説明

修飾された連続気泡発泡体を含む洗浄用具

本発明は、5〜1,000kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有する修飾された連続気泡発泡体(2)を含み、未修飾の連続気泡発泡体の重量を基準として1〜2,500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択された、少なくとも1種の非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件とした、洗浄用具に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修飾された連続気泡発泡体を含む洗浄用具に関する。
【背景技術】
【0002】
連続気泡発泡体類及び特にメラミンホルムアルデヒド樹脂発泡体類(本明細書でメラミン発泡体とも呼ばれる)が、例えば、断熱又は遮音材料として産業用途並びに火災防止の目的のために使用されことは当該技術分野において周知である。確かに、自動車産業において、連続気泡発泡体は、一般に自動車及びトラックのモーター区画及び運転手キャビンを隔離するために使用されている。
【0003】
近年、硬質表面洗浄分野におけるそのような連続気泡発泡体に関する斬新な用途が発見されている。実に、このような記連続気泡発泡体と、特にメラミン発泡体の切断又は成形片の洗浄用具が普及しており、タイル、壁、床;流し、シャワー、シャワーカーテン、手水鉢、便所、などの衛生備品;冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、皿洗い機などが挙げられるがこれらに限定されない家電製品などの硬質表面から汚れ及び/又は染みを除去する(すなわち、硬質表面の洗浄)。事実、メラミン発泡体スポンジは、商品名ミスタークリーンマジックイレイザ(Mr. Clean Magic Eraser)(登録商標)として目下のところ市販されている。
【0004】
このような連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)は、壁及び家具に付いた染みなどの汚れ/染みの付いた硬質表面を洗浄するために使用される際に良好な汚れ及び/又は染み除去性能を示すことが観察されている。確かに、連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)は、水道水などの適切な溶媒で湿潤させた場合、該硬質表面を前記湿潤した修飾された連続気泡発泡体と接触させると硬質表面から汚れ及び/又は染みを取り除くことがが観察されている。「接触させること」とは、拭き取ること、拭うこと、擦ることなどを意味する。連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)が、硬質表面から汚れ及び/又は染みを最適に取り除くためには、十分な量の水道水などの適切な溶媒を使用しなければならない。最も一般的には、硬質(塗装)面から汚れおよび/または染みを除去する場合、水道水が、メラミン発泡体のユーザーによって使用される。水又は任意の他の適切な溶媒を使用すると、連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)は、硬質表面に接触される際、小さい粒子(発泡体微片を意味する)として剥がれる。事実、水中に小さい修飾された連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)粒子の乳白色の懸濁液が形成される。
【0005】
このような連続気泡発泡体(及び特にメラミン発泡体)系用具のユーザーが硬質表面から汚れ及び/又は染みを取り除く際脂肪質の石鹸かす汚れ及び清潔な台所の汚れ(すなわち、脂肪)の除去に対して改善された性能を示す用具を探していることは、消費者調査により分かっている。確かに、近年、連続気泡発泡体系洗浄用具は、このような汚れに対する洗浄性能の提供に失敗し又はこのような汚れに対して非常に弱い洗浄性能しか示していない。更に、最近入手可能な連続気泡発泡体から作製されたいくつかの洗浄用具は、比較的短いサービス時間、例えば約10分後、取り返しがつかない損傷のためそれらの洗浄作用を部分的に又は全面的にゆるめていることが分かっている。従って、このような洗浄用具、例えばワイパーの製造者は、一般に非常に短い、例えば10分の適切なサービス時間後洗浄用具の廃却処分を推奨している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、連続気泡発泡体、好ましくはメラミン発泡体に基づく洗浄用具を提供することが本発明の目的であり、該用具は、硬質表面から脂肪質の石鹸かす汚れ及び清潔な台所の汚れ(脂肪)を(改善された)洗浄することが可能であり、同時に使用時優れた耐久性を示す。
【0007】
上記目的は、硬質表面を洗浄する本発明(本明細書において発明の発泡体とも呼ばれる)による修飾された連続気泡発泡体の使用により達成できることが今では判明している。事実、この目的は、このような修飾された連続気泡発泡体を含む本発明による洗浄用具、そのような洗浄用具による硬質表面の洗浄方法又は発明の発泡体による硬質表面の洗浄方法により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、5〜1,000kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有する修飾された連続気泡発泡体(2)を含む洗浄用具(1)であって、未修飾の連続気泡発泡体の重量を基準として1〜2,500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組み合せから選択される、少なくとも1つの非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1−C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件とした洗浄用具(1)を包含する。
【0009】
本発明は、本発明による洗浄用具を用いた硬質表面の洗浄方法を更に包含する。
【0010】
本発明は、修飾された連続気泡発泡体を用いた硬質表面の洗浄方法であって、前記硬質表面を前記修飾された連続気泡発泡体に接触させ、前記修飾された連続気泡発泡体が、5〜1,000kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有し、未修飾連続気泡発泡体の重量を基準として1〜2,500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択された、少なくとも1つの非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件とした、硬質表面の洗浄方法を更に包含する。
【0011】
符号の説明
1:洗浄用具
2:修飾された連続気泡発泡体層
3:第二発泡体層
4:2層の分離を示す線
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
洗浄用具
本明細書の洗浄用具(1)は、本明細書で以下に記載するような修飾された連続気泡発泡体を含む。
【0013】
本明細書において「洗浄用具」とは、洗浄、すなわち、硬質表面から汚れ及び/又は染みを取り除くのに好適な任意の適した形状及び/又はサイズ及び/又は体積の製品を意味する。本発明による非常に適した実施形態では、本明細書の洗浄用具は、消費者が使用して塗装面を洗浄するのに適した形状および/またはサイズおよび/または体積のものである。洗浄用具の例は、ワイパー、ブラシ、洗浄用布又は洗浄用粒剤である。
【0014】
本明細書において、ワイパーなどの洗浄用具(1)の好適な形状は、立方形状、直方形状、ピラミッド形状、円筒形状、円錐形状、鉛筆消しゴム形状、擬似立方形状、四面体形状、球体形状、小球体形状及び楕円形状から成る群から選択されてもよい。好ましくは、前記洗浄用具は、立方形状、直方形状、鉛筆消しゴム形状、および擬似立方形状から成る群から選択される形状を有する。
【0015】
本明細書において洗浄用具の好適な体積は、1cm3〜10,000cm3、好ましくは10cm3〜1,000cm3、より好ましくは150cm3〜250cm3である。
【0016】
本明細書の非常に好ましい一実施形態では、本明細書の洗浄用具(1)は、平行且つ均等な長さの辺の3つのグループ、a、b、およびcによって画定される擬似立方形状を有し、aは、2cmから20cm、好ましくは4cmから8cmの範囲であり、bは、2cmから20cm、好ましくは8cmから15cmの範囲であり、cは、1.5cmから5cm、好ましくは2cmから4cmの範囲である。
【0017】
好ましい実施形態では、前記修飾された連続気泡発泡体(2)層の厚さは、5mm〜100mm、好ましくは7mm〜50mm、より好ましくは10mm〜50mm、更により好ましくは15mm〜50mm、なおより好ましくは20mm〜40mmである。
【0018】
図1に示すように、本発明の第一実施形態の洗浄用具(1)は、修飾された連続気泡発泡体の単一層(2)を含む。
【0019】
本発明による好ましい実施形態では、本明細書における洗浄用具は、追加の材料の層を含んでもよい。好ましくは、本明細書における洗浄用具では、前記修飾された連続気泡発泡体(2)は、第一層を形成し、前記洗浄用具は、更に材料の第二層を含む。更により好ましくは、前記材料の第二層は、本明細書で以下に論述するような第二発泡体材料から作製される第二発泡体層(3)である。この好ましい実施形態によるそのような洗浄用具を図2に示す。
【0020】
修飾された連続気泡発泡体(2)及び第二発泡体(3)の層は、前記洗浄用具に任意の好適な方法で配置されてもよい。好ましい実施形態において、修飾された連続気泡発泡体(2)及び第二発泡体(3)の層は、洗浄用具の少なくとも1つの側、好ましくは2つの対向する側と平行に配置される。しかしながら、洗浄用具はまた、不規則な形状を有してもよい。実際には、層の厚さは、洗浄用具全体にわたって一定であっても変化してもよい。2つの層の間の分離線(4)は直線を形成してもよく、または屈曲を形成するか、完全に不規則であってもよい。それに加えて、2つの層の分離面は、洗浄用具の中央にあって、用具を2つの均等な部分に分割してもよく、または、用具の上側部分もしくは下側部分にあってもよい。それに加えて、洗浄用具は、球体、または小球、もしくは楕円体の形状であってもよく、層の分離面は、球状のセグメントを形成するか、または、層の1つ、好ましくはここでは第2の発泡体の層は、球体の中に球体を形成する(玉ねぎの層に類似する)。
【0021】
この非常に好ましい実施形態では、本明細書における洗浄用具は、立方体形状を有し、用具の2つの層(又は2つの層を結合する表面領域)の分離を示す線(4)は、好ましくは最大表面積(図2に示すように)を有する立方体形状用具の側部と実質的に平行(好ましくは平行)である。
【0022】
本明細書の別の非常に好ましい実施形態では、本明細書の洗浄用具は鉛筆消しゴム形状のものである。「鉛筆消しゴム形状」により、本明細書では、6つの壁面を有し、平行且つ均等な形状および大きさの三対の壁面が存在し、また、一対の壁面が平行四辺形の形状であり、残りの二対の壁面が直方形状である、嵩高い物体を意味する。本明細書の洗浄用具が鉛筆消しゴム形状を有する、この好ましい実施形態では、用具の2つの層(または2つの層が結合されている表面積)の分離を示す線は、鉛筆消しゴム形状の用具の最大表面積を有する側面に略平行(好ましくは平行)である。
【0023】
本発明の好ましい実施形態による好適な洗浄用具を得るため、修飾された連続気泡発泡体(2)の層及び第二発泡体(3)の第二層が、互いに付着されなければならない。この付着は、2つの層を接合するのに適したあらゆる付着手段によって達成することができる。結合は、恒久的付着(層に実質的な損傷を与えずに2つの層を分離することができない)または一時的付着(層に実質的な損傷を与えずに2つの層が分離されてもよい)のいずれかであってもよい。恒久的付着をもたらすのに適した付着手段は、2つの層を互いに積層する発泡体フレーム、恒久的な接着剤の使用、2つの層を互いに縫合すること、及び2つの層を互いにニードルパンチングすること、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。一時的付着をもたらすのに適した付着手段は、脆弱な接着剤、ベルクロ、および水性、水溶性コーティングまたは接着剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0024】
ここでの好ましい一実施形態では、本明細書の層の付着は恒久的付着である。
【0025】
発泡体フレームラミネーション(熱融着)は、発泡体および、もしあれば、追加の材料を、発泡体の一側面または両側面にワンパスで接着することができる、連続プロセスである。フレームラミネーションの方法は、第一発泡体(本明細書の修飾された連続気泡発泡体又は本明細書の第二発泡体)の開放火炎上方の通過にかかわり、それが溶融発泡体/ポリマーの薄層を生成する。第二発泡体(第一工程に応じて、本明細書の第二発泡体又は本明細書の修飾された連続気泡発泡体のいずれか)は、依然として溶融状態のまま第一発泡体に押し付けられる。発泡体および、もしあれば、追加の材料は、発泡体の一側面または両側面にワンパスで接着させることができる。さらに、追加のパスは任意である。固着の強度は、選択された発泡体および、もしあれば、追加の材料、並びに処理条件(即ち、ガスの種類、火炎の高さおよび広がり、発泡体の消失厚さおよびニップ圧)によって決まる。
【0026】
本発明による洗浄用具は、2つを超える層を収容してもよく、ここに、もしあれば、前記の追加の層は修飾された連続気泡発泡体又は前記第二発泡体と同じ又は類似の材料であってもよく、前記第二発泡体と類似の性状又はそれと異なる性状を有する別の材料から製造されてもよい。実際には、本明細書の洗浄用具は、3つの層が存在するいわゆるサンドイッチ構成のものであってもよい。好ましい実施形態において、本明細書の洗浄用具は、サンドイッチ構成であり、中間層は、前記第二発泡体であってもよく、2つの外側層の少なくとも1つは、磨耗性又は剛性増加などの他の特徴を付与する修飾された連続気泡発泡体又は別の材料である第二外側層を有する修飾された連続気泡発泡体である。本発明による非常に好ましい実施形態では、本明細書における洗浄用具は、本明細書で以下に論述するように前記修飾された連続気泡発泡体(a)及び内側層、好ましくは第二発泡体材料の2つの外側層を含む。
【0027】
本発明による洗浄用具の層は、部分的にまたは全体的に互いを覆ってもよい。「部分的に覆うこと」とは、層の少なくとも1つが他方の層(または、もしあれば、複数の他の層)の上に重なっており、前記他方の層(または、もしあれば、複数の他の層)によって全体的に覆われていないことを意味する。「全体的に覆うこと」とは、洗浄用具の層が全体的に互いを覆っており、他方の層(または、もしあれば複数の他の層)の上に実質的に重なっている層がないことを意味する。
【0028】
本発明による洗浄用具における前記修飾された連続気泡発泡体と前記第二発泡体の比率は、好ましくは容量で20:1〜1:20、より好ましくは容量で10:1〜1:10、更により好ましくは容量で5:1〜1:1、なおより好ましくは容量で5:1〜2:1及び最も好ましくは容量で4:1〜3:1である。
【0029】
本発明による好適な洗浄用具を得るため、修飾された連続気泡発泡体及び第二発泡体原材料は、形状及び/又はサイズを変更修正しなければならない場合がある。この変更修正は、当業者には既知のあらゆる手段によって行うことができる。メラミン発泡体及び第二発泡体原材料の形状及び/又はサイズを変更修正する好適な手段は、切断、破砕及び引裂き並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0030】
修飾された連続気泡発泡体
本明細書の洗浄用具(1)は、修飾された連続気泡発泡体(2)を含む。前記修飾された連続気泡発泡体は、以下発明の発泡体とも称する。
【0031】
発明の修飾された発泡体は、連続気泡発泡体である;すなわち、DIN ISO4590に従って測定された、ラメラ(薄層)のすべての少なくとも50%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜99.9%が開放している発泡体である。
【0032】
発明の修飾された発泡体は、好ましくは剛性発泡体である、そしてそれは、本発明の目的のため、DIN53577に従った測定で圧縮強度が40%圧縮で1kPa以上である発泡体である。
【0033】
発明の修飾された発泡体は、5〜1,000kg/m3、好ましくは6〜500kg/m3、特に好ましくは7〜300kg/m3の範囲内の密度を有する。
【0034】
発明の修飾された発泡体は、断面の顕微鏡写真の評価による測定で1μm〜1mm、好ましくは50〜500μmの範囲内の平均孔直径(数平均)を有する。
【0035】
発明の修飾された発泡体は、相当する未修飾の発泡体(a)の重量を基準として1〜2,500重量%、好ましくは20〜500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、少なくとも1つの(メタ)アクリレートを有する(メタ)アクリル酸からのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択された、少なくとも1つの非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件としている。
【0036】
本発明の背景において、加水分解スチレン−無水マレイン酸コポリマー類は、スチレン−無水マレイン酸コポリマー類の呼称のもとに集約されることになる。
【0037】
スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択される、非水溶性ポリマー(b)は、本発明との関係においてポリマー類と呼ばれることになる。
【0038】
本発明の一実施形態では、ポリマー類(b)は、DSCによる測定で25℃を超える、好ましくは50℃を超える融点を有する。
【0039】
ポリマー類(b)は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による測定で1,000〜1,000,000g/モル、好ましくは1,500〜500,000g/モル、特に好ましくは2,000〜200,000g/モル、更に特に好ましくは50,000g/モルまでの範囲内の分子量Mnを有してもよい。
【0040】
ポリマー類(b)は、非水溶性ポリマー類である。この発明の背景において、非水溶性ポリマー類は、25℃で測定したときpH値7で水中1g/L未満の溶解度を有するポリマー類である。
【0041】
本反応の一実施形態では、ポリマー(b)は、水に分散されるか又は乳化され及び自己分散性であることができる。
【0042】
ポリマー類(b)の好ましい例は、
−ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、
−ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、
−ポリエチレン又はポリプロピレンのコポリマー類、
−ポリスチレン、
−ポリスチレンとアクリロニトリルとのコポリマー類、特にブロックコポリマー類及びグラフトコポリマー類、
−ポリブタジエン、
−スチレンとブタジエンとのコポリマー類、特にブロックコポリマー類及びグラフトコポリマー類、
−スチレンとブタジエン及びアクリロニトリルとのコポリマー類、
−ブタジエンとイソプレン及び/又はクロロプレンとのコポリマー類、
−ポリビニルアセテートなどのポリビニルエステル類、
−ビニルC1〜C20アルキルエーテル類、
−コポリマー類、特に少なくとも1つの(メタ)アクリレートを有する(メタ)アクリル酸のランダム共重合体類であり、前記コポリマー類は、エチレンが存在しないコポリマー類である。(メタ)アクリレートは、一般式I
【0043】
【化1】

(式中、R2は、水素、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二級ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二級ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどのC1〜C10アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル及び第三級ブチルなどのC1〜C4アルキルから選択され;
3は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二級ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二級ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどのC1〜C10アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル及び第三級ブチルなどのC1〜C4アルキル、C2〜C10ヒドロキシアルキル、特にω−ヒドロキシ−C2〜C10アルキル、好ましくは3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル及び最も好ましくは6−ヒドロキシエチルなどのω−ヒドロキシ−C2〜C10アルキルから選択され;
4は、水素、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、第二級ペンチル、ネオペンチル、1,2−ジメチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシル、イソヘキシル、第二級ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどのC1〜C10アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第二級ブチル及び第三級ブチルなどのC1〜C4アルキルから選択される)の化合物から選択することができる。
【0044】
一般式1の化合物の好ましい例は、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びメチルメタクリレートである。
【0045】
少なくとも1つの(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸の好ましいコポリマー類は、少なくとも1つの主コモノマーと称するコモノマーの乳化共重合により製造され、C1〜C10(メタ)アクリレート類から選択されるランダム共重合体類であり、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも67重量%及び更により好ましくは少なくとも80重量%までのそれぞれのコポリマー、0.1〜20重量%の(メタ)アクリル酸、及び20重量%までの、好ましくは15重量%までの少なくとも1つのさらなるコモノマーから構成し、前記さらなるコモノマーが主コモノマーと同等でない更なるC1〜C10(メタ)アクリレート、好ましくはC2〜C10ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルアセテート又はビニルプロパノエートなどのC1〜C20ビニルエステル類、ω−メチルスチレンなどのビニル芳香族化合物及び特にスチレン、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル、ビニルエチルエーテルなどのC1〜C20ビニルエーテル類から選択される。
【0046】
本発明の一実施形態では、前記非水溶性ポリマー(b)は、熱可塑性特性を有する。
【0047】
本発明の一実施形態では、前記非水溶性ポリマー(b)は、ゴム状弾性特性を有する。
【0048】
ポリマー(b)の特に好ましい例は、ポリウレタン類、特に自己分散性ポリウレタン類である。別の非常に好ましい実施形態では、ポリマー(b)は、エラストマーのエチレン−プロピレンコポリマーである。
【0049】
本発明の一実施形態では、ポリウレタン類は、グリコール、1,4−ブタンジオール又は1,6−ヘキサンジオール、ポリエステルジオール類、ポリエーテルジオール類などの少なくとも1種のジオールと少なくとも1種のジイソシアネートとの、及び適宜アミノアルコール類、ジアミン類又はチオグリコールなどのイソシアネート基と反応可能な1種以上の他の化合物の反応により得られる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、ポリウレタン類は、
(A)好ましくはポリエーテルジオール類及びポリエステルジオール類から選択される少なくとも1種のジオールと、
(B)少なくとも1種のジイソシアネートと、
(C)しかるべき場合に、イソシアネート基と反応又は1種以上のイソシアネート基を保持することができる他の化合物類と、
(D)必要であれば、更に、化合物(A)〜(C)と異なり、アルコールヒドロキシル基、一級又は二級アミノ基又はイソシアネート基である反応性基を含有する多官能性化合物類と、
(E)必要であれば、化合物(A)〜(D)と異なり、アルコールヒドロキシル基、一級又は二級アミノ基又はイソシアネート基である反応性基を有する1官能性化合物類との反応により得ることができる。
【0051】
本発明のより好ましい実施形態において、ポリウレタン類は、
(A)好ましくはポリエーテルジオール類及びポリエステルジオール類から選択される少なくとも1種のジオールと、
(B)少なくとも1種のジイソシアネートと、
(C)少なくとも1種のイソシアネート基又はイソシアネート基に対して反応性である少なくとも1種の基を有し、前記モノマー類が、ポリウレタンを水中に分散可能とする少なくとも1種の親水基又は1つの潜在的に親水基を更に保持する少なくとも1種の化合物と、
(D)必要であれば、更に、化合物(A)〜(C)と異なり、アルコールヒドロキシル基、一級又は二級アミノ基又はイソシアネート基である反応性基を含有する多官能性化合物類と、
(E)必要であれば、化合物(A)〜(D)と異なり、アルコールヒドロキシル基、一級又は二級アミノ基又はイソシアネート基である反応性基を有する1官能性化合物類との反応により得ることができる。
【0052】
ジオール類(A)は、芳香族及び好ましくは脂肪族ジオール類から選択することができる。好ましい脂肪族ジオール類の例としては、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ブテン−1,4−ジオール、ブチン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン類、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、メチルペンタンジオール類、並びに又はジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール及びポリブチレングリコール類が挙げられる。好ましいジオール類は、一般式HO−(CH2x−OHであり、xは、1〜20の数であり、好ましくは2〜20の偶数である。それらの例は、エチレングリコール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オクタン−1,8−ジオール及びドデカン−1,2−ジオールである。更に好ましいのは、ネオペンチルグリコールである。
【0053】
ポリエーテルジオール類は、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド若しくはエピクロロヒドリンを、例えばBF3の存在下でそれ自身と重合又はこれらの化合物類を単独、混合物又は連続でアルコール類又はアミン類などの反応性水素原子、例えば、水、エチレングリコール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はアニリンを含有するスターター成分と付加反応させることにより得ることができる。
【0054】
ポリエーテルジオール類の好ましい例は、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラプロピレングリコール、150g/モル〜5,000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリエチレングリコール類、180g/モル〜5,000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリプロピレングリコール類、更に250g/モル〜5,000g/モルの範囲内の分子量Mnを有するポリ−テトラヒドロフランである。
【0055】
ポリエステルジオール類は、それ自体が既知である、例えば、工業化学のウルマンズ百科事典(Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemie)、第四版、シメバーラグ(Thieme Verlag)、19巻、62〜65頁を参照のこと。1種以上の二塩基性カルボン酸類に対する又はより多くのジオール類と1種以上の二塩基性カルボン酸類との反応により得られたポリエステルジオール類を使用することが好ましい。それぞれの遊離ジカルボン酸類の代わりに、相当するジカルボン酸無水物類又はメタノール、エタノール又はそれらの混合物などの低級アルコール類の相当するカルボン酸エステル類を使用しポリエステルジオール類を調製することも可能である。ジカルボン酸類は、脂肪族、脂環式、アリール脂肪族(araliphatic)、芳香族又は複素環式であることができ、しかるべき場合に、例えば、ハロゲン原子により置換及び/又は不飽和にされてもよい。記載されてもよい例としては、以下、すなわちスベリン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸及び二量体の脂肪酸類が挙げられる。選択は、一般式HOOC−(CH2y−COOHのジカルボン酸類に与えられ、yは1〜20の数であり、好ましくは2〜20の偶数であり、例は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカンジカルボン酸である。
【0056】
しかるべき場合に、ラクトン系ポリエステルジオール類を使用することも可能である、そしてそれは、ラクトン類のホモポリマー類又はコポリマー類、好ましくは好適な二官能性スターター分子を有するラクトン類のヒドロキシル末端付加物である。好適なラクトン類としては、好ましくは一般式HO−(CH2z−COOH(式中、zは、1〜20の数であり、メチレンユニットの1つの水素原子が、C1〜C4のアルキルラジカルで置換されてもよい)の化合物から由来するものが挙げられる。例は、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン及び/又はメチル−γ−カプロラクトン並びに又はそれらの混合物である。好適なスターター成分の例は、ポリエステルジオール類の合成成分として上記で詳述したジオール類である。ε−カプロラクトンに基づく相当するポリエステルジオール類が、特に好ましい。
【0057】
更に、又好適なのは、例えば、ホスゲンを上記ジオール類のいずれかの過剰分と反応させることにより得ることができるような、ポリカーボネートジオール類である。前記ポリカーボネートジオール類は、結果として、特に記載がない限りポリエステルジオール類の呼称のもとに含まれる。
【0058】
ポリエステルジオール類の好ましい例は、少なくとも1種のジオールを有する少なくとも1種のジカルボン酸のヒドロキシル基末端ポリ縮合物類、好ましくはエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサノール又は1,6−ヘキサンジオールなどの少なくとも1種のジオールを有するフタル酸、イソフタル酸又はテレフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸(HOOC−(CH28−COOH)などの少なくとも1種の芳香族又は脂肪族ジカルボン酸である。好ましいポリエステルジオール類は、250g/モル〜5,000g/モル、好ましくは3,000g/モルまでの範囲内の分子量Mnを有する。
【0059】
好ましいジイソシアネート類(B)は、それ自体が既知のアリール脂肪族(araliphatic)及び芳香族、好ましくは脂肪族及び脂環式多官能性化合物から選択され、2種又はそれ以上のイソシアネート基を有する。
【0060】
ジイソシアネート類(B)の例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,5,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、トリメチルヘキサンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナト−ジフェニルメタン、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トランス/トランス、シス/シス及びシス/トランス異性体などのビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI)の異性体類、及び上記化合物類の混合物が挙げられる。
【0061】
好ましい脂肪族ジイソシアネート類の例は、C4〜C12アルキレンジイソシアネート類、好ましくはヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート;シクロヘキサン1,3−と1,4−ジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート類及びこれらの異性体類の任意混合物、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)並びにトランス/トランス、シス/シス及びシス/トランス異性体などのビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI)の異性体類である。
【0062】
好ましい芳香族ジイソシアネート類の例は、トリレン2,4−及び2,6−ジイソシアネート並びに相当する異性体混合物類、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート並びに相当する異性体混合物類、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−ジイソシアネート類の混合物類、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート類、ジフェニルメタン4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジイソシアネート類の混合物類、及びポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート類(粗MDI)並びに粗MDIのトルイレンジイソシアネート類との混合物である。
【0063】
ジイソシアネート類(B)は、個別に又は混合物の形態で使用することができる。
【0064】
本発明の背景において化合物(C)とも呼ばれるイソシアネート基(C)と反応することが可能な他の化合物の例は、一級ジアミン類、二級ジアミン類又は1つのNH2基及び1種のNHR6基、ここで、R6は、直鎖C1〜C4アルキル及びフェニルから選択される、などのジアミン類、エタノールアミン、N,N−ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンなどのアミノアルコール類、並びにチオグリコールから選択することができる。
【0065】
化合物(C)は、好ましくは、ヒドロキシル基及び一級又は二級アミノ基などのイソシアネート基並びにカルボキシル基又はスルホネート基などの追加の基と反応することが可能な少なくとも2種の官能基を有するものである。好ましい化合物(C)の例は、1,1−ジヒドロキシメチルプロピオン酸、1,1−ジヒドロキシメチル酢酸、1,1−ジヒドロキシメチル酪酸である。
【0066】
更に好ましい化合物(C)としては、リジン、β−アラニン又はDE−A2034479で規定されるα、β−不飽和カルボン酸若しくはスルホン酸を有する脂肪族ジ一級ジアミン類の付加物などのアミノカルボン酸が挙げられる。
【0067】
このような化合物は、例えば、式(C.1)
2N−Y1−NH−Y2−X (C.1)
(式中、
1及びY2は、互いに独立してC1〜C6アルカンジイルユニット、好ましくはエチレンであり、
及びXは、COOH又はSO3Hである)に一致する。
【0068】
式(C.1)の特に好ましい化合物類は、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンカルボン酸およびまた、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンスルホン酸並びにNaが特に好ましい対イオンの状態にある、相当するアルカリ金属塩類である。
【0069】
特別な選択が、例えば、ドイツ特許DE−B1954090に記載されるような2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を有する上記脂肪族ジ一級ジアミン類の付加物類にも与えられる。
【0070】
本反応の好ましい実施形態では、少なくとも2種の異なるジオール(A)の混合物がポリウレタンの合成に使用される。前記2つのジオール(A)の中で、一方のジオール(A1)は、500〜5,000g/モルの範囲内の分子量Mnを有することができ、他方のジオール(A2)は、60〜500g/モルの範囲内の分子量Mnを有することができ、ジオール(A1)及び(A2)が異なることを条件とする。
【0071】
しかるべき場合に、化合物(C)として、ポリヒドロキシオレフィン類、好ましくは、2つの末端ヒドロキシル基、例えば、α、ω−ジヒドロキシポリブタジエン、α、ω−ジヒドロキシポリメタクリル酸エステル類又はα、ω−ジヒドロキシポリアクリル酸エステル類を有するものを使用することも可能である。このような化合物は、例えば、欧州特許EP−A0622378から既知である。更に好適な化合物類(C)は、ポリアセタール類、ポリシロキサン類、及びアルキド樹脂類である。
【0072】
化合物(A)〜(C)と異なり、且つまた、しかるべき場合に、ポリウレタンの成分でもある多官能性化合物(D)は、一般に架橋又は鎖延長のため機能することができる。
【0073】
一般に、多官能性化合物(D)は、2を超える官能性を有する非フェノールアルコール類、2種又はそれ以上の一級及び/又は二級アミノ基を有するアミン類、並びに1つ以上のアルコールヒドロキシル基ばかりではなく1種以上の一級及び/又は二級アミノ基を担持する化合物類から選択される。
【0074】
ある程度の分枝又は架橋を設定するのに使用することができる2を超える官能性を有するアルコール類は、例えば、トリメチロールプロパン、グリセロール又はショ糖である。
【0075】
考慮される他の多官能性化合物類(D)は、モノアルコール類で、ヒドロキシル基に加え1種以上の一級及び/又は二級アミノ基を含有するモノアルコール類などのイソシアネート反応性基を更に担持する、例は、モノエタノールアミンである。
【0076】
2種又はそれ以上の一級及び/又は二級アミノ基を有するポリアミン類は、水の存在下で鎖延長又は架橋が生じる際に特に多官能性化合物類(D)として使用される。その理由は、アミン類は、一般にアルコール類又は水に比べてより速くイソシアネート類と反応するからである。このことは、所望が高分子量を有する架橋ポリウレタン類又はポリウレタン類の水性分散液である場合にしばしば必要である。そのような場合、イソシアネート含有プリポリマーを調製し、水中にすばやく分散させ、続いて、2種又はそれ以上のイソシアネート反応性アミノ基を有する化合物を添加することにより鎖延長又は架橋を行う手順に従う。
【0077】
この目的に好適なポリアミン類は、一般に32〜500g/モル、好ましくは60〜300g/モルの分子量範囲の多官能性アミン類であり、一級及び/又は二級アミノ基から成る群から選択される少なくとも2種のアミノ基を含有する。それらの例は、ジアミノエタン、ジアミノプロパン類、ジアミノブタン類、ジアミノヘキサン類、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソフォロンジアミン、IPDA)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、ジエチレントリアミンなどのトリアミン類又は1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンなどのジアミン類である。
【0078】
ポリアミン類は、ブロック形態、例えば、相当するケチミン類(例えば、カナダ特許第1,129,128号(CA-A1,129,128)を参照)、ケタジン類(例えば、米国特許第4,269,748号を参照)又はアミン塩類(米国特許第4,292,226号を参照)の形態で使用されてもよい。例えば、米国特許第4,192,937号に使用されるようなオキサゾリジン類もブロックポリアミン類を構成し、発明のポリウレタン類の調製のため、鎖延長プレポリマーに使用することができる。このようなブロックポリアミンを使用する場合、一般に水の無い状態でプレポリマーと混合し、混合物を形成する、続いて分散水又は分散水の一部と混合し、加水分解により相当するポリアミンを放出する。
【0079】
ジアミン類とトリアミン類混合物、より好ましくはイソフォロンジアミン(IPDA)とジエチレントリアミン(DETA)の混合物を使用するのが好ましい。
【0080】
ポリウレタン類は、多官能性化合物(D)として成分(A)及び(D)の合計量を基準として好ましくは1〜30モル%、より好ましくは4〜25モル%の少なくとも2種のイソシアネート反応性アミノ基を有するポリアミンを含むことができる。
【0081】
同じ目的のため、多官能性化合物(D)として2を超える官能性を有するイソシアネート類を使用することも可能である。市販の通例の化合物の例としては、イソシアヌレート又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットが挙げられる。
【0082】
必要であれば追加的に使用される1官能性化合物(E)は、モノイソシアネート類、モノアルコール類、モノ一級及びモノ二級アミノ類から選択される。それらの比率は、一般に成分(A)〜(D)の全モル量を基準として10モル%以下である。前記1官能性化合物(E)は、オレフィン基又はカルボニル基などの官能基を更に担持し、官能基をポリウレタンに導入させる作用をし、ポリウレタンの分散、架橋又は更にポリマー類似反応を可能にする。この目的に好適な1官能性化合物(E)は、イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート(TMI)などのもの及びヒドロキシエチルアクリレート若しくはヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル又はメタクリル酸のエステル類である。
【0083】
性状の特に良好なプロファイルを有するポリウレタン類は、特に、実質的に脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類又はアリール脂肪族(araliphatic)ジイソシアネート類だけが使用されるときに得られる。
【0084】
成分(C)としての前記化合物の組合せは、ジアミノスルホン酸類のアルカリ金属塩類、特にN−(2−アミノエチル)−2−アミノエタンカルボン酸及び/又はその相当するアルカリ金属塩類、Na塩が最も好適である、並びに成分(D)としてのDETA/IPDAの混合物により顕著に補足される。
【0085】
本反応の一実施形態では、化合物(A)〜(E)及びそれらのそれぞれのモル量は、比率ω:ωが、0.5:1〜2:1、好ましくは0.8:1〜1.5、より好ましくは0.9:1〜1.2:1であるように選択され、ここで、
ωは、ヒドロキシル基のモル量と付加反応でイソシアネート類と反応できる官能基のモル量との合計であり、及び
ωは、イソシアネート基のモル量である。
【0086】
本発明の一実施形態では、発明の修飾された連続気泡発泡体は、合成有機発泡体に基づくものであり、例えば、ポリウレタン樹脂類に基づく発泡体若しくはフェノールホルムアルデヒド樹脂類に基づく発泡体などの有機未修飾の発泡体又は好ましくはアミノプラスチック発泡体に基づき、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂類、さもないと、特にアミノプラスチック発泡体に基づく発泡体又は更に特にアミノプラスチックホルムアルデヒド樹脂類、特にメラミンホルムアルデヒド樹脂類に基づく発泡体であり、本発明の目的のためメラミンホルムアルデヒド樹脂類に基づく発泡体は、メラミン発泡体とも称せられる。
【0087】
このことは、発明の発泡体が、合成有機材料、好ましくはポリウレタン発泡体又はフェノールホルムアルデヒド発泡体、特にアミノプラスチック発泡体及び特にメラミン発泡体を含む連続気泡発泡体(a)から製造されることを意味する。
【0088】
本発明の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)は、少なくとも1種のカルボニル化合物を有する少なくとも1種の有機ジ−又はトリアミンの前駆縮合物を発泡させることにより製造されるアミノプラスチック発泡体から選択される。
【0089】
発明の接触後、発明の修飾された発泡体は、相当する未修飾の連続気泡発泡体(a)の重量を基準として発明による1〜2,500重量%、好ましくは10〜1,000重量%の少なくとも1種のポリマー(b)を含む。
【0090】
修飾された連続気泡発泡体製造方法
修飾された連続気泡発泡体は、本明細書で以下に論述するようにして得られる。修飾された連続気泡発泡体製造方法は、
5〜500kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有する連続気泡発泡体(a)を
ポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、少なくとも1つの(メタ)アクリレートを有する(メタ)アクリル酸からのコポリマー類、ポリウレタン、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択される少なくとも1種のポリマー(b)と接触させる工程を含む。
【0091】
本発明の目的のため、修飾された連続気泡発泡体を得る方法を実施するために使用される未修飾の連続気泡発泡体(a)は、最も一般的に未修飾の発泡体(a)又は連続気泡発泡体(a)とも称せられる。修飾された連続気泡発泡体を得る方法を実施するために使用される未修飾の連続気泡発泡体(a)を、以下により詳細に記載する。
【0092】
修飾された連続気泡発泡体製造方法を実施するため、使用される出発原料は、連続気泡発泡体(a)、特に、DIN ISO4590に従った測定で、ラメラ(薄層)の少なくとも50%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜99.9%が開放している発泡体を含む。前記気泡は、チャネルのように形成することができる。
【0093】
連続気泡発泡体(a)は、好ましくは剛性の発泡体であり、本発明の目的のため、DIN53577に従った測定で圧縮強度が40%圧縮で1kPa以上である発泡体である。
【0094】
連続気泡発泡体(a)は、5〜500kg/m3、好ましくは6〜300kg/m3、特に好ましくは7〜300kg/m3の範囲内の密度を有する。
【0095】
連続気泡発泡体(a)は、断面の顕微鏡写真の評価による測定で1μm〜1mm、好ましくは50〜500μmの範囲内の平均孔直径(数平均)を有する。
【0096】
本発明の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)は、20mmまでの範囲内の直径のせいぜい20、好ましくはせいぜい15、特に好ましくはせいぜい10個の孔/m2を有してよい。
【0097】
本発明の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)は、DIN66131に従った測定で、0.1〜50m2/g、好ましくは0.5〜20m2/gの範囲内のBET表面積を有する。
【0098】
連続気泡発泡体(a)は、任意の所望の幾何形状、例えば、シート、球体、円筒、粒子、立方体、フレーク、ブロック、サドル、バー又は正方形カラムを有してもよい。出発原料として使用される発泡体(a)のサイズ寸法は、不可欠ではない。本発明の一実施形態では、出発原料は、合成有機材料から成る連続気泡発泡体(a)、好ましくはメラミン発泡体を含む。
【0099】
修飾された連続気泡発泡体製造方法を実施する出発原料として特に好適なメラミン発泡体は、それ自体が既知である。例として、それらは、
i)アルデヒド類、ホルムアルデヒドとの共縮合などの他のカルボニル化合物を含有してよいメラミンホルムアルデヒド前駆縮合物、
ii)1種以上の発泡剤、
iii)1種以上の乳化剤、及び
iv)1種以上の硬化剤の発泡により製造される。
【0100】
メラミンホルムアルデヒド前駆縮合物i)は、非誘導体化前駆縮合物であってもよく、さもなくば誘導体化前駆縮合物であってもよい、例としては、20モル%までのメラミンが、それ自体が既知の他の熱硬化性樹脂形成材料、例えば、アルキル置換メラミン、尿素、ウレタン、カルボキサミド類、ジシアンジアミド、グアニジン、スルフリルアミド、スルホンアミド類、脂肪族アミン類、フェノール及びフェノール誘導体類により置換されていてもよい。誘導体化メラミンホルムアルデヒド前駆縮合物類中にホルムアルデヒドとの共縮合で存在してもよい他のカルボニル化合物類の例は、アセトアルデヒド、トリメチロールアセトアルデヒド、アクロレイン、フルフロール、グリオキサール、フタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドである。
【0101】
好適な発泡剤ii)は、水、不活性ガス類、特に二酸化炭素及び物理的発泡剤類である。物理的発泡剤類は、出発成分に対して不活性であり、室温で通常液体であり、ウレタン反応条件下で蒸発する化合物類である。これらの化合物類の沸点は、好ましくは110℃未満、特に80℃未満である。物理的発泡剤類の中には、出発成分ii)及びii)に導入され又はその中に溶解される不活性ガス類、例えば、二酸化炭素、窒素若しくは希ガス類がある。
【0102】
室温で液体である好適な化合物類は、通常少なくともC4炭素原子を有するアルカン類及び/又はシクロアルカン類、ジアルキルエーテル類、エステル類、ケトン類、アセタール類、C1〜C8炭素原子を有するフルオロアルカン類及びアルキル鎖中にC1〜C3炭素原子を有するテトラアルキルシラン類、特にテトラメチルシランから成る群から選択される。
【0103】
記載されてもよい例は、プロパン、n−ブタン、イソブタン及びシクロブタン、n−ペンタン、イソペンタン及びシクロペンタン、シクロヘキサン、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ギ酸メチル、対流域で分解することが可能で、従ってオゾン層に損傷を与えないアセトン及びフッ素化アルカン類、例えば、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロ−2,2,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリフルオロ−1,2,2−トリクロロエタン、ジフルオロエタン類及びヘプタフルオロプロパンである。記載した物理的発泡剤類は、単独又は互いの任意の組み合せのいずれかで使用することができる。
【0104】
微細気泡を製造するためにパーフルオロアルカンを使用することは、欧州特許EP−A0351614から既知である。
【0105】
使用される乳化剤iii)は、従来の非イオン性、アニオン性、カチオン性又はベタイン界面活性剤、特にC12〜C30アルキルスルホネート類、好ましくは、C12〜C18アルキルスルホネート類、及びポリエトキシレート化C10〜C20アルキルアルコール類、特に式R1−O(CH2−CH2−O)x−H(式中、R1は、C10〜C20アルキルから選択され、例では、xは、5〜100の範囲内の整数であってもよい)を有するものであってもよい。
【0106】
可能な硬化剤iv)は、特に無機ブレンステッド酸類、例えば、硫酸又はリン酸、酢酸又はギ酸などの有機ブレンステッド酸類、ルイス酸類及び又は潜在性酸類などの酸性化合物である。
【0107】
好適なメラミン発泡体類の例が、欧州特許EP−A0017672に記載されている。
【0108】
連続気泡発泡体(a)は、もちろん発泡化学で通例の添加剤類、例えば酸化防止剤類、難燃剤類、充填剤類、顔料類又は染料類などの着色剤類及び
【0109】
【化2】

などの殺生物剤も含むことができる。本発明を実施するために使用される別の出発原料は、少なくとも1種のポリマー(B)である。
【0110】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体は、上記で特徴付けた連続気泡発泡体(a)を溶融又は好ましくは分散若しくは乳化形態で少なくとも1種のポリマー(B)に接触する(と接触させる)ことにより得られてもよい。別法として、連続気泡発泡体は、ポリマー(B)の少なくとも1種の非水性溶液に接触(と接触)させられる。
【0111】
ポリマー(B)を乳化又は分散させるため、ポリマー(B)は、続いてアニオン性、カチオン性又は好ましくは非イオン性乳化剤に集約されることになる、例えば、少なくとも1つの界面活性成分(分散剤又は乳化剤)と混合することができる。
【0112】
好適な非イオン性乳化剤は、例えば、エトキシ化モノ−、ジ−及びトリ−アルキルフェノール類(エトキシル化度:3〜50、アルキルラジカル:C4〜C12)及び又エトキシ化脂肪族アルコール類(エトキシル化度:3〜80、アルキルラジカル:C8〜C36)である。市販の例は、BASF社(BASF Aktiengesellschaft)からのルテンゾール(Lutensol)(登録商標)銘柄及びユニオンカーバイド(Union Carbide)からのトライトン(Triton)(登録商標)銘柄である。
【0113】
好適なアニオン性乳化剤は、例えば、アルキルスルホン酸類(アルキルラジカル:C12〜C18)、アルキルアリールスルホン酸類(アルキルラジカル:C9〜C18)及び、例えば、スルホコハク酸モノ−及びジエステル類などのスルホスクシナート類のエトキシ化アルカノール類(エトキシル化度:4〜30、アルキルラジカル:C12〜C18)並びにエトキシ化アルキルフェノール類(エトキシル化度:3〜50、アルキルラジカル:C4〜C12)から形成される硫酸モノエステル類のアルキルサルフェート類(アルキルラジカル:C8〜C12)のアルカリ金属及びアンモニウム塩類である。
【0114】
好適なカチオン性乳化剤は、一般に、C6〜C18アルキル、アラルキル又はヘテロシクリル含有一級、二級、三級又は四級アンモニウム塩類、アルカノールアンモニウム塩類、ピリジニウム塩類、イミダゾリニウム塩類、オキサゾリニウム塩類、モルホリニウム塩類、チアゾリニウム塩類並びにアミンオキシド類の塩類、キノリニウム塩類、イソキノリニウム塩類、トロピリウム塩類、スルホニウム塩類及びホスホニウム塩類である。例として、酢酸ドデシルアンモニウム又は相当する塩酸塩、種々の2−(N,N,N−トリ−メチルアンモニウム)エチルパラフィン系エステル類、N−塩化セチルピリジニウム、N−ラウリルピリジニウムサルフェート、又N−セチル−N,N,N−臭化トリメチルアンモニウム、N,N−塩化ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウム及び又ジェミニ界面活性剤N,N’−二臭化(ラウリルジメチル)エチレンジアミンのクロライド類又はアセテート類が記載されてもよい。更なる多数の例が、H.スタッチ(Stache)、Tensid−Taschenbuch、Carl−Hanser−Verlag、ミュンヘン、ウィーン1981年及びマカッチャンの乳化剤&洗剤(McCutcheon's, Emulsifiers & Detergents)、MCパブリシング・カンパニー社(MC Publishing Company)、グレンロック(Glen Rock)1989年に見いだされる。
【0115】
他の好適な界面活性成分は、例えば、デンプン、ポリビニルアルコール又は酸化デンプン等の加工デンプンなどの保護コロイド類であってもよい。
【0116】
自己分散性ポリウレタン類は、1分子当たり1種以上のイオン若しくはイオン性基、例えば、スルホン酸基又はカルボン酸基を有することができる。自己分散性を向上するため、前記イオン性基は、塩基性アルカリ塩類、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムなどの好適な塩基性化合物類又は好ましくはトリエチルアミン、N,N−ジ−(C1〜C4アルキル)エタノールアミン若しくはN,N−(C1〜C4アルキル)ジエタノールアミンなどの三級アミン類で中和することができる。
【0117】
本明細書におけるペン気泡発泡体製造方法では、連続気泡発泡体(a)をポリマー(b)と接触させ、ポリマー(b)は、溶融され、好ましくは分散され、特に乳化された形態であってもよい。水中に分散された又は乳化されたポリマー(b)を使用するのが特に好ましい。
【0118】
接触させる方法の例は、連続気泡発泡体(a)のポリマー(b)への浸漬、連続気泡発泡体(a)のポリマー(b)での飽和、好ましくは連続気泡発泡体(a)のポリマー(b)での完全なスプレー又はカレンダ処理によるポリマー(b)の連続気泡発泡体(a)への塗布である。
【0119】
ポリマー(b)が水中分散又は乳化として使用される場合、ポリマー(b)を含む水性処方の形態で使用されてもよい。
【0120】
発明により使用され及びポリマー(b)を含有する水性処方は、好ましくは0.05〜40重量%、選択として10〜35重量%の1種以上のポリマー類(b)を含み、これらは、好ましくは、完全に又は部分的に中和された形態である。
【0121】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の1つの代替では、発明により使用され及びポリマー(b)を含有する水性処方は、部分的又は完全な中和のため、通常、塩基性作用を有する1種以上の物質、例えば、水酸化物類及び/又は炭酸塩類及び/又はアルカリ金属類の炭酸水素類若しくはアンモニアを含み、又はトリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミン、メチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの有機アミン類を含む。発明により使用され及びポリマー(b)を含有する水性処方は、好ましくは、ポリマー(類)(b)のカルボキシ基の少なくとも4分の1、好ましくは少なくとも半分を中和させる塩基性作用を有する十分な量の物質(類)を含む。塩基性作用を有する物質類は、例として、発明により使用される処方にポリマー(b)の分散又は乳化時に添加されてもよい。
【0122】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の1つの代替では、発明により使用され及びポリマー(b)を含有する水性処方は、ポリマー(類)(b)のカルボキシ基を定量的に中和させる塩基性作用を有する十分な物質(類)を含む。
【0123】
発明により使用され及びポリマー(b)を含有する水性処方は、DIN19268に従った測定で、通常、例えば、塩基性pH値を有する。7.5〜14のpH値が、好ましく、8〜10のものは、特に好ましく、8.5〜10のものは、非常に特に好ましい。
【0124】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の1つの代替では、接触プロセスの後、連続気泡発泡体(a)及びポリマー(b)は、例えば、1秒〜24時間、好ましくは5秒〜10時間、特に好ましくは10秒〜6時間の範囲内の時間にわたって相互作用させられてもよい。
【0125】
修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)とポリマー(b)を0℃〜250℃、好ましくは5℃〜190℃、特に好ましくは10℃〜165℃の範囲内の温度で接触させる。
【0126】
修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)とポリマー(b)を、先ず0℃〜50℃の範囲内の温度で接触させ、続いて、温度を変更し、例えば60℃〜250℃、好ましくは65℃〜180℃の範囲内の温度に上昇する。
【0127】
修飾された連続気泡発泡体の製造方法の別の実施形態では、連続気泡発泡体(a)とポリマー(b)を、先ず0℃〜120℃の範囲内の温度で接触させ、続いて、温度を変更し、例えば30℃〜250℃、好ましくは125℃〜200℃の範囲内の温度に上昇する。
【0128】
修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一実施形態では、連続気泡発泡体(a)を非水性溶媒中でポリマー(b)の溶液と接触させることになる。使用されてよい非水性溶媒は、有機溶媒である。好適な有機溶媒の例は、
−トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;
−n−ドデカン、イソドデカン(2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン)、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、n−オクタデカン、及び個別に又は混合された上記脂肪族炭化水素類、特に種々のC12〜C18炭化水素から成る溶媒ナフサとして市販の混合物の異性体類などの脂肪族炭化水素類;
−エーテル類、特にテトラヒドロフラン(THF)及び1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類;
−0.1〜10重量%のアルコール類又はエーテル類、例えば、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−ペンタノール、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンを有する上記脂肪族又は芳香族炭化水素類の混合物類;
−クロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素類である。
【0129】
室温で固体であり、溶媒若しくは溶媒類混合物中にカルボキシ基及び/又はカルボン酸エステル基を含有する好適なポリマー(b)の濃度は、例えば、0.001〜75重量%、好ましくは0.01〜30重量%である。
【0130】
修飾された連続気泡発泡体の製造方法の好ましい一実施形態における溶媒及び温度プロファイルの選択では、連続気泡発泡体(a)の構造パラメーターの実質的な変更がほんどの場合ない。
【0131】
本発明の別の好ましい実施形態における出発原料−連続気泡発泡体(a)、ポリマー(b)及び適宜添加剤類の選択では、発明の発泡体が、出発原料として使用される適切な連続気泡発泡体(a)より著しく高い密度を有する。
【0132】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、修飾された連続気泡発泡体の製造方法を実施する操作は、大気圧で行われる。本発明の別の実施形態では、発明の方法を実施する操作は、高圧、例えば、100kPa〜1,000kPa(1.1バール〜10バール)の範囲内の圧力で行われる。本発明の別の実施形態では、修飾された連続気泡発泡体の製造方法を実施する操作は、減圧、例えば、0.01kPa〜90kPa(0.1ミリバール〜900ミリバール)、好ましくは10kPa(100ミリバール)までの範囲内の圧力で行われる。
【0133】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、ポリマー(b)が連続気泡発泡体(a)にわたって全ての寸法において最大の均一性で分配されるように連続気泡発泡体(a)をポリマー(b)と接触させる。好適な方法は、用途目的に有効な方法である。記載されてよい例は、完全飽和、浸漬、フローコーティング、ドラム塗布、スプレー塗布、例えば、圧縮空気スプレー、エアレススプレー及び高速回転霧化、並びに又コーティング、ドクター塗布、カレンダ塗布、拡散塗布、ローラー塗布、ワイパー塗布及びロール塗布である。
【0134】
本発明の別の実施形態では、ポリマー(b)の不均一分配が連続気泡発泡体(a)に生じるように連続気泡発泡体(a)をポリマー(b)と接触させる。例えば、本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、連続気泡発泡体(a)には、ポリマー(b)が不均一にスプレーされてもよく、その後、材料(a)及び(b)を相互作用させてもよい。本発明の別の実施形態では、連続気泡発泡体(a)は、ポリマー(b)で不完全に飽和されてもよい。本発明の別の実施形態では、連続気泡発泡体(a)の一部を、ポリマー(b)と1回接触させてもよいし、連続気泡発泡体(a)の別の部分をポリマー(b)と少なくとも2回接触させてもよい。別の実施形態では、連続気泡発泡体(a)が飽和され、最上層が、例として、水で清浄に濯がれる。その後、材料を、相互作用させる。結果は、連続気泡発泡体(a)内部のコーティングである、従って、外側表面は、依然として未コーティングのままである。
【0135】
ポリマー(b)の不均一分配が連続気泡発泡体(a)に生じるように連続気泡発泡体(a)をポリマー(b)と接触させる場合、例えば、材料を2分以上の時間にわたって相互作用させることにより達成される効果は、連続気泡発泡体(a)の最も外側層をポリマー(b)と接触させるだけではない。
【0136】
ポリマー(b)の不均一分配が連続気泡発泡体(a)に生じるように連続気泡発泡体(a)をポリマー(b)と接触させる場合、発明による修飾された発泡体は、その横断面にわたって不均一である機械的特性を有してもよい。例えば、発明によると、少なくとも1種のポリマー(b)の比較的大きい割合と接触させられたこれらの部位で、ポリマー(b)のより小さい量と接触させられたこれらの部位よりもより硬質であることが可能である。
【0137】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体製造方法の一代替では、濯ぎは、例えば、接触後、1種以上の溶媒を使用し、好ましくは水を使用して行われてもよい。
【0138】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、接触後及び選択が自由な濯ぎ後、乾燥、例えば機械的乾燥が、例えば、紋り又はカレンダ処理により、特に2つのロールによる絞り又は熱的に、例えば、電子レンジ、熱風送風機又は乾燥キャビネットにおいて、特に、真空乾燥キャビネットにおいて、乾燥キャビネットを運転する可能な温度がポリマー(b)の軟化点又は融点より25〜10℃だけ低い温度で実施されてもよい。真空乾燥キャビネットの関係で、真空は、例えば、0.01〜85kPa(0.1〜850ミリバール)の範囲内の圧力を示してもよい。
【0139】
任意の所望の乾燥工程に要する時間は、本発明の目的のための相互作用時間から定義上除かれる。
【0140】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、熱乾燥は、20℃〜150℃の範囲内の温度に、例えば、10秒〜20時間にわたって加熱することによりもたらされてもよい。室温で固体である使用したポリマー(b)のガラス転移温度を少なくとも20℃だけ超える、好ましくはポリマー(b)のガラス転移温度を少なくとも30℃だけ超える温度に加熱することが好ましい。使用したポリマー(b)の融点又は留点未満である温度、例えば使用したポリマー(b)の融点又は留点より少なくとも5℃だけ低い温度に加熱することが好ましい。
【0141】
少なくとも2種の異なるポリマー(b)の混合物が使用され、熱乾燥を所望の場合、加熱は、より高いガラス転移温度ポリマー(b)のガラス転移温度を少なくとも20℃だけ、好ましくは少なくとも30℃だけ超えた温度にまで行われる。少なくとも2種の異なるポリマー(b)の混合物が使用され、熱乾燥を所望の場合、加熱は、好ましくは使用したポリマー(b)全ての融点又は留点未満である温度、例えばポリマー(b)の最も低い融点又は最も低い留点より少なくとも5℃だけ低い温度にまで行われる。
【0142】
蒸発プロセスを容易にするため、操作は、減圧下、例えば10〜99kPa(100〜990ミリバール)の範囲内の圧力で行われてもよい。
【0143】
発明によれば、蒸発残留物は、続いて熱処理することができる。
【0144】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、蒸発残留物は、5〜48時間、好ましくは、12〜36時間、45〜130℃、好ましくは60〜120℃の範囲内の温度で貯蔵されてもよい。
【0145】
本発明の別の実施形態では、蒸発残留物は、工程内で加熱されてもよい。例えば、加熱は、先ず70〜90℃で行い、その後、1〜5時間、70〜90℃で貯蔵し、続いて、110〜130℃に加熱し、更に1〜5時間貯蔵してもよい。
【0146】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、少なくとも1種の連続気泡発泡体(a)を少なくとも1種のポリマー(b)と接触させるだけではなく、
銀粒子又はフェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、グリオキサール、チアジアジン類、2,4−ジクロロベンジルアルコール類、好ましくはMIT(2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン)、CMIT(5−クロロ−2−メチル−3(2H)−イソチアゾロン)、CIT(5−クロロ−3(2H)−イソチアゾロン)、BIT(1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン)及び又N,N−ジ−C1〜C10−アルキル−ω−アミノ−C2〜C4−アルキル(メタ)アクリレートのコポリマー類、特にエチレンとN,N−ジメチル−2−アミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマー類などのイソチアゾロン誘導体類などのモノマー若しくは高分子有機殺生物剤類などの殺生物剤類;
固体類、例えば、無機若しくは有機材料であってよい研磨剤材料類又は充填剤類、例えば、砂、石灰(CaCO3)、1μm〜1mmの範囲内の平均粒子直径(数平均)を有するケイ酸塩類又はコロイダルシリカ、好ましくは無機材料は、Mg、Mn、Ba、Ca、W、Zr、Ti、Si、Moのオキシド類、クロライド類、サルフェート類、ホスフェート類、カーボネート類、特にTiO2、SiO2、砂及びAl23、から選択される少なくとも添加剤(又はそれらの組み合わせ)と接触させてもよい。他の好適な材料は、不溶性のポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウムである。他の研磨剤材料は、炭素系材料類、すなわち黒色炭素、活性炭、炭等であってもよく、多孔質であってもよく又はなくてもよい。特に好ましい無機充填剤類は、ゼオライト系材料類及びシリカ材料類から選択される。好適なゼオライト系材料類が、以下の参照テキスト、ゼオライト合成、ACSシンポジュウムシリーズ398、編集(Eds.)M.L.オセリ(Occelli)及びH.E.ロブソン(1989年)2〜7頁、ゼオライトモレキュラーシーブ、構造、化学及び用途(ZEOLITE MOLECULAR SIEVES, Structure, Chemistry and Use)、D.W.ブレック(Breck)、ジョンワイリー&サンズ(John Wiley b Sons)(1974年)245〜250、313〜314及び348〜352頁に記載されている。SiO2は、様々な結晶形態及び非晶質変種で存在し、そのいずれもが本明細書に用いるのに好適である。特に、大きい表面積を有する又は粒塊形態のシリカ類が、好ましい(すなわち、粘土類又は貝殻類)。一群のシリカ系材料類に制限されることなく、少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは99%の二酸化ケイ素を含有するような高度に純粋な形態であるシリカ(すなわち、100%シリカ含有量を有するシリカゲル及びヒュームドシリカ)が通常好ましい。別の選択肢として、シリカ系材料類は、ケイ酸ナトリウムを含む金属ケイ酸塩類などの他の原料から提供されてもよい。更に好適な材料類は、非水溶性ポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウムである。
【0147】
特に好ましい有機材料類は、熱可塑性高分子材料類であってもよいポリマー類である。本発明に使用される好適な熱可塑性高分子材料類は、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリ塩化ビニル類、ポリアミド類、それらの混合物及びそれらのコポリマー類から成る群から選択される。高分子材料類の具体的な例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアセテートコポリマー類及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。ポリマー類は、ビーズ形状であってもよく、又はランダムな形状であってもよい。本発明の文脈では、ビーズ形状のポリプロピレンが、特に好ましい。更に、研磨剤材料は、尿素とホルムアルデヒド粒子状縮合生成物などの樹脂性研磨剤材料である。発明の組成物類に使用される研磨剤の別の部類は、米国特許番号第3,070,510号(クーリー&グラベンステター(Cooley & Grabenstetter)、1962年12月25日発行)に記載されているような粒子状熱硬化性重合樹脂類である。3,070,510好適な樹脂類としては、例えば、メラミン類、フェノール樹脂類、尿素類、メラミン−尿素類、メラミン−ホルムアルデヒド類、尿素ホルムアルデヒド類、メラミン−尿素ホルムアルデヒド類、架橋エポキシが挙げられる。
【0148】
好適な添加剤類の更なる例は、
アニオン性、カチオン性又は非イオン性であってもよい1種以上の界面活性剤類;
ポリマー(b)の成分としての溶解材料類;
活性化され又は不活性であり、多孔質であってもよく又はなくてもよいカーボンブラック、活性炭、炭などの炭素系材料類;
染料類又は顔料類のような着色剤類;
シリコーンオイル類及びシロキサン、鉱物、植物又は動物油などの潤滑剤類並びにフッ素化ポリマー類などの低摩擦ポリマー;
イオン向性架橋剤類及び共有架橋剤類であって、イオン向性架橋剤類の例が電荷鉱物類、電荷シリカ、電荷ゼオライト、電荷ヘクトライト、多価カチオン類、ポリアニオン類又は/及びAl、Cu、Zrに由来するポリカチオン類であり、共有架橋剤類の例がビス(メタ)アクリレート類、トリス(メタ)アクリレート類、ビス(メタ)アクリルアミド類、ジビニルエーテル類、ジアリルエーテル類、トリアリルエーテル類、特にN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、106〜2,000g/モルの範囲の分子量Mwを有するポリエチレングリコール由来のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリオール類、テトラオール類及び多価アルコール類などのポリアルコール類のジ−及びトリ−エステル類(trimesters)、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼンなどの少なくとも2つ、好ましくは非共役C−C二重結合を有する有機分子である、などの架橋剤類;
芳香剤類、例えば香料;
室温で液体であるポリエステル類、安息香酸ペンタエリスリトール(pentaerythrit tetrabenzoate)、安息香酸スクロースなどの糖エステル類、室温で固体であるo−及びp−トルエンスルホンアミドなどの芳香族スルホンアミド類、ヒマシ油及びヒマシ油誘導体類、106〜6,000g/モルの範囲の分子量Mwを有するポリエチレングリコール、ソルビトール、モノカルボン酸C8〜C22脂肪酸類及びそれらの誘導体類などの可塑剤類;
シクロデキストリン類などの臭気捕捉剤類;及び
1種以上の殺生物剤類、香料又は臭気捕捉剤類を有するトリートメントオイルなどの少なくとも1つの有効成分を投入したマイクロカプセル類であって、本発明の目的のため、マイクロカプセル類は、例としては、1〜100μmの範囲内の平均外部直径を有する球形状中空粒子であってもよく、例としてはメラミンホルムアルデヒド樹脂又はポリメチルメタクリレートから構成されてもよいマイクロカプセル類である。
【0149】
この目的の手順の例は、少なくとも1種の連続気泡発泡体(a)を、異なる操作にて又は好ましくは同時に少なくとも1種のポリマー(b)及び少なくとも添加剤(c)と接触させる。
【0150】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、1種以上の添加剤(c)は、例えば、ポリマー(b)を基準として0〜合計50重量%、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.01〜25重量%、非常に特に好ましくは0.1〜20重量%の比率で発明により使用されポリマー(b)を含む水性処方に添加されてもよい。
【0151】
本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法の一代替では、本明細書における修飾された連続気泡発泡体の製造方法により製造される発明の修飾された発泡体又は発泡体は、本質的に連続気泡発泡体、すなわち、DIN ISO4590に従った測定でラメラ(薄層)の少なくとも50%、好ましくは60〜100%、特に好ましくは65〜99.8%が開放している発泡体である。
【0152】
洗浄目的又は洗浄用具として使用したとき本明細書における修飾された発泡体は、有益な範囲の性状を有する。特に光沢のある外観を示すことになる表面は、かき傷を少しも残さず極めて容易に洗浄できる。更に、それらは、改善された洗浄力又は洗浄作用、加水分解に対する良好な耐性、酸に対する改善された耐性を有する。特に、本発明並びに本明細書の洗浄方法による洗浄用具は、硬質表面から脂肪質の石鹸かす汚れ及び清潔な台所の汚れの優れた洗浄を示し、同時に使用時の優れた耐久性を示す。更に、発泡体の汚染は、非常に緩やかに進行する。本明細書における修飾された連続気泡発泡体に基づく洗浄用具は、汚染されてもよく、取り返しがつかない損傷もなく容易に洗浄することができる。
【0153】
追加の材料
本明細書において洗浄用具に任意選択で存在する追加の層は、前記連続気泡以外の任意の好適な材料のものであってもよい。追加の材料は、磨耗性、または増加した剛性、或いは増加した把持力など、有益な特徴を洗浄用具にもたらすのに適していてもよい。
【0154】
それらの観点から、前記追加の材料は、洗浄材又は洗浄パッド、発泡体材料、剛性発泡体材料、発泡体材料で作製されるハンドル、熱可塑性材料、木材、金属又はそれらの組み合せ及びその類であってもよい。
【0155】
第2の発泡体
本明細書における非常に好ましい実施形態では、本明細書の洗浄用具は、第二発泡体(3)の(少なくとも)1つの層を含む。
【0156】
本明細書に用いるのに好適な第二発泡体は、ポリウレタン発泡体類、ポリプロピレン泡体類、ポリエチレン泡体類、セルロース発泡体スポンジ類、天然に存在するスポンジ類、連続気泡ポリエステル発泡体類、及び架橋ポリエチレン発泡体類並びにこれらの組み合わせから成る発泡体の群から選択される。
【0157】
もしあれば、第二発泡体の前記層の厚さは、好ましくは30mmまで、好ましくは0.5mm〜20mm、より好ましくは1mm〜15mm、更により好ましくは2mm〜10mm、及び最も好ましくは4mm〜8mmである。更に、本明細書における好ましい実施形態において、洗浄用具は、第二発泡体の層を含み、前記修飾された連続気泡発泡体(2)層の厚さは、好ましくは7mm〜100mm、より好ましくは15mm〜25mmである。
【0158】
本明細書における好ましい実施形態では、本明細書の洗浄用具内の前記第二発泡体の前記層の合計容量は、好ましくは10cm3〜100cm3、より好ましくは20cm3〜70cm3、更により好ましくは30cm3〜60cm3及び最も好ましくは40cm3〜50cm3である。
【0159】
包装手段
本明細書の洗浄用具は、包装手段によって製品として組み込まれてもよい。
【0160】
本明細書の包装手段は、洗浄用具を包装するいかなる既知の手段であってもよい。実際には、本明細書の特に適した包装手段は、紙バッグ、プラスチックバッグ、紙箱、段ボール箱、フローラップ、プラスチックラップ、紙ラップなど、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0161】
本明細書の包装手段は、印刷および/または変更修正されてもよい。具体的には、そのような印刷および/または他の変更修正は、塗装面クリーナーの商標名および/またはロゴを前記洗浄用具と関連付けるために用いられてもよい。
【0162】
塗装面の洗浄方法
別の実施形態では、本発明は、本明細書において上述したように洗浄用具を用いた硬質表面の洗浄方法を包含する。
【0163】
本明細書における更に別の実施形態では、本発明は、本発明による洗浄用具を前記硬質表面と接触させることにより硬質表面の洗浄方法を包含する。「洗浄する」とは、本明細書では、汚れおよび/または染みを塗装面から除去することを意味する。
【0164】
本明細書における更に別の実施形態では、本発明は、本発明による修飾された連続気泡発泡体を用いた硬質表面の洗浄方法を包含する。
【0165】
本明細書の適した塗装面は、タイル、壁、床;流し台、シャワー、シャワーカーテン、洗面器、トイレなどの衛生器具;冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗い機などが挙げられるがこれらに限定されない家庭用電化製品である。
【0166】
本発明による硬質表面の洗浄方法は、前記洗浄用具を前記硬質表面と接触させる前に前記洗浄用具又は前記修飾された連続気泡発泡体を適切な溶媒、好ましくは水道水、より好ましくは洗剤組成物と組み合せた水で湿潤させる工程を更に含む。
【0167】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0168】
本発明の特定の実施形態を説明及び記述してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な修飾された及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変更形態及び変種形態を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【実施例】
【0169】
以下の実施例でさらに本発明を説明する。以下の実施例は、本発明の組成物を例示することを意図しているが、必ずしも本発明の範囲を限定ないしは規定するために用いるものではない。
【0170】
I.室温で固体であり、カルボキシ基を含有する及び/又はカルボン酸エステル基を含有するポリマー(b.1)の分散形態での製造
略語:DBTL:ジラウリン酸ジブチルスズ、HMDI:4,4’−ジイソシアナトシクロヘキシルメタン、
IPDI:イソホロンジイソシアネート、DETA:ジエチレントリアミン、IPDA:イソホロン(isophoron)ジアミン
【0171】
I.1 ポリウレタン(b.1)の合成
攪拌棒付きフラスコにアジピン酸、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールからの縮合により作製された400g(0.2モル)のポリエステルジオール(DIN53240によるヒドロキシル価56mgKOH/g)、30g(0.0084モル)のモノn−C49−キャップドポリエチレングリコール(ヒドロキシル価15mgKOH/g)、0.15gのDBTL並びに30gのアセトンを投入した。その結果得られた混合物を連続攪拌下で70℃(還流)に加熱した。次に、129g(0.49モル)のHMDI及び110g(0.495モル)のIPDIを添加し、70℃で1時間攪拌を継続した。その後、54g(0.6モル)の1,4−ブタンジオールを添加し、攪拌を70℃で2時間継続した。続いて、混合物を710mLのアセトンで希釈し、混合物を50℃に冷却し、NCO含有量を測定し、1.02重量%(計算では1.02重量%)であった。2−アミノエチル−2−アミノエタンスルホン酸の50重量%水溶液の25.3gの量を添加した。10分後、870gの量の水を加え、今までに形成されたポリウレタンを分散させ、100mLの水に溶解した6.5gのDETAと2.4gのIPDAを架橋剤及び鎖延長剤として添加した。
【0172】
アセトンを減圧下蒸留により除去し、ポリウレタン(b.1)の40重量%固形分水性分散液を得た。
【0173】
I.2 ポリウレタン(b.2)の合成
攪拌棒付きフラスコにイソフタル酸、アジピン酸、及び1,6−ヘキサンジオールの縮合により作製された800g(0.4モル)のポリエステルジオール(DIN53240によるヒドロキシル価56mgKOH/g)、80.4g(0.6モル)の1,1−ジヒドロキシメチルプロピオン酸及び」36gの1,4−ブタンジオールを投入した。その結果得られた混合物を連続攪拌下で105℃に加熱した。次に、400g(1.8モル)のIPDI及び160gのアセトンを添加した。105℃で連続攪拌の4時間後、1,600gのアセトンを添加し、その結果得られた混合物を45℃に冷却した。NCO含有量を測定し、1.11重量%(計算では1.08重量%)であった。
【0174】
次に、68g(0.4モル)のIPDAを添加し、攪拌を90分継続した。前記90分後、50g(0.73モル)の25重量%アンモニア水を添加し、得られたポリウレタンを3kgの水中に分散させた。アセトンを減圧下蒸留し、ポリウレタン(b.2)の30重量%固形分水性分散液を得た。
【0175】
I.3 ポリウレタン(b.3)の合成
攪拌棒付きフラスコにアジピン酸、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールからの縮合により作製された400g(0.2モル)のポリエステルジオール(DIN53240によるヒドロキシル価56mgKOH/g)を投入した。ポリエステルジオールを真空(55ミリバール)下で30分間130℃に加熱した。次に、ポリエステルジオールを室温に冷却させた。それを200gのアセトン中に溶解し、続いて、40.5gの1,4−ブタンジオールと混合した。その後、69.7gのトルイレンジイソシアネートの異性体類(異性体比2,4/2,6が4:1)の混合物を添加し、33.6gのヘキサメチレンジイソシアネートを追加した。触媒として、0.02gのDBTLを添加した。得られた混合物を60℃に加熱し、60℃で60℃の時間にわたり攪拌した。続いて、300gの量のアセトンを添加し、混合物を室温に冷却した。N−(2−アミノエチル)−2−アミノエテンカルボン酸のナトリウム塩の40重量%水溶液(19.3gを添加し、攪拌を継続した。20分後、800mLの水を液滴で添加した。次に、アセトンを減圧下蒸留した。
【0176】
ポリウレタン(b.3)の40重量%固形含有量の水性分散液を得た。
【0177】
II.発明の修飾された発泡体の製造
II.1 未修飾の連続気泡発泡体(a.1)の製造
スプレー乾燥したメラミン−ホルムアルデヒド前駆縮合物(モル比1:3、分子量約500)を開放容器内のメラミン−ホルムアルデヒド前駆縮合物を基準として3重量%のギ酸及び1.5重量%のアルキルラジカル中にC12〜C18炭素原子を有するアルキルスルホネート類の混合物のナトリウム塩(バイエル社(Bayer AG)からのK30乳化剤)を含有する水溶液に添加した。メラミン−ホルムアルデヒド前駆縮合物の濃度は、メラミン−ホルムアルデヒド前駆縮合物及び水から成る全混合物を基準として74%であった。得られた混合物を激しく攪拌し、その後20%のn−ペンタンを添加した。攪拌は、均質外観の分散液が生じるまで継続した(約3分間)。これをドクターを使用して基材材料としてのテフロン処理ガラス布地上に塗布し、発泡させ、一般的な空気温度が150℃である乾燥キャビネット内で硬化させた。発泡体組成物内の得られた温度は、n−ペンタンの沸点でありそれは、これらの条件下で37.0℃であった。7〜8分後、発泡体は、その最大高さにふくれあがった。続いて、発泡体を更に10分間150℃で乾燥キャビネットに放置した、次に、それを30分間180℃で熱調節した。これにより未修飾の発泡体(a.1)を提供した。
【0178】
II.2 発明の修飾された発泡体F1〜F3の製造
以下の性状を、発明の実施例II.1からの未修飾された発泡体(a.1)を対象として測定した。
【0179】
DIN ISO4590に則った連続気泡ファクター:99.6%
圧縮強度(40%):DIN53577に従った測定で、1.3kPa
密度:EN ISO845に従った測定で10.0kg/m3
平均孔直径:断面の顕微鏡写真の評価による測定で210μm
BET表面積:DIN66131に従った測定で6.4m2/g
吸音:DIN52215に従った測定で93%
吸音:DIN52212に従った測定で0.9を超える
【0180】
発明の実施例II.1からの未修飾の発泡体を寸法12.5cm×6.5cm×4cmを有する発泡体ブロックに切断した。発泡体ブロックの重量は、それぞれ2gであった。
【0181】
II.2.1 発明の発泡体F1の製造
II.1 からの1つの発泡体ブロックは、発泡体ブロックを完全に水性分散液D1に浸漬し、それが5秒間水性分散液D1によりカバーされた状態にさせることにより水性分散液D1に接触させた。次に、浸漬した発泡体ブロックをそれぞれの水性分散液から取り除き、過剰な水性分散液を150mmの直径及び5mmの間隔を有し、50kPa(0.5バール)の圧力の状態で32rpmの速度で回転する逆回転ロール間に浸漬した発泡体ブロックを通過させることにより圧縮し除去した。
【0182】
得られた材料は、32gの合計重量を有していた。続いて、乾燥キャビネット内で18時間、110℃で乾燥した。これにより発明の修飾された発泡体F1を提供した。
【0183】
II.2.2 発明の発泡体F2の製造
II.1 からの1つの発泡体ブロックは、発泡体ブロックを完全に水性分散液D2に浸漬し、それが5秒間水性分散液D2によりカバーされた状態にさせることにより水性分散液D2に接触させた。次に、浸漬した発泡体ブロックをそれぞれの水性分散液から取り除き、過剰な水性分散液を150mmの直径及び5mmの間隔を有し、75kPa(0.75バール)の圧力の状態で32rpmの速度で回転する逆回転ロール間に浸漬した発泡体ブロックを通過させることにより圧縮し除去した。
【0184】
得られた材料は、26gの合計重量を有していた。続いて、乾燥キャビネット内で18時間、110℃で乾燥した。これにより発明の修飾された発泡体F2を提供した。
【0185】
II.2.3 発明の発泡体F3の製造
II.1 からの1つの発泡体ブロックは、発泡体ブロックを完全に水性分散液D3に浸漬し、それが5秒間水性分散液D3によりカバーされた状態にさせることにより水性分散液D3に接触させた。次に、浸漬した発泡体ブロックをそれぞれの水性分散液から取り除き、過剰な水性分散液を150mmの直径及び5mmの間隔を有し、50kPa〜75kPa(0.5〜0.75バール)の圧力の状態で32rpmの速度で回転する逆回転ロール間に浸漬した発泡体ブロックを通過させることにより圧縮し除去した。
【0186】
得られた材料は、28gの合計重量を有していた。続いて、乾燥キャビネット内で18時間、110℃で乾燥した。これにより発明の修飾された発泡体F3を提供した。
【0187】
III.洗浄用具として又は硬質表面を洗浄するために発明の修飾された発泡体及び未修飾の発泡体の使用
III.1 洗浄用具A
a、b及びcと呼ばれ、aが6.5cm、bが12cm及びcが3cmの状態で3組の平行及び等しい長さ辺により画定される立方体形状を有する単一層洗浄用具を発明の発泡体F1から切り取る。洗浄用具Aの全体の形状は、図1の洗浄用具と同じである。
【0188】
洗浄用具Aは、硬質表面を洗浄するために使用される。実際には、洗浄用具Aを水で湿潤させ、その後硬質表面と接触させ、洗浄する。洗浄用具Aは、脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れを前記硬質表面から除去する際に優れた性能を示す。
【0189】
III.1 洗浄用具B
a、b及びcと呼ばれ、aが6.5cm、bが12cm及びcが4cmの状態で3組の平行及び等しい長さ辺により画定される立方体形状を有する二重層洗浄用具を市販のポリウレタン発泡体の第二層に対して2cmの厚さ−辺c−を有し、1cmの厚さ−辺c−を有する発明の発泡体F2の第一層を発泡体フレームラミネーション(熱融着)により作製する。2層を辺a及びbにより形成される平面で一緒に結合する。洗浄用具Bの全体の形状は、図2の洗浄用具と同じである。
【0190】
洗浄用具Bは、硬質表面を洗浄するために使用される。実際には、洗浄用具Bを水で湿潤させ、その後洗浄用具Bの発明の発泡体辺を硬質表面と接触させ、洗浄すべき領域にわたって前記辺を擦り付けることにより洗浄する。過剰量の水は、その後洗浄表面を前記層で拭くことにより洗浄用具Bのポリウレタン層により吸収される。洗浄用具Bは、脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れを前記硬質表面から除去する際に優れた性能を示す。
【0191】
III.3 洗浄用具C
a、b及びcと呼ばれ、aが6.5cm、bが12.5cm及びcが2.5cmの状態で3組の平行及び等しい長さ辺により画定される立方体形状を有する二重層洗浄用具を市販のポリウレタン発泡体の第二層に対して2cmの厚さ−辺c−を有し、0.5cmの厚さ−辺c−を有する発明の発泡体F3の第一層を恒久的接着することにより作製する。2層が、辺a及びbにより形成される平面において互いに接合される。洗浄用具Cの全体の形状は、図2の洗浄用具と同じである。
【0192】
洗浄用具Bは、硬質表面を洗浄するために使用される。実際には、洗浄用具Cを水で湿潤させ、その後洗浄用具Cの発明の発泡体辺を硬質表面と接触させ、洗浄すべき領域にわたって前記辺を擦り付けることにより洗浄する。過剰量の水は、その後洗浄表面を前記層で拭くことにより洗浄用具Cのポリウレタン層により吸収される。洗浄用具Cは、脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れを前記硬質表面から除去する際に優れた性能を示す。
【0193】
III.4 硬質表面を洗浄するための発明の発泡体F1の使用
発明の発泡体F1の一片が、硬質表面を洗浄するために使用される。これは前記発泡体を水で湿潤させ、その後それを硬質表面に接触させて洗浄することに行われる。発明の発泡体F1は、脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れを前記硬質表面から除去する際に優れた性能を示す。
【0194】
IV.1 ワイパーのような硬質表面洗浄用具として発明の修飾された発泡体及び未修飾の発泡体を使用
発明の修飾された発泡体及び未修飾の発泡体(比較例)をそれぞれの場合にワイパーとして使用した。
【0195】
脂肪質の石鹸及び清潔な台所の汚れ(脂肪)で汚染されている象牙色の光沢のあるタイル。a、b及びcと呼ばれ、aが6.5cm、bが12cm及びcが3cmの状態で3組の平行及び等しい長さの辺により画定される立方体形状を有する単一層洗浄用具を発明の発泡体F1,F2及びF3から切り取るこれらの洗浄用具の全体の形状は、図1の洗浄用具と同じである。発明の発泡体F1、F2及びF3に基づく用具は、それぞれ光沢のあるタイルを洗浄するために使用される。これはそれぞれの発明の発泡体を水に湿潤させ、その後光沢のあるタイルを拭き取ることにより行われる。発明の発泡体F1、F2及びF3に基づく用具は、それぞれ脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れを前記光沢のあるタイルから除去する際に優れた性能を示す。更に、目視検査でタイル上にかき傷は全く見られない。
【0196】
比較例として、未修飾の発泡体(a.1)に基づく洗浄用具(発明の発泡体F1、F2及びF3に基づく用具に対して上記で使用されたのと同じ形状)を脂肪質の石鹸で汚染されている象牙色の光沢のあるタイル及び清潔な台所の汚れ(脂肪)−発明の発泡体F1、F2及びF3に基づく用具に対して上記で使用されたのと同じ調製−を未修飾の発泡体(a.1)の用具を水で湿潤させ、その後光沢のあるタイルを拭くことにより象牙色の光沢のあるタイルを洗浄するために使用する。清潔な台所の汚れ及び脂肪質の石鹸は、ただ部分的に除去されるにすぎない(タイル上に残留物が残る)。
【0197】
用具に加える力を増加させると(骨の折れる、手動の洗浄)、脂肪質の石鹸かす及び清潔な台所の汚れは、結局は前記光沢のあるタイルから完全に取り除かれる。しかし、下は光沢のあったタイル上にかき傷が見られ、外観は好ましくなかった。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明の第一実施形態による洗浄用具の斜視図。
【図2】本発明の第二実施形態による洗浄用具の斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5〜1,000kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有する修飾された連続気泡発泡体(2)を含む洗浄用具(1)であって、未修飾の連続気泡発泡体の重量を基準として1〜2,500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択される、少なくとも1つの非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件とした、洗浄用具(1)。
【請求項2】
前記非水溶性ポリマー(b)が、ポリウレタンである、請求項1に記載の洗浄用具(1)。
【請求項3】
前記連続気泡発泡体(a)(2)が、アミノプラスチック発泡体類から選択される、請求項1または2のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項4】
前記連続気泡発泡体(a)が、少なくとも1つの有機ジ−又はトリアミンと少なくとも1つのカルボニル化合物の前駆縮合物を発泡させることにより製造されるアミノプラスチック発泡体類から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項5】
前記連続気泡発泡体(a)(2)が、メラミン発泡体である、請求項1〜4のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項6】
前記メラミン発泡体が、メラミンホルムアルデヒド樹脂発泡体である、請求項5に記載の洗浄用具(1)。
【請求項7】
前記非水溶性ポリマー(b)が、熱可塑性特性を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項8】
前記非水溶性ポリマー(b)が、ゴム状弾性特性を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項9】
前記洗浄用具が、少なくとも15mmの厚さを有する、請求項1〜8のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項10】
立方形状、直方形状、ピラミッド形状、円筒形状、円錐形状、鉛筆消しゴム形状、擬似立方形状及び四面体形状から成る群から選択される形状を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項11】
1cm3〜10,000cm3の体積を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項12】
前記修飾された連続気泡発泡体(2)が、第一層を形成し、前記洗浄用具が、更に材料の第二層を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項13】
前記材料の第二層が、第二発泡体層(3)である、請求項12に記載の洗浄用具(1)。
【請求項14】
前記第二発泡体層(3)が、ポリウレタン発泡体類、ポリプロピレン発泡体類、ポリエチレン発泡体類、セルロース発泡体スポンジ類、天然に存在するスポンジ類、連続気泡ポリエステル発泡体類、及び架橋ポリエチレン発泡体類並びにこれらの組み合わせから成る、請求項13に記載の洗浄用具(1)。
【請求項15】
前記修飾された連続気泡発泡体の層及び前記第二発泡体(3)の層が、恒久的付着又は一時的付着の手段により接合される、請求項13又は14に記載の洗浄用具(1)。
【請求項16】
前記修飾された連続気泡発泡体の層及び前記第二発泡体(3)の層が、2つの層を互いに積層する発泡体フレーム、恒久的な接着剤の使用、2つの層を互いに縫合すること、及び2つの層を互いにニードルパンチングすること、並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される恒久的付着を付与する付着手段により接合される、請求項13又は14に記載の洗浄用具(1)。
【請求項17】
前記修飾された連続気泡発泡体(2)層の厚さが、5mm〜100mmである、請求項1に記載の洗浄用具(1)。
【請求項18】
前記洗浄用具が、少なくとも1つの追加の層を含む、請求項12〜17のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項19】
前記洗浄用具が、前記修飾された連続気泡発泡体(a)の2つの外側層及び材料の内側層を含む、請求項1〜11に記載の洗浄用具(1)。
【請求項20】
前記内側層が、第二発泡体材料の内側層である、請求項20に記載の洗浄用具(1)。
【請求項21】
前記第二発泡体材料の内側層が、ポリウレタン発泡体類、ポリプロピレン発泡体類、ポリエチレン発泡体類、セルロース発泡体スポンジ類、天然に存在するスポンジ類、連続気泡ポリエステル発泡体類、及び架橋ポリエチレン発泡体類並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される発泡体材料から作製される、請求項21に記載の洗浄用具(1)。
【請求項22】
前記修飾された連続気泡発泡体が、殺生物剤類;固体類、好ましくは研磨剤材料類及び/又は充填剤材料類;界面活性剤類、着色剤類、潤滑剤類、架橋剤類、芳香性化粧品類、可塑剤類;臭気捕捉剤類;及びマイクロカプセル類;並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの添加剤を含む、請求項1〜21のいずれかに記載の洗浄用具(1)。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の洗浄用具(1)を用いた硬質表面の洗浄方法。
【請求項24】
請求項1〜22のいずれかに記載の洗浄用具(1)を前記硬質表面に接触させることによる硬質表面の洗浄方法。
【請求項25】
前記方法が、前記洗浄用具を前記硬質表面と接触させる工程の前に前記洗浄用具(1)を適切な溶媒で湿潤させる工程を更に含む、請求項24に記載の硬質表面の洗浄方法。
【請求項26】
前記適切な溶媒が、水である、請求項25に記載の硬質表面の洗浄方法。
【請求項27】
修飾された連続気泡発泡体を用いた硬質表面の洗浄方法であって、前記硬質表面を前記修飾された連続気泡発泡体に接触させ、前記修飾された連続気泡発泡体が、5〜1,000kg/m3の範囲内の密度及び1μm〜1mmの範囲内の平均孔直径を有し、未修飾連続気泡発泡体の重量を基準として1〜2,500重量%の範囲内の量でポリスチレン、スチレンコポリマー類、ポリブタジエン、ブタジエンコポリマー類、ポリビニルエステル類、ポリビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸と少なくとも1つの(メタ)アクリレートからのコポリマー類、ポリウレタン類、ポリエチレン及びそのワックス誘導体類、ポリプロピレン及びそのワックス誘導体類、ポリエチレンコポリマー類、ポリプロピレンコポリマー類及びエチレン−プロピレン−ジエンコポリマー類並びにそれらの組合せから選択された、少なくとも1つの非水溶性ポリマー(b)を含み;スチレン−アクリロニトリル−C1〜C10−アルキル(メタ)アクリレート三元共重合体類、スチレン−ブタジエン−n−ブチルアクリレート三元共重合体類及びスチレン−無水マレイン酸コポリマー類を除くことを条件とした、硬質表面の洗浄方法。
【請求項28】
前記方法が、前記洗浄用具を前記硬質表面と接触させる工程の前に前記洗浄用具(1)を適切な溶媒で湿潤させる工程を更に含む、請求項27に記載の硬質表面の洗浄方法。
【請求項29】
前記適切な溶媒が、水である、請求項28に記載の硬質表面の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−522438(P2009−522438A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549966(P2008−549966)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/IB2007/050098
【国際公開番号】WO2007/080550
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】