幅器760として構成される。増幅器760のゲインの大きさは、この回路が扱う電荷ポンプの動作周波数f0(約8MHz)を若干下回る約5MHzの、C766(300fF)によって設定される周波数を上回って、R762(200kΩ)及びR764(100kΩ)によって0.5に制限される。例となる実施形態において、増幅器710、730及び750の出力の夫々は、約2μAよりも小さい電流駆動容量を有する。CM_OTA710の反転出力718と接地との間の小さいキャパシタ(〜100fF。図示せず。)は、制限された電流容量を考慮して、追加の安定のために高周波ループゲインを低減するのに有用である点に留意すべきである。
【0062】
数10mVよりも大きい差動入力が飽和してフィードバックをロックアップすることができるように積分器50は高いゲインを有して動作するよう設計されるので、出力レンジリミッタ740がしばしば必要とされる。図8は、適切なレンジ制限回路を概略的に表す。レンジ制限出力信号742は、上限電圧802及びD804の順方向電圧の和よりも正側に大きくなることを妨げられ、且つ、下限電圧806からD808の順方向電圧を引いたものよりも負側に大きくなることを妨げられる。D804及びD808はダイオード接続のFET、例えば、約400mVの順方向電圧を有するRP FETであってよい。RN810(Vthは約450mV)は、RN814のカスコード構成によってbiasn2816によって設定されるレベルに制御されるRN810のドレイン電圧を有して、電流設定電圧biasn1に基づいて約1.5マイクロAの電流を設定する。RP818及びRP820は、例となる実施形態においてダイオード接続され、上限電圧802がVDDを下回って約800mVよりも小さい場合に、RN810によって設定される電流の全てを導く。742での信号は、D804の順方向電圧を超えてその電圧を上回る。すなわち、言い換えると、信号742の正側の偏位は約VDD−400mVに制限される。
【0063】
信号742は、同様に、biasp2828によって制御されるカスコードRP826によって供給されるドレイン電圧を有して、biasp1824に基づいてRP822によって供給される全ての電流をシンクすることなく、下限電圧806を下回ってD808の順方向電圧(約400mV)よりも低くないよう制限される。より高い、RP832のゲートに印加されるVlow1830、及びRP836のゲートに印加されるVlow2834は、下限電圧806を設定する。信号742は、D808に順方向バイアスをかけるほど十分低くなる場合にクリッピングされる。
【0064】
[コモンモード電圧制御可能差動OTA]
図9は、図7の差動CM_OTA710の例となる詳細を概略的に表す。正側の差動入力対FET902及び904の電流は、カスコードRN908と協働してRN906によって、2μAよりも小さく設定される。FET902は、電流ミラー検知デバイスRP910に電流を確立する。電流ミラーは、FET904のドレインに与えられる電流に、RP910によって導かれる電流を実質的に反映させる。しかし、RP910を通って導かれる電流(検知電流)と、FET904のドレインでの出力に運ばれる電流(ミラー電流)との間の比は、コモンモード制御入力CM_tune912に与えられる電圧によって連続的に制御されてよい。通常のコモンモードフィードバックはロー(low)に保たれたCMF_on914によって有効にされるとすると、RP916によって与えられる約1/2の固定反映比率は、RP918及び920での更なる反映的電導によって増大されてよい。CM_tune912がRP922を完全にオフするほど十分に高い場合、2:1の電流ミラー比に関して、RP916は半分のサイズであり、RP910で検知される(RP910によって導かれる)電流の約半分の電流を反映する。しかし、CM_tune912が極めて低い場合、RP916、918及び920の総面積はRP910の面積の2倍であるから、RP916、918及び920は1:2の電流ミラー比だけ増大されたRP910の電流を反映する。CM_tune912が低下するにつれて、RP918及び920は、検知デバイスRP910の電流よりも漸進的により大きい倍数の電流を反映する。このように、CM_tuneは、約1:2から約2:1までの範囲にわたって差動入力対902及び904の実効電流ミラー比率を制御することができる。
【0065】
OTA(OTA−diff amp)内の差動増幅器回路は、コモンエミッタ又はコモンソース構成で接続されているトランジスタ(例えば、902及び904)の入力差動対の夫々への入力を有する回路である。コモンソースは、おおよそ電流源のように振る舞う回路(例えば、適切にバイアスをかけられたRN906及び908)に結合される。このようなOTA−diff ampは、入力差動対デバイスの夫々のドレイン又はコレクタに結合されている2つのブランチを有する。通常、ブランチの一方は、電流ミラーのための電流検知素子(例えば、RP910)を通って電流を導き、他方のブランチは、例えば、検知デバイスによって生成されたゲート電圧にバイアスをかけられた同等のデバイスを有することによって、検知素子によって導かれる電流を反映するミラーリング(mirroring)電流からミラー(ド)(mirrored)電流を受け取る。通常、ミラーリング回路は、検知デバイスを厳密に整合させて、約1:1のミラー比率を設定する単一デバイスである。なお、可変比率電流ミラーOTA−diff ampと呼ばれる回路において、検知電流とミラー電流との間の実効比は必ずしも1:1であるわけではなく、それは制御入力に基づいて連続的に変更される。それを達成する1つの方法は、検知回路と比較してミラーリング回路の有効サイズを制御することである。図9で、例えば、デバイス916、918及び920は全て、ミラーリング回路の部分であってよい(RP932がバイアスをかけられている場合)。しかし、RP922のドレイン電圧はRP918及び920によってこのようなミラーリング回路に有効な貢献を与える。このようにして、RP922のドレイン電圧を制御することは、実効電流ミラー比率を連続的に制御することができる。電流ミラー比率を変更する代替の方法は、一方のブランチにおいて単純なミラーリング回路(例えば、単一FET)を使用し、且つ、検知回路の実効サイズを変更し、又は導かれて検知デバイスによって検知されるブランチ電流の割合を変更しながら、他方のブランチで電流検知回路を制御可能に平行させ又は短絡することである。この代替案は図11に表されている。
【0066】
このようにして、可変比率電流ミラーOTA−diff ampは、差動入力対トランジスタの一方のブランチで検知される電流と、検知された電流を反映する他方のブランチでのミラー電流との間の比を実質的に制御する信号を印加される追加の可変比率電流ミラー入力ノードを有する。このようなOTA−diff ampでの可変比率電流ミラー入力は、例えば、OTA−diff ampのゲインに作用するために、又は一方のブランチから取り出される出力電圧レベルを制御するために、使用されてよい。図9の回路は、例えば、差動出力のコモンモード電圧を制御するために2つの異なった可変比率電流ミラーOTA−diff ampを用いる。
【0067】
図9で、FET902及びFET904のゲートは、第1の差動入力対のための夫々プラス入力(inP)及び反転入力(inN)である。FET925及び924のゲートは、第2の差動入力対のための夫々プラス入力及び反転入力である。CM_OTAの非反転出力(outP)926は、第1の入力差動対のFET904のドレインにあり、一方、反転出力(outN)928は、第2の入力差動対のFET925のドレインにある。RP930は、第2の差動増幅器回路の電流ミラーのための電流を検知する。
【0068】
RP932及びRP934は、CMF_on入力914での高(high)電圧によってオフされる場合に、両方の差動回路におけるミラーリングFETのうちの最も大きいもの(FET920及び940)に電流が流れないように、両方の差動対回路において働く。第2の差動対回路において、RP936、938及び940は、第1の差動対回路におけるRP916、918及び920によって果たされるのと同じ目的を果たす。第2の差動対回路におけるRN942及び944は、また、第1の差動対回路のRN906及び908と同じように機能する。例となる実施形態において、RP916及び918並びに936及び938は夫々、対応する電流設定用FETであるRP910及び930の半分の実効サイズを有する。RP920及び940はRP910及び930とサイズが等しい。従って、RP932及び934がオフされ、RP922が完全にオンされる場合に、夫々の電流ミラーは約1:1の比率で固定される。例となる回路で、CMF_on914が無効にされる(ハイである)場合、CM_tuneは依然として電流ミラー比率に対して何らかの影響を持ち、電流ミラー比率を約1:1に固定するよう十分に低くされるべきである。
【0069】
可変電流ミラー比率は、RP922によって両方の差動入力対について制御される。各差動回路の非出力ブランチ(RP910及び930)における電流は、夫々の電流ミラーについてセンサによって検知される電流であり、一方、出力926及び928は、夫々、選択可能なFET918及び920並びに選択可能なFET938及び940に接続されている。従って、RP922の導通性を高めることは、両方の出力outP926及びoutN928の電圧レベルを高めるとともに、コモンモード出力電圧を増大させる。RP922の導通性が弱まる場合に、反対のことが起こる。このように、RP922は、図9の差動出力CM_OTAのコモンモード出力電圧を制御する。
【0070】
再び図7のコモンモード制御ループ50を参照すると、CM_OTA710のコモンモード電圧は、差動出力716及び718の平均電圧の間の中点である。肯定出力716は増幅器760の反転接続に結合されているので、CM_tune720は肯定出力716とは逆に変化し、従って、出力コモンモード電圧は肯定出力716に追従する。コモンモード電圧は、肯定出力716のDCレベルに等しいよう駆動される。これは、反転出力718のDCレベルが肯定出力716のDCレベルに等しい場合に起こる。これら2つの状態は等価であるから、それは、反転出力718が肯定出力716と同じ平均電圧を有するまで単にコモンモード電圧を駆動することによって、達成可能である。コモンモード制御ループ50は肯定出力716を更に増大させるので、それを最初に増大させる信号に関して、ループは、特に、より低い周波数で、CM_OTA710のゲインを増大させる。結果として、CM_OTA710は、低周波入力オフセットのために極めて大きいゲインを有して、積分器のように機能することができる。
【0071】
可変比率電流ミラーOTA−diff ampは、特に、より低い周波数で、増幅器におけるゲインを増大させるためにCM_OTA710で用いられる。しかし、CM_OTAは、図10に表されるように、差動出力コモンモードレベルを何らかの所望のレベルに設定するために用いられてよい。図7で見られる差動CM_OTA710は、肯定出力716及び反転出力718を有する。R101及び102によって確立されるコモンモード出力電圧は、任意の高周波ゲイン設定抵抗R105とともにC104によって積分器として構成されるシングルエンドのOTA750によって、任意に選択された電圧103(通常、出力レンジ中点)と比較されてよい。
【0072】
図11は、差動増幅器回路における可変電流ミラーの代替の構成を概略的に表す。図11で、コモンモード制御電圧CMCV111は、コモン出力モード電圧がCMCV111に追従する傾向を有しながら、CM_tuneとは逆向きである傾向を有するので、図9のCM_tuneと同じ極性を有する。HP112は、RP113及び114の組合せの実効サイズを制御する。これは、ミラー比率を変化させる1つの方法である。また、RP113がバイアス設定用FET RP114の周囲の電流を単に吸い上げることも可能である。それにより、RP115からのミラー電流は、diff ampの“+”ブランチにおける電流の部分のみを反映する。用途に依存して、RP113は、例えば、RP114の3倍のサイズであってよく、一方、ミラーリングFET115はRP114の2倍のサイズであってよい。イネーブル入力が加えられてよく、ミラー比率は、図9においてこれらの機能を実行する回路と同じく、1:1に固定可能とされる。
【0073】
上述される図11の可変比率電流ミラー回路は、図9に表されるような差動CM_OTAにおける対応するミラー部品に取って代わるために使用されてよい。しかし、CMCV入力の反転のために、かかるCM_OTAが図7に表されるように用いられる場合には、増幅器760の極性も反転される。
【0074】
図11は、手頃なサイズにされた高抵抗値抵抗器を有するプロセスに適した簡略化された回路を表す。これによって、可変比率電流ミラーを有する単一差動増幅器野毛員は高められる。抵抗116及び117はCMCV111の範囲をVOの関数として設定し、一方、それらはR118及びC119とともに動作して、安定性のために必要に応じて高周波でゲインをロールオフする。HP112をより高い閾値によって置換すると、より低いゲインのTHP FETは、短絡R116及び開放R117がゲインを犠牲にしてサイズ要求下げることを可能にする。多くの半導体プロセスにおいて、部品C119並びにR116、117及び118の幾つか又は全てをアクティブ部品と交換して、同じか又はより良い結果を生み出すことは、より実際的であってよい。
【0075】
入力電圧によって制御される可変比率電流ミラーを有するシングルエンドの差動増幅器は、多くの他の目的に適する。例えば、それらは、入力不均衡又は電圧オフセットの影響を無効化するために使用されてよい。それらは、また、差動増幅器回路によって増幅される信号を独立に変調するために第3の入力として用いられてよい。このような入力の極性は、図9又は図11で見られるような可変比率電流ミラーを使用することによって選択されてよい。
【0076】
[低ノイズ差動電荷ポンプクロック]
正弦波(又は正弦波状)電荷ポンプクロック信号は、スプール(spurs)及び不要な高調波ノイズを生成することなく電荷ポンプを制御するのに極めて有用である。しかし、スイッチングデバイスを駆動するために正弦波クロック信号を用いることには幾つかの欠点が存在する。スイッチングが波形中点の近くで起こる場合には、ピーク・ツー・ピーク波形のおおよそ半分の振幅しか制御ノードをその導通電圧範囲へと駆動するために利用可能でないから、利用可能なクロック出力振幅は、十分な駆動レベルを達成するために用いるのは困難である。複数のクロック位相を用いることは幾つかの電荷ポンプ設計配慮を簡単にすることができるが、通常は、異なったクロック出力位相間のタイミング及び/又は振幅関係を正確に制御する必要性を伴う。
【0077】
一般に、クロック出力を正弦波に近づけることにより、生成される不要な電気ノイズの量は低減される。完璧な正弦波出力は可能でないが、波形品質は、回路の意図された使用のために適切な性能を提供するよう選択されるべきである。クロック出力は実質的に正弦波状であるよう求められるが、設計者は、どの程度出力を正弦波状にすべきかをほぼ任意に選択することができる。夫々の改善は、幾つかのノード又は場所での電気ノイズの低減をもたらすが、夫々の改善は、設計努力及び集積回路面積の使用等で見られる追加のコストを招く。
【0078】
様々なパラメータが、バイアス生成又は他の供給電圧生成によって生じる特定のノイズ問題を解決するのに適したクロック波形を定義するために用いられてよい。動作周波数f0で完全な正弦波と比較されるクロック出力の全高調波歪みのパラメータは、基本周波数f0での電力によって割られる、波形に含まれるf0の全ての高調波における電力の和として定義される。その定義を用いると、様々な実施形態において、波形は、−5dB、−10dB、−20dB又は−30dBよりも大きくないTHDを有するよう有効に制限されてよい。幾つかの用途で、三次高調波は特に関心が持たれ、別の実施形態は三次高調波に、f0での基本電力に対して僅か−20dB、−30dB、−40dB又は−50dBであるよう求める。また、基本周波数の各高調波の振幅が少なくとも20、30又は40dB/decadeだけロールオフされるようにクロック波形を制御することが有用である。このようにして、8MHzの基本動作周波数f0及びその8MHz正弦波成分についての振幅A1を有する波形に関して、f0に整数Nを乗じた周波数N×f0での全ての正弦高調波の振幅ANは、20、30又は40dB/decadeだけ低減されてA1よりも大きくないよう求められてよい。すなわち、夫々の量についてdB又はdBAを用いると、高調波振幅は、[AN≦A1−2×N]又は[AN≦A1−3×N]又は[AN≦A1−4×N]であるように制限される必要がある。明りょうさのために、最後の式を展開すると、[AN(dBA)≦A1(dBA)−4×N(dBA)]である。代替的に、高調波成分の振幅は、(電圧において)次のように、すなわち[AN≦A1/N/m]のように制限されてよい。この式において、環境に依存して、mは0.7、1、1.5、2、2.5、3、4又は6に等しい必要がある。これらの変化する品質レベルのどれがクロック波形のために必要とされるのかは、通常、所望の放射制限と組み合わされる特定のハードウェア実施に基づいて、問題に依存する。本願で記載される実施形態は、この問題を解決するために用いられる。
【0079】
電荷ポンプ回路内の多くの異なったポテンシャルに必然的に配置されるスイッチングデバイスを制御するためのクロック信号の容量結合は、適切なキャパシタに必要とされる比較的大きな半導体面積を正当化するのに十分都合がよい。しかし、一般に、正弦波信号の容量結合は、クロック波形全体の半分(一般に、クロック信号の正又は負の半サイクル)のみを有してスイッチングデバイスをオンに駆動することを伴う。従って、供給電圧が小さい場合、電荷ポンプスイッチングデバイスに十分な駆動電圧を供給することは容易でない。従って、2つの相反する正弦波状の位相を有するだけでなく、利用可能な供給電圧にほぼ等しいピーク・ツー・ピーク振幅を有する電荷ポンプクロック信号を供給することが有益である。
【0080】
低ノイズ電荷ポンプクロックの幾つかの例となる実施形態は、差動インバータ段を用いる。差動段は、ほぼ電源レイルにまで及ぶ大振幅信号を確かにするとともに、当然に相補出力を供給するよう設計されてよい。低ノイズ動作は、各段における各インバータに電流制限を課すことによって促進される。正弦波状出力、すなわち、動作周波数f0を超えた高調波成分をごく僅かしか有さない何らかの出力は、リング発振器において5よりも少ないインバータ段を用いることによって、より容易に生成されてよい。差動リング発振器は、従来のリング発振器に係る教示に反して、リング発振器が、奇数個及び偶数個の両方を含む任意の個数の段を有することを可能にする利点を有する。低ノイズ電荷ポンプクロックの幾つかの実施形態は、2、3又は4のインバータ段を有する差動リング発振器を有してよい。
【0081】
奇数個のインバータ段を有する差動リング発振器は無条件に発振するが、1つのインバータ段に含まれる2つのインバータはコモンモード出力、すなわち、その2つの出力で各時点において逆ではなく同じ電圧を有することが可能である。従って、奇数個の段(例えば、三段)を有する差動リング発振器は、各インバータ段の2つのインバータが反対の位相であることを確かにする方法から利点を得ることができる。単一インバータ段におけるこのような分相回路で十分であるが、他の段における位相制御回路も有効である。
【0082】
逆並列のインバータロック回路を含む差動インバータ段の例となる設計が図12Aに表されている。THP121及びTHN122は、正側反転出力outN124への正側入力inP123の基本インバータを形成し、一方、THP125及びTHN126は、反転(すなわち負)入力inN127から反転(従ってこの場合には正)出力outP128までの相補インバータとして構成される。インバータの駆動容量を制限して、出力遷移を遅く且つ滑らかにするために、両インバータは、RP129及び130を有する電流制限回路を介してVDDに結合され、且つ、RN131及び132を有する電流制限回路を介してGNDに結合される。RP129及びRN131は夫々バイアス電圧biasp1及びbiasn1に基づいて電流を設定し、一方、RP130及びRN132はカスコード接続において構成され、夫々biasp2及びbiasn2によってバイアスをかけられて、電流ソース感度を出力電圧に制限する。電流設定用FETであるRP129は、RP130のドレインでの電圧に関わりなく、ほぼゼロのドレイン電圧で動作するので、このカスコード構成の電流源は、RP130のドレインがほぼVDDである場合でさえ電流を供給することができる。同様に、カスコード構成のRN131及び132は、接地の手前数mVまでのRN132のドレインにおける全出力電圧にわたって正確な電流を供給することができる。このようにして、出力波形は、接地に対して供給電圧VDDにほぼ等しいp−p電圧を達成するよう調整されてよい。それらのFET121〜122、125〜126及び129〜132は、肯定入力123及び反転入力127並びに肯定出力124及び反転出力128を有する完全なる基本の差動インバータ段を構成する。
【0083】
図12Aの残りの回路は、奇数個の段を有する差動発振器の1又はそれ以上のインバータ段に組み込まれる逆並列結合を構成する。奇数個の段を有する差動リング発振器の非反転セクション及び反転セクションは、互いに対して何らかの位相関係で動作することが可能であり、従って、それらの位相が180度で分離されることを確かにする何らかの対策が必要とされる。THP133及びTHN134を有する第1のインバータは、THP135及びTHN136を有する第2のインバータと交差結合されている。これらのFET133〜136は、段の一次インバータのFET121〜122及び125〜126と比較して小さくされてよい(例えば、70%の大きさ)。より重大なことには、これらの逆並列インバータをVDD及びGNDに結合する電流源は、一次インバータセクションに供給されるよりもはるかに小さい電流に関して設計されてよい。例となる実施形態において、逆並列インバータのための別個の電流源は、夫々、一次インバータ電流源の4分の1の電流レベルを供給するよう構成されてよい。RP137及び138並びにRN139及び140は、夫々、RP129及びRN131の約4分の1に電流レベルを設定し、一方、RP141及び142並びにRN143及び144は、電流設定デバイスのドレイン電圧を制御するようカスコード接続されている。一次インバータが並行して発振している場合、それらは電流源129〜130及び131〜132からの電流を供給すべきであるが、その場合でさえ、逆並列インバータ電流源として利用可能な電流の2倍の電流を有する。一次インバータが相反する位相で適切に発振している場合、その段の2つのインバータセクションは同じ電流源を同時には使用しない。
【0084】
図12Bは、逆並列インバータロック回路を含む差動インバータ段の代替実施である。それは、主として、インバータ段を電流制限する方法において、図12Aと相違する。図12Aで、FET129〜130を通る単一電流源は、両方の一次インバータのためのソース電流をFET121及び125のソースに供給し、一方、FET131〜132を通る他の単一電流源は、両方の一次インバータのためのシンク電流をFET122及び126に供給する。別々の電流源が、夫々FET133〜134及び135〜136から成る2つの位相反転ロッキングインバータにソース及びシンク電流を供給する。図12Bでは、それに反して、夫々FET133〜134及び135〜136から成る両方の位相反転ロッキングインバータに対して、FET185〜186を有する1つの単一電流源がソース電流を供給し、FET195〜196を有する他の単一電流源がシンク電流を供給する。逆に、夫々FET181〜182及び183〜184から成る別々の電流源は、夫々、2つの一次インバータのためのソース電流をFET121及び125に供給し、同様に、夫々FET191〜192及び193〜194から成る別々の電流源は、夫々、2つの一次インバータのためのシンク電流をFET122及び126に供給する。
【0085】
インバータ及び関連する電流源トランジスタのサイズも、図12Bと図12Aとの間で相違する。チャネルの幅及び長さは、ミクロン単位で、幅/長さのように、スラッシュ(/)で分離された数字によって図中に示されている。RP FET及びRN FETは夫々、約0.65V及び0.7Vの閾電圧Vthを有し、THP FET及びTHN FETのVthは約0.95V及び1.0Vである。これらは単なる指針に過ぎず、デバイスのサイズは特定の製造プロセスや、発振器の負荷及び他の性能要因に大いに依存する。また、2つの電流制限方式が図12A及び12Bで説明されているが、かかる差動発振器段の実施形態は、本願で説明される本質的な考えから逸脱することなく、且つ、本願で説明される特許請求の範囲の適用範囲を超えることなく、多くの差動電流ソーシング及び逆並列位相反転ロック構成を用いてよい。図13は、位相反転ロッキングを提供する例となる代替手段を表す。
【0086】
図13は、逆並列のロッキングインバータを有さない差動インバータ段を表し、代わりに、差動段の夫々の位相が互いに180度ずれていることを確かにするようキャパシタンスが交差結合されている代替案を表す。基本のインバータ段は、図12Aに表されているのと同じ番号を付与されたFET、すなわち入力及び出力121〜132を有する。キャパシタ145は出力outP128を入力inP123に結合し、一方、キャパシタ146は、出力outN124を入力inN127に結合する。差動リング発振器におけるインバータ対は、一致した位相で同期することはほとんどなく、逆位相で同期する傾向がある。なぜなら、かかるインバータ対は、その場合に、電流源(FET129〜130又は131〜132)の全電流へのアクセスを有するからである。図12Aの逆並列インバータがほとんど電流容量を必要としないのは、この理由による。同じ理由のために、約200fFの適度なキャパシタンスは、図13のインバータ段のインバータの逆位相の同期を確かにするのに適する。図12及び図13は、差動インバータ段の出力の間の位相反転を確かにするための多くの可能な代替案の中の2つを表す。なお、幾つかの半導体製造プロセスにおいて、図12Aで表されるようなアクティブ逆並列インバータ回路は、図13で同じ目的のために図示されたキャパシタよりも半導体面積を必要としない。
【0087】
図13のインバータは、図12A及び12Bの一次インバータと実質的に同じように機能することができるので、それらは同じ参照符号によって示される。それらは、(inP123からoutN124を作る)FET対121、122と、(inN127からoutP128を作る)FET対125、126とを有する。図13で、これら2つのインバータは、図12Aで表されるように理想的には、単一のソース電流源(FET129、130)及び単一のシンク電流源(FET131、132)を共有する。いくつかの環境においては、図12Bで表されているように図13のインバータの夫々に別々の電流源回路を設ける方が適切である。図12Bに表されているように、ソース及びシンク電流は、夫々、FET対181、182及び191、192を介してinPからoutNへ、別のFET対183、184及び193、194を介してinNからoutPへ供給されてよい。
【0088】
偶数個のインバータ段を有するリング発振器は、リング発振器の設計柔軟性を拡張し、付加的なパラメータを与えて、動作周波数範囲を制御するのを助ける。これは、特に、より良い出力を生成するために5よりも少ないインバータ段を含むよう求められる実施形態に有用である。なぜなら、そのような実施形態は、必要条件を満たす代替案の数を3倍にするからである。偶数個のインバータ段は、1つの段の正出力及び負出力を夫々、次の段の負入力及び正入力に交差結合することによって、用いられてよい。このような交差結合は、各段の出力の位相が正確にずれることを確かにするので、インバータ段は、図12及び図13で表されるような分相回路を必要しない。しかし、偶数個のインバータ段を有するリング発振器は無条件に発振するわけではないので、適切な起動のための設備が必要とされる。
【0089】
図14は、起動回路160を結合された4段式差動リング発振器150を概略的に表す。4つの差動インバータ段151〜154は、夫々、キャパシタ145及び146が不要である点を除いて、図13に表されているように構成されてよい。キャパシタ155が、各差動インバータの出力と接地156との間に配置されている。各インバータ段の駆動電流は、ソース電流のための電流制限回路(図13のRP129及び130)及びシンク電流のための電流制限回路(図13のRN131及び132)によって制限されるので、これらのキャパシタ155は、本明細書のいずれかの場所で記載されるように、スプール及び不要な高調波成分を有さず滑らかである略正弦波状の波形を生成するよう出力を平滑化し成形することができる。
【0090】
差動インバータ段151〜153の出力outN(図13の124)の夫々は、後段の入力inP(図13の123)に結合されている。しかし、差動インバータ154のoutN157は、差動インバータ段151のinN(図13の127)に交差結合されている。同様に、差動インバータ段151〜153の出力outP(図13の128)の夫々は、インバータ段151のinPに交差結合されているインバータ段154のoutP158を除いて、後段のinNに結合されている。
【0091】
図14の残りは、差動リング発振器150による発振を確かにする起動回路160の一例を概略的に表す。起動回路160への入力161及び162は、インバータ段151〜154のいずれかのインバータ段の2つの出力に結合されてよい。FET163及び164のドレインにある起動回路160の出力は差動インバータ段154の出力outP158及びoutN157に接続されているが、それらは、代わりに、例えば、起動回路160の入力161及び162であるように、差動インバータ段151の出力に接続されてよい。
【0092】
起動回路160は、インバータ段の両方の出力が、両方ともがロー又はハイである場合に、安定しているところの安定コモンモード状態を識別するよう意図されている。その状態を検知すると、起動回路160は、各インバータ段の2つの出力を反対の極性にする(差動モード)。シュミットトリガ171及び172へのFET入力は実質的に電流を引き込まないので、抵抗165〜170は全て名目上約2MΩ以上であってよい。抵抗165〜170の大きなインピーダンスは、FET173〜176とともに、キャパシタ177及び178と協働して、シュミットトリガデバイス171及び172の入力でのノイズ排除性を高める。
【0093】
第1のコモンモード状態で、入力161及び162は両方ともローであり、P−FET173及び174にバイアスをかけて、少なくとも非常に低い入力電圧の閾電圧範囲内にシュミットトリガ171を徐々に引き込む。N−FET175及び176がバイアスをかけられていない間、ソースは非常に低い入力電圧にあり、C178にある如何なる正電荷もその結合チャネル漏れ電流によって取り除かれる。かかる漏れ電流は、シュミットトリガ172のFET入力からの正リークを大きく上回る。第2のコモンモード状態で、入力161及び162は両方ともハイであり、N−FET175及び176にバイアスをかけて、R167、R168及びR170を介する導通によってシュミットトリガ172の入力をゆっくりと高める。シュミットトリガ171がバイアスをかけられていないP−FET173及び174を通るリークに制限される場合に、導通により電圧は増大する。チャネルリークは極めて小さいが、それは、絶縁ゲートFETシュミットトリガ入力及びC177を通る接地へのリークを上回る。例となるプロセスにおいて、接地に対するほぼ全ての低電圧キャパシタは、無視することができる漏れ電流を有する、キャパシタ接続のデプリーションタイプのN型(DN)FETとして製造される。このように、両方のコモンモード状態において、2つのシュミットトリガは、最終的に、コモン出力電圧に到達する。このような同一極性入力は排他的ORゲート179から低(ロー)出力を生成し、第1のスタータ回路出力P−FET163にバイアスをかけ、インバータ180に第2のスタータ回路出力N−FET164にバイアスをかけさせる。アクティブにされたFET163及び164は、インバータ出力の極めて制限された電流駆動容量のために、差動インバータ段154の出力158及び157を反対の電源レイルに容易に駆動する。
【0094】
起動回路160の入力161及び162に結合されているインバータ段151の出力対を含め、全てのインバータ出力対は、FET163及び164が完全に駆動されたままである限り、安定した逆の極性を有する。入力161及び162での逆(差動)極性は、最終的に、2つのシュミットトリガに相反する状態を確立させ、リングの発振が始まるように起動回路出力駆動の解除をもたらす。第1の差動動作において、入力161はローであり且つ入力162はハイであるから、P−FET173はオフであり、有効にされているP−FET174は、入力162から十分な電流を供給してC177をR166及び169を介して充電することができ、最終的に、シュミットトリガ171への入力はハイになる。同時に、N−FET176はオフであり、それにより、順方向にバイアスをかけられているN−FET175は、R167及びR170を介する導通によってシュミットトリガ172のロー閾値を下回ってC178の電圧を徐々に引き込む。第2の反対の差動動作において、入力161はハイであり、入力162はローである。N−FET175はオフであるから、順方向にバイアスをかけられているN−FET176は、シュミットトリガ172の入力を徐々にローにする。P−FET174もオフであり、順方向にバイアスをかけられているP−FET173が、R165及びR169を介してハイ入力161の電圧へとシュミットトリガ171の入力を増大させることを可能にする。
【0095】
以上のように、可能な逆極性入力状態は両方とも、シュミットトリガ172の入力をローへと駆動しながら、シュミットトリガ171の入力をハイへと駆動する。このようなシュミットトリガの状態は、適切な発振の間、半サイクル毎に促進される。入力値はクロック波形の中点近くでのみ互いに近づき、そのほんの短い期間、駆動電圧は無視することができる。
【0096】
[結論]
上記は、低ノイズ且つ高効率でバイアス供給電圧及び補助供給電圧を生成するための回路及び方法の例となる実施及び新規の特徴を説明する。多くのこのような電圧は、過度の電気ノイズを生成することなく、トランスファキャパシタを介して電荷を組み上げることによって生成される。多くの特徴は夫々別々に記載されているが、所望の結果を生み出すために組み合わされてよい。低ノイズ高効率のバイアス生成のための回路及び方法を実施する最良の態様を構成する装置及び方法の幾つかの特徴は、それ自体新規であり、幅広く有用である。結果として、上記は、必然的に、多種多様な革新について記載する。
【0097】
当業者には当然ながら、記載される方法及び装置の夫々の形態及び詳細における様々な省略、置換及び変更は、かかる方法又は装置の適用範囲から逸脱することなく行われてよい。全ての実施形態を明示的に列挙することは実際的でないので、当然、当該装置又は方法の1つを具現するのに適した上記の(図面によって表される)特徴の夫々の実際的な組合せは、このような装置又は方法の相異なる代替の実施形態を構成する。更に、このような装置又は方法の代替案に相当する夫々の実際的な組合せも、当該装置又は方法の代替の実施形態を構成する。従って、提示される方法及び装置の適用範囲は、添付される特許請求の範囲のみを参照して判断されるべきである。特許請求の範囲は、審査に係属中に補正されることがある。その適用範囲は、その限定が添付の特許請求の範囲で記載されている限りにおいて、本発明の概念を説明するために本願で挙げられている例となる実施形態において説明される特徴によっては限定されない。
【0098】
本願で図示及び記載をされている回路は単なる例であり、当業者が、当業者にとって目下一般的な知識によって、又は予期しないが容易に適用可能であっていずれ当業者に知られる将来の知識によって同じであると容易に判断することができるような代替案を等しく記載していると解されるべきである。
【0099】
特許請求の範囲の各請求項に係る発明の技術的範囲内にある全ての変形例が本願に包含される。各請求項は、当該請求項における表現上においてのみ異なるあらゆるシステム又は方法を、かかるシステム又は方法が先行技術の実施形態でない場合にのみ、包含するよう意図される。このために、各請求項で記載される夫々の要素は、可能な限り広く解釈されるべきであり、先行技術を含まない限り当該用途と等価なあらゆるものを包含すると理解されるべきである。
【0100】
[関連発明の相互参照]
本願は、その全文を参照することにより本願に援用される、2008年7月18日に出力された同時係属の米国特許出願第61/135279号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump with Common-Mode Tuning Op Amp」、代理人整理番号:PER−027−PROV−1)、及び2003年9月8日に出願された同時係属の米国特許出願第10/658154号(発明の名称:「Low Noise Charge Pump Method and Apparatus」)の優先権を主張するものです。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変比率電流ミラー差動増幅器セクションを有する集積型演算トランスコンダクタンス増幅器であって、
a)第2トランジスタのソースと近似電流源とに結合されたソースを有する第1トランジスタを有し、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは当該演算トランスコンダクタンス増幅器のためのFETの差動入力対を形成し、該入力対の対応するドレインは一対の差動電流ブランチを形成する、FETの差動対と、
b)前記差動電流ブランチの1つの差動電流ブランチに結合される出力電圧接続と、
c)可変比率電流ミラー回路と
を有し、
前記可変比率電流ミラー回路は、
i)前記差動電流ブランチの1つの差動電流ブランチから電流を導き、そのようにして導かれた電流の量を反映する電流制御電圧を生成する電流検知回路と、
ii)前記差動電流ブランチの他の差動電流ブランチにおいて前記電流制御電圧を実質的に反映する電流を生成する電流ミラー反映回路と、
iii)当該演算トランスコンダクタンス増幅器内でミラー比率制御ノードに印加される信号によって比例的に制御可能であり、(A)前記電流検知回路の電流を導くこと又は(B)前記電流制御電圧を反映する電流を生成することを助け、これにより、d)前記電流検知回路及び前記電流ミラー反映回路の夫々によって導かれる電流間の比率が前記ミラー比率制御ノードに印加される信号の制御下の範囲にわたって連続的に可変であるようにする回路と
を有する、演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項2】
前記電流ミラー反映回路は単一のFETであり、
前記電流検知回路は、連結されたドレイン及びゲートを有する複数のFETと、複数の電流ミラー反映回路FETのソースの間に結合された制御FETとを有し、
前記ミラー比率制御ノードは前記制御FETを制御する、
請求項1に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項3】
前記電流検知回路は単一のFETであり、
前記電流ミラー反映回路は、連結されたドレイン及びゲートを有する複数のFETと、該複数の電流ミラー反映回路FETのソースの間に結合された制御FETとを有し、
前記ミラー比率制御ノードは前記制御FETを制御する、
請求項1に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項4】
前記可変比率電流ミラー差動増幅器セクションが第1の可変比率電流ミラー差動増幅器セクションである場合に、前記a)乃至d)の要素に従う第2の可変比率電流ミラー差動増幅器セクションを更に有し、
前記第1の増幅器セクション及び前記第2の増幅器セクションは、互いに逆の2つの出力を生成するよう相反する差動入力デバイスに結合された共通入力部を有し、2つの可変比率電流ミラーは同じミラー比率制御ノードによって制御される、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項5】
当該演算トランスコンダクタンス増幅器の出力に実質的に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する回路を更に有する、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項6】
反転出力と非反転出力との間の差に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する別の増幅器回路を更に有する、請求項4に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項7】
前記可変比率電流ミラー回路の前記iii)の回路は、実質的に並列に結合されている3つのFETを有し、それらの並列なFETの1つのFETは、第1制御FETを介して他のFETのソースに結合されたソースを有し、前記並列なFETの1つのFETは、前記並列なFETの残り2つのFETのドレインへ第2制御FETを介して結合されたドレインを有する、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項8】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電荷ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記電荷ポンプクロックの出力は略正弦波状である、電荷ポンプ。
【請求項9】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電化ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記電荷ポンプクロックの出力は基本周波数f0で動作し、−5dBよりも小さい全高調波歪みを伴った波形を有する、電荷ポンプ。
【請求項10】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−10dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項11】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−15dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項10に記載の電荷ポンプ。
【請求項12】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−20dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項11に記載の電荷ポンプ。
【請求項13】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−10dBである、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項14】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−15dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項15】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−20dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項16】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−30dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項17】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、周波数f0でA1の正弦波成分振幅を有し、
f0に整数Nを乗じた対応する周波数f0×Nでの前記電荷ポンプクロックの出力波形の合理的に測定可能な各正弦高調波成分の振幅ANは、A1−2×N(dB)の振幅制限よりも小さい、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項18】
ANについての振幅制限はA1−3×N(dB)である、
請求項17に記載の電荷ポンプ。
【請求項19】
ANについての振幅制限はA1−4×N(dB)である、
請求項17に記載の電荷ポンプ。
【請求項20】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電化ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記複数のインバータ段の1つのインバータ段は、差動出力信号を供給するよう構成された一対のインバータを有する、電荷ポンプ。
【請求項21】
前記一対のインバータの出力が異なった電圧レベルになることを確かにする交差結合回路を更に有する、請求項20に記載の電荷ポンプ。
【請求項22】
前記交差結合回路は、前記一対のインバータの間に逆並列で結合された2つの更なるインバータを有する、
請求項21に記載の電荷ポンプ。
【請求項23】
前記リング発振器は、偶数個のインバータ段を有するリングとして動作する、
請求項8乃至20のうちいずれか一項に記載の電荷ポンプ。
【請求項24】
差動インバータ段からの一対の出力においてコモンモード電圧を検知して、前記リング発振器のインバータ段の出力電圧を妨げる起動回路を更に有する、請求項23に記載の電荷ポンプ。
【請求項25】
前記リング発振器は、略正弦波状である波形を生成する、
請求項20に記載の電荷ポンプ。
【請求項26】
前記リング発振器は、略対称であり且つ位相が略反転した2つのクロック波形を生成する、
請求項25に記載の電荷ポンプ。
【請求項27】
前記リング発振器は、基本周波数f0でのエネルギ及び前記基本周波数f0の高調波でのエネルギを含む動作周波数f0での波形を生成し、
f0×2よりも大きい全ての高調波における結合されたエネルギは、前記波形における全てのエネルギの20%に満たない、
請求項20又は26に記載の電荷ポンプ。
【請求項28】
f0×2よりも大きい全ての高調波における結合されたエネルギは、前記波形における全てのエネルギの10%に満たない、
請求項27に記載の電荷ポンプ。
【請求項29】
前記電荷ポンプクロックの発振出力のピーク・ツー・ピーク電圧振幅は、当該電荷ポンプ回路に供給される一次供給の振幅と比べて少なくとも98%の大きさである、
請求項8乃至28のうちいずれか一項に記載の電荷ポンプ。
【請求項30】
前記電荷ポンプクロックの発振出力のピーク・ツー・ピーク電圧振幅は、当該電荷ポンプ回路に供給される一次供給の振幅と比べて少なくとも99%の大きさである、
請求項29に記載の電荷ポンプ。
【請求項31】
発振入力信号に容量結合された増幅デバイス制御入力ノードで所与のバイアス電圧を確立するよう集積回路上に作られるアクティブバイアス抵抗型バイアス設定回路であって、
a)前記所与のバイアス電圧に結合される第1ノード、及び前記増幅デバイス制御入力ノードに結合される第2ノードと、
b)前記第1ノードと前記第2ノードとの間の一対の異なった回路導通経路であって、各経路は、他方の経路と共通でないFETを含む少なくとも1つのFETのチャネルを横断する当該一対の回路導通経路と
を有し、
c)前記第1ノードの平均電圧が前記第2ノードの平均電圧よりも大きい場合に前記第1ノードから前記第2ノードへ更なる平均電流が流れ、しかし、
d)電流は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に現れる周期波形の大部分の間は前記第1ノードと前記第2ノードとの間に流れない、バイアス設定回路。
【請求項32】
50,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項33】
10,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項32に記載のバイアス設定回路。
【請求項34】
1,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項33に記載のバイアス設定回路。
【請求項35】
前記一対の回路導通経路は、小さなキャパシタンスに直列結合された10,000オームよりも大きい抵抗を有する非常に大きなコモンインピーダンスを含む、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項36】
前記一対の回路導通経路は略同一であり、該一対の回路導通経路のうち1つの経路は前記第1ノードから前記第2ノードの間に配置され、他の経路は前記第2ノードから前記第1ノードの間に配置される、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項37】
前記一対の回路導通経路の夫々の経路は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間のキャパシタンスと並列結合されたダイオード接続FETのゲート−ソース間電圧によって制御されるゲート−ソース間電圧を有するFETを通って電流を導く、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項38】
プロセス依存の閾電圧に整合されたバイアス電圧を供給する閾電圧追跡回路を有するバイアス生成装置であって、
a)クロック入力ノードに結合されたクロック波形の1サイクルごとに1回放電及び充電をされるよう構成される電荷供給キャパシタと、
b)適切な閾電圧を有し、各クロック波形サイクルの一部の間にのみ前記電荷供給キャパシタに充電電流を導くよう構成される閾電圧設定用ダイオード接続FETと、
c)デカップリングキャパシタによって基準電圧に結合され、該基準電圧に関して前記閾電圧の電圧値を供給するよう構成される閾電圧出力部と、
d)前記閾電圧出力部で前記デカップリングキャパシタに電流を供給する出力FETと
を有し、
前記出力FETは、実質的に、前記閾電圧設定用FETが電流を前記電荷供給キャパシタへと導く各クロック波形サイクルの部分の間、前記閾電圧設定用FETによって制御されるゲート電圧を有する、バイアス生成装置。
【請求項39】
前記クロック入力ノードでのクロック波形は、正弦波と比較して10%よりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項40】
互いに位相が略反転しているクロック入力波形を受け取るよう構成される2つのクロック入力部を更に有する、請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項41】
前記クロック入力波形は両方とも、正弦波と比較して10%に満たない全高調波歪みを有する、
請求項40に記載のバイアス生成装置。
【請求項42】
前記クロック入力波形は、周波数f0でA1の正弦波成分振幅を有し、
f0に整数Nを乗じた対応する周波数f0×Nでのクロック出力波形の合理的に測定可能な各正弦高調波成分の振幅ANは、A1−2×N(dB)の振幅制限よりも小さい、
請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項43】
集積回路で信号を増幅する方法であって、
a)第1及び第2の差動増幅器回路の組を確立する段階であって、前記第1及び第2の差動増幅器回路の夫々は対応する入力を有し、動作点で、第2の入力に対する第1の入力での電圧の増大により、前記第1の差動増幅器回路を流れる電流が増大し、前記第2の差動増幅器回路を流れる電流が減少するようにする段階と、
b)前記第1の差動増幅器回路での電流に従って変化するミラーソースFETデバイスでの電流ミラーVgs制御電圧を生成する段階と、
c)前記Vgs制御電圧によって制御されるVgsを有するミラーリングFETデバイスを前記第2の差動増幅器回路に配置する段階であって、動作点で、前記ミラーリングFETデバイスは、前記第1の差動増幅器回路での電流に第1のミラー比率を乗じたミラーリング電流を前記第2の差動増幅器回路において導く段階と、
d)前記第1及び第2の入力とは実質的に無関係であるミラー比率制御入力電圧の制御下で前記第1のミラー比率を異なった第2のミラー比率に変更する段階と
を有する方法。
【請求項44】
前記段階d)は、連続的に変化するミラー比率制御入力電圧の制御下で連続的な範囲にわたって前記第1のミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記段階d)は、前記電流ミラーVgs制御電圧と前記動作点における前記第1の差動増幅器回路での電流との間の比を変化させることによって前記第1の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記段階d)は、前記制御されるVgsと前記第2の差動増幅器回路での電流との間の比を変化させることによって前記第1の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43又は44に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の差動増幅器回路と前記第2の差動増幅器回路との間にある小信号入力電圧に応答して第1の出力電圧を生成する段階を更に有し、
前記小信号入力電圧と前記出力電圧との間の小信号ゲインは前記ミラー比率制御入力電圧に依存する、
請求項43乃至46のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第1及び第2の入力、差動増幅器回路、ミラー比率制御用FET及び第1の出力が、第1の差動増幅器セクションである場合に、
前記第1及び第2の入力に応答して前記第1の出力と比較して反転された第2の出力を生成する第3及び第4の差動増幅器回路を有し、第2のミラーソースFETデバイスにおける前記第3の差動増幅器回路での電流を反映する第2の電流ミラーVgs制御電圧を生成し、且つ、前記第4の差動増幅器回路での電流に作用するよう前記第2の電流ミラーVgs制御電圧によって制御されるVgsを有するとともに、第2の動作点で第2の電流ミラー比率を有する第2のミラーリングFETデバイスを有する、前記第1の差動増幅器セクションと略同じ第2の差動増幅器セクションを確立する段階を更に有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
電流ミラー比率制御入力電圧の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
異なった第2の電流ミラー比率制御入力の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の電流ミラー比率制御入力の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
実質的に前記第1及び第2の出力の少なくとも一方に基づく信号をミラー比率制御ノードへ結合する段階を更に有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の出力と前記第2の出力との間の差に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する段階を更に有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1又はそれ以上の電荷トランスファキャパシタを介して入力供給から出力供給へ電荷を運ぶようトランスファ制御スイッチを制御する電荷ポンプクロックを有する電荷ポンプによってモノリシック集積回路で出力供給電圧を生成する方法であって、
動作周波数f0で略正弦波状の波形を有するよう、前記トランスファ制御スイッチを制御する電荷ポンプクロックを制御する段階
を有する方法。
【請求項55】
完全な正弦波と比較して僅か10%の全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
完全な正弦波と比較して僅か5%の全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
完全な正弦波と比較して僅か−5dBの全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
完全な正弦波と比較して僅か−10dBの全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
f0での電力と比較して僅か−10dBのf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
f0での電力と比較して僅か−20dBのf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
f0での電流と比較して−30dBよりも小さいf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/.7であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/Nであるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/1.5であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/2であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項66】
前記電荷ポンプクロックの出力が第1クロック出力である場合に、
前記第1クロック出力の波形とは位相が逆である波形を有するよう制御された第2の電荷ポンプクロック出力によって、1又はそれ以上のトランスファ制御スイッチを制御する段階を更に有する、請求項54乃至65のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第1クロック出力の波形に対して略対称的に反転しているよう前記第2の電荷ポンプクロック出力の波形を制御する段階を更に有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1クロック出力の波形と同じように正弦波であるよう前記第2の電荷ポンプクロック出力の波形を制御する段階を更に有する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1クロック出力の波形に対して略対称的に反転しているよう前記第2の電荷ポンプクロックの出力波形を制御するとともに、前記第1クロック出力及び/又は前記第2の電荷ポンプクロック出力によって電荷ポンプの全てのトランスファ制御スイッチFETを制御する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1クロック出力又は前記第2の電荷ポンプクロック出力を、十分な電荷を出力供給へ運ばないクロックカップリングキャパシタを介して前記電荷ポンプの1又はそれ以上のトランスファ制御スイッチFETの制御ノードへ結合することによって、前記トランスファ制御スイッチFETを制御する段階を更に有する、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
第1のトランスファ制御スイッチを制御するよう第1のクロックカップリングキャパシタを介して前記第1クロック出力を結合し、第2のトランスファ制御スイッチを制御するよう第2のクロックカップリングキャパシタを介して前記第2の電荷ポンプクロック出力を結合する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
第1のトランスファ制御スイッチを制御するよう十分な電荷を出力供給に結合しない第1のクロックカップリングキャパシタを介して前記第1クロック出力を結合し、第2のトランスファ制御スイッチを制御するよう十分な電荷を出力供給に結合しない第2のクロックカップリングキャパシタを介して前記第2の電荷ポンプクロック出力を結合する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
反転及び非反転入力部並びに反転及び非反転出力部を夫々有する5よりも少ない複数の差動インバータ段を、各インバータ段の夫々の出力部が次のインバータ段の入力部に結合するようリング状に結合することによって、前記クロックを生成する段階を更に有する、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
ソース電流制限回路を介して各段における各インバータにソース電流を供給し、シンク電流制限回路を介して各段における各インバータにシンク電流を供給する段階を更に有する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
夫々の差動インバータ段が、当該差動インバータ段の出力に夫々結合されている2つの一次インバータを有する場合に、
共通のソース電流回路を介して前記一次インバータの両方にソース電流を結合し、共通のシンク電流回路を介して前記一次インバータの両方にシンク電流を結合する段階を更に有する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
夫々の差動インバータ段が、当該差動インバータ段の出力に夫々結合されている2つの一次インバータを有する場合に、
別々のソース電流回路を介して前記一次インバータの夫々にソース電流を結合し、別々のシンク電流回路を介して前記一次インバータの夫々にシンク電流を結合する段階を更に有する、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
2つの電源VDD及びVSSから前記第1クロック出力及び前記第2の電荷ポンプクロック出力を生成し、(VDD−VSS)の少なくとも96%である値を有するよう両クロック出力波形のピーク・ツー・ピーク振幅を制御する段階を更に有する、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
(VDD−VSS)の少なくとも98%であるよう前記ピーク・ツー・ピーク振幅を制御する段階を更に有する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
発振制御信号に容量結合された制御ノードで、選択されたバイアス電圧を確立する方法であって、
a)アクティブバイアスネットワークの第1端子AB1に前記制御ノードを結合し、前記アクティブバイアスネットワークの第2端子AB2で前記選択されたバイアス電圧の供給ノードを結合する段階と、
b)前記アクティブバイアスネットワークの第1サブネットワークを介して前記発振制御信号の正側の半サイクルの間前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合し、前記アクティブバイアスネットワークの別の第2サブネットワークを介して前記発振制御信号の負側の半サイクルの間前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合する段階と
を有し、
全ての結合される電荷は、少なくとも1つのFETによってドレイン−ソース間に導かれる、方法。
【請求項80】
各半サイクルの一部の間、電荷伝導を無効にする段階を更に有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
定常状態で半サイクルの全体よりも小さい部分の間充電され、反対の半サイクルの全体よりも小さい部分の間放電されるキャパシタンスを介して各半サイクルの間電荷を結合する段階を更に有する、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項82】
電荷結合経路は、前記発振制御信号の1サイクル毎に一度だけ充電及び放電をされる電流制限キャパシタンスを含む、請求項79乃至81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
電流ミラー制御電圧の生成回路を介して電流制限キャパシタンス電荷を結合する段階を更に有する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記電流ミラー制御電圧によって制御されるミラーリングFETを通じて前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合する段階を更に有する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
10,000オームよりも大きい抵抗を介して第1端子AB1と前記第2端子AB2と間に全電荷を結合する段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
5000オームよりも大きい直列受動抵抗素子を有さない経路を介して第1端子AB1と前記第2端子AB2に全電荷を結合する段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記アクティブバイアスネットワークは、1つの半サイクルの間第1端子AB1から前記第2端子AB2へ全電荷を導くサブネットワークが、相反する半サイクルの間前記第2端子AB2から前記第1端子AB1へ全電荷を導くサブネットワークと略同じであるように対称である、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
0.5ボルトよりも大きい電圧を有するよう制御されるFETチャネルを介して第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に全電荷を導く段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
バイアス設定クロックの制御下で対応するノードNbsにおいて、基準電圧Vrefに対して、選択されたバイアス電圧Vbsを生成する方法であって、
a)閾電圧設定用ダイオード接続FETを介して前記バイアス設定クロックの各サイクルの間一度だけ電荷制限キャパシタンスを充電する段階と、
b)前記閾電圧設定用FETによって確立される電圧で、前記閾電圧設定用FETとは異なるバイアス駆動用FETを介して前記ノードNbsへ電流を導く段階と、
c)前記ノードNbsで前記バイアス電圧Vbsを平滑化するよう、前記ノードNbsと前記基準電圧Vrefとの間にキャパシタンスを配置する段階と
を有する方法。
【請求項90】
前記クロックは、請求項54乃至69のいずれか一項に記載の方法に従って前記電荷ポンプクロック出力について定義されるように、略正弦波状の波形を有する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
第1クロック位相の制御下で1クロックサイクル毎に一度前記電荷制限キャパシタンスを充電し、前記第1クロック位相と略同じであるが位相が逆である第2クロック位相の制御下で1クロックサイクル毎に一度前記電荷制限キャパシタンスを放電する段階を更に有する、請求項89に記載の方法。
【請求項1】
可変比率電流ミラー差動増幅器セクションを有する集積型演算トランスコンダクタンス増幅器であって、
a)第2トランジスタのソースと近似電流源とに結合されたソースを有する第1トランジスタを有し、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは当該演算トランスコンダクタンス増幅器のためのFETの差動入力対を形成し、該入力対の対応するドレインは一対の差動電流ブランチを形成する、FETの差動対と、
b)前記差動電流ブランチの1つの差動電流ブランチに結合される出力電圧接続と、
c)可変比率電流ミラー回路と
を有し、
前記可変比率電流ミラー回路は、
i)前記差動電流ブランチの1つの差動電流ブランチから電流を導き、そのようにして導かれた電流の量を反映する電流制御電圧を生成する電流検知回路と、
ii)前記差動電流ブランチの他の差動電流ブランチにおいて前記電流制御電圧を実質的に反映する電流を生成する電流ミラー反映回路と、
iii)当該演算トランスコンダクタンス増幅器内でミラー比率制御ノードに印加される信号によって比例的に制御可能であり、(A)前記電流検知回路の電流を導くこと又は(B)前記電流制御電圧を反映する電流を生成することを助け、これにより、d)前記電流検知回路及び前記電流ミラー反映回路の夫々によって導かれる電流間の比率が前記ミラー比率制御ノードに印加される信号の制御下の範囲にわたって連続的に可変であるようにする回路と
を有する、演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項2】
前記電流ミラー反映回路は単一のFETであり、
前記電流検知回路は、連結されたドレイン及びゲートを有する複数のFETと、複数の電流ミラー反映回路FETのソースの間に結合された制御FETとを有し、
前記ミラー比率制御ノードは前記制御FETを制御する、
請求項1に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項3】
前記電流検知回路は単一のFETであり、
前記電流ミラー反映回路は、連結されたドレイン及びゲートを有する複数のFETと、該複数の電流ミラー反映回路FETのソースの間に結合された制御FETとを有し、
前記ミラー比率制御ノードは前記制御FETを制御する、
請求項1に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項4】
前記可変比率電流ミラー差動増幅器セクションが第1の可変比率電流ミラー差動増幅器セクションである場合に、前記a)乃至d)の要素に従う第2の可変比率電流ミラー差動増幅器セクションを更に有し、
前記第1の増幅器セクション及び前記第2の増幅器セクションは、互いに逆の2つの出力を生成するよう相反する差動入力デバイスに結合された共通入力部を有し、2つの可変比率電流ミラーは同じミラー比率制御ノードによって制御される、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項5】
当該演算トランスコンダクタンス増幅器の出力に実質的に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する回路を更に有する、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項6】
反転出力と非反転出力との間の差に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する別の増幅器回路を更に有する、請求項4に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項7】
前記可変比率電流ミラー回路の前記iii)の回路は、実質的に並列に結合されている3つのFETを有し、それらの並列なFETの1つのFETは、第1制御FETを介して他のFETのソースに結合されたソースを有し、前記並列なFETの1つのFETは、前記並列なFETの残り2つのFETのドレインへ第2制御FETを介して結合されたドレインを有する、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の演算トランスコンダクタンス増幅器。
【請求項8】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電荷ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記電荷ポンプクロックの出力は略正弦波状である、電荷ポンプ。
【請求項9】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電化ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記電荷ポンプクロックの出力は基本周波数f0で動作し、−5dBよりも小さい全高調波歪みを伴った波形を有する、電荷ポンプ。
【請求項10】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−10dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項11】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−15dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項10に記載の電荷ポンプ。
【請求項12】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、−20dBよりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項11に記載の電荷ポンプ。
【請求項13】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−10dBである、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項14】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−15dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項15】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−20dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項16】
f0での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力と比較してf0の三次高調波での前記電荷ポンプクロックの出力波形の電力は僅か−30dBである、
請求項13に記載の電荷ポンプ。
【請求項17】
前記電荷ポンプクロックの出力波形は、周波数f0でA1の正弦波成分振幅を有し、
f0に整数Nを乗じた対応する周波数f0×Nでの前記電荷ポンプクロックの出力波形の合理的に測定可能な各正弦高調波成分の振幅ANは、A1−2×N(dB)の振幅制限よりも小さい、
請求項9に記載の電荷ポンプ。
【請求項18】
ANについての振幅制限はA1−3×N(dB)である、
請求項17に記載の電荷ポンプ。
【請求項19】
ANについての振幅制限はA1−4×N(dB)である、
請求項17に記載の電荷ポンプ。
【請求項20】
1又はそれ以上のトランスファキャパシタに結合された複数のトランスファ制御スイッチと、リング発振器を有し、前記トランスファ制御スイッチを制御する出力を有する電化ポンプクロックとを有し、前記トランスファ制御スイッチの第1の状態において電荷は入力供給からトランスファキャパシタへ運ばれ、前記トランスファ制御スイッチの第2の状態において電荷は前記トランスファキャパシタから出力供給へ運ばれ、
前記リング発振器は、リング状に連結されている複数のリング発振器インバータ段を有し、各インバータ段は、直前のインバータ段の出力部に結合された入力部と、直後のインバータ段の入力部に結合された出力部とを有し、
前記複数のインバータ段の1つのインバータ段は、差動出力信号を供給するよう構成された一対のインバータを有する、電荷ポンプ。
【請求項21】
前記一対のインバータの出力が異なった電圧レベルになることを確かにする交差結合回路を更に有する、請求項20に記載の電荷ポンプ。
【請求項22】
前記交差結合回路は、前記一対のインバータの間に逆並列で結合された2つの更なるインバータを有する、
請求項21に記載の電荷ポンプ。
【請求項23】
前記リング発振器は、偶数個のインバータ段を有するリングとして動作する、
請求項8乃至20のうちいずれか一項に記載の電荷ポンプ。
【請求項24】
差動インバータ段からの一対の出力においてコモンモード電圧を検知して、前記リング発振器のインバータ段の出力電圧を妨げる起動回路を更に有する、請求項23に記載の電荷ポンプ。
【請求項25】
前記リング発振器は、略正弦波状である波形を生成する、
請求項20に記載の電荷ポンプ。
【請求項26】
前記リング発振器は、略対称であり且つ位相が略反転した2つのクロック波形を生成する、
請求項25に記載の電荷ポンプ。
【請求項27】
前記リング発振器は、基本周波数f0でのエネルギ及び前記基本周波数f0の高調波でのエネルギを含む動作周波数f0での波形を生成し、
f0×2よりも大きい全ての高調波における結合されたエネルギは、前記波形における全てのエネルギの20%に満たない、
請求項20又は26に記載の電荷ポンプ。
【請求項28】
f0×2よりも大きい全ての高調波における結合されたエネルギは、前記波形における全てのエネルギの10%に満たない、
請求項27に記載の電荷ポンプ。
【請求項29】
前記電荷ポンプクロックの発振出力のピーク・ツー・ピーク電圧振幅は、当該電荷ポンプ回路に供給される一次供給の振幅と比べて少なくとも98%の大きさである、
請求項8乃至28のうちいずれか一項に記載の電荷ポンプ。
【請求項30】
前記電荷ポンプクロックの発振出力のピーク・ツー・ピーク電圧振幅は、当該電荷ポンプ回路に供給される一次供給の振幅と比べて少なくとも99%の大きさである、
請求項29に記載の電荷ポンプ。
【請求項31】
発振入力信号に容量結合された増幅デバイス制御入力ノードで所与のバイアス電圧を確立するよう集積回路上に作られるアクティブバイアス抵抗型バイアス設定回路であって、
a)前記所与のバイアス電圧に結合される第1ノード、及び前記増幅デバイス制御入力ノードに結合される第2ノードと、
b)前記第1ノードと前記第2ノードとの間の一対の異なった回路導通経路であって、各経路は、他方の経路と共通でないFETを含む少なくとも1つのFETのチャネルを横断する当該一対の回路導通経路と
を有し、
c)前記第1ノードの平均電圧が前記第2ノードの平均電圧よりも大きい場合に前記第1ノードから前記第2ノードへ更なる平均電流が流れ、しかし、
d)電流は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間に現れる周期波形の大部分の間は前記第1ノードと前記第2ノードとの間に流れない、バイアス設定回路。
【請求項32】
50,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項33】
10,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項32に記載のバイアス設定回路。
【請求項34】
1,000オームよりも大きい値を有する抵抗がない場合に正しく動作する、請求項33に記載のバイアス設定回路。
【請求項35】
前記一対の回路導通経路は、小さなキャパシタンスに直列結合された10,000オームよりも大きい抵抗を有する非常に大きなコモンインピーダンスを含む、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項36】
前記一対の回路導通経路は略同一であり、該一対の回路導通経路のうち1つの経路は前記第1ノードから前記第2ノードの間に配置され、他の経路は前記第2ノードから前記第1ノードの間に配置される、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項37】
前記一対の回路導通経路の夫々の経路は、前記第1ノードと前記第2ノードとの間のキャパシタンスと並列結合されたダイオード接続FETのゲート−ソース間電圧によって制御されるゲート−ソース間電圧を有するFETを通って電流を導く、
請求項31に記載のバイアス設定回路。
【請求項38】
プロセス依存の閾電圧に整合されたバイアス電圧を供給する閾電圧追跡回路を有するバイアス生成装置であって、
a)クロック入力ノードに結合されたクロック波形の1サイクルごとに1回放電及び充電をされるよう構成される電荷供給キャパシタと、
b)適切な閾電圧を有し、各クロック波形サイクルの一部の間にのみ前記電荷供給キャパシタに充電電流を導くよう構成される閾電圧設定用ダイオード接続FETと、
c)デカップリングキャパシタによって基準電圧に結合され、該基準電圧に関して前記閾電圧の電圧値を供給するよう構成される閾電圧出力部と、
d)前記閾電圧出力部で前記デカップリングキャパシタに電流を供給する出力FETと
を有し、
前記出力FETは、実質的に、前記閾電圧設定用FETが電流を前記電荷供給キャパシタへと導く各クロック波形サイクルの部分の間、前記閾電圧設定用FETによって制御されるゲート電圧を有する、バイアス生成装置。
【請求項39】
前記クロック入力ノードでのクロック波形は、正弦波と比較して10%よりも小さい全高調波歪みを有する、
請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項40】
互いに位相が略反転しているクロック入力波形を受け取るよう構成される2つのクロック入力部を更に有する、請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項41】
前記クロック入力波形は両方とも、正弦波と比較して10%に満たない全高調波歪みを有する、
請求項40に記載のバイアス生成装置。
【請求項42】
前記クロック入力波形は、周波数f0でA1の正弦波成分振幅を有し、
f0に整数Nを乗じた対応する周波数f0×Nでのクロック出力波形の合理的に測定可能な各正弦高調波成分の振幅ANは、A1−2×N(dB)の振幅制限よりも小さい、
請求項38に記載のバイアス生成装置。
【請求項43】
集積回路で信号を増幅する方法であって、
a)第1及び第2の差動増幅器回路の組を確立する段階であって、前記第1及び第2の差動増幅器回路の夫々は対応する入力を有し、動作点で、第2の入力に対する第1の入力での電圧の増大により、前記第1の差動増幅器回路を流れる電流が増大し、前記第2の差動増幅器回路を流れる電流が減少するようにする段階と、
b)前記第1の差動増幅器回路での電流に従って変化するミラーソースFETデバイスでの電流ミラーVgs制御電圧を生成する段階と、
c)前記Vgs制御電圧によって制御されるVgsを有するミラーリングFETデバイスを前記第2の差動増幅器回路に配置する段階であって、動作点で、前記ミラーリングFETデバイスは、前記第1の差動増幅器回路での電流に第1のミラー比率を乗じたミラーリング電流を前記第2の差動増幅器回路において導く段階と、
d)前記第1及び第2の入力とは実質的に無関係であるミラー比率制御入力電圧の制御下で前記第1のミラー比率を異なった第2のミラー比率に変更する段階と
を有する方法。
【請求項44】
前記段階d)は、連続的に変化するミラー比率制御入力電圧の制御下で連続的な範囲にわたって前記第1のミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記段階d)は、前記電流ミラーVgs制御電圧と前記動作点における前記第1の差動増幅器回路での電流との間の比を変化させることによって前記第1の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記段階d)は、前記制御されるVgsと前記第2の差動増幅器回路での電流との間の比を変化させることによって前記第1の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、
請求項43又は44に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の差動増幅器回路と前記第2の差動増幅器回路との間にある小信号入力電圧に応答して第1の出力電圧を生成する段階を更に有し、
前記小信号入力電圧と前記出力電圧との間の小信号ゲインは前記ミラー比率制御入力電圧に依存する、
請求項43乃至46のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第1及び第2の入力、差動増幅器回路、ミラー比率制御用FET及び第1の出力が、第1の差動増幅器セクションである場合に、
前記第1及び第2の入力に応答して前記第1の出力と比較して反転された第2の出力を生成する第3及び第4の差動増幅器回路を有し、第2のミラーソースFETデバイスにおける前記第3の差動増幅器回路での電流を反映する第2の電流ミラーVgs制御電圧を生成し、且つ、前記第4の差動増幅器回路での電流に作用するよう前記第2の電流ミラーVgs制御電圧によって制御されるVgsを有するとともに、第2の動作点で第2の電流ミラー比率を有する第2のミラーリングFETデバイスを有する、前記第1の差動増幅器セクションと略同じ第2の差動増幅器セクションを確立する段階を更に有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
電流ミラー比率制御入力電圧の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
異なった第2の電流ミラー比率制御入力の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の電流ミラー比率制御入力の制御下で前記第2の電流ミラー比率を変化させる段階を更に有する、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
実質的に前記第1及び第2の出力の少なくとも一方に基づく信号をミラー比率制御ノードへ結合する段階を更に有する、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の出力と前記第2の出力との間の差に基づく信号を前記ミラー比率制御ノードへ結合する段階を更に有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
1又はそれ以上の電荷トランスファキャパシタを介して入力供給から出力供給へ電荷を運ぶようトランスファ制御スイッチを制御する電荷ポンプクロックを有する電荷ポンプによってモノリシック集積回路で出力供給電圧を生成する方法であって、
動作周波数f0で略正弦波状の波形を有するよう、前記トランスファ制御スイッチを制御する電荷ポンプクロックを制御する段階
を有する方法。
【請求項55】
完全な正弦波と比較して僅か10%の全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
完全な正弦波と比較して僅か5%の全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
完全な正弦波と比較して僅か−5dBの全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
完全な正弦波と比較して僅か−10dBの全高調波歪みを有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
f0での電力と比較して僅か−10dBのf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
f0での電力と比較して僅か−20dBのf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
f0での電流と比較して−30dBよりも小さいf0の三次高調波での電力を有するよう前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/.7であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/Nであるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/1.5であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記電荷ポンプクロックの波形は、周波数f0での正弦波成分振幅A1と、f0に整数Nを乗じた各高調波周波数f0×Nでの振幅ANの高調波成分とを有する場合に、
測定可能なANについてAN≦A1/N/2であるように前記電荷ポンプクロックの波形を制御する段階を更に有する、請求項54に記載の方法。
【請求項66】
前記電荷ポンプクロックの出力が第1クロック出力である場合に、
前記第1クロック出力の波形とは位相が逆である波形を有するよう制御された第2の電荷ポンプクロック出力によって、1又はそれ以上のトランスファ制御スイッチを制御する段階を更に有する、請求項54乃至65のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第1クロック出力の波形に対して略対称的に反転しているよう前記第2の電荷ポンプクロック出力の波形を制御する段階を更に有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1クロック出力の波形と同じように正弦波であるよう前記第2の電荷ポンプクロック出力の波形を制御する段階を更に有する、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1クロック出力の波形に対して略対称的に反転しているよう前記第2の電荷ポンプクロックの出力波形を制御するとともに、前記第1クロック出力及び/又は前記第2の電荷ポンプクロック出力によって電荷ポンプの全てのトランスファ制御スイッチFETを制御する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1クロック出力又は前記第2の電荷ポンプクロック出力を、十分な電荷を出力供給へ運ばないクロックカップリングキャパシタを介して前記電荷ポンプの1又はそれ以上のトランスファ制御スイッチFETの制御ノードへ結合することによって、前記トランスファ制御スイッチFETを制御する段階を更に有する、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
第1のトランスファ制御スイッチを制御するよう第1のクロックカップリングキャパシタを介して前記第1クロック出力を結合し、第2のトランスファ制御スイッチを制御するよう第2のクロックカップリングキャパシタを介して前記第2の電荷ポンプクロック出力を結合する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
第1のトランスファ制御スイッチを制御するよう十分な電荷を出力供給に結合しない第1のクロックカップリングキャパシタを介して前記第1クロック出力を結合し、第2のトランスファ制御スイッチを制御するよう十分な電荷を出力供給に結合しない第2のクロックカップリングキャパシタを介して前記第2の電荷ポンプクロック出力を結合する段階を更に有する、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
反転及び非反転入力部並びに反転及び非反転出力部を夫々有する5よりも少ない複数の差動インバータ段を、各インバータ段の夫々の出力部が次のインバータ段の入力部に結合するようリング状に結合することによって、前記クロックを生成する段階を更に有する、請求項66に記載の方法。
【請求項74】
ソース電流制限回路を介して各段における各インバータにソース電流を供給し、シンク電流制限回路を介して各段における各インバータにシンク電流を供給する段階を更に有する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
夫々の差動インバータ段が、当該差動インバータ段の出力に夫々結合されている2つの一次インバータを有する場合に、
共通のソース電流回路を介して前記一次インバータの両方にソース電流を結合し、共通のシンク電流回路を介して前記一次インバータの両方にシンク電流を結合する段階を更に有する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
夫々の差動インバータ段が、当該差動インバータ段の出力に夫々結合されている2つの一次インバータを有する場合に、
別々のソース電流回路を介して前記一次インバータの夫々にソース電流を結合し、別々のシンク電流回路を介して前記一次インバータの夫々にシンク電流を結合する段階を更に有する、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
2つの電源VDD及びVSSから前記第1クロック出力及び前記第2の電荷ポンプクロック出力を生成し、(VDD−VSS)の少なくとも96%である値を有するよう両クロック出力波形のピーク・ツー・ピーク振幅を制御する段階を更に有する、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
(VDD−VSS)の少なくとも98%であるよう前記ピーク・ツー・ピーク振幅を制御する段階を更に有する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
発振制御信号に容量結合された制御ノードで、選択されたバイアス電圧を確立する方法であって、
a)アクティブバイアスネットワークの第1端子AB1に前記制御ノードを結合し、前記アクティブバイアスネットワークの第2端子AB2で前記選択されたバイアス電圧の供給ノードを結合する段階と、
b)前記アクティブバイアスネットワークの第1サブネットワークを介して前記発振制御信号の正側の半サイクルの間前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合し、前記アクティブバイアスネットワークの別の第2サブネットワークを介して前記発振制御信号の負側の半サイクルの間前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合する段階と
を有し、
全ての結合される電荷は、少なくとも1つのFETによってドレイン−ソース間に導かれる、方法。
【請求項80】
各半サイクルの一部の間、電荷伝導を無効にする段階を更に有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
定常状態で半サイクルの全体よりも小さい部分の間充電され、反対の半サイクルの全体よりも小さい部分の間放電されるキャパシタンスを介して各半サイクルの間電荷を結合する段階を更に有する、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項82】
電荷結合経路は、前記発振制御信号の1サイクル毎に一度だけ充電及び放電をされる電流制限キャパシタンスを含む、請求項79乃至81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
電流ミラー制御電圧の生成回路を介して電流制限キャパシタンス電荷を結合する段階を更に有する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記電流ミラー制御電圧によって制御されるミラーリングFETを通じて前記第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に電荷を結合する段階を更に有する、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
10,000オームよりも大きい抵抗を介して第1端子AB1と前記第2端子AB2と間に全電荷を結合する段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
5000オームよりも大きい直列受動抵抗素子を有さない経路を介して第1端子AB1と前記第2端子AB2に全電荷を結合する段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記アクティブバイアスネットワークは、1つの半サイクルの間第1端子AB1から前記第2端子AB2へ全電荷を導くサブネットワークが、相反する半サイクルの間前記第2端子AB2から前記第1端子AB1へ全電荷を導くサブネットワークと略同じであるように対称である、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
0.5ボルトよりも大きい電圧を有するよう制御されるFETチャネルを介して第1端子AB1と前記第2端子AB2との間に全電荷を導く段階を更に有する、請求項79乃至84のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
バイアス設定クロックの制御下で対応するノードNbsにおいて、基準電圧Vrefに対して、選択されたバイアス電圧Vbsを生成する方法であって、
a)閾電圧設定用ダイオード接続FETを介して前記バイアス設定クロックの各サイクルの間一度だけ電荷制限キャパシタンスを充電する段階と、
b)前記閾電圧設定用FETによって確立される電圧で、前記閾電圧設定用FETとは異なるバイアス駆動用FETを介して前記ノードNbsへ電流を導く段階と、
c)前記ノードNbsで前記バイアス電圧Vbsを平滑化するよう、前記ノードNbsと前記基準電圧Vrefとの間にキャパシタンスを配置する段階と
を有する方法。
【請求項90】
前記クロックは、請求項54乃至69のいずれか一項に記載の方法に従って前記電荷ポンプクロック出力について定義されるように、略正弦波状の波形を有する、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
第1クロック位相の制御下で1クロックサイクル毎に一度前記電荷制限キャパシタンスを充電し、前記第1クロック位相と略同じであるが位相が逆である第2クロック位相の制御下で1クロックサイクル毎に一度前記電荷制限キャパシタンスを放電する段階を更に有する、請求項89に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2011−528870(P2011−528870A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518737(P2011−518737)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/004149
【国際公開番号】WO2010/008586
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(311000579)ペレグリン セミコンダクター コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2009/004149
【国際公開番号】WO2010/008586
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(311000579)ペレグリン セミコンダクター コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]