説明

侵入監視システム及び住宅

【課題】安価なコストで設置でき、死角を少なくすることができる侵入監視システムを提供する。
【解決手段】侵入監視システム1は、敷地101内に建設される住宅100の角部105に設置され、当該敷地101の角方向を撮影する防犯カメラ3と、前記敷地101の角に設置され、当該敷地101の一方の境界線方向からの映像を前記防犯カメラ3に反射させる第1の鏡面21と、前記敷地の他方の境界線方向からの映像を前記防犯カメラ3に反射させる第2の鏡面22との少なくとも2面の鏡面を有する反射鏡2と、前記防犯カメラ3が撮影した映像を記録するHDD43と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅等の建物の敷地内への不正侵入を監視する侵入監視システム、及び当該侵入監視システムを備えた住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、凶悪犯罪の増加等による住宅へのセキュリティーに対する意識の高まりから、住宅外周に設置する様々な防犯装置が広く普及している。このような防犯装置の一例として、例えばデジタル式防犯カメラと人体感知センサとからなる撮影ユニットを所望の箇所に取付けて住宅の敷地内への不正侵入を監視する侵入監視システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような侵入監視システムを用いると、人体感知センサにより不正な侵入を検出し、侵入が検出された場合にのみ防犯カメラにより撮影するので、敷地内の任意の領域を常に撮影し続ける場合に比べて、画像を保存する記録装置の容量を小さくすることができ、又、画像を表示して確認する場合にも負担を軽減することができる。
【0004】
ところで、上述のような侵入監視システムを用いた場合にも、建物等により防犯カメラの死角が生じるので、不正侵入を試みる者がこのような死角に入った場合には、監視することができない。そこで図8に示すように、住宅100の敷地101の周縁に設けらた塀102の上縁部に沿って設置されたレール103と、該レール103に沿って移動可能で駆動部と監視カメラ部と人体検出部とを有するカメラユニット104と、を備える侵入監視システムが提案されている(例えば特許文献2参照)。この発明によると、建物のフェンスに沿ってカメラユニット104を移動させるので、敷地101内を隈なく監視することができる。
【特許文献1】特開2002−344953号公報
【特許文献2】特開2005−210263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような侵入監視システムは、住宅100の敷地101を囲む塀102全体にレール103を設置し、且つカメラユニット104を駆動するための駆動部を設けるものであるので、従来のものに比べて設置コストが大きくなるとともに、屋外を自走するので耐用期間が短くなり、高い頻度でメンテナンスを必要とする。また、駆動部を制御する必要があるので、制御が複雑なものとなりやすい。さらに、塀102の付近に設置された植栽等によっては、死角となる領域が発生する虞もある。
【0006】
そこで本発明は安価なコストで設置でき、死角を少なくすることができる侵入監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の侵入監視システムは、建物敷地内に建設される建物の角部に設置され、当該敷地の角方向を撮影する防犯カメラと、前記敷地の角に設置され、当該敷地の一方の境界線方向の映像を前記防犯カメラに反射させる第1の鏡面と、前記敷地の他方の境界線方向の映像を前記防犯カメラに反射させる第2の鏡面との少なくとも2面の鏡面を有する反射鏡と、前記防犯カメラが撮影した映像を記録する記録装置と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の侵入監視システムは、前記敷地の一方の境界線側への侵入を検知する第1センサと、前記敷地の他方の境界線側への侵入を検知する第2センサと、を更に備え、前記防犯カメラは、前記第1センサにより侵入を検知した場合は、前記第1の鏡面に反射される映像を撮影し、前記第2センサにより侵入を検知した場合は、前記第2の鏡面に反射される映像を撮影することを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の侵入監視システムは、前記防犯カメラが設置される前記角部は、前記建物の軒裏の建物外壁側であって、前記反射鏡が設置される前記敷地の角は、前記建物の軒裏の先端側であることを特徴としている。
【0010】
請求項4記載の住宅は、前記建物は住宅であって、請求項1から請求項3のいずれかの侵入監視システムを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の侵入監視システムによると、敷地内に建設される建物の角部に設置され、当該敷地の角方向を撮影する防犯カメラと、前記敷地の角部に設置され、当該敷地の一方の境界線方向からの映像を前記防犯カメラに反射させる第1の鏡面と、前記敷地の他方の境界線方向からの映像を前記防犯カメラに反射させる第2の鏡面との少なくとも2面の鏡面を有する反射鏡と、を備えているので、第1の鏡面に映りこんだ敷地の一方の境界線方向からの映像と第2の鏡面に映りこんだ敷地の他方の境界線方向からの映像とを防犯カメラにより撮影することができる。したがって、防犯カメラには、第1の鏡面及び第2の鏡面が同時に映りこむこととなり、第1の鏡面及び第2の鏡面に映った敷地の一方の境界方向及び他方の境界方向を同時に又は選択して撮影することができる。このように反射鏡を用いることで、1台の防犯カメラを動かすことなく2方向を撮影することができ、建物によって死角が生じることを抑制することができるとともに、防犯カメラを2台用いて監視する場合に比べて安価に構成することができる。
【0012】
請求項2に記載の侵入監視システムによると、敷地の一方境界線側への侵入を検知する第1センサと、敷地の他方境界線側への侵入を検知する第2センサと、を更に備え、防犯カメラは、第1センサにより侵入を検知した場合は、第1の鏡面に映る映像を撮影し、第2センサにより侵入を検知した場合は、第2の鏡面に映る映像を撮影するので、敷地の一方境界線側への侵入があった場合には第1の鏡面に映る映像を撮影することができ、敷地の他辺方向への侵入があった場合には第2の鏡面に映る映像を撮影することができる。したがって、侵入があったときに、侵入があった方向からの映像のみを記録装置に記録することができるので、記録する映像を少なくすることができ、記録装置の記録容量を小さくすることができる。また、記録する映像が少ないので、不正な侵入が無いか確認する作業を行う場合に、確認する必要がある映像の量を少なくすることとなり、容易に適切な映像を確認することができる。
【0013】
請求項3記載の侵入監視システムは、防犯カメラ及び反射鏡が高い位置にある軒裏に設置されるので、敷地に高木などがある場合にも、遮蔽されずに敷地を撮影することができる。また、高い位置に防犯カメラ及び反射鏡を配置することで、侵入者に防犯カメラ及び反射鏡を破壊されることを抑制することができる。更に、このように軒裏に設置することで、防犯カメラ及び反射鏡を目立たなくすることができ、建物の美観を損ねることがない。また、防犯カメラ及び反射鏡が軒裏に設けられているので、防犯カメラ及び反射鏡を降雨や直射日光から守ることができ、装置の汚れや故障を防ぐことができる。
【0014】
請求項4記載の住宅は、請求項1から請求項3に記載の侵入監視システムを備えるので、上述の請求項1から請求項3の効果を奏するとともに、不正侵入の有無を簡単に確認をすることができ、居住者がより安心して居住することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明における侵入監視システム1の最良の実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。まず、侵入監視システム1の構成について説明する。侵入監視システム1は、図1及び図2に示すように、2面の鏡面21、22を備え、住宅100の軒106の角の先端106aに設置される反射鏡2と、この反射鏡2を撮影する住宅100の角部105の外壁側の軒裏106bに設置される防犯カメラ3と、この防犯カメラ3の動作を制御し、防犯カメラ3が撮影した画像を記録する処理をおこなう情報処理装置4と、住宅100の敷地101の一辺方向の領域への侵入を検知する第1センサ5と、他辺方向の領域への侵入を検知する第2センサ6と、を備える。
【0016】
反射鏡2は、図1、図3、及び図4に示すように、住宅100の敷地101の一方の境界方向からの映像を防犯カメラ3に反射させる第1の鏡面21と、住宅100の敷地101の他方の境界方向からの映像を防犯カメラ3に反射させる第2の鏡面22と、住宅100の軒106の角の先端106aに固定され、これらの2面の鏡面21、22を支持する支持アーム23と、を具備する。支持アーム23は、軒裏106bに貼り付けられた軒天井板106cの先端部分に、例えば図示しない螺子などで螺着されている。指示アーム23の中間には例えば自在継ぎ手により折曲自在な可動部24を有しており、可動部24の折曲角度を調整することで鏡面21、22の角度を調整できる構成であり、2面の鏡面21、22がやや下方に傾くように調整されている。2面の鏡面21、22は、当接する端縁が例えば図示しない蝶番により連結されており、この蝶番により互いの折曲角度を調整することができるものである。
【0017】
防犯カメラ3は、その撮影方向が2面の鏡面21、22と向き合うように住宅100の角部105の軒裏106bに設置されたデジタルカメラであり、第1の鏡面21に映る映像及び第2の鏡面22に映る映像にそれぞれズームアップすることができる光学ズーム機能を有するものである。なお本実施形態においては、防犯カメラ3を、防犯カメラ内に備わる図示しないレンズ及び鏡の動作により光学的にズームアップする構成としたが、これに限定されるものではなく、防犯カメラ3が一旦、第1の鏡面21及び第2の鏡面22を含む領域を撮影し、その後に、第1の鏡面21又は第2の鏡面22のいずれかが映る部分を切り取って拡大する画像処理を行う構成であってもよい。また、この防犯カメラ3は、図2及び図3に示すように、住宅100内部に設置された情報処理装置4に接続されるLANケーブル7、及び住宅100内のコンセントから繋がる電源コード8に接続されており、電力の供給を受け入れるとともに、情報処理装置4に対して撮影した画像データを送信している。
【0018】
情報処理装置4は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41、RAM(Random Access Memory)42、記録装置としてのHDD(Hard Disk Drive)43、インターフェース44、モニタ45、操作部46、第1センサ用ポート47、及び第2センサ用ポート48を備え、それぞれをバス49によって接続している。この情報処理装置4としては、例えば汎用のPCを用いることもでき、又は、本侵入監視システム1に専用の装置を住宅内に備え付けることもできる。CPU41は、HDD43に記憶されているプログラムにしたがって、各部の動作を制御するとともに、防犯カメラ3に対してその動作を制御するコマンドを送信する。RAM42は、CPU41により処理される情報を読み込み書き出し可能な状態で保存するものである。HDD43は、CPU41の各種動作プログラムを記憶するほかに、所定の領域に防犯カメラ3から受信する映像を記録する。このように本実施形態においては、防犯カメラ3から受信する映像は、HDD43に記録されるが、本発明の記録装置はこれに限定されるものではなく、例えば図示しないが情報処理装置4が備える各種ドライバにより制御されるDVD(Digital Versatile Disk)やフラッシュメモリ(flash memory)等の可搬型記憶媒体を用いるものであってもよい。この他、電磁的又は光学的に映像を記録することができる種々の記録装置を適用することができる。
【0019】
インターフェース44は、LANケーブル7を介して自装置4と防犯カメラ3とを相互に接続するものである。なお、このように本実施形態においては防犯カメラ3と情報処理装置4との間をLANケーブル7により有線で接続する構成としたが、防犯カメラ3と情報処理装置4との間を無線で接続する構成であってもよい。モニタ45は、画像データを映像として表示可能な例えば液晶ディスプレイ装置であって、防犯カメラ3が撮影した画像データを表示する。操作部46は、例えばキーボード及びマウスであって、侵入監視システム1の起動及び終了や、画像データを表示する指示の受付を行う。第1センサ用ポート47は、第1センサ5からの侵入検知信号の入力を受け付け、第2センサ用ポート48は第2センサ6からの侵入検知信号の入力を受け付ける。
【0020】
第1センサ5は、図1に示すように、防犯カメラ3及び反射鏡2が設置された住宅100の角部105からみて、一方の壁面107に設置され、この一方の壁面107と敷地101の境界線に設けられている塀102との間に向かって赤外線を発射し、反射される赤外線を所定感度で受信することで侵入者を検知する赤外線能動センサである。すなわち、壁面107と塀102との間に侵入者があると、第1センサ5から発射された赤外線が当該侵入者に当って反射し、その赤外線を受信することで、侵入者を検知できるものである。また、この第1センサ5は、反射された赤外線を受信するとその旨の信号を生成し、ケーブル9を介して情報処理装置4にその信号を送信するものである。なお、本発明の第1センサ5はこれに限定されるものではなく、例えば侵入者が発する赤外線を第1センサ5が受信する赤外線受動センサを用いても良く、また、一定領域に動物や人間が侵入したことを検知可能なセンサであれば赤外線センサに限定されるものではない。
【0021】
また、第2センサ6は、防犯カメラ3及び反射鏡2が設置された建物の角から見て、第1センサ5が設置された壁面107とは異なる他方の壁面108に設置され、塀102との間に向かって赤外線を発射し、反射した赤外線を所定感度で受信するセンサであり、その構成は第1センサ5と同様のものである。
【0022】
なお、上述のように赤外線能動センサなどの物理的な構成としての第1センサ5及び第2センサ6を用いることで、極めて簡単な構成で侵入があったときのみ撮影することができる侵入監視システム1とすることができるが、本発明の実施形態はこのような物理的なセンサに限定されるものではなく、情報処理装置4のCPU41が第1のセンサ5及び第2のセンサ6の役割を果たすものであっても良い。例えば防犯カメラ3が撮影した映像を情報処理装置4が分析して不正な侵入を検知する構成とすることができる。すなわち、防犯カメラ3が撮影した映像に侵入を示す特定パターンがあるか否か情報処理装置4が判断し、特定パターンがある場合には当該特定パターンが撮影された第1の鏡面21または第2の鏡面をズームアップして鏡面21、22に映った映像を撮影し、HDD43に記録する構成としても良い。
【0023】
以上のように構成される侵入監視システム1において、第1センサ5又は第2センサ6からの侵入検知信号に基づいて、主に情報処理装置4のCPU41及び防犯カメラ3が行う処理の一例について、図5を参照しつつ説明する。情報処理装置4では、所定間隔毎に定常的にこの処理を実行している。
【0024】
まずCPU41は、第1センサ5から侵入検知信号を受信したか否か判断する(S201)。すなわち、住宅100の一方の外壁107と敷地101の境界線上に設置された塀102との間の領域に侵入者があると、この侵入者から発せられる赤外線を第1センサ5が受信し、受信した情報に基づいて侵入検知信号を生成し、ケーブル9を介して情報処理装置4に送信する。CPU41は、この侵入検知信号の受信があったか否か判断する。
【0025】
CPU41が第1センサ5から侵入検知信号を受信したと判断すると(S201:YES)、次にCPU41は、防犯カメラ3に対して第1の鏡面21に映る映像をズームアップして撮影する旨のコマンドを送信する(S202)。すなわち、CPU41は防犯カメラ3に対して上記のコマンドを生成し、LANケーブル7を介して、防犯カメラ3にこのコマンドを送信する処理を行う。防犯カメラ3は第1の鏡面21に映る映像をズームアップして撮影する旨のコマンドを受信すると、内部の図示しないレンズや鏡を動作させて第1の鏡面21に映る映像をズームアップし、例えば1秒間隔で映像を撮影し(S203)、撮影した映像を所定のファイル形式の画像データに変換して、LANケーブル7を介して情報処理装置4に送信する(S204)。
【0026】
一方、ステップS201において、第1センサ5から侵入検知信号を受信していないと判断すると、第2センサ6から侵入検知信号を受信したか否か判断する(S205)。すなわち、住宅100の他方の外壁108と敷地101の周縁に設置された塀102との間の領域に侵入者があると、この侵入者から発せられる赤外線を第2センサ6が受信し、受信した情報に基づいて侵入検知信号を生成し、ケーブル9を介して情報処理装置4に送信する。CPU41は、この第2センサ6からの侵入検知信号の受信があったか否か判断する。
【0027】
CPU41が第2センサ6から侵入検知信号を受信したと判断すると(S205:YES)、次にCPU41は、防犯カメラ3に対して第2の鏡面22に映る映像をズームアップして撮影する旨のコマンドを送信する(S206)。すなわち、CPU41は防犯カメラ3に対して上記のコマンドを生成し、LANケーブル7を介して、防犯カメラ3にこのコマンドを送信する処理を行う。防犯カメラ3は第2の鏡面22に映る映像をズームアップして撮影する旨のコマンドを受信すると、第2の鏡面22に映る映像をズームアップし、例えば1秒間隔で映像を撮影し(S207)、所定のファイル形式の画像データに変換して、LANケーブル7を介して情報処理装置4に送信する(S208)。一方、ステップS205において、第2センサ6から侵入検知信号を受信していないと判断すると(S205:NO)、すなわち、第1センサ5及び第2センサ6のいずれからも侵入検知信号を受信していない場合は、そのまま、このルーチンを終了する。
【0028】
CPU41は、ステップS202又はステップS206において、コマンドを送信すると、次に画像データの受信があったか否か判断する(S209)。すなわち、防犯カメラ3が第1の鏡面21又は第2の鏡面22を撮影し(S203又はS207)、その映像を所定のファイル形式の画像データとして情報処理装置4に対して送信し(S204又はS208)、当該画像データを情報処理装置4が受信したか否か判断する(S209)。画像データを情報処理装置4が受信していないと判断すると(S209:NO)、CPU41は画像データを受信するまで待機する。一方、画像データを受信したと判断すると(S209:YES)、撮影された画像データをHDD43に保存する処理を行い(S210)、このルーチンを終了する。
【0029】
なお、前述の通り、撮影された画像データの保存は、HDD43に限定されるものではなく、DVD(Digital Versatile Disk)やフラッシュメモリ(flash memory)等の可搬型記憶媒体及びその他の種々の記録装置に保存するものであってもよい。また、撮影された画像データはHDD43等の記録装置に保存するとともに、モニタ45に表示する処理を行ってもよく、例えば、情報処理装置4が図示しないスピーカを備えるものであって、モニタ45に表示するとともに警告音を発するものであってもよい。
【0030】
以上のように、本実施形態の侵入監視システム1は、図1及び図6に示すように、第1センサ5が住宅100の一方の外壁107に設けられており、この外壁107と境界線に設けられた塀102との間への侵入者を検知することができ、第1センサ5により侵入者が検知されると、防犯カメラ3が第1の鏡面21を撮影することにより、侵入者の映像を撮影することができる。また、住宅100の他方の外壁108に設けられた第2センサ6が侵入者を検知した場合も同様に、防犯カメラ3が第2の鏡面22を撮影することにより、侵入者の映像を撮影することができる。このように、本侵入監視システム1は、1台の防犯カメラ3を用いて住宅100の敷地101の一方の境界線方向への侵入と他方の境界線方向への侵入との両方を監視することができる。
【0031】
また、防犯カメラ3は第1センサ5及び第2センサ6により侵入が検知された場合に撮影する構成であるので、記録装置としてのHDD43に保存する画像ファイルの容量を少なくすることができ、不正な侵入が無いか確認する作業を行う場合に、表示する映像が少なくて済み、容易に適切な映像を容易に確認することができる。
【0032】
また、このように構成される防犯カメラ3及び反射鏡2が、住宅100の軒裏106bに設置されることで、降雨や直射日光から機器を保護することができるとともに、軒裏106bは高い位置にあるので、敷地101内に高木109等の遮蔽物がある場合にも死角を少なくすることができる。
【0033】
なお、上述のように、防犯カメラ3及び反射鏡2を住宅100の軒裏106bに設置することで、顕著な効果を奏するものであるが、反射鏡2の設置位置は住宅100の軒106の角の先端106aに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、敷地101の角に設けられたポール110に反射鏡2を設置する構成であってもよい。このように構成しても、敷地101の一方の境界方向からの映像と敷地の他方の境界方向からの映像とを反射鏡2により1台の防犯カメラ3に向けて反射させることで、1台の防犯カメラ3を使用して2方向を監視することができる。
【0034】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
【0035】
本実施形態においては、侵入監視システム1を戸建住宅に設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアパートマンション等の集合住宅に侵入監視システム1を設けるものであっても良い。また、戸建住宅や集合住宅などの人が居住する住宅に侵入監視システムを設置することで、安心して居住することができる建物とすることができるものであるが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、住宅以外の建物においても、敷地の角がら2方向を監視する侵入監視システムとして用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る侵入監視システム1は、主に住宅100等の建物への不正侵入を監視する侵入監視システム1として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】侵入監視システムを適用した住宅を上方からみた平面図。
【図2】侵入監視システムの電気的構成を示すブロック図。
【図3】反射鏡及び防犯カメラの構成を説明する住宅の軒の角を切断した断面図。
【図4】反射鏡及び防犯カメラを下方から見た図。
【図5】敷地内に侵入者があった場合の情報処理装置のCPU41及び防犯カメラにおける情報処理の一例を示すフローチャート。
【図6】防犯カメラが反射鏡を撮影する状態を示す図。
【図7】反射鏡を敷地の角に設けたポールに設置した状態を示す図。
【図8】従来の侵入監視システムの一例を示す図。
【符号の説明】
【0038】
1 侵入監視システム
2 反射鏡
3 防犯カメラ
5 第1センサ
6 第2センサ
21 第1の鏡面
22 第2の鏡面
43 HDD(記録装置)
100 住宅(建物)
101 敷地
105 角部
106 軒
106a 先端
106b 軒裏

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物敷地内に建設される建物の角部に設置され、当該敷地の角方向を撮影する防犯カメラと、
前記敷地の角に設置され、当該敷地の一方の境界線方向の映像を前記防犯カメラに反射させる第1の鏡面と、前記敷地の他方の境界線方向の映像を前記防犯カメラに反射させる第2の鏡面との少なくとも2面の鏡面を有する反射鏡と、
前記防犯カメラが撮影した映像を記録する記録装置と、を備えることを特徴とする侵入監視システム。
【請求項2】
前記敷地の一方の境界線側への侵入を検知する第1センサと、前記敷地の他方の境界線側への侵入を検知する第2センサと、を更に備え、
前記防犯カメラは、前記第1センサにより侵入を検知した場合は、前記第1の鏡面に反射される映像を撮影し、前記第2センサにより侵入を検知した場合は、前記第2の鏡面に反射される映像を撮影することを特徴とする請求項1に記載の侵入監視システム。
【請求項3】
前記防犯カメラが設置される前記角部は、前記建物の軒裏の建物外壁側であって、前記反射鏡が設置される前記敷地の角は、前記建物の軒裏の先端側であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の侵入監視システム。
【請求項4】
前記建物は住宅であって、
請求項1から請求項3のいずれかの侵入監視システムを備えることを特徴とする住宅。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−252151(P2009−252151A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102503(P2008−102503)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】