説明

作業機械のエネルギ回生装置

【課題】作業種別に関わらず、操作性の確保とエネルギ回生による燃費の向上が図れる作業機械のエネルギ回生装置を提供する。
【解決手段】発電機が接続された油圧モータを介して戻り油をタンクに導く回生回路と、流量調整手段を介して戻り油をタンクに導く流量調整回路と、複数の操作装置の内の回生対象となる操作装置の操作量を検出する第1検出手段と、複数の操作装置の操作量をそれぞれ検出する第2検出手段と、操作量とメータアウト流量との関係及び第1検出手段で検出される操作量に基づいて、回生回路側を流れる戻り油の流量及び流量調整回路側を流れる戻り油の流量の比である分流比を演算する分流比演算手段と、複数の操作装置の操作量を取り込み、作業機械の作業種別を判別して判別信号を出力する作業種別判別手段とを備え、判別信号により操作量とメータアウト流量との関係を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械等の作業機械のエネルギ回生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、油圧ショベルをはじめとする油圧作業機械に対して燃料消費率(燃費)の向上に関する要求が高まっている。
【0003】
ブームシリンダ(油圧シリンダ)のボトム側油圧室に接続されブーム下げ時の戻り油が流通する油路(戻り油油路)に切替弁を設置し、油圧モータ及びこれに連結された発電機を備える回生回路を当該切替弁の下流側に接続した油圧ショベルがある(例えば、特許文献1参照)。当該油圧ショベルでは、モニタパネルで選択された作業モードに応じて当該切替弁の切替位置が切り換えられるようになっており、作業モードに応じて当該回生回路とボトム側油圧室との連通状態が選択的に切り換えられるようになっている(例えば、掘削作業ではボトム側油圧室と回生回路が連通され、微操作作業ではボトム側油圧室と回生回路は遮断される)。したがって、例えば、ブーム下げ時にボトム側油圧室と回生回路が連通する作業モードが選択されている場合には、ブームを下げるとボトム側油圧室から排出される戻り油によって当該油圧モータ及び当該発電機が駆動されて回生電流が発生する。しかし、この油圧ショベルでは、オペレータによって作業モードが切り換えられなければ回生されないため、作業モードの変更作業が繁雑で回生すべきときに回生されないおそれがあった。
【0004】
この点を鑑みた油圧ショベルとして、戻り油油路を2本以上の油路に分流する分岐部と、当該分岐部で分流された圧油の一部を発電機が接続された油圧モータを介してタンクに導く回生回路と、操作レバーの操作量に応じて通過流量が変更されるオリフィス(流量調整手段)を介して当該分岐部で分流された圧油の残りをタンクに導く流量調整回路を備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。すなわち、この油圧ショベルでは、ブーム下げ時の操作レバーの操作量に応じて当該回生回路と当該流量調整回路に流出する戻り油の流量を制御することで、操作性の急変を招くことなく回生量と操作性の両立を図ろうとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−329012号公報
【特許文献2】特開2007−107616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、油圧ショベルのような作業機械は、例えば、ばらまき作業、土羽打ち作業、法面仕上げ作業、クレーン作業、掘削作業、積み込み作業、旋回地ならし作業等の多岐に渡る作業内容に適用できることが要求される。また、例えば、掘削作業の場合には、押しつけ掘削作業や単純掘削作業、溝掘削作業、水平掘削作業等の作業種別がある。
【0007】
これらの各種作業を実行する場合、必要とされる油圧ショベルの動作や負荷状態等が異なる場合が多いため、それらの作業種別に応じた的確な動作形態で油圧ポンプやこれを駆動するエンジンを動作させることが好ましい。
【0008】
上述した特許文献2の発明は、微操作性と回生量の両立を図るべく提案された発明であるが、油圧ショベルのブーム下げ操作のときに、通常回生回路を使用せず流量調整手段のみを用いてブーム下げ動作を行った場合に、微操作性を含めたトータルの操作性が最も優れるように構成されている。
【0009】
したがって、特許文献2の発明を採用した油圧ショベル等では、多岐に渡る作業を行っていく際に、ある作業に対しては、ブーム下げの操作性がマッチせずに、作業効率を低下させる虞がある。
【0010】
本発明は、上記事項に基づいてなされたもので、その目的は、作業種別に関わらず、操作性の確保とエネルギ回生による燃費の向上が図れる作業機械のエネルギ回生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を複数の油圧シリンダに切換え供給する複数のコントロールバルブと、前記複数のコントロールバルブを制御する複数の操作装置とを備える作業機械のエネルギ回生装置において、前記複数の油圧シリンダの内の回生対象となる油圧シリンダのボトム側油圧室に接続され当該油圧シリンダの縮短時にタンクに戻る戻り油が流通する油路と、前記油路に設けられ当該油路を複数の油路に分流する分岐部と、前記分岐部に接続され、発電機が接続された油圧モータを介して戻り油をタンクに導く回生回路と、前記分岐部に接続され、流量調整手段を介して戻り油をタンクに導く流量調整回路と、前記複数の操作装置の内の回生対象となる操作装置の操作量を検出する第1検出手段と、前記複数の操作装置の操作量をそれぞれ検出する第2検出手段と、前記回生対象となる油圧シリンダが縮短される場合における前記操作装置の操作量に対する前記油圧シリンダからのメータアウト流量の複数の関係が記憶された記憶手段と、前記記憶手段からの出力と切換え信号とを入力し、前記切換え信号に応じて前記記憶手段からの出力信号のいずれか1つを出力する特性切換手段と、前記特性切換手段により出力された操作量とメータアウト流量との関係及び前記第1検出手段で検出される前記操作量に基づいて、前記回生回路側を流れる戻り油の流量及び前記流量調整回路側を流れる戻り油の流量の比である分流比を演算する分流比演算手段と、前記分流比演算手段からの分流比に応じて、前記回生回路と前記流量調整回路への出力信号を演算する分流出力手段と、前記第2検出手段が検出した前記複数の操作装置の操作量を取り込み、前記作業機械の作業種別を判別して判別信号を前記特性切換手段に出力する作業種別判別手段とを備えたものとする。
【0012】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記回生対象となる油圧シリンダは、前記作業機械のブーム装置駆動用であることを特徴とする。
【0013】
更に、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記作業種別判別手段は前記作業機械のブーム装置による土羽打ち作業であると判別すると、前記回生回路側への戻り油を遮断し、全ての戻り油を前記流量調整回路側へ流すように制御することを特徴とする。
【0014】
更に、第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記作業種別判別手段は前記作業機械のブーム装置とアーム装置とによる水平押し作業であると判別すると、前記回生回路側への戻り油を遮断し、全ての戻り油を前記流量調整回路側へ流すように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回生回路と流量調整回路との分流比を作業内容に応じて最適な値に分流制御するので、作業を円滑に遂行し得る操作性の確保とエネルギ回生による燃費の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を備えた油圧ショベルを示す斜視図である。
【図2】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を備えた油圧ショベルの駆動制御システムの概略図である。
【図3】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの一例を示すメータリング特性図である。
【図4】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラのブロック図である。
【図5】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの他の例を示すメータリング特性図である。
【図6】本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの更に他の例を示すメータリング特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の作業機械のエネルギ回生装置の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を備えた油圧ショベルを示す斜視図である。
図1において、油圧ショベル1は、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cを有する多関節型の作業装置1Aと、上部旋回体1d及び下部走行体1eを有する車体1Bとを備えている。ブーム1aは、上部旋回体1dに回動可能に支持されていて、ブームシリンダ(油圧シリンダ)3aにより駆動される。
【0018】
アーム1bは、ブーム1aに回動可能に支持されていて、アームシリンダ(油圧シリンダ)3bにより駆動される。バケット1cは、アーム1bに回動可能に支持されていて、バケットシリンダ(油圧シリンダ)3cにより駆動される。上部旋回体1dは旋回モータ(電動機)16(図2参照)により旋回駆動され、下部走行体1eは左右の走行モータ(油圧モータ)3e,3f(図2参照)により駆動される。ブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c及び旋回モータ16の駆動は、上部旋回体1dの運転室(キャブ)内に設置され油圧信号を出力する操作装置4A,4B(図2参照)によって制御されている。
【0019】
図2は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を備えた油圧ショベルの駆動制御システムの概略図である。図2において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
図2に示す駆動制御システムは、動力回生装置70と、操作装置4A,4Bと、コントロールバルブ(スプール型方向切換弁)5A,5B,5Cと、油圧信号を電気信号に変換する圧力センサ17〜20,17’〜20’と、インバータ13と、チョッパ14と、バッテリ15と、インバータ12を備えており、制御装置として車体コントローラ(MCU)11、バッテリコントローラ(BCU)22及びエンジンコントローラ(ECU)21とを備えている。
【0020】
油圧源装置としては、油圧ポンプ6とパイロット圧油を供給するパイロット油ポンプ7と作動油タンク8とを備えている。油圧ポンプ6とパイロット油ポンプ7とは同一の駆動軸で連結され、この駆動軸と直列に接続されたエンジン9、動力変換機10によって駆動される。
【0021】
油圧ポンプ6からの圧油をブームシリンダ3a〜走行モータ3fへ供給する油路30には、油路内の圧油の圧力を制限するリリーフ弁30Aと圧油の方向と流量を制御する制御弁5A〜5Fとが設けられている。リリーフ弁30Aは、油圧配管内の圧力が設定圧力以上に上昇した場合に、圧油をタンク8へ逃がすものである。制御弁5A〜5Fは、そのパイロット受圧部へのパイロット圧油の供給により、スプール位置を切り換えて、油圧ポンプ6からの圧油を各油圧アクチュエータに供給して、アーム1b等を駆動している。
【0022】
制御弁5A〜5Cのスプール位置は、操作装置4A,4Bの操作レバー等の操作によって切り換えされる。操作装置4A,4Bは、操作レバー等の操作により、パイロット油ポンプ7からパイロット一次側油路40を介して供給されるパイロット一次圧油を、パイロット二次側油路を通して制御弁5A〜5Cのパイロット受圧部に供給している。アクチュエータ3e,3fを駆動制御する制御弁5E,5Fのスプール位置は、図示せぬ走行操作装置の操作により、操作装置4A,4Bの場合と同様に切り換えされる。
【0023】
操作装置4Aは、ブームシリンダ3aの駆動を制御するコントロールバルブ5Aの受圧部と、アームシリンダ3bの駆動を制御するコントロールバルブ5Bの受圧部にパイロット配管を介して接続されており、操作レバーの傾倒方向に応じて各コントロールバルブ5A,5Bのパイロット受圧部に油圧信号を出力する。コントロールバルブ5A,5Bは、操作装置4Aから入力される油圧信号に応じて位置を切り換えられ、油圧ポンプ6から吐出される圧油の流れをその切換位置に応じて制御することでブームシリンダ3a、アームシリンダ3bの駆動を制御する。
【0024】
また、これらのパイロット配管のうち、ブーム1aが下げ方向に動作するようにブームシリンダ3aを駆動する油圧信号が通過するものには圧力センサ19’が取り付けられており、ブーム1aが上げ方向に動作するようにブームシリンダ3aを駆動する油圧信号(圧油)が通過するものには圧力センサ19が取り付けられている。同様に、アーム1bがダンプ方向に動作するようにアームシリンダ3bを駆動する油圧信号が通過するパイロット配管には圧力センサ18’ が取り付けられており、アーム1bがクラウド方向に動作するようにアームシリンダ3bを駆動する油圧信号(圧油)が通過するものには圧力センサ18が取り付けられている。圧力センサ19,19’,18,18’は、操作装置4Aから出力される油圧信号の圧力を検出してその圧力に対応する電気信号に変換する信号変換手段として機能するもので、変換した電気信号を車体コントローラ11に出力可能に構成されている。
【0025】
操作装置4Bは、バケットシリンダ3cの駆動を制御するコントロールバルブ5Cのパイロット受圧部と2つのパイロット配管を介して接続されており、操作レバーの傾倒方向に応じてコントロールバルブ5Cのパイロット受圧部に油圧信号を出力する。コントロールバルブ5Cは、操作装置4Bから入力される油圧信号に応じて位置を切り換えられ、油圧ポンプ6から吐出される圧油の流れをその切換位置に応じて制御することでバケットシリンダ3cの駆動を制御する。
【0026】
また、操作装置4Bは、コントロールバルブ5Cの受圧部に接続する上記2つのパイロットに加え、他の2つのパイロット配管に接続されている。また、当該他の2つのパイロット配管のうち、上部旋回体1dが左旋回するように旋回モータ16を駆動する油圧信号が通過するものには圧力センサ17が取り付けられており、上部旋回体1dが右旋回するように旋回モータ16を駆動する油圧信号(圧油)が通過するものには圧力センサ17’が取り付けられている。同様に、バケット1cがダンプ方向に動作するようにバケットシリンダ3cを駆動する油圧信号が通過するパイロット配管には圧力センサ20’ が取り付けられており、バケット1cがクラウド方向に動作するようにバケットシリンダ3cを駆動する油圧信号(圧油)が通過するものには圧力センサ20が取り付けられている。圧力センサ17,17’,20,20’は、操作装置4Bから出力される油圧信号の圧力を検出してその圧力に対応する電気信号に変換する信号変換手段として機能するもので、変換した電気信号を車体コントローラ11に出力可能に構成されている。
【0027】
圧力センサ17,17’から車体コントローラ11に出力された電気信号は、インバータ13を介して旋回モータ16(電動アクチュエータ)の駆動を制御する操作信号として利用される。
【0028】
コントロールバルブ5E,5Fの受圧部はパイロット配管を介して運転室内に設置された走行操作装置(図示せず)と接続されている。コントロールバルブ5E,5Fは、当該走行操作装置から入力される油圧信号に応じて位置を切り換えられ、油圧ポンプ6から吐出される圧油の流れをその切換位置に応じて制御することで走行モータ3e,3fの駆動を制御する。
【0029】
動力変換機10は、インバータ12を介してインバータ13及びチョッパ14と接続されており、エンジン7の動力を電気エネルギに変換してインバータ12,13に出力する発電機として機能し、さらに、バッテリ15に蓄えられた電気エネルギの一部を利用して油圧ポンプ6をアシスト駆動する電動機として機能する。
【0030】
インバータ12は、動力変換機10の回転速度を制御するもので、バッテリ15からの電気エネルギにより、動力変換機10に電力を供給して油圧ポンプ6をアシスト駆動する。インバータ13は、旋回モータ16の回転速度を制御するもので、動力変換機10から出力される電力またはバッテリ15の電気エネルギを旋回モータ16に供給する。
【0031】
バッテリ15は、チョッパ14を介して電圧を調整し、インバータ12,13に電力を供給したり、動力変換機10が発生した電気エネルギや旋回モータ16からの電気エネルギを蓄えたりする。
【0032】
エンジンコントローラ(ECU)21は、図示せぬエンジン回転数指令手段からの指令に従って、所定のエンジン回転数となるようエンジン9の燃料噴射量と回転数を制御する。バッテリコントローラ(BCU)22は、例えば、バッテリ15である蓄電池の内部抵抗等の計測値から蓄電池の劣化の度合いや充電残量を演算し、その結果をモニタ23に表示制御する。
【0033】
車体コントローラ11は、操作装置4A,4Bとコントロールバルブ5A〜5Fをつなぐパイロット配管のうち、左右方向の旋回操作を制御するパイロット配管に接続された圧力センサ17,17’から入力される電気信号に基づいて旋回電動機16の駆動制御を行う。具体的には、圧力センサ17から電気信号が入力されたときにはその電気信号に対応した速度で上部旋回体1dを左旋回させるように旋回電動機16を作動させ、圧力センサ17’から電気信号が入力されたときにはその電気信号に対応した速度で上部旋回体1dを右旋回させるように旋回電動機16を作動させる。また、旋回制動時には旋回電動機16から電気エネルギを回収する動力回生制御も行う。
【0034】
また、この車体コントローラ11は前記動力回生制御時や、油圧負荷が軽くて余剰の電力が発生するような時に、その回収電力や余剰電力をバッテリ15に蓄えさせる制御も行う。
【0035】
次に、動力回生装置70について説明する。動力回生装置70は、図2に示すように、油路51と、分岐部52と、回生回路53と、流量調整回路54と、圧力センサ19’と、車体コントローラ(MCU)11と、インバータ26とを備えている。
【0036】
油路51は、ブームシリンダ3aの縮短時にタンク8に戻る油(戻り油)が流通する油路であり、ブームシリンダ3aのボトム側油圧室55に接続されている。油路51には当該油路51を複数の油路に分流する分岐部52が設けられている。分岐部52には、回生回路53と、流量調整回路54が接続されている。
【0037】
回生回路53は、チェックバルブ28と、当該チェックバルブ28の下流側に設置され発電機25が接続された油圧モータ24を備えており、当該油圧モータ24を介してボトム側油圧室55からの戻り油をタンク8に導いている。ブーム下げ時における戻り油を回生回路53に導入して油圧モータ24を回転させると発電機25が回転して回生電力を発生させることができる。
【0038】
チェックバルブ28には、オペレータによってブーム下げ操作が行われたときに操作装置4Aから出力される操作信号(油圧信号)が導かれている。チェックバルブ28は、ブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量が第1設定値L1(後述)に達したときに出力される操作信号(圧力P1の油圧信号(図3参照))によって開くように設定されており、これにより操作装置4Aの操作量が第1設定値L1以上になったときに油圧モータ24に戻り油が供給されるようになっている。
【0039】
また、ブーム下げ操作時における油圧モータ24及び発電機25の回転数はインバータ26によって制御されている。このように油圧モータ24の回転数をインバータ26で制御すると油圧モータ24を通過する油の流量を調整できるので、ボトム側油圧室55から回生回路53に流れる戻り油の流量を調整することができる。すなわち、本実施の形態におけるインバータ26は、回生回路53の流量を制御する流量制御手段として機能している。
【0040】
流量調整回路54は、流量調整手段であるコントロールバルブ(スプール型方向切換弁)5Aを介してボトム側油圧室55からの戻り油をタンク8に導いている。コントロールバルブ5Aにおける一方の受圧部(図2中の右側の受圧部)にはブーム下げ操作時に操作装置4Aから比例弁27を介して出力される操作信号(油圧信号)が入力されており、また、他方の受圧部(図2中の左側の受圧部)にはブーム上げ操作時に操作装置4Aから出力される操作信号(油圧信号)が入力されている。コントロールバルブ5Aのスプールは、これら2つの受圧部に入力される操作信号に応じて移動し、油圧ポンプ6からブームシリンダ3aに供給される圧油の方向及び流量を切り換える。
【0041】
比例弁27は、ブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量に応じた操作信号をコントロールバルブ5Aの受圧部に出力するものであり、これによりボトム側油圧室55からコントロールバルブ5Aを通過する戻り油の流量(すなわち、流量調整回路54を流れる戻り油の流量)を調整している。すなわち、本実施の形態における比例弁27は、流量調整回路54の流量を制御する流量制御手段として機能している。
【0042】
本実施の形態における比例弁27には、ブーム下げ操作時に操作装置4Aから出力される油圧信号が入力されている。そして、本実施の形態の比例弁27では、車体コントローラ11における後述する比例弁出力値演算部103から入力される出力値に応じて操作装置4Aからの油圧信号の圧力を適宜調整し、その調整後の油圧信号をコントロールバルブ5Aの受圧部に出力する構成をとっている。具体的には、ブーム下げ操作時における比例弁27は、(1)操作装置4Aの操作量が後述する第1設定値L1未満の場合には、図2に示す位置(全開位置)に保持されて操作装置4Aからの油圧信号をそのまま出力する。また、(2)操作装置4Aの操作量が第1設定値L1以上かつ第2設定値L2未満(第2設定値L2は第1設定値L1よりも大きい値)の場合は、コントロールバルブ5Aを通過する戻り油の流量が操作装置4Aの操作量に応じて後述のメータリング線図(図3参照)のように変化するよう(すなわち、パイロット圧が低減するように)に油圧信号を調整する。さらに、(3)操作装置4Aの操作量が第2設定値L2以上の場合には、戻り油のコントロールバルブ5Aの通過を遮断するために、操作装置4Aからのコントロールバルブ5Aへの油圧信号の入力を遮断する(すなわち、比例弁27は全閉され、コントロールバルブ5Aは図2の中立位置に保持される。)。
【0043】
圧力センサ19’は、ブーム下げ操作時に操作装置4Aからコントロールバルブ5Aに出力される油圧信号の圧力(パイロット圧)を検出するためのもので、操作装置4Aとコントロールバルブ5Aの受圧部を接続するパイロット配管(油路)に取り付けられている。圧力センサ19’は車体コントローラ11と接続されており、油圧信号の圧力の検出値を電気信号に変換して車体コントローラ11に出力している。
【0044】
ところで、操作装置4Aから出力される油圧信号の圧力は操作装置4Aの操作量に比例しているため、圧力センサ19’で検出した油圧信号の圧力からブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量を算出することができる。すなわち、本実施の形態における圧力センサ19’は操作装置4Aの操作量を検出する手段(操作量検出手段)として機能している。
【0045】
車体コントローラ(MCU)11は、ブームシリンダ3aにおけるボトム側油圧室55から回生回路53に分流する戻り油の流量と、当該ボトム側油圧室55から流量調整回路54に分流する戻り油の流量とを算出し、当該算出した流量の戻り油が2つの回路53,54に流れるようにインバータ13及びコントロールバルブ5Aを制御する機能を有している。また、車体コントローラ11は、インバータ13及び比例弁27と接続されており、これらに対して操作信号を出力している。さらに、車体コントローラ11は圧力センサ19’と接続されており、圧力センサ19’の検出値を入力している。
【0046】
次に、本実施の形態に係る車体コントローラ11が備える回生回路の制御について図を用いて詳細に説明する。図3は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの一例を示すメータリング特性図、図4は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラのブロック図、図5は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの他の例を示すメータリング特性図、図6は本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態を構成するコントローラの記憶部に記憶されたパターンの更に他の例を示すメータリング特性図である。図3乃至図6において、図1及び図2に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0047】
図3において、細い実線で示したメータリング線図は、操作装置4Aの操作量と流量調整回路54側を流れる戻り油の流量(流量調整回路流量Q1)との関係を示したものであり、破線で示したメータリング線図は、操作装置4Aの操作量と回生回路53側を流れる戻り油の流量(回生回路流量Q2)との関係を示したものである。また、太い実線で示したメータリング線図は、先の2つのメータリング線図を合成したものを示し、流量調整回路流量Q1と回生回路流量Q2の合計流量を示している。このメータリング線図は、ボトム側油圧室55からの戻り油の全てを流量調整回路54のみに流した場合に得られるメータリング線図(すなわち、回生回路53を備えず動力源がエンジンのみである油圧ショベル(以下において「通常の油圧ショベル」と称することがある)におけるメータリング線図)と同じに設定されている。
【0048】
これらのメータリング線図が示すように、操作装置4Aの操作量が第1設定値L1未満の場合(以下において「微操作域」と称することがある)には、合計流量は流量調整回路流量Q1と一致している。すなわち、このとき、ボトム側油圧室55からの戻り油は全て流量調整回路54に流されるようになっており、回生回路53はチェックバルブ28によって閉じられている。
【0049】
また、操作装置4Aの操作量が第2設定値L2(第1設定値よりも大きな値)以上の場合(以下において「フル回生域」と称することがある)には、合計流量は回生回路流量Q2と一致している。すなわち、このとき、ボトム側油圧室55からの戻り油は全て回生回路53に流されるようになっており、流量調整回路54はコントロールバルブ5Aによって閉じられている。
【0050】
一方、操作量が第1設定値L1以上かつ第2設定値L2未満の場合(以下において「中間域」と称することがある)には、回生回路53と流量調整回路54の双方に戻り油が流されている。具体的には、操作装置4Aの操作量が第1設定値L1から第2設定値L2まで増加する間に、流量調整回路流量Q1は第1設定値L1のときの合計流量q1からゼロに向かって漸減しつつ、回生回路流量Q2はゼロから第2設定値L2のときの合計流量q2に向かって漸増するように設定されている。
【0051】
次に、回生回路おける各機器の動作について説明する。図4に示す車体コントローラ11は、作業種別判別部104と、作業種別に応じた複数のメータリング特性を記憶する記憶部105と、記憶部105からの特性信号と作業種別判別部104からの切換え信号とを入力し、この切換え信号に応じて記憶部105からの特性信号のいずれか1つを出力する特性切換部106と、第1流量演算部101及び第2流量演算部100(流量演算手段)と、モータ指令値演算部102と、比例弁出力値演算部103とを備えている。
【0052】
作業種別判別部104は、図4に示すように、圧力センサ17,17’,18,18’,19,19’,20,20’で検出されるパイロット配管の圧力からレバー操作量を検出し、その検出した操作量に基づき、油圧ショベルにより行っている作業種別を自動的に判別するものである(例えば特開平10−18355号公報などに開示されている)。作業種別判別部104は、特性切換部106に、例えば、ブームによる土羽打ち作業、水平押し作業、又はこれら以外の作業であるという状態信号を出力する。
【0053】
記憶部105には、ブーム下げ操作時(ブームシリンダ3aが縮短される場合)における操作装置4Aの操作量に対するボトム側油圧室55からのメータアウト流量の関係と、ブーム下げ操作時の戻り油を流す回路を選択する基準として操作装置4Aの操作量の設定値(第1設定値L1及び第2設定値L2)が記憶されている。図3に示したメータリング線図は、本発明の実施の形態に係る記憶部105に記憶されたものであって、ブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量とボトム側油圧室55からのメータアウト流量との関係は、この図に示すようにメータリング線図の形式で記憶されている。
【0054】
また、このメータリング線図は複数のパターンが記憶されている。例えば、回生回路を全く使用しないパターン等も記憶されている。これらのパターンの出力はいずれも、特性切換部106に入力されている。
【0055】
特性切換部106においては、上述した作業種別判別部104からの作業種別判別信号によって、これら複数のメータリング線図から、1種類のメータリング線図の入力が選択され、このメータリング線図の信号が特性切換部106から出力されている。本実施の形態においては、ブームによる土羽打ち作業、水平押し作業以外の作業である場合には、図3に示すメータリング線図が選択され出力されている。
【0056】
第1流量演算部101は、特性切換部106から出力されたメータリング線図とブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量に基づいて流量調整回路54側に流れる戻り油の流量Q1を演算する部分であり、第2流量演算部100は、記憶部105から出力されたメータリング線図とブーム下げ操作時における操作装置4Aの操作量に基づいて回生回路53側を流れる戻り油の流量Q2を演算する部分である。
【0057】
第1流量演算部101及び第2流量演算部100には圧力センサ19’の検出値が入力されており、第1流量演算部101及び第2流量演算部100は当該検出値に基づいて操作装置4Aの操作量を算出する。ここでは、操作装置4Aの操作量が第1設定値L1に達するときの油圧信号の圧力をP1とするとともに、当該操作量が第2設定値L2に達するときの油圧信号の圧力をP2とする(図3には操作量の設定値L1,L2と圧力の設定値P1,P2を併記している)。圧力センサ19’の検出値に基づいて操作装置4Aの操作量を算出したら、当該算出した操作量に対応する流量Q1,Q2を特性切換部106から出力されたメータリング線図に基づいて算出し、各回路53,54の目標流量として設定する。第1流量演算部101は算出した流量調整回路流量Q1を比例弁出力値演算部103に出力し、第2流量演算部100は算出した回生回路流量Q2をモータ指令値演算部102に出力する。
【0058】
モータ指令値演算部102は、第2流量演算部100で演算された回生回路流量Q2を回生回路53の油圧モータ24で吸い込むために必要な油圧モータ24の回転数を演算し、油圧モータ24を当該演算した回転数で回転させるための回転数指令値をインバータ26に出力する部分である。モータ指令値演算部102で演算された回転数指令値を入力したインバータ26は当該回転数指令値に基づいて油圧モータ24及び発電機25を回転させ、これにより回生回路53には第2流量演算部100で演算された流量の戻り油が流れる。
【0059】
比例弁出力値演算部103は、第1流量演算部101で演算された流量調整回路流量Q1を流量調整回路54のコントロールバルブ5Aに通過させるために必要な比例弁27の出力値(すなわち、比例弁27からコントロールバルブ5Aの受圧部に出力される油圧信号の圧力(パイロット圧))を演算し、当該演算した出力値を比例弁27から出力させるための指令値を比例弁27に出力する部分である。比例弁出力値演算部103で演算された出力値を入力した比例弁27は当該出力値に基づいて操作信号をコントロールバルブ5Aに出力し、これにより流量調整回路54には第1流量演算部101で演算された流量の戻り油が流れる。
【0060】
図3に示すメータリング線図によれば、レバー操作量が微操作域の場合は、ブーム下げ比例弁27はフル出力となり、インバータ26への出力は0となる。レバー操作量がフル回生域の場合は、ブーム下げ比例弁27は全閉となり、インバータ26への出力はレバー操作量に応じたブーム下げ合成流量に応じた出力となる。なお、パイロットチェック弁28はブーム下げパイロット圧により開動作する。
【0061】
一方、本実施の形態において、当該作業機による作業が、ブームによる土羽打ち作業である場合には、作業種別判別部104から出力される作業種別信号により、図5に示すメータリング線図が特性切換部106にて選択され出力される。図5に示すメータリング線図は、回生回路を全く使用しないパターンであり、全て流量調整弁側の流量となる。この結果、通常の油圧ショベルと全く同様のブーム下げ操作フィーリングとなるので、スムーズに土羽打ち作業を行うことが可能となる。
【0062】
さらに、本実施の形態において、当該作業機による作業が、水平押し作業である場合には、作業種別判別部104から出力される作業種別信号により、図6に示すメータリング線図が特性切換部106にて選択され出力される。図6に示すメータリング線図は、中間領域をレバー操作量が大きい方向にずらして、流量調整弁側の流量が増すような分流比となるように補正している。この結果、レバー操作量がハーフレバー以下では通常の油圧ショベルと全く同様のブーム下げ操作フィーリングとなるので、スムーズに水平押し作業を行うことが可能となる。
【0063】
上述した本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態によれば、回生回路と流量調整回路との分流比を作業内容に応じて最適な値に分流制御するので、作業を円滑に遂行し得る操作性の確保とエネルギ回生による燃費の向上が図れる。
【0064】
また、上述した本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態によれば、作業種別判別部104により、土羽打ち作業と判別された場合に、土羽打ち動作というブーム下げ操作レバー量と車体の応答性という微妙なバランスに基づいて操作される動作に適した分流比に制御されるので、円滑な土羽打ち作業が可能となる。
【0065】
さらに、上述した本発明の作業機械のエネルギ回生装置の一実施の形態によれば、作業種別判別部104により、水平押し作業と判別された場合に、水平押し作業というブーム下げ操作レバー量とアームダンプ操作レバー量の微妙なバランスによってフロント手先をスムーズに所望のラインに沿って操作される動作に適した分流比に制御されるので、円滑な水平押し作業が可能となる。
【0066】
なお、本発明は上記実施例に限定されず、各種の変形が可能である。例えば、上記実施例は、作業機による作業が水平押し作業と判別された揚合、図3において設定された分流比の中間領域をレバー操作量が大きい方向にずらして、流量調整弁側の流量を増加させるように補正したが、これに限るものではない。例えば、土羽打ち作業時と同様に図3において設定された分流比を図5に示すように回生回路を使わずに全て流量調整弁側の流量として、通常の油圧ショベルと全く同様のブーム下げ操作フィーリングとしてもよい。
【0067】
また、上記実施例は油圧ポンプ6とエンジン9との問に動力変換機10を連結し、動力変換機10には、エンジン9の動力を電気エネルギに変換してインバータ12,13へ出力する発電機機能と、油圧ポンプ6をアシスト駆動する電動機機能とを有するように構成したが、動力変換機10を設けなくてもよい。同様に、旋回動作の駆動用として旋回電動機16を設けているが、旋回駆動用として油圧モータを用いる構成でも本発明は成立する。
【符号の説明】
【0068】
1 油圧ショベル
1a ブーム
3a ブームシリンダ
4A 操作装置
4B 操作装置
5A コントロールバルブ
6 油圧ポンプ
7 パイロット油ポンプ
8 タンク
9 エンジン
10 動力変換機
11 車体コントローラ
15 バッテリ
17,17’ 圧力センサ
18,18’ 圧力センサ
19 圧力センサ
19’ 圧力センサ(第1検出手段)
20,20’ 圧力センサ
21 エンジンコントローラ
22 バッテリコントローラ
24 油圧モータ
25 発電機
27 比例弁
28 チェックバルブ
30 油路
30A リリーフバルブ
51 油路
52 分岐部
53 回生回路
54 流量調整回路
55 ボトム側油圧室
70 動力回生装置
101 第1流量演算部
100 第2流量演算部
102 モータ指令値演算部
103 比例弁出力値演算部
104 作業種別判別部
105 記憶部
106 特性切換部
L1 第1設定値
L2 第2設定値
Q1 流量調整回路流量
Q2 回生回路流量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンによって駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプからの圧油を複数の油圧シリンダに切換え供給する複数のコントロールバルブと、前記複数のコントロールバルブを制御する複数の操作装置とを備える作業機械のエネルギ回生装置において、
前記複数の油圧シリンダの内の回生対象となる油圧シリンダのボトム側油圧室に接続され当該油圧シリンダの縮短時にタンクに戻る戻り油が流通する油路と、
前記油路に設けられ当該油路を複数の油路に分流する分岐部と、
前記分岐部に接続され、発電機が接続された油圧モータを介して戻り油をタンクに導く回生回路と、
前記分岐部に接続され、流量調整手段を介して戻り油をタンクに導く流量調整回路と、
前記複数の操作装置の内の回生対象となる操作装置の操作量を検出する第1検出手段と、
前記複数の操作装置の操作量をそれぞれ検出する第2検出手段と、
前記回生対象となる油圧シリンダが縮短される場合における前記操作装置の操作量に対する前記油圧シリンダからのメータアウト流量の複数の関係が記憶された記憶手段と、
前記記憶手段からの出力と切換え信号とを入力し、前記切換え信号に応じて前記記憶手段からの出力信号のいずれか1つを出力する特性切換手段と、
前記特性切換手段により出力された操作量とメータアウト流量との関係及び前記第1検出手段で検出される前記操作量に基づいて、前記回生回路側を流れる戻り油の流量及び前記流量調整回路側を流れる戻り油の流量の比である分流比を演算する分流比演算手段と、
前記分流比演算手段からの分流比に応じて、前記回生回路と前記流量調整回路への出力信号を演算する分流出力手段と、
前記第2検出手段が検出した前記複数の操作装置の操作量を取り込み、前記作業機械の作業種別を判別して判別信号を前記特性切換手段に出力する作業種別判別手段とを備えた、
ことを特徴とする作業機械のエネルギ回生装置。
【請求項2】
請求項1に記載された作業機械のエネルギ回生装置において、
前記回生対象となる油圧シリンダは、前記作業機械のブーム装置駆動用である
ことを特徴とする作業機械のエネルギ回生装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された作業機械のエネルギ回生装置において、
前記作業種別判別手段は前記作業機械のブーム装置による土羽打ち作業であると判別すると、前記回生回路側への戻り油を遮断し、全ての戻り油を前記流量調整回路側へ流すように制御する
ことを特徴とする作業機械のエネルギ回生装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された作業機械のエネルギ回生装置において、
前記作業種別判別手段は前記作業機械のブーム装置とアーム装置とによる水平押し作業であると判別すると、前記回生回路側への戻り油を遮断し、全ての戻り油を前記流量調整回路側へ流すように制御する
ことを特徴とする作業機械のエネルギ回生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−237409(P2012−237409A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107696(P2011−107696)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】