住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器
【課題】住宅内に設置されている住警器を含む各種の端末機器の検知情報から住宅内の状況を判断してネットワークを介して外部に通報して状況を把握可能とする。
【解決手段】ホームコントローラ10の判断処理部50は、人感センサ12などの端末機器から受信した電文を判断して報知部30から判断結果を出力すると共にネットワークアダプタ34からインターネット20を介して外部端末機器22にメールを送信して通知する。判断処理部50は、人感センサ12から人検知電文を受信した際に、外部端末機器22に安否確認メールを送信する安否確認部52の機能を備える。
【解決手段】ホームコントローラ10の判断処理部50は、人感センサ12などの端末機器から受信した電文を判断して報知部30から判断結果を出力すると共にネットワークアダプタ34からインターネット20を介して外部端末機器22にメールを送信して通知する。判断処理部50は、人感センサ12から人検知電文を受信した際に、外部端末機器22に安否確認メールを送信する安否確認部52の機能を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク、電話回線、CATV通信網などを利用して住宅に設置されている警報器やセンサによる状況を監視可能とする住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検出して警報する住宅用警報器(以下「住警器」という)が普及しており、近年にあっては、1つの住戸に複数の住警器を設置して部屋毎に火災などの異常を監視する傾向も増加し、更に、無線式の住警器により警報システムを構築し、ある住警器で火災を検出して警報したら、他の住警器に警報信号を無線送信して連動警報させるようにしている。
【0003】
一方、近年にあっては、住宅における情報を集中的に管理する住宅情報盤として機能する住宅用コントローラ装置が普及しており、コントローラ装置はインターホン親器として機能すると共に、外出時に防犯モードにセットすると、人感センサや戸締りセンサの異常検出信号を受信して盗難警報を出力するセキュリティー機能が設けられている。
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の住宅に設置された火災を監視する住警器にあっては、火災センサとしての機能に加え音声及びLEDなどの光によって警報を出力する機能を備えているにも拘らず、火災発生時にしか使用されず、火災発生時以外は点検スイッチを操作したときに正常に動作していることを示す報知が行われるだけである。
【0005】
このように住警器が日常的に使用されることがないと、その存在が忘れられ、長期間点検操作なども行われずに放置されることも多く、住警器としては例えば10年間という電池寿命を保証しているが、維持管理が不十分となり、汚れの付着などにより本来の火災監視機能も損なわれる恐れもある。
【0006】
また、従来の住宅総合盤として機能する住宅用コントローラ装置は、火災や盗難などの異常を受信した際に、住居内で警報を出力しており、在宅している場合は警報出力に対処できるが、外出している場合には帰ってみないと警報が出力されたことが分からないという問題がある。
【0007】
また、近年にあっては、住警器の設置義務に伴い火災よる死亡件数の低減、特に老人世帯の逃げ遅れによる死亡件数の低減が期待されているが、老人世帯となっている親から離れた遠隔地で子供の世帯が生活しているような状況では、電話などにより安否を確認しているが、安否の確認を日常的に継続して行うことは中々できず、老人世帯における生活の様子を遠隔地から簡単に確認できるようなシステムが望まれている。
【0008】
更に、赤ちゃんのいる世帯にあっては、赤ちゃんが寝ている間に外出して買物などの用事を済ますようにしているが、用事を済まして帰宅したら既に目覚めた赤ちゃんが大泣きしているようなこともあり、安心して外出することができない状況にある。
【0009】
本発明は、住宅内に設置されている住警器を含む各種の端末機器の検知情報から住宅内の状況を判断してネットワークを介して外部に通報して状況を把握可能とする住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は住宅用コントローラ装置を提供するものであり、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
端末機器から受信した電文を判断して報知部から判断結果を出力すると共に外部端末機器に判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする。
(安否確認)
ここで、端末機器は人感センサであり、判断処理部は、人感センサから人検知電文を受信した際に、外部端末機器に安否確認情報、例えば安否確認メールを送信する安否確認部の機能を備える。
【0011】
安否確認部は、予め登録した確認時間帯に所定回数、例えば1回だけ動作する。また、安否確認部は、確認時間帯として起床時間帯と就寝時間帯を登録する。
(泣き声通知)
端末機器は泣き声センサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で、泣き声センサから泣き声検知電文を受信した時に、外部端末機器に泣き声検知情報を送信する泣き声通知部の機能を備える。
(消し忘れ確認)
端末機器は商用交流電源の使用を検出するACセンサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で、ACセンサから電源使用検知電文を受信した時に、外部端末機器に消し忘れ検知情報を送信する消忘れ確認部の機能を備える。
【0012】
消し忘れ確認部は、外部端末機器から制御情報を受信した時に、ACセンサに制御電文を送信して電源供給を停止させる。
【0013】
消し忘れ確認部は、外部端末機器から確認情報を受信した時に、ACセンサの使用状態を示す応答メールを返信する。
(防犯)
端末機器は人感センサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で人感センサから人検知電文を受信した時に、外部端末機器に防犯情報を送信する防犯通知部の機能を備える。
【0014】
更に本発明は、火災及び他の異常を検出して警報する住宅用警報器に於いて、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
端末機器から受信した電文を判断して報知部から判断結果を出力すると共に外部端末機器に判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器によれば、住宅に設置されているか設置可能な人感センサ、ACセンサなどによる検知情報を判断し、判断結果をインターネットなどを経由して携帯電話などの外部端末機器に例えばメール送信することにより、住宅内の様子をリアルタイムで外部から把握し、状況に応じた適切な対応措置を迅速にとることができる。
【0016】
例えば、人感センサによる人検知であれば、遠隔地からの安否の確認や外出時の盗難発生をメールで知ることができる。
【0017】
また、泣き声センサによる泣き声検知であれば、外出中に赤ちゃんが起きたことがメールで分かるので、メールがなければ安心して買物などの用事を済ますことができる。
【0018】
更に、ACセンサであれば、電気製品に消し忘れがないことを確認して外出した後にタイマにより電気製品が動作したことがメールで分かり、必要があれば制御メールを送って電源を切ることもできる。
【0019】
このようなセンサによる検知情報による監視対象や通報事項を必要に応じて適宜に定め、検知情報から状況を判断してメール送信する機能を住宅用コントローラ装置に持たせることで、住宅における日常的な事象の外部監視や外部通報を可能とし、安全で快適な生活環境の確保が期待される。
【0020】
また住警器のような火災発生時にしか使用されない端末機器であっても、例えば人感センサを一体に備えたような住警器にあっては、日常的に住警器をセンサとして使用することができ、例えば10年間の電池寿命を持つ信頼性の高い住警器の機能を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の住宅用コントローラ装置と端末機器が設置された住宅を示した説明図である。図1において、住宅11の例えば居間には、本発明の住宅用コントローラ装置として機能するホームコントローラ10が設置されている。
【0022】
ホームコントローラ10は住宅11内に設置している端末機器からの検知信号を無線電文により受信し、受信電文を判断して、判断結果を警報音及びまたは表示により出力すると共に、インターネット20を介して、携帯電話やパソコンなどの外部端末機器22に、判断結果に基づくメールを送信するようにしている。
【0023】
ホームコントローラ10に対する端末機器として、住宅11内には、この実施形態にあっては、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18が設けられている。人感センサ12はトイレに設置されており、居住者がトイレを使用すると、人感センサ12が人検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0024】
住警器14−1,14−2は火災による煙や熱を検出して火災警報を出力する警報器であり、本実施形態にあっては、住警器14−1,14−2に人感センサ12−1,12−2が設けられており、人感センサ12−1,12−2は例えば盗難用の監視センサとして用いることができる。
【0025】
なお住警器14−1,14−2に人感センサ12−1,12−2を設けている理由は、人の存在の有無に応じて火災判断の検出感度を変えるようにするためである。例えば人検出態では火災の検出感度を低く設定し、人検出のない状態では火災の検出感度を高くしている。
【0026】
泣き声センサ16は寝室に設置されており、例えば赤ちゃんのいる世帯にあっては、赤ちゃんのベッドの近くに設置され、設定した音量を超える泣き声を検出すると、泣き声検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0027】
ACセンサ18は寝室に設けられており、ACセンサ18はACコンセントに、無線通信機能と、コンセントに電気ストーブなどの電気製品を差し込んで使用したときの電源供給を検出する機能を備えており、電気製品に対する電源供給を検出すると使用検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0028】
本実施形態のホームコントローラ10は、次の判断処理機能を備えている。
(1)安否確認機能
(2)泣き声通知機能
(3)消し忘れ確認機能
(4)防犯監視機能
安否確認機能は、例えばトイレに設置している人感センサ12から人検知電文を受信した際に、インターネット20を介して、予め登録しているメールアドレスの外部端末機器22に対し安否確認メールを送信する。
【0029】
泣き声通知機能は、外出時にホームコントローラ10で外出モードを設定すると、泣き声センサ16から泣き声検知電文を受信したときに、インターネット20を介して外部端末機器22に対しメールを送信する。
【0030】
消し忘れ確認機能は、外出時にホームコントローラ10の表示で消し忘れを確認して外出した後、例えばACセンサ18に接続している電気ストーブがタイマなどにより動作したとき、ACセンサ18から使用検知電文がホームコントローラ10に送信され、これに応じて外部端末機器22に対し消し忘れメールを送信する。
【0031】
更に防犯監視機能は、ホームコントローラ10に対する外出モードの設定状態で、人感センサ12、12−1,12−2のいずれかから人検知電文を受信したときに、外部端末機器22に対し防犯メールを送信する。
【0032】
図2は本発明による住宅コントローラ装置の実施形態、即ち図1のホームコントローラ10の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図である。
【0033】
図2において、ホームコントローラ10に対しては、住宅内に設置された端末機器として人感センサ12−1,12−2を一体に備えた無線式の住警器14−1,14−2、無線通信部を備えた人感センサ12、無線通信部を備えた泣き声センサ16、無線通信部を備えたACセンサ18が設けられている。またホームコントローラ10に対しては、インターネット20を介して、携帯電話やパソコンなどの外部端末機器22が有線または無線回線で接続される。
【0034】
本実施形態のホームコントローラ10はCPU24を備え、CPU24に対しては、アンテナ28を備えた無線回路部26、報知部30、操作部32、ネットワークアダプタ34及びメモリ36を設けている。なおホームコントローラ10は商用AC100ボルトを電源として動作し、停電用のバックアップ電源として電池電源を設けている。
【0035】
無線回路部26には送信回路38と受信回路40が設けられ、端末機器との間で電文を無線により送受信できるようにしている。無線回路部26としては、日本国内の場合には例えば400メガヘルツ帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備の標準規格)、またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用、及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0036】
この無線回路部26の構成は、住警器14−1,14−2、人感センサ12、泣き声センサ16及びACセンサ18に設けている無線回路部についても同様である。もちろん無線回路部26としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0037】
報知部30には、ディスプレイ42、スピーカ44、LED46が設けられている。ディスプレイ42には、端末機器からの電文受信に基づく判断結果や、ホームコントローラ10の操作に必要な各種の文字、記号の情報が出力される。スピーカ44からは受信電文の判断結果に基づく警報音や音声メッセージ、更には音声ガイダンスなどが出力される。LED46は、端末機器からの受信電文に基づく判断結果による警報出力や表示に応じて、点滅、明滅、点灯などの光による表示を行う。
【0038】
ネットワークアダプタ34は、ホームコントローラ10をインターネット20を経由して外部端末機器22との間でメールを送受信し、例えばイーサネット(R)などの適宜のインターネット(R)プロトコルに従ったアダプタを使用している。
【0039】
メモリ36には、住宅内に設置している端末機器との間で電文を送受信するための送信元符号60とグループ符号62が格納されている。送信元符号60は端末機器を特定するID(識別子)である。グループ符号62は複数の端末機器との間で電文送受信を行うためのグループを構成するための符号である。送信元符号60としては、国内に提供されているホームコントローラ10と連携を取る端末機器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように32ビットの符号コードが使用される。
【0040】
グループ符号62は、グループを構成する複数の端末機器に共通に設定される符号であり、無線回路部26で受信した他の端末機器からの電文に含まれるグループ符号が、メモリ36に登録しているグループ符号62に一致したとき、この電文を有効な電文として受信して処理することになる。
【0041】
グループの識別は、グループ符号以外に、端末機器を特定するIDである送信元符合60を使用してもよい。即ち、ホームコントローラ10に同じグループに属する端末機器の送信元符号を予め登録しておき、受信電文に含まれる送信元符合が登録済送信元符合に一致したら、同じグループに属する端末機器からの電文として処理する。
【0042】
またメモリ36には、ホームコントローラ10における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視などの判断処理に使用する各種のテーブルが格納されている。
【0043】
CPU24には、プログラムの実行により実現される機能として判断処理部50が設けられている。判断処理部50は端末機器から受信した電文を判断し、報知部30から判断結果を警報音や表示により出力すると共に、ネットワークアダプタ34から判断結果に基づいて作成したメールを、インターネット20を経由して外部端末機器22に送信する。
【0044】
判断処理部50の具体的な処理機能は、安否確認部52、泣き声通知部54、消し忘れ確認部56及び防犯監視部58の機能として実現されている。
【0045】
安否確認部52は、トイレに設置している人感センサ12から人検知電文を受信した際に、インターネット20を経由して外部端末機器22に安否確認メールを送信する。この安否確認メールの送信動作は、予め登録した確認時間帯に予め設定した回数、例えば1回だけ動作する。確認時間帯としては、例えば起床時間帯として6時30分から8時30分、就寝時間帯として20時から23時を登録している。
【0046】
泣き声通知部54は、ホームコントローラ10の操作部のモードスイッチ68により外出モードが設定された状態で、泣き声センサ16からの泣き声検知電文を受信したときに、携帯電話などの外部端末機器22に対しメールを送信する。
【0047】
消し忘れ確認部56は、ホームコントローラ10のディスプレイ42で電気製品の使用状態を確認して外出する際に、モードスイッチ49の操作で外出モードを設定し、この状態で例えばタイマなどにより電気製品が起動したときのACセンサ18からの電源使用検知電文を受信したときに、外部端末機器22に対し消し忘れメールを送信する。
【0048】
また消し忘れ確認部56にあっては、消し忘れメールを送信した外部端末機器22からの制御メールを受信したときに、ACセンサ18に制御電文を送信し、電源供給を停止させることもできる。更に消し忘れ確認部56は、外部端末機器22から確認メールを受信したときに、ACセンサ18の使用状態を示す応答メールを返信することも可能である。
【0049】
防犯監視部58は、モードスイッチ49の操作で外出モードを設定した状態で、人感センサ12,12−1,12−2のいずれかから人検知電文を受信したとき、外部端末機器22に対し侵入者検知と判断し、防犯メールを送信する。
【0050】
このような判断処理部50における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認及び防犯監視の各処理機能を実現するため、メモリ36には端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び通信状態テーブル72が設けられている。
【0051】
図3は本実施形態で使用する電文フォーマットを示した説明図である。図3において、電文74は送信元符号60、グループ符号62及びイベント符号76で構成されている。送信元符号60は例えば32ビットの符号である。またグループ符号62は8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図2の端末機器に設定されている。
【0052】
イベント符号76は、火災、人感などの検知内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」で人感、「011」で泣き声、「100」でAC(電源使用検知)、残りをリザーブとしている。なおイベント符号76のビット数は、検知の種類が増加したときは更に4ビット、5ビットと増加させることで、複数種類のイベント内容を表すことができる。
【0053】
図4は図2の実施形態で使用する端末管理テーブル64を示した説明図である。端末管理テーブル64は端末情報と端末対応機能に分けられる。端末情報には
(1)端末番号
(2)端末名称
(3)設置場所
が登録されている。
【0054】
また端末対応機能としては
(1)安否確認
(2)泣き声通知
(3)消し忘れ通知
(4)防犯
(5)HC(ホームコントローラ)表示
が登録されている。
【0055】
この端末対応機能における登録は「○:使用」「×:未使用」のいずれかの状態を登録している。例えば端末番号1の人感センサを見ると、設置場所はトイレであり、端末対応機能は安否確認となっている。
【0056】
また端末番号4の泣き声センサは寝室に設置され、端末対応機能は泣き声通知に使用されている。また端末番号5のACセンサは寝室に設置され、端末対応機能としては消し忘れ通知とHC表示に使用されている。
【0057】
このように端末管理テーブル64は端末番号、端末名称、設置場所といった端末情報に加え、ホームコントローラ10において、センサがどのような端末対応機能として使用されるかを予め登録している。
【0058】
図5は図2の実施形態で使用する端末状態保存テーブル66を示した説明図である。端末状態保存テーブル66には、図4の端末管理テーブル64から取得された端末番号1〜 5に対応し、火災と監視の2つのセンサ機能に分けて、現在の端末状態と、これに対応したホームコントローラ処理状態(HC処理状態)を登録している。
【0059】
登録内容は、右側に取り出して示すように
「−」は端末に該当機能なし、
「×」は端末と通信不能、
「ON」は端末が作動状態、
「OFF」は端末が平常状態
を表している。
【0060】
例えば端末番号1のトイレに設置した人感センサ12は、現在の端末状態及びHC処理状態について火災センサ機能はなく、監視センサとして「OFF」に示すように人検知を行っていない平常状態にあることを示している。また端末番号2の住警器14−1はすべて「×」であり、端末としての通信不能状態にあることを示している。
【0061】
また端末番号3の住警器14−2にあっては、火災センサとしては「OFF」に示すように平常状態にあるが、監視センサは「ON」であり、住警器14−2に設けた人感センサ12−2が作動状態にあることを示している。
【0062】
このとき対応するHC処理状態の監視が「OFF」であり、これは住警器14−2の人感センサ12−2で人が検出されているが、ホームコントローラ10では人検知電文の受信に基づく処理がまだ行われていない状態を示している。
【0063】
また端末番号4の泣き声センサ16にあっては、現在の端末状態及びHC処理状態の監視が共に「OFF」であり、端末が平常状態にあることを示している。
【0064】
端末番号5のACセンサ18にあっては、現在の端末状態及びHC処理状態が共に「ON」であり、これはACセンサ18が電気ストーブなどの電気製品が使用されて電源供給が行われている状態を検出し、かつホームコントローラ10で表示処理が行われている状態を示している。
【0065】
図6は図2の実施形態で使用する処理要求管理テーブル68を示した説明図である。処理要求管理テーブル68には、端末番号1〜7に分けて安否確認、泣き声通知、消し忘れ通知及び防犯の4つの機能につき、「ON」の処理要求ありか、「OFF」の処理要求なしかが登録されている。図6にあっては、端末番号1のトイレに設置した人感センサ12の安否確認につき「ON」がセットされ、処理要求ありとなっている。
【0066】
図7は図2の実施形態で使用するメール管理テーブル70を示した説明図である。メール管理テーブル70は、送信番号をインデックスとして、端末番号、宛先(メールアドレス)、件名、本文、監視開始時刻及び開始終了時刻が登録されている。
【0067】
送信番号はメール管理テーブル70の登録内容を順番に処理するためのインデックスである。このメール管理テーブル70は、図4に示した端末管理テーブル64における端末番号1〜4の端末機器、即ち人感センサ12、住警器14−1,14−2に設けた人感センサ
12−1,12−2及び泣き声センサ16の登録内容を例にとっている。
【0068】
例えば端末番号1の人感センサ12にあっては、本実施形態のホームコントローラ10が老人世帯である親の住宅11に設置されている場合、遠隔地に居住している子供のメールアドレスが宛先として設定されている。
【0069】
次の件名はメールタイトルであり、端末番号1については安否確認であることから、例えば「おはようございます」が登録されている。続いてメール本文となり、「今朝もトイレに・・・」といった起床時間帯に居住者が必ず行う行動の1つとしてトイレの使用を知らせるようにしている。
【0070】
次の監視開始時刻と監視終了時刻は、端末番号1の人感センサ12で検知する安否確認の機能を動作させるための時間帯であり、この場合は、朝起きて生活を始める6時30分から8時30分の起床時間帯を登録している。
【0071】
次の端末番号2,3は、住警器14−1,14−2に設けた人感センサ12−1,12−2に対応した安否確認のためのメール管理内容であり、開始時間帯として就寝時間帯となる20時から23時を設定している。
【0072】
端末番号4の泣き声センサ16による泣き声通知については、監視開始時刻と終了時刻は0時から24時の24時間のすべての時間帯を設定しており、この時間帯の設定の下に、外出時の外出モードの設定操作で泣き声監視が有効となる。
【0073】
図8は図2の実施形態で使用する送信管理テーブル72を示した説明図である。送信管理テーブル72には、図7のメール管理テーブル70から得られた送信番号と、未送信を示す「No」と、送信済みを示す「Yes」が登録されている。
【0074】
この図4〜図8に示したテーブルを用いた例えば安否確認処理の概略は次のようになる。まず図5の端末状態保存テーブル66において、端末番号3の寝室に設置している住警器14−2の人感センサ12−2から人検知電文が送信されると、この人検知電文を受信し、端末状態保存テーブル66における現在の端末状態における監視につき、該当端末番号3に対応して端末作動を示す「ON」iセットされる。
【0075】
このとき端末番号3の現在の端末状態における監視の「ON」とHC処理状態における監視の「OFF」を比較すると、両者は不一致であることから、ホームコントローラで端末からの人検知電文の処理が終了していない。そこで、図6の処理要求管理テーブル68の該当端末番号3の安否確認につき、それまでの処理要求なしの「OFF」を、図示のように処理要求ありの「ON」に変更する。
【0076】
このように図6の処理要求管理テーブル68が処理要求ありの「ON」にセットされると、所定のタイミングで処理要求管理テーブル68をサーチして、処理要求あり「ON」となっている端末番号3を取得し、処理要求となっている端末番号3に対応したメール送信を行う。
【0077】
メール送信は該当端末番号3により、図7のメール管理テーブル70を参照し、まず現在時刻が監視開始時刻と監視終了時刻の時間帯に入っているか否か判別する。監視時間帯に入っている場合には、宛先として登録されたメールアドレスに対し、件名及び本文からなるメールを作成して送信待ち状態とする。
【0078】
この送信待ち状態は、送信番号により図8の送信管理テーブル72で管理されており、該当送信番号3の送信状態は「No」と未送信であることから、この未送信を判別して、送信待ちにある作成した安否確認メールをインターネットを経由して宛先のメールアドレスに送信する。メール送信が済むと、送信管理テーブル72の送信状態を「Yes」の送信済みに更新する。
【0079】
図9は図2の実施形態による監視処理を示したフローチャートであり、ホームコントローラ10に設けたCPU24による判断処理部50の処理となる。
【0080】
図9において、ホームコントローラ10の電源を投入すると、ステップS1でハードウェアチェック及び初期化処理が行われる。初期化処理はメモリ36上に各種のテーブルを展開する処理が含まれる。
【0081】
続いてステップS2ですべての処理が正常であれば、ステップS3に進み、正常を報知部30のスピーカ44による音声またはLED46の点灯、更にはディスプレイ42による表示で報知する。一方、ステップS2で異常があった場合には、ステップS4で異常を報知した後、ステップS5で致命的異常か否かチェックし、致命的な異常でなければステップS7に進み、もし致命的な異常であった場合にはステップS6でエラー終了となる。
【0082】
ステップS7にあっては、端末管理テーブル64を参照し、端末装置との通信を確認する。図4の端末管理テーブル64にあっては、端末番号1〜5の端末機器との間で通信を行うことになる。続いてステップS8で通信確認の結果に基づき端末状態保存テーブル66を更新する。図5の端末状態保存テーブル66にあっては、端末番号2の台所に設置している住警器14−1について通信不能の結果が得られている。
【0083】
続いてステップS9ですべての端末機器との確認が完了したか否か判別し、すべての端末機器との確認が完了した場合には、ステップS10で接続完了を報知する。一方、図4の端末状態保存テーブル66に示したように、端末番号2の端末機器との間で通信不能となっていたような場合には、ステップS11で現在の未接続の端末機器が例えば端末番号2の住警器14−1であることを報知する。
【0084】
続いてステップS12で定期入出力処理を実行し、またステップS13で安否確認処理を実行し、ステップS14で泣き声通知処理を実行し、ステップS15で消し忘れ通知処理を実行し、更にステップS16で防犯処理を実行し、再びステップS7に戻り、同様な処理を繰り返す。
【0085】
図10は図9のステップS12における定期入出力処理の詳細を示したフローチャートである。図10の定期入出力処理にあっては、ステップS21でそのときメモリのバッファ領域などに格納している未処理の端末機器からの電文を確認し、ステップS2で未処理電文があることを判別すると、ステップS23に進み、電文を解析し、該当端末について端末状態保存テーブル66における現在の端末状態を更新する。
【0086】
例えば端末番号3の居間の住警器14−2に設けている人感センサ12−1で人検出電文が出されていた場合には、該当端末番号3の現在の端末状態における監視の項目を「ON」に更新する。
【0087】
次にステップS24で該当端末について端末状態保存テーブル66の現在の端末状態とHC処理状態を比較する。例えば図5の端末状態保存テーブル66における該当端末番号3にあっては、現在の端末状態が「ON」、HC処理状態が「OFF」となっており、これを比較する。
【0088】
その比較の結果、ステップS25で相違ありが判別されると、ステップS26に進み、該当端末番号3により図4の端末管理テーブル64を参照し、端末対応機能が「安否確認」について使用していることを判別し、これに基づき図6の処理要求管理テーブル68の該当端末番号3の安否確認に対応した登録内容「OFF」を図示のように「ON」に更新し、処理要求ありとする。
【0089】
続いてステップS27で図4の端末管理テーブル64における該当端末番号3に対応するHC表示を参照し、この場合、「○」の登録で使用となっていることから、ステップS28において、図5の端末状態保存テーブル66の該当端末番号3に対応したHC処理状態における監視の「OFF」を現在の端末状態「ON」に合わせて、処理要求の更新が完了した状態とする。
【0090】
このように定期入出力処理にあっては、端末機器から受信した未処理電文を解読して、処理要求管理テーブル68の該当端末番号と安否確認で決まる位置に処理要求ありを示す「ON」を登録し、これを電文受信ごとに繰り返すことになる。
【0091】
図11は図9のステップS13における安否確認処理の詳細を示したフローチャートである。図11において、安否確認は、ステップS31で送信番号を初期値の1に設定し、現在時刻を取得する。
【0092】
続いてステップS32のメール管理テーブル70に送信番号があるか否かチェックし、送信番号があれば、ステップS33で該当送信番号についてメール管理テーブル70から監視開始時刻と監視終了時刻を取得する。
【0093】
続いてステップS14で現在時刻が監視時間帯に入っているか否か判別し、入っていればステップS35に進み、メール送信回数Nが予め設定した回数であるA回に達したか否か判別し、A回未満であればステップ36で送信回数Nを+1とし、ステップS36に進む。通常、安否確認は、予め設定した時間帯に1回送信すれば良いことから、A=1に設定しておくことにより、1回だけ安否確認メールを送信することができる。
【0094】
続いてステップS37で該当送信番号についてメール管理テーブル70から端末番号を取得する。続いてステップS38で該当送信番号について図6の処理要求管理テーブル68の安否確認を参照する。このとき、参照したテーブル位置が「ON」となっていれば、ステップS39で処理要求ありが判別され、ステップS40で該当端末番号について、図8の送信管理テーブル72から送信状態を取得し、取得した送信状態が「No」であればステップS41で未送信が判別され、ステップS42で該当送信番号について図7のメール管理テーブル70の本文の内容を持つ安否確認メールを該当するメールアドレスに送信する。
【0095】
安否確認メールの送信が済むと、ステップS43で該当送信番号の送信管理テーブル72の送信状態を送信済となる「Yes」に更新する。続いてステップS44で送信番号を+1し、再びステップS32に戻り、次の送信番号について同様な処理を繰り返す。このような安否確認処理により、処理要求の立った人感センサ12からの人検知信号に基づく安否確認メールの送信がリアルタイムで行われることになる。
【0096】
図11の安否確認処理における具体的な使用例としては、例えば起床時間帯となる6時30分から8時30分に監視時間帯を設定した場合、起床した居住者がトイレを使用した場合に人感センサ12により人検知電文がホームコントローラ10に送信され、これに基づき1回だけ安否確認メールが、登録している外部端末機器に送信される。
【0097】
これによって安否確認メールの受信者は、例えばホームコントローラ10を設置している住宅11に住んでいる遠隔地の親が普段と変わらない生活をしていることを知り、安心することができる。逆に、設定した時間帯に安否確認メールが来ない場合は、自分から連絡を取って安否を確認することができる。
【0098】
また居間や寝室に設置されている人感センサ12−1,12−2による人検知で安否確認メールを送信するようにした場合には、例えば図7のメール管理テーブル70に示したように、就寝時間となる20時から23時といった監視時間帯を設定しておくことで、ベッドに着く際に人検知電文に基づきホームコントローラ10が安否確認メールを送信し、この安否確認メールを受信することで、遠隔地の親が普段と変わらない生活をしていることを知り、万一、メールが来ない場合には自分から連絡を取って安否を確認することができる。
【0099】
図12は図9のステップS14における泣き声通知処理の詳細を示したフローチャートである。図12において、泣き声通知処理は、ステップS51で泣き声通知機能がセット状態か否かチェックする。このセット状態は、例えば図2の操作部32に設けているモードスイッチ49を使用して外出モードをセットすることで有効となる。
【0100】
泣き声通知機能がセット状態にある場合には、ステップS52〜S64に示す処理により、泣き声センサ14から泣き声検知電文を受けた際に、メールを外出した母親が保持している携帯電話などの外部端末機器22に対し送信する。
【0101】
ステップS52〜S64における端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び送信状態テーブル72を使用した処理は、図11のステップ35,S36を除くステップS31〜S43の安否確認処理と基本的に同じであり、図11のステップS36に対応する図12のステップS57で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の泣き声通知を参照して処理要求の有無を判別する点が相違するだけである。
【0102】
この泣き声通知処理の具体例としては、赤ちゃんの母親が自分の携帯電話のメールアドレスを、ホームコントローラ10における図7の端末番号3に対応した宛先に登録しておき、外出の際にモードスイッチ49により外出モードを設定して、泣き声通知機能をセット状態としておく。
【0103】
この状態で、赤ちゃんを寝かせて近所へ買物などに出かけている間に赤ちゃんが目を覚まし、泣き出したり大声を出したりした場合は、泣き声センサ16が泣き声を検知し、母親が保有している携帯電話にメールを送信して通知する。
【0104】
したがって、泣き声通知処理に基づくメールを受信したら受信者は急いで帰宅すればよい。また出かけている間メールが来なければ、赤ちゃんは寝ていることが分かり、安心して買物を続けることができる。
【0105】
図13は図9のステップS15における消し忘れ通知処理の詳細を示したフローチャートである。図13の消し忘れ確認処理にあっては、まずステップS71で消し忘れ機能がセット状態か否か判別する。この消し忘れ機能のセットは、例えば図2のホームコントローラ10に設けているモードスイッチ49で外出する際に外出モードをセットすることで有効となる。また外出する際には、報知部30のディスプレイ42にACセンサ18による検知状態を表示し、消し忘れがないように電気機器の電源を切って外出している。
【0106】
この状態で、外出中に例えば電気製品がタイマにより起動したような場合には、ステップS72〜S86の処理を通じて、消し忘れ通知メールの送信が、外出した居住者が携帯している携帯電話などに対し行われる。
【0107】
ここでステップS73〜S83の端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び送信状態テーブル72を使用した処理は、図11に示した安否確認処理におけるステップ35,S36を除くステップS32〜S44と同じであり、相違点は図13のステップS77で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の消し忘れ通知を参照して処理要求の有無を判別する点だけである。
【0108】
更に図13の消し忘れ確認処理にあっては、ステップS83に続いて、ステップS84で外部端末機器からの電文受信の有無をチェックしており、電文を受信すると、ステップS85で電文を解析し、電文の解析結果が停止指示であった場合には制御電文をACセンサ18に送信し、電気製品に対する電源供給を遮断する。
【0109】
これによって消し忘れ確認後の外出中に消し忘れ通知メールを受信した場合、メール受信者は、帰宅しなくても遠隔操作で、タイマなどにより起動した電気製品に対する電源供給を遮断することができる。
【0110】
更に消し忘れ確認処理にあっては、外出中に、外部端末機器である携帯電話などから消し忘れ確認メールをホームコントローラ10に送信することができ、ホームコントローラ10は消し忘れ確認メールを受信すると、現在のACセンサ18による検出状態、即ち図5に示した端末状態保存テーブル66における現在の端末状態のACセンサに該当する端末番号5の登録内容を応答メールにより返信し、外部から消し忘れの状態を把握できるようにしている。
【0111】
図14は図9のステップS16における防犯処理の詳細を示したフローチャートである。図14の防犯処理にあっては、ステップS91で防犯機能がセット状態か否か判別する。防犯機能のセットは、外出時にホームコントローラに設けているモードスイッチ49により外出モードをセットすることで有効となる。
【0112】
防犯機能がセット状態にあることが判別されると、ステップS92〜S104の処理により、人感センサ12、12−1,12−2のいずれかで人検知が行われると、防犯通知メールが外出者の保持する携帯電話などの外部端末機器に送信され、盗難発生を知らせることができる。
【0113】
この防犯処理におけるステップS92〜S104のメモリ36のテーブルを用いた処理は、図11のステップS35,S36を除くステップS31〜S43の処理と基本的に同じであり、ステップS97で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の防犯処理を参照して処理要求の有無を判別している点が相違するだけである。
【0114】
図15は本発明の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、図2のホームコントローラ10に設けていた機能を、例えば人感センサ12−1を備えた住警器14−1に設けたことを特徴とする。
【0115】
図15において、住警器14−1は火災による煙や熱を検出して火災警報を出力する警報器であり、更に人感センサ12−1が設けられている。人感センサ14−1は人の存在の有無に応じて火災判断の検出感度を変える。例えば人検出態では火災の検出感度を高く設定し、人検出のない状態では火災の検出感度を高くしている。また、人感センサ12−1は例えば盗難用の監視センサとして用いることもできる。
【0116】
住警器14−1に対する端末機器として、住宅11内には、この実施形態にあっては、ホームコントローラ10、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18が設けられている。ホームコントローラ10は、住警器14−1,14−2、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18から検出情報の電文を受信して必要な表示を行う。
【0117】
住警器14−1は、CPU24を備え、CPU24に対しては、アンテナ28を備えた無線回路部26、火災検知部78、人感センサ14−1、報知部30、操作部32、ネットワークアダプタ34及びメモリ36、を設けている。また、住警器14−1は商用AC100ボルトを電源として動作し、停電用のバックアップ電源として電池電源を設けている。
【0118】
CPU24には、プログラムの実行により実現される機能として火災監視部80と判断処理部50が設けられている。火災監視部80は火災検知部78における煙濃度検出又は温度検出に基づく火災検知信号を受けて報知部30により火災警報を出力する。
【0119】
判断処理部50は端末機器から受信した電文を判断し、必要があれば報知部30から判断結果を警報音や表示により出力すると共に、ネットワークアダプタ34から判断結果に基づいて作成したメールを、インターネット20を経由して外部端末機器22に送信する。
【0120】
判断処理部50の具体的な処理機能は、図2と同様に安否確認部52、泣き声通知部54、消し忘れ確認部56及び防犯監視部58の機能として実現されている。
【0121】
メモリ36には、判断処理部50における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認及び防犯監視の各処理機能を実現するため、図2と同様に、端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び通信状態テーブル72が設けられている。
【0122】
このような住警器14−1の機能及び処理動作は、図2のホームコントローラ10について示した図3〜図14の処理と基本的に同じになる。この場合、火災監視部80に火災検知に基づいて火災検知電文をメールにより外部端末機器22に通知する火災通知部82を更に設けている。
【0123】
なお、上記の実施形態はホームコントローラ10による端末機器からの検知電文に基づいた判断結果をメール送信する処理として、安否確認、子供泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視を例に取るものであったが、住宅に設置する端末機器のセンサ機能により判断処理を行って処理結果をメールにより通知する機能を、様々な日常的に起きる事象に対し実現することができる。
【0124】
その場合、既に設置されている端末機器であるセンサ類に手を加えることなく、ホームコントローラ10側の処理機能を変更するだけで、新たな家庭内の事象を判断して判断結果をメールにより送る処理を実現することができる。
【0125】
また上記の実施形態にあっては、安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視を例に取っているが、住宅11に設置している住警器14−1,14−2は火災監視を行っており、住警器14−1,14−2で火災が検出されると、ホームコントローラ10に火災検知電文が送られて、ホームコントローラ10で火災警報表示が行われることは勿論である。
【0126】
このホームコントローラ10による火災警報表示の機能についても、必要があれば火災監視機能のメール送信をセットしておくことで、火災警報を出力すると同時に、インターネット20経由で登録した外部端末機器22に対し火災報知メールを送信することができる。
【0127】
また上記に実施形態はインターネットを経由して外部端末機器を接続した場合を例にとるものであったが、これ以外に、電話回線やCATVの通信網など適宜の通信網を介して外部端末機器と接続しても良く、その場合には、メール送信に代えて各通信網に適合した形態の情報の伝送を行うことになる。
【0128】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の住宅用コントローラ装置と端末機器が設置された住宅を示した説明図
【図2】本発明による住宅用コントローラ装置の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図
【図3】本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図
【図4】図2の実施形態で使用する端末管理テーブルを示した説明図
【図5】図2の実施形態で使用する端末状態保存テーブルを示した説明図
【図6】図2の実施形態で使用する処理要求管理テーブルを示した説明図
【図7】図2の実施形態で使用するメール管理テーブルを示した説明図
【図8】図2の実施形態で使用する送信管理テーブルを示した説明図
【図9】図2の実施形態による監視処理の詳細を示したフローチャート
【図10】図9のステップS12における定期入出力処理の詳細を示したフローチャート
【図11】図9のステップS13における安否確認処理の詳細を示したフローチャート
【図12】図9のステップS14における泣き声通知処理の詳細を示したフローチャート
【図13】図9のステップS15における消し忘れ通知処理の詳細を示したフローチャート
【図14】図9のステップS16における防犯処理の詳細を示したフローチャート
【図15】本発明による住警器の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図
【符号の説明】
【0130】
10:ホームコントローラ
12,12−1,12−2:人感センサ
14−1,14−2:住警器
16: 泣き声センサ
18: ACセンサ
20: インターネット
22:外部端末機器
24:CPU
26:無線回路部
28:アンテナ
30:報知部
32: 操作部
34:ネットワークアダプタ
36:メモリ
38: 送信回路
40: 受信回路
42:ディスプレイ
44:スピーカ
46:LED
48:警報停止スイッチ
49:モードスイッチ
50:判断処理部
52:安否確認部
54:泣き声通知部
56:消し忘れ確認部
58:防犯監視部
60:送信元符号
62:グループ符号
64:端末管理テーブル
66:端末状態保存テーブル
68:処理要求管理テーブル
70:メール管理テーブル
72:送信状態テーブル
74:イベント信号
76:イベント符号
78:火災検知部
80:火災監視部
82:火災通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク、電話回線、CATV通信網などを利用して住宅に設置されている警報器やセンサによる状況を監視可能とする住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検出して警報する住宅用警報器(以下「住警器」という)が普及しており、近年にあっては、1つの住戸に複数の住警器を設置して部屋毎に火災などの異常を監視する傾向も増加し、更に、無線式の住警器により警報システムを構築し、ある住警器で火災を検出して警報したら、他の住警器に警報信号を無線送信して連動警報させるようにしている。
【0003】
一方、近年にあっては、住宅における情報を集中的に管理する住宅情報盤として機能する住宅用コントローラ装置が普及しており、コントローラ装置はインターホン親器として機能すると共に、外出時に防犯モードにセットすると、人感センサや戸締りセンサの異常検出信号を受信して盗難警報を出力するセキュリティー機能が設けられている。
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の住宅に設置された火災を監視する住警器にあっては、火災センサとしての機能に加え音声及びLEDなどの光によって警報を出力する機能を備えているにも拘らず、火災発生時にしか使用されず、火災発生時以外は点検スイッチを操作したときに正常に動作していることを示す報知が行われるだけである。
【0005】
このように住警器が日常的に使用されることがないと、その存在が忘れられ、長期間点検操作なども行われずに放置されることも多く、住警器としては例えば10年間という電池寿命を保証しているが、維持管理が不十分となり、汚れの付着などにより本来の火災監視機能も損なわれる恐れもある。
【0006】
また、従来の住宅総合盤として機能する住宅用コントローラ装置は、火災や盗難などの異常を受信した際に、住居内で警報を出力しており、在宅している場合は警報出力に対処できるが、外出している場合には帰ってみないと警報が出力されたことが分からないという問題がある。
【0007】
また、近年にあっては、住警器の設置義務に伴い火災よる死亡件数の低減、特に老人世帯の逃げ遅れによる死亡件数の低減が期待されているが、老人世帯となっている親から離れた遠隔地で子供の世帯が生活しているような状況では、電話などにより安否を確認しているが、安否の確認を日常的に継続して行うことは中々できず、老人世帯における生活の様子を遠隔地から簡単に確認できるようなシステムが望まれている。
【0008】
更に、赤ちゃんのいる世帯にあっては、赤ちゃんが寝ている間に外出して買物などの用事を済ますようにしているが、用事を済まして帰宅したら既に目覚めた赤ちゃんが大泣きしているようなこともあり、安心して外出することができない状況にある。
【0009】
本発明は、住宅内に設置されている住警器を含む各種の端末機器の検知情報から住宅内の状況を判断してネットワークを介して外部に通報して状況を把握可能とする住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は住宅用コントローラ装置を提供するものであり、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
端末機器から受信した電文を判断して報知部から判断結果を出力すると共に外部端末機器に判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする。
(安否確認)
ここで、端末機器は人感センサであり、判断処理部は、人感センサから人検知電文を受信した際に、外部端末機器に安否確認情報、例えば安否確認メールを送信する安否確認部の機能を備える。
【0011】
安否確認部は、予め登録した確認時間帯に所定回数、例えば1回だけ動作する。また、安否確認部は、確認時間帯として起床時間帯と就寝時間帯を登録する。
(泣き声通知)
端末機器は泣き声センサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で、泣き声センサから泣き声検知電文を受信した時に、外部端末機器に泣き声検知情報を送信する泣き声通知部の機能を備える。
(消し忘れ確認)
端末機器は商用交流電源の使用を検出するACセンサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で、ACセンサから電源使用検知電文を受信した時に、外部端末機器に消し忘れ検知情報を送信する消忘れ確認部の機能を備える。
【0012】
消し忘れ確認部は、外部端末機器から制御情報を受信した時に、ACセンサに制御電文を送信して電源供給を停止させる。
【0013】
消し忘れ確認部は、外部端末機器から確認情報を受信した時に、ACセンサの使用状態を示す応答メールを返信する。
(防犯)
端末機器は人感センサであり、判断処理部は、外出モードの設定状態で人感センサから人検知電文を受信した時に、外部端末機器に防犯情報を送信する防犯通知部の機能を備える。
【0014】
更に本発明は、火災及び他の異常を検出して警報する住宅用警報器に於いて、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
端末機器から受信した電文を判断して報知部から判断結果を出力すると共に外部端末機器に判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の住宅用コントローラ装置及び住宅用警報器によれば、住宅に設置されているか設置可能な人感センサ、ACセンサなどによる検知情報を判断し、判断結果をインターネットなどを経由して携帯電話などの外部端末機器に例えばメール送信することにより、住宅内の様子をリアルタイムで外部から把握し、状況に応じた適切な対応措置を迅速にとることができる。
【0016】
例えば、人感センサによる人検知であれば、遠隔地からの安否の確認や外出時の盗難発生をメールで知ることができる。
【0017】
また、泣き声センサによる泣き声検知であれば、外出中に赤ちゃんが起きたことがメールで分かるので、メールがなければ安心して買物などの用事を済ますことができる。
【0018】
更に、ACセンサであれば、電気製品に消し忘れがないことを確認して外出した後にタイマにより電気製品が動作したことがメールで分かり、必要があれば制御メールを送って電源を切ることもできる。
【0019】
このようなセンサによる検知情報による監視対象や通報事項を必要に応じて適宜に定め、検知情報から状況を判断してメール送信する機能を住宅用コントローラ装置に持たせることで、住宅における日常的な事象の外部監視や外部通報を可能とし、安全で快適な生活環境の確保が期待される。
【0020】
また住警器のような火災発生時にしか使用されない端末機器であっても、例えば人感センサを一体に備えたような住警器にあっては、日常的に住警器をセンサとして使用することができ、例えば10年間の電池寿命を持つ信頼性の高い住警器の機能を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の住宅用コントローラ装置と端末機器が設置された住宅を示した説明図である。図1において、住宅11の例えば居間には、本発明の住宅用コントローラ装置として機能するホームコントローラ10が設置されている。
【0022】
ホームコントローラ10は住宅11内に設置している端末機器からの検知信号を無線電文により受信し、受信電文を判断して、判断結果を警報音及びまたは表示により出力すると共に、インターネット20を介して、携帯電話やパソコンなどの外部端末機器22に、判断結果に基づくメールを送信するようにしている。
【0023】
ホームコントローラ10に対する端末機器として、住宅11内には、この実施形態にあっては、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18が設けられている。人感センサ12はトイレに設置されており、居住者がトイレを使用すると、人感センサ12が人検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0024】
住警器14−1,14−2は火災による煙や熱を検出して火災警報を出力する警報器であり、本実施形態にあっては、住警器14−1,14−2に人感センサ12−1,12−2が設けられており、人感センサ12−1,12−2は例えば盗難用の監視センサとして用いることができる。
【0025】
なお住警器14−1,14−2に人感センサ12−1,12−2を設けている理由は、人の存在の有無に応じて火災判断の検出感度を変えるようにするためである。例えば人検出態では火災の検出感度を低く設定し、人検出のない状態では火災の検出感度を高くしている。
【0026】
泣き声センサ16は寝室に設置されており、例えば赤ちゃんのいる世帯にあっては、赤ちゃんのベッドの近くに設置され、設定した音量を超える泣き声を検出すると、泣き声検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0027】
ACセンサ18は寝室に設けられており、ACセンサ18はACコンセントに、無線通信機能と、コンセントに電気ストーブなどの電気製品を差し込んで使用したときの電源供給を検出する機能を備えており、電気製品に対する電源供給を検出すると使用検知電文をホームコントローラ10に送信する。
【0028】
本実施形態のホームコントローラ10は、次の判断処理機能を備えている。
(1)安否確認機能
(2)泣き声通知機能
(3)消し忘れ確認機能
(4)防犯監視機能
安否確認機能は、例えばトイレに設置している人感センサ12から人検知電文を受信した際に、インターネット20を介して、予め登録しているメールアドレスの外部端末機器22に対し安否確認メールを送信する。
【0029】
泣き声通知機能は、外出時にホームコントローラ10で外出モードを設定すると、泣き声センサ16から泣き声検知電文を受信したときに、インターネット20を介して外部端末機器22に対しメールを送信する。
【0030】
消し忘れ確認機能は、外出時にホームコントローラ10の表示で消し忘れを確認して外出した後、例えばACセンサ18に接続している電気ストーブがタイマなどにより動作したとき、ACセンサ18から使用検知電文がホームコントローラ10に送信され、これに応じて外部端末機器22に対し消し忘れメールを送信する。
【0031】
更に防犯監視機能は、ホームコントローラ10に対する外出モードの設定状態で、人感センサ12、12−1,12−2のいずれかから人検知電文を受信したときに、外部端末機器22に対し防犯メールを送信する。
【0032】
図2は本発明による住宅コントローラ装置の実施形態、即ち図1のホームコントローラ10の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図である。
【0033】
図2において、ホームコントローラ10に対しては、住宅内に設置された端末機器として人感センサ12−1,12−2を一体に備えた無線式の住警器14−1,14−2、無線通信部を備えた人感センサ12、無線通信部を備えた泣き声センサ16、無線通信部を備えたACセンサ18が設けられている。またホームコントローラ10に対しては、インターネット20を介して、携帯電話やパソコンなどの外部端末機器22が有線または無線回線で接続される。
【0034】
本実施形態のホームコントローラ10はCPU24を備え、CPU24に対しては、アンテナ28を備えた無線回路部26、報知部30、操作部32、ネットワークアダプタ34及びメモリ36を設けている。なおホームコントローラ10は商用AC100ボルトを電源として動作し、停電用のバックアップ電源として電池電源を設けている。
【0035】
無線回路部26には送信回路38と受信回路40が設けられ、端末機器との間で電文を無線により送受信できるようにしている。無線回路部26としては、日本国内の場合には例えば400メガヘルツ帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備の標準規格)、またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用、及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0036】
この無線回路部26の構成は、住警器14−1,14−2、人感センサ12、泣き声センサ16及びACセンサ18に設けている無線回路部についても同様である。もちろん無線回路部26としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0037】
報知部30には、ディスプレイ42、スピーカ44、LED46が設けられている。ディスプレイ42には、端末機器からの電文受信に基づく判断結果や、ホームコントローラ10の操作に必要な各種の文字、記号の情報が出力される。スピーカ44からは受信電文の判断結果に基づく警報音や音声メッセージ、更には音声ガイダンスなどが出力される。LED46は、端末機器からの受信電文に基づく判断結果による警報出力や表示に応じて、点滅、明滅、点灯などの光による表示を行う。
【0038】
ネットワークアダプタ34は、ホームコントローラ10をインターネット20を経由して外部端末機器22との間でメールを送受信し、例えばイーサネット(R)などの適宜のインターネット(R)プロトコルに従ったアダプタを使用している。
【0039】
メモリ36には、住宅内に設置している端末機器との間で電文を送受信するための送信元符号60とグループ符号62が格納されている。送信元符号60は端末機器を特定するID(識別子)である。グループ符号62は複数の端末機器との間で電文送受信を行うためのグループを構成するための符号である。送信元符号60としては、国内に提供されているホームコントローラ10と連携を取る端末機器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように32ビットの符号コードが使用される。
【0040】
グループ符号62は、グループを構成する複数の端末機器に共通に設定される符号であり、無線回路部26で受信した他の端末機器からの電文に含まれるグループ符号が、メモリ36に登録しているグループ符号62に一致したとき、この電文を有効な電文として受信して処理することになる。
【0041】
グループの識別は、グループ符号以外に、端末機器を特定するIDである送信元符合60を使用してもよい。即ち、ホームコントローラ10に同じグループに属する端末機器の送信元符号を予め登録しておき、受信電文に含まれる送信元符合が登録済送信元符合に一致したら、同じグループに属する端末機器からの電文として処理する。
【0042】
またメモリ36には、ホームコントローラ10における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視などの判断処理に使用する各種のテーブルが格納されている。
【0043】
CPU24には、プログラムの実行により実現される機能として判断処理部50が設けられている。判断処理部50は端末機器から受信した電文を判断し、報知部30から判断結果を警報音や表示により出力すると共に、ネットワークアダプタ34から判断結果に基づいて作成したメールを、インターネット20を経由して外部端末機器22に送信する。
【0044】
判断処理部50の具体的な処理機能は、安否確認部52、泣き声通知部54、消し忘れ確認部56及び防犯監視部58の機能として実現されている。
【0045】
安否確認部52は、トイレに設置している人感センサ12から人検知電文を受信した際に、インターネット20を経由して外部端末機器22に安否確認メールを送信する。この安否確認メールの送信動作は、予め登録した確認時間帯に予め設定した回数、例えば1回だけ動作する。確認時間帯としては、例えば起床時間帯として6時30分から8時30分、就寝時間帯として20時から23時を登録している。
【0046】
泣き声通知部54は、ホームコントローラ10の操作部のモードスイッチ68により外出モードが設定された状態で、泣き声センサ16からの泣き声検知電文を受信したときに、携帯電話などの外部端末機器22に対しメールを送信する。
【0047】
消し忘れ確認部56は、ホームコントローラ10のディスプレイ42で電気製品の使用状態を確認して外出する際に、モードスイッチ49の操作で外出モードを設定し、この状態で例えばタイマなどにより電気製品が起動したときのACセンサ18からの電源使用検知電文を受信したときに、外部端末機器22に対し消し忘れメールを送信する。
【0048】
また消し忘れ確認部56にあっては、消し忘れメールを送信した外部端末機器22からの制御メールを受信したときに、ACセンサ18に制御電文を送信し、電源供給を停止させることもできる。更に消し忘れ確認部56は、外部端末機器22から確認メールを受信したときに、ACセンサ18の使用状態を示す応答メールを返信することも可能である。
【0049】
防犯監視部58は、モードスイッチ49の操作で外出モードを設定した状態で、人感センサ12,12−1,12−2のいずれかから人検知電文を受信したとき、外部端末機器22に対し侵入者検知と判断し、防犯メールを送信する。
【0050】
このような判断処理部50における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認及び防犯監視の各処理機能を実現するため、メモリ36には端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び通信状態テーブル72が設けられている。
【0051】
図3は本実施形態で使用する電文フォーマットを示した説明図である。図3において、電文74は送信元符号60、グループ符号62及びイベント符号76で構成されている。送信元符号60は例えば32ビットの符号である。またグループ符号62は8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図2の端末機器に設定されている。
【0052】
イベント符号76は、火災、人感などの検知内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」で人感、「011」で泣き声、「100」でAC(電源使用検知)、残りをリザーブとしている。なおイベント符号76のビット数は、検知の種類が増加したときは更に4ビット、5ビットと増加させることで、複数種類のイベント内容を表すことができる。
【0053】
図4は図2の実施形態で使用する端末管理テーブル64を示した説明図である。端末管理テーブル64は端末情報と端末対応機能に分けられる。端末情報には
(1)端末番号
(2)端末名称
(3)設置場所
が登録されている。
【0054】
また端末対応機能としては
(1)安否確認
(2)泣き声通知
(3)消し忘れ通知
(4)防犯
(5)HC(ホームコントローラ)表示
が登録されている。
【0055】
この端末対応機能における登録は「○:使用」「×:未使用」のいずれかの状態を登録している。例えば端末番号1の人感センサを見ると、設置場所はトイレであり、端末対応機能は安否確認となっている。
【0056】
また端末番号4の泣き声センサは寝室に設置され、端末対応機能は泣き声通知に使用されている。また端末番号5のACセンサは寝室に設置され、端末対応機能としては消し忘れ通知とHC表示に使用されている。
【0057】
このように端末管理テーブル64は端末番号、端末名称、設置場所といった端末情報に加え、ホームコントローラ10において、センサがどのような端末対応機能として使用されるかを予め登録している。
【0058】
図5は図2の実施形態で使用する端末状態保存テーブル66を示した説明図である。端末状態保存テーブル66には、図4の端末管理テーブル64から取得された端末番号1〜 5に対応し、火災と監視の2つのセンサ機能に分けて、現在の端末状態と、これに対応したホームコントローラ処理状態(HC処理状態)を登録している。
【0059】
登録内容は、右側に取り出して示すように
「−」は端末に該当機能なし、
「×」は端末と通信不能、
「ON」は端末が作動状態、
「OFF」は端末が平常状態
を表している。
【0060】
例えば端末番号1のトイレに設置した人感センサ12は、現在の端末状態及びHC処理状態について火災センサ機能はなく、監視センサとして「OFF」に示すように人検知を行っていない平常状態にあることを示している。また端末番号2の住警器14−1はすべて「×」であり、端末としての通信不能状態にあることを示している。
【0061】
また端末番号3の住警器14−2にあっては、火災センサとしては「OFF」に示すように平常状態にあるが、監視センサは「ON」であり、住警器14−2に設けた人感センサ12−2が作動状態にあることを示している。
【0062】
このとき対応するHC処理状態の監視が「OFF」であり、これは住警器14−2の人感センサ12−2で人が検出されているが、ホームコントローラ10では人検知電文の受信に基づく処理がまだ行われていない状態を示している。
【0063】
また端末番号4の泣き声センサ16にあっては、現在の端末状態及びHC処理状態の監視が共に「OFF」であり、端末が平常状態にあることを示している。
【0064】
端末番号5のACセンサ18にあっては、現在の端末状態及びHC処理状態が共に「ON」であり、これはACセンサ18が電気ストーブなどの電気製品が使用されて電源供給が行われている状態を検出し、かつホームコントローラ10で表示処理が行われている状態を示している。
【0065】
図6は図2の実施形態で使用する処理要求管理テーブル68を示した説明図である。処理要求管理テーブル68には、端末番号1〜7に分けて安否確認、泣き声通知、消し忘れ通知及び防犯の4つの機能につき、「ON」の処理要求ありか、「OFF」の処理要求なしかが登録されている。図6にあっては、端末番号1のトイレに設置した人感センサ12の安否確認につき「ON」がセットされ、処理要求ありとなっている。
【0066】
図7は図2の実施形態で使用するメール管理テーブル70を示した説明図である。メール管理テーブル70は、送信番号をインデックスとして、端末番号、宛先(メールアドレス)、件名、本文、監視開始時刻及び開始終了時刻が登録されている。
【0067】
送信番号はメール管理テーブル70の登録内容を順番に処理するためのインデックスである。このメール管理テーブル70は、図4に示した端末管理テーブル64における端末番号1〜4の端末機器、即ち人感センサ12、住警器14−1,14−2に設けた人感センサ
12−1,12−2及び泣き声センサ16の登録内容を例にとっている。
【0068】
例えば端末番号1の人感センサ12にあっては、本実施形態のホームコントローラ10が老人世帯である親の住宅11に設置されている場合、遠隔地に居住している子供のメールアドレスが宛先として設定されている。
【0069】
次の件名はメールタイトルであり、端末番号1については安否確認であることから、例えば「おはようございます」が登録されている。続いてメール本文となり、「今朝もトイレに・・・」といった起床時間帯に居住者が必ず行う行動の1つとしてトイレの使用を知らせるようにしている。
【0070】
次の監視開始時刻と監視終了時刻は、端末番号1の人感センサ12で検知する安否確認の機能を動作させるための時間帯であり、この場合は、朝起きて生活を始める6時30分から8時30分の起床時間帯を登録している。
【0071】
次の端末番号2,3は、住警器14−1,14−2に設けた人感センサ12−1,12−2に対応した安否確認のためのメール管理内容であり、開始時間帯として就寝時間帯となる20時から23時を設定している。
【0072】
端末番号4の泣き声センサ16による泣き声通知については、監視開始時刻と終了時刻は0時から24時の24時間のすべての時間帯を設定しており、この時間帯の設定の下に、外出時の外出モードの設定操作で泣き声監視が有効となる。
【0073】
図8は図2の実施形態で使用する送信管理テーブル72を示した説明図である。送信管理テーブル72には、図7のメール管理テーブル70から得られた送信番号と、未送信を示す「No」と、送信済みを示す「Yes」が登録されている。
【0074】
この図4〜図8に示したテーブルを用いた例えば安否確認処理の概略は次のようになる。まず図5の端末状態保存テーブル66において、端末番号3の寝室に設置している住警器14−2の人感センサ12−2から人検知電文が送信されると、この人検知電文を受信し、端末状態保存テーブル66における現在の端末状態における監視につき、該当端末番号3に対応して端末作動を示す「ON」iセットされる。
【0075】
このとき端末番号3の現在の端末状態における監視の「ON」とHC処理状態における監視の「OFF」を比較すると、両者は不一致であることから、ホームコントローラで端末からの人検知電文の処理が終了していない。そこで、図6の処理要求管理テーブル68の該当端末番号3の安否確認につき、それまでの処理要求なしの「OFF」を、図示のように処理要求ありの「ON」に変更する。
【0076】
このように図6の処理要求管理テーブル68が処理要求ありの「ON」にセットされると、所定のタイミングで処理要求管理テーブル68をサーチして、処理要求あり「ON」となっている端末番号3を取得し、処理要求となっている端末番号3に対応したメール送信を行う。
【0077】
メール送信は該当端末番号3により、図7のメール管理テーブル70を参照し、まず現在時刻が監視開始時刻と監視終了時刻の時間帯に入っているか否か判別する。監視時間帯に入っている場合には、宛先として登録されたメールアドレスに対し、件名及び本文からなるメールを作成して送信待ち状態とする。
【0078】
この送信待ち状態は、送信番号により図8の送信管理テーブル72で管理されており、該当送信番号3の送信状態は「No」と未送信であることから、この未送信を判別して、送信待ちにある作成した安否確認メールをインターネットを経由して宛先のメールアドレスに送信する。メール送信が済むと、送信管理テーブル72の送信状態を「Yes」の送信済みに更新する。
【0079】
図9は図2の実施形態による監視処理を示したフローチャートであり、ホームコントローラ10に設けたCPU24による判断処理部50の処理となる。
【0080】
図9において、ホームコントローラ10の電源を投入すると、ステップS1でハードウェアチェック及び初期化処理が行われる。初期化処理はメモリ36上に各種のテーブルを展開する処理が含まれる。
【0081】
続いてステップS2ですべての処理が正常であれば、ステップS3に進み、正常を報知部30のスピーカ44による音声またはLED46の点灯、更にはディスプレイ42による表示で報知する。一方、ステップS2で異常があった場合には、ステップS4で異常を報知した後、ステップS5で致命的異常か否かチェックし、致命的な異常でなければステップS7に進み、もし致命的な異常であった場合にはステップS6でエラー終了となる。
【0082】
ステップS7にあっては、端末管理テーブル64を参照し、端末装置との通信を確認する。図4の端末管理テーブル64にあっては、端末番号1〜5の端末機器との間で通信を行うことになる。続いてステップS8で通信確認の結果に基づき端末状態保存テーブル66を更新する。図5の端末状態保存テーブル66にあっては、端末番号2の台所に設置している住警器14−1について通信不能の結果が得られている。
【0083】
続いてステップS9ですべての端末機器との確認が完了したか否か判別し、すべての端末機器との確認が完了した場合には、ステップS10で接続完了を報知する。一方、図4の端末状態保存テーブル66に示したように、端末番号2の端末機器との間で通信不能となっていたような場合には、ステップS11で現在の未接続の端末機器が例えば端末番号2の住警器14−1であることを報知する。
【0084】
続いてステップS12で定期入出力処理を実行し、またステップS13で安否確認処理を実行し、ステップS14で泣き声通知処理を実行し、ステップS15で消し忘れ通知処理を実行し、更にステップS16で防犯処理を実行し、再びステップS7に戻り、同様な処理を繰り返す。
【0085】
図10は図9のステップS12における定期入出力処理の詳細を示したフローチャートである。図10の定期入出力処理にあっては、ステップS21でそのときメモリのバッファ領域などに格納している未処理の端末機器からの電文を確認し、ステップS2で未処理電文があることを判別すると、ステップS23に進み、電文を解析し、該当端末について端末状態保存テーブル66における現在の端末状態を更新する。
【0086】
例えば端末番号3の居間の住警器14−2に設けている人感センサ12−1で人検出電文が出されていた場合には、該当端末番号3の現在の端末状態における監視の項目を「ON」に更新する。
【0087】
次にステップS24で該当端末について端末状態保存テーブル66の現在の端末状態とHC処理状態を比較する。例えば図5の端末状態保存テーブル66における該当端末番号3にあっては、現在の端末状態が「ON」、HC処理状態が「OFF」となっており、これを比較する。
【0088】
その比較の結果、ステップS25で相違ありが判別されると、ステップS26に進み、該当端末番号3により図4の端末管理テーブル64を参照し、端末対応機能が「安否確認」について使用していることを判別し、これに基づき図6の処理要求管理テーブル68の該当端末番号3の安否確認に対応した登録内容「OFF」を図示のように「ON」に更新し、処理要求ありとする。
【0089】
続いてステップS27で図4の端末管理テーブル64における該当端末番号3に対応するHC表示を参照し、この場合、「○」の登録で使用となっていることから、ステップS28において、図5の端末状態保存テーブル66の該当端末番号3に対応したHC処理状態における監視の「OFF」を現在の端末状態「ON」に合わせて、処理要求の更新が完了した状態とする。
【0090】
このように定期入出力処理にあっては、端末機器から受信した未処理電文を解読して、処理要求管理テーブル68の該当端末番号と安否確認で決まる位置に処理要求ありを示す「ON」を登録し、これを電文受信ごとに繰り返すことになる。
【0091】
図11は図9のステップS13における安否確認処理の詳細を示したフローチャートである。図11において、安否確認は、ステップS31で送信番号を初期値の1に設定し、現在時刻を取得する。
【0092】
続いてステップS32のメール管理テーブル70に送信番号があるか否かチェックし、送信番号があれば、ステップS33で該当送信番号についてメール管理テーブル70から監視開始時刻と監視終了時刻を取得する。
【0093】
続いてステップS14で現在時刻が監視時間帯に入っているか否か判別し、入っていればステップS35に進み、メール送信回数Nが予め設定した回数であるA回に達したか否か判別し、A回未満であればステップ36で送信回数Nを+1とし、ステップS36に進む。通常、安否確認は、予め設定した時間帯に1回送信すれば良いことから、A=1に設定しておくことにより、1回だけ安否確認メールを送信することができる。
【0094】
続いてステップS37で該当送信番号についてメール管理テーブル70から端末番号を取得する。続いてステップS38で該当送信番号について図6の処理要求管理テーブル68の安否確認を参照する。このとき、参照したテーブル位置が「ON」となっていれば、ステップS39で処理要求ありが判別され、ステップS40で該当端末番号について、図8の送信管理テーブル72から送信状態を取得し、取得した送信状態が「No」であればステップS41で未送信が判別され、ステップS42で該当送信番号について図7のメール管理テーブル70の本文の内容を持つ安否確認メールを該当するメールアドレスに送信する。
【0095】
安否確認メールの送信が済むと、ステップS43で該当送信番号の送信管理テーブル72の送信状態を送信済となる「Yes」に更新する。続いてステップS44で送信番号を+1し、再びステップS32に戻り、次の送信番号について同様な処理を繰り返す。このような安否確認処理により、処理要求の立った人感センサ12からの人検知信号に基づく安否確認メールの送信がリアルタイムで行われることになる。
【0096】
図11の安否確認処理における具体的な使用例としては、例えば起床時間帯となる6時30分から8時30分に監視時間帯を設定した場合、起床した居住者がトイレを使用した場合に人感センサ12により人検知電文がホームコントローラ10に送信され、これに基づき1回だけ安否確認メールが、登録している外部端末機器に送信される。
【0097】
これによって安否確認メールの受信者は、例えばホームコントローラ10を設置している住宅11に住んでいる遠隔地の親が普段と変わらない生活をしていることを知り、安心することができる。逆に、設定した時間帯に安否確認メールが来ない場合は、自分から連絡を取って安否を確認することができる。
【0098】
また居間や寝室に設置されている人感センサ12−1,12−2による人検知で安否確認メールを送信するようにした場合には、例えば図7のメール管理テーブル70に示したように、就寝時間となる20時から23時といった監視時間帯を設定しておくことで、ベッドに着く際に人検知電文に基づきホームコントローラ10が安否確認メールを送信し、この安否確認メールを受信することで、遠隔地の親が普段と変わらない生活をしていることを知り、万一、メールが来ない場合には自分から連絡を取って安否を確認することができる。
【0099】
図12は図9のステップS14における泣き声通知処理の詳細を示したフローチャートである。図12において、泣き声通知処理は、ステップS51で泣き声通知機能がセット状態か否かチェックする。このセット状態は、例えば図2の操作部32に設けているモードスイッチ49を使用して外出モードをセットすることで有効となる。
【0100】
泣き声通知機能がセット状態にある場合には、ステップS52〜S64に示す処理により、泣き声センサ14から泣き声検知電文を受けた際に、メールを外出した母親が保持している携帯電話などの外部端末機器22に対し送信する。
【0101】
ステップS52〜S64における端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び送信状態テーブル72を使用した処理は、図11のステップ35,S36を除くステップS31〜S43の安否確認処理と基本的に同じであり、図11のステップS36に対応する図12のステップS57で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の泣き声通知を参照して処理要求の有無を判別する点が相違するだけである。
【0102】
この泣き声通知処理の具体例としては、赤ちゃんの母親が自分の携帯電話のメールアドレスを、ホームコントローラ10における図7の端末番号3に対応した宛先に登録しておき、外出の際にモードスイッチ49により外出モードを設定して、泣き声通知機能をセット状態としておく。
【0103】
この状態で、赤ちゃんを寝かせて近所へ買物などに出かけている間に赤ちゃんが目を覚まし、泣き出したり大声を出したりした場合は、泣き声センサ16が泣き声を検知し、母親が保有している携帯電話にメールを送信して通知する。
【0104】
したがって、泣き声通知処理に基づくメールを受信したら受信者は急いで帰宅すればよい。また出かけている間メールが来なければ、赤ちゃんは寝ていることが分かり、安心して買物を続けることができる。
【0105】
図13は図9のステップS15における消し忘れ通知処理の詳細を示したフローチャートである。図13の消し忘れ確認処理にあっては、まずステップS71で消し忘れ機能がセット状態か否か判別する。この消し忘れ機能のセットは、例えば図2のホームコントローラ10に設けているモードスイッチ49で外出する際に外出モードをセットすることで有効となる。また外出する際には、報知部30のディスプレイ42にACセンサ18による検知状態を表示し、消し忘れがないように電気機器の電源を切って外出している。
【0106】
この状態で、外出中に例えば電気製品がタイマにより起動したような場合には、ステップS72〜S86の処理を通じて、消し忘れ通知メールの送信が、外出した居住者が携帯している携帯電話などに対し行われる。
【0107】
ここでステップS73〜S83の端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び送信状態テーブル72を使用した処理は、図11に示した安否確認処理におけるステップ35,S36を除くステップS32〜S44と同じであり、相違点は図13のステップS77で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の消し忘れ通知を参照して処理要求の有無を判別する点だけである。
【0108】
更に図13の消し忘れ確認処理にあっては、ステップS83に続いて、ステップS84で外部端末機器からの電文受信の有無をチェックしており、電文を受信すると、ステップS85で電文を解析し、電文の解析結果が停止指示であった場合には制御電文をACセンサ18に送信し、電気製品に対する電源供給を遮断する。
【0109】
これによって消し忘れ確認後の外出中に消し忘れ通知メールを受信した場合、メール受信者は、帰宅しなくても遠隔操作で、タイマなどにより起動した電気製品に対する電源供給を遮断することができる。
【0110】
更に消し忘れ確認処理にあっては、外出中に、外部端末機器である携帯電話などから消し忘れ確認メールをホームコントローラ10に送信することができ、ホームコントローラ10は消し忘れ確認メールを受信すると、現在のACセンサ18による検出状態、即ち図5に示した端末状態保存テーブル66における現在の端末状態のACセンサに該当する端末番号5の登録内容を応答メールにより返信し、外部から消し忘れの状態を把握できるようにしている。
【0111】
図14は図9のステップS16における防犯処理の詳細を示したフローチャートである。図14の防犯処理にあっては、ステップS91で防犯機能がセット状態か否か判別する。防犯機能のセットは、外出時にホームコントローラに設けているモードスイッチ49により外出モードをセットすることで有効となる。
【0112】
防犯機能がセット状態にあることが判別されると、ステップS92〜S104の処理により、人感センサ12、12−1,12−2のいずれかで人検知が行われると、防犯通知メールが外出者の保持する携帯電話などの外部端末機器に送信され、盗難発生を知らせることができる。
【0113】
この防犯処理におけるステップS92〜S104のメモリ36のテーブルを用いた処理は、図11のステップS35,S36を除くステップS31〜S43の処理と基本的に同じであり、ステップS97で該当送信番号について処理要求管理テーブル68の防犯処理を参照して処理要求の有無を判別している点が相違するだけである。
【0114】
図15は本発明の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、図2のホームコントローラ10に設けていた機能を、例えば人感センサ12−1を備えた住警器14−1に設けたことを特徴とする。
【0115】
図15において、住警器14−1は火災による煙や熱を検出して火災警報を出力する警報器であり、更に人感センサ12−1が設けられている。人感センサ14−1は人の存在の有無に応じて火災判断の検出感度を変える。例えば人検出態では火災の検出感度を高く設定し、人検出のない状態では火災の検出感度を高くしている。また、人感センサ12−1は例えば盗難用の監視センサとして用いることもできる。
【0116】
住警器14−1に対する端末機器として、住宅11内には、この実施形態にあっては、ホームコントローラ10、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18が設けられている。ホームコントローラ10は、住警器14−1,14−2、人感センサ12、住警器14−1,14−2、泣き声センサ16及びACセンサ18から検出情報の電文を受信して必要な表示を行う。
【0117】
住警器14−1は、CPU24を備え、CPU24に対しては、アンテナ28を備えた無線回路部26、火災検知部78、人感センサ14−1、報知部30、操作部32、ネットワークアダプタ34及びメモリ36、を設けている。また、住警器14−1は商用AC100ボルトを電源として動作し、停電用のバックアップ電源として電池電源を設けている。
【0118】
CPU24には、プログラムの実行により実現される機能として火災監視部80と判断処理部50が設けられている。火災監視部80は火災検知部78における煙濃度検出又は温度検出に基づく火災検知信号を受けて報知部30により火災警報を出力する。
【0119】
判断処理部50は端末機器から受信した電文を判断し、必要があれば報知部30から判断結果を警報音や表示により出力すると共に、ネットワークアダプタ34から判断結果に基づいて作成したメールを、インターネット20を経由して外部端末機器22に送信する。
【0120】
判断処理部50の具体的な処理機能は、図2と同様に安否確認部52、泣き声通知部54、消し忘れ確認部56及び防犯監視部58の機能として実現されている。
【0121】
メモリ36には、判断処理部50における安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認及び防犯監視の各処理機能を実現するため、図2と同様に、端末管理テーブル64、端末状態保存テーブル66、処理要求管理テーブル68、メール管理テーブル70及び通信状態テーブル72が設けられている。
【0122】
このような住警器14−1の機能及び処理動作は、図2のホームコントローラ10について示した図3〜図14の処理と基本的に同じになる。この場合、火災監視部80に火災検知に基づいて火災検知電文をメールにより外部端末機器22に通知する火災通知部82を更に設けている。
【0123】
なお、上記の実施形態はホームコントローラ10による端末機器からの検知電文に基づいた判断結果をメール送信する処理として、安否確認、子供泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視を例に取るものであったが、住宅に設置する端末機器のセンサ機能により判断処理を行って処理結果をメールにより通知する機能を、様々な日常的に起きる事象に対し実現することができる。
【0124】
その場合、既に設置されている端末機器であるセンサ類に手を加えることなく、ホームコントローラ10側の処理機能を変更するだけで、新たな家庭内の事象を判断して判断結果をメールにより送る処理を実現することができる。
【0125】
また上記の実施形態にあっては、安否確認、泣き声通知、消し忘れ確認、防犯監視を例に取っているが、住宅11に設置している住警器14−1,14−2は火災監視を行っており、住警器14−1,14−2で火災が検出されると、ホームコントローラ10に火災検知電文が送られて、ホームコントローラ10で火災警報表示が行われることは勿論である。
【0126】
このホームコントローラ10による火災警報表示の機能についても、必要があれば火災監視機能のメール送信をセットしておくことで、火災警報を出力すると同時に、インターネット20経由で登録した外部端末機器22に対し火災報知メールを送信することができる。
【0127】
また上記に実施形態はインターネットを経由して外部端末機器を接続した場合を例にとるものであったが、これ以外に、電話回線やCATVの通信網など適宜の通信網を介して外部端末機器と接続しても良く、その場合には、メール送信に代えて各通信網に適合した形態の情報の伝送を行うことになる。
【0128】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の住宅用コントローラ装置と端末機器が設置された住宅を示した説明図
【図2】本発明による住宅用コントローラ装置の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図
【図3】本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図
【図4】図2の実施形態で使用する端末管理テーブルを示した説明図
【図5】図2の実施形態で使用する端末状態保存テーブルを示した説明図
【図6】図2の実施形態で使用する処理要求管理テーブルを示した説明図
【図7】図2の実施形態で使用するメール管理テーブルを示した説明図
【図8】図2の実施形態で使用する送信管理テーブルを示した説明図
【図9】図2の実施形態による監視処理の詳細を示したフローチャート
【図10】図9のステップS12における定期入出力処理の詳細を示したフローチャート
【図11】図9のステップS13における安否確認処理の詳細を示したフローチャート
【図12】図9のステップS14における泣き声通知処理の詳細を示したフローチャート
【図13】図9のステップS15における消し忘れ通知処理の詳細を示したフローチャート
【図14】図9のステップS16における防犯処理の詳細を示したフローチャート
【図15】本発明による住警器の実施形態を端末機器及び外部端末機器と共に示したブロック図
【符号の説明】
【0130】
10:ホームコントローラ
12,12−1,12−2:人感センサ
14−1,14−2:住警器
16: 泣き声センサ
18: ACセンサ
20: インターネット
22:外部端末機器
24:CPU
26:無線回路部
28:アンテナ
30:報知部
32: 操作部
34:ネットワークアダプタ
36:メモリ
38: 送信回路
40: 受信回路
42:ディスプレイ
44:スピーカ
46:LED
48:警報停止スイッチ
49:モードスイッチ
50:判断処理部
52:安否確認部
54:泣き声通知部
56:消し忘れ確認部
58:防犯監視部
60:送信元符号
62:グループ符号
64:端末管理テーブル
66:端末状態保存テーブル
68:処理要求管理テーブル
70:メール管理テーブル
72:送信状態テーブル
74:イベント信号
76:イベント符号
78:火災検知部
80:火災監視部
82:火災通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
前記端末機器から受信した電文を判断して前記報知部から判断結果を出力すると共に前記外部端末機器に前記判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項2】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は人感センサであり、
前記判断処理部は、前記人感センサから人検知電文を受信した際に、前記外部端末機器に安否確認情報を送信する安否確認部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項3】
請求項2記載のコントローラ装置に於いて、前記安否確認部は、予め登録した確認時間帯に所定回数だけ動作することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項4】
請求項2記載のコントローラ装置に於いて、前記安否確認部は、前記確認時間帯として起床時間帯と就寝時間帯を登録することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項5】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は泣き声センサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で、前記泣き声センサから泣き声検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に泣き声検知情報を送信する泣き声通知部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項6】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は商用交流電源の使用を検出するACセンサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で、前記ACセンサから電源使用検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に消し忘れ情報を送信する消忘れ確認部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項7】
請求項6記載のコントローラ装置に於いて、前記消し忘れ確認部は、前記外部端末機器から制御情報を受信した時に、前記ACセンサに制御電文を送信して電源供給を停止させることを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項8】
請求項6記載のコントローラ装置に於いて、前記消し忘れ確認部は、前記外部端末機器から確認情報を受信した時に、前記ACセンサの使用状態を示す応答情報を返信することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項9】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は人感センサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で前記人感センサから人検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に防犯情報を送信する防犯通知部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項10】
火災及び他の異常を検出して警報する住宅用警報器に於いて、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
前記端末機器から受信した電文を判断して前記報知部から判断結果を出力すると共に前記外部端末機器に前記判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする住宅用警報器。
【請求項1】
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
前記端末機器から受信した電文を判断して前記報知部から判断結果を出力すると共に前記外部端末機器に前記判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項2】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は人感センサであり、
前記判断処理部は、前記人感センサから人検知電文を受信した際に、前記外部端末機器に安否確認情報を送信する安否確認部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項3】
請求項2記載のコントローラ装置に於いて、前記安否確認部は、予め登録した確認時間帯に所定回数だけ動作することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項4】
請求項2記載のコントローラ装置に於いて、前記安否確認部は、前記確認時間帯として起床時間帯と就寝時間帯を登録することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項5】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は泣き声センサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で、前記泣き声センサから泣き声検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に泣き声検知情報を送信する泣き声通知部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項6】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は商用交流電源の使用を検出するACセンサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で、前記ACセンサから電源使用検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に消し忘れ情報を送信する消忘れ確認部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項7】
請求項6記載のコントローラ装置に於いて、前記消し忘れ確認部は、前記外部端末機器から制御情報を受信した時に、前記ACセンサに制御電文を送信して電源供給を停止させることを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項8】
請求項6記載のコントローラ装置に於いて、前記消し忘れ確認部は、前記外部端末機器から確認情報を受信した時に、前記ACセンサの使用状態を示す応答情報を返信することを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項9】
請求項1記載のコントローラ装置に於いて、
前記端末機器は人感センサであり、
前記判断処理部は、外出モードの設定状態で前記人感センサから人検知電文を受信した時に、前記外部端末機器に防犯情報を送信する防犯通知部の機能を備えたことを特徴とする住宅用コントローラ装置。
【請求項10】
火災及び他の異常を検出して警報する住宅用警報器に於いて、
住宅内に設置された1又は複数の端末機器との間で電文を送受信する送受信回路部と、
外部端末機器との間で情報を送受信するアダプタと、
警報を出力する報知部と、
前記端末機器から受信した電文を判断して前記報知部から判断結果を出力すると共に前記外部端末機器に前記判断結果を送信する判断処理部と、
を設けたことを特徴とする住宅用警報器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−49455(P2010−49455A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212608(P2008−212608)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
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