説明

偏波共用八木型アンテナ

【課題】 優れた交差偏波識別度を得ることができる偏波共用八木型アンテナを提供する。
【解決手段】 水平偏波側導波素子11、水平偏波側放射素子10、水平偏波側反射素子12とが水平面内に配置されるようアーム18やシールド筒体19に取り付けられて水平偏波用の八木アンテナが構成され、垂直偏波側導波素子15、垂直偏波側放射素子14、垂直偏波側反射素子16とが垂直面内に配置されるようアーム18やシールド筒体19に取り付けられて垂直偏波用の八木アンテナが構成される。水平偏波用の八木アンテナの中心軸と垂直偏波用の八木アンテナの中心軸とは、ほぼ一致する。水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14には、同軸ケーブルから平衡・不平衡変換器を介して給電され、平衡・不平衡変換器はシールド筒体19内に収納されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な交差偏波識別度が得られる偏波共用八木型アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
超短波(VHF)帯以上に使用される指向性アンテナとして、従来から八木アンテナが知られている。従来の八木アンテナの構成の一例を示す斜視図を図11に示す。
図11に示す従来の八木アンテナ100は、直線状とされた棒状のアーム114と、3本の直線状の導波素子111と、直線状の放射素子110および直線状の反射素子112から構成されている。アーム114の前側から順に3本の導波素子111がアーム114にほぼ直交して配置され、次いで放射素子110がアーム114にほぼ直交して配置され、後側に反射素子112がアーム114にほぼ直交して配置されている。この場合、導波素子111と、放射素子110および反射素子112とは相互にほぼ平行に配置される。八木アンテナ100の使用周波数の波長をλとすると、放射素子110の長さは約λ/2とされ、3本の導波素子111の長さは約λ/2より若干短い長さとされ、反射素子112の長さは約λ/2より若干長い長さとされている。また、3本の導波素子111、放射素子110、反射素子112における各素子間の間隔は約λ/4の間隔とされている。これにより、使用周波数において導波素子111が容量性となると共に反射素子112が誘導性となって、反射素子112から導波素子111に向かう方向に半値角の小さい放射ビームを有する指向特性を有するようになる。
【0003】
3本の導波素子111のそれぞれは、サドル金具を用いてアーム114に取り付けられている。サドル金具は、アーム114の断面形状が円形であると共に導波素子111の断面形状が円形であることから、導波素子111を安定してアーム114に取り付けるために使用される取付金具である。このサドル金具の下面には、導波素子111を安定してアーム114に取り付けるために、アーム114の外表面の曲面に一致する凹状部が形成されており、この凹状部に直交する方向であって導波素子111の外表面の曲面に一致する凹部がサドル金具の上面に形成されている。また、反射素子112も上記説明したサドル金具を用いてアーム114に取り付けられている。さらに、放射素子110はアーム114に固着された給電箱113に端部が導入されて取り付けられており、給電箱113内において放射素子110の端部に給電線から給電されている。この給電箱113からは、同軸ケーブル等の給電線が導出されている。
【0004】
ところで、八木アンテナは、通信システムの回線仕様やインフラの通信仕様に従い、垂直偏波あるいは水平偏波のいずれかに対応するように、大地に対して素子が垂直方向あるいは水平方向になるように設置される。この場合、大地に対して素子が垂直方向に配置される態様では垂直偏波に対応し、大地に対して素子が平行に配置される態様では水平偏波に対応するようになる。また、将来の通信システムや放送事業分野においては、垂直偏波および水平偏波にそれぞれ個別の周波数帯を使用する通信形態や、垂直偏波および水平偏波の両偏波を用いる空間多重通信を行うことが考えられる。この場合、1台のアンテナ装置にて垂直偏波および水平偏波に対応させることができる偏波共用八木型アンテナを用いることが考えられる。
【0005】
そこで、従来の偏波共用八木型アンテナの構成の一例を示す斜視図を図12に、偏波共用八木型アンテナの構成の一例を示す正面図を図13に示す。
これらの図に示す従来の偏波共用八木型アンテナ101は、直線状とされた棒状のアーム128と、水平面内に配置された3本の直線状の水平偏波側導波素子121と、直線状の水平偏波側放射素子120および直線状の水平偏波側反射素子122と、垂直面内に配置された3本の直線状の垂直偏波側導波素子125と、直線状の垂直偏波側放射素子124および直線状の垂直偏波側反射素子126とから構成されている。アーム128の前側から順に3本の水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125がアーム128にほぼ直交して配置され、次いで水平偏波側放射素子120および垂直偏波側放射素子124がアーム128にほぼ直交して配置され、後側に水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126がアーム128にほぼ直交して配置されている。この場合、水平偏波側導波素子121と、水平偏波側放射素子120および水平偏波側反射素子122とは相互にほぼ平行に水平面内に配置される。また、垂直偏波側導波素子125と、垂直偏波側放射素子124および垂直偏波側反射素子126とは相互にほぼ平行に垂直面内に配置される。
【0006】
偏波共用八木型アンテナ101において、偏波共用八木型アンテナ101の使用周波数の波長をλとすると、水平偏波側放射素子120および垂直偏波側放射素子124の長さは約λ/2とされ、3本の水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125の長さは約λ/2より若干短い長さとされ、水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126の長さは約λ/2より若干長い長さとされている。また、3本の水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125、水平偏波側放射素子120および垂直偏波側放射素子124、水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126における各素子間の間隔は約λ/4の間隔とされている。これにより、使用周波数において水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125が容量性となると共に水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126が誘導性となって、水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126から水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125に向かう方向に半値角の小さい水平偏波および垂直偏波の放射ビームを有する指向特性を有するようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−274296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の偏波共用八木型アンテナ101において、3本の水平偏波側導波素子121および水平偏波側反射素子122のそれぞれは、図13に示すようにサドル金具130を用いてそれぞれ水平面内に位置するようにアーム128に取り付けられており、3本の垂直偏波側導波素子125および垂直偏波側反射素子126のそれぞれも、サドル金具131を用いてそれぞれ垂直面内に位置するようにアーム128に取り付けられている。また、水平偏波側放射素子120は水平面内に位置するようにアーム128に固着された水平偏波側給電箱123に端部が導入されて取り付けられており、水平偏波側給電箱123内において水平偏波側放射素子120の端部に給電線から給電されている。さらに、垂直偏波側放射素子124は垂直面内に位置するようにアーム128に固着された垂直偏波側給電箱127に端部が導入されて取り付けられており、垂直偏波側給電箱127内において垂直偏波側放射素子124の端部に給電線から給電されている。水平偏波側給電箱123および垂直偏波側給電箱127からは、同軸ケーブル等の給電線が導出されている。なお、給電線と水平偏波側放射素子120および垂直偏波側放射素子124との間に接続されるトロイダルコア等からなるバラントランスを用いる平衡・不平衡変換器が、水平偏波側給電箱123および垂直偏波側給電箱127内に収納されている。
【0009】
サドル金具130によりアーム128に取り付けられた水平偏波側放射素子120と水平偏波側導波素子121および水平偏波側反射素子122は、図13に示すようにアーム128の中心軸からずれた位置に配置され、サドル金具131によりアーム128に取り付けられた垂直偏波側放射素子124と垂直偏波側導波素子125および垂直偏波側反射素子126も、図13に示すようにアーム128の中心軸からずれた位置に配置される。このため、アーム128に取り付けられた水平偏波用の八木アンテナの中心軸と垂直偏波用の八木アンテナの中心軸とが一致しないようになる。
【0010】
ここで、従来の偏波共用八木型アンテナ101における主偏波・交差偏波特性を図14に示す。図14においては、主偏波の0°方向の放射のレベルを0dBとしている。0°方向は、水平偏波側反射素子122および垂直偏波側反射素子126から3本の水平偏波側導波素子121および垂直偏波側導波素子125に向かうアーム128の中心軸の方向である。図14を参照すると、主偏波の半値角は30°以内とされて鋭い主ビームが0°方向に放射されている。交差偏波は、0°方向に約−17.3dBの交差偏波としては大きなレベルで放射されており、交差偏波識別度は約17.3dBしか得られていない。
この場合、垂直偏波および水平偏波に同一周波数帯を使用して、1台のアンテナ装置にて垂直偏波および水平偏波に対応させる場合には、交差偏波織別度として20dB以上得られることが目標とされる。しかしながら、従来の偏波共用八木型アンテナ101においては、20dB以上の交差偏波識別度が得られていない。この原因として、水平偏波側放射素子120および垂直偏波側放射素子124の給電部から漏洩電波が輻射されていることが考えられる。また、上記したアーム128に取り付けられた水平偏波用の八木アンテナの中心軸と垂直偏波用の八木アンテナの中心軸とが一致していないことが考えられる。
【0011】
そこで、本発明は、優れた交差偏波識別度を得ることができる偏波共用八木型アンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の偏波共用八木型アンテナは、アームのほぼ中心軸を含む第1平面上に第1導波素子と第1放射素子と第1反射素子とが配置されるように、前記アームに固着されている第1八木アンテナと、前記第1平面と直交すると共に前記アームのほぼ中心軸を含む第2平面に第2導波素子と第2放射素子と第2反射素子とが配置されるように、前記アームに固着されている第2八木アンテナと、不平衡形の第1給電手段から第1平衡・不平衡変換手段を介して平衡形の前記第1放射素子に給電する第1給電部と、不平衡形の第2給電手段から第2平衡・不平衡変換手段を介して平衡形の前記第2放射素子に給電する第2給電部とを備え、前記第1平衡・不平衡変換手段および前記第2平衡・不平衡変換手段が、導電性の前記アーム内に収納されていることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水平偏波用の八木アンテナと垂直偏波用の八木アンテナとの中心軸がアームの中心軸を通ると共に互いに直交して取り付けることができる。また、同軸ケーブルから給電される水平偏波側の八木アンテナにおける放射素子と、垂直偏波側の八木アンテナにおける放射素子とに、アーム内に収納される平衡・不平衡変換器を介して給電している。これにより、本発明にかかる偏波共用八木型アンテナにおいては、優れた交差偏波識別度が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナの構成を示す正面図である。
【図3】放射素子と給電用の同軸ケーブルとの間に接続された平衡・不平衡変換器の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の偏波共用八木型アンテナにおける給電部の構成を断面図で示す正面図である。
【図5】本発明の偏波共用八木型アンテナにおける給電部の構成を断面図で示す側面図である。
【図6】本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの導波素子の取付構造を断面図で示す正面図である。
【図7】本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの導波素子の取付構造を断面図で示す側面図である。
【図8】本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの反射素子の取付構造を断面図で示す正面図である。
【図9】本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの反射素子の取付構造を断面図で示す側面図である。
【図10】本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの主偏波・交差偏波特性を示す図である。
【図11】従来の八木アンテナの構成の一例を示す斜視図である。
【図12】従来の偏波共用八木型アンテナの構成の一例を示す斜視図である。
【図13】従来の偏波共用八木型アンテナの構成の一例を示す正面図である。
【図14】従来の偏波共用八木型アンテナの主偏波・交差偏波特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナ1の構成を図1および図2に示す。図1は本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナ1の構成を示す斜視図であり、図2は本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナ1の構成を示す正面図である。
これらの図に示す本発明の実施例にかかる偏波共用八木型アンテナ1は、直線状とされた断面円形の金属製のアーム18と、水平面内に配置された複数本(例えば、6本)の直線状の水平偏波側導波素子11と、直線状の水平偏波側放射素子10および直線状の水平偏波側反射素子12と、垂直面内に配置された複数本(例えば、6本)の直線状の垂直偏波側導波素子15と、直線状の垂直偏波側放射素子14および直線状の垂直偏波側反射素子16とから構成されている。アーム18は、前方の第1アーム18aと後方の第2アーム18bとに分割されて、その間にシールド筒体19が配置されている。この第1アーム18aの前側から順に複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15が第1アーム18aにほぼ直交して配置されている。次いで、水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14がアーム18の中途に配置されているシールド筒体19にほぼ直交して配置されている。水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14は、ダイポール素子とされている。続く後側に水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16が第2アーム18bにほぼ直交して配置されている。この場合、水平偏波側導波素子11と、水平偏波側放射素子10および水平偏波側反射素子12とは相互にほぼ平行に水平面内に配置されて水平偏波用の八木アンテナを構成している。また、垂直偏波側導波素子15と、垂直偏波側放射素子14および垂直偏波側反射素子16とは相互にほぼ平行に垂直面内に配置されて垂直偏波用の八木アンテナを構成している。
なお、アーム18における第2アーム18bは支柱も兼ねており、第2アーム18bが偏波共用八木型アンテナ1を支持する支持体に取り付けられる。また、第2アーム18bは第1アーム18aより太径とされているが、同径とすることができる。
【0016】
本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1において、偏波共用八木型アンテナ1の使用周波数の波長をλとすると、ダイポール素子とされている水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14の長さは約λ/2とされ、複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15の長さは約λ/2より若干短い長さとされ、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16の長さは約λ/2より若干長い長さとされている。また、複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15、水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16における各素子間の間隔は約λ/4の間隔とされている。これにより、使用周波数において水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15が容量性となると共に水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16が誘導性となって、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16から水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15に向かう方向に半値角の小さい水平偏波および垂直偏波の鋭い放射ビームを有する指向特性を有するようになる。
【0017】
本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1において、複数本の水平偏波側導波素子11のそれぞれは、図2に示すように固着金具20によりそれぞれ水平面内に位置するように第1アーム18aに取り付けられており、複数本の垂直偏波側導波素子15のそれぞれも、固着金具21によりそれぞれ垂直面内に位置するように第1アーム18aに取り付けられている。また、水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14は、アーム18の中途に設けられているシールド筒体19に取り付けられている。シールド筒体19は金属製とされており、内部に水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14と同軸ケーブルとの間に接続されている後述する平衡・不平衡変換器が内蔵されている。水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14は、この平衡・不平衡変換器を介して不平衡線路とされる同軸ケーブルから給電されている。同軸ケーブルは、アーム18の端部から導出されたり、アーム18に形成された引き出し孔から導出される。さらに、水平偏波側反射素子12は、後述するように第2アーム18bに固着された外部リングから突出するネジに螺着することにより水平面内に位置するように第2アーム18bに取り付けられており、垂直偏波側反射素子16も、後述するように第2アーム18bに固着された外部リングから突出するネジに螺着することにより垂直面内に位置するように第2アーム18bに取り付けられている。
【0018】
互いに平行になるようにアーム18に取り付けられた水平偏波側放射素子10と水平偏波側導波素子11および水平偏波側反射素子12は、図2に示すようにアーム18の中心軸を含む平面上に配置されて水平偏波用の八木アンテナが構成されている。また、互いに平行になるようにアーム18に取り付けられた垂直偏波側放射素子14と垂直偏波側導波素子15および垂直偏波側反射素子16も、図2に示すようにアーム18のほぼ中心軸を含む上記平面と直交する平面上に配置されて垂直偏波用の八木アンテナが構成されている。このため、アーム18に直交して取り付けられた水平偏波用の八木アンテナの中心軸と垂直偏波用の八木アンテナの中心軸とが、ほぼ一致するようになる。
【0019】
次に、シールド筒体19内に内蔵された平衡・不平衡変換器について説明する。図3(a)に、放射素子と給電用の同軸ケーブルとの間に接続された平衡・不平衡変換器30の構成を示す上面図であり、図3(b)は放射素子と給電用の同軸ケーブルとの間に接続された平衡・不平衡変換器30の構成を示す正面図である。
放射素子は2本の放射素子31a,31bから構成されている。この2本からなる放射素子31a、31bは平衡形となっており、不平衡形の同軸ケーブル32から給電することから、図3(a)(b)に示す平衡・不平衡変換器30が、放射素子31a、31bと同軸ケーブル32との間に接続されている。放射素子31a,31bの使用周波数の波長をλとした際に、放射素子31aおよび放射素子31bの長さはそれぞれ約λ/4とされて、λ/2の電気長とされたダイポール素子が形成されている。
【0020】
平衡・不平衡変換器30は、同軸ケーブル32と、同軸ケーブル32に所定間隔を置いてほぼ平行になるよう隣接して配置された分岐導体34と、短絡板33とにより構成されている。同軸ケーブル32の外部導体32bにおける先端の外周面には、一方の放射素子31bの一端とされる給電端が接続されており、同軸ケーブル32の先端から導出された内部導体32aは、折り返されて隣接して配置された分岐導体34の内部導体32aとされている。同軸ケーブル32において、内部導体32aは絶縁体に支持されて外部導体32bのほぼ中心に配置され、分岐導体34においては、内部導体32aは絶縁体に支持されて外部導体34bのほぼ中心に配置されている。また、他方の放射素子31aの一端である給電端が分岐導体34の外部導体34bにおける先端の外周面に接続されている。さらに、分岐導体34の長さは約λ/4の長さとされ、分岐導体34における外部導体34bの下端面が短絡板33接続されており、短絡板33は同軸ケーブル32の外部導体32bの外周面に接続されている。すなわち、同軸ケーブル32の先端から約λ/4の長さだけ下方の位置における外部導体32bに、長さが約λ/4とされた分岐導体34の下端が短絡板33により短絡されている。また、分岐導体34における内部導体32aは先端から約λg/4の深さまで挿入されて、その先端は開放されている。このように、分岐導体34における内部導体32aの長さは約λg/4とされている。なお、λgは、分岐導体34における管内波長である。
【0021】
このように構成された平衡・不平衡変換器30においては、分岐導体34における内部導体32aの先端は開放されていることから先端に流れる電流は最小となり、その長さが約λg/4とされていることから分岐導体34の先端において内部導体32aに流れる電流は最大となる。この内部導体32aに流れる電流と反対方向に同じ大きさの電流が対面する外部導体34bの内面に流れ、この電流により他方の放射素子31aが励振される。そして、長さが約λ/4とされている外部導体34bの下端が短絡板33で同軸ケーブル32の外部導体32bに短絡されていることから、分岐導体34の外部導体34bの先端から見たインピーダンスがほぼ無限大と見なせるようになる。これにより、外部導体34bの外面には電流が流れないようになって、分岐導体34における漏洩電流が阻止されるようになる。
【0022】
さらに、分岐導体34の先端において内部導体32aに流れる電流が最大となることから、同軸ケーブル32の先端において内部導体32aに流れる電流も最大となる。この内部導体32aに流れる電流と反対方向に同じ大きさの電流が対面する外部導体32bの内面に流れ、この電流により一方の放射素子31bが励振される。そして、外部導体32bの先端から約λ/4の長さの位置において短絡板33により分岐導体34の外部導体34bに短絡されていることから、同軸ケーブル32の外部導体32bの先端から見たインピーダンスがほぼ無限大と見なせるようになる。これにより、外部導体32bの外面には電流が流れないようになって、同軸ケーブル32における漏洩電流が阻止されるようになる。
上記したように、平衡・不平衡変換器30により同軸ケーブル32を伝送されてきた不平衡信号は平衡信号に変換されて、平衡形の放射素子31a,31bに給電されるようになる。この場合、上記説明したように平衡・不平衡変換器30において漏洩電流は生じない。
【0023】
このような平衡・不平衡変換器30を水平偏波側放射素子10および垂直偏波側放射素子14に設けた本発明の本発明の偏波共用八木型アンテナ1における給電部の構成を示す正面図を図4に示し、本発明の本発明の偏波共用八木型アンテナ1における給電部の構成を示す側面図を図5に示す。
これらの図に示す給電部では、2本の放射素子10a,10bからなる水平偏波側放射素子10に同軸ケーブル40から平衡・不平衡変換器を介して給電すると共に、2本の放射素子14a,14bからなる垂直偏波側放射素子14に同軸ケーブル41から平衡・不平衡変換器を介して給電している。この内の水平偏波側放射素子10に給電する給電部においては、一方の放射素子10aの一端とされる給電端が同軸ケーブル40の外部導体40bにおける先端の外周面に固着されて電気的に接続され、同軸ケーブル40の先端から導出された内部導体40aが折り返されて平行配置された分岐導体42の内部導体とされている。同軸ケーブル40において、内部導体40aは絶縁体に支持されて外部導体40bのほぼ中心に配置され、分岐導体42においては、内部導体40aは絶縁体に支持されて外部導体42bのほぼ中心に配置されている。また、他方の放射素子10bの一端である給電端が分岐導体42の外部導体42bにおける先端の外周面に固着されて電気的に接続されている。さらに、分岐導体42の長さは約λ/4の長さとされ、分岐導体42における外部導体42bの下端面が短絡板44に接続されており、短絡板44は同軸ケーブル40の外部導体40bの外周面に接続されている。すなわち、同軸ケーブル40の先端から約λ/4の長さだけ下方の位置における外部導体40bに、長さが約λ/4とされた分岐導体42の下端が短絡板44により短絡されている。また、分岐導体42における内部導体40aは先端から約λg/4の深さまで挿入されて、その先端は開放されている。このように、分岐導体42における内部導体40aの長さは約λg/4とされている。なお、λgは、分岐導体42における管内波長である。上記したように、水平偏波側放射素子10に給電する平衡・不平衡変換器は、同軸ケーブル40、分岐導体42および短絡板44により構成されている。
【0024】
また、垂直偏波側放射素子14に給電する給電部では、2本の放射素子14a,14bからなる垂直偏波側放射素子14に同軸ケーブル41から平衡・不平衡変換器を介して給電している。すなわち、一方の放射素子14aの一端とされる給電端が同軸ケーブル41の外部導体41bにおける先端の外周面に固着されて電気的に接続され、同軸ケーブル41の先端から導出された内部導体41aが折り返されて平行配置された分岐導体43の内部導体とされている。同軸ケーブル41において、内部導体41aは絶縁体に支持されて外部導体41bのほぼ中心に配置され、分岐導体43においては、内部導体41aは絶縁体に支持されて外部導体43bのほぼ中心に配置されている。また、他方の放射素子14bの一端である給電端が分岐導体43の外部導体43bにおける先端の外周面に固着されて電気的に接続されている。さらに、分岐導体43の長さは約λ/4の長さとされ、分岐導体43における外部導体43bの下端面が短絡板45に接続されており、短絡板45は同軸ケーブル41の外部導体41bの外周面に接続されている。すなわち、同軸ケーブル41の先端から約λ/4の長さだけ下方の位置における外部導体41bに、長さが約λ/4とされた分岐導体43の下端が短絡板45により短絡されている。また、分岐導体43における内部導体41aは先端から約λg/4の深さまで挿入されて、その先端は開放されている。このように、分岐導体43における内部導体41aの長さは約λg/4とされている。なお、λgは、分岐導体43における管内波長である。上記したように、垂直偏波側放射素子14に給電する平衡・不平衡変換器は、同軸ケーブル41、分岐導体43および短絡板45により構成されている。
【0025】
上記説明したように給電部では、水平偏波側の内部導体41aの折り返し部は垂直偏波側の内部導体40aの折り返し部にほぼ直交配置されると共に、内部導体40aの折り返された水平部分と内部導体41aの折り返された水平部分の間に絶縁板46が配置されて相互に短絡されることを防止している。また、同軸ケーブル40と分岐導体42との間に、ほぼ直交して同軸ケーブル41と分岐導体43とが配置されて、給電部はコンパクト化されている。このため、給電部をシールド筒体19およびアーム18内に収納できるようになる。
なお、図5に示すようにシールド筒体19の外径はアーム18の外径より若干大きくされているが、シールド筒体19の内径はアーム18の内径より小さくされており、シールド筒体19の両端から所定長さの部位に段差が形成されて一端部の外径が第1アーム18aの内径にほぼ等しくされ、他端部の外径が第2アーム18bの内径にほぼ等しくされている。この、シールド筒体19の他端部の外周面には雄ねじが形成されていると共に、第2アーム18b内周面に雌ねじが形成されている。このシールド筒体19の外周面に形成された雄ねじを第2アーム18bの内周面に形成された雌ねじに螺着することにより、第2アーム18bがシールド筒体19に固着される。また、細径とされたシールド筒体19の一端部を第1アーム18a内に嵌挿し、複数本のビスを横方向から第1アーム18aにねじ込むことによりビスの先端がシールド筒体の一端部の外周面に圧接されて、第1アーム18aに回転不能にシールド筒体19に固着される。これにより、第1アーム18aと第2アーム18bとの間にシールド筒体19が一体になるよう固着される。また、シールド筒体19には内周面から外周面に貫通する4つの挿通孔が互いに約90°の角度となるように形成されており、この挿通孔のそれぞれに水平偏波側放射素子10の2本の放射素子10a,10bと、垂直偏波側放射素子14の2本の放射素子14a,14bとが挿通されてシールド筒体19から導出されている。この場合、放射素子10a,10bおよび放射素子14a,14bは、それぞれ絶縁材からなる支持手段によりシールド筒体19に形成されている挿通孔に支持されているが、その構成は省略して示している。
【0026】
給電部における水平側および垂直側の平衡・不平衡変換器においては、分岐導体42,43における内部導体40a,41aの先端は開放されていることから先端に流れる電流は最小となり、その長さが約λg/4とされていることから分岐導体42,43の先端において内部導体40a,41aに流れる電流は最大となる。この内部導体40a,41aに流れる電流と反対方向に同じ大きさの電流が対面する外部導体42b,43bの内面に流れ、この電流により他方の放射素子10b、14bが励振される。そして、長さが約λ/4とされている外部導体42b,43bの下端が短絡板44,45で同軸ケーブル40,41の外部導体40b,41bに短絡されていることから、分岐導体42,43の外部導体42b,43bの先端から見たインピーダンスがほぼ無限大と見なせるようになる。これにより、外部導体42b,43bの外面には電流が流れないようになって、分岐導体42,43における漏洩電流が阻止されるようになる。
【0027】
さらに、分岐導体42,43の先端において内部導体40a,41aに流れる電流が最大となることから、同軸ケーブル40,41の先端において内部導体40a,41aに流れる電流も最大となる。この内部導体40a,41aに流れる電流と反対方向に同じ大きさの電流が対面する外部導体40b,41bの内面に流れ、この電流により一方の放射素子10a,14aが励振される。そして、外部導体40b,41bの先端から約λ/4の長さの位置において短絡板44,45により分岐導体42,43の外部導体42b,43bに短絡されていることから、同軸ケーブル40,41の外部導体40b,41bの先端から見たインピーダンスがほぼ無限大と見なせるようになる。これにより、外部導体40b,41bの外面には電流が流れないようになって、同軸ケーブル40,41における漏洩電流が阻止されるようになる。
上記したように、給電部における2つの平衡・不平衡変換器により同軸ケーブル40,41を伝送されてきた不平衡信号は平衡信号に変換されて、平衡形の水平偏波側放射素子10a,10bおよび垂直側放射素子14a,14bに給電されるようになる。
【0028】
給電部における水平偏波側の給電部および垂直偏波側の給電部において漏洩電流が流れないとしたのは、理論上は流れないとしたのであって、実際には微量な漏洩電流が生じており、漏洩電流による放射界への影響が生じるようになる。そこで、本発明の偏波共用八木型アンテナ1においては、図4、図5に示すように平衡・不平衡変換器を備える水平偏波側の給電部および垂直偏波側の給電部を交差するように配置してコンパクト化することにより、水平偏波側の給電部および垂直偏波側の給電部をシールド筒体19内に収納できる構成としている。シールド筒体19の前後には図5に示すように分割された第1アーム18aと第2アーム18bとが固着されて、シールド筒体19に一体化されている。そして、第1アーム18aと第2アーム18bおよびシールド筒体19が金属性のパイプからなることから、水平偏波側の給電部および垂直偏波側の給電部において微量な漏洩電流が生じても、漏洩電流による放射界への影響を防止することができるようになる。
なお、同軸ケーブル40,41と分岐導体42,43とをほぼ平行になるよう支持する絶縁セパレータが所定間隔でアーム18およびシールド筒体19内に設けられている。
【0029】
次に、水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15を第1アーム18aに固着する固着構造を図6,図7に示す。図6は本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1の導波素子の取付構造を断面図で示す正面図であり、図7は本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの導波素子の取付構造を断面図で示す側面図である。
これらの図に示す取付構造において、水平偏波側導波素子11は2本に分割された導波素子11a,11bからなり、導波素子11a,11bの根本部の外周面にはネジが形成されている。また、垂直偏波側導波素子15は2本に分割された導波素子15a,15bからなり、導波素子15a,15bの根本部の外周面にはネジが形成されている。断面円形の第1アーム18a内には円筒状の内部リング50を挿入しておく。この内部リング50は金属製あるいは樹脂製とされるが、内部リング50にはネジが形成されているネジ孔が互いに約90°の角度となるように4つ形成されている。また、第1アーム18aには複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15を取り付けるそれぞれの位置に、内部リング50のネジ孔に対応する挿通孔が互いに約90°の角度となるように4つ形成されている。
【0030】
そして、水平偏波側導波素子11の導波素子11a,11bおよび垂直偏波側導波素子15の導波素子15a,15bの根本部にそれぞれ形成されているネジが所定の長さだけ突出するように、固着金具20aを導波素子11aに、固着金具20bを導波素子11bに、固着金具21aを導波素子15aに、固着金具21bを導波素子15bに固着する。次いで、導波素子11a,11bおよび導波素子15a,15bから突出しているネジのそれぞれにブッシュ51a、51b、51c、51dを挿入して、第1アーム18aに挿入された内部リング50の位置を調節してネジ孔を第1アーム18aに形成された挿通孔に合わせ、挿通孔のそれぞれに水平偏波側導波素子11の導波素子11a,11bおよび垂直偏波側導波素子15の導波素子15a,15bを挿入して、それぞれの根本に形成されたネジを内部リング50のネジ穴にそれぞれ螺合する。さらに、固着金具20a、20b、21a、21bを回転させて内部リング50に締着することにより、水平偏波側導波素子11の導波素子11a,11bおよび垂直偏波側導波素子15の導波素子15a,15bを、互いに直交するように第1アーム18aに固着することができる。なお、第1アーム18aに形成された複数本分の挿通孔のそれぞれに対応して複数個の内部リング50が第1アーム18aに挿入されており、それぞれの内部リング50を利用して複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15が第1アーム18aに、互いに直交するように固着される。また、固着金具20a、20b、21a、21bとブッシュ51a、51b、51c、51dとの間にはバネ座金が介在されている。
【0031】
次に、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16を第2アーム18bに固着する固着構造を図8,図9に示す。図8は本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1の反射素子の取付構造を断面図で示す正面図であり、図9は本発明にかかる偏波共用八木型アンテナの反射素子の取付構造を断面図で示す側面図である。なお、第2アーム18bをシールド筒体19に固着した後において、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16は第2アーム18bに固着される。
これらの図に示す取付構造において、水平偏波側反射素子12は2本に分割された反射素子12a,12bからなり、反射素子12a,12bの根本部の内部にはネジが形成されている。また、垂直偏波側反射素子16は2本に分割された反射素子16a,16bからなり、反射素子16a,16bの根本部の内部にはネジが形成されている。さらに、断面円形の第2アーム18bの外側に円筒状の外部リング53が嵌着されており、外部リング53の外周面には互いに約90°の角度で突出するように4つのボス52a,52b,52c,52dがそれぞれ形成されている。この外部リング53は金属製あるいは樹脂製とされ、ボス52a,52b,52c,52dには、それぞれネジ穴が貫通して設けられている。
【0032】
このボス52a,52b,52c,52dにそれぞれネジ部12c,12dとネジ部16c,16dとを螺着して、ネジ部12c,12dおよびネジ部16c,16dの先端を第2アーム18bの外周面に圧接させる。次いで、ネジ部12c,12dおよびネジ部16c,16dに、バネ座がね12f,12hとバネ座がね16f,16hとをそれぞれ嵌挿し、さらに、六角状のナット12e,12gをネジ部12c,12dにそれぞれ螺着すると共に六角状のナット16e,16gをネジ部16c,16dにそれぞれ螺着する。これにより、ネジ部12c,12d,16c,16dの先端が第2アーム18bの外周面に圧接されることから、第2アーム18bの所定位置に回転不能に外部リング53が固着される。
そして、ナット12e,12gから所定の長さで突出しているネジ部12c,12dのそれぞれに反射素子12a,12bの内部に形成されたネジをそれぞれ螺着する。また、ナット16e,16gから所定の長さで突出しているネジ部16c,16dのそれぞれに反射素子16a,16bの内部に形成されたネジをそれぞれ螺着する。これにより、水平偏波側反射素子12の反射素子12a,12bがネジ部12c,12dに固着されると共に、垂直偏波側反射素子16の反射素子16a,16bがネジ部16c,16dに固着されて、水平偏波側反射素子12と垂直偏波側反射素子16とが互いに直交するように第2アーム18bに固着されるようになる。
【0033】
ここで、本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1における主偏波・交差偏波特性を図10に示す。図10においては、主偏波の0°方向の放射のレベルを0dBとしている。0°方向は、水平偏波側反射素子12および垂直偏波側反射素子16から複数本の水平偏波側導波素子11および垂直偏波側導波素子15に向かうアーム18の中心軸の方向である。図10を参照すると、主偏波の半値角は30°以内とされて鋭い主ビームが0°方向に放射されている。交差偏波は、0°方向に約−30.3dBの小さなレベルで放射されるようになり、交差偏波識別度として約30.3dBの良好な値が得られている。このように良好な交差偏波識別度が得られるのは、本発明にかかる偏波共用八木型アンテナ1は、給電部において微量な漏洩電流が生じても、シールド筒体19に給電部を収納したことによる作用により漏洩電流による放射界への影響を防止できる構成とされていること、および、アーム18に取り付けられた水平偏波用の八木アンテナの中心軸と垂直偏波用の八木アンテナの中心軸とが一致している構成とされているからと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上説明した本発明にかかる偏波共用八木型アンテナにおいては、水平偏波側の八木アンテナを構成する導波素子、放射素子および反射素子と、垂直偏波側の八木アンテナを構成する導波素子、放射素子および反射素子とを、アームの中心軸を通ると共に互いに直交して取り付けることができる。また、同軸ケーブルから給電される水平偏波側の八木アンテナにおける放射素子と、垂直偏波側の八木アンテナにおける放射素子とに、アーム内に収納される平衡・不平衡変換器を介して給電するようにしている。これにより、本発明にかかる偏波共用八木型アンテナにおいては、優れた交差偏波識別度が得られるようになる。
【符号の説明】
【0035】
1 偏波共用八木型アンテナ、10 水平偏波側放射素子、10a,10b 放射素子、11 水平偏波側導波素子、11a,11b 導波素子、12 水平偏波側反射素子、12a,12b 反射素子、12c ネジ部、12d ネジ部、12e ナット、12f バネ座金、12g ナット、12h バネ座金、14 垂直偏波側放射素子、14a,14d 放射素子、15 垂直偏波側導波素子、15a,15b 導波素子、16 垂直偏波側反射素子、16a,16b 反射素子、16c ネジ部、16d ネジ部、16e ナット、16f バネ座金、16g ナット、16h バネ座金、18 アーム、18a 第1アーム、18b 第2アーム、19 シールド筒体、20 固着金具、20a 固着金具、20b 固着金具、21 固着金具、21a 固着金具、21b 固着金具、30 不平衡変換器、31a 放射素子、31a,31b 放射素子、32 同軸ケーブル、32a 内部導体、32b 外部導体、33 短絡板、34 分岐導体、34b 外部導体、40 同軸ケーブル、40a 内部導体、40b 外部導体、41 同軸ケーブル、41a 内部導体、41b 外部導体、42 分岐導体、42b 外部導体、43 分岐導体、43b 外部導体、44 短絡板、45 短絡板、46 絶縁板、50 内部リング、51a ブッシュ、52a〜52d ボス、53 外部リング、100 八木アンテナ、101 偏波共用八木型アンテナ、110 放射素子、111 導波素子、112 反射素子、113 給電箱、114 アーム、120 水平偏波側放射素子、121 水平偏波側導波素子、122 水平偏波側反射素子、123 水平偏波側給電箱、124 垂直偏波側放射素子、125 垂直偏波側導波素子、126 垂直偏波側反射素子、127 垂直偏波側給電箱、128 アーム、130 サドル金具、131 サドル金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームのほぼ中心軸を含む第1平面上に第1導波素子と第1放射素子と第1反射素子とが配置されるように、前記アームに固着されている第1八木アンテナと、
前記第1平面と直交すると共に前記アームのほぼ中心軸を含む第2平面に第2導波素子と第2放射素子と第2反射素子とが配置されるように、前記アームに固着されている第2八木アンテナと、
不平衡形の第1給電手段から第1平衡・不平衡変換手段を介して平衡形の前記第1放射素子に給電する第1給電部と、
不平衡形の第2給電手段から第2平衡・不平衡変換手段を介して平衡形の前記第2放射素子に給電する第2給電部とを備え、
前記第1平衡・不平衡変換手段および前記第2平衡・不平衡変換手段が、導電性の前記アーム内に収納されていることを特徴とする偏波共用八木型アンテナ。
【請求項2】
前記アームが分割されて、前記アームの中途に導電性のシールド筒体が設けられており、該シールド筒体に前記第1放射素子と前記第2放射素子とが取り付けられていると共に、該シールド筒体内に前記第1平衡・不平衡変換手段および前記第2平衡・不平衡変換手段が収納されていることを特徴とする請求項1記載の偏波共用八木型アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−239198(P2011−239198A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109176(P2010−109176)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】