説明

偏光選択型撮像装置

【課題】 従来光透過材料内部等のゴミ、キズ、ムラ等の検査を試料からの反射光をP偏光及びS偏光に分光する偏光プリズムを備えた偏光カメラを用いてP偏光およびS偏光を2次元のCCD画像センサで個別に撮像しそのレベル差に基づいて試料の小さなゴミ等を検出していたが直線偏光光源で複数の直線偏光を切り替え制御して被写体に照射し、その反射光によって検出を確実に行う1台の撮像装置で測定できる偏光選択型撮像装置を提供する。
【解決手段】 偏光方向が異なる複数の直線偏光を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段と前記直線偏光の被写体への照射による反射光をレンズを介して結像した光学像を光電変換して映像信号を生成する撮像素子及びその駆動手段と該撮像素子から生成された映像信号を比較処理する映像信号処理手段と前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段を制御する偏光制御手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光方向が異なる複数の直線偏光を選択し被写体に照射してゴミ、キズ、ムラ等を検査する偏光選択型撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業分野では、部品表面や光透過材料内部のゴミ、キズ、ムラや、液体中に混在する異物等を検査する場合に、被写体から反射する偏光波を利用して目視又はテレビカメラ等で検査していることが多い。例えば、光学硝子材等の表面や内部のゴミ、キズ、ムラおよび特殊疵等を検査する場合は、反射光又は透過光を偏光フィルタを介して直接目視で監視したり、複数のテレビカメラのレンズにそれぞれ偏光方向の異なる偏光フィルタを装着し、その出力画像を監視して検査している。
【0003】
例えば、後記特許文献1では、金属やガラス等、光の正反射率の高い試料の場合には、試料に対する光の入射角度によってP偏光、S偏光の反射率が異なることから、試料からの反射光をP偏光およびS偏光に分光する偏光プリズムを備えた偏光カメラを用いてP偏光およびS偏光を2次元のCCD画像センサで個別に撮像し、P偏光の撮像データおよびS偏光の撮像データを処理し、P偏光量とS偏光量との差に基づいて試料の小さな傷等の表面状態を検出している。
【0004】
また、後記特許文献2では、下層に絶縁性不透明皮膜層および上層に絶縁性透明皮膜層がそれぞれ形成された被覆鋼板表面を照明し、撮像装置で被覆鋼板表面を撮像して前記皮膜層の疵を検査する疵検査方法において、前記被覆鋼板表面をブリュースター角又はその近くの角度で照明し、正反射角又はその近くの角度で被覆鋼板表面からの反射光を、第1撮像装置でP偏光フィルタを介して撮像するとともに第2撮像装置でS偏光フィルタを介して撮像し、下層の絶縁性不透明皮膜層および上層の絶縁性透明皮膜層の疵をそれぞれ区別できる疵検査方法およびその装置を提供している。
【特許文献1】特許公開2000−035403号公報
【特許文献2】特許公開2002−214150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、部品表面や光透過材料内部のゴミ、キズ、ムラ等を検査するために、被写体から反射するP偏光とS偏光のみの偏光波を利用しているため、被写体の移動による反射面の変化、凹凸の変化、又はキズの方向変化等で、被写体に対する光の当たり具合が微妙に変化し、そのためゴミ、キズ、ムラ等の発見が困難な状況の生ずる恐れがあった。
【0006】
また、ゴミ、キズ、ムラ等の発見を容易にするため、複数の偏光方向の偏光波を検出し利用するためには、複数の撮像装置が必要となり、検査装置の大型化、コスト高を招いてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、上記に鑑み鋭意研究の結果、直線偏光生成手段で生成する複数の直線偏光を選択制御して被写体に照射し、その反射光によって被写体のゴミ、キズ、ムラ等の検出を確実に行うため、次の手段によりこの課題を解決した。
(1)偏光方向が異なる複数の直線偏光を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段と、前記直線偏光の被写体への照射による反射光をレンズを介して結像した光学像を光電変換して映像信号を生成する撮像素子及びその駆動手段と、該撮像素子から生成された映像信号を比較処理する映像信号処理手段と、前記直線偏光生成手段を制御する偏光制御手段と、を備え、
前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段を制御するものであることを特徴とする偏光選択型撮像装置。
【0008】
(2)前記直線偏光生成手段が、前記偏光方向が異なる複数の直線偏光を15°〜90°間隔の直線偏光で被写体を照射するものであることを特徴とする前項(1)に記載の偏光選択型撮像装置。
【0009】
(3)偏光方向が異なる複数の直線偏光のうち2波を1組とした狭角が同一で偏光方向が異なる組み合わせの複数組を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段と、レンズを介して入射した前記直線偏光の被写体への照射による反射光を2方向へ分光する偏光ビームスプリッタと、該偏光ビームスプリッタで2方向に分光されたそれぞれの光学像を光電変換して映像信号を生成する撮像素子及びその駆動手段と、該撮像素子から生成された映像信号を比較処理する映像信号処理手段と、前記レンズと前記偏光ビームスプリッタ間に配設され、前記反射光の2波で1組とした複数組の直線偏光を一定時間周期で選択し、かつ前記複数組の直線偏光を同相となるように制御する液晶素子で構成された偏光スイッチと、前記直線偏光生成手段と該偏光スイッチを制御する偏光制御手段と、を備え、前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段と偏光スイッチを制御するものであることを特徴とする偏光選択型撮像装置。
【0010】
(4)前記直線偏光生成手段が、前記2波で1組の直線偏光を互いに偏光方向の方位が直交する直線偏光とし、かつ偏光方向の方位が異なる複数組の直線偏光で被写体に照射するものであることを特徴とする前項(3)に記載の偏光選択型撮像装置。
【0011】
(5)前記直線偏光生成手段が、光源と、前記偏光制御手段で偏光方向の方位を制御できる複数の液晶素子とを備えてなることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【0012】
(6)前記直線偏光生成手段が、前記偏光制御手段で制御できる複数の光源と、偏光方向が互いに異なる複数の偏光フィルタとを備えてなることを特徴とする前項(1)〜(4)のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【0013】
(7)前記偏光制御手段が、前記2波で1組の直線偏光をそれぞれ前記偏光ビームスプリッタ入射面に水平な振動面をもつ直線偏光と、前記偏光ビームスプリッタ入射面に垂直な振動面をもつ直線偏光となるように前記偏光スイッチを制御してなることを特徴とする前項(3)〜(6)に記載の偏光選択型撮像装置。
【0014】
(8)前記映像信号処理手段が、前記撮像素子で生成された複数の偏光方向による映像信号レベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出できることを特徴とする前項(1)〜(7)のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【0015】
(9)前記映像信号処理手段が、反射光の偏光が照射光と比較し変化が生じにくい参照被写体からの反射光による前記撮像素子で生成された映像信号と、前記撮像素子で生成された複数の偏光方向による映像信号とのレベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出できることを特徴とする前項(1)〜(7)のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【0016】
(10)前記映像信号処理手段が、前記予め設定した閾値を超えた映像信号を検出したとき、アラーム信号を出力できることを特徴とする前項(1)〜(9)のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【発明の効果】
【0017】
本願発明によれば、次のような効果が発揮される。
1.本願発明の請求項1の発明によれば、
偏光方向が異なる複数の直線偏光を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段により、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射できるので、熟練した作業者が被写体に対する照明の角度を変化させたり、照明手段を特殊な照明角度に設定したりすることなく、また、被写体を傾けたりして光の当たり具合を微妙に変化させて検体のゴミ、キズ、ムラ等を発見する面倒な作業を行う必要がなくなり、さらに、直線偏光照明手段を被写体の撮像に最も適した照明位置と撮像装置の位置を選択でき、容易に、かつ確実に被写体である検体のゴミ、キズ、ムラ等の検査を行うことができる。
【0018】
また、被写体を照明する直線偏光生成手段により、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射でき、かつ偏光制御手段によって前記直線偏光生成手段を制御すれば、それぞれの偏光方向の光学像を撮像素子で光電変換して映像信号を生成し、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、効率よく、かつ確実な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0019】
さらに、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射し、その反射光を光電変換して映像信号を生成し、その映像信号を比較処理する映像信号処理手段を有しているので、ゴミ、キズ、ムラ等の検査を目視で行う必要が無く自動化でき、かつ検出精度が高く、高品質な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0020】
加えて、映像信号を内部又は外部の自動疵検査装置、自動疵選別装置等に送出できると同時に、ゴミ、キズ、ムラ等を検出し易い映像信号を映像モニタで直接疵画像として監視できるので、より確実に被写体のゴミ、キズ、ムラ等の目視確認ができる。
【0021】
さらにまた、前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段を制御できるので、例えば、撮像素子で光電変換された1フレームごとに複数の偏光方向の映像信号を出力すれば、コンピュータ処理に適したプログレッシブスキャン方式であり、高速で映像信号を比較処理できると同時に、ちらつきのない、垂直解像力に優れた画像の映像信号を映像モニタへ供給できる。
【0022】
2.本願発明の請求項2の発明によれば、
前記請求項1の効果に加えて、前記直線偏光生成手段が、前記偏光方向が異なる複数の直線偏光を15°〜90°間隔の直線偏光で被写体を照射すれば、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した複数の偏光方向の直線偏光で被写体を照射できるので、撮像素子で光電変換された1フレームごとに複数の偏光方向の映像信号を出力することとなり、1台の偏光選択型撮像装置で、効率よく、かつ確実な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0023】
3.本願発明の請求項3の発明によれば、
被写体を照射する直線偏光生成手段により、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した偏光方向2波で1組とした狭角が同一で偏光方向が異なる組み合わせの複数組を被写体に照射できるので、熟練した作業者が被写体に対する照射の角度を変化させたり、照明手段を特殊な照射角度に設定したりすることなく、また、被写体を傾けたりして光の当たり具合を微妙に変化させて検体のゴミ、キズ、ムラ等を発見する面倒な作業を行う必要がなくなり、被写体の撮像に最も適した照明位置と撮像装置の位置を選択でき、容易に、かつ確実に被写体である検体のゴミ、キズ、ムラ等の検査を行うことができる。
【0024】
また、被写体を照射する直線偏光生成手段により、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した偏光方向2波で1組とした狭角が同一で偏光方向が異なる組み合わせの複数組を被写体に照射し、さらに偏光制御手段によって液晶素子で構成された偏光スイッチを前記複数組の直線偏光を同相となるように制御し変換できるので、偏光ビームスプリッタで効率よく分光でき、かつゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、効率よく、確実な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0025】
加えて、映像信号を内部又は外部の自動疵検査装置、自動疵選別装置等に送出できると同時に、ゴミ、キズ、ムラ等を検出し易い映像信号を映像モニタで直接疵画像として監視できるので、より確実に被写体のゴミ、キズ、ムラ等の目視確認ができる。
【0026】
さらに、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御して被写体に照射し、その反射光を光電変換して映像信号を生成し、その映像信号を比較処理する映像信号処理手段を有しているので、ゴミ、キズ、ムラ等の検査を目視で行う必要が無く自動化でき、かつ検出精度が高く、高品質な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0027】
さらにまた、前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段と該偏光スイッチを制御できるので、例えば、撮像素子で光電変換された1フレームごとに2波で1組とした複数組の偏光方向の映像信号を出力すれば、コンピュータ処理に適したプログレッシブスキャン方式であり、高速で映像信号を比較処理できると同時に、ちらつきのない、垂直解像力に優れた画像の映像信号を映像モニタへ供給できる。
【0028】
4.本願発明の請求項4の発明によれば、
前記請求項3の効果に加えて、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した互いに偏光方向の方位が直交する偏光方向2波で1組とした複数組の直線偏光で被写体に照射すれば、それぞれの偏光方向の光学像を撮像素子で光電変換して映像信号を生成し、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、効率よく、かつ確実な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0029】
5.本願発明の請求項5の発明によれば、
前記請求項1〜4の効果に加えて、前記直線偏光生成手段が、光源と、前記偏光制御手段で偏光方向の方位を制御できる複数の液晶素子とを備えているので、
ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射できるように任意に設定したり、又はゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した互いに偏光方向の方位が直交する偏光方向2波で1組とした複数組の直線偏光を任意に設定でき、その直線偏光で被写体に照射すれば、それぞれの偏光方向の光学像を撮像素子で光電変換して映像信号を生成し、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、ゴミ、キズ、ムラ等の検出精度が高く、高品質で、かつあらゆる被写体に即対応できる自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0030】
6.本願発明の請求項6の発明によれば、
前記請求項1〜4の効果に加えて、前記直線偏光生成手段が、前記偏光制御手段で制御できる複数の光源と、偏光方向が互いに異なる複数の偏光フィルタとを備えているので、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射できるように偏光フィルタを装着した光源を選択したり、又はゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した互いに偏光方向の方位が直交する偏光方向2波で1組とした複数組の直線偏光が得られるように偏光フィルタを装着した光源を選択し、その直線偏光で被写体に照射すれば、それぞれの偏光方向の光学像を撮像素子で光電変換して映像信号を生成し、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、ゴミ、キズ、ムラ等の検出精度が高く、高品質で、かつ低コストの自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0031】
7.本願発明の請求項7の発明によれば、
前記請求項3〜6の効果に加えて、前記偏光制御手段が、前記2波で1組の直線偏光をそれぞれ前記偏光ビームスプリッタ入射面に水平な振動面をもつ直線偏光と、前記偏光ビームスプリッタ入射面に垂直な振動面をもつ直線偏光となるように前記偏光スイッチを制御しているので、前記偏光ビームスプリッタでP偏光及びS偏光を効率よく分光でき、それぞれの偏光方向の光学像を撮像素子で光電変換して映像信号を生成し、ゴミ、キズ、ムラ等の検出に最も適した映像信号として出力できるので、1台の偏光選択型撮像装置で、効率よく、かつ検出精度が高い自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0032】
8.本願発明の請求項8の発明によれば、
前記請求項1〜7の効果に加えて、ゴミ、キズ、ムラ等の検査に最も適した複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射し、その反射光を光電変換して映像信号を生成し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出し比較処理する映像信号処理手段を有しているので、ゴミ、キズ、ムラ等の検査を目視で行う必要が無く自動化でき、かつ検出精度が高く、高品質な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0033】
9.本願発明の請求項9の発明によれば、
前記請求項1〜7の効果に加えて、前記映像信号処理手段が、反射光の偏光が照射光と比較し変化が生じにくい参照被写体からの反射光による前記撮像素子で生成された映像信号と、前記撮像素子で生成された複数の偏光方向による映像信号とのレベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出できるので、参照被写体からの反射光は偏光を生じにくいため、常に安定した基準となる映像信号が得られ、この基準映像信号とレベル比較することで、ゴミ、キズ、ムラ等の検査を目視で行う必要が無く自動化でき、さらに検出精度が向上し、高品質な自動疵検査装置、自動疵選別装置等を構築することができる。
【0034】
10.本願発明の請求項10の発明によれば、
前記請求項1〜9の効果に加えて、前記映像信号処理手段が、前記予め設定した閾値を超えた映像信号を検出したとき、アラーム信号を出力できるので、例えば、検査作業者への警告信号にしたり、アラーム信号をゴミ、キズ、ムラ等のある検体の自動排出用信号として利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本願発明を実施するための最良の形態を実施例図に基づいて詳細に説明する。
図1は本願発明実施例の複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段を使用した偏光選択型撮像装置の説明図、図2は同発明実施例の2波で1組とした複数組の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段を使用した偏光選択型撮像装置の説明図、図3は同発明実施例の2波で1組とした2組の直線偏光生成手段で照射された被写体からの反射光と偏光スイッチの第1フレームの動作説明図、図4は同発明実施例の2波で1組とした2組の直線偏光生成手段で照射された被写体からの反射光と偏光スイッチの第2フレームの動作説明図である。
【実施例1】
【0036】
図1において、偏光選択型撮像装置101は、被写体12に対し偏光方向の方位がそれぞれ異なる2波の反射光の直線偏光A、Bを得るために偏光フィルタ2a、2bがそれぞれ装着された光源2’、2”を交互に時間的周期で選択照射する直線偏光生成手段2よりなる直線偏光照明手段と、前記被写体12からの反射光をレンズ3を介して結像した光学像を光電変換し映像信号を生成するCCD(撮像素子)1及びCCD駆動手段10と、CCD1から生成された偏光方向の方位がそれぞれ異なる2波の反射光による映像信号を比較処理しそのレベル差を検出する映像信号処理手段6と、映像信号出力端子7と、アラーム信号出力端子8と、モニタ映像信号出力端子9と、前記CCD駆動手段10に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段2を制御できる偏光制御手段11で構成されている。
【0037】
前記偏光制御手段11は、CCD駆動手段10に同期して前記直線偏光生成手段2を駆動し、光源2’、2”を1フレームごとに選択して検査対象である被写体12を照射する。
【0038】
前記光源2’の前面には、検査対象の被写体12への照射方向に対し水平な振動面をもつ偏光方向の方位0°で直線偏光Aの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2aが配設され、前記偏光制御手段11によって第1フレームで光源2’を点灯し、偏光フィルタ2aを介して被写体12を照射することによって被写体12から直線偏光Aの反射光を得ている。
【0039】
同様に、前記光源2”の前面には、前記被写体12への照射方向に対し垂直な振動面をもつ偏光方向の方位90°で直線偏光Bの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2bが配設され、前記偏光制御手段11によって次の第2フレームで光源2”を点灯し、偏光フィルタ2bを介して被写体12を照射することによって被写体12から直線偏光Bの反射光を得ている。
【0040】
直線偏光A、Bの反射光は、レンズ3によりCCD1の光電面に結像され、光電変換された映像信号は映像信号処理手段6へ入力され、第1フレーム及び第2フレームの映像信号はそれぞれの図示しないフレームメモリに記憶される。
【0041】
前記フレームメモリから読み出した2つの映像信号のレベルを比較し、又は、反射光の偏光が照射光と比較し変化が生じにくい、例えば、金属表面に鏡面加工をした図示しない参照被写体からの反射光による前記CCD1で生成された基準映像信号と、前記CCD1で生成された複数の偏光方向による映像信号とのレベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を公知の回路技術により検出して、例えば、検査作業者への警告信号にしたり、アラーム信号としてゴミ、キズ、ムラ等のある検体の自動排出用信号として利用できる。
【0042】
上記実施例1で示した偏光方向の方位は一例であり、その数値に限定されることはなく、また、前記被写体12からの反射光である直線偏光A、Bは、それぞれ15°〜90°間隔の直線偏光であればよく、さらに、検体のゴミ、キズ、ムラ等の測定に最も適した、検体のゴミ、キズ、ムラ等の現象が最も強調されやすい偏光方向を、A⊥Bの偏光方向の方位で組み合わせ選択制御して撮像素子に結像した光学像を光電変換して映像信号を得ることが好ましい。
【0043】
また、直線偏光生成手段2の偏光フィルム等を用いた偏光フィルタ2a、2bは偏光フィルム等に限定されることなく、電圧制御によって偏光方向の方位が任意に設定できる液晶素子を用いた偏光板でもよい。
【0044】
さらに、前記被写体12からの反射光を複数の偏光方向の直線偏光とするため、複数の光源と、複数の偏光フィルタを組み合わせて装着し、選択制御し被写体を照射してもよい。
【実施例2】
【0045】
図2において、偏光選択型撮像装置102は、偏光方向が異なる4波の直線偏光A、B、C、Dを2波で1組とした2組の直線偏光A/B、C/Dの反射光を得るために2枚で1組の偏光フィルタ2a/2b、2c/2dの2組がそれぞれ装着された光源2’、2”を交互に選択し被写体12に照射する直線偏光生成手段2よりなる直線偏光照明手段と、該被写体12からレンズ3を介して入射した反射光を2方向へ分光する偏光ビームスプリッタ5と、該偏光ビームスプリッタ5で2方向に分光されたそれぞれの光学像を光電変換して映像信号を生成するCCD1、2及びそのCCD駆動手段10と、該CCD1、2から生成された映像信号を比較処理しそのレベル差を検出する映像信号処理手段6と、映像信号出力端子7と、アラーム信号出力端子8と、モニタ映像信号出力端子9と、前記レンズ3と前記偏光ビームスプリッタ5間に配設され、前記反射光の2波で1組とした2組の直線偏光A/B、C/Dを一定時間周期で選択し、かつ前記2組の直線偏光A/B、C/Dを同相となるように制御する液晶素子で構成された偏光スイッチ4と、前記CCD駆動手段10に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段2と偏光スイッチ4を制御できる偏光制御手段11で構成されている。
【0046】
前記偏光制御手段11は、CCD駆動手段10に同期して前記直線偏光生成手段2を駆動し、光源2’、2”を1フレームごとに選択して検査対象である被写体12を照射する。
【0047】
前記光源2’の前面には、検査対象の被写体12への照射方向に対し水平(0°)な振動面をもつ偏光方向の方位0°で直線偏光Aの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2aと、前記被写体12への照射方向に対し垂直(90°)な振動面をもつ偏光方向の方位90°で直線偏光Bの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2bが配設され、光源2’が点灯されると2波で1組とした反射光の直線偏光A/Bが同時に得られるように被写体12へ照射される。
【0048】
同様に、前記光源2”の前面には、検査対象の被写体12への照射方向に対し45°の振動面をもつ偏光方向の方位45°で直線偏光Cの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2cと、前記被写体12への照射方向に対し135°の振動面をもつ偏光方向の方位135°で直線偏光Dの反射光が得られる偏光フィルム等を装着した偏光フィルタ2dが配設され、光源2”が点灯されると2波で1組とした反射光の直線偏光C/Dが同時に得られるように被写体12へ照射される。
【0049】
直線偏光A/B、C/Dの反射光は、レンズ3によりCCD1、2の光電面に偏光スイッチ4及び偏光ビームスプリッタ5を介して結像され、光電変換された映像信号は映像信号処理手段6へ入力され、第1フレームの映像信号はそれぞれ図示しないフレームメモリに記憶され、同様に、第2フレームの映像信号もそれぞれ図示しないフレームメモリに記憶される。
【0050】
図3及び図4において、液晶素子で構成する偏光スイッチ4の詳細な構造を模式的に示している。偏光スイッチ4は、一対の透明基板4b、4cと、透明基板4b、4cに狭持された液晶層4aで構成されている。
【0051】
透明基板4b、4cの互いに対向する主面には透明電極が形成されており、前記偏光制御手段11に接続されている。液晶層4aには、例えば、STN(Super Twisted Nematic)形液晶を用いている。
【0052】
偏光スイッチ4は、公知のように前記透明基板4b、4c間及び液晶層4aに印加する電圧を制御して液晶層4aの液晶分子の旋光性を変化させることによって入射する直線偏光の光の偏光状態を変化させることができる。
【0053】
被写体12が前記直線偏光生成手段2で照射され、その反射光である2波で1組の直線偏光A/B、C/Dは、前記偏光スイッチ4によってそれぞれ同相となるように、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に水平(0°/P偏光)な振動面をもつ直線偏光Eと、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に垂直(90°/S偏光)な振動面をもつ直線偏光Eとなるように変換される。
【0054】
図3において、偏光スイッチ4は、その旋光性が失われるように偏光制御手段11によって電圧制御された状態である。そこで、第1フレームで直線偏光A/Bが選択されるように前記CCD駆動手段10に同期して直線偏光生成手段2を制御し、直線偏光A/Bがレンズ3を透過し偏光スイッチ4へ入射するようにする。
【0055】
前記被写体12からの反射光である2波で1組の直線偏光A(0°)と直線偏光B(90°)は、偏光スイッチ4に入射されると、旋光性が失われているため液晶層4aで、いわゆる捻れを受けずにそのまま透過し、偏光スイッチ4を透過した直線偏光Eは入射光の偏光方向の方位が維持された状態である。
【0056】
次に、図4において、偏光スイッチ4は、その旋光性が作動するように偏光制御手段11によって電圧制御された状態である。そこで、第2フレームで直線偏光C/Dが選択されるように前記CCD駆動手段10に同期して直線偏光生成手段2を制御し、直線偏光C/Dがレンズ3を透過し偏光スイッチ4へ入射するようにする。
【0057】
前記被写体12からの反射光である2波で1組の直線偏光C(45°)と直線偏光D(135°)は、偏光スイッチ4に入射されると、偏光スイッチ4は−45°の旋光性で作動するように電圧制御されているため、液晶層4aで、直線偏光C/Dがいわゆる捻れを受け、偏光スイッチ4を透過した直線偏光Eは、第1フレームとそれぞれ同相となり、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に水平(0°/P偏光)な振動面をもつ直線偏光Eと、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に垂直(90°/S偏光)な振動面をもつ直線偏光Eとなるように変換される。
【0058】
したがって、図2において、それぞれ同相に変換された直線偏光Eは、偏光ビームスプリッタ5へ入射され、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に水平(0°)な振動面をもつ直線偏光Eは透過直進し、P偏光がCCD2光電面に結像し、前記偏光ビームスプリッタ5入射面に垂直(90°)な振動面をもつ直線偏光Eは偏光ビームスプリッタ5の反射面5’で反射され、S偏光としてCCD1光電面に結像される。
【0059】
上記実施例2で示した前記直線偏光生成手段2の偏光方向の方位は一例であり、その数値に限定されることはなく、また、前記被写体12からの反射光である2波で1組とした2組の直線偏光A、B、C、Dは、それぞれ15°〜90°間隔の直線偏光であればよく、さらに、検体のゴミ、キズ、ムラ等の測定に最も適した、検体のゴミ、キズ、ムラ等の現象が最も強調されやすい4種類の代表的な偏光方向を、A⊥B及びC⊥Dの偏光方向の方位で組み合わせ選択制御して撮像素子に結像した光学像を光電変換して映像信号を得ることが好ましい。
【0060】
また、直線偏光生成手段2の偏光フィルム等を用いた偏光フィルタ2a、2b、2c、2dは偏光フィルム等に限定されることなく、電圧制御によって偏光方向の方位が任意に設定できる液晶素子を用いた偏光板でもよい。
【0061】
さらに、前記被写体12からの反射光である2波で1組とした複数組の直線偏光とするため、複数の光源と、複数の偏光フィルタを組み合わせて装着し、2波で1組とした偏光方向の方位が異なる複数組の光源により選択制御し被写体を照射してもよい。
【0062】
前記CCD1、2に結像した光学像は光電変換され、映像信号処理手段6へ入力される。映像信号処理手段6では、前記偏光スイッチ4で同相に制御され、かつ偏光ビームスプリッタ5でS偏光、P偏光に分光されCCD1、2で光電変換して生成された2つ、又は4つの映像信号を前記図示しないフレームメモリにそれぞれ一旦記憶し、それぞれのフレームメモリから読み出した2つ、又は4つの映像信号のレベルを比較し、又は、反射光の偏光が照射光と比較し変化が生じにくい、例えば、金属表面に鏡面加工をした図示しない参照被写体からの反射光による前記CCD1又は2で光電変換され生成された基準映像信号と、前記偏光スイッチ4で同相に制御された直線偏光を光電変換し前記CCD1、2で生成されたそれぞれの映像信号とのレベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を公知の回路技術により検出して、例えば、検査作業者への警告信号にしたり、アラーム信号としてゴミ、キズ、ムラ等のある検体の自動排出用信号として利用できる。
【0063】
前記2波で1組とした複数組の直線偏光生成手段とした場合も、同様に映像信号処理手段6において処理するようにすればよい。
【0064】
また上記実施例において、映像信号はフレーム順に時系列信号として映像出力端子7から外部へ出力してもよい。さらに、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出し映像出力端子7から外部へ出力すると同時に、アラーム信号を、例えば、点滅などするカーソル信号又は文字信号などをその映像信号に付加し、アラーム信号出力端子8へ出力できる。
【0065】
さらにまた、前記映像信号処理手段6が、2つ、又は4つ以上の映像信号を映像モニタ画面上で2〜複数分割表示する画像処理を行い、モニタ映像信号出力端子9に出力してもよく、例えば、直線偏光生成手段2を時間的周期で制御し直線偏光に変換した複数の偏光方向による映像信号を1台の映像モニタで監視することができる。
【0066】
前記直線偏光生成手段2を、可視光帯域又は不可視光帯域内のいずれか一つの帯域の被写体照明光を発光できる光源を備えた直線偏光生成手段2としてもよく、また、偏光スイッチ4に波長選択型偏光スイッチを用いてもよい。
【0067】
上記のように、可視光帯域又は不可視光帯域内のいずれか一つの帯域光と、偏光方向が異なる複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段2とを組み合わせた偏光選択型撮像装置101、102とすれば、より確実にゴミ、キズ、ムラ等の検査に役立てることができる。
【0068】
ここで、CCD1、2は、2次元型固体撮像素子でもよく、1次元型固体撮像素子でもよい。また、CCDに限定されることなく他の固体撮像素子又は管球型撮像素子でもよい。
【0069】
以上の実施例の説明において、CCDとの組み合わせ使用時に偏光ビームスプリッタ5の前後等に配設されるモアレ防止用水晶ローパスフィルタ、CCDの信号増幅回路に必要な相関二重サンプリング回路、ガンマ補正回路等、通常固体撮像素子カメラに必要とされるが、本願発明に関与しない公知技術については説明及び図中において省略してある。
【産業上の利用可能性】
【0070】
1台の偏光選択型撮像装置で、偏光方向が異なる複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段を利用して被写体のゴミ、キズ、ムラ等の発見を確実、容易にできるため、ゴミ、キズ、ムラ等の計測装置、検査装置及び監視装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本願発明実施例の複数の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段を使用した偏光選択型撮像装置の説明図
【図2】同発明実施例の2波で1組とした複数組の直線偏光を選択制御し被写体に照射する直線偏光生成手段を使用した偏光選択型撮像装置の説明図
【図3】同発明実施例の2波で1組とした2組の直線偏光生成手段で照射された被写体からの反射光と偏光スイッチの第1フレームの動作説明図
【図4】同発明実施例の2波で1組とした2組の直線偏光生成手段で照射された被写体からの反射光と偏光スイッチの第2フレームの動作説明図
【符号の説明】
【0072】
101、102:偏光選択型撮像装置
2:直線偏光生成手段
2a、2b、2c、2d:偏光フィルタ
2’、2”:光源
3:レンズ
4:偏光スイッチ
4a:液晶層
4b、4c:透明基板
5:偏光ビームスプリッタ
5’反射面
6:映像信号処理手段
7:映像信号出力端子
8:アラーム信号出力端子
9:モニタ映像信号出力端子
10:CCD駆動手段
11:偏光制御手段
12:被写体
CCD1、CCD2:撮像素子
A、B、C、D、E:直線偏光


【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光方向が異なる複数の直線偏光を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段と、前記直線偏光の被写体への照射による反射光をレンズを介して結像した光学像を光電変換して映像信号を生成する撮像素子及びその駆動手段と、該撮像素子から生成された映像信号を比較処理する映像信号処理手段と、前記直線偏光生成手段を制御する偏光制御手段と、を備え、
前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段を制御するものであることを特徴とする偏光選択型撮像装置。
【請求項2】
前記直線偏光生成手段が、前記偏光方向が異なる複数の直線偏光を15°〜90°間隔の直線偏光で被写体を照射するものであることを特徴とする請求項1に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項3】
偏光方向が異なる複数の直線偏光のうち2波を1組とした狭角が同一で偏光方向が異なる組み合わせの複数組を生成する直線偏光生成手段よりなる直線偏光照明手段と、レンズを介して入射した前記直線偏光の被写体への照射による反射光を2方向へ分光する偏光ビームスプリッタと、該偏光ビームスプリッタで2方向に分光されたそれぞれの光学像を光電変換して映像信号を生成する撮像素子及びその駆動手段と、該撮像素子から生成された映像信号を比較処理する映像信号処理手段と、前記レンズと前記偏光ビームスプリッタ間に配設され、前記反射光の2波で1組とした複数組の直線偏光を一定時間周期で選択し、かつ前記複数組の直線偏光を同相となるように制御する液晶素子で構成された偏光スイッチと、前記直線偏光生成手段と該偏光スイッチを制御する偏光制御手段と、を備え、
前記偏光制御手段が、前記撮像素子の駆動手段に同期して1フレームごとに前記直線偏光生成手段と偏光スイッチを制御するものであることを特徴とする偏光選択型撮像装置。
【請求項4】
前記直線偏光生成手段が、前記2波で1組の直線偏光を互いに偏光方向の方位が直交する直線偏光とし、かつ偏光方向の方位が異なる複数組の直線偏光で被写体を照射するものであることを特徴とする請求項3に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項5】
前記直線偏光生成手段が、光源と、前記偏光制御手段で偏光方向の方位を制御できる複数の液晶素子とを備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項6】
前記直線偏光生成手段が、前記偏光制御手段で選択制御できる複数の光源と、偏光方向が互いに異なる複数の偏光フィルタとを備えてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項7】
前記偏光制御手段が、前記2波で1組の直線偏光をそれぞれ前記偏光ビームスプリッタ入射面に水平な振動面をもつ直線偏光と、前記偏光ビームスプリッタ入射面に垂直な振動面をもつ直線偏光となるように前記偏光スイッチを制御してなることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項8】
前記映像信号処理手段が、前記撮像素子で生成された複数の偏光方向による映像信号レベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出できることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項9】
前記映像信号処理手段が、反射光の偏光が照射光と比較し変化が生じにくい参照被写体からの反射光による前記撮像素子で生成された映像信号と、前記撮像素子で生成された複数の偏光方向による映像信号とのレベルを比較し、予め設定した閾値を超えた映像信号を検出できることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。
【請求項10】
前記映像信号処理手段が、前記予め設定した閾値を超えた映像信号を検出したとき、アラーム信号を出力できることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の偏光選択型撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−322316(P2007−322316A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154631(P2006−154631)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(506189928)有限会社 迫口製作所 (1)
【Fターム(参考)】