説明

修飾ヌクレオチド、それを作製する方法および用いる方法

単分子シークエンシングにおいて用いるための修飾ヌクレオチド、該修飾ヌクレオチドを作出するための方法、および該修飾ヌクレオチドを用いるための方法が開示されている。修飾ヌクレオチドを作出するためのリンカーも同様に開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2007年7月20日に提出された米国特許出願第11/781,160号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、修飾ヌクレオチド、それらを作製する方法および用いる方法に関する。
【0003】
より詳しくは、本発明は、ヌクレオチドの少なくとも1つの部位でリンカーに結合した天然または合成ヌクレオチドが含まれる修飾ヌクレオチドに関する。本発明はまた、リンカーの1つの部位に結合された少なくとも1つの検出可能な基または部分が含まれる、少なくとも1つの部位でリンカーに結合した天然または合成ヌクレオチドが含まれる修飾ヌクレオチドにも関する。本発明はまた、それらを作出および用いるための方法にも関する。
【0004】
2.関連技術の説明
単分子シークエンシングの進歩は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでの検出システムの観点において、1つまたは多数の単分子活性シークエンシング部位からのシークエンシング情報を得るという最終的な目的に近づきつつあることから、そのようなシステムにおいて検出することができる修飾ヌクレオチドの必要性も同様に進歩する。
【0005】
多くの修飾ヌクレオチドが考案されているが、そのような単分子シークエンシングシステムにおいて用いるために検出可能な基をそれに結合させた修飾ヌクレオチドが当技術分野において必要である。
【発明の概要】
【0006】
一般構造
本発明は、以下の一般式(I)の修飾ヌクレオチドを提供する:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、ケイ素(Si)、リン(P)、イオウ(S)、ガリウム(Ga)、およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選択される中心典型元素が含まれる、同じおよび異なる基であり、
Gは連結基であり、ならびに
Nuは天然または合成ヌクレオチドである。
【0007】
Gには、直鎖もしくは分岐鎖アルケニル基、または中心環構造が含まれるアルケニル基が含まれうる。
【0008】
コアに環構造を有する構造
本発明は、以下の一般式(II)の修飾ヌクレオチドを提供する:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、ならびに
Nuは天然または合成ヌクレオチドである。
【0009】
本発明はまた、以下の一般式(IIIまたはIIIa)の修飾ヌクレオチド(γ-ホスフェート修飾)も提供する:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、
塩基は、天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強する基である。
【0010】
本発明はまた、以下の一般式(IVまたはIVa)の修飾ヌクレオチド(β-ホスフェート修飾)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強する基である。
【0011】
本発明はまた、以下の一般式(V)の修飾ヌクレオチド(α-ホスフェート修飾)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0012】
本発明はまた、以下の一般式(VI)の修飾ヌクレオチド(糖修飾)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0013】
本発明はまた、以下の一般式(VII)の修飾ヌクレオチドも提供する(塩基修飾):

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0014】
式(II〜VII)において、環構造Aは、飽和、不飽和、もしくは芳香族でありうるか、または環構造Aには飽和、不飽和、もしくは芳香環の混合物が含まれうる。環構造におけるそれぞれの環には、典型元素3個〜約12個が含まれうる。当然、より高次の環も同様に含まれる。それぞれのカルビル基およびそれぞれのカルベニル基には炭素1〜40個が含まれ、炭素原子の1つまたは複数は、B、C、Si、Ge、N、P、As、O、S、またはSeからなる群より選択されるヘテロ原子に置換されることができ、および基の価数を満足させるために十分な水素原子を有し、1つまたは複数の水素原子は、F、Cl、Br、I、OR、SR、COR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR'、または置換/置き換え反応条件下で不活性であるまたは実質的に不活性である他の任意の一価の基に置換することができる。リンカー基は、式(II〜VII)における−R2−A−R1−を含むと認識すべきである。
【0015】
本発明はまた、式(II〜VII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(II〜VII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、検出可能な基を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて、式(II〜VII)の化合物を用いるための方法も提供する。
【0016】
本発明はまた、検出可能な基が蛍光体である式(II〜VII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(II〜VII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、蛍光体からの光を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて式(II〜VII)の化合物を用いるための方法も提供する。
【0017】
本発明はまた、検出可能な基がアクセプター蛍光体である式(II〜VII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(II〜VII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、ドナー蛍光体から蛍光共鳴エネルギーが転移した後のアクセプター蛍光体からの光を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて式(II〜VII)の化合物を用いる方法も提供する。
【0018】
式(II〜VII)にはまた、ヌクレオチドの異なる位置で、ホスフェート、糖、および/または塩基などの他の基が含まれうる。追加の基は検出可能な基であると意図されないが、これらの追加の基によって修飾されたヌクレオチドの取り込みのタイミングを変化させるように設計された基である。追加の基は、酸素原子を、イオウ、窒素含有基、炭素含有基、ホウ素含有基、またはヌクレオチドの取り込みのタイミングを変化させるであろう他の任意の基もしくは原子に置換することなどの、ホスフェート上の原子置換でありうる。このようにして、より少ない別個の検出可能な基を用いてシークエンシングを行うことができ、たとえばdATPおよびdTTPは、同じ検出可能な基を有することができるが、取り込みの検出シグナチャーを識別することができるように1つの基をもう1つの基よりかなり速く取り込むように異なる追加の基によって修飾されうる。これらの追加の基はまた、取り込みサイクルの際に結合、取り込み、およびピロホスフェート放出を変化させるように検出可能な基と相互作用することによって、検出可能な基の検出可能性を改善することができるであろう。
【0019】
コアにおいて鎖を有する構造
本発明は、以下の一般式(VIII)の修飾ヌクレオチドを提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは2〜10までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rは、カルベニル基であり、ならびに
Nuは、天然または合成ヌクレオチドである。
【0020】
本発明はまた、以下の一般式(IXまたはIXa)の修飾ヌクレオチド(γ-ホスフェート)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強する基である。
【0021】
本発明はまた、以下の一般式(XまたはXa)の修飾ヌクレオチド(β-ホスフェート)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強する基である。
【0022】
本発明はまた、以下の一般式(XI)の修飾ヌクレオチド(α-ホスフェート)も提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0023】
本発明はまた、以下の一般式(XII)の修飾ヌクレオチドも提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0024】
本発明はまた、以下の一般式(XIII)の修飾ヌクレオチドも提供する:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0025】
それぞれのカルビル基およびそれぞれのカルベニル基には、炭素1〜40個が含まれ、炭素原子の1つまたは複数は、B、C、Si、Ge、N、P、As、O、S、またはSeからなる群より選択されるヘテロ原子に置換されることができ、および基の価数を満足させるために十分な水素原子を有し、1つまたは複数の水素原子は、F、Cl、Br、I、OR、SR、COR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR'、または置換/置き換え反応条件下で不活性であるまたは実質的に不活性である他の任意の一価の基に置換されうる。リンカーは、式(VIII〜XIII)において−R−を含むと認識されるべきである。
【0026】
本発明はまた、式(VIII〜XIII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(VIII〜XIII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、検出可能な基を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて式(VIII〜XIII)の化合物を用いるための方法も提供する。
【0027】
本発明はまた、検出可能な基が蛍光体である式(VIII〜XIII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(VIII〜XIII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、蛍光体からの光を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて式(VIII〜XIII)の化合物を用いる方法も提供する。
【0028】
本発明はまた、検出可能な基がアクセプター蛍光体である式(VIII〜XIII)の化合物を付加する段階、ならびに1つまたは一連の式(VIII〜XIII)の化合物を取り込む前、あいだ、および/または後に、ドナー蛍光体から蛍光共鳴エネルギーが転移した後のアクセプター蛍光体からの光を検出する段階が含まれる、単分子シークエンシングにおいて式(VIII〜XIII)の化合物を用いる方法も提供する。
【0029】
式(VIII〜XIII)にはまた、ヌクレオチドの異なる位置で、ホスフェート、糖、および/または塩基などの他の基が含まれうる。追加の基は検出可能な基であると意図されないが、これらの追加の基によって修飾されたヌクレオチドの取り込みのタイミングを変化させるように設計された基である。追加の基は、酸素原子を、イオウ、窒素含有基、炭素含有基、ホウ素含有基、またはヌクレオチドの取り込みのタイミングを変化させるであろう他の任意の基もしくは原子に置換することなどの、ホスフェート上の原子置換でありうる。このようにして、より少ない別個の検出可能な基を用いて、シークエンシングを行うことができ、たとえばdATPおよびdTTPは、同じ検出可能な基を有することができるが、取り込みの検出シグナチャーを識別することができるように1つの基をもう1つの基よりかなり速く取り込むように異なる追加の基によって修飾されうる。これらの追加の基はまた、取り込みサイクルの際に結合、取り込み、およびピロホスフェート放出を変化させるように検出可能な基と相互作用することによって、検出可能な基の検出可能性を改善することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、類似の要素に同じ番号がつけられた添付の例示的な図面と共に、以下の詳細な説明を参照してよりよく理解されうる。
【図1】本発明の例示的な単環リンカー構造を描写する。
【図2】本発明の他の例示的な単環リンカー構造を描写する。
【図3】本発明の例示的な二環リンカー構造を描写する。
【図4】本発明の例示的な二環リンカー構造を描写する。
【図5】本発明の例示的な三環リンカー構造を描写する。
【図6】本発明の修飾ヌクレオチド構造において用いるための例示的な色素を描写する。
【図7】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための2つの合成スキームを描写する。
【図8】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【図9】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【図10】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【図11】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【図12】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【図13】修飾が色素を末端とするリンカーである、修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための合成スキームを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
発明の詳細な説明
本発明者らは、シークエンシング実験において用いるための修飾ヌクレオチドを、典型元素が含まれる中心基および末端基が含まれる、リンカー基から構築できることを見いだした。中心基は、直鎖のカルベニル基、分岐カルベニル基、またはアレニル基でありうる。ヒドロキシ基は、ホスフェート部分、糖部分、および/または塩基部分でヌクレオチドに反応するように適合される。ヌクレオチドは、天然または人造でありうるが、人造ヌクレオチドは、取り込み速度および/または忠実度が変更されている。アミノ基は、蛍光色素などの検出可能な基に反応するように適合される。
【0032】
本発明は、以下の一般式(I)の修飾ヌクレオチドに広く関する:

式中
DGは検出可能な基であり、EおよびE'は、中心典型元素が含まれる同じおよび異なる基であり、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、Gは中心基であり、ならびにNuは天然または合成ヌクレオチドである。中心基Gは環構造またはアルケニル基でありうる。これがアルケニル基である場合、R2−G−R1は、記号Rによって再指定されうる。
【0033】
本発明はまた、中心環構造、アミノ末端部分、およびヒドロキシ末端部分を有するリンカーが含まれる修飾ヌクレオチドに広く関する。中心環構造は、飽和環構造、部分的不飽和環構造、または芳香環構造でありうる。以下の一般式(II)の化合物が含まれる修飾ヌクレオチド:

式中
DGは検出可能な基であり、EおよびE'は、同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト(P(OR3)O)、ホスフェート(P(O2)O)、ポリホスフェート(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル(Si(R3)2)、シロキシル(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート(OC(O)O)、ウレタン基(OC(O)N(R3)であり、窒素原子であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGまたはR2に二重結合した窒素原子である場合)、R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、Aは環構造であり、ならびにNuは天然または合成ヌクレオチドである。環構造Aは、飽和、不飽和、もしくは芳香族であるか、または環構造Aには、飽和、不飽和、もしくは芳香環の混合物が含まれうる。それぞれのカルビル基およびそれぞれのカルベニル基には、炭素原子約1〜約40個が含まれ、炭素原子の1つまたは複数は、ヘテロ原子またはヘテロ原子含有基に置換される。
【0034】
本発明はまた、以下の一般式(III)の修飾ヌクレオチドにも広く関する:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は同じおよび異なり、炭素基(C(H)2、C(HR3)、またはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子である場合、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である場合)、
Rはカルベニル基であり、ならびに
Nuは天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【0035】
修飾ヌクレオチドを調製する方法
本発明はまた、修飾ヌクレオチド、特にガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチドを調製するための方法にも関する。そのような1つの方法には、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)においてヌクレオチド三リン酸をジアミンと反応させる段階、またはN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)においてヌクレオチド三リン酸を予め環状化させた後にジアミンと反応させる段階が含まれる。いずれの経路も、遊離のアミノ基を末端とするジアミン官能化ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチドを、約50%より大きい収率で産生する。次に、遊離のアミノ基を、酸、無水物、または酸塩化物と反応させて、アミド官能化ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチドを産生することができ、この場合、アミド基(蛍光体を担持しうる)は、リンカーまたは連結基、2つの末端アミノ基−H2N−L−NH2を除くジアミンの部分、によってガンマ(γ)ホスフェートから離れており、式中Lは、先の式(I)、(II)、および(VIII)において示されるように、R2−G−R1モチーフ、R2−A−R1モチーフ、またはRモチーフでありうる連結基である。これらの2つの方法は図7において図示される。
【0036】
先に記述した第二の方法はまた、ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するためにも用いることができ、リンカー分子は、式(II)において記載され、図10において図示される一般的モチーフE'−R2−A−R1−Eの分子である。
【0037】
そのようなもう1つの方法には、N-保護末端アミノ基およびヒドロキシ末端基(保護基−HN−L−OH)が含まれるリンカー分子をホスフェートと反応させて、末端にホスフェート基を担持するリンカー分子(保護基−HN−L−OP(O)OH2)を産生する段階が含まれる。次に、末端のホスフェートリンカー分子を、カルボニルジイミダゾールによって活性化させて、イミダゾール活性化末端ホスフェートリンカー分子を産生する。イミダゾール活性化末端ホスフェートリンカー分子をヌクレオチド二リン酸と反応させて、アミノ末端が保護された官能化ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を産生する。次に、アミノ末端が保護された官能化ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を脱保護して、遊離のアミンを酸、無水物、または酸塩化物によって処置してアミド官能化ガンマ(γ)ホスフェート修飾ヌクレオチドを産生し、この場合アミド基(蛍光体を担持しうる)は、2つの末端のアミノ基−H2N−L−OHを除くジアミンの部分であるリンカーまたは連結基によってガンマ(γ)ホスフェートから離れており、式中Lは、先の式(I)、(II)、および(VIII)において示されるようにR2−G−R1モチーフ、R2−A−R1モチーフ、またはRモチーフでありうる連結基である。この方法を図8に図示する。
【0038】
先の多段階反応をまた用いて、官能化ヌクレオチドポリリン酸を産生することができる。この方法を図9に図示し、これは官能化ヌクレオチド四リン酸の一般的合成を明らかにする。
【0039】
先の多段階反応と類似の代わりの多段階反応も同様に用いて、官能化ヌクレオチドポリリン酸を産生することができる。代わりの反応は、アミノおよびホスフェート末端リンカー分子によって始まり、次にアミノ基を保護した後、ホスフェートリンカーをカルボニルジイミダゾールと反応させる。この方法を図11において図示し、これは官能化ヌクレオチド四リン酸の一般的合成を明らかにする。
【0040】
もう1つのそのような方法には、アミン末端アルキル化安息香酸を還元させて、アミン末端アルキル化、ヒドロキシ末端アルキレートベンゼンリンカー分子を産生する段階が含まれる。リンカーをアミン保護して、ヒドロキシ基をスルホン化する。スルホン化された保護リンカー分子をホスフェートと反応させて、ホスフェート保護リンカー分子を形成する。ホスフェート保護リンカー分子をイミダゾールによって活性化して、ヌクレオチド二リン酸と反応させると、γホスフェート官能化ヌクレオチド三リン酸を形成する。しかし、アミノ基の脱保護は非常に収率が不良であった。このように、この方法は、γホスフェート官能化ヌクレオチド三リン酸の形成においてほとんど有用性を有さない。しかし、代わりの反応スキームによって、γホスフェート官能化ヌクレオチド三リン酸を調製するための一般的合成スキームが得られた。代わりの合成には、アミン末端アルキル化安息香酸を還元させて、アミン末端アルキル化、ヒドロキシ末端アルキレートベンゼンリンカー分子を産生する段階が含まれる。次にリンカーを、TFA保護基によってアミン保護する。TFA保護リンカー分子を環状化ヌクレオチド三リン酸と反応させて、TFA保護γホスフェート官能化ヌクレオチド三リン酸を産生する。脱保護および色素処置によって、色素γホスフェート官能化ヌクレオチド三リン酸が産生される。
【0041】
DNAシークエンシング、データ獲得および分析、モノマー、モノマー合成、または本発明の装置および方法を用いる検出を受けるシステムの他の特色に関する追加の情報に関して、読者は、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許、公開された米国特許出願、および係属中の米国特許出願第09/901,782号;第10/007621号;第11/007794号;第11/671,956号;第11/694605号;第2006-0078937号;第6,982,146号;第7,169,560号;第7,220,549号、第20070070349号;第20070031875号;第20070012113号;第20060286566号;第20060252077号;第20060147942号;第200601336144号;第20060024711号;第20060024678号;第20060012793号;第20060012784号;第20050100932号を参照されたい。
【0042】
適した試薬
適した検出可能な物質には、公知である、またはまだ発明されていない分析技術によって検出可能な任意の基が含まれるがこれらに限定されるわけではない。例示的な例には、蛍光体または色素体、1つまたは複数のnmr活性原子(2H、11B、13C、15N、17O、19F、27Al、29Si、31P、nmr活性遷移金属、nmr活性アクチニド金属、nmr活性ランタニド金属)が含まれる基、IR活性基、近IR活性基、ラマン活性基、UV活性基、X線活性基、発光量子ドット、発光ナノ構造、または直接検出することができるもしくは検出可能にすることができる他の構造もしくは基、またはその混合物もしくはその組み合わせが含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0043】
本発明において用いるための適した原子タグには、重合化物質またはdNTPにおける特異的部位に対する付着を受ける任意の原子元素、特にユーロピウムシフト分子、nmr活性原子等が含まれるがこれらに限定されるわけではない。
【0044】
本発明において用いるための適した原子タグには、重合化物質またはdNTPにおける特異的部位に対する付着を受ける任意の原子元素、特にジクロロ[R110]、ジクロロ[R6G]、ジクロロ[TAMRA]、ジクロロ[ROX]等が含まれるd-ローダミンアクセプター色素、フルオレセイン、6-FAM等が含まれるフルオレセインドナー色素などの蛍光色素;アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、プロフラビン等が含まれるアクリジン;2-メチルベンズオキサゾール、エチルp-ジメチルアミノベンゾエート、フェノール、ベンゼン、トルエン等が含まれる芳香族炭化水素;オーラミンO、クリスタルバイオレット、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等が含まれるアリールメチン(Arylmethine)色素;7-メトキシクマリン-4-酢酸、クマリン1、クマリン30、クマリン314、クマリン343、クマリン6等が含まれるクマリン色素;ヨウ化1,1'-ジエチル-2,2'-シアニン、クリプトシアニン、インドカルボシアニン(C3)色素、インドジカルボシアニン(C5)色素、インドトリカルボシアニン(C7)色素、オキサカルボシアニン(C3)色素、オキサジカルボシアニン(C5)色素、オキサトリカルボシアニン(C7)色素、ヨウ化ピナシアノール、全ての染料、チアカルボシアニン(C3)色素、チアカルボシアニン(C3)色素、チアジカルボシアニン(C5)色素、チアトリカルボシアニン(C7)色素等が含まれるシアニン色素;N,N'-ジフルオロボリル-l,9-ジメチル-5-(4-ヨードフェニル)-ジピリン、N,N'-ジフルオロボリル-l,9-ジメチル-5-[(4-(2-トリメチルシリルエチニル)、N,N'-ジフルオロボリル-l,9-ジメチル-5-フェニジピリン等が含まれるジピリン色素;4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)、4-(ジシアノメチレン)-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)、4-ジメチルアミノ-4'-ニトロスチルベン、メロシアニン540等が含まれるメロシアニン;4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、7-ベンジルアミノ-4-ニトロベンズ-2-オキサ-l,3-ジアゾール、ダンシルグリシン、ダンシルグリシン、Hoechst 33258、Hoechst 33258、ルシファーイエローCH、ピロキシカム、硫酸キニーネ、硫酸キニーネ、スカリリウム色素III等が含まれる種々雑多な色素;2,5-ジフェニルオキサゾール(PPO)、ビフェニル、POPOP、p-クオーターフェニル、p-ターフェニルが含まれるオリゴフェニレン;過塩素酸クレジルバイオレット、ナイルブルー、ナイルレッド、ナイルブルー、オキサジン1、オキサジン170等が含まれるオキサジン;9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン、9,10-ジフェニルアントラセン、アントラセン、ナフタレン、ペリレン、ピレン等が含まれる多環式芳香族炭化水素;1,2-ジフェニルアセチレン、1,4-ジフェニルブタジエン、1,4-ジフェニルブタジエン、1,6-ジフェニルヘキサトリエン、β-カロチン、スチルベン等が含まれるポリエン/ポリイン;アントラキノン、アゾベンゼン、ベンゾキノン、フェロセン、リボフラビン、トリス(2,2'-ビピリジル)ルテニウム(II)、テトラピロール、ビリルビン、クロロフィルa、クロロフィルb、ジプロトン化テトラフェニルポルフィリン、ヘマチン、オクタエチルポルフィリンマグネシウム、オクタエチルポルフィリンマグネシウム(MgOEP)、フタロシアニンマグネシウム(MgPc)、フタロシアニンマグネシウム(MgPc)、テトラメシチルポルフィリンマグネシウム(MgTMP)、テトラフェニルポルフィリンマグネシウム(MgTPP)、オクタエチルポルフィリン、フタロシアニン(Pc)、ポルフィン、テトラ-t-ブチルアザポルフィン、テトラ-t-ブチルナフタロシアニン、テトラキス(2,6-ジクロロフェニル)ポルフィリン、テトラキス(o-アミノフェニル)ポルフィリン、テトラメシチルポルフィリン(TMP)、テトラフェニルポルフィリン(TPP)、ビタミンB12、オクタエチルポルフィリン亜鉛(ZnOEP)、フタロシアニン亜鉛(ZnPc)、テトラメシチルポルフィリン亜鉛(ZnTMP)、テトラメシチルポルフィリン亜鉛ラジカル陽イオン、テトラフェニルポルフィリン亜鉛(ZnTPP)等が含まれる酸化還元発色団;Cy3、Cy3B、Cy5、Cy5.5、Atto590、Atto610、Atto611、Atto611x、Atto620、Atto655、Alexa488、Alexa546、Alexa594、Alexa610、Alexa610x、Alexa633、Alexa647、Alexa660、Alexa680、Alexa700、Bodipy630、DY610、DY615、DY630、DY632、DY634、DY647、DY680、DyLight647、HiLyte647、HiLyte680、ライトサイクラー(LC) 640、Oyster650、ROX、TMR、TMR5、TMR6;エオジンY、フルオレセイン、フルオレセイン、ローダミン123、ローダミン6G、ローダミンB、ローズベンガル、スルホローダミン101等が含まれるキサンチン;またはその混合物もしくは組み合わせ、またはその合成誘導体、またはDLO-FBl(5'-FAM/3'-BHQ-1)、DLO-TEB1(5'-TET/3'-BHQ-1)、DLO-JB1(5'-JOE/3'-BHQ-1)、DLO-HB1(5'-HEX/3'-BHQ-1)、DLO-C3B2(5'-Cy3/3'-BHQ-2)、DLO-TAB2(5'-TAMRA/3'-BHQ-2)、DLO-RB2(5'-ROX/3'-BHQ-2)、DLO-C5B3(5'-Cy5/3'-BHQ-3)、DLO-C55B3(5'-Cy5.5/3'-BHQ-3)、MBO-FB1(5'-FAM/3'-BHQ-1)、MBO-TEB1(5'-TET/3'-BHQ-1)、MBO-JB1(5'-JOE/3'-BHQ-1)、MBO-HB1(5'-HEX/3'-BHQ-1)、MBO-C3B2(5'-Cy3/3'-BHQ-2)、MBO-TAB2(5'-TAMRA/3'-BHQ-2)、MBO-RB2(5'-ROX/3'-BHQ-2)、MBO-C5B3(5'-Cy5/3'-BHQ-3)、MBO-C55B3(5'-Cy5.5/3'-BHQ-3)、またはBiosearch Technologies, Inc. of Novato, CAから入手可能な類似のFRET対が含まれるFRET蛍光体-消光体対、蛍光量子ドット(安定で寿命の長い蛍光ドナー)、nmr活性基を有するタグ、ラマン活性タグ、IR、遠IR、近IR、可視UV、遠UV等などの容易に同定されうるスペクトル特色を有するタグ、が含まれるがこれらに限定されるわけではない。化学修飾を行うことができる任意の分子、ナノ構造、または他の化学構造には、検出システムによって検出されうる検出可能な特性が含まれると認識されるべきである。そのような検出可能な構造には、現在設計されている現在公知の構造、および将来調製されるであろう構造が含まれうる。
【0045】
さて、図1を参照すると、1組の例示的な単環リンカーが示され、式中ERは、CH、SiH、N、P等などの典型元素含有基である。環構造はまた飽和または不飽和でありうるが、ERがCH、SiH、N、P、O、S等などの典型元素含有基である場合には芳香族ではない。Rはカルビル基であり、nは1から、環構造を適応させることができ、なおも公知であるかまたは公知の合成法による合成を行うことができる化合物でありうるR基の最大数までの値を有する整数である。
【0046】
図2を参照すると、1組の例示的な単環リンカーが示され、式中ER1、ER2およびER3は、CH、SiH、N、P等などの同じまたは異なる典型元素含有基である。環構造はまた飽和または不飽和でありうるが、ER1、ER2およびER3がCH、SiH、N、P、O、S等などの同じまたは異なる典型元素含有基である場合には芳香族ではない。Rはカルビル基であり、nは1から、環構造を適応させることができ、なおも公知であるかまたは公知の合成法による合成を行うことができる化合物でありうるR基の最大数までの値を有する整数である。
【0047】
図3および4を参照すると、1組の例示的な二環リンカーが示され、式中ER1およびER2は、CH、SiH、N、P等などの同じまたは異なる典型元素含有基である。環構造はまた飽和または不飽和でありうるが、ER1、およびER2がCH、SiH、N、P、O、S等などの同じまたは異なる典型元素含有基である場合には芳香族ではない。Rはカルビル基であり、nは1から、環構造を適応させることができ、なおも公知であるかまたは公知の合成法による合成を行うことができる化合物でありうるR基の最大数までの値を有する整数である。第二の環は、6員環を除く任意の他の大きさの環でありうると認識されるべきである。
【0048】
図5を参照すると、1組の例示的な三環リンカーが示され、式中ERは、CH、SiH、N、P等などの典型元素含有基である。環構造はまた飽和または不飽和でありうるが、ERが、CH、SiH、N、P、O、S等などの典型元素含有基である場合には芳香族ではない。Rはカルビル基であり、nは1から、環構造を適応させることができ、なおも公知であるかまたは公知の合成法による合成を行うことができる化合物でありうるR基の最大数までの値を有する整数である。第二の環は、6員環を除く任意の他の大きさの環でありうると認識されるべきである。
【0049】
本発明の実験
実施例1
本実施例は、dATP-BAPPを形成するために、1,4-ビス-(3-アミノプロピル)ピペラジンに結合したdATPの調製を例示する。
【0050】
dATPのナトリウム塩20μmolをDowex樹脂/TEABによって処置して、凍結乾燥して、真空下で乾燥した。無水DCC(75μmol)を先のヌクレオチドのDMF溶液(200μL)に加えて、得られた混合物をアルゴン下で2時間撹拌した。ピリジン(17μL)を加えて得られた混合物をゆっくりと蒸発させた。固形物に1,4-ビス-(3-アミノプロピル)ピペラジン(150μmol)のDMF溶液(200μL)を加えて、溶液を12時間撹拌した。混合物を水によって反応停止させて、遠心して固体を除去した。透明な溶液をHPLC(SAX、TEAB)精製に供した。産物を収集して凍結乾燥した。固形物をHEPES緩衝液(10 mM、pH 8.5)に溶解した。収率4.2μmol、21%。注意:DCC反応混合物からの少量を、上位の1つが含まれるいくつかの反応に移したことから、収率は正確ではない。通常、この合成の収率はかなり高い(>50%)。
【0051】
実施例2
本実施例は、dATP-BAPP-ROXを形成するために、ROXに結合した実施例1の化合物の調製を例示する。
【0052】
上記のヌクレオチドdATP-11(0.5μmol)を、以下の混合物:DMF(20μL)+NaHCO3(1 M、pH 9)中でROX-SE(2μmol)と終夜反応させた。産物をSephadex G25カラムにおいて精製した後HPLC(C 18、TEAA/MeOH)によって精製した。収率0.41μmol、82%。
【0053】
実施例3
本実施例はdATP-BAPP-ROXに関する酵素試験を例示する。
【0054】
このヌクレオチドを仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIAP)およびホスホジエステラーゼ1(PDE1)において試験して、結果をPEIセルロース薄層クロマトグラフィーにおいて分析した。これはCIAPに対して不活性であり、PDE1によって容易に加水分解された。
【0055】
蛍光体
ここで図6を参照すると、蛍光体修飾dNTPの合成において用いられる蛍光体を示す。
【0056】
dNTP修飾スキームの図による例
ここで図7〜11を参照すると、修飾dNTPを調製するための多数の合成スキームを示す。
【0057】
I.窒素末端リンカーの一般的合成スキーム
この一般的スキームは、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で窒素末端リンカーに対するdNTPの2段階のカップリングを伴う。
【0058】
段階1−dNTP-1(TEA+
ヌクレオチドdNTP Na2(12.7μmol)を、EDC(110μmol)の存在下でリンカー1(110μmol)と室温で3時間反応させて、pHを時間と共に〜5.7で維持する。産物をHPLC(C18)においてTEAA/MeOHによって精製するか、またはHPLC(SAX)においてTEABによって精製する。凍結乾燥後の産物をHEPES緩衝液(10 mM、pH 8.5)に溶解する。収率は35%〜55%まで多様である。
【0059】
段階1−dNTP-1色素(TEA+
中間体dNTP-1(1μmol)のNaHCO3緩衝液(1 M、pH 9、50μL)溶液、および色素-NHS(2.5μmol)のDMF溶液(100μL)を混合して終夜反応させる。Sephadex G-25カラム精製後、産物含有試料をHPLC(C18)においてTEAA/MeOHによって精製するか、またはHPLC(SAX)においてTEABによって精製する。凍結乾燥後の産物をHEPES緩衝液(10 mM、pH 8.5)に溶解する。収率は15%〜70%まで多様である。酵素アッセイおよびMSを必要に応じて行う。
【0060】
II.窒素末端リンカーの代わりの一般的合成スキーム
この一般的スキームはDCCによるdNTPの活性化を伴い、その後リンカーへの中間体のカップリングを伴う。
【0061】
段階1−dNTP(TEA+
ヌクレオチドdNTP Na2(57μmol)をTEAB-平衡Dowex樹脂(H+)カラムの中を通過させる。試料を凍結乾燥する。
【0062】
段階2−dNTP-2(TEA+
ヌクレオチドdNTP TEA(20μmol)をTEAおよびメタノールと3回共蒸発させて、真空下で終夜乾燥させる。DCC(75μmol)を真空下で2時間乾燥させる。リンカー化合物(200μmol)をTEAおよびメタノールと共蒸発させて、真空下で終夜乾燥させる。
【0063】
DCCをdNTP TEAのDMF/MeOH溶液に移し(200μL/20μL)、混合物を室温で3〜4時間撹拌した後、ピリジン(17μL)と共蒸発させる。次に、リンカー化合物のDMF溶液(200〜300μL)を固形物に加えて、得られた溶液を室温で終夜撹拌する。産物をHPLC(SAXカラム、TEAB)において精製する。凍結乾燥後、産物をHEPES緩衝液(10 mM、pH 8.5)に溶解する。収率は30%〜50%まで多様である。
【0064】
段階3−dNTP-2-色素(TEA+
この段階は、第一の一般的スキームの段階2と類似である。
【0065】
III.一方の端部で窒素を末端とし、もう一方の端部で酸素を末端とするリンカーの一般的合成スキーム
このスキームは、モノホスフェートをCDIによって活性化する段階、および中間体をdNTPにカップリングさせる段階を伴う。
【0066】
段階1−dNTP(TBA+)
ヌクレオチドdNTPナトリウム塩(43μmol)をDowex樹脂(H+)の中に通過させて、冷却したTBAにする。これをDMFと3回共蒸発させて、真空下で終夜乾燥させる。
【0067】
段階2−Pi-5-Cbz(TBA+)
アルコール5-CbzをPOCl3/P(OMe)3系によってリン酸化して、Sephadex G25 DEAE陰イオン交換器においてAB緩衝液の勾配で精製する。凍結乾燥後、これを段階1において記述されるようにTBA+塩に変換した。収率は50%〜70%まで多様である。
【0068】
段階3−dNTP-5-Cbz(TEA+)
全ての試薬を真空下で乾燥させる。モノホスフェートPi-5-Cbz(TBA+、33μmol)をDMF(250μL)中でCDI(165μmol)によって6時間処置した後、MeOH(264μmol)を加えて過剰量のCDIを停止させる。ヌクレオチドdNDP(TBA+、43μmol)をDMF(400μL)に加えて、終夜反応させる。HPLC(SAX、TEAB)において精製を行った後、凍結乾燥した。収率は20%〜50%まで多様である。
【0069】
段階4−dNTP-5(TEA+)
ヌクレオチドdNTP-5-Cbz(TEA+)をギ酸アンモニウムおよびPd/Cによって10〜20分間処置する。産物をHPLC(SAX、TEAB)において精製した後凍結乾燥する。収率は90%を超える。
【0070】
段階5-dNTP-5-色素(TEA+)
第一の一般的技法の第二の段階に関して同じ技法を行う。
【0071】
概要
1.dNTP(1)を陽イオン交換によってテトラブチルアンモニウム塩(2)に変換する。これはジホスフェートを、無水有機溶媒において非常に溶解性である試薬に変換する。
2.可能性があるヒドロキシル末端リンカー(3)(窒素保護基を含有する、本実施例において、トリフルオロアセテート(TFA))を、オキシ三塩化リンによってリン酸化して活性化クロロホスフェート(4)を生じる。過剰量のPOCl3を蒸発によって除去すると、ジクロリドエステルを生じる。
3.(2)および(4)を無水溶媒(たとえば、無水DMF)において反応させた後、得られた(モノクロロ)トリホスフェートエステルをトリホスフェート(5)に加水分解する。
【0072】
P-O連結を通してγ-ホスフェートに付着させたリンカーによってdNTPを調製するための技法
段階1−図13を参照されたい。
この段階は、dNDP-ナトリウム塩(1)のdNDP-テトラブチルアンモニウム塩(2)への変換を図示する。
【0073】
市販のdNDP-ナトリウム塩(100〜150 mg)の水溶液(2 mL)を強い陽イオン交換(-SO3H)充填カラムにローディングした。カラムを重力によって溶出した。分画を収集して、TLCにスポットしてUVランプによって可視化することによってチェックした(dNDPはUV下で青色のスポットを示すであろう)。望ましい分画を共にプールして、0℃で直ちに水酸化テトラブチルアンモニウム(〜10 mLのH2Oにおいて1.01等量)によって停止させた。溶液を蒸発乾固させた。残渣をDMFにおいて再度溶解して、乾燥させた。この材料をDMFによって3回乾燥させて、dNDP-テトラブチルアンモニウム塩をカップリング反応のために準備した。
【0074】
段階2
この段階は、例としてdCDPおよび中性EOリンカーを用いてdNDP(2)へのリンカー(3)のカップリングを例示する。
【0075】
材料
TFA保護リンカー(3):10 mg(0.0497 mmole;使用前にDMFとの3回の共蒸発によって乾燥);POCL3:9.2 mL(0.0994 mmole、2×);dCDP-テトラブチルアンモニウム塩(2)(24.85μmole、ε〜9,300で260 nmでのUV吸収によって定量した量);無水メチレンジクロリド(DCM);無水ジメチルホルムアミド(DMF);1.5 M重炭酸トリメチルアンモニウム(TEAB)緩衝液(pH〜7.5〜8)。
【0076】
リンカー(3)の無水DCM(0.5 mL)溶液をPOCl3のDCM溶液(1 mL)に0℃で加えた。反応物を0℃で3時間撹拌した。次に溶液を減圧下で蒸発乾固させて、高真空下でさらに10分間乾燥させて、残留POCl3を除去した。残渣(4)を無水DMF(1 mL)に再度溶解した。この溶液にdCDP(2)(無水DMF無水0.5 mL中で)を0℃で加えた。反応物を最初0℃で撹拌した後、温度を室温まで徐々に上昇させた。反応物を室温で終夜撹拌した後、0℃でTEAB緩衝液(5 mL)を加えて停止させた。混合物を0℃でさらに3時間撹拌した。産物(5)を蒸発乾固させて、水に再度溶解し、材料を逆相HPLC(C-18カラム)によって精製した。
【0077】
表1において表にされたリンカーを先に示された調製法において用いた。
【0078】
(表1)様々な調製法において用いられるリンカー

【0079】
表2において表にされた修飾ヌクレオチドは、先に示された調製法を用いて調製された。表2において、数字は先に表にされたリンカーを表す。Cbzを有する構造は、末端のアミノ基が安息香酸に反応されている保護されたリンカー構造である。
【0080】
(表2)様々な調製法を用いて調製された修飾ヌクレオチド

【0081】
リンカー10−1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)化学
Pi-10-Cbz(Bu3NH+)を激しく乾燥させて、定量のための重量を得た。dADP(20μmolの割合)とのカップリングを新しい試薬について再度試みたが、なおも低い収率(TLCおよびHPLC)で終わった。しかし、産物をHPLC(SAX、TEAB)において精製すると、dATP-10-Cbz 0.53μmolを得た。水素化分解脱保護(0.4μmolの割合)後、dATP-10の少量(44 nmol)をROX-SEによって直接標識した。Sephadex G-25カラムおよびC18 HPLC精製後、dATP-10-ROX(3.8 nmol)を、酵素学のチームに提出して、そのポリメラーゼ取り込みを評価した。
【0082】
リンカー10−無水トリフルオロ酢酸/メチルイミダゾール化学
方法は、モノホスフェートをトリフルオロ酢酸無水物と反応させて、得られた混合無水物をメチルイミダゾールと反応させた後、dADPによって反応を停止させる。これを20μmolの割合でdATP-10-Cbzの調製に関して試験したところ、低い収率0.5μmolを得た。あまり広く用いられていないこの化学は、(CF3CO)2OおよびCF3COOHの揮発性を利用し、他の公知の方法と比較して急速なカップリング法(<3時間)である。
【0083】
本明細書において引用される全ての参考文献は、参照により本明細書に組み入れられる。本発明は、その態様を参照して開示してきたが、本開示を読むことによって当業者は変化および変更を認識してもよく、それらも上記のおよび以下で請求される本発明の範囲および趣旨に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)の修飾ヌクレオチド:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なる基であり、
Gは連結基であり、ならびに
Nuは天然または合成ヌクレオチドであり、
Gは、直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、または中心環構造が含まれるアルケニル基を含む。
【請求項2】
EおよびE'基に中心典型元素が含まれる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項3】
中心典型元素が、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、ケイ素(Si)、リン(P)、イオウ(S)、ガリウム(Ga)、およびゲルマニウム(Ge)からなる群より選択される、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項4】
Gに中心環構造が含まれる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項5】
Gに直鎖のアルケニル基が含まれる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項6】
以下の一般式(II)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、ならびに
Nuは天然または合成ヌクレオチドである。
【請求項7】
以下の一般式(IIIまたはIIIa)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは検出可能な基であり、
EおよびE'は同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、
塩基は、天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、かつ取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強するかのいずれかの基である。
【請求項8】
以下の一般式(IVまたはIVa)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、かつ取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強するかのいずれかの基である。
【請求項9】
以下の一般式(V)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項10】
以下の一般式(VI)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項11】
以下の一般式(VII)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造によっては存在せず、
R1およびR2は同じかまたは異なり、かつカルベニル基であり、
Aは環構造であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項12】
環構造Aが、飽和、不飽和、もしくは芳香族であるか、または環構造Aに、飽和、不飽和、もしくは芳香環の混合物が含まれうる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項13】
環構造におけるそれぞれの環に、3個〜約12個の典型元素が含まれる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項14】
それぞれのカルビル基およびそれぞれのカルベニル基に、炭素1〜40個が含まれ、炭素原子の1つまたは複数は、B、C、Si、Ge、N、P、As、O、S、またはSeからなる群より選択されるヘテロ原子に置換されることができ、かつ基の価数を満足させるために十分な水素原子を有し、1つまたは複数の水素原子は、F、Cl、Br、I、OR、SR、COR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR'、または置換/置き換え反応条件下で不活性であるかまたは実質的に不活性である他の任意の一価の基に置換されうる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項15】
以下の一般式(VIII)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、ならびに
Nuは、天然または合成ヌクレオチドである。
【請求項16】
以下の一般式(IXまたはIXa)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、かつ本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強するかのいずれかの基である。
【請求項17】
以下の一般式(XまたはXa)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、
糖は糖部分であり、
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基であり、ならびに
Z1またはZ2は、同じかまたは異なり、かつ本明細書において記述されるように、取り込みのタイミングを改変するか、または検出可能な基の検出を増強するかのいずれかの基である。
【請求項18】
以下の一般式(XI)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項19】
以下の一般式(XII)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項20】
以下の一般式(XIII)を有する、請求項1記載のヌクレオチド:

式中
DGは、検出可能な基であり、
EおよびE'は、同じおよび異なり、かつ炭素基(C(H)2、C(HR3)、もしくはC(R3)2)、酸素原子(O)、イオウ原子(S)、アミノ基(N(R3))、ホスファノ基(P(R3))、ホスファイト基(P(OR3)O)、ホスフェート基(P(O2)O)、ポリホスフェート基(P(O2)O)n(nは3〜12までの値を有する整数)、シリル基(Si(R3)2)、シロキシル基(Si(OR3)2)、カルボキシ基(C(O)O)、ケト基(C(O))、アミド基(C(O)N(R3))、ウレア基(N(R3)C(O)N(R3))、カーボネート基(OC(O)O)、またはウレタン基(OC(O)N(R3)であり、R3は、水素原子、カルビル基であるか、または構造(たとえば、E'またはEがDGもしくはR2に二重結合した窒素原子であるか、またはDGもしくはR2に三重結合した炭素原子である)によっては存在せず、
Rは、カルベニル基であり、
糖は糖部分であり、ならびに
塩基は天然または合成ヌクレオチド塩基である。
【請求項21】
それぞれのカルビル基およびそれぞれのカルベニル基に、炭素1〜40個が含まれ、炭素原子の1つまたは複数は、B、C、Si、Ge、N、P、As、O、S、またはSeからなる群より選択されるヘテロ原子に置換されることができ、かつ基の価数を満足させるために十分な水素原子を有し、1つまたは複数の水素原子は、F、Cl、Br、I、OR、SR、COR、COOR、CONH2、CONHR、CONRR'、または置換/置き換え反応条件下で不活性であるかまたは実質的に不活性である他の任意の一価の基に置換されうる、請求項1記載のヌクレオチド。
【請求項22】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)中でヌクレオチド三リン酸を環状化させて、環状化ヌクレオチド三リン酸を形成させる段階;
直鎖もしくは分岐鎖カルベニル基または中心環構造が含まれるカルベニル基を含む連結基が含まれるα、ω-ジアミノリンカーに、環状化ヌクレオチド三リン酸を接触させて、リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を形成させる段階;および
リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を、検出可能な特性を有する検出可能な基が含まれるカルボン酸、カルボン酸塩化物、またはカルボン酸無水物に接触させて、検出可能な基、リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を形成させる段階。
【請求項23】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)中で、直鎖もしくは分岐鎖カルベニル基または中心環構造が含まれるカルベニル基を含む連結基が含まれるα、ω-ジアミノリンカーに、ヌクレオチド三リン酸を接触させて、リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を形成させる段階;および
リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を、検出可能な特性を有する検出可能な基が含まれるカルボン酸、カルボン酸塩化物、またはカルボン酸無水物に接触させて、検出可能な基、リンカーγホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を形成させる段階。
【請求項24】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
一般式Q−NH−G−OHの保護されたリンカーをホスフェートドナーに接触させて、一般式Q−NH−G−OP(O)(OH)2のホスフェート末端リンカーを形成させる段階であって、式中Qは保護基であり、かつGは直鎖もしくは分岐鎖のカルベニル基または中心環構造が含まれるカルベニル基を含むリンカーである、段階;
ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)2をイミダゾールに接触させて、イミダゾール活性化ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)−イミダゾールを形成させる段階;
イミダゾール活性化ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)−イミダゾールをヌクレオチドポリリン酸に接触させて、保護されたリンカー末端ホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、Q−NH−G−O−「P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階であって、式中nが3〜12の値を有する整数である、段階;
保護されたγホスフェート官能化ヌクレオチドポリリン酸、Q−NH−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを脱保護して、保護されていないリンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、H2N−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階;および
保護されていないリンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、H2N−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを、検出可能な特性を有する検出可能な基(DG)が含まれるカルボン酸、カルボン酸塩化物、またはカルボン酸無水物に接触させて、検出可能な基γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、DG−HN−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階。
【請求項25】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
一般式Q−NH−G−OHのリンカーをスルホネートドナーに接触させて、スルホネート末端リンカー、Q−NH−G−OS(O)2CH3を形成させる段階;
スルホネート末端リンカー、Q−NH−G−OS(O)2CH3をホスフェートドナーに接触させて、ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)2を形成させる段階;
ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)2をイミダゾールに接触させて、活性化ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)−イミダゾールを形成させる段階;
イミダゾール活性化ホスフェート末端リンカー、Q−NH−G−OP(O)(OH)−イミダゾールをヌクレオチドポリリン酸に接触させて、保護されたリンカー、末端ホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、Q−NH−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階であって、式中nが3〜12の値を有する整数である、段階;
保護されたγホスフェート官能化ヌクレオチドポリリン酸、Q−NH−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを脱保護して、保護されていないリンカー、末端ホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、H2N−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階;および
保護されていないリンカー、末端ホスフェート修飾ヌクレオチドポリリン酸、H2N−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを、検出可能な特性を有する検出可能な基が含まれるカルボン酸、カルボン酸塩化物、またはカルボン酸無水物に接触させて、検出可能な基、リンカー、末端ホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、DG−HN−G−O−[P(O)(OH)]n−O−Nucを形成させる段階。
【請求項26】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
一般式H2N−G−OHのリンカーをトリフルオロ酢酸(TFA)に接触させて、TFA末端リンカー、TFA−NH−G−OHを形成させる段階;
TFA末端リンカー、TFA−NH−G−OHを、塩基の存在下で環状化ヌクレオチド三リン酸に接触させて、TFA末端リンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、TFA−NH−G−[P(O)(OH)]3−O−Nucを形成させる段階;
TFA末端リンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、TFA−NH−G−[P(O)(OH)]3−O−Nucを脱保護して、リンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、H2N−G−[P(O)(OH)]3−O−Nucを形成させる段階;および
リンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、H2N−G−[P(O)(OH)]3−O−Nucを、検出可能な特性を有する検出可能な基が含まれるカルボン酸、カルボン酸塩化物、またはカルボン酸無水物に接触させて、検出可能な基、リンカー、末端ホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、DG−HN−G−O−[P(O)(OH)]3−O−Nucを形成させる段階。
【請求項27】
以下の段階を含む、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸を調製するための方法:
ヌクレオチド二リン酸塩、Nuc−O−P(O)(O-)−O−P(O)(O-)2M3を、テトラカルビルアンモニウム塩、R4N+X-に接触させて、ヌクレオチド二リン酸テトラカルビルアンモニウム塩、Nuc−O−P(O)(O-)−O−P(O)(O-)2(R4N+)3を形成させる段階;
N-TFA保護、α-アミノ、ω-ヒドロキシリンカー、TFA−N(H)−G−OHを、十分量のPOCl3に接触させて、N-TFA保護、α-アミノ、ω-ジクロロホスファイトリンカー、TFA−N(H)−G−OP(O)Cl2を形成させる段階;
ヌクレオチド二リン酸テトラカルビルアンモニウム塩、Nuc−O−P(O)(O-)−O−P(O)(O-)2(R4N+)3を、N-TFA保護、α-アミノ、ω-ジクロロホスファイトリンカー、TFA−N(H)−G−OP(O)Cl2に接触させて、TFA-保護、α-アミノ、ω-γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸テトラカルビルアンモニウム塩、TFA−NH−G−O−[P(O)(O-)]3−O−Nuc((R4N+)3を形成させる段階;
TFA-保護、α-アミノ、ω-γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸テトラカルビルアンモニウム塩、TFA−NH−G−O−[P(O)(O-)]3−O−Nuc((R4N+)3を脱保護して、リンカー、γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸、α-アミノ、ω-γホスフェート修飾ヌクレオチド三リン酸テトラカルビルアンモニウム塩、H2N−G−O−[P(O)(O-)]3−O−Nuc((R4N+)3を形成させる段階。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−534241(P2010−534241A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518175(P2010−518175)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/008613
【国際公開番号】WO2009/014612
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502221282)ライフ テクノロジーズ コーポレーション (113)
【出願人】(510018823)アプレラ コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】