説明

作業情報記録装置、並びにその制御方法および制御プログラム

【課題】作業時刻の精度の低下を抑制することができる作業情報記録装置を提供する。
【解決手段】作業情報記録装置11は、生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録するものである。作業情報記録装置11は、作業者が押しボタンを押したことを検出する押しボタンスイッチ14と、作業者からの操作を受け付ける操作部22と、押しボタンスイッチ14の検出により、作業の終了時刻を取得する時刻取得部30と、時刻取得部30が作業の終了時刻を取得した後に、作業の内容を示す内容情報を、操作部22を介して取得する内容取得部31と、時刻取得部30が取得した終了時刻と、内容取得部31が取得した内容情報とを含む作業情報を作成する作業情報作成部32とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録する作業情報記録装置、並びにその制御方法および制御プログラムに関するものである。特に、本発明は、生産ラインでの異常発生時に行われる修復作業に係る作業情報を記録する作業情報記録装置などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生産ラインで働く作業者は、日々刻々と変化する生産ラインの状況を監視し、異常が発生した場合には対処し、一日の作業内容等を作業日報として記録している。
【0003】
一般に、作業日報には、作業の年月日、作業者の氏名、発生現象および発生時刻、作業内容および作業時刻、次の作業者への引継事項、生産管理の情報(例えばオーダ番号、機種、完成数など)などの作業情報が含まれる。上記発生現象の例としては、生産設備の故障の状況、品質特性の状況、などが挙げられる。また、上記作業内容の例としては、生産設備の故障に対する処置内容、定期的に実施する作業内容、生産条件の変更内容および変更値、などが挙げられる。
【0004】
上記作業日誌は、作業者間での引継時における状況把握、管理者と作業者との間での生産状況の共有化、管理者による設備改善状況の分析、生産品に対する苦情発生時における管理者による原因追及などの観点から有用である。近時、上記作業日誌を電子化して、作業情報を自動的に収集することが求められている。これを実現することにより、引継事項の共有、生産状況の共有など、情報の共有を効率的に行うことが期待できる。また、設備改善の問題点の分析など、分析の精度を向上させることが期待できる。
【0005】
しかしながら、各設備の稼働に関する情報は、自動収集が容易であっても、作業開始時刻、作業終了時刻などの作業に関連する作業時刻は、自動収集が困難である。このことを、図23を参照して説明する。図23は、或る加工機Aの稼働状況の時間変化を示すグラフである。
【0006】
図23に示すように、加工機Aは、搬送部にてワークの搬送詰まりが発生して稼働を停止する(時刻t100)。その後、作業者は、加工機Aの停止に気づき(時刻t101)、加工機Aに近づき、上記停止の原因(ワークの搬送詰まり)を特定し、詰まったワークを発見して除去した後、加工機Aを再稼働させる(時刻t102)。その後、上記ワークの搬送詰まりが繰り返し発生し、その度に上記作業者が詰まったワークの除去と加工機Aの再稼働とを行い、ときには上記作業者が上記搬送部の清掃を行ったりした後、加工機Aは、正常な稼働に復帰する(時刻t103)。
【0007】
図23の場合、上記作業者の実際の作業時間は、加工機Aの停止に上記作業者が気づいた時刻t101から、加工機Aが正常に稼働し始めた時刻t103までであり、加工機Aが最初に停止した時刻t100から上記時刻t101までを含まない。このように、設備の稼働状態と実際の作業時間とは必ずしも一致しないので、設備の稼働情報収集しても、作業者の作業時間を取得できるとは限らない。従って、上記作業時刻は、作業者の指示または入力により取得される必要がある。
【0008】
上記作業日誌の電子化の例としては、特許文献1および特許文献2が挙げられる。特許文献1・2においても、上記作業時刻は、作業者の指示により取得されている。特許文献1に記載の生産システムでは、各生産設備は、動作状態(停止、故障/修理中など)に応じて信号灯を発光すると共に、動作状態の変化に即した時刻情報を取得している。また、作業者は、修理の開始・完了などのステータス情報を、各生産設備に設けた操作卓、またはハンディターミナルから入力している。各生産設備は、取得した時刻情報と、入力されたステータス情報とを含むメッセージをホストコンピュータに送信している。
【0009】
また、特許文献2に記載の異常管理システムでは、設備に異常が発生すると、作業者は、設備の設置位置に到達し、処理対象の装置であることを確認すると、復旧処理を開始する旨を、PDA(Personal Digital Assistant)を介してサーバに通知している。そして、上記復旧処理が完了すると、復旧完了時刻および異常の原因を、上記PDAを介して上記サーバに通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−268720号公報(2002年09月20日公開)
【特許文献2】特開2003−195940号公報(2003年07月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1・2では、各設備に入力装置を追加したり、各設備または各作業者に携帯型情報端末を配備したりしているため、設備コストの上昇を招くことになる。
【0012】
上記問題点を回避するには、1または幾つかの作業情報記録装置を生産ラインの近くに配置し、当該作業情報記録装置にて作業情報を入力することが考えられる。しかしながら、この場合、上記作業情報記録装置と、上記生産ラインの設備とが離間しており、その距離が設備ごとに異なる可能性がある。このため、上記作業者が作業の終了後に、作業対象の設備から上記作業情報記録装置に移動して、作業情報を入力することになり、作業者の指示または入力により取得される上記作業時刻の精度が低下する虞がある。
【0013】
一方、一般に、収集されたデータを集計して分析する場合、データの精度が悪いと、分析結果の精度も悪くなる。その結果、設備改善の問題点の分析、該分析の結果に基づく上記問題点への対応の優先順位付けなどを正確に行うことが困難となる。従って、作業時刻、すなわち作業の開始時刻および終了時刻を精度よく収集することが重要となる。
【0014】
図24は、或る期間に収集された各設備の故障時間を用いた分析結果の一例をパレート図で示している。同図の棒グラフは、各設備の故障時間の積算値を、該積算値の多い順に並べたものである。また、同図の折れ線グラフは、各設備の故障回数を示している。
【0015】
一般に、故障回数が多く、かつ、故障時間の積算値が大きい設備では、小停止(チョコ停)が多数発生していることになる。小停止が多数発生すると、その分生産ラインの停止期間が長くなり、生産効率が低下する。従って、この問題点に効率良く対応するには、故障回数の多い設備を、故障時間の積算値の大きい設備から優先的に改善すればよいことになる。すなわち、図24に示す棒グラフおよび折れ線グラフを比較参照して、故障回数の多い設備(部品B組込機、検査機A、最終加工機)を、故障時間の積算値の大きい設備から順に優先順位を付与することにより、上記問題点に効率よく対応することができる。
【0016】
しかしながら、作業の開始時刻および終了時刻が不正確であると、上記故障時間の誤差が大きくなる。このため、故障回数の多い設備にて収集される上記作業の開始時刻および終了時刻が不正確であると、故障時間の積算値には、上記誤差が多数累積することになる。その結果、各設備の故障時間の積算値を、該積算値の多い順に適切に並べることができなくなり、優先順位を適切に付与することができなくなる。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業時刻の精度の低下を抑制することができる作業情報記録装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る作業情報記録装置は、生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置であって、上記課題を解決するために、上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスと、上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスと、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得手段と、該時刻取得手段が上記作業の終了時刻を取得した後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記操作デバイスを介して取得する内容取得手段と、上記時刻取得手段が取得した終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成手段とを備えることを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係る作業情報記録装置の制御方法は、生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置の制御方法であって、上記課題を解決するために、上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得ステップと、該時刻取得ステップにて上記作業の終了時刻が取得された後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスを介して取得する内容取得ステップと、上記時刻取得ステップにて取得された終了時刻と、上記内容取得ステップにて取得された内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成ステップとを含むことを特徴としている。
【0020】
ここで、行動検出デバイスの例としては、押しボタンスイッチ、ICタグリーダ、バーコードリーダ、エリアセンサ、などが挙げられる。押しボタンスイッチは、作業者が押しボタンを押したことを検出することができる。また、ICタグリーダは、作業者がICタグを接続、接触、または接近させたことを、当該ICタグから作業者IDを読み取ることにより検出することができる。また、バーコードリーダは、バーコードが印刷された紙媒体を作業者が接近させたことを、当該バーコードから作業者IDを読み取ることにより検出することができる。また、エリアセンサは、作業者が所定領域を出入りしたことを検出することができる。
【0021】
上記の構成および方法によると、作業者は、作業を終了すると、行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻が取得され、その後に、操作デバイスを介して上記作業の内容情報が取得され、取得された終了時刻および内容情報を含む作業情報が作成される。従って、内容情報と共に終了時刻を取得する従来の場合に比べて、終了時刻を迅速に取得でき、その結果、上記作業の終了時刻の精度の低下を抑制することができる。
【0022】
なお、上記作業の内容情報の例としては、上記作業の種類、上記作業の対象、上記作業を行うことになった現象または原因などが挙げられる。
【0023】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記時刻取得手段は、さらに、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得しており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した開始時刻および終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成することが好ましい。この場合、開始時刻から終了時刻までの作業時間を求めることができる。
【0024】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記行動検出デバイスは、作業開始用の行動検出デバイスと、作業終了用の行動検出デバイスとを備えていてもよい。この場合、上記時刻取得手段は、上記作業開始用の行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得する一方、上記作業終了用の行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得することになる。従って、取得した時刻が作業の開始時刻および終了時刻の何れであるかを容易に特定することができる。
【0025】
ところで、上記作業は、複数回行われることが通常であり、さらに、複数の上記作業が重複して行われる場合がある。この場合、或る作業が完了して、該作業の内容を入力すると、その分、実行中の別の作業が遅延することになり望ましくない。
【0026】
そこで、本発明に係る作業情報記録装置では、上記時刻取得手段は、さらに、取得した終了時刻を記録デバイスに蓄積しており、上記記録デバイスに蓄積された終了時刻の中から、上記操作デバイスの操作に基づき選択する時刻選択手段をさらに備えており、上記作業情報作成手段は、上記時刻選択手段が選択した終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成してもよい。
【0027】
この場合、行動検出デバイスの検出により終了時刻が収集されて記録デバイスに蓄積される。次に、作業者による操作デバイスの操作に基づき、記録デバイスに蓄積された終了時刻の何れかが選択されると共に、作業者から操作デバイスを介しての入力により、上記作業の内容情報が取得される。そして、選択された終了時刻と、取得された内容情報とを含む作業情報が作成される。
【0028】
このように、本発明では、まず、上記終了時刻が収集され、後で上記作業の内容が入力されるので、上述と同様に、上記終了時刻の精度の低下を抑制することができる。さらに、複数の作業が重複して行われても、まず、該複数の作業の上記終了時刻を蓄積しておき、上記複数の作業が終了した後に、各作業に該当する終了時刻が選択され、該作業の内容情報が入力されて作業情報を作成することができる。従って、或る作業が完了しても、実行中の別の作業が遅延することを防止することができ、その結果、複雑な事象にも対応することができる。
【0029】
なお、終了時刻が記録される記録デバイスと、作業情報が記録される記録デバイスとは、同じであってもよいし、別々であってもよい。また、各手段は、別体として備えていてもよい。
【0030】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記時刻取得手段は、さらに、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得して記録デバイスに蓄積しており、上記時刻選択手段は、さらに、上記記録デバイスに蓄積された開始時刻の中から、上記操作デバイスの操作に基づき選択しており、上記作業情報作成手段は、上記時刻選択手段が選択した開始時刻および終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成することが好ましい。
【0031】
本発明に係る作業情報記録装置では、情報を表示する表示デバイスと、上記記録デバイスに蓄積された終了時刻に基づき、各作業のタイムチャートを表示するように上記表示デバイスに指示する表示指示手段とをさらに備えてもよい。この場合、各作業がタイムチャートで表示されるので、複数の作業の終了時刻を容易に把握することができる。
【0032】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記行動検出デバイスは、上述のICタグリーダ、バーコードリーダなどのように、上記作業者を識別する作業者識別情報が記録された記録媒体を上記作業者が接続、接触、または接近させたことを、上記記録媒体から上記作業者識別情報を読み取ることにより検出する識別情報読取デバイスであってもよい。
【0033】
さらに、上記時刻取得手段は、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を取得して、上記終了時刻に対応付けており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた作業者識別情報をさらに含む上記作業情報を作成することが好ましい。この場合、上記作業者を自動的に特定でき、作業情報に含めることができる。
【0034】
さらに、上記時刻取得手段は、上記識別情報読取デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得すると、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を、上記作業を行うべき現象を発見した発見者識別情報として取得して、上記作業の開始時刻と対応付ける一方、上記識別情報読取デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得すると、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を、上記作業に対応した対応者識別情報として取得して、上記作業の終了時刻と対応付けており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した開始時刻と、該開始時刻に対応付けられた発見者識別情報と、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた対応者識別情報とをさらに含む上記作業情報を作成してもよい。この場合、上記作業の発見者および対応者を自動的に特定でき、作業情報に含めることができる。
【0035】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記行動検出デバイスは、上記生産ラインの各設備に設けられており、上記時刻取得手段は、さらに、検出した行動検出デバイスが設けられている設備の名称を取得して、上記終了時刻に対応付けており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた設備の名称をさらに含む上記作業情報を作成してもよい。この場合、上記作業の対象となる設備を自動的に特定でき、作業情報に含めることができる。
【0036】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記行動検出デバイスは、上記生産ラインの各設備に設けられ、さらに、上記生産ラインの区域に上記作業者が出入りしたことを検出するエリアセンサが設けられており、上記時刻取得手段は、さらに、上記エリアセンサの検出により、上記作業を行うべき現象を発見した発見時刻を取得し、上記各設備に設けた上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻および当該設備の名称を取得し、かつ、上記エリアセンサの再検出により、上記作業の終了時刻を取得しており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した発見時刻、開始時刻、および当該設備の名称をさらに含む上記作業情報を作成してもよい。この場合、上記作業の開始時刻とは別に、上記発見時刻を取得して、作業情報に含めることができる。
【0037】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記生産ラインにおける各設備の稼働情報を取得する稼働情報取得手段をさらに備えており、上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻を、上記稼働情報取得手段が取得した稼働情報に基づいて修正し、修正した終了時刻と上記内容情報とを含む上記作業情報を作成してもよい。この場合、稼働情報に基づいて終了時刻が修正されるので、上記終了時刻の精度を向上させることができる。
【0038】
本発明に係る作業情報記録装置では、上記行動検出デバイスは、ワイヤレス型であってもよい。この場合、上記時刻取得手段は、無線通信を行う無線通信デバイスを介して上記行動検出デバイスと無線通信を行えばよい。上記の構成によると、上記作業者が、上記行動検出デバイスを携帯することができるので、上記終了時刻を迅速に取得でき、上記終了時刻の精度の低下を抑制することができる。
【0039】
なお、上記作業情報記録装置における各ステップを、制御プログラムによりコンピュータに実行させることができる。さらに、上記制御プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記制御プログラムを実行させることができる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、本発明に係る作業情報記録装置は、作業を終了すると、行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻が取得され、その後に、操作デバイスを介して上記作業の内容情報が取得され、取得された終了時刻および内容情報を含む作業情報が作成されるので、内容情報と共に終了時刻を取得する従来の場合に比べて、終了時刻を迅速に取得でき、その結果、上記作業の終了時刻の精度の低下を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記生産システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】作業内容入力画像の一例を示す図である。
【図4】作業情報DBの一例を表形式で示す図である。
【図5】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】作業情報DBの一例を表形式で示す図である。
【図9】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明のさらに別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図11】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明のさらに別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図14】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】本発明のさらに別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図17】作業情報DBの一例を表形式で示す図である。
【図18】上記作業情報記録装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】本発明のさらに別の実施形態である生産システムにおける作業情報記録装置の概略構成を示すブロック図である。
【図20】タイムチャートの一例を示す図である。
【図21】作業内容入力画像の一例を示す図である。
【図22】終了時刻を修正する例を示すグラフである。
【図23】或る加工機の稼働状況の時間変化を示すグラフである。
【図24】或る期間に収集された各設備の故障時間を用いた分析結果の一例を示すパレート図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。本実施形態では、部品を製造して組み立てる生産ラインを有する生産システムに本発明を適用しているが、本発明は、上記生産システムに限定されるものではなく、被対象物の処理工程の管理全般に適用することが可能である。なお、被対象物の処理工程とは、例えば、工業製品の生産工程、鉱工業製品、農産物、または原料の検査工程、廃棄対象物(例えば、工場廃棄物、工場廃水、廃ガス、ゴミ等)の処理工程、廃棄対象物の検査工程、設備の検査工程、リサイクル工程等を意味する。
【0043】
図2は、本実施形態の生産システムの概略構成を示している。図示のように、生産システム1は、生産ライン10と、生産ライン10の近くに配置され、生産ライン10にて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置11とを備える構成である。生産ライン10には、各種の設備12が設けられている。また、作業情報記録装置11は、PC(Personal Computer)13に押しボタンスイッチ(行動検出デバイス)14が接続された構成である。
【0044】
本実施形態では、作業者に対し、作業の開始および終了時に押しボタンスイッチ14を必ず押すという規則を設定している。そして、作業情報記録装置11は、作業者が作業の開始時に押しボタンスイッチ14を押すことにより、作業の開始時刻を取得する。そして、作業者が作業の終了時に押しボタンスイッチ14を再び押すことにより、作業の終了時刻を取得する。その後、作業者から作業内容を取得し、取得した開始時刻、終了時刻、および作業内容を含む作業情報を作成して記録する。従って、作業内容と共に終了時刻を取得する従来の場合に比べて、上記終了時刻を作業の終了後直ちに取得できるので、上記終了時刻の精度の低下を抑制することができる。
【0045】
次に、作業情報記録装置11の詳細について説明する。図1は、作業情報記録装置11の概略構成を示している。図1に示すように、作業情報記録装置11は、押しボタンスイッチ14、制御部20、記録部(記録デバイス)21、操作部(操作デバイス)22、時計部23、および表示部(表示デバイス)24を備える構成である。
【0046】
制御部20は、作業情報記録装置11内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、例えばCPU(Central Processing Unit)およびメモリを含むコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。なお、制御部20の詳細については後述する。
【0047】
記録部21は、情報を記録するものであり、ハードディスク、フラッシュメモリなどの記録装置によって構成される。なお、記録部21の詳細については後述する。
【0048】
操作部22は、作業者の操作により作業者から各種の入力を受け付けるものであり、入力用ボタン、タッチパネル、その他の操作デバイスによって構成されている。操作部22は、作業者が操作した情報を操作データに変換して制御部20に送信する。なお、操作デバイスの他の例としては、キーボードと、テンキーと、マウスなどのポインティングデバイスとが挙げられる。
【0049】
時計部23は、時刻を計測するものであり、クロックデバイスによって構成されている。時計部23は、計測した時刻を制御部20に送信する。なお、時刻には年月日が含まれることが望ましい。
【0050】
表示部24は、制御部20からの画像データに基づいて、文字や画像などの各種の情報を表示出力するものである。表示部24は、LCD(液晶表示素子)、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイなどの表示デバイスによって構成されている。
【0051】
押しボタンスイッチ14は、押しボタンの操作面を押圧操作することにより、スイッチ本体を作動させるものである。すなわち、押しボタンスイッチ14は、上記スイッチ本体の作動により、作業者が上記押しボタンを押したことを検出することになる。押しボタンスイッチ14は、上記作動の旨を制御部20に通知する。
【0052】
次に、制御部20および記録部21の詳細について説明する。図1に示すように、制御部20は、時刻取得部(時刻取得手段)30、内容取得部(内容取得手段、表示指示手段)31、および作業情報作成部(作業情報作成手段、稼働情報取得手段)32を備える構成である。また、記録部21は、作業情報DB(データベース)記録部40を備える構成である。
【0053】
時刻取得部30は、押しボタンスイッチ14から上記作動の旨を受け取ると、時計部23から現在の時刻を取得するものである。本実施形態では、時刻取得部30は、押しボタンスイッチ14が最初に押された時に時計部23から取得した時刻を作業の開始時刻とし、押しボタンスイッチ14が次に押された時に時計部23から取得した時刻を作業の終了時刻とし、以後これを繰り返している。時刻取得部30は、取得した開始時刻および終了時刻を内容取得部31および作業情報作成部32に送出する。
【0054】
内容取得部31は、時刻取得部30から終了時刻を受け取ると、作業者に作業内容を入力させるための作業内容入力画像を表示部24に表示させ、上記作業者から操作部22を介して上記作業内容を取得するものである。内容取得部31は、取得した作業内容を作業情報作成部32に送出する。
【0055】
図3は、上記作業内容入力画像の一例を示している。図示の例では、上記作業内容入力画像には、作業に関する担当者(対応者)名、(作業)開始時刻、(作業)終了時刻、作業時間、種類、(対象)設備、(対象)部位、発生現象、処置、および備考の入力欄が、適当な位置に設けられている。また、上記作業内容入力画像の下部には、登録、削除、リセット、およびキャンセルのボタンが設けられている。なお、上記作業内容入力画像が表示される時には、上記開始時刻、終了時刻、および作業時間は既に判明しているため、当該入力欄は既に記入されている。作業者が、図3に示す各種の入力欄に情報を入力し、登録のボタンを押すと、内容取得部31は、入力された各種の情報を作業内容として作業情報作成部32に送出する。
【0056】
作業情報作成部32は、時刻取得部30からの開始時刻および終了時刻と、内容取得部31からの作業内容とを含む作業情報を作成するものである。作業情報作成部32は、作成した作業情報を作業情報DB記録部40の作業情報DBに追加する。
【0057】
図4は、上記作業情報DBの一例を表形式で示している。図示のように、上記作業情報DBには、1つのレコードに、開始時刻と、終了時刻と、担当者名、設備、部位、発生現象、処置などの作業内容とが含まれている。
【0058】
作業情報作成部32は、時刻取得部30から開始時刻を受け取ると、図4の(a)に示すように、開始時刻を含む新たなレコードを作成して上記作業情報DBに追加する。それから、作業情報作成部32は、時刻取得部30から終了時刻を受け取ると、同図の(b)に示すように、当該レコードに終了時刻を追加するように上記作業情報DBを更新する。そして、作業情報作成部32は、内容取得部31から作業内容を受け取ると、同図の(c)に示すように、当該レコードに作業内容を追加するように上記作業情報DBを更新する。
【0059】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図5を参照して説明する。図5は、作業情報記録装置11における処理の流れを示している。図示のように、まず、押しボタンスイッチ14が押されるまで待機する(ステップS10。以下、単に「S10」と記載する。他のステップについても同様である。)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者によって押しボタンスイッチ14が押されると、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の開始時刻として取得する(S11)。
【0060】
次に、押しボタンスイッチ14が再び押されるまで待機する(S12)。そして、作業が終了して、作業者によって押しボタンスイッチ14が再び押されると、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の終了時刻として取得する(S13、時刻取得ステップ)。
【0061】
次に、内容取得部31は、図3に示すような作業内容入力画面を表示部24に表示させ(S14)、作業内容の入力が完了するまで待機する(S15、内容取得ステップ)。作業内容の入力が完了すると、作業情報作成部32は、上記開始時刻、上記終了時刻、および上記作業内容を作業情報のレコードに格納して、作業情報DB記録部40に記録する(S16、作業情報作成ステップ)。その後、ステップS10に戻って上記動作を繰り返す。
【0062】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について、図6および図7を参照して説明する。本実施形態の作業情報記録装置11は、図1〜図5に示す作業情報記録装置11に比べて、押しボタンスイッチ14に代えて作業者IDリーダ(行動検出デバイス、識別情報読取デバイス)15が利用される点が異なる。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0063】
作業者IDリーダ15は、作業者を識別する作業者ID(識別情報)が記録され、かつ、作業者が所持する記録媒体から上記作業者IDを読み取るものである。作業者IDリーダ15は、作業者が上記記録媒体を接続、接触、または接近させることにより、当該記録媒体から上記作業者IDを読み取ることができる。
【0064】
作業者IDリーダ15の例としては、バーコードから作業者IDを読み取るバーコードリーダ、ICタグから作業者IDを読み取るICタグリーダなどが挙げられる。なお、バーコード、ICタグなどの記録媒体から情報を読み取る手法については周知であるので、その説明を省略する。
【0065】
本実施形態では、作業者に対し、作業の開始および終了時に、上記作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に必ず、接続、接触、または接近させるという規則を設定している。これにより、作業情報記録装置11は、作業者が作業の開始時に記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させることにより、作業の開始時刻を取得する。そして、作業者が作業の終了時に記録媒体を作業者IDリーダ15に再び、接続、接触、または接近させることにより、作業の終了時刻を取得する。このように、押しボタンスイッチ14の代わりに作業者IDリーダ15を利用しても、上記実施形態と同様の作用効果が得られることが理解できる。
【0066】
図6は、作業情報記録装置11の概略構成を示している。本実施形態の作業情報記録装置11の制御部20は、図1に示す制御部20に比べて、作業者ID取得部33が新たに設けられる点と、時刻取得部30、内容取得部31、および作業情報作成部32に代えて、時刻取得部30a、内容取得部31a、および作業情報作成部32aが設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。また、本実施形態の作業情報記録装置11の記録部21は、図1に示す記録部21に比べて、作業者情報記録部41が新たに設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0067】
作業者IDリーダ15は、上述のように、作業者が上記記録媒体を接続、接触、または接近させることにより、当該記録媒体から作業者IDを読み取る。すなわち、作業者IDリーダ15は、記録媒体から作業者IDを読み取ることにより、作業者が上記記録媒体を接続、接触、または接近させたことを検出することになる。作業者IDリーダ15は、読み取った作業者IDを時刻取得部30aおよび作業者ID取得部33に送信する。
【0068】
作業者情報記録部41は、作業者の氏名と作業者IDとを対応付けた作業者情報を予め記録するものである。
【0069】
時刻取得部30aは、図1に示す時刻取得部30に比べて、押しボタンスイッチ14から上記作動の旨を受け取る代わりに、作業者IDリーダ15から作業者IDを受け取る点が異なり、その他の機能は同様である。
【0070】
作業者ID取得部33は、作業者IDリーダ15から作業者IDを取得するものである。作業者ID取得部33は、時刻取得部30aが作業の終了時刻を取得する時、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して、取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を取得し、取得した作業者の氏名を作業の担当者名として、内容取得部31aおよび作業情報作成部32aに送出する。
【0071】
内容取得部31aおよび作業情報作成部32aは、図1に示す内容取得部31および作業情報作成部32に比べて、作業者ID取得部33から作業の担当者名をさらに受け取る点が異なり、その他の機能は同様である。これにより、内容取得部31aが表示部24に表示させる作業内容入力画像(図3)には、上記開始時刻、終了時刻、および作業時間に加えて、上記担当者名が既に記入されることになる。また、内容取得部31aから作業情報作成部32aに上記担当者名を送出する必要がなくなる。従って、作業者が作業の担当者名を入力する手間を省くことができる。
【0072】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図7を参照して説明する。図7は、作業情報記録装置11における処理の流れを示している。図示のように、まず、作業者IDリーダ15が作業者IDを読み取るまで待機する(S20)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させると、作業者IDリーダ15が上記記録媒体から作業者IDを読み取る。このとき、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の開始時刻として取得する(S11)。
【0073】
次に、作業者IDリーダ15が作業者IDを再び読み取るまで待機する(S22)。そして、作業が終了して、作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させると、作業者IDリーダ15が上記記録媒体から作業者IDを再び読み取る。このとき、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の終了時刻として取得する一方、作業者ID取得部33は、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して、取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、作業の担当者名として取得する(S23)。その後は、図5に示すステップS14〜S16が行われ、再びステップS20に戻って上記動作を繰り返す。
【0074】
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図8および図9を参照して説明する。本実施形態の作業情報記録装置11は、図6および図7に示す作業情報記録装置11に比べて、作業者ID取得部33の機能と、作業情報作成部32aが作成するレコードの内容とが異なるのみであり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
本実施形態では、作業者ID取得部33は、時刻取得部30aが作業の開始時刻を取得する時に作業者IDリーダ15から取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して取得している。作業者ID取得部33は、取得した作業者の氏名を、作業すべき事象の発見者である発見者名として、内容取得部31aおよび作業情報作成部32aに送出する。
【0076】
また、本実施形態では、作業者ID取得部33は、時刻取得部30aが作業の終了時刻を取得する時に作業者IDリーダ15から取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して取得している。作業者ID取得部33は、取得した作業者の氏名を、作業の対応者である対応者名として、内容取得部31aおよび作業情報作成部32aに送出する。
【0077】
図8は、作業情報DB記録部40の作業情報DBの一例を表形式で示している。図8に示す作業情報DBは、図4に示す作業情報DBに比べて、担当者名に代えて、発見者名および対応者名を含んでいる点が異なり、その他は同様である。これにより、本実施形態の作業情報記録装置11は、上記発見者と上記対応者とが異なる場合にも対応することができる。また、作業者が上記発見者および上記対応者の氏名を入力する手間を省くことができる。
【0078】
作業情報作成部32aは、時刻取得部30から開始時刻を受け取り、かつ作業者ID取得部33から発見者名を受け取ると、図8の(a)に示すように、開始時刻および発見者名を含む新たなレコードを作成して上記作業情報DBに追加する。それから、作業情報作成部32aは、時刻取得部30から終了時刻を受け取り、かつ作業者ID取得部33から対応者名を受け取ると、同図の(b)に示すように、当該レコードに終了時刻および対応者名を追加するように上記作業情報DBを更新する。そして、作業情報作成部32aは、内容取得部31から作業内容を受け取ると、同図の(c)に示すように、当該レコードに作業内容を追加するように上記作業情報DBを更新する。
【0079】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図9を参照して説明する。図9は、作業情報記録装置11における処理の流れを示している。図示のように、まず、作業者IDリーダ15が作業者IDを読み取るまで待機する(S20)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させると、作業者IDリーダ15が上記記録媒体から作業者IDを読み取る。このとき、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の開始時刻として取得する一方、作業者ID取得部33は、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して、取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、上記発見者名として取得する(S31)。
【0080】
次に、作業者IDリーダ15が作業者IDを再び読み取るまで待機する(S22)。そして、作業が終了して、作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させると、作業者IDリーダ15が上記記録媒体から作業者IDを再び読み取る。このとき、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の終了時刻として取得する一方、作業者ID取得部33は、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して、取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、上記対応者名として取得する(S33)。その後は、図5に示すステップS14〜S16が行われ、再びステップS20に戻って上記動作を繰り返す。
【0081】
〔実施の形態4〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図10および図11を参照して説明する。図10は、本実施形態の作業情報記録装置11の概略構成を示している。同図に示す本実施形態の作業情報記録装置11は、図6に示す作業情報記録装置11に比べて、作業者IDリーダ15が各設備12に設けられている点と、作業者IDリーダ15と設備12とを対応付けた設備情報を予め記録する設備情報記録部42が追加されている点とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0082】
本実施形態の作業情報記録装置11の制御部20は、図6に示す制御部20に比べて、時刻取得部30a、内容取得部31a、作業情報作成部32a、および作業者ID取得部33に代えて、時刻取得部30b、内容取得部31b、作業情報作成部32b、および作業者ID取得部33bが設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。
【0083】
時刻取得部30bは、図6に示す時刻取得部30aに比べて、複数の設備12に設けられた複数の作業者IDリーダ15から作業者IDを受け取り可能である点が異なり、その他の機能は同様である。
【0084】
作業者ID取得部33bは、時刻取得部30bが作業の開始時刻を取得する時に作業者IDリーダ15から取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して取得している。さらに、作業者ID取得部33bは、作業者IDの取得元である作業者IDリーダ15に対応する設備名を、設備情報記録部42の設備情報を参照して取得している。作業者ID取得部33は、取得した作業者の氏名を、上記発見者名として、内容取得部31bおよび作業情報作成部32bに送出すると共に、取得した設備名を内容取得部31bおよび作業情報作成部32bに送出する。
【0085】
また、本実施形態では、作業者ID取得部33bは、時刻取得部30bが作業の終了時刻を取得する時に作業者IDリーダ15から取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して取得している。作業者ID取得部33は、取得した作業者の氏名を、作業の対応者である対応者名として、内容取得部31bおよび作業情報作成部32bに送出する。
【0086】
内容取得部31bおよび作業情報作成部32bは、図6に示す内容取得部31aおよび作業情報作成部32aに比べて、作業の担当者名に代えて、発見者名、対応者名、および設備名を作業者ID取得部33から受け取る点が異なり、その他の機能は同様である。これにより、内容取得部31bが表示部24に表示させる作業内容入力画像には、上記開始時刻、終了時刻、および作業時間に加えて、上記発見者名、対応者名、および設備名が既に記入されることになる。また、内容取得部31aから作業情報作成部32aに上記発見者名、対応者名、および設備名を送出する必要がなくなる。従って、作業者が上記発見者名、対応者名、および設備名を入力する手間を省くことができる。
【0087】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図11を参照して説明する。図11は、作業情報記録装置11における処理の流れを示している。図示のように、まず、作業者IDリーダ15が作業者IDを読み取るまで待機する(S20)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者が所持する記録媒体を作業者IDリーダ15に接続、接触、または接近させると、作業者IDリーダ15が上記記録媒体から作業者IDを読み取る。
【0088】
このとき、時刻取得部30bは、時計部23からの時刻を作業の開始時刻として取得する(S41)。一方、作業者ID取得部33bは、作業者情報記録部41の作業者情報を参照して、取得した作業者IDに対応する作業者の氏名を、上記発見者名として取得する(S41)。さらに、作業者ID取得部33bは、設備情報記録部42の設備情報を参照して、作業者IDを読み取った作業者IDリーダ15に対応する設備12の名称を上記設備名として取得する(S41)。その後は、図9に示すステップS22、S22、およびS14〜S16が行われ、再びステップS20に戻って上記動作を繰り返す。
【0089】
〔実施の形態5〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、本実施形態の作業情報記録装置11の概略構成を示している。同図に示す本実施形態の作業情報記録装置11は、図1に示す作業情報記録装置11に比べて、押しボタンスイッチ14に代えて、作業の開始用押しボタンスイッチ14cと作業の終了用押しボタンスイッチ14dとが設けられている点と、記録部21に、作業の終了時刻を一時記憶する時刻記憶部43が新たに設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
本実施形態の作業情報記録装置11の制御部20は、図1に示す制御部20に比べて、時刻取得部30に代えて、開始時刻取得部30cおよび終了時刻取得部30dが設けられている点と、時刻選択部(時刻選択手段)34が新たに設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0091】
開始時刻取得部30cは、開始用押しボタンスイッチ14cからスイッチ本体の作動の旨を受け取ると、時計部23から現在の時刻を作業の開始時刻として取得するものである。開始時刻取得部30cは、取得した開始時刻を内容取得部31および作業情報作成部32に送出する。
【0092】
一方、終了時刻取得部30dは、終了用押しボタンスイッチ14dからスイッチ本体の作動の旨を受け取ると、時計部23から現在の時刻を作業の終了時刻として取得するものである。終了時刻取得部30dは、取得した終了時刻を時刻記憶部43に記憶する。
【0093】
時刻選択部34は、時刻記憶部43に記憶された終了時刻の中から、作業者から操作部22を介しての指示に基づき選択するものである。時刻選択部34は、選択した終了時刻を内容取得部31および作業情報作成部32に送出する。
【0094】
上記の構成によると、開始用押しボタンスイッチ14cと終了用押しボタンスイッチ14dとが設けられているので、制御部20が時計部23から取得する時刻が作業の開始時刻および終了時刻の何れであるかを容易に特定することができる。また、複数の作業が発生し、複数の開始時刻と複数の終了時刻とが発生した場合でも、或る開始時刻に対応する終了時刻を選択することにより、各作業の開始時刻および終了時刻を特定することができる。
【0095】
〔実施の形態6〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。図13は、本実施形態の作業情報記録装置11の概略構成を示している。同図に示す本実施形態の作業情報記録装置11は、図1に示す作業情報記録装置11に比べて、記録部21に、作業の関連時刻を一時記憶する時刻記憶部43eが新たに設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0096】
本実施形態の作業情報記録装置11の制御部20は、図1に示す制御部20に比べて、時刻取得部30に代えて、時刻取得部30eが設けられている点と、時刻選択部34eが新たに設けられている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0097】
時刻取得部30eは、押しボタンスイッチ14から上記スイッチ本体の作動の旨を受け取ると、時計部23から現在の時刻を作業の関連時刻として取得するものである。ここで、作業の関連時刻は、作業の開始時刻および終了時刻の何れかである。時刻取得部30eは、取得した関連時刻を、時刻記憶部43eに記憶する。
【0098】
時刻選択部34eは、時刻記憶部43eに記憶された作業の関連時刻の中から、作業者から操作部22を介しての指示に基づき、作業の開始時刻および終了時刻の両方を選択するものである。時刻選択部34は、選択した開始時刻および終了時刻を内容取得部31および作業情報作成部32に送出する。
【0099】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図14および図15を参照して説明する。図14は、作業関連時刻を取得する処理の流れを示している。図示のように、まず、押しボタンスイッチ14が押されるまで待機する(S50)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者によって押しボタンスイッチ14が押されると、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の関連時刻として取得し、取得した関連時刻を時刻記憶部43eに記憶する(S51)。その後、ステップS50に戻って上記動作を繰り返す。
【0100】
図15は、作業情報を作成する処理の流れを示している。図示のように、まず、内容取得部31は、図3に示すような作業内容入力画面を表示部24に表示させる(S60)。そして、時刻選択部34が作業者からの指示により開始時刻を選択すると(S61)、作業情報作成部32は、選択された時刻を作業の開始時刻として作業情報レコードに格納する(S62)。また、時刻選択部34が作業者からの指示により終了時刻を選択すると(S63)、作業情報作成部32は、選択された時刻を作業の終了時刻として作業情報レコードに格納する(S64)。
【0101】
また、内容取得部31が作業者からの入力により作業内容を取得すると(S65)、作業情報作成部32は、取得された作業内容を作業情報レコードに格納する(S66)。そして、登録ボタンが押されるまで(S67)、ステップS61に戻って上記動作を繰り返す。登録ボタンが押されると(S67)。作業情報作成部32は、上記作業情報レコードを作業情報DB記録部40に記録し(S68)、その後、処理動作を終了する。
【0102】
〔実施の形態7〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図16〜図18を参照して説明する。図16は、本実施形態の作業情報記録装置11の概略構成を示している。同図に示す本実施形態の作業情報記録装置11は、図10に示す作業情報記録装置11に比べて、作業者IDリーダ15に代えて押しボタンスイッチ14を利用している点と、エリアセンサ(行動検出デバイス)16が新たに設けられている点と、作業者情報記録部41が省略されている点と、制御部20内の構成とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0103】
エリアセンサ16は、生産ライン10の近くの所定領域(区域)における人(作業者)の出入りを検出するものである。エリアセンサ16による検出は制御部20に通知される。エリアセンサ16を利用することにより、作業者は、上記所定領域を出入りすれば自動的に検出されるので、押しボタンスイッチ14を押すなど、作業者に余分な作業を行わせる必要がなくなる。
【0104】
図16に示す本実施形態の制御部20は、図10に示す制御部20に比べて、作業者ID取得部33bに代えて設備特定部35が設けられている点と、時刻取得部30bおよび作業情報作成部32bにおける機能が変更されている点とが異なり、その他の構成は同様である。
【0105】
設備特定部35は、押しボタンが押された押しボタンスイッチ14に対応する設備名を、設備情報記録部42の設備情報を参照して特定している。設備特定部35は、特定した設備名を内容取得部31bおよび作業情報作成部32bに送出する。
【0106】
本実施形態では、時刻取得部30bは、まず、エリアセンサ16から上記検出が通知された時に取得した時刻を、作業を行うべき事象(故障)が発覚した時刻である故障発覚時刻(発見時刻)としている。また、時刻取得部30bは、その後に押しボタンスイッチ14から上記作動の旨と受け取った時に取得した時刻を上記作業の開始時刻としており、エリアセンサ16から上記検出が再び通知された時に取得した時刻を上記作業の終了時刻としている。従って、本実施形態の作業情報記録装置11は、故障発覚時刻を作業開始時刻とは別に収集できるので、故障発覚から作業の開始までの遅れを把握することができる。
【0107】
図17は、作業情報DB記録部40の作業情報DBの一例を表形式で示している。図17に示す作業情報DBは、図8に示す作業情報DBに比べて、故障発覚時刻が追加されている点と、発見者名および対応者名の代わりに担当者名が含まれている点とが異なり、その他は同様である。
【0108】
本実施形態では、作業者IDリーダ15に代えて押しボタンスイッチ14が利用されているので、発見者および対応者を自動的に特定することができない。このため、作業者から操作部22を介して担当者名が、内容情報の1つとして入力されることになる。
【0109】
作業情報作成部32bは、時刻取得部30bから故障発覚時刻を受け取ると、図18の(a)に示すように、故障発覚時刻を含む新たなレコードを作成して上記作業情報DBに追加する。それから、作業情報作成部32bは、時刻取得部30bから開始時刻を受け取り、設備特定部35から設備名を取得すると、同図の(b)に示すように、当該レコードに開始時刻および設備名を追加するように上記作業情報DBを更新する。そして、作業情報作成部32bは、時刻取得部30bから終了時刻を受け取り、かつ、内容取得部31から、担当者名を含む作業内容を受け取ると、同図の(c)に示すように、当該レコードに終了時刻および作業内容を追加するように上記作業情報DBを更新する。
【0110】
次に、上記構成の作業情報記録装置11における処理動作について、図18を参照して説明する。図18は、作業情報記録装置11における処理の流れを示している。図示のように、まず、エリアセンサ16が作業者を検知するまで待機する(S70)。そして、作業を行うべき何らかの事象が発生して、作業者が生産ライン10に近づくと、エリアセンサ16が検知して、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を故障発覚時刻として取得する(S71)。
【0111】
次に、押しボタンスイッチ14が押されるまで待機する(S72)。作業者によって押しボタンスイッチ14が押されると、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の開始時刻として取得する一方、設備特定部35が、押された押しボタンスイッチ14に対応する設備12を特定し、特定した設備12の設備名を取得する(S73)。
【0112】
次に、エリアセンサ16が作業者を検知するまで待機する(S74)。そして、作業が終了して、エリアセンサ16が作業者を検知すると、時刻取得部30が、時計部23からの時刻を作業の終了時刻として取得する(S13)。その後、ステップS14〜S16が行われ、再びステップS70に戻って上記動作を繰り返す。
【0113】
〔実施の形態8〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について、図19を参照して説明する。図19は、本実施形態の作業情報記録装置11の概略構成を示している。同図に示す本実施形態の作業情報記録装置11は、図1に示す作業情報記録装置11に比べて、押しボタンスイッチ14に代えて、ワイヤレス型押しボタンスイッチ14fが利用されている点と、ワイヤレス型押しボタンスイッチ14fからの無線信号を受信する受信部25が設けられている点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0114】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0115】
例えば、内容取得部31は、図3に示す作業内容入力画像を表示部24に表示させる場合、各作業の作業期間(開始時刻から終了時刻まで)をタイムチャートで表示部24に表示させてもよい。図20は、上記タイムチャートの一例を示している。図示の例では、作業1は、開始時刻が8時00分であり、終了時刻が9時00分である。一方、作業2は、開始時刻が8時30分であり、終了時刻が9時30分である。図示のように、各作業の作業期間をタイムチャートで表示することにより、作業者は、各作業の作業期間を直感的に把握することができる。
【0116】
図21の(a)および(b)は、それぞれ、作業1および作業2の上記作業内容入力画像の一例を示している。図20に示すタイムチャートにおいて、作業者が作業1のタイムチャートを選択すると、図21の(a)に示す作業1の作業内容入力画像が表示される。一方、作業2のタイムチャートが選択されると、図21の(b)に示す作業2の作業内容入力画像が表示される。従って、作業者は、各作業の作業内容を容易に入力することができる。
【0117】
なお、図21において、開始時刻および終了時刻が変更可能であってもよい。この場合、上記選択に応じて、図20に示すタイムチャートが変化することになる。例えば、図21の(a)において、終了時刻を9時30分に変更すると、図20に示す作業1のタイムチャートは8時00分〜9時30分に変化することになる。
【0118】
また、作業情報作成部32は、各設備12からの稼働情報を取得し、取得した稼働情報に基づいて、終了時刻を自動的に修正してもよい。図22は、終了時刻を修正する例をタイムチャートで示している。同図の上段は稼働情報を示し、中段は作業者が入力した作業期間を示している。そして、同図の下段は、修正された作業期間を示している。
【0119】
図22に示すように、作業情報作成部32は、作業者が押しボタンスイッチ14を押すなどにより取得した終了時刻の前後所定期間(例えば30分)に発生した設備12の異常停止をサーチし、該異常停止の終了時刻を当該作業の終了時刻として修正する。これにより、より正確な終了時刻を取得することができる。なお、作業者が、図22の上段および中段のタイムチャートを比較して、図22の下段に示すように、終了時刻を手動で修正してもよい。
【0120】
最後に、作業情報記録装置11の各ブロック、特に制御部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0121】
すなわち、作業情報記録装置11は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである作業情報記録装置11の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記作業情報記録装置11に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0122】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0123】
また、作業情報記録装置11を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明に係る作業情報記録装置は、内容情報と共に終了時刻を取得する従来の場合に比べて、終了時刻を迅速に取得でき、その結果、上記作業の終了時刻の精度の低下を抑制できるので、異常に対する処置以外にも任意の作業に適用することができる。
【符号の説明】
【0125】
1 生産システム
10 生産ライン
11 作業情報記録装置
12 設備
14 押しボタンスイッチ(行動検出デバイス)
15 作業者IDリーダ(行動検出デバイス、識別情報読取デバイス)
16 エリアセンサ(行動検出デバイス)
20 制御部
21 記録部(記録デバイス)
22 操作部(操作デバイス)
23 時計部
24 表示部(表示デバイス)
25 受信部
30 時刻取得部(時刻取得手段)
31 内容取得部(内容取得手段、表示指示手段)
32 作業情報作成部(作業情報作成手段、稼働情報取得手段)
33 作業者ID取得部
34 時刻選択部(時刻選択手段)
35 設備特定部
40 作業情報DB記録部
41 作業者情報記録部
42 設備情報記録部
43 時刻記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置であって、
上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスと、
上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスと、
上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得手段と、
該時刻取得手段が上記作業の終了時刻を取得した後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記操作デバイスを介して取得する内容取得手段と、
上記時刻取得手段が取得した終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成手段とを備えることを特徴とする作業情報記録装置。
【請求項2】
上記時刻取得手段は、さらに、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得しており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した開始時刻および終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項1に記載の作業情報記録装置。
【請求項3】
上記行動検出デバイスは、作業開始用の行動検出デバイスと、作業終了用の行動検出デバイスとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の作業情報記録装置。
【請求項4】
上記時刻取得手段は、さらに、取得した終了時刻を記録デバイスに蓄積しており、
上記記録デバイスに蓄積された終了時刻の中から、上記操作デバイスの操作に基づき選択する時刻選択手段をさらに備えており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻選択手段が選択した終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項5】
上記時刻取得手段は、さらに、上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得して記録デバイスに蓄積しており、
上記時刻選択手段は、さらに、上記記録デバイスに蓄積された開始時刻の中から、上記操作デバイスの操作に基づき選択しており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻選択手段が選択した開始時刻および終了時刻と、上記内容取得手段が取得した内容情報とを含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項4に記載の作業情報記録装置。
【請求項6】
情報を表示する表示デバイスと、
上記記録デバイスに蓄積された終了時刻に基づき、各作業のタイムチャートを表示するように上記表示デバイスに指示する表示指示手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の作業情報記録装置。
【請求項7】
上記行動検出デバイスは、上記作業者が押しボタンを押したことを検出する押しボタンスイッチであることを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項8】
上記行動検出デバイスは、上記作業者を識別する作業者識別情報が記録された記録媒体を上記作業者が接続、接触、または接近させたことを、上記記録媒体から上記作業者識別情報を読み取ることにより検出する識別情報読取デバイスであることを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項9】
上記時刻取得手段は、さらに、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を取得して、上記終了時刻に対応付けており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた作業者識別情報をさらに含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項8に記載の作業情報記録装置。
【請求項10】
上記時刻取得手段は、さらに、
上記識別情報読取デバイスの検出により、上記作業の開始時刻を取得すると、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を、上記作業を行うべき現象を発見した発見者識別情報として取得して、上記作業の開始時刻と対応付ける一方、
上記識別情報読取デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得すると、上記識別情報読取デバイスが読み取った作業者識別情報を、上記作業に対応した対応者識別情報として取得して、上記作業の終了時刻と対応付けており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した開始時刻と、該開始時刻に対応付けられた発見者識別情報と、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた対応者識別情報とをさらに含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項8に記載の作業情報記録装置。
【請求項11】
上記行動検出デバイスは、上記生産ラインの各設備に設けられており、
上記時刻取得手段は、さらに、検出した行動検出デバイスが設けられている設備の名称を取得して、上記終了時刻に対応付けており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻に対応付けられた設備の名称をさらに含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項12】
上記行動検出デバイスは、上記生産ラインの各設備に設けられ、さらに、上記生産ラインの区域に上記作業者が出入りしたことを検出するエリアセンサが設けられており、
上記時刻取得手段は、さらに、上記エリアセンサの検出により、上記作業を行うべき現象を発見した発見時刻を取得し、上記各設備に設けた上記行動検出デバイスの検出により、上記作業の開始時刻および当該設備の名称を取得し、かつ、上記エリアセンサの再検出により、上記作業の終了時刻を取得しており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した発見時刻、開始時刻、および当該設備の名称をさらに含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項13】
上記生産ラインにおける各設備の稼働情報を取得する稼働情報取得手段をさらに備えており、
上記作業情報作成手段は、上記時刻取得手段が取得した終了時刻を、上記稼働情報取得手段が取得した稼働情報に基づいて修正し、修正した終了時刻と上記内容情報とを含む上記作業情報を作成することを特徴とする請求項1から12までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項14】
上記内容情報は、上記作業の種類と、上記作業の対象と、上記作業を行うことになった現象または原因との少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から13までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項15】
上記行動検出デバイスは、ワイヤレス型であることを特徴とする請求項1から14までの何れか1項に記載の作業情報記録装置。
【請求項16】
生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置の制御方法であって、
上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得ステップと、
該時刻取得ステップにて上記作業の終了時刻が取得された後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスを介して取得する内容取得ステップと、
上記時刻取得ステップにて取得された終了時刻と、上記内容取得ステップにて取得された内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成ステップとを含むことを特徴とする作業情報記録装置の制御方法。
【請求項17】
生産ラインにて作業者が行う作業に係る情報である作業情報を記録デバイスに記録する作業情報記録装置を動作させるための制御プログラムにおいて、
上記作業者による所定の行動を検出する行動検出デバイスの検出により、上記作業の終了時刻を取得する時刻取得ステップと、
該時刻取得ステップにて上記作業の終了時刻が取得された後に、上記作業の内容を示す内容情報を、上記作業者からの操作を受け付ける操作デバイスを介して取得する内容取得ステップと、
上記時刻取得ステップにて取得された終了時刻と、上記内容取得ステップにて取得された内容情報とを含む上記作業情報を作成する作業情報作成ステップとをコンピュータに実行させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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