説明

信号測定装置

【課題】突発的に入力される被測定信号の検出確度を高めて、この被測定信号が含まれる周波数帯域に対する高精度な検査をより確実に行う。
【解決手段】測定周波数帯域の被測定信号S1を分配する分配部3と、分配部3からの被測定信号S1aを入力して、測定周波数帯域を連続する3個の周波数帯域に分割した各分割帯域に含まれる各分割帯域内信号S2a〜S2cを並列的に検出する信号検出部4と、指定された分割帯域の周波数帯域幅と同じ周波数帯域幅で第1局発信号S3を掃引し、分配部3からの被測定信号S1bと第1局発信号S3とをミキシングして生成した信号S4を検波して、指定された分割帯域内の分割帯域内信号についての検波出力Vdを生成する受信部5と、信号検出部4で分割帯域内信号S2が検出された分割帯域のうちの1つを指定された分割帯域として受信部5に対して検波出力Vdを生成させる処理部7とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め規定された測定周波数帯域内に含まれている被測定信号の信号レベルを測定する信号測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の信号測定装置として、下記特許文献1に開示された信号測定装置(マイクロ波検出器)が知られている。この信号測定装置は、マイクロ波帯に設定された目的バンド(目的の周波数帯域)の受信動作を繰り返すスーパーヘテロダイン方式の受信手段と、受信手段から出力される検波出力に基づいて検出対象の周波数のマイクロ波を検出する検出手段と、その検出手段で検出対象のマイクロ波を検出したときに警報を出力する警報手段とを備えたマイクロ波検出器において、受信手段は、目的バンドを複数の領域に分けた分割バンド毎に複数回繰り返しスイープして受信するように構成され、検出手段は、分割バンドを繰り返しスイープした際に得られる各検波出力を加算する加算手段と、その加算された加算検波出力を記憶する記憶手段と、加算検波出力に基づいて検出対象の周波数のマイクロ波の有無を判断する判断手段とを備えている。また、受信手段は、分割バンドよりも広い周波数帯域をスイープして受信する機能をさらに備え、検出手段は、広い周波数帯域(目的バンド全体)をスイープした際の検波出力に基づいて検出対象の周波数のマイクロ波の有無を判断する判断機能をさらに有している。
【0003】
この信号測定装置では、目的バンドを複数に分割した分割バンドごとに繰り返し複数回スイープし、各スイープに基づく同一分割バンドの検波出力を加算して得られた加算検波出力に基づいてマイクロ波の検出を行うため、目的とするマイクロ波のレベルが低い場合であっても確実に検出することができ、また、1つの分割バンドについてサーチした後は、広い周波数帯域(目的バンド全体)について1回スイープして通常のマイクロ波の有無をサーチするので、目的のマイクロ波のレベルが高い場合には、その1回のスイープの際に検出することができる。したがって、分割バンドに基づくサーチでマイクロ波の高精度な検出を行い、分割バンドと分割バンドの間に行う広い周波数帯域の1回のスイープに基づくサーチにより、レベルの高いマイクロ波について迅速な検出を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−75018号公報(第3−4頁、第1−2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の信号測定装置には、以下の解決すべき課題が存在している。すなわち、この信号測定装置では、分割バンド毎のスイープに基づく高精度なサーチと、各分割バンドのスイープの間に行う広い周波数帯域の1回のスイープに基づくレベルの高いマイクロ波についての迅速なサーチとを組み合わせて実行している。しかしながら、この信号測定装置では、前者のサーチでは、スイープを行っている分割バンド以外の他の分割バンドに含まれる突発的なマイクロ波を受信したとしても、このマイクロ波を検出することはできないし、また後者のサーチでも、広い周波数帯域の1回のスイープにおいて既に終了したバンド(帯域)に含まれる突発的なマイクロ波を受信したとしても、このマイクロ波を検出することはできない。したがって、この信号測定装置には、突発的に入力したマイクロ波を検出できない結果、このマイクロ波が含まれる分割バンドに対する高精度な検査を実行することが困難であるという解決すべき課題が存在している。
【0006】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、突発的に入力される被測定信号の検出確度を高めて、この信号が含まれる周波数帯域に対する高精度な検査をより確実に行い得る信号測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の信号測定装置は、予め規定された測定周波数帯域の被測定信号を分配して出力する分配部と、前記分配部の一方の出力部から出力された前記被測定信号を入力して、前記測定周波数帯域を連続するn個(nは2以上の整数)の周波数帯域に分割した各分割帯域に含まれる各分割帯域内信号を並列的に検出する信号検出部と、指定された前記分割帯域の周波数帯域幅と同じ周波数帯域幅で局発信号を掃引すると共に、前記分配部の他方の出力部から出力された前記被測定信号と前記局発信号とをミキシングして生成した中間周波信号を検波することにより前記指定された分割帯域内の前記分割帯域内信号についての検波出力を生成するスーパーヘテロダイン方式の受信部と、前記信号検出部によって前記分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの1つを前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる処理部とを備え、前記検波出力を前記被測定信号の信号レベルとして測定する。
【0008】
また、請求項2記載の信号測定装置は、請求項1記載の信号測定装置において、前記信号検出部は、前記各分割帯域に対応する通過帯域に規定されると共に、前記分配部の前記一方の出力部に入力部がそれぞれ接続されたn個のバンドパスフィルタと、前記各バンドパスフィルタの出力部にそれぞれ接続されて、対応する当該バンドパスフィルタから出力される前記分割帯域内信号のピークを並列的に検出するn個のピーク検出部と、前記各ピーク検出部にそれぞれ接続されて、対応する当該ピーク検出部で検出された前記ピークのピーク値を並列的にアナログ−デジタル変換して出力するn個のA/D変換部とを備えている。
【0009】
また、請求項3記載の信号測定装置は、請求項2記載の信号測定装置において、前記処理部は、前記信号検出部によって検出された前記分割帯域内信号の前記ピーク値と予め規定されたしきい値とを比較して、当該ピーク値が当該しきい値以上のときに、当該分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの1つを前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる。
【0010】
また、請求項4記載の信号測定装置は、請求項1または2記載の信号測定装置において、前記分割帯域のうちの任意の1つの分割帯域を選択するための操作部とを備え、前記処理部は、前記信号検出部によって前記分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの前記操作部によって選択された前記1つの分割帯域を前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の信号測定装置では、信号検出部が、分配部の一方の出力部から出力される被測定信号を入力して、測定周波数帯域を連続的に分割してなるn個の分割帯域に含まれる各分割帯域内信号を並列的に検出する。
【0012】
したがって、この信号測定装置によれば、測定周波数帯域内に周波数が含まれる被測定信号が突発的に発生したときであっても、信号検出部においてこの被測定信号を構成する各分割帯域内信号を確実に検出することができる。また、この信号測定装置によれば、処理部が、信号検出部によって分割帯域内信号が検出された分割帯域のうちの1つを指定された分割帯域として受信部に対して検波出力を生成させるため、この検波出力と、受信部で生成される局発信号の局発周波数とに基づいて、指定された分割帯域(例えば、突発的に信号が発生した分割帯域)に含まれる各周波数成分の信号レベルを周波数軸に沿って表示(周波数スペクトルを表示)させることができる。
【0013】
請求項2記載の信号測定装置によれば、各分割帯域に対応する通過帯域に規定されると共に、分配部の一方の出力部に入力部がそれぞれ接続されたn個のバンドパスフィルタと、各バンドパスフィルタの出力部にそれぞれ接続されて、対応するバンドパスフィルタから出力される分割帯域内信号のピークを並列的に検出するn個のピーク検出部と、各ピーク検出部にそれぞれ接続されて、対応するピーク検出部で検出されたピーク値を並列的に検出するn個のA/D変換部とを備えて信号検出部を構成したことにより、測定周波数帯域内に周波数が含まれる被測定信号の突発的な発生を簡易な構成で、確実に検出することができる
【0014】
請求項3記載の信号測定装置によれば、信号検出部において検出された分割帯域内信号のピーク値が予め規定されたしきい値以上のときに、処理部がこの分割帯域内信号が検出された分割帯域のうちの1つを指定された分割帯域として、受信部に対してその検波出力を生成させるため、この指定された分割帯域について、その周波数スペクトルを直ちに表示(測定)することができる。
【0015】
請求項4記載の信号測定装置では、各分割帯域のうちの任意の1つの分割帯域を選択するための操作部を備え、処理部は、信号検出部によって分割帯域内信号が検出された分割帯域のうちの操作部によって選択された1つの分割帯域について検波出力を受信部に対して生成させる。したがって、この信号測定装置によれば、作業者が、操作部を操作して、各分割帯域のうちの任意の分割帯域についての周波数スペクトルを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】信号測定装置1の構成図である。
【図2】測定周波数帯域A、各分割帯域Ba,Bb,Bc、および受信部5での中間周波数f4との関係を説明するための周波数特性図である。
【図3】信号測定装置1における操作パネル1aの正面図である。
【図4】他の受信部5Aの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、信号測定装置1の実施の形態について説明する。
【0018】
最初に、信号測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0019】
信号測定装置1は、図1に示すように、レベル調整部2、分配部3、信号検出部4、受信部5、第1A/D変換部6、処理部7、表示部8および操作部9を備え、予め規定された測定周波数帯域A(図2参照)に含まれる任意の周波数fiの被測定信号(例えば、マイクロ波)Siを検出して、その信号レベル(本例では一例として、RMS(Root Mean Square)値)を測定可能に構成されている。
【0020】
レベル調整部2は、例えば、アッテネータやアンプで構成されて、外部から入力した被測定信号Siの信号レベルを、後段の各構成要素に対して最適な入力レベルとなるように調整して、被測定信号S1として出力する。分配部3は、被測定信号S1を入力すると共に分配して、一例として一対の出力部(不図示)から被測定信号S1a,S1bとして出力する。
【0021】
信号検出部4は、複数のフィルタ11(後述するフィルタ11a〜11c)、複数のピーク検出部12(後述するピーク検出部12a〜12c)および複数の第2A/D変換部13(後述する第2A/D変換部13a〜13c)を備えて構成されている。測定周波数帯域Aは、図2に示すように、連続するn個(nは2以上の整数であり、本例では一例として3)の周波数帯域(以下、「分割帯域」ともいう)Ba,Bb,Bc(Ba<Bb<Bc)に分割されている。この場合、分割帯域Baは、下限周波数がf0(例えば100kHz)、上限周波数がf1(例えば1GHz)にそれぞれ規定され、分割帯域Bbは、下限周波数がf1(例えば1GHz)、上限周波数がf2(例えば2GHz)にそれぞれ規定され、分割帯域Bcは、下限周波数がf2(例えば2GHz)、上限周波数がf3(例えば3GHz)にそれぞれ規定されている。なお、各分割帯域Ba,Bb,Bcは、帯域幅を同一幅に規定することもできるし、異なる幅に規定することもできる。本例では一例として、各分割帯域Ba,Bb,Bcは、上記したように、ほぼ同一の帯域幅に規定されている。
【0022】
複数のフィルタ11は、帯域通過型フィルタ(バンドパスフィルタ)にそれぞれ構成されて、通過帯域が上記の各分割帯域Ba,Bb,Bcに対応してn個(本例では3個(フィルタ11a,11b,11c))配設されている。この場合、図2に示すように、フィルタ11aは、分割帯域Baに対応して通過帯域PBaがこの分割帯域Baと同等に規定され、フィルタ11bは、分割帯域Bbに対応して通過帯域PBbがこの分割帯域Bbと同等に規定され、フィルタ11cは、分割帯域Bcに対応して通過帯域PBcがこの分割帯域Bcと同等に規定されている。
【0023】
また、各フィルタ11a,11b,11cは、図1に示すように、分配部3における一対の出力部のうちの一方の出力部に入力部がそれぞれ接続されて、この一方の出力部から出力される被測定信号S1aをそれぞれ入力し、被測定信号S1aに含まれる周波数成分のうちのそれぞれの通過帯域PBa,PBb,PBcに含まれる周波数成分のみを選択的に通過させることにより、互いに周波数成分の異なる信号S2a,S2b,S2c(分割帯域内信号に相当し、特に区別しないときは、「信号S2」ともいう)をそれぞれ出力する。
【0024】
複数のピーク検出部12は、各フィルタ11と同じn個(本例では3個(ピーク検出部12a,12b,12c))配設されて、対応するフィルタ11に一対一で接続されている。本例では、ピーク検出部12aはフィルタ11aに接続され、ピーク検出部12bはフィルタ11bに接続され、ピーク検出部12cはフィルタ11cに接続されている。また、各ピーク検出部12は、対応するフィルタ11から出力される信号S2のピークを後段の第2A/D変換部13で確実にサンプリングし得るように、第2A/D変換部13に供給される共通のサンプリングクロック(不図示)の各周期において、周期の始期に同期して(詳細には、この始期(後述する終期でもある)から始まるリセット期間(サンプリングクロックの周期よりも極めて短い期間)の完了タイミングに同期して)、信号S2についてのピークPの検出を開始する。その後、各ピーク検出部12は、同一周期内に発生した信号S2のピークPを検出しながら最大のピークPを更新しつつ保持し、周期の終期に同期して(上記のリセット期間中に)、保持していたピークPをリセットする(クリアする)動作を実行する。この構成により、ピーク検出部12aは信号S2aのピークP(Pa)を検出して出力し、ピーク検出部12bは信号S2bのピークP(Pb)を検出して出力し、ピーク検出部12cは信号S2cのピークP(Pc)を検出して出力する。
【0025】
複数の第2A/D変換部13は、各フィルタ11と同じn個(本例では3個(第2A/D変換部13a,13b,13c))配設されて、対応するピーク検出部12に一対一で接続されている。本例では、第2A/D変換部13aはピーク検出部12aに接続され、第2A/D変換部13bはピーク検出部12bに接続され、第2A/D変換部13cはピーク検出部12cに接続されている。各第2A/D変換部13a,13b,13cは、本例では、サンプリングクロックの各周期の終期に同期して、対応するピーク検出部12a,12b,12cから出力されるピークPa,Pb,Pcをサンプリングすることにより、ピークPa,Pb,Pcのピーク値(ピーク電圧値を示すデータ)PVa,PVb,PVcを出力する。
【0026】
この構成により、信号検出部4は、分配部3の一方の出力部に接続されて、各分割帯域Ba,Bb,Bcに含まれる信号S2a,S2b,S2cについてのピーク値PVa,PVb,PVcを各第2A/D変換部13のサンプリングクロックの周期で、並列的に検出して出力する。なお、このサンプリングクロックの周期は、後述する掃引時間に対して極めて短期間に規定されている。
【0027】
受信部5は、図1に示すように、第1局部発振部21、掃引信号発生部22、第1ミキサ23、第1バンドパスフィルタ(第1BPF)24、および検波部25を備えてスーパーヘテロダイン方式の受信器として構成されている。なお、図示はしないが、各構成要素間に必要に応じてアンプを配置する構成を採用することもできる。
【0028】
第1局部発振部21は、一例としてVCO(Voltage Controlled Oscillator )で構成されて、掃引信号発生部22、第1ミキサ23および第1BPF24と共に1つの周波数変換部を形成する。また、第1局部発振部21は、入力する制御電圧としての掃引電圧Vsに応じた周波数(第1局発周波数)fL1の第1局発信号S3を生成して出力する。掃引信号発生部22は、処理部7によって設定された下限電圧値から上限電圧値まで(または、上限電圧値から下限電圧値まで)、設定された掃引時間で電圧値がリニアに変化する掃引電圧(鋸波状や三角波状に変化する電圧信号)Vsを生成して、第1局部発振部21に出力する。この構成により、第1局部発振部21は、掃引電圧Vsの上記した下限電圧値で規定される下限周波数fminから上限電圧値で規定される上限周波数fmaxまで(または、上限周波数fmaxから下限周波数fminまで)、設定された掃引時間で第1局発周波数fL1がリニアに変化する第1局発信号S3を出力する。
【0029】
本例では、第1局部発振部21は、掃引信号発生部22から出力される掃引電圧Vsの下限電圧値および上限電圧値が処理部7によって規定されることにより、第1BPF24の中間周波数をf4(>f3。例えば7GHz)としたときに、分割帯域Ba(下限周波数f0、上限周波数f1)を検波するときには、下限周波数fminが(f4+f0)で、上限周波数fmaxが(f4+f1)となる第1局発周波数fL1の第1局発信号S3を出力する。また、第1局部発振部21は、分割帯域Bb(下限周波数f1、上限周波数f2)を検波するときには、下限周波数fminが(f4+f1)で、上限周波数fmaxが(f4+f2)となる第1局発周波数fL1の第1局発信号S3を出力する。また、第1局部発振部21は、分割帯域Bc(下限周波数f2、上限周波数f3)を検波するときには、下限周波数fminが(f4+f2)で、上限周波数fmaxが(f4+f3)となる第1局発周波数fL1の第1局発信号S3を出力する。
【0030】
第1ミキサ23は、分配部3の他方の出力部に接続されて、この他方の出力部から出力される被測定信号S1bを入力すると共に、第1局部発振部21から出力される第1局発信号S3を入力して、被測定信号S1bと第1局発信号S3とをミキシングすることにより、被測定信号S1bの周波数fiと第1局発信号S3の第1局発周波数fL1との和と差の各周波数(|fi±fL1|)の信号で構成される中間周波数信号S4(以下、「信号S4」ともいう)を出力する。
【0031】
第1BPF24は、図2に示すように、その通過帯域が、測定周波数帯域Aよりも十分に高い周波数f4を含み、かつ帯域幅Cが信号測定装置1の分解能帯域幅と一致する狭帯域に規定されている。また、第1BPF24は、信号S4に含まれる各周波数(|fi±fL1|)の信号のうちの低周波数側|fi−fL1|(本例では、(fL1−fi))の信号を選択的に信号S5として出力する。
【0032】
この構成により、被測定信号S1bについて、分割帯域Ba(下限周波数f0、上限周波数f1)に含まれる周波数成分を検波するときには、第1局部発振部21から第1ミキサ23に対して、下限周波数fmin(=f4+f0)から上限周波数fmax(=f4+f1)まで周波数が掃引される第1局発信号S3が出力される。このため、第1BPF24からは、第1局発信号S3の周波数fL1の掃引に伴い、この分割帯域Baに含まれる各周波数成分が周波数f4の帯域に周波数変換されつつ、第1BPF24によって帯域幅Cに帯域制限された状態で信号S5として出力される。
【0033】
また、同様にして、被測定信号S1bについて、分割帯域Bb(下限周波数f1、上限周波数f2)に含まれる周波数成分を検波するときには、第1局部発振部21から第1ミキサ23に対して、下限周波数fmin(=f4+f1)から上限周波数fmax(=f4+f2)まで周波数が掃引される第1局発信号S3が出力される。このため、第1BPF24からは、第1局発信号S3の周波数fL1の掃引に伴い、この分割帯域Bbに含まれる各周波数成分が周波数f4の帯域に周波数変換されつつ、第1BPF24によって帯域幅Cに制限された状態で信号S5として出力される。また、被測定信号S1bについて、分割帯域Bc(下限周波数f2、上限周波数f3)に含まれる周波数成分を検波するときには、第1局部発振部21から第1ミキサ23に対して、下限周波数fmin(=f4+f2)から上限周波数fmax(=f4+f3)まで周波数が掃引される第1局発信号S3が出力される。このため、第1BPF24からは、第1局発信号S3の周波数fL1の掃引に伴い、この分割帯域Bcに含まれる各周波数成分が周波数f4の帯域に周波数変換されつつ、第1BPF24によって帯域幅Cに制限された状態で信号S5として出力される。
【0034】
検波部25は、第1BPF24から出力される信号S5を検波して、例えば、信号S5のRMS(Root Mean Square)値を示す検波出力(検波電圧)Vdを出力する。以上の構成により、この受信部5は、分配部3から出力される被測定信号S1bに含まれる各周波数成分の信号レベルについて、上記した分割帯域Ba,Bb,Bcのうちから指定された1つの分割帯域毎に検出して、その検波出力Vdを出力する。
【0035】
第1A/D変換部6は、受信部5から出力される検波出力Vdをサンプリングして、その電圧値を示すデータDdに変換して出力する。なお、本例では、第1A/D変換部6は、各第2A/D変換部13a,13b,13cと同じサンプリング周期で検波出力Vdをサンプリングする。処理部7は、CPU、FFT演算用のDSP、およびメモリ(いずれも図示せず)を用いて構成されて、ピーク値表示処理およびスペクトル表示処理を実行する。
【0036】
表示部8は、一例としてLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ装置で構成されて、図3に示すように、信号測定装置1の操作パネル1aに配設されている。また、表示部8は、ピーク値表示領域8aとスペクトル表示領域8bとに表示画面が分割されている。表示部8は、ピーク値表示領域8aには、分割帯域Ba,Bb,Bc毎に、各分割帯域Ba,Bb,Bcに含まれる各周波数成分のピーク値PVa,PVb,PVc(サンプリング周期毎の最大のピーク値)を表示する(本例では一例として、バーグラフで表示する)。また、表示部8は、スペクトル表示領域8bには、分割帯域Ba,Bb,Bcのうちから選択された1つの分割帯域に含まれる各周波数の信号レベルを周波数軸に沿って表示する(周波数スペクトルを表示する)。
【0037】
操作部9は、一例として、分割帯域Ba,Bb,Bcの個数と同数のスイッチSWa,SWb,SWcを備え、操作パネル1aに配設されている。また、各スイッチSWa,SWb,SWcは、表示部8に表示される各分割帯域Ba,Bb,Bcについてのピーク値PVa,PVb,PVcの表示位置に対応させて配設されている。具体的には、一例として、分割帯域Baに対応するスイッチSWaが、ピーク値PVaの表示位置の下方に配設され、分割帯域Bbに対応するスイッチSWbが、ピーク値PVbの表示位置の下方に配設され、分割帯域Bcに対応するスイッチSWcが、ピーク値PVcの表示位置の下方に配設されている。また、操作部9は、スイッチSWa,SWb,SWcのいずれかが操作された際には、操作されたスイッチSWa,SWb,SWcを示す選択信号S11を処理部7に出力する。
【0038】
次に、信号測定装置1の動作について説明する。
【0039】
信号測定装置1では、レベル調整部2が、被測定信号Siを入力すると共に、信号レベルを変換して分配部3に出力し、分配部3がこの被測定信号Siを被測定信号S1a,S1bの2つの信号に分配して、被測定信号S1aを信号検出部4に、また被測定信号S1bを受信部5に供給する。
【0040】
信号検出部4は、各分割帯域Ba,Bb,Bcに含まれる信号S2a,S2b,S2cについてのピーク値PVa,PVb,PVcを各第2A/D変換部13のサンプリングクロックの周期で、並列的に検出して、処理部7に出力する。この場合、上記したように、ピーク値PVaは、分割帯域Baに含まれる各周波数成分のうちの最大ピークPのピーク値であり、ピーク値PVbは、分割帯域Bbに含まれる各周波数成分のうちの最大ピークPのピーク値であり、ピーク値PVcは、分割帯域Bcに含まれる各周波数成分のうちの最大ピークPのピーク値である。
【0041】
処理部7は、このようにして信号検出部4から一定の周期(サンプリングクロックの周期)で出力される各ピーク値PVa,PVb,PVcを入力して、ピーク値表示処理を実行する。このピーク値表示処理では、処理部7は、各ピーク値PVa,PVb,PVcを入力する都度、各ピーク値PVa,PVb,PVcを図3に示すように表示部8のピーク値表示領域8aに更新しつつバーグラフ形式で、各分割帯域Ba,Bb,Bcを表す帯域情報(本例では、分割帯域Baを示す記号「Ba」、分割帯域Bbを示す記号「Bb」、分割帯域Bcを示す記号「Bc」)と共に表示させる。これにより、各分割帯域Ba,Bb,Bcに含まれる信号S2a,S2b,S2cについてのピーク値PVa,PVb,PVc(ピーク値PVa,PVb,PVcの変化の様子)を、つまり、測定周波数帯域Aのうちのどの周波数帯域においてどの程度のレベルのピーク値PVがどのような頻度で発生しているかをリアルタイムで同時に確認することが可能となっている。
【0042】
この場合、新たなピーク値PVa,PVb,PVcを入力する都度、直前に表示されていたピーク値PVa,PVb,PVcを直ちにクリアして、この新たなピーク値PVa,PVb,PVcを表示させる上記構成では、各第2A/D変換部13のサンプリング周期が極めて早いときには、表示更新が早すぎて各ピーク値PVa,PVb,PVcの状態を判別するのが困難となる場合がある。この場合には、例えば、直前に表示されていたピーク値PVa,PVb,PVcを含む予め規定された個数(例えば10個)の過去のピーク値PVa,PVb,PVcのうちの最大のものを、新たなピーク値PVa,PVb,PVcと共に(同時に)表示させる構成を採用することもできる。
【0043】
この状態において、例えば、図3に示すように、ピーク値PVbが他の分割帯域Ba,Bcよりも高いレベルとなっている分割帯域Bbに対応するスイッチSWbが操作された際には、図1に示すように、操作部9は、操作されたスイッチSWbを示す選択信号S11を処理部7に出力し、この選択信号S11を入力した処理部7は、スペクトル表示処理を実行する。
【0044】
このスペクトル表示処理では、処理部7は、まず、受信部5に対して、選択信号S11で示される分割帯域(この例では分割帯域Bb)内に含まれる各周波数成分の検波出力Vdを検出する動作を開始させる。具体的には、処理部7は、まず、掃引信号発生部22に対して、この分割帯域Bbの下限周波数f1に対応する下限電圧値、分割帯域Bbの上限周波数f2に対応する上限電圧値、および掃引時間を示す情報を設定する。これにより、掃引信号発生部22は、この下限電圧値、上限電圧値および掃引時間に基づき、設定された掃引時間で電圧値が下限電圧値から上限電圧値までリニアに変化する掃引電圧(鋸波状や三角波状に電圧が変化する電圧信号)Vsを生成して、第1局部発振部21に出力する。この場合、掃引信号発生部22は、掃引電圧Vsが上限電圧値に達したときには、掃引電圧Vsを短時間で下限電圧値に戻し、再度、掃引電圧Vsをリニアに変化させる動作を繰り返す。
【0045】
また、第1局部発振部21は、この掃引電圧Vsに基づいて、掃引電圧Vsの下限電圧値で規定される下限周波数fmin(=f1)から上限電圧値で規定される上限周波数fmax(=f2)まで、設定された掃引時間で第1局発周波数fL1がリニアに変化する第1局発信号S3を生成して、第1ミキサ23に出力する。この場合、第1局部発振部21は、第1局発周波数fL1が上限周波数fmax(=f2)に達したときには、この第1局発周波数fL1を短時間で下限周波数fmin(=f1)に戻し、再度、第1局発信号S3の周波数を第1局発周波数fL1に変化させる動作を繰り返す。
【0046】
第1ミキサ23は、この第1局発信号S3と被測定信号S1bとをミキシングして、被測定信号S1bの周波数fiと第1局発信号S3の第1局発周波数fL1との和と差の各周波数(|fi±fL1|)の信号で構成される信号S4を出力する。次いで、第1BPF24は、信号S4に含まれる各周波数(|fi±fL1|)の信号のうちの低周波数側|fi−fL1|(本例では、周波数(fL1−fi))の信号であって、自身の通過帯域(帯域幅C)に含まれる信号を選択的に信号S5として出力する。この構成により、この第1BPF24からは、第1局発信号S3の周波数fL1の掃引に伴い、この分割帯域Bbに含まれる各周波数成分が周波数f4の帯域に周波数変換されつつ、第1BPF24によって帯域幅Cに帯域制限された状態で信号S5として出力される。検波部25は、この信号S5を検波して、検波出力Vdを出力する。
【0047】
続いて、第1A/D変換部6が、この受信部5から出力される検波出力Vdをサンプリング(一例として、第2A/D変換部13と同じサンプリング周期でサンプリング)して、その電圧値を示すデータDdに変換して処理部7に出力する。次いで、処理部7のDSPが、このデータDdをサンプリング周期に同期して入力すると共に、データDdと、第1局発信号S3の第1局発周波数fL1(掃引信号発生部22による掃引電圧Vsの掃引時間、下限電圧値および上限電圧値から第1局発周波数fL1を算出可能)とに基づいて、分割帯域Bbに含まれる各周波数成分についての信号レベルを算出する。また、処理部7のCPUが、図3に示すように、表示部8のスペクトル表示領域8bに、分割帯域Bbに含まれる各周波数の信号レベルを周波数軸に沿って表示させる(周波数スペクトルを表示させる)。この際に、処理部7のCPUは、同図に示すように、選択された分割帯域Bbの識別記号(本例では「Bb」)、最大のピークPのピーク値PVa、および選択された分割帯域Bbの下限周波数f1および上限周波数f2についても表示させる。これにより、スペクトル表示処理が完了する。
【0048】
その後、処理部7は、操作部9からの選択信号S11の出力を検出しつつ、ピーク値表示処理を繰り返し実行し、選択信号S11を入力したときには、上記のスペクトル表示処理を実行して、表示部8におけるスペクトル表示領域8bの表示内容を、選択信号S11で示される分割帯域Ba,Bb,Bcのいずれかの周波数スペクトルに更新する。
【0049】
このように、この信号測定装置1では、信号検出部4が、分配部3の一方の出力部から出力される被測定信号S1aを入力して、測定周波数帯域Aを連続的に分割してなる分割帯域Ba,Bb,Bcに含まれる各信号(分割帯域内信号)S2a,S2b,S2cのピーク値PVa,PVb,PVcを並列的に検出する。
【0050】
したがって、この信号測定装置1によれば、測定周波数帯域A内に周波数が含まれる被測定信号Siが突発的に発生したときであっても、信号検出部4においてこの被測定信号Siを構成する信号S2(信号S2のピーク値PV)を確実に検出することができる。また、この信号測定装置1によれば、処理部7が、信号検出部4によって信号S2(ピーク値PV)が検出された分割帯域Ba,Bb,Bcのうちの1つを指定された分割帯域として受信部5に対して検波出力Vdを生成させるため、この検波出力Vdと、第1局部発振部21から出力される第1局発信号S3の第1局発周波数fL1とに基づいて、指定された分割帯域(例えば、突発的に信号が発生した分割帯域)に含まれる各周波数成分の信号レベルを周波数軸に沿って表示(周波数スペクトルを表示)させることができる。
【0051】
また、この信号測定装置1によれば、信号検出部4が、各分割帯域Ba,Bb,Bcに対応する通過帯域に規定されると共に、分配部3の一方の出力部に入力部がそれぞれ接続されたn個(本例では3個)のフィルタ11a,11b,11cと、各フィルタ11a,11b,11cの出力部にそれぞれ接続されて、対応するフィルタ11から出力される各信号S2のピークを並列的に検出するn個(本例では3個)のピーク検出部12と、各ピーク検出部12にそれぞれ接続されて、対応するピーク検出部12で検出されたピーク値PVを並列的に検出するn個の第2A/D変換部13a,13b,13cとを備えたことにより、測定周波数帯域A内に周波数が含まれる信号の突発的な発生を簡易な構成で、確実に検出することができる。
【0052】
また、この信号測定装置1では、分割帯域Ba,Bb,Bcのうちの任意の1つの分割帯域を選択するための操作部9を備え、処理部7は、信号検出部4によって信号S2(ピーク値PV)が検出された分割帯域Ba,Bb,Bcのうちの操作部9によって選択された1つの分割帯域について検波出力Vdを受信部5に対して生成させる。したがって、この信号測定装置1によれば、作業者が、操作部9を操作して、分割帯域Ba,Bb,Bcのうちの任意の分割帯域についての周波数スペクトルを表示させることができる。
【0053】
なお、上記の信号測定装置1では、測定周波数帯域Aを3つの分割帯域Ba,Bb,Bcに分割した例を挙げて説明しているが、測定周波数帯域Aは、複数であれば、3つ以外に、2つまたは4つ以上の任意の数で分割することができる。
【0054】
また、信号測定装置1では、受信部5をスーパーへテロダイン方式で構成しているが、図4に示す他の受信部5Aのように、第1BPF24と検波部25との間に、第2ミキサ32、第2局部発振部33および第2BPF34で構成される他の周波数変換部31を配置して、ダブルスーパーへテロダイン方式で構成することもできる。この場合、第2局部発振部33は、一例として、信号S5の上記周波数(fL1−fi)をf5としたときに、この周波数f5よりも低い固定周波数(第2局発周波数)fL2の第2局発信号S6を生成して出力する。第2ミキサ32は、第1BPF24から出力される信号S5を入力すると共に、第2局部発振部33から出力される第2局発信号S6を入力して、信号S5と第2局発信号S6とをミキシングすることにより、信号S5の周波数f5と第2局発信号S6の第2局発周波数fL2との和と差の各周波数(|f5±fL2|)の信号で構成される第2中間周波数信号S7(以下、「信号S7」ともいう)を出力する。第2BPF34は、信号S7に含まれる各周波数(|f5±fL2|)の信号のうちの低周波数側|f5−fL2|の信号を選択的に信号S8として出力する。したがって、この構成では、検波部25は、第2BPF34から出力されるダウンコンバートされた信号S8を検波して、検波出力Vdを出力する。
【0055】
また、上記の信号測定装置1では、操作部9を設け、分割帯域Ba,Bb,Bcのうちから1つの分割帯域Bを選択する場合にこの操作部9を操作する構成を採用しているが、操作部9を操作することなく、この1つの分割帯域Bを選択する構成を採用することもできる。例えば、処理部7に対して、ピーク値PVに対するしきい値を予め設定しておき、処理部7が、このしきい値以上のピーク値PVを検出したときに、このピーク値PVが検出された分割帯域Bを上記の1つの分割帯域Bとして、受信部5,5Aを作動させる構成を採用することができる。この場合、しきい値以上のピーク値PVを検出した分割帯域Bが複数存在するときには、ピーク値PVが最も大きい分割帯域Bを上記の1つの分割帯域Bとする構成を採用することもできる。また、ピーク値PVに対する規定発生回数(5回、10回等)を予め設定しておき、処理部7が、ピーク値PVを検出しつつその発生回数をカウントし、このカウント値が規定発生回数以上となったときに、規定発生回数以上のピーク値PVが検出された分割帯域Bを上記の1つの分割帯域Bとして、受信部5,5Aを作動させる構成を採用することができる。また、監視の対象とする分割帯域Bを予め規定しておき、この分割帯域Bにおいて検出されたピーク値PVが上記のしきい値以上となったときや、また検出されたピーク値PVの発生回数が上記の規定発生回数以上となったときに、この監視の対象としている分割帯域Bを上記の1つの分割帯域Bとして、受信部5,5Aを作動させる構成を採用することができる。
【0056】
このように、信号検出部4における各分割帯域Bについてのピーク値PVの検出状況(各分割帯域Bでのピーク値PVの発生状況)が予め規定した条件を満たしたときに、処理部7が自動的に分割帯域Bを特定(選択)し、この特定した分割帯域Bを上記の1つの分割帯域Bとして、受信部5,5Aを作動させる構成を採用することにより、信号検出部4における各分割帯域Bについてのピーク値PVの検出状況が予め規定した条件を満たした1つの分割帯域Bについて、その周波数スペクトルを直ちに表示(測定)することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 信号測定装置
3 分配部
4 信号検出部
5 受信部
7 処理部
9 操作部
11 フィルタ
12 ピーク検出部
13 第2A/D変換部
Ba,Bb,Bc 分割帯域
Vd 検波出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め規定された測定周波数帯域の被測定信号を分配して出力する分配部と、
前記分配部の一方の出力部から出力された前記被測定信号を入力して、前記測定周波数帯域を連続するn個(nは2以上の整数)の周波数帯域に分割した各分割帯域に含まれる各分割帯域内信号を並列的に検出する信号検出部と、
指定された前記分割帯域の周波数帯域幅と同じ周波数帯域幅で局発信号を掃引すると共に、前記分配部の他方の出力部から出力された前記被測定信号と前記局発信号とをミキシングして生成した中間周波信号を検波することにより前記指定された分割帯域内の前記分割帯域内信号についての検波出力を生成するスーパーヘテロダイン方式の受信部と、
前記信号検出部によって前記分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの1つを前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる処理部とを備え、前記検波出力を前記被測定信号の信号レベルとして測定する信号測定装置。
【請求項2】
前記信号検出部は、
前記各分割帯域に対応する通過帯域に規定されると共に、前記分配部の前記一方の出力部に入力部がそれぞれ接続されたn個のバンドパスフィルタと、
前記各バンドパスフィルタの出力部にそれぞれ接続されて、対応する当該バンドパスフィルタから出力される前記分割帯域内信号のピークを並列的に検出するn個のピーク検出部と、
前記各ピーク検出部にそれぞれ接続されて、対応する当該ピーク検出部で検出された前記ピークのピーク値を並列的にアナログ−デジタル変換して出力するn個のA/D変換部とを備えている請求項1記載の信号測定装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記信号検出部によって検出された前記分割帯域内信号の前記ピーク値と予め規定されたしきい値とを比較して、当該ピーク値が当該しきい値以上のときに、当該分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの1つを前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる請求項2記載の信号測定装置。
【請求項4】
前記分割帯域のうちの任意の1つの分割帯域を選択するための操作部とを備え、
前記処理部は、前記信号検出部によって前記分割帯域内信号が検出された前記分割帯域のうちの前記操作部によって選択された前記1つの分割帯域を前記指定された分割帯域として前記受信部に対して前記検波出力を生成させる請求項1または2記載の信号測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−163423(P2012−163423A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23488(P2011−23488)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】