説明

作業補助装置、作業補助方法及びその作業に使用するワーク回転装置

【課題】作業効率を過度に低下させることなく、目標軌道に沿ってツールを移動させることが容易な作業補助装置を提供する。
【解決手段】回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う作業者を補助する作業補助装置であり、ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置と、ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、ツールの向きを検出するツール向き検出手段と、検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転装置の角速度を減少させ、検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度が大きいほどワーク回転装置の角速度を減少させるようにワーク回転装置を制御する制御手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を補助する作業補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業が知られている。例えば、自動車のウィンドウガラスの周囲に接着剤を塗布する作業では、ウィンドウガラスを回転させながら、ウィンドウガラスの周囲に接着剤塗布器具で接着剤を塗布する方が効率が良い。塗布器具を移動させる範囲を小さくできるからである。
本明細書では、上述の例におけるウィンドウガラスのように、作業の対象となる物をワークという。また、上述の例における接着剤塗布器具のように、ワークに対して作業を行うための器具をツールという。なお、ツールには、ワークに対して加工を施す加工器具(例えば、接着剤塗布器具、切削器具等)や、ワークの特性(物理的特性、電気的特性、光学的特性等)を測定する測定器具等が含まれる。
また、本明細書中、「ワークの移動方向」とは、ワークが回転軸回りに回転しているときのワーク上の点が移動する方向を意味する。また、「ワークの反移動方向」とは、上記「ワークの移動方向」と反対側の方向を意味する。
【0003】
例えば、特許文献1には、ウィンドウガラス(ワーク)の周囲に接着剤を塗布する作業を補助する作業補助装置が開示されている。この作業補助装置は、ウィンドウガラスを水平に支持し、鉛直軸周りにウィンドウガラスを回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じて接着剤塗布器具(ツール)の位置を変化させるツール移動装置(ロボットアーム)を有している。接着剤の塗布作業を行うときには、ウィンドウガラスを一定の角速度で回転させる。そして、作業者がツール移動装置を操作して塗布器具をウィンドウガラス上の塗布ライン(目標軌道)に沿って移動させながら、回転するウィンドウガラスに接着剤を塗布する。このように塗布作業を行うと、塗布器具を移動させる範囲が小さくなるので、作業者は効率的に作業を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2006−192564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の作業補助装置は、ワークを一定角速度で回転させる。ワークを一定角速度で回転させると、ワークの回転軸に近い位置に作業を行うときと、ワークの回転軸から遠い位置に作業を行うときとで、ワークの移動速度(ツールの位置におけるワークの移動速度)が異なる。このように、ワーク上の位置によってワークの移動速度が異なる場合に、回転軸に近い位置に合わせてワークの回転角速度を設定すると、回転軸から遠い位置に作業を行う際はワークの移動速度が速くなり過ぎて、ツールをワーク上の目標軌道に沿って移動させることが困難となる。一方、回転軸から遠い位置に合わせてワークの回転角速度を設定すると、回転軸に近い位置に作業を行う際はワークの回転速度が遅くなり過ぎて、効率的に作業を行うことができない。
また、ワーク上の目標軌道がワークの反移動方向と大きく異なる方向に伸びている場合がある(例えば、上述したウィンドウガラスへの接着剤塗布作業においては、ウィンドウガラスの周縁に設けられた塗布ラインが回転軸に対して半径方向に伸びているような場合)。この場合には、ツールを目標軌道に沿って移動させるためには、ツールを大きく移動させなければならない。このため、ワークが高速で回転していると、ツールをワーク上の目標軌道に沿って移動させることが難しい。一方、目標軌道がワークの反移動方向と大きく異なる場合に合わせてワークの回転速度を設定すると、目標軌道がワークの反移動方向と略一致する場合にはワークの回転速度が遅くなり過ぎて、効率的に作業を行うことができない。
このように、従来の作業補助装置では、作業効率を上げようとするとツールをワーク上の目標軌道に沿って移動させることが非常に難しくなり、ツールをワーク上の目標軌道に沿って移動し易くしようとすると作業効率が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、作業効率を過度に低下させることなく、目標軌道に沿ってツールを移動させることが容易な作業補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の作業補助装置は、回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う作業者を補助する。この作業補助装置は、ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置と、ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、ツールの向きを検出するツール向き検出手段と、検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転装置の角速度を減少させ、検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度が大きいほどワーク回転装置の角速度を減少させるようにワーク回転装置を制御する制御手段を有している。
この作業補助装置では、作業者がツール移動装置を操作すると、その操作力に応じてツール移動装置がツールの位置及び向きを変化させる。作業者は、ツール移動装置を操作することによって、回転するワーク上の目標軌道に沿ってツールを移動させる。また、作業者は、ツール移動装置を操作することによって、ワーク上の目標軌道に沿うように(すなわち、ツールの位置における目標軌道の接線方向とツールの向きが一致するように)ツールの向きを調節する。これによって、ツールの向きとツールの目標移動方向が一致する。ツールの位置と向きは、それぞれの検出手段によって検出される。各検出手段がツールの位置と向きを検出すると、制御手段がそれらの検出値に応じてワーク回転装置を制御する。
制御手段は、検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転装置の角速度を減少させる。したがって、回転軸から近い位置に作業を行うときは、ワークが高速で回転するため、作業を効率的に行うことができる。一方、回転軸から遠い位置に作業を行うときは、ワークが低速で回転するため、ツールを目標軌道に沿って容易に移動させることができる。また、ワークの回転軸に近い位置に作業を行うときと、回転軸から遠い位置に作業を行うときとで、ツールに対するワークの移動速度の差が小さくなる。このため、ワークの目標軌道上の各位置におけるツールによる作業時間の差が小さくなり、作業品質を向上することができる。
また、制御手段は、検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度が大きいほどワーク回転装置の角速度を減少させる。上述したように、作業者は、ワーク上の目標軌道に沿うようにツールの向きを調節している。したがって、ワークの反移動方向と大きく異なる方向に目標軌道が伸びている場合には、ワークの反移動方向とツールの向きとが成す角度が大きくなり、制御装置はワークの角速度を低下させる。すなわち、制御手段は、ワークの反移動方向と大きく異なる方向に目標軌道が伸びている場合には、ワークの角速度を低下させる。したがって、ツールを目標軌道に沿って容易に移動させることができる。一方、ワークの反移動方向と目標軌道の伸びる方向が大きく異ならない場合には、ワークが高速で回転するため、作業効率が過度に低下することはない。
以上に説明したように、この作業補助装置によれば、作業効率を過度に低下させることなく、作業者は、回転するワーク上の目標軌道に沿って容易にツールを移動させることができる。
【0008】
また、本発明は、ワーク上の目標軌道に沿って容易にツールを移動させることができる第2の作業補助装置を提供する。
この作業補助装置は、ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置と、ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、ツールの向きを検出するツール向き検出手段と、検出されたツールの位置から回転軸までの距離rと検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度αと任意の定数Vから
ω=(Vcosα)/r
の式で算出される角速度ωにワーク回転装置の角速度がなるようにワーク回転装置を制御する制御手段を有している。
この作業補助装置では、ツールの位置から回転軸までの距離rが大きくなると、角速度ωが減少する。また、ワークの反移動方向とツールの向きとが成す角度αが大きくなると、角速度ωが減少する。したがって、作業者は、目標軌道に沿って容易にツールを移動させることができる。また、距離rや角度αに応じて角速度ωが大きな値とされるため、作業効率が過度に低下することはない。さらに、この作業補助装置では、作業者がツールを目標軌跡に沿って移動させると、ツールとワークの相対移動速度が常に一定速度Vとなる。したがって、ツールによる作業にばらつきが生じ難く、作業品質を高めることができる。また、ツールの回転方向の速度成分がワークの回転運動によって与えられるため、作業者はツールを回転軸の方向に進退動するだけでよい。このため、作業者はツールを目標軌道に沿ってより容易に移動させることができる。
【0009】
また、本発明は、ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置とを備えた作業補助装置において、ワーク回転装置によってワークを回転させた状態で、作業者がツール移動装置を使用して予め設定されたワーク上の目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う際に作業者を補助する方法を提供する。
この作業補助方法は、ツールから回転軸までの距離を測定する工程と、ツールの位置におけるワークの反移動方向とツールの向きとが成す角度を測定する工程と、測定された距離が長いほどワークの回転角速度を低下させ、測定された角度が大きいほどワークの回転角速度を減少させるようにワーク回転装置を調整する工程を有している。
この作業補助方法によれば、作業者はツールの位置が目標軌道上となり、かつ、ツールの向きが目標軌道に沿うように調整することで、ツールの位置及び向きに応じてワークの回転速度が適切に調整される。このため、作業効率を過度に低下させることなく、作業者は容易にツールを目標軌道に沿って移動させることできる。
【0010】
また、本発明は、回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業において使用する、ワークを回転させるワーク回転装置を提供する。
このワーク回転装置は、回転軸に対して所定の位置関係で取付けられるワークを回転軸回りに回転させるモータと、回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、ワーク上に設定された目標軌道データを記憶している記憶装置と、回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標位置を算出するツール位置算出手段と、回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標向きを算出するツール向き算出手段と、算出されたツールの目標位置から回転軸までの距離が長いほどモータの角速度を減少させ、算出されたツールの目標位置におけるワークの反移動方向と算出されたツールの目標向きとが成す角度が大きいほどモータの角速度を減少させるようにモータを制御する制御手段を有している。
このワーク回転装置では、回転軸に対して所定の位置関係でワークが取付けられ、また、回転させるワーク上の目標軌道データを記憶している。そして、回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段によって検出されるワークの回転角度と目標軌道データから、ツールの目標位置(すなわち、その回転角度における目標軌道上の点)とツールの目標向き(すなわち、目標位置における目標軌道が伸びている方向)を算出する。そして、ツールの目標位置から回転軸までの距離が長いほどワークの角速度を減少させ、ツールの目標位置におけるワークの反移動方向とツールの目標向きとが成す角度が大きいほどワークの角速度を減少させる。すなわち、このワーク回転装置は、記憶している目標軌道データに応じて適切にワークの角速度を変化させる。したがって、作業効率を過度に低下させることなく、作業者は容易にツールを目標軌道に沿って移動させることができる。
なお、このワーク回転装置では、制御手段はω=(Vcosα)/rで算出される角速度ωでモータを制御するようにしてもよい。この場合において、rはツールの目標位置から回転軸までの距離であり、αはツールの目標位置におけるワークの反移動方向とツールの目標向きとが成す角度である。
【0011】
また、このワーク回転装置は、ツールをロボット等の移動装置によりプログラム制御して移動させる場合にも有用である。すなわち、ワークが一定角速度で回転していると、ツールとそのツールの位置におけるワークとの相対移動速度が、ツールの位置(ツールからワークの回転軸までの距離)及びツールの移動方向(目標軌道が伸びる方向)によって変化する。ツールとワークの相対移動速度が変化すると、ツールによる作業品質にばらつきが発生する。たとえば、接着剤塗布器具(ツール)により回転するガラス(ワーク)に接着剤を塗布する場合、接着剤塗布器具とガラスとの相対移動速度が変化すると、塗布される接着剤の厚さにばらつきがでてしまう。しかしながら、上記のワーク回転装置では、ツールの目標位置及びツールの目標向き(目標軌道が伸びる方向)に応じてワークの角速度が制御されるので、ツールの位置及びツールの移動方向によるツールとワークの相対移動速度の差が小さくなる。したがって、ツールによる作業結果にばらつきが生じ難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(形態1)作業補助装置は、回転するワークに対してツールを使用して加工を行う。
(形態2)作業補助装置は、作業者によって位置及び向きが調整されるツールと、ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、ツールの向きを検出するツール向き検出手段を有しており、検出したツールの位置及び向きに基づいてワークの回転角速度を制御する。
(形態3)作業補助装置は、作業者によって位置及び向きが調整されるツールと、ワーク上に設定された目標軌道から算出したツールの目標位置を入力するツール目標位置入力手段と、ワーク上に設定された目標軌道から算出したツールの目標向きを入力するツール向き入力手段を有しており、入力されたツールの目標位置及び目標向きに基づいてワークの回転角速度を制御する。
(形態4)作業補助装置は、ツールと、ツールの位置を入力するツール位置入力手段と、ツールの向きを入力するツール向き入力手段と、入力されたツール位置及びツール向きとなるようにツールの位置及び向きを調整するロボットを有しており、入力されたツールの位置及び向きに基づいてワークの回転角速度を制御する。
【実施例】
【0013】
<第1実施例>
以下に、本発明の好ましい実施例を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る作業補助装置10aの概略図を示している。作業補助装置10aは、作業者が塗布器具32を用いてガラス30(本実施例では、自動車のフロントガラス)に接着剤を塗布する作業を補助する装置である。なお、本実施例において塗布器具32がツールに相当する。またガラス30がワークに相当する。
作業補助装置10aは、ガラス30を支持して回転させる回転器24と、塗布器具32を支持する移動装置11と、回転器24と移動装置11を制御するコントローラ22aを備えている。
【0014】
接着剤を塗布すべき対象であるガラス30は回転支持軸26を介して回転器24に支持されている。ガラス30は水平に支持されている。ガラス30は例えば吸盤(不図示)や専用のクランプ(不図示)によりワーク回転支持軸26に固定されている。
回転器24にはモータ28と、エンコーダ29が備えられている。モータ28は、回転支持軸26に接続されており、ワーク回転支持軸26を回転させる。これにより、ガラス30が回転軸線C回りに回転する。モータ28の回転角度は、エンコーダ29によって検出される。すなわち、エンコーダ29はガラス30の回転角度を検出する。エンコーダ29によって検出された回転角度はコントローラ22aへ送られる。コントローラ22aは、エンコーダ29によって検出された回転角度に基づいてモータ28の回転角速度ωを制御する。
図1の点線Lは、ガラス30上の接着剤を塗布すべき塗布ラインを示している。作業者は、塗布器具32を回転するガラス30上に設定された塗布ラインLに沿って移動させ、塗布ラインLに沿って接着剤を塗布する。本実施例では、塗布ラインLが塗布器具32の目標軌道に相当する。以下では塗布ラインLを目標軌道Lと称する。
【0015】
移動装置11は、移動装置基部13で床に固定されている。移動装置11は、移動装置基部13から鉛直上方に向かって伸びるマスト13aと、関節14aを介してマスト13aに取り付けられているアーム17によって構成されている。アーム17は、リンク12a〜12cが関節14b、14cを介して接続されることによって構成されている。アーム17の先端には、関節14dを介して塗布器具32が固定されている。関節14a〜14dは、鉛直方向を軸として回動する。関節14a〜14dには、アクチュエータ16a〜16d、エンコーダ15a〜15dが取り付けられている(図1参照)。アクチュエータ16a〜16dは、コントローラ22aから入力される制御信号に応じて、対応する関節14a〜14dを回動させる。エンコーダ15a〜15dは、対応する関節14a〜14dの角度を検出する。エンコーダ15a〜15dが検出した角度は、コントローラ22aに送られる。
【0016】
図2に示すように塗布器具32の先端近傍は、折り曲げ部32aで所定角度に折り曲げられている。以下の第1実施例の作業補助装置10aについての説明では、塗布器具32の先端が向いている方向(図2の方向X)を塗布器具32の向きという。
【0017】
リンク12cの先端上部には、力センサ20を介して操作子18が固定されている。操作子18は、作業者によって操作される。力センサ20は、操作子18に加わる操作力を検出する。力センサ20が検出した操作力は、コントローラ22aに送られる。コントローラ22aは、力センサ20が検出した操作力に基づいて、関節14a〜14dのアクチュエータ16a〜16dを駆動する。これによって、塗布器具32の位置と向きが変更される。作業者は、操作子18を操作することによって、塗布器具32を移動装置11の可動範囲内で自由に動かすことができる。塗布器具32の先端近傍には、塗布器具32に接着剤を供給する供給ホース34が接続されている。図示しないスイッチをONすると、供給ホース34から塗布器具32に接着剤が供給される。これにより、塗布器具32の先端から接着剤が吐出される。
【0018】
コントローラ22aは、モータ28の回転角速度ω(即ちガラス30の回転角速度ω)を制御する。また、コントローラ22aは、力センサ20からの入力に基づいて移動装置11を制御する。
図3は、コントローラ22aと、回転器24及び移動装置11との接続を示すブロック図である。図3に示すように、コントローラ22aは、位置・向き算出部40、回転器制御部42、移動装置制御部48を備えている。
【0019】
移動装置制御部48は、力センサ20が検出する操作力を読取る。また、移動装置制御部48は、エンコーダ15a〜15dが検出する関節14a〜14dの角度を読取る。移動装置制御部48は、読取った操作力と読取った関節14a〜14dの角度から、関節14a〜14dの目標角度を算出する。そして、関節14a〜14dの目標角度と、関節14a〜14dの現在の角度に基づいて、アクチュエータ16a〜16dに制御信号を出力する。これによって、関節14a〜14dが操作力に応じて回動し、塗布器具32が移動する。
【0020】
位置・向き算出部40は、エンコーダ15a〜15dが検出する関節14a〜14dの角度を読取る。そして、読取った関節14a〜14dの角度と、アーム17の構造(各リンク12a〜12cの長さ等)から、塗布器具32の先端の位置(または、塗布器具32により接着剤を塗布されるガラス30上の位置:以下では、単に塗布器具32の位置という)と、塗布器具32の向きを算出する。塗布器具32の位置は、水平面におけるXY座標(所定の座標(本実施例では回転軸Cの座標)を原点とする絶対座標)として算出される。塗布器具32の向きは、水平面における絶対角度(所定の方向を0°とする絶対角度)として算出される。位置・向き算出部40は、算出した塗布器具32の位置と向きを回転器制御部42に出力する。
【0021】
回転器制御部42には、位置・向き算出部40から塗布器具32の位置及び向きが入力される。また、回転器制御部42は、エンコーダ29が検出するガラス30の回転角度を読取る。そして、読取った角度から、ガラス30の現在の回転角速度ωを算出する。回転器制御部42は、塗布器具32の位置及び向きと、ガラス30の現在の回転角速度ωに基づいて、モータ28に制御信号を入力する。これによって、モータ28の回転角速度ωを制御する。
【0022】
次に、ガラス30に接着剤を塗布するときの、コントローラ22aによるガラス30の回転角速度ωの制御について図4のフローチャート及び図5の説明図を用いて説明する。ガラス30に接着剤を塗布するときには、作業者が操作子18を操作して、塗布器具32の位置を目標軌跡上に合わせると共に、塗布器具32の向きを目標軌道の方向(より詳細には、塗布器具32の位置における目標軌道の接線方向)に合わせる(図5参照)。ガラス30に接着剤を塗布するときは、コントローラ22aは、図4のフローチャートを繰り返し実行し、回転角速度ωを制御する。
【0023】
ステップS300では、コントローラ22aは塗布器具32の位置S1及び向きLPを算出する。上述したように、塗布器具32の位置S1及び向きLPは、エンコーダ15a〜15dが検出する角度から算出する。塗布器具32の向きLPは作業者によって目標軌道に合わせられているので、向きLPと目標軌道の接線方向は略一致する。
次に、コントローラ22aは、回転器24の回転軸線Cから位置S1までの距離R(水平面上における距離)を算出する(ステップS302)。距離Rは、ステップS300で算出した位置S1を示すXY座標から算出する。
次に、コントローラ22aは、位置S1におけるガラス30の移動方向LCを算出する(ステップS304)。移動方向LCは、図5に示すように、位置S1におけるガラス30の回転方向(接線方向)である。コントローラ22aは、回転軸線Cから位置S1へ向かう方向RE(より詳細には、方向REの水平面における絶対角度)を算出し、算出した方向REと垂直な方向を移動方向LCとして算出する。移動方向LCは、水平面における絶対角度として算出する。
次に、コントローラ22aは、ガラス30の移動方向LCの反対方向LC’と、塗布器具32の向きLPとが成す角度θsを算出する(ステップS306)。角度θsは、反対方向LC’の絶対角度と向きLPの絶対角度から算出する。
次に、コントローラ22aは、以下の計算式により、ガラス30の目標角速度ω’を算出する(ステップS308)。
ω’=(Vcosθs)/R ・・・<数1>
なお、上式において、Vは所定の定数である。
コントローラ22aは、目標角速度ω’を算出すると、エンコーダ29が検出する現在のガラス30の回転角度を読取る。そして、読取った回転角度と、前回の周期で読取ったガラス30の回転角度から、現在のガラス30の回転角速度ωを算出する(ステップS310)。
次に、コントローラ22aは、現在の回転角速度ωと、目標角速度ω’に基づいて、モータ28に制御指令値を入力する(ステップS312)。これによって、モータ28の回転角速度ω(すなわち、ガラス30の回転角速度ω)が目標角速度ω’となるように制御される。コントローラ22aは、所定周期で図4のフローチャートを繰り返し実行する。したがって、ガラス30の回転角速度ωは、常時、距離Rと角度θsに応じた回転角速度(目標角速度ω’)となるように制御される。
【0024】
以上に説明したように、ガラス30に接着剤を塗布するときは、ガラス30の回転角速度ωが、目標角速度ω’となるように制御される。したがって、塗布器具32の位置S1におけるガラス30の移動速度VCは、
VC=Rω’=Vcosθs
となり、角度θsによって変化する。
本実施例では、塗布器具32を目標軌道L上で移動させるために、塗布器具32をガラス30の回転軸Cからの半径方向(図5の方向RE)にのみ移動させる(すなわち、ガラス30の回転方向に移動させない)。このため、塗布器具32を方向REへ移動させる速度VTは、移動速度VCと、角度θsによって決まる。すなわち、
VT=VCtanθs=V(cosθs)(tanθs)=Vsinθs
となる速度VTで塗布器具32を移動させることとなる。塗布器具32を速度VTで方向REに移動させると、位置S1における塗布器具32とガラス30との相対移動速度は、図5の速度VLとなる。すなわち、
VL=VC/cosθs=V
となる。したがって、塗布器具32の向きLPが目標軌道の方向と一致し、かつ、方向REに沿って塗布器具32の先端が目標軌道上を通るように、作業者が塗布器具32を移動させれば、位置S1における塗布器具32とガラス30との相対移動速度VLは一定速度Vとなる。したがって、作業者がこのように塗布器具32を移動させると、接着剤を塗布する位置、接着剤を塗布する方向(すなわち、目標軌道が伸びている方向)によらず、目標軌道上に均一な厚さで接着剤を塗布することができる。
【0025】
また、この作業補助装置10aでは、塗布器具32の位置S1からガラス30の回転軸Cまでの距離Rが長いほどガラス30の回転角速度ωが低下する(<数1>参照)。したがって、作業者は、容易に塗布器具32を目標軌道Lに沿って移動させることができる。一方、距離Rが小さいほどガラス30の回転角速度ωが大きくなるため、作業効率が過度に低下することもない。
また、この作業補助装置10aでは、塗布器具32の位置S1におけるガラス30の移動方向LCの反対方向LC’と、塗布器具32の向きLPとが成す角度θsが大きいほどガラス30の回転角速度ωが低下する(<数1>参照)。したがって、作業者は、容易に塗布器具32を目標軌道Lに沿って移動させることができる。また、図6に示すように、ガラス30が本来の回転方向に回転したときのガラス30の反移動方向LC’と目標軌道L(すなわち、方向LP)の成す角度θsが90°以上となる場合には、目標角速度ω’がマイナスとなる(<数1>参照)。すなわち、ガラス30が逆回転する。したがって、このような場合にも、塗布器具32を容易に目標軌道Lに沿って移動させることができる。
【0026】
また、作業補助装置10aでは、実際の塗布器具32の位置及び向きに基づいてガラス30の回転角速度ωを制御するので、塗布対象のガラスの形状等に応じて作業補助装置10aの設定を変更する必要がない。したがって、作業補助装置10aは、種々の形状のガラスが流れる接着剤塗布工程に適している。
【0027】
<第2実施例>
次に、第2実施例の作業補助装置10bについて説明する。第2実施例の作業補助装置10bでは、予めコントローラ22aにガラス上の目標軌道を示すデータが入力されている。また、ガラスは回転支持軸に所定の位置関係で取り付けられている。そして、目標軌道データから算出される塗布器具32の目標位置及び目標向きに基づいて、ガラス30の回転角速度ωを制御する。第2実施例の作業補助装置10bは、塗布対象のガラスに応じて目標軌道データを変更する必要があるので、同じ形状のガラスがある程度まとまって流れる場合に適している。
【0028】
第2実施例の作業補助装置10bの物理的構成は、第1実施例の作業補助装置10aと略同じであるので、説明を省略する。なお、以下の説明では、作業補助装置10bの各部について、第1実施例の作業補助装置10aの各部と同じ名称、同じ参照番号を用いて説明する。
図7は、第2実施例の作業補助装置10bの、コントローラ22aと、回転器24及び移動装置11との接続を示すブロック図である。図示するように、第2実施例のコントローラ22aは、目標軌道データ記憶部44を有している。
【0029】
目標軌道データ記憶部44には、各種の形状のガラスの目標軌道を示すデータが記憶されている。目標軌道データは、目標軌道上の各点の位置を示したデータである。目標軌道データ記憶部44が記憶している目標軌道データは、回転器制御部42に読み出される。回転器制御部42は、回転支持軸に対するガラスの取付位置の関係と、エンコーダ29が検出するガラスの回転角度と、読取った目標軌道データから、その回転角度における塗布器具32の目標位置と、目標軌道が伸びる方向(目標向き)を算出する。回転器制御部42は、算出した目標位置及び目標向きに従って、モータ28を制御する。
【0030】
図8は、作業補助装置10bのコントローラ22aによるガラスの回転角速度ωの制御を示すフローチャートである。
ステップS400では、コントローラ22aは、エンコーダ29が検出するガラスの回転角度を読取る。そして、回転支持軸に対するガラスの取付位置の関係と、読取った回転角度と、記憶している目標軌道データから、その回転角度における塗布器具32の目標位置S2と目標向きLP2を算出する(図9参照)。このとき、コントローラ22aは、塗布器具32が回転軸線Cから所定方向に伸びる基準線RE上で移動されると仮定して、目標位置S2及び目標向きLP2を算出する(図9参照)。したがって、基準線REと現在の回転角度における目標軌道との交点が目標位置S2として算出される。目標向きLP2は、算出した目標位置S2における目標軌道の接線方向として算出される。
ステップS402以降は、第1実施例の作業補助装置10aと略同様に行われる。すなわち、ステップS402では、コントローラ22aは、回転器24の回転軸線Cから目標位置S2までの距離Rを算出する。ステップS404では、目標位置S2におけるガラス30の反移動方向LC’を算出する(方向REが固定されているので、反移動方向LC’は常に一定である)。ステップS406では、ガラス30の反移動方向LC’と、目標向きLP2とが成す角度θsを算出する。ステップS408では、上記の<数1>によって、ガラス30の目標角速度ω’を算出する。ステップS410では現在の回転角速度ωを算出し、ステップS412では目標角速度ω’に基づいて、モータ28の回転角速度ωを制御する。
【0031】
以上に説明したように、作業補助装置10bでは、ガラスの回転角速度ωが、目標角速度ω’となるように制御される。したがって、基準線REに沿って塗布器具32を目標軌道上を通るように移動させると、塗布器具32の位置における塗布器具32とガラスの相対移動速度が一定速度Vとなる。したがって、目標軌道上に接着剤を均一な厚さで塗布することができる。
【0032】
また、第2実施例の作業補助装置10bでは、塗布器具32の目標位置S2からガラス30の回転軸Cまでの距離Rが長いほどガラス30の回転角速度ωが低下する。したがって、作業者は、容易に塗布器具32を目標軌道に沿って移動させることができる。一方、塗布器具32の目標位置S2からガラス30の回転軸Cまでの距離Rが短いほどガラス30の回転角速度ωが大きくなるため、作業効率が低下し過ぎることはない。
また、第2実施例の作業補助装置10bでは、塗布器具32の目標位置S2におけるガラスの反移動方向と、塗布器具32の目標向きLP2とが成す角度θsが大きいほどガラスの回転角速度ωが低下する。したがって、作業者は、容易に塗布器具32を目標軌道に沿って移動させることができる
【0033】
<第3実施例>
次に、第3実施例の作業装置10cについて説明する。第3実施例の作業装置10cでは、第2実施例の作業補助装置10bと同様にしてガラスの回転角速度ωが制御される。すなわち、目標軌道データから算出される塗布器具32の目標位置及び目標向きに基づいて、回転角速度ωが制御される(図8参照)。また、作業装置10cは、操作子18及び力センサ20を有していない。作業装置10cでは、コントローラ22aが、アーム17のアクチュエータ16a〜16dを制御する。コントローラ22aは、図8のフローチャートを実行するのと平行して、アクチュエータ16a〜16dを制御する。すなわち、コントローラ22aは、図8のステップS400で算出した目標位置S2と、エンコーダ15a〜15dが検出する角度に応じて、アクチュエータ16a〜16dに制御信号を出力する。これによって、アクチュエータ16a〜16dが駆動され、塗布器具32が目標位置S2へ移動される。このように、作業装置10cでは、目標軌道に従ってコントローラ22aが塗布器具の位置を制御する。
【0034】
以上に説明したように、作業装置10cでは、第2実施例の作業補助装置10bと同様にして、ガラスの回転角速度ωが制御される。また、コントローラ22aによって、塗布器具32が目標位置S2に位置するように制御される。従って、目標軌道上に正確に接着剤が塗布される。また、このようにガラスの回転角速度ωと塗布器具32の位置が制御されると、塗布器具32とガラスとの相対移動速度が一定速度Vとなる。したがって、目標軌道上に均一な厚さで接着剤が塗布される。
また、作業装置10cでは、目標位置S2が直線REと目標軌道の交点として算出される(図9参照)。したがって、移動装置11は、塗布器具32を直線RE上を移動させるだけでよい。すなわち、移動装置11として、可動範囲の狭い移動装置を用いることができる。
【0035】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施例の作業補助装置の概略図である。
【図2】塗布器具32の向きの説明図である。
【図3】第1実施例の作業補助装置のブロック図である。
【図4】第1実施例の作業補助装置の回転角速度ωの制御を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例の作業補助装置を使用して塗布器具を目標軌道に沿って移動させるときの説明図である。
【図6】第1実施例の作業補助装置を使用して塗布器具を目標軌道に沿って移動させるときの説明図である。
【図7】第2実施例の作業補助装置のブロック図である。
【図8】第2実施例の作業補助装置の回転角速度ωの制御を示すフローチャートである。
【図9】第2実施例の作業補助装置を使用して塗布器具を目標軌道に沿って移動させるときの説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10a:作業補助装置
10b:作業補助装置
10c:作業装置
11:移動装置
14a〜14d:関節
15a〜15d:エンコーダ
16a〜16d:アクチュエータ
17:アーム
22a:コントローラ
24:回転器
28:モータ
29:エンコーダ
30:ガラス
32:塗布器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う作業者を補助する作業補助装置であり、
ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、
作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置と、
ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、
ツールの向きを検出するツール向き検出手段と、
検出されたツールの位置から回転軸までの距離が長いほどワーク回転装置の角速度を減少させ、検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度が大きいほどワーク回転装置の角速度を減少させるようにワーク回転装置を制御する制御手段と、
を有する作業補助装置。
【請求項2】
回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う作業者を補助する作業補助装置であり、
ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、
作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置と、
ツールの位置を検出するツール位置検出手段と、
ツールの向きを検出するツール向き検出手段と、
検出されたツールの位置から回転軸までの距離rと、検出されたツールの位置におけるワークの反移動方向と検出されたツールの向きとが成す角度αと、任意の定数Vから
ω=(Vcosα)/r
の式で算出される角速度ωにワーク回転装置の角速度がなるようにワーク回転装置を制御する制御手段と、
を有する作業補助装置。
【請求項3】
ワークを回転軸回りに回転させるワーク回転装置と、作業者から加えられた操作力に応じてツールの位置及び向きを変化させるツール移動装置とを備えた作業補助装置において、ワーク回転装置によってワークを回転させた状態で、作業者がツール移動装置を使用して予め設定されたワーク上の目標軌道に沿ってツールを移動させる作業を行う際に作業者を補助する方法であり、
ツールから回転軸までの距離を測定する工程と、
ツールの位置におけるワークの反移動方向とツールの向きとが成す角度を測定する工程と、
測定された距離が長いほどワークの回転角速度を低下させ、測定された角度が大きいほどワークの回転角速度を減少させるようにワーク回転装置を調整する工程と、
を有する作業補助方法。
【請求項4】
回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業において使用する、ワークを回転させるワーク回転装置であり、
回転軸に対して所定の位置関係で取付けられるワークを回転軸回りに回転させるモータと、
回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、
ワーク上に設定された目標軌道データを記憶している記憶装置と、
回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標位置を算出するツール位置算出手段と、
回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標向きを算出するツール向き算出手段と、
算出されたツールの目標位置から回転軸までの距離が長いほどモータの角速度を減少させ、算出されたツールの目標位置におけるワークの反移動方向と算出されたツールの目標向きとが成す角度が大きいほどモータの角速度を減少させるようにモータを制御する制御手段と、
を有するワーク回転装置。
【請求項5】
回転するワークに対して、ワーク上に予め設定された目標軌道に沿ってツールを移動させる作業において使用する、ワークを回転させるワーク回転装置であり、
回転軸に対して所定の位置関係で取付けられるワークを回転軸回りに回転させるモータと、
回転軸の回転角度を検出する角度検出手段と、
ワーク上に設定された目標軌道データを記憶している記憶装置と、
回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標位置を算出するツール位置算出手段と、
回転軸に対するワークの位置関係と、角度検出手段が検出する回転角度と、記憶装置が記憶している目標軌道データから、ツールの目標向きを算出するツール向き算出手段と、
算出されたツールの目標位置から回転軸までの距離rと、算出されたツールの目標位置におけるワークの反移動方向と算出されたツール目標向きとが成す角度αと、任意の定数Vから
ω=(Vcosα)/r
の式で算出される角速度ωにモータの角速度がなるようにワーク回転装置を制御する制御手段と、
を有する作業補助装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−194758(P2008−194758A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29035(P2007−29035)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】