説明

倉庫内で物体を移動するためのシステム

【課題】閉じられた空間に位置される物体を移動するためのシステムを提供する。
【解決手段】希望する位置に前記物体を把握しそして方向付けるために適用される少なくとも1つの遠隔操縦機3および実質的に水平である少なくとも2つの異なる方向に前記閉じられた空間で前記遠隔操縦機を移動するために適用される少なくとも1つの頭上走行クレーン機構2を含む。操作者によって制御される電子処理ユニットは頭上走行クレーン機構および遠隔操縦機の移動を電子的にそして自動的に決定することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は倉庫内で物体を移動するためのシステムに関する。特に本発明は、例えば、携帯用銃の弾薬庫として利用可能でなければならない倉庫に配置される発射体のような望ましくは長い物体を移動するためのシステムに関する。この弾薬庫は軍事的手段であるいは固定される位置で、位置付けられる携帯用銃のための弾薬庫であり得て、それに対して発射体は、例えば、船倉のような武器用の倉庫と同様の倉庫内に収納される。
【背景技術】
【0002】
その望ましい実施態様の1つで、システムは海軍複合体のため、船の甲板間の弾薬交換の荷積みドラムおよびリフトからの弾薬の荷積みおよび荷下ろしおよび前記ドラムおよびリフトへの弾薬の荷積みおよび荷下ろしを制御するため適応される。
【0003】
これらの技術的解決において弾薬あるいは発射体は船倉から、あるいは通常弾薬倉庫から弾薬庫へ、例えばドラム弾薬庫へ速く運ばれなければならなく、弾薬庫は常に少なくとも1つの予め決められる数の発射体を含まれなければならない。
【0004】
それ故、全システムの効率のため大変重要な変数は移動システムが弾薬庫への発射体の有効性を決定する速度である。時には、発射体の取扱は手動で行われるが、しかし大型の弾薬のため取扱および荷積みはモーター付き運搬車の助けによって半自動でしばしばなされる。
【0005】
いずれにせよ、先行技術解決は操作者および発射体の自動引き抜きおよび取扱機構間に十分な相互関係を提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば倉庫に関連する携帯用銃弾薬庫のため利用可能にされなければならない発射体のこの倉庫のような閉じられた空間に位置される物体を移動するためのシステムを提案することによって、これらの課題を解決することであって、希望する位置に前記物体を把握しそして方向付けるために適用される少なくとも1つの遠隔操縦機および実質的に水平である少なくとも2つの異なる方向でこの遠隔操縦機を移動するために適用される少なくとも1つの頭上走行クレーン機構、操作者によって制御され、頭上走行クレーン機構および遠隔操縦機の移動を自動的に決定することが可能である電子処理ユニットを含む。
【0007】
[本発明の詳細な説明]
本発明の観点は付帯の特許請求項1の特徴を有する携帯用銃弾薬庫のため発射体を移動するためのシステムに関する。
【0008】
このシステムの特徴および利点は図式で示される付帯の図面を参照して以下の説明から明らかでそして明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は本発明に従うシステム全体における移動システムの構造:
【図2】図2は本発明に従う前面透視図からの遠隔操縦機の構造;
【図3】図3は本発明に従う後面透視図からの遠隔操縦機の構造である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
付帯の図面を参照して、本発明に従う移動システムは希望する位置に前記物体を把握しそして方向付けるために適用される少なくとも1つの遠隔操縦機3およびこれに関連して物体が配置される倉庫内でこの遠隔操縦機の移動をするために適用される頭上走行クレーン機構2を含む。遠隔操縦機はこれに関連する電子処理ユニットにより操作者によって自動的に制御される。
【0011】
物体は望ましくは長い物体でありそして望ましい実施態様において携帯用銃弾薬庫のために利用可能でなければならない倉庫に配置される発射体である。武器は倉庫上に通常配置され、例えばそれは船倉で見られる。
【0012】
しかしながら、もっと一般的に、本発明に従うシステムは特殊な物体の取扱が必要ないずれの分野でも適切な変更で使用され得る。
【0013】
頭上走行クレーン機構は少なくとも1対の縦方向ガイド21の上を滑走する少なくとも1対の横方向ガイド22、この上を遠隔操縦機3が順次滑走することを基本的に含む。縦方向ガイドに対して少なくとも1つの縦方向モーターが関連され、ガイドの縦方向軸Xに沿って横方向ガイドを移動するために適用される。実施態様から示されるように、前記モーター23は2つのガイド21間に配置されそして駆動シャフト24によって横方向ガイドへ移動を伝え、ガイド内に配置される歯のあるベルト機構を推進する。この歯のあるベルト機構は1対の台車25に固定され、台車は縦方向ガイド中を滑走しそして2つの縦方向ガイドの向かい合う両端に固定され、ベルト機構は縦方向軸Xに沿って滑走移動で台車を牽引する。
【0014】
少なくとも1つの横方向モーターが横方向ガイド22に関係づけられガイドの横軸Yに沿って遠隔操縦機を移動するために適用される。実施態様に示されるように、横方向モーター26は2つあり、2つの横方向ガイドの1つの端にそれぞれ配置され、歯のあるベルト機構によって遠隔操縦機を前記横方向ガイドに沿って牽引する。この目的のため、遠隔操縦機は横方向ガイド上を進みそしてこの歯のあるベルト機構に関係づけられる滑走板31を含む。
【0015】
遠隔操縦機は正しい方向付けのため、その垂直軸Zの周囲の遠隔操縦機の回転を可能とする円形ジョイント32の手段によって滑走板31に固定される長い本体を含む。望ましくは、この回転はジョイントの下部に配置される回転推進機33によって行われる。
【0016】
遠隔操縦機は、例えば直線状ガイド35によって遠隔操縦機の縦軸に沿って電子的に制御される適切なサーボモーターの手段により移動され得る複数のペンチ34を含み、異なる寸法の物体を把握できるようにする1つの物体に対する把握手段をまた含む。特に、示される実施態様において、ガイドは弾薬庫に、例えばドラムの1つに牽引発射体を垂直に一列にまた並べる。底面静止板36および上面ガイド装置37を含む位置付け手段は遠隔操縦機に物体の静止および適切な位置付けを可能にする。
【0017】
物体が発射体である実施態様において、遠隔操縦機は発射体が位置付けられる相応する木枠から発射体の牽引をするために適用される1対の可動フォーク
38をまた備えられる。実際に、サーボモーターによって適切に電子的に制御されるこれらのフォークにより、これらの木枠を移動することが可能である。
【0018】
遠隔操縦機は物体と遠隔操縦機の予期しない接触を避けるために適用される近接検知器をまた備えられる。
【0019】
それでシステムの移動が頭上走行クレーン機構のX軸およびY軸に沿う移動、遠隔操縦機の縦軸の周囲の回転の移動、直線状ガイド(伸縮式ガイド)35の遠隔操縦機の縦軸に沿う移動、ペンチ34の開閉、フォーク38の移動である全てが、例えば個人計算機の手段により処理ユニットに接する操作者の遠隔制御によって自動方式で前記処理ユニットにより電子的に制御される。システムは遠隔操縦機が操作者のためのアクセスインターフェイスを有する半自動モードをまた備え、アクセスインターフェイスは制御押しボタンを備えられる制御ジョイスティック39および押しボタンをまた備えられ得る点検表示器40を最終的に含む。この方法で、操作者は倉庫内で遠隔操縦機の移動および操作を直接決定しそして追跡する。このシステムは、完全に手動である既知のシステムが、操作の必要な迅速性および一定の数の操作者を配置するための明白な要求を正確に満足しないシステムであること、とは全く異なる結果となる。維持段階の間および異常な条件においては、遠隔操縦機は前記インターフェイスの手段によって手動で制御することが期待される。
【0020】
それは不利な環境条件で作業することを要求される操作者の安全のためにまた向けられる。
【符号の説明】
【0021】
2 頭上走行クレーン機構
3 遠隔操縦機(manipulator)
21 縦方向ガイド
22 横方向ガイド
31 滑走板
32 円形ジョイント
33 回転推進機
34 ペンチ
35 直線状ガイド
36 底部静止板
37 上部ガイド装置
38 可動フォーク(フォーク)
39 制御ジョイスティック
40 点検表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じられた空間に位置される物体を移動するためのシステムであって、システムは希望する位置に前記物体を把握しそして方向付けるために適用される少なくとも1つの遠隔操縦機(3);実質的に水平である少なくとも2つの異なる方向に前記閉じられた空間で前記遠隔操縦機を移動ために適用される少なくとも1つの頭上走行クレーン機構(2);操作者によって制御され、頭上走行クレーン機構および遠隔操縦機の移動を電子的にそして自動的に決定することが可能である電子処理ユニットを含むことを特徴とする。
【請求項2】
頭上走行クレーン機構(2)は少なくとも1対の縦方向ガイド(21)の上を滑走する少なくとも1対の横方向ガイド(22)、この上を遠隔操縦機(3)が順次滑走することを基本的に含む請求項1に従うシステム。
【請求項3】
遠隔操縦機は横方向ガイド上を進む滑走板(31)、遠隔操縦機の縦方向軸の周囲で遠隔操縦機の回転を可能とする円形ジョイント(32)の手段によって滑走板(31)に固定される長い本体を含む請求項1に従うシステム。
【請求項4】
遠隔操縦機は遠隔操縦機の縦方向軸に沿って移動され得る複数のペンチ(34)を含む1つの前記物体のための把握手段を含む請求項1に従うシステム。
【請求項5】
ペンチは異なる寸法の物体の把握を可能とするように直線状ガイド(35)の手段によって移動される請求項4に従うシステム。
【請求項6】
遠隔操縦機は遠隔操縦機に物体の静止および適切な位置付けを可能とするために適用される底部静止板(36)および上部ガイド装置(37)を含む位置付け手段を含む請求項1に従うシステム。
【請求項7】
遠隔操縦機は閉じられた空間で遠隔操縦機の移動を決定しそして追従できる操作者の直接制御を可能とするように制御押しボタンで装備される制御ジョイスティック(39)を含む操作者のためのアクセスインターフェイスを有する請求項1に従うシステム。
【請求項8】
遠隔操縦機は制御押しボタンで装備される点検表示器(40)を含む請求項7に従うシステム。
【請求項9】
遠隔操縦機は物体と遠隔操縦機の予期されない接触を避けるために適用される近接検知器を備えられる請求項1に従うシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−236053(P2011−236053A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−98974(P2011−98974)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(510073109)オート・メラーラ ソシエタ ペル アテオニ (6)
【氏名又は名称原語表記】OTO MELARA S.P.A.
【住所又は居所原語表記】VIA VALDILOCCHI,15,19136 LA SPEZIA ITALY
【Fターム(参考)】