説明

作業機

【課題】 昇降装置により走行車体に対して昇降可能に設けた苗植付部を設け、前記昇降装置を操作して前記苗植付部の昇降操作が行える昇降操作具を設けた田植機において、機体の周辺に他の干渉物がある状態や人がいる状態で作業者が誤って昇降操作具を操作すると、作業部が昇降することにより、前記干渉物に衝突して破損したり、前記人に衝突したりして危険である。
【解決手段】 上昇スイッチ又は下降スイッチの操作による苗植付部の昇降途中で該苗植付部が他の干渉物や人に衝突して昇降が停滞していることを昇降リンクセンサにより検出すると、逆方向へ苗植付部を昇降させた後、苗植付部の昇降作動を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機や直播機等、走行車体に対して昇降可能に作業部を設けた作業機の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降装置により走行車体に対して昇降可能に設けた作業部(苗植装置)を設け、前記昇降装置を操作して前記作業部の昇降操作が行える昇降操作具(油圧レバ−)を設けた作業機(苗植機)において、走行車体に対する作業部の状態(上下位置)を検出する作業部検出手段(ポテンショメ−タ)を設けたものが知られている(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平9ー86898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成の作業機においては、作業者が昇降操作具を操作して作業部を昇降させる構成であるので、機体の周辺に他の干渉物がある状態や人がいる状態で作業者が誤って昇降操作具を操作すると、作業部が昇降することにより、前記干渉物に衝突して破損したり、前記人に衝突したりして危険である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を解決するべく次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、昇降装置3により走行車体2に対して昇降可能に作業部4を設け、前記昇降装置3を操作して前記作業部4の昇降操作が行える昇降操作具21,22を設けた作業機において、走行車体2に対する作業部4の状態を検出する作業部検出手段91,111を設けると共に、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で作業部検出手段91,111により作業部4の昇降が停滞していることを検出すると、昇降装置3による昇降作動を停止させる昇降停止手段を設けた作業機とした。
【0005】
従って、請求項1に係る作業機は、走行車体2により機体を走行させ、作業部4により作業を施していく。また、作業者が昇降操作具21,22を操作することにより昇降装置3を作動させて作業部4を適宜昇降させることができる。そして、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で該作業部4が他の干渉物や人に衝突して昇降が停滞していることを作業部検出手段91,111により検出すると、昇降停止手段により昇降装置3による昇降作動を停止させ、作業部4が強制的に昇降することにより該作業部4が破損したり周囲の人に危害を与えるようなことを防止できる。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、昇降装置3により走行車体2に対して昇降可能に作業部4を設け、前記昇降装置3を操作して前記作業部4の昇降操作が行える昇降操作具21,22を設けた作業機において、走行車体2に対する作業部4の状態を検出する作業部検出手段91,111を設けると共に、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で作業部検出手段91,111により作業部4の昇降が停滞していることを検出すると、逆方向へ作業部4を昇降させる昇降回帰手段を設けた作業機とした。
【0007】
従って、請求項2に係る作業機は、走行車体2により機体を走行させ、作業部4により作業を施していく。また、作業者が昇降操作具21,22を操作することにより昇降装置3を作動させて作業部4を適宜昇降させることができる。そして、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で該作業部4が他の干渉物や人に衝突して昇降が停滞していることを作業部検出手段91,111により検出すると、昇降回帰手段により逆方向へ作業部4を昇降させるので、作業部4が他の干渉物や周囲の人に押圧されている状態から自動的に回避でき、作業部4の破損や周囲の人へ危害を与えるようなことを適確に回避できる。
【発明の効果】
【0008】
よって、請求項1に係る作業機は、昇降操作具21,22の操作に起因して作業部4が
強制的に昇降することにより該作業部4が破損したり周囲の人に危害を与えるようなことを防止できる。また、請求項2に係る作業機は、作業部4が他の干渉物や周囲の人に押圧されている状態から自動的に回避でき、作業部4の破損や周囲の人へ危害を与えるようなことを適確に回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、農作業機の一例である水田作業機としての乗用型の田植機1を示すものであり、この乗用型の田植機1は、走行車体2の後側に昇降装置となる昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着されている。
【0010】
走行車体2は、駆動輪である各左右一対の前輪5及び後輪6を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース7が配置され、ミッションケース7の左の側部に油圧式の前後進無段変速装置(HST)8が固着されて設けられている。そのミッションケース7の左右側方に前輪ファイナルケース9が設けられ、該前輪ファイナルケース9の変向可能な前輪支持部9aから外向きに突出する前輪車軸に前輪5が取り付けられている。また、ミッションケース7の背面部にメインフレーム10の前端部が固着されており、そのメインフレーム10の後端左右中央部に前後方向に設けた後輪ローリング軸(図示せず)を支点にして後輪ギヤケース11がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース11から外向きに突出する後輪車軸に後輪6が取り付けられている。
【0011】
原動機となるエンジン12はメインフレーム10の上に搭載されており、該エンジン12の回転動力が、ベルト伝動装置13を介して正逆転切替可能な伝動装置となる油圧式の前後進無段変速装置(HST)8へ入力される。そして、該前後進無段変速装置(HST)8からの出力がミッションケース7に伝達される。ミッションケース7に伝達された回転動力は、該ケース7内で走行用伝動経路と植付用伝動経路とに分岐して伝動され、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース9に伝達されて前輪5を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース11に伝達されて後輪6を駆動する。また、外部取出動力は、取出伝動軸(図示せず)を介して走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース14に伝達され、それから植付伝動軸15によって苗植付部4へ伝動される。
【0012】
エンジン12の上部はエンジンカバー16で覆われており、その上に座席17が設置されている。座席17の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー18があり、その上方に前輪5を操向操作するハンドル19が設けられている。ハンドル19の右側には、前記前後進無段変速装置(HST)8を操作する前後進変速レバー20が設けられている。また、該前後進変速レバー20のグリップ部20aの近傍には、苗植付部4の昇降操作及び作動の入切操作がおこなえる上昇スイッチ21及び下降スイッチ22が設けられている。エンジンカバー16及びフロントカバー18の下端左右両側は水平状のフロアステップ23になっている。また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台24が設けられている。
【0013】
機体の前端の左右中央位置には、植付作業時にオペレータが機体を直進させるための目安となるセンターマスコット90を設けている。該センターマスコット90内にはランプを設けており、該ランプは、植付クラッチケース14内の植付クラッチ(図示せず)が伝動状態で苗植付部4が作動しているときには点灯し、苗植付部4が非作動状態で且つ下降して接地している(後述するフロート迎い角センサ51により接地状態を検出する)ときには点滅し、苗植付部4が非作動状態で且つ上昇して対地浮上しているときには消灯する。このランプにより、苗植付部4を作動状態へするための前行程(途中の状態)である苗植付部4が非作動で且つ接地している状態で点滅表示するので、オペレータが苗植付部4の状況をイメージしやすく容易に判断できる。従って、苗植付部4が接地している状態で植付クラッチを伝動状態へ切替操作するのを忘れて機体を走行させることにより空植の状態になるのを防止できる。
【0014】
昇降リンク装置3は、1本の上リンク25と左右一対の下リンク26を備えている。これらリンク25,26は、その基部側がメインフレーム10の後端部に立設した背面視門
形のリンクベースフレーム27に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク28が連結されている。そして、縦リンク28の下端部に苗植付部4を回動自在に支承した連結軸29が挿入連結され、連結軸29を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム10と上リンク25に一体形成したスイングアーム30との間に昇降油圧シリンダ31が設けられており、該シリンダ31を油圧で伸縮させることにより、上リンク25が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。尚、リンクベースフレーム27には上リンク25の回動角度を検出する昇降リンクセンサ91を設けており、該昇降リンクセンサ91により走行車体2に対する苗植付部4の高さ(上下位置)を検出する構成となっている。
【0015】
また、上リンク25と縦リンク28との連結部は、上リンク25側に設けた長孔92により縦リンク28すなわち苗植付部4が前後傾斜自在に設けられ、圃場に追従して苗植付部4を前後にピッチングさせるためのピッチング融通機構を構成している。そして、上リンク25と縦リンク28との間にはピッチング融通変更用スプリング93を設け、走行車体2に対する苗植付部4の上下位置すなわち上リンク25の回動角度によってピッチング融通変更用スプリング93の付勢力が変更される構成となっている。すなわち、走行車体2に対して苗植付部4が高くなると上リンク25の回動角度が水平に近づいてピッチング融通変更用スプリング93の付勢力が小さくなり、苗植付部4が前後にピッチングしやすくなる。これにより、圃場の耕盤が深い場合は、耕盤の凹凸が比較的大きく走行車体2の前後傾斜姿勢が変化しやすいが、この走行車体2の前後傾斜姿勢の変化に適切に対応させて苗植付部4を前後にピッチングさせることができる。また、圃場の耕盤が浅い場合は、上リンク25が後下がりになってピッチング融通変更用スプリング93の付勢力が大きくなり、無闇に苗植付部4がピッチングして苗植付部4の前後傾斜姿勢が不安定になるのを防止できる。
【0016】
図3の油圧回路は、油圧ポンプ(図示せず)からの油圧が供給されるPポ−トと、昇降油圧シリンダ31に連通するCポ−トと、油圧式の前後進無段変速装置(HST)8へチャ−ジ圧を供給するためのNポ−トと、油圧タンクを兼用するミッションケース7へ油圧を戻すTポ−トとを備えている。前記Pポ−トからの油圧を前記油圧ポンプの回転数に関係なく主経路sへ一定流量のみ分流する定分流バルブ94を設け、前記定分流バルブ94で分流された主経路sの油圧のみを油圧電磁バルブ53へ供給する分流状態と、定流量バルブ94で分流された油圧を再び合流して油圧ポンプからの油圧を全流量油圧電磁バルブ53へ供給する合流状態とに切り替えできる流量切替用電磁バルブ95を設けている。尚、油圧ポンプはエンジン12からの動力によりエンジン回転数に比例して駆動回転する構成となっており、前記定分流バルブ94によりエンジン回転数に拘らず主経路sへ一定流量の油圧を供給できる構成となっている。また、前記流量切替用電磁バルブ95を前記分流状態にしたときには、定分流バルブ94で分流される余剰流がNポ−トへ供給される構成となっている。前記油圧電磁バルブ53は、前記流量切替用電磁バルブ95から供給される油圧を昇降油圧シリンダ31側へ供給する上昇状態と、昇降油圧シリンダ31側からの油圧の戻り経路を閉塞すると共に流量切替用電磁バルブ95から供給される油圧をNポ−トへ供給する中立状態と、昇降油圧シリンダ31側からの油圧の戻り経路を連通すると共に流量切替用電磁バルブ95から供給される油圧をNポ−トへ供給する下降状態とに切替できる構成となっている。油圧電磁バルブ53とCポ−トとの間の油圧経路には、逆止弁96aにより昇降油圧シリンダ31からの油圧の戻りを規制する下降規制状態と、前記逆止弁が解除されて油圧が行き来できる規制解除状態とに切り替えできる下降規制用バルブ96を設けている。また、Pポ−トとNポ−トとの間にはリリーフバルブ97を設けており、該リリーフバルブ97によりPポ−トに過大な圧力が生じたときにNポ−トへ油圧を逃がすようになっている。
【0017】
通常植付作業時には流量切替用電磁バルブ95が分流状態となり、常時Nポ−トへ油圧を供給して油圧式の前後進無段変速装置(HST)8のチャ−ジ圧を得ることができる。ところが、従来、上昇スイッチの上昇操作による苗植付部の上昇時には、流量切替用電磁バルブが合流状態となって油圧ポンプからの油圧が全流量昇降油圧シリンダへ供給される
ので、油圧式の前後進無段変速装置(HST)のチャ−ジ圧が得られないことがあり、前後進無段変速装置(HST)の出力性能が低下するおそれがある。そこで、上昇スイッチ21による苗植付部4の上昇開始時に所定時間(1秒程度)のみ流量切替用電磁バルブ95を合流状態に切り替え、以降は合流状態と分流状態とを繰り返すように流量切替用電磁バルブ95をパルス変調制御して苗植付部4を上昇させ、苗植付部4の上昇速度をある程度維持しながら油圧式の前後進無段変速装置(HST)8のチャ−ジ圧が途絶えるのを抑えることができる。尚、流量切替用電磁バルブ95に代えて油圧電磁バルブ53をパルス変調制御する構成としてもよい。
【0018】
また、図4に示すように、流量切替用電磁バルブ95を定分流バルブ94で分流された主経路sの油圧のみを油圧電磁バルブ53へ供給する制御流量状態と、定流量バルブ94で分流された余剰流のみ油圧電磁バルブ53へ供給する余剰流量状態とに切り替える構成とし、通常植付作業時には前記制御流量状態とし、上昇スイッチ21による苗植付部4の上昇時には前記余剰流量状態とするようにしてもよい。これにより、流量切替用電磁バルブ95がいずれの状態であっても、常時Nポ−トへ油圧を供給して油圧式の前後進無段変速装置(HST)8のチャ−ジ圧を得ることができる。
【0019】
苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース32、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口33に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口33に供給すると苗送りベルト34により苗を下方に移送する苗載台35、苗取出口33に供給された苗を苗植付具36aで圃場に植付ける苗植付装置36等を備えている。前記伝動ケース32内の伝動構成について説明すると、植付伝動軸15からの動力がベベルギヤ98を介して左右方向の伝動軸99へ伝動され、該伝動軸99から各2条ごとの畦クラッチ100及びチェ−ン101等を介して伝動される苗植付装置駆動軸36bにより苗植付装置36が駆動する構成となっている。また、前記伝動軸99から左右移動用ギヤ伝動機構102及び左右移動リ−ドカム103等を介して後述する横移動棒38が左右移動する構成となっている。尚、前記畦クラッチ100は、走行車体2側に設けた各2条ごとの畦クラッチレバ−104の操作により断続される。
【0020】
苗載台35は、苗載面の裏側でその裏面側下部に左右方向に設けた横枠37に沿って左右動自在に支持されている。尚、前記横枠37に6条分の前記苗取出口33が設けられている。伝動ケース32の左右両側から突出して左右往復移動する横移動棒38が設けられ、該横移動棒38の両端部に固着した連結部材39と苗載台35とが連結されていて、横移動棒38が左右往復動することにより苗載台35が左右往復動するようにしている。苗送りベルト34は、駆動ローラ40と従動ローラ41とに張架されている。駆動ローラ40は左右方向の苗送り駆動軸42と一体回転するように設けられている。苗載台35が左右移動行程の端部に到達すると、苗送りモ−タ105からの動力によりラチェット機構(図示せず)を介して各条ごとの苗送り駆動軸42に伝達される。これにより、各条の苗送りベルト34が所定量だけ作動する。
【0021】
苗載台35の各条の苗載部には苗が送られたことを検出する光電式の苗送りセンサ106をそれぞれ設けており、該苗送りセンサ106の検出による苗送り量が適正となるように苗送りコントロ−ラ107により各条の苗送りモ−タ105を駆動制御する。この苗送りコントロ−ラ107は、畦クラッチ100に対応して各2条ごとに設けられ、苗植付部4側に取り付けられている。そして、走行車体2側には主コントロ−ラ108を設け、該主コントロ−ラ108と各苗送りコントロ−ラ107との間を光通信による無線の通信回線でそれぞれ接続しており、各条の苗送り量等の情報を主コントロ−ラ108を介して走行車体2のモニタ−109に表示する構成となっている。このように、単一のコントロ−ラの容量では機体全体の制御をまかなえないので、制御部(コントロ−ラ)を主コントロ−ラ108と各苗送りコントロ−ラ107とに複数に分割して設けている。また、畦クラッチレバ−104の操作状態を検出する畦クラッチレバ−センサ104aを設けており、該畦クラッチレバ−センサ104aからの信号が主コントロ−ラ108に入力され、主コントロ−ラ108から畦クラッチ100を切断した植付条に対応する苗送りコントロ−ラ107へ通信回線により出力されることにより、畦クラッチ100を切断した植付条に対応する苗送りモ−タ105の駆動を停止するようになっている。このように、苗送りコントロ−ラ107を畦クラッチ100に対応して設けたので、通信回線による出力信号を簡単にでき、植付条ごとの制御の入切が容易になる。尚、上述では苗送りコントロ−ラ107について説明したが、苗植付装置36による苗取り量や植付深さ、あるいは植付条に対応して施用する施肥装置や薬剤散布装置等を畦クラッチ100に対応する植付条ごとに制御する副コントロ−ラに応用することができる。
【0022】
また、図8に示すように、苗送りセンサ106の信号を入力する入力側苗送りコントロ−ラ107aと苗送りモ−タ105へ信号を出力する出力側苗送りコントロ−ラ107bとを設けた構成とし、この両苗送りコントロ−ラ107a,107bを光通信による無線の通信回線で接続して各条の苗送り量を制御できるようにすることもできる。このとき、各条ごとの苗送り量の制御における演算処理等を前記両苗送りコントロ−ラ107a,107bが適宜分担して行うようにすればよい。そして、主コントロ−ラ108へは入力側苗送りコントロ−ラ107aのみを通信回線により接続し、苗送りセンサ106の検出による各条の苗送り量等の情報を主コントロ−ラ108を介して走行車体2のモニタ−109に表示する構成となっている。この構成により、走行車体2と苗植付部4とに振り分けて距離を離して配置された主コントロ−ラ108と苗送りコントロ−ラ107a,107bとの通信回線の本数を削減することができ、複数の通信回線(無線)が互いの影響を及ぼして誤信するようなことを極力防止できる。また、主コントロ−ラ108と苗送りコントロ−ラ107aとは距離が離れているため、光通信の光度を大きくする等、通信回線(無線)の伝達信号の強くする必要があるが、この通信回線(無線)の本数を削減することにより前記伝達信号に要する消費電力を低減化することができる。尚、上述では苗送りコントロ−ラ107a,107bについて説明したが、苗植付装置36による苗取り量や植付深さ、あるいは植付条に対応して施用する施肥装置や薬剤散布装置等を制御する副コントロ−ラを入力側と出力側とに分割して設けることもできる。
【0023】
苗植付部4の下部には、中央2条分の苗植付位置を整地するセンターフロート43と左右それぞれ最外2条分の苗植付位置を整地するサイドフロート44とが設けられている。従って、これらのフロート43,44が接地体となり、該フロート43,44を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート43,44が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置36により苗が植付けられる。これらの各フロート43,44は前部45が後部46に対して左右幅広となる機体平面視でしゃもじ型の形状に構成され、前記後部46の左右両側方で前部45の左右幅内となる該前部45の後方に苗植付装置36による苗植付位置が設定されている。従って、フロート43,44の前部45で整地されフロート43,44の後部で側方からの泥流又は水流が遮られた位置で、適正な植付姿勢となるように苗を植え付ける構成となっている。
【0024】
各フロート43,44は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するようにそれぞれ左右方向のフロート回動軸47回りに回動自在に取り付けられている。植付作業時にセンターフロート43の接地により該フロート43が前記フロート回動軸47回りに回動すると、そのセンターフロート43の前部45の上下動が検出リンク48,49、検出アーム50等を介してポテンショメータであるフロート迎い角センサ51により検出されて制御部52に入力され、その検出値が所望の値となるように制御部52からの出力により昇降油圧シリンダ31を制御する油圧電磁バルブ53を切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗植付部4が所望の対地高さとなるように昇降制御され、苗の植付深さを常に一定に維持する。従って、前記検出リンク48,49、検出アーム50及びフロート迎い角センサ51により、上下動検出機構54が構成されている。尚、前記検出アーム50には、センターフロート43の前部45を下方に付勢するフロート付勢スプリング55が連結されている。また、前記フロート迎い角センサ51及び検出アーム50は、後述する基部プレート56に取り付けられている。
【0025】
前記それぞれのフロート回動軸47は、伝動ケース32に支持された左右方向の植付深さ調節軸57と一体で上下に回動するそれぞれの植付深さ調節アーム58に設けられ、植付深さ調節レバー59で植付深さ調節軸57を回動させて機体側面視で同じ位置に上下調
節される。従って、植付深さ調節レバー59により、各フロート43,44を同時に上下移動させて苗植付装置36による苗の植付深さを調節する構成となっている。前記植付深さ調節レバー59には植付深さ連動ロッド60が連結され、該植付深さ連動ロッド60の他端には平行リンク機構61を回動させる植付深さ連動アーム62が連結されている。
【0026】
従って、植付深さ調節レバー59を操作して植付深さを変更すると、前記植付深さ連動ロッド60及び植付深さ連動アーム62を介して平行リンク機構61が上下に回動し、該平行リンク機構61に取り付けた基部プレート56を姿勢を変えずにフロート回動軸47と同じ上下移動量となるように上下移動させ、植付深さ調節に関係なく上下動検出機構54(フロート迎い角センサ51)でセンターフロート43の迎い角(前後傾斜姿勢)を検出できる構成となっている。
【0027】
この乗用型の田植機1における植付作業について説明する。先ず植付開始位置で前後進変速レバー20のグリップ部20aに設けた下降スイッチ22を操作すると、油圧電磁バルブ53が切り替えられて昇降油圧シリンダ31(昇降リンク装置3)により苗植付部4が下降し、フロート43が接地したことをフロート迎い角センサ51により検出すれば植付クラッチケース14内の植付クラッチ(図示せず)を伝動状態に切り替える。そして、前後進変速レバー20の前進操作により、機体を前進させながら苗植付部4を作動させ、苗を植え付けていく。畦際の機体旋回位置に達すると、前後進変速レバー20のグリップ部20aに設けた上昇スイッチ21を操作すれば、油圧電磁バルブ53が切り替えられて昇降油圧シリンダ31(昇降リンク装置3)により苗植付部4が上昇すると共に、前記植付クラッチ(図示せず)を非伝動状態に切り替えて苗植付部4の作動を停止させ、ハンドル19を操作して機体を旋回させる。旋回を完了して次行程の植付開始位置に到達すると、前記下降スイッチ22を操作して上述と同様に植付作業を行う。
【0028】
苗植付部4の昇降に関する制御構成について説明すると、図10に示すように、フロート迎い角センサ51、昇降リンクセンサ91、上昇スイッチ21及び下降スイッチ22からの信号が制御部52に入力され、制御部52からの出力信号により油圧電磁バルブ53を切り替える構成となっている。図11のフローチャートに基づいて説明すると、上昇スイッチ21が操作されると、油圧電磁バルブ53を上昇状態に切り替えて苗植付部4の上昇を開始させ(ステップ1−1)、これと同時にタイマーセットする(ステップ1−2)。そして、昇降リンクセンサ91の検出値が苗植付部4の上昇側に変化し、その変化量が適正であるときは、タイマーをクリヤし(ステップ1−3)、引き続いて油圧電磁バルブ53を上昇状態に維持したまま(ステップ1−1)、以下タイマーセット(ステップ1−2)、タイマークリヤ(ステップ1−3)を繰り返す。一方、昇降リンクセンサ91の検出値の上昇側への変化量が小さく適正範囲でないと判断される状態がタイマーアップするまで維持される場合、昇降リンクセンサ91により苗植付部4が最上昇位置へ到達したことを検出しない限り、油圧電磁バルブ53を所定時間(2秒程度)だけ下降状態に切り替えて苗植付部4を若干下降させてから油圧電磁バルブ53を中立状態に切り替えて苗植付部4の昇降を停止する(ステップ1−4)。これにより、上昇スイッチ21による苗植付部4の上昇時に畦や倉庫内での他の機体等の障害物(干渉物)に当たって苗植付部4が上昇しないことを昇降リンクセンサ91で検出すると、苗植付部4を強制的に下降させてから昇降停止でき、苗植付部4の破損を適確に防止できる。尚、上記のタイマーは、苗植付部4が障害物(干渉物)に当接していないにも拘らず昇降リンク装置3の作動精度(油圧の作動精度)等により昇降リンクセンサ91の検出値の変化が一時的に不適正になることで苗植付部を逆側へ昇降(下降)させたり昇降停止させないようにするためのものであり、2乃至3秒程度に設定されている。従って、昇降リンクセンサ91の検出値の変化が一時的に不適正と判断してもその状態が即座に解消される場合は、苗植付部4の上昇作動を継続させる(ステップ1−1)。また、昇降リンクセンサ91により苗植付部4が最上昇位置へ到達したことを検出すれば、油圧電磁バルブ53を中立状態に切り替えて苗植付部4の昇降を停止する(ステップ1−5)。
【0029】
同様に、下降スイッチ22が操作されると、油圧電磁バルブ53を下降状態に切り替えて苗植付部4の下降を開始させ(ステップ1−6)、これと同時にタイマーセットする
(ステップ1−7)。そして、昇降リンクセンサ91の検出値が苗植付部4の下降側に変化し、その変化量が適正であるときは、タイマーをクリヤし(ステップ1−8)、フロート迎い角センサ51によりフロート43、44が接地していないと判断されると引き続いて油圧電磁バルブ53を下降状態に維持したまま(ステップ1−6)、以下タイマーセット(ステップ1−7)、タイマークリヤ(ステップ1−8)を繰り返す。尚、フロート迎い角センサ51によりフロート43、44が接地していることを検出すると、油圧電磁バルブ53を中立状態に切り替えて苗植付部4の昇降を停止する(ステップ1−5)。一方、昇降リンクセンサ91の検出値の下降側への変化量が小さく適正範囲でないと判断される状態がタイマーアップするまで維持される場合、油圧電磁バルブ53を所定時間(2秒程度)だけ上昇状態に切り替えて苗植付部4を若干上昇させてから油圧電磁バルブ53を中立状態に切り替えて苗植付部4の昇降を停止する(ステップ1−9)。これにより、下降スイッチ22による苗植付部4の下降時に畦等の障害物(干渉物)や周辺にいるメンテナンス作業者に当たって苗植付部4が下降しないことを昇降リンクセンサ91で検出すると、苗植付部を強制的に上昇させてから昇降停止でき、苗植付部4の破損を適確に防止できる。尚、上記のタイマーは、前述と同様に2乃至3秒程度に設定されている。従って、昇降リンクセンサ91の検出値の変化が一時的に不適正と判断してもその状態が即座に解消される場合は、苗植付部4の下降作動を継続させる(ステップ1−6)。
【0030】
従って、この乗用型の田植機1は、走行車体2により機体を走行させ、苗植付部4により圃場に苗植付作業を施していく。また、作業者が上昇スイッチ21又は下降スイッチ22を操作することにより昇降リンク装置3を作動させて苗植付部4を適宜昇降させることができる。そして、上昇スイッチ21又は下降スイッチ22の操作による苗植付部4の昇降途中で該苗植付部4が他の干渉物や人に衝突して昇降が停滞していることを昇降リンクセンサ91により検出すると、上記のステップ1−4又はステップ1−9で作動する昇降停止手段により昇降リンク装置3による昇降作動を停止させ、苗植付部4が強制的に昇降することにより該苗植付部4が破損したり周囲の人に危害を与えるようなことを防止できる。また、上昇スイッチ21又は下降スイッチ22の操作による苗植付部4の昇降途中で該苗植付部4が他の干渉物や人に衝突して昇降が停滞していることを昇降リンクセンサ91により検出すると、上記のステップ1−4又はステップ1−9で作動する昇降回帰手段により逆方向へ苗植付部4を昇降させるので、苗植付部4が他の干渉物や周囲の人に押圧されている状態から自動的に回避でき、苗植付部4の破損や周囲の人へ危害を与えるようなことを適確に回避できる。
【0031】
また、図12に示すように、上述の昇降リンクセンサ91の検出値の変化により障害物(干渉物)に当たったことを判断するのに代えて、苗植付部4が左右にローリングしたことを検出するローリングセンサ111を設け、該ローリングセンサ111により苗植付部4が左右に大きくローリングしたことを検出すると油圧電磁バルブ53を所定時間(2秒程度)だけ逆側に切り替えて苗植付部4を若干逆側に昇降させてから油圧電磁バルブ53を中立状態に切り替えて苗植付部4の昇降を停止するようにしてもよい。尚、苗植付部4は、図示しないロ−リングスプリングにより、左右ローリング方向へ走行車体2に対して平行となるように付勢されている。また、苗植付部4の昇降を停止又は逆方向に作動させた後、再度昇降停止前に操作した上昇スイッチ21又は下降スイッチ22の操作に基づいて苗植付部4を昇降させるようにしてもよい。すなわち、昇降停止手段又は昇降回帰手段により昇降装置3による昇降作動を停止させた後、該昇降停止手段又は昇降回帰手段による作動前と同じ方向へ苗植付部4を昇降させるのである。これにより、昇降停止手段又は昇降回帰手段による昇降停止前又は逆方向への昇降作動前と同じ方向(正方向)に作業部4を昇降させることができるので、苗植付部4が破損したり周囲の人に危害を与えるような状態が回避された後、昇降操作具を操作した作業者の意図に沿って即座に作業部を昇降させることができ、作業性が向上する。
【0032】
尚、この発明の実施の形態は乗用型の田植機1について記述したが、本発明は乗用型の田植機に限定されるものではない。
ところで、乗用型の田植機1で植付けるマット状の苗は次のような播種育苗施設で播種、育苗される。図13は、播種育苗施設の平面レイアウト図である。この播種育苗施設は、2階が育苗箱置場となっており、その育苗箱置場の育苗箱が育苗箱供給装置201によって1階に設置した播種設備202に1枚ずつ順次供給される。播種設備202は、育苗箱を一定方向に搬送する育苗箱搬送コンベヤ203に沿って、育苗箱に床土を入れて鎮圧・均平する床土供給装置204、灌水装置205、床土の上に種籾を播種する播種装置206、覆土を施す覆土供給装置207が設けられている。播種設備202によって播種等を施された育苗箱は、段積み設備208によってパレット又は出芽台車の上に所定段数ずつ段積みされる。そして、段積みされた育苗箱を出芽室209に搬入して出芽させる。出芽室209で出芽させた段積状の育苗箱は育苗箱積替装置210で緑化台車に棚積みされ、該緑化台車ごと温度管理された緑化室211へ搬入して所定の大きさに苗が成育するまで育苗する。尚、前記出芽室209及び緑化室211は、それぞれ3室設けられている。
【0033】
次に、図14に基づいて、段積み設備208について説明する。この段積み設備208は、播種された育苗箱を供給する播種育苗箱供給装置としての播種育苗箱供給コンベヤ212が配置され、該コンベヤ212に隣接して平行に育苗箱搬出コンベヤ213が配置されている。播種育苗箱供給コンベヤ212の始端部には播種設備202の育苗箱搬送コンベヤ203の終端部が接続されており、育苗箱搬送コンベヤ203から播種育苗箱供給コンベヤ212に播種された育苗箱が1枚ずつ供給される。播種育苗箱供給コンベヤ212は、播種された育苗箱をその長手方向が搬送方向を向く状態で搬送する。播種育苗箱供給コンベヤ212の中間部には、水稲種子(籾)を播種した場合に、1枚ずつ搬送されてくる育苗箱を2段に積み重ねる第一育苗箱積重ね装置214と、2段になって搬送されてくる育苗箱を4段に積み重ねる第二育苗箱積重ね装置215とが設けられている。
【0034】
播種育苗箱供給コンベヤ212の終端部には、播種育苗箱取上げ位置A1,A2が設定されている。この播種育苗箱取上げ位置に対応して、育苗箱搬出コンベヤ213には播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3が設定されている。そして、播種育苗箱段積み装置である播種育苗箱段積みロボット216によって、播種育苗箱取上げ位置の育苗箱を播種育苗箱段積み位置に段積みする。
【0035】
播種育苗箱段積みロボット216は、中間部で折り曲げ可能なロボットアーム216aの先端部に、4段重ねした育苗箱の長手方向両端をつかんで保持することのできる2組の育苗箱チャック216bが設けられている。ロボットアーム216a全体を上下に回動、及びロボットアーム216aの折り曲げ角度を変更することにより、各育苗箱チャック216bを播種育苗箱取上げ位置と播種育苗段積み位置との間を移動させるとともに上下位置を調節するようになっている。
【0036】
そして、各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱が供給されて播種育苗箱供給コンベヤ212が停止すると、段積みロボット216が所定の動作を行い、各取上げ位置の育苗箱を後述する育苗箱搬出コンベヤ213上の適正位置へ段積みする。具体的には、2組の育苗箱チャック216bが開いた状態で取上げ位置へ移動し、そこで育苗箱チャック216bが閉じて育苗箱をつかみ、次いで育苗箱をつかんだ育苗箱チャック216bが育苗箱搬出コンベヤ213上の適正位置まで移動し、そこで育苗箱チャック216bが開いて育苗箱を解放するように作動する。尚、育苗箱搬出コンベヤ213は、育苗箱を段積するパレットPを搬送して播種育苗箱段積み位置に供給する構成となっている。尚、育苗箱搬出コンベヤ213上の育苗箱群を載せたパレットPをフォークリフトですくい上げて出芽室209まで運搬する。
【0037】
パレットPは、樹脂製であり、図16及び図17に示すように、フォークリフトの爪を挿入する左右一対の空洞部220と、4隅の支柱挿入部221とを備えている。平面視でパレットPの対角線上に取り付ける門型の主柱222の両端部を前記支柱挿入部221へそれぞれ挿入して、主柱222をパレットPに取り付けるようになっている。従って、1枚のパレットPにつき、平面視で異なる対角線上に2本の主柱222を取り付ける構成となっている。前記主柱222は、パレットP上に立ち上がるように設けられ、同一のパレットPに取り付けられる主柱222どうしが交差する該主柱222の交差部(中央部)に切欠部223を備えている。すなわち、同一のパレットPに取り付けられる一方の主柱222の切欠部223が下側に設けられ、他方の主柱222の切欠部(図示せず)が上側に設けられ、両主柱222を交差させることにより切欠部どうしを噛み合わせて両主柱222の上面が同じ高さになるように構成されている。平面視でパレットPの隅部にあたる主柱222の上部には、平面視で隣接するパレットPの隅部に向けて延びる副柱支持部224が固着されている。そして、断面形状コの字型の副柱225の両端部が前記副柱支持部224に嵌合して支持され、平面視でパレットPの四辺上に4本の副柱225がそれぞれ配置される構成となっている。従って、主柱222及び副柱225からなる棚積枠226に別のパレットPを載置することにより育苗箱群が載置されたパレットP上に別のパレットPを載置して棚積みすることができ、パレットPを棚積み状態で出芽室209内に収容することによりスペ−スが限られた出芽室209内で多数の育苗箱群を収容することができる。尚、棚積枠226は、主柱222及び副柱225の上面が同じ高さになる。
【0038】
よって、従来、下方のパレットP上の育苗箱群の上に直接別のパレットPを載置すると、その重みで育苗箱が変形するおそれがあるが、棚積枠226により、上方のパレットP及び育苗箱群の重量が下方のパレットP上の育苗箱群にかからないので、育苗箱の変形が防止され、育苗箱を再使用できる。また、棚積枠226はパレットPに着脱できるので、播種育苗箱段積みロボット216での育苗箱の段積みするときには棚積枠226を外した状態でパレットP上に段積みすることにより、段積みロボット216のロボットアーム216aや育苗箱チャック216b等が棚積枠226に当たって段積み作業を不適正にすることなく、良好に能率良く段積み作業が行える。また、主柱222を平面視でパレットPの対角線上に設けることにより棚積枠226によるパレットPの支持強度が上昇する。更に、副柱225でパレットPの四辺を支持する構成としたので、パレットPの支持強度が更に上昇すると共に、載置されるパレットP自体の変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】乗用型の田植機の側面図
【図2】乗用型の田植機の平面図
【図3】油圧回路を示す図
【図4】一部異なる油圧回路を示す図
【図5】苗植付部を示す側面図
【図6】伝動ケ−ス内の伝動構成を示す図
【図7】苗送り量制御のブロック図
【図8】一部異なる苗送り量制御のブロック図
【図9】センターフロートの一部を示す側面図
【図10】苗植付部の昇降に関する制御のブロック図
【図11】苗植付部の昇降に関する制御のフローチャート
【図12】一部異なる苗植付部の昇降に関する制御のフローチャート
【図13】播種育苗施設の平面レイアウト図
【図14】段積み設備の平面図
【図15】播種育苗箱段積みロボットの斜視図
【図16】パレットの平面図
【図17】パレットの正面図
【図18】棚積枠を示す平面図
【図19】棚積枠を装着した状態のパレットの正面図
【図20】一方の主柱を示す図
【図21】副柱を装着した状態を示す断面図
【符号の説明】
【0040】
1…乗用型の田植機、2…走行車体、3…昇降リンク装置、4…苗植付部、21…上昇
スイッチ、22…下降スイッチ、91…昇降リンクセンサ、111…ローリングセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降装置3により走行車体2に対して昇降可能に作業部4を設け、前記昇降装置3を操作して前記作業部4の昇降操作が行える昇降操作具21,22を設けた作業機において、走行車体2に対する作業部4の状態を検出する作業部検出手段91,111を設けると共に、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で作業部検出手段91,111により作業部4の昇降が停滞していることを検出すると、昇降装置3による昇降作動を停止させる昇降停止手段を設けた作業機。
【請求項2】
昇降装置3により走行車体2に対して昇降可能に作業部4を設け、前記昇降装置3を操作して前記作業部4の昇降操作が行える昇降操作具21,22を設けた作業機において、走行車体2に対する作業部4の状態を検出する作業部検出手段91,111を設けると共に、昇降操作具21,22の操作による作業部4の昇降途中で作業部検出手段91,111により作業部4の昇降が停滞していることを検出すると、逆方向へ作業部4を昇降させる昇降回帰手段を設けた作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−14619(P2006−14619A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193967(P2004−193967)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】