説明

低級オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法

低級オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法は、供給物と触媒熱分解触媒とを接触させることを包含する。少なくとも2つの反応領域が存在し、第一反応領域の下流にある少なくとも1つの反応領域の温度は、該第一反応領域のそれよりも高いが、重量空間速度はより低い。反応後のオイルガスを該触媒から分離し、そして該触媒を、再生後、該リアクターへ再循環させる。該オイルガスを分離し、そして所望の生成物である低級オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。この方法は、重質供給物から最大量の低級オレフィン(例えば、プロピレン、エチレン)を得ることができ、そしてプロピレンの収率は20重量%を超え、同時に、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、水素の非存在下での炭化水素オイルの触媒変換のための方法に関係し、より詳細には、それは、重質原料をプロピレンおよびエチレンに富む軽質オレフィンならびにトルエンおよびキシレンに富む芳香族炭化水素へ変換するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
エチレン、プロピレン等のような軽質オレフィン(light olefins)は、重要な化学原料であり、ここで、プロピレンは、ポリプロピレン、アクリロニトリル等のような生成物の合成モノマーである。ポリプロピレン等のような誘導体についての需要の急激な増加と共に、プロピレンについての需要もまた、年々、急激に増加しており、例えば、プロピレンについての世界市場の需要は、毎年平均6.3%の増加率で、20年前の15,200,000トンから2000年の51,200,000トンへ既に増加した。プロピレンについての需要は、毎年平均5.6%の増加率で、2010年までに86,000,000トンに達すると予想される。
【0003】
プロピレンの製造方法は、主に、スチームクラッキングおよび接触分解(FCC)であり、ここで、スチームクラッキングは、原料としてナフサ等のようなライトオイルを使用し、僅か約15重量%のプロピレン収率で熱分解によりエチレンおよびプロピレンを製造し、一方、FCCは、原料として減圧軽油(vacuum gas oil)(VGO)のようなヘビーオイルを使用する。現在、世界の66%のプロピレンは、エチレンを製造するためのスチームクラッキングの副生成物に由来し、32%は、ナフサおよびディーゼルを製造するための製油所のFCCの副生成物に由来し、そして少量(約2%)が、プロパンの脱水素ならびにエチレンおよびブテンの複分解から得られる。
【0004】
石油化学工業が、従来のスチームクラッキング経路を介してエチレンおよびプロピレンを製造する場合、軽質原料の不足、処理能力の不足および高い生産コストのようないくつかの制限ファクターに直面する。
【0005】
FCCは、広範囲の適応性、柔軟なオペレーション等のその利点に起因して、益々注目されている。アメリカ合衆国において、プロピレンについての市場の需要のほぼ50%は、FCCユニットに由来する。プロピレンの生産を増加するための接触分解の改善された技術の発展は、非常に急激である。
【0006】
米国特許第4,980,053号は、炭化水素から軽質オレフィンを製造するための変換プロセスを開示しており、ここで、原料は、石油留分、残油、または種々の沸点範囲を有する原油であり、そして変換反応は、固体酸触媒を使用することによって、500℃〜650℃の温度、1.5´10〜3´10Paの圧力、0.2h−1〜2.0h−1のWHSV、および2〜12のオイルに対する触媒の比の条件下で、流動床または移動床リアクターにおいて行われる。触媒は、コークスを燃焼することにより再生された後、循環使用のためにリアクターに戻る。このプロセスによって、プロピレンおよびエチレンの総収率は約40%に達し得、ここで、プロピレンの収率は26.34%までである。
【0007】
WO 00/31215A1は、オレフィンを製造するための接触分解プロセスを開示しており、これは、活性成分としてのZSM−5および/またはZSM−11ゼオライトと支持体としての大量の不活性物質を有する触媒を使用し、そして原料としてVGOを使用する。プロピレンの収率は、20重量%を超えない。
【0008】
米国特許第6,123,830号は、二段階接触分解および二段階水素化処理からなるコンビネーションプロセスを開示しており、この目的は、出来るだけ多くのオレフィンを製造し、そしてオイル蒸留物の品質およびナフサのオクタン価を改善することである。原料は、第一水素化処理ユニットにおいて第一水素化処理プロダクトへ変換され、そして該第一水素化処理プロダクトは、第一接触分解ユニットに入り、ここで、ナフサ、ディーゼルおよび重油が、主要活性成分として中間孔径ゼオライト(intermediate pore size zeolite)を有する触媒を使用することによって得られる。重油は、水素化のための第二水素化処理ユニットへ入り、第二水素化処理プロダクトが得られ、そして該第二水素化処理プロダクトは、クラッキングのための第二接触分解ユニットに入り、ここで、触媒の活性成分は、主に、中間孔径ゼオライトである。このプロセスにおけるプロピレンの収率は、かなり低い。
【0009】
芳香族炭化水素はまた、特に、BTX(ベンゼン、トルエン、およびキシレン)のような軽質芳香族炭化水素は、重要な化学原料であり、これらは、化学繊維、プラスチック等のような合成材料を製造するために使用される。現在、芳香族炭化水素の主要な製造方法は、接触改質であり、ここで、改質触媒の活性成分が貴金属であるので、原料は厳密な前処理へ供給されるべきである。その上、改質触媒の移動および再生のプロセスフローは、複雑である。
【0010】
上記の先行技術は、ナフサおよびディーゼルが製造されるのと同時に、30%を超えない低収率で副生成物としてのみプロピレンを製造する。それらの一部のみが、芳香族炭化水素を製造することができるが、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素を同時に製造することができない。化学原料、プロピレン、エチレン、芳香族炭化水素等についての増加する需要を満たすために、重質原料(heavy feedstocks)から大量のプロピレン、エチレンおよび芳香族炭化水素を同時に製造するための化学工業タイプのオイル精製プロセスを開発する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、先行技術に基づく重質原料からプロピレン、エチレンおよび芳香族炭化水素を同時に製造するためのいくつかの方法を提供することであり、これらの方法におけるプロピレンの収率は、20%より高い。
【0012】
テクニカルスキーム1
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法は、以下を包含する:
原料は、接触分解触媒と接触し、そして400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応する。該反応は、少なくとも2つの反応領域において行われ、そして第一反応領域の下流側にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。該使用済み触媒を反応生成物蒸気から分離し、そして該触媒は、再生された後、該リアクターへ戻る。該反応生成物蒸気が分離され、所望の生成物、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。
【0013】
テクニカルスキーム2
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の別の製造方法は、以下を包含する:
(1)原料および任意であるサイクル材料が、水素化処理ユニットに入り、水素化処理触媒および水素と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1のLHSVの条件下で反応し、次いで反応流出物(reaction effluent)を分離して水素化処理生成物を得、そして水素を再使用のために循環させる;
(2)該水素化処理生成物は、接触分解触媒と接触し、そして400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応する。該反応は、少なくとも2つの反応領域において行われ、そして第一反応領域の下流側にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。該使用済み触媒を反応生成物蒸気から分離し、そして該触媒は、再生された後、該リアクターへ戻る。該反応生成物蒸気が分離され、所望の生成物、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。
【0014】
テクニカルスキーム3
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の第3の製造方法は、以下を包含する:
(1)原料が水素および水素化処理触媒と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1のLHSVの条件下で反応し、そして次いで、反応流出物(reaction effluent)を分離して、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物を得、そして水素を再使用のために循環させる;
(2)工程(1)の水素化処理生成物は、接触分解触媒と接触し、そして400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応する。該反応は、少なくとも2つの反応領域において行われ、そして第一反応領域の下流側にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。該使用済み触媒は、該反応生成物蒸気から分離され、そして、ストリップされ(stripped)そして再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻る。該反応生成物蒸気を分離して、H、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、LCO、およびヘビーサイクルオイル(heavy cycle oil)を得、ここで、C−Cが所望の生成物の一部であり、そして接触分解C−Cが該接触分解リアクターへ再循環される;
(3)工程(1)の水素化処理C−Cおよび水素化処理ナフサならびに工程(2)の接触分解C−Cは、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触し、そして反応生成物蒸気を分離して、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油を得、ここで、該スチームクラッキングC−Cが所望の生成物の一部であり、そして該スチームクラッキングC−Cが該接触分解リアクターへ再循環される;
(4)工程(2)の接触分解ナフサおよび工程(3)のスチームクラッキングナフサを、選択的水素化へ先ず供給し、そして次いで溶媒抽出へ供給し、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートを得、ここで、該芳香族炭化水素が、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートは、スチームクラッキングの原料の1つとして工程(3)へ戻る。
【0015】
本発明によって提供される装置は、以下を含む:
(1)水素化処理ユニット、ここで、原料が水素および水素化処理触媒と接触した後、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物が得られる;
(2)接触分解ユニット、ここで、該水素化処理生成物が、接触分解触媒と接触する。該反応は、少なくとも2つの反応領域において行われ、そして第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。使用済み触媒が反応生成物蒸気から分離され、ここで、該触媒が、ストリップされそして再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻り、そして該反応生成物蒸気が分離されて、H、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、LCO、およびHCOが得られる。該C−Cは所望の生成物の一部であり、そして該C−Cは、該接触分解リアクターへ再循環される;
(3)スチームクラッキングユニット、ここで、該水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および接触分解C−Cが、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触し、そして反応生成物蒸気が分離され、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサおよび燃料油が得られ、ここで、該スチームクラッキングC−Cが、所望の生成物の一部である;
(4)選択的水素化ユニット、ここで、該接触分解ナフサおよびスチームクラッキングナフサが、先ず選択的水素化へ供給され、選択的に水素化処理されたナフサが得られる;
(5)溶媒抽出ユニット、ここで、該選択的に水素化処理されたナフサが、溶媒抽出へ供給され、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートが得られる。該芳香族炭化水素は、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートは、スチームクラッキングのための原料の1つとして該スチームクラッキングユニットへ戻る。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明の方法は、特に、以下の様式で達成される:
実施形態1
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法は、以下を包含する:
原料は、接触分解触媒と接触し、そして400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応する。該反応は、少なくとも2つの反応領域において行われ、そして第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。該使用済み触媒を該反応生成物蒸気から分離し、そして該触媒は、再生された後、該リアクターへ戻る。該反応生成物蒸気が分離され、所望の生成物、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。
【0017】
本プロセスは、下記のように詳述される。
【0018】
1)原料
各反応領域における原料は、石油炭化水素および/または他の鉱油であり、ここで、該石油炭化水素は、減圧軽油(vacuum gas oil)(VGO)、常圧軽油(atmospheric gas oil)(AGO)、コークト軽油(coked gas oil)(CGO)、脱アスファルト油(deasphalted oil)(DAO)、減圧残油(vacuum residuum)(VR)、常圧残油(atmospheric residuum)(AR)、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサ、4〜8の炭素原子を有する炭化水素、2〜3の炭素原子を有するアルカンまたはそれらの混合物からなる群から選択されるものであり、そして該他の鉱油は、石炭液化からの液体生成物、タールサンドオイル(tar sand oil)またはシェールオイル(shale oil)である。
【0019】
該第一反応領域の好ましい原料は、減圧軽油、常圧軽油、コークト軽油、脱アスファルト油、減圧残油、常圧残油、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサまたはそれらの混合物からなる群から選択される1つである。
【0020】
該第一反応領域の下流にある反応領域の好ましい供給物は、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサ、4〜8の炭素原子を有する炭化水素、2〜3の炭素原子を有するアルカンまたはそれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0021】
ここで、VGO、AGO、CGO、DAO、VR、AR、ディーゼルおよびナフサは、水素化処理されていないか、または水素化処理された全留分または部分留分である。
【0022】
該ナフサは、接触分解ナフサ、接触分解ナフサ、直留ナフサ、コークトナフサ(coked naphtha)、スチームクラッキングナフサ、熱分解ナフサおよび水素化処理ナフサ、またはそれらの混合物から選択される1つであり、ここで、接触分解ナフサは、本発明の接触分解プロセス由来であっても、または従来の接触分解由来であってもよく、直留ナフサ、コークトナフサ、スチームクラッキングナフサ、熱分解ナフサおよび水素化処理ナフサは、本プロセス以外に由来する。
【0023】
該ディーゼルは、接触分解LCO、直留ディーゼル(straight-run diesel)、コークトディーゼル(coked diesel)、熱分解ディーゼル、および本プロセスによって得られる水素化処理ディーゼル、またはそれらの混合物から選択されるものであり、ここで、接触分解LCOは、本発明の接触分解プロセス由来であっても、または従来の接触分解由来であってもよく、直留ディーゼル、コークトディーゼル、熱分解ディーゼル、および水素化処理ディーゼルは、本プロセス以外に由来する。
【0024】
4〜8の炭素原子を有する炭化水素および2〜3の炭素原子を有するアルカンは、本発明の接触分解プロセス由来、または従来の接触分解、コーキング、熱分解、水素化等のプロセス由来であり得る。
【0025】
各反応領域の原料は、同一であっても、あるいは異なっていてもよい。第一反応領域の原料には、より重質の炭化水素、例えば、VGO、AGO、CGO、DAO、VR、AR、自己生成サイクルオイル(self-produced cycle oil)、自己生成スラリー(self-produced slurry)、アウトサイドサイクルオイル(outside cycle oil)、アウトサイドスラリー(outside slurry)、ディーゼルおよびナフサが好ましい。より高い反応温度を有する反応領域には、より軽質の炭化水素、例えば、4〜8の炭素原子を有する炭化水素、2〜3の炭素原子を有するアルカン、ナフサおよびディーゼルが好ましい。
【0026】
2)接触分解触媒
接触分解触媒は、ゼオライト、無機酸化物および任意であるクレイを含み、これらは、それぞれ、該触媒の総重量の下記のパーセントの量である:ゼオライト10重量%〜50重量%、無機酸化物5重量%〜90重量%、およびクレイ0重量%〜70重量%。
【0027】
ここで、ゼオライトは、中間孔径ゼオライト(intermediate pore size zeolite)および任意である大きな孔のゼオライト(large pore zeolite)から選択される活性成分である。該中間孔径ゼオライトは、該ゼオライトの総重量の25%〜100%、好ましくは50%〜100%を占め、そして該大きな孔のゼオライトは、該ゼオライトの総重量の0%〜75%、好ましくは0%〜50%を占める。該中間孔径ゼオライトは、ZSMシリーズゼオライトおよび/またはZRPゼオライト、すなわち非金属元素(例えば、リン)および/または遷移金属元素(例えば、鉄、コバルトおよびニッケル)で修飾されたZSMおよびZRPゼオライトから選択される。ZRPゼオライトのより詳細な説明については、米国特許第5,232,675号を参照のこと。ZSMシリーズゼオライトは、ZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−23,ZSM−35,ZSM−38,およびZSM−48,および同様の構造を有する他のゼオライト、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものである。ZSM−5ゼオライトのより詳細な説明については、米国特許第3,702,886号を参照のこと。該大きな孔のゼオライトは、種々のプロセスによって得られる希土類Y(REY)、希土類HY(REHY)、超安定性Y(ultrastable Y)および高シリカY、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0028】
バインダーとしての無機酸化物は、シリカ(SiO)および/またはアルミナ(Al)から選択される。
【0029】
マトリクス(即ち、サポーター)としてのクレイは、カオリンクレイおよび/またはハロイサイトから選択される。
【0030】
各リアクターにおける接触分解触媒は、同一であってもまたは異なっていてもよい。
【0031】
3)接触分解リアクター
該分解リアクターは、少なくとも2、好ましくは2〜7、より好ましくは2〜3の反応領域を含み、そして各反応領域は、ライザー(riser)、流動床、上方輸送ライン(ascending transfer line)、下方輸送ライン(descending transfer line)および移動床あるいはそれらのパーツから選択されるものである。種々の反応領域間の接続方法は、連続(series)、並列、または連続−並列である。ライザーは、従来の単一直径(unidiameter)、または種々のタイプのテーパー状ライザー(tapered risers)であり得る。各反応領域の構造および寸法は、同一であっても異なっていてもよく、ここで、流動床におけるガスの速度は、0.1m/s〜2.4m/sである(触媒は無視される)。
【0032】
該第一反応領域は、25℃〜1200℃の沸点範囲を有する原料が触媒と接触する領域である。第一反応領域のための原料はまた、従来の接触分解の原料であってもよく、ここで、従来の接触分解の原料のそれよりも低い沸点を有する少量の軽質炭化水素(例えば、C〜C)が、含まれてもよい。この反応領域の上流側に他の反応領域があってもよい。該従来の接触分解の原料は、減圧軽油(vacuum gas oil)、常圧軽油(atmospheric gas oil)、コークト軽油(coked gas oil)、脱アスファルト油、減圧残油(vacuum residuum)、常圧残油(atmospheric residuum)、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサ、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0033】
該第一反応領域は、好ましくは、ライザー、上方輸送ライン、下方輸送ライン、または流動床、そしてより好ましくは、ライザーまたは流動床であり;該他の反応領域は、好ましくは、流動床、ライザーおよび移動床、より好ましくは、流動床またはライザーである。
【0034】
4)作動条件
作動条件は、以下の通りである:反応温度400℃〜800℃、好ましくは500℃〜700℃、WHSV 0.1h−1〜750h−1、好ましくは1h−1〜500h−1、反応圧力0.10MPa〜1.0MPa(絶対圧力)、原料に対する接触分解触媒の重量比1〜150。当業者の常識によれば、チューブリアクター(例えば、ライザーリアクター)の反応温度は、アウトレット温度を意味し、そしてベッドリアクター(例えば、流動床リアクター)の反応温度は、該ベッドの平均温度を意味する。
【0035】
流動化操作を実行するために、リフティング媒体(lifting medium)が、該反応領域の底部から注入され得、そして該リフティング媒体は、スチームまたは乾燥ガスから選択され、そしてスチームが好ましい。該原料に対するスチームの比は、重量で0.05〜1.0である。
【0036】
該第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つ、好ましくは1〜6、そしてより好ましくは1〜2の反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高い。より高い反応温度を有する該反応領域の反応温度と該第一反応領域のそれとの差は、10℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃である。
【0037】
該第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度が該第一反応領域のそれより高くするために、該反応領域へ熱再生触媒(hot regenerated catalyst)、熱コークス堆積触媒(hot coke deposited catalyst)、熱新鮮触媒(hot fresh catalyst)、および熱原料(hot feedstock)を供給すること、あるいは該反応領域にヒーティングコイルパイプ(heating coil pipes)を備えることから選択される様式の1以上の手段によって、上記反応領域へ熱が補給される。補給される総熱量は、総反応系の反応熱の10%〜80%、好ましくは20%〜60%を占める。
【0038】
第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1、好ましくは1〜6、そしてより好ましくは1〜2の反応領域のWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低く、そしてこの反応領域のWHSVと該第一反応領域のそれとの比は、1:1.1〜1:750、好ましくは1:1.1〜1:300である。
【0039】
使用済み触媒は、従来のディスエンゲージング(disengaging)、サイクロン分離(cyclone separation)により反応生成物蒸気から分離され、そして該触媒は、コークスを燃焼させることによって再生された後(この前に、該触媒は必要に応じてストリッピングへ供給される)、該リアクターへ戻る。
【0040】
5)生成物の分離
該軽質オレフィンは、エチレン、プロピレンおよび任意であるブテンであり、即ち、軽質オレフィンは、エチレンおよびプロピレン、あるいはエチレン、プロピレンおよびブテンである。
【0041】
エチレンを反応生成物蒸気から分離するために方法は、当業者に周知であるエチレンを分離するためのそれと同一であり、そしてプロピレンおよび任意であるブテンを反応生成物蒸気から分離するための方法は、当業者に周知である、プロピレンおよび任意であるブテンを分離するためのそれと同一である。該反応生成物蒸気のクラッキングナフサ留分から芳香族炭化水素を分離するための方法は、当業者に周知である、芳香族炭化水素を分離するためのそれ(即ち、抽出)と同一である。本プロセスによって得られる接触分解ナフサから芳香族炭化水素を分離する前に、このナフサ中のC−Cが、リサイクルストリームとして先ず分離され得る。
【0042】
この実施形態の好ましいテクニカルスキームは、以下の工程を包含する:
(1)原料およびスチームが第一反応領域(即ち、ライザー)に入り、再生および/または新鮮接触分解触媒と接触し、そして反応温度500℃〜700℃、WHSV 0.1h−1〜750h−1、反応圧力0.1Mpa〜1.0Mpa(絶対圧力)、原料に対する接触分解触媒の重量比1〜150、および原料に対するスチームの重量比0.05〜1.0の条件下で反応する;
(2)該第一反応領域からの反応流出物(reaction effluent)が、第二反応領域(即ち、流動床)に入り、再生接触分解触媒、スチーム、エタン、プロパン、C−Cと接触し、そして反応温度500℃〜700℃、WHSV 0.1h−1〜750h−1、反応圧力0.1Mpa〜1.0Mpa(絶対圧力)、原料に対する接触分解触媒の重量比1〜150、および原料に対するスチームの重量比0.05〜1.0の条件下で反応する。第二反応領域の反応温度と第一反応領域のそれとの差は、10℃〜200℃、好ましくは20℃〜100℃であり、そして第二反応領域のWHSVと第一反応領域のそれとの比は、1:1.1〜1:750、好ましくは1:1.1〜1:300である;
(3)該第二反応領域における使用済み触媒を、反応生成物蒸気から分離し、ここで、該使用済み触媒は、ストリッピング後にリジェネレーターへ入り、そしてコークスを燃焼することによって再生された後、第一反応領域および第二反応領域へ戻り、そして反応生成物蒸気が分離され、所望の生成物、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。
【0043】
好ましいテクニカルスキームは、更に工程(4)を包含し得る:所望の生成物、HおよびCH以外の該反応ガス−オイル(reaction gas-oil)中に残存しているガスおよび液体をリサイクルストリームとして使用し、これは、エタン、プロパン、およびC−Cを含む。該ナフサの溶媒抽出後に得られる抽出ラフィネートは、第二反応領域へ戻り、そしてディーゼル、サイクルオイル、およびスラリーは、第一反応領域へ戻る。
【0044】
実施形態2
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の別の製造方法は、以下を包含する。
【0045】
(1)原料および任意であるリサイクルストリームが、先ず水素化処理ユニットに入り、水素化処理触媒および水素と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1のLHSVの条件下で反応する。反応流出物(reaction effluent)を分離して水素化処理生成物を得、そして水素を使用のためにリサイクルする;
(2)該水素化処理生成物は、接触分解触媒と接触し、そして少なくとも2つの反応領域において400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応し、ここで、第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そして第一反応領域の下流にある反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域のWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低い。該使用済み触媒が、該反応生成物蒸気から分離される。該使用済み触媒は、再生された後、使用のため再循環され、そして該反応生成物蒸気が分離され、所望の生成物、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素が得られる。
【0046】
本実施形態は、更に工程(3)を包含し得る:所望の生成物、HおよびCH以外の該反応ガス−オイル(reaction gas-oil)中に残存しているガスおよび液体を、リサイクルストリームとして使用し、ここで、該ガスリサイクルストリームは、エタン、プロパンおよびCであり、そして該液体リサイクルストリームは、C−C、ナフサの抽出ラフィネート、リサイクルされたオイルおよびスラリーである。エタン、プロパンおよびC−Cならびに/あるいはナフサの抽出ラフィネート、ディーゼル、サイクルオイルおよびスラリー。エタン、プロパン、C−C、上述の抽出ラフィネート、ディーゼル、または水素化処理ディーゼルおよびスラリーは、工程(2)の反応領域へ戻り、そしてサイクルオイルは、水素化処理ユニットへ戻る。反応に関与しない低級アルカンは、該ユニットから取り出される。
【0047】
該原料は、石油炭化水素および/または他の鉱油であり、ここで、該石油炭化水素は、VGO、AGO、CGO、DAO、VR、AR、ディーゼルおよびナフサまたはそれらの混合物からなる群から選択されるものであり、そして該他の鉱油は、石炭液化からの液体生成物、タールサンドオイル(tar sand oil)またはシェールオイル(shale oil)である。
【0048】
ここで、VGO、AGO、CGO、DAO、VR、AR、ディーゼルおよびナフサは、水素化処理されていないか、または水素化処理された全留分または部分留分である。
【0049】
前記ナフサは、接触分解ナフサ、直留ナフサ、コークトナフサ(coked naphtha)、スチームクラッキングナフサ、熱分解ナフサおよび水素化処理ナフサ、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものであり、ここで、接触分解ナフサは、本発明の接触分解プロセス由来であっても、または従来の接触分解由来であってもよく、直留ナフサ、コークトナフサ、スチームクラッキングナフサ、熱分解ナフサおよび水素化処理ナフサは、本プロセス以外に由来する。
【0050】
該ディーゼルは、接触分解LCO、接触分解ディーゼル、直留ディーゼル(straight-run diesel)、コークトディーゼル(coked diesel)、熱分解ディーゼル、および水素化処理ディーゼル、またはそれらの混合物から選択されるものであり、ここで、接触分解LCOは、本発明の接触分解プロセス由来であっても、または従来の接触分解由来であってもよく、直留ディーゼル、コークトディーゼル、熱分解ディーゼル、および水素化処理ディーゼルは、本プロセス以外に由来する。
【0051】
工程(1)における原料およびサイクルオイルは、混合後、共に水素化処理リアクターへ入り、該設備における投資を減少し得る。該原料およびサイクルオイルは、水素化処理触媒および水素と接触し、そして水素分圧3.0MPa〜20.0MPa、反応温度300℃〜450℃、水素/オイル体積比300〜2000、およびLHSV0.1h−1〜3.0h−1の条件下で反応する。反応流出物は、順に、高圧分離、低圧分離、および生成物分別(product fractionation)へ供給され、水素化処理生成物が得られる。
【0052】
重油およびサイクルオイルを水素化処理して最適な反応効果を得ることが好ましく、しかし、該高圧分離、低圧分離、および生成物分別システムは、共有され得る。加えて、該2つの反応システムは、新鮮水素およびリサイクル水素の圧縮機を共有するために、同一の圧力レベルを使用し得る。該原料の水素化における条件は、以下である:水素分圧3.0MPa〜20.0MPa、反応温度300℃〜450℃、水素/オイル体積比300〜2000、およびLHSV0.1h−1〜3.0h−1;そしてサイクルオイルの水素化処理の条件は、以下である:水素分圧3.0MPa〜20.0MPa、反応温度300℃〜450℃、水素/オイル体積比300〜2000、およびLHSV 0.2h−1〜2.0h−1
【0053】
水素化処理ユニットにおいて使用される水素化処理触媒は、アルミナおよび/またはアモルファスシリアカ−アルミナに担持されたVIB族および/またはVIII族の非貴金属の触媒である。該VIB族の非貴金属は、Moおよび/またはWから選択され、そしてVIII族のそれは、Coおよび/またはNiから選択される。高い水素飽和(hydrosaturation)および脱窒素活性しかし低いクラッキング活性が、この触媒について必要とされ、可能な限り多く原料中に長い直鎖パラフィンを保持しそして接触分解プロセスにおいてより多くのプロピレンを製造する。好ましい触媒は、0〜10重量%の添加剤、1〜9重量%の1以上のVIII族金属、12〜39重量%の1以上のVIB族金属、ならびに残りは支持体としてのアルミナおよび/またはアモルファスシリカ−アルミナから構成され、ここで、該添加剤は、非金属元素および金属元素(例えば、フッ素、リン、チタンなど)から選択される。
【0054】
原料と比較して、該水素化処理生成物は、より少ない硫黄、窒素および芳香族炭化水素、ならびにより高い含有量の水素を含有し、接触分解ユニットのための原料として使用される場合、プロピレンの収率を増加させるために好ましい。
【0055】
本テクニカルスキームの接触分解触媒、接触分解リアクター、および接触分解操作条件は、それぞれ、テクニカルスキーム2のそれらと同一である。
【0056】
実施形態3
本発明によって提供される軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の第3の方法は、以下を包含する:
(1)原料が水素および水素化処理触媒と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1のLHSVの条件下で反応し、そして次いで、反応流出物(reaction effluent)を分離して、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物を得、該水素化処理生成物、水素は使用のために再循環される;
(2)工程(1)の水素化処理生成物は、接触分解触媒と接触し、そして少なくとも2つの反応領域において400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応し、ここで、第一反応領域の下流にある少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そして第一反応領域の下流にある少なくとも1つの反応領域のWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低く;該使用済み触媒は、反応生成物蒸気から分離され、該使用済み触媒は、ストリップされそして再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻り、そして、該反応生成物蒸気を分離して、H、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、ライトサイクルオイル、ヘビーサイクルオイルを得、ここで、該C−Cが所望の生成物の一部であり、そして該接触分解C−Cは該触媒熱分解リアクターへ再循環される;
(3)工程(1)の水素化処理C−Cならびに工程(2)の接触分解C−Cを、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触させ、そして反応生成物蒸気を分離して、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油を得、ここで、該スチームクラッキングC−Cは、所望の生成物の一部であり、そして該スチームクラッキングC−Cは、該接触分解リアクターへ循環される;
(4)工程(2)の接触分解ナフサおよび工程(3)のスチームクラッキングナフサを、選択的水素化へ先ず供給し、そして次いで溶媒抽出へ供給し、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートを得、ここで、該芳香族炭化水素が、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートが、スチームクラッキングの原料の1つとして工程(3)へ戻る。
【0057】
当該テクニカルスキームの原料、接触分解触媒、接触分解リアクター、および接触分解操作条件は、それぞれ、テクニカルスキーム2のそれらと同一である。
【0058】
溶媒抽出において使用される溶媒は、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジエチルグリコールエーテル、トリエチルグリコールエーテル、テトラエチルグリコール、ジメチルスルホキシド、およびN−ホルミルモルホリンならびにそれらの混合物からなる群から選択されるものである。溶媒抽出における温度は80〜120℃であり、そして抽出される原料に対する該溶媒の体積比は2〜6である。溶媒抽出によって抽出されるオイルは、所望の生成物の1つ、芳香族炭化水素であり、そして抽出ラフィネート(即ち、非芳香族炭化水素)は、スチームクラッキングのための原料の1つである。
【0059】
スチームクラッキングのための原料は、工程(1)の水素化処理C−Cおよび水素化処理ナフサならびに工程(2)の接触分解C−Cである。
【0060】
スチームクラッキングにおける反応条件は、温度700℃〜1000℃、滞留時間0.05秒〜0.6秒、そしてスチーム/オイル重量比0.1〜1.0である。
【0061】
反応生成物蒸気は、分離され、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、燃料油が得られ、ここで、該スチームクラッキングC−Cは、所望の生成物の一部である。該スチームクラッキングC−Cは、スチームクラッキングリアクターへ再循環され、そして該スチームクラッキングされたC−Cは、触媒熱分解リアクターへ再循環される。
【0062】
本テクニカルスキームは、水素化処理、接触分解、スチームクラッキング、溶媒抽出などを統合することによって、できる限り多く、重質原料から軽質オレフィン(例えば、プロピレン、エチレンなど)を製造し、ここで、プロピレンの収率は30%を超え、そして同時に、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなど)を製造する。
【0063】
本発明によって提供される装置は、以下を含む:
(1)水素化処理ユニット、ここで、原料が水素および水素化処理触媒と接触した後、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物が得られる;
(2)接触分解ユニット、ここで、該水素化処理生成物が、接触分解触媒と接触し、そして少なくとも2つの反応領域において400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1のWHSVの条件下で反応し、ここで、第一反応領域の下流にある少なくとも1つの反応領域の反応温度は、該第一反応領域のそれよりも高く、そして第一反応領域の下流にある少なくとも1つの反応領域のWHSVは、該第一反応領域のそれよりも低く;該使用済み触媒は、反応生成物蒸気から分離され、該使用済み触媒は、ストリッピングにより再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻り、そして、該反応生成物蒸気を分離して、H、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、ライトサイクルオイル、ヘビーサイクルオイルを得、ここで、該C−Cが所望の生成物の一部であり、そして該C−Cは該接触分解リアクターへ再循環される;
(3)スチームクラッキングユニット、ここで、該水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、接触分解C−C、および接触分解C−Cが、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触し、そして反応生成物蒸気が分離され、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油を得、ここで該スチームクラッキングC−Cが所望の生成物の一部である;
(4)選択的水素化ユニット、ここで、該接触分解ナフサおよびスチームクラッキングナフサが、選択的水素化へ供給され、選択的に水素化処理されたナフサが得られる;
(5)溶媒抽出ユニット、ここで、該選択的に水素化処理されたナフサが、溶媒抽出へ供給され、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートが得られ、ここで、該芳香族炭化水素は、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートは、スチームクラッキングの原料の1つとして工程(3)へ戻る。
【0064】
本発明の方法は、図面と組み合わせて、下記で更に説明される。
【0065】
図1は、テクニカルスキーム1の接触分解プロセスの概略図である。
【0066】
この図には7の反応領域があり、ここで、反応領域IIIおよび反応領域Vの両方の温度は、反応領域Iのそれよりも高く、そしてそれらのWHSVは、反応領域Iのそれよりも低い。プロパンのような媒体PS2が、反応領域Iの底部にある触媒のプレリフティングセクションP6(pre-lifting section of the catalyst P6)から注入され、反応が行われる。このプレリフティングセクションP6はまた、反応領域とみなされ得る。
【0067】
プロセスフローは、下記の通りである:
リジェネレーター(regenerator)からの再生触媒C1は、触媒パイプラインP1を通って、反応領域Iの底部にある触媒のプレリフティングセクションP6へ入り、媒体PS1によってリフトされた後、媒体PS2と反応する。反応領域Iにおいて、原料S1は、プレリフティングセクションP6からのストリームおよび該触媒と接触し、そして500℃〜650℃の反応温度、2h−1〜300h−1のWHSV、3〜20の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPa(絶対圧力)の反応圧力下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域IIへ入る。
【0068】
反応領域IIにおいて、他の接触分解ユニットからのC炭化水素原料S2が、反応領域1からの触媒およびストリームと接触し、そして490℃〜640℃の反応温度、20h−1〜750h−1のWHSV、3〜20の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPa(絶対圧力)の反応圧力下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域IIIへ入る。
【0069】
反応領域IIIにおいて、本プロセスからのC炭化水素原料S3が、反応領域IIからの触媒およびストリームならびにパイプラインP2からの再生触媒と接触し、そして510℃〜660℃の反応温度、2h−1〜150h−1のWHSV、3〜20の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPa(絶対圧力)の反応圧力下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域IVへ入る。
【0070】
反応領域IVにおいて、本プロセスからのC炭化水素原料S4が、反応領域IIIからの触媒およびストリームと接触し、そして490℃〜640℃の反応温度、20h−1〜750h−1のWHSV、3〜20の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPa(絶対圧力)の反応圧力下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域Vへ入る。
【0071】
反応領域Vにおいて、原料の一部および本プロセスからのC炭化水素原料S5が、反応領域IVからの触媒およびストリームと、パイプラインP5からの使用済み触媒C5と、パイプラインP4からの再生触媒C4と、そしてパイプラインP3からの再生触媒C3がプロパンPS3と接触および反応後の触媒および反応生成物と接触および混合し、そして510℃〜700℃の反応温度、1h−1〜100h−1のWHSV、3〜50の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPの反応圧力(絶対圧力)下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域VIへ入る。
【0072】
反応領域VIにおいて、本プロセスからのC原料S6が、反応領域Vからの触媒およびストリームと接触および混合し、そして510℃〜700℃の反応温度、20h−1〜700h−1のWHSV、3〜50の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPaの反応圧力(絶対圧力)下で反応する。次いで、反応生成物および触媒は、共に、反応領域VIIへ入る。
【0073】
反応領域VIIにおいて、水またはスチームS7が、反応領域VIからの触媒およびストリームと接触および混合し、そして450℃〜700℃の反応温度、20h−1〜700h−1のWHSV、3〜50の触媒/オイル重量比、および0.12MPa〜0.6MPaの反応圧力(絶対圧力)下で反応する。反応生成物蒸気および触媒は、次いで、触媒/生成物蒸気分離システムに入る。分離された生成物蒸気は、生成物蒸気分離システムに入り、そして触媒は、必要に応じてストリップされた後、生成のためのリジェネレーターへ入る。
【0074】
図2は、テクニカルスキーム1の好ましい接触分解プロセスの概略図である。
【0075】
このプロセスにおいて、接触分解リアクター40は、連続して、第一反応領域(即ち、ライザーA)、第二反応領域(即ち、流動床B)からなる。第二反応領域の反応温度と第一反応領域のそれとの差は、10〜200℃、好ましくは20℃〜100℃であり、そして第二反応領域のWHSVと第一反応領域のそれとの比は、1:1.1〜1:750、好ましくは1:1.1〜1:300である。
【0076】
プロセスフローは、下記の通りである:
プレリフティングスチーム(pre-lifting steam)は、パイプライン57を通ってライザーAの底部から入り、そして再生触媒は、該スチームのプレリフティング作用下、速度を増加しながら、ライザーAに沿って上方へ移動する。原料は、パイプライン39からスチームを噴霧しながら、パイプライン5を通ってライザーAへ注入され、該再生触媒と接触する。パイプライン55からのスチームによってリフトされた後、パイプライン54からの再生触媒は、パイプライン26からのC−CおよびC−Cと共に垂直輸送ライン(vertical transfer line)56に入り、そして上方へ移動し、そして最終的に流動床Bへ入り、ライザーAからの触媒および生成物蒸気との反応が行われる。スチームが、パイプライン41を通って流動床Bの底部に入り、流動床Bの流動化および反応を確実にする。流動床Bにおいて生成された生成物蒸気および不活性化された使用済み触媒は、パイプライン42を通ってディスエンゲージャー(disengager)43中のサイクロンへ入り、該生成物蒸気からの該使用済み触媒の分離が行われる。該生成物蒸気は、回収チャンバ44へ入り、そして該触媒微細粉末は、レッグ(leg)を通ってディスエンゲージャーに戻る。ディスエンゲージャー中の使用済み触媒は、ストリッピングセクション47へ流動し、そしてパイプライン48からのスチームと接触する。該使用済み触媒からストリップされた生成物蒸気は、サイクロンを通ってチャンバ44へ入る。ストリッピング後の使用済み触媒は、傾斜パイプ(sloped pipe)49を通ってリジェネレーター50へ入る。メイン空気が該リジェネレーターへ入り、該使用済み触媒上のコークが燃焼され、そして該不活性化使用済み触媒が再生され、そして排煙は、パイプライン52を介してヒュームマシーン(fume machine)に入る。該再生触媒を2つのパーツに分け、ここで、一方のパーツは、傾斜パイプ53を通ってライザーAに入り、そして他方のパーツは、リサイクル使用のため、傾斜パイプ54および垂直輸送ライン56を順次通って流動床Bに入る。チャンバ44中の生成物蒸気は、次の分離システム46に入り、ここから分離によって得られたエチレンおよびプロピレンがパイプライン7を介して回収され、接触分解乾燥ガス(即ち、水素およびメタン)がパイプライン6を介して回収され、接触分解C−Cがパイプライン8を介して回収されそして最終的に垂直輸送ライン26へ導入され、接触分解C−Cがパイプライン9を介して回収され、接触分解ナフサがパイプライン10を介して回収されて芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレンなど)が分離され、接触分解ディーゼルがパイプライン11を介して回収され、接触触媒サイクルオイルおよびスラリーがパイプライン12を介して回収される。接触分解C−Cは、パイプライン26および垂直輸送ライン56を順次通って流動床Bへ戻る。ディーゼルまたは水素化処理ディーゼル、接触分解サイクルオイル、およびスラリーは、パイプライン5を通って共にライザーAへ戻る。
【0077】
図3は、テクニカルスキーム2のプロセスの図式原理フローシート(schematic principle flowsheet)である。
【0078】
水素化処理後のプロセスの原理フローは、以下のように簡単に説明される:原料は、パイプライン1を通って、パイプライン15からのサイクルオイルと混ざり、次いで、パイプライン22を通って水素化処理ユニット23に入り、水素化処理触媒および水素と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1のLHSVの条件下で反応する。水素化処理ユニットにおいて製造されるオイルは、パイプライン24を通って、パイプライン17からのリサイクルストリームと混ざり、次いで接触分解リアクター2に入り、接触分解およびスチームと接触し、そして500℃〜700℃の温度、0.15〜0.4MPaの圧力(絶対圧力)、5〜50の接触分解原料に対する接触分解触媒の重量比、0.05〜1.0の接触分解原料に対するスチームの重量比の条件下で反応する。コークト(coked)使用済み触媒および反応生成物蒸気は、パイプライン3を通って触媒/オイルセパレーター4に入り、分離された使用済み触媒は、パイプライン5を通ってリジェネレーター6に入る。コークを燃焼することによって再生された触媒は、より高い活性および選択性を有し、これは、パイプライン7を介してリアクター2へ戻り、そして反応生成物蒸気は、プロダクトセパレーター9に入る。分離されたエチレンおよびプロピレンは、パイプライン12を介して回収され、そしてクラッキングされたナフサ(ここから、C−Cが取り出される)は、溶媒抽出ユニット19へ入る。得られた芳香族炭化水素はパイプライン21を介して回収され、水素およびメタンはパイプライン10を介して回収され、エタンおよびプロパンはパイプライン11を介して回収され、C−Cはパイプライン13を介して回収され、サイクルオイルはパイプライン15を介して回収され、そしてスラリーはパイプライン16を介して回収される。エタンおよびプロパン、C−C、ナフサの抽出ラフィネート、およびスラリーは、全てがまたは一部が、パイプライン17および18を順次通って接触分解リアクター2へ戻り、そしてサイクルオイルは、パイプライン15および22を順次通って水素化処理ユニット23へ戻る。
【0079】
図4は、テクニカルスキーム3のプロセスおよび装置の図式原理フローシート(schematic principle flowsheet)である。
【0080】
本プロセスの原理フローは、以下の通りである:原料は、パイプライン1を通って、パイプライン11からのディーゼルと混合し、次いで水素化ユニットAに入る。水素化処理によって得られたH、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物が、それぞれ、パイプライン2、3、4および5を介して回収される。水素化処理C−Cおよび水素化処理ナフサは、それぞれパイプライン3および4を通って混合し、次いでパイプライン23および24を順次通って、スチームクラッキングユニットEに入る。接触分解のための原料としての水素化処理生成物は、パイプライン26からのC−Cと混合し、次いで接触分解ユニットBに入り、そして500℃〜700℃の温度、0.15〜0.4MPaの圧力(絶対圧力)、5〜50の接触分解原料に対する接触分解触媒の重量比、0.05〜1.0の接触分解原料に対するスチームの重量比の条件下で反応する。接触分解ユニットBにおいて得られるH、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、ディーゼル、サイクルオイルを、それぞれ、パイプライン2、3、4および5から回収する。C−Cは、所望の生成物の1つである。スチームクラッキング原料の1つとしてのC−Cは、パイプライン8、22および24を順次通って、スチームクラッキングユニットEに入る。接触分解C−Cは、パイプライン9を通って、パイプライン18からのスチームクラッキングC−Cと混合し、次いでパイプライン26および27を順次通って接触分解ユニットBへ戻る。接触分解ナフサは、パイプライン19からのスチームクラッキングナフサと混合し、次いでパイプライン25を通って、選択的水素化ユニットCへ入る。ディーゼルは、パイプライン11および28を順次通って、水素化ユニットAへ戻る。サイクルオイルは、パイプライン12を通って、接触分解ユニットBへ戻る。選択的水素化ユニットCからのストリームは、溶媒抽出ユニットDへ入る。溶媒抽出ユニットDにおいて得られたBTXは、所望の生成物としてパイプライン14を介して回収され、そして抽出ラフィネートは、パイプライン13、22および24を順次通ってスチームクラッキングユニットEへ入る。
【0081】
水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、接触分解C−C、および抽出ラフィネートは、先ず、それぞれパイプライン3、4、8および13を通って混合し、そして次いで、パイプライン24を通ってスチームクラッキングユニットEに入る。H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油は、それぞれパイプライン15、16、17、18、19および20を介して回収され、ここで、スチームクラッキングC−Cは、所望の生成物の1つとしてパイプライン16を介して該ユニットから回収され、スチームクラッキングC−Cは、パイプライン17を通ってスチームクラッキングユニットEへ戻り、スチームクラッキングC−Cは、パイプライン18、26および27を順次通って接触分解ユニットBに入り、そしてスチームクラッキングナフサは、パイプライン19を通って選択的水素化ユニットCへ入る。
【0082】
本発明によって提供されるいくつかのプロセスを使用することによって、製油所(refinery)は、プロピレン、エチレンなどのような軽質オレフィンを最大値まで製造することができ、ここで、プロピレンの収率は20重量%を超え、好ましくは25%を超え、そしてより好ましくは30%を超え、そしてまた、同時生成物(joint products)、トルエン、キシレンなどに富む芳香族炭化水素を製造することができる。従って、製油所コンセプトの技術的ブレイクスルー、従来の燃料および燃料−潤滑剤製造モードから化学工業モードへの製油所のコンバージョン、ならびに単一のオイル精製から高い付加価値を有するダウンストリームプロダクトの製造への製油所の発展および拡張が実現される。このコンバージョンは、化学原料の不足という問題を解決するだけでなく、製油所の利点を増大させる。
【0083】
下記の実施例は、本発明を更に説明し、しかしそれを限定しない。
【実施例】
【0084】
実施例において使用される原料はVGOであり、特性は表1に示され、そして実施例において使用される溶媒はスルホランである。
【0085】
実施例において使用される接触分解触媒の製造方法は、下記のように簡単に説明される:
1)20gのNHClを1000gの水に溶解し、そこへ100g(乾燥ベース)の結晶化生成物ZRP−1ゼオライト(the Catalyst Plant of Qilu Petrochemicals Co.において製造、SiO/Al=30、希土類REの含有量=4.0重量%)を添加し、そして、90℃で0.5時間の交換反応および濾過後、フィルターケーキ(filter cake)が得られた。該フィルターケーキを90gの水中の4.0gのHPO(85%の濃度)および4.5gのFe(NOの溶液に含浸させ、次いで乾燥させた。得られた固体を550℃で2時間焼成し、リンおよび鉄を含有しそしてMFIの構造を有する中間孔径ゼオライトを得た。元素分析によって測定したこの組成は、0.1NaO・5.1Al・2.4P・1.5Fe・3.8RE・88.1SiOであった。
【0086】
2)75.4kgのハロイサイト(Suzhou Porcelain Clay Co.の製品、固形分71.6重量%)を、250kgのカチオン除去水でスラリー化し、そして54.8kgのシュード−ベーマイト(Shandong Alumina Plantの工業製品、固形分63重量%)を添加した。pHを塩酸で2〜4に調整し、スラリーを均一に撹拌し、そして60〜70℃で1時間エージングするために静置した。pHを2〜4に維持しながら温度を60℃未満に下げ、次いで4.5kgのアルミナゾル(Shandong Alumina Plantの工業製品、Al含有量21.7重量%)を添加した。40分間の撹拌後、混合スラリーが得られた。
【0087】
3)工程1)で調製したリンおよび鉄を含有しかつMFIの構造を有する中間孔径ゼオライト(乾燥ベース45kg)およびDASYゼオライト(the Catalyst Plant of Qilu Petrochemicals Co.の工業製品、単位格子サイズ2.445〜2.448nm、RE含有量2.0%、乾燥ベース7.5kg)を、工程2)で得られた混合スラリーへ添加し、そして均一に撹拌した。得られたスラリーを、噴霧乾燥により成形し、そして該プロダクトをリン酸二水素アンモニウムの溶液(リン含有量1重量%)で洗浄し、フリーのNaを除去した。乾燥後、接触分解触媒のサンプルが得られた。該触媒の組成は、リンおよび鉄を含有するMFI構造中間孔径ゼオライト30重量%、DASYゼオライト5重量%、シュード−ベーマイト23重量%、アルミナゾル6重量%、および残りカオリンであった。
【0088】
実施例において使用される水素化処理触媒を調製するためのプロセスは、下記のように簡単に説明される:メタタングステン酸アンモニウム(NH13・18HO、化学的に純粋)および硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO、化学的に純粋)を水に溶解して、200mlの溶液を調製した。50gのアルミナ支持体を該溶液へ添加し、そして室温で3時間含浸させた。含浸の間、該含浸溶液を、超音波機器で30分間処理し、次いで冷却し、濾過し、電子レンジ中で約15分間乾燥させた。該触媒の組成は、WO30重量%、NiO 3.1重量%、および残りアルミナであった。
【0089】
実施例において使用される水素化処理触媒を調製するための方法は、下記のように簡単に説明される:メタタングステン酸アンモニウム(NH13・18HO、化学的に純粋)および硝酸ニッケル(Ni(NO・6HO、化学的に純粋)を水に溶解して、200mLの溶液を調製した。100gのアルミナ支持体を該溶液へ添加し、そして室温で4時間含浸させた。単離後、このウエットな触媒を、オーブン中で4時間乾燥させ、そして500℃で4時間空気を吹き付けながら、煙管(tube furnace)において焼成した。該触媒の組成は、WO25.3重量%、NiO 2.3重量%、および残りアルミナであった。
【0090】
実施例1
本実施例の実験を、図1におけるフローに従って行った。原料Aを、接触分解の原料として直接使用し、そして実験を、ライザーおよび流動床からなる7個の反応領域において行った。反応領域I、II、III、IV、V、VIおよびVIIの反応温度は、順に、530°C、520°C、550°C、540°C、640°C、620°Cおよび580°Cであり、そして反応領域I、II、III、IV、V、VIおよびVIIのWHSVは、順に、360h−1、720h−1、20h−1、180h−1、5h−1、200h−1および620h−1であり、ここで、反応領域IIIおよびVの反応温度は、それぞれ、反応領域1のそれよりも20℃および110℃高く、反応領域IIIおよびV(流動床)のWHSVと反応領域I(ライザー)のそれとの比は、それぞれ、1:18および1:72であり、そして反応領域IIIおよびVへ補給された熱は、それぞれ、全反応系の反応熱の11%および60%を占める。最後に、生成物が分離され、ここで、C−Cを、該流動床へ循環させた。反応領域I、IIIおよびVの操作条件、ならびに生成物分布を表2に示す。
【0091】
表2から、プロピレンおよびエチレンの収率は、それぞれ、35.21重量%および14.56重量%に達し、そしてトルエンおよびキシレンのそれらは、それぞれ、3.95重量%および4.26重量%であることが理解され得る。
【0092】
実施例2
本実施例の実験を、図2におけるフローに従って行った。原料Bを、接触分解の原料として直接使用し、そして実験を中間サイズのライザーと流動床リアクターにおいて行い、ここで、該流動床の反応温度は該ライザーのそれよりも30℃高く、該流動床のWHSVと該ライザーのそれとの比は1:360であり、そして該流動床に補給された熱は、全反応系の反応熱の22%を占める。最後に、該生成物を分離し、ここで、スラリーのみを該ライザーへ循環させ、そしてC−Cを該流動床へ循環させ、しかし他のストリームは循環させなかった。接触分解の作動条件および生成物分布を表2に示す。
【0093】
表2から、プロピレンおよびエチレンの収率は、それぞれ、30.46重量%および18.31重量%に達し、そしてトルエンおよびキシレンのそれらは、それぞれ、2.45重量%および7.38重量%であることが理解され得る。
【0094】
実施例3
本実施例の実験を、図3におけるフローに従って行った。原料Aを、先ず、水素化処理へ供し、そして該水素化処理生成物(水素の含有量は、12.40重量%から13.54重量%へ増加し、そして芳香族炭化水素の含有量は、44.1重量%から20.0重量%へ減少した)を、接触分解の原料として使用した。実験を、中間サイズのライザーと流動床リアクターにおいて行い、ここで、該流動床の反応温度は該ライザーのそれよりも40℃高く、該流動床のWHSVと該ライザーのそれとの比は1:30であり、そして該流動床に補給された熱は、全反応系の反応熱の25%を占める。最後に、該生成物を分離し、ここで、スラリーのみを該ライザーへ循環させ、しかし他のストリームは循環させなかった。水素化処理および接触分解の作動条件ならびに生成物分布を、表3に示す。
【0095】
表3から、プロピレンおよびエチレンの収率は、それぞれ、32.97重量%および12.63重量%に達し、そしてトルエンおよびキシレンのそれらは、それぞれ、1.93重量%および4.05重量%であることが理解され得る。
【0096】
実施例4
本実施例の実験を、図4におけるフローに従って行った。接触分解のためのリアクターは、パイロットプラントにおける流動床リアクターとライザーであり、ここで、該流動床の反応温度は該ライザーのそれよりも40℃高く、該流動床のWHSVと該ライザーのそれとの比は1:30であり、そして該流動床に補給された熱は、全反応系の反応熱の30%を占める。最後に、該生成物を分離し、ここで、スラリーのみを該ライザーへ循環させ、しかし他のストリームは循環させなかった。水素化処理、接触分解、選択的水素化および溶媒抽出実験の全てを、対応の中間サイズユニットにおいて行った。
【0097】
本実施例において使用した原料は、実施例3におけるものと同一(即ち、原料A)であり、そして作動条件および生成物分布を、表3に示す。表3から、プロピレンおよびエチレンの収率は、それぞれ、40.65重量%および20.64重量%であり、そしてトルエンおよびC芳香族炭化水素のそれらは、それぞれ、4.34重量%および5.18重量%であることが理解され得る。
【0098】
【表1】

【0099】
【表2−1】

【0100】
【表2−2】

【0101】
【表3−1】

【0102】
【表3−2】

【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1は、テクニカルスキーム1の接触分解プロセスの概略図である。
【図2】図2は、テクニカルスキーム1の好ましい接触分解プロセスの概略図である。
【図3】図3は、テクニカルスキーム2のプロセスの図式原理フローシートである。
【図4】図4は、テクニカルスキーム3のプロセスおよび装置の図式原理フローシートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素(aromatics)の製造方法であって、400℃〜800℃の反応温度および0.1h−1〜750h−1の重量空間速度(WHSV)の条件下で接触分解触媒と接触させることにより原料を反応させること;該反応生成物蒸気から該使用済み触媒を分離すること;該使用済み触媒を再生すること;ならびにリアクターへ該再生触媒を戻すことを包含し、該反応が少なくとも2つの反応領域において行われ、ここで、第一反応領域の下流にある該反応領域のうちの少なくとも1つの反応領域の反応温度が、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそのWHSVが、該第一反応領域のそれよりも低いことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記第一反応領域が、25℃〜1200℃の沸点範囲を有する原料が前記触媒と接触する反応領域であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応が2〜7の反応領域において行われ、ここで、前記第一反応領域の下流にある反応領域のうちの1〜6の反応領域の反応温度が、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそれらのWHSVが、該第一反応領域のそれよりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応が2〜3の反応領域において行われ、ここで、前記第一反応領域の下流にある反応領域のうちの1〜2の反応領域の反応温度が、該第一反応領域のそれよりも高く、そしてそれらのWHSVが、該第一反応領域のそれよりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
より高い反応温度を有する前記反応領域の反応温度と前記第一反応領域のそれとの差が、10℃〜200℃であり、そしてこの反応領域のWHSVと該第一反応領域のそれとの比が、1:1.1〜1:750であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
より高い温度を有する前記反応領域の反応温度と前記第一反応領域のそれとの差が、20℃〜100℃であり、そしてこの反応領域のWHSVと該第一反応領域のそれとの比が、1:1.1〜1:300であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
より高い反応温度を有する前記反応領域のための熱源が、熱再生触媒(hot regenerated catalyst)、熱コークス堆積触媒(hot coke deposited catalyst)、熱新鮮触媒(hot fresh catalyst)、および熱原料(hot feedstock)、ならびにこの反応領域に備えられている1以上のヒーティングコイルチューブからなる群から選択されるものあるいはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
より高い反応温度を有する前記反応領域に補給される総熱量が、全反応系の反応熱の10%〜80%を占めることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
より高い反応温度を有する前記反応領域に補給される総熱量が、全反応系の反応熱の20%〜60%を占めることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応領域各々における条件が、反応温度500℃〜700℃、WHSV 1h−1〜500h−1、反応圧力0.10MPa〜1.0MPa、前記原料に対する前記接触分解触媒の重量比1〜150であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応領域各々が、ライザー、流動床、上方輸送ライン(ascending transfer line)、下方輸送ライン(descending transfer line)および移動床から選択されるものであり、そして種々の反応領域間の接続方法が、連続(series)、並列または混合であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記原料が、石油炭化水素および/または他の鉱油であり、ここで、該石油炭化水素が、減圧軽油、常圧軽油(atmospheric gas oil)、コークト軽油(coked gas oil)、脱アスファルト油、減圧残油(vacuum residuum)、常圧残油(atmospheric residuum)、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサ、4〜8の炭素原子を有する炭化水素、2〜3の炭素原子を有するアルカンまたはそれらの混合物からなる群から選択される1つであり、そして該他の鉱油が、石炭液化からの液体生成物、タールサンドオイル(tar sand oil)またはシェールオイル(shale oil)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第一反応領域の原料が、減圧軽油、常圧軽油、コークト軽油、脱アスファルト油、減圧残油、常圧残油、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサまたはそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第一反応領域の下流にある反応領域の原料が、サイクルオイル、スラリー、ディーゼル、ナフサ、4〜8の炭素原子を有する炭化水素、2〜3の炭素原子を有するアルカンまたはそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記減圧軽油、常圧軽油、コークト軽油、脱アスファルト油、減圧残油、常圧残油、ディーゼルおよびナフサが、それらの全留分または部分留分であることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項16】
前記ナフサが、接触分解ナフサ、直留ナフサ、コークトナフサ(coked naphtha)、スチームクラッキングナフサ、熱分解ナフサおよび水素化処理ナフサ、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項12、13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記ディーゼルが、接触分解ライトサイクルオイル(LCO)、直留ディーゼル、コークトディーゼル(coked diesel)、熱分解ディーゼルおよび水素化処理ディーゼル、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項12、13または14に記載の方法。
【請求項18】
前記接触分解触媒が、ゼオライト、無機酸化物および任意であるクレイを含み、そして該触媒中の種々の成分の含有量が、ゼオライト10重量%〜50重量%、無機酸化物5重量%〜90重量%、およびクレイ0重量%〜70重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ゼオライトが、中間孔径ゼオライトおよびそして任意である大きな孔のゼオライトであり、ここで、該中間孔径ゼオライトが、該ゼオライトの総重量の25%〜100%を占め、そして該大きな孔のゼオライトが、該ゼオライトの総重量の0%〜75%を占め;該中間孔径ゼオライトが、ZSMシリーズゼオライトおよび/またはZRPゼオライトから選択され、そして該ZSMシリーズゼオライトは、ZSM−5,ZSM−11,ZSM−12,ZSM−23,ZSM−35,ZSM−38,およびZSM−48,またはそれらの混合物からなる群から選択されるものであり;該大きな孔のゼオライトは、希土類Y、希土類HY、超安定性Y(ultrastable Y)、および高シリカY、またはそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記無機酸化物が、SiOおよび/またはAlから選択され、そして前記クレイが、カオリンクレイおよび/またはハロイサイトから選択されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記低級オレフィンが、エチレン、プロピレンおよび任意であるブテンであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法であって、以下の工程:
(1)原料および任意であるリサイクルストリームが、水素化処理ユニットに入り、水素化処理触媒および水素と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1の液空間速度(LHSV)の条件下で反応し、反応流出物(reaction effluent)を分離して水素化処理生成物を得、そして水素を再使用のために循環させる;
(2)該水素化処理生成物を、請求項1に記載の方法に従って接触分解へ供給する、
を包含する、方法。
【請求項23】
軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素の製造方法であって、以下:
(1)原料が水素および水素化処理触媒と接触し、そして3.0MPa〜20.0MPaの水素分圧、300℃〜450℃の反応温度、300〜2000の水素/オイル体積比、および0.1h−1〜3.0h−1の液空間速度(LHSV)の条件下で反応し、そして次いで、反応流出物(reaction effluent)を分離して、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物を得、そして水素を再使用のために循環させる;
(2)工程(1)の水素化処理生成物を、請求項1に記載の方法に従って接触分解へ供給し、ここで、使用済み触媒を、該反応生成物蒸気から分離し、該触媒は、ストリップされそして再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻り、そして該反応生成物蒸気を分離して、H、CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、LCO、およびヘビーサイクルオイル(HCO)を得、ここで、該C−Cが所望の生成物の一部であり、そして該C−Cが該接触分解リアクターへ再循環される;
(3)工程(1)の該水素化処理C−Cおよび水素化ナフサならびに工程(2)の接触分解C−Cを、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触させ、そして該反応生成物蒸気を分離して、H、CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油を得、ここで、該スチームクラッキングC−Cが所望の生成物の一部であり、そして該スチームクラッキングC−Cが該接触分解リアクターへ循環される;
(4)工程(2)の接触分解ナフサおよび工程(3)のスチームクラッキングナフサを、選択的水素化へ先ず供給し、そして次いで溶媒抽出へ供給し、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートを得、ここで、該芳香族炭化水素が、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートが、スチームクラッキングの原料の1つとして工程(3)へ戻る、
を包含する、方法。
【請求項24】
工程(1)に記載の前記水素化処理触媒が、アルミナおよび/またはアモルファスシリアカ−アルミナに担持されたVIB族および/またはVIII族の非貴金属の触媒であることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記VIB族の非貴金属が、Moおよび/またはWから選択され、そしてVIII族のそれが、Coおよび/またはNiから選択されることを特徴とする、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(3)におけるスチームクラッキングのための条件が、700℃〜1000℃の温度、0.05秒〜0.6秒の滞留時間、および0.1〜1.0のオイルに対するスチームの重量比であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
工程(4)の選択的水素化のための条件が、1.2MPa〜8.0MPaの水素分圧、150℃〜300℃の反応温度、150〜600のオイルに対する水素の体積比、および1h−1〜20h−1のLHSVであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
工程(4)に記載の溶媒が、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジエチルグリコールエーテル、トリエチルグリコールエーテル、テトラエチルアルコール、ジメチルスルホキシドおよびN−ホルミルモルホリンならびにそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
工程(4)における溶媒抽出のための温度が80℃〜120℃であり、そして抽出のための供給物に対する溶媒の比率が体積で2〜6であることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
(1)水素化処理ユニット、ここで、原料が水素および水素化処理触媒と接触した後、H、CH、水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および水素化処理生成物が得られる;
(2)接触分解ユニット、ここで、該水素化処理生成物が請求項1に記載の方法に従って接触分解に供給され、ここで、使用済み触媒が反応生成物蒸気から分離され、ここで、該触媒が、ストリップされそして再生された後、工程(2)の反応領域の全部または一部へ戻り、そして該反応生成物蒸気が分離されて、H/CH、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解C−C、接触分解ナフサ、LCO、およびHCOを得、ここで、該C−Cは所望の生成物の一部であり、そして該C−Cは触媒熱分解リアクターへ再循環される;
(3)スチームクラッキングユニット、ここで、該水素化処理C−C、水素化処理ナフサ、および接触分解C−Cが、700℃〜1000℃の温度下でスチームと接触し、そして反応生成物蒸気が分離され、H/CH、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングC−C、スチームクラッキングナフサ、および燃料油を得、ここで該スチームクラッキングC−Cが所望の生成物の一部である;
(4)選択的水素化ユニット、ここで、該接触分解ナフサおよびスチームクラッキングナフサが、先ず選択的水素化へ供給され、選択的に水素化されたナフサが得られる;
(5)溶媒抽出ユニット、ここで、該選択的に水素化されたナフサが、溶媒抽出へ供給され、芳香族炭化水素および抽出ラフィネートが得られ、該芳香族炭化水素は、所望の生成物の一部であり、そして該抽出ラフィネートは、スチームクラッキングのための原料の1つとして工程(3)へ戻る、
を含む、軽質オレフィンおよび芳香族炭化水素を製造するための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−527937(P2007−527937A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502171(P2007−502171)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/CN2005/000281
【国際公開番号】WO2005/085391
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(504144932)中国石油化工股▲分▼有限公司 (5)
【出願人】(504427813)中国石油化工股▲分▼有限公司石油化工科学研究院 (10)
【Fターム(参考)】