低圧インラインフィルター作用を備える自動アナライザー
パーティクル物質を含む生体サンプルのための自動アナライザーは、アナライザーの低圧セクションにフィルターを有することにより、分析カートリッジを換えることなく、且つ、多くの場合内部切替バルブを変えることなく多数のサンプルを処理するように適合されており、且つ、好適には、アナライザーがサンプルインジェクション間のフィルターにおいてバックフラッシュを行えるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年1月19日に出願された米国仮出願番号61/296,177号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、生体サンプルのための自動アナライザーの技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
血液、尿、組織抽出液及び均等物のような生体液の分析は、多数のサンプルと、サンプル間及び基準との比較を含む方法とによって多く行われている。特にサンプルが、適切な分析結果の取得を妨害し得る様々な競合種を有するときには、高い精度が必要とされる。自動アナライザーは、多数のサンプルでの使用及び繰り返し分析式及び均一分析式の動作によく適合する。利便性及び経済性の提供に加え、自動アナライザーは、分析が手動で行われるとき及び特に別の人間によって行われるときに生じることの多い変動を除去する。
【0004】
自動化システムの課題の1つは、サンプルがクロマトグラフィーカラム及び検出器のような重要な分析構成要素に入る前に、サンプルから残留物を除去する必要があるという点である。これは、分析システムに入る前に概して目的の種及びタンパク質を遊離するために溶血によって最初に処理される血液サンプルの場合に特に問題となる。溶血血液内に含まれるサンプル残留物の種類は、細胞壁断片並びに他のパーティクル及び脂質を含む。こうした全ての残留物は、サンプルの調製中及び処理中にシステムに混入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンプル残留物の除去は、識別及び定量化の目的でサンプル成分を分離するために高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような高圧ユニットを利用する、自動化システムにおいて特に重要であり、これらのシステムは、サンプル処理の自動シーケンスで使用される切替バルブを有する。ひとたびこれらの構成要素内の混入物が、分析を妨害する程度にまで達したときは、アナライザーは、停止されて開けられ、分析カラムであれ、内部バルブであれ、汚染部を取り除き、且つ、洗浄し又は取り替えられなければならない。これらの作業を行うための時間の浪費及び装置の使用時間の損失は、コストとなり得る。停止前にエラーが生じる可能性も、装置の信頼性及び既に実行された分析の精度を不透明とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、分析カラムで使用される高圧下で操作されるセクション内ではなく、アナライザーの低圧セクション内にサンプルフィルターを組み込むことによって上述した問題に対処する。このように本発明のアナライザーは、サンプルをアナライザーへと案内し、且つ、多くの場合において分析のために準備される低圧セクションと、分析カートリッジを通してサンプルの高圧ポンプ輸送を提供するために設計された高圧セクションと、分析カートリッジ及びサンプルループを含む分析セクションと、分析セクションを低圧セクション又は高圧セクションのいずれかに接続する切替バルブとを有する。こうして生体液のサンプルは、サンプルを低圧セクションに案内し、サンプルループを満たすため、サンプルを低圧ポンプによって低圧セクションからサンプルフィルターを通してポンプ輸送し、サンプルを、高圧ポンプによってサンプルループから分析カートリッジへとポンプ輸送してカートリッジを通過させ、且つ、カートリッジで分離されたサンプルの成分を検出することによる本発明で分析される。本発明に係る1つの実施形態において、アナライザーは、サンプル希釈剤槽と、サンプル希釈剤槽にサンプルを追加し且つサンプルを希釈するためにそのサンプル希釈剤槽に希釈剤を追加するサンプル輸送サブシステムと、サンプルループ及び分析カートリッジを有する分析カートリッジサブシステムと、サンプルをサンプル希釈剤槽からサンプルループへと低圧でポンプ輸送する低圧ポンプシステムと、カートリッジ内で分離するために高圧でサンプルループ及び分析カートリッジを通してバッファー液をポンプ輸送する高圧ポンプシステムと、様々なポジション間を切り替えるマルチポジション切替バルブとを有し、そのポジションは、サンプルループの低圧供給のためのポジションと、サンプルループからサンプル成分の分離が生じる分析カートリッジへとサンプルを輸送するためにバッファー液でサンプルループを高圧パージするためのポジションとを有する。サンプルフィルターは、マルチポジション切替バルブのポジションにかかわらず、すなわち、サンプルループの供給中であっても、分析カートリッジをサンプルが通過中であっても、サンプル希釈剤槽と、低圧ポンプサブシステムの低圧が保持される部分のサンプルループとの間に位置する。サンプルフィルターが低圧セクションにあるため、アナライザーは、分析カートリッジの取り外し及び取替えの必要なくより多くのサンプルにおいて使用され得る。本発明に係る1つの実施形態において、マルチポジション切替バルブは、上述した2つのポジションに加え、自動バックフラッシュを可能とするためのバックフラッシュポジションを有する。更に別の実施形態において、サンプルフィルターは、サンプル希釈剤槽と、その槽の下流側、すなわち、分析カートリッジへと向かう方向にある全てのバルブとの間に位置する。これらの特徴は、更にサンプル数を増やしたときであっても、結果の信頼性及び精度を損なわずに装置を運転することを可能とする。本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び利点について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るアナライザーのフローシステム構成図である。
【図2】更なる説明のため、別のグループ化で示された構成要素を備える図1のアナライザーの別の図である。
【図3】マルチポジション切替バルブとしての用途の、図2のアナライザーの回転バルブを示す。
【図4A】図2とは別の用途の第2回転バルブを示す。
【図4B】第2ポジションに回転した図3Aの回転バルブを示す。
【図4C】第3ポジションに回転した図3Aの回転バルブを示す。
【図5A】運転の第1段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5B】運転の第2段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5C】運転の第3段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5D】運転の第4段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5E】運転の第5段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5F】運転の第6段階にある図1のアナライザーを示す。
【図6】本発明に係るアナライザーの別のフローシステムを示す。
【図7】本発明に係るアナライザーの更に別のフローシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明に係る自動血液サンプルアナライザー10の一例のフローシステム構成図である。3つのセクションが破線で示されており、低圧セクション12、高圧セクション13及び分析セクション14がある。切替バルブ15も示されており、サンプルフィルター16も低圧セクション12内に示されている。
【0009】
フローシステムは図2に、より詳細に示されており、アナライザー構成要素がサブシステムにグループ化されており、且つ、アナライザーの全てのバルブ、センサー、ポンプ及び検出器を制御するコントローラー11が含まれている。サブシステムは、サンプル希釈サブシステム20と、サンプル輸送サブシステム又はニードルサブシステム30と、低圧ポンプサブシステム40と、分析カートリッジサブシステム50と、高圧ポンプサブシステム60とを有する。コントローラー11は、一般用コンピューター、専用コンピューター又はリモートサーバーとすることができる。この例において、コントローラー11は、ハードウェア及びソフトウェアの両方を有し、且つ、アナライザー10そのものの一部又は分離システムとすることもできる。アナライザー10は、前述した「課題を解決するための手段」の欄又は他の欄で記載した様々なサブシステムを含む。サブシステムは、図中に破線で示されており、以下に説明する。
【0010】
希釈サブシステム20において、サンプルは、分析カラムに入る前に希釈剤で希釈される。希釈サブシステムは、希釈剤槽21と、ニードル洗浄槽22と、希釈剤槽21又はニードル洗浄槽22から廃液コンテナ55へと廃液を輸送するためのバキュームポンプ23とを有する。
【0011】
サンプル輸送サブシステム又はニードルサブシステム30は、サンプル貯蔵器(図示せず)からサンプルを吸引し、希釈剤槽21へと輸送する。ニードルサブシステムは、ニードル31と、サンプル貯蔵器及び希釈剤槽21間でニードルを動かす可動ニードルアーム32とを有する。ニードルアーム32は、使用者によって手動で動かされるか、コントローラー11を介してロボット操作によって動かされる。ニードルサブシステムは、三方トランジションバルブV1及び低圧ポンプ33も有する。この目的において有用な低圧ポンプの例は、例えばサンプルタンクからポンプに向かって一方向に液体を吸引することができ且つ液体をポンプとは逆方向に、例えば希釈剤槽21へと押し出すこともできるシリンジポンプである。トランジションバルブの例としては、ソレノイド駆動三方バルブがある。このバルブV1と、全てのサブシステムも含め図示されたシステム内の他の全ての三方バルブとは、各々3つの接続、すなわち、常に開いているコモン接続(「COM」と表示)と、ソレノイドが励磁されていないときに開くノーマルオープン接続(「NO」と表示)と、ソレノイドが励磁されていないときに閉じるノーマルクローズ接続(「NC」と表示)とを有する。図1及び続く図に示すそれぞれの段階の非操作モードにおいて、開かれたバルブを通るフローラインは、実線で示されており、閉じたラインは破線で示されている。低圧ポンプ33は、トランジションバルブV1のコモン接続COMに接続されている。
【0012】
低圧ポンプサブシステム40は、低圧ポンプ42と、希釈サブシステム20で使用され、希釈剤としての役割も果たす洗浄流体43のためのタンクと、2つの三方バルブV2、V3とを有する。低圧ポンプ42は、1つの三方バルブV2のコモン接続COMと接続されており、同じバルブV2の他の可動な接続の1つは、他の三方バルブV3のコモン接続COMと接続されている。ここで再び低圧ポンプ42も、シリンジポンプによって図示されており、洗浄流体を洗浄流体タンク43からポンプへ吸引することと、低圧フィルター(以下で説明)のバックフラッシュを含む、洗浄流体をポンプから他のサブシステムの輸送ラインへ吐出させることとの両方ができる。洗浄流体タンク43からの分離ラインは、三方バルブV2を介してポンプサブシステムの低圧ポンプ42へと接続されており、且つ、三方バルブV1を介してニードルサブシステムの低圧ポンプ33へと接続されている。
【0013】
分析カートリッジサブシステム50は、低圧サンプルフィルター51(このフィルターは、予備フィルターとしての役割を果たし、図1のサンプルフィルター16と同じである。)と、2つの三方バルブV4、V5と、インジェクションバルブV6と、サンプルループ52と、分析カートリッジ53と、検出器54と、廃液貯蔵器55とを有する。サンプルフィルター51は、希釈サブシステム20と、低圧ポンプサブシステム40との両方の下流側直下に位置し、第1三方バルブV4のコモン接続COMに接続されている。フィルター出口ライン57は、インジェクションバルブV6に直接接続されている。バックフラッシュを強める2つの付属構成要素も図示されており、ピンチバルブ58及び超音波送受波器59である。ピンチバルブ58は、柔軟性を有する材料から作られたライン57に取付けられており、周期的に柔軟性を有するチューブ上で開閉することにより、バルブがバックフラッシュ流体に圧力脈動を生成する。超音波送受波器59は、例えば、超音波圧力波をフィルターに送波するためにフィルターを包囲し、超音波が伝搬するように流体を介してサンプルフィルター51と結合された圧電結晶積層である。
【0014】
インジェクションバルブV6は、上述の「課題を解決するための手段」の欄でマルチポジション切替バルブとして説明したバルブのように機能する。この目的のために使用され得るバルブの1つの例は、図3に拡大して図示された7ポート回転バルブである。7つのポートは、円状に配列され、且つ、円周上に均一に離間された6つのポート71、72、73、74、75、76と、円の中心にある第7のポート77とを有する。インジェクションバルブの様々なポジションは、ポートの8対の間に様々な組合せの流体接続を形成し、サンプルループ52は、7つのポートのうち2つのポートを接続する所定の体積(すなわち長さ及び口径)のチューブ長からなる。別のポートは、分析カートリッジ53と流体的に接続されている。
【0015】
インジェクションバルブV6として使用され得るマルチポジション切替バルブの別の例は、図4A、4B及び4Cに図示されたバルブである。これらの図中のバルブ81は、2つのサンプルループ82、83を備えた10ポート回転バルブである。9つのポート84、85、86、87、88、89、90、91、92は、円状に配列され、且つ、円周上に均一に離間されており、第10ポート93は円の中心にある。様々なポートと接続された流路は、高圧ポンプシステムによって供給されるサンプル入口ライン94と、分析カートリッジに接続されたサンプル出口ライン95と、廃液貯蔵器に接続されたライン96とを有する。中央ポート93は、洗浄流体源に接続されている。全ての10ポート及び両方のサンプルループは、バルブの固定された部分にある。バルブの回転部97は5つの接続経路を有する。4つの接続経路、101、102、103、104は、隣接するポート84から92までの対と、同一円上に位置し、バルブが回転するにつれてその対を移動する。第5接続経路105は、中心ポート93と、同一直線上に配置されており、且つバルブが回転するにつれてポート84からポート92までのそれぞれのうちの1つと、同一円上で連続して配置された状態で回転する。図4Aに示されたポジションにおいて、高圧ポンプシステムは、第1サンプルループ82の内在物を、出口ライン95を通して分析カートリッジへとポンプ輸送するために第1サンプルループ82に接続されている。図4Bに示すポジションにおいて、中央ポート93を通過した洗浄流体が、第1サンプルループ82を通過して廃液ライン96へと流れ出る一方で、高圧ポンプサブシステムは、第2サンプルループ83に接続され、第2サンプルループ83の内在物を、出口ライン95を通して分析カートリッジへとポンプ輸送する。図4Cに示すポジションにおいて、サンプルループ82、83の両方は、直列に高圧ポンプサブシステムに接続されており、それによって、洗浄流体が高圧ポンプサブシステムによってポンプ輸送され、入口ライン94に入るとき、洗浄流体は、両方のサンプルループを通過し、廃液ライン96から出る。
【0016】
図2に戻ると、高圧ポンプサブシステム60は、それぞれ分離バッファー及び溶出バッファーのための2つのバッファー貯蔵器61、62と、バッファー溶液から溶解ガス、気泡又は両方を除去するための脱気剤又は気泡除去器63と、2つの高圧ポンプ64、65と、圧力センサー66と、2つの高圧ポンプの出口を接続するティー継手67とを有する。流体輸送ラインは、脱気剤/気泡除去器63を介して様々にバッファー貯蔵器を高圧ポンプの入口に接続し、高圧ポンプ64、65の出口からティー継手67へと接続し、ティー継手67から分析カートリッジサブシステム50のインジェクションバルブV6へと接続する。圧力センサー66は、ティー継手67及びインジェクションバルブV6間の流体体積を最小とするため、ティー継手67の上流側に位置する。
【0017】
図5Aから図5Fは、図1及び図2のアナライザーを用いる分析的工程に続く、図3の7ポート回転インジェクションバルブを有する典型的なシーケンスの一連の段階を示す。その段階に適応する方法に関して、図4A、4B及び4Cの発明にかかる10ポート回転バルブを使用することは当業者にとって容易に明らかである。
【0018】
図5Aから図5Fのそれぞれは、三方バルブ及びインジェクションバルブのポジション並びに結果として生じる流れ方向と共に、示された段階で使用されている時のフローシステム構成の一部のみ示している。ニードルサブシステムによってサンプルが希釈剤槽21内で希釈され、且つ、洗浄バッファーが希釈剤として追加された後にシーケンスは図5Aから始まる。この段階において、励磁されたトランジションバルブV2及びV5によって、且つ、ポート75をポート74に接続し、ポート71をポート77に接続するインジェクションバルブV6の所定のポジションへの配置によって流体経路が形成される。三方バルブV3及びV4は、励磁されないままであり、すなわち、流体経路は、それらのノーマルオープン(NO)ポートを通過する。様々なバルブをこれらのポジションに設定して、希釈剤槽21とポンプシステム40の低圧ポンプ42との間に流体経路が形成される。低圧ポンプ42は、希釈されたサンプルを希釈剤槽21から分析カートリッジサブシステム50へと吸引するために下方向の矢印によって示される方向に駆動される。低圧ポンプ42の限られた距離及び限られた吸引能力のため、低圧フィルター51は、この段階において、サンプルの限界距離にある。
【0019】
低圧フィルター51を通し、サンプルループ52の中へとサンプルを輸送するために、図5Bに示された構成にシステムが配置される。このフロー構成において、三方バルブV3及びV4は励磁され、V5は励磁されず、且つ、インジェクションバルブV6はポート75とポート74及びポート71とポート77のみを接続するポジションへと回転される。それからポンプシリンダー内で低圧ポンプ42は、上方向の矢印によって示された前方方向へ駆動され、サンプルが低圧フィルター51の上流側からフィルターを通してサンプルループ52へと押し出される。
【0020】
サンプルで分析を実行するために、バルブは図5Cに示した流体経路を形成するためのポジションに切り替えられる。この流体経路において、高圧ポンプサブシステム60によってサンプルループ52から分析カートリッジ53及び検出器54を通ってサンプルは押し出される。これらの流体経路を形成するため、インジェクションバルブV6は、ポート71とポート72及びポート74とポート73のみが接続されるポジションへと回転される。サンプルの輸送は、タンク61及び62からのバッファーの時変混合によって行われる。タンク61のバッファーは、脱気剤/気泡除去器63を通して第1高圧ポンプ64によって吸引され、混合ティー継手67の1つの接続へと導かれる。同様に、タンク62のバッファーは、第2高圧ポンプ65によって吸引され、混合ティー継手67の他の接続へと導かれる。2つのバッファーの混合は、ティー継手67の残りの接続によってティー継手から出て、それからサンプルループ52及び分析カートリッジ53を通過し、カートリッジから表出する分離された成分が検出器54を通過する。生体サンプルのクロマトグラフィー分離に関する当業者であれば容易に明らかでるが、適切にプログラムされた2つのバッファーの比の変化で、あらかじめサンプルループ52に存在するサンプルの成分は、分離され、且つ、個別に検出され、計量され、又は両方行われる。
【0021】
サンプル分析後に様々な流路をバックフラッシュするため、バルブは図5Dに示す構成に切り替えられる。この構成を実現するため、三方バルブV3及びV5は励磁され、トランジションバルブV4は励磁されず、且つ、インジェクションバルブV6は、ポート75がポート74に接続され、且つ、ポート71がポート77に接続されるポジションへと回転される。洗浄流体は、低圧ポンプ42内に吸引され、それからバルブ内部の矢印で示された前方方向へ駆動される。この方向において、ポンプは、共に逆流方向にあるサンプルループ52及びプレフィルター51を通して洗浄流体を輸送する。
【0022】
サンプルニードル31を洗浄するためのフロー構成は、図4Eに示されている。この構成を実現するために、洗浄流体タンク43からの洗浄流体は、第1低圧ポンプ33へと吸引され、まず洗浄流体を供給され、トランジションバルブV1が励磁され、ニードル31がニードル洗浄槽22の上に動かされ、第1低圧ポンプ33が前方方向(矢印で示す)に起動され、且つ、バキュームポンプ23が起動される。洗浄流体は、それからニードルを通ってニードル洗浄槽22へと流れ込み、その後、ニードル洗浄槽22から廃液貯蔵器55へと吸引される。このニードル洗浄段階は、前のサンプルが混入したサンプルを避けるために各サンプル後に行われる。
【0023】
図5Fに示す最後のフロー構成は、低圧ポンプ42によって洗浄流体タンク43から吸引した洗浄流体を使用した、高圧ポンプ64、65の全4本のピストンの背部の洗浄のために使用される。この洗浄は、ポンプの通常運転中に、少量のバッファー漏れがポンプのシール部に貼り付いたときに、ピストンの背部で形成される塩結晶を取り除く。もしこれが残されたままであれば、塩結晶は、シール部の寿命を短くする。図5Fに示す構成において、三方バルブV2は励磁され、インジェクションバルブV6はポート76がポート77と接続されるポジションへと回転される。この方法において、ピストンの背部の洗浄は、サンプル後に毎回行う必要はないが、一日に一回など、洗浄が定期的に行われるならば最善の結果が得られる。
【0024】
図6に示す別のシステムは、図2の1つの三方バルブV4が5ポート回転バルブV7と置き換えられている点並びに他の2つの三方バルブV2及びV3が取り除かれているという点を除いて図2のシステムと同様なサブシステム及び構成要素を含む。図5Aから図5Fに示す段階は、V1、V5、V6及びV7のバルブの操作によっても実現可能である。
【0025】
3つのサブシステムのための更に別の手段を、図7に示す。図7の希釈サブシステム120は、図2の希釈サブシステム20と同じ役割を果たし、図7のサンプル輸送サブシステム130は、図2のサンプル輸送サブシステム30と同じ役割を果たし、且つ、図7の低圧ポンプシステム140は、図2の低圧ポンプシステム40と同じ役割を果たす。図7において図示していないのは、分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムであり、図2の関連するサブシステムは、当業者にとって容易に明らかな適切な接続で使用され得る。図7のシステムの特徴は、希釈サブシステム120及び低圧ポンプシステム140から、分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムの両方へと接続される三方バルブ121を有するという点である。分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムは、図中の構成においてバルブ121の右に位置する。フィルター51は、サンプル希釈サブシステム120と三方バルブ121との間に位置し、サンプル希釈サブシステム120とフィルター51との間には、バルブは存在しない。こうしてフィルターは、全てのバルブを、サンプル残留物から保護する。
【0026】
好適には低圧フィルター51は、孔幅1.0マイクロメートル未満の材料であり、約0.1マイクロメートルから約0.8マイクロメートルだと更に良く、約0.2マイクロメートルから約0.5マイクロメートルだと最も好ましい。孔は概して孔寸法分布曲線を形成する寸法範囲を包含するため、ここで見積もられた孔幅は、この曲線の中央値又は最大値である。孔が円筒状の場合、見積もられた幅は、孔の径を示し、孔がスリット状の場合、幅は、特定の孔の開口部の最も狭い寸法を示す。フィルターは、1以上のスクリーン若しくは1以上のフリットから又はパックされた微粒子から形成され得る。メッシュスクリーンも含め、スクリーンは、洗浄が容易であるという利点を有する。フィルター構成の材質の例としては、金網メッシュ、銀メンブレン、ナイロンメンブレン、ポリマーメンブレン、ポーラスアルミナメンブレン、燃結セラミック、プラスチック及びステンレス鋼がある。メンブレンの材料となるポリマーの例としては、PCTE(ポリカーボネイト)の親水性フォーム、PES(ポリエーテルサルフォン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリプロピレン及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)がある。層状メッシュスクリーンも、流れ方向に増加又は減少する段階的な孔寸法を形成するために使用できるため有用である。他の使用可能なフィルター材は、レーザー微細穴加工された金属箔又はフォトエッチング金属箔である。
【0027】
好適には、低圧フィルターは、フィルターをフローラインの所定の場所に固定し、フレキシブルなフィルター材料が使用されている場合のフィルターの屈曲を防止し、且つ、必要ならば、全体のフィルター領域を利用するためにフィルター領域上のサンプルフローの分布を促進するホルダーに取付けられている。パターン化された流れの分布は流路、整流板及び均等物を含む従来の手段によって実現可能である。フィルター内のパターン化された流れの分布は、サンプル間のフィルターを洗浄するバックフラッシュの能力を高めることができる。洗浄の効率は、フィルターに入る流れの入口及びフィルターからのその出口の配置の適切な選択によっても向上させることができる。例えば直線流れ又はパターン化された流れにおいて、サンプル流れをフィルターの表面を通過するように方向付けると、バックフラッシュの間、流体経路は、フィルターの洗浄をより効果的にする。更に、洗浄は、超音波エネルギーの適用によるバックフラッシュ流れの脈動生成、又は、乱流、キャビテーション若しくは両方を生じさせる事によって強めることができる。乱流を生じさせる構造又は流速を高める構造を有するフィルター及びフィルターホルダーも、バックフラッシュの効果を向上させる。
【0028】
こうして、アナライザーは、前方にプレフィルターを備え、後方に分析カートリッジを備える低圧サブシステム及び高圧サブシステムを有する。多くの場合低圧フィルターの圧力は、約1psiから30psi(約7kPaから約206kPa)の範囲内であり、高圧側が、約1,000psiから10、000psi(約6,895kPaから68,947kPa)の範囲内だと考えられる。
【0029】
バックフラッシュは、各サンプル注射の後又はニ以上のサンプルインジェクションの後に実行できる。通常のバックフラッシュで、低圧フィルターは、10,000回のインジェクションにおいて使用可能であり、又は、多くの場合、好適には、100,000回及び1,000,000回のインジェクションにおいてさえ可能である。流体経路及びバルブのように残留物によって劣化又は目詰りを起こしかねないシステムの下流側部分は、同様に、除去又は取替が必要となる前に、10,000回のインジェクション、好適には、100,000回又は1,000,000回のインジェクションでさえ使用可能である。分析カートリッジは、1,000回のインジェクション及び、好適には、10,000回、最適には100,000回のインジェクションにおいて使用可能である。
【0030】
添付された特許請求の範囲において、「1つの」という表現は、「1つ又は複数の」という意味を意図している。工程又は要素についての記載の前に更なる工程又は要素についての付加的な意味を意図している場合は、「具備する」及び「具備している」のようなその活用形の語は、付加的なものであり、排他的なものではない。本明細書に引用された全ての特許、特許出願、及び、他の公開された参照資料は、それらの全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。本明細書に引用された任意の参照資料及び一般的先行技術と、本明細書の明示の記載との間に相違がある場合、本明細書の記載を優先することにより解消することが意図される。これは、当業界で理解されている単語又は語句の定義と、本明細書で明示される同一の単語又は語句の定義との間に相違がある場合も同様である。
【技術分野】
【0001】
本願は、2010年1月19日に出願された米国仮出願番号61/296,177号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、生体サンプルのための自動アナライザーの技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
血液、尿、組織抽出液及び均等物のような生体液の分析は、多数のサンプルと、サンプル間及び基準との比較を含む方法とによって多く行われている。特にサンプルが、適切な分析結果の取得を妨害し得る様々な競合種を有するときには、高い精度が必要とされる。自動アナライザーは、多数のサンプルでの使用及び繰り返し分析式及び均一分析式の動作によく適合する。利便性及び経済性の提供に加え、自動アナライザーは、分析が手動で行われるとき及び特に別の人間によって行われるときに生じることの多い変動を除去する。
【0004】
自動化システムの課題の1つは、サンプルがクロマトグラフィーカラム及び検出器のような重要な分析構成要素に入る前に、サンプルから残留物を除去する必要があるという点である。これは、分析システムに入る前に概して目的の種及びタンパク質を遊離するために溶血によって最初に処理される血液サンプルの場合に特に問題となる。溶血血液内に含まれるサンプル残留物の種類は、細胞壁断片並びに他のパーティクル及び脂質を含む。こうした全ての残留物は、サンプルの調製中及び処理中にシステムに混入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サンプル残留物の除去は、識別及び定量化の目的でサンプル成分を分離するために高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような高圧ユニットを利用する、自動化システムにおいて特に重要であり、これらのシステムは、サンプル処理の自動シーケンスで使用される切替バルブを有する。ひとたびこれらの構成要素内の混入物が、分析を妨害する程度にまで達したときは、アナライザーは、停止されて開けられ、分析カラムであれ、内部バルブであれ、汚染部を取り除き、且つ、洗浄し又は取り替えられなければならない。これらの作業を行うための時間の浪費及び装置の使用時間の損失は、コストとなり得る。停止前にエラーが生じる可能性も、装置の信頼性及び既に実行された分析の精度を不透明とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、分析カラムで使用される高圧下で操作されるセクション内ではなく、アナライザーの低圧セクション内にサンプルフィルターを組み込むことによって上述した問題に対処する。このように本発明のアナライザーは、サンプルをアナライザーへと案内し、且つ、多くの場合において分析のために準備される低圧セクションと、分析カートリッジを通してサンプルの高圧ポンプ輸送を提供するために設計された高圧セクションと、分析カートリッジ及びサンプルループを含む分析セクションと、分析セクションを低圧セクション又は高圧セクションのいずれかに接続する切替バルブとを有する。こうして生体液のサンプルは、サンプルを低圧セクションに案内し、サンプルループを満たすため、サンプルを低圧ポンプによって低圧セクションからサンプルフィルターを通してポンプ輸送し、サンプルを、高圧ポンプによってサンプルループから分析カートリッジへとポンプ輸送してカートリッジを通過させ、且つ、カートリッジで分離されたサンプルの成分を検出することによる本発明で分析される。本発明に係る1つの実施形態において、アナライザーは、サンプル希釈剤槽と、サンプル希釈剤槽にサンプルを追加し且つサンプルを希釈するためにそのサンプル希釈剤槽に希釈剤を追加するサンプル輸送サブシステムと、サンプルループ及び分析カートリッジを有する分析カートリッジサブシステムと、サンプルをサンプル希釈剤槽からサンプルループへと低圧でポンプ輸送する低圧ポンプシステムと、カートリッジ内で分離するために高圧でサンプルループ及び分析カートリッジを通してバッファー液をポンプ輸送する高圧ポンプシステムと、様々なポジション間を切り替えるマルチポジション切替バルブとを有し、そのポジションは、サンプルループの低圧供給のためのポジションと、サンプルループからサンプル成分の分離が生じる分析カートリッジへとサンプルを輸送するためにバッファー液でサンプルループを高圧パージするためのポジションとを有する。サンプルフィルターは、マルチポジション切替バルブのポジションにかかわらず、すなわち、サンプルループの供給中であっても、分析カートリッジをサンプルが通過中であっても、サンプル希釈剤槽と、低圧ポンプサブシステムの低圧が保持される部分のサンプルループとの間に位置する。サンプルフィルターが低圧セクションにあるため、アナライザーは、分析カートリッジの取り外し及び取替えの必要なくより多くのサンプルにおいて使用され得る。本発明に係る1つの実施形態において、マルチポジション切替バルブは、上述した2つのポジションに加え、自動バックフラッシュを可能とするためのバックフラッシュポジションを有する。更に別の実施形態において、サンプルフィルターは、サンプル希釈剤槽と、その槽の下流側、すなわち、分析カートリッジへと向かう方向にある全てのバルブとの間に位置する。これらの特徴は、更にサンプル数を増やしたときであっても、結果の信頼性及び精度を損なわずに装置を運転することを可能とする。本発明のこれらの及び他の目的、特徴及び利点について以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係るアナライザーのフローシステム構成図である。
【図2】更なる説明のため、別のグループ化で示された構成要素を備える図1のアナライザーの別の図である。
【図3】マルチポジション切替バルブとしての用途の、図2のアナライザーの回転バルブを示す。
【図4A】図2とは別の用途の第2回転バルブを示す。
【図4B】第2ポジションに回転した図3Aの回転バルブを示す。
【図4C】第3ポジションに回転した図3Aの回転バルブを示す。
【図5A】運転の第1段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5B】運転の第2段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5C】運転の第3段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5D】運転の第4段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5E】運転の第5段階にある図1のアナライザーを示す。
【図5F】運転の第6段階にある図1のアナライザーを示す。
【図6】本発明に係るアナライザーの別のフローシステムを示す。
【図7】本発明に係るアナライザーの更に別のフローシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明に係る自動血液サンプルアナライザー10の一例のフローシステム構成図である。3つのセクションが破線で示されており、低圧セクション12、高圧セクション13及び分析セクション14がある。切替バルブ15も示されており、サンプルフィルター16も低圧セクション12内に示されている。
【0009】
フローシステムは図2に、より詳細に示されており、アナライザー構成要素がサブシステムにグループ化されており、且つ、アナライザーの全てのバルブ、センサー、ポンプ及び検出器を制御するコントローラー11が含まれている。サブシステムは、サンプル希釈サブシステム20と、サンプル輸送サブシステム又はニードルサブシステム30と、低圧ポンプサブシステム40と、分析カートリッジサブシステム50と、高圧ポンプサブシステム60とを有する。コントローラー11は、一般用コンピューター、専用コンピューター又はリモートサーバーとすることができる。この例において、コントローラー11は、ハードウェア及びソフトウェアの両方を有し、且つ、アナライザー10そのものの一部又は分離システムとすることもできる。アナライザー10は、前述した「課題を解決するための手段」の欄又は他の欄で記載した様々なサブシステムを含む。サブシステムは、図中に破線で示されており、以下に説明する。
【0010】
希釈サブシステム20において、サンプルは、分析カラムに入る前に希釈剤で希釈される。希釈サブシステムは、希釈剤槽21と、ニードル洗浄槽22と、希釈剤槽21又はニードル洗浄槽22から廃液コンテナ55へと廃液を輸送するためのバキュームポンプ23とを有する。
【0011】
サンプル輸送サブシステム又はニードルサブシステム30は、サンプル貯蔵器(図示せず)からサンプルを吸引し、希釈剤槽21へと輸送する。ニードルサブシステムは、ニードル31と、サンプル貯蔵器及び希釈剤槽21間でニードルを動かす可動ニードルアーム32とを有する。ニードルアーム32は、使用者によって手動で動かされるか、コントローラー11を介してロボット操作によって動かされる。ニードルサブシステムは、三方トランジションバルブV1及び低圧ポンプ33も有する。この目的において有用な低圧ポンプの例は、例えばサンプルタンクからポンプに向かって一方向に液体を吸引することができ且つ液体をポンプとは逆方向に、例えば希釈剤槽21へと押し出すこともできるシリンジポンプである。トランジションバルブの例としては、ソレノイド駆動三方バルブがある。このバルブV1と、全てのサブシステムも含め図示されたシステム内の他の全ての三方バルブとは、各々3つの接続、すなわち、常に開いているコモン接続(「COM」と表示)と、ソレノイドが励磁されていないときに開くノーマルオープン接続(「NO」と表示)と、ソレノイドが励磁されていないときに閉じるノーマルクローズ接続(「NC」と表示)とを有する。図1及び続く図に示すそれぞれの段階の非操作モードにおいて、開かれたバルブを通るフローラインは、実線で示されており、閉じたラインは破線で示されている。低圧ポンプ33は、トランジションバルブV1のコモン接続COMに接続されている。
【0012】
低圧ポンプサブシステム40は、低圧ポンプ42と、希釈サブシステム20で使用され、希釈剤としての役割も果たす洗浄流体43のためのタンクと、2つの三方バルブV2、V3とを有する。低圧ポンプ42は、1つの三方バルブV2のコモン接続COMと接続されており、同じバルブV2の他の可動な接続の1つは、他の三方バルブV3のコモン接続COMと接続されている。ここで再び低圧ポンプ42も、シリンジポンプによって図示されており、洗浄流体を洗浄流体タンク43からポンプへ吸引することと、低圧フィルター(以下で説明)のバックフラッシュを含む、洗浄流体をポンプから他のサブシステムの輸送ラインへ吐出させることとの両方ができる。洗浄流体タンク43からの分離ラインは、三方バルブV2を介してポンプサブシステムの低圧ポンプ42へと接続されており、且つ、三方バルブV1を介してニードルサブシステムの低圧ポンプ33へと接続されている。
【0013】
分析カートリッジサブシステム50は、低圧サンプルフィルター51(このフィルターは、予備フィルターとしての役割を果たし、図1のサンプルフィルター16と同じである。)と、2つの三方バルブV4、V5と、インジェクションバルブV6と、サンプルループ52と、分析カートリッジ53と、検出器54と、廃液貯蔵器55とを有する。サンプルフィルター51は、希釈サブシステム20と、低圧ポンプサブシステム40との両方の下流側直下に位置し、第1三方バルブV4のコモン接続COMに接続されている。フィルター出口ライン57は、インジェクションバルブV6に直接接続されている。バックフラッシュを強める2つの付属構成要素も図示されており、ピンチバルブ58及び超音波送受波器59である。ピンチバルブ58は、柔軟性を有する材料から作られたライン57に取付けられており、周期的に柔軟性を有するチューブ上で開閉することにより、バルブがバックフラッシュ流体に圧力脈動を生成する。超音波送受波器59は、例えば、超音波圧力波をフィルターに送波するためにフィルターを包囲し、超音波が伝搬するように流体を介してサンプルフィルター51と結合された圧電結晶積層である。
【0014】
インジェクションバルブV6は、上述の「課題を解決するための手段」の欄でマルチポジション切替バルブとして説明したバルブのように機能する。この目的のために使用され得るバルブの1つの例は、図3に拡大して図示された7ポート回転バルブである。7つのポートは、円状に配列され、且つ、円周上に均一に離間された6つのポート71、72、73、74、75、76と、円の中心にある第7のポート77とを有する。インジェクションバルブの様々なポジションは、ポートの8対の間に様々な組合せの流体接続を形成し、サンプルループ52は、7つのポートのうち2つのポートを接続する所定の体積(すなわち長さ及び口径)のチューブ長からなる。別のポートは、分析カートリッジ53と流体的に接続されている。
【0015】
インジェクションバルブV6として使用され得るマルチポジション切替バルブの別の例は、図4A、4B及び4Cに図示されたバルブである。これらの図中のバルブ81は、2つのサンプルループ82、83を備えた10ポート回転バルブである。9つのポート84、85、86、87、88、89、90、91、92は、円状に配列され、且つ、円周上に均一に離間されており、第10ポート93は円の中心にある。様々なポートと接続された流路は、高圧ポンプシステムによって供給されるサンプル入口ライン94と、分析カートリッジに接続されたサンプル出口ライン95と、廃液貯蔵器に接続されたライン96とを有する。中央ポート93は、洗浄流体源に接続されている。全ての10ポート及び両方のサンプルループは、バルブの固定された部分にある。バルブの回転部97は5つの接続経路を有する。4つの接続経路、101、102、103、104は、隣接するポート84から92までの対と、同一円上に位置し、バルブが回転するにつれてその対を移動する。第5接続経路105は、中心ポート93と、同一直線上に配置されており、且つバルブが回転するにつれてポート84からポート92までのそれぞれのうちの1つと、同一円上で連続して配置された状態で回転する。図4Aに示されたポジションにおいて、高圧ポンプシステムは、第1サンプルループ82の内在物を、出口ライン95を通して分析カートリッジへとポンプ輸送するために第1サンプルループ82に接続されている。図4Bに示すポジションにおいて、中央ポート93を通過した洗浄流体が、第1サンプルループ82を通過して廃液ライン96へと流れ出る一方で、高圧ポンプサブシステムは、第2サンプルループ83に接続され、第2サンプルループ83の内在物を、出口ライン95を通して分析カートリッジへとポンプ輸送する。図4Cに示すポジションにおいて、サンプルループ82、83の両方は、直列に高圧ポンプサブシステムに接続されており、それによって、洗浄流体が高圧ポンプサブシステムによってポンプ輸送され、入口ライン94に入るとき、洗浄流体は、両方のサンプルループを通過し、廃液ライン96から出る。
【0016】
図2に戻ると、高圧ポンプサブシステム60は、それぞれ分離バッファー及び溶出バッファーのための2つのバッファー貯蔵器61、62と、バッファー溶液から溶解ガス、気泡又は両方を除去するための脱気剤又は気泡除去器63と、2つの高圧ポンプ64、65と、圧力センサー66と、2つの高圧ポンプの出口を接続するティー継手67とを有する。流体輸送ラインは、脱気剤/気泡除去器63を介して様々にバッファー貯蔵器を高圧ポンプの入口に接続し、高圧ポンプ64、65の出口からティー継手67へと接続し、ティー継手67から分析カートリッジサブシステム50のインジェクションバルブV6へと接続する。圧力センサー66は、ティー継手67及びインジェクションバルブV6間の流体体積を最小とするため、ティー継手67の上流側に位置する。
【0017】
図5Aから図5Fは、図1及び図2のアナライザーを用いる分析的工程に続く、図3の7ポート回転インジェクションバルブを有する典型的なシーケンスの一連の段階を示す。その段階に適応する方法に関して、図4A、4B及び4Cの発明にかかる10ポート回転バルブを使用することは当業者にとって容易に明らかである。
【0018】
図5Aから図5Fのそれぞれは、三方バルブ及びインジェクションバルブのポジション並びに結果として生じる流れ方向と共に、示された段階で使用されている時のフローシステム構成の一部のみ示している。ニードルサブシステムによってサンプルが希釈剤槽21内で希釈され、且つ、洗浄バッファーが希釈剤として追加された後にシーケンスは図5Aから始まる。この段階において、励磁されたトランジションバルブV2及びV5によって、且つ、ポート75をポート74に接続し、ポート71をポート77に接続するインジェクションバルブV6の所定のポジションへの配置によって流体経路が形成される。三方バルブV3及びV4は、励磁されないままであり、すなわち、流体経路は、それらのノーマルオープン(NO)ポートを通過する。様々なバルブをこれらのポジションに設定して、希釈剤槽21とポンプシステム40の低圧ポンプ42との間に流体経路が形成される。低圧ポンプ42は、希釈されたサンプルを希釈剤槽21から分析カートリッジサブシステム50へと吸引するために下方向の矢印によって示される方向に駆動される。低圧ポンプ42の限られた距離及び限られた吸引能力のため、低圧フィルター51は、この段階において、サンプルの限界距離にある。
【0019】
低圧フィルター51を通し、サンプルループ52の中へとサンプルを輸送するために、図5Bに示された構成にシステムが配置される。このフロー構成において、三方バルブV3及びV4は励磁され、V5は励磁されず、且つ、インジェクションバルブV6はポート75とポート74及びポート71とポート77のみを接続するポジションへと回転される。それからポンプシリンダー内で低圧ポンプ42は、上方向の矢印によって示された前方方向へ駆動され、サンプルが低圧フィルター51の上流側からフィルターを通してサンプルループ52へと押し出される。
【0020】
サンプルで分析を実行するために、バルブは図5Cに示した流体経路を形成するためのポジションに切り替えられる。この流体経路において、高圧ポンプサブシステム60によってサンプルループ52から分析カートリッジ53及び検出器54を通ってサンプルは押し出される。これらの流体経路を形成するため、インジェクションバルブV6は、ポート71とポート72及びポート74とポート73のみが接続されるポジションへと回転される。サンプルの輸送は、タンク61及び62からのバッファーの時変混合によって行われる。タンク61のバッファーは、脱気剤/気泡除去器63を通して第1高圧ポンプ64によって吸引され、混合ティー継手67の1つの接続へと導かれる。同様に、タンク62のバッファーは、第2高圧ポンプ65によって吸引され、混合ティー継手67の他の接続へと導かれる。2つのバッファーの混合は、ティー継手67の残りの接続によってティー継手から出て、それからサンプルループ52及び分析カートリッジ53を通過し、カートリッジから表出する分離された成分が検出器54を通過する。生体サンプルのクロマトグラフィー分離に関する当業者であれば容易に明らかでるが、適切にプログラムされた2つのバッファーの比の変化で、あらかじめサンプルループ52に存在するサンプルの成分は、分離され、且つ、個別に検出され、計量され、又は両方行われる。
【0021】
サンプル分析後に様々な流路をバックフラッシュするため、バルブは図5Dに示す構成に切り替えられる。この構成を実現するため、三方バルブV3及びV5は励磁され、トランジションバルブV4は励磁されず、且つ、インジェクションバルブV6は、ポート75がポート74に接続され、且つ、ポート71がポート77に接続されるポジションへと回転される。洗浄流体は、低圧ポンプ42内に吸引され、それからバルブ内部の矢印で示された前方方向へ駆動される。この方向において、ポンプは、共に逆流方向にあるサンプルループ52及びプレフィルター51を通して洗浄流体を輸送する。
【0022】
サンプルニードル31を洗浄するためのフロー構成は、図4Eに示されている。この構成を実現するために、洗浄流体タンク43からの洗浄流体は、第1低圧ポンプ33へと吸引され、まず洗浄流体を供給され、トランジションバルブV1が励磁され、ニードル31がニードル洗浄槽22の上に動かされ、第1低圧ポンプ33が前方方向(矢印で示す)に起動され、且つ、バキュームポンプ23が起動される。洗浄流体は、それからニードルを通ってニードル洗浄槽22へと流れ込み、その後、ニードル洗浄槽22から廃液貯蔵器55へと吸引される。このニードル洗浄段階は、前のサンプルが混入したサンプルを避けるために各サンプル後に行われる。
【0023】
図5Fに示す最後のフロー構成は、低圧ポンプ42によって洗浄流体タンク43から吸引した洗浄流体を使用した、高圧ポンプ64、65の全4本のピストンの背部の洗浄のために使用される。この洗浄は、ポンプの通常運転中に、少量のバッファー漏れがポンプのシール部に貼り付いたときに、ピストンの背部で形成される塩結晶を取り除く。もしこれが残されたままであれば、塩結晶は、シール部の寿命を短くする。図5Fに示す構成において、三方バルブV2は励磁され、インジェクションバルブV6はポート76がポート77と接続されるポジションへと回転される。この方法において、ピストンの背部の洗浄は、サンプル後に毎回行う必要はないが、一日に一回など、洗浄が定期的に行われるならば最善の結果が得られる。
【0024】
図6に示す別のシステムは、図2の1つの三方バルブV4が5ポート回転バルブV7と置き換えられている点並びに他の2つの三方バルブV2及びV3が取り除かれているという点を除いて図2のシステムと同様なサブシステム及び構成要素を含む。図5Aから図5Fに示す段階は、V1、V5、V6及びV7のバルブの操作によっても実現可能である。
【0025】
3つのサブシステムのための更に別の手段を、図7に示す。図7の希釈サブシステム120は、図2の希釈サブシステム20と同じ役割を果たし、図7のサンプル輸送サブシステム130は、図2のサンプル輸送サブシステム30と同じ役割を果たし、且つ、図7の低圧ポンプシステム140は、図2の低圧ポンプシステム40と同じ役割を果たす。図7において図示していないのは、分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムであり、図2の関連するサブシステムは、当業者にとって容易に明らかな適切な接続で使用され得る。図7のシステムの特徴は、希釈サブシステム120及び低圧ポンプシステム140から、分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムの両方へと接続される三方バルブ121を有するという点である。分析カートリッジサブシステム及び高圧ポンプサブシステムは、図中の構成においてバルブ121の右に位置する。フィルター51は、サンプル希釈サブシステム120と三方バルブ121との間に位置し、サンプル希釈サブシステム120とフィルター51との間には、バルブは存在しない。こうしてフィルターは、全てのバルブを、サンプル残留物から保護する。
【0026】
好適には低圧フィルター51は、孔幅1.0マイクロメートル未満の材料であり、約0.1マイクロメートルから約0.8マイクロメートルだと更に良く、約0.2マイクロメートルから約0.5マイクロメートルだと最も好ましい。孔は概して孔寸法分布曲線を形成する寸法範囲を包含するため、ここで見積もられた孔幅は、この曲線の中央値又は最大値である。孔が円筒状の場合、見積もられた幅は、孔の径を示し、孔がスリット状の場合、幅は、特定の孔の開口部の最も狭い寸法を示す。フィルターは、1以上のスクリーン若しくは1以上のフリットから又はパックされた微粒子から形成され得る。メッシュスクリーンも含め、スクリーンは、洗浄が容易であるという利点を有する。フィルター構成の材質の例としては、金網メッシュ、銀メンブレン、ナイロンメンブレン、ポリマーメンブレン、ポーラスアルミナメンブレン、燃結セラミック、プラスチック及びステンレス鋼がある。メンブレンの材料となるポリマーの例としては、PCTE(ポリカーボネイト)の親水性フォーム、PES(ポリエーテルサルフォン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリプロピレン及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)がある。層状メッシュスクリーンも、流れ方向に増加又は減少する段階的な孔寸法を形成するために使用できるため有用である。他の使用可能なフィルター材は、レーザー微細穴加工された金属箔又はフォトエッチング金属箔である。
【0027】
好適には、低圧フィルターは、フィルターをフローラインの所定の場所に固定し、フレキシブルなフィルター材料が使用されている場合のフィルターの屈曲を防止し、且つ、必要ならば、全体のフィルター領域を利用するためにフィルター領域上のサンプルフローの分布を促進するホルダーに取付けられている。パターン化された流れの分布は流路、整流板及び均等物を含む従来の手段によって実現可能である。フィルター内のパターン化された流れの分布は、サンプル間のフィルターを洗浄するバックフラッシュの能力を高めることができる。洗浄の効率は、フィルターに入る流れの入口及びフィルターからのその出口の配置の適切な選択によっても向上させることができる。例えば直線流れ又はパターン化された流れにおいて、サンプル流れをフィルターの表面を通過するように方向付けると、バックフラッシュの間、流体経路は、フィルターの洗浄をより効果的にする。更に、洗浄は、超音波エネルギーの適用によるバックフラッシュ流れの脈動生成、又は、乱流、キャビテーション若しくは両方を生じさせる事によって強めることができる。乱流を生じさせる構造又は流速を高める構造を有するフィルター及びフィルターホルダーも、バックフラッシュの効果を向上させる。
【0028】
こうして、アナライザーは、前方にプレフィルターを備え、後方に分析カートリッジを備える低圧サブシステム及び高圧サブシステムを有する。多くの場合低圧フィルターの圧力は、約1psiから30psi(約7kPaから約206kPa)の範囲内であり、高圧側が、約1,000psiから10、000psi(約6,895kPaから68,947kPa)の範囲内だと考えられる。
【0029】
バックフラッシュは、各サンプル注射の後又はニ以上のサンプルインジェクションの後に実行できる。通常のバックフラッシュで、低圧フィルターは、10,000回のインジェクションにおいて使用可能であり、又は、多くの場合、好適には、100,000回及び1,000,000回のインジェクションにおいてさえ可能である。流体経路及びバルブのように残留物によって劣化又は目詰りを起こしかねないシステムの下流側部分は、同様に、除去又は取替が必要となる前に、10,000回のインジェクション、好適には、100,000回又は1,000,000回のインジェクションでさえ使用可能である。分析カートリッジは、1,000回のインジェクション及び、好適には、10,000回、最適には100,000回のインジェクションにおいて使用可能である。
【0030】
添付された特許請求の範囲において、「1つの」という表現は、「1つ又は複数の」という意味を意図している。工程又は要素についての記載の前に更なる工程又は要素についての付加的な意味を意図している場合は、「具備する」及び「具備している」のようなその活用形の語は、付加的なものであり、排他的なものではない。本明細書に引用された全ての特許、特許出願、及び、他の公開された参照資料は、それらの全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。本明細書に引用された任意の参照資料及び一般的先行技術と、本明細書の明示の記載との間に相違がある場合、本明細書の記載を優先することにより解消することが意図される。これは、当業界で理解されている単語又は語句の定義と、本明細書で明示される同一の単語又は語句の定義との間に相違がある場合も同様である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルをアナライザー及び低圧ポンプに案内するための手段を有する低圧セクションと、
高圧ポンプを有する高圧セクションと、
サンプルループ及び分析カートリッジを有する分析セクションと、
(i)前記低圧セクションと前記分析セクションとの接続と(ii)前記高圧セクションと前記分析セクションとの接続との間の切り替えのための切替手段と、
前記低圧セクションに配置されたサンプルフィルターと、を具備する自動アナライザー。
【請求項2】
前記切替バルブ以外のいずれのバルブも前記サンプルフィルターと前記サンプルループとの間に配置されていない請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項3】
前記サンプルフィルター内で圧力脈動を生成する手段を更に具備する請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項4】
前記サンプルフィルター内で超音波圧力波を生成する手段を更に具備する請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項5】
サンプル希釈剤槽と、
(i)ニードルであって、当該ニードルが前記サンプル希釈剤槽と流体接続されたポジションに可動な可動ニードルアームに取付けられたニードルと、(ii)流体を前記ニードルから通過させるように配置されたポンプ輸送手段と、(iii)前記ニードルと接続されている前記ポンプ輸送手段及び洗浄流体の供給源に接続された前記ポンプ輸送手段の間で切り替え可能なニ方切替バルブとを有するサンプル輸送サブシステムと、
サンプルループ及び前記サンプルループから表出した流体を受容するために配置された分析カートリッジを有する分析カートリッジサブシステムと、
希釈されたサンプルを前記サンプル希釈剤槽から前記サンプルループへと約1psiから約30psiの低圧でポンプ輸送するために配置された低圧ポンプサブシステムと、
バッファー液をバッファー液の供給源から前記サンプルループ及び前記分析カートリッジを通って約1,000psiから約10,000psiの高圧でポンプ輸送するために配置された高圧ポンプサブシステムと、
(i)前記サンプル希釈剤槽及びサンプルループを備えた前記低圧ポンプサブシステムに接続され、且つ、それによって前記サンプルループに前記低圧で前記サンプル希釈剤槽から希釈されたサンプルを供給する第1ポジションと(ii)前記高圧ポンプサブシステムを前記サンプルループ及び前記分析カートリッジに接続し、それによって前記高圧で前記サンプルループから前記分析カートリッジを通して希釈されたサンプルに接続する第2ポジションを具備するポジションとを有するマルチポジション切替バルブと、
前記マルチポジション切替バルブのポジション(i)及びポジション(ii)の両方において前記低圧ポンプサブシステムで前記低圧が保持された部分にある前記サンプル希釈剤槽及び前記サンプルループの間に配置されたサンプルフィルターと、を具備する自動アナライザー。
【請求項6】
前記サンプル希釈剤槽が出口を有し、且つ、前記サンプルフィルターが前記出口とアナライザーの全ての切替バルブとの間に配置されている請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項7】
前記サンプルフィルターがメッシュスクリーンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項8】
前記サンプルフィルターが銀メンブレンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項9】
前記サンプルフィルターがナイロンメンブレンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項10】
前記サンプルフィルターが0.1マイクロメートルから0.8マイクロメートルの孔幅を有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項11】
前記ポンプ輸送手段が、流体を前記ニードルからいずれの方向へも通過させるように操作可能なシリンジポンプである請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項12】
前記低圧ポンプサブシステムが、流体をシリンジポンプの内部に吸引するために操作可能であり、且つ、流体を前記内部から吐出するためにも操作可能な前記シリンジポンプを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項13】
バックフラッシュポンプを有するバックフラッシュ手段を更に具備し、且つ、前記マルチポジション切替バルブのポジションが、(iii)洗浄流体の前記供給源及び前記サンプルループを備える前記バックフラッシュ手段に接続され、それによって、前記低圧で、洗浄流体の前記供給源からの洗浄流体で前記サンプルループにバックフラッシュを実行する第3ポジションを更に有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項14】
前記低圧ポンプサブシステムが、低圧ポンプと、前記低圧ポンプ及び前記バックフラッシュポンプとの両方の役割を果たす共通ポンプとを有する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項15】
前記サンプルフィルターを通過する前記洗浄流体における圧力脈動の生成手段を更に具備する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項16】
前記サンプルフィルターを通過する前記洗浄流体における超音波圧力波の生成手段を更に具備する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項17】
カラムクロマトグラフィーによる生体液のサンプル分析方法であって、
(A)前記サンプルを、低圧ポンプを有する自動アナライザーの低圧セクションへと案内する工程と、
(B)前記低圧ポンプによって、サンプルフィルターを通してポジション(i)の状態の切替バルブを備えるサンプルループへと前記サンプルをポンプ輸送する工程と、
(C)高圧ポンプによって、前記サンプルループからポジション(ii)の状態の前記切替バルブを備える分析カートリッジを通して前記サンプルをポンプ輸送する工程と、
(D)前記分析カートリッジによって互いに分離された前記サンプルの成分を検出する工程と、を含む方法において、前記自動アナライザーが更に
前記高圧ポンプを有する高圧セクションと、
前記サンプルループ及び前記分析カートリッジを有する分析セクションと、
前記低圧セクションを前記分析セクションに接続するポジション(i)、及び、前記低圧セクションと前記分析セクションとの接続を閉じた状態で前記高圧セクションを前記分析セクションに接続するポジション(2)の間で切り替えるための前記切替バルブと、
前記低圧セクションに配置された前記サンプルフィルターとを具備する方法。
【請求項18】
前記切替バルブ以外のいずれのバルブも前記サンプルフィルターと前記サンプルループとの間に配置されていない請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(D)に続き、前記サンプルフィルターをバックフラッシュし、且つ、前記バックフラッシュの間、前記サンプルフィルターに圧力脈動を供給する工程を更に含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程(D)に続き、前記サンプルフィルターをバックフラッシュし、且つ、前記バックフラッシュの間、前記サンプルフィルターに超音波振動を供給する工程を更に含む請求項17に記載の方法。
【請求項1】
サンプルをアナライザー及び低圧ポンプに案内するための手段を有する低圧セクションと、
高圧ポンプを有する高圧セクションと、
サンプルループ及び分析カートリッジを有する分析セクションと、
(i)前記低圧セクションと前記分析セクションとの接続と(ii)前記高圧セクションと前記分析セクションとの接続との間の切り替えのための切替手段と、
前記低圧セクションに配置されたサンプルフィルターと、を具備する自動アナライザー。
【請求項2】
前記切替バルブ以外のいずれのバルブも前記サンプルフィルターと前記サンプルループとの間に配置されていない請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項3】
前記サンプルフィルター内で圧力脈動を生成する手段を更に具備する請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項4】
前記サンプルフィルター内で超音波圧力波を生成する手段を更に具備する請求項1に記載の自動アナライザー。
【請求項5】
サンプル希釈剤槽と、
(i)ニードルであって、当該ニードルが前記サンプル希釈剤槽と流体接続されたポジションに可動な可動ニードルアームに取付けられたニードルと、(ii)流体を前記ニードルから通過させるように配置されたポンプ輸送手段と、(iii)前記ニードルと接続されている前記ポンプ輸送手段及び洗浄流体の供給源に接続された前記ポンプ輸送手段の間で切り替え可能なニ方切替バルブとを有するサンプル輸送サブシステムと、
サンプルループ及び前記サンプルループから表出した流体を受容するために配置された分析カートリッジを有する分析カートリッジサブシステムと、
希釈されたサンプルを前記サンプル希釈剤槽から前記サンプルループへと約1psiから約30psiの低圧でポンプ輸送するために配置された低圧ポンプサブシステムと、
バッファー液をバッファー液の供給源から前記サンプルループ及び前記分析カートリッジを通って約1,000psiから約10,000psiの高圧でポンプ輸送するために配置された高圧ポンプサブシステムと、
(i)前記サンプル希釈剤槽及びサンプルループを備えた前記低圧ポンプサブシステムに接続され、且つ、それによって前記サンプルループに前記低圧で前記サンプル希釈剤槽から希釈されたサンプルを供給する第1ポジションと(ii)前記高圧ポンプサブシステムを前記サンプルループ及び前記分析カートリッジに接続し、それによって前記高圧で前記サンプルループから前記分析カートリッジを通して希釈されたサンプルに接続する第2ポジションを具備するポジションとを有するマルチポジション切替バルブと、
前記マルチポジション切替バルブのポジション(i)及びポジション(ii)の両方において前記低圧ポンプサブシステムで前記低圧が保持された部分にある前記サンプル希釈剤槽及び前記サンプルループの間に配置されたサンプルフィルターと、を具備する自動アナライザー。
【請求項6】
前記サンプル希釈剤槽が出口を有し、且つ、前記サンプルフィルターが前記出口とアナライザーの全ての切替バルブとの間に配置されている請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項7】
前記サンプルフィルターがメッシュスクリーンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項8】
前記サンプルフィルターが銀メンブレンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項9】
前記サンプルフィルターがナイロンメンブレンを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項10】
前記サンプルフィルターが0.1マイクロメートルから0.8マイクロメートルの孔幅を有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項11】
前記ポンプ輸送手段が、流体を前記ニードルからいずれの方向へも通過させるように操作可能なシリンジポンプである請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項12】
前記低圧ポンプサブシステムが、流体をシリンジポンプの内部に吸引するために操作可能であり、且つ、流体を前記内部から吐出するためにも操作可能な前記シリンジポンプを有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項13】
バックフラッシュポンプを有するバックフラッシュ手段を更に具備し、且つ、前記マルチポジション切替バルブのポジションが、(iii)洗浄流体の前記供給源及び前記サンプルループを備える前記バックフラッシュ手段に接続され、それによって、前記低圧で、洗浄流体の前記供給源からの洗浄流体で前記サンプルループにバックフラッシュを実行する第3ポジションを更に有する請求項5に記載の自動アナライザー。
【請求項14】
前記低圧ポンプサブシステムが、低圧ポンプと、前記低圧ポンプ及び前記バックフラッシュポンプとの両方の役割を果たす共通ポンプとを有する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項15】
前記サンプルフィルターを通過する前記洗浄流体における圧力脈動の生成手段を更に具備する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項16】
前記サンプルフィルターを通過する前記洗浄流体における超音波圧力波の生成手段を更に具備する請求項13に記載の自動アナライザー。
【請求項17】
カラムクロマトグラフィーによる生体液のサンプル分析方法であって、
(A)前記サンプルを、低圧ポンプを有する自動アナライザーの低圧セクションへと案内する工程と、
(B)前記低圧ポンプによって、サンプルフィルターを通してポジション(i)の状態の切替バルブを備えるサンプルループへと前記サンプルをポンプ輸送する工程と、
(C)高圧ポンプによって、前記サンプルループからポジション(ii)の状態の前記切替バルブを備える分析カートリッジを通して前記サンプルをポンプ輸送する工程と、
(D)前記分析カートリッジによって互いに分離された前記サンプルの成分を検出する工程と、を含む方法において、前記自動アナライザーが更に
前記高圧ポンプを有する高圧セクションと、
前記サンプルループ及び前記分析カートリッジを有する分析セクションと、
前記低圧セクションを前記分析セクションに接続するポジション(i)、及び、前記低圧セクションと前記分析セクションとの接続を閉じた状態で前記高圧セクションを前記分析セクションに接続するポジション(2)の間で切り替えるための前記切替バルブと、
前記低圧セクションに配置された前記サンプルフィルターとを具備する方法。
【請求項18】
前記切替バルブ以外のいずれのバルブも前記サンプルフィルターと前記サンプルループとの間に配置されていない請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(D)に続き、前記サンプルフィルターをバックフラッシュし、且つ、前記バックフラッシュの間、前記サンプルフィルターに圧力脈動を供給する工程を更に含む請求項17に記載の方法。
【請求項20】
工程(D)に続き、前記サンプルフィルターをバックフラッシュし、且つ、前記バックフラッシュの間、前記サンプルフィルターに超音波振動を供給する工程を更に含む請求項17に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2013−517484(P2013−517484A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549158(P2012−549158)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2011/021644
【国際公開番号】WO2011/090978
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(591099809)バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド (79)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2011/021644
【国際公開番号】WO2011/090978
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(591099809)バイオ−ラッド ラボラトリーズ,インコーポレイティド (79)
【Fターム(参考)】
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