説明

停止ボタン装置及び遊技機

【課題】有効表示用として使用される第一の発光部とは別に、演出表示用として使用可能な第二の発光部を備え、意外性のある演出表示や多様な演出表示を可能にするとともに、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性を向上させる。
【解決手段】停止ボタン42a,42b,42cの外周を照射する第一発光部180を有する停止ボタン装置100であって、第一発光部180からの光と干渉しない光路を形成する第二発光部190と、停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に第二発光部190で照射される照射領域Sと、を各停止ボタン42a,42b,42cに対応して設け、各照射領域Sは、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる複数の停止ボタンを有する停止ボタン装置と、この停止ボタン装置を備える遊技機に関し、特に、非透光性部材で形成された停止ボタンの外周を照射する発光部を有する停止ボタン装置と、この停止ボタン装置を備えるスロットマシンなどの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
停止ボタンの押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる遊技機が知られている。例えば、スロットマシンは、メダル投入後のスタートレバー操作に応じて、外周面に図柄が付された複数のリールを回転させるとともに、各リールに対応する停止ボタンの押下操作に応じて、リールの回転を順次停止させ、停止したリールの図柄の組み合わせにもとづいて、所定数のメダルを払い出す遊技機である。
【0003】
通常、停止ボタンは、単体で遊技機に取り付けられるのではなく、複数の停止ボタンを有する停止ボタン装置(停止ボタンユニット)として遊技機に取り付けられるようになっている。この種の停止ボタン装置は、複数の停止ボタンと、その押下操作を検出するセンサ又はスイッチを備えて構成されているが、近年では、発光部を備える停止ボタン装置が増えている。
【0004】
停止ボタン装置に設けられる発光部としては、有効表示用と演出表示用が知られている。
例えば、特許文献1には、リールの回転開始後、所定のタイミングで停止ボタンの外周を照射し、停止ボタンの操作が有効であることを表示する有効表示用の発光部が示されている。
また、特許文献2には、停止ボタンの押し順が遊技の当たりと連動している場合に、各停止ボタンの近傍かつ下方に配置された表示ランプの点灯により、停止ボタンの押し順を表示する演出表示用の発光部が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−288062号公報
【特許文献2】特開平9−253271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に示される演出表示用の発光部は、消灯時でも視認可能に構成され、その点灯によって停止ボタンの押し順を示すに過ぎないので、意外性のある演出表示や多様な演出表示を行うことは困難であった。
また、特許文献2に示される演出用の発光部は、各停止ボタンの近傍かつ下方に配置されているので、遊技者の手で隠れ、視認性が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、有効表示用として使用される第一の発光部とは別に、演出表示用として使用可能な第二の発光部を備えるにあたり、意外性のある演出表示や多様な演出表示を可能にするとともに、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性を向上させることができる停止ボタン装置及び遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明の停止ボタン装置は、押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる、非透光性部材で形成された複数の停止ボタンと、前記各停止ボタンに対応して設けられ、前記各停止ボタンの外周を照射する第一の発光部と、を有する停止ボタン装置であって、前記停止ボタンを囲む前記第一の発光部で照射される環状透光部と、前記第一の発光部からの光と干渉しない光路を形成する第二の発光部と、前記停止ボタンの近傍かつ上方に前記第二の発光部で照射される照射領域と、をそれぞれ各停止ボタンに対応して設け、前記各照射領域は、前記第二の発光部の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄を有する構成としてある。
【0009】
また、上記目的を達成するため本発明の遊技機は、押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる、非透光性部材で形成された複数の停止ボタンと、前記各停止ボタンに対応して設けられ、前記各停止ボタンの外周を照射する第一の発光部と、を有する停止ボタン装置を備える遊技機であって、前記停止ボタン装置を上記の停止ボタン装置で構成してある。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によれば、有効表示用として使用される第一の発光部とは別に、演出表示用として使用可能な第二の発光部を備えるにあたり、意外性のある演出表示や多様な演出表示を可能にするとともに、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る停止ボタン装置を示す図であり、(a)は、停止ボタン装置の平面図、(b)は、停止ボタン装置の正面図、(c)は、停止ボタン装置の側面図、(d)は、停止ボタン装置の斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の基板を示す正面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の光路を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の動作を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図、図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図、図3は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
【0014】
スロットマシン1は、内部がマイクロコンピュータ等で構成された制御部30及び必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉可能に覆う前扉1aとで構成されている。
【0015】
前扉1aは、図3に示すように、スロットマシン1の筐体1bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉1aに遊技操作に係る操作部4が設けられて、スロットマシン1の正面部を構成している。
【0016】
操作部4には、メダルが投入されるメダル投入口40と、各リール21a,21b,21cの回転を始動させるスタートレバー41と、回転している各リール21a,21b,21cを停止させる3つの停止ボタン42a,42b,42cが設けられている。
【0017】
前扉1aには、各リール21a,21b,21cに表示された図柄を視認可能とする表示窓5が、操作部4の上側に設けられる。また、前扉1aには、機種の名称等を表す文字や機種に関連するキャラクタの絵柄等が表示される下パネル6が、例えば操作部4の下側に設けられる。さらに、前扉1aには、効果音等が出力されるスピーカ7が、例えば下パネル6の下側に設けられる。
【0018】
筐体1bの中央には、リール21a,21b,21cと、各リール21a,21b,21cを回転させる図示しないモータ及び回転位置を検出するセンサ等を備えるドラムユニット2が設けられる。
【0019】
また、筐体1bの下部には、メダルを貯留・払出するメダル払出装置8が設けられる。メダル払出装置8には、メダルを貯留するホッパー80が設けられ、メダル投入口40より投入されたメダルは、メダルセレクター81により検出されるとともに、ホッパー80に誘導されるようになっている。
【0020】
スロットマシン1では、遊技者によりメダル投入口40からメダルが投入され、スタートレバー41が操作されると、スタート信号が制御部30に入力される。スタート信号が入力されると、制御部30では、所定の遊技プログラムに従いドラムユニット2を駆動して、各リール21a,21b,21cを回転させる制御を行う。
【0021】
さらに、制御部30では、例えばボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんが行われ、各停止ボタン42a,42b,42cが押下操作されたタイミングに基づき、抽せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール21a,21b,21cの停止制御を行う。
【0022】
また、制御部30は、各リール21a,21b,21cを所定の図柄の組合せで停止させると、メダル払出装置8で所定数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口82から払い出す。
【0023】
本発明の実施形態に係る停止ボタン42a,42b,42cは、図2に示すように、あらかじめ停止ボタン装置100に設けられ、停止ボタン装置100としてスロットマシン1に取り付けられるようになっている。
以下、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置100について、図4〜図8を参照して説明する。
【0024】
[停止ボタン装置]
図4は、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置を示す図であり、(a)は、停止ボタン装置の平面図、(b)は、停止ボタン装置の正面図、(c)は、停止ボタン装置の側面図、(d)は、停止ボタン装置の斜視図、図5は、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の分解斜視図、図6は、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の基板を示す正面図である。
【0025】
これらの図に示すように、停止ボタン装置100は、非透光性部材(例えば金属)からなる複数の停止ボタン42a,42b,42cと、各停止ボタン42a,42b,42cの押下操作を検出するセンサC1,C2,C3(検出部:例えばフォトインタラプタ)とを備えた停止ボタンユニットであり、具体的には、ケース110、レンズ120、バネ130、正面カバー(透光パネル部)140、シート(シート状部)150、基板160、基板カバー170などをさらに備えて構成されている。
【0026】
ケース110は、各停止ボタン42a,42b,42cを収容する複数の収容部111を備える。
レンズ120は、筒状の透光性部材からなり、ケース110の各収容部111に収容され、各停止ボタン42a,42b,42cの外周を囲む。
バネ130は、圧縮コイルバネからなり、各停止ボタン42a,42b,42cを前方に付勢している。
【0027】
正面カバー140は、ケース110の前面を覆う透光性のカバー部材であり、停止ボタン42a,42b,42c及びレンズ120の前端部を露出させる複数の開口141を備える。
シート150は、正面カバー140の裏面側に配置される。
なお、正面カバー140は、ケース110に対して固定されるが、固定方法は、係合でもよいし、ネジ止めでもよい。
【0028】
基板160は、ケース110の裏面側に沿って配置される。基板160の前面には、センサC1,C2,C3が配置されており、これらのセンサC1,C2,C3によって各停止ボタン42a,42b,42cの押下操作が検出される。
基板カバー170は、基板160の裏面側を覆う。そして、基板カバー170の裏面側から挿通されるネジ171により、基板160とともにケース110に対して固定される。
【0029】
図7は、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の光路を示す断面図である。
この図に示すように、停止ボタン装置100には、有効表示用の第一発光部180と演出表示用の第二発光部190が各停止ボタン42a,42b,42cに対応して設けられている。
【0030】
第一発光部180は、各停止ボタン42a,42b,42cに対応するLEDA1〜A3を備えている。各LEDA1〜A3は、基板160の前面に配置されており、ケース110の後面側に形成される入射孔112を介して、各停止ボタン42a,42b,42cの収容部111に光を入射するようになっている。
【0031】
そして、収容部111に後方から入射された第一発光部180の光は、各停止ボタン42a,42b,42cの外周を囲むレンズ120内を通り、レンズ120の前端部(環状透光部121)から出射される。
これにより、第一発光部180は、各停止ボタン42a,42b,42cの外周を照射し、各停止ボタン42a,42b,42cの有効表示を行うことが可能になる。
【0032】
なお、本実施形態の第一発光部180は、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して3つのLEDA1〜A3を備えるが、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して一つのLEDA1〜A3としてもよい。
また、第一発光部180としては、LED以外の発光デバイス(例えば、電球)を用いることもできる。
【0033】
第二発光部190は、各停止ボタン42a,42b,42cに対応するLEDB1〜B3を備えている。各LEDB1〜B3は、基板160の前面に配置されており、ケース110の後面側に形成される入射孔113を介して、各収容部111と隣接して形成される光路室114に光を入射するようになっている。
この光路室114は、第一発光部180からの光と干渉しない光路を形成するためのもので、光路室114に後方から入射された第二発光部190の光は、光路室114の前端開口から出射される。
【0034】
なお、本実施形態の第二発光部190は、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して一つのLEDB1〜B3を備えるが、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して複数のLEDB1〜B3としてもよい。
また、第二発光部190としては、LED以外の発光デバイス(例えば、電球)を用いることもできる。
【0035】
光路室114の前端開口から出射される光は、シート150及び正面カバー140の所定の照射領域Sを裏側から照射するようになっている。この照射領域Sは、各停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に位置しており、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄E(例えば、「GO!」)を備えている。
【0036】
このようにすると、有効表示用として使用される第一発光部180とは別に、演出表示用の第二発光部190を備えるにあたり、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eを備えるので、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eを出現させるような意外性のある演出表示や多様な演出表示を行うことが可能になる。
また、第二発光部190の点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eは、各停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に配置されるので、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性を向上させることができる。
【0037】
本実施形態の照射領域Sは、正面側に配置される透光性の正面カバー140と、その裏面側に配置され、所定の絵柄Eが付されたシート150との2層構造である。
シート150は、所定の絵柄Eの部分のみ透光性を有するとともに、その裏面側から第二発光部190で照射されることにより、所定の絵柄Eを視認可能とする。
また、正面カバー140は、第二発光部190の消灯時における所定の絵柄Eを視認不能に着色(例えば、スモーク=透明黒)される。
このようにすると、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eを、正面カバー140とシート150の2層構造で簡単に実現することができる。
【0038】
図8は、本発明の実施形態に係る停止ボタン装置の動作を示す断面図である。
この図に示すように、各停止ボタン42a,42b,42cは、後方に延出する遮光板Bを備えている。この遮光板Bは、各停止ボタン42a,42b,42cが押下操作された際、基板160上に配置されるセンサC1,C2,C3内に進入し、センサC1,C2,C3の光路を遮ることにより、センサC1,C2,C3に各停止ボタン42a,42b,42cの押下操作を検出させる。
【0039】
また、各停止ボタン42a,42b,42cは、後方に延出する左右一組の係合爪Tを備えている。これらの係合爪Tは、ケース110の後面側に形成される開口115から後方に突出するとともに、開口115の周縁部に裏側から係合することにより、各停止ボタン42a,42b,42cを抜止めしている。
【0040】
本実施形態の基板160は、各停止ボタン42a,42b,42cの裏面側に配置されるとともに、押下操作に伴う各停止ボタン42a,42b,42cの係合爪Tとの衝突を回避する逃げ孔161を備えている。
このようにすると、逃げ孔161を備えない場合に比べ、基板160をより前側に配置することができるので、停止ボタン装置100の薄厚化及びコンパクト化が可能になる。
また、第一発光部180及び第二発光部190の光路も短縮されるので、第一発光部180による有効表示や第二発光部190による演出表示における光の強度を増大し、その視認性を向上させることができる。
【0041】
[第一発光部及び第二発光部の発光制御]
図9は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、本実施形態の停止ボタン装置100は、スロットマシン1の制御部30に接続される。センサC1〜C3は、各停止ボタン42a,42b,42cの押下操作に応じて、制御部30に検出信号を入力し、第一発光部180及び第二発光部190は、制御部30から出力される信号に応じて、発光制御される。
以下、第一発光部180及び第二発光部190に係る発光制御の具体例について説明する。
【0042】
有効表示用である第一発光部180は、各停止ボタン42a,42b,42cの操作が無効のときに消灯し、各停止ボタン42a,42b,42cの操作が有効のときに点灯するように発光制御される。
例えば、メダル投入後、スタートレバー41を操作すると、スタート信号が制御部30に入力される。制御部30は、スタート信号が入力されると、ドラムユニット2を駆動して、各リール21a,21b,21cを回転させる制御を行う。そして、各リール21a,21b,21cの回転開始後、所定の時間が経過し、かつ各リール21a,21b,21cの回転速度が所定の速度に達したら、各停止ボタン42a,42b,42cの操作を有効とすべく、第一発光部180を一斉に点灯させる。その後、各停止ボタン42a,42b,42cの操作検出信号が入力されたら、対応する第一発光部180を消灯させる。
【0043】
演出表示用である第二発光部190は、多様な演出表示に用いることができる。制御部30は、ボーナス役や小役、再遊技役、はずれ等の複数の抽せん対象から1ゲームごとに当せん内容を抽せんにて決定する内部抽せんを行うので、その抽せん結果を告知する演出表示や、その抽せん結果で遷移する遊技状態を報知する演出表示を第二発光部190に行わせることができ、例えば、押し順ナビ、当たり役告知、表示文字変更演出、表示タイミング演出、小役当たり時・ボーナス時の照明演出、表示場所による演出などの多様な演出表示を行うことができる。
以下、これらの演出表示における第二発光部190の制御例について具体的に説明する。
【0044】
押し順ナビは、抽せん結果に対応した図柄の組合せを、停止ボタン42a,42b,42cの押し順(操作順)により導出させる場合に、各停止ボタン42a,42b,42cの押し順を表示する演出表示であり、本実施形態では、押し順にしたがって各停止ボタン42a,42b,42cの近傍に所定の絵柄Eが順次出現するように第二発光部190の発光制御を行う。
このような第二発光部190を用いた押し順ナビによれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現し、その出現順序にしたがって各停止ボタン42a,42b,42cを押下操作することにより、所定の当たり役(小役、再遊技役)が獲得できるので、意外性のある演出表示とすることができるだけでなく、点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eは、各停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に配置されるので、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性が確保されて、操作性が向上する。
【0045】
当たり役告知は、抽せん結果である当たり役を告知する演出表示であり、本実施形態では、発光色の違いによって当たり役が告知されるように第二発光部190の発光制御を行う。例えば、第二発光部190のLEDB1〜B3をフルカラーLEDで構成するとともに、当たり役の種類毎に色を設定し(例えばビッグボーナス=赤又は青、ベル小役=黄色、スイカ小役=緑)、発生した当たり役の種類に対応した色で第二発光部190を発光させることにより当たり役の告知を行う。
このような第二発光部190を用いた当たり役告知によれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現し、その絵柄Eの色によって当たり役が告知されるので、ゲーム性が向上する。
【0046】
表示文字変更演出は、表示文字を変更表示する演出表示であり、本実施形態では、既知の発光色対応表示印刷技術(透過する光の波長の違いを利用した表示内容変更技術、例えば、特開2008−170461、特開2008−262008参照)を利用し、発光色の違いによって異なる文字が表示されるように第二発光部190の発光制御を行う。
具体的には、第二発光部190を、複数の光源(RGB)を有するフルカラーLEDとするとともに、各光源(RGB)を制御部30で個別に発光制御できるように構成する。さらに、シート150の照射領域Sに、透過可能な波長の異なる材料からなる複数の発光表示パターンを有する表示層を形成する。そして、制御部30は、抽せん結果に応じた組合せで、各光源(RGB)を個別に点灯させる。
このような構成とすることで、例えば、通常時(小役、再遊技役、はずれ当せん時)は所定の絵柄Eとして、「GO!」(緑色光透過領域として形成された発光表示パターン層)が表示されるように第二発光部190を第一の色(G:緑色)を点灯させ(RBは消灯)、ビッグボーナスが当たった際(ボーナス役当せん時)には「BIG」(赤色光透過領域として形成された発光表示パターン層)が表示されるように第二発光部190を第二の色(R:赤色)で点灯させる(GBは消灯)。
このような第二発光部190を用いた表示文字変更演出によれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現するだけでなく、抽せん結果によってその絵柄Eが示す文字が変更表示されるので、その演出表示を見たいという遊技客の意欲を駆り立てることができる。
【0047】
表示タイミング演出は、通常時における表示演出の表示タイミングを、当たり役の種類や当たり期待度によって変化させる演出表示であり、本実施形態では、当たり役の種類や当たり期待度によって所定の絵柄Eの出現タイミングが変化するように第二発光部190の発光制御を行う。例えば、ボーナス当たりの可能性が高いときには(ボーナス役当せんのときのみならず、他の役やはずれに当せんしたときも行うことで、可能性の高低を調整可能)、所定の絵柄Eの出現タイミングを遅くしたり、点滅状に出現させる。
このような第二発光部190を用いた表示タイミング演出によれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現するだけでなく、その出現タイミングによって当たり役の種類や当たり期待度が告知されるので、遊技客が期待をもって注視し、ゲーム性が向上する。
【0048】
小役当たり時・ボーナス時の照明演出は、小役当たり時やボーナス時に行われるランプなどによる装飾演出(状態演出)であり、本実施形態では、ランプなどによる装飾演出に連動するように第二発光部190の発光制御を行う。例えば、ランプの照明演出に連動し、所定の絵柄Eを連続又は点滅状に出現させたり、所定の絵柄Eの表示色を変更させる。
このような第二発光部190を用いた小役当たり時・ボーナス時の照明演出によれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現するだけでなく、ランプの照明演出に連動し、所定の絵柄Eを連続又は点滅状に出現させたり、所定の絵柄Eの表示色を変更させることができるので、多彩な装飾演出が可能となる。
【0049】
なお、本実施形態の停止ボタン装置100では、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して一つの演出表示部(第二発光部190)を設置したが、一つの停止ボタン42a,42b,42cに対して複数の演出表示部(第二発光部190)を設置し、その点灯表示箇所の違いによって上記の遊技状態の変化や当たり役の告知等を告知することもできる。
【0050】
以上のように構成された本実施形態によれば、押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる非透光性部材で形成された複数の停止ボタン42a,42b,42cと、各停止ボタン42a,42b,42cに対応して設けられ、各停止ボタン42a,42b,42cの外周を照射する第一発光部180と、を有する停止ボタン装置100であって、停止ボタン42a,42b,42cを囲む第一発光部180で照射される環状透光部121と、第一発光部180からの光と干渉しない光路を形成する第二発光部190と、停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に第二発光部190で照射される照射領域Sと、をそれぞれ各停止ボタン42a,42b,42cに対応して設け、各照射領域Sは、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eを有するので、有効表示用として使用される第一発光部180とは別に、演出表示用の第二発光部190を備えるにあたり、第二発光部190の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eによって、意外性のある演出表示や多様な演出表示を行うことが可能になる。
また、第二発光部190の点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eは、各停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に配置されるので、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性が確保され、操作性を向上させることができる。
【0051】
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、第二発光部からの光を光路室に入射するようにしたが、第一発光部からの光と干渉しない光路を形成すれば足りるため、それぞれの発光部からの光の指向性を狭くすることで、光路室を不要とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる複数の停止ボタンを有する停止ボタン装置に適用でき、特に、このような停止ボタン装置を備えるスロットマシンなどの遊技機に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 スロットマシン
30 制御部
42a,42b,42c 停止ボタン
100 停止ボタン装置
110 ケース
120 レンズ
121 環状透光部
140 正面カバー
150 シート
160 基板
161 逃げ孔
180 第一発光部
190 第二発光部
C1,C2,C3 センサ
E 絵柄
S 照射領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる、非透光性部材で形成された複数の停止ボタンと、前記各停止ボタンに対応して設けられ、前記各停止ボタンの外周を照射する第一の発光部と、を有する停止ボタン装置であって、
前記停止ボタンを囲む前記第一の発光部で照射される環状透光部と、
前記第一の発光部からの光と干渉しない光路を形成する第二の発光部と、
前記停止ボタンの近傍かつ上方に前記第二の発光部で照射される照射領域と、をそれぞれ各停止ボタンに対応して設け、
前記各照射領域は、前記第二の発光部の消灯時に視認不能かつ点灯時に視認可能となる所定の絵柄を有することを特徴とする停止ボタン装置。
【請求項2】
前記照射領域は、正面側に配置される透光パネル部と、前記透光パネル部の裏面側に配置され、前記絵柄が付されたシート状部と、を備え、
前記シート状部は、前記絵柄の部分のみ透光性を有するとともに、その裏面側から前記第二の発光部で照射され、
前記透光パネル部は、前記第二の発光部の消灯時における前記絵柄を視認不能に着色された請求項1記載の停止ボタン装置。
【請求項3】
前記第一の発光部と、前記第二の発光部と、前記各停止ボタンが押下操作されたことを検出する検出部は、一の基板上に配置され、
前記基板は、前記各停止ボタンの裏面側に配置されるとともに、押下操作に伴う前記各停止ボタンとの衝突を回避する逃げ孔を有する請求項1又は2記載の停止ボタン装置。
【請求項4】
押下操作により所定の可変表示器の変動を停止させる、非透光性部材で形成された複数の停止ボタンと、前記各停止ボタンに対応して設けられ、前記各停止ボタンの外周を照射する第一の発光部と、を有する停止ボタン装置を備える遊技機であって、
前記停止ボタン装置が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の停止ボタン装置であることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
複数の抽せん対象の中から所定の当りの抽せんを行うとともに、前記第二の発光部の発光制御を行う制御部を備え、
前記第二の発光部は、発光色の異なる複数の光源を有し、
前記照射領域に、発光色の違いに応じて異なる前記絵柄が表示される所定の発光表示パターン層を形成し、
前記制御部は、抽せん結果に応じてそれぞれの前記光源を個別に発光制御する請求項4記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−206304(P2011−206304A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77778(P2010−77778)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】