使い捨て不織布クリーニング用拭き取り用品、及びそれらを含むキット
本発明は、硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品(10)であって、不織布材料を含むクリーニング基材(20)を含んでおり、長手軸(x)と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、少なくとも1つの取り付け手段(30)とを具え;前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケットは、前記上面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有する、拭き取り用品(10)に関する。
また、使い捨てクリーニング用拭き取り用品と、モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)とを含むキットも提供される。
また、使い捨てクリーニング用拭き取り用品と、モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)とを含むキットも提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング器具と共に使用するのに適した、硬質表面、特に、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車などのクリーニングのための、不織布クリーニング用拭き取り用品の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質表面をクリーニングするためのクリーニング用拭き取り用品に関する、多くの文献が存在する。クリーニング用拭き取り用品は、織布又は不織布拭き取り用品として存在する。クリーニング用拭き取り用品は、乾式ダスティング用のクリーニングシート、ウェットタイプ(pre-moistened)の拭き取り用品、又は湿式クリーニング用の吸収性クリーニング用拭き取り用品など、様々な形態で供給されており、使い捨て拭き取り用品又は再利用可能な拭き取り用品として存在する。当該技術分野で記載されているクリーニング用拭き取り用品は、通常は方形である。クリーニング作業は、手を使ってクリーニング用拭き取り用品で表面を拭き取ることによって、又は、クリーニング用拭き取り用品がその上に取り外し可能に取り付けられるクリーニング器具を使用して実施される。
【0003】
近年、クリーニング用拭き取り用品を、自在継手によってモップヘッドに回転可能に連結された細長い柄を備えるクリーニング器具と共に使用することが、非常に普及してきている。そのような器具の一例が、SWIFFER(登録商標)クリーニング器具である。これらの器具のモップヘッドには、通常、自在継手によって柄に連結された硬質の支持プレートと、クリーニングすべき表面に面する、硬質の支持プレートの裏面に配置された「バンパー」又は「クッション」パッドとが含まれる。表面をクリーニングするには、ユーザーは、はじめにクリーニング用拭き取り用品をバンパーパッドの裏面に取り付け、支持プレートの最上面に配置されたスリット付き構造に拭き取り用品の縁部を押し込むことによって該拭き取り用品を取り外し可能に取り付け、それから表面を拭き取る。
【0004】
このようなクリーニング器具の硬質のモップヘッドは、通常は方形であり、従って、方形の拭き取り用品を容易に且つしっかりとモップヘッドに取り付けることができる。このようなモップヘッドを備えた器具は、通常は平らな表面のクリーニングに使用される。
【0005】
しかしながら、非方形のモップヘッドを備えたクリーニング器具も存在する。そのような場合、方形の拭き取り用品がモップヘッドに厳密には適合しないので、該拭き取り用品をモップヘッドに取り付けてモップヘッドによって保持するのが困難である。また、変形可能なモップヘッドを備えたクリーニング器具も存在する。そのようなクリーニング器具は、例えばバスタブやシンクなど、湾曲した表面をクリーニングするのに適している。モップヘッドが変形可能なときには、方形の拭き取り用品を容易に且つしっかりと取り付けて保持する問題が悪化する。
【0006】
クリーニング用拭き取り用品をクリーニング器具のモップヘッドに取り付ける手段は、広く知られている。以上で説明したように、モップヘッドは、拭き取り用品の縁部をその中に押し込むことのできるスリット付き構造(当該技術分野では、通常「把持部(grippers)」と呼ばれる)を備えることがある。拭き取り用品をモップヘッドに固定する他の手段としては、フック若しくはループファスナ(例えば、ベルクロ(Velcro)(登録商標))、クランプデバイス、突出部、クリップ、接着剤、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。これらの取り付け手段の少なくとも一部は、モップヘッド上に配置される。
【0007】
また、取り付け手段を拭き取り用品の上だけに配置してもよい。例えば、再利用可能な洗える織布のクリーニング布(すなわち、織物の布)の領域では、中にモップヘッドを挿入できる2つのポケットを備えた布が存在する。この特定の場合には、モップヘッドは、ユーザーが硬質のモップヘッドを両方のポケットに挿入できるように軸に沿って旋回できる、2つの硬質の部品から成る。挿入されたら、ユーザーは、モップヘッドを床に押し付けて平らなモップヘッドにし、2つの部分を平らな位置にロックする必要がある。やはりこのロックシステムも、時間が経つにつれて弱くなることがあり、その結果、布がもはやモップヘッドと緊合せず、表面から持ち上げられるときにモップヘッドから滑り落ちることがある。バンパープレートが変形可能なときでも、一部品でできた支持プレート及び/又はバンパーパッドを備えるモップヘッドにこれらの種類の拭き取り用品を取り付けることは、明白ではない。さらに、これらの種類の布は、時間が経つにつれて汚くなり、そのクリーニング特性を失う。
【0008】
また、近年、クリーニング用組成物を含浸させた拭き取り用品がますます普及している。含浸拭き取り用品をモップヘッドに取り付けるときには、衛生上及び安全上の理由から、ユーザーの皮膚との接触が低減され、且つモップヘッドへの取り付けが改善されることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、便利且つ衛生的な形でクリーニング器具に取り付けることのできる、不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、クリーニング器具、特に、変形可能且つ/又は非方形のモップヘッド、具体的には楕円形及び眼形のモップヘッドを備えた器具に、よりうまく、且つより確実に取り付けることのできる、不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、特に隅角部におけるクリーニングのための、クリーニング特性が改善された不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、便利且つ衛生的にクリーニング器具から取り外すことのできる不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、拭き取り用品に関する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、モップヘッドを備えたクリーニング器具と、硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品とを含むキットであって、該拭き取り用品は、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、キットが提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、硬質表面をクリーニングする方法であって、前記表面を使い捨てクリーニング用拭き取り用品で拭き取る工程を含んでおり、前記クリーニング用拭き取り用品は、
不織布材料を含むクリーニング基材を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(定義)
特に指定のない限り、すべての比及び百分率は、重量を基準とする。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「x−y次元」とは、クリーニング用拭き取り用品又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。x次元及びy次元は、それぞれ、クリーニング用拭き取り用品又は拭き取り用品構成要素の長さ及び幅に対応する。一般に、クリーニング用拭き取り用品がクリーニング器具と併せて使用されるときには、拭き取り用品は、好ましくは該拭き取り用品のx次元(若しくは長さ)に平行な方向に移動される(図1参照)。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「z次元」とは、本発明のクリーニング用拭き取り用品又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。したがって、z次元は、クリーニング用拭き取り用品又は拭き取り用品構成要素の厚さに対応する(図1参照)。
【0016】
本明細書で使用するとき、クリーニング基材の「長手軸」とは、クリーニング基材の長さに沿った軸、すなわち、x軸を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「層」とは、その主要次元がx−yである、すなわち、その長さ及び幅に沿った、クリーニング用拭き取り用品の部材若しくは構成要素を指す。層という用語が、必ずしも材料の単一の層又はシートだけに限定されないことを理解すべきである。ゆえに、層は、必要な種類の材料の何枚かのシート若しくはウェブの、積層体又は組み合わせを含むことがある。それ故に、用語「層」とは、用語「複数の層」及び「層状」を包含する。本発明の目的では、クリーニング用拭き取り用品の「上側の」層は、クリーニングすべき表面から比較的遠く離れた層である。反対に、用語「下側の」層は、クリーニングすべき表面の比較的近くにあるクリーニング用拭き取り用品の層を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「上面」とは、クリーニングすべき表面から比較的遠く離れた表面である。クリーニング基材が多層状のときには、「上面」とは、クリーニング基材の上側の層の上面を意味する。反対に、用語「下面」とは、クリーニングすべき表面の比較的近くにある表面を意味する。普通、「下面」は、クリーニングすべき表面に接触する。クリーニング基材が多層状のときには、「下面」とは、クリーニング基材の下側の層の下面を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「形状」とは、x−y次元にある、すなわち上から見たときの、クリーニング用拭き取り用品又はクリーニング用拭き取り用品の部品の形状を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「眼形(eye-shape)」とは、ほぼ楕円形のx軸上に配置された2つの尖端を有する、ほぼ楕円形を意味する。「半楕円形(semi-elliptical shape)」及び「半眼形(semi-eye shape)」とは、それぞれ、ほぼ楕円形又は眼形の、半分若しくは半分の一部を意味する。
【0021】
(使い捨てクリーニング用拭き取り用品)
本発明による使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)は、硬質表面をクリーニングするためのクリーニング基材(20)と、拭き取り用品をクリーニング器具に取り付けるのに適した少なくとも1つの取り付け手段とを含む。
【0022】
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、使い捨てである。使い捨てという用語は、拭き取り用品が、ただ1回のクリーニング作業、又は少数回のクリーニング作業だけに使用されるように設計されており、その後は好ましくは廃棄されることを意味する。
【0023】
本発明のクリーニング基材(20)、好ましくはクリーニング用拭き取り用品(10)全体は、不織布繊維又は紙から構成される。不織布という用語は、不織布協会(Association of the Nonwoven Fabric Industry)発行の「不織布ハンドブック(Nonwoven Fabrics Handbook)」で与えられる一般に知られている定義に従って、定義されるものとする。紙基材は、EDANA(ISO9092−EN29092の注釈1)によって、その繊維含有量の50質量%超過が繊維(化学的に消化された植物繊維は除く)で構成されており、長さ/直径比が300を上回り、より好ましくはさらに密度が0.040g/cm3未満である基材として定義される。明確にするために、不織布基材及び紙基材の定義には、織られた布地若しくは布又はスポンジは含まれない。
【0024】
クリーニング基材(20)は、好ましくは水及び水性硬質表面クリーニング用組成物を幾らか又は完全に浸透可能である。拭き取り用品は、好ましくは可撓性であり、さらに好ましくは拭き取り用品には、さらに弾力性もあり、これは、加えられた外圧が取り除かれると拭き取り用品がその元の形状を回復することを意味する。
【0025】
クリーニング基材(20)は、天然素材の(変性又は非変性)繊維に加えて、合成製造された繊維を含んでよい。天然繊維としては、人間が変性、再生、若しくは製造することなく天然に得られるものすべてが挙げられ、植物、動物、及び昆虫から生成され、又は植物、動物、及び昆虫の副生成物である。好適な非変性/変性の天然素材の繊維の例としては、綿、エスパルト草、バガス、ケンプ、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学的に変性された木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、酢酸セルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用するとき、「合成」とは、材料が、主に、様々な人造材料から得られること、又は天然材料をさらに変化させて得られることを意味する。本発明で有用な合成材料の非限定例としては、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。好適な合成材料の例としては、アクリラン、クレスラン、及びアクリロニトリル系繊維、オーロンなどのアクリル;セルロースアセテート、アーネル、及びエイセル(acele)などのセルロースエステル繊維;ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など)などのポリアミド;フォルトレール、コデル、及びポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ダクロンなどのポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン;ポリビニルアセテート繊維、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これら及び他の好適な繊維、並びにそれらから調製される不織布については、リーデル(Riedel)の「不織布結合方法及び材料(Nonwoven Bonding Methods and Materials)」、不織布の世界(Nonwoven World)(1987);アメリカーナ百科事典(The Encyclopedia Americana)、第11巻147〜153頁、及び第26巻566〜581頁(1984)に概ね記載されている。好適な合成材料としては、中実の単成分(すなわち、化学的に均質な)繊維、多組成繊維(すなわち、各繊維が2種類以上の材料で構成される)、及び多成分繊維(すなわち、より大きな繊維を製造するために、何らかの形で撚り合わされた2以上の別個のフィラメントの種類を含む合成繊維)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、2成分繊維は、コア−シース構成又はサイド−バイ−サイド構成であってよい。いずれの場合にも、クリーニング基材(20)は、前述の材料を含む繊維の組み合わせ、又は前述の材料の組み合わせをそれ自体が含む繊維を含んでよい。サイド−バイ−サイド構成、コア−シース構成、又は中実の単成分構成など、いずれの場合にも、クリーニング基材(20)の繊維、特に2成分型の繊維は、ヘリカル若しくはスパイラル又は捲縮構成を示すことがある。本発明で使用するのに好適な2成分繊維としては、次のポリマーの組み合わせ、すなわち、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有する、シース/コア繊維を挙げることができる。本明細書で使用するのに特に好適な2成分熱可塑性繊維は、ポリプロピレン若しくはポリエステルのコアと、より融点の低いコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート、若しくはポリエチレンのシースとを有するもの(例えば、ダナクロン社(Danaklon a/s)及びチッソ社(Chisso Corp.)から入手可能なもの)である。これらの2成分繊維は、同心又は偏心であり得る。本明細書で使用するとき、用語「同心」及び「偏心」とは、2成分繊維の断面積を通るシースの厚さが均一であるか不均一であるかを指す。偏心2成分繊維は、より小さい繊維厚さでより大きい圧縮強さを提供する際に望ましい可能性がある。好ましい2成分繊維は、約81%未満のポリエチレンテレフタレート・コアと、約51%未満のコポリオレフィン・シースとを含む、コポリオレフィン2成分繊維を含む。このような好ましい2成分繊維は、ニュージャージーのヘキスト・セラニーズ社(Hoechst Celanese Corporation)から商標名CELBOND(登録商標)T−255で市販されている。2成分繊維の量は、好ましくは、該繊維がその中で使用される材料の密度によって異なる。
【0026】
不織布を製造する方法は、当該技術分野において周知である。一般に、これらの不織布は、エアレイイング、ウォーターレイイング、メルトブロウン、コフォーム、スパンボンド、又はカーディング方法により製造することができ、これらの方法では、はじめに繊維又はフィラメントを長いストランドから所望の長さに切断し、水流又は気流に通した後、繊維の入った空気又は水をスクリーンに通過させて該スクリーン上に付着させる。次いで、得られた層に、その製造方法又は組成に関わらず、個々の繊維を固着させて自己維持型の基材を形成するための幾つかの種類の結合操作のうちの少なくとも1つが実施される。本発明では、不織布基材は、これらに限定するものではないが、空気交絡、水流交絡、熱結合、カーディング、ニードルパンチング、又は当該技術分野において既知の他のいずれかの方法、及びこれらの諸方法の組み合わせを含め、様々な方法によって調製することができる。ただし、不織布基材を、また、熱可塑性成形フィルムと記述することもある。
【0027】
好ましい不織布基材材料は、坪量が約15gm-2〜約220gm-2、より好ましくは約15gm-2〜約200gm-2、さらに好ましくは約15gm-2〜約110gm-2、最も好ましくは約15gm-2〜約78gm-2である。
【0028】
基材を作製するために使用される繊維に加えて、基材は、指定の結合剤を含め、当該技術分野において知られているようにそれに添加される他の構成成分又は材料を含む場合がある。本明細書で使用するとき、用語「結合剤」とは、繊維をかみ合わせるために使用されるあらゆる剤を記述する。このような剤は、湿潤強度向上樹脂と乾燥強度向上樹脂とを含む。特にセルロース系材料の場合、当該技術分野において湿潤強度向上樹脂として知られる化学物質を添加することが望ましいことが多い。湿潤強度向上樹脂、すなわち紙の技術分野で用いられる湿潤強度向上樹脂の種類に関する一般的な論文は、TAPPIモノグラフシリーズ第29号、紙及び板紙における湿潤強度(Wet Strength in Paper and Paperboard)、紙パルプ技術協会(Technical Association of the Pulp and Paper Industry)(ニューヨーク、1965)に見ることができる。湿潤強度向上添加剤に加えて、また、デンプン結合剤など、当該技術分野において既知の特定の乾燥強度向上及びリント制御添加剤を含めることが望ましい場合もある。不織布を結合させるために使用される好ましい結合剤は、ポリマー結合剤、好ましくはラテックス結合剤、より好ましくは水性(waterborne)ラテックス結合剤である。結合剤は、当該技術分野において既知のいずれかの方法によって基材に適用することができる。好適な方法としては、基材がチューブを横切って通過するときに結合剤をチューブ内に通して該基材と接触させる、噴霧、印刷(例えばフレキソ印刷)、コーティング(例えばグラビアコーティング又はフラッド(flood)コーティング)、パディング、フォーミング、含浸(impregnation)、浸透(saturation)、及び他の押し出し、又はこれらの適用法の組み合わせが挙げられる。
【0029】
本発明の拭き取り用品は、例えば、硬質表面の乾式ダスティングに使用できるが、好ましくは、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車などの硬質表面の湿式クリーニングのためにクリーニング用組成物と併せて使用される。したがって、本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、乾式ダスティング拭き取り用品、湿式クリーニング用の乾燥吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)(はじめにクリーニング用組成物が表面に適用され、その後、該表面が拭き取り用品で拭き取られる)、ウェットタイプの拭き取り用品、又は、例えば、濃縮溶液、ペースト若しくはゲル、の形態のクリーニング用組成物を含む、水と接触させることによって活性化させる必要のある、湿式クリーニング用の乾燥した手触りの(dry-to-the-touch)クリーニング用拭き取り用品(10)など、様々な形態で存在可能である。
【0030】
(クリーニング基材)
クリーニング基材(20)は、単層状にすることもできるが、好ましくは多層状である。クリーニング基材(20)は、長手軸(すなわち、x軸)を有し、上面と下面とを含む。
【0031】
クリーニング基材(20)は、これらに限定するものではないが、方形、楕円形、眼形、又はさらに複雑な形状を含め、様々な形状にすることができる。好ましくは、クリーニング基材(20)は、非方形である。きわめて好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、長手方向に延びる2つの側縁(22、23)によって後縁(24)に連結された前縁(21)を有しており、該前縁(21)は、湾曲し、丸みを帯び、波状で、角張り、又はこれらの組み合わせであるが、好ましくは、半眼形、ほぼ半楕円形、ほぼ三角形、又はこれらの組み合わせである。好ましくは、クリーニング基材(20)の前縁(21)は、クリーニング基材(20)の長手軸(すなわち、x軸)上に配置された尖端を備える半眼形である。別のきわめて好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、眼形である。
【0032】
クリーニング基材(20)は、好ましくは、長さ/幅比が約3:1〜約1.25:1、より好ましくは約2:1〜約1.5:1である。最も好ましくは、長さ/幅比は、約1.75:1である。
【0033】
クリーニング基材(20)は、好ましくは多層状であり、上側の層と下側の層とを含む。これらの層は、単一構造を形成するように結合される。これらの層は、これらに限定するものではないが、接着剤結合、熱結合、超音波結合などを含めた様々な方法で結合させることができる。これらの層は、手で、又は当該技術分野において既知の従来のライン転換プロセスによって、クリーニング基材(20)を形成するように組み合わせることができる。
【0034】
層が接着剤結合されるときには、接着剤は、通常、該接着剤によって形成される結合が、湿潤環境において、特にクリーニング用拭き取り用品(10)に流体及び/又は汚れが染み込んでいるときに、その強度を維持可能であるように選択される。接着剤の選択は、2つの吸収層(50)を結合させるとき、吸収層(50)と取り付け層とを結合させるとき、又は吸収層(50)と液体透過性の摺擦層(scrubbing layer)とを結合させるときに、特に重要である。この状況では、接着剤は、通常、接着剤が結合に高い耐水性を与えるように、例えば、乾燥結合強度値の少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%の結合保持力を与えるように選択される。結合強度値は、一部修正されたASTM D1876−95(1995)(Tピール試験(T-Peel Test))標準法に従って測定することができ、これについては米国特許第5,969,025号(コルツァーニ(Corzani)、1999年10月19日発行)に詳細に記載されている。本発明で使用できる接着剤としては、ビニルアセテート又は他のビニルエステルを主体とし、ホモポリマーからエチレン及び/若しくはアクリルモノマー(ビニルアクリル)とのコポリマーまでに及ぶものを含めた、ビニルエマルション;ホモポリマー又はコポリマーのいずれかであり得るアクリルエマルション;ポリマー自体を架橋可能な(例えば、ヒドロキシル、エポキシ、若しくはイソシアネート基と反応するカルボキシル基)反応性コモノマー(例えば、カルボキシル、ヒドロキシル、エポキシ、アミド、イソシアネートなどの官能性部を含有するモノマー)を含めることによって、又は外部の架橋剤(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート、ポリオール、エポキシド、アミン、及び金属塩、特に亜鉛)との反応によって作り出されるものを含めた、架橋接着剤が挙げられる。また、本明細書の接着剤には、ビニルアセテート/エチレンコポリマーラテックスへの水素添加ロジンエステル粘着付与剤の添加など、接着性を改善するために、限られた量の粘着付与樹脂も含めることができる。水を主体とする他の好適な接着剤組成物としては、米国特許第5,969,025号(コルツァーニ(Corzani)、1999年10月19日発行)に開示されているものが挙げられる。
【0035】
クリーニング基材(20)が多層状のときには、異なる層を、また、連続的又は不連続的に周囲で結合させてもよい。周囲でのこの結合は、異なる層を結合させる唯一の方法であってもよいが、好ましくは本願に記載した他の結合メカニズムに加えて実施される。これは、はじめに、前述したいずれかの方法を使用して幾つかの層を密接に結合させ、次いでその上に、単に周囲で結合させることによって、追加の層を結合させることができることを意味する。
【0036】
特に好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、嵩張りのある基材、より好ましくは詰綿基材を含む。詰綿は、TAPPI不織布協会(TAPPI Association of the Nonwoven Fabrics Industry)に従って、繊維の柔軟で嵩高な集合体として定義される。詰綿は、好ましくは、前述したような合成材料を含む。本明細書ではまた、「詰綿層」とは、嵩が高く、弾力性があり、且つ低密度の不織布構造を意味する。本明細書では、「低密度」又は嵩張りのある不織布(lofty nonwoven)とは、層が、密度約0.00005g/cm3〜約0.1g/cm3、好ましくは約0.001g/cm3〜約0.09g/cm3であり、0.775g/cm2(5g/in2)において厚さ約0.1cm〜約5.0cmであることを意味する。
【0037】
本発明による好ましい実施形態では、詰綿層は、嵩張り(loft)が少なくとも約1mm、好ましくは約2mm〜約4mmである。本発明による別の好ましい実施形態では、詰綿層は、密度が約0.00005g/cm3〜約0.1g/cm3、好ましくは約0.001g/cm3〜約0.09g/cm3である。
【0038】
好ましい実施形態では、詰綿繊維の割合は、ヒートシール又は超音波結合可能である。特に好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、単成分繊維と2成分繊維との組み合わせを含む。より具体的には、クリーニング基材(20)が、ポリエステル単成分繊維と、ポリエステルコア・ポリエチレンシースの2成分繊維とを含むことが好ましい。
【0039】
詰綿はまた、天然繊維を含んでもよい。好適な天然繊維については、以上で記載した。さらに、詰綿の繊維は、様々なサイズのものであってよく、すなわち、詰綿の繊維は、様々な平均厚さを有する繊維を含んでよい。また、繊維の断面は、円形、扁平、卵形、楕円形、又は他の形状であることができる。
【0040】
本発明のクリーニング基材(20)は、好ましくは吸収層(50)を含む。吸収層(50)は、使用時に流体を吸収且つ保持可能ないずれかの材料を含む。吸収層(50)が上側の層と下側の層との間に挟まれることが好ましい。通常、吸収層(50)は、不織布繊維性材料を含む。吸収層は、天然素材の繊維だけ、若しくは合成繊維だけを含むことができ、又は天然素材の繊維と合成繊維とのいずれか適合性のある組み合わせを含むことができる。本明細書で有用な繊維は、親水性若しくは疎水性であることができ、又は親水性繊維と疎水性繊維との組み合わせであることができる。本明細書で使用するとき、用語「親水性」は、その上に付着した水性流体によって湿潤可能な表面を指すために使用される。親水性及び湿潤性は、通常、関与する流体及び固体表面の接触角並びに表面張力の点から定義される。これについては、アメリカ化学会(American Chemical Society)出版物(1964年版権)、名称「接触角、湿潤性、及び接着(Contact Angle,Wettability,and Adhesion)」(ロバート・F・グールド(Robert F.Gould)編集)に詳細に記載されている。ある表面は、流体とその表面との間の接触角が90°未満のとき、又は流体が表面全体に自然に広がる傾向にあるときに、流体によって濡れる(すなわち、親水性)と言われ、通常は両方の状態が共存する。逆に、ある表面は、接触角が90°よりも大きく、流体が表面全体に自然に広がらない場合に、「疎水性」であると見なされる。親水性又は疎水性繊維の具体的な選択は、クリーニング基材(20)内、例えば様々な吸収層(50)内に含まれる、他の材料に左右される。すなわち、繊維の性質は、クリーニング基材(20)が必要な流体遅れ(fluid delay)及び全体的な流体吸収力を示すようなものである。本発明で使用するのに適した親水性繊維としては、セルロース繊維、変性セルロース繊維、レーヨン、親水性ナイロン(HYDROFIL(登録商標))などのポリエステル繊維が挙げられる。また、好適な親水性繊維は、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから誘導される熱可塑性繊維を界面活性剤処理又はシリカ処理するなどして、疎水性繊維を親水性化することによって得ることもできる。疎水性繊維の表面は、非イオン性若しくはアニオン性界面活性剤のような界面活性剤で処理することによって、例えば、繊維に界面活性剤を噴霧することによって、繊維を界面活性剤中に浸漬させることによって、又は熱可塑性繊維を作り出す際に界面活性剤をポリマー溶融物の一部として含めることによって、親水性にすることができる。溶融して再凝固すると、界面活性剤は、熱可塑性繊維の表面に残留する傾向にある。好適な界面活性剤としては、デラウェア州ウィルミントンのICIアメリカ社(ICI Americas,Inc.)製のブリジ(Brij)(登録商標)76のような非イオン性界面活性剤、及びコネチカット州グリニッチのグリコ・ケミカル社(Glyco Chemical,Inc.)よりペゴスパース(Pegosperse)(登録商標)商標として販売される様々な界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤に加えて、アニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤は、熱可塑性繊維に、例えば、熱可塑性繊維1平方センチメートル当たり約0.2〜約1gのレベルで、適用することができる。
【0041】
好適な木材パルプ繊維は、クラフト(Kraft)法や亜硫酸法など、周知の化学的プロセスから得ることができる。吸収特性が上質であるので、南部の針葉樹からこれらの木材パルプ繊維を得ることが特に好ましい。また、これらの木材パルプ繊維は、砕木、リファイナーメカニカル、サーモメカニカル、ケミメカニカル、及びケミ−サーモメカニカル・パルプ法など、機械的プロセスから得ることもできる。再生又は二次木材パルプ繊維、並びに漂白及び無漂白木材パルプ繊維を使用することができる。本発明で使用する別の種類の親水性繊維は、化学的に剛化されたセルロース繊維である。本明細書で使用するとき、用語「化学的に剛化されたセルロース繊維」とは、乾燥状態及び水性状態の両方で繊維の剛性を高めるべく化学的な手段によって剛化されているセルロース繊維を意味する。そのような手段としては、例えば、繊維をコーティングする及び/又は繊維を含浸させる化学的剛化剤の添加を挙げることができる。また、そのような手段として、化学構造を変化させることによって、例えば、ポリマー鎖を架橋することによって、繊維を剛化させることを挙げることができる。
【0042】
繊維が吸収性構造(又はその構成要素)として使用される場合、随意的に繊維を熱可塑性材料と組み合わせることもできる。溶融すると、この熱可塑性材料の少なくとも一部分が、通常は繊維間毛管勾配により、繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、熱可塑性材料についての結合部位になる。冷却されると、これらの交差部のところの熱可塑性材料は、凝固して、各層内で繊維のマトリックス又はウェブを合わせて保持する結合部位を形成する。これが、クリーニング用拭き取り用品(10)にさらなる全体的一体性を与える際に有益な可能性がある。その様々な効果の中で、繊維交差部での結合は、全体的な圧縮弾性率、及び結果として得られる熱結合した部材の強度を高める。化学的に剛化されたセルロース繊維の場合、熱可塑性材料の溶融及び移動はまた、最初に形成されたときのウェブの密度及び坪量を維持しながら、結果として得られるウェブの平均孔径を増大させる効果を有する。これは、流体へのはじめの暴露の際には、改善された流体浸透性によって、その後の暴露の際には、剛化された繊維が濡れたときにその剛性を維持する能力と、熱可塑性材料が濡れたとき及び湿り圧縮されたときに繊維交差部において結合を維持する能力とを組み合わせた能力によって、熱結合されたウェブの流体獲得特性を改善することができる。最終的には、剛化された繊維が熱結合したウェブは、その元の全体的な体積を保持するが、それまで熱可塑性材料によって占められていた体積領域が開くので、平均繊維間毛管孔径が増大する。
【0043】
本発明で有用な熱可塑性材料は、微粒子、繊維、又は微粒子と繊維との組み合わせを含めた様々な形態のいずれかであることができる。熱可塑性繊維は、多数の繊維間結合部位を形成可能であるので、特に好ましい形態である。好適な熱可塑性材料は、各層の主要ウェブ又はマトリックスを構成する繊維をさほど損傷しない温度で溶融できるいずれの熱可塑性ポリマーからも製造することができる。好ましくは、この熱可塑性材料の融点は、約90℃未満、好ましくは約75℃〜約175℃の間になる。いずれにしても、この熱可塑性材料の融点は、熱結合した吸収性構造がクリーニング基材(20)で使用されるときに保管される可能性の高い温度以上であるべきである。熱可塑性材料の融点は、通常、約50℃以上である。
【0044】
熱可塑性材料、特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン(例えば、PULPEX(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、コポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリエチルビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、並びにビニルクロリド/ビニルアセテートのような以上のいずれかのコポリマーなどを含め、様々な熱可塑性ポリマーから製造することができる。所望の特徴によっては、好適な熱可塑性材料には、親水性にされた疎水性繊維が含まれる。好適な熱可塑性繊維は、単一のポリマーから製造することができ(単成分繊維)、又は2以上のポリマーから製造することができる(例えば、2成分繊維)。シースを構成するポリマーは、多くの場合、コアを構成するポリマーとは異なる温度、通常はより低い温度で溶融する。その結果、これらの2成分繊維は、コアポリマーの望ましい強度特性を保持しながら、シースポリマーの溶融による熱結合をもたらす。熱結合した繊維性材料を調製する方法は、米国特許第5,607,414号(リチャード(Richards)ら、1997年3月4日発行);及び米国特許第5,549,589号(ホルネイ(Horney)ら、1996年8月27日発行)(特に9段〜10段参照)に記載されている。
【0045】
吸収層は、好ましくは坪量が約60gm-2〜約300gm-2、より好ましくは約80gm-2〜約200gm-2、最も好ましくは約90gm-2〜約160gm-2である。好ましくは、約70%〜約90%の木材パルプ繊維又は他のセルロース材料、約1%〜約30%の結合剤、及び約1%〜約30%の2成分繊維から構成される。
【0046】
比較的高い吸収力(吸収性材料1g当たりの流体のgに関して)を有する材料を吸収性構造に含めることが望ましい場合がある。本明細書で使用するとき、用語「超吸収性材料」とは、約2.0kPa(0.3psi)の封圧下で測定したときに水に関するg/g吸収力が少なくとも約15g/gである、あらゆる吸収性材料を意味する。本発明で有用なクリーニング流体の大部分が水を主体とするので、超吸収性材料は、水又は水を主体とした流体に関して比較的高いg/g吸収力を有することが好ましい。超吸収性材料が吸収性構造に含まれる場合、該吸収性構造は、好ましくは該吸収性構造の少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、さらに好ましくは少なくとも約25重量%の超吸収性材料を含む。
【0047】
クリーニング基材(20)が吸収層を含む場合、該層は、前述した材料のいずれかを含んでよい。同様に、クリーニング基材(20)が上側の層と下側の層とを含む場合、それらも、前述の吸収性材料のいずれかを含んでよく、又は非吸収性であるが流体透過性の性質であってよい。上側及び/又は下側の層が吸収性である場合、それは、通常、吸収層よりも低い吸収力を有することになる。上側の層及び下側の層は、別個の層材料を含んでよく、又は、例えば吸収層の周りに巻き付けられた、同一の層材料の一部分であってもよい。さらに、上側の層及び下側の層は、それぞれ独立に単層又は多層構造を含んでもよく、上側及び/又は下側の層と吸収層との間に追加構成要素が含まれてもよい。
【0048】
後で説明するように、クリーニング基材(20)は、クリーニング用組成物で予め湿らされたもの(pre-moistened)であってよい。この実施形態では、クリーニング基材(20)は、好ましくは複数の別個の流体貯留部を含む。本明細書で使用するとき、「別個の」流体貯留部は、該貯留部が互いに隣接している場合には単に個々の貯留部の壁によって互いに分離され、該貯留部が離隔されている場合にはクリーニング基材の一部分によって互いに分離された、流体、特に液体クリーニング用組成物を収めるための貯留部である。
【0049】
通常、貯留部は、吸収性構造の厚さ全体にわたって結合又はエンボス加工することによって形成される。単層吸収性構造の状況では、これは、通常、吸収性構造の対向する表面が選択された場所で接合されることを意味する。多層吸収性構造の状況では、通常、これは、多層構造の外側の層が、好ましくはそれらの層を結合させることによって、選択された場所で接合されることを意味する。例えば、吸収性構造が上側の層と、下側の層と、それらの間に位置決めされた吸収層(50)とを含む場合、好ましくは上側の層が選択された場所で下側の層に結合されて別個の流体貯留部を画定し、その結果、各貯留部が吸収層の別個の部分を含むことになる。
【0050】
結合は、熱及び/若しくは圧力を加えることによって、又は超音波によって達成されてよい。通常、クリーニング基材(20)を貫通する結合によって貯留部が形成されるときには、結合強度は、接着剤を使用せずに30gfを上回る。
【0051】
流体貯留部には、実質上、無数の形状及びサイズが想定される。例えば、貯留部は、円形、正方形、方形、菱形、卵形、三角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択される形状であってよい。また、他の形状も想定される。後者の場合、貯留部は、好ましくはクリーニング基材の異なる側縁間を延びる、交差する結合線によって形成されてよい。例えば、結合線は、クリーニング基材の側縁と鋭角を成してよく、又はそれらの側縁にほぼ平行に延びてよい。
【0052】
好ましくは、隣接した流体貯留部は、互いに流体連通している。これは、隣接した貯留部間を流体が行き来できることを意味する。ただし、クリーニング器具に取り付けるときの落滴を低減又は回避するため、クリーニング基材の側縁(22、23)への流体の流れを所望のように抑制するために、流体連通は、いくらか制限されるべきである。流体連通は、貯留部間に細い通路を設けることによって達成されてよく、これは、以下でより詳細に説明するように、貯留部を形成するために使用されるプロセスの結果としてもたらすことができる。このような通路は、通常、断面積が約0.0645〜0.3226cm2(0.01〜0.05平方インチ)、典型的には約0.0968〜0.2903cm2(0.015〜0.045平方インチ)の範囲になる。
【0053】
貯留部を形成するための好ましい結合方法は、米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載されている。この方法について、ここでは、上側の層と、下側の層と、それらの間に挟まれた吸収層(50)とを含むクリーニング基材(20)の状況で説明するが、他の吸収性構造にも適用可能である。本質的には、該方法は、クリーニング基材(20)の局所的な圧縮を含んでおり、それが、上側の層及び下側の層が無傷のまま、吸収性材料を引き裂いて分離させる(すなわち、圧力点から遠ざける)。その結果、上側の層と下側の層とを結合させるための明確な経路が得られ、好ましくは、実際に結合部位に残っている吸収性材料が(あったとしても)ほとんど存在しない。正確に言えば、得られる流体貯留部内に、吸収性材料の別個の部分が封入される。
【0054】
この方法では、上側の層及び下側の層は、熱及び/若しくは圧力、接着剤、又は超音波を加えることによって結合可能ないずれかの(1つ若しくは複数の)材料を含む。好適な材料としては、前述の不織布材料;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あき若しくは孔なしプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムのようなポリマー材料;多孔質発泡体、網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムが挙げられる。ただし、特に接着剤又は他の種類の結合が使用される場合、熱可塑性材料以外の材料が好ましいことがある。例えば、トップシート及び裏張りシートは、それぞれ、水素結合によってそれ自体に結合可能なセルロース材料を含んでよい。
【0055】
結合プロセスは、通常、例えば上側の層と吸収層(50)と下側の層とを含む積層体を、少なくとも一対の円筒ロールに送り込む工程を含んでおり、該円筒ロールの少なくとも一方が、該ロールの表面から外側に延びる複数の突起若しくはパターン要素によって形成されるレリーフパターンをその表面上に有する。
【0056】
他方の円筒ロールは、アンビル部材の働きをしており、パターン付きロールとアンビルロールとが相まって、それらの間に圧力バイアスニップを画定する。アンビルの表面が滑らかであることが好ましいが、両方のロールの上にレリーフパターンを設けてもよい。パターン付きロール及びアンビルロールは、好ましくは、約140MPa(約20,000psi)〜約1400MPa(約200,000psi)の荷重で互いに向かって偏倚している。
【0057】
パターン付きロール及びアンビルロールは、好ましくは同一の方向に異なる速度で駆動されるので、それらの間には表面速度差が存在する。表面速度差は、好ましくは、表面速度が低い方のロールの約2〜約40%、より好ましくは約2〜約20%の大きさを有する。アンビルロールは、好ましくは、パターン付きロールの表面速度よりも高い表面速度で操作される。ただし、速度差ゼロにおいて結合のための高いライン速度を起こすことも可能である。
【0058】
レリーフパターンは、様々な形態をとってよく、形成が望まれる流体貯留部の性質に応じて、連続的又は断続的にすることができる。レリーフパターンが連続的である場合、結果として、連続的な結合になる。レリーフパターンが断続的である場合、結果として、結合内に孔若しくは隙間が存在することになり、それが、前述したように、隣接した貯留部間の流体連通を可能にする。この場合、結合を、複数の結合部位を含むものと見なすことができ、該結合部位の寸法は、レリーフパターンを構成する突起のサイズ、形状、及び間隔距離によって決まる。好ましくは、突起、従って得られる結合部位は、縦横比が0.10未満、より好ましくは0.02〜0.085の範囲、最も好ましくは0.03〜0.083の範囲である。この状況では、縦横比は、短軸:長軸として定義される。さらに、間隔、すなわち隣接した結合部位間の距離は、好ましくは約0.038〜約0.127cm(0.015〜0.05in)の範囲である。
【0059】
また、突起又はパターン要素は、突起のランド表面(すなわち、最外表面)がとり得るように、様々な形態をとってよい。突起は、一般に、各円筒ロールの表面に垂直ではない側壁を有する。例えば、好ましくは、側壁は、円筒ロールの表面と、45°〜90°よりも大きい角度、好ましくは約70°〜90°の角度を成す。
【0060】
ランド表面に好適な形状としては、これらに限定するものではないが、卵形、円形、方形、正方形、及び三角形が挙げられる。また、ランド表面は、例えば約6.4516mm2〜約19.3548mm2(0.0001平方インチ〜0.003平方インチ)の範囲の面積を有する、様々なサイズのものであってよく、ほぼ同じ面積の結合部位をもたらす。
【0061】
随意的に、結合の前に、吸収層に、所望の結合パターンに対応するパターンで、粒子状物質を形成するようにスリットを付け、又は切断してもよい。ただし、上側の層及び下側の層がそれらから選択される諸材料が、この任意の切断工程の間、無傷のままであるようなものであることが重要である。切断は、吸収層(50)と、上側の層及び下側の層との積層体を一対の円筒ロールに通すことによって達成され、該円筒ロールそれぞれが、好ましくは複数の三角形状の歯を画定する複数の隆起部と谷部とによって形成された、パターン付き表面をその上に有する。円筒ロールは、積層体を、吸収層(50)の降伏−破断点(yield-to-break point)よりも大きいが、上側の層及び下側の層の降伏−破断点よりも小さい力を加える機械的歪み付加法に曝す。ゆえに、上側シート又は下側シートにスリットを付けることなく、吸収層(50)に少なくとも部分的にスリットが付けられる。
【0062】
また、この結合方法(米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載)を使用して、流体貯留部を形成することなく、多層状のクリーニング基材(20)の様々な層を結合させることもできる。例えば、この結合方法を使用して、層の周囲だけで様々な層を結合させることができる。
【0063】
貯留部を形成するための別の結合方法は、超音波結合を含んでおり、この目的に適した機器としては、ブランソン超音波ユニットモデル900BCA(Branson Ultrasonic Unit Model 900 BCA)が挙げられる。例えば、結合すべきクリーニング基材(20)の構成要素は、所望の貯留部に応じてパターンが付けられたプレート上に配置され、クリーニング基材(20)を超音波溶接しながら、例えば約207kPa(30psig)の圧力を使用して圧縮される。
【0064】
結合面積の選択は、吸収性能の低下を最小限に抑えるのに重要である。予想できるように、結合面積が大きいほど、基材の吸収の低下、従って基材の利用度の低下が大きくなる。好ましくは、クリーニング基材全体にわたる(x−y平面内の)総結合面積は、10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは3%未満である。結合面積は、例えば、オートキャドLT98(Auto Cad LT 98)ソフトウェアを使用して以下の方法に従って測定される。
【0065】
1.パターンを描く
2.パターン上を、右から左、上から下へと移動し、反復を見つける。
3.上から下、左から右へと、1つの反復を囲むボックスを描く。
4.描いたばかりのボックス内の要素の数を数える(例えば、45)。
5.要素の占有面積を計算する(例えば、0.025cm×0.254cm=0.006cm2(0.010in×0.1in=0.001in2))。
6.占有面積にボックス内の要素の数を乗じる
(例えば、0.006cm2×45=0.27cm2(0.001in×45=0.045in2))。
7.オートキャドLT98(AutoCad LT 98)で、前に描いたボックス、長さ、及び幅を測定する。
8.長さに幅を乗じる(例えば、2.54cm×5.08cm=13cm2(1in×2in=2in2))。
9.要素の面積をボックスの面積で除す
(例えば、0.27cm2/13cm2=0.0207(0.045in2/2in2=0.0225))。
10.その数に100を乗じて結合面積のパーセンテージを得る
(例えば、0.0207×100=2.07%(0.0225×100=2.25%))。
【0066】
また、クリーニング基材(20)の非結合領域(すなわち、結合前)に対する結合の深さも、摺擦能力に対する消費者の認識並びに実際の摺擦性能に重要である。好ましくは、吸収性能と、落滴と、審美的考慮事項との間の良好なバランスを達成するために、クリーニング基材(20)は、結合深さ指数(BDI:bond depth index)が0.15、好ましくは0.10未満である。BDIは、結合領域の平均キャリパーを、非結合領域、すなわち結合前の平均キャリパーで除すことによって、計算される。通常、クリーニング基材(20)は、非結合厚さが少なくとも最大2mmまで、好ましくは最大4mmまでである。
【0067】
クリーニング基材(20)が多層状のときには、吸収層(50)が、クリーニング基材(20)内に存在する他のすべての層と同一の形状及びサイズを有することが好ましい。より好ましい別の実施形態では、吸収層(50)は、クリーニング基材(20)内に存在する他のすべての層よりも小さいサイズを有する。形状は、他の層と同一の形状であってもよいが、好ましくは異なる形状であり、より好ましくは眼形である。後でより詳細に説明する最も好ましい実施形態では、拭き取り用品は、眼形のモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用され、且つ該クリーニング器具に取り外し可能に取り付けられることになる。この実施形態では、吸収層(50)は、眼形であり、好ましくはクリーニング器具のバンパーパッドの形状と共形である。
【0068】
クリーニング基材(20)が多層状で、且つ吸収層を含む実施形態では、すべての層を結合させる前に、はじめに吸収層が上側の層に接着剤結合されることが好ましい。吸収層(50)が他のすべての層よりも小さいときには、はじめに吸収層(50)が上側の層に接着剤結合され、次いで吸収層(50)を除いたすべての層が周囲で連続的又は不連続的に結合されることが好ましい。
【0069】
(取り付け手段)
本発明による拭き取り用品は、少なくとも1つの取り付け手段を含む。この取り付け手段は、クリーニング基材(20)の上面又は下面に形成されたポケット(30)であり、クリーニング器具又はクリーニング器具の少なくとも一部分を中に挿入できる少なくとも1つの開口部(40)を有する。
【0070】
ポケット(30)は、好ましくは、クリーニング基材(20)の上面又は下面に不織布材料を結合させることによって形成される。この不織布材料は、好ましくは、この層とクリーニング基材(20)の上面との間に少なくとも1つの開口部(40)を残して、クリーニング基材(20)に結合される。はじめに不織布材料をクリーニング基材(20)に結合させてよく、その後、クリーニング用拭き取り用品(10)の前部分が特定の形状に切断される。別法として、不織布材料が所定の形状を有していてもよく、次いでそれがその周囲でクリーニング基材(20)に結合される。不織布材料をクリーニング基材に結合させる好ましい一方法は、既に前述した米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載されている結合方法である。
【0071】
ポケットが上面に形成されるときには、クリーニング器具のモップヘッド又はユーザーの手をポケットに挿入することができる。ポケットが下面に形成されるときには、はじめにモップヘッド又は手を上面に置き、その後、ポケットを折ってモップヘッド又は手にかぶせる。ポケットは、クリーニング基材を引き上げて、モップヘッドの下面に近付ける際に役立つ。ポケットはまた、使用のための方向性を与える。
【0072】
前述した、いずれの不織布材料又は不織布材料の組み合わせも、ポケットに使用してよい。好ましくは、不織布材料は、非吸収性で、非合成材料よりも合成材料を高い割合で含んでおり、高い密度を有する。好ましくは、不織布材料は、50%〜100%の合成材料と、0%〜100%の非合成材料とを含む。最も好ましくは、不織布材料は、スパンボンド材料、成形フィルム、いずれかの種類のスパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド複合材、メルトブロウンフィルム、及び繊維性不織布構造、又はスクリムである。不織布材料はまた、好ましくは、材料の長さがその弛緩状態の10%よりも大きく延びるような、幾らかの弾性特性を有する。重要なことには、不織布材料は、使用時に裂けないように十分な強度及び耐久性をもたなければならない。不織布材料は、坪量が約15gm-2〜100gm-2、好ましくは15gm-2〜70gm-2、最も好ましくは15gm-2〜50gm-2である。不織布材料の密度は、好ましくは0.1g/cm3よりも大きい。また、ポケットの形成に、ガーゼ又はポリマーメッシュ若しくはネットを使用し得ることも想定される。
【0073】
ポケット(30)は、少なくとも1つの開口部(40)を有する。好ましい実施形態では、開口部(40)は、クリーニング基材(20)の長手軸にほぼ垂直であり、すなわち、開口部(40)は、yz次元にある。この開口部(40)は、好ましくは、実質的にクリーニング基材(20)の幅全体に延びる。開口部は、前縁(21)から離れたところに、好ましくは拭き取り用品の中心近くに、又は拭き取り用品の後部分に向かって配置される。ポケット(30)は、第1の開口部(40)に平行な、前縁(21)に向かって配置された追加の開口部(40)を含んでよい。
【0074】
別の好ましい実施形態では、図4に示したように、開口部(40)は、yz次元ではクリーニング基材(20)の後縁(24)に向かって、又はさらに該後縁(24)のところに配置され、x−y次元ではクリーニング基材(20)の長手軸上を延びる、開口部(40)である。
【0075】
別の好ましい実施形態では、ポケットを形成する材料は、クリーニング基材の周囲全部に結合されており、開口部は、xy次元にあり、該材料の中央に配置される。この一例は、図8に示したように、眼形の開口部を備えたポケットを有する、眼形のクリーニング用拭き取り用品である。
【0076】
ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の少なくとも約2%、ただし約90%以下を覆う。ポケット(30)が上側又は下側の層の表面積の2%未満を覆うときには、ポケット(30)は、小さすぎて、クリーニング器具のモップヘッドに適切に取り付けることができず、又は該モップヘッドによって保持することができない。したがって、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の約2%〜約90%、好ましくは約2%〜約85%、より好ましくは約5%〜約50%、さらに好ましくは約10%〜約30%、最も好ましくは約20%〜約30%を覆う。最も好ましくは、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の約25%を覆う。
【0077】
別法として、図9に示したように、ポケットは、クリーニング基材の上側又は下側の層の約90%〜約100%を覆い、yz次元にある後縁付近又は後縁上の開口部と、さらにポケットを形成する不織布材料内のスリット(41)とを有する。スリット(41)は、クリーニング基材の長手軸(すなわち、x軸)上に配置される。スリット(41)は、後縁からクリーニング基材の少なくとも中心まで延びるが、好ましくはクリーニング基材の長さの約50%〜約98%、より好ましくはクリーニング基材の長さの約70%〜約90%、さらに好ましくは約70%〜約80%まで延びる。
【0078】
ポケット(30)のx−y次元の断面は、好ましくは少なくとも1つの対称軸を有し、より好ましくは対称軸を1つだけ有する。1つの対称軸は、クリーニング基材(20)の長手軸上に配置される。ポケット(30)は、好ましくは、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、半眼形、ほぼ台形、ほぼ方形、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される形状をしている。ただし、ポケットはまた、より複雑な形状であってもよい。好ましい実施形態では、ポケット(30)は、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、又は半眼形である。きわめて好ましい実施形態では、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の長手軸上に配置された尖端を有する。後者は、隅角部におけるクリーニングを可能にするので特に有益である。また、少なくとも片側に三角形、眼形、又は尖端をもつ他のいずれかの形状を有するモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用されるときに、より良好な適合をもたらす。
【0079】
ユーザーが拭き取り用品をクリーニング器具に取り付ける際に役立つように、ポケット(30)を形成する不織布層には、1以上の孔、ループ、つまみ(tabs)、延長部、又はこれらの組み合わせを設けてよい。別法として、ポケットを開口部の縁部のところで折ってもよい。これらの機構によって、ユーザーは、不織布層を持ち上げて開口部(40)を大きくすることができ、従って、クリーニング器具のモップヘッドを挿入しやすくすることができる。これは、何らかの理由で不織布層がクリーニング基材(20)の上面に押し付けられていることが原因で、開口部(40)が小さくなりすぎている場合に、特に有益である。
【0080】
ポケット(30)が前述のように形成されることが好ましいが、ポケット(30)はまた、方形のクリーニング基材(20)の長手軸の両側で2つの隅角部を折り、それらをベルクロ(Velcro)(登録商標)、接着テープ、繋着材(ties)、クリップ、クランプ、ピンなど、又は本明細書で前述したいずれかの結合機構など、当該技術分野において既知のいずれかの手段で接合することによって形成されてもよい。
【0081】
ポケットは、伸縮性のある不織布材料をさらに含んでよい。伸縮性のある不織布とは、その非弛緩状態から10%よりも大きく延びることのできる不織布材料を意味する。これによって、クリーニングパッドをモップヘッドに取り付けるときに、該クリーニングパッドをより良好に且つより強固にモップヘッドに適合させることができる。
【0082】
(追加取り付け手段)
本発明による拭き取り用品は、好ましくは前述の取り付け手段とは異なる、1以上の追加取り付け手段をさらに含んでよい。
【0083】
本発明の拭き取り用品をクリーニング器具に取り付けるのに適した取り付け手段は、これらに限定するものではないが、拭き取り用品内の1以上の突出部(モップヘッド上の(1以上の)ピンに対応する)、フック若しくはループファスナ、接着剤、ストラップ、又は当該技術分野において既知の他のいずれか好適な取り付け手段、又はこれらのいずれかの組み合わせである。これにはまた、例えばプレススタッドシステムなど、取り付け手段の一部が拭き取り用品上に配置され、取り付け手段の対応する部分がクリーニング器具のモップヘッド上に配置される、取り付け手段も含まれる。
【0084】
これら1以上の追加取り付け手段は、クリーニング器具へのポケット(30)の取り付けをさらに改善するために、拭き取り用品の前縁(21)のところに配置されてよい。それらはまた、側縁(22、23)に配置されてもよく、又は後部分に配置されてもよい。後者は、クリーニング器具のモップヘッドがポケット(30)に挿入され、次いで拭き取り用品を該器具に取り外し可能に取り付けた後で、クリーニング用拭き取り用品(10)を引いて締め付けるようにするので、特に好ましい。このように、拭き取り用品は、より良くモップヘッドの形状と共形になる。
【0085】
きわめて好ましい実施形態では、本発明の拭き取り用品は、クリーニング基材(20)を含んでおり、その際、追加取り付け手段が、拭き取り用品を器具のモップヘッドに連結させる取り付け層である。吸収層(50)が拭き取り用品を器具のモップヘッドに取り付けるのに適していない実施形態では、取り付け層が、必要になる。取り付け層はまた、クリーニング用拭き取り用品(10)の上面を通り抜ける流体の流れを低減又は防止するための手段の役割を果たすこともでき、さらに拭き取り用品の一体性を高めることもできる。吸収層(50)と同様に、取り付け層は、以上の要件を満たす限り、単層又は多層構造から成ってよい。例えばメルトブロウンフィルム及び繊維状不織布構造を含む、積層構造が使用されることが好ましい。好ましい実施形態では、取り付け層は、スパンボンドされたポリプロピレンである。
【0086】
ポケット(30)と取り付け層との組み合わせは、1以上のスリット付き構造を有するモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用されるときに、モップヘッドがポケット(30)に挿入された後でクリーニング用拭き取り用品(10)を引いて固定でき、次いで、拭き取り用品の後縁(24)のところで取り付け層をスリット付き構造内に押し込むことによってクリーニング用拭き取り用品(10)を取り外し可能に固定できる点で、特に有益である。
【0087】
前述のように、1以上の追加取り付け手段は、好ましくはポケットとは異なる。これは、クリーニング基材(20)の同一表面上に2つのポケットが形成された(すなわち、1つが前部分に、1つが後部分に形成された)拭き取り用品を、ポケットを破ることなくクリーニング器具のモップヘッドに取り付けることが困難であり、又は不可能でさえあり、その結果ユーザーの利便性を低下させるからである。大きく変形可能なモップヘッドを有するクリーニング器具と併せて使用されるときにだけ、クリーニング基材(20)の同一表面に2つのポケットを備える拭き取り用品をモップヘッドに取り付け可能になる。ただし、伸縮性のある不織布材料を使用すると、2つのポケットを、変形性の低いモップヘッド、又はさらに硬質のモップヘッドを備えた器具で機能するように設計することができる。ただし、この目的を果たすには、伸縮性のある不織布を含んだポケットは、1つしか必要でない。伸縮性のある不織布とは、その非弛緩状態から10%よりも大きく延びることのできる不織布材料を意味する。別法として、拭き取り用品を、一方の表面(例えば、上面)上の前部分に形成されたポケットと、他方の表面(例えば、下面)上の後部分に形成された別のポケットとを有するように設計してもよい。その場合、それらのポケットの少なくとも1つが伸縮性のある不織布を含むべきであり、好ましくは、後部分に形成されたポケットが伸縮性のある不織布を含むべきである。そのように、クリーニング器具のモップヘッドを前部分にあるポケットに挿入することができ、次いで後部分にあるポケットを裏返しに折ってモップヘッドにかぶせることができる。
【0088】
また、ポケット(30)を形成する材料に1以上のスリットを設けてもよく、その場合、該スリットがモップヘッド上の突起と対応して、良好な適合をもたらし、使用時に拭き取り用品を所定の位置に維持することができる。
【0089】
(クリーニング用拭き取り用品の任意機構)
本発明によるクリーニング用拭き取り用品(10)は、特定のクリーニング作業を実施する際に役立つ1以上の追加機構をさらに含んでよい。
【0090】
そのような機構の1つは、クリーニング基材(20)の下面に取り付けられる摺擦(scrubbing)ストリップである。摺擦ストリップは、下側の層に永久的に取り付けられてよく、又は取り外し可能な接着性摺擦ストリップであってよく、又はベルクロ(Velcro)(登録商標)を使用して取り付けられてもよい。摺擦ストリップは、下面全体を覆ってもよいが、覆うのが下面全体ではないことが好ましい。好ましい実施形態では、摺擦ストリップは、拭き取り用品の前部分に配置され、半楕円形であり、拭き取り用品の前部分と同等又はそれよりも小さいサイズである。また、一連の小さい摺擦ストリップを、拭き取り用品の前部分に設けてもよく、又は拭き取り用品の下面全体に広げてもよい。摺擦ストリップは、浴室の硬質表面でグラウト(grout)及び石灰かす(limescale)を除去するのに特に有用である。摺擦ストリップは、頑固な汚れを除去するために、必然的に研磨材を含む。好適な材料としては、研磨パッドの製造に使用されることが多い材料、通常は、特定の研磨剤を伴うこともあるポリマー又はポリマーブレンドが挙げられる。好適なポリマーの例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリスチレン、並びにこれらのブレンド及びコポリマーなど、熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0091】
典型的な研磨パッドで見られる材料を使用するための代替方法は、摺擦を達成するために剛毛を備えたブラシを使用することである。そのような剛毛は、通常、研磨剤を伴うこともあるポリマー又はポリマーブレンドから構成される。ブラシの状況では、硬さ、剛性、及び/又は耐久性の理由から、やはり、ナイロン製の剛毛が好ましい。好ましいナイロン製の剛毛は、3M社から商標名タイネックス(Tynex)(登録商標)612ナイロンとして市販されるものである。
【0092】
別の手法は、網目(netting)又はスクリム材料を使用して、摺擦ストリップを形成することである。やはり、網目又はスクリムは、通常、場合によっては研磨剤と共に、ポリマー若しくはポリマーブレンドから構成される。網目又はスクリムは、通常、二次構造に巻き付けられて幾らかの嵩をもたらす。網目における穴の形状としては、これらに限定するものではないが、正方形、方形、菱形、六角形、又はこれらの混合など、様々な形状を挙げることができる。通常、網目の穴によって作られる面積が小さいほど、摺擦能力が大きくなる。これは、主に、スクリム材料が交差する点が多く存在し、これら交差する点が床と接触することになるという事実に起因する。網目又はスクリムを巻き付けるための代替方法は、溶融押し出されたポリマーを不織布のような二次構造上に直接適用することである。硬化すると、ポリマーは、二次不織布に比べて堅い最高の材料を作り出し、次にそれが摺擦能力をもたらす。
【0093】
他の好適な材料としては、基材上に印刷又は形成された不連続パターンによってテクスチャが与えられるものが挙げられる。この態様では、耐久性のある材料(例えば、合成材料)を、これらに限定するものではないが、個別のドット及び/若しくは線及び/若しくは小塊(nodules)及び/若しくは縞(striations)及び/若しくは十字形及び/若しくは文字又は可能な任意形状など、連続又は不連続パターンで、基材上に印刷することができる。同様に、連続又は不連続パターンを剥離紙上に印刷してクリーニング基材(20)上に移動させることができ、これでそれが摺擦ストリップの役割を果たすことになる。これらのパターンは、反復型であることができ、又はランダムであることができる。これら耐久性のある材料の例としては、炭酸カルシウム及びケイ酸ナトリウム粒子のような無機材料、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(例えば、様々なナイロン)、及びこれらの混合物を含めた有機ポリマーが挙げられる。好ましい実施形態では、拭き取り用品は、片側に、その上に適用された研磨材の小塊(nodules)及び/又は縞(striations)から形成されるテクスチャを備えた研磨剤表面を有しており、該研磨材は、バレイスHHP2000ショア硬度試験機(Bareiss HHP 2000 Shore Hardness tester)を使用して、約40〜約100ショアD単位の硬度を有する。研磨材は、それが配置される拭き取り用品の側部の外表面積の約5%〜約50%を覆うことができる。本発明の拭き取り用品上に組み込むことのできる研磨剤テクスチャの他の用途は、米国特許第4,833,003号、欧州特許第0946119号、及び国際公開特許WO02/090983号に開示されている。
【0094】
さらに別の代替方法は、摺擦ストリップに研磨剤又は粗粒子物質を含めることである。好適な粒子状物質は、ポリテックス(Polytex)(登録商標)から入手可能な粗インク(coarse inks)を含む。さらに別の代替方法は、摺擦ストリップをベルクロ(Velcro)(登録商標)ループ又はフックから構成することである。
【0095】
摺擦ストリップは、単層又は多層構造であってよい。好ましい摺擦層は、反復される摺擦作業に耐えるのに必要な曲げ剛性を有することを条件に、フィルム材料の形態をとる。好適なフィルム材料は、一般に、厚さが少なくとも50.8μm(2mil)であり、カワバタ(Kawabata)曲げ試験機を使用して測定される曲げ剛性が少なくとも0.10gcm2/cmである。
【0096】
好ましいフィルム材料は、液体、特に汚れを含有する液体を透過させるが、非吸収性であり、その構造内で液体を逆戻りさせてクリーニングされている表面を再湿潤させる傾向が小さい。ゆえに、フィルムの表面は、クリーニング操作の間、乾燥状態を維持する傾向にあり、それによって、クリーニングされている表面の被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)を低減し、表面をほぼ乾いた状態に拭き取ることができる。好ましくは、フィルム材料は、クリーニング基材の主要部から離れてフィルム表面から外向きに延びる、複数の突出部を含む。代替的に、又は追加的に、フィルムが複数の孔を含んでもよい。前述のフィルム材料内に形成された突出部及び/又は孔は、様々な形状及び/又はサイズのものであってよい。
【0097】
クリーニング用拭き取り用品(10)は、クリーニング器具のモップヘッドに取り付けたときに、モップヘッドの下面に広がる摺擦層を含んでよい。クリーニング基材(20)の下側の層は、摺擦層の形態をとってよい。通常、摺擦層は、クリーニング基材の最も外側にあり、ゆえに、クリーニング操作の通常の過程で、クリーニングすべき表面に接触する。この場合、摺擦層は、クリーニングされている表面を損傷しないように、必然的に摺擦ストリップよりも磨耗性の低いものでなければならない。
【0098】
摺擦層は、単層又は多層構造であってよい。広範な材料が、摺擦層で使用するのに適しており、例えば、WO−A−0027271に開示されている。具体的には、摺擦層は、織布及び不織布材料;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどのポリマー材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムを含んでよい。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木質繊維若しくは綿繊維)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレン、及びポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ナイロン)、並びに合成セルロース(例えば、RAYON(登録商標))、ポリスチレン、並びにこれらのブレンド及びコポリマーなどの合成繊維、並びに天然繊維と合成繊維との組み合わせを含むことができる。このような合成繊維は、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなど、既知の方法によって製造することができる。
【0099】
摺擦層は、少なくとも部分的に、孔あき成形フィルムを含んでよい。孔あき成形フィルムは、溶解した粒子状物質及び溶解していない粒子状物質を含め、汚れを含有する水性クリーニング液を透過させるが、非吸収性であり、その中で液体を逆戻りさせてクリーニングされている表面を再湿潤させる傾向が小さいので、液体透過性摺擦層には孔あき成形フィルムが好ましい。ゆえに、クリーニングされている表面に接触する成形フィルムの表面は、乾いたままであり、それによって、クリーニングされている表面の被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)を低減し、表面をほぼ乾いた状態に拭き取ることができる。
【0100】
テーパ孔又は漏斗形孔を有する孔あき成形フィルム(孔の下端での直径が孔の上端での直径よりも大きいことを意味する)は、実際、クリーニングされている表面上をクリーニング基材が移動するときに吸引効果を示す。これは、クリーニングされている表面から吸収層(50)のようなクリーニング基材の他の層へと液体が移動する際に役立つ。加えて、テーパ孔又は漏斗形孔は、液体が吸収層(50)のような他の層へと移動した後で、該液体が摺擦層を通ってクリーニングされている表面へと逆戻りするのを阻止する傾向がさらに強い。ゆえに、テーパ孔又は漏斗形孔を有する孔あき成形フィルムが好ましい。好適な孔あき成形フィルムについては、米国特許第3,929,135号、名称「テーパした毛管を有する吸収性構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」(トンプソン(Thompson)、1975年12月30日発行);米国特許第4,324,246号、名称「耐汚性トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」(ミュレーン(Mullane)ら、1982年4月13日発行);米国特許第4,342,314号、名称「繊維状特性を示す弾性プラスチックウェブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」(ラデル(Radel)ら、1982年8月3日発行);米国特許第4,463,045号、名称「無光沢可視表面及び布状の触感を示す巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行);並びに米国特許第5,006,394号、名称「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」(ベアード(Baird)、1991年4月9日発行)に記載されている。本発明に好ましい液体透過性摺擦層は、上記特許の1つ以上に記載されている、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)よりDRI−WEAVE(登録商標)として生理用ナプキンで販売される、孔あき成形フィルムである。
【0101】
親水性の孔あき成形フィルムをクリーニング基材の液体透過性摺擦層として使用できるが、硬質表面クリーニングの状況では、摺擦層を通ってクリーニングされている表面上へと液体を逆戻りさせる傾向が小さいので、疎水性孔あき成形フィルムが好ましい。これは、被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)、少ない残留汚れ、並びにクリーニングされている表面の急速な乾燥時間の点で、クリーニング性能の改善をもたらし、これらすべてが硬質表面クリーニングの非常に重要な側面である。ゆえに、ここでのクリーニング基材の液体透過性摺擦層は、好ましくは、少なくとも部分的に、疎水性孔あき成形フィルムである。また、摺擦層を2種類以上の材料から構成できることも認識されている。
【0102】
好ましい実施形態では、液体透過性摺擦層は、使用時にクリーニングされている硬質表面と接触する摺擦層の下面に、好ましくは突起又は表面収差を有する、巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブである。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「巨視的に伸張された」とは、三次元プラスチックウェブ、リボン、及びフィルムを記述するために使用されるときには、その両面が三次元成形構造の三次元パターンを示すように前記成形構造の表面と共形にされているウェブ、リボン、及びフィルムを指しており、前記パターンは、観察者の眼とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(約12インチ)であるときに、容易に肉眼で見ることができる。このような巨視的に伸張されたウェブ、リボン、及びフィルムは、通常、エンボス加工によって、すなわち前記成形構造が主にオス型突起から構成されるパターンを示すときにはエンボス加工によって、又はデボス加工(debossing)によって、すなわち該成形構造が主にメス型毛管網状構造から構成されるパターンを示すときにはデボス加工によって、又はいずれかの種類の成形構造の表面上に樹脂溶融物を直接押し出すことによって、前記成形構造の表面と共形にされる。対比の目的で、用語「平面的」とは、本明細書でプラスチックウェブ、リボン、及びフィルムを記述するために用いられるときには、肉眼によって巨視的スケールで見たときのウェブ、リボン、又はフィルムの全体的な状態を指す。この状況では、「平面的な」ウェブ、リボン、及びフィルムには、片側若しくは両側に微細なスケールの表面収差を有するウェブ、リボン、及びフィルムを含めることができ、前記表面収差は、観察者の眼とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(約12インチ)以上であるときには、肉眼で容易には見ることができない。
【0104】
表面収差は、当該技術分野において周知のフォトエッチング法によって、プラスチックウェブ上に生み出される。そのようなウェブ及びそれを製造するプロセスについての詳細な説明は、米国特許第4,463,045号(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)によって開示されており、その特許を本明細書に参考として組み込む。アール(Ahr)らは、おむつ、生理用ナプキン、失禁用具などにおいてトップシートとして使用される、表面収差を有する巨視的に伸張された三次元ウェブを開示している。表面収差を有するウェブは、該ウェブに無光沢の外観を付与し、おむつや生理用ナプキンなどの着用者がより布状に感じるようにすることによって該ウェブの触感を改善するので、アール(Ahr)らは、表面収差を有するウェブを好んでいる。ただし、硬質表面クリーニングの状況では、クリーニング基材の外観及び触感は、さほど重要ではない。表面収差を有する巨視的に伸張された三次元ウェブを含む液体透過性摺擦層は、摺擦層の性能改善をもたらす。表面収差は、より良好なクリーニング性能と相関がある、研磨作用の大きい表面をもたらす。表面収差は、テーパ孔又は漏斗形孔と組み合わせると、クリーニング基材のクリーニング、吸収、及び再湿潤特性の向上をもたらす。ゆえに、液体透過性摺擦層は、好ましくは、テーパ孔若しくは漏斗形孔及び/又は表面収差を有する巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブを含む、孔あき成形フィルムを含む。三次元摺擦層は、クリーニング基材が粒子状物質を収集する能力を改善するのに特に好ましい。
【0105】
本発明による拭き取り用品で有用な別の機構は、クリーニング用組成物を表面に広げる際に役立つ、拭き取り用品の下面に設けられた親水性ストリップである。このような親水性ストリップはまた、拭き取り用品とクリーニングすべき表面との間の摩擦を増大させ、それによって幾らかの摺擦特性をもたらす。
【0106】
所望のテクスチャをもたらすための前述の手法の1つ以上を組み合わせて、任意の摺擦材料を形成できることが、十分理解されよう。摺擦基材層のz方向高さ及び開いた領域(open area)は、吸収性コア材料(存在する場合)への液体の流入を制御且つ/又は阻止するのに役立つ。摺擦基材層のz高さは、吸収性コア材料への液体吸収又は流体連通の速度を制御しながら、同時にクリーニング表面と接触する液体の体積を制御する手段を提供するのに役立つ。
【0107】
また、拭き取り用品の審美的価値若しくはブランド設定(branding)を改善するために、又は拭き取り用品のユーザー利便性を改善するために、クリーニング用拭き取り用品(10)に印刷してもよい。印刷とは、拭き取り用品に、全体的若しくは部分的に、特定の色を印刷でき、又は、例えば、ロゴ、図画、若しくは文字列(例えば取扱説明)を印刷できることを意味する。また、ポケット(30)だけに印刷してもよく、若しくはクリーニング基材(20)の上面だけに印刷してもよく、又はその両方に印刷してもよい。ポケット(30)とクリーニング基材(20)の上面との両方が印刷されるときには、それらが異なる色で印刷されることが好ましい。特にポケット(30)が印刷される場合、ユーザー利便性を改善するために、該ポケットが、拭き取り用品の他の部分とは異なる色で印刷されることが好ましい。別法として、色付きの不織布を使用してもよい(すなわち、繊維に着色した後で該繊維を不織布材料に製造する、又は樹脂に着色した後で不織布スパンボンド若しくは成形フィルムを製造する、又は不織布の形成後に該不織布を染色する)。
【0108】
(不織布クリーニング用拭き取り用品の種類)
本発明による拭き取り用品の第1の種類は、湿式クリーニング用の吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)である。これらの拭き取り用品は、特に、床又は他の硬質表面のクリーニング用に設計されており、床のクリーニングに適した水性クリーニング用組成物と併せて使用されることになる。好ましい実施形態では、使い捨て吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)は、吸収層(50)と、随意的な摺擦層と、随意的な取り付け層とを含む、多層状のクリーニング基材(20)を含む。
【0109】
吸収層(50)は、使用時にクリーニング用拭き取り用品(10)によって吸収された流体及び汚れを保持する働きをする、必須構成要素である。吸収層(50)はまた、好ましくは、吸収された汚れやクリーニング溶液などが「搾り出される(squeeze-out)」のを回避するために、吸収された物質を通常の使用時圧力下で保持可能であるべきである。所望の総流体吸収力を達成するために、比較的高い吸収力(吸収性材料1g当たりの流体のgに関して)を有する材料を吸収層(50)に含めることが好ましい。したがって、別の好ましい実施形態では、吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)は、前述のように超吸収性材料を含む。本発明の拭き取り用品で有用なクリーニング流体の大部分が水を主体とするので、超吸収性材料は、水又は水を主体とした流体に関して比較的高いg/g吸収力を有することが好ましい。したがって、吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)(特に超吸収性材料を含むもの)は、表面から水又は水を主体とした溶液を効果的に除去するので、水性クリーニング用組成物と併せて使用されるときに相乗的な効果を有する。また、超吸収性ポリマーも、汚れた表面と接触する拭き取り用品の側部を水が存在しない状態に維持するのに役立ち、且つ吸収性使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)の水又は水性化学物質吸収力を大幅に向上させるので、水性クリーニング用組成物と併せて使用すると有益である。さらに、超吸収性ポリマーによって、拭き取り用品から除去された溶液が確実に拭き取り用品内に閉じ込められたままになり、従って、他のすべてのクリーニングシステム(すなわち、超吸収性ポリマーを具備していない、従来のクリーニングシステム、ウェットタイプの拭き取り用品、及び使い捨て吸収性拭き取り用品)に比べて乾燥時間が大きく改善される。
【0110】
任意であるが好ましい摺擦層は、クリーニング中に汚れた表面と接触するクリーニング用拭き取り用品(10)の一部分であり、すなわち、クリーニング基材(20)の下側の層である。したがって、摺擦層として有用な材料は、クリーニングプロセス中に層がその一体性を保つように、十分に耐久性の高いものでなければならない。加えて、クリーニング用拭き取り用品(10)が溶液と併せて使用されるときには、摺擦層は、液体及び汚れを吸収可能で、且つそれらの液体及び汚れを吸収層(50)へと放出可能でなければならない。これによって、摺擦層が確実に、クリーニングされている表面から継続的にさらなる物質を除去可能になる。器具がクリーニング溶液と共に(すなわち、湿潤状態で)使用されるにせよ、クリーニング溶液なしで(すなわち、乾燥状態で)使用されるにせよ、摺擦層は、粒子状物質の除去に加えて、クリーニングされている表面のつや出し、ダスティング、及びバフ研磨(buffing)などの他の機能を促進する。摺擦層は、単層又は多層構造にすることができ、その際、その1以上の層に、汚れた表面の摺擦及び粒子状物質の取込みを促進するためにスリットを付けてよい。この摺擦層は、汚れた表面上を通り過ぎるときに、汚れ(及び、使用されるときにはクリーニング溶液)と相互作用して、頑固な汚れを取りやすくし、乳化させて、それらを拭き取り用品の吸収層(50)へと自由に移動させる。摺擦層は、好ましくは、より大きい粒子状の汚れがその中を自由に移動して拭き取り用品の吸収層(50)内に閉じ込められる、ゆるやかな道をもたらす、開口部(40)(例えば、スリット)を含む。拭き取り用品の吸収層(50)への粒子状物質の輸送を促進するために、低密度構造が、摺擦層として使用するのに好ましい。所望の一体性をもたらすために、摺擦層に特に適した材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(Rayon)(登録商標))、並びにこれらのブレンドなどの合成材料が挙げられる。このような合成材料は、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなど、既知の方法を使用して製造されてよい。別法として、前述したような、摺擦ストリップ、スクリム、又は摺擦特性をもたらす他のいずれかの材料を使用してもよい。
【0111】
前述した、任意であるが好ましい取り付け層は、拭き取り用品を器具のモップヘッドに連結できるようにする。
【0112】
これらの使い捨て拭き取り用品は、汚れを取りやすくするだけでなく、従来のクリーニングツール又はウェットタイプの拭き取り用品に比べて汚れた溶液をより多く吸収する点で有利である。結果として、表面に残る残留物が減少し、乾きも速くなる。拭き取り用品は、独立した製品として使用できるが、好ましくは、特に床表面をクリーニングするための、モップヘッドを備えた器具と併せて使用される。
【0113】
本発明による拭き取り用品の第2の種類は、ウェットタイプの拭き取り用品である。クリーニング基材(20)は、床、バスタブ、壁、車など、硬質表面のクリーニングに適した硬質表面クリーニング用組成物で予め湿らされる。本明細書の基材は、天然又は合成の、当該技術分野において既知のいずれか一連の繊維から形成することができる。有用で好適な繊維の種類の例としては、パルプ、テンセル(Tencel)(登録商標)レーヨン、レンジングAGレーヨン(Lenzing AG Rayon)(登録商標)、マイクロデニールレーヨン(micro-denier Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。繊維は、エアレイド、ウェットレイイング(wet laying)、メルトブロウン、スパンボンド、カード、スパンレース、ニードルパンチング通気加工(thru-air processing)など、当該技術分野において既知の方法によって製造することができる。不織布基材は、単層状の拭き取り用品にすることもできるが、より好ましくは積層体を形成するように結合された多数の層から構成される。
【0114】
不織布が単層状基材である場合、それが親水性繊維(パルプ、レーヨン(Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、並びにこれらの混合物を含めた、セルロース若しくはセルロース由来繊維)と、疎水性繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物を含めた、合成繊維)との両方を、約1:5〜約10:1、より好ましくは約1:3〜約5:1、さらに好ましくは約1:2〜約3:1、最も好ましくは約1:1〜約3:1の比で含むことが好ましい。表面に面する拭き取り用品の面は、随意的なテクスチャ付きであり、又は巨視的に三次元的である。単層状の拭き取り用品は、好ましくは、坪量が1平方メートル当たり約35g(gm-2)〜約200gm-2、より好ましくは約40gm-2〜約150gm-2、最も好ましくは約45gm-2〜110gm-2である。荷重率(load factor)、すなわち、g/g基準による乾燥不織布基材に添加される溶液のレベルは、好ましくは約2:1〜約7:1、より好ましくは約2.5:1〜約6:1、最も好ましくは約3:1〜約5:1である。
【0115】
基材の化学的組成の選択は、ウェットタイプの拭き取り用品からの所望の溶液放出特性に左右される。親水性繊維は、所与の坪量及び荷重率において、疎水性繊維よりも多くの溶液を吸収し、これが床への低い溶液放出特性をもたらす。水性クリーニング用組成物の放出が少ないことは、表面の濡れを制限し、それが乾燥を助けるので、有利な場合がある。表面の濡れの低減はまた、荷重率を制御することによって達成することもできる。最終的には、硬質表面クリーニング用組成物を含むウェットタイプの拭き取り用品の開発において不織布基材のパラメータを慎重に操作することによって、表面上の濡れを制御することができ、これが、従来の器具(スポンジやセルロースストリップなど)によって供給される水性クリーニング溶液に勝る利点をもたらすことが、当業者には理解されよう。選択された不織布基材が材料の積層体であるときに、このような利点を高めることができる。
【0116】
好ましい実施形態では、ウェットタイプの拭き取り用品は、多層状であり、液体貯留部の働きをする吸収層と、任意であるが好ましくは、外側の摺擦層若しくはバフ層と、任意で、保護用の背面層(随意的に取り付け層の働きをする)と、任意で、前述のような詰綿を含むクリーニング層とを含む。乾燥した積層拭き取り用品は、荷重率約2:1〜約10:1、より好ましくは約3:1〜約8:1、さらに好ましくは約4:1〜約7:1、最も好ましくは約4:1〜約6:1で硬質表面クリーニング用組成物によって濡らされる。外側の摺擦層若しくはバフ層は、坪量が約15gm-2〜約100gm-2、より好ましくは約20gm-2〜約80gm-2、最も好ましくは25gm-2〜約75gm-2の不織布基材である。外側の層は、好ましくは、巨視的に三次元の構造を有しており、それには随意的なスクリム材料が含まれる。外側の摺擦層は、随意的に、約0重量%〜50重量%の親水性繊維と、約50重量%〜約100重量%の疎水性繊維とを含む。内側の吸収層は、好ましくは坪量が約60gm-2〜約300gm-2、より好ましくは約80gm-2〜約200gm-2、最も好ましくは約90gm-2〜約160gm-2である。好ましくは、それは、約70%〜約90%の木材パルプ繊維若しくは他のセルロース材料、及び/又は約1%〜約30%の結合剤、及び/又は約1%〜約30%の2成分繊維から構成される。内側の吸収層の繊維は、いずれのデニールであることもでき、また、いずれの繊維密度を有することもできる。特に、内側の吸収層がエアレイドである場合、繊維密度を微調整し、それによって内側の吸収層に存在する水性クリーニング用組成物の量を制御することができる。内側の吸収層における繊維密度、材料の化学的組成及び加工、並びに外側の摺擦層若しくはバフ層の坪量を操作することによって、当業者は、モップがけ作業によって表面上にもたらされる濡れを制御することができる。内側の吸収層は、随意的に、坪量が100gm-2未満で、約50%〜約90%のセルロース材料及び約10%〜約50%の合成材料を含有する、スパンレース不織布から成るものであってよい。任意の背面層は、好ましくは、半透性層の役割を果たす熱可塑性スパンボンド不織布材料である。それは、また、内側の吸収層からの溶液の喪失を防ぐ不透性フィルムとして、又はモップヘッドへの取り付け層としての役割を果たすことができる、坪量の小さい(好ましくは約50gm-2未満)ポリエチレン又はポリプロピレンシートであることもできる。
【0117】
ウェットタイプの拭き取り用品には、既知の硬質表面クリーニング用組成物を含浸させることができる。硬質表面クリーニング用組成物は、通常、界面活性剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、ポリマー、抑泡剤、酵素などのうちの1以上を含む、水を主体とする溶液である。好適な界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、双極性、両性、及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネートなどが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルエトキシレート、アルキルフェノール−エトキシレート、アルキルポリグルコシド、アルキルグルカミン、ソルビタンエステルなどが挙げられる。双極性界面活性剤の例としては、ベタイン及びスルホベタインが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アルキルアンホグリシネート(alkylampho glycinates)及びアルキルイミノプロピオネートなど、イミダゾール化学物質を使用して誘導される物質が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアンモニウム界面活性剤が挙げられる。以上の物質は、すべて市販されており、マカッチャンの第1巻:乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Vol.1:Emulsifiers and Detergents)、北米版(North American Ed.)、マカッチャン部門(McCutcheon Division)、MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)(1995)に記載されている。
【0118】
好適な溶媒としては、モノ−及びジ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、モノ−、ジ−、及びトリ−プロピレングリコールn−ブチルエーテルなど、オキシエチレングリコール及びオキシプロピレングリコールの短鎖(例えば、C1〜C6)誘導体が挙げられる。好適なビルダーとしては、オルトホスフェート及びピロホスフェートなどのリン源、並びにニトリロ三酢酸及びS,S−エチレンジアミン二コハク酸などの非リン源から誘導されるものが挙げられる。好適なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸及びクエン酸などが挙げられる。好適なポリマーとしては、アニオン性、カチオン性、双極性、及び非イオン性のポリマーが挙げられる。好適な抑泡剤としては、シリコーンポリマー、及び直鎖若しくは分枝鎖のC10〜C18脂肪酸又はアルコールが挙げられる。好適な酵素としては、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、及び汚れ分解の触媒に有用であることが知られている他の酵素が挙げられる。
【0119】
ウェットタイプの拭き取り用品と共に使用するのに適したクリーニング溶液は、約0.05%のC10アルキルポリグリコシド、約0.01%のエトキシル化ヒマシ油、約0.02%の高分子量変性ポリエチレンイミン、約1%のプロピレングリコールn−ブチル、並びに防腐剤及び/又は香料のような任意の補助剤;並びに約99%〜約90%の脱イオン水又は軟水を含む。
【0120】
本発明による拭き取り用品の第3の種類は、水で活性化させる必要のある、クリーニング用組成物を含浸したクリーニング用拭き取り用品(10)である。該拭き取り用品は、クリーニング基材(20)と、随意的に摺擦基材とを含む。クリーニング基材(20)は、比較的研磨性の高い摺擦基材に比べて、より柔らかい表面を提供する。これらの種類の拭き取り用品は、濡れた状態であることができるが、好ましくは乾燥した手触りである。「乾燥した手触り(dry-to-the-touch)」とは、拭き取り用品が、湿式拭き取り用品若しくはウェットタイプの拭き取り用品の手触りのように、湿った若しくは濡れた手触りになる量の水又は他の溶媒を含まないことを意味しており、基材は、液体、一般的には低粘度の組成物中で含浸される(すなわち、浸される)。
【0121】
クリーニング基材は、クリーニングを拡張するための液体貯留部の働きをする、前述のような吸収層と;任意で、保護用の背面層(随意的な取り付け層の働きをする)と;任意で、好ましくは使用時の起泡の目的で、前述のような詰綿を含むクリーニング層とを含む。任意の背面層は、好ましくは、半透性層の役割を果たす熱可塑性スパンボンド不織布材料である。それはまた、内側の吸収層からの溶液の喪失を防ぐ不透性フィルムとして、又はモップヘッドへの取り付け層としての役割を果たすことができる、坪量の小さい(好ましくは約50gm-2未満)ポリエチレン又はポリプロピレンシートであることもできる。任意の摺擦基材は、前述したようないずれかの摺擦手段であることができるが、好ましくは摺擦層又はスクリムである。クリーニング基材及び摺擦基材は、好ましくは互いに取り付けられ、場合によっては互いに可逆的に取り付けられる。取り付ける地点は、摺擦基材とクリーニング基材(20)とが互いに取り付けられるのであれば、拭き取り用品の表面上のいずれの地点にすることもできる。さらに好ましくは、クリーニング基材及び摺擦基材は、摺擦基材及び/又はクリーニング基材(20)の周囲で互いに取り付けられる。基材は、好ましくは超音波シールを使用して互いに取り付けられるが、例えば、ヒートシール、接着剤、縫製、及びこれらの組み合わせの使用など、一般的に知られている他の方法を使用してもよい。
【0122】
クリーニング用組成物は、好ましくは、濃縮溶液、ペースト、又はゲルの形態である。クリーニング用組成物は、通常、前述のように、界面活性剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、ポリマー、抑泡剤、酵素などのうちの1以上を含む。本明細書で使用するとき、「ペースト」は、剪断速度1s-1で50パスカル秒(Pa.s)の最低粘度をもつ、0%〜約40%の水を含む化学組成物である。溶媒含有量は、約40%を超えることができるが、その場合、水であり得るのが最高でも組成物の40%であることに留意する。極端な一例では、ペーストは、微量の水しか含有しない、より好ましくは少なくとも約1%の水、さらに好ましくは少なくとも約2%の水、最も好ましくは少なくとも約3%の水を含有する、粉末又は固体である。別の極端な一例では、ペーストは、約40%ほどの高さの水分含有量、より好ましくは約5%〜約30%、より好ましくは約6%〜約25%、さらにより好ましくは約7%〜約20%、最も好ましくは約7%〜約15%の水を含むことができる。正確な水分含有量は、ペースト中の他の溶媒のレベルと、ペーストの所望のレオロジー的特性とによって決まる。ペーストの粘度は、一般に、水及び他の溶媒を含め、組成物中の液体含有量(25℃における)に反比例する。好ましくは、ペーストの粘度は、剪断速度1.0s-1において、少なくとも約75Pa.s、より好ましくは少なくとも約100Pa.s、最も好ましくは少なくとも約150Pa.sである。好ましくは、ペーストの粘度は、剪断速度1.0s-1において、最大でも約10,000Pa.s、より好ましくは最大でも約5000Pa.s、最も好ましくは最大でも約1,000Pa.sである。好ましい粘度範囲は、具体的なペースト組成物の構成成分によって決まる。以上で定義した最低粘度レベル及び最高粘度レベルから成るいずれの範囲も使用することができる。
【0123】
クリーニング用拭き取り用品の第4の種類は、乾式ダスティング拭き取り用品である。これらの種類の拭き取り用品は、単一の不織布層から形成できるが、好ましくは、水流交絡によって好ましくは接合される、少なくとも2つの別個の層の複合体である。拭き取り用品は、随意的に、該拭き取り用品の一体性を向上させるためにスクリムを含む。拭き取り用品は、随意的に、汚れの付着を改善する、低いレベルの添加剤を含んでよい。添加剤は、好ましくは0.01%〜25%、より好ましくは1%〜15%、さらにより好ましくは4%〜8%のレベルで基材に添加される。好適な添加剤としては、界面活性剤、油、ワックス、香料、接着剤(感圧性接着剤を含む)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。乾式ダスティングシートの例は、米国特許第6,645,604号に見出すことができる。
【0124】
(クリーニング用拭き取り用品(10)とクリーニング器具とを含むキット)
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、好ましくはクリーニング器具と併せて使用されるが、また、手で(すなわち、手をポケット(30)に挿し込み、次いで汚れた表面を拭き取ることによって)使用することもできる。したがって、本発明の別の態様によれば、
モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)と;
使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)とを含むキットであって、前記クリーニング用拭き取り用品(10)は、
不織布材料を含むクリーニング基材(20)を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、キットが提供される。
【0125】
クリーニング器具は、モップヘッドを備えており、該モップヘッドは、硬質で変形不能であっても、部分的に変形可能であっても、又は完全に変形可能であってもよい。モップヘッドの形状、特にモップヘッドの下面領域の形状は、好ましくは、円形、楕円形、眼形、アイロン形、三角形、正方形、方形、台形、五角形、又は六角形のいずれかである。きわめて好ましい実施形態では、クリーニング器具は、眼形の変形可能モップヘッドを備える。モップヘッドは、好ましくは自在継手によって柄に連結される。モップヘッドは、本発明による拭き取り用品を取り外し可能に取り付けるための1以上の取り付け手段を含んでよい。好ましくは、取り付け手段は、眼形のモップヘッドの後縁に隣接して配置された1つのスリット付き構造である。
【0126】
好ましくは、パッドの1つの層は、モップヘッドと同一の形状であり、モップヘッドに取り付ける間ユーザーから見えている。この目的は、モップヘッドを器具に位置合わせするための容易な方法をユーザーに提供することである。これは、拭き取り用品を置き間違えると製品の満足度が低くなる、又は好ましくない結果をまねき得る、非方形の拭き取り用品の場合に特に重要である。随意的に、この位置合わせは、パッドをモップヘッドと同一の形状へと結合させることによって、又は形状を示すための色若しくは印刷物を使用して、もたらされてもよい。随意的に、この位置合わせはまた、拭き取り用品に含浸させることのできる化学物質(特に該化学物質が乾燥ペースト若しくはゲルの場合)によってもたらされてもよい。随意的に、これらの位置合わせ方法は、位置合わせをもたらすためにモップヘッドの前縁又は後縁のいずれかを利用してもよい。該位置合わせ方法は、設置の混乱がなく、ゆえにモップヘッドの設置及び取り付けが改善されるので、消費者と拭き取り用品との相互作用を低減することが可能である。
【0127】
図10に示したような好ましいクリーニング器具については、米国特許出願第60/499851号及び同第60/49985号(共に2003年9月3日出願)に記載されている。
【0128】
最も好ましい実施形態では、キットは、
変形可能な眼形のモップヘッドを備えたクリーニング器具を含んでおり、前記モップヘッドは、その上面に、後縁の近くに配置された、クリーニング用拭き取り用品(10)を保持するための1つのスリット付き構造を含んでおり;
半眼形の前部分と、半眼形の前部分の形状と共形の半眼形のポケット(30)と、取り付け層と、眼形のモップヘッドと共形の、眼形の吸収層(50)とを含む、クリーニング用拭き取り用品(10)を含む。
【0129】
この最も好ましい実施形態は、特に湾曲した表面のクリーニング及び隅角部のクリーニングの場合に、最適なユーザー利便性、拭き取り用品の取り付け(及び拭き取り用品の取り外し)、並びにクリーニング性能をもたらす。さらに、モップヘッドが変形可能なときには、消費者からモップヘッドへと、最終的には拭き取り用品へと伝わる力は、変形不可能なヘッドに比べて小さい。ヘッドが変形可能であるほど、伝わる力が少なく、クリーニングのための労力が少なくなる。一端にスリット付き構造を備えたモップヘッドを使用するときには、スリット付き構造のために切り取られた空間があるので末端部分がさらに変形可能であることから、モップヘッドの端部における力は、さらに小さくなる。したがって、変形可能なモップヘッドの場合に可能なクリーニング力を最大にするために、前縁にはスリット付き構造を設けず、後縁に1つのスリット付き構造を設けることが、本発明の拭き取り用品と併せて使用するときに有利である。この手法によって、前縁でのクリーニングがより強力になるという消費者利益をもたらしながら、非常に単純な取り付け機構が可能になる。さらに、この好ましい実施形態は、ヘッドの変形性による毛髪収集力の改善という利益をもたらす。
【0130】
さらに、クリーニング基材(20)は、好ましくは、モップヘッドの最大幅の合計に等しく、又はそれ以上で、モップヘッドの側部の高さの2倍である、最大幅を有する。クリーニング基材(20)は、好ましくは、モップヘッドの最大長さの合計よりもわずかに(最大20mmまで)大きく、眼形のモップヘッドの先端の高さの2倍である、長さを有する。
【0131】
(クリーニング方法)
前述のように、本発明の拭き取り用品は、好ましくは、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車など、平らな表面及び湾曲した表面両方の、硬質表面のクリーニングに使用される。
【0132】
したがって、本発明によれば、硬質表面をクリーニングする方法であって、前記表面を使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)で拭き取る工程を含んでおり、前記クリーニング用拭き取り用品(10)は、
不織布材料を含むクリーニング基材(20)を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、方法が提供される。
【0133】
(クリーニング用拭き取り用品の包装)
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)を積み重ねたものは、好ましくは、いずれも再密閉可能な開口部(40)を備える、容器内又はフローラップ(flow wrap)内に包装される。拭き取り用品は、包装を開けたときにポケット(30)が一番上にくるように積み重ねられる。拭き取り用品は、折り畳まずに包装できるが、好ましくは折り畳まれ、より好ましくは3つ折り(tri-folded)、最も好ましくは2つ折り(double-folded)にされる。後者は、クリーニング用拭き取り用品(10)がウェットタイプの拭き取り用品であるとき、又はクリーニング用組成物を含浸した乾燥した手触りのクリーニング用拭き取り用品(10)であるときに、特に有益である。これらの拭き取り用品を2つ折りにすることによって、ある拭き取り用品のクリーニング用組成物と別の拭き取り用品との間の接触が低減され、又はさらに防止される。さらに、皮膚とクリーニング用組成物との間の直接接触が防止されるので、消費者に衛生及び安全利益をもたらす。
【0134】
再密閉可能な開口部は、好ましくは、クリーニング器具のモップヘッド、又は少なくともポケットに嵌入するモップヘッドの部分を開口部に容易に挿入できるように、十分に大きい。必要なときには、ユーザーは、ポケットを形成する不織布材料を持ち上げてから、モップヘッドをポケットに挿入することができる。したがって、ユーザーは、包装内に置かれたままで、モップヘッドをクリーニング用拭き取り用品に便利に取り付けることができる。モップヘッドがポケットに嵌入したら、ユーザーは、クリーニング用拭き取り用品と共にモップヘッドを包装から取り出し、次いで任意の補助取り付け手段によって拭き取り用品を固定することができる。したがって、ユーザーの皮膚との接触が防止され、これは、主にウェットタイプの拭き取り用品の場合に重要である。
【実施例】
【0135】
クリーニング用組成物を含浸したクリーニング用拭き取り用品を、次のように製造した。
【0136】
はじめに、70gm-2の80%ポリプロピレン、20%レーヨン・カーデッドサーマルボンド(Carded Thermal Bond)(ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)のBBAノンウブンズ(BBA Nonwovens)から)を、長さ273mm、幅154mmになるように切断する。この構造を層Aとする。
【0137】
次いで、150gm-2の82%パルプ、18%ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート(PE/PET)2成分エアレイドコア(テネシー州メンフィス(Memphis)のバッカイ・アブソーベント・プロダクツ(Buckeye Absorbent Products)から)の吸収層を、長さ230mm、幅110mmの眼形に切り抜く。次いで、このコアを、15gm-2の100%スパンボンドバックシート(ニューヨーク州グレートネック(Great Neck)のファースト・クオリティ・ノンウブン(First Quality Nonwoven)から)に超音波結合する。これらの材料を、長さ273mm、幅154mmになるように、また、眼形の先端が拭き取り用品の前縁から27mm、拭き取り用品の後縁から16mmにくるように、切断する。眼形の層は、他の側部それぞれにおいて19.5mmになるように中心に配置すべきである。この構造を層Bとする。
【0138】
次に、コアがカーデッドサーマルボンド(Carded Thermal Bond)材料と接触するように、層Aを層Bの上に置く。ここで、この構造を層Cとする。
【0139】
次に、15gm-2層が上方を向くように、層Cをひっくり返す。ここで、この構造を層Dとする。
【0140】
次に、34gm-2の100%ポリプロピレンスパンボンド材料(ニューヨーク州グレートネック(Great Neck)のファースト・クオリティ・ノンウブン(First Quality Nonwoven)から)のストリップを、層Eの前縁上に置く。該材料は、85mm×154mmにすべきである。ここで、この構造を層Eとする。
【0141】
次に、前縁が半眼形に形成され、パッドの残りの部分が完全に結合するように、超音波結合を使用して層Eを結合させる。この時点で、34gm-2スパンボンドは、パッドの約25%を覆うはずである。
【0142】
次に、前縁のところで結合部の周りを切断する。
【0143】
最後に、0.05%のC10アルキルポリグリコシド、0.01%のエトキシル化ヒマシ油、0.02%の高分子量変性ポリエチレンイミン、1%のプロピレングリコールn−ブチルを含み、残りが脱イオン水であるクリーニング溶液30gを、パッド上に与える。これが、最終的なウェットタイプのパッドである。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】半眼形のポケットを有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図2】半眼形のポケットを有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の裏面図。
【図3】ほぼ三角形のポケットを有する別の好ましいクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図4】長手軸上に配置された開口部を備えるポケットを有する別の好ましいクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図5a】周囲で連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図及び側面図。
【図5b】周囲で連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図及び側面図。
【図6】周囲で不連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図7】眼形の吸収層を有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図8】本発明のクリーニング用拭き取り用品の別の実施形態の平面図。
【図9】本発明の代替的なクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図10】好ましいクリーニング器具の斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング器具と共に使用するのに適した、硬質表面、特に、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車などのクリーニングのための、不織布クリーニング用拭き取り用品の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
硬質表面をクリーニングするためのクリーニング用拭き取り用品に関する、多くの文献が存在する。クリーニング用拭き取り用品は、織布又は不織布拭き取り用品として存在する。クリーニング用拭き取り用品は、乾式ダスティング用のクリーニングシート、ウェットタイプ(pre-moistened)の拭き取り用品、又は湿式クリーニング用の吸収性クリーニング用拭き取り用品など、様々な形態で供給されており、使い捨て拭き取り用品又は再利用可能な拭き取り用品として存在する。当該技術分野で記載されているクリーニング用拭き取り用品は、通常は方形である。クリーニング作業は、手を使ってクリーニング用拭き取り用品で表面を拭き取ることによって、又は、クリーニング用拭き取り用品がその上に取り外し可能に取り付けられるクリーニング器具を使用して実施される。
【0003】
近年、クリーニング用拭き取り用品を、自在継手によってモップヘッドに回転可能に連結された細長い柄を備えるクリーニング器具と共に使用することが、非常に普及してきている。そのような器具の一例が、SWIFFER(登録商標)クリーニング器具である。これらの器具のモップヘッドには、通常、自在継手によって柄に連結された硬質の支持プレートと、クリーニングすべき表面に面する、硬質の支持プレートの裏面に配置された「バンパー」又は「クッション」パッドとが含まれる。表面をクリーニングするには、ユーザーは、はじめにクリーニング用拭き取り用品をバンパーパッドの裏面に取り付け、支持プレートの最上面に配置されたスリット付き構造に拭き取り用品の縁部を押し込むことによって該拭き取り用品を取り外し可能に取り付け、それから表面を拭き取る。
【0004】
このようなクリーニング器具の硬質のモップヘッドは、通常は方形であり、従って、方形の拭き取り用品を容易に且つしっかりとモップヘッドに取り付けることができる。このようなモップヘッドを備えた器具は、通常は平らな表面のクリーニングに使用される。
【0005】
しかしながら、非方形のモップヘッドを備えたクリーニング器具も存在する。そのような場合、方形の拭き取り用品がモップヘッドに厳密には適合しないので、該拭き取り用品をモップヘッドに取り付けてモップヘッドによって保持するのが困難である。また、変形可能なモップヘッドを備えたクリーニング器具も存在する。そのようなクリーニング器具は、例えばバスタブやシンクなど、湾曲した表面をクリーニングするのに適している。モップヘッドが変形可能なときには、方形の拭き取り用品を容易に且つしっかりと取り付けて保持する問題が悪化する。
【0006】
クリーニング用拭き取り用品をクリーニング器具のモップヘッドに取り付ける手段は、広く知られている。以上で説明したように、モップヘッドは、拭き取り用品の縁部をその中に押し込むことのできるスリット付き構造(当該技術分野では、通常「把持部(grippers)」と呼ばれる)を備えることがある。拭き取り用品をモップヘッドに固定する他の手段としては、フック若しくはループファスナ(例えば、ベルクロ(Velcro)(登録商標))、クランプデバイス、突出部、クリップ、接着剤、又はこれらのいずれかの組み合わせが挙げられる。これらの取り付け手段の少なくとも一部は、モップヘッド上に配置される。
【0007】
また、取り付け手段を拭き取り用品の上だけに配置してもよい。例えば、再利用可能な洗える織布のクリーニング布(すなわち、織物の布)の領域では、中にモップヘッドを挿入できる2つのポケットを備えた布が存在する。この特定の場合には、モップヘッドは、ユーザーが硬質のモップヘッドを両方のポケットに挿入できるように軸に沿って旋回できる、2つの硬質の部品から成る。挿入されたら、ユーザーは、モップヘッドを床に押し付けて平らなモップヘッドにし、2つの部分を平らな位置にロックする必要がある。やはりこのロックシステムも、時間が経つにつれて弱くなることがあり、その結果、布がもはやモップヘッドと緊合せず、表面から持ち上げられるときにモップヘッドから滑り落ちることがある。バンパープレートが変形可能なときでも、一部品でできた支持プレート及び/又はバンパーパッドを備えるモップヘッドにこれらの種類の拭き取り用品を取り付けることは、明白ではない。さらに、これらの種類の布は、時間が経つにつれて汚くなり、そのクリーニング特性を失う。
【0008】
また、近年、クリーニング用組成物を含浸させた拭き取り用品がますます普及している。含浸拭き取り用品をモップヘッドに取り付けるときには、衛生上及び安全上の理由から、ユーザーの皮膚との接触が低減され、且つモップヘッドへの取り付けが改善されることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の1つの目的は、便利且つ衛生的な形でクリーニング器具に取り付けることのできる、不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、クリーニング器具、特に、変形可能且つ/又は非方形のモップヘッド、具体的には楕円形及び眼形のモップヘッドを備えた器具に、よりうまく、且つより確実に取り付けることのできる、不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、特に隅角部におけるクリーニングのための、クリーニング特性が改善された不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。本発明の別の目的は、便利且つ衛生的にクリーニング器具から取り外すことのできる不織布クリーニング用拭き取り用品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、拭き取り用品に関する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、モップヘッドを備えたクリーニング器具と、硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品とを含むキットであって、該拭き取り用品は、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、キットが提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、硬質表面をクリーニングする方法であって、前記表面を使い捨てクリーニング用拭き取り用品で拭き取る工程を含んでおり、前記クリーニング用拭き取り用品は、
不織布材料を含むクリーニング基材を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材の上面又は下面に形成されたポケットであり、前記ポケットは、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする、方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(定義)
特に指定のない限り、すべての比及び百分率は、重量を基準とする。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「x−y次元」とは、クリーニング用拭き取り用品又はその構成要素の厚さに直交する平面を指す。x次元及びy次元は、それぞれ、クリーニング用拭き取り用品又は拭き取り用品構成要素の長さ及び幅に対応する。一般に、クリーニング用拭き取り用品がクリーニング器具と併せて使用されるときには、拭き取り用品は、好ましくは該拭き取り用品のx次元(若しくは長さ)に平行な方向に移動される(図1参照)。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「z次元」とは、本発明のクリーニング用拭き取り用品又はその構成要素の長さ及び幅に直交する次元を指す。したがって、z次元は、クリーニング用拭き取り用品又は拭き取り用品構成要素の厚さに対応する(図1参照)。
【0016】
本明細書で使用するとき、クリーニング基材の「長手軸」とは、クリーニング基材の長さに沿った軸、すなわち、x軸を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「層」とは、その主要次元がx−yである、すなわち、その長さ及び幅に沿った、クリーニング用拭き取り用品の部材若しくは構成要素を指す。層という用語が、必ずしも材料の単一の層又はシートだけに限定されないことを理解すべきである。ゆえに、層は、必要な種類の材料の何枚かのシート若しくはウェブの、積層体又は組み合わせを含むことがある。それ故に、用語「層」とは、用語「複数の層」及び「層状」を包含する。本発明の目的では、クリーニング用拭き取り用品の「上側の」層は、クリーニングすべき表面から比較的遠く離れた層である。反対に、用語「下側の」層は、クリーニングすべき表面の比較的近くにあるクリーニング用拭き取り用品の層を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「上面」とは、クリーニングすべき表面から比較的遠く離れた表面である。クリーニング基材が多層状のときには、「上面」とは、クリーニング基材の上側の層の上面を意味する。反対に、用語「下面」とは、クリーニングすべき表面の比較的近くにある表面を意味する。普通、「下面」は、クリーニングすべき表面に接触する。クリーニング基材が多層状のときには、「下面」とは、クリーニング基材の下側の層の下面を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「形状」とは、x−y次元にある、すなわち上から見たときの、クリーニング用拭き取り用品又はクリーニング用拭き取り用品の部品の形状を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「眼形(eye-shape)」とは、ほぼ楕円形のx軸上に配置された2つの尖端を有する、ほぼ楕円形を意味する。「半楕円形(semi-elliptical shape)」及び「半眼形(semi-eye shape)」とは、それぞれ、ほぼ楕円形又は眼形の、半分若しくは半分の一部を意味する。
【0021】
(使い捨てクリーニング用拭き取り用品)
本発明による使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)は、硬質表面をクリーニングするためのクリーニング基材(20)と、拭き取り用品をクリーニング器具に取り付けるのに適した少なくとも1つの取り付け手段とを含む。
【0022】
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、使い捨てである。使い捨てという用語は、拭き取り用品が、ただ1回のクリーニング作業、又は少数回のクリーニング作業だけに使用されるように設計されており、その後は好ましくは廃棄されることを意味する。
【0023】
本発明のクリーニング基材(20)、好ましくはクリーニング用拭き取り用品(10)全体は、不織布繊維又は紙から構成される。不織布という用語は、不織布協会(Association of the Nonwoven Fabric Industry)発行の「不織布ハンドブック(Nonwoven Fabrics Handbook)」で与えられる一般に知られている定義に従って、定義されるものとする。紙基材は、EDANA(ISO9092−EN29092の注釈1)によって、その繊維含有量の50質量%超過が繊維(化学的に消化された植物繊維は除く)で構成されており、長さ/直径比が300を上回り、より好ましくはさらに密度が0.040g/cm3未満である基材として定義される。明確にするために、不織布基材及び紙基材の定義には、織られた布地若しくは布又はスポンジは含まれない。
【0024】
クリーニング基材(20)は、好ましくは水及び水性硬質表面クリーニング用組成物を幾らか又は完全に浸透可能である。拭き取り用品は、好ましくは可撓性であり、さらに好ましくは拭き取り用品には、さらに弾力性もあり、これは、加えられた外圧が取り除かれると拭き取り用品がその元の形状を回復することを意味する。
【0025】
クリーニング基材(20)は、天然素材の(変性又は非変性)繊維に加えて、合成製造された繊維を含んでよい。天然繊維としては、人間が変性、再生、若しくは製造することなく天然に得られるものすべてが挙げられ、植物、動物、及び昆虫から生成され、又は植物、動物、及び昆虫の副生成物である。好適な非変性/変性の天然素材の繊維の例としては、綿、エスパルト草、バガス、ケンプ、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学的に変性された木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、酢酸セルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用するとき、「合成」とは、材料が、主に、様々な人造材料から得られること、又は天然材料をさらに変化させて得られることを意味する。本発明で有用な合成材料の非限定例としては、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。好適な合成材料の例としては、アクリラン、クレスラン、及びアクリロニトリル系繊維、オーロンなどのアクリル;セルロースアセテート、アーネル、及びエイセル(acele)などのセルロースエステル繊維;ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610など)などのポリアミド;フォルトレール、コデル、及びポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ダクロンなどのポリエステル;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン;ポリビニルアセテート繊維、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これら及び他の好適な繊維、並びにそれらから調製される不織布については、リーデル(Riedel)の「不織布結合方法及び材料(Nonwoven Bonding Methods and Materials)」、不織布の世界(Nonwoven World)(1987);アメリカーナ百科事典(The Encyclopedia Americana)、第11巻147〜153頁、及び第26巻566〜581頁(1984)に概ね記載されている。好適な合成材料としては、中実の単成分(すなわち、化学的に均質な)繊維、多組成繊維(すなわち、各繊維が2種類以上の材料で構成される)、及び多成分繊維(すなわち、より大きな繊維を製造するために、何らかの形で撚り合わされた2以上の別個のフィラメントの種類を含む合成繊維)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、2成分繊維は、コア−シース構成又はサイド−バイ−サイド構成であってよい。いずれの場合にも、クリーニング基材(20)は、前述の材料を含む繊維の組み合わせ、又は前述の材料の組み合わせをそれ自体が含む繊維を含んでよい。サイド−バイ−サイド構成、コア−シース構成、又は中実の単成分構成など、いずれの場合にも、クリーニング基材(20)の繊維、特に2成分型の繊維は、ヘリカル若しくはスパイラル又は捲縮構成を示すことがある。本発明で使用するのに好適な2成分繊維としては、次のポリマーの組み合わせ、すなわち、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステルなどを有する、シース/コア繊維を挙げることができる。本明細書で使用するのに特に好適な2成分熱可塑性繊維は、ポリプロピレン若しくはポリエステルのコアと、より融点の低いコポリエステル、ポリエチルビニルアセテート、若しくはポリエチレンのシースとを有するもの(例えば、ダナクロン社(Danaklon a/s)及びチッソ社(Chisso Corp.)から入手可能なもの)である。これらの2成分繊維は、同心又は偏心であり得る。本明細書で使用するとき、用語「同心」及び「偏心」とは、2成分繊維の断面積を通るシースの厚さが均一であるか不均一であるかを指す。偏心2成分繊維は、より小さい繊維厚さでより大きい圧縮強さを提供する際に望ましい可能性がある。好ましい2成分繊維は、約81%未満のポリエチレンテレフタレート・コアと、約51%未満のコポリオレフィン・シースとを含む、コポリオレフィン2成分繊維を含む。このような好ましい2成分繊維は、ニュージャージーのヘキスト・セラニーズ社(Hoechst Celanese Corporation)から商標名CELBOND(登録商標)T−255で市販されている。2成分繊維の量は、好ましくは、該繊維がその中で使用される材料の密度によって異なる。
【0026】
不織布を製造する方法は、当該技術分野において周知である。一般に、これらの不織布は、エアレイイング、ウォーターレイイング、メルトブロウン、コフォーム、スパンボンド、又はカーディング方法により製造することができ、これらの方法では、はじめに繊維又はフィラメントを長いストランドから所望の長さに切断し、水流又は気流に通した後、繊維の入った空気又は水をスクリーンに通過させて該スクリーン上に付着させる。次いで、得られた層に、その製造方法又は組成に関わらず、個々の繊維を固着させて自己維持型の基材を形成するための幾つかの種類の結合操作のうちの少なくとも1つが実施される。本発明では、不織布基材は、これらに限定するものではないが、空気交絡、水流交絡、熱結合、カーディング、ニードルパンチング、又は当該技術分野において既知の他のいずれかの方法、及びこれらの諸方法の組み合わせを含め、様々な方法によって調製することができる。ただし、不織布基材を、また、熱可塑性成形フィルムと記述することもある。
【0027】
好ましい不織布基材材料は、坪量が約15gm-2〜約220gm-2、より好ましくは約15gm-2〜約200gm-2、さらに好ましくは約15gm-2〜約110gm-2、最も好ましくは約15gm-2〜約78gm-2である。
【0028】
基材を作製するために使用される繊維に加えて、基材は、指定の結合剤を含め、当該技術分野において知られているようにそれに添加される他の構成成分又は材料を含む場合がある。本明細書で使用するとき、用語「結合剤」とは、繊維をかみ合わせるために使用されるあらゆる剤を記述する。このような剤は、湿潤強度向上樹脂と乾燥強度向上樹脂とを含む。特にセルロース系材料の場合、当該技術分野において湿潤強度向上樹脂として知られる化学物質を添加することが望ましいことが多い。湿潤強度向上樹脂、すなわち紙の技術分野で用いられる湿潤強度向上樹脂の種類に関する一般的な論文は、TAPPIモノグラフシリーズ第29号、紙及び板紙における湿潤強度(Wet Strength in Paper and Paperboard)、紙パルプ技術協会(Technical Association of the Pulp and Paper Industry)(ニューヨーク、1965)に見ることができる。湿潤強度向上添加剤に加えて、また、デンプン結合剤など、当該技術分野において既知の特定の乾燥強度向上及びリント制御添加剤を含めることが望ましい場合もある。不織布を結合させるために使用される好ましい結合剤は、ポリマー結合剤、好ましくはラテックス結合剤、より好ましくは水性(waterborne)ラテックス結合剤である。結合剤は、当該技術分野において既知のいずれかの方法によって基材に適用することができる。好適な方法としては、基材がチューブを横切って通過するときに結合剤をチューブ内に通して該基材と接触させる、噴霧、印刷(例えばフレキソ印刷)、コーティング(例えばグラビアコーティング又はフラッド(flood)コーティング)、パディング、フォーミング、含浸(impregnation)、浸透(saturation)、及び他の押し出し、又はこれらの適用法の組み合わせが挙げられる。
【0029】
本発明の拭き取り用品は、例えば、硬質表面の乾式ダスティングに使用できるが、好ましくは、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車などの硬質表面の湿式クリーニングのためにクリーニング用組成物と併せて使用される。したがって、本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、乾式ダスティング拭き取り用品、湿式クリーニング用の乾燥吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)(はじめにクリーニング用組成物が表面に適用され、その後、該表面が拭き取り用品で拭き取られる)、ウェットタイプの拭き取り用品、又は、例えば、濃縮溶液、ペースト若しくはゲル、の形態のクリーニング用組成物を含む、水と接触させることによって活性化させる必要のある、湿式クリーニング用の乾燥した手触りの(dry-to-the-touch)クリーニング用拭き取り用品(10)など、様々な形態で存在可能である。
【0030】
(クリーニング基材)
クリーニング基材(20)は、単層状にすることもできるが、好ましくは多層状である。クリーニング基材(20)は、長手軸(すなわち、x軸)を有し、上面と下面とを含む。
【0031】
クリーニング基材(20)は、これらに限定するものではないが、方形、楕円形、眼形、又はさらに複雑な形状を含め、様々な形状にすることができる。好ましくは、クリーニング基材(20)は、非方形である。きわめて好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、長手方向に延びる2つの側縁(22、23)によって後縁(24)に連結された前縁(21)を有しており、該前縁(21)は、湾曲し、丸みを帯び、波状で、角張り、又はこれらの組み合わせであるが、好ましくは、半眼形、ほぼ半楕円形、ほぼ三角形、又はこれらの組み合わせである。好ましくは、クリーニング基材(20)の前縁(21)は、クリーニング基材(20)の長手軸(すなわち、x軸)上に配置された尖端を備える半眼形である。別のきわめて好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、眼形である。
【0032】
クリーニング基材(20)は、好ましくは、長さ/幅比が約3:1〜約1.25:1、より好ましくは約2:1〜約1.5:1である。最も好ましくは、長さ/幅比は、約1.75:1である。
【0033】
クリーニング基材(20)は、好ましくは多層状であり、上側の層と下側の層とを含む。これらの層は、単一構造を形成するように結合される。これらの層は、これらに限定するものではないが、接着剤結合、熱結合、超音波結合などを含めた様々な方法で結合させることができる。これらの層は、手で、又は当該技術分野において既知の従来のライン転換プロセスによって、クリーニング基材(20)を形成するように組み合わせることができる。
【0034】
層が接着剤結合されるときには、接着剤は、通常、該接着剤によって形成される結合が、湿潤環境において、特にクリーニング用拭き取り用品(10)に流体及び/又は汚れが染み込んでいるときに、その強度を維持可能であるように選択される。接着剤の選択は、2つの吸収層(50)を結合させるとき、吸収層(50)と取り付け層とを結合させるとき、又は吸収層(50)と液体透過性の摺擦層(scrubbing layer)とを結合させるときに、特に重要である。この状況では、接着剤は、通常、接着剤が結合に高い耐水性を与えるように、例えば、乾燥結合強度値の少なくとも約30%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%の結合保持力を与えるように選択される。結合強度値は、一部修正されたASTM D1876−95(1995)(Tピール試験(T-Peel Test))標準法に従って測定することができ、これについては米国特許第5,969,025号(コルツァーニ(Corzani)、1999年10月19日発行)に詳細に記載されている。本発明で使用できる接着剤としては、ビニルアセテート又は他のビニルエステルを主体とし、ホモポリマーからエチレン及び/若しくはアクリルモノマー(ビニルアクリル)とのコポリマーまでに及ぶものを含めた、ビニルエマルション;ホモポリマー又はコポリマーのいずれかであり得るアクリルエマルション;ポリマー自体を架橋可能な(例えば、ヒドロキシル、エポキシ、若しくはイソシアネート基と反応するカルボキシル基)反応性コモノマー(例えば、カルボキシル、ヒドロキシル、エポキシ、アミド、イソシアネートなどの官能性部を含有するモノマー)を含めることによって、又は外部の架橋剤(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート、ポリオール、エポキシド、アミン、及び金属塩、特に亜鉛)との反応によって作り出されるものを含めた、架橋接着剤が挙げられる。また、本明細書の接着剤には、ビニルアセテート/エチレンコポリマーラテックスへの水素添加ロジンエステル粘着付与剤の添加など、接着性を改善するために、限られた量の粘着付与樹脂も含めることができる。水を主体とする他の好適な接着剤組成物としては、米国特許第5,969,025号(コルツァーニ(Corzani)、1999年10月19日発行)に開示されているものが挙げられる。
【0035】
クリーニング基材(20)が多層状のときには、異なる層を、また、連続的又は不連続的に周囲で結合させてもよい。周囲でのこの結合は、異なる層を結合させる唯一の方法であってもよいが、好ましくは本願に記載した他の結合メカニズムに加えて実施される。これは、はじめに、前述したいずれかの方法を使用して幾つかの層を密接に結合させ、次いでその上に、単に周囲で結合させることによって、追加の層を結合させることができることを意味する。
【0036】
特に好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、嵩張りのある基材、より好ましくは詰綿基材を含む。詰綿は、TAPPI不織布協会(TAPPI Association of the Nonwoven Fabrics Industry)に従って、繊維の柔軟で嵩高な集合体として定義される。詰綿は、好ましくは、前述したような合成材料を含む。本明細書ではまた、「詰綿層」とは、嵩が高く、弾力性があり、且つ低密度の不織布構造を意味する。本明細書では、「低密度」又は嵩張りのある不織布(lofty nonwoven)とは、層が、密度約0.00005g/cm3〜約0.1g/cm3、好ましくは約0.001g/cm3〜約0.09g/cm3であり、0.775g/cm2(5g/in2)において厚さ約0.1cm〜約5.0cmであることを意味する。
【0037】
本発明による好ましい実施形態では、詰綿層は、嵩張り(loft)が少なくとも約1mm、好ましくは約2mm〜約4mmである。本発明による別の好ましい実施形態では、詰綿層は、密度が約0.00005g/cm3〜約0.1g/cm3、好ましくは約0.001g/cm3〜約0.09g/cm3である。
【0038】
好ましい実施形態では、詰綿繊維の割合は、ヒートシール又は超音波結合可能である。特に好ましい実施形態では、クリーニング基材(20)は、単成分繊維と2成分繊維との組み合わせを含む。より具体的には、クリーニング基材(20)が、ポリエステル単成分繊維と、ポリエステルコア・ポリエチレンシースの2成分繊維とを含むことが好ましい。
【0039】
詰綿はまた、天然繊維を含んでもよい。好適な天然繊維については、以上で記載した。さらに、詰綿の繊維は、様々なサイズのものであってよく、すなわち、詰綿の繊維は、様々な平均厚さを有する繊維を含んでよい。また、繊維の断面は、円形、扁平、卵形、楕円形、又は他の形状であることができる。
【0040】
本発明のクリーニング基材(20)は、好ましくは吸収層(50)を含む。吸収層(50)は、使用時に流体を吸収且つ保持可能ないずれかの材料を含む。吸収層(50)が上側の層と下側の層との間に挟まれることが好ましい。通常、吸収層(50)は、不織布繊維性材料を含む。吸収層は、天然素材の繊維だけ、若しくは合成繊維だけを含むことができ、又は天然素材の繊維と合成繊維とのいずれか適合性のある組み合わせを含むことができる。本明細書で有用な繊維は、親水性若しくは疎水性であることができ、又は親水性繊維と疎水性繊維との組み合わせであることができる。本明細書で使用するとき、用語「親水性」は、その上に付着した水性流体によって湿潤可能な表面を指すために使用される。親水性及び湿潤性は、通常、関与する流体及び固体表面の接触角並びに表面張力の点から定義される。これについては、アメリカ化学会(American Chemical Society)出版物(1964年版権)、名称「接触角、湿潤性、及び接着(Contact Angle,Wettability,and Adhesion)」(ロバート・F・グールド(Robert F.Gould)編集)に詳細に記載されている。ある表面は、流体とその表面との間の接触角が90°未満のとき、又は流体が表面全体に自然に広がる傾向にあるときに、流体によって濡れる(すなわち、親水性)と言われ、通常は両方の状態が共存する。逆に、ある表面は、接触角が90°よりも大きく、流体が表面全体に自然に広がらない場合に、「疎水性」であると見なされる。親水性又は疎水性繊維の具体的な選択は、クリーニング基材(20)内、例えば様々な吸収層(50)内に含まれる、他の材料に左右される。すなわち、繊維の性質は、クリーニング基材(20)が必要な流体遅れ(fluid delay)及び全体的な流体吸収力を示すようなものである。本発明で使用するのに適した親水性繊維としては、セルロース繊維、変性セルロース繊維、レーヨン、親水性ナイロン(HYDROFIL(登録商標))などのポリエステル繊維が挙げられる。また、好適な親水性繊維は、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタンなどから誘導される熱可塑性繊維を界面活性剤処理又はシリカ処理するなどして、疎水性繊維を親水性化することによって得ることもできる。疎水性繊維の表面は、非イオン性若しくはアニオン性界面活性剤のような界面活性剤で処理することによって、例えば、繊維に界面活性剤を噴霧することによって、繊維を界面活性剤中に浸漬させることによって、又は熱可塑性繊維を作り出す際に界面活性剤をポリマー溶融物の一部として含めることによって、親水性にすることができる。溶融して再凝固すると、界面活性剤は、熱可塑性繊維の表面に残留する傾向にある。好適な界面活性剤としては、デラウェア州ウィルミントンのICIアメリカ社(ICI Americas,Inc.)製のブリジ(Brij)(登録商標)76のような非イオン性界面活性剤、及びコネチカット州グリニッチのグリコ・ケミカル社(Glyco Chemical,Inc.)よりペゴスパース(Pegosperse)(登録商標)商標として販売される様々な界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤に加えて、アニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤は、熱可塑性繊維に、例えば、熱可塑性繊維1平方センチメートル当たり約0.2〜約1gのレベルで、適用することができる。
【0041】
好適な木材パルプ繊維は、クラフト(Kraft)法や亜硫酸法など、周知の化学的プロセスから得ることができる。吸収特性が上質であるので、南部の針葉樹からこれらの木材パルプ繊維を得ることが特に好ましい。また、これらの木材パルプ繊維は、砕木、リファイナーメカニカル、サーモメカニカル、ケミメカニカル、及びケミ−サーモメカニカル・パルプ法など、機械的プロセスから得ることもできる。再生又は二次木材パルプ繊維、並びに漂白及び無漂白木材パルプ繊維を使用することができる。本発明で使用する別の種類の親水性繊維は、化学的に剛化されたセルロース繊維である。本明細書で使用するとき、用語「化学的に剛化されたセルロース繊維」とは、乾燥状態及び水性状態の両方で繊維の剛性を高めるべく化学的な手段によって剛化されているセルロース繊維を意味する。そのような手段としては、例えば、繊維をコーティングする及び/又は繊維を含浸させる化学的剛化剤の添加を挙げることができる。また、そのような手段として、化学構造を変化させることによって、例えば、ポリマー鎖を架橋することによって、繊維を剛化させることを挙げることができる。
【0042】
繊維が吸収性構造(又はその構成要素)として使用される場合、随意的に繊維を熱可塑性材料と組み合わせることもできる。溶融すると、この熱可塑性材料の少なくとも一部分が、通常は繊維間毛管勾配により、繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、熱可塑性材料についての結合部位になる。冷却されると、これらの交差部のところの熱可塑性材料は、凝固して、各層内で繊維のマトリックス又はウェブを合わせて保持する結合部位を形成する。これが、クリーニング用拭き取り用品(10)にさらなる全体的一体性を与える際に有益な可能性がある。その様々な効果の中で、繊維交差部での結合は、全体的な圧縮弾性率、及び結果として得られる熱結合した部材の強度を高める。化学的に剛化されたセルロース繊維の場合、熱可塑性材料の溶融及び移動はまた、最初に形成されたときのウェブの密度及び坪量を維持しながら、結果として得られるウェブの平均孔径を増大させる効果を有する。これは、流体へのはじめの暴露の際には、改善された流体浸透性によって、その後の暴露の際には、剛化された繊維が濡れたときにその剛性を維持する能力と、熱可塑性材料が濡れたとき及び湿り圧縮されたときに繊維交差部において結合を維持する能力とを組み合わせた能力によって、熱結合されたウェブの流体獲得特性を改善することができる。最終的には、剛化された繊維が熱結合したウェブは、その元の全体的な体積を保持するが、それまで熱可塑性材料によって占められていた体積領域が開くので、平均繊維間毛管孔径が増大する。
【0043】
本発明で有用な熱可塑性材料は、微粒子、繊維、又は微粒子と繊維との組み合わせを含めた様々な形態のいずれかであることができる。熱可塑性繊維は、多数の繊維間結合部位を形成可能であるので、特に好ましい形態である。好適な熱可塑性材料は、各層の主要ウェブ又はマトリックスを構成する繊維をさほど損傷しない温度で溶融できるいずれの熱可塑性ポリマーからも製造することができる。好ましくは、この熱可塑性材料の融点は、約90℃未満、好ましくは約75℃〜約175℃の間になる。いずれにしても、この熱可塑性材料の融点は、熱結合した吸収性構造がクリーニング基材(20)で使用されるときに保管される可能性の高い温度以上であるべきである。熱可塑性材料の融点は、通常、約50℃以上である。
【0044】
熱可塑性材料、特に熱可塑性繊維は、ポリエチレン(例えば、PULPEX(登録商標))及びポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、コポリエステル、ポリビニルアセテート、ポリエチルビニルアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル、ポリアミド、コポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、並びにビニルクロリド/ビニルアセテートのような以上のいずれかのコポリマーなどを含め、様々な熱可塑性ポリマーから製造することができる。所望の特徴によっては、好適な熱可塑性材料には、親水性にされた疎水性繊維が含まれる。好適な熱可塑性繊維は、単一のポリマーから製造することができ(単成分繊維)、又は2以上のポリマーから製造することができる(例えば、2成分繊維)。シースを構成するポリマーは、多くの場合、コアを構成するポリマーとは異なる温度、通常はより低い温度で溶融する。その結果、これらの2成分繊維は、コアポリマーの望ましい強度特性を保持しながら、シースポリマーの溶融による熱結合をもたらす。熱結合した繊維性材料を調製する方法は、米国特許第5,607,414号(リチャード(Richards)ら、1997年3月4日発行);及び米国特許第5,549,589号(ホルネイ(Horney)ら、1996年8月27日発行)(特に9段〜10段参照)に記載されている。
【0045】
吸収層は、好ましくは坪量が約60gm-2〜約300gm-2、より好ましくは約80gm-2〜約200gm-2、最も好ましくは約90gm-2〜約160gm-2である。好ましくは、約70%〜約90%の木材パルプ繊維又は他のセルロース材料、約1%〜約30%の結合剤、及び約1%〜約30%の2成分繊維から構成される。
【0046】
比較的高い吸収力(吸収性材料1g当たりの流体のgに関して)を有する材料を吸収性構造に含めることが望ましい場合がある。本明細書で使用するとき、用語「超吸収性材料」とは、約2.0kPa(0.3psi)の封圧下で測定したときに水に関するg/g吸収力が少なくとも約15g/gである、あらゆる吸収性材料を意味する。本発明で有用なクリーニング流体の大部分が水を主体とするので、超吸収性材料は、水又は水を主体とした流体に関して比較的高いg/g吸収力を有することが好ましい。超吸収性材料が吸収性構造に含まれる場合、該吸収性構造は、好ましくは該吸収性構造の少なくとも約15重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%、さらに好ましくは少なくとも約25重量%の超吸収性材料を含む。
【0047】
クリーニング基材(20)が吸収層を含む場合、該層は、前述した材料のいずれかを含んでよい。同様に、クリーニング基材(20)が上側の層と下側の層とを含む場合、それらも、前述の吸収性材料のいずれかを含んでよく、又は非吸収性であるが流体透過性の性質であってよい。上側及び/又は下側の層が吸収性である場合、それは、通常、吸収層よりも低い吸収力を有することになる。上側の層及び下側の層は、別個の層材料を含んでよく、又は、例えば吸収層の周りに巻き付けられた、同一の層材料の一部分であってもよい。さらに、上側の層及び下側の層は、それぞれ独立に単層又は多層構造を含んでもよく、上側及び/又は下側の層と吸収層との間に追加構成要素が含まれてもよい。
【0048】
後で説明するように、クリーニング基材(20)は、クリーニング用組成物で予め湿らされたもの(pre-moistened)であってよい。この実施形態では、クリーニング基材(20)は、好ましくは複数の別個の流体貯留部を含む。本明細書で使用するとき、「別個の」流体貯留部は、該貯留部が互いに隣接している場合には単に個々の貯留部の壁によって互いに分離され、該貯留部が離隔されている場合にはクリーニング基材の一部分によって互いに分離された、流体、特に液体クリーニング用組成物を収めるための貯留部である。
【0049】
通常、貯留部は、吸収性構造の厚さ全体にわたって結合又はエンボス加工することによって形成される。単層吸収性構造の状況では、これは、通常、吸収性構造の対向する表面が選択された場所で接合されることを意味する。多層吸収性構造の状況では、通常、これは、多層構造の外側の層が、好ましくはそれらの層を結合させることによって、選択された場所で接合されることを意味する。例えば、吸収性構造が上側の層と、下側の層と、それらの間に位置決めされた吸収層(50)とを含む場合、好ましくは上側の層が選択された場所で下側の層に結合されて別個の流体貯留部を画定し、その結果、各貯留部が吸収層の別個の部分を含むことになる。
【0050】
結合は、熱及び/若しくは圧力を加えることによって、又は超音波によって達成されてよい。通常、クリーニング基材(20)を貫通する結合によって貯留部が形成されるときには、結合強度は、接着剤を使用せずに30gfを上回る。
【0051】
流体貯留部には、実質上、無数の形状及びサイズが想定される。例えば、貯留部は、円形、正方形、方形、菱形、卵形、三角形、六角形、及びこれらの組み合わせから選択される形状であってよい。また、他の形状も想定される。後者の場合、貯留部は、好ましくはクリーニング基材の異なる側縁間を延びる、交差する結合線によって形成されてよい。例えば、結合線は、クリーニング基材の側縁と鋭角を成してよく、又はそれらの側縁にほぼ平行に延びてよい。
【0052】
好ましくは、隣接した流体貯留部は、互いに流体連通している。これは、隣接した貯留部間を流体が行き来できることを意味する。ただし、クリーニング器具に取り付けるときの落滴を低減又は回避するため、クリーニング基材の側縁(22、23)への流体の流れを所望のように抑制するために、流体連通は、いくらか制限されるべきである。流体連通は、貯留部間に細い通路を設けることによって達成されてよく、これは、以下でより詳細に説明するように、貯留部を形成するために使用されるプロセスの結果としてもたらすことができる。このような通路は、通常、断面積が約0.0645〜0.3226cm2(0.01〜0.05平方インチ)、典型的には約0.0968〜0.2903cm2(0.015〜0.045平方インチ)の範囲になる。
【0053】
貯留部を形成するための好ましい結合方法は、米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載されている。この方法について、ここでは、上側の層と、下側の層と、それらの間に挟まれた吸収層(50)とを含むクリーニング基材(20)の状況で説明するが、他の吸収性構造にも適用可能である。本質的には、該方法は、クリーニング基材(20)の局所的な圧縮を含んでおり、それが、上側の層及び下側の層が無傷のまま、吸収性材料を引き裂いて分離させる(すなわち、圧力点から遠ざける)。その結果、上側の層と下側の層とを結合させるための明確な経路が得られ、好ましくは、実際に結合部位に残っている吸収性材料が(あったとしても)ほとんど存在しない。正確に言えば、得られる流体貯留部内に、吸収性材料の別個の部分が封入される。
【0054】
この方法では、上側の層及び下側の層は、熱及び/若しくは圧力、接着剤、又は超音波を加えることによって結合可能ないずれかの(1つ若しくは複数の)材料を含む。好適な材料としては、前述の不織布材料;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あき若しくは孔なしプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムのようなポリマー材料;多孔質発泡体、網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムが挙げられる。ただし、特に接着剤又は他の種類の結合が使用される場合、熱可塑性材料以外の材料が好ましいことがある。例えば、トップシート及び裏張りシートは、それぞれ、水素結合によってそれ自体に結合可能なセルロース材料を含んでよい。
【0055】
結合プロセスは、通常、例えば上側の層と吸収層(50)と下側の層とを含む積層体を、少なくとも一対の円筒ロールに送り込む工程を含んでおり、該円筒ロールの少なくとも一方が、該ロールの表面から外側に延びる複数の突起若しくはパターン要素によって形成されるレリーフパターンをその表面上に有する。
【0056】
他方の円筒ロールは、アンビル部材の働きをしており、パターン付きロールとアンビルロールとが相まって、それらの間に圧力バイアスニップを画定する。アンビルの表面が滑らかであることが好ましいが、両方のロールの上にレリーフパターンを設けてもよい。パターン付きロール及びアンビルロールは、好ましくは、約140MPa(約20,000psi)〜約1400MPa(約200,000psi)の荷重で互いに向かって偏倚している。
【0057】
パターン付きロール及びアンビルロールは、好ましくは同一の方向に異なる速度で駆動されるので、それらの間には表面速度差が存在する。表面速度差は、好ましくは、表面速度が低い方のロールの約2〜約40%、より好ましくは約2〜約20%の大きさを有する。アンビルロールは、好ましくは、パターン付きロールの表面速度よりも高い表面速度で操作される。ただし、速度差ゼロにおいて結合のための高いライン速度を起こすことも可能である。
【0058】
レリーフパターンは、様々な形態をとってよく、形成が望まれる流体貯留部の性質に応じて、連続的又は断続的にすることができる。レリーフパターンが連続的である場合、結果として、連続的な結合になる。レリーフパターンが断続的である場合、結果として、結合内に孔若しくは隙間が存在することになり、それが、前述したように、隣接した貯留部間の流体連通を可能にする。この場合、結合を、複数の結合部位を含むものと見なすことができ、該結合部位の寸法は、レリーフパターンを構成する突起のサイズ、形状、及び間隔距離によって決まる。好ましくは、突起、従って得られる結合部位は、縦横比が0.10未満、より好ましくは0.02〜0.085の範囲、最も好ましくは0.03〜0.083の範囲である。この状況では、縦横比は、短軸:長軸として定義される。さらに、間隔、すなわち隣接した結合部位間の距離は、好ましくは約0.038〜約0.127cm(0.015〜0.05in)の範囲である。
【0059】
また、突起又はパターン要素は、突起のランド表面(すなわち、最外表面)がとり得るように、様々な形態をとってよい。突起は、一般に、各円筒ロールの表面に垂直ではない側壁を有する。例えば、好ましくは、側壁は、円筒ロールの表面と、45°〜90°よりも大きい角度、好ましくは約70°〜90°の角度を成す。
【0060】
ランド表面に好適な形状としては、これらに限定するものではないが、卵形、円形、方形、正方形、及び三角形が挙げられる。また、ランド表面は、例えば約6.4516mm2〜約19.3548mm2(0.0001平方インチ〜0.003平方インチ)の範囲の面積を有する、様々なサイズのものであってよく、ほぼ同じ面積の結合部位をもたらす。
【0061】
随意的に、結合の前に、吸収層に、所望の結合パターンに対応するパターンで、粒子状物質を形成するようにスリットを付け、又は切断してもよい。ただし、上側の層及び下側の層がそれらから選択される諸材料が、この任意の切断工程の間、無傷のままであるようなものであることが重要である。切断は、吸収層(50)と、上側の層及び下側の層との積層体を一対の円筒ロールに通すことによって達成され、該円筒ロールそれぞれが、好ましくは複数の三角形状の歯を画定する複数の隆起部と谷部とによって形成された、パターン付き表面をその上に有する。円筒ロールは、積層体を、吸収層(50)の降伏−破断点(yield-to-break point)よりも大きいが、上側の層及び下側の層の降伏−破断点よりも小さい力を加える機械的歪み付加法に曝す。ゆえに、上側シート又は下側シートにスリットを付けることなく、吸収層(50)に少なくとも部分的にスリットが付けられる。
【0062】
また、この結合方法(米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載)を使用して、流体貯留部を形成することなく、多層状のクリーニング基材(20)の様々な層を結合させることもできる。例えば、この結合方法を使用して、層の周囲だけで様々な層を結合させることができる。
【0063】
貯留部を形成するための別の結合方法は、超音波結合を含んでおり、この目的に適した機器としては、ブランソン超音波ユニットモデル900BCA(Branson Ultrasonic Unit Model 900 BCA)が挙げられる。例えば、結合すべきクリーニング基材(20)の構成要素は、所望の貯留部に応じてパターンが付けられたプレート上に配置され、クリーニング基材(20)を超音波溶接しながら、例えば約207kPa(30psig)の圧力を使用して圧縮される。
【0064】
結合面積の選択は、吸収性能の低下を最小限に抑えるのに重要である。予想できるように、結合面積が大きいほど、基材の吸収の低下、従って基材の利用度の低下が大きくなる。好ましくは、クリーニング基材全体にわたる(x−y平面内の)総結合面積は、10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは3%未満である。結合面積は、例えば、オートキャドLT98(Auto Cad LT 98)ソフトウェアを使用して以下の方法に従って測定される。
【0065】
1.パターンを描く
2.パターン上を、右から左、上から下へと移動し、反復を見つける。
3.上から下、左から右へと、1つの反復を囲むボックスを描く。
4.描いたばかりのボックス内の要素の数を数える(例えば、45)。
5.要素の占有面積を計算する(例えば、0.025cm×0.254cm=0.006cm2(0.010in×0.1in=0.001in2))。
6.占有面積にボックス内の要素の数を乗じる
(例えば、0.006cm2×45=0.27cm2(0.001in×45=0.045in2))。
7.オートキャドLT98(AutoCad LT 98)で、前に描いたボックス、長さ、及び幅を測定する。
8.長さに幅を乗じる(例えば、2.54cm×5.08cm=13cm2(1in×2in=2in2))。
9.要素の面積をボックスの面積で除す
(例えば、0.27cm2/13cm2=0.0207(0.045in2/2in2=0.0225))。
10.その数に100を乗じて結合面積のパーセンテージを得る
(例えば、0.0207×100=2.07%(0.0225×100=2.25%))。
【0066】
また、クリーニング基材(20)の非結合領域(すなわち、結合前)に対する結合の深さも、摺擦能力に対する消費者の認識並びに実際の摺擦性能に重要である。好ましくは、吸収性能と、落滴と、審美的考慮事項との間の良好なバランスを達成するために、クリーニング基材(20)は、結合深さ指数(BDI:bond depth index)が0.15、好ましくは0.10未満である。BDIは、結合領域の平均キャリパーを、非結合領域、すなわち結合前の平均キャリパーで除すことによって、計算される。通常、クリーニング基材(20)は、非結合厚さが少なくとも最大2mmまで、好ましくは最大4mmまでである。
【0067】
クリーニング基材(20)が多層状のときには、吸収層(50)が、クリーニング基材(20)内に存在する他のすべての層と同一の形状及びサイズを有することが好ましい。より好ましい別の実施形態では、吸収層(50)は、クリーニング基材(20)内に存在する他のすべての層よりも小さいサイズを有する。形状は、他の層と同一の形状であってもよいが、好ましくは異なる形状であり、より好ましくは眼形である。後でより詳細に説明する最も好ましい実施形態では、拭き取り用品は、眼形のモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用され、且つ該クリーニング器具に取り外し可能に取り付けられることになる。この実施形態では、吸収層(50)は、眼形であり、好ましくはクリーニング器具のバンパーパッドの形状と共形である。
【0068】
クリーニング基材(20)が多層状で、且つ吸収層を含む実施形態では、すべての層を結合させる前に、はじめに吸収層が上側の層に接着剤結合されることが好ましい。吸収層(50)が他のすべての層よりも小さいときには、はじめに吸収層(50)が上側の層に接着剤結合され、次いで吸収層(50)を除いたすべての層が周囲で連続的又は不連続的に結合されることが好ましい。
【0069】
(取り付け手段)
本発明による拭き取り用品は、少なくとも1つの取り付け手段を含む。この取り付け手段は、クリーニング基材(20)の上面又は下面に形成されたポケット(30)であり、クリーニング器具又はクリーニング器具の少なくとも一部分を中に挿入できる少なくとも1つの開口部(40)を有する。
【0070】
ポケット(30)は、好ましくは、クリーニング基材(20)の上面又は下面に不織布材料を結合させることによって形成される。この不織布材料は、好ましくは、この層とクリーニング基材(20)の上面との間に少なくとも1つの開口部(40)を残して、クリーニング基材(20)に結合される。はじめに不織布材料をクリーニング基材(20)に結合させてよく、その後、クリーニング用拭き取り用品(10)の前部分が特定の形状に切断される。別法として、不織布材料が所定の形状を有していてもよく、次いでそれがその周囲でクリーニング基材(20)に結合される。不織布材料をクリーニング基材に結合させる好ましい一方法は、既に前述した米国特許出願第10/456288号(マクフォール(McFall)ら、2003年6月6日出願)に記載されている結合方法である。
【0071】
ポケットが上面に形成されるときには、クリーニング器具のモップヘッド又はユーザーの手をポケットに挿入することができる。ポケットが下面に形成されるときには、はじめにモップヘッド又は手を上面に置き、その後、ポケットを折ってモップヘッド又は手にかぶせる。ポケットは、クリーニング基材を引き上げて、モップヘッドの下面に近付ける際に役立つ。ポケットはまた、使用のための方向性を与える。
【0072】
前述した、いずれの不織布材料又は不織布材料の組み合わせも、ポケットに使用してよい。好ましくは、不織布材料は、非吸収性で、非合成材料よりも合成材料を高い割合で含んでおり、高い密度を有する。好ましくは、不織布材料は、50%〜100%の合成材料と、0%〜100%の非合成材料とを含む。最も好ましくは、不織布材料は、スパンボンド材料、成形フィルム、いずれかの種類のスパンボンド−メルトブロウン−スパンボンド複合材、メルトブロウンフィルム、及び繊維性不織布構造、又はスクリムである。不織布材料はまた、好ましくは、材料の長さがその弛緩状態の10%よりも大きく延びるような、幾らかの弾性特性を有する。重要なことには、不織布材料は、使用時に裂けないように十分な強度及び耐久性をもたなければならない。不織布材料は、坪量が約15gm-2〜100gm-2、好ましくは15gm-2〜70gm-2、最も好ましくは15gm-2〜50gm-2である。不織布材料の密度は、好ましくは0.1g/cm3よりも大きい。また、ポケットの形成に、ガーゼ又はポリマーメッシュ若しくはネットを使用し得ることも想定される。
【0073】
ポケット(30)は、少なくとも1つの開口部(40)を有する。好ましい実施形態では、開口部(40)は、クリーニング基材(20)の長手軸にほぼ垂直であり、すなわち、開口部(40)は、yz次元にある。この開口部(40)は、好ましくは、実質的にクリーニング基材(20)の幅全体に延びる。開口部は、前縁(21)から離れたところに、好ましくは拭き取り用品の中心近くに、又は拭き取り用品の後部分に向かって配置される。ポケット(30)は、第1の開口部(40)に平行な、前縁(21)に向かって配置された追加の開口部(40)を含んでよい。
【0074】
別の好ましい実施形態では、図4に示したように、開口部(40)は、yz次元ではクリーニング基材(20)の後縁(24)に向かって、又はさらに該後縁(24)のところに配置され、x−y次元ではクリーニング基材(20)の長手軸上を延びる、開口部(40)である。
【0075】
別の好ましい実施形態では、ポケットを形成する材料は、クリーニング基材の周囲全部に結合されており、開口部は、xy次元にあり、該材料の中央に配置される。この一例は、図8に示したように、眼形の開口部を備えたポケットを有する、眼形のクリーニング用拭き取り用品である。
【0076】
ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の少なくとも約2%、ただし約90%以下を覆う。ポケット(30)が上側又は下側の層の表面積の2%未満を覆うときには、ポケット(30)は、小さすぎて、クリーニング器具のモップヘッドに適切に取り付けることができず、又は該モップヘッドによって保持することができない。したがって、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の約2%〜約90%、好ましくは約2%〜約85%、より好ましくは約5%〜約50%、さらに好ましくは約10%〜約30%、最も好ましくは約20%〜約30%を覆う。最も好ましくは、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の上側又は下側の層の表面積の約25%を覆う。
【0077】
別法として、図9に示したように、ポケットは、クリーニング基材の上側又は下側の層の約90%〜約100%を覆い、yz次元にある後縁付近又は後縁上の開口部と、さらにポケットを形成する不織布材料内のスリット(41)とを有する。スリット(41)は、クリーニング基材の長手軸(すなわち、x軸)上に配置される。スリット(41)は、後縁からクリーニング基材の少なくとも中心まで延びるが、好ましくはクリーニング基材の長さの約50%〜約98%、より好ましくはクリーニング基材の長さの約70%〜約90%、さらに好ましくは約70%〜約80%まで延びる。
【0078】
ポケット(30)のx−y次元の断面は、好ましくは少なくとも1つの対称軸を有し、より好ましくは対称軸を1つだけ有する。1つの対称軸は、クリーニング基材(20)の長手軸上に配置される。ポケット(30)は、好ましくは、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、半眼形、ほぼ台形、ほぼ方形、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される形状をしている。ただし、ポケットはまた、より複雑な形状であってもよい。好ましい実施形態では、ポケット(30)は、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、又は半眼形である。きわめて好ましい実施形態では、ポケット(30)は、クリーニング基材(20)の長手軸上に配置された尖端を有する。後者は、隅角部におけるクリーニングを可能にするので特に有益である。また、少なくとも片側に三角形、眼形、又は尖端をもつ他のいずれかの形状を有するモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用されるときに、より良好な適合をもたらす。
【0079】
ユーザーが拭き取り用品をクリーニング器具に取り付ける際に役立つように、ポケット(30)を形成する不織布層には、1以上の孔、ループ、つまみ(tabs)、延長部、又はこれらの組み合わせを設けてよい。別法として、ポケットを開口部の縁部のところで折ってもよい。これらの機構によって、ユーザーは、不織布層を持ち上げて開口部(40)を大きくすることができ、従って、クリーニング器具のモップヘッドを挿入しやすくすることができる。これは、何らかの理由で不織布層がクリーニング基材(20)の上面に押し付けられていることが原因で、開口部(40)が小さくなりすぎている場合に、特に有益である。
【0080】
ポケット(30)が前述のように形成されることが好ましいが、ポケット(30)はまた、方形のクリーニング基材(20)の長手軸の両側で2つの隅角部を折り、それらをベルクロ(Velcro)(登録商標)、接着テープ、繋着材(ties)、クリップ、クランプ、ピンなど、又は本明細書で前述したいずれかの結合機構など、当該技術分野において既知のいずれかの手段で接合することによって形成されてもよい。
【0081】
ポケットは、伸縮性のある不織布材料をさらに含んでよい。伸縮性のある不織布とは、その非弛緩状態から10%よりも大きく延びることのできる不織布材料を意味する。これによって、クリーニングパッドをモップヘッドに取り付けるときに、該クリーニングパッドをより良好に且つより強固にモップヘッドに適合させることができる。
【0082】
(追加取り付け手段)
本発明による拭き取り用品は、好ましくは前述の取り付け手段とは異なる、1以上の追加取り付け手段をさらに含んでよい。
【0083】
本発明の拭き取り用品をクリーニング器具に取り付けるのに適した取り付け手段は、これらに限定するものではないが、拭き取り用品内の1以上の突出部(モップヘッド上の(1以上の)ピンに対応する)、フック若しくはループファスナ、接着剤、ストラップ、又は当該技術分野において既知の他のいずれか好適な取り付け手段、又はこれらのいずれかの組み合わせである。これにはまた、例えばプレススタッドシステムなど、取り付け手段の一部が拭き取り用品上に配置され、取り付け手段の対応する部分がクリーニング器具のモップヘッド上に配置される、取り付け手段も含まれる。
【0084】
これら1以上の追加取り付け手段は、クリーニング器具へのポケット(30)の取り付けをさらに改善するために、拭き取り用品の前縁(21)のところに配置されてよい。それらはまた、側縁(22、23)に配置されてもよく、又は後部分に配置されてもよい。後者は、クリーニング器具のモップヘッドがポケット(30)に挿入され、次いで拭き取り用品を該器具に取り外し可能に取り付けた後で、クリーニング用拭き取り用品(10)を引いて締め付けるようにするので、特に好ましい。このように、拭き取り用品は、より良くモップヘッドの形状と共形になる。
【0085】
きわめて好ましい実施形態では、本発明の拭き取り用品は、クリーニング基材(20)を含んでおり、その際、追加取り付け手段が、拭き取り用品を器具のモップヘッドに連結させる取り付け層である。吸収層(50)が拭き取り用品を器具のモップヘッドに取り付けるのに適していない実施形態では、取り付け層が、必要になる。取り付け層はまた、クリーニング用拭き取り用品(10)の上面を通り抜ける流体の流れを低減又は防止するための手段の役割を果たすこともでき、さらに拭き取り用品の一体性を高めることもできる。吸収層(50)と同様に、取り付け層は、以上の要件を満たす限り、単層又は多層構造から成ってよい。例えばメルトブロウンフィルム及び繊維状不織布構造を含む、積層構造が使用されることが好ましい。好ましい実施形態では、取り付け層は、スパンボンドされたポリプロピレンである。
【0086】
ポケット(30)と取り付け層との組み合わせは、1以上のスリット付き構造を有するモップヘッドを備えたクリーニング器具と共に使用されるときに、モップヘッドがポケット(30)に挿入された後でクリーニング用拭き取り用品(10)を引いて固定でき、次いで、拭き取り用品の後縁(24)のところで取り付け層をスリット付き構造内に押し込むことによってクリーニング用拭き取り用品(10)を取り外し可能に固定できる点で、特に有益である。
【0087】
前述のように、1以上の追加取り付け手段は、好ましくはポケットとは異なる。これは、クリーニング基材(20)の同一表面上に2つのポケットが形成された(すなわち、1つが前部分に、1つが後部分に形成された)拭き取り用品を、ポケットを破ることなくクリーニング器具のモップヘッドに取り付けることが困難であり、又は不可能でさえあり、その結果ユーザーの利便性を低下させるからである。大きく変形可能なモップヘッドを有するクリーニング器具と併せて使用されるときにだけ、クリーニング基材(20)の同一表面に2つのポケットを備える拭き取り用品をモップヘッドに取り付け可能になる。ただし、伸縮性のある不織布材料を使用すると、2つのポケットを、変形性の低いモップヘッド、又はさらに硬質のモップヘッドを備えた器具で機能するように設計することができる。ただし、この目的を果たすには、伸縮性のある不織布を含んだポケットは、1つしか必要でない。伸縮性のある不織布とは、その非弛緩状態から10%よりも大きく延びることのできる不織布材料を意味する。別法として、拭き取り用品を、一方の表面(例えば、上面)上の前部分に形成されたポケットと、他方の表面(例えば、下面)上の後部分に形成された別のポケットとを有するように設計してもよい。その場合、それらのポケットの少なくとも1つが伸縮性のある不織布を含むべきであり、好ましくは、後部分に形成されたポケットが伸縮性のある不織布を含むべきである。そのように、クリーニング器具のモップヘッドを前部分にあるポケットに挿入することができ、次いで後部分にあるポケットを裏返しに折ってモップヘッドにかぶせることができる。
【0088】
また、ポケット(30)を形成する材料に1以上のスリットを設けてもよく、その場合、該スリットがモップヘッド上の突起と対応して、良好な適合をもたらし、使用時に拭き取り用品を所定の位置に維持することができる。
【0089】
(クリーニング用拭き取り用品の任意機構)
本発明によるクリーニング用拭き取り用品(10)は、特定のクリーニング作業を実施する際に役立つ1以上の追加機構をさらに含んでよい。
【0090】
そのような機構の1つは、クリーニング基材(20)の下面に取り付けられる摺擦(scrubbing)ストリップである。摺擦ストリップは、下側の層に永久的に取り付けられてよく、又は取り外し可能な接着性摺擦ストリップであってよく、又はベルクロ(Velcro)(登録商標)を使用して取り付けられてもよい。摺擦ストリップは、下面全体を覆ってもよいが、覆うのが下面全体ではないことが好ましい。好ましい実施形態では、摺擦ストリップは、拭き取り用品の前部分に配置され、半楕円形であり、拭き取り用品の前部分と同等又はそれよりも小さいサイズである。また、一連の小さい摺擦ストリップを、拭き取り用品の前部分に設けてもよく、又は拭き取り用品の下面全体に広げてもよい。摺擦ストリップは、浴室の硬質表面でグラウト(grout)及び石灰かす(limescale)を除去するのに特に有用である。摺擦ストリップは、頑固な汚れを除去するために、必然的に研磨材を含む。好適な材料としては、研磨パッドの製造に使用されることが多い材料、通常は、特定の研磨剤を伴うこともあるポリマー又はポリマーブレンドが挙げられる。好適なポリマーの例としては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ナイロン、ポリスチレン、並びにこれらのブレンド及びコポリマーなど、熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0091】
典型的な研磨パッドで見られる材料を使用するための代替方法は、摺擦を達成するために剛毛を備えたブラシを使用することである。そのような剛毛は、通常、研磨剤を伴うこともあるポリマー又はポリマーブレンドから構成される。ブラシの状況では、硬さ、剛性、及び/又は耐久性の理由から、やはり、ナイロン製の剛毛が好ましい。好ましいナイロン製の剛毛は、3M社から商標名タイネックス(Tynex)(登録商標)612ナイロンとして市販されるものである。
【0092】
別の手法は、網目(netting)又はスクリム材料を使用して、摺擦ストリップを形成することである。やはり、網目又はスクリムは、通常、場合によっては研磨剤と共に、ポリマー若しくはポリマーブレンドから構成される。網目又はスクリムは、通常、二次構造に巻き付けられて幾らかの嵩をもたらす。網目における穴の形状としては、これらに限定するものではないが、正方形、方形、菱形、六角形、又はこれらの混合など、様々な形状を挙げることができる。通常、網目の穴によって作られる面積が小さいほど、摺擦能力が大きくなる。これは、主に、スクリム材料が交差する点が多く存在し、これら交差する点が床と接触することになるという事実に起因する。網目又はスクリムを巻き付けるための代替方法は、溶融押し出されたポリマーを不織布のような二次構造上に直接適用することである。硬化すると、ポリマーは、二次不織布に比べて堅い最高の材料を作り出し、次にそれが摺擦能力をもたらす。
【0093】
他の好適な材料としては、基材上に印刷又は形成された不連続パターンによってテクスチャが与えられるものが挙げられる。この態様では、耐久性のある材料(例えば、合成材料)を、これらに限定するものではないが、個別のドット及び/若しくは線及び/若しくは小塊(nodules)及び/若しくは縞(striations)及び/若しくは十字形及び/若しくは文字又は可能な任意形状など、連続又は不連続パターンで、基材上に印刷することができる。同様に、連続又は不連続パターンを剥離紙上に印刷してクリーニング基材(20)上に移動させることができ、これでそれが摺擦ストリップの役割を果たすことになる。これらのパターンは、反復型であることができ、又はランダムであることができる。これら耐久性のある材料の例としては、炭酸カルシウム及びケイ酸ナトリウム粒子のような無機材料、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(例えば、様々なナイロン)、及びこれらの混合物を含めた有機ポリマーが挙げられる。好ましい実施形態では、拭き取り用品は、片側に、その上に適用された研磨材の小塊(nodules)及び/又は縞(striations)から形成されるテクスチャを備えた研磨剤表面を有しており、該研磨材は、バレイスHHP2000ショア硬度試験機(Bareiss HHP 2000 Shore Hardness tester)を使用して、約40〜約100ショアD単位の硬度を有する。研磨材は、それが配置される拭き取り用品の側部の外表面積の約5%〜約50%を覆うことができる。本発明の拭き取り用品上に組み込むことのできる研磨剤テクスチャの他の用途は、米国特許第4,833,003号、欧州特許第0946119号、及び国際公開特許WO02/090983号に開示されている。
【0094】
さらに別の代替方法は、摺擦ストリップに研磨剤又は粗粒子物質を含めることである。好適な粒子状物質は、ポリテックス(Polytex)(登録商標)から入手可能な粗インク(coarse inks)を含む。さらに別の代替方法は、摺擦ストリップをベルクロ(Velcro)(登録商標)ループ又はフックから構成することである。
【0095】
摺擦ストリップは、単層又は多層構造であってよい。好ましい摺擦層は、反復される摺擦作業に耐えるのに必要な曲げ剛性を有することを条件に、フィルム材料の形態をとる。好適なフィルム材料は、一般に、厚さが少なくとも50.8μm(2mil)であり、カワバタ(Kawabata)曲げ試験機を使用して測定される曲げ剛性が少なくとも0.10gcm2/cmである。
【0096】
好ましいフィルム材料は、液体、特に汚れを含有する液体を透過させるが、非吸収性であり、その構造内で液体を逆戻りさせてクリーニングされている表面を再湿潤させる傾向が小さい。ゆえに、フィルムの表面は、クリーニング操作の間、乾燥状態を維持する傾向にあり、それによって、クリーニングされている表面の被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)を低減し、表面をほぼ乾いた状態に拭き取ることができる。好ましくは、フィルム材料は、クリーニング基材の主要部から離れてフィルム表面から外向きに延びる、複数の突出部を含む。代替的に、又は追加的に、フィルムが複数の孔を含んでもよい。前述のフィルム材料内に形成された突出部及び/又は孔は、様々な形状及び/又はサイズのものであってよい。
【0097】
クリーニング用拭き取り用品(10)は、クリーニング器具のモップヘッドに取り付けたときに、モップヘッドの下面に広がる摺擦層を含んでよい。クリーニング基材(20)の下側の層は、摺擦層の形態をとってよい。通常、摺擦層は、クリーニング基材の最も外側にあり、ゆえに、クリーニング操作の通常の過程で、クリーニングすべき表面に接触する。この場合、摺擦層は、クリーニングされている表面を損傷しないように、必然的に摺擦ストリップよりも磨耗性の低いものでなければならない。
【0098】
摺擦層は、単層又は多層構造であってよい。広範な材料が、摺擦層で使用するのに適しており、例えば、WO−A−0027271に開示されている。具体的には、摺擦層は、織布及び不織布材料;孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどのポリマー材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリムを含んでよい。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木質繊維若しくは綿繊維)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレン、及びポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド(例えば、ナイロン)、並びに合成セルロース(例えば、RAYON(登録商標))、ポリスチレン、並びにこれらのブレンド及びコポリマーなどの合成繊維、並びに天然繊維と合成繊維との組み合わせを含むことができる。このような合成繊維は、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなど、既知の方法によって製造することができる。
【0099】
摺擦層は、少なくとも部分的に、孔あき成形フィルムを含んでよい。孔あき成形フィルムは、溶解した粒子状物質及び溶解していない粒子状物質を含め、汚れを含有する水性クリーニング液を透過させるが、非吸収性であり、その中で液体を逆戻りさせてクリーニングされている表面を再湿潤させる傾向が小さいので、液体透過性摺擦層には孔あき成形フィルムが好ましい。ゆえに、クリーニングされている表面に接触する成形フィルムの表面は、乾いたままであり、それによって、クリーニングされている表面の被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)を低減し、表面をほぼ乾いた状態に拭き取ることができる。
【0100】
テーパ孔又は漏斗形孔を有する孔あき成形フィルム(孔の下端での直径が孔の上端での直径よりも大きいことを意味する)は、実際、クリーニングされている表面上をクリーニング基材が移動するときに吸引効果を示す。これは、クリーニングされている表面から吸収層(50)のようなクリーニング基材の他の層へと液体が移動する際に役立つ。加えて、テーパ孔又は漏斗形孔は、液体が吸収層(50)のような他の層へと移動した後で、該液体が摺擦層を通ってクリーニングされている表面へと逆戻りするのを阻止する傾向がさらに強い。ゆえに、テーパ孔又は漏斗形孔を有する孔あき成形フィルムが好ましい。好適な孔あき成形フィルムについては、米国特許第3,929,135号、名称「テーパした毛管を有する吸収性構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」(トンプソン(Thompson)、1975年12月30日発行);米国特許第4,324,246号、名称「耐汚性トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」(ミュレーン(Mullane)ら、1982年4月13日発行);米国特許第4,342,314号、名称「繊維状特性を示す弾性プラスチックウェブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」(ラデル(Radel)ら、1982年8月3日発行);米国特許第4,463,045号、名称「無光沢可視表面及び布状の触感を示す巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行);並びに米国特許第5,006,394号、名称「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」(ベアード(Baird)、1991年4月9日発行)に記載されている。本発明に好ましい液体透過性摺擦層は、上記特許の1つ以上に記載されている、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)よりDRI−WEAVE(登録商標)として生理用ナプキンで販売される、孔あき成形フィルムである。
【0101】
親水性の孔あき成形フィルムをクリーニング基材の液体透過性摺擦層として使用できるが、硬質表面クリーニングの状況では、摺擦層を通ってクリーニングされている表面上へと液体を逆戻りさせる傾向が小さいので、疎水性孔あき成形フィルムが好ましい。これは、被膜形成(filming)及び筋模様形成(streaking)、少ない残留汚れ、並びにクリーニングされている表面の急速な乾燥時間の点で、クリーニング性能の改善をもたらし、これらすべてが硬質表面クリーニングの非常に重要な側面である。ゆえに、ここでのクリーニング基材の液体透過性摺擦層は、好ましくは、少なくとも部分的に、疎水性孔あき成形フィルムである。また、摺擦層を2種類以上の材料から構成できることも認識されている。
【0102】
好ましい実施形態では、液体透過性摺擦層は、使用時にクリーニングされている硬質表面と接触する摺擦層の下面に、好ましくは突起又は表面収差を有する、巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブである。
【0103】
本明細書で使用するとき、用語「巨視的に伸張された」とは、三次元プラスチックウェブ、リボン、及びフィルムを記述するために使用されるときには、その両面が三次元成形構造の三次元パターンを示すように前記成形構造の表面と共形にされているウェブ、リボン、及びフィルムを指しており、前記パターンは、観察者の眼とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(約12インチ)であるときに、容易に肉眼で見ることができる。このような巨視的に伸張されたウェブ、リボン、及びフィルムは、通常、エンボス加工によって、すなわち前記成形構造が主にオス型突起から構成されるパターンを示すときにはエンボス加工によって、又はデボス加工(debossing)によって、すなわち該成形構造が主にメス型毛管網状構造から構成されるパターンを示すときにはデボス加工によって、又はいずれかの種類の成形構造の表面上に樹脂溶融物を直接押し出すことによって、前記成形構造の表面と共形にされる。対比の目的で、用語「平面的」とは、本明細書でプラスチックウェブ、リボン、及びフィルムを記述するために用いられるときには、肉眼によって巨視的スケールで見たときのウェブ、リボン、又はフィルムの全体的な状態を指す。この状況では、「平面的な」ウェブ、リボン、及びフィルムには、片側若しくは両側に微細なスケールの表面収差を有するウェブ、リボン、及びフィルムを含めることができ、前記表面収差は、観察者の眼とウェブの平面との間の垂直距離が約30cm(約12インチ)以上であるときには、肉眼で容易には見ることができない。
【0104】
表面収差は、当該技術分野において周知のフォトエッチング法によって、プラスチックウェブ上に生み出される。そのようなウェブ及びそれを製造するプロセスについての詳細な説明は、米国特許第4,463,045号(アール(Ahr)ら、1984年7月31日発行、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)によって開示されており、その特許を本明細書に参考として組み込む。アール(Ahr)らは、おむつ、生理用ナプキン、失禁用具などにおいてトップシートとして使用される、表面収差を有する巨視的に伸張された三次元ウェブを開示している。表面収差を有するウェブは、該ウェブに無光沢の外観を付与し、おむつや生理用ナプキンなどの着用者がより布状に感じるようにすることによって該ウェブの触感を改善するので、アール(Ahr)らは、表面収差を有するウェブを好んでいる。ただし、硬質表面クリーニングの状況では、クリーニング基材の外観及び触感は、さほど重要ではない。表面収差を有する巨視的に伸張された三次元ウェブを含む液体透過性摺擦層は、摺擦層の性能改善をもたらす。表面収差は、より良好なクリーニング性能と相関がある、研磨作用の大きい表面をもたらす。表面収差は、テーパ孔又は漏斗形孔と組み合わせると、クリーニング基材のクリーニング、吸収、及び再湿潤特性の向上をもたらす。ゆえに、液体透過性摺擦層は、好ましくは、テーパ孔若しくは漏斗形孔及び/又は表面収差を有する巨視的に伸張された三次元プラスチックウェブを含む、孔あき成形フィルムを含む。三次元摺擦層は、クリーニング基材が粒子状物質を収集する能力を改善するのに特に好ましい。
【0105】
本発明による拭き取り用品で有用な別の機構は、クリーニング用組成物を表面に広げる際に役立つ、拭き取り用品の下面に設けられた親水性ストリップである。このような親水性ストリップはまた、拭き取り用品とクリーニングすべき表面との間の摩擦を増大させ、それによって幾らかの摺擦特性をもたらす。
【0106】
所望のテクスチャをもたらすための前述の手法の1つ以上を組み合わせて、任意の摺擦材料を形成できることが、十分理解されよう。摺擦基材層のz方向高さ及び開いた領域(open area)は、吸収性コア材料(存在する場合)への液体の流入を制御且つ/又は阻止するのに役立つ。摺擦基材層のz高さは、吸収性コア材料への液体吸収又は流体連通の速度を制御しながら、同時にクリーニング表面と接触する液体の体積を制御する手段を提供するのに役立つ。
【0107】
また、拭き取り用品の審美的価値若しくはブランド設定(branding)を改善するために、又は拭き取り用品のユーザー利便性を改善するために、クリーニング用拭き取り用品(10)に印刷してもよい。印刷とは、拭き取り用品に、全体的若しくは部分的に、特定の色を印刷でき、又は、例えば、ロゴ、図画、若しくは文字列(例えば取扱説明)を印刷できることを意味する。また、ポケット(30)だけに印刷してもよく、若しくはクリーニング基材(20)の上面だけに印刷してもよく、又はその両方に印刷してもよい。ポケット(30)とクリーニング基材(20)の上面との両方が印刷されるときには、それらが異なる色で印刷されることが好ましい。特にポケット(30)が印刷される場合、ユーザー利便性を改善するために、該ポケットが、拭き取り用品の他の部分とは異なる色で印刷されることが好ましい。別法として、色付きの不織布を使用してもよい(すなわち、繊維に着色した後で該繊維を不織布材料に製造する、又は樹脂に着色した後で不織布スパンボンド若しくは成形フィルムを製造する、又は不織布の形成後に該不織布を染色する)。
【0108】
(不織布クリーニング用拭き取り用品の種類)
本発明による拭き取り用品の第1の種類は、湿式クリーニング用の吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)である。これらの拭き取り用品は、特に、床又は他の硬質表面のクリーニング用に設計されており、床のクリーニングに適した水性クリーニング用組成物と併せて使用されることになる。好ましい実施形態では、使い捨て吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)は、吸収層(50)と、随意的な摺擦層と、随意的な取り付け層とを含む、多層状のクリーニング基材(20)を含む。
【0109】
吸収層(50)は、使用時にクリーニング用拭き取り用品(10)によって吸収された流体及び汚れを保持する働きをする、必須構成要素である。吸収層(50)はまた、好ましくは、吸収された汚れやクリーニング溶液などが「搾り出される(squeeze-out)」のを回避するために、吸収された物質を通常の使用時圧力下で保持可能であるべきである。所望の総流体吸収力を達成するために、比較的高い吸収力(吸収性材料1g当たりの流体のgに関して)を有する材料を吸収層(50)に含めることが好ましい。したがって、別の好ましい実施形態では、吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)は、前述のように超吸収性材料を含む。本発明の拭き取り用品で有用なクリーニング流体の大部分が水を主体とするので、超吸収性材料は、水又は水を主体とした流体に関して比較的高いg/g吸収力を有することが好ましい。したがって、吸収性クリーニング用拭き取り用品(10)(特に超吸収性材料を含むもの)は、表面から水又は水を主体とした溶液を効果的に除去するので、水性クリーニング用組成物と併せて使用されるときに相乗的な効果を有する。また、超吸収性ポリマーも、汚れた表面と接触する拭き取り用品の側部を水が存在しない状態に維持するのに役立ち、且つ吸収性使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)の水又は水性化学物質吸収力を大幅に向上させるので、水性クリーニング用組成物と併せて使用すると有益である。さらに、超吸収性ポリマーによって、拭き取り用品から除去された溶液が確実に拭き取り用品内に閉じ込められたままになり、従って、他のすべてのクリーニングシステム(すなわち、超吸収性ポリマーを具備していない、従来のクリーニングシステム、ウェットタイプの拭き取り用品、及び使い捨て吸収性拭き取り用品)に比べて乾燥時間が大きく改善される。
【0110】
任意であるが好ましい摺擦層は、クリーニング中に汚れた表面と接触するクリーニング用拭き取り用品(10)の一部分であり、すなわち、クリーニング基材(20)の下側の層である。したがって、摺擦層として有用な材料は、クリーニングプロセス中に層がその一体性を保つように、十分に耐久性の高いものでなければならない。加えて、クリーニング用拭き取り用品(10)が溶液と併せて使用されるときには、摺擦層は、液体及び汚れを吸収可能で、且つそれらの液体及び汚れを吸収層(50)へと放出可能でなければならない。これによって、摺擦層が確実に、クリーニングされている表面から継続的にさらなる物質を除去可能になる。器具がクリーニング溶液と共に(すなわち、湿潤状態で)使用されるにせよ、クリーニング溶液なしで(すなわち、乾燥状態で)使用されるにせよ、摺擦層は、粒子状物質の除去に加えて、クリーニングされている表面のつや出し、ダスティング、及びバフ研磨(buffing)などの他の機能を促進する。摺擦層は、単層又は多層構造にすることができ、その際、その1以上の層に、汚れた表面の摺擦及び粒子状物質の取込みを促進するためにスリットを付けてよい。この摺擦層は、汚れた表面上を通り過ぎるときに、汚れ(及び、使用されるときにはクリーニング溶液)と相互作用して、頑固な汚れを取りやすくし、乳化させて、それらを拭き取り用品の吸収層(50)へと自由に移動させる。摺擦層は、好ましくは、より大きい粒子状の汚れがその中を自由に移動して拭き取り用品の吸収層(50)内に閉じ込められる、ゆるやかな道をもたらす、開口部(40)(例えば、スリット)を含む。拭き取り用品の吸収層(50)への粒子状物質の輸送を促進するために、低密度構造が、摺擦層として使用するのに好ましい。所望の一体性をもたらすために、摺擦層に特に適した材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル、ポリアミド、合成セルロース(例えば、レーヨン(Rayon)(登録商標))、並びにこれらのブレンドなどの合成材料が挙げられる。このような合成材料は、カード、スパンボンド、メルトブロウン、エアレイド、ニードルパンチなど、既知の方法を使用して製造されてよい。別法として、前述したような、摺擦ストリップ、スクリム、又は摺擦特性をもたらす他のいずれかの材料を使用してもよい。
【0111】
前述した、任意であるが好ましい取り付け層は、拭き取り用品を器具のモップヘッドに連結できるようにする。
【0112】
これらの使い捨て拭き取り用品は、汚れを取りやすくするだけでなく、従来のクリーニングツール又はウェットタイプの拭き取り用品に比べて汚れた溶液をより多く吸収する点で有利である。結果として、表面に残る残留物が減少し、乾きも速くなる。拭き取り用品は、独立した製品として使用できるが、好ましくは、特に床表面をクリーニングするための、モップヘッドを備えた器具と併せて使用される。
【0113】
本発明による拭き取り用品の第2の種類は、ウェットタイプの拭き取り用品である。クリーニング基材(20)は、床、バスタブ、壁、車など、硬質表面のクリーニングに適した硬質表面クリーニング用組成物で予め湿らされる。本明細書の基材は、天然又は合成の、当該技術分野において既知のいずれか一連の繊維から形成することができる。有用で好適な繊維の種類の例としては、パルプ、テンセル(Tencel)(登録商標)レーヨン、レンジングAGレーヨン(Lenzing AG Rayon)(登録商標)、マイクロデニールレーヨン(micro-denier Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。繊維は、エアレイド、ウェットレイイング(wet laying)、メルトブロウン、スパンボンド、カード、スパンレース、ニードルパンチング通気加工(thru-air processing)など、当該技術分野において既知の方法によって製造することができる。不織布基材は、単層状の拭き取り用品にすることもできるが、より好ましくは積層体を形成するように結合された多数の層から構成される。
【0114】
不織布が単層状基材である場合、それが親水性繊維(パルプ、レーヨン(Rayon)(登録商標)、及びリオセル(Lyocell)(登録商標)、並びにこれらの混合物を含めた、セルロース若しくはセルロース由来繊維)と、疎水性繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びこれらの混合物を含めた、合成繊維)との両方を、約1:5〜約10:1、より好ましくは約1:3〜約5:1、さらに好ましくは約1:2〜約3:1、最も好ましくは約1:1〜約3:1の比で含むことが好ましい。表面に面する拭き取り用品の面は、随意的なテクスチャ付きであり、又は巨視的に三次元的である。単層状の拭き取り用品は、好ましくは、坪量が1平方メートル当たり約35g(gm-2)〜約200gm-2、より好ましくは約40gm-2〜約150gm-2、最も好ましくは約45gm-2〜110gm-2である。荷重率(load factor)、すなわち、g/g基準による乾燥不織布基材に添加される溶液のレベルは、好ましくは約2:1〜約7:1、より好ましくは約2.5:1〜約6:1、最も好ましくは約3:1〜約5:1である。
【0115】
基材の化学的組成の選択は、ウェットタイプの拭き取り用品からの所望の溶液放出特性に左右される。親水性繊維は、所与の坪量及び荷重率において、疎水性繊維よりも多くの溶液を吸収し、これが床への低い溶液放出特性をもたらす。水性クリーニング用組成物の放出が少ないことは、表面の濡れを制限し、それが乾燥を助けるので、有利な場合がある。表面の濡れの低減はまた、荷重率を制御することによって達成することもできる。最終的には、硬質表面クリーニング用組成物を含むウェットタイプの拭き取り用品の開発において不織布基材のパラメータを慎重に操作することによって、表面上の濡れを制御することができ、これが、従来の器具(スポンジやセルロースストリップなど)によって供給される水性クリーニング溶液に勝る利点をもたらすことが、当業者には理解されよう。選択された不織布基材が材料の積層体であるときに、このような利点を高めることができる。
【0116】
好ましい実施形態では、ウェットタイプの拭き取り用品は、多層状であり、液体貯留部の働きをする吸収層と、任意であるが好ましくは、外側の摺擦層若しくはバフ層と、任意で、保護用の背面層(随意的に取り付け層の働きをする)と、任意で、前述のような詰綿を含むクリーニング層とを含む。乾燥した積層拭き取り用品は、荷重率約2:1〜約10:1、より好ましくは約3:1〜約8:1、さらに好ましくは約4:1〜約7:1、最も好ましくは約4:1〜約6:1で硬質表面クリーニング用組成物によって濡らされる。外側の摺擦層若しくはバフ層は、坪量が約15gm-2〜約100gm-2、より好ましくは約20gm-2〜約80gm-2、最も好ましくは25gm-2〜約75gm-2の不織布基材である。外側の層は、好ましくは、巨視的に三次元の構造を有しており、それには随意的なスクリム材料が含まれる。外側の摺擦層は、随意的に、約0重量%〜50重量%の親水性繊維と、約50重量%〜約100重量%の疎水性繊維とを含む。内側の吸収層は、好ましくは坪量が約60gm-2〜約300gm-2、より好ましくは約80gm-2〜約200gm-2、最も好ましくは約90gm-2〜約160gm-2である。好ましくは、それは、約70%〜約90%の木材パルプ繊維若しくは他のセルロース材料、及び/又は約1%〜約30%の結合剤、及び/又は約1%〜約30%の2成分繊維から構成される。内側の吸収層の繊維は、いずれのデニールであることもでき、また、いずれの繊維密度を有することもできる。特に、内側の吸収層がエアレイドである場合、繊維密度を微調整し、それによって内側の吸収層に存在する水性クリーニング用組成物の量を制御することができる。内側の吸収層における繊維密度、材料の化学的組成及び加工、並びに外側の摺擦層若しくはバフ層の坪量を操作することによって、当業者は、モップがけ作業によって表面上にもたらされる濡れを制御することができる。内側の吸収層は、随意的に、坪量が100gm-2未満で、約50%〜約90%のセルロース材料及び約10%〜約50%の合成材料を含有する、スパンレース不織布から成るものであってよい。任意の背面層は、好ましくは、半透性層の役割を果たす熱可塑性スパンボンド不織布材料である。それは、また、内側の吸収層からの溶液の喪失を防ぐ不透性フィルムとして、又はモップヘッドへの取り付け層としての役割を果たすことができる、坪量の小さい(好ましくは約50gm-2未満)ポリエチレン又はポリプロピレンシートであることもできる。
【0117】
ウェットタイプの拭き取り用品には、既知の硬質表面クリーニング用組成物を含浸させることができる。硬質表面クリーニング用組成物は、通常、界面活性剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、ポリマー、抑泡剤、酵素などのうちの1以上を含む、水を主体とする溶液である。好適な界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、双極性、両性、及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、これらに限定するものではないが、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネートなどが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルエトキシレート、アルキルフェノール−エトキシレート、アルキルポリグルコシド、アルキルグルカミン、ソルビタンエステルなどが挙げられる。双極性界面活性剤の例としては、ベタイン及びスルホベタインが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アルキルアンホグリシネート(alkylampho glycinates)及びアルキルイミノプロピオネートなど、イミダゾール化学物質を使用して誘導される物質が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアンモニウム界面活性剤が挙げられる。以上の物質は、すべて市販されており、マカッチャンの第1巻:乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Vol.1:Emulsifiers and Detergents)、北米版(North American Ed.)、マカッチャン部門(McCutcheon Division)、MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)(1995)に記載されている。
【0118】
好適な溶媒としては、モノ−及びジ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル、モノ−、ジ−、及びトリ−プロピレングリコールn−ブチルエーテルなど、オキシエチレングリコール及びオキシプロピレングリコールの短鎖(例えば、C1〜C6)誘導体が挙げられる。好適なビルダーとしては、オルトホスフェート及びピロホスフェートなどのリン源、並びにニトリロ三酢酸及びS,S−エチレンジアミン二コハク酸などの非リン源から誘導されるものが挙げられる。好適なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸及びクエン酸などが挙げられる。好適なポリマーとしては、アニオン性、カチオン性、双極性、及び非イオン性のポリマーが挙げられる。好適な抑泡剤としては、シリコーンポリマー、及び直鎖若しくは分枝鎖のC10〜C18脂肪酸又はアルコールが挙げられる。好適な酵素としては、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、及び汚れ分解の触媒に有用であることが知られている他の酵素が挙げられる。
【0119】
ウェットタイプの拭き取り用品と共に使用するのに適したクリーニング溶液は、約0.05%のC10アルキルポリグリコシド、約0.01%のエトキシル化ヒマシ油、約0.02%の高分子量変性ポリエチレンイミン、約1%のプロピレングリコールn−ブチル、並びに防腐剤及び/又は香料のような任意の補助剤;並びに約99%〜約90%の脱イオン水又は軟水を含む。
【0120】
本発明による拭き取り用品の第3の種類は、水で活性化させる必要のある、クリーニング用組成物を含浸したクリーニング用拭き取り用品(10)である。該拭き取り用品は、クリーニング基材(20)と、随意的に摺擦基材とを含む。クリーニング基材(20)は、比較的研磨性の高い摺擦基材に比べて、より柔らかい表面を提供する。これらの種類の拭き取り用品は、濡れた状態であることができるが、好ましくは乾燥した手触りである。「乾燥した手触り(dry-to-the-touch)」とは、拭き取り用品が、湿式拭き取り用品若しくはウェットタイプの拭き取り用品の手触りのように、湿った若しくは濡れた手触りになる量の水又は他の溶媒を含まないことを意味しており、基材は、液体、一般的には低粘度の組成物中で含浸される(すなわち、浸される)。
【0121】
クリーニング基材は、クリーニングを拡張するための液体貯留部の働きをする、前述のような吸収層と;任意で、保護用の背面層(随意的な取り付け層の働きをする)と;任意で、好ましくは使用時の起泡の目的で、前述のような詰綿を含むクリーニング層とを含む。任意の背面層は、好ましくは、半透性層の役割を果たす熱可塑性スパンボンド不織布材料である。それはまた、内側の吸収層からの溶液の喪失を防ぐ不透性フィルムとして、又はモップヘッドへの取り付け層としての役割を果たすことができる、坪量の小さい(好ましくは約50gm-2未満)ポリエチレン又はポリプロピレンシートであることもできる。任意の摺擦基材は、前述したようないずれかの摺擦手段であることができるが、好ましくは摺擦層又はスクリムである。クリーニング基材及び摺擦基材は、好ましくは互いに取り付けられ、場合によっては互いに可逆的に取り付けられる。取り付ける地点は、摺擦基材とクリーニング基材(20)とが互いに取り付けられるのであれば、拭き取り用品の表面上のいずれの地点にすることもできる。さらに好ましくは、クリーニング基材及び摺擦基材は、摺擦基材及び/又はクリーニング基材(20)の周囲で互いに取り付けられる。基材は、好ましくは超音波シールを使用して互いに取り付けられるが、例えば、ヒートシール、接着剤、縫製、及びこれらの組み合わせの使用など、一般的に知られている他の方法を使用してもよい。
【0122】
クリーニング用組成物は、好ましくは、濃縮溶液、ペースト、又はゲルの形態である。クリーニング用組成物は、通常、前述のように、界面活性剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、ポリマー、抑泡剤、酵素などのうちの1以上を含む。本明細書で使用するとき、「ペースト」は、剪断速度1s-1で50パスカル秒(Pa.s)の最低粘度をもつ、0%〜約40%の水を含む化学組成物である。溶媒含有量は、約40%を超えることができるが、その場合、水であり得るのが最高でも組成物の40%であることに留意する。極端な一例では、ペーストは、微量の水しか含有しない、より好ましくは少なくとも約1%の水、さらに好ましくは少なくとも約2%の水、最も好ましくは少なくとも約3%の水を含有する、粉末又は固体である。別の極端な一例では、ペーストは、約40%ほどの高さの水分含有量、より好ましくは約5%〜約30%、より好ましくは約6%〜約25%、さらにより好ましくは約7%〜約20%、最も好ましくは約7%〜約15%の水を含むことができる。正確な水分含有量は、ペースト中の他の溶媒のレベルと、ペーストの所望のレオロジー的特性とによって決まる。ペーストの粘度は、一般に、水及び他の溶媒を含め、組成物中の液体含有量(25℃における)に反比例する。好ましくは、ペーストの粘度は、剪断速度1.0s-1において、少なくとも約75Pa.s、より好ましくは少なくとも約100Pa.s、最も好ましくは少なくとも約150Pa.sである。好ましくは、ペーストの粘度は、剪断速度1.0s-1において、最大でも約10,000Pa.s、より好ましくは最大でも約5000Pa.s、最も好ましくは最大でも約1,000Pa.sである。好ましい粘度範囲は、具体的なペースト組成物の構成成分によって決まる。以上で定義した最低粘度レベル及び最高粘度レベルから成るいずれの範囲も使用することができる。
【0123】
クリーニング用拭き取り用品の第4の種類は、乾式ダスティング拭き取り用品である。これらの種類の拭き取り用品は、単一の不織布層から形成できるが、好ましくは、水流交絡によって好ましくは接合される、少なくとも2つの別個の層の複合体である。拭き取り用品は、随意的に、該拭き取り用品の一体性を向上させるためにスクリムを含む。拭き取り用品は、随意的に、汚れの付着を改善する、低いレベルの添加剤を含んでよい。添加剤は、好ましくは0.01%〜25%、より好ましくは1%〜15%、さらにより好ましくは4%〜8%のレベルで基材に添加される。好適な添加剤としては、界面活性剤、油、ワックス、香料、接着剤(感圧性接着剤を含む)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。乾式ダスティングシートの例は、米国特許第6,645,604号に見出すことができる。
【0124】
(クリーニング用拭き取り用品(10)とクリーニング器具とを含むキット)
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)は、好ましくはクリーニング器具と併せて使用されるが、また、手で(すなわち、手をポケット(30)に挿し込み、次いで汚れた表面を拭き取ることによって)使用することもできる。したがって、本発明の別の態様によれば、
モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)と;
使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)とを含むキットであって、前記クリーニング用拭き取り用品(10)は、
不織布材料を含むクリーニング基材(20)を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、キットが提供される。
【0125】
クリーニング器具は、モップヘッドを備えており、該モップヘッドは、硬質で変形不能であっても、部分的に変形可能であっても、又は完全に変形可能であってもよい。モップヘッドの形状、特にモップヘッドの下面領域の形状は、好ましくは、円形、楕円形、眼形、アイロン形、三角形、正方形、方形、台形、五角形、又は六角形のいずれかである。きわめて好ましい実施形態では、クリーニング器具は、眼形の変形可能モップヘッドを備える。モップヘッドは、好ましくは自在継手によって柄に連結される。モップヘッドは、本発明による拭き取り用品を取り外し可能に取り付けるための1以上の取り付け手段を含んでよい。好ましくは、取り付け手段は、眼形のモップヘッドの後縁に隣接して配置された1つのスリット付き構造である。
【0126】
好ましくは、パッドの1つの層は、モップヘッドと同一の形状であり、モップヘッドに取り付ける間ユーザーから見えている。この目的は、モップヘッドを器具に位置合わせするための容易な方法をユーザーに提供することである。これは、拭き取り用品を置き間違えると製品の満足度が低くなる、又は好ましくない結果をまねき得る、非方形の拭き取り用品の場合に特に重要である。随意的に、この位置合わせは、パッドをモップヘッドと同一の形状へと結合させることによって、又は形状を示すための色若しくは印刷物を使用して、もたらされてもよい。随意的に、この位置合わせはまた、拭き取り用品に含浸させることのできる化学物質(特に該化学物質が乾燥ペースト若しくはゲルの場合)によってもたらされてもよい。随意的に、これらの位置合わせ方法は、位置合わせをもたらすためにモップヘッドの前縁又は後縁のいずれかを利用してもよい。該位置合わせ方法は、設置の混乱がなく、ゆえにモップヘッドの設置及び取り付けが改善されるので、消費者と拭き取り用品との相互作用を低減することが可能である。
【0127】
図10に示したような好ましいクリーニング器具については、米国特許出願第60/499851号及び同第60/49985号(共に2003年9月3日出願)に記載されている。
【0128】
最も好ましい実施形態では、キットは、
変形可能な眼形のモップヘッドを備えたクリーニング器具を含んでおり、前記モップヘッドは、その上面に、後縁の近くに配置された、クリーニング用拭き取り用品(10)を保持するための1つのスリット付き構造を含んでおり;
半眼形の前部分と、半眼形の前部分の形状と共形の半眼形のポケット(30)と、取り付け層と、眼形のモップヘッドと共形の、眼形の吸収層(50)とを含む、クリーニング用拭き取り用品(10)を含む。
【0129】
この最も好ましい実施形態は、特に湾曲した表面のクリーニング及び隅角部のクリーニングの場合に、最適なユーザー利便性、拭き取り用品の取り付け(及び拭き取り用品の取り外し)、並びにクリーニング性能をもたらす。さらに、モップヘッドが変形可能なときには、消費者からモップヘッドへと、最終的には拭き取り用品へと伝わる力は、変形不可能なヘッドに比べて小さい。ヘッドが変形可能であるほど、伝わる力が少なく、クリーニングのための労力が少なくなる。一端にスリット付き構造を備えたモップヘッドを使用するときには、スリット付き構造のために切り取られた空間があるので末端部分がさらに変形可能であることから、モップヘッドの端部における力は、さらに小さくなる。したがって、変形可能なモップヘッドの場合に可能なクリーニング力を最大にするために、前縁にはスリット付き構造を設けず、後縁に1つのスリット付き構造を設けることが、本発明の拭き取り用品と併せて使用するときに有利である。この手法によって、前縁でのクリーニングがより強力になるという消費者利益をもたらしながら、非常に単純な取り付け機構が可能になる。さらに、この好ましい実施形態は、ヘッドの変形性による毛髪収集力の改善という利益をもたらす。
【0130】
さらに、クリーニング基材(20)は、好ましくは、モップヘッドの最大幅の合計に等しく、又はそれ以上で、モップヘッドの側部の高さの2倍である、最大幅を有する。クリーニング基材(20)は、好ましくは、モップヘッドの最大長さの合計よりもわずかに(最大20mmまで)大きく、眼形のモップヘッドの先端の高さの2倍である、長さを有する。
【0131】
(クリーニング方法)
前述のように、本発明の拭き取り用品は、好ましくは、床、シンク、バスタブ、シャワー壁、ガラス、台所表面、車など、平らな表面及び湾曲した表面両方の、硬質表面のクリーニングに使用される。
【0132】
したがって、本発明によれば、硬質表面をクリーニングする方法であって、前記表面を使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)で拭き取る工程を含んでおり、前記クリーニング用拭き取り用品(10)は、
不織布材料を含むクリーニング基材(20)を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、方法が提供される。
【0133】
(クリーニング用拭き取り用品の包装)
本発明のクリーニング用拭き取り用品(10)を積み重ねたものは、好ましくは、いずれも再密閉可能な開口部(40)を備える、容器内又はフローラップ(flow wrap)内に包装される。拭き取り用品は、包装を開けたときにポケット(30)が一番上にくるように積み重ねられる。拭き取り用品は、折り畳まずに包装できるが、好ましくは折り畳まれ、より好ましくは3つ折り(tri-folded)、最も好ましくは2つ折り(double-folded)にされる。後者は、クリーニング用拭き取り用品(10)がウェットタイプの拭き取り用品であるとき、又はクリーニング用組成物を含浸した乾燥した手触りのクリーニング用拭き取り用品(10)であるときに、特に有益である。これらの拭き取り用品を2つ折りにすることによって、ある拭き取り用品のクリーニング用組成物と別の拭き取り用品との間の接触が低減され、又はさらに防止される。さらに、皮膚とクリーニング用組成物との間の直接接触が防止されるので、消費者に衛生及び安全利益をもたらす。
【0134】
再密閉可能な開口部は、好ましくは、クリーニング器具のモップヘッド、又は少なくともポケットに嵌入するモップヘッドの部分を開口部に容易に挿入できるように、十分に大きい。必要なときには、ユーザーは、ポケットを形成する不織布材料を持ち上げてから、モップヘッドをポケットに挿入することができる。したがって、ユーザーは、包装内に置かれたままで、モップヘッドをクリーニング用拭き取り用品に便利に取り付けることができる。モップヘッドがポケットに嵌入したら、ユーザーは、クリーニング用拭き取り用品と共にモップヘッドを包装から取り出し、次いで任意の補助取り付け手段によって拭き取り用品を固定することができる。したがって、ユーザーの皮膚との接触が防止され、これは、主にウェットタイプの拭き取り用品の場合に重要である。
【実施例】
【0135】
クリーニング用組成物を含浸したクリーニング用拭き取り用品を、次のように製造した。
【0136】
はじめに、70gm-2の80%ポリプロピレン、20%レーヨン・カーデッドサーマルボンド(Carded Thermal Bond)(ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)のBBAノンウブンズ(BBA Nonwovens)から)を、長さ273mm、幅154mmになるように切断する。この構造を層Aとする。
【0137】
次いで、150gm-2の82%パルプ、18%ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート(PE/PET)2成分エアレイドコア(テネシー州メンフィス(Memphis)のバッカイ・アブソーベント・プロダクツ(Buckeye Absorbent Products)から)の吸収層を、長さ230mm、幅110mmの眼形に切り抜く。次いで、このコアを、15gm-2の100%スパンボンドバックシート(ニューヨーク州グレートネック(Great Neck)のファースト・クオリティ・ノンウブン(First Quality Nonwoven)から)に超音波結合する。これらの材料を、長さ273mm、幅154mmになるように、また、眼形の先端が拭き取り用品の前縁から27mm、拭き取り用品の後縁から16mmにくるように、切断する。眼形の層は、他の側部それぞれにおいて19.5mmになるように中心に配置すべきである。この構造を層Bとする。
【0138】
次に、コアがカーデッドサーマルボンド(Carded Thermal Bond)材料と接触するように、層Aを層Bの上に置く。ここで、この構造を層Cとする。
【0139】
次に、15gm-2層が上方を向くように、層Cをひっくり返す。ここで、この構造を層Dとする。
【0140】
次に、34gm-2の100%ポリプロピレンスパンボンド材料(ニューヨーク州グレートネック(Great Neck)のファースト・クオリティ・ノンウブン(First Quality Nonwoven)から)のストリップを、層Eの前縁上に置く。該材料は、85mm×154mmにすべきである。ここで、この構造を層Eとする。
【0141】
次に、前縁が半眼形に形成され、パッドの残りの部分が完全に結合するように、超音波結合を使用して層Eを結合させる。この時点で、34gm-2スパンボンドは、パッドの約25%を覆うはずである。
【0142】
次に、前縁のところで結合部の周りを切断する。
【0143】
最後に、0.05%のC10アルキルポリグリコシド、0.01%のエトキシル化ヒマシ油、0.02%の高分子量変性ポリエチレンイミン、1%のプロピレングリコールn−ブチルを含み、残りが脱イオン水であるクリーニング溶液30gを、パッド上に与える。これが、最終的なウェットタイプのパッドである。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】半眼形のポケットを有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図2】半眼形のポケットを有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の裏面図。
【図3】ほぼ三角形のポケットを有する別の好ましいクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図4】長手軸上に配置された開口部を備えるポケットを有する別の好ましいクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図5a】周囲で連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図及び側面図。
【図5b】周囲で連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図及び側面図。
【図6】周囲で不連続的に結合した好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図7】眼形の吸収層を有する好ましいクリーニング用拭き取り用品の斜視図。
【図8】本発明のクリーニング用拭き取り用品の別の実施形態の平面図。
【図9】本発明の代替的なクリーニング用拭き取り用品の平面図。
【図10】好ましいクリーニング器具の斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品(10)であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面又は下面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、拭き取り用品。
【請求項2】
前記ポケット(30)が、前記長手軸上に配置された尖端を有する、請求項1に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項3】
前記ポケット(30)が、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、半眼形、ほぼ台形、ほぼ方形、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される形状である、請求項1又は2に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口部(40)が、前記クリーニング基材(20)の前記長手軸にほぼ垂直である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの開口部(40)が、少なくとも部分的に、前記クリーニング基材(20)の前記長手軸上に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項6】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約5%〜約50%を覆う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項7】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約10%〜約30%を覆う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項8】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約25%を覆う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項9】
前記拭き取り用品が、1以上の追加取り付け手段を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項10】
前記1以上の追加取り付け手段が、取り付け層である、請求項9に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項11】
前記クリーニング基材(20)が、吸収層(50)を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項12】
吸収層(50)が、眼形である、請求項11に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項13】
前記拭き取り用品が、吸収層(50)と、取り付け層と、随意的な摺擦層とを含んでおり、2つ又はそれ以上の層が周囲で結合されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項14】
前記拭き取り用品が、クリーニング用組成物を含浸している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項15】
前記クリーニング用組成物が、濃縮溶液、ペースト、又はゲルである、請求項14に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項16】
モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)と;
請求項1〜15のいずれか一項に記載の少なくとも1つのクリーニング用拭き取り用品(10)とを含むキット。
【請求項17】
前記モップヘッド(61)が、眼形で、変形可能である、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記クリーニング用拭き取り用品(10)が、モップヘッドの形状と共形の、眼形の吸収層(50)を含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記クリーニング器具(60)が、前記モップヘッド(61)の上面でクリーニング用拭き取り用品(10)を保持するための1つのスリット付き構造を含んでおり、前記スリット付き構造は、モップヘッドの後縁に隣接して配置されており;クリーニング用拭き取り用品(10)は、半眼形の前部分と、半眼形の前部分の形状と共形の半眼形のポケット(30)と、取り付け層と、眼形のモップヘッド(61)と共形の眼形の吸収層(50)とを含む、請求項17に記載のキット。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)で前記表面を拭き取る工程を含む方法。
【請求項21】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のクリーニング用拭き取り用品(10)を、モップヘッドを有するクリーニング用器具(60)に取り付ける方法であって、モップヘッド(61)をポケット(30)に挿入する工程を含む方法。
【請求項22】
硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有する前記クリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約90%〜約100%を覆い、前記長手軸に垂直な1つの開口部と、長手軸上のスリットとを有することを特徴とする、拭き取り用品。
【請求項1】
硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品(10)であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有するクリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面又は下面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面又は下面の表面積の約2%〜約90%を覆い、少なくとも1つの開口部(40)を有することを特徴とする、拭き取り用品。
【請求項2】
前記ポケット(30)が、前記長手軸上に配置された尖端を有する、請求項1に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項3】
前記ポケット(30)が、ほぼ三角形、ほぼ半楕円形、半眼形、ほぼ台形、ほぼ方形、又はこれらの組み合わせから成る群から選択される形状である、請求項1又は2に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの開口部(40)が、前記クリーニング基材(20)の前記長手軸にほぼ垂直である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの開口部(40)が、少なくとも部分的に、前記クリーニング基材(20)の前記長手軸上に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項6】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約5%〜約50%を覆う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項7】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約10%〜約30%を覆う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項8】
前記ポケット(30)が、前記上面又は下面の表面積の約25%を覆う、請求項1〜7のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項9】
前記拭き取り用品が、1以上の追加取り付け手段を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項10】
前記1以上の追加取り付け手段が、取り付け層である、請求項9に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項11】
前記クリーニング基材(20)が、吸収層(50)を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項12】
吸収層(50)が、眼形である、請求項11に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項13】
前記拭き取り用品が、吸収層(50)と、取り付け層と、随意的な摺擦層とを含んでおり、2つ又はそれ以上の層が周囲で結合されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項14】
前記拭き取り用品が、クリーニング用組成物を含浸している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項15】
前記クリーニング用組成物が、濃縮溶液、ペースト、又はゲルである、請求項14に記載の拭き取り用品(10)。
【請求項16】
モップヘッド(61)を備えたクリーニング器具(60)と;
請求項1〜15のいずれか一項に記載の少なくとも1つのクリーニング用拭き取り用品(10)とを含むキット。
【請求項17】
前記モップヘッド(61)が、眼形で、変形可能である、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記クリーニング用拭き取り用品(10)が、モップヘッドの形状と共形の、眼形の吸収層(50)を含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記クリーニング器具(60)が、前記モップヘッド(61)の上面でクリーニング用拭き取り用品(10)を保持するための1つのスリット付き構造を含んでおり、前記スリット付き構造は、モップヘッドの後縁に隣接して配置されており;クリーニング用拭き取り用品(10)は、半眼形の前部分と、半眼形の前部分の形状と共形の半眼形のポケット(30)と、取り付け層と、眼形のモップヘッド(61)と共形の眼形の吸収層(50)とを含む、請求項17に記載のキット。
【請求項20】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の使い捨てクリーニング用拭き取り用品(10)で前記表面を拭き取る工程を含む方法。
【請求項21】
請求項1〜15のいずれか一項に記載のクリーニング用拭き取り用品(10)を、モップヘッドを有するクリーニング用器具(60)に取り付ける方法であって、モップヘッド(61)をポケット(30)に挿入する工程を含む方法。
【請求項22】
硬質表面をクリーニングするための使い捨て拭き取り用品であって、
不織布材料を含み、長手軸と、上面と、下面とを有する前記クリーニング基材(20)と、
少なくとも1つの取り付け手段と、
を具え、前記少なくとも1つの取り付け手段は、前記クリーニング基材(20)の上面に形成されたポケット(30)であり、前記ポケット(30)は、前記上面の表面積の約90%〜約100%を覆い、前記長手軸に垂直な1つの開口部と、長手軸上のスリットとを有することを特徴とする、拭き取り用品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−516027(P2007−516027A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542716(P2006−542716)
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040245
【国際公開番号】WO2005/055797
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/040245
【国際公開番号】WO2005/055797
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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