説明

作業車両

【課題】ボンネット開閉時の安全確保や、ボンネットに内設するハーネスの安定設置および損傷防止をし得るボンネットの形状にすることで、安全性および作業性を向上させた作業車両を提供する。
【解決手段】下部ボンネット5bに上部ボンネット5aを組付けてなり、エンジン6(原動機)を内設するとともに、ボンネット5に取付けたライト14に電流を供給するハーネス27を内装したボンネット5を備え、下部ボンネット5bは、この下部ボンネット5bの底部に把持部21,21´を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下部ボンネットに上部ボンネットを組み付けてなり、原動機を内設するとともに、前端部に取付けたライトに電流を供給するハーネスを内装したボンネットを備える作業車両に関し、より詳細には、下部ボンネットが、この下部ボンネット前部の底部に把持部を備える作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタなどの作業車両には、ボンネットを開ける際に、ロックピンによるボンネットと、車体フレームとの係止を解除し、ボンネットの前部または後部の底部に生じさせた隙間に手を挿入して、回動軸を中心にボンネットを上方に開放するとともに、ボンネットを閉じる際には、ボンネットの適宜位置に手を当てて、回動軸を中心にボンネットを下方に回動させて閉じるもの(例えば、特許文献1〜2)がある。
また、上記特許文献1に記載の作業車両には、ボンネットを上下に分離可能に構成し、これら上部ボンネットまたは下部ボンネットの接続部にハーネスのクランプ部を形成することで、ハーネスをはさみ込むためのクランプを不要とし、部品点数を削減させたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−48571号公報
【特許文献2】特開平5−254351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の作業車両では、作業者がボンネットを確実に掴める把持部がなく、ボンネットを開閉する際にボンネットを掴み損ねて滑らせたり、ボンネット底部と、車体フレームとの間に手を挟んだりするおそれがあった。
また、特に特許文献1のような作業車両では、上部ボンネットまたは下部ボンネットの接続部にハーネスの経路が設けられているため、ボンネットの組付け時におけるハーネス設置の際、このハーネスの設置位置が定まらないとともに、走行時や作業時などに車体に加わる振動によって断線するなど、ハーネス損傷のおそれがあった。
そこで、この発明の目的は、ボンネット開閉時の安全確保や、ボンネットに内設するハーネスの安定設置および損傷防止をし得るボンネットの形状にすることで、安全性および作業性を向上させた作業車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため請求項1に記載の発明は、下部ボンネットに上部ボンネットを組み付けてなり、原動機を内設するとともに、前端部に取付けたライトに電流を供給するハーネスを内装したボンネットを備える作業車両において、前記下部ボンネットは、該下部ボンネットの底部に把持部を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記把持部は、両側位置および/または前記下部ボンネット前端中央のロック部に備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2に記載の作業車両において、前記把持部は、該把持部の内周縁部に、弾性部材を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の作業車両において、前記弾性部材の表面には、波型形状部を形成することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記把持部は、シャッタ板により開閉可能に備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記把持部には、前記ボンネットの内側方に向けて、前記把持部を閉塞させる閉塞部材を設けることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記把持部は、前記ボンネットの外方に張設させた形状とすることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の作業車両において、前記上部ボンネットの下端屈曲部と、前記下部ボンネットの上端屈曲部とを組付けて設けた、前記ハーネスの取設路であって、前記上部ボンネットの下端屈曲部には、前記ボンネットの前後方向に、上方に突出させた突設部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、下部ボンネットに上部ボンネットを組み付けてなり、原動機を内設するとともに、前端部に取付けたライトに電流を供給するハーネスを内装したボンネットを備える作業車両において、下部ボンネットは、この下部ボンネットの底部に把持部を備えるので、作業者は、ボンネットの開閉時に、この把持部を掴んで、ボンネットをより安全に開閉昇降させることができる。従って、安全性および作業性を向上させた作業車両を提供することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、把持部は、両側位置および/または下部ボンネット前端中央のロック部に備えるので、ボンネットの側方または正面からボンネットの把持部を容易に掴み、ボンネットを開閉昇降させることができる。従って、作業性を向上させた作業車両を提供することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、把持部は、この把持部の内周縁部に、弾性部材を備えるので、作業者が把持部を掴む際、この弾性部材が手の滑り止めになり、ボンネットを確実に開閉昇降させることができる。従って、作業性および安全性を向上させた作業車両を提供することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、弾性部材の表面には、波型形状部を形成するので、この波型形状部の上方に向けて形成される凹部に作業者の指が嵌まるため、把持部内で手を滑らせることなく、作業者はボンネットを確実に開閉昇降させることができる。従って、作業性および安全性を向上させた作業機を提供することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、把持部は、シャッタ板により開閉可能に備えるので、ボンネットの開閉時にはシャッタ板を回動させて把持部を開き、通常は把持部を閉鎖することで、把持部からボンネット内への小石や泥など異物の侵入を防ぐことができる。従って、メンテナンス性や作業性を向上させた作業車両機を提供することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、把持部には、ボンネットの内側方に向けて、把持部を閉塞させる閉塞部材を設けるので、把持部からボンネット内への小石や泥など異物の侵入を防ぐことができる。従って、メンテナンス性や作業性を向上させた作業車両を提供することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、把持部は、ボンネットの外方に張設させた形状とするので、作業者は、把持部におけるボンネット底部の張設空間に、容易に手を入れてボンネットを把持できる結果、ボンネットを楽に開閉することができる。従って、作業性を向上させた作業車両を提供することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、上部ボンネットの下端屈曲部と、下部ボンネットの上端屈曲部とを組付けて設けた、ハーネスの取設路であって、上部ボンネットの下端屈曲部には、ボンネットの前後方向に、上方に突出させた突設部を形成するので、ボンネットの組付け時におけるハーネスの取設位置が容易に定まるとともに、取設路内において湾曲部によりハーネスを固定するため、走行時や作業時などに車体に加わる振動に伴うハーネスの振動を低減することで、ハーネスの損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例に係る農作業車両としての、ホイール式トラクタの左側面図である。
【図2】ボンネットを前方から見た斜視図である。
【図3】ボンネット前端部を下方から見た斜視図である。
【図4】ボンネット前端部を前方から見た斜視図である。
【図5】波型形状部を設けた弾性体を備える把持部の拡大斜視図である。
【図6】シャッタ板を備える把持部の拡大斜視図である。
【図7】ボンネットの開閉を示す車両前部の右側面図である。
【図8】ボンネットの構成図である。
【図9】把持部を張出形状としたボンネットを前方から見た斜視図(a)および下方から見た斜視図(b)である。
【図10】取設したハーネスを示すボンネットの左側面模式図である。
【図11】ボンネットにおけるハーネスの取設路の正面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は、本発明の一例としてのホイール式トラクタの側面図を示す。この例のトラクタ1は、車体フレーム2の前後に前輪3および後輪4を備え、前輪3の上方にボンネット5を形成し、このボンネット5の内側には、図示しないバッテリや原動機としてのエンジン6などが内設される。
【0023】
さらに、エンジン6の後部にはクラッチハウジング7が設置されるとともに、このクラッチハウジング7の後部には、ミッションケース8が配設されており、エンジン6からの動力が、前輪3および後輪4に伝達される。そして、ボンネット5の後部に連続して操縦部9が設けられる。
【0024】
この操縦部9内には、アクセルペダルやクラッチペダルなどの図示しない操作ペダルや、ステアリングハンドル10、運転席11などが設けられる。なお、符号12は、ロプスフレームである。
【0025】
そして、エンジン6からの動力は、ミッションケース8の後端から突出した図示しないPTO軸に伝達され、このPTO軸から図示しないユニバーサルジョイントや作業機装着装置13などを介して車両後端に装着された不図示の作業機を駆動させる
【0026】
次に、本願発明の特徴である、ボンネットについて、その具体的構成を説明する。図2はボンネットを前方から見た斜視図、図3はボンネット前端部を下方から見た斜視図、図4はボンネット前端部を前方から見た斜視図、図5は波型形状部を設けた弾性体を備える把持部の拡大斜視図、図6はシャッタ板を備える把持部の拡大斜視図、図7はボンネットの開閉を示す車両前部の右側面図、図8はボンネットの構成図、図9は把持部を張出形状としたボンネットを前方から見た斜視図(a)および下方から見た斜視図(b)である。
【0027】
まず、ボンネット5は、図8に示すように、上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとから構成され、下部ボンネット5bの前端両側部には、ヘッドライト14が備えられる。そして、ボンネット5の前端部中央底部には、ボンネット5を車体フレーム2に係止させるためのロック機構15が設けられる。なおロック機構15は周知の技術であるため、その説明は省略する。
【0028】
そして、図2〜3に示すように、ボンネット5前部の底部であって、例えば左右両側部のそれぞれ適宜位置には、把持部21が設けられる。この把持部21は、下部ボンネット5bの底部から上方に向けて、作業者の手が入る程度の大きさを有する略台形などの形状を下部ボンネット5bに切欠などして形成される。なお、把持部21の形状は、上述した略台形に限定されず、作業者の手が入る程度の形状であればよい。
【0029】
また、把持部21の内側縁部には、ゴム材などの弾性部材22を把持部21の形状に合わせて熱溶着などにより取付けられる。なお、弾性部材22は、材質は限定されないが、例えば、アクリルやイソプレン、ウレタン、ブタジエンなどの合成ゴムを用いることができる。
【0030】
このような構成により、作業者は、ボンネット5を開ける際、ロック機構15を解除した後、ボンネットの正面前方から左右、またはボンネットの側方から左右一方の把持部21に手を挿入し、この把持部21を持ち上げることで、図7に示すように、容易にボンネット5を開くことができる。
【0031】
また、このとき、作業者の手は、把持部21の内側縁部に取付けられた弾性部材22を掴んで、把持部21を持ち上げるため、手が弾性部材22により把持部21内で滑ることなく、確実に把持部21を掴むことができ、安全にボンネット5を開くことができる。
【0032】
なお、ボンネット5を閉じる際、作業者は、左右または左右一方の把持部21を掴む、もしくはボンネット5の適宜位置を持って、ボンネット5の前部を車体フレーム2まで降ろしてロック機構15をロックさせることで、ボンネット5を閉めることができる。
【0033】
また、把持部21´は、図4に示すように、ボンネット5における前端中央の底部に1箇所だけ設けてもよい。この場合、作業者は、ボンネット5の正面前方近傍から、この把持部21´を手で掴んでボンネット5を昇降させて開閉することができる。
【0034】
なお、このボンネット5における前端中央の底部位置に加えて、上述した左右両側部位置にも形成することで、作業者は、ボンネット5の周囲のあらゆる位置から、これら把持部21,21´を用いて容易にボンネット5を開閉することができる。
【0035】
また、把持部21(21´)は、図5に示すように、表面に波型形状部23を形成した弾性部材22´を取付けてもよい。この場合、把持部21における上部の内側縁部に位置する弾性部材22´の表面を、上方に向けて形成した4箇所程度の凹部23aを有する波型形状部23が形成される。なお、前記各凹部は、それぞれ指が嵌まる程度の略指幅に等しい幅を有するものとされる。
【0036】
このような構成により、ボンネット5開閉の際、作業者は、把持部21の弾性部材22´における波型形状部23の各凹部23aにそれぞれの指を嵌め入れることで、弾性部材22の材質による手の滑り防止効果に加えて、各凹部23a内で、それぞれの指が位置決め固定されるため、作業者は把持部21を、より確実に手で掴むことができ、より安全かつ容易にボンネット5を開閉させることができる。
【0037】
また、上述してきた本願発明の把持部21は、ボンネット5の底部を切欠いたものであるため、把持部21を介してボンネット5の内外が連通されている。そこで、本願発明では、図6に示すように、把持部21を閉塞可能とする摺動自在のシャッタ板24を、把持部21の前側に設けてもよい。
【0038】
この場合、左右それぞれの把持部21(把持部21´でもよい)における一側方の下部ボンネット5bの底部に取付けられた回動軸25に、把持部21の形状に略等しい、もしくは若干大きいシャッタ板24が、上下に回動自在に、ボンネット5の形状に合わせて設けられる。
【0039】
そして、このシャッタ板24が、把持部21を開口した開口位置と、シャッタ板24により把持部21を閉鎖する覆設位置との間で摺動自在とされる。なお、シャッタ板24の外側面に把持部材26aおよび把持部21の他側方の、下部ボンネット5bの底部に、シャッタ板24を係止させるストッパーピン26bを設けてもよい。
【0040】
このような構成により、ボンネット5の開閉時以外において把持部21を使用しない場合には、作業者はシャッタ板24の把持部材26aを掴んで、シャッタ板24を回動軸25を中心として、把持部21の覆設位置まで摺動させることにより、把持部21がシャッタ板24により閉鎖される。
【0041】
このため、車両の作業時や走行時などに小石や泥などの異物がボンネット5および把持部21に向かって飛んできても、シャッタ板24によって、異物がボンネット5内に侵入することなく、ボンネット5に内設するエンジン6など装置類の損傷や、ボンネット5内の異物除去作業を低減させることができる。
【0042】
また、ボンネット5の開閉時には、シャッタ板24を、回動軸25を中心として、把持部21の開口位置まで摺動させることにより、把持部21が開口するため、作業者はこの把持部21を掴んで、ボンネット5を容易に開閉することができる。
【0043】
なお、シャッタ板は、上述したような回動軸による回動に限定されず、例えば、把持部21の周囲に設けた不図示のスライドレールなどにより、適宜方向にスライドさせる構成であってもよい。
【0044】
また、把持部21は、ボンネット5の裏面であって、この把持部21の周囲に、ボンネット5の内方に向けた側面視略コ字形状などの図示しない閉塞部材などをボンネット5と一体成形などによって設けてもよい。これにより、把持部21は、ボンネット5の内側方に向けて前記閉塞部材に囲まれた閉塞空間が形成されるため、作業者は、この閉塞空間により、把持部21を支障なく掴むことができるとともに、上述同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、把持部21は、上述してきたような、切欠形状に限定されず、次のような形状にすることもできる。図9に示すように、把持部21´´は、ボンネット4底部の把持位置を、ボンネット5の外方に向けて張設させてもよい。このような構成にすることで、作業者は、把持部21´´におけるボンネット5底部の張設空間sに、容易に手を入れてボンネット5を把持できる結果、ボンネット5を楽に開閉することができる。なお、この張設した把持部21´´には、上述の弾性部材や波型形状部などを設けることで、上述同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0046】
次に、本願発明における作業車両のボンネットでは、エンジン6の図示しない発電機からヘッドライト14などに電流を供給する配線などを束ねたハーネス27を安定して取設させることができる。図10は取設したハーネスを示すボンネットの左側面模式図、図11は、ボンネットにおけるハーネスの取設路の正面断面図である。
【0047】
この場合、ボンネット5は、上述したように、上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとから構成され、車両製造時の組立工程において、両者がボルト締めなどの周知の方法により組付けられる。このとき、図9に示すように、上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとの接合部であって、上部ボンネット5aの下端屈曲部と、下部ボンネット5bの下端屈曲部との間に生じたスペースSを、ハーネス27の取設路28とする。
【0048】
そして、上部ボンネット5aには、この上部ボンネット5aの下端屈曲部であって、この下端屈曲部のボンネット左右方向にわたり、ボンネット5(車両)の前後方向に適宜間隔を設けた、複数の上方に突出させた突設部29が、ハーネス27の取設を妨げない程度の高さで形成される。なお、突設部29は図示したような湾曲の形状に限定されず、上方に凸形状のものであればよい。
【0049】
このような構成により、上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとの組付け時に、図9に示すように、取設路28内にハーネス27を取設させる場合、下部ボンネット5bの突設部29上に載置させたハーネス27を、下部ボンネット5bの下端屈曲部の下面により軽く押圧される際、これら突設部29によりハーネス27がずれることなく、容易に位置決めがなされるため、取設路28内にハーネス27を効率よく取設することができる。
【0050】
そして、ハーネス27が、取設路28内である、突設部29と、下部ボンネット5bの下端屈曲部との間に挟設し、固定されているため、車両の作業時や走行時にボンネット5に加わる振動によっても、ハーネス27は、取設路28内での揺動が低減される結果、断線などハーネス27の損傷を防止することができる。
【0051】
また、コルゲートチューブなどのハーネス27´の外径を、取設路28内のスペースSの左右横幅よりも適宜大きいものとすることで、上述したような上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとの組付け時において、図10に示すように、ハーネス27´が、上部ボンネット5aと、下部ボンネット5bとの間で圧着される。このため、ハーネス27´は、取設路28内のスペースS内で両ボンネット5a,5bに圧着固定されているため、突設部29の有無によらず、上述同様の効果を得ることができる。
【0052】
以上詳述したように、この例の作業車両は、下部ボンネット5bに上部ボンネット5aを組付けてなり、エンジン6(原動機)を内設するとともに、ボンネット5に取付けたライト14に電流を供給するハーネス27を内装したボンネット5を備え、下部ボンネット5bは、この下部ボンネット5bの底部に把持部21,21´を備えるものである。加えて、上部ボンネット5aの下端屈曲部と、下部ボンネット5bの上端屈曲部とを組付けて設けた、ハーネス27の取設路28であって、上部ボンネット5aの下端屈曲部には、ボンネット5の前後方向に、上方に突出させた突設部29を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
なお、上述の例では、ボンネットを備える作業車両の一例としてホイール式トラクタについて説明したが、この発明はこれに限定されるものではなく、クローラ式トラクタや、ブルトーザなどの建設作業車両他、開閉可能なボンネットおよび、このボンネットにハーネスを内設した、あらゆる作業車両に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
5 ボンネット
5a 上部ボンネット
5b 下部ボンネット
21 把持部
22 弾性部材
23 波型形状部
23a 凹部
24 シャッタ板
25 回動軸
27 ハーネス
28 取設路
29 突設部
s,S スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ボンネットに上部ボンネットを組み付けてなり、原動機を内設するとともに、前端部に取付けたライトに電流を供給するハーネスを内装したボンネットを備える作業車両において、
前記下部ボンネットは、該下部ボンネットの底部に、把持部を備えることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記把持部は、両側位置および/または前記下部ボンネット前端中央のロック部に備えることを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記把持部は、該把持部の内周縁部に、弾性部材を備えることを特徴とする、請求項1〜2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記弾性部材の表面には、波型形状部を形成することを特徴とする、請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記把持部は、シャッタ板により開閉可能に備えることを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項6】
前記把持部には、前記ボンネットの内側方に向けて、前記把持部を閉塞させる閉塞部材を設けることを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項7】
前記把持部は、前記ボンネットの外方に張設させた形状とすることを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。
【請求項8】
前記上部ボンネットの下端屈曲部と、前記下部ボンネットの上端屈曲部とを組付けて設けた、前記ハーネスの取設路であって、前記上部ボンネットの下端屈曲部には、前記ボンネットの前後方向に、上方に突出させた突設部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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