説明

低電圧誤動作防止回路、方法ならびにそれを利用した電源回路および電子機器

【課題】監視電圧の状態に応じて、適切に起動シーケンスを実行する。
【解決手段】電圧比較部20は、電池電圧Vbatを、所定のしきい値電圧Vthと比較し、比較信号S_UVLOを出力する。シーケンス回路16は、比較信号S_UVLOと、UVLO回路10が搭載される機器の起動を指示する起動信号PWR_ONと、を受け、電池電圧Vbatがしきい値電圧Vthより高い状態において、起動信号PWR_ONにより起動が指示されると、所定のシーケンスを実行する。電圧制御部18は、比較信号S_UVLOおよび起動信号PWR_ONにもとづき、しきい値電圧Vthを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力電圧を監視し、低電圧状態における回路や装置の誤動作を防止するための低電圧誤動作防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータなどのさまざまな電子機器には、デジタル信号処理を行うCPU(Central Processing Unit)や、その他のDSP(Digital Signal Processor)、あるいは、液晶パネル、その他のアナログ回路など、多くの電子回路が搭載される。これらの電子回路は、電池や、電池電圧を安定化する電源回路から電力供給を受けて動作する。
【0003】
ここで、電子回路には、それぞれ、安定動作保証電圧が規定されており、供給される電圧が、安定動作保証電圧以下となると、その電子回路は正常に動作しなくなる。したがって、こうした電子機器には、電池電圧などを監視し、各電子回路の起動および終了のシーケンスを制御する低電圧誤動作防止機能(Under Voltage Lock Out、以下UVLOという)が実装される。たとえば、特許文献1、2には関連技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−22947号公報
【特許文献2】特開2004−126922号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UVLO回路は、電池電圧などの監視対象となる電圧(以下、監視電圧ともいう)を、所定のしきい値電圧と比較し、電池電圧がしきい値電圧を上回ったときに、所定の起動シーケンスを実行し、また、電池電圧がしきい値電圧を下回ると、所定の終了シーケンスを実行する。特許文献1には、このしきい値電圧にヒステリシス特性を持たせ、監視電圧が所定値以上となると回路を動作させ、監視電圧がヒステリシス特性の最低値となると動作を停止させる技術が開示される。
【0006】
本発明者らは、このような従来のヒステリシス特性を有するUVLO回路について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0007】
図1は、ヒステリシス特性を有するUVLO回路の問題点を説明するためのタイムチャートである。図1は、上から順に、電池電圧(監視電圧)Vbat、しきい値電圧Vth、電池電圧が所定レベルを満たすか否かの判定結果を表すUVLO信号S_UVLO、外部からのパワーオン信号PWR_ON(以下、起動信号ともいう)を示す。図1および後述の図4の縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小されたものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化されている。
【0008】
電池電圧Vbatは、充電中においては徐々に上昇する一方、負荷を駆動して電力を消費するに従い低下する。電池電圧Vbatは、しきい値電圧Vthと比較され、その比較結果が、UVLO信号S_UVLO信号として生成される。図1では、Vbat>VthのときUVLO信号S_UVLOがハイレベルとなる。
【0009】
しきい値電圧Vthは、UVLO信号S_UVLOの論理値に応じて値が変化するヒステリシス特性を有しており、UVLO信号S_UVLOがハイレベルのとき、しきい値電圧Vthは、第1電圧値Vth1に設定され、UVLO信号S_UVLOがローレベルのとき、しきい値電圧Vthは、第2電圧値Vth2に設定される。ここで、第1電圧値Vth1は、UVLO回路によって制御される回路が、非起動状態から起動状態へと移行可能な電圧の下限に設定される。一方、第2電圧値Vth2は、非起動状態から起動状態への移行は不可能であるが、動作は可能である電圧の下限に対応して設定される。
【0010】
UVLO回路は、UVLO信号S_UVLOがハイレベルであって、すなわち、電池電圧Vbatがしきい値電圧よりも高い状態において、起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、所定の起動シーケンスを実行する。
【0011】
時刻t0以前において、しきい値電圧Vthは、第1電圧値Vth1に設定されている。電池電圧Vbatが充電によって上昇し、時刻t0に、Vbat>Vth1となると、UVLO信号S_UVLOがハイレベルとなり、しきい値電圧Vthは、第2電圧値Vth2に遷移する。UVLO信号S_UVLOがハイレベルの状態において、電子機器の起動を指示する起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、UVLO回路は、電子機器を動作させるために予め決められたシーケンスを実行し(時刻t1)、電子機器は動作状態となる。以上が通常の起動シーケンスとなる。その後、起動信号PWR_ONがローレベルとなると、UVLO回路は、所定の終了シーケンスを実行する。
【0012】
その後、時刻t3〜t4に示すように、電池電圧Vbatが放電によって、第1電圧値Vth1と第2電圧値Vth2の間の電圧まで低下した場合を考える。UVLO回路が問題を引き起こすのはこの場合である。電池電圧Vbatが第2電圧値Vth2まで低下しないと、UVLO信号S_UVLOはハイレベルを維持し続ける。したがって、しきい値電圧Vthも、第2電圧値Vth2に保持される。
【0013】
このような状態で、時刻t5に起動信号PWR_ONがハイレベルとなり、起動が指示されると、UVLO回路は、所定の起動シーケンスを実行する。ところが、このとき、電池電圧Vbatは、第1電圧値Vth1より低いため、起動シーケンスを実行しても、CPUなどの負荷回路が起動できず、正常に動作しない場合が想定される。
【0014】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、監視電圧の状態に応じて、適切に起動シーケンスを実行可能な低電圧誤動作防止回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある態様は、入力電圧を監視し、当該入力電圧が所定の条件を満たすとき、所定のシーケンスを実行する低電圧誤動作防止回路に関する。この低電圧誤動作防止回路は、入力電圧を、所定のしきい値電圧と比較し、比較信号を出力する電圧比較部と、電圧比較部から出力される比較信号と、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の起動を指示する起動信号と、を受け、入力電圧がしきい値電圧より高い状態において、起動信号により起動が指示されると、所定のシーケンスを実行するシーケンス回路と、比較信号および起動信号にもとづき、しきい値電圧を切り換える電圧制御部と、を備える。
【0016】
この態様によると、入力電圧としきい値電圧の比較結果である比較信号と、起動信号の双方を参照して、しきい値電圧を設定するため、本来起動すべきでない状態で、起動シーケンスを実行するのを防止することができる。
【0017】
ある態様において、電圧比較部は、しきい値電圧を生成する可変電圧源と、入力電圧を、可変電圧源により生成されるしきい値電圧と比較し、入力電圧がしきい値電圧より高いとき、所定レベルの比較信号を出力するコンパレータと、を含んでもよい。この場合、電圧制御部は、可変電圧源により生成されるしきい値電圧を切り換えてもよい。
【0018】
ある態様において、電圧制御部は、比較信号および起動信号の論理値に応じて、しきい値電圧を、第1電圧値と、第1電圧値より低い第2電圧値と、のいずれかに設定してもよい。たとえば、比較信号と起動信号を所定の論理演算して、演算結果に応じて第1電圧値と第2電圧値を切り換えてもよい。この場合、適切に低電圧誤動作を防止することができる。第1電圧値を、低電圧誤動作防止回路によって制御される回路が、非起動状態から起動状態へと移行可能な電圧の下限に設定し、第2電圧値を、非起動状態から起動状態への移行は不可能であるが、動作は可能である電圧の下限に対応して設定してもよい。
【0019】
ある態様において、電圧制御部は、比較信号が所定レベル、すなわち、しきい値電圧より入力電圧の方が高い状態を示すレベルであって、かつ起動信号により起動が指示された状態において、所定の第1レベルとなる論理信号を出力する論理回路を含んでもよい。論理信号が第1レベルのとき、しきい値電圧を第2電圧値に設定し、論理信号が第1レベルと異なる第2レベルのとき、しきい値電圧を第1電圧値に設定してもよい。
【0020】
ある態様において、電圧制御部は、比較信号および起動信号の論理値に応じて、電圧比較部におけるしきい値電圧がヒステリシスを有する状態と、ヒステリシスを有さない状態と、を切り換えてもよい。電圧制御部は、入力電圧がしきい値電圧より高い状態において、起動信号により起動が指示されると、しきい値電圧にヒステリシスを設定し、それ以外の状態において、ヒステリシスを解除してもよい。
【0021】
起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の電源キーの状態に応じた信号であってもよい。また、起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の電池が、充電中か否かの状態に応じた信号であってもよい。起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器が備えるコネクタの接続状態に応じた信号であってもよい。
【0022】
本発明の別の態様は、電源電圧を安定化して、負荷に供給する電源回路である。この電源回路は、電源電圧を安定化し、負荷に供給するレギュレータ回路と、電源電圧を入力電圧として監視し、レギュレータ回路のオンオフのシーケンスを制御する上述のいずれかの態様の低電圧誤動作防止回路と、を備える。
【0023】
この態様によると、適切に低電圧状態を検出して、レギュレータ回路のオンオフを制御することができ、レギュレータ回路に接続される負荷を正常に駆動することができる。
【0024】
ある態様において、上述の電源回路は、レギュレータ回路と、低電圧誤動作防止回路と、はひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。電源回路を1つのLSIとして集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、電源回路の使用者は、内部での低電圧誤動作防止に関するシーケンスを意識する必要がなくなる。
【0025】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、電池と、電池の電圧を安定化して負荷に供給する上述の電源回路と、を備える。
この態様によると、電池の電圧が充放電に応じて変動した場合にも、適切に低電圧誤動作防止を行うことが可能となる。
【0026】
本発明のさらに別の態様は、低電圧誤動作防止方法である。この方法は、入力電圧を監視し、当該入力電圧が所定の条件を満たすとき、所定の起動シーケンスを実行する低電圧誤動作防止方法であって、入力電圧を、所定のしきい値電圧と比較し、入力電圧がしきい値電圧より高いとき、所定レベルの比較信号を生成するステップと、比較信号が所定レベルの状態において、起動シーケンスの実行を指示する起動信号が所定レベルとなると、所定の起動シーケンスを実行するステップと、比較信号および起動信号にもとづき、しきい値電圧を切り換えるステップと、を備える。
【0027】
ある態様の誤動作防止方法は、比較信号および起動信号の論理値に応じて、しきい値電圧を、第1電圧値と、第1電圧値より低い第2電圧値と、のいずれかに設定するステップを備えてもよい。また、比較信号および起動信号にもとづき、しきい値電圧にヒステリシスを設定する状態と、ヒステリシスを設定しない状態と、を切り換えるステップをさらに備えてもよい。
【0028】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る低電圧誤動作防止回路によれば、監視電圧の状態に応じて、適切に起動シーケンスを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係る低電圧誤動作防止回路について、図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0031】
図2は、実施の形態に係るUVLO回路10の構成を示す回路図である。また、図3は、図2のUVLO回路10が好適に使用される電源回路100および電子機器1000全体のブロック図である。まず、図3を参照して、電子機器1000全体の構成について説明する。電子機器1000は、たとえば携帯電話端末や、PDA、ノート型PCなどの電池駆動型の情報端末機器である。電子機器1000は、電源回路100、電池200、CPU300を備える。
【0032】
CPU300は、電子機器1000全体を制御し、さまざまな演算処理を実行するプロセッサであって、電源回路100により供給される電源電圧Vdd1〜Vdd3によって駆動される。以下、電源電圧Vdd1〜Vdd3を、単に電源電圧Vddともいう。CPU300は、高効率動作のため、回路ブロックごとに、異なる電源電圧で動作するように構成されており、また電力供給も個別にオンオフできるように構成される。たとえば、電源電圧Vdd1〜Vdd3は、それぞれ、コアブロック、メモリブロック、入出力(I/O)ブロックへと供給される。また、CPU300には、電源回路100からリセット信号RSTが入力される。リセット信号RSTは、電源回路100から、CPU300に対して、電源電圧Vddの供給が完了した旨を通知し、あるいは低電圧状態を通知する信号である。
【0033】
実際には、電源回路100により駆動される負荷は、CPU300に限定されるものではなく、これに代えて、あるいはこれに加えて、その他のDSPや、発光ダイオードなどが駆動されてもよい。
【0034】
電池200は、Liイオン電池などの2次電池であって、2Vから4.2V程度の電池電圧Vbatを出力する。電池電圧Vbatは、電力消費によって低下していくとともに、充電によって上昇する。
【0035】
電源回路100は、入出力用の端子として、電池端子102、リセット端子104、電源端子106、108、110、AC端子112を備える。電池端子102には、電池200が接続される。リセット端子104、電源端子106、108、110は、いずれもCPU300と接続される。AC端子112は、外部の電源回路に接続される。外部の電源回路は、たとえば、商用交流電圧を、直流電圧に変換するいわゆるACアダプタである。
【0036】
CPU300に供給される電源電圧Vddは、2V、あるいはそれ以下の所定電圧に安定化されている必要がある。一方で、電池200の電池電圧Vbatは、2V〜4.2V程度である。そこで、電源回路100は、電池200から供給される電池電圧Vbatを降圧し、電池電圧Vbatの値によらない一定値に安定化して、CPU300へと供給する。
【0037】
電源回路100は、UVLO回路10、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34、充電回路40を備える。充電回路40には、AC端子112にACアダプタが接続されると、直流電圧Vextが供給される。このとき、充電回路40は、電池200に充電電流を供給して、電池200を4.2V程度まで充電する。
【0038】
第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34には、電池端子102を介して電池電圧Vbatが供給される。第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34は、リニアレギュレータであって、それぞれ、電池電圧Vbatを降圧して、安定化された電源電圧Vdd1〜Vdd3を出力し、電源端子106、108、110を介してCPU300へと出力する。
【0039】
UVLO回路10は、入力電圧としての電池電圧Vbatが入力されるとともに、電子機器1000の電源キーのオン、オフ状態に応じてレベルが変動するパワーオン信号(以下、起動信号ともいう)PWR_ONが入力されている。パワーオン信号PWR_ONは、電子機器1000の起動を指示する信号であるため、以下、起動信号ともいう。
【0040】
UVLO回路10は、電池電圧Vbatを監視し、監視される電池電圧Vbatが所定の条件を満たすか否かを判定する。そして、UVLO回路10は、電池電圧Vbatが所定の条件を満たした状態において、起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、所定のシーケンスを実行する。本実施の形態において、UVLO回路10は、電池電圧Vbatが、予め決められたしきい値電圧よりも高いとき、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34を順番に起動し、起動が完了すると、CPU300に対してリセット信号RSTを出力する。
【0041】
UVLO回路10から、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34には、それぞれ第1シーケンス信号SEQ1、第2シーケンス信号SEQ2、第3シーケンス信号SEQ3が出力されている。UVLO回路10は、起動可能な状態となると、第1シーケンス信号SEQ1〜第3シーケンス信号SEQ3を順にハイレベルに切り換える。第1レギュレータ回路30〜第3レギュレータ回路34は、ハイレベルのシーケンス信号SEQ1〜SEQ3が入力されると、安定化動作を開始し、電源電圧Vdd1〜Vdd3を出力する。
【0042】
以下、図2に戻り、UVLO回路10の構成および動作を詳細に説明する。UVLO回路10は、電圧比較部20、シーケンス回路16、電圧制御部18を備える。
【0043】
電圧比較部20は、入力電圧としての電池電圧Vbatを、所定のしきい値電圧Vthと比較し、Vbat>VthのときハイレベルとなるUVLO信号(以下、比較信号ともいう)S_UVLOを出力する。電圧比較部20におけるしきい値電圧Vthは、電源回路100の状態に応じて適宜切り換えられる。なお、電圧比較部20は、電池電圧Vbatを直接、しきい値電圧Vthと比較してもよいし、抵抗などによって分圧して、しきい値電圧Vthと比較してもよい。本実施の形態では、直接比較するものとする。
【0044】
本実施の形態において、電圧比較部20は、可変電圧源12、コンパレータ14を含む。可変電圧源12は、可変電圧源であって、所定のしきい値電圧Vthを生成する。本実施の形態において、しきい値電圧Vthは、第1電圧値Vth1と、第1電圧値Vth1より低く設定される第2電圧値Vth2が切り替え可能に構成される。ここで、第1電圧値Vth1は、CPU300が、動作可能であって、さらに、非起動状態から起動状態へと移行可能な電圧より高く設定される。一方、第2電圧値Vth2は、CPU300が、非起動状態から起動状態への移行は不可能であるが、動作は可能である電圧より高く設定される。この条件で第1、第2電圧値を設定すると、Vth1>Vth2となる。第1電圧値Vth1、第2電圧値Vth2は、CPU300が安定に動作可能な電圧に応じて適宜設定すればよく、たとえば、Vth1=2.4V、Vth2=2.8Vに設定される。
【0045】
コンパレータ14には、入力電圧としての電池電圧Vbatと、可変電圧源12により生成されるしきい値電圧Vthが入力される。コンパレータ14は、電池電圧Vbatを、しきい値電圧Vthと比較し、Vbat>Vthのときハイレベルとなる比較信号S_UVLOを出力する。比較信号S_UVLOは、シーケンス回路16および電圧制御部18へと出力される。
【0046】
シーケンス回路16は、コンパレータ14から出力される比較信号S_UVLOと、UVLO回路10が搭載される電子機器1000の起動を指示する起動信号PWR_ONと、を受ける。シーケンス回路16は、UVLO信号S_UVLOがハイレベル、すなわち、Vbat>Vthを示す状態において、起動信号PWR_ONがハイレベルとなって起動が指示されると、第1シーケンス信号SEQ1〜第3シーケンス信号SEQ3を順にハイレベルとし、その後リセット信号RSTをハイレベルとする。
【0047】
電圧制御部18は、UVLO信号S_UVLOおよび起動信号PWR_ONにもとづき、可変電圧源12により生成されるしきい値電圧Vthを切り換える。電圧制御部18は、UVLO信号S_UVLOおよび起動信号PWR_ONの論理値に応じた論理信号(以下、電圧制御信号S_VCNTという)を出力する。電圧制御部18は、UVLO信号S_UVLOがハイレベルであって、かつ起動信号PWR_ONがハイレベルの状態において、ハイレベルとなる電圧制御信号S_VCNTを出力する。すなわち、電圧制御信号S_VCNTは、電池電圧Vbatがしきい値電圧Vthより高く、かつ、起動が指示された状態において、ハイレベルとなる。本実施の形態において、電圧制御部18は、論理回路を含んで構成され、UVLO信号S_UVLOおよび起動信号PWR_ONの論理積を、電圧制御信号S_VCNTとして出力する。最も簡易には、電圧制御部18の機能は、ANDゲートにより実現できる。
【0048】
電圧制御信号S_VCNTは、可変電圧源12へと出力される。可変電圧源12は、電圧制御信号S_VCNTがハイレベルのとき、しきい値電圧Vthを第2電圧値Vth2に設定し、電圧制御信号S_VCNTがローレベルのとき、しきい値電圧Vthを第1電圧値Vth1に設定する。
【0049】
以上のように構成された電源回路100の動作について説明する。図4は、本実施の形態に係るUVLO回路10を含む電源回路100の起動時の動作状態を示すタイムチャートである。実施の形態に係る電源回路100の効果は、図4と図1との対比によって、より明確となる。
【0050】
図4は、上から順に、電池電圧Vbat、しきい値電圧Vth、比較信号S_UVLO、起動信号PWR_ON、電圧制御信号S_VCNTを示す。
【0051】
本実施の形態において、しきい値電圧Vthは、上述のように、電圧制御信号S_VCNTに応じて設定され、電圧制御信号S_VCNTがハイレベルのとき、第2電圧値Vth2に、ローレベルのとき第1電圧値Vth1に設定される。
【0052】
時刻t0以前において、しきい値電圧Vthは、第1電圧値Vth1に設定されている。電池電圧Vbatが充電によって上昇し、時刻t0に、Vbat>Vth1となると、比較信号S_UVLOがハイレベルとなる。このとき、起動信号PWR_ONはローレベルであるため、電圧制御信号S_VCNTはローレベルを維持する。
【0053】
時刻t1に、比較信号S_UVLOがハイレベルの状態において、起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、UVLO回路10は、第1シーケンス信号SEQ1〜第3シーケンス信号SEQ3(不図示)を順にハイレベルとし、CPU300の動作が開始される。
【0054】
時刻t1に、起動信号PWR_ONがハイレベルとなると、電圧制御信号S_VCNTもハイレベルとなる。その結果、電圧比較部20におけるしきい値電圧Vthは第2電圧値Vth2に設定される。
【0055】
その後、時刻t2に起動信号PWR_ONがローレベルとなると、リセット信号RSTによって、CPU300にその旨を通知し、第1レギュレータ回路30、第2レギュレータ回路32、第3レギュレータ回路34の動作を停止して、CPU300への電源供給を停止する。この時刻t2に、電圧制御信号S_VCNTがローレベルに遷移し、しきい値電圧Vthは第1電圧値Vth1に設定される。その後、電池電圧Vbatが低下し始め、第1電圧値Vth1より低くなると、比較信号S_UVLOはローレベルとなる。
【0056】
時刻t3〜t4に示すように、電池電圧Vbatが放電によって、第1電圧値Vth1と第2電圧値Vth2の間の電圧まで低下する。図1で説明したように、従来のヒステリシスを有するUVLO回路では、この状態で起動信号により起動が指示された場合に問題が生じていた。これに対して、本実施の形態に係るUVLO回路10では、図1の問題が解消されている。以下、この点を説明する。
【0057】
図1、すなわち従来のヒステリシスを有するUVLO回路では、一度、電池電圧Vbatが第1電圧値Vth1より高くなった後に、Vth2<Vbat<Vth1の範囲まで低下した状態では、しきい値電圧Vthが、第2電圧値Vth2に保持され続けるため、比較信号S_UVLOはハイレベルを維持し続けた。
【0058】
一方、本実施の形態に係るUVLO回路10では、図4に示すように、この状態で比較信号S_UVLOはローレベルとなっている。このとき、時刻t5に起動信号PWR_ONがハイレベルとなっても、Vbat<Vthとなっているため、シーケンス回路16は、起動シーケンスを実行しない。
【0059】
時刻t6に、電池電圧Vbatが第1電圧値Vth1より高くなると、比較信号S_UVLOがハイレベルとなる。比較信号S_UVLOがハイレベルとなると、電圧制御信号S_VCNTがハイレベルとなり、しきい値電圧Vthが第2電圧値Vth2に設定される。その後、電池電圧Vbatが低下し、時刻t7に第2電圧値Vth2を下回ると、比較信号S_UVLOがローレベルとなる。このとき、時刻t2と同様に、UVLO回路10は終了シーケンスを実行し、CPU300に対する電力供給を停止する。
【0060】
また、時刻t7に比較信号S_UVLOがローレベルとなったことを受けて、電圧制御信号S_VCNTがローレベルとなり、しきい値電圧Vthは、再度、第1電圧値Vth1に設定される。
【0061】
このように、本実施の形態に係るUVLO回路10によれば、比較信号S_UVLOに加えて、起動信号PWR_ONも考慮してしきい値電圧Vthを設定するため、図1の時刻t5のように、電池電圧Vbatが、第1電圧値Vth1より低い状態で、起動シーケンスが実行されるのを防止することができる。さらに、UVLO回路10によれば、電池電圧Vbatが第1電圧値Vth1より高くなる時刻t6を待って、直ちに起動シーケンスを実行するため、CPU300を確実に起動することができる。
【0062】
本実施の形態に係るUVLO回路10の動作は、別の観点から、以下のように把握することも可能である。図4の時刻t4以降に着目すると、Vbat>Vth1で比較信号S_UVLOがハイレベルに遷移し(時刻t6)、Vbat<Vth2で比較信号S_UVLOがローレベルに遷移している(時刻t7)。このことは、しきい値電圧Vthにヒステリシスが設定されていることを意味する。一方、時刻、t0〜t3の期間に着目すると、Vbat>Vth1で比較信号S_UVLOがハイレベルに遷移し(時刻t0)、Vbat<Vth1で比較信号S_UVLOがローレベルに遷移している(時刻t2)。このことは、しきい値電圧Vthのヒステリシスが解除されていることを意味する。
【0063】
したがって、電圧制御部18は、比較信号および前記起動信号の論理値に応じて、しきい値電圧Vthがヒステリシスを有する状態と、ヒステリシスを有さない状態と、を切り換えていると把握することも可能である。より具体的には、電圧制御部18は、比較信号S_UVLOがハイレベルであって、かつ起動信号PWR_ONにより起動が指示されている状態、すなわち電圧制御信号S_VCNTがハイレベルの状態において、しきい値電圧Vthにヒステリシスを設定し、それ以外の状態、すなわち、電圧制御信号S_VCNTがローレベルの状態において、第2電圧値Vth2を無効化して、ヒステリシスを解除している。
【0064】
さらに、この観点から、図2の回路を見直すと、以下の変形例も可能である。電圧比較部20は、起動信号PWR_ONおよび比較信号S_UVLOの論理値に応じて、ヒステリシスが設定された状態と、解除された状態が切り替え可能に構成されていればよい。したがって、可変電圧源12を、固定電圧を出力する基準電圧源として構成するとともに、コンパレータ14をヒステリシスコンパレータとして構成する。たとえば、ヒステリシスコンパレータは、一般的なコンパレータに、正帰還を施すことにより実現できる。電圧制御部18は、この正帰還をオンオフすることにより、ヒステリシスのオン、オフを切り換えてもよい。この場合においても、図2の回路と同様の作用、効果を得ることが可能である。
【0065】
なお、上述のように、UVLO回路10は、時刻t1および時刻t6に、所定の起動シーケンスを開始し、時刻t2および時刻t7に、終了シーケンスを実行する。ここで、時刻t1および時刻t6は、電圧制御信号S_VCNTのポジエッジに対応し、時刻t2および時刻t7は、電圧制御信号S_VCNTのネガエッジに対応する。したがって、シーケンス回路16は、電圧制御信号S_VCNTを参照して、起動シーケンスおよび終了シーケンスの実行を実現してもよい。この意味から、電圧制御信号S_VCNTを、シーケンス制御信号SEQ_ONと呼んでもよい。図5は、UVLO回路の別の構成例を示す回路図である。図5の論理回路22は、図2の電圧制御部18に対応する。論理回路22の出力は、電圧制御信号S_VCNTとして電圧比較部20へと入力されるとともに、シーケンス制御信号SEQ_ONとしてシーケンス回路16へと入力される。シーケンス回路16は、シーケンス制御信号SEQ_ONがハイレベルとなると、起動シーケンスを実行し、ローレベルとなると終了シーケンスを実行する。図5のUVLO回路10aによっても、図2の回路と同様の作用効果を得ることができる。
【0066】
実施の形態にもとづき、本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎないことはいうまでもなく、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を離脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能であることはいうまでもない。
【0067】
たとえば、実施の形態では、CPU300に電源電圧を供給するシーケンスを制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別の回路ブロックに対する起動、終了シーケンスを制御してもよい。
【0068】
また、電源回路100の第1レギュレータ回路30〜第3レギュレータ回路34は、シリーズレギュレータ(LDO:Low Drop Output)であってもよいし、スイッチングレギュレータであってもよい。また、チャージポンプ回路であってもよい。
【0069】
さらに、実施の形態に係るUVLO回路10の用途は、電源回路100に限定されるものではなく、入力電圧を監視して、他の回路ブロックの起動シーケンスを制御するさまざまなアプリケーションに利用することができる。
【0070】
また、UVLO回路10により監視される入力電圧は、電池から出力される電圧に限定されず、その他の電圧であってもよい。また、実施の形態では、起動信号として、電源キーの状態に応じた信号PWR_ONであったが、UVLO回路10は、他の起動信号を参照してもよい。たとえば、他の起動信号としては、電池200が、充電中か否かの状態に応じた信号であってもよい。これは、たとえば、AC端子112に電圧が供給されているか否かにより判定することができる。また、起動信号は、携帯電話端末などにおいて、ハンドセットなどの外部機器が接続される拡張コネクタの接続状態に応じた信号であってもよい。また、UVLO回路10は、これらの複数の起動信号を論理演算した結果得られる信号と、比較信号S_UVLOとにもとづいて、しきい値電圧Vthを切り換えてもよい。
【0071】
また、本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理値の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】ヒステリシス特性を有するUVLO回路の問題点を説明するためのタイムチャートである。
【図2】実施の形態に係るUVLO回路の構成を示す回路図である。
【図3】図2のUVLO回路が好適に使用される電源回路および電子機器全体のブロック図である。
【図4】図3の電子機器の起動時の動作状態を示すタイムチャートである。
【図5】図2のUVLO回路の別の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0073】
10 UVLO回路、 12 可変電圧源、 14 コンパレータ、 16 シーケンス回路、 18 電圧制御部、 20 電圧比較部、 30 第1レギュレータ回路、 32 第2レギュレータ回路、 34 第3レギュレータ回路、 40 充電回路、 100 電源回路、 102 電池端子、 104 リセット端子、 106 電源端子、 108 電源端子、 110 電源端子、 112 AC端子、 200 電池、 300 CPU、 1000 電子機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を監視し、当該入力電圧が所定の条件を満たすとき、所定のシーケンスを実行する低電圧誤動作防止回路であって、
前記入力電圧を、所定のしきい値電圧と比較し、比較信号を出力する電圧比較部と、
前記電圧比較部から出力される前記比較信号と、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の起動を指示する起動信号と、を受け、前記入力電圧が前記しきい値電圧より高い状態において、前記起動信号により起動が指示されると、所定のシーケンスを実行するシーケンス回路と、
前記比較信号および前記起動信号にもとづき、前記しきい値電圧を切り換える電圧制御部と、
を備えることを特徴とする低電圧誤動作防止回路。
【請求項2】
前記電圧比較部は、
前記しきい値電圧を生成する可変電圧源と、
前記入力電圧を、前記可変電圧源により生成される前記しきい値電圧と比較し、前記入力電圧が前記しきい値電圧より高いとき、所定レベルの比較信号を出力するコンパレータと、
を含み、
前記電圧制御部は、前記可変電圧源により生成されるしきい値電圧を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項3】
前記電圧制御部は、前記比較信号および前記起動信号の論理値に応じて、前記しきい値電圧を、第1電圧値と、前記第1電圧値より低い第2電圧値と、のいずれかに設定することを特徴とする請求項2に記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項4】
前記電圧制御部は、前記比較信号が前記所定レベルであって、かつ前記起動信号により起動が指示された状態において、所定の第1レベルとなる論理信号を出力する論理回路を含み、
前記論理信号が前記第1レベルのとき、前記しきい値電圧を前記第2電圧値に設定し、前記論理信号が前記第1レベルと異なる第2レベルのとき、前記しきい値電圧を前記第1電圧値に設定することを特徴とする請求項3に記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項5】
前記電圧制御部は、前記比較信号および前記起動信号の論理値に応じて、前記電圧比較部における前記しきい値電圧がヒステリシスを有する状態と、ヒステリシスを有さない状態と、を切り換えることを特徴とする請求項1に記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項6】
前記電圧制御部は、前記入力電圧が前記しきい値電圧より高い状態において、前記起動信号により起動が指示されると、前記電圧比較部における前記しきい値電圧にヒステリシスを設定し、それ以外の状態において、前記ヒステリシスを解除することを特徴とする請求項5に記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項7】
前記起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の電源キーの状態に応じた信号であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項8】
前記起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器の電池が、充電中か否かの状態に応じた信号であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項9】
前記起動信号は、少なくとも、本低電圧誤動作防止回路が搭載される機器が備えるコネクタの接続状態に応じた信号であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の低電圧誤動作防止回路。
【請求項10】
電源電圧を安定化して、負荷に供給する電源回路であって、
前記電源電圧を安定化し、前記負荷に供給するレギュレータ回路と、
前記電源電圧を入力電圧として監視し、前記レギュレータ回路のオンオフのシーケンスを制御する請求項1から8のいずれかに記載の低電圧誤動作防止回路と、
を備えることを特徴とする電源回路。
【請求項11】
前記レギュレータ回路と、前記低電圧誤動作防止回路と、がひとつの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項10に記載の電源回路。
【請求項12】
電池と、
前記電池の電圧を安定化して負荷に供給する請求項10に記載の電源回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項13】
入力電圧を監視し、当該入力電圧が所定の条件を満たすとき、所定の起動シーケンスを実行する低電圧誤動作防止方法であって、
前記入力電圧を、所定のしきい値電圧と比較し、前記入力電圧が前記しきい値電圧より高いとき、所定レベルの比較信号を生成するステップと、
前記比較信号が前記所定レベルの状態において、起動シーケンスの実行を指示する起動信号が所定レベルとなると、所定の起動シーケンスを実行するステップと、
前記比較信号および前記起動信号にもとづき、前記しきい値電圧を切り換えるステップと、
を備えることを特徴とする低電圧誤動作防止方法。
【請求項14】
前記比較信号および前記起動信号の論理値に応じて、前記しきい値電圧を、第1電圧値と、前記第1電圧値より低い第2電圧値と、のいずれかに設定するステップを備えることを特徴とする請求項13に記載の低電圧誤動作防止方法。
【請求項15】
前記比較信号および前記起動信号とにもとづき、前記しきい値電圧がヒステリシスを有する状態と、ヒステリシスを有さない状態と、を切り換えるステップをさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の低電圧誤動作防止方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−306648(P2007−306648A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129866(P2006−129866)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】