説明

作業車両の原動部構造

【課題】ラジエーターの防塵網の略全面を清掃可能であり、吸気作用を阻害せず、ラジエーターの冷却効果を維持して作業能率を高めることのできる作業車両の原動部構造の提供である。
【解決手段】エンジン16冷却用ラジエーター5の外側に網部(ネット)3と該網部3の枠部2とからなるラジエーターカバー2,3と、該カバー2,3の網部3に沿って直線的に移動可能な移動機構23を有する遮風プレート6と、ラジエーターカバーの枠部2と網部3との間の段差部Dにラジエーター5の外気供給用の吸気口60を設け、更に網部3の網の目合いを吸気口60側を大きくし、吸気口60とは反対側を小さくする。遮風プレート6が網部3の略全面を移動できるので網部3の略全面を清掃可能であり、吸気口60を前記段差部Dに設けることで吸気力が低下せず、更に網部3の網の目合いを吸気口60側を大きくすることで外気の吸引力の低下を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンバインなどの作業車両のエンジン等の原動部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両の一例として、コンバインは、穀稈を刈取装置により刈り取って搬送し、フィードチェーンから脱穀装置に供給して、脱穀、選別し、脱穀選別された穀粒をグレンタンクに一時貯溜した後、グレンタンク内の穀粒をコンバインの外部に排出する構成である。したがって、コンバインの周囲には搬送、脱穀する際の藁屑や塵埃等が飛散して漂っており、またこのように飛散した藁屑などがコンバイン内に入り込むことで動力の伝動機構や電気系統等に不具合が生じる原因となることもある。
【0003】
そして、コンバインのエンジンルームの吸気側に配置するラジエーターカバーには、藁屑や塵埃等がエンジンルーム内に入り込むことを防止するために防塵網を取り付けている。しかし、吸気の際に防塵網に塵埃等が付着するため、これら塵埃等を清掃して目詰まりを防止し、エンジンの冷却効果を高める装置が開示されている。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、防塵網面上の付着物を回転駆動する遮蔽装置で除去すると共に、この遮蔽装置を風車で回転駆動させる構成とした防塵装置が開示されている。この遮蔽装置は扇状の塞部(プレート)を防塵網上で回転させることで防塵網上の付着物を取り除く構成である。また、下記特許文献2には、除塵網に清掃機構を設けて、エンジン近傍の温度変化に基づいて作動させる構成が示されている。この構成は、エンジン温度が高くなると除塵網の目詰まりを清掃作動によって解消し、オーバーヒートを未然に防止せんとするものである。
【特許文献1】特開2002−59748号公報
【特許文献2】特開昭60−159328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、ラジエーターカバーの防塵ネットは、冷却風の吸気作用に伴い網面に付着する塵埃によって、外気の吸引作用が阻害され、エンジンのオーバーヒートに繋がる虞がある。したがって、このような不具合を防止するために、防塵ネットには清掃手段が設けられ、付着塵埃を取り除いて、外気の吸気作用を常に良好に保持して、効果的にラジエータを冷やしながらエンジンのオーバーヒートを未然に防止する手段が講じられている。
【0006】
そして、従来の清掃装置は、上記特許文献1及び2に開示されているように、清掃機構(プレート状の塞部やブラシ)を、網面上に回転、或いは往復揺動させる構成としている。したがって、これらの構成では、網面上におけるブラシの清掃範囲が円形の回転範囲、または扇形の往復揺動範囲に限られた部分のみが清掃され、防塵ネットの略全面に渡って清掃できない。
【0007】
また、塞部やブラシが防塵ネットに当たる部分は、その間(当たっている間)外気が遮断されるため、外気の吸気作用が阻害されることでラジエーターの冷却効果が低下する。更に、ブラシの移動により網面上に屑や塵埃などのゴミが溜まってくると、その部分の網面の網目が詰まって外気の吸引力が低下してしまう。
【0008】
本発明の課題は、ラジエーターの防塵網の略全面を清掃可能であり、且つ外気の吸気作用を阻害せず、外気の吸引力の低下を防止してラジエーターの冷却効果を維持する作業車両の防塵装置を有する原動部構造の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
【0010】
請求項1記載の発明は、冷却ファン(1)を備えたエンジン(16)と、冷却ファン(1)の外側に設けられたラジエーター(5)と、該ラジエーター(5)の外側に設けられ、該ラジエーター(5)へ供給される外気の濾過用の網部(3)および該網部(3)を取り付けた外枠を構成する枠部(2)とからなるラジエーターカバー(2,3)と、前記ラジエーターカバー(2,3)の網部(3)の内側面に接近して設けられ、網部(3)の目合いの一部を塞いで外気の通過を遮断する遮風プレート(6)と、該遮風プレート(6)を前記網部(3)の内側面に沿って直線的に往復運動させる移動機構(23)とを設け、前記ラジエーターカバー(2,3)の枠部(2)の網部(3)を取り付けた部位の周りであって前記遮風プレート(6)の往復運動の往路又は復路の終端部側に網部(3)よりも外側に突出するように段差部(D)を設け、該段差部(D)にラジエーター(5)を迂回して冷却ファン(1)に至る吸気風路の吸気口(60)を設け、更に網部(3)の網の目合いを吸気口(60)が設けられた側を大きくし、吸気口(60)が設けられた側とは反対側を小さくした作業車両の原動部構造である。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、網部3の目合いの一部を塞いで通過外気を遮断する遮風プレート6が網部3の内側面に沿って横方向又は縦方向に直線的に往復運動することによって、外気の通過を遮断して網部3に吸着している塵埃を脱落しやすくすることができる。この場合、遮風プレート6は、網部3の内面側に沿う平面上を横か縦に直線的に往復運動することによって網部3のほとんど全面に渡って移動できるから、網部3の通過外気を一時遮断して塵埃を脱落しやすくすることができる。したがって、従来のブラシなどによる回転のように、清掃範囲が限定されることはない。
【0012】
更に、ラジエーターカバーの枠部2の網部3を取り付けた部位の周りの段差部Dにラジエーター5を迂回して冷却ファン1に至る吸気風路の吸気口60を設けることで、網部3の外側面に吸着されている塵埃を、この遮風プレート6の縁部越しに吸引される外気の流れによってこの縁部付近に吸着し、遮風プレート6の移動によって、この遮風プレート6と共に網部3の外側面上を移動させ、吸気口60から吸い込んで除去することができる。
【0013】
更に遮風プレート6の往復運動の往路又は復路の終端部側に吸気口60を設けることで、直線運動によって網部3の網面上に溜まった屑や塵埃などのゴミが吸気口60から吸引されるので、ゴミを効率よく除去できる。そして、網部3の網の目合いを吸気口60が設けられた側を大きくし、吸気口60が設けられた側とは反対側を小さくすることで、遮風プレート6が吸気口60側へ直線運動する際に、この遮風プレート6と共に網面上を移動する屑や塵埃などのゴミの量が増えても、網の目合いが大きく外気の通過流速が高いことから、これらのゴミの吸着力の低下を防止でき、このゴミを吸気口60まで移動させて吸い込ませることができる。
【0014】
請求項2記載の発明は、前記吸気口(60)が設けられた吸気風路の断面積を、吸気口(60)の入り口部分での断面積が他の部分での断面積よりも小さくなるように設定した請求項1記載の作業車両の原動部構造である。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、吸気風路の断面積を、吸気口60の入り口部分での断面積が他の部分での断面積よりも小さくなるように設定することで、請求項1記載の発明の上記作用に加えて、吸気口60の入り口付近の風路上手側の吸引風速が上がり、屑や塵埃などの吸引力が高まる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、遮風プレート6の網部3の内側面に沿った直線的な往復運動と該遮風プレート6の移動に伴って吸気口60から塵埃を吸い込んで除去することで、網部3に吸着されている塵埃を除去し、網部3における外気の通過状態を良好に維持し、さらに網部3の網の目合いが吸気口60側では比較的大きいので屑や塵埃などのゴミの量が増えても、ゴミの吸着力の低下を防止できる。こうして、ラジエーター5の冷却効果を維持し、エンジン16のオーバーヒートを防止して作業能率を高めることができる。
【0017】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、吸気口60の吸気風路の断面積を変えることにより吸気口60の入り口付近の風路上手側の速い吸引風速により屑や塵埃などのゴミの吸い込み除去率を高め、網部3における外気の通過状態を更に良好にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
図1には本発明の一実施形態による原動部構造を備えたコンバインの右側面図を示し、図2には図1のコンバインの防塵装置の右側面図(外側から見た図)を示し、図3には図2の防塵装置の左側面図(内側から見た図)を示す。図4には、図2のラジエーターカバー付近のA−A線断面矢視図を示す。なお、図2及び図3は遮風プレートの作用を示す図であるため、見やすいように、後述するラジエーターカバーの吸気口の図示を省略している。
また、本明細書では、特に断りがない限り、左側及び右側とはコンバインが前進する方向に向いたときの方向を言う。
【0019】
図1に示すように、コンバインの車体11の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行装置(以下、走行クローラと称す。)10を有する走行装置本体を配設し、車体11の前端側に分草杆13aを備えた刈取装置13が設けられている。刈取装置13は車体11の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレーム(図示せず)で支持されているので、コンバインに搭乗したオペレータが運転台の操縦席14の操向レバー48を前後に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレームと共に上下に昇降する構成である。
【0020】
車体11の上方には、刈取装置13から搬送されてくる穀稈をフィードチェーン(図示せず)により引き継いで搬送して脱穀、選別する脱穀装置(周知のとおり、図1においてグレンタンク12の裏側に隣接して設けている。)と該脱穀装置で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク12が載置され、グレンタンク12の後部に縦オーガ、横オーガからなる穀粒排出オーガ15を連接して、コンバインの外部に排出する構成としている。 すなわち、コンバインはオペレータが操縦席14においてHST主変速レバー42および副変速レバー43を操作し、エンジン16(エンジンルーム4内にある)の動力を図示しない走行トランスミッションケース内の主変速機を介して変速し、左右の走行クローラ10、10に伝動して任意の速度で走行する。
【0021】
また、コンバインは、オペレータが操縦席14において操向レバー48を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行することができる。すなわち、操向レバー48をコンバインを旋回させようとする方向に傾倒操作することにより、左右の走行クローラ10、10に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。
【0022】
そして、エンジンルーム4は、図1に示すように前記操縦席14の下側に配置され、図4に示すように、内側にエンジン16を搭載し、その外側に隣接させて冷却ファン1を軸架し、更に、その外側にはラジエーター5を装置した構成としている。そして、ラジエーターカバー2,3は、図2及び図3に示すように、前記エンジンルーム4の外側枠に沿わせて開閉自在に設けられ、すぐ内側にある前記ラジエーター5に臨ませるように、外枠を構成する枠部2にラジエーター5へ供給される外気の濾過用の防塵ネット(網部)3を張設して設けている。なお、防塵ネット3の部分は網に限らず、板に多数の穴を設けためくら鉄板のようなものなど、通気が可能な構成であれば良い。そして、前記冷却ファン1の吸引作用によって外気を除塵しながら防塵ネット3を通過させてエンジンルーム4に冷気の供給ができるようにエンジン冷却装置を構成している。防塵ネット3は網面3a,3b,3cからなり、網面3a,3cは共にほぼ長方形、網面3bは台形の形状をしている。
【0023】
そして、遮風プレート6は、図2及び図3に示すように、前記防塵ネット3の中央部の網面3a,上部の網面3b,下部の網面3cの目合いの一部を塞いで、一時的に外気の通過を遮断できる程度の横幅を持たせて上下に長く形成し、網面3a,3b,3cの内側に接近させて配置している。
【0024】
つぎに、遮風プレート6の直線運動による移動方向を案内するガイド装置7a,7bは、ラジエーターカバー枠部2に連結し、前後方向(図面の左右方向)に長手方向を有する長穴(7A,7B)を設けたプレートからなり、図2及び図3に示すように、前記ラジエーターカバー2,3の上部と下部とに一対を平行に配置し、前記遮風プレート6の上部と下部に設けたスライド保持具18,18が長穴(7A,7B)内をスライド可能に支持した構成である。また、ガイド装置7aは網面3bの上方の枠部2に、ガイド装置7bは網面3aと3cの間の枠部2にそれぞれ取り付けられている。そして、図2及び図3に示すように、ガイド装置7aはガイド装置7bより短い構成である。
【0025】
このようにして、遮風プレート6は、上下一対のガイド装置7a,7bにスライド保持具18,18を摺動可能に支持させて、前記防塵ネット3の網面3a,3b,3cに沿って横(車体11に対しては前後方向)にスライドできる構成である。なお、ガイド装置7a,7bは上下のみならず、ラジエーターカバー2,3の上下中間位置にある横桟に補助的に上記ガイド装置7a,7bと同様な構成の中間ガイド装置を設けても良い。
【0026】
また、ガイド装置7a,7bをラジエーターカバー2,3の左右両端に設け、遮風プレート6は前記防塵ネット3の網面3a,3b,3cに沿って縦(上下方向)にスライドできる構成としても良い。
【0027】
つぎに、上記遮風プレート6は、図2及び図3に示すように、上部プレート6aと下部プレート6bの上下二つに分割可能であり、該分割部で上部プレート6aと下部プレート6bは重複している。そして、上部プレート6aに長孔19を開孔し、下部プレート6bにはその長孔19に摺動自在に嵌合する摺動ピン20を設け、その部分(長孔19が存在する分割部)で伸縮自由で、且つ、折曲自在に連結した構成である。
【0028】
コンバインにおいて、エンジンルーム4は操縦席14の下部に配置されている場合が多いため、オペレータの乗降の妨げにならないように上側の前後幅が下側に比べて狭くなっていることが多い。また、エンジン冷却装置のレイアウト上、カバーの形状が限定される場合もある。
したがって、必然的にラジエーターカバー2,3の形状も上下で前後幅が異なる場合もあり、このような場合はラジエーターカバー2,3の略全面を清掃することが困難である。
【0029】
しかし、本構成によれば、前記遮風プレート6は図2の仮想線で示すように水平方向の長さが短い上側のガイド装置7aの一方の端部である終点位置に達すると、下側の長いガイド装置7bによって一方の下部プレート6bのみが横方向に移動し、上部プレート6aが下部プレート6bの動きに連動して傾斜状態に倒れて変形した網面3bを塞いで通過外気を遮断できる構成である。このとき、遮風プレート6は、上部プレート6aと下部プレート6bとの分割部にある長孔19内を摺動ピン20が動くことで上下に伸長し、且つ、折曲自在になっている。
【0030】
そして、遮風プレート6は、図2の実線で示すように、車両の本体(車体)11の後方側から前方に向けて、まずラジエーターカバー枠部2の板面上を通過し、その後図示するように角部(図面右側、車両の本体(車体)11に対しては前方側の三角形の一角)の網面3b上で上部プレート6aが斜めに傾きながら移動することが出来る程度の長さに構成している。したがって、遮風プレート6は、斜めにカットされた形状に設けられている防塵ネット3であっても、その部分を移動して、通過する外気を一時的に遮断して付着している藁屑や塵等の塵埃の清掃ができる。
【0031】
そして、前記遮風プレート6は、図3に示すように、上部プレート6aと下部プレート6bとの間の連結部位(分割部)において、両プレート6a,6b間にスプリング8を介装して、常に、スプリング8の縮小方向へ付勢されている。したがって、遮風プレート6は、車両の本体11の後方側から前方に向けて移動する間に、図2において、一点鎖線の位置から二点鎖線の位置へはスプリング8の張力に抗して移動し、逆の復帰行程では、スプリング8の張力で自動復帰が出来る。
【0032】
つぎに、遮風プレート6の横移動機構23について説明する。
まず、表面に螺旋状の溝を有するリードカム軸25は、図3に示すように、前記防塵ネット3の内側において、前記ラジエーターカバー枠部2に取り付けられた左右の側枠26,26に架渡しており、下部プレート6bに固着したリードメタル27を螺合して回転自在に軸受け支持した構成としている。
【0033】
そして、電動モーター28をリードカム軸25の上側に配置して該電動モーター28のモーター軸に減速装置や伝動ギヤ29,30を噛合させて、上記リードカム軸25を正転、及び逆転に伝動する構成である。なお、上記電動モーター28は、スイッチ(図示せず)による操作で適宜オン,オフの切替操作ができる。
【0034】
図3に示すように、前後リミットスイッチ31,32をそれぞれ前記リードカム軸25の両端部分に接近させて設け、すなわちリードカム軸25の両端部近傍に達したリードメタル27を検出できる位置に設けている。そして、遮風プレート6が左(車体11に対して前方側)、又は右(車体11に対して後方側)へ移動し、リードカム軸25の端部に達して前後リミットスイッチ31,32によりリードメタル27がそれぞれ検出されると、図示しないコントローラにより電動モーター28の回転方向を切り替える構成である。
【0035】
なお、図5に示す、表面に交差状の螺旋溝を有するリードカム軸25を用いると、電動モーター28の回転方向を切り替えることなく、一方向回転のみで遮風プレート6の往復移動が可能である。
【0036】
以上のように構成された原動部に設けられた防塵装置17によって、塵埃の多い圃場でコンバインが刈取脱穀作業を行った場合、またはコンバイン作業を長時間続けた場合等に、エンジンルーム4の外側に設けたラジエーターカバー2,3の防塵ネット3には藁屑や塵が付着して外気の吸引作用が阻害されることが多い。そこで、オペレーターが、刈取脱穀作業の開始時に、エンジン始動スイッチをオン操作すると、電動モーター28が始動して伝動ギヤ29,30を介してリードカム軸25が回転駆動し、リードメタル27を正転方向に駆動する。
【0037】
リードメタル27を正転方向に駆動することで、遮風プレート6は、図2に示すように、上記リードメタル27と共に横方向に移動を開始して、上下のスライド保持具18,18が、それぞれガイド装置7a,7bに支持されながら案内されて防塵ネット3の網面3a,3b,3c上を移動する。そのとき、遮風プレート6が連続的に移動する工程において、遮風プレート6が位置している部分では、一時的に冷却ファン1の吸引作用で吸引されている外気が遮断されて空気の通過が止まり、防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に付着している塵埃が吸着力を失って落下することで、防塵ネット3が清掃され網面の目詰まりが解消される。
【0038】
そして、防塵ネット3の網面3a,3b,3cの一部を塞ぐ程度の幅を持たせた遮風プレート6が防塵ネット3の網面3a,3b,3cに沿って横方向に直線運動をする構成であるから、防塵ネット3を通過する外気を一時的に遮断して網面3a,3b,3cに付着している塵埃を効果的に除去できる。そして、本実施形態によれば、遮風プレート6が、防塵ネット3に対して、横方向(車体11に対して前後方向)に網面3a,3b,3cに沿いながらほとんど全面に渡って移動可能であるため、防塵ネット3の略全面の塵埃を除去でき、防塵ネット3の目詰まりの防止が出来る。
【0039】
そして、本実施形態によれば、遮風プレート6を、上下のガイド装置7a,7bにスライド可能に支持させたことから、横方向への移動が安定して行われ、防塵ネット3の略全面に亘ってスムーズに移動し、一時的に防塵ネット3を通過する外気を遮断することができて、塵埃の取除作用を効果的に行うことができる。
【0040】
更に、本実施形態によれば、上下二つに分割した遮風プレート6を、伸縮自由で、且つ、折曲自在に連結し、上述の上下のガイド装置7a,7bにより案内されながら横方向へ移動するため、変形した網面3b上も網面3bに沿って傾斜しながら移動可能であるため、防塵ネット3上の変形した網面3bの清掃も可能である。したがって、防塵ネット3の形状に限定されず、防塵ネット3の網面全面を清掃可能である。
【0041】
そして、遮風プレート6は、変形した網面3b上を傾斜して移動しながら、吸引外気を一時的に遮断して網面3bの塵埃を除去した後、復路において、上部プレート6aと下部プレート6bとは、相互間に、常時引っ張り合う方向(縮小方向)に付勢されたスプリング8の張力により、傾斜状態の上部プレート6aが自動的に下部プレート6bと一直線状になるまで復帰できる。
【0042】
図5(a)には、図1のコンバインの防塵装置の横移動機構(駆動部)23を一部変えた場合の右側面図を示し、図5(b)には、図5(a)のモーター28付近のS−S線断面矢視図を示す。なお、図4は、図5(a)のラジエーターカバー付近のA−A線断面矢視図でもある。
このように本実施形態によれば、ラジエーターカバー2,3の防塵ネット3に付着する藁屑や塵埃等を防塵ネット3の通過風を遮断することによって取り除く遮風プレート6が、車体11に対して前後方向に往復運動する構成である。
【0043】
図4及び図5に示す防塵装置は、表面に交差状の螺旋溝を有するリードカム軸25を用いており、リードカム軸25を一方向に回転させることで、遮風プレート6の往復移動が可能である。したがって、螺旋状の溝を有するリードカム軸25を用いる場合は電動モーター28の回転方向を切り替える必要があるが、交差状の螺旋溝を有するリードカム軸25を用いれば、電動モーター28の回転方向の切り替えが不要となり、コントローラ等の制御装置の構成が簡素になる。
上述のように遮風プレート6は、防塵ネット3上を移動しながら吸引外気を一時的に遮断して網面3a,3b,3cの塵埃を除去するが、遮風プレート6によって吸引外気が遮断されると外気の吸気作用が阻害されることでラジエーター5の冷却効果が低下する場合もある。
しかし、図3及び図5に示す両本実施形態によれば、ラジエーターカバーの枠部2と防塵ネット3との間に枠部2が防塵ネット3よりも外側に突出するように段差部Dを設けて、該段差部Dにラジエーター5を迂回して冷却ファン1に至る吸気風路の外気の吸気口60を設けている。
【0044】
ラジエーターカバーの枠部2と防塵ネット3との間に段差部Dを設けることで、デザイン上、見た目にも良い。そして当該段差部Dに吸気口60を設けることで、他の場所に吸気口を設ける場合に比べて外観上は目立たないため、ラジエーターカバー2,3などのデザイン性を損なうこともない。
【0045】
更に遮風プレート6の往復運動の往路又は復路の終端部側に吸気口60を設けることで、直線運動によって防塵ネット3の網面3a,3b,3c上を遮風プレート6と共に移動してきた屑や塵埃などのゴミが吸気口60から吸引され、ゴミを効率よく除去できる。
【0046】
例えば、図4に示すように、車体11に対して前方側のラジエーターカバー2,3の枠部2の防塵ネット3を取り付けた部位の周りに枠部2が防塵ネット3よりも外側に突出するように段差部Dを設ける。このように段差部Dを設けることで、枠部2と防塵ネット3が面一である場合よりもデザイン性に優れ、ラジエーターカバー2,3の見栄えもよくなる。
【0047】
そして、この段差部Dに、直接、穴やスリットなどを開けて吸気口60を形成し、図4に示すように、枠部2を防塵ネット3を張設している内側の枠部2a(2aの外側端部は防塵ネット3と同一平面上にある)と該枠部2aの外側の枠部2b(防塵ネット3よりも外側に突出している)とから構成し、内側枠部2aと外側枠部2bの間に外気の通気用の吸気風路を設ける。
吸気口60から供給された外気は矢印R方向に流れて風洞61を通り冷却ファン1の外部を覆うカバー(例えばめくら鉄板などにより構成されたシュラウド)1a内を通過する。
【0048】
このようにラジエーターカバーの枠部2と防塵ネット3との間の段差部Dにラジエーター5を迂回して冷却ファン1に至る吸気風路の吸気口60を設けることで、防塵ネット3の外側面に吸着されている塵埃を、この遮風プレート6の縁部越しに吸引される外気の流れによってこの縁部付近に吸着し、遮風プレート6の移動によって、この遮風プレート6と共に防塵ネット3の外側面上を移動させ、吸気口60から吸い込んで除去することができる。
これによって、防塵ネット3における外気の通過状態を良好に維持して、ラジエーター5の冷却効果を維持し、エンジン16のオーバーヒートを防止して作業能率を高めることができる。
【0049】
また、図4に示すように、ラジエーターカバー外側枠部2bの先端部2baの前後位置を防塵ネット3とラジエーターカバー内側枠部2aとの境界部分の位置まで延長したり、また、ラジエーターカバー外側枠部2bの先端部2baが側面視で一部防塵ネット3に重なるまで延長しても良い。
【0050】
このようにラジエーターカバー外側枠部2bの突出先端部2baの前後位置を防塵ネット3とラジエーターカバー内側枠部2aの境界部分の位置(または側面視で若干防塵ネット3に重なる位置)まで延長すると、側面視で図5に示すように、吸気口60がラジエーターカバー外側枠部2bにより隠れて目立たないため、ラジエーターカバー2などのデザイン性を損なうこともない。
【0051】
本構成を採用することにより、デザイン性の優れるラジエーターカバー枠部2と防塵ネット3との段差部Dを生かしてその部分に吸気口60を設けることで、デザイン性を損なうことなく、ラジエーター5の冷却性能を向上できる。
【0052】
なお、図4及び図5に示すように、吸気口60をラジエーターカバー2,3の前側(車体11に対して前方側)に設けると良い。即ち、ラジエーターカバー枠部2と防塵ネット3の後側に縦軸の開閉支点を設け、この開閉支点を中心としてラジエーターカバー枠部2と防塵ネット3の前側を開閉自在に構成した場合に、吸気口60につながる風胴61をラジエーター5の前側を迂回するように設ければ、ラジエーターカバー枠部2と防塵ネット3を開放することによって、この風胴61部分のメンテナンスも容易に行なうことができる。
【0053】
図6には、図1のコンバインの防塵装置の右側面図を示し、網目の目合いを表した図5(a)の拡大図を示している。
更に、本実施形態によれば、網面3a,3b,3cの網の目合いを吸気口60が設けられた側を大きくし、吸気口60が設けられた側とは反対側を小さくしたことを特徴としている。
【0054】
図6に示すように、吸気口60のない車体11の後ろ側の網面3a,3b,3cの網の目合いを小さくし、矢印A方向(前側)に向かって段階的に(又は連続的に)網面3a,3b,3cの網の目合いを大きくしても良いし、全体的に見て吸気口60側である前側の網の目合いを大きく、後ろ側の網の目合いを小さくしても良い。
【0055】
本構成を採用することで、遮風プレート6が吸気口60側へ直線運動する際に網面3a,3b,3c上に屑や塵埃などのゴミが溜まっても、吸気口60側の網面3a,3b,3cの目合いが大きいことから、遮風プレート6の縁部を迂回して吸い込まれる吸引風が強くなる。そして、この遮風プレート6と共に、網面3a,3b,3c上における吸引風の通過位置が移動することにより、この吸引風によって網面3a,3b,3c上に引き付けられたゴミも網面3a,3b,3c上を吸気口60側へ移動してこの吸気口60から吸い取られることでゴミを除去できると共に、防塵ネット3の網面3a,3b,3cを通過する外気の吸引力の低下を防止できる。
【0056】
また、図4に示すように、吸気口60の通過外気の風路(吸気風路)の断面積(W)を吸気口60の入り口部分(W1)は小さくし、他の部分、例えば吸気口60の入り口部分よりも奥側(W2)は大きくしても良い。
【0057】
吸気口60から供給された外気は矢印R方向に流れて風洞61を通り冷却ファン1の外部を覆うカバー1a内を通過する。図4に示すように、吸気口60の入り口部分の風路の断面積(W1)は奥側(風路下手側)の吸気風路の断面積(W2)よりも小さいため、吸気口60の入り口付近の風路上手側の吸引速度を上げることが可能となり、屑や塵埃などの吸引力が高まる。
【0058】
そして、遮風プレート6が吸気口60側へ直線運動する際に集められた屑や塵埃などのゴミが吸気口60から吸い込まれることにより、強制的にゴミを取り除くことができる。したがって、ラジエーターカバー2,3の防塵ネット3の網面3a,3b,3cをきれいにすると共に安定した冷却効果を維持できる。また、吸気口60の吸引速度を上げることで、屑や塵埃などの吸い込み除去率を高めることが可能となる。
【0059】
更に、図7(a)には、図5(a)の防塵装置の左側面図(内側から見た図)を示し、図7(b)には、図7(a)の矢印S1−S1線断面矢視図を示す。
遮風プレート6の幅(P1又はP2)を防塵ネット3の網面3a,3b,3cを通過する吸引外気の風速に応じて変えても良い。例えば、図7に示すように、冷却ファン1が位置するラジエーターカバー2,3の中央から下部付近に相当する箇所の遮風プレート6の幅(P1)を広くして、それ以外の箇所(図7によればラジエーターカバー2,3の上部及び下端部付近)の遮風プレート6の幅(P2)を狭くする構成である。
【0060】
ラジエーターカバー2,3の冷却ファン1が位置する箇所では、網面3a,3b,3cを通過する吸引外気の風速が強い。このように網面3a,3b,3cを通過する吸引外気の風速が強いと網面3a,3b,3c上の屑や塵埃などのゴミが遮風プレート6によっても移動せず、網面3a,3b,3c上に留まってしまう。したがって、この箇所の遮風プレート6の幅(P1)を大きくすることで網面3a,3b,3cを通過する吸引外気の風速を若干弱めてゴミが網面3a,3b,3c上に留まることを防ぎ、屑や塵埃などが網面3a,3b,3c上から確実に離れて遮風プレート6の縁部(前端部や後端部)に移動する。
【0061】
本構成を採用することにより、網面3a,3b,3cを通過する吸引外気の風速が強い箇所の遮風プレート6の幅(P1)を大きくすることで、ゴミが網面3a,3b,3c上に留まることを防いで速やかに移動させることができる。そして、遮風プレート6の縁部に移動した屑や塵埃などのゴミが吸気口60から吸い込まれて除去される。
【0062】
図8には、図4の防塵装置の遮風プレート6を、網面側の下部プレート6bと、奥側の下部プレート6cとの二重構造とし、網面側の下部プレート6bの中央部に上下方向のスリット6baを設けた場合のラジエーターカバー2,3付近の簡略図を示し、図9(a)には、図8の矢印S2方向から見た場合の遮風プレート付近の矢視図を示し、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面矢視図を示す。なお、図8の丸枠部分には網面側の下部プレート6bと奥側の下部プレート6c付近の平面図(拡大図)を示す。
【0063】
図8及び図9に示すように、網面側の下部プレート6bと奥側の下部プレート6cとの間に支持部材6d(6da,6db)を上下2箇所に設け、該支持部材6da,6dbを挟んで溶接し、両プレート6b,6cを一体化した構造である。
【0064】
図8に示すように、防塵ネット3の網面3a,3b,3c上からは、矢印E方向に外気が吸引されて網面3a,3b,3cを通過してラジエーター5へ供給される。この吸引された外気のうち一部が遮風プレート6の網面側の下部プレート6bと奥側の下部プレート6cとの間の隙間Hを通って網面側の下部プレート6bに設けられたスリット6baから外側(防塵ネット3側)に向かって矢印F方向に吹き出す。
【0065】
このように逆流する風路を形成することで、スリット6baからの送風により、遮風プレート6が移動しても防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に引っかかって遮風プレート6と共に移動しない屑や塵埃などのゴミを浮かせて移動させることができ、スリット6baがゴミを移動させるための補助的役割を果たす。
【0066】
本構成を採用することにより、スリット6baから吹き出す風により、防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に引っかかって残った屑や塵埃なども外側に浮かして動かすことができる。したがって、防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に付着する屑や塵埃などの防塵効率が上がり、ラジエーター5の冷却効率も向上する。
【0067】
なお、上記の遮風プレート6の構造は上部プレート6aと下部プレート6bの両方に適用しても良いし、どちらか一方に適用しても良い。また、図8には、スリット6baが一本の場合の図示例を示すが、複数設けても良いし、車体11の前後方向や斜め方向に長手方向が位置するように設けても良い。また、スリット6baに限らず円形状や多角形状の穴を複数設けても良い。
【0068】
また、図4に示すように、遮風プレート6の前後方向両端部を内側(防塵ネット3と反対側)に折り曲げても良い。このように折り曲げることで遮風プレート6の強度が大きくなる。また、遮風プレート6の前後方向両端部を折り曲げていない場合は防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に刺さった藁、塵埃などを当該端部で削ってしまい、ラジエーターカバー2,3を抜けてラジエーター5に藁、塵埃などが侵入する可能性がある。
【0069】
しかし、本構成を採用することにより、遮風プレート6の前後方向両端部を折り曲げているため防塵ネット3の網面3a,3b,3c上に刺さった藁、塵埃などを当該端部で削ることがなく、ラジエータ5側への藁、塵埃などの侵入を防止でき、ラジエータ5の冷却風通過部分の目詰りを防止することができる。
【0070】
また、図10には、図3に示す防塵装置のリードメタル27付近のS3−S3線断面矢視図(モーター28付近は省略)を示す。
リードカム軸25は、上述のように、下部プレート6bに固着したリードメタル27を螺合して回転自在に軸受け支持した構成としており、リードカム軸25が回転するとリードメタル27を介して遮風プレート6が横方向(車体11に対して前後方向)に移動する。このリードカム軸25によるリードメタル27の支持構成について、リードカム軸25にリードメタル27を差し込み、リードメタル27の爪27aがリードカム軸25に係合するようにしても良い。
リードメタル27の爪27aがリードカム軸25に係合することによって、強固な支持構成となるため、確実に長い距離の往復運動が可能となり、このリードカム軸25を回転させることで、前後方向に一定速度で遮風プレート6を往復移動させることができる。
【0071】
また、本構成においても、図4及び図5に示す防塵装置のように、表面に交差状の螺旋溝を有するリードカム軸25を用いると、電動モーター28の回転方向の切り替えが不要となり、コントローラ等の制御装置の構成が簡素になる。更に、遮風プレート6が防塵ネット3の内側面に沿って横方向又は縦方向に直線的に往復する際に移動方向を切り替えるためにリードカム軸25が反転する時の位置検出用のセンサ(前後リミットスイッチ31,32など)等も不要となり、遮風プレート6の移動機構(駆動部)23が簡素な構成となる。また、装置点数が多いと装置の故障が起こる可能性も高くなるが、装置点数を少なくすることで装置の故障の可能性を減少させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明はトラクタやコンバインを含む作業車両だけでなく、他の車両においても利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態による原動部構造を備えたコンバインの右側面図である。
【図2】図1のコンバインの防塵装置の右側面図である。
【図3】図2の防塵装置の左側面図である。
【図4】図2のラジエーターカバー付近のA−A線断面矢視図である。
【図5】図5(a)は、図1のコンバインの防塵装置の横移動機構を一部変えた場合の右側面図であり、図5(b)は、図5(a)の矢印S−S線断面矢視図である。
【図6】図1のコンバインの防塵装置の右側面図であり、網目の目合いを表した図4(a)の拡大図を示した図である。
【図7】図7(a)は、図5(a)の防塵装置の左側面図(内側から見た図)であり、図7(b)は、図7(a)の矢印S1−S1線断面矢視図である。
【図8】図4の防塵装置の遮風プレートにスリットを設けた場合のラジエーターカバー付近の簡略図である。
【図9】図9(a)は、図8の矢印S2方向から見た場合の遮風プレート付近の矢視図であり、図9(b)は、図9(a)のB−B線断面矢視図である。
【図10】図3に示す防塵装置のS3−S3線断面矢視図である。
【符号の説明】
【0074】
1 冷却ファン 1a 冷却ファンカバー
2 ラジエーターカバー枠部(枠部)
2a 内側枠部 2b 外側枠部
2ba 外側枠部先端部
3 ラジエーターカバー防塵ネット(網部)
3a,3b,3c 網面 4 エンジンルーム
5 ラジエーター 6 遮風プレート
6a 上部プレート 6b 下部プレート
6ba スリット 6c 奥側の下部プレート
7a ガイド装置(上) 7b ガイド装置(下)
7A,7B 長穴 8 スプリング
6da,6db 支持部材 10 走行クローラ
11 車体 12 グレンタンク
13 刈取装置 13a 分草杆
14 操縦席 15 排出オーガ
16 エンジン 17 防塵装置
18 スライド保持具 19 長孔
20 摺動ピン 23 横移動機構(駆動部)
25 リードカム軸 26 側枠
27 リードメタル 27a 爪
28 電動モーター 29,30 伝動ギヤ
31,32 前後リミットスイッチ
33 ブラケット 42 HST主変速レバー
43 副変速レバー 48 操向レバー
60 吸気口 61 風洞
D 段差部 H 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却ファン(1)を備えたエンジン(16)と、冷却ファン(1)の外側に設けられたラジエーター(5)と、該ラジエーター(5)の外側に設けられ、該ラジエーター(5)へ供給される外気の濾過用の網部(3)および該網部(3)を取り付けた外枠を構成する枠部(2)とからなるラジエーターカバー(2,3)と、前記ラジエーターカバー(2,3)の網部(3)の内側面に接近して設けられ、網部(3)の目合いの一部を塞いで外気の通過を遮断する遮風プレート(6)と、該遮風プレート(6)を前記網部(3)の内側面に沿って直線的に往復運動させる移動機構(23)とを設け、
前記ラジエーターカバー(2,3)の枠部(2)の網部(3)を取り付けた部位の周りであって前記遮風プレート(6)の往復運動の往路又は復路の終端部側に網部(3)よりも外側に突出するように段差部(D)を設け、該段差部(D)にラジエーター(5)を迂回して冷却ファン(1)に至る吸気風路の吸気口(60)を設け、更に網部(3)の網の目合いを吸気口(60)が設けられた側を大きくし、吸気口(60)が設けられた側とは反対側を小さくしたことを特徴とする作業車両の原動部構造。
【請求項2】
前記吸気口(60)が設けられた吸気風路の断面積を、吸気口(60)の入り口部分での断面積が他の部分での断面積よりも小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載の作業車両の原動部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−179158(P2009−179158A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19318(P2008−19318)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】