説明

低温熱交換器システムおよび方法

【課題】熱交換器の冷たいストリームと煙道ガスの温かいストリームとの間の効果的な熱伝達が行われる低温二酸化炭素除去プロセスを提供する。
【解決手段】低温二酸化炭素除去装置を、圧縮された煙道ガス100供給源と、第1のストリーム130と第2のストリーム132に分けるように構成された圧縮ガス予冷用のマルチストリーム熱交換器、該熱交換器の下流に位置し二酸化炭素が減少した第1のサブストリーム134と二酸化炭素の第2のサブストリーム136へと膨張させるガス膨張装置114より構成し、第1のサブストリームの一部および2のサブストリームの少なくとも一部をマルチストリームマルチストリーム熱交換器に再循環して、圧縮された煙道ガスを予冷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野は、一般に、二酸化炭素含有ガスからの二酸化炭素(CO2)の低温回収に関する。より詳細には、本開示は、ガスのストリームから二酸化炭素を分離して、その二酸化炭素を用いて煙道ガスを予冷するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー生産のための燃料の燃焼は、大量の排気ガス、例えば、化石燃料を燃やす発電所で生じる排気ガスを発生させる。排気ガスは煙道を介して燃焼チャンバを出て、典型的には大気に排出されるため、排気ガスは、通常、煙道ガスと呼ばれる。煙道ガスの組成は、燃焼される燃料に依存する。典型的な煙道ガスは、窒素、二酸化炭素、水蒸気、酸素、一酸化炭素、酸化物、および粒子状物質を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0146302号明細書
【発明の概要】
【0004】
二酸化炭素ガスは、地球温暖化に寄与する可能性がある温室効果ガスとなることがわかっている。二酸化炭素ガスはまた、食物および飲料産業で用いられる成分であり、光合成を通じた植物の成長に寄与する。典型的に、二酸化炭素は、アミンを用いて煙道ガスから除去される場合がある。代替的に、固体CO2が形成されるまで煙道ガスが低温の温度に冷却される、二酸化炭素の低温回収は、アミンベースの溶媒を使用する現行の技術への代替的方法である。しかしながら、冷たいストリームと煙道ガスとの間の直接熱交換は、結果的に2つのストリームの間の大きい温度差をもたらし、エネルギー効率が良くない。さらに、冷却するストリームを収容する管の表面上に固体CO2が形成され、したがって冷たい管と煙道ガスとの間の熱伝達効率が低下する。加えて、管の表面からの固体CO2の除去は、技術的課題をもたらす。
【0005】
本開示は、低温二酸化炭素除去プロセスにおける熱交換器の冷たいストリームと煙道ガスの温かいストリームとの間の効果的な熱伝達を可能にするシステムおよび方法を説明する。
【0006】
1つの態様では、二酸化炭素を回収するための装置は、圧縮された煙道ガスを供給するための供給源と、圧縮された煙道ガスを予冷するためのマルチストリーム熱交換器と、マルチストリーム熱交換器の下流に位置するガス膨張装置であり、圧縮された煙道ガスを二酸化炭素が減少したガスの第1のサブストリームと二酸化炭素の第2のサブストリームへと膨張させるガス膨張装置と、第1のサブストリームの少なくとも一部をマルチストリーム熱交換器に再循環させる第1の再循環チャネルと、第2のサブストリームの少なくとも一部をマルチストリーム熱交換器に再循環させる第2の再循環チャネルとを備える。マルチストリーム熱交換器は、第1のサブストリームおよび第2のサブストリームを用いて、圧縮された煙道ガスを予冷するように構成される。
【0007】
別の態様では、二酸化炭素を回収する方法は、二酸化炭素を含有する圧縮ガスを提供すること、マルチストリーム熱交換器の中で圧縮ガスを予冷すること、二酸化炭素が減少したガスの第1のサブストリームと二酸化炭素の第2のサブストリームとを提供するためにガス膨張装置の中で圧縮ガスを膨張させること、ならびに圧縮ガスの予冷を促進するために第1のサブストリームおよび第2のサブストリームをマルチストリーム熱交換器に供給することを含む。
【0008】
さらに別の態様では、炭素回収システムは、圧縮された煙道ガスを供給するための供給部と、圧縮された煙道ガスを冷却する水予冷器と、圧縮された煙道ガスをさらに予冷するための、水予冷器の下流に位置するマルチストリーム熱交換器と、マルチストリーム熱交換器の下流に位置するガス膨張装置であり、圧縮された煙道ガスを二酸化炭素が減少したガスの第1のサブストリームと二酸化炭素の第2のサブストリームへと膨張させるガス膨張装置と、第1のサブストリームの少なくとも一部をマルチストリーム熱交換器に再循環させる第1の再循環チャネルと、第2のサブストリームの少なくとも一部をマルチストリーム熱交換器に再循環させる第2の再循環チャネルとを備える。マルチストリーム熱交換器は、第1のサブストリームおよび第2のサブストリームを用いて、圧縮された煙道ガスを予冷するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示に係る例示的な低温炭素回収システムのブロック図である。
【図2】本開示に係る例示的な熱交換器の断面である。
【図3】本開示に係る熱交換器の中の煙道ガスの温度および冷たいストリームの温度の例示的なプロットを示すチャートである。
【図4】本開示に係るエネルギーおよび熱交換器区域の例示的なプロットを示すチャートである。
【図5】正味効率ポイントおよび排気ガス再循環値をプロットするチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、低温二酸化炭素除去プロセスにおける熱交換器の冷たいストリームと煙道ガスの温かいストリームとの間の効果的な熱伝達を促進する技術的効果を提供するシステムおよび方法を説明する。
【0011】
図1に概して示されるのは、本開示に係る低温の炭素回収システムの例示的な実施形態である。一実施形態では、炭素回収システムは、二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム(例えば、煙道ガス)100と、熱交換器104、106、および108を備えるマルチストリーム熱交換器102と、マニホルド110と、二次熱交換器112と、膨張装置114と、冷凍装置116と、一対の固−液相変化装置118、120と、貯蔵チャンバ122、124と、水予冷器126とを含む。
【0012】
一実施形態では、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100は、電気の発電所のような化石燃料だき発電所の煙道から抽出される煙道ガスである。二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100の圧力および温度は、ガスの成分と、圧縮のために用いられる圧縮機に依存する。一実施形態では、圧縮機は、ユーザによって選択される温度および圧力を提供するためにオペレータによって制御される。代替的に、圧縮機は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100を所定の圧力および温度に自動的に調節して提供してもよい。例えば、一実施形態では、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100は、およそ25℃の温度および4.8バールの圧力で提供される。別の実施形態では、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100の成分は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100の流量がおよそ5,811,370lbm/時のとき、モル分率で0.668が窒素、0.167が水蒸気、0.133が二酸化炭素、0.024が酸素、および0.008がアルゴンである。
【0013】
一実施形態では、二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム100は、入力128を介してマルチストリーム熱交換器102に入る。一実施形態では、マルチストリーム熱交換器102は、気−液熱交換器104、気−気熱交換器106、および気−固熱交換器108を備える。他の実施形態では、熱交換器104、106、および108は、システムが本明細書で説明されるように機能することを可能にする任意の適切な熱交換器である。
【0014】
一実施形態では、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100は、マルチストリーム熱交換器102に入る前に2つのストリーム130、132に分けられる。代替的に、マルチストリーム熱交換器102は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100を、マルチストリーム熱交換器102に入った後で2つのストリームに分けるように構成される。一実施形態では、ストリーム130および132は等しい流量ではなく、例えば、ストリーム132は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100のすべての流れのおよそ60%〜90%であり、ストリーム130はおよそ10%〜40%である。別の実施形態では、ストリーム132は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100のすべての流れのおよそ75%〜90%であり、ストリーム130はおよそ10%〜25%である。さらに別の実施形態では、ストリーム132は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100のすべての流れのおよそ80%であり、ストリーム130はおよそ20%である。しかしながら、ストリーム130および132の流量の割合は、システムが本明細書で説明されるように機能することを可能にする任意の割合であってもよい。
【0015】
マルチストリーム熱交換器102は、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100を予冷するように構成される。一実施形態では、二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム100を予冷するために、マルチストリーム熱交換器102は、二酸化炭素が減少した材料のストリーム134と二酸化炭素のストリーム136を使用する。ストリーム134および136は、固体、液体、またはガスの形態であってもよい。一実施形態では、ストリーム134は二酸化炭素が減少したガスのストリームであり、ストリーム136は固体二酸化炭素のストリームである。
【0016】
二酸化炭素が減少した材料のストリーム134と二酸化炭素のストリーム136は、マルチストリーム熱交換器102の下流に位置する膨張装置114から提供される。二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム100は、膨張装置114の中に流れる。膨張装置114は、二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム100を膨張させて、これにより二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム100を冷却する。膨張装置114は、膨張によって、二酸化炭素含有ガス100の他の成分から二酸化炭素を分離する程度に二酸化炭素含有ガス100を冷却する。一実施形態では、膨張装置114は、膨張後に、二酸化炭素ストリーム136を−119℃で、および二酸化炭素が減少したストリーム134を−119℃で出力する。
【0017】
一実施形態では、二酸化炭素ストリーム136は、固−液相変化装置118を介して熱交換器104に送られる。固−液相変化装置118は、流入する固体二酸化炭素ストリーム136を、ストリーム136が液体二酸化炭素ストリーム138になるまで温める。別の実施形態では、液体二酸化炭素ストリーム138の温度は、およそ−56℃である。液体二酸化炭素ストリーム138は、熱交換器104の中に送られ、ストリーム130を冷却する。一実施形態では、熱交換器104の出力でのストリーム130の温度は−51℃であり、気−液熱交換器104から出る液体二酸化炭素ストリーム138の温度は−22℃である。
【0018】
図1に示すように、熱交換器104は、二酸化炭素ストリーム138を加温装置120に出力する。代替的に、加温装置120は、二酸化炭素ストリーム138をおよそ−22℃から20℃に温める。さらなる実施形態として、加温装置120は、二酸化炭素ストリーム138を貯蔵または隔離のために貯蔵チャンバ122に出力する。
【0019】
一実施形態では、マルチストリーム熱交換器102と膨張装置114との間に二次熱交換器112が配置される。別の実施形態では、二次熱交換器112は、冷蔵庫装置116から冷媒140を供給される。二次熱交換器112は、ストリーム100が膨張装置114に入る前に、二酸化炭素含有ガスの圧縮されたストリーム100をさらに予冷するように構成される。一実施形態では、二次熱交換器112は、二酸化炭素ストリーム136と併せて二酸化炭素のストリーム142を出力する。別の実施形態では、二酸化炭素ストリーム142は、−97℃の固体二酸化炭素である。加えて、二次熱交換器112は、二酸化炭素含有ガスの予冷されたストリーム100を膨張装置114に出力する。一実施形態では、二次熱交換器112から膨張装置114に供給される、圧縮された二酸化炭素含有ガスの予冷されたストリーム100は、ストリーム140と同じ温度である。代替的に、圧縮された二酸化炭素含有ガスの予冷されたストリーム100は、ストリーム140とは異なる温度である。別の実施形態では、ストリーム142がストリーム136と組み合わされるときに、結果的に組み合わされた二酸化炭素ストリームの温度は−102℃である。
【0020】
二次熱交換器112は、コーティングされた表面に固体二酸化炭素146が付着するのを防ぐまたは実質的に防ぐために、着氷防止コーティング144を備える。一実施形態では、二次熱交換器112は、固体二酸化炭素粒子146を収集するための収集部分148を備える。別の実施形態では、固体二酸化炭素粒子146は収集および貯蔵される。さらに別の実施形態では、固体二酸化炭素粒子146は、二酸化炭素ストリーム142として出力される。さらに別の実施形態では、二次熱交換器112は、コーティングされた表面144に固体二酸化炭素146が付着するのを防ぐまたは実質的に防ぐために、熱交換器112を振動させる振動装置150を備える。
【0021】
一実施形態では、二酸化炭素が減少したガスのストリーム134は、熱交換器108に戻される。別の実施形態では、二酸化炭素が減少したストリーム134は、−119℃の温度で熱交換器108に供給され、ガスのストリーム132をおよそ−83℃の入力温度からおよそ−87℃に冷却し、二酸化炭素が減少したストリーム152は、熱交換器108をおよそ−88℃で出る。さらに別の実施形態では、二酸化炭素が減少したストリーム152は、圧縮ガスストリーム132を冷却するために熱交換器106に供給される。さらに別の実施形態では、熱交換器106は、ストリーム132をおよそ25℃の温度からおよそ−83℃に冷却し、二酸化炭素が減少したガスを貯蔵チャンバ124に排出する。
【0022】
一実施形態では、1つまたは複数の熱交換器104、106、108、および112の中の冷媒と圧縮ガスストリームとの間の温度差は5℃以下である。一実施形態では、5℃の温度差は、対向流式熱交換器である熱交換器104、106、108、および112のうちの1つまたは複数によって促進される。例えば、図3に示すように、システムは、11個の例示的なセグメント1〜11にセグメント化される。各セグメントは、システムの経路に沿った異なる地点を表す。このように、二酸化炭素含有ガスのストリーム100が熱交換器104、106、108、および112のそれぞれの中の冷たいストリームと接するときに、熱交換器104、106、108、および112の対向流配置は、熱交換器内の冷たいストリーム(例えば、冷たいストリーム134、136、138、140)と温かいストリーム(例えば、二酸化炭素含有ガスのストリーム100)とのおよそ5℃となる温度差(すなわち、ピンチポイント)を提供する。5℃の温度差は、二酸化炭素含有ガスからの二酸化炭素の低温回収の制御されたかつ効率的な様態を促進する。
【0023】
図4に示されるのは、図3のセグメント1〜11のそれぞれにおけるエネルギーバランスの例示的なプロットである。図4のバーのそれぞれは、熱交換器内のそれぞれの冷却するストリームと温かいストリームとの間の5℃の温度差を維持するためにストリームに追加154されるまたはストリームから除去156される必要があるエネルギーの量を表す。負のエネルギー値は、特定のストリームから除去されなければならないエネルギーに対応する。例えば、圧縮された二酸化炭素含有ガスのストリーム100は各熱交換器の中で冷却されるため、ストリーム100のエネルギーバランスは常に負である。一実施形態では、ゾーン1〜4では、ストリーム100から除去される量よりも多量のエネルギーが冷却するストリームに追加158されなければならない。ゾーン5〜10では、冷却するストリームに追加される必要があるよりも多くのエネルギーがストリーム100から除去されなければならない。一実施形態では、ゾーン5〜10は、熱交換器112を通る経路を表し、この場合、ゾーン5〜10のストリーム100からエネルギーを除去するために二次熱交換器112に冷媒140を提供するのに冷凍システム116が採用される。別の実施形態では、ゾーン11のストリーム100から熱を除去するために冷凍システム116が用いられる。別の実施形態では、ゾーン5〜11の冷凍システム116の中の冷媒140から除去された熱は、ゾーン1〜4の加温装置120および液−気相変化装置118に伝達される。ゾーン1〜11は例示的なものであり、システムが本明細書で説明されるように機能することを可能にする様態でシステムに沿って分布していてもよい。
【0024】
図5に示されるのは、炭素回収システムを含む場合がある異なる複合サイクルシステムの正味効率ポイントおよび排気ガス再循環レベルの例示的なプロットである。排気ガス再循環(EGR)レベルは、天然ガス複合サイクルシステムのような複合サイクルシステムのオペレータにより制御されるパラメータである。典型的に、複合サイクルシステムは、およそ50%の効率(すなわち、50正味効率ポイント)で稼働する。しかしながら、複合サイクルシステムに炭素回収システムが付加されるときに効率の低下が起こり、これはシステムの正味効率ポイントを減少させる。線160は、炭素回収システムなしの天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイントをプロットし、発電所のようなベースライン複合サイクルシステムを表す。線162は、アミンベースの炭素回収システムを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイントをプロットする。図のように、アミンベースの炭素回収システムを用いるとき、すべてのEGRレベルでおよそ7効率ポイントの損失(すなわち、効率ペナルティ)を負う。線164は、本開示に係るマルチストリーム熱交換器を含まない公知の低温炭素回収システムを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイントをプロットする。図5に示すように、伝統的な低温炭素回収システムでは−9ポイントから−7ポイントまでの間にわたる効率ペナルティを負う。線166は、本開示に係る低温炭素回収システムを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイントをプロットする。図のように、およそ−8ポイント〜−6ポイントの効率ペナルティを負う。線168は、本開示に係る低温炭素回収システムとアミンベースの炭素回収システムとを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイントをプロットする。したがって、図5に示すように、本開示に係る低温炭素回収システムは、公知の炭素回収システム(すなわち、線162および164)と比べて1〜2ポイント増の天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイント(低減したペナルティ)が得られる可能性がある。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記で説明されるシステムおよび方法は、電子的にまたはコンピュータで制御される。本明細書で説明される実施形態は、本明細書で説明される処理およびタスクを行うための如何なる特定のシステムコントローラまたはプロセッサにも限定されない。本明細書で用いられる場合のコントローラまたはプロセッサという用語は、計算、すなわち本明細書で説明されるタスクを行うのに必要な計算を行うことができるあらゆるマシンを表すように意図される。コントローラおよびプロセッサという用語はまた、構造化された入力を受け入れること、およびその入力を規定のルールに従って処理して出力をもたらすことができるあらゆるマシンを表すように意図される。本明細書で用いられる場合の「するように構成される」というフレーズは、当業者によって理解されるようにコントローラ/プロセッサが本発明の実施形態のタスクを行うためのハードウェアとソフトウェアとの組合せを搭載することを意味することにも留意されたい。本明細書で用いられる場合のコントローラ/プロセッサという用語は、本明細書で説明される機能を実行することができる中央処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、およびあらゆる他の回路またはプロセッサを指す。
【0026】
本明細書で説明される実施形態は、一時的でないコンピュータ可読記憶媒体を含む1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を包含し、この場合、各媒体は、データまたはデータを取り扱うためのコンピュータで実行可能な命令を含むまたはその上に含むように構成されてもよい。コンピュータで実行可能な命令は、種々の異なる機能を行うことができる汎用コンピュータに関連する処理システムまたは限られた数の機能を行うことができる特殊用途のコンピュータに関連する処理システムのような処理システムによってアクセスされてもよいデータ構造、オブジェクト、プログラム、ルーチン、または他のプログラムモジュールを含む。本開示の態様は、本明細書で説明される命令を実行するように構成されるときに汎用コンピュータを特殊用途のコンピューティング装置に変化させる。コンピュータで実行可能な命令は、処理システムに特定の機能または機能の群を行わせるものであり、本明細書で開示された方法のステップを実施するためのプログラムコード手段の例である。さらに、実行可能な命令の特定のシーケンスは、こうしたステップを実施するのに用いられてもよい対応する動作の例を提供する。コンピュータ可読媒体の例は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読出し専用メモリ(「ROM」)、プログラム可能読出し専用メモリ(「PROM」)、消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(「EEPROM」)、コンパクトディスク読出し専用メモリ(「CD−ROM」)、もしくは処理システムによってアクセスされてもよいデータまたは実行可能な命令を提供することができるあらゆる他の装置またはコンポーネントを含む。
【0027】
本明細書で説明されるようなコンピュータまたはコンピューティング装置は、1つまたは複数のプロセッサまたは処理装置、システムメモリ、および或る形態のコンピュータ可読媒体を有する。限定ではなく単なる例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報の記憶のためのあらゆる方法または技術で実装される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不能媒体を含む。通信媒体は、典型的に、搬送波または他の輸送機構のような変調されたデータ信号でコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具体化するものであり、あらゆる情報配信媒体を含む。上記のいずれかの組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0028】
本明細書は、例を用いて最良の形態を含む本発明を開示し、あらゆる装置またはシステムを作製することおよび用いることならびにあらゆる組み込まれた方法を行うことを含む本発明を当業者が実施できるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含んでもよい。それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と相違ない構成要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字通りの言葉とそれほど相違ない同等の構成要素を含む場合、このような他の例は特許請求の範囲内となるように意図される。
【符号の説明】
【0029】
100 二酸化炭素ガスの圧縮されたストリーム
102 マルチストリーム熱交換器
104 熱交換器
106 熱交換器
108 熱交換器
110 マニホルド
112 二次熱交換器
114 膨張装置
116 冷凍装置
118 固−液相変化装置
120 固−液相変化装置
122 貯蔵チャンバ
124 貯蔵チャンバ
126 水予冷器
128 入力
130 第1のストリーム
132 第2のストリーム
134 二酸化炭素が減少したガスのストリーム
136 固体二酸化炭素のストリーム
138 液体二酸化炭素のストリーム
140 冷媒
142 二酸化炭素のストリーム
144 着氷防止コーティング
146 固体二酸化炭素
148 収集部分
150 振動装置
152 二酸化炭素が減少したストリーム
154 追加されたエネルギー
156 除去されたエネルギー
158 追加されたエネルギー
160 正味効率ポイントw/o炭素回収
162 アミンベースの炭素回収を含む正味効率ポイント
164 マルチストリーム熱交換器を含まない公知の低温炭素回収システムを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイント
166 本開示に係る低温炭素回収システムを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイント
168 本開示に係る低温炭素回収システムとアミンベースの炭素回収システムとを含む天然ガス複合サイクルシステムの正味効率ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を回収するための装置であって、
圧縮された煙道ガスを供給するように構成される供給源(100)と、
前記圧縮された煙道ガスを予冷するためのマルチストリーム熱交換器(102)であり、前記圧縮された煙道ガスを第1の圧縮されたストリーム(130)と第2の圧縮されたストリーム(132)に分けるように構成される、マルチストリーム熱交換器(102)と、
前記マルチストリーム熱交換器の下流に位置するガス膨張装置(114)であり、前記圧縮された煙道ガスを二酸化炭素が減少したガスの第1のサブストリーム(134)と二酸化炭素の第2のサブストリーム(136)へと膨張させるように構成される、ガス膨張装置(114)と、
前記第1のサブストリームの少なくとも一部を前記マルチストリーム熱交換器に再循環させるように構成される第1の再循環チャネル(138)と、
前記第2のサブストリームの少なくとも一部を前記マルチストリーム熱交換器に再循環させるように構成される第2の再循環チャネル(152)とを備え、前記マルチストリーム熱交換器が、前記第1のサブストリームおよび前記第2のサブストリームを用いて前記圧縮された煙道ガスを予冷するように構成される、装置。
【請求項2】
前記第1のサブストリーム(136)が前記第1の圧縮されたストリーム(130)を予冷し、前記第2のサブストリーム(134)が前記第2の圧縮されたストリーム(132)を予冷する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記マルチストリーム熱交換器(102)が、前記第1の圧縮されたストリーム(130)が前記第2の圧縮されたストリーム(132)よりも大きい体積のストリームになるように前記煙道ガスを分離するように構成される、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1の圧縮されたストリーム(130)と前記第2の圧縮されたストリーム(132)とを再び合流させるように構成されるマニホルド(110)をさらに備える、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記マルチストリーム熱交換器(102)の下流に位置する二次熱交換器(112)をさらに備え、前記二次熱交換器が、再合流した前記圧縮された煙道ガスを前記ガス膨張装置(114)に入る前にさらに冷却するように構成される、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記二次熱交換器(112)が着氷防止コーティング(144)を備える、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記二次熱交換器(112)が、前記二次熱交換器の中に形成された固体二酸化炭素(146)を収集するように構成される、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記二次熱交換器(112)が、前記二次熱交換器の表面からの固体二酸化炭素(146)の除去を促進するために前記二次熱交換器を振動させるように構成される振動装置(150)を備える、請求項5記載の装置。
【請求項9】
前記二次熱交換器(112)が着氷防止コーティング(144)を備える、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記マルチストリーム熱交換器(102)が、出力チャネルを分けるために前記第1のサブストリーム(130)および前記第2のサブストリーム(132)を出力するように構成される、請求項2記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−79796(P2013−79796A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−206428(P2012−206428)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】