説明

体重減少に影響を及ぼすための組成物

第1の化合物および第2の化合物を含む体重減少に影響を与えるための組成物であって、第1の化合物がオピオイドアンタゴニストであり、第2の化合物が正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動を増大させる組成物が開示されている。体重減少に影響を与え、エネルギー消費を増大させ、個体における満腹感を増大させ、または個体の食欲を抑制する方法であって、その必要がある個体を特定し、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、およびα-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体における肥満を治療し、かつ体重減少に影響を与える医薬組成物および方法の分野である。
【背景技術】
【0002】
肥満は、身体に過剰の脂肪が蓄積することを特徴とする障害である。肥満は、主要な原因疾患の1つとして認識され、地球規模の問題として浮かび上がっている。高血圧、インスリン非依存性糖尿病、動脈硬化症、異脂肪血症、ある種の形の癌、睡眠無呼吸、および変形性関節症など合併症の増加は、一般集団における肥満の増加に関係している。
【0003】
肥満は、体格指数(BMI)によって定義される。BMIは、体重(kg)/[身長(m)]2として算出される。米国疾病管理予防センター(CDC)、および世界保健機構(WHO)(World Health Organization. Physical status: The use and interpretation of anthropometry. Geneva, Switzerland: World Health Organization 1995. WHO Technical Report Series)の指針によれば、20才を超える成人の場合、BMIは、以下の範疇のうちの1つに含まれる。18.5未満は低体重と見なされ、18.5〜24.9は正常と見なされ、25.0〜29.9は過体重と見なされ、30.0以上は肥満と見なされる。
【0004】
1994年以前は、肥満は、一般に精神的な問題と見なされていた。1994年、脂肪細胞由来のホルモンであるレプチンの発見(Zhangら、「Positional cloning of the mouse obese gene, and its human homologue」、Nature 1994、372、425〜432)によって、ある種のケースでは、肥満は、生化学的基礎を有する可能性があるという認識が生まれた。この認識がもたらしたものは、肥満治療は化学的手法で実現できるという考えであった。それ以降、いくつかのこのような化学的治療剤が市場に出てきた。これらの試みの中で最も有名なものは、フェンフルラミンとフェンテルミンの組合せであるフェンフェン(Fen-Phen)の導入であった。残念なことに、フェンフルラミンは、心臓弁の合併症を引き起こし、場合によっては、使用者の死を招くことがわかった。その後、フェンフルラミンは、市場から回収された。特に精神的摂食障害の分野において、他の併用療法手法によってある程度の成功があった。このような一例は、Devlinら、Int. J. Eating Disord. 28、325〜332、2000であり、フェンテルミンとフルオキセチンの組合せは、暴食障害の治療において、ある程度の有効性を示した。当然、この障害は、人口のほんの一部の問題でしかない。
【非特許文献1】World Health Organization. Physical status: The use and interpretation of anthropometry. Geneva, Switzerland: World Health Organization 1995. WHO Technical Report Series
【非特許文献2】Zhangら、「Positional cloning of the mouse obese gene, and its human homologue」、Nature 1994; 372:425〜432
【非特許文献3】Devlinら、Int. J. Eating Disord. 28:325〜332、2000
【非特許文献4】Coneら、「The arcuate nucleus as a conduit for diverse signals relevant to energy homeostasis」、Int'l Journal of Obesity (2001) 25、Suppl 5、S63〜S67
【非特許文献5】Saperら、「The need to feed: Homeostatic and hedonic control of eating」、Neuron、36:199〜211(2002)
【非特許文献6】Kornerら、「The emerging science of body weight regulation and its impact on obesity treatment」、J. Clin. Invest. 111(5):565〜570(2003)
【非特許文献7】Zimmerman, D. M.; Leander, I. D. J Med. Chem.1990、33、895
【非特許文献8】Portoghese, P. S. J. Med. Chenni.1992、35、1927
【非特許文献9】Carroll, F. I. J. Med. Chem. 2003、46、1
【非特許文献10】Glass, M. J.; Billington, C. J.; Levine, A. S. Neuropeptides 1999、33、350
【非特許文献11】Reneric, J. P.; Bouvard, M. P. CNS Drugs 1998、10、365
【非特許文献12】Schmidhammer, H.; Kaspar, F.; Marki, A.; Borsodi, A. Helv. Chim. Acta 1994, 77, 999
【非特許文献13】Hahn, E. F.; Itzhak, Y.; Nishimura, S.; Johnson, N.; Pasternak, G. W. J. Pharm. Exper. Therapeutics 1985, 235, 846〜50
【非特許文献14】Kolb, V. M,; Koman, A.; Neil, A. Pharmaceutical Res. 1985, 6, 266〜71
【非特許文献15】Pasternak, G. W.; Hahn, E. F. J. of Med. Chem. 1980, 23, 674〜6
【非特許文献16】Le Bourdonnec, B.; El Kouhen, R,; Lunzer, M. M.; Law, P. Y.; Loh, H. H.; Portoghese, P. S.; J. Med. Chem.; 2000; 43; 2489〜2492
【非特許文献17】Sayre, L. M.; Larson, D. L.; Takemori, A. E.; Portoghese, P. S. J. Med. Chem. 1984, 27, 1325
【非特許文献18】Erez, M.; Takemori, A. E,; Portoghese, P. S. J.Med. Chem. 1982, 25, 847〜849
【特許文献1】米国特許第4214081号
【非特許文献19】Dechant, K. L.; Clissold, S. P. Drugs, 1991, 41, 225〜253
【非特許文献20】Tamiz, A. P.; Zhang, J.;, Zhang, M.; Wang, C. Z.; Johnson, K. M.; Kozikowski A. P. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 5393〜5394
【非特許文献21】Tamiz, A. P.; Bandyopadhyay, B. C.; Zhang, J.; Flippen-Anderson, J. L.; Zhang, M.; Wang, C. Z.; Johnson, K. M.; Tella, S.; Kozikowski, A. P. J. Med. Chem. 2001, 44, 1615〜1622
【非特許文献22】Hussey, S. L.; Muddana, S. S.; Peterson, B. R.; J. Am. Chem. Soc. 2003; 125; 3692〜3693
【非特許文献23】Tamiz, A. P.; Bandyopadhyay, B. C.; Zhang, J.; Flippen-Anderson, J. L.; Zhang, M.; Wang, C. Z; Johnson, K. M.; Tellar, S.; Kozikowski, A. P. J. Med. Chem. 2001, 44, 1615〜1622
【非特許文献24】Portoghese, P. S.; Ronsisvalle, G.; Larson, D. L.; Yim, C. B.;Sayre, L. M.; Takemori, A. E. Life Sci. 1982, 31, 1283〜1286
【非特許文献25】Portoghese, P. S.; Larson, D. L.; Sayre, L. M.; Yim, C. B.; Ronsisvalle, G.; Tam, S. W.; Takemori, A. E. J. Med. Chem. 1986, 29, 1855〜1861
【非特許文献26】Stepinski, J.; Zajaczkowsld, I.; Kazem-Bek, D.; Temeriusz, A.; Lipkowski, A. W.; Tam, S. W. Internat. J. of Peptide & Protein Res. 1991, 38, 588〜92
【非特許文献27】Paar, J. M.; Harris, N. T.; Holowka, D.; Baird, B. J. Immunol. 2002, 169, 856〜864
【非特許文献28】Klok, H.-A.; Hwang, J. J.;Iyer, S. N.; Stupp, S. I. Macromolecules 2002, 35, 746〜759
【非特許文献29】Portoghese, P. S.; Ronsisvalle, G.; Larson, D. L.; Takemori, A. E. J. Med. Chem. 1986, 29, 1650〜1653
【非特許文献30】Sashiwa, H.; Shigemasa, Y.; Roy, R. Macromolecules 2000、33、6913
【非特許文献31】Ninan, A.; Sainsbury, M. Tetrahedron、1992、48、6709〜16
【非特許文献32】「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18th edition、1990
【非特許文献33】Finglら、1975、in 「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、Ch. 1 p. 1
【非特許文献34】Heislerら(Science 297(5581):609-11 (2002))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医学的な肥満の厳密な定義を満たすそのような個体に加えて、成人人口の大部分は過体重である。これらの過体重の個体も、効果的な体重減少組成物が利用可能であれば恩恵を受けるはずである。すなわち、当技術分野において、他の有害な副作用なしに体重減少に影響を与える医薬組成物を提供する必要が満たされていない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の化合物および第2の化合物を含む体重減少に影響を与えるための組成物であって、第1の化合物はオピオイドアンタゴニストであり、第2の化合物は正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動を増大させる組成物が開示されている。
【0007】
体重減少に影響を与え、エネルギー消費を増大させ、個体における満腹感を増大させ、または個体の食欲を抑える方法であって、それを必要とする個体を特定するステップと、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるようにその個体を治療するステップとを含む方法も開示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
弓状核ニューロンは、レプチン、インスリン、性腺ステロイド、およびグルコースを含めて、多様なホルモンおよび栄養素に応答することが知られている。潜在的輸送機構に加えて、末梢の物質は、弓状細胞体、および脳室周囲器官と見なされる領域である血液脳関門が欠如している正中隆起への突起を経由して、これらのニューロンにアクセスすることもできる。Coneら、「The arcuate nucleus as a conduit for diverse signals relevant to energy homeostasis」、Int'l Journal of Obesity (2001) 25、Suppl 5、S63〜S67頁。
【0009】
外因性レプチンの投与によって、レプチン受容体を有している視床下部および脳幹細胞群中のいくつかの異なるニューロンが活性化される。弓状核中のレプチン応答性ニューロンには、核の内側部にある神経ペプチドY(NPY)およびアグーチ関連ペプチド(AgRP)を含むもの;ならびにα-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)を含めて、プロオピオメラノコルチン(POMC)およびその誘導体と、コカインおよびアンフェタミン関連転写産物(CART)とを含むものの両方が含まれる。Saperら、「The need to feed: Homeostatic and hedonic control of eating」、Neuron、36巻、199〜211頁(2002年)。
【0010】
弓状核中のレプチン応答性POMCニューロンは、α-MSHのメラノコルチン3および/または4受容体(MC3-R、MC4-R)への作用によって食欲不振および体重減少を引き起こすと考えられている。最高のMC3-R発現レベルは、視床下部および大脳辺縁系においてであるが、MC4-R mRNAは、実質的に主要な脳の領域すべてにおいて発現されている。MC4-Rの刺激に由来する代謝効果のいくつかは、摂飼量の減少、ならびに甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの刺激および交感神経の活性化によるエネルギー消費の増大である。標的MC4-R遺伝子の欠失は、肥満、過食、高インスリン血症、およびエネルギー消費の減少をもたらす。標的MC3-Rの欠失は、エネルギー消費の減少のため脂肪蓄積の増大をもたらす。Kornerら、「The emerging science of body weight regulation and its impact on obesity treatment」、J. Clin. Invest. 111(5):565-570 (2003)。したがって、中枢神経系(CNS)中のα-MSHの増加によって、MC3-Rおよび/またはMC4-Rに及ぼすその作用が増大し、食欲抑制がもたらされる。
【0011】
POMCニューロンはα-MSHを放出するとき、β-エンドルフィンも放出する。β-エンドルフィンは、POMCニューロン上で見られるμ-オピオイド受容体(MOP-R)の内因性アゴニストである。MOP-Rの刺激はα-MSHの放出を低減する。これは、正常な生理的条件下で、CNS中のα-MSH濃度を制御する生体フィードバック機構である。したがって、オピオイドアンタゴニストによってMOP-Rをブロックすると、フィードバック機構を破壊し、α-MSH分泌の持続、およびCNS中のその濃度の増大をもたらす。
【0012】
弓状核中の第2のニューロン集団は、POMCニューロンを接続的に阻害する。これらのPOMC抑制ニューロンは、NPY、神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)、およびAgRPを分泌する。NPYおよびGABAはそれぞれNPY Y1受容体およびGABA受容体によって、POMCニューロンを抑制する。したがって、弓状核内で、NPYおよびGABAは、α-MSHの放出を抑制し、したがって摂食刺激剤である。レプチンは、POMCニューロンへのシナプスを形成するNPY終末部からのGABAの放出を抑制するが、摂食促進ペプチドであるグレリンは、NPYニューロン上のグレリン受容体を刺激し、POMC細胞上へのNPYおよびGABAの分泌を増大させ、この分泌は、α-MSHの放出を抑制することが知られている。
【0013】
AgRPは、ラットにおける摂飼量を、MC4-Rでのα-MSHの相互作用の拮抗によって刺激する。AgRP遺伝子の発現をレプチンによって抑制する。
【0014】
5-ヒドロキシトリプタミンまたは5-HTとも呼ばれるセロトニンは、POMCニューロンを活性化して、α-MSHを分泌させる。しかし、セロトニンは、特定のトランスポータによる作用によって取り込まれ、除去され、したがってセロトニン分子単独の作用は短時間である。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は、セロトニンの取り込みを防止し、CNS中のその濃度を増大させることが知られている。したがって、SSRIは、α-MSHの分泌、およびCNS中のその濃度も増大させる。
【0015】
ドーパミンは、またPOMCニューロンの活性を増大させて、α-MSHを分泌させる。セロトニンのように、ドーパミンも、作用によって取り込まれ、除去され、したがってドーパミン分子単独の効果は短期である。ドーパミンの取り込みを防止または低減させるドーパミン再取り込み阻害剤も、α-MSHの分泌、およびCNS中のその濃度を増大させることができる。
【0016】
したがって、セロトニン再取り込み阻害など様々な機構によるα-MSH分泌の増大は、生化学的な食欲減退効果をもたらすために本発明の方法および医薬組成物を追求するという戦略の1つである。
【0017】
本発明は、体重減少という課題への多面的な組合せ療法手法を提供する。これは、単独の分子、メッセンジャー、または受容体に取り組むだけでなく、むしろ摂食および満腹経路における複数の場所で機能する。本発明の態様は、α-MSHの放出を刺激し、その代謝を抑制し、MC3/4-Rでのその相互作用の拮抗を低減し、その放出を遅延または阻止するフィードバック機構はどれも抑制することによってCNS中のα-MSH濃度を上昇させることを対象とする。本発明の態様には、その成分がこれら機能のうちの1つまたは複数を実現する医薬組成物が含まれる。本発明者は、本明細書に開示する化合物の2種以上の組合せは、体重減少により速くかつより永続的に影響を与える相乗効果をもたらすことを発見した。
【0018】
したがって、第1の態様では、本発明は、第1の化合物および第2の化合物を含む肥満を治療するためのまたは体重減少に影響を与えるための組成物であって、第1の化合物はオピオイドアンタゴニストであり、第2の化合物は正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動を増大させる組成物を対象とする。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2の化合物がPOMCニューロンの活性の増大を引き起こし、MC3-Rおよび/またはMC4-Rでの作動が増大する。
【0020】
いくつかの実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、哺乳動物においてμ-オピオイド受容体(MOP-R)に拮抗する。哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ;サル、チンパンジー、類人猿などの霊長類、およびヒトからなる群から選択することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン,およびナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される。
【0022】
他の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、部分的オピオイドアゴニストである。このクラスの化合物は、オピオイド受容体においてアゴニスト活性を有する。しかし、それらは弱いアゴニストであるので、事実上のアンタゴニストとして機能する。部分的オピオイドアゴニストの例には、ペンタコジン、ブプレノルフィン、ナロルフィン、プロピラム、およびロフェキシジンが含まれる。
【0023】
「医薬として許容できる塩」という用語は、投与対象の有機体に対して著しい刺激を引き起こさず、化合物の生物活性および特性を阻害しない化合物のある形態を指す。医薬としての塩は、本発明の化合物と、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを反応させることによって得ることができる。医薬としての塩は、本発明の化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩、ナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムまたはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸とのその塩などの塩を形成することによって得ることもできる。
【0024】
「プロドラッグ」は、in vivoで親薬物に変換される作用物質を指す。プロドラッグは、状況によっては投与が親薬物より容易になり得るのでしばしば有用である。例えば、それらは、親薬物が生物的に利用可能でなくても、経口投与によって生物的に利用可能となり得る。プロドラッグは、親薬物に比べて、医薬組成物において改善された溶解性も有することがあり、あるいは向上した嗜好性を示したり、または処方するのがより容易になることがある。プロドラッグの一例は、以下に制限されるものではないが、水溶性であることが移動にとって好ましくない細胞膜を横断する透過を容易にするためにエステル(「プロドラッグ」)として投与され、水溶性が有利である細胞内部に一旦入ると、次いで代謝によって有効単位であるカルボン酸に加水分解される本発明の化合物である。プロドラッグの別の例は、酸基に結合された短いペプチド(ポリアミノ酸)であることができ、ペプチドは代謝されて、活性残基が得られる。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物中の第2の化合物が、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)の放出の引き金になる。第2の化合物は、視床下部の細胞外セロトニン濃度を上昇させることができる。いくつかの実施形態では、第2の化合物は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、およびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される。他の実施形態では、第2の化合物を、例えばフルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、およびベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択する。
【0026】
「セロトニン1B受容体」、「セロトニン2C受容体」、「5-HT1b受容体」、および「5-HT2c受容体」という用語は、げっ歯動物において、より一般に見られる受容体を指す。他の哺乳動物は、機能および形においてこれらの受容体に類似したセロトニン受容体を様々なニューロン上に有することは、当業者に理解される。これらの非げっ歯動物、好ましくはヒトのセロトニン受容体におけるアゴニストまたはアンタゴニストは、本発明の範囲内である。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2の化合物は、AgRP遺伝子の発現、またはアグーチ関連タンパク(AgRP)の生成もしくは放出を抑制する。これらの実施形態のいくつかでは、第2の化合物は、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する。
【0028】
他の実施形態では、第2の化合物は、NPY遺伝子の発現の発現、または神経ペプチドY(NPY)の生成もしくは放出を抑制する。これらの実施形態のいくつかでは、第2の化合物は、NPYを発現するニューロンの活性を抑制する。他の実施形態では、第2の化合物は、NPYアンタゴニスト、グレリンアンタゴニスト、およびレプチンからなる群から選択される。いくつかの他の実施形態では、第2の化合物は、NPY Y2受容体に拮抗する。
【0029】
本発明の他の実施形態には、第2の化合物がγ-アミノ酪酸(GABA)阻害剤、GABA受容体アンタゴニスト、およびGABAチャネルアンタゴニストからなる群から選択されるものが含まれる。「GABA阻害剤」は、GABAがGABA受容体に結合するのを防止する、またはこのような結合の作用を最小限に抑えることによって、細胞におけるGABAの生成を低減し、細胞からのGABAの放出を低減し、またはその受容体上でのGABAの活性を低減する化合物を意味する。GABA阻害剤は、5-HT1bアゴニスト、またはNPY/AgRP/GABAニューロンの活性を阻害する別の作用物質とすることができる。さらに、GABA阻害剤は、AgRP遺伝子の発現を抑制することができ、あるいはGABA阻害剤は、AgRPの生成もしくは放出を抑制することができる。しかし、5-HT1bアゴニストは、GABA経路の阻害剤として働くことなく、NPY/AgRP/GABAニューロンを阻害できる(したがって、POMCニューロンを活性化できる)ことが理解される。
【0030】
いくつかの他の実施形態では、GABA阻害剤は、POMC遺伝子の発現を増大させる。これらの実施形態のいくつかでは、GABA阻害剤は、プロオピオメラノコルチン(POMC)タンパクの生成もしくは放出を増大させる。これらの他の実施形態では、GABA阻害剤は、POMC発現ニューロンの活性を増大させる。いくつかの実施形態では、GABA阻害剤は、トピラメートである。
【0031】
他の実施形態では、第2の化合物は、ドーパミン再取り込み阻害剤である。フェンテルミンは、ドーパミン再取り込み阻害剤の一例である。いくつかの他の実施形態では、第2の化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤である。ノルエピネフリン再取り込み阻害剤の例には、ブプロピオン、チオニソキセチン(thionisoxetine)、およびレボキセチンが含まれる。他の実施形態には、第2の化合物がドーパミンアゴニストであるものが含まれる。市場で入手可能ないくつかのドーパミンアゴニストには、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、およびブロモクリプチンが含まれる。他の実施形態では、第2の化合物は、ノルエピネフリン遊離剤、例えばジエチルプロピオン、または混合ドーパミン/ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、例えばアトモキサチンである。
【0032】
いくつかの他の実施形態では、第2の化合物は、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン(zomitriptan)、およびエリトリプタン(elitriptan)などの5-HT1bアゴニストである。
【0033】
他の実施形態では、第2の化合物は、抗痙攣剤である。抗痙攣剤は、ゾニサミド、トピラメート、ネンブタール、ロラゼパム、クロナゼパム、クロラゼパート、チアガビン、ガバペンチン、ホスフェニトイン、フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロエート、フェルバメート、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、ラモトリジン、メトスクシミド、およびエトスクシミドからなる群から選択することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、第2の化合物それ自体を、2種以上の化合物の組合せとすることができる。例えば、第2の化合物は、ドーパミン再取り込み阻害剤とノルエピネフリン再取り込み阻害剤、例えばブプロピオンとマジンドールの組合せとすることができる。あるいは、第2の化合物は、SSRIと、シブトラミン、ベンラファキシン、およびデュロキセチンなどのノルエピネフリン再取り込み阻害剤との組合せとすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2の化合物は、POMCニューロンの活性化剤である。POMC活性化剤の例には、Ptx1、およびインターロイキン1β(IL-1β)が含まれる。
【0036】
別の態様では、本発明は、体重減少に影響を与える方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップとを含む方法に関する。
【0037】
いくつかの実施形態では、個体は、体格指数(BMI)が25を超えている。他の実施形態では、個体は、BMIが30を超えている。さらに別の実施形態では、個体は、BMIが40を超えている。しかし、いくつかの実施形態では、個体は、BMIが25未満でもよい。これらの実施形態では、健康または美容の目的で、体重減少に影響を与え、それによってBMIをさらにもっと低減させることが有益となる場合がある。
【0038】
いくつかの実施形態では、オピオイド受容体活性は、オピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって拮抗される。オピオイド受容体アンタゴニストは、MOP受容体アンタゴニストとすることができる。いくつかの実施形態では、オピオイド受容体アンタゴニストは、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択する。
【0039】
上記に記載する実施形態のいくつかでは、α-MSH活性は、α-MSHの放出の引き金となり、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる化合物を投与することによって増強される。いくつかの実施形態では、その化合物が選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、または特異的5-HT受容体アゴニストである。本発明で使用できるSSRIの例には、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグが含まれる。
【0040】
他の実施形態では、その化合物は、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害剤である。GABA阻害剤は、5-HT1b受容体アゴニストであることができる。GABA阻害剤は、AgRP遺伝子の発現を抑制することができ、あるいはAgRPの生成もしくは放出を抑制することができる。GABA阻害剤は、NPYの発現または放出を抑制することができる。いくつかの実施形態では、GABA阻害剤は、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する。例えば、GABA阻害剤は、トピラメート、1-(2-(((ジフェニルメチレン)アミノ)オキシ)エチル)-1,2,5,6-テトラヒドロ-3-ピリジンカルボン酸塩酸塩(NNC-711)、またはビガバトリンとすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、個体がプラダーウィリー症候群または暴食障害にかかっていないことを条件として、上記に記載する本発明の方法を実施する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、暴食障害、プラダーウィリー症候群などの生理的摂食障害を治療するために使用されたSSRI抗うつ剤(例えば、フルオキセチン)が関与する組合せ療法とは区別される。これらの実施形態では、標的集団は、体重減少を必要とするまたは所望するが、プラダーウィリー症候群または暴食障害の治療を必要としない個体の集団である。
【0042】
うつ病にかかっている個体は、そのうつ病の結果として体重が増加することがある。さらに、ある種のうつ病の個体は、うつ病療法の副作用として体重が増加する。いくつかの実施形態では、個体がうつ病にかかっていないことを条件として、上記に記載する本発明の方法を実施する。いくつかの実施形態では、個体の過体重状態は、うつ病の治療によっては引き起こされなかった。
【0043】
他の実施形態では、オピオイド受容体が、ナルトレキソンを使用して拮抗される場合、α-MSHの放出がフルオキセチンによって刺激されないことを条件にして、上記に記載する本発明の方法を実施する。しかし、ナルトレキソンとフルオキセチンの組合せを使用して、臨床的に肥満として分類されようがされまいが減量を望む個体において体重減少に影響を及ぼすことができる。これらの個体には、BMIが25を超える個体、またはBMIが25未満であり、さらに追加の減量を望む個体が含まれる。この具体的な組合せは、一般的な肥満の治療に使用することもできる。いくつかの実施形態では、追加の減量を望む個体は、暴食障害にかかっていない。
【0044】
いくつかの実施形態では、上記の方法の治療ステップは、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を個体に投与するステップを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の化合物と第2の化合物をほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の前に投与する。さらに別の実施形態では、第1の化合物を第2の化合物の後に投与する。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の化合物と第2の化合物を個別に投与する。他の実施形態では、第1の化合物と第2の化合物を相互に共有結合で連結させ、したがって単一の化学単位が形成される。次いで、単一の化学単位が消化され、2種の異なる生理活性化学単位に代謝され、そのうちの一方は、第1の化合物であり、他方は第2の化合物である。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、以下の化合物の組合せである。
SSRIと、ドーパミン再取り込み阻害剤、ドーパミン/ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、オピオイドアンタゴニスト、部分的オピオイドアゴニスト、GABA阻害剤、メトホルミンなどの末梢作用体重減少剤、またはPYY、PYY3〜36、レプチンなどのペプチドとの組合せ;
セロトニンと、ドーパミン再取り込み阻害剤、ドーパミン/ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、オピオイドアンタゴニスト、部分的オピオイドアゴニスト、またはGABA阻害剤との組合せ;
ドーパミン再取り込み阻害剤と、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン遊離剤、ノルエピネフリンアゴニスト、オピオイドアンタゴニスト、部分的オピオイドアゴニスト、GABA阻害剤、アデノシン化合物、コリン受容体アンタゴニスト、またはPYY、PYY3〜36、レプチンなどのペプチドとの組合せ;
ドーパミン/ノルエピネフリン再取り込み阻害剤と、オピオイドアンタゴニスト、部分的オピオイドアゴニスト、GABA阻害剤、またはメトホルミンなどの末梢作用体重減少剤;
ドーパミンアゴニストと、オピオイドアンタゴニスト、部分的オピオイドアゴニスト、GABA阻害剤、またはPYY、PYY3〜36、レプチンなどのペプチドとの組合せ。
【0048】
ノルエピネフリンアゴニストの例には、フェンジメトラジン、およびベンズフェタミンが含まれる。アデノシン化合物の例には、アデノシン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、およびアミノフィリンなどのキサンチン誘導体がすべて含まれる。コリン受容体アンタゴニストの一例は、ニコチンである。
【0049】
別の局面では、本発明は、個体において満腹感を増大させる方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップとを含む方法に関する。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記の方法の治療ステップは、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を個体に投与するステップを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の化合物および第2の化合物をほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の前に投与する。さらに別の実施形態では、第1の化合物を第2の化合物の後に投与する。
【0052】
さらに別の局面では、本発明は、個体の食欲を抑制する方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップとを含む方法に関する。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記の方法の治療ステップは、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を個体に投与するステップを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の化合物および第2の化合物をほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の前に投与する。さらに別の実施形態では、第1の化合物を第2の化合物の後に投与する。
【0055】
別の局面では、本発明は、個体においてエネルギー消費を増大させる方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップとを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、上記の方法の治療ステップは、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を個体に投与することを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の化合物と第2の化合物をほぼ同時に投与する。他の実施形態では、第1の化合物を、第2の化合物の前に投与する。さらに別の実施形態では、第1の化合物を第2の化合物の後に投与する。
【0058】
本明細書に開示するいくつかの実施形態では、体重減少に影響を及ぼす2種以上の化合物の組合せを含む医薬組成物を個体に投与する。これらの実施形態のいくつかでは、各化合物は、別々の化学単位である。しかし、他の実施形態では、この2つの化合物が共有結合などの化学的連結によって一緒に結び付けられ、したがって2つの異なる化合物が同一分子の異なる部分をなす。この化学的連結は、身体に投入された後、連結が酵素作用、酸加水分解、塩基加水分解などによって切断され、次いで2つの別々の化合物が形成されるように選択される。
【0059】
したがって、別の局面では、本発明は、オピオイドアンタゴニストが柔軟なリンカーによって選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)に連結される、新規分子の合成経路に関する。
【0060】
μオピオイドアンタゴニストのファミリー内の構造活性相関(SAR)についての研究データを、どのアンタゴニストを使用するべきか、ならびにアンタゴニストの効力および選択性が高いままとなるようにつなぎ部分を結合すべきアンタゴニスト分子上の最適な1つまたは複数の位置を決定する指針として使用することができる。同様に、SSRIファミリー内のSARデータを、どの阻害剤を使用すべきか、ならびに効力および選択性が高いままであるようにつなぎ部分を結合すべき阻害剤上の最適な1つまたは複数の位置を決定する指針として使用することができる。つなぎまたはリンカー部分は、生物活性分子をともに連結させるのに有用であることを実証したものの中から選択する。様々な組合せでともに結び付いて、ヘテロ2価治療分子を形成することができる代表的なオピオイドアンタゴニスト、連結基(リンカー)およびSSRI分子が、本明細書に開示されている。
【0061】
オピオイドアゴニストおよびアンタゴニストの構造活性相関は概説されている。例えば、Zimmerman, D. M.; Leander, I. D. J Med. Chem.1990、33、895; Portoghese, P. S. J. Med. Chenni.1992、35、1927; Carroll, F. I. J. Med. Chem. 2003、46、1を参照されたい。オピオイドアンタゴニスト、ナルメフェン(1)、ナルトレキソン(2)、ナロキソン(3)、およびナルトレキサミン(4)は、一般的なオピエート系鋳型を共有するテバイン誘導構造である。μ-サブタイプ選択的オピオイドアンタゴニストは、肥満(Glass, M. J.; Billington, C. J.; Levine, A. S. Neuropeptides 1999、33、350)、およびCNS障害(Reneric, J. P.; Bouvard, M. P. CNS Drugs 1998、10、365)の治療のための作用物質として現在かなり興味深いものである。
【0062】
【化1】

【0063】
N-メチルおよびN-2-フェニルエチル置換オピオイドは、オピオイドアゴニスト活性を示す傾向があるが、N-アリルおよびN-シクロプロピルメチル置換類縁体は、オピオイドアンタゴニスト活性を示す傾向がある。Nに結合したリンカー部分はどれも、メチルより大きくなる。リンカー部分は、2-フェニルエチルを模倣しないことを条件にして、このようなリンクされたオピオイドは、オピオイドアンタゴニストとして挙動するものと予想される。したがって、ナルメフェンおよびナルトレキソン(およびナロキソン)の窒素原子は、リンカー部分の結合に適した部位である。これらのオピオイドの他の部位での置換に関するSAR情報は、入手できるものが少ないが、1個または複数の水素原子を有する炭素原子のどちらか1個へのリンカー単位の結合は、選択肢として残っている。
【0064】
ナルメフェンもナルトレキソンも、強力なμ-オピオイドアンタゴニストである。構造上の唯一の違いは、ナルメフェンは、ナルトレキソンのケトン酸素原子の代わりにメチレン基を有する点である。したがって、ナルトレキソンのケトン酸素部位における大幅な構造の変更は、アンタゴニストの効力に大幅な影響を与えないとが仮定される。したがって、リンカーは、アンタゴニストの効力を大幅に低下させることなく、ナルメフェンのメチレン基に結合することができる。ナロキソンのカルボニル誘導体はよく知られており、対称アジン(=N-N=)、混合アジン(Schmidhammer, H.; Kaspar, F.; Marki, A.; Borsodi, A. Helv. Chim. Acta 1994, 77, 999)、ヒドラゾン(hydazone)(Hahn, E. F.; Itzhak, Y.; Nishimura, S.; Johnson, N.; Pasternak, G. W. J. Pharm. Exper. Therapeutics 1985, 235, 846〜50)、セミカルバゾンおよびチオセミカルバゾン誘導体(Kolb, V. M,; Koman, A.; Neil, A. Pharmaceutical Res. 1985, 6, 266〜71)が含まれる。ナロキソンのヒドラゾンであるナロキサゾン(Naloxazone)は、オピオイド受容体のμ-1サブクラスの非可逆的で選択性の長期作用性のアンタゴニストである(Pasternak, G. W.; Hahn, E. F. J. of Med. Chem. 1980, 23, 674〜6)。誘導体には、強力なμオピオイドアンタゴニストもあれば、強力なアゴニストもある。
【0065】
ナルトレキサミン(4)は、その第一級アミノ基が広範囲の他の分子に結合することによってリンクし、例えば蛍光オピオイド受容体親和性標識(Le Bourdonnec, B.; El Kouhen, R,; Lunzer, M. M.; Law, P. Y.; Loh, H. H.; Portoghese, P. S.; J. Med. Chem.; 2000; 43; 2489-2492)、広範囲の一連の非平衡オピオイドアゴニストおよびアンタゴニスト(Sayre, L. M.; Larson, D. L.; Takemori, A. E.; Portoghese, P. S. J. Med. Chem. 1984, 27, 1325)、および一連の強力な2価オピオイドアンタゴニスト(Erez, M.; Takemori, A. E,; Portoghese, P. S. J.Med. Chem. 1982, 25, 847-849)が生成される。したがって、ナルトレキサミンの第一級アミノ基は、リンカー部分の結合に適した部位を構成する。
【0066】
【化2】

【0067】
フルオキセチン(5)について限定されたSARが米国特許第4214081号に公表されている。N-メチルフルオキセチン(6)は、セロトニン再取り込みの阻害に対して、フルオキセチンに匹敵する効力および選択性を示す。したがって、リンカーのフルオキセチンの窒素原子への結合は、フルオキセチンそれ自体の効力および選択性の保持に帰結することができる。しかし、本開示は、フルオキセチン系列のSSRIに限定されない。パロキセチン(Dechant, K. L.; Clissold, S. P. Drugs, 1991, 41, 225〜253)、Kozikowskiらによって記載された2価SSRIのうちのどちらか1個(Tamiz, A. P.; Zhang, J.;, Zhang, M.; Wang, C. Z.; Johnson, K. M.; Kozikowski, A. P. J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 5393〜5394; Tamiz, A. P.; Bandyopadhyay, B. C.; Zhang, J.; Flippen-Anderson, J. L.; Zhang, M.; Wang, C. Z.; Johnson, K. M.; Tella, S.; Kozikowski, A. P. J. Med. Chem. 2001, 44, 1615〜1622)など様々なSSRI分子を利用して、本発明のヘテロ2価治療分子を構築できることが想定される。
【0068】
科学文献に報告されているリンカーの例には、メチレン(CH2)nリンカー(Hussey, S. L.; Muddana, S. S.; Peterson, B. R.; J. Am. Chem. Soc. 2003; 125; 3692〜3693; Tamiz, A. P.; Bandyopadhyay, B. C.; Zhang, J.; Flippen-Anderson, J. L.; Zhang, M.; Wang, C. Z; Johnson, K. M.; Tellar, S.; Kozikowski, A. P. J. Med. Chem. 2001, 44, 1615〜1622)、ナルトレキサミンを他のオピオイドにリンクさせるために使用するオリゴエチレンオキシO(-CH2CH2O-)n単位、オピオイドアンタゴニストとアゴニストを一緒にリンクさせるために使用する式-NH-(COCH2NH)nCOCH2CH2CO-(NHCH2CO)nNH-のグリシンオリゴマー((a)Portoghese, P. S.; Ronsisvalle, G.; Larson, D. L.; Yim, C. B.;Sayre, L. M.; Takemori, A. E. Life Sci. 1982, 31, 1283〜1286.(b)Portoghese, P. S.; Larson, D. L.; Sayre, L. M.; Yim, C. B.; Ronsisvalle, G.; Tam, S. W.; Takemori, A. E. J. Med. Chem. 1986, 29, 1855〜1861)、オピオイドペプチドを互いにリンクさせるために使用する親水性ジアミン(Stepinski, J.; Zajaczkowsld, I.; Kazem-Bek, D.; Temeriusz, A.; Lipkowski, A. W.; Tam, S. W. Internat. J. of Peptide & Protein Res. 1991, 38, 588〜92)、硬質二本鎖DNAスペーサ(Paar, J. M.; Harris, N. T.; Holowka, D.; Baird, B. J. Immunol. 2002, 169, 856〜864)、および生分解性リンカー
ポリ(L-乳酸)(Klok, H.-A.; Hwang, J. J.;Iyer, S. N.; Stupp, S. I. Macromolecules 2002, 35, 746〜759)が含まれる。つなぎ部分のアンタゴニストへの結合によって、アンタゴニストが好ましい結合配向を実現することができる。リンカーそれ自体は、生物分解性でもよいし、生物分解性でなくてもよい。リンカーは、プロドラッグの形を取ることができ、リンクされた医薬の最適な放出動力学に調整することができる。リンカーは、長さ全体にわたって立体配置的に柔軟とすることができ、そうでなければつなぎのセグメントを立体配置的に制限するように設計することもできる(Portoghese, P. S.; Ronsisvalle, G.; Larson, D. L.; Takemori, A. E. J. Med. Chem. 1986, 29, 1650〜1653)。
【0069】
下記のスキーム1では、ナルトレキソン(2)をリンキング反応で使用する。ウィッティヒ反応の結果として、二重結合がナルトレキソンのカルボニル基に置換する。最終結果は、フルオキセチンが、柔軟なメチレンリンカーで、ナルメフェン分子にナルメフェン二重結合を介してリンクしたものである。
【0070】
【化3】

【0071】
フルオキセチンを11-ブロモウンデカナール6(n=9)などのω-ブロモアルデヒドを用いて還元的アミノ化すると、ブロモアミン7(n=9)が得られる。これは、臭素原子をもつ炭素への遊離アミノ基の攻撃による好ましくない緩やかな大環状化副反応を防止するため、臭化水素酸塩として貯蔵するのが最も良い。7をトリフェニルホスフィンと反応させると、中間体のホスホニウム塩が得られ、これをブチルリチウムと反応させると、対応するイリド8(n=9)が生ずる。8とナルトレキソン(2)のケトン基とのウィッティヒ反応によって、今回はナルメフェン単位であるものにカップリングしたフルオキセチン単位を含む、リンクされた分子9が得られる。新たに導入された二重結合についてシス、トランスの異性体の予想された混合物は、標準的なクロマトグラフ手法によって分離可能である。フルオキセチンのラセミ体を使用する場合は、ナルトレキソンの単一のエナンチオマー2が使用されたため、9の2つの光学活性ジアステレオマーの混合物が生成する。(CH2)9リンカーは、異なるブロモアルデヒドから開始することによって、長さを変えることができ、かつ/または置換基を含むことができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子9は、生理的条件下にて安定である。オピオイドアンタゴニスト活性は、共有結合でリンクされたナルメフェン単位によるものであって、何らかの開裂反応の結果として放出された遊離ナルメフェンによるものではない。同様に、SSRI活性は、共有結合でリンクされたフルオキセチン単位によるものであって、および何らかの開裂反応の結果として放出された遊離フルオキセチンによるものではない。
【0072】
下記のスキーム2に示すように、ブロモアルデヒドがオリゴエチレングリコール誘導体である場合、類似の反応シーケンスを使用することができる。例えば、テトラエチレングリコール(10n=2)をブロミド11(n=2)に変換し、次いでSwern条件下でアルデヒド12(n=2)に酸化する。スキーム1においてアルデヒド6の代わりにアルデヒド12を使用すると、一連の非可逆的にリンクされた分子が得られ、このリンカーは、分子9のものよりも親水性である。オリゴエチレングリコール系列中でのイリドの生成、およびその後のウィッティヒ反応は、アルコキシ基のβ脱離を避けるために低温で実施する。フルオキセチンのラセミ体を使用する場合は、ナルトレキソンの単一のエナンチオマー2が使用されたため、13の2つの光学活性ジアステレオマーの混合物が生成する。(OCH2CH2)nリンカーは、異なるブロモアルデヒド12から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子13は、生理的条件下にて安定である。
【0073】
【化4】

【0074】
スキーム3では、使用できる様々なオリゴエチレングリコールの一例であるテトラエチレングリコールから開始する別のリンキング方法を示す。Sashiwaらの化学的方法(Sashiwa, H.; Shigemasa, Y.; Roy, R. Macromolecules 2000、33、6913)を適応して、テトラエチレングリコールをアセタール14(n=2)、続いてアルデヒド15に変換することができる。フルオキセチンをアルデヒド15で還元的アミノ化すると、フルオキセチン誘導体16が得られる。アジド16をアミン17に還元し、次いでナルトレキソンと還元的アミノ化すると、分子18が得られ、(αおよびβの異性体を分離した後)フルオキセチン単位が、柔軟なオリゴエチレンオキシ単位によってβ-ナルトレキサミンに非可逆的にリンクされる。フルオキセチンのラセミ体を使用する場合は、ナルトレキソンの単一のエナンチオマー2が使用されたため、18の2つの光学活性ジアステレオマーの混合物が生成する。(OCH2CH2)nリンカーは、異なるオリゴエチレングリコール10から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子18は、生理的条件下にて安定なはずである。
【0075】
【化5】

【0076】
スキーム4は、ナルメフェンのN-シクロプロピル基によってナルメフェンにリンクされたフルオキセチンの合成経路を示す。容易に利用できるt-ブチルジメチルシリルで保護されたノルオキシモルホン(19)を、モルヒネから合成し(Ninan, A.; Sainsbury, M. Tetrahedron 1992, 48, 6709〜16)、次いで市販のシクロプロパンカルボキサルデヒド20(Aldrich、大部分はトランス)を用いた還元的アミノ化反応にかけ、エステル21を得る。ウィッティヒメチレン化によって、エステル22が得られ、加水分解して、酸23を得る。酸23を適切なカルボジイミドで活性化し、次いでフルオキセチン誘導体17(スキーム3)をN-アシル化して25を得、これをBu4NFで脱保護して、新規分子26を得る。(OCH2CH2)nリンカーは、17の合成において異なるアルデヒドアジド15から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子26は、生理的条件下にて安定なはずである。
【0077】
あるいは、-78℃でDIBALを使用して、エステル22をアルデヒド24に還元することができる。アルデヒド24をアミン17で還元的アミノ化すると、TBDMS保護基を外した後に分子27が得られる。(OCH2CH2)nリンカーは、17の合成において異なるアルデヒドアジド15から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子27は、生理的条件下にて安定なはずである。
【0078】
【化6】

【0079】
上記のシーケンスにおいてウィッティヒメチレン化ステップを省略する場合は、26の類縁体、すなわちケトン体28が形成され、26のメチレン基がカルボニル基で置換される。結果は、化合物28の形の、ナルトレキソン単位が柔軟な親水性(CH2CH2O)nリンカーによってフルオキセチン単位にリンクされたものである。(OCH2CH2)nリンカーは、17の合成において異なるアルデヒドアジド15から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子28は、生理的条件下にて安定である。
【0080】
17の合成。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子28は、生理的条件下にて安定である。
【0081】
スキーム5は、リンカーの組合せ、すなわちPortogheseらによって開発された柔軟なグリシンベースのリンカー29と、上記のスキームで使用されたオリゴエチレングリコールリンカーを使用して、いかにしてフルオキセチンをβ-ナルトレキサミンにリンクさせることができるかを示している。したがって、適切なカルボジイミドで29のカルボキシルを活性化し、続いてβ-ナルトレキサミンとモノ縮合(monocondensation)すると、アミド30が得られる。30の活性化、続いてアミン17(スキーム3)を用いた縮合によって、分子31が得られる。Portogheseは、リンカー29およびβ-ナルトレキサミンから誘導された対称アミドは、有効なμ-オピオイド受容体アンタゴニストであることを報告している。-NH-(COCH2NH)n-1COCH2CH2CO-(NHCH2CO)nNH-リンカーは、30の合成において異なるグリシンベースのリンキング単位29から開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子31は、生理的条件下にて安定である。
【0082】
【化7】

【0083】
ブロミド7(スキーム1)を乾燥THF中でMgと反応させると、グリニャール試薬32が得られ、これをナルトレキソンのカルボニル基と反応させると、新たにできたキラル中心によって生成された2つのジアステレオマーを分離した後に、付加物33が得られる。付加物33は、柔軟なメチレンリンカーによってN-シクロプロピルメチル-ノルモルヒネ単位にリンクされたフルオキセチンセグメントを含む。(CH2)9リンカーは、ブロミド7の合成のために異なるブロモアルデヒドから開始することによって、長さを変えることができることは当技術分野の化学者なら認識するであろう。したがって、薬理的諸特性を最適化することができる。分子33は、生理的条件下にて安定である。
【0084】
【化8】

【0085】
上記のスキーム全体にわたって、フルオキセチンの代わりに、N-デスメチルフルオキセチン(34)、または他の任意のフルオキセチン誘導体を使用できるはずである。得られたリンクされたフルオキセチン単位は、フルオキセチンのメチル基が、リンカーの一部分である一層長い鎖に置換された点を除いて、フルオキセチンそれ自体のものと同一である。強塩基性試薬を使用しているために必要である場合、または分子の他の部分の第一級アミノ基への化学選択性が必要である場合、スキーム7に示すように、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル(SEM)基を使用することによって、中間体フルオキセチンの第二級アミノ基を保護することができる(Zeng, Z.; Zimmerman, S. C. Tetrahedron Lett. 1988, 29, 5123)。
【0086】
【化9】

【0087】
別の態様では、本発明は、上述の通り、オピオイドアンタゴニストと、正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動の増大を引き起こす化合物との組合せを含み、あるいは本明細書に記載するリンクされた分子、および生理的に許容できる担体、希釈液もしくは賦形剤、またはその組合せを含む医薬組成物に関する。
【0088】
「医薬組成物」という用語は、本発明の化合物と、希釈液や担体など他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、有機体への化合物の投与を容易にする。化合物を投与する複数の手法が当技術分野で存在し、これには経口、注射、エアロゾル、非経口、および塗布投与が含まれるが、これらに限定されない。医薬組成物は、化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸または有機酸と反応させることによって得ることもできる。
【0089】
「担体」という用語は、細胞または組織へのある化合物の組み込みを容易にする化合物と定義する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、有機体の細胞または組織への多くの有機化合物の取り込みを容易にするので一般に利用される担体である。
【0090】
「希釈液」という用語は、着目している化合物を溶解し且つ生物活性な形態の化合物を安定化する水で希釈された化合物と定義する。緩衝溶液に溶解した塩は、当技術分野で希釈液として利用される。一般に使用される緩衝溶液は、リン酸緩衝生理食塩水である。というのは、これがヒト血液の塩状態を模倣しているからである。緩衝塩は、低濃度で溶液のpHを制御することができるので、緩衝希釈液が化合物の生物活性を改質することはめったにない。
【0091】
「生理的に許容できる」という用語は、化合物の生物活性および特性を阻害しない担体または希釈液と定義する。
【0092】
本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、組合せ療法としてその他の活性成分と混合した医薬組成物又は担体若しくは希釈剤と混合した医薬組成物として、患者にそれ自体に、投与することができる。本出願の化合物の調製および投与方法は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA、18th edition、1990に出ている。
【0093】
適切な投与経路には、例えば経口、直腸、経粘膜、または腸管投与;筋肉内、皮下、静脈内、脊髄内注射、ならびにクモ膜下腔、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注入を含めて、非経口送達が含まれ得る。
【0094】
あるいは、化合物を、全身投与ではなく、例えば化合物を、しばしば埋め込み製剤または徐放性製剤として腎臓または心臓領域に直接注射することによって局所投与することができる。さらに、薬物を薬物送達システムで、例えば、組織特異的抗体で被覆されたリポソームで投与することができる。リポソームは、その器官を標的とし、それによって選択的に取り込まれる。
【0095】
本発明の医薬組成物は、それ自体周知の方式で、例えば通常の混合、溶解、造粒、糖衣化、分級、乳化、カプセル化、エントラッピング、または打錠プロセスによって製造することができる。
【0096】
したがって、本発明による使用のための医薬組成物は、通常の方式で、有効化合物を医薬として使用できる製剤に加工するのを促進する賦形剤および添加剤(添加剤)を含む1つまたは複数の生理的に許容できる担体を使用して配合することができる。適切な製剤は、選択された投与経路に応じて異なる。当技術分野、例えば、上記のRemington's Pharmaceutical Sciencesにおいて適切でかつ理解されたものとして周知の技法、担体、および賦形剤のいずれでも、使用することができる。
【0097】
注入の場合、本発明の作用物質を、水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液、生理食塩緩衝液などの生理学的適合性緩衝液中に配合することができる。経粘膜投与の場合、浸透対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。このような浸透剤は、一般に当技術分野で周知である。
【0098】
経口投与の場合、化合物は、活性化合物を、当技術分野でよく知られた医薬として許容できる担体と組み合わせることによって容易に配合されうる。このような担体によって、本発明の化合物を、治療対象患者による経口摂取用の錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ジェル、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などとして配合することができる。経口用途の製剤は、1つまたは複数の固体賦形剤を本発明の医薬組合せと混合し、場合によっては得られた混合物を粉砕し、望むなら、錠剤または糖衣錠核を得るために適切な添加剤を加えた後に、顆粒の混合物を加工することによって得ることができる。適切な賦形剤は、特に乳糖、ショ糖、マンニトール、またはソルビトールを含めた糖;例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの充填剤である。望むなら、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはそれらの塩等、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加することができる。
【0099】
糖衣錠核に、適切なコーティングを施す。この目的のため、濃縮された糖溶液を使用することができ、これはアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールジェル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を場合によっては含むことがある。錠剤または糖衣錠コーティングに、識別のため、または有効化合物用量の異なる組合せを特徴付けるために染料または顔料を、添加してもよい。
【0100】
経口使用できる医薬製剤には、ゼラチンで作製された押し込み型カプセル剤、ならびにグリセロール、ソルビトールなどゼラチンおよび可塑剤で作製された密封軟質カプセル剤が含まれる。押し込み型カプセル剤は、混合物中に有効成分を、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合材、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウム滑沢剤、場合によっては安定化剤とともに含有することができる。軟質カプセル剤では、有効化合物は、脂肪油、流動パラフィン、液状ポリエチレングリコールなどの適切な液剤中に溶解または懸濁することができる。さらに、安定化剤を添加することもできる。経口投与用製剤のすべては、このような投与に適した用量にすべきである。
【0101】
口腔投与の場合、組成物は、通常の方式で調製した錠剤またはトローチの形をなすことができる。
【0102】
吸入投与の場合、本発明に従って使用する化合物は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切なガスを使用して、加圧パックからのエアロゾルスプレー、または噴霧器の形で送達されることが好都合である。加圧エアロゾルの場合は、用量単位は、定量を送るためにの弁を備えることによって決定することができる。吸入器または注入器で使用するための、例えばゼラチンのカプセル剤およびカートリッジは、この化合物と、乳糖またはデンプンなど適切な粉末基材との粉末ミックスを含有させて調製することができる。
【0103】
注射、例えばボーラス注射または持続点滴による非経口投与用の化合物を調製することができる。注射製剤は、単位投与形態、例えばアンプルまたは多回投与用容器で、防腐剤を添加して提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中での懸濁剤、溶液またはエマルションの形となることができ、また懸濁化剤、安定剤、および/または分散剤などの調製剤を含むことができる。
【0104】
非経口投与用の製剤には、水溶性の形態の活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁剤を、適切な油性の注射懸濁剤として調製することができる。適切な親油性の溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルやトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。水性注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、デキストランなどの懸濁剤の粘度を上昇させる物質を含むことができる。場合によっては、懸濁剤は、適切な安定化剤、または化合物の溶解性を上昇させて、非常に濃度の高い溶液の調製を可能にする薬剤を含んでもよい。
【0105】
あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌された発熱性物質のない水と組み合わせる散剤の形とすることができる。
【0106】
化合物は、例えばココアバターや他のグリセリドなど通常の坐剤基剤を含有する、坐剤または停留浣腸などの直腸用組成物として調製することもできる。
【0107】
先に記載した製剤に加えて、化合物を埋め込み製剤として調製することもできる。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内)によって、あるいは筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、化合物を、適切なポリマーまたは疎水性材料(例えば、許容できるオイル中のエマルション)、またはイオン交換樹脂とともに調製する、あるいはわずかに可溶な誘導体、例えばわずかに可溶な塩として調製することができる。
【0108】
本発明の疎水性化合物向けの製剤用担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、および水相を含む共溶媒系である。使用する一般的な共溶媒系は、VPD共溶媒系であり、3%w/vベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤Polysorbate 80(登録商標)、および65%w/vポリエチレングリコール300に無水エタノールで定容とした溶液である。言うまでも無く、共溶媒系のこの割合は、その溶解性および毒性の特性を破壊することなく大幅に変化させることができる。さらに、共溶媒成分の実体を変化させることができる。例えば、他の低毒性非極性界面活性剤を、POLYSORBATE 80(登録商標)の代わりに使用することができる。ポリエチレングリコールの比率を変えることができる。他の生体適合性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンは、ポリエチレングリコール、に置き換わることができる。および他の糖または多糖類を、デキストロースの代わりに使用することもできる。
【0109】
あるいは、疎水性医薬化合物用の他の送達システムを使用することもできる。リポソームおよびエマルションは、疎水性薬物用の送達ビヒクルまたは担体の周知の例である。ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒は、通常は毒性がより高いという点を耐えなければならないが、使用することもできる。さらに、化合物は、治療薬を含有する疎水性固体ポリマーの半透過性マトリックスなどの徐放性システムを使用して送達することができる。様々な徐放性材料は確立されたものであり、当業者にはよく知られている。徐放性カプセル剤は、その化学的性質に応じて数週間から最高100日まで化合物を放出する。治療剤の化学的性質、および生物学的安定性に応じて、タンパク質の安定化のための追加の戦略を使用することができる。
【0110】
本発明の医薬組合せで使用する化合物の多くは、医薬として適合できる対イオンを有する塩として提供することができる。医薬として適合できる塩は、多数の酸と一緒になって形成することができ、この酸には、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸が含まれるがこれらに限定されない。塩は対応する遊離の酸または塩基の形より、水性溶媒または別のプロトン性溶媒に可溶性となる傾向にある。
【0111】
本発明に使用するのに適した医薬組成物には、活性成分が、その意図された目的を実現するのに有効な量で含まれている組成物が含まれる。より具体的には、治療上有効量は、疾病の症状を予防し、緩和しまたは改善する、あるいは治療対象の生存を延長するのに有効な、化合物の量を意味する。治療上有効量の決定は、特に本明細書で提供した詳細な開示を考慮に入れれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0112】
本発明の医薬組成物のための正確な処方、投与経路および用法は、患者の状態を考慮して、個々の医師によって選択されることができる。(例えば、Finglら、1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、Ch. 1 p. 1中を参照のこと)。通常は、患者に投与される組成物の用量範囲は、患者体重1kg当たり約0.5〜1000mgとすることができる。用法は、患者の必要に応じて、1日または数日の間に、単回投与または2回以上の連続投与とすることができる。この開示で述べた具体的な化合物のほとんどすべてについて、少なくとも何らかの状態の治療のためのヒトにおける用量が確立していることに留意されたい。したがって、大半の場合、本発明は、それと同じ用量、あるいはその確立されたヒトにおける用量の約0.1%〜500%、より好ましくは約25%〜250%の用量を使用する。ヒトにおける用量が確立していない場合は、新たに発見された医薬化合物と同様にして、ヒトにおける適切な用量を、ED50またはID50値から、あるいは動物における毒性研究および有効性研究によって適格と認められたようなin vitroまたはin vivo研究に由来する他の適切な値から推定することができる。
【0113】
正確な用量は薬物ごとに決まるものであるが、大半の場合、用量に関して何らかの一般法則化をすることができる。ヒト成人患者の場合の1日の用法は、本発明の医薬組成物の各成分、または遊離塩基として計算した医薬として許容できるその塩を、組成物を1〜4回/日投与して、例えば経口投与の場合、各成分が0.1mg〜500mg、好ましくは1mg〜250mg、例えば5〜200mg、あるいは静脈内、皮下、または筋肉内投与の場合、各成分が0.01mg〜100mg、好ましくは0.1mg〜60mg、例えば1〜40mgとすることができる。あるいは、本発明の組成物は、静脈内持続点滴で、好ましくは各成分の1日用量最高400mgで投与することができる。したがって、各成分の経口投与の1日の総用量は、通常は1〜2000mgの範囲となり、非経口投与の1日の総用量は、通常は0.1〜400mgの範囲となる。好適には、化合物を連続療法の期間、例えば1週間以上、あるいは何カ月間かまたは何年間か投与する。
【0114】
投与量および間隔は、その調節効果、または最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分な活性部分の血漿レベルを提供するように個別に調整することができる。MECは、各化合物に応じて異なるが、in vitroデータから推定することができる。MECを実現するのに必要な用量は、個々の特性、および投与経路に応じて異なる。しかし、HPLC分析またはバイオアッセイを使用して、血漿濃度を決定することができる。
【0115】
投与間隔は、MEC値を使用して決定することもできる。組成物は、その期間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%の間、血漿レベルをMECより高く維持するレジメンを使用して投与すべきである。
【0116】
局所投与または選択的取り込みの場合、薬物の局所有効濃度は、血漿濃度に関係しないことがある。
【0117】
組成物の投与量は、もちろん、治療対象、対象の体重、病気の重傷度、投与方法、および処方する医師の判断に依存する。
【0118】
組成物は、所望に応じ、活性成分を含有する1つまたは複数の単位投与形態を含むことができる包装またはディスペンサ装置とすることができる。包装は、例えばPTP包装など金属またはプラスチック箔を含むことができる。包装またはディスペンサ装置は、投与指示書が添付されていることがある。包装またはディスペンサには、医薬品の製造、用途または販売を規制する政府機関によって規定されたフォームの容器に関連する注意書きが添付されていることがあり、この注意書きは、政府機関のヒトまたは動物への投与用の薬物の形についての承認を反映するものである。このような注意書きは、例えば米国食品医薬品局によって承認された処方薬に関する表示、すなわち承認済み製品添付文書とすることができる。適合性医薬用担体中に配合された本発明の化合物を含む組成物は、適応状態の適した容器を用いて調製し、配置し、治療用の表示をすることができる。
【0119】
本発明の精神から逸脱することなく、多数の様々な修正を行うことができることが、当業者には理解できよう。したがって、本発明の形態は、例示であって、本発明の範囲を限定するものではないことを明確に理解されたい。
【0120】
本発明の実施形態
本発明の実施形態のいくつかは、以下の通りである。
【0121】
第1の実施形態では、本発明は、第1の化合物および第2の化合物を含む、体重減少に影響を与えるための組成物であって、前記第1の化合物がオピオイドアンタゴニストであり、前記第2の化合物が、正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動を増大させる組成物に関する。
【0122】
第2の実施形態では、本発明は、前記オピオイドアンタゴニストが哺乳動物におけるオピオイド受容体に拮抗する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0123】
第3の実施形態では、本発明は、前記オピオイド受容体が、μ-オピオイド受容体(MOP-R)、κ-オピオイド受容体、およびδ-オピオイド受容体から選択される上記第2の実施形態の組成物に関する。
【0124】
第4の実施形態では、本発明は、前記オピオイドアンタゴニストが哺乳動物におけるμ-オピオイド受容体(MOP-R)に拮抗する上記第2の実施形態の組成物に関する。
【0125】
第5の実施形態では、本発明は、前記オピオイドアンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0126】
第6の実施形態では、本発明は、前記オピオイドアンタゴニストが部分的オピオイドアゴニストである上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0127】
第7の実施形態では、本発明は、前記部分的オピオイドアゴニストが、ペンタコジン、ブプレノルフィン、ナロルフィン、プロピラム,およびロフェキシジンからなる群から選択される上記第6の実施形態の組成物に関する。
【0128】
第8の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物は、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)の放出の引き金となる上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0129】
第9の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、視床下部の細胞外セロトニン濃度を上昇させる上記第8の実施形態の組成物に関する。
【0130】
第10の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、およびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される上記第9の実施形態の組成物に関する。
【0131】
第11の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される上記第10の実施形態の組成物に関する。
【0132】
第12の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、AgRP遺伝子の発現、またはアグーチ関連タンパク(AgRP)の生成もしくは放出を抑制する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0133】
第13の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0134】
第14の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、NPY遺伝子の発現、または神経ペプチドY(NPY)の生成もしくは放出を抑制する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0135】
第15の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、NPYを発現するニューロンの活性を抑制する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0136】
第16の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、NPY Y1受容体アンタゴニスト、グレリンアンタゴニスト、およびレプチンからなる群から選択される上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0137】
第17の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、NPY Y2受容体に拮抗する上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0138】
第18の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害剤、GABA受容体アンタゴニスト、およびGABAチャネルアンタゴニストからなる群から選択される上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0139】
第19の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、スマトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾミトリプタン、およびエリトリプタンから選択することができる5-HT1bアゴニストである上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0140】
第20の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、AgRP遺伝子の発現を抑制する上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0141】
第21の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、AgRPの生成もしくは放出を抑制する上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0142】
第22の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、POMC遺伝子の発現を増大させる上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0143】
第23の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンからのα-MSHの生成もしくは放出を増大させる上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0144】
第24の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、POMC発現ニューロンの活性を増大させる上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0145】
第25の実施形態では、本発明は、GABA阻害剤がトピラメートである上記第18の実施形態の組成物に関する。
【0146】
第26の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物がドーパミン再取り込み阻害剤である上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0147】
第27の実施形態では、本発明は、前記ドーパミン再取り込み阻害剤がフェンテルミンである上記第26の実施形態の組成物に関する。
【0148】
第28の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物がノルエピネフリン再取り込み阻害剤である上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0149】
第29の実施形態では、本発明は、前記ノルエピネフリン再取り込み阻害剤が、ブプロピオン、チオニソキセチン、およびレボキセチンから選択される上記第28の実施形態の組成物に関する。
【0150】
第30の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物がドーパミンアゴニストである上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0151】
第31の実施形態では、本発明は、前記ドーパミンアゴニストが、カベルゴリン、アマンタジン、リスリド、ペルゴリド、ロピニロール、プラミペキソール、およびブロモクリプチンからなる群から選択される上記第30の実施形態の組成物に関する。
【0152】
第32の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物がノルエピネフリン遊離剤である上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0153】
第33の実施形態では、本発明は、前記ノルエピネフリン遊離剤が、ジエチルプロピオンである上記第32の実施形態の組成物に関する。
【0154】
第34の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、ドーパミン再取り込み阻害剤とノルエピネフリン再取り込み阻害剤の組合せである第1の実施形態の組成物に関する。
【0155】
第35の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、ブプロピオンおよびマジンドールから選択される上記第34の実施形態の組成物に関する。
【0156】
第36の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、SSRIとノルエピネフリン再取り込み阻害剤の組合せである上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0157】
第37の実施形態では、本発明は、前記第2の化合物が、シブトラミン、ベンラファキシン,およびデュロキセチンから選択される上記第36の実施形態の組成物に関する。
【0158】
第38の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物がナルトレキソンであり、前記第2の化合物がフルオキセチンである上記第1の実施形態の組成物に関する。
【0159】
第39の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンが持効性製剤として存在し、フルオキセチンが速放性製剤として存在する上記第38の実施形態の組成物に関する。
【0160】
第40の実施形態では、本発明は、その必要がある個体を特定し、その個体をオピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む体重減少に影響を与える方法に関する。
【0161】
第41の実施形態では、本発明は、前記個体が、25を超える体格指数を有する上記第40の実施形態の方法に関する。
【0162】
第42の実施形態では、本発明は、オピオイド受容体活性が、オピオイド受容体アンタゴニストの投与によって拮抗される上記第40の実施形態の方法に関する。
【0163】
第43の実施形態では、本発明は、オピオイド受容体アンタゴニストがMOP受容体アンタゴニストである上記第42の実施形態の方法に関する。
【0164】
第44の実施形態では、本発明は、オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される上記第40の実施形態の方法に関する。
【0165】
第45の実施形態では、本発明は、前記オピオイド受容体アンタゴニストが部分的オピオイドアゴニストである上記第42の実施形態の方法に関する。
【0166】
第46の実施形態では、本発明は、前記部分的オピオイドアゴニストが、ペンタコジン、ブプレノルフィン、ナロルフィン、プロピラム、およびロフェキシジンからなる群から選択される上記第45の実施形態の方法に関する。
【0167】
第47の実施形態では、本発明は、α-MSHの放出の引き金となりまたはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる化合物によって、α-MSH活性が増強される上記第40から第45の実施形態の方法に関する。
【0168】
第48の実施形態では、本発明は、前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、または特異的5-HT受容体アゴニストである上記第47の実施形態の方法に関する。
【0169】
第49の実施形態では、本発明は、前記5-HT受容体が、5-HT1b受容体および5-HT2c受容体から選択される上記第48の実施形態の方法に関する。
【0170】
第50の実施形態では、本発明は、前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、およびベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される上記第48の実施形態の方法に関する。
【0171】
第51の実施形態では、本発明は、前記化合物が、γ-アミノ酪酸(GABA)阻害剤である上記第47の実施形態の方法に関する。
【0172】
第52の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、5-HT1b受容体アゴニストである上記第51の実施形態の方法に関する。
【0173】
第53の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、AgRP遺伝子の発現を抑制する上記第51の実施形態の方法に関する。
【0174】
第54の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、AgRPの生成もしくは放出を抑制する上記第51の実施形態の方法に関する。
【0175】
第55の実施形態では、本発明は、前記5-HTアゴニストがNPY/AgRP/GABAニューロンを阻害する上記第48の実施形態の方法に関する。
【0176】
第56の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤が、AgRPを発現するニューロンの活性を抑制する上記第51の実施形態の方法に関する。
【0177】
第57の実施形態では、本発明は、前記GABA阻害剤がトピラメートである上記第51の実施形態の方法に関する。
【0178】
第58の実施形態では、本発明は、前記化合物が、ドーパミン再取り込み阻害剤、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、ドーパミンアゴニスト、ノルエピネフリン遊離剤、ドーパミン再取り込み阻害剤とノルエピネフリン再取り込み阻害剤との組合せ、およびSSRIとノルエピネフリン再取り込み阻害剤との組合せからなる群から選択される上記第47の実施形態の方法に関する。
【0179】
第59の実施形態では、本発明は、前記化合物がフェンテルミンでない上記第58の実施形態の方法に関する。
【0180】
第60の実施形態では、本発明は、個体がプラダーウィリー症候群にかかっていないことを条件とする上記第40の実施形態の方法に関する。
【0181】
第61の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンを使用してオピオイド受容体が拮抗される場合は、α-MSHの放出がフルオキセチンによって刺激されないことを条件とする上記第40の実施形態の方法に関する。
【0182】
第62の実施形態では、本発明は、前記治療ステップが、前記個体に、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を投与するステップを含む上記第40の実施形態の方法に関する。
【0183】
第63の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物をほぼ同時に投与する上記第62の実施形態の方法に関する。
【0184】
第64の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の前に投与する上記第63の実施形態の方法に関する。
【0185】
第65の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の後に投与する上記第63の実施形態の方法に関する。
【0186】
第66の実施形態では、本発明は、個体における満腹感を増大させる方法であって、その必要がある個体を特定し、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む方法に関する。
【0187】
第67の実施形態では、本発明は、前記治療ステップが、前記個体に、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を投与するステップを含む上記第66の実施形態の方法に関する。
【0188】
第68の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物をほぼ同時に投与する上記第67の実施形態の方法に関する。
【0189】
第69の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の前に投与する上記第67の実施形態の方法に関する。
【0190】
第70の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の後に投与する上記第67の実施形態の方法に関する。
【0191】
第71の実施形態では、本発明は、その必要がある個体を特定し、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む個体におけるエネルギー消費を増大させる方法に関する。
【0192】
第72の実施形態では、本発明は、前記治療ステップが、前記個体に、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を投与するステップを含む上記第71の実施形態の方法に関する。
【0193】
第73の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物をほぼ同時に投与する上記第72の実施形態の方法に関する。
【0194】
第74の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の前に投与する上記第72の実施形態の方法に関する。
【0195】
第75の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の後に投与する上記第72の実施形態の方法に関する。
【0196】
第76の実施形態では、本発明は、その必要がある個体を特定し、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるよう治療するステップを含む個体の食欲を抑制する方法に関する。
【0197】
第77の実施形態では、本発明は、前記治療ステップが、前記個体に、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物、およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を投与するステップを含む上記第76の実施形態の方法に関する。
【0198】
第78の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物および前記第2の化合物をほぼ同時に投与する上記第77の実施形態の方法に関する。
【0199】
第79の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の前に投与する上記第77の実施形態の方法に関する。
【0200】
第80の実施形態では、本発明は、前記第1の化合物を前記第2の化合物の後に投与する上記第77の実施形態の方法に関する。
【0201】
第81の実施形態では、本発明は、その必要がある個体を特定し、その個体を、ナルトレキソンとフルオキセチンの組合せで治療するステップを含む個体における体重減少に影響を与える方法であって、ただし、その個体がプラダーウィリー症候群または暴食障害患者にかかっていないことを条件とする方法に関する。
【0202】
第82の実施形態では、本発明は、個体が30を超えるBMIを有する上記第81の実施形態の方法に関する。
【0203】
第83の実施形態では、本発明は、個体が25を超えるBMIを有する上記第81の実施形態の方法に関する。
【0204】
第84の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンが持効性製剤として存在し、フルオキセチンが速放性製剤として存在する上記第81の実施形態の方法に関する。
【0205】
第85の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンとフルオキセチンの両方の血漿濃度レベルが、同様な濃度プロファイルに従う上記第84の実施形態の方法に関する。
【0206】
第86の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンとフルオキセチンを実質的に同時に投与する上記第84の実施形態の方法に関する。
【0207】
第87の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンをフルオキセチンの前に投与する上記第84の実施形態の方法に関する。
【0208】
第88の実施形態では、本発明は、ナルトレキソンをフルオキセチンの後に投与する上記第84の実施形態の方法に関する。
【0209】
(実施例)
以下の実施例は非限定的であり、本発明の様々な態様を単に代表するものである。
【0210】
(実施例1)
フルオキセチンとナルトレキソンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、ナルトレキソンの50mgの錠剤を1日1錠に加えて、フルオキセチン(PROZAC(登録商標))の20mgの錠剤を1日1錠服用するように指導する。
【0211】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が初期体重の10%という速度で体重減少するように、6カ月ごとに用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0212】
初回用量が有効でない場合、フルオキセチン用量を1日20mg増量することができるが、全量が1日80mgを超えないものとする。初回用量が上記の速度より迅速な体重減少をもたらす場合、フルオキセチンまたはナルトレキソンのそれぞれの用量を減量することができる。
【0213】
生理的半減期は、フルオキセチンが約9時間であり、ナルトレキソンが約1.5時間である。したがって、場合によっては、フルオキセチンを1日1回投与するとともに、ナルトレキソンを1日2回または3回、またはそれ以上投与することが有益である。ナルトレキソンは1日1回投与されるが、ナルトレキソンは、終日または12時間の間に徐々に血流に入る持効性製剤とすることもできる。
【0214】
(実施例2)
フルオキセチンとナルメフェンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、フルオキセチン(PROZAC(登録商標))の20mgの錠剤を1日1錠服用するように指導する。さらに、各個体に、食塩液1mL中ナルメフェン100μgの溶液1mLを静脈内、筋肉内、または皮下注射する。
【0215】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が初期体重の10%という速度で体重減少するように、6カ月ごとに用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0216】
初回用量が有効でない場合、フルオキセチン用量を1日20mg増量することができるが、全量が1日80mgを超えないものとする。さらに、ナルメフェンの用量を、食塩液1mL中ナルメフェン1mgの溶液2mLまで増やすことができる。初回用量が上記の速度より迅速な体重減少をもたらす場合、フルオキセチンまたはナルメフェンのそれぞれの用量を減量することができる。
【0217】
(実施例3)
フルオキセチンとナロキソンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、フルオキセチン(PROZAC(登録商標))の20mgの錠剤を1日1錠服用するように指導する。さらに、各個体に、食塩液1mL中ナロキソン400μgの溶液1mLを静脈内、筋肉内、または皮下注射する。
【0218】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が初期体重の10%という速度で体重減少するように、6カ月ごとに用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0219】
初回用量が有効でない場合、フルオキセチン用量を1日20mg増量することができるが、全量が1日80mgを超えないものとする。初回用量が上記の速度より迅速な体重減少をもたらす場合、フルオキセチンまたはナルメフェンのそれぞれの用量を減量することができる。
【0220】
(実施例4)
オピオイドアンタゴニストおよびシブトラミンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、ナルメフェン、ナルトレキソン、またはナロキソンを実施例1〜3に記載された用量で服用するように指導する。さらに、各個体に、シブトラミン10mgも1日1回経口服用するように指導する。
【0221】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が初期体重の10%という速度で体重減少するように、6カ月ごとに用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0222】
初回用量が有効でない場合、シブトラミン用量を1日15mg増量することができる。1日15mgを超えるシブトラミン用量は推奨されない。初回用量が上記の速度より迅速な体重減少をもたらす場合、シブトラミン、ナルメフェン、ナルトレキソン、またはナロキソンのそれぞれの用量を減量することができる。
【0223】
(実施例5)
オピオイドアンタゴニストおよびブプロピオンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、ナルメフェン、ナルトレキソン、またはナロキソンを実施例1〜3に記載された用量で服用するように指導する。さらに、各個体にブプロピオンを服用するように指導する。通常の成人用量は、1日3回で、1日300mg投与する。用量は、1回100mgを1日2回で、1日200mg投与で開始すべきである。臨床応答に基づいて、この用量を、1回100mgを1日3回で、1日300mgまで増量することができる。1回の用量は、150mgを超えないこととする。
【0224】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が6カ月ごとに初期体重の10%という速度で体重減少するように、用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0225】
(実施例6)
オピオイドアンタゴニストとフェンテルミンの組合せ:
BMIが25を超える個体を特定する。各個体に、ナルメフェン、ナルトレキソン、またはナロキソンを実施例1〜3に記載された用量で服用するように指導する。さらに、各個体に、フェンテルミン37.5mgも1日1回経口服用するように指導する。
【0226】
個体を数カ月間モニタリングする。各個体が初期体重の10%という速度で体重減少するように、6カ月ごとに用量を調整することが推奨される。しかし、各個体の体重減少の速度は、治療を行う医師が個体の特殊なニーズに基づいて調整することができる。
【0227】
(実施例7)
ナルトレキソンとの組合せ:
6群による多施設共同盲検無作為プラセボ対照臨床試験では、以下の薬物組合せを試験する。
・第1群:フルオキセチン 60mg 1日1回経口投与、およびナルトレキソン 50mg 1日1回経口投与
・第2群:フルオキセチン 60mg 1日1回経口投与、およびN-プラセボ 1日1回経口投与
・第3群:ブプロピオン-SR 150mg 1日2回経口投与、およびナルトレキソン 50mg 1日1回経口投与
・第4群:ブプロピオン-SR 150mg 1日2回経口投与、およびN-プラセボ 1日1回経口投与
・第5群:P-プラセボ 1日2回経口投与、およびナルトレキソン 50mg 1日1回経口投与
・第6群:P-プラセボ 1日2回経口投与、およびN-プラセボ 1日1回経口投与
【0228】
上記の群のいずれにおいても、フルオキセチン用量は、6mg〜60mgの範囲、例えば6mg、10mg、12mg、18mg、20mg、24mg、30mg、36mg、40mg、42mg、45mg、48mg、54mg、および60mgとすることができる。ブプロピオンは、30mg〜300mgの範囲の用量、例えば30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、および300mgで投与することができる。ナルトレキソンは、5mg〜50mgの範囲の用量、例えば5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、および50mgで投与することができる。
【0229】
この試験中、対象は外来患者として評価する。この試験の全対象に、食餌に関する指示、活動を高めるための行動修正に関する助言および指示、体重減少をもたらすことが知られている養生法を与える。対象は無作為化されて、試験薬物を様々な組合せで服用する。
【0230】
併用療法の安全性に関する追加のデータを提供する延長投与期間のために、16週目に、第5群および6群の対象を、フルオキセチンおよびナルトレキソンまたはブプロピオンSRおよびナルトレキソンの投与についてクロスオーバーさせる。
【0231】
主要評価項目は、開始時からの第16週の時点での体重の百分率および絶対変化である。副次的評価項目には、第24、36、および48週の時点での体重減少、少なくとも5%の体重減少および10%の体重減少(回答者の分析)を実現した対象の数および比率、肥満に関連する心血管系危険因子(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、グルコースおよびインスリン)およびウエスト回りの変化、および安全性と忍容性が含まれる。有害事象、実験室用パラメータ、バイタルサイン、および病院不安うつ病(Hospital Anxiety and Depression)(HAD)尺度を使用して、安全性および忍容性をモニタリングする。
【0232】
(実施例8)
用量反応実験:
実験前の1週間、体重22〜30gの4週齢のC57B/16J系の雄マウス(Jackson Laboratory)70匹に0.9%生理食塩液(pH7.4)を1日0.1mL擬似的注射した。実験の前日に、マウスの体重を計測、体重の対応する7用量群(フルオキセチンの場合、0、1.5、3、5.5、10、18、および30mg/kg;n=10/群;ナルトレキソンの場合、0、1.5、3、5.5、10、18,および30mg/kg;n=3/群)のうちの1つに無作為化した。実験の前日の午後4時半から5時半の間、飼料を取り除いた。午前9時から10時半の間に、動物に、0.3mLのボーラス(フルオキセチン)、または0.1mLのボーラス(ナルトレキソン)を腹腔内注射し、注射の直後に摂餌させた。各試験日に、マウス3匹/群に注射を行った(すなわち、3匹/群を3回;1匹/群を1回)。注射の1、2、4、8、および24時間後に、飼料を計量した。累積摂飼量±SEMを計算し、Prizmを使用して分析した。これらの数値ではSEMは、0.0041〜0.26であることが判明した。用量を対数変換すると、S字状曲線となった。摂飼量は、生理食塩液処理した動物の摂飼量に対する比率として表した。この曲線から、それぞれの時点での各薬物のEC50を決定した。
【0233】
フルボキサミンとナルメフェン、およびブプロピオンとナルトレキソンを使用して、上記に記載したのと同様な手順に従った。
【0234】
結果を下記の表に示す
【0235】
【表1】

【0236】
(実施例9)
電気生理学的データ:
薬物が選択的にPOMCニューロンを活性化しているという仮定を試験するために、緑色蛍光タンパク質(EGFP、Clontech)を発現するトランスジェニックマウスの系統を、正確なニューロン発現に必要とされる-13kbから-2kbに位置する領域を含むマウスPomcゲノム配列の転写調節下にて使用した。Bright緑色蛍光(509nm)がPOMCが生成される2つのCNS領域:ARCおよび孤束核で見られた。紫外線(450〜480nm)励起下にて、POMCニューロンが、赤外光学装置によって可視化された隣接する非蛍光ニューロンから明確に識別された。
【0237】
厚さ200μmの冠状スライスを、4週齢のPOMC-EGFP雄マウスのARCから切り出した。スライスをクレブス液中35℃で維持し(NaCl(126mM)、KCl(2.5mM)、MgCl291.2mM)、CaC12・2H2O(2.4mM)、NaH2PO4・H2O(1.2mM)、NaHCO3(21.4mM)、グルコース(11.1mM))、記録する前に1時間、95%O2および5%CO2で飽和した。クレブス液中35℃で記録を行った。スライスをAxioskop FS2プラス(Zeiss)上で、標準赤外光学装置で、またエピ蛍光を用いて、FITC(ロングパス)フィルタセットで可視化した。視床下部スライス中のPOMC-EGFPニューロンは、静止膜電位が-40〜-45mVであり、周波数の高い自発性活動電位を示した。Axopatch 200B増幅器(Axon Instruments)、およびClampex 8(Axon Instruments)を使用して、細胞接着型記録を蛍光ニューロンで行った。活動電位周波数は、イベント検出プログラム(Mini Analysis; Synaptosoft Inc.、Decatur、GA)を使用して決定した。薬物を浴に3分間適用した。
【0238】
薬物添加前の500秒間、平均発火頻度を決定し、この周波数に対する処理を分析する(すなわち、発火頻度を前処理周波数に対して正規化する)ことによって、データを解析した。組合せについて挙げた比率は、ナルトレキソン単独に対する、POMC活性化剤との組合せにおけるナルトレキソンの効果の比である(それは、ナルトレキソンがPOMC活性化剤に付与した特別な有効性である)。薬物単独の平均効果も記載している。
【0239】
フェンフルラミン 2X増加(n=6)
フェンフルラミン+ナルトレキソン 5.2X(n=8)
フルオキセチン 3X(n=l)
フルオキセチン+ナルトレキソン 1.2X(n=1)
ドーパミン 11X(n=9)
ドーパミン+ナルトレキソン 1.5X(n=3)
【0240】
ナルトレキソン単独の効果は、強力(7X)ではあるが変わりやすい。細胞の多くは、ナルトレキソン単独には応答しなかったが、組合せ治療には有意な応答を提供した。Heislerら(Science 297(5581):609-11 (2002))は、フェンフルラミン単独で200%の効果を引き起こすことを示している。
【0241】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の化合物および第2の化合物を含む体重減少に影響を与えるための組成物であって、前記第1の化合物はオピオイドアンタゴニストであり、前記第2の化合物は正常な生理的条件に比べて、メラノコルチン3受容体(MC3-R)またはメラノコルチン4受容体(MC4-R)の作動を増大させる組成物。
【請求項2】
前記オピオイドアンタゴニストが、μ-オピオイド受容体(MOP-R)、κ-オピオイド受容体、およびδ-オピオイド受容体から選択されるオピオイド受容体に拮抗する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記オピオイドアンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記第2の化合物が、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)の放出の引き金となる請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記第2の化合物が、視床下部中の細胞外セロトニン濃度を上昇させる請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記第2の化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン2Cアゴニスト、およびセロトニン1Bアゴニストからなる群から選択される請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記第2の化合物が、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記第1の化合物がナルトレキソンであり、前記第2の化合物がフルオキセチンである請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記第1の化合物がナルトレキソンであり、前記第2の化合物がブプロピオンである請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
体重減少に影響を与える方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む方法。
【請求項11】
前記個体が、25を超える体格指数を有する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
オピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、オピオイド受容体活性が拮抗される請求項10に記載の方法。
【請求項13】
オピオイド受容体アンタゴニストがMOP受容体アンタゴニストである請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項10に記載の方法。
【請求項15】
α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる化合物を投与することによって、α-MSH活性を増強させる請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSR)、または特異的5-HT受容体アゴニストである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の化合物と前記第2の化合物を、ほぼ同時に投与する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記個体が、うつ病、プラダーウィリー症候群、または暴食障害に罹患していない請求項10に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の化合物および第2の化合物を含む体重減少に影響を与えるための組成物であって、前記第1の化合物はオピオイドアンタゴニストであり、前記第2の化合物はブプロピオンである組成物。
【請求項2】
前記オピオイドアンタゴニストが、μ-オピオイド受容体(MOP-R)、κ-オピオイド受容体、およびδ-オピオイド受容体から選択されるオピオイド受容体に拮抗する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記オピオイドアンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1の化合物がナルトレキソンであり、前記第2の化合物がブプロピオンである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
体重減少に影響を与える方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む方法。
【請求項6】
前記個体が、25を超える体格指数を有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
オピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、オピオイド受容体活性が拮抗される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記オピオイド受容体アンタゴニストがMOP受容体アンタゴニストである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項5に記載の方法。
【請求項10】
α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる化合物を投与することによって、α-MSH活性を増強させる請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSR)、または特異的5-HT受容体アゴニストである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の化合物と前記第2の化合物を、ほぼ同時に投与する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびブプロピオンである第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記個体が、うつ病、プラダーウィリー症候群、または暴食障害に罹患していない請求項5に記載の方法。
【請求項17】
体重減少に影響を及ぼす医薬品を調製するための第1の化合物および第2の化合物の使用であって、前記第1の化合物がオピオイド受容体活性に拮抗し、前記第2の化合物がα-MSH活性を増強させる使用。
【請求項18】
前記第1の化合物が、オピオイド受容体アンタゴニストである請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、MOP受容体アンタゴニストである請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項18に記載の使用。
【請求項21】
前記第2の化合物が、α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる請求項17に記載の使用。
【請求項22】
α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、または特異的5-HT受容体アゴニストである請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記第2の化合物がブプロピオンである請求項17に記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の化合物および第2の化合物を含む体重減少に影響を与えるための組成物であって、前記第1の化合物はオピオイドアンタゴニストであり、前記第2の化合物はブプロピオンである組成物。
【請求項2】
前記オピオイドアンタゴニストが、μ-オピオイド受容体(MOP-R)、κ-オピオイド受容体、およびδ-オピオイド受容体から選択されるオピオイド受容体に拮抗する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記オピオイドアンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記第1の化合物がナルトレキソンであり、前記第2の化合物がブプロピオンである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
体重減少に影響を与える方法であって、その必要がある個体を特定するステップと、その個体を、オピオイド受容体活性に拮抗し、α-MSH活性を増強させるように治療するステップを含む方法。
【請求項6】
前記個体が、25を超える体格指数を有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
オピオイド受容体アンタゴニストを投与することによって、オピオイド受容体活性が拮抗される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記オピオイド受容体アンタゴニストがMOP受容体アンタゴニストである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項5に記載の方法。
【請求項10】
α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる化合物を投与することによって、α-MSH活性を増強させる請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSR)、または特異的5-HT受容体アゴニストである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびα-MSH活性を増強させる第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の化合物と前記第2の化合物を、ほぼ同時に投与する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記治療ステップが、オピオイドアンタゴニストである第1の化合物およびブプロピオンである第2の化合物を前記個体に投与するステップを含む請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記個体が、うつ病、プラダーウィリー症候群、または暴食障害に罹患していない請求項5に記載の方法。
【請求項17】
体重減少に影響を及ぼす医薬品を調製するための第1の化合物および第2の化合物の使用であって、前記第1の化合物がオピオイド受容体活性に拮抗し、前記第2の化合物がα-MSH活性を増強させる使用。
【請求項18】
前記第1の化合物がオピオイド受容体アンタゴニストである請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記オピオイド受容体アンタゴニストがMOP受容体アンタゴニストである請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項18に記載の使用。
【請求項21】
前記第2化合物がα-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる請求項17に記載の使用。
【請求項22】
α-MSHの放出の引き金となる、またはα-MSHを発現するニューロンの活性を増大させる前記化合物が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSR)、または特異的5-HT受容体アゴニストである請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記SSRIが、フルオキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロプラム、エスシタロプラム、シブトラミン、デュロキセチン、ベンラファキシン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項22に記載の使用。
【請求項24】
体重減少に影響を及ぼす医薬品を調製するための第1の化合物および第2の化合物の使用であって、前記第1の化合物がオピオイド受容体活性に拮抗し、前記第2の化合物がブプロピオンである使用。
【請求項25】
前記第1の化合物がオピオイド受容体アンタゴニストである請求項24に記載の使用。
【請求項26】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、MOP受容体アンタゴニストである請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記オピオイド受容体アンタゴニストが、アルビモパン、ノルビナルトルフィミン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロルフィン、および医薬として許容できるその塩またはプロドラッグから選択される請求項25に記載の使用。
【請求項28】
前記オピオイド受容体アンタゴニストがナルトレキソンである請求項25に記載の使用。
【請求項29】
体重減少に影響を及ぼす医薬品を調製するためのナルトレキソンとブプロピオンの組合せの使用。

【公表番号】特表2006−525332(P2006−525332A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513210(P2006−513210)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/012393
【国際公開番号】WO2004/096201
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505401698)オレキシジェン・セラピューティクス・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】