説明

保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパック

【課題】本発明の一実施例は保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックに関し、解決しようとする技術的課題は部品実装が簡単で、部品の実装コストが安価で、全体のサイズが小さい保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックを提供することにある。
【解決手段】本発明は、印刷回路基板と、前記印刷回路基板に実装された電子デバイスを含み、前記電子デバイスは集積回路チップと、前記集積回路チップに電気的に連結される少なくとも一つの電子部品と、封止部を含み、前記封止部は前記集積回路チップおよび前記少なくとも一つの電子部品の一領域を封止し、前記少なくとも一つの電子部品の他の領域は前記封止部の外側にある保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施例は保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にリチウムイオン2次電池、リチウムポリマー2次電池のようなリチウム系の2次電池は従来の鉛蓄電池、ニッケル/カドミウム電池、ニッケル/水素電池よりエネルギー密度が高く、かつ質量が小さくて、最近のスマートフォン、携帯電話機、ノートパソコン、電動工具のような携帯用電子機器の電源用途に主に利用されている。
【0003】
しかし、このようなリチウム系の2次電池は化学的組成が不安定で、誤った方法(貫通、圧縮、外部短絡、過充電、過放電、過電流、加熱、落下、切断など)で用いられる場合、損傷する危険性が大きい。このため、過充電、過放電および過電流から2次電池を保護し、また、性能低下を防止するために、いわゆる“保護回路モジュール(Protection Circuit Module)”を装着してバッテリーパックを製造している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施例は、部品実装が簡単で、部品の実装コストが安価で、全体のサイズが小さい保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックを提供する。
【0005】
本発明の一実施例は、受動素子のような電子部品の一部領域が封止部の内側に位置して強度を向上させることができる保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックを提供する。
【0006】
本発明の一実施例は、受動素子のような電子部品の一部領域が封止部の外側に位置して故障なのかの判断が容易にできる保護回路モジュールおよびこれを有するバッテリーパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例による保護回路モジュールは、印刷回路基板と、前記印刷回路基板に実装された電子デバイスを含み、前記電子デバイスは集積回路チップと、前記集積回路チップに電気的に連結される少なくとも一つの電子部品と、封止部を含み、前記封止部は前記集積回路チップおよび前記少なくとも一つの電子部品の一領域を封止し、前記少なくとも一つの電子部品の他の領域は前記封止部の外側にある。
【0008】
前記少なくとも一つの電子部品は前記封止部の内側に位置する第1端子;前記第1端子に電気的に連結される素子部と、前記封止部の外側に位置して、前記素子部に連結される第2端子を含むことができる。前記素子部の一部分は前記封止部の内側に位置して、前記素子部の他の部分は前記封止部の外側に位置することができる。前記第1、2端子は前記印刷回路基板上に実装されることができる。前記第1端子は導電性パターンを通して、前記集積回路チップに連結されることができる。前記少なくとも一つの電子部品は抵抗を含むことができる。前記少なくとも一つの電子部品はキャパシターを含むことができる。前記集積回路チップはチップ搭載板に位置できる。前記電子デバイスはスイッチ搭載板に位置する放電制御スイッチおよび充電制御スイッチをさらに含むことができる。前記第1端子および前記チップ搭載板の底面は前記封止部の外側に露出し、前記スイッチ搭載板の底面は前記封止部の内側で全体的に封止されることができる。前記少なくとも一つの電子部品の第1端子、前記封止部、および前記チップ搭載板の底面は相互間に同一面をなすことができる。前記印刷回路基板に形成された多数の配線パターンをさらに含み、前記第1端子、前記第2端子または前記チップ搭載板の少なくとも一つは前記多数の配線パターンのうちのいずれか一つと対応して位置できる。前記少なくとも一つの配線パターンは前記封止部と前記印刷回路基板との間に位置することができ、前記配線パターンの少なくとも他の一つは前記封止部と前記印刷回路基板との間に位置しないことができる。
【0009】
本発明の一実施例によるバッテリーパックは少なくとも一つの電極端子を含むバッテリーセルと、前記バッテリーセルの少なくとも一つの電極端子に電気的に連結される保護回路モジュールを含み、前記保護回路モジュールは印刷回路基板および前記印刷回路基板上の電子デバイスを含み、前記電子デバイスは集積回路チップと、前記集積回路チップに電気的に連結される少なくとも一つの電子部品と、封止部を含み、前記封止部は前記集積回路チップおよび前記少なくとも一つの電子部品の一領域を封止し、前記少なくとも一つの電子部品の他の領域は前記封止部の外側にあり、前記保護回路モジュール上の少なくとも一つの電極パッドを含むことができる。
【0010】
前記電子デバイスは放電制御スイッチおよび充電制御スイッチをさらに含むことができる。
【0011】
前記保護回路モジュールは前記少なくとも一つの電極端子に熱補償デバイスを通して連結されることができる。前記少なくとも一つの電極パッドは陽極または陰極電極パッドを含み、前記少なくとも一つの電極端子は正極または陰極電極端子を含むことができる。前記熱補償デバイスは前記正極または陰極電極端子に連結される第1リードプレートと、前記第1リードプレートに連結される熱補償部品と、前記熱補償部品と前記陽極または陰極電極パッドの間に連結される第2リードプレートを含むことができる。前記少なくとも一つの電極パッドは陽極または陰極電極パッドを含み、前記保護回路モジュールは前記バッテリーセルに前記電極パッドおよび導電性コネクタを通して連結されることができる。
【0012】
前記バッテリーセルの前記少なくとも一つの電極端子は第1方向に第1距離ほど離隔されている正極および陰極電極端子を含み、前記保護回路モジュールの長さは前記第1方向に前記第1距離より小さいことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施例は多数の電子部品(例えば、受動素子)が電子デバイスの封止部に結合していることによって、印刷回路基板に電子デバイスを実装するとき、電子部品も共に実装されて実装工程が簡単で、実装コストが安くなる。また、多数の電子部品が電子デバイスの封止部に結合していることによって、これを採択した保護回路モジュールの全体のサイズが小さくなる。
【0014】
また、本発明の一実施例は電子部品の一部領域が電子デバイスの封止部に結合していることによって、外部衝撃に対する電子部品の強度が向上する。
【0015】
本発明の一実施例は電子部品の第1、2電極が前記電子デバイスから露出していることによって、電子部品に対する電気的故障なのかの判断が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】保護回路モジュールの一例を示す回路図である。
【図2a】本発明の一実施例による保護回路モジュールを示す平面図である。
【図2b】本発明の一実施例による保護回路モジュールを示す底面図である。
【図2c】本発明の一実施例による電子デバイスが実装される前の印刷回路基板を示す平面図である。
【図3a】本発明の一実施例による保護回路モジュール中の電子デバイスを示す平面図である。
【図3b】本発明の一実施例による保護回路モジュール中の電子デバイスを示す底面図である。
【図4a】図3aの4a−4a線に沿った断面図である。
【図4b】図3aの4b−4b線に沿った断面図である。
【図5a】図2aの5a−5a線に沿った断面図である。
【図5b】図2aの5b−5b線に沿った断面図である。
【図5c】図2aの5c−5c線に沿った断面図である。
【図6】本発明による保護回路モジュールを有するバッテリーパックの一例を示す分解図である。
【図7】本発明による保護回路モジュールを有するバッテリーパックの他の例を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるほど本発明の望ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
ここで、明細書全体にわたって類似の構成および動作を有する部分については同一の符号を付ける。また、ある部分が他の部分と電気的に連結されている場合、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を間において連結されている場合も含む。
【0019】
図1を参照すれば、保護回路モジュールPCMは集積回路チップIC、放電制御スイッチSW1、充電制御スイッチSW2、第1抵抗R1、第2抵抗R2およびキャパシターC1を含む。
【0020】
前記集積回路チップICは2次電池Bに電気的に連結されて2次電池Bの電圧および電流を感知し、前記2次電池Bが過放電または過充電されず、また、2次電池Bに過電流が流れないように前記放電制御スイッチSW1または前記充電制御スイッチSW2を制御する。
【0021】
前記放電制御スイッチSW1は充放電ラインL1および集積回路チップICの間に電気的に連結され、前記2次電池Bの電圧が予め設定された電圧以下に低下すれば、前記集積回路チップICの制御信号によってターンオフされる。もちろん、放電時に前記2次電池Bに過電流が供給される場合にも、前記放電制御スイッチSW1はターンオフされる。さらに、前記放電制御スイッチSW1にはボディーダイオードD1が並列に連結されていることによって、放電制御スイッチSW1がターンオフしても、前記2次電池Bの充電が可能であるようになっている。
【0022】
前記充電制御スイッチSW2は充放電経路L1および集積回路チップICの間に電気的に連結され、前記2次電池Bの電圧が予め設定された電圧以上に増加すれば、前記集積回路チップICの制御信号によってターンオフされる。もちろん、充電時に前記2次電池Bに過電流が供給される場合にも、前記充電制御スイッチSW2はターンオフされる。さらに、前記充電制御スイッチSW2にはボディーダイオードD2が並列に連結されていることによって、充電制御スイッチSW2がターンオフしても、前記2次電池Bの放電が可能であるようになっている。
【0023】
前記第1抵抗R1は2次電池Bと集積回路チップICとの間に電気的に連結されており、これは外部から流入した静電気から集積回路チップICを保護し、また、集積回路チップICに供給される電源が一定のレベルを維持するようにする。
【0024】
前記第2抵抗R2は充放電経路L1と集積回路チップICとの間に電気的に連結されており、これは充放電経路L1に流れる電流値を感知して、前記直接回路チップICが適切な保護制御動作をするようにする。一例として、保護回路モジュールPCM中の正極パック端子P+および陰極パック端子P−が直接短絡した場合、これを前記第2抵抗R2が感知して集積回路チップICに伝達する。そうすると、前記集積回路チップICは前記放電制御スイッチSW1をターンオフすることによって、外部短絡による大電流の流れを遮断する。
【0025】
前記キャパシターC1は前記第1抵抗R1と2次電池Bとの間に電気的に連結されており、これは集積回路チップICに供給される電源変動を抑制する。
【0026】
図面中の符号VDDは電源供給端子であり、VSSはグラウンド端子であり、DOは放電制御スイッチSW1のゲート連結端子であり、COは充電制御スイッチSW2のゲート連結端子であり、VMは第2抵抗R2の連結端子である。
【0027】
一方、前記集積回路チップIC、放電制御スイッチSW1、充電制御スイッチSW、第1抵抗R1、第2抵抗R2およびキャパシターC1は、統合されて一つの電子デバイスとして定義できる。また、前記第1抵抗R1、第2抵抗R2およびキャパシターC1は受動素子のような電子部品に定義できる。さらに、このような電子デバイスは実質的に印刷回路基板に実装されて、相互間に電気的に連結される。
【0028】
また、後述するが、前記集積回路チップIC、放電制御スイッチSW1、充電制御スイッチSW、第1抵抗R1、第2抵抗R2およびキャパシターC1は封止部で封止され、前記第1抵抗R1、第2抵抗R2およびキャパシターC1に設けられたそれぞれの端子は前記封止部の外側に露出または突出する。
【0029】
図2aおよび図2bは本発明の一実施例による保護回路モジュール100を示す平面図および底面図であり、図2cは電子デバイス120が実装される前の印刷回路基板110を示す平面図である。
【0030】
図2a乃至図2cに示されているように、保護回路モジュール100は印刷回路基板110と前記印刷回路基板110に実装された電子デバイス120とを含む。
【0031】
前記印刷回路基板110は絶縁層111と、前記絶縁層111に形成された多数の配線パターン112および多数の電極パッド113を含む。
【0032】
前記絶縁層111はフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドおよびその等価物の中から選択されるいずれか一つからなることができるが、この一実施例では、その材質を限定しない。
【0033】
前記配線パターン112は前記絶縁基板110の表面に形成され、これは主に銅およびその等価物の中から選択されるいずれか一つからなることができるが、このような材質に配線パターン112の材質を限定するのではない。このような配線パターン112は主に大電流が流れる充放電経路に利用されたり、または、電子デバイス120の各端子を電気的に連結することに利用される。
【0034】
前記電極パッド113は前記絶縁層111の一面に形成されるバッテリー正極パッド113aおよびバッテリー陰極パッド113bと、絶縁基板110の他面に形成されるパック正極パッド113cおよびパック陰極パッド113dを含む。もちろん、このようなパッド113は前記配線パターン112に電気的に連結される。なお、前記バッテリー正極パッド113aには2次電池の正極端子B+が電気的に連結され、前記バッテリー陰極パッド113bには2次電池の陰極端子B−が電気的に連結される。また、前記パック正極パッド113cおよびパック陰極パッド113dは前記絶縁層111を貫通する導電性ビア114a、114bを通じて、前記配線パターン112に電気的に連結される。
【0035】
前記電子デバイス120は前記配線パターン112に電気的に接続される。このような電子デバイス120は前述のように、集積回路チップ、放電制御スイッチ、充電制御スイッチおよび多数の受動素子を含む。もちろん、前記受動素子のような電子部品は第1抵抗123、キャパシター124および第2抵抗125を意味する。
【0036】
図3aおよび図3bは、本発明の一実施例による保護回路モジュール100中の電子デバイス120を示す平面図および底面図である。
【0037】
図3aおよび図3bに示されているように、電子デバイス120は主に封止部128で取り囲まれている。このような封止部128はエポキシモールディングコンパウンドおよびその等価物の中から選択されるいずれか一つからなることができ、この一実施例では、その材質を限定しない。
【0038】
前記封止部128を通じて受動素子つまり、第1抵抗123、キャパシター124および第2抵抗125が部分的に露出または突出しており、また、多数のリード端子126が露出または突出している。
【0039】
ここで、前記受動素子は全て第1端子123a、124a、125a、素子部123b、124b、125bおよび第2端子123c、124c、125cを含み、前記第1端子123a、124a、125aおよび素子部123b、124b、125bの一部領域が前記封止部128の内側に位置し、前記第2端子123c、124c、125cおよび素子部123b、124b、125bの他の一部領域は前記封止部128の外側に突出および延長される。また、前記第1端子123a、124a、125aおよび素子部123b、124b、125bの底面は前記封止部128の底面と同一面をなすため、前記第1端子123a、124a、125aおよび素子部123b、124b、125baの底面は外部に露出する。さらに、前記封止部128を通じて集積回路チップ121が搭載されたチップ搭載板121aの底面が封止部128の底面と同一面をなすことによって、前記チップ搭載板121aの底面また外部に露出する。
【0040】
図4aおよび図4bは、図3aの4a−4a線および4b−4b線に沿った断面図である。図4aおよび図4bに示されているように、電子デバイス120は集積回路チップ121、前記集積回路チップ121が搭載されるチップ搭載板121a、放電制御スイッチ122a、充電制御スイッチ122b、前記放電および充電制御スイッチ122a、122bが搭載されるスイッチ搭載板122c、前記集積回路チップ121の一側に位置する第1抵抗123およびキャパシター124、前記充電制御スイッチ122bの一側に位置する第2抵抗125、前記放電制御スイッチ122aの一側に位置するリード端子126、多数の導電性ワイヤー127a、127b、127c、127d、127e、127f、および前記構成要素を密封する封止部128を含む。
【0041】
ここで、前記導電性ワイヤー127aは前記集積回路チップ121と前記第1抵抗123とを、導電性ワイヤー127bは前記集積回路チップ121と前記キャパシター124とを、導電性ワイヤー127cは前記集積回路チップ121と前記放電制御スイッチ122aとを、導電性ワイヤー127dは前記集積回路チップ121と前記充電制御スイッチ122bとを、導電性ワイヤー127eは前記放電制御スイッチ122aとリード端子126とを、導電性ワイヤー127fは前記集積回路チップ121と第2抵抗125とを電気的に連結する。
【0042】
また、電子部品つまり、受動素子である第1抵抗123、キャパシター124および第2抵抗125について、さらに具体的に説明する。
【0043】
前記第1抵抗123は第1端子123a、素子部123bおよび第2端子123cを含む。前記第1端子123aおよび前記素子部123bの一部領域は前記封止部128の内側に位置するが、前記素子部123bの他の一部領域および第2端子123cは前記封止部128の外側に露出および突出する。ここで、前記第1端子123a、素子部123bおよび第2端子123cの底面は前記封止部128の底面と同一面をなす。したがって、前記第1端子123aおよび素子部123bの底面は、前記封止部128の底面を通して外部に露出する。さらに、前記第1抵抗123中の第1端子123bは導電性ワイヤー127aを通じて、前記集積回路チップ121に電気的に接続される。
【0044】
また、前記キャパシター124は第1端子124a、素子部124bおよび第2端子124cを含む。前記第1端子124aおよび前記素子部124bの一部領域は前記封止部128の内側に位置するが、前記素子部124bの他の一部領域および第2端子124cは前記封止部128の外側に露出および突出する。ここで、前記第1端子124a、素子部124bおよび第2端子124cの底面は前記封止部128の底面と同一面をなす。したがって、前記第1端子124aおよび素子部124bの底面は前記封止部128の底面を通して外部に露出する。さらに、前記キャパシター124中の第1端子124aは導電性ワイヤー127bを通じて、前記集積回路チップ121に電気的に接続される。
【0045】
前記第2抵抗125は第1端子125a、素子部125bおよび第2端子125cを含む。前記第1端子125aおよび前記素子部125bの一部領域は前記封止部128の内側に位置するが、前記素子部125bの他の一部領域および第2端子125cは前記封止部128の外側に延長および突出する。ここで、前記第1端子125a、素子部125bおよび第2端子125cの底面は前記封止部128の底面と同一面をなす。したがって、前記第1端子125aおよび素子部125bの底面は前記封止部128の底面を通して外部に露出する。さらに、前記第2抵抗125中の第1端子125aは導電性ワイヤー127fを通じて、前記集積回路チップ121に電気的に接続される。
【0046】
一方、前記集積回路チップ121を搭載しているチップ搭載板121aの底面は前記封止部128の底面と同一面をなす。したがって、チップ搭載板121aの底面は前記封止部128の底面を通して外部に露出する。ここで、前記チップ搭載板121aが印刷回路基板110に設けられた配線パターン112に実装されるとしても、前記集積回路チップ121は絶縁接着剤121bで前記チップ搭載板121aに搭載されているため、前記集積回路チップ121と配線パターン112との間の望まない電気的短絡は発生しない。
【0047】
しかし、前記スイッチを搭載するスイッチ搭載板122cは前記封止部128の内側に位置することによって、外側に露出しない。つまり、前記スイッチ122a、122bは導電性接着剤122dで前記スイッチ搭載板122cに搭載されているため、スイッチ搭載板122cが封止部128の外側に露出すれば、望まない電気的短絡が発生できる。
【0048】
図5a、図5bおよび図5cは、図2aの5a−5a線、5b−5b線、および5c−5c線に沿った断面図である。
【0049】
まず、図5aに示されているように、封止部128の内側に位置する第1抵抗123の第1端子123aは封止部128の下部に設けられた印刷回路基板110の配線パターン112aにソルダ129aを通じて実装される。また、封止部128の外側に突出した第1抵抗123の第2端子123cは印刷回路基板110の配線パターン112bにソルダ129bを通じて実装される。さらに、封止部128の下部に設けられたチップ搭載板121aは印刷回路基板110の配線パターン112cにソルダ129cを通じて実装される。さらに、前記封止部128の外側に突出した第2抵抗125の第2端子125cは印刷回路基板110の配線パターン112dにソルダ129dを通じて実装される。ここで、前記第2抵抗125の第1端子125aは集積回路チップ121に導電性ワイヤー127fを通じて連結され、印刷回路基板110の配線パターンに実装される必要はない。
【0050】
図5bに示されているように、封止部128の内側に位置するキャパシター124の第1端子124aは封止部128の下部に設けられた印刷回路基板110の配線パターン112aにソルダ129eを通じて実装される。ここで、前記キャパシター124の第1端子124aと前記第1抵抗123の第1端子123aは前記配線パターン112aを通じて相互間電気的に連結される。さらに、封止部128の外側に突出した第2抵抗125の第2端子125cは印刷回路基板110の配線パターン112eにソルダ129fを通じて実装される。また、封止部128の外側に露出および突出したリード端子126は印刷回路基板110に設けられた配線パターン112fにソルダ129gを通じて実装される。
【0051】
図5cに示されているように、封止部128の内側に位置する第1抵抗123の第1端子123aおよびキャパシター124の第1端子124aは印刷回路基板110に設けられた配線パターン112aにそれぞれソルダ129a、129eを通じて実装される。したがって、前記第1抵抗123と前記キャパシター124は回路図(図1参照)でのように、相互間が電気的に連結される。
【0052】
図6は、本発明による保護回路モジュール100を有するバッテリーパック200の一例を示す分解図である。
【0053】
図6に示されているように、本発明による保護回路モジュール100は角型バッテリーセル210に電気的に結合することによって、角型バッテリーパック200を実現することができる。ここで、前記保護回路モジュール100は一つの電子デバイス120に集積回路チップ、放電制御スイッチ、充電制御スイッチ、および第1抵抗、第2抵抗およびキャパシターのような受動素子を備えることによって、従来に比べて非常に小さいサイズで実現することができる。例えば、保護回路モジュール100は角型バッテリーセル210が有する幅の1/2ないし2/3の幅で製造できる。
【0054】
さらに、角型バッテリーセル210はケース211自体が、例えば正極の極性を有するので、ケース211と保護回路モジュール100のバッテリー正極パッド113aの間に導電性コネクタ213が介在して相互間連結される。これとともに、角型バッテリーセル210の陰極端子212と前記保護回路モジュール100のバッテリー陰極パッド113bとの間には熱補償デバイス(例えば、PTC組立体)214が介在して相互間連結される。ここで、前記熱補償デバイス(例えば、PTC組立体)214は前記陰極端子212に連結される第1リードプレート214a、前記第1リードプレート214aに連結される熱補償部品(例えば、PTC素子)214b、前記熱補償部品(例えば、PTC素子)214bに連結され、前記バッテリー陰極パッド113bに連結される第2リードプレート214cを含む。
【0055】
もちろん、前記保護回路モジュール100と前記角型バッテリーセル210との間には樹脂(図示せず)が介在することができ、このような樹脂は保護回路モジュール100のパック正極パッド113cおよびパック陰極パッド113dを除いた領域も全て取り囲むことができる。
【0056】
図7は、本発明による保護回路モジュール100を有するバッテリーパック300の他の例を示す分解図である。
【0057】
図7に示されているように、本発明による保護回路モジュール100はパウチ型バッテリーセル310に電気的に結合することによって、パウチ型バッテリーパック300を実現することができる。前述の同様に、前記保護回路モジュール100はパウチ型バッテリーセル310が有する幅の1/2ないし2/3の幅で製造できる。
【0058】
さらに、パウチ型バッテリーセル310の正極セルタップ311と保護回路モジュール100のバッテリー正極パッド113aは相互間直接電気的に連結される。また、パウチ型バッテリーセル310の陰極セルタップ312と保護回路モジュール100のバッテリー陰極パッド113bとの間には熱補償デバイス(例えば、PTC組立体)214が介在して相互間連結される。ここで、前記熱補償デバイス(例えば、PTC組立体)214は前記陰極セルタップ312に連結される第1リードプレート214a、前記第1リードプレート214aに連結される熱補償部品(例えば、PTC素子)214b、前記熱補償部品(例えば、PTC素子)214bに連結され、前記バッテリー陰極パッド113bに連結される第2リードプレート214cを含む。
【0059】
もちろん、前記正極セルタップ311および陰極セルタップ312が折り曲げられることによって、前記保護回路モジュール100は前記パウチ型バッテリーセル310に設けられたテラス部315に装着される形態であることもできる。
【0060】
ここで、前記バッテリーセル210、310は、第1方向に第1距離ほど離隔されている正極電極端子(または正極セルタップ)および陰極電極端子(または陰極セルタップ)を含み、前記保護回路モジュール100の長さは前記第1方向に前記第1距離より小さいことができる。
【0061】
以上、本発明が詳細に説明されたが、本発明は上記実施例に限定されず本発明の技術的要旨から逸脱しない範囲内で様々に修正、変形されて実施され得ることは本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明である。
【符号の説明】
【0062】
100 本発明による保護回路モジュール
110 印刷回路基板
111 絶縁層
112a、112b、112c、112d、112e 配線パターン
113a バッテリー正極パッド
113b バッテリー陰極パッド
113c パック正極パッド
113d パック陰極パッド
114a、114b、114c、114d 導電性ビア
120 電子デバイス
121 集積回路チップ
121a チップ搭載板
122a 放電制御スイッチ
122b 充電制御スイッチ
122c スイッチ搭載板
123 第1抵抗
124 キャパシター
125 第2抵抗
126 リード端子、
127a、127b、127c、127d、127e、127f 導電性ワイヤー
128 封止部
129a、129b、129c、129d、129e、129f、129g ソルダ
200、300 本発明によるバッテリーパック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷回路基板と、
前記印刷回路基板に実装された電子デバイスを含み、
前記電子デバイスは、
集積回路チップと、
前記集積回路チップに電気的に連結される少なくとも一つの電子部品と、
封止部を含み、
前記封止部は前記集積回路チップおよび前記少なくとも一つの電子部品の一領域を封止し、前記少なくとも一つの電子部品の他の領域は前記封止部の外側にあることを特徴とする保護回路モジュール。
【請求項2】
前記少なくとも一つの電子部品は、
前記封止部の内側に位置する第1端子と、 前記第1端子に電気的に連結される素子部と、
前記封止部の外側に位置し、前記素子部に連結される第2端子を含むことを特徴とする請求項1に記載の保護回路モジュール。
【請求項3】
前記素子部の一部分は前記封止部の内側に位置し、前記素子部の他の部分は前記封止部の外側に位置することを特徴とする請求項2に記載の保護回路モジュール。
【請求項4】
前記第1、2端子は前記印刷回路基板上に実装されることを特徴とする請求項2に保護回路モジュール。
【請求項5】
前記第1端子は導電性パターンを通して前記集積回路チップに連結されることを特徴とする請求項2に記載の保護回路モジュール。
【請求項6】
前記少なくとも一つの電子部品は抵抗を含むことを特徴とする請求項2に記載の保護回路モジュール。
【請求項7】
前記少なくとも一つの電子部品はキャパシターを含むことを特徴とする請求項2に記載の保護回路モジュール。
【請求項8】
前記集積回路チップはチップ搭載板に位置することを特徴とする請求項2に記載の保護回路モジュール。
【請求項9】
前記電子デバイスはスイッチ搭載板に位置する放電制御スイッチおよび充電制御スイッチをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の保護回路モジュール。
【請求項10】
前記第1端子および前記チップ搭載板の底面は前記封止部の外側に露出し、
前記スイッチ搭載板の底面は前記封止部の内側で全体的に封止されることを特徴とする請求項9に記載の保護回路モジュール。
【請求項11】
前記少なくとも一つの電子部品の第1端子、前記封止部、および前記チップ搭載板の底面は相互間にて同一面をなすことを特徴とする請求項8に記載の保護回路モジュール。
【請求項12】
前記印刷回路基板に形成される多数の配線パターンをさらに含み、
前記第1端子、前記第2端子または前記チップ搭載板の少なくとも一つは前記多数の配線パターンのうちのいずれか一つと対応して位置することを特徴とする請求項8に記載の保護回路モジュール。
【請求項13】
前記少なくとも一つの配線パターンは前記封止部および前記印刷回路基板の間に位置し、
前記配線パターンの少なくとも他の一つは前記封止部および前記印刷回路基板の間に位置しないことを特徴とする請求項12に記載の保護回路モジュール。
【請求項14】
少なくとも一つの電極端子を含むバッテリーセルと、 前記バッテリーセルの少なくとも一つの電極端子に電気的に連結される保護回路モジュールを含み、
前記保護回路モジュールは印刷回路基板および前記印刷回路基板上の電子デバイスを含み、
前記電子デバイスは集積回路チップと、前記集積回路チップに電気的に連結される少なくとも一つの電子部品と、封止部を含み、前記封止部は前記集積回路チップおよび前記少なくとも一つの電子部品の一領域を封止し、前記少なくとも一つの電子部品の他の領域は前記封止部の外側にあり、
前記保護回路モジュール上の少なくとも一つの電極パッドを含むことを特徴とするバッテリーパック。
【請求項15】
前記電子デバイスは放電制御スイッチおよび充電制御スイッチをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記保護回路モジュールは前記少なくとも一つの電極端子に熱補償デバイスを通して連結されることを特徴とする請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記少なくとも一つの電極パッドは陽極または陰極電極パッドを含み、
前記少なくとも一つの電極端子は正極または陰極電極端子を含むことを特徴とする請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記熱補償デバイスは、
前記正極または陰極電極端子に連結される第1リードプレートと、
前記第1リードプレートに連結される熱補償部品と、
前記熱補償部品と前記陽極または陰極電極パッドとの間に連結される第2リードプレートを含むことを特徴とする請求項17に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記少なくとも一つの電極パッドは陽極または陰極電極パッドを含み、前記保護回路モジュールは前記バッテリーセルに前記電極パッドおよび導電性コネクタを通して連結されることを特徴とする請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項20】
前記バッテリーセルの前記少なくとも一つの電極端子は第1方向に第1距離ほど離隔されている正極および陰極電極端子を含み、前記保護回路モジュールの長さは前記第1方向に前記第1距離より小さいことを特徴とする請求項14に記載のバッテリーパック。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−90562(P2013−90562A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220384(P2012−220384)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】