説明

作業ガイダンス装置及びその方法

【課題】作業者の視線を、作業対象物から離すこと無く作業位置に誘導することができ、作業者に特定の作業速度を強いるものではなく、作業が終了したことが自動的に判断でき、且つその作業が指示通り正しく行われたことが客観的に判断できると共に、作業対象物の機種変更が自動的に行なえる作業ガイダンス装置及びその方法を提供する。
【解決手段】作業ステージ上に載置された単独の作業対象物、又は、治具を伴った該作業対象物に対する作業をガイドする作業ガイダンス装置を、作業ガイダンス情報記憶手段1と、機種情報読取手段2と、制御手段3と、スポット光照射手段4と、電動工具作動状態検知手段5、及び、重量測定手段6とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場等の生産現場において、作業者に対して製品組立等の作業内容の指示を行なう作業ガイダンス装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の工場等の生産現場では、市場の要求から製品の多様化に応じるため、多品種混流生産が要求されている。一方、作業者の定着率の低下が進んできている為、従来の熟練作業者のスキルに依存した生産ができなくなっている。このため、製品の生産現場では、従来のコンベアによる1本のラインの生産から、一般にセル生産方式と呼ばれる複数ライン、若しくは、屋台と呼ばれる作業者1人1人の作業能力に合わせた生産方式が注目されている。このセル生産方式は、生産ライン全体のタクトタイムの中で、作業者の作業スピードのズレを吸収することが可能であるので、柔軟性を有する生産方式として評価されている。
【0003】
このような多品種混流生産を行なうためには、生産ラインにおいて、製品が異なる毎に異なる製品の組付作業に切り替える必要があり、又、作業者は製品毎の作業内容に追従する必要がある。このため、作業者は、作業手順書やマニュアル等による作業確認を行なわなければならないが、作業手順書やマニュアルによる作業確認には時間がかかり、生産に直接結びつかないタイムロスを生じていた。
【0004】
そこで、このようなタイムロスを減少させるべく、生産作業の手順を示す作業手順書やマニュアル等の印刷物の作業手順内容を、ディスプレイ画面上に表示して作業者に示す方法等が考案されている。しかし、組付作業中にディスプレイ画面を確認しながら作業を行なうには、作業者の視線を動かす必要があり、これは作業自体をおろそかにする要因となっていた。そのため、この方法は、必ずしも組付作業のスピード向上や組付品質向上に繋がらない上に、機種変更による部品組付内容の変化は、作業者の作業内容の確認や学習を必要とする。
【0005】
そこで、作業者の視線の動きを少しでも少なくする方法として、従来から、光のスポットを用いて作業の必要な位置を表示する方法が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光のスポットを用いて作業位置を表示する方法としては、例えば、光のスポットを電子ピアノの鍵盤に照射する電子ピアノの演奏ガイド方法がある。この光による電子ピアノの演奏ガイド方法は、鍵盤の演奏順序と鍵盤位置とを光のスポットによりガイドするものである。又、特許文献1に記載の方法は、プリント基板上の部品挿入位置及び部品の挿入方向を光のスポットによりガイドするものである。これらの方法は、作業者の視線を作業対象物から離すこと無く作業位置に誘導することができるので、作業者の視線の動きを少なくする方法として効果的である。
【特許文献1】特開2001−210991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来の方法では以下のような問題がある。例えば、光による電子ピアノの演奏ガイド方法では、演奏者は光のスポットが動く速度に合わせて演奏しなければならず、演奏者に所定の演奏スピードを強いるものである。
【0007】
又、特許文献1に記載の方法は、作業者に部品挿入位置等、部品組付位置を光のスポットで指示するのみであるので、作業者に特定の作業速度を強いるものではなく、この点で、上記の光による電子ピアノの演奏ガイド方法と異なる。しかし、作業が指示通り正しく行われたかどうかは、あくまで作業者自身の判断に委ねられており、その時点で客観的に判断するのは困難である。
【0008】
又、この方法では、作業者が部品組付を完了したと判断した時に、部品組付完了ボタンを押す仕組みを採用しているが、この部品組付完了毎に部品組付完了ボタンを押す方法は、作業工数の増大をもたらしている。
【0009】
又、この方法は、作業対象物の機種変更にあたって、部品組付位置を示すデータを機種毎に切替る際、作業者が機種を判断した上で、作業者の操作により機種を切替る仕組みを採用している。しかし、機種変更にあっては、一見同一の機種でも、仕向地や供給販売店等毎に仕様が微妙に異なる場合があり、作業者が正確にこれを判別して機種を切替るのは困難であった。
【0010】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、作業者の視線を、作業対象物から離すこと無く作業位置に誘導することができ、作業者に特定の作業速度を強いるものではなく、作業が終了したことが自動的に判断でき、且つその作業が指示通り正しく行われたことが客観的に判断できると共に、作業対象物の機種変更が自動的に行なえる作業ガイダンス装置及びその方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
図1は、本発明の作業ガイダンス装置の構成を示したブロック図である。図1において、本発明の作業ガイダンス装置は、作業ステージ上に載置された単独の作業対象物、又は、治具を伴った該作業対象物に対する作業をガイドする作業ガイダンス装置であって、作業ガイダンス情報記憶手段1と、機種情報読取手段2と、制御手段3と、スポット光照射手段4と、電動工具作動状態検知手段5、及び、重量測定手段6と、で構成されることを特徴としている。
【0012】
上記の作業ガイダンス情報記憶手段1は、作業対象物における機種毎の作業ガイダンス情報を記憶する機能を有する。機種情報読取手段2は、作業対象物又は治具に備えられた機種情報を読取る機能を有する。制御手段3は、機種情報読取手段2が読取った機種の作業ガイダンス情報を作業ガイダンス情報記憶手段1から抽出すると共に、該作業ガイダンス情報に指示された順番に従って該作業ガイダンス情報から作業指示情報を取り出す機能を有する。スポット光照射手段4は、制御手段3が提供する作業指示情報内の作業位置情報に基づき、作業対象物上の作業位置にスポット光をポイント照射して、該作業位置を作業者に知らせる機能を有する。又、電動工具作動状態検知手段5は、作業者により電動工具を使用して行なわれた作業における、該電動工具の位置を検知すると共に、電動工具の作動内容を検知する機能を有する。重量測定手段6は、作業終了後の作業対象物の重量を測定する機能を有する。
【0013】
そして、制御手段3は、電動工具作動状態検知手段5が検知した電動工具の位置が作業位置情報の示す位置と一致し、且つ、電動工具作動状態検知手段5が検知した電動工具の作動内容が作業指示情報内の作動内容と一致し、且つ、重量測定手段6が測定した作業終了後の作業対象物の重量が作業指示情報内の重量と一致すると、作業指示情報で指示された作業が正常に終了したと判断する作業終了判断を行なう機能を有する。
【0014】
即ち、上記の作業ガイダンス装置は、例えば、作業内容が部品の組付の場合に、取り付け部品毎にスポット光照射によって作業者の作業をガイドし、正確な組付作業がなされたことを、電動工具作動状態と作業ガイダンス情報との照合や、作業終了後の重量測定結果と作業ガイダンス情報との照合によって確認して、作業の終了を判定する。このようにして、組付部品全てに対して作業ガイダンスを行なうものである。
【0015】
上記の作業ガイダンス装置によれば、作業者の視線を、作業対象物から離すこと無く作業位置に誘導することができ、しかも、作業者に特定の作業速度を強いるものではなく、作業が終了したことが自動的に判断でき、且つ、その作業が指示通り正しく行われたことが客観的に判断できる。
【0016】
又、機種情報読取手段2が、作業対象物又は治具に備えられた機種情報を読取るので、作業対象物の機種変更を自動的に行なうことができる。
【0017】
又、作業終了後の重量測定とこれに基づく判断は、作業指示情報で指示される作業毎に行なわれるので、必要な作業を漏れなくチェックできると共に、ケアレスミスを容易に防止することができる。
【0018】
上記の作業ガイダンス装置において、スポット光照射手段4がスポット光をポイント照射するのに先立って、或いは、略同時に、作業者が作業に用いる部品を容易に取得するために、制御手段3が提供する作業指示情報内の部品所在情報に基づき、部品所在場所を作業者に知らせる部品所在場所報知手段を備えるのが好ましい。この場合、部品所在場所報知手段として、部品所在場所を音声で案内する部品所在場所音声案内手段、又は、部品所在場所にスポット光をポイント照射する部品所在場所スポット光照射手段4を用いるようにしてもよい。
【0019】
このようにすることにより、作業者は、作業に用いる部品を、容易に、且つ、視線の動きを最小限に抑えて取得することができる。
【0020】
又、上記の作業ガイダンス装置において、スポット光照射手段4は、反射板、又は、ビームスプリッター、或いは双方を用いて、スポット光を分光することにより、同時に複数箇所をポイント照射するようにしてもよい。
【0021】
又、上記の作業ガイダンス装置において、作業ステージとして、ベルトコンベア等の自動搬送装置を用いることにより、作業ステージを移動可能としてもよい。この場合に、作業ステージが移動しても、機種情報読取手段2、スポット光照射手段4、電動工具作動状態検知手段5、及び、重量測定手段6、或いは、これらに加えて部品所在場所報知手段が用いられる場合はこの部品所在場所報知手段に、正確に機能する仕組みをそれぞれ備えるようにする。このようにすることにより、生産システムに柔軟に対応することができる。
【0022】
又、上記の作業ガイダンス装置において、作業者の情報を入力する作業者情報入力手段を備えると共に、制御手段3は、スポット光照射手段4がスポット光をポイント照射した時点から、電動工具作動状態検知手段5が電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定して、作業者の情報と共にログデータとして作業ガイダンス情報記憶手段1に記憶するのが好ましい。
【0023】
このようにすることにより、上記のログデータを基に、作業ガイダンス装置の改良を行なうことができる。
【0024】
又、上記の作業ガイダンス装置において、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報に対しては、スポット光照射手段4は、作業位置である複数箇所を同時にポイント照射すると共に、作業者は作業の順番を気にすることなく自由に作業をすることができる。又、制御手段3は、作業者が行なった作業の順番に拘らず、複数の作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと判断すると、上記の作業終了判断を行なうようにすることができる。
【0025】
このようにすることにより、作業者に作業の順番に対する自由度を与えることができ、作業者の能力引き上げに結びつけることができる。
【0026】
又、上記の作業ガイダンス装置において、作業者の情報を入力する作業者情報入力手段を備えると共に、制御手段3は、スポット光照射手段4がスポット光をポイント照射した時点から、電動工具作動状態検知手段5が電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定し、該作業時間と、作業者が行なった作業の順番とを、作業者の情報と共にログデータとして作業ガイダンス情報記憶手段1に記憶するのが好ましい。
【0027】
このようにすることにより、作業効率を測定することができ、作業者の能力引き上げに結びつけることができる。
【0028】
又、上記の作業ガイダンス装置において、制御手段3は、ログデータとして作業ガイダンス情報記憶手段1に記憶された複数の作業者毎の作業時間と作業者が行なった作業の順番とから、同一機種で最も作業時間の短い作業の順番を抽出して、該抽出した作業の順番を基に、作業ガイダンス情報を自動的に修正するのが好ましい。このようにすることにより、作業ガイダンス装置の改良を自動的に行なう学習機能を付与することができる。
【0029】
又、上記の作業ガイダンス装置において、制御手段3としてコンピュータを用いると共に、作業ガイダンス情報記憶手段1として、該コンピュータの記憶装置を用いることができる。この場合に、作業ガイダンス情報記憶手段1として、コンピュータの記憶装置に代えて、FD、MD、MO、CD、DVD、メモリーカード、RFID等の記憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0030】
次に、本発明の作業ガイダンス方法について説明する。本発明の作業ガイダンス方法は、作業ステージ上に載置された単独の作業対象物、又は、治具を伴った該作業対象物における、機種毎の作業ガイダンス情報でなるデーターベースを用いた作業対象物の作業ガイダンス方法であって、機種情報読取工程と、作業指示情報取出工程と、部品所在場所報知工程と、スポット光照射工程と、電動工具作動状態検知工程と、重量測定工程と、作業終了判断工程と、で構成されることを特徴としている。
【0031】
上記の機種情報読取工程は、作業対象物又は治具に備えられた機種情報を読取る機能を有する。作業指示情報取出工程は、機種情報読取工程で読取られた機種の作業ガイダンス情報をデーターベースから抽出すると共に、該作業ガイダンス情報に指示された順番に従って作業指示情報を取り出す機能を有する。部品所在場所報知工程は、作業指示情報内の部品所在情報に基づき、部品所在場所を作業者に知らせる機能を有する。スポット光照射工程は、作業指示情報内の作業位置情報に基づき、作業対象物上の作業位置にスポット光をポイント照射して、該作業位置を作業者に知らせる機能を有する。
【0032】
又、電動工具作動状態検知工程は、作業者により電動工具を使用して作業が行なわれる際に、該作業における電動工具の位置を検知すると共に、電動工具の作動内容を検知する機能を有する。重量測定工程は、作業終了後の作業対象物の重量を測定する機能を有する。作業終了判断工程は、電動工具作動状態検知工程で検知された電動工具の位置が作業位置情報の示す位置と一致し、且つ、同じく電動工具作動状態検知工程で検知された電動工具の作動内容が作業指示情報内の作動内容と一致し、且つ、重量測定工程で測定された作業終了後の作業対象物の重量が作業指示情報内の重量と一致すると、作業指示情報で指示された作業が正常に終了したと判断する作業終了判断を行なう機能を有する。
【0033】
上記の作業ガイダンス方法において、機種情報読取工程に先立って、作業者情報入力工程を備え、スポット光照射工程から電動工具作動状態検知工程にかけて、これらと並行して作業時間測定工程を備え、更に、作業終了判断工程の後に、ログデータ記録工程を備えるようにしてもよい。これらの工程を備える作業ガイダンス方法は、作業指示情報として、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報が存在する場合に対する作業ガイダンス方法である。
【0034】
この作業ガイダンス方法では、作業者情報入力工程は、作業者の情報を入力する機能を有する。スポット光照射工程は、作業位置である複数箇所を同時にポイント照射する機能を有する。作業時間測定工程は、スポット光照射工程におけるスポット光をポイント照射した時点から、電動工具作動状態検知工程における電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定する機能を有する。作業終了判断工程は、電動工具作動状態検知工程における作業者が行なった作業の順番に拘らず、複数の作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと判断すると、上記の作業終了判断を行なう機能を有する。そして、ログデータ記録工程は、作業時間測定工程で測定された作業時間と、電動工具作動状態検知工程で作業者が行なった作業の順番とを、作業者の情報と共にログデータとしてデーターベースに記録する機能を有する。
【0035】
又、上記の作業ガイダンス方法において、ログデータ記録工程の後に作業ガイダンス情報修正工程を備えると共に、該作業ガイダンス情報修正工程は、ログデータとしてデーターベースに記憶された複数の作業者毎の作業時間と作業者が行なった作業の順番とから、最も作業時間の短い作業の順番を抽出し、該抽出した作業の順番を基に、作業ガイダンス情報を修正する機能を有するようにするのが好ましい。
【0036】
上記の各作業ガイダンス方法は、上述した作業ガイダンス装置と同様の作用、効果を有する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、作業対象物上の作業位置毎にスポット光照射によって作業者の作業すべき位置を知らせ、正確な組付作業がなされたことを、電動工具作動状態と作業ガイダンス情報との照合や、作業終了後の重量測定結果と作業ガイダンス情報との照合によって確認して、作業の終了を組付部品全てに対して判定することができる。
【0038】
従って、作業者の視線を、作業対象物から離すこと無く作業位置に誘導することができ、しかも、作業者に特定の作業速度を強いるものではなく、作業が終了したことが自動的に判断でき、且つ、その作業が指示通り正しく行われたことが客観的に判断できる。
【0039】
又、機種情報読取手段が、作業対象物又は治具に備えられた機種情報を読取るので、作業対象物の機種変更を自動的に行なうことができる。
【0040】
又、作業終了後の重量測定とこれに基づく判断は、作業指示情報で指示される作業毎に行なわれるので、必要な作業を漏れなくチェックできると共に、ケアレスミスを容易に防止することができる。
【0041】
又、スポット光をポイント照射した時点から、電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定すると共に、この作業時間と、作業者が行なった作業の順番とを、ログデータとして記憶することができる。従って、このログデータを基に、作業効率を測定することができ、作業ガイダンス装置の改良を行なうことができると共に、作業者の能力引き上げに結びつけることができる。
【0042】
又、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報に対しては、作業位置である複数箇所を同時にスポット光でポイント照射できると共に、作業者は作業の順番を気にすることなく自由に作業をすることができる。又、作業者が行なった作業の順番に拘らず、複数の作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと判断することで作業終了判断を行なうことができる。従って、作業者に作業の順番に対する自由度を与えることができ、作業者の能力の引き上げに結びつけることができる。
【0043】
この場合に、作業者の情報及び作業時間と共に、作業者が行なった作業の順番をログデータとして記録することができるので、このログデータを基に、同一機種で最も作業時間の短い作業の順番を抽出して、該抽出した作業の順番を基に、作業ガイダンス情報を自動的に修正することができる。従って、作業ガイダンス装置の改良を自動的に行なう学習機能を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態における作業ガイダンス装置について、図面を参照しながら詳しく説明する。図2は、この作業ガイダンス装置の外観図、図3は、この作業ガイダンス装置の構成を示した説明図である。
【0045】
図2、図3において、この作業ガイダンス装置は、作業ステージ21の上に載置された組付対象製品22に対して、作業者31が作業をするのに役立つ作業ガイダンスを行なう装置である。この作業ガイダンス装置が作業ガイダンスを行なう作業の内容は、本実施の形態では、組付対象製品22に対して部品をネジで組付るものであり、このネジは、作業者31により、電動工具である電動ドライバー23で締付られる。又、組付に用いられる部品やネジは、作業ステージ21の周囲に配設された、図示されていない部品トレイに収納されている。
【0046】
上記の作業ガイダンス装置は、図3に示すように、作業ガイダンス情報データーベース11、機種情報読取部12、作業ガイダンス制御部13、組付位置スポット光照射部14、電動工具作動状態検知部15、重量測定部16、及び、図示されていない作業者情報入力手段と、部品トレイスポット光照射部と、で構成される。作業ガイダンス制御部13には、作業ステージ21の下方に設置されたコンピュータが用いられる。作業ガイダンス情報データーベース11は、作業ガイダンス制御部13を構成している上記のコンピュータのHDD等の記憶装置に保持されている。組付位置スポット光照射部14は、スポット光照射部14aと位置指定部14bとで構成され、電動工具作動状態検知部15は、スポット光発射部15aとスポット光受光部15b、及び、トルクアップ検知部15cとで構成されている。又、組付位置スポット光照射部14のスポット光照射部14aと電動工具作動状態検知部15のスポット光受光部15bとは、一体で形成されている。
【0047】
作業ガイダンスの対象となる組付対象製品22には、この組付対象製品22の機種を表すために、本実施の形態では、機種情報を有するRFID(Radio Frequency Identification)が備えられているが、コード表示を有するバーコードを用いてもよい。このバーコードは、1次元或いは2次元のいずれであってもよい。又、組付対象製品22用の冶具が用いられる場合は、この冶具にRFIDやバーコードを備えることもできる。この冶具は、通常、組付対象製品22を保護するために用いられる。これらのRFID等に記憶される機種情報としては、製品の機種のほか、仕向け地や製品色等、各種の情報が含まれる。
【0048】
又、組付対象製品22を作業ステージ21上に載置するに際して、組付位置スポット光照射部14や電動工具作動状態検知部15の作用が正確に行なわれるようにするために、作業ステージ21上の所定の位置に正確に設置する必要がある。このため、作業ステージ21上に、固定用ガイドを設けて、組付対象製品22を固定するようにしてもよい。
【0049】
作業ガイダンス情報データーベース11は、作業ガイダンス情報で構成されており、この作業ガイダンス情報は、作業ガイダンス装置の制御に用いられるプログラムとデータとで構成されている。作業ガイダンス情報データーベース11は、本実施の形態では、上述したように、作業ガイダンス制御部13を構成している上記のコンピュータの、HDD等の記憶装置に記憶されている。しかし、コンピュータのHDD等に代えて、FDや、MD、MO、CD、DVD、メモリーカード等の記憶媒体を用いてもよい。或いは、上述した機種の表示と同様にして、組付対象製品22に備えられたRFIDを用い、このRFIDに作業ガイダンス情報データーベース11を記憶させるようにしてもよい。又、組付対象製品22用に冶具が用いられる場合は、この冶具にRFIDを備えることもできる。これらの場合、作業ガイダンス制御部13は、RFIDリーダを用いて作業ガイダンス情報の読出しを行なう。
【0050】
作業ガイダンス情報のデータである作業指示情報は、作業毎に構成されており、図4は、この作業指示情報の例を示した一覧表である。図4において、横の欄各一行が、一つの作業指示情報を示している。一つの作業指示情報は、組付順番、組付部品情報、スポット光照射位置、使用する電動工具、組付時の組付対象製品の総重量、及び、組付部品の収納部品トレイ/棚Noで構成されている。
【0051】
作業者情報入力部は、図示されていないが、作業ステージ21の下方に設置されており、作業者31の名前やIDコード等の作業者31に関する情報を、キーボードで入力する機能を有する。入力した情報は、作業ガイダンス制御部13へ送られる。或いは、作業者31がRFIDを身に着けると共に、作業者情報入力部としてRFIDリーダを用いるようにしてもよい。この場合は、このRFIDに、作業者31の名前やIDコード等の情報を備え、RFIDリーダに読取りを行なわせる仕組みとする。
【0052】
機種情報読取部12は、組付対象製品22の機種を読取る機能を有する。組付対象製品22には、この組付対象製品22の機種を表す情報を有するRFIDが備えられており、機種情報読取部12には、このRFIDを読取るためのRFIDリーダが用いられる。RFIDリーダは、作業ステージ21の側部に貼り付けられたRFIDに対面して設置されており、RFIDリーダとしては、読取時にRFIDに密着させて使用する周波数が13.56MHz帯の密着型のRFIDリーダが望ましい。密着型とすることにより、他の組付対象製品を誤認識するのを防止できると共に、RFIDリーダを組付対象製品22の所定の位置に貼り付けられたRFIDに所定の位置で密着させることによって、組付対象製品22が上述した所定位置に正確に固定されていることを確認できるメリットがあるからである。組付対象製品22に1次元或いは2次元のバーコードが備えられる場合は、1次元或いは2次元のバーコードリーダを用いる。このバーコードリーダは赤外線を用いたものであってもよい。
【0053】
作業ガイダンス制御部13は、作業ガイダンス装置の制御を全般にわたって行なう機能を有し、この作業ガイダンス制御部13には、上述したように、コンピュータが用いられる。この作業ガイダンス制御部13は、機種情報読取部12が読取った機種情報に基づき、この機種に対応した作業ガイダンス情報を作業ガイダンス情報データーベース11から抽出する。そして、抽出した作業ガイダンス情報に指示された順番に従って、作業ガイダンス情報から作業指示情報を取り出して作業ガイダンスを行なう。又、作業ガイダンス制御部13は、以下に述べる各部からの情報の提供を受けて、各種の判断を行なうと共に、後述する作業終了判断や、作業時間の測定、ログデータの作業ガイダンス情報データーベース11への記録、このログデータに基づく作業ガイダンス情報の修正等を行なう。
【0054】
組付位置スポット光照射部14は、組付対象製品22上へ、部品の組付位置やネジ止めの位置を示すためにスポット光を照射する機能を有している。この組付位置スポット光照射部14は、上述したように、スポット光照射部14aと位置指定部14bとで構成されており、スポット光照射部14aは光照射方向が下方に向くようにして、位置指定部14bに取り付けられている。このスポット光照射部14aは、組付対象製品22上に照射するスポット光を発生する機能を有しており、このスポット光照射部14aには、レーザー光又は、直進性に優れた光を発光する発光素子等が用いられている。尚、このスポット光照射部14aは、上述したように、後述する電動工具作動状態検知部15のスポット光受光部15bと一体で形成されている。
【0055】
位置指定部14bは、スポット光を照射する位置へスポット光照射部14aを移動させる機能を有しており、図2に示すように、十字状のX−Y位置決装置が用いられている。このX−Y位置決装置は、作業ステージ21の周囲に設けられた支持部24で、作業ステージ21の真上に位置するように支持されている。又、この位置指定部14bに用いられているX−Y位置決装置は、スポット光照射部14aを、スポット光照射位置へ正確に移動させる役割を有しており、このため、組付対象製品22が載置される作業ステージ21の基準点に予め正確に一致させて設定された基準点を備えている。位置指定部14bは、この基準点を起点にして、作業ガイダンス制御部13から提供された作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれる部品の位置やネジ止め位置等の作業位置情報に基づき、スポット光照射部14aを移動させる。
【0056】
又、位置指定部14bは、ネジ止め位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報に対しては、この複数の作業指示情報に基づいて、組付対象製品22上の複数の異なるネジ止め位置に対して、略同時にスポット光を照射することができる。
【0057】
部品トレイスポット光照射部は、図示されていないが、組付対象製品22への組付に用いられる部品やネジを収納した部品トレイの存在場所を示すために、この部品トレイにスポット光を照射する機能を備えている。この部品トレイは、上述したように、作業ステージ21の周囲に配設されている。又、部品トレイスポット光照射部は、組付位置スポット光照射部14と同様に構成されており、作業ガイダンス制御部13から提供された作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれるネジ収納トレイ情報に基づき、該当する部品やネジを収納した部品トレイにスポット光を照射する。スポット光の照射は、部品によっては、部品そのものに対して行なってもよい。この部品トレイスポット光照射部による部品トレイへのスポット光の照射は、組付位置スポット光照射部14によりスポット光がポイント照射されるのに先立って、或いは、これと略同時に行なわれる。
【0058】
上記の部品トレイスポット光照射部、及び、組付位置スポット光照射部14のスポット光照射に従って、作業者31は、組付対象製品22に組付る部品やネジを取得して、組付対象製品22へ組付る作業を行なう。
【0059】
電動工具作動状態検知部15は、組付位置スポット光照射部14によりスポット光が照射された位置で、組付対象製品22への組付が正しく行なわれたか否かをチェックする機能を有しており、上述したように、スポット光発射部15aとスポット光受光部15b、及び、トルクアップ検知部15cとで構成されている。スポット光発射部15aは、電動ドライバー23の後端部に備えられており、作業者31がネジを締め付けるために電動ドライバー23を位置決めし、電動ドライバー23に備えられている駆動スイッチをONすると、スポット光を上方に向かって発射する。
【0060】
スポット光受光部15bは、上述したように、組付位置スポット光照射部14のスポット光照射部14aと一体で形成されており、このスポット光照射部14aの周りに形成されている。スポット光受光部15bには、CCD等の受光素子が用いられ、このCCD等の受光素子は、その表面を下方に向けてマトリックス状に配設されている。このスポット光受光部15bは、電動ドライバー23の後端部に備えられたスポット光発射部15aから発射されたスポット光を受光することにより、受光した位置を検知し、その検知情報を作業ガイダンス制御部13へ伝える。作業ガイダンス制御部13は、この検知情報が、作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれるネジ止め位置の情報と一致するか否かにより、電動ドライバー23の作動した位置が正しい位置か否かを判断する。
【0061】
トルクアップ検知部15cは、支持部24に取り付けられており、電動ドライバー23に備えられている駆動スイッチがONされると、電動ドライバー23のトルクアップを検知する。このトルクアップの検知は、電動ドライバー23への供給電流を監視して、特定の変化が生じたことを検知することにより行なわれる。トルクアップ検知部15cは、検知したトルクアップ情報を作業ガイダンス制御部13へ伝える。作業ガイダンス制御部13は、このトルクアップ情報が作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれるトルクアップ情報と一致するか否かにより、電動ドライバー23が正しく作動したか否かを判断する。
【0062】
重量測定部16は、部品が組付られた後の組付対象製品22の重量を測定する機能を有しており、作業ステージ21上に設置され、この重量測定部16の上に組付対象製品22が載置されている。この重量測定部16は、最軽量のネジ1本単位でも計測できる精度を備えている。又、この重量測定部16は、測定した重量を、重量情報として作業ガイダンス制御部13へ伝える。この重量情報を受取った作業ガイダンス制御部13は、重量情報が作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれる重量情報と一致するか否かにより、正しい部品が組付けられたか否かを判断する。この判断の仕組みは、作業ガイダンス情報の作業毎の作業指示情報に含まれる重量情報が、その一つ前の作業と比べて、各作業毎に、使用される部品の重量だけ増加していることに基づくものである。
【0063】
次に、上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置の動作について説明する。図5は、本実施の形態における作業ガイダンス装置の動作を示したフローチャートである。この作業ガイダンス装置の動作は、作業者情報入力工程、機種情報読取工程、作業指示情報取出工程、部品所在場所報知工程、スポット光照射工程、電動工具作動状態検知工程、重量測定工程、作業終了判断工程、及び、ログデータ記録工程と、スポット光照射工程から電動工具作動状態検知工程にかけてこれらと並存する作業時間測定工程とで構成される。
【0064】
まず、作業者情報入力工程(S1)では、作業者31が作業者情報入力部を用いて、作業者31の名前やIDコード等の作業者31に関する情報を入力する。
【0065】
次に、機種情報読取工程(S2)では、機種情報読取部12のRFIDリーダが、組付対象製品に備えられているRFIDから、組付対象製品22の機種を表す情報を読み出す。組付対象製品22に、1次元或いは2次元のバーコードが備えられている場合は、RFIDリーダに変えて、1次元或いは2次元のバーコードリーダが用いられる。
【0066】
次に、作業指示情報取出工程(S3)では、作業ガイダンス制御部13が、機種情報読取部12により読取られた機種情報に基づき、この機種に対応した作業ガイダンス情報を、作業ガイダンス情報データーベース11から抽出する。この作業指示情報取出工程(S3)で、機種に対応した作業ガイダンス情報が作業ガイダンス情報データーベース11から抽出されない場合(S4)は、「該当する作業ガイダンス情報無し」の表示をして(S14)、動作を停止する(S16)。この動作停止は、音声で行なうようにしてもよい。機種に対応した作業ガイダンス情報が、作業ガイダンス情報データーベース11から抽出されると(S4)、次の部品所在場所報知工程(S5)に進む。この場合は、作業ガイダンス制御部13は、作業ガイダンス情報に指示された順番に従って作業指示情報を取り出すと共に、作業ガイダンス情報のプログラムと作業指示情報とに従って、作業ガイダンス装置の制御を行なう。
【0067】
部品所在場所報知工程(S5)では、部品トレイスポット光照射部が、作業ガイダンス制御部13から提供された作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれる部品やネジの収納トレイ情報に基づき、該当する部品やネジを収納した部品トレイにスポット光を照射する。このスポット光の照射により、作業者31は、部品やネジの所在場所を容易に知ることができ、その部品やネジを取得する。
【0068】
次に、スポット光照射工程(S6)では、作業ガイダンス制御部13から提供された作業ガイダンス情報の作業指示情報に含まれた部品の位置やネジ止め位置等の作業位置情報に基づき、組付位置スポット光照射部14の位置指定部14bが、スポット光照射部14aを移動させ、スポット光照射部14aから組付対象製品22上にスポット光を照射する。このスポット光の照射により、作業者31は、組付対象製品22上の作業位置を容易に知ることができる。そこで、作業者31は、部品所在場所報知工程(S5)で取得した部品やネジを組付対象製品22上の作業位置に組付け、必要に応じて、電動ドライバー23を用いて作業を行なう。
【0069】
次に、電動工具作動状態検知工程(S7)では、作業者31により電動ドライバー23を使用して作業が行なわれる際に、電動工具作動状態検知部15がこの作業における電動ドライバー23の位置を検知すると共に、電動ドライバー23の作動内容を検知する。即ち、作業者31がネジを締付るために、電動ドライバー23を組付対象製品22上の部品の位置やネジ止め位置等に位置決めし、電動ドライバー23に備えられている駆動スイッチをONすると、電動工具作動状態検知部15のスポット光発射部15aがスポット光を上方に向かって発射する。すると、このスポット光を、電動工具作動状態検知部15のスポット光受光部15bが受光して、受光した位置を検知し、その検知情報を作業ガイダンス制御部13へ伝える。同時に、電動工具作動状態検知部15のトルクアップ検知部15cは、電動ドライバー23の駆動スイッチがONされた時から、電動ドライバー23への供給電流を監視してその変化を捉えることにより、電動ドライバー23のトルクアップを検知して、トルクアップ情報を作業ガイダンス制御部13へ伝える。
【0070】
次に、重量測定工程(S8)では、重量測定部16が、作業終了後の組付対象製品22の重量を測定し、測定した重量を、重量情報として作業ガイダンス制御部13へ伝える。
【0071】
次に、作業終了判断工程(S9)では、作業ガイダンス制御部13が、電動工具作動状態検知工程(S7)で検知された電動ドライバー23の位置が、作業位置情報の示す位置と一致し、且つ、同じく電動工具作動状態検知工程(S7)で検知された電動ドライバー23のトルクアップ情報が作業指示情報内のトルクアップ情報と一致し、且つ、重量測定工程(S8)で測定された作業終了後の組付対象製品22の重量が作業指示情報内の重量と一致した場合は(S10)、作業指示情報で指示された作業が正常に終了したと判断する作業終了判断を行なう。作業終了判断が行なわれると、次のログデータ記録工程(S11)へ進む。
【0072】
電動ドライバー23の位置、トルクアップ情報、又は、組付対象製品22の重量のいずれか一つ以上が、作業指示情報の内容と一致しない場合、即ち、作業が正常に終了していない場合は(S10)、「作業が正常でない」の表示をして(S15)、動作を停止する(S16)。この場合に、完全に一致しなくても、近似していれば、作業が正常に終了していると判断することもできる。又、上記のいずれが一致しなかったのか、即ち、作業が正常に終了していない理由を、動作停止の表示と同時に表示するようにしてもよい。又、動作停止やこれらの理由を音声で発声するようにしてもよい。
【0073】
又、スポット光照射工程(S6)から電動工具作動状態検知工程(S7)にかけて、これらと並存する作業時間測定工程(S13)では、作業ガイダンス制御部13が、スポット光照射工程(S6)におけるスポット光のポイント照射時点から、電動工具作動状態検知工程(S7)における電動ドライバー23のトルクアップ検知時点までの作業時間を測定する。
【0074】
次に、ログデータ記録工程(S11)では、作業ガイダンス制御部13が、作業時間測定工程(S13)で測定された作業時間を、作業者情報入力工程(S1)で入力された作業者の情報と共にログデータとして作業ガイダンス情報データーベース11に記録する。図6はこのログデータの例を示したものである。
【0075】
上記の工程が終了すると、全ての作業指示情報に対する処理が終了していない限り(S12)、再度、作業指示情報取出工程に戻って(S3)、上記の工程を繰り返す。全ての作業指示情報に対する処理が終了すると(S12)、上記の作業ガイダンス装置の動作は終了する。
【0076】
上記の作業ガイダンス装置の動作において、作業指示情報取出工程(S3)で、作業ガイダンス制御部13が、例えば、図4に示すような、ネジ止め位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報等の、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報を読み出した場合は、下記の点に付き、上記と多少異なる処理がなされる。
【0077】
即ち、スポット光照射工程(S6)では、組付対象製品22上の複数の異なるネジ止め位置に対して、略同時にスポット光を照射する。そこで、作業者31は、全ての作業位置に対するネジの締め付け作業を行なうが、その順番は、作業者31が自由に決めることができる。又、電動工具作動状態検知工程(S7)では、電動工具作動状態検知部15は、電動ドライバー23が使用されるたびに、電動ドライバー23の位置の検知とトルクアップの検知とを行なう。又、重量測定工程(S8)では、重量測定部16が、全ての作業位置に対する作業が終了した時点における重量を測定する。
【0078】
又、作業終了判断工程(S9)では、作業ガイダンス制御部13が、全ての作業位置における作業について、電動ドライバー23の位置とトルクアップのチェック、及び、全ての作業終了時点の重量をチェックして、作業終了判断を行なう。又、作業時間測定工程(S13)では、作業ガイダンス制御部13が、スポット光照射工程(S6)におけるスポット光の最初のポイント照射時点から、電動工具作動状態検知工程(S7)における電動ドライバー23の最後のトルクアップ検知時点までの作業時間を測定する。又、ログデータ記録工程(S11)では、作業時間測定工程(S13)で測定された作業時間と、電動工具作動状態検知工程(S7)で作業者31が行なった作業の順番とを、作業者31の情報と共にログデータとしてデーターベースに記録する。図6において、「製造NO.」と「作業者」が記載されている欄は、このログデータの例を示したものであり、「基準設定」欄の作業に対する、作業時間(所要時間)と、作業者31が行なった作業の順番とが記録されている。
【0079】
又、上記のような、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報が作業ガイダンス情報に含まれる場合には、上記の全ての工程について複数の作業者による作業がすべて終了後に、作業ガイダンス情報修正工程を設ける。この作業ガイダンス情報修正工程では、ログデータとして作業ガイダンス情報データーベース11に記憶された複数の作業者31毎の作業時間と作業者31が行なった作業の順番とから、最も作業時間の短い作業の順番を抽出し、該抽出した作業の順番を基に、作業ガイダンス情報を修正する。図6の「最適組付順番」の欄は、複数の作業者毎の作業時間と作業者が行なった作業の順番とのログデータから、最も作業時間の短い作業のログデータを抽出した例を示している。
【0080】
上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置によれば、組付対象製品22上の作業位置毎にスポット光照射によって作業者31の作業すべき位置を知らせ、正確な組付作業がなされたことを、電動工具作動状態と作業ガイダンス情報の作業指示情報との照合や、作業終了後の重量測定結果と作業ガイダンス情報の作業指示情報との照合によって確認して、各作業の終了を判定することができる。
【0081】
従って、作業者31の視線を、組付対象製品22から離すこと無く作業位置に誘導することができ、しかも、作業者31に特定の作業速度を強いるものではなく、作業が終了したことが自動的に判断でき、且つ、その作業が指示通り正しく行われたことが客観的に判断できる。
【0082】
又、機種情報読取部12のRFIDリーダが、組付対象製品に備えられているRFIDから、組付対象製品22の機種を表す情報を読み出すので、組付対象製品22の機種変更を自動的に行なうことができる。
【0083】
又、作業終了後の重量測定部16による重量測定とこれに基づく作業ガイダンス制御部13による判断は、作業指示情報で指示される作業毎に行なわれるので、必要な作業を漏れなくチェックできると共に、ケアレスミスを容易に防止することができる。
【0084】
又、組付位置スポット光照射部14がスポット光をポイント照射した時点から、電動工具作動状態検知部15が電動ドライバー23の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定すると共に、この作業時間と、作業者31が行なった作業の順番とを、ログデータとして記憶することができる。従って、このログデータを基に、作業効率を測定することができ、作業ガイダンス装置の改良を行なうことができると共に、作業者の能力引き上げに結びつけることができる。
【0085】
又、作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の作業指示情報に対しては、作業位置である複数箇所を組付位置スポット光照射部14により同時にスポット光でポイント照射できると共に、作業者31は作業の順番を気にすることなく自由に作業をすることができる。又、作業者31が行なった作業の順番に拘らず、複数の作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと作業ガイダンス制御部13により判断することで、作業終了判断を行なうことができる。従って、作業者31に作業の順番に対する自由度を与えることができ、作業者31の能力の引き出しを図ることができる。
【0086】
この場合に、作業者31の情報及び作業時間と共に、作業者31が行なった作業の順番をログデータとして記録することができるので、このログデータを基に、同一機種で最も作業時間の短い作業の順番を抽出して、該抽出した作業の順番を基に、作業ガイダンス情報を自動的に修正することができる。従って、作業ガイダンス装置の改良を自動的に行なう学習機能を付与することができる。
【0087】
上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置では、作業ステージ21が固定された状態としているが、作業ステージ21として、ベルトコンベア等の自動搬送装置を用いることにより、作業ステージ21を移動可能としてもよい。この場合には、作業ステージ21が移動しても、この移動に追従して、組付位置スポット光照射部14、電動工具作動状態検知部15、重量測定部16、或いは、部品トレイスポット光照射部が、それぞれ正確に機能する仕組みをそれぞれ備えるようにする。例えば、作業ガイダンス装置を構成する全ての構成部分を、作業ステージ21と一体で移動可能になるように、作業ステージ21に固定する。或いは、組付位置スポット光照射部14、電動工具作動状態検知部15、重量測定部16、或いは、部品トレイスポット光照射部を作業ステージ21から独立して設置する場合は、作業ステージ21の移動に合わせて、これらの各部における位置座標の基準位置を修正するようにしてもよい。このようにすることにより、生産システムに柔軟に対応することができる。
【0088】
又、上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置では、組付位置スポット光照射部14として、スポット光照射部14aを位置指定部14bにより移動させる仕組みを採用しているが、スポット光を発生する部分は移動させずに、反射板、又は、ビームスプリッター、或いは双方を用いて、スポット光自身を反射や屈折により、所定の場所にスポット光を照射するようにしてもよい。例えば、スポット光を反射版で反射させると共に、この反射版のX軸及びY軸を軸にして、作業ガイダンス情報の作業指示情報で指示された作業位置情報に基づき、傾けることで、所定の場所にスポット光を照射する。或いは、スポット光をビームスプリッターで複数のスポット光に分け、これらの各スポット光を独立した反射板で反射させて、同時に複数箇所を照射するようにすることもできる。
【0089】
又、上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置では、組付対象製品22への組付に用いられる部品やネジを収納した部品トレイを示すために、部品トレイにスポット光を照射する部品トレイスポット光照射部を用いているが、これに代えて、部品所在場所を音声で案内する部品所在場所音声案内装置を用いるようにしてもよい。これは、組付位置スポット光照射部14がスポット光をポイント照射するのに先立って、或いは、略同時に、作業ガイダンス情報の作業指示情報で指示されている部品トレイ等の部品所在場所を、音声で発生するものである。
【0090】
又、上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置では、電動工具作動状態検知部15が電動ドライバー23の位置を検知するのに、スポット光発射部15aとスポット光受光部15bとを用いて行なっているが、これに代えて、次のような仕組みとしてもよい。即ち、組付位置スポット光照射部14の位置指定部14bが使用しているX軸−Y軸位置決装置と同様の仕組みを逆に利用することにより、基準点からのX軸及びY軸方向の移動距離を検知して位置を認識する装置を用いる。この装置に、電動ドライバー23を固定すると共に、電動ドライバー23の移動に追従してその位置を認識する仕組みである。
【0091】
又、上記の本実施の形態における作業ガイダンス装置では、1種類の電動ドライバー23を用いているが、回転速度や締め付けトルク等の異なる複数の種類の電動ドライバーを用いるようにしてもよい。この場合は、作業ガイダンス情報の作業指示情報に電動ドライバーの種類を型式やコード番号等で規定すると共に、作業ステージ21に設置される電動ドライバーに識別用の型式やコード番号を付与する。そして、電動ドライバー使用時に、この型式やコード番号を作業ガイダンス制御部13へ送信し、使用された電動ドライバーと作業指示情報で指定された電動ドライバーが一致するか否かをチェックして、一致しない場合は、「工具違い」を表示して警告するようにする。この警告は、表示のみならず音声による発声を併用してもよい。又、作業ガイダンス情報の作業指示情報で電動ドライバー23のトルクアップ値を指定しておき、使用された電動ドライバーのトルクアップ値と一致するか否かをチェックすることにより、適正な電動ドライバーが使用されたか否かを判断するようにしてもよい。又、電動工具としては、電動ドライバーには限られず、電動ドライバー以外の電動工具を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の作業ガイダンス装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本実施の形態における作業ガイダンス装置の外観図である。
【図3】本実施の形態における作業ガイダンス装置の構成を示した説明図である。
【図4】本実施の形態における作業ガイダンス装置に使用される作業指示情報の例を示したテーブルである。
【図5】本実施の形態における作業ガイダンス装置の動作を示したフローチャートである。
【図6】本実施の形態における作業ガイダンス装置のログデータの例を示したテーブルである。
【符号の説明】
【0093】
1 作業ガイダンス情報記憶手段
2 機種情報読取手段
3 制御手段
4 スポット光照射手段
5 電動工具作動状態検知手段
6 重量測定手段
11 作業ガイダンス情報データーベース
12 機種情報読取部
13 作業ガイダンス制御部
14 組付位置スポット光照射部
14a スポット光照射部
14b 位置指定部
15 電動工具作動状態検知部
15a スポット光発射部
15b スポット光受光部
15c トルクアップ検知部
16 重量測定部
21 作業ステージ
22 組付対象製品
23 電動ドライバー
24 支持部
31 作業者


【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業ステージ上に載置された単独の作業対象物、又は、治具を伴った該作業対象物に対する作業をガイドする作業ガイダンス装置であって、
前記作業対象物における機種毎の作業ガイダンス情報を記憶した作業ガイダンス情報記憶手段と、
前記作業対象物又は前記治具に備えられた機種情報を読み取る機種情報読取手段と、
前記機種情報読取手段が読取った機種の作業ガイダンス情報を前記作業ガイダンス情報記憶手段から抽出すると共に、該作業ガイダンス情報に指示された順番に従って該作業ガイダンス情報から作業指示情報を取り出す制御手段と、
前記制御手段が提供する前記作業指示情報内の作業位置情報に基づき、前記作業対象物上の作業位置にスポット光をポイント照射して、該作業位置を作業者に知らせるスポット光照射手段と、
前記作業者により電動工具を使用して行なわれた作業における、該電動工具の位置を検知すると共に、前記電動工具の作動内容を検知する電動工具作動状態検知手段と、
前記作業終了後の作業対象物の重量を測定する重量測定手段と、で構成されると共に、
前記制御手段は、前記電動工具作動状態検知手段が検知した電動工具の位置が前記作業位置情報の示す位置と一致し、且つ、前記電動工具作動状態検知手段が検知した電動工具の作動内容が前記作業指示情報内の作動内容と一致し、且つ、前記重量測定手段が測定した作業終了後の作業対象物の重量が前記作業指示情報内の重量と一致すると、前記作業指示情報で指示された作業が正常に終了したと判断する作業終了判断を行なうことを特徴とする作業ガイダンス装置。
【請求項2】
前記作業ステージが移動可能である請求項1記載の作業ガイダンス装置。
【請求項3】
前記作業ステージが移動時に、前記機種情報読取手段、前記スポット光照射手段、前記電動工具作動状態検知手段、及び、前記重量測手段が、それぞれ正確に機能する仕組みをそれぞれ備えている請求項2記載の作業ガイダンス装置。
【請求項4】
前記スポット光照射手段がスポット光をポイント照射するのに先立って、或いは、略同時に、前記制御手段が提供する前記作業指示情報内の部品所在情報に基づき、部品所在場所を作業者に知らせる部品所在場所報知手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業ガイダンス装置。
【請求項5】
前記部品所在場所報知手段として、前記部品所在場所を音声で案内する部品所在場所音声案内手段、又は、前記部品所在場所にスポット光をポイント照射する部品所在場所スポット光照射手段を用いた請求項4記載の作業ガイダンス装置。
【請求項6】
前記作業ステージが移動可能である請求項4又は5記載の作業ガイダンス装置。
【請求項7】
前記作業ステージが移動時に、前記部品所在場所報知手段が、正確に機能する仕組みを備えている請求項6記載の作業ガイダンス装置。
【請求項8】
前記スポット光照射手段は、反射板、又は、ビームスプリッター、或いは双方を用いて、前記スポット光を分光することにより、同時に複数箇所をポイント照射する請求項1〜7のいずれか1項に記載の作業ガイダンス装置。
【請求項9】
前記作業者の情報を入力する作業者情報入力手段を備えると共に、
前記制御手段は、前記スポット光照射手段がスポット光をポイント照射した時点から、前記電動工具作動状態検知手段が前記電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定して、前記作業者の情報と共にログデータとして前記作業ガイダンス情報記憶手段に記憶する請求項1〜8のいずれか1項に記載の作業ガイダンス装置。
【請求項10】
前記作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の前記作業指示情報に対しては、
前記スポット光照射手段は、前記作業位置である複数箇所を同時にポイント照射すると共に、
前記制御手段は、前記作業者が行なった作業の順番に拘らず、複数の前記作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと判断すると、前記作業終了判断を行なう請求項1〜9のいずれか1項に記載の作業ガイダンス装置。
【請求項11】
前記作業者の情報を入力する作業者情報入力手段を備えると共に、
前記制御手段は、前記スポット光照射手段がスポット光をポイント照射した時点から、前記電動工具作動状態検知手段が前記電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定し、該作業時間と、前記作業者が行なった作業の順番とを、前記作業者の情報と共にログデータとして前記作業ガイダンス情報記憶手段に記憶する請求項10記載の作業ガイダンス装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記ログデータとして前記作業ガイダンス情報記憶手段に記憶された複数の前記作業者毎の作業時間と作業者が行なった作業の順番とから、最も作業時間の短い作業の順番を抽出して、該抽出した作業の順番を基に、前記作業ガイダンス情報を修正する請求項11記載の作業ガイダンス装置。
【請求項13】
前記制御手段としてコンピュータを用いると共に、前記作業ガイダンス情報記憶手段として、該コンピュータの記憶装置を用いた請求項1〜12のいずれか1項に記載の作業ガイダンス装置。
【請求項14】
前記作業ガイダンス情報記憶手段として、前記コンピュータの記憶装置に代えて、FD、MD、MO、CD、DVD、メモリーカード、RFID等の記憶媒体を用いた請求項13記載の作業ガイダンス装置。
【請求項15】
作業ステージ上に載置された単独の作業対象物、又は、治具を伴った該作業対象物における、機種毎の作業ガイダンス情報でなるデーターベースを用いた前記作業対象物の作業ガイダンス方法であって、
前記作業対象物又は前記治具に備えられた機種情報を読み取る機種情報読取工程と、
前記機種情報読取工程で読み取られた機種の作業ガイダンス情報を前記データーベースから抽出すると共に、該作業ガイダンス情報に指示された順番に従って該作業ガイダンス情報から作業指示情報を取り出す作業指示情報取出工程と、
前記作業指示情報内の部品所在情報に基づき、部品所在場所を作業者に知らせる部品所在場所報知工程と、
前記作業指示情報内の作業位置情報に基づき、前記作業対象物上の作業位置にスポット光をポイント照射して、該作業位置を作業者に知らせるスポット光照射工程と、
前記作業者により電動工具を使用して作業が行なわれる際に、該作業における前記電動工具の位置を検知すると共に、前記電動工具の作動内容を検知する電動工具作動状態検知工程と、
前記作業終了後の作業対象物の重量を測定する重量測工程と、
前記電動工具位置検知工程で検知された電動工具の位置が前記作業位置情報の示す位置と一致し、且つ、前記電動工具作動検知工程で検知された電動工具の作動内容が前記作業指示情報内の作動内容と一致し、且つ、前記重量測工程で測定された作業終了後の作業対象物の重量が前記作業指示情報内の重量と一致すると、前記作業指示情報で指示された作業が正常に終了したと判断する作業終了判断を行なう作業終了判断工程と、で構成されることを特徴とする作業ガイダンス方法。
【請求項16】
前記機種情報読取工程に先立って、作業者情報入力工程を備え、前記前記スポット光照射工程から前記電動工具作動状態検知工程にかけて、これらと平行して作業時間測定工程を備え、更に、前記作業終了判断工程の後に、ログデータ記録工程を備えると共に、
前記作業指示情報として、前記作業の内容が同一で作業位置が異なる同一順番の複数の前記作業指示情報が存在する場合に、
前記作業者情報入力工程では、前記作業者の情報を入力し、
前記スポット光照射工程では、前記作業位置である複数箇所を同時にポイント照射し、
前記作業時間測定工程では、前記スポット光照射工程におけるスポット光をポイント照射した時点から、前記電動工具作動状態検知工程における電動工具の作動内容を検知した時点までの作業時間を測定し、
前記作業終了判断工程では、前記電動工具作動状態検知工程における前記作業者が行なった作業の順番に拘らず、複数の前記作業指示情報で指示された作業が全て正常に終了したと判断すると、前記作業終了判断を行ない、
前記ログデータ記録工程では、前記作業時間測定工程で測定された前記作業時間と、前記電動工具作動状態検知工程で前記作業者が行なった作業の順番とを、前記作業者の情報と共にログデータとして前記データーベースに記録する請求項15記載の作業ガイダンス方法。
【請求項17】
前記ログデータ記録工程の後に作業ガイダンス情報修正工程を備え、
該作業ガイダンス情報修正工程では、前記ログデータとして前記データーベースに記憶された複数の前記作業者毎の作業時間と作業者が行なった作業の順番とから、最も作業時間の短い作業の順番を抽出し、該抽出した作業の順番を基に、前記作業ガイダンス情報を修正する請求項16記載の作業ガイダンス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−130639(P2006−130639A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325335(P2004−325335)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】