説明

保温水筒

【課題】各収容室に収容された2種類の飲料を別々に取り出せ、且つ構造が簡単で、実用的な保温水筒を提供すること。
【解決手段】種類が異なる飲料や、同じ種類の飲料ではあるが温度が異なる飲料などを各収容室7、8内に別々に収容し、コップ4Aを回動させて瓶本体2から取り外し、次いで中栓3Aを回動させて内瓶5Aから取り外し、取り外した前記コップ4A内に取出口9を介して一方の飲料を注いで、利用者の利用に供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を収容する収容室となる内瓶と外瓶とで瓶本体を構成し、前記瓶本体内の収容室に収容された飲料を各内瓶の端部に形成された取出口から取り出せるようにした保温水筒に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の保温水筒は、収容室内に収容された1種類の飲料を取り出すのが一般的である。しかし、収容室が1室であると、飲みたい飲料が1種類のみであり、2種類の飲料、例えば種類が異なる飲料や、同じ種類の飲料ではあるが温度が異なる飲料を飲むことができない。
【0003】
このため、例えば、実開平7−19172号公報に開示するような2種類の飲料の利用ができる保温水筒が提案されている。
【特許文献1】 実開平7−19172号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容室を2室として、両収容室端部に設けた1つの円径バルブで切り替えることにより、2種類の飲料から1つを選んで飲むようにしたものであるため、前記円径バルブの構造が複雑となり、実用的な保温水筒ではなかった。
【0005】
そこで本発明は、各収容室に収容された2種類の飲料を別々に取り出せ、且つ構造が簡単で、実用的な保温水筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明に係る保温水筒は、飲料を収容する上下の収容室となる内瓶と外瓶とで瓶本体を構成し、前記瓶本体内の各収容室に収容された2種類の飲料を各内瓶の上下の端部に形成された各取出口から別々に取り出せるようにしたことを特徴とする。
【0007】
また第2の発明に係る保温水筒は、飲料を収容する水筒本体内に分離体で上下に各収容室を形成すると共に、前記水筒本体内の各収容室に収容された2種類の飲料を別々に取り出せるように各収容室の上下の端部に各取出口を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、各収容室に収容された2種類の飲料を別々に取り出せ、且つ構造が簡単で、実用的な保温水筒を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。図1は右半分を縦断面した保温水筒1の一部破断面図であり、図2は一方のコップ4Aを外した状態の右半分を縦断面した保温水筒1の一部破断面図であり、以下説明する。
【0010】
先ず、持ち運びができる携帯用ボトルである保温水筒1は、金属製魔法瓶である瓶本体2と、中栓3A、3Bと、コップ4A、4Bとからなっており、以下詳述する。
【0011】
前記瓶本体2は、ステンレス鋼からなる内瓶5A、5Bと外瓶6とで構成された断面円形の真空二重構造を有し、各内瓶5A、5Bと外瓶6とはそれぞれの口部で接合されている。従って、内瓶5A、5Bと外瓶6とで、保温水筒1内に上下に収容室7、8が形成されると共に、各収容室7、8内に収容された2種類の飲料を各収容室7、8の上下の端部に形成された取出口9、10を介して別々に取り出すことができる。以上のように、内瓶5A、5Bの収容底壁が上下に各収容室7、8を形成する分離体の役割を果たす。
【0012】
なお、前記内瓶5A、5Bの外周面には、輻射防止用の銅などの金属箔を付着させたり、またはメッキなどの輻射防止用の膜を形成している。
【0013】
前記中栓3A、3Bは、前記瓶本体2の口部に外側から螺合して、前記取出口9、10を開閉するものである。この中栓3A、3Bは、その一部を押圧すると、取出口9、10が開口し、飲料をこの取出口9、10を介して取り出すことができる構造のものでもよい。また、前記コップ4A、4Bは、前記中栓3A、3Bを覆うようにして前記外瓶6に外側から螺合させることによって取り外し可能に取り付けられる。
【0014】
従って、例えば、種類が異なる飲料や、同じ種類の飲料ではあるが温度が異なる飲料などを各収容室7、8内に別々に収容し、図2に示すように、前記コップ4Aを回動させて瓶本体2から取り外し、次いで中栓3Aを回動させて内瓶5Aから取り外し、取り外した前記コップ4A内に取出口9を介して一方の飲料を注いで、利用者の利用に供することができる。
【0015】
また、この後、中栓3Aを回動させて内瓶5Aに取り付けた後、前記コップ4Aを回動させて瓶本体2に取り付け、保温水筒1を上下逆さまにし、この状態から前記コップ4Bを回動させて瓶本体2から取り外し、次いで中栓3Bを回動させて内瓶5Bから取り外し、取り外したコップ4B内に取出口10を介して他方の飲料を注いで、利用者の利用に供することができる。
【0016】
以上のように、本発明によれば、各収容室に収容された2種類の飲料を取出口9、10を介して別々に取り出せ、且つ構造が簡単で、実用的な保温水筒1を提供することができる。
【0017】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 右半分を縦断面した保温水筒の一部破断面図である。
【図2】 一方のコップを外した状態の右半分を縦断面した保温水筒の一部破断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 保温水筒
2 瓶本体
3A、3B 中栓
4A、4B コップ
5A、5B 内瓶5A、5B
6 外瓶
7、8 収容室
9、10 取出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を収容する上下の収容室となる内瓶と外瓶とで瓶本体を構成し、前記瓶本体内の各収容室に収容された2種類の飲料を各内瓶の上下の端部に形成された各取出口から別々に取り出せるようにしたことを特徴とする保温水筒。
【請求項2】
飲料を収容する水筒本体内に分離体で上下に各収容室を形成すると共に、前記水筒本体内の各収容室に収容された2種類の飲料を別々に取り出せるように各収容室の上下の端部に各取出口を形成したことを特徴とする保温水筒。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−94490(P2008−94490A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307181(P2006−307181)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(506238651)
【Fターム(参考)】