作業車
【課題】本発明では、作業車で、ミッションケース内にリアPTO軸とミッドPTO軸の動力伝動の切換を行うPTOクラッチを設けるにあたって、PTOクラッチ周辺のメンテナンスを容易に行えるようにし、リアPTO軸とミッドPTO軸の操作系を簡素にする。
【解決手段】エンジン2の動力をミッションケース3内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース3内の後輪駆動軸5よりも後側までPTO伝動軸41を延長して設けると共にミッションケース3の最後部にPTOクラッチ150を介してリアPTO軸11とミッドPTO軸12への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース3の後部を解放してPTOクラッチ150周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車の構成とする。
【解決手段】エンジン2の動力をミッションケース3内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース3内の後輪駆動軸5よりも後側までPTO伝動軸41を延長して設けると共にミッションケース3の最後部にPTOクラッチ150を介してリアPTO軸11とミッドPTO軸12への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース3の後部を解放してPTOクラッチ150周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車の構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業車に関する。特に、トラクタや乗用管理機等の作業車において作業機への動力出力軸(PTO軸)を機体の後方へ向けた後出力軸(リアPTO軸)と機体の前方へ向けた前出力軸(ミッドPTO軸)とを設けたトランスミッションケースの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタにおいて、リアPTO軸とミッドPTO軸を設けて、リアPTO軸にロータリ耕運機を装着したりミッドPTO軸に芝刈り機を装着したり出来るようにした機種が有る。例えば、特開2006−11843号公報に記載のトラクタでは、リアPTO軸とミッドPTO軸を設けて、リアPTO軸或はミッドPTO軸のみを駆動したりリアPTO軸とミッドPTO軸の両方を駆動したり出来るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−11843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のリアPTO軸とミッドPTO軸を設けたトラクタでは、リアPTO軸とミッドPTO軸の駆動変更をミッションケース内に設けるPTOクラッチの切換で行っているが、PTO軸には作業機から過大な駆動反力が加わり、PTOクラッチの破損や摩耗などで交換などのメンテナンスが必要になるが、このPTOクラッチは前記の特開2006−11843号公報に記載の従来構成ではミッションケースの前後略中央に在るために、トラクタのステップフロアや操縦席の下側になるミッションケースの一部を解放してメンテナンス作業を行うことになって、作業性が悪くメンテナンスが困難である。
【0005】
そこで、本発明では、作業車で、ミッションケース内にリアPTO軸とミッドPTO軸の動力伝動の切換を行うPTOクラッチを設けるにあたってPTOクラッチ周りのメンテナンスを容易に行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、エンジン(2)の動力をミッションケース(3)内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース(3)内の後輪駆動軸(5)よりも後側までPTO伝動軸(41)を延長して設けると共にミッションケース(3)の最後部にPTOクラッチ(150)を介してリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース(3)の後部を解放してPTOクラッチ(150)周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車とするものである。
【0007】
この構成により、PTOクラッチ(150)とリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動切換機構のメンテナンスがミッションケース(3)の後部を解放することで行える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝達を入り切りするレバーは、一本のPTO切換レバー(149)で行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車とするものである。
【0009】
リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)の駆動の入り切り変速は、一本のPTO切換レバー(149)で行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、PTOクラッチ(150)とリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動切換機構のメンテナンスが着脱容易な作業車の後部においてミッションケース(3)の後部を解放して行えるので、作業が楽で効率的である。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)の駆動の入り切り変速は、一本のPTO切換レバー(149)で行えるので、操作が容易となり又レバーの本数も減るので簡素で廉価な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例作業車(トラクタ)の全体側面図である。
【図2】実施例作業車の全体平面図である。
【図3】実施例作業車のミッションケースの側断面図である。
【図4】ミッションケース内の一部拡大側断面図である。
【図5】PTOクラッチの切状態を示す拡大側断面図である。
【図6】ミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図7】リアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図8】ミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図9】別実施例のミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図10】別実施例のリアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図11】別実施例のミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図12】PTOクラッチの切状態を示す別実施例のPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図13】油圧無段変速装置を装着したミッションケースの全体側断面図である。
【図14】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図15】油圧無段変速装置の部分拡大側面図である。
【図16】前記ミッションケースのカムプレートの側面図である。
【図17】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図18】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大平面図である。
【図19】作業車の部分拡大平面図である。
【図20】作業車の部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1と図2は、本発明でいう作業車の一例として示すトラクタの全体図で、機体の前部のボンネット1内に搭載したエンジン2の動力をミッションケース3内で適宜に変速して前輪軸4と後輪軸5に伝動して前輪6と後輪7の両方或は後輪7のみを駆動し、機体上に設ける座席10に座った作業者が中央に立設するステアリングハンドル8で前輪6を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ9には、ロータリ耕運機などの作業機を装着し、ミッションケース3から後方へ向かって突出するリアPTO軸11でヒッチ9に装着する作業機を駆動し、ミッションケース3の後部から前方へ向かって突出するミッドPTO軸12で前輪6と後輪7の間に装着する芝刈り機などの作業機を駆動する。
【0014】
図3は、動力伝動機構の断面図で、エンジン側ケース13から後方へ突出するメイン出力軸18とミッションケース3から前方へ突出する入力軸20をジョイント19で連結し、繋ぎカバー21で上側を覆っている。
【0015】
エンジン側ケース13の内部では、エンジン2の動力をメインクラッチ14で断続可能に第一出力軸15へ伝動し、第一ギヤ16と第二ギヤ17でやや減速してメイン出力軸18に伝動している。
【0016】
ミッションケース3は、前からフロントケース36とミッドケース37とリアケース45の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース36内では、入力軸20の回転が第三ギヤ22と第四ギヤ23で第一伝動軸25に伝動する。
【0017】
ミッドケース37内では、第一伝動軸25の回転がそのまま第二ジョイント40でPTO伝動軸41に伝動され、さらに、第一伝動軸25に固着の第一変速ギヤ27と第二変速ギヤ29と第三変速ギヤ31が噛み合う走行軸24に嵌合した第四変速ギヤ26と第五変速ギヤ28と第六変速ギヤ30と逆転ギヤ50(この逆転ギヤ50が図示省略のギヤで第一変速ギヤ27と噛み合っている)がキーシフトクラッチ46で適宜に軸に固定されて一速から三速及び逆回転まで変速して走行軸24に伝動される。
【0018】
走行軸24の回転は、第十四ギヤ57で第一伝動軸25に遊嵌したギヤ筒69の大ギヤ部59へ伝動され、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合した高低クラッチギヤ32が第十四ギヤ57に噛み合ったりギヤ筒69の小ギヤ部68と噛み合ったりすることでベベルギヤ軸121が高低に変速して伝動され、ベベルギヤ軸121の回転がベベルギヤ38と車軸ベベルギヤ39で後輪軸5に伝動され、さらに、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合する第十五ギヤ122と第五ギヤ33とクラッチギヤ34で前輪駆動軸35に伝動され、この前輪駆動軸35で前輪軸4が駆動される。
【0019】
前記のPTO伝動軸41の回転は、後輪軸5よりも後側に設けるリアPTO軸11とミッドPTO軸12の伝動部に伝動される。
PTO伝動軸41には第十ギヤ55がスプライン嵌合し第一カウンタギヤ42が遊嵌し、リアPTO軸11には第十一ギヤ48がスプライン嵌合し第一クラッチギヤ56が遊嵌し、この第一クラッチギヤ56にPTOクラッチギヤ43が遊嵌し第十二ギヤ58がスプライン嵌合している。そして、第十一ギヤ48に常時に噛み合い第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に適宜噛み合うコンスタントメッシュ方式のクラッチ切換ギヤ47が外嵌している。第二クラッチギヤ43と第十一ギヤ48とクラッチ切換ギヤ47でPTOクラッチ150を構成し、このPTOクラッチ150のシフト操作は、座席10の近傍に設ける一本のPTO切換レバー149で行う。
【0020】
第十ギヤ55が第十二ギヤ58と噛み合って第一クラッチギヤ56を常時回転していて、図5の状態が第一クラッチギヤ56にクラッチ切換ギヤ47が噛み合わずリアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動されない状態で、PTOクラッチ150のクラッチの切り替えは、次のように行われる。
【0021】
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56に噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11が駆動される。(図7)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48から離して、第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に噛み合わせるようスライドすると、第一クラッチギヤ56の回転がPTOクラッチギヤ43から第一カウンタギヤ42に伝わり、後述する伝動でミッドPTO軸12が駆動される。(図6)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43の三つのギヤに噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動される。(図8)
第一カウンタギヤ42の回転は、第一カウンタ軸50の第二カウンタギヤ49と第二カウンタ軸51の第三カウンタギヤ44と第三カウンタ軸53の第四カウンタギヤ52を介してミッドPTO軸12に形成した第十三ギヤ54に伝動されてミッドPTO軸12を駆動する。
【0022】
図9乃至図11に示す実施例では、クラッチ切換ギヤ47の内歯にブランクを設けず、図9がミッドPTO軸12のみの駆動状態で、図10がリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動する状態で、図11がリアPTO軸11のみの駆動状態で、クラッチ切換ギヤ47をさらに右へ移動して第一クラッチギヤ56との噛合いを外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動しない状態になる。
【0023】
図12は、リアPTO軸11とミッドPTO軸12の駆動切換の別構成で、PTO伝動軸41に第一ギヤ部60と第二ギヤ部61を形成し、ミッドPTO軸12への第六カウンタギヤ67を噛み合わせた第五カウンタギヤ66を遊嵌し、リアPTO軸11に大ギヤ部62と小ギヤ部63を形成したクラッチギヤ64をシフタ65でシフト可能にスプライン嵌合する。
【0024】
この構成で、小ギヤ部63を第一ギヤ部60に噛み合わせるとリアPTO軸11のみの駆動となり、クラッチギヤ64を第一ギヤ部60と第二ギヤ部61の両方から外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動されず、第六カウンタギヤ67を第二ギヤ部61と第五カウンタギヤ66に噛み合わせるとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動される状態になる。
【0025】
図13は、油圧無段変速装置(以下、HSTという)80を装着した作業車のミッションケースの実施例である。
エンジン側ケース70から後方へ突出する出力軸77とミッションケース75に装着したHST80から前方へ突出する入力軸79をファン付きジョイント78で連結し、繋ぎカバー76で上側を覆っている。
【0026】
ミッションケース75は、前からフロントケース71とミッドケース72とリアケース73の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース71に装着したHST80の第一出力軸81は、PTO駆動系に出力し、第二出力軸74は、走行駆動系に出力する。
【0027】
第一出力軸81の回転は、第一クラッチ82を介して第一PTO軸83に伝動し、第一ギヤ84から第二カウンタギヤ85と第三カウンタギヤ86と第四カウンタギヤ87とクラッチギヤ88を介してミッドPTO軸90を駆動する伝動と、第三カウンタギヤ86から第二クラッチ89で第二PTO軸91を駆動する伝動に分岐する。第二PTO軸91は、第一PTOギヤ92と第二PTOギヤ93を介してリアPTO軸94を駆動する。
【0028】
第二出力軸74の回転は、第一走行ギヤ95から第一走行軸97の第二走行ギヤ96へ伝動し、この第二走行ギヤ96と第三走行軸99との間に設ける三段ギヤ変速機構98で第三走行軸99を駆動し、さらに第一ベベルギヤ105と第二ベベルギヤ100で後輪駆動軸101を駆動する。また、第三走行軸99の回転は、第三走行ギヤ102から第四カウンタギヤ103と第三クラッチギヤ104を介して前輪駆動軸106を駆動する。
【0029】
図14は、作業車の操縦席足元部の側面図で、前進ペダル115と後進ペダル116を繋ぎカバー76に設ける枢支軸119に枢支し、前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み動作をアーム117とリンク118でHST80の変速軸であるトラニオン軸107に固着のカムプレート108に伝動して、前進ペダル115を踏み込むとトラニオン軸107を前進側に回動し、後進ペダル116を踏み込むとトラニオン軸107を後進側に回動するようにしている。
【0030】
カムプレート108には、トラニオン軸107に対してリンク118の取付部と略反対側にカム凹部114を形成し、L字状アーム109の一方片109aの一端に枢支したローラ110をカム凹部114に落とし込むように他方片109bに引っ掛けた中立ばね120で付勢してトラニオン軸107が中立に戻るようにしている。
【0031】
そして、L字状アーム109の他方片109bの先端側には、エンジン2のガバナに連結するワイヤ111が引張ばね112を介して連結されている。他方片109bと引張ばね112の連結は複数の穴113で係合する穴113を変えてワイヤ111の引き調整を可能にしている。
【0032】
前進ペダル115と後進ペダル116を踏み込むとカムプレート108がそれぞれ逆方向に回動してトラニオン軸107を回して機体を前方或は後方へ走行させるのであるが、カム凹部114がローラ110を押し出してワイヤ111を引き、エンジン2の回転を上昇するようになる。
【0033】
図16は、カムプレート108の拡大図で、ローラ110が落ち込んでカム凹部114が安定する位置はトラニオン軸107を僅かに後進側にした位置としてHST80の中立用オリフィスが後進側に在る特性対応させて中立調整を容易にしている。また、前後発進時にカム凹部114がローラ110を押し出して機体が移動を始める発進接点Sを滑らかな凸曲面にすることで、発進時の前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み力を軽くしている。また、中立から中速時にローラ110が接触する中速接触域Aの傾きを急にして中速から高速時にローラ110が接触する高速接触域Bの傾きを緩くすることで、前進ペダル115と後進ペダル116の中速から中立への戻りが易くなり、中速から高速での前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み抵抗を柔らかくする。なお、前進時のローラ110の接触域長さと後進時のローラ110の接触域長さを適宜に変更して、連動機構の違いに合わせて前後進の最高速時にエンジン2が最高回転数になるようにしても良い。
【0034】
図17と図18は、ブレーキペダル125の取り付けを示している。
機体のフロアフレームに横架する横軸127にブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を枢支し、アーム支持筒123には上方へ作用アーム128を突設し、後下方にストップアーム129を突設する。
【0035】
作用アーム128の先端部には連結ピン124でブレーキロッド133の取付け金具135とオートクルーズの戻しケーブル134と取付ピン132との間に設ける引張ばね131の三部材を連結する。
【0036】
ストップアーム129は、フロアフレームに取り付けるストップボルト130に当接してブレーキペダル125の踏込み限界を決める。
ブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を取り付ける横軸127は、図19の如く、機体の左右中央に立設するハンドルポスト137を貫通して設け、この横軸127の回動で機体後部に設けるブレーキを作動するようにリンク機構で連動する。136はブレーキを作動状態に保持する駐車ブレーキアームである。そうすると、右側取付用ブレーキ部材(ブレーキペダルとブレーキアームとアーム支持筒と駐車ブレーキアーム)と左側取付用ブレーキ部材(左ブレーキペダル125Lと左ブレーキアーム126Lと左アーム支持筒123Lと左駐車ブレーキアーム)を用意していれば、右側ブレーキ仕様と左側ブレーキ仕様が共用部品を多くしてコストダウンで作成できる。
【0037】
図20は、作業車の底部にモア145をモア用リンク147で取り付けて、前記ミッドPTO軸90から二つの自在継ぎ手142,148とモア駆動軸140でモアギヤケース141に動力を伝動するようにした構成である。モア駆動軸140をブーツ状の軸筒144で覆って回転部が外部に露出しないようにしているが、このモア駆動軸140のモア145側の自在継ぎ手142をモア外装ケースにボルトとナットで取り付けた金属製の軸カバー146でモア外装ケースのモア駆動軸140側切欠き部とともにさらに覆っている。なお、モア駆動軸140のミッドPTO軸90側自在継ぎ手148もミッションケース75に取り付ける金属カバーで覆っても良い。また、モア用リンク147の動きを検出するセンサを設けて、モア145を上昇させるとミッドPTO軸90の回転を停止するようにして安全を図っている。
【符号の説明】
【0038】
2 エンジン
3 ミッションケース
5 後輪軸
11 リアPTO軸
12 ミッドPTO軸
41 PTO伝動軸
149 PTO切換レバー
150 PTOクラッチ
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業車に関する。特に、トラクタや乗用管理機等の作業車において作業機への動力出力軸(PTO軸)を機体の後方へ向けた後出力軸(リアPTO軸)と機体の前方へ向けた前出力軸(ミッドPTO軸)とを設けたトランスミッションケースの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタにおいて、リアPTO軸とミッドPTO軸を設けて、リアPTO軸にロータリ耕運機を装着したりミッドPTO軸に芝刈り機を装着したり出来るようにした機種が有る。例えば、特開2006−11843号公報に記載のトラクタでは、リアPTO軸とミッドPTO軸を設けて、リアPTO軸或はミッドPTO軸のみを駆動したりリアPTO軸とミッドPTO軸の両方を駆動したり出来るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−11843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記のリアPTO軸とミッドPTO軸を設けたトラクタでは、リアPTO軸とミッドPTO軸の駆動変更をミッションケース内に設けるPTOクラッチの切換で行っているが、PTO軸には作業機から過大な駆動反力が加わり、PTOクラッチの破損や摩耗などで交換などのメンテナンスが必要になるが、このPTOクラッチは前記の特開2006−11843号公報に記載の従来構成ではミッションケースの前後略中央に在るために、トラクタのステップフロアや操縦席の下側になるミッションケースの一部を解放してメンテナンス作業を行うことになって、作業性が悪くメンテナンスが困難である。
【0005】
そこで、本発明では、作業車で、ミッションケース内にリアPTO軸とミッドPTO軸の動力伝動の切換を行うPTOクラッチを設けるにあたってPTOクラッチ周りのメンテナンスを容易に行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、エンジン(2)の動力をミッションケース(3)内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース(3)内の後輪駆動軸(5)よりも後側までPTO伝動軸(41)を延長して設けると共にミッションケース(3)の最後部にPTOクラッチ(150)を介してリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース(3)の後部を解放してPTOクラッチ(150)周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車とするものである。
【0007】
この構成により、PTOクラッチ(150)とリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動切換機構のメンテナンスがミッションケース(3)の後部を解放することで行える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝達を入り切りするレバーは、一本のPTO切換レバー(149)で行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車とするものである。
【0009】
リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)の駆動の入り切り変速は、一本のPTO切換レバー(149)で行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、PTOクラッチ(150)とリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動切換機構のメンテナンスが着脱容易な作業車の後部においてミッションケース(3)の後部を解放して行えるので、作業が楽で効率的である。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)の駆動の入り切り変速は、一本のPTO切換レバー(149)で行えるので、操作が容易となり又レバーの本数も減るので簡素で廉価な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例作業車(トラクタ)の全体側面図である。
【図2】実施例作業車の全体平面図である。
【図3】実施例作業車のミッションケースの側断面図である。
【図4】ミッションケース内の一部拡大側断面図である。
【図5】PTOクラッチの切状態を示す拡大側断面図である。
【図6】ミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図7】リアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図8】ミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図9】別実施例のミッドPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図10】別実施例のリアPTO軸の駆動状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図11】別実施例のミッドPTO軸とリアPTO軸を共に駆動する状態を示すPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図12】PTOクラッチの切状態を示す別実施例のPTOクラッチの拡大側断面図である。
【図13】油圧無段変速装置を装着したミッションケースの全体側断面図である。
【図14】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図15】油圧無段変速装置の部分拡大側面図である。
【図16】前記ミッションケースのカムプレートの側面図である。
【図17】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大側面図である。
【図18】油圧無段変速装置付きミッションケースを用いた作業車の部分拡大平面図である。
【図19】作業車の部分拡大平面図である。
【図20】作業車の部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明の実施例を説明する。
図1と図2は、本発明でいう作業車の一例として示すトラクタの全体図で、機体の前部のボンネット1内に搭載したエンジン2の動力をミッションケース3内で適宜に変速して前輪軸4と後輪軸5に伝動して前輪6と後輪7の両方或は後輪7のみを駆動し、機体上に設ける座席10に座った作業者が中央に立設するステアリングハンドル8で前輪6を操向しながら走行する。機体の後方へ突出するヒッチ9には、ロータリ耕運機などの作業機を装着し、ミッションケース3から後方へ向かって突出するリアPTO軸11でヒッチ9に装着する作業機を駆動し、ミッションケース3の後部から前方へ向かって突出するミッドPTO軸12で前輪6と後輪7の間に装着する芝刈り機などの作業機を駆動する。
【0014】
図3は、動力伝動機構の断面図で、エンジン側ケース13から後方へ突出するメイン出力軸18とミッションケース3から前方へ突出する入力軸20をジョイント19で連結し、繋ぎカバー21で上側を覆っている。
【0015】
エンジン側ケース13の内部では、エンジン2の動力をメインクラッチ14で断続可能に第一出力軸15へ伝動し、第一ギヤ16と第二ギヤ17でやや減速してメイン出力軸18に伝動している。
【0016】
ミッションケース3は、前からフロントケース36とミッドケース37とリアケース45の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース36内では、入力軸20の回転が第三ギヤ22と第四ギヤ23で第一伝動軸25に伝動する。
【0017】
ミッドケース37内では、第一伝動軸25の回転がそのまま第二ジョイント40でPTO伝動軸41に伝動され、さらに、第一伝動軸25に固着の第一変速ギヤ27と第二変速ギヤ29と第三変速ギヤ31が噛み合う走行軸24に嵌合した第四変速ギヤ26と第五変速ギヤ28と第六変速ギヤ30と逆転ギヤ50(この逆転ギヤ50が図示省略のギヤで第一変速ギヤ27と噛み合っている)がキーシフトクラッチ46で適宜に軸に固定されて一速から三速及び逆回転まで変速して走行軸24に伝動される。
【0018】
走行軸24の回転は、第十四ギヤ57で第一伝動軸25に遊嵌したギヤ筒69の大ギヤ部59へ伝動され、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合した高低クラッチギヤ32が第十四ギヤ57に噛み合ったりギヤ筒69の小ギヤ部68と噛み合ったりすることでベベルギヤ軸121が高低に変速して伝動され、ベベルギヤ軸121の回転がベベルギヤ38と車軸ベベルギヤ39で後輪軸5に伝動され、さらに、ベベルギヤ軸121にスプライン嵌合する第十五ギヤ122と第五ギヤ33とクラッチギヤ34で前輪駆動軸35に伝動され、この前輪駆動軸35で前輪軸4が駆動される。
【0019】
前記のPTO伝動軸41の回転は、後輪軸5よりも後側に設けるリアPTO軸11とミッドPTO軸12の伝動部に伝動される。
PTO伝動軸41には第十ギヤ55がスプライン嵌合し第一カウンタギヤ42が遊嵌し、リアPTO軸11には第十一ギヤ48がスプライン嵌合し第一クラッチギヤ56が遊嵌し、この第一クラッチギヤ56にPTOクラッチギヤ43が遊嵌し第十二ギヤ58がスプライン嵌合している。そして、第十一ギヤ48に常時に噛み合い第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に適宜噛み合うコンスタントメッシュ方式のクラッチ切換ギヤ47が外嵌している。第二クラッチギヤ43と第十一ギヤ48とクラッチ切換ギヤ47でPTOクラッチ150を構成し、このPTOクラッチ150のシフト操作は、座席10の近傍に設ける一本のPTO切換レバー149で行う。
【0020】
第十ギヤ55が第十二ギヤ58と噛み合って第一クラッチギヤ56を常時回転していて、図5の状態が第一クラッチギヤ56にクラッチ切換ギヤ47が噛み合わずリアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動されない状態で、PTOクラッチ150のクラッチの切り替えは、次のように行われる。
【0021】
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56に噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11が駆動される。(図7)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48から離して、第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43に噛み合わせるようスライドすると、第一クラッチギヤ56の回転がPTOクラッチギヤ43から第一カウンタギヤ42に伝わり、後述する伝動でミッドPTO軸12が駆動される。(図6)
クラッチ切換ギヤ47を第十一ギヤ48と第一クラッチギヤ56とPTOクラッチギヤ43の三つのギヤに噛み合わせるようスライドすると、リアPTO軸11とミッドPTO軸12が共に駆動される。(図8)
第一カウンタギヤ42の回転は、第一カウンタ軸50の第二カウンタギヤ49と第二カウンタ軸51の第三カウンタギヤ44と第三カウンタ軸53の第四カウンタギヤ52を介してミッドPTO軸12に形成した第十三ギヤ54に伝動されてミッドPTO軸12を駆動する。
【0022】
図9乃至図11に示す実施例では、クラッチ切換ギヤ47の内歯にブランクを設けず、図9がミッドPTO軸12のみの駆動状態で、図10がリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動する状態で、図11がリアPTO軸11のみの駆動状態で、クラッチ切換ギヤ47をさらに右へ移動して第一クラッチギヤ56との噛合いを外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方を駆動しない状態になる。
【0023】
図12は、リアPTO軸11とミッドPTO軸12の駆動切換の別構成で、PTO伝動軸41に第一ギヤ部60と第二ギヤ部61を形成し、ミッドPTO軸12への第六カウンタギヤ67を噛み合わせた第五カウンタギヤ66を遊嵌し、リアPTO軸11に大ギヤ部62と小ギヤ部63を形成したクラッチギヤ64をシフタ65でシフト可能にスプライン嵌合する。
【0024】
この構成で、小ギヤ部63を第一ギヤ部60に噛み合わせるとリアPTO軸11のみの駆動となり、クラッチギヤ64を第一ギヤ部60と第二ギヤ部61の両方から外すとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動されず、第六カウンタギヤ67を第二ギヤ部61と第五カウンタギヤ66に噛み合わせるとリアPTO軸11とミッドPTO軸12の両方が駆動される状態になる。
【0025】
図13は、油圧無段変速装置(以下、HSTという)80を装着した作業車のミッションケースの実施例である。
エンジン側ケース70から後方へ突出する出力軸77とミッションケース75に装着したHST80から前方へ突出する入力軸79をファン付きジョイント78で連結し、繋ぎカバー76で上側を覆っている。
【0026】
ミッションケース75は、前からフロントケース71とミッドケース72とリアケース73の三つの中空ケースを一体に連結して構成している。
フロントケース71に装着したHST80の第一出力軸81は、PTO駆動系に出力し、第二出力軸74は、走行駆動系に出力する。
【0027】
第一出力軸81の回転は、第一クラッチ82を介して第一PTO軸83に伝動し、第一ギヤ84から第二カウンタギヤ85と第三カウンタギヤ86と第四カウンタギヤ87とクラッチギヤ88を介してミッドPTO軸90を駆動する伝動と、第三カウンタギヤ86から第二クラッチ89で第二PTO軸91を駆動する伝動に分岐する。第二PTO軸91は、第一PTOギヤ92と第二PTOギヤ93を介してリアPTO軸94を駆動する。
【0028】
第二出力軸74の回転は、第一走行ギヤ95から第一走行軸97の第二走行ギヤ96へ伝動し、この第二走行ギヤ96と第三走行軸99との間に設ける三段ギヤ変速機構98で第三走行軸99を駆動し、さらに第一ベベルギヤ105と第二ベベルギヤ100で後輪駆動軸101を駆動する。また、第三走行軸99の回転は、第三走行ギヤ102から第四カウンタギヤ103と第三クラッチギヤ104を介して前輪駆動軸106を駆動する。
【0029】
図14は、作業車の操縦席足元部の側面図で、前進ペダル115と後進ペダル116を繋ぎカバー76に設ける枢支軸119に枢支し、前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み動作をアーム117とリンク118でHST80の変速軸であるトラニオン軸107に固着のカムプレート108に伝動して、前進ペダル115を踏み込むとトラニオン軸107を前進側に回動し、後進ペダル116を踏み込むとトラニオン軸107を後進側に回動するようにしている。
【0030】
カムプレート108には、トラニオン軸107に対してリンク118の取付部と略反対側にカム凹部114を形成し、L字状アーム109の一方片109aの一端に枢支したローラ110をカム凹部114に落とし込むように他方片109bに引っ掛けた中立ばね120で付勢してトラニオン軸107が中立に戻るようにしている。
【0031】
そして、L字状アーム109の他方片109bの先端側には、エンジン2のガバナに連結するワイヤ111が引張ばね112を介して連結されている。他方片109bと引張ばね112の連結は複数の穴113で係合する穴113を変えてワイヤ111の引き調整を可能にしている。
【0032】
前進ペダル115と後進ペダル116を踏み込むとカムプレート108がそれぞれ逆方向に回動してトラニオン軸107を回して機体を前方或は後方へ走行させるのであるが、カム凹部114がローラ110を押し出してワイヤ111を引き、エンジン2の回転を上昇するようになる。
【0033】
図16は、カムプレート108の拡大図で、ローラ110が落ち込んでカム凹部114が安定する位置はトラニオン軸107を僅かに後進側にした位置としてHST80の中立用オリフィスが後進側に在る特性対応させて中立調整を容易にしている。また、前後発進時にカム凹部114がローラ110を押し出して機体が移動を始める発進接点Sを滑らかな凸曲面にすることで、発進時の前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み力を軽くしている。また、中立から中速時にローラ110が接触する中速接触域Aの傾きを急にして中速から高速時にローラ110が接触する高速接触域Bの傾きを緩くすることで、前進ペダル115と後進ペダル116の中速から中立への戻りが易くなり、中速から高速での前進ペダル115と後進ペダル116の踏み込み抵抗を柔らかくする。なお、前進時のローラ110の接触域長さと後進時のローラ110の接触域長さを適宜に変更して、連動機構の違いに合わせて前後進の最高速時にエンジン2が最高回転数になるようにしても良い。
【0034】
図17と図18は、ブレーキペダル125の取り付けを示している。
機体のフロアフレームに横架する横軸127にブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を枢支し、アーム支持筒123には上方へ作用アーム128を突設し、後下方にストップアーム129を突設する。
【0035】
作用アーム128の先端部には連結ピン124でブレーキロッド133の取付け金具135とオートクルーズの戻しケーブル134と取付ピン132との間に設ける引張ばね131の三部材を連結する。
【0036】
ストップアーム129は、フロアフレームに取り付けるストップボルト130に当接してブレーキペダル125の踏込み限界を決める。
ブレーキペダル125のブレーキアーム126を固着したアーム支持筒123を取り付ける横軸127は、図19の如く、機体の左右中央に立設するハンドルポスト137を貫通して設け、この横軸127の回動で機体後部に設けるブレーキを作動するようにリンク機構で連動する。136はブレーキを作動状態に保持する駐車ブレーキアームである。そうすると、右側取付用ブレーキ部材(ブレーキペダルとブレーキアームとアーム支持筒と駐車ブレーキアーム)と左側取付用ブレーキ部材(左ブレーキペダル125Lと左ブレーキアーム126Lと左アーム支持筒123Lと左駐車ブレーキアーム)を用意していれば、右側ブレーキ仕様と左側ブレーキ仕様が共用部品を多くしてコストダウンで作成できる。
【0037】
図20は、作業車の底部にモア145をモア用リンク147で取り付けて、前記ミッドPTO軸90から二つの自在継ぎ手142,148とモア駆動軸140でモアギヤケース141に動力を伝動するようにした構成である。モア駆動軸140をブーツ状の軸筒144で覆って回転部が外部に露出しないようにしているが、このモア駆動軸140のモア145側の自在継ぎ手142をモア外装ケースにボルトとナットで取り付けた金属製の軸カバー146でモア外装ケースのモア駆動軸140側切欠き部とともにさらに覆っている。なお、モア駆動軸140のミッドPTO軸90側自在継ぎ手148もミッションケース75に取り付ける金属カバーで覆っても良い。また、モア用リンク147の動きを検出するセンサを設けて、モア145を上昇させるとミッドPTO軸90の回転を停止するようにして安全を図っている。
【符号の説明】
【0038】
2 エンジン
3 ミッションケース
5 後輪軸
11 リアPTO軸
12 ミッドPTO軸
41 PTO伝動軸
149 PTO切換レバー
150 PTOクラッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(2)の動力をミッションケース(3)内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース(3)内の後輪駆動軸(5)よりも後側までPTO伝動軸(41)を延長して設けると共にミッションケース(3)の最後部にPTOクラッチ(150)を介してリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース(3)の後部を解放してPTOクラッチ(150)周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車。
【請求項2】
前記リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝達を入り切りするレバーは、一本のPTO切換レバー(149)で行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【請求項1】
エンジン(2)の動力をミッションケース(3)内で変速して前後輪を駆動する作業車において、ミッションケース(3)内の後輪駆動軸(5)よりも後側までPTO伝動軸(41)を延長して設けると共にミッションケース(3)の最後部にPTOクラッチ(150)を介してリアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝動機構を設け、前記ミッションケース(3)の後部を解放してPTOクラッチ(150)周辺の点検作業を可能に構成したことを特徴とする作業車。
【請求項2】
前記リアPTO軸(11)とミッドPTO軸(12)への動力伝達を入り切りするレバーは、一本のPTO切換レバー(149)で行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の作業車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−195095(P2010−195095A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39738(P2009−39738)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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