健康サポータ
【課題】 体に装着するサポータにおいて、温熱や押圧や温灸や微弱電流の電気的刺激を幾つか組合せた施療を、無電源でもって同時に且つ効果的に実施できる健康サポータを提供すること。
【解決手段】 体に装着するサポータ体に物性が持つ熱伝導性、熱電対のゼーベック効果、圧電体のピエゾ効果、異種金属間のイオン化傾向の作用を利用した構成を設けて実施する。
【解決手段】 体に装着するサポータ体に物性が持つ熱伝導性、熱電対のゼーベック効果、圧電体のピエゾ効果、異種金属間のイオン化傾向の作用を利用した構成を設けて実施する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体に装着して体表面に温熱や押圧や温灸や微弱電流の電気的刺激を同時に加えて施療する健康サポータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康を促進する療法に温熱療法があり、体表面に温熱を加えることで、その温められた部位が温熱による血管拡張作用で血行が良くなり、そしてコラーゲン線維の柔軟化作用で筋肉の疲れやコリを取り、神経痛、筋肉痛の痛みの緩和や疲労回復に効果がある。また腹部を温めれば胃腸の働きを活発にできる。
【0003】
また健康を促進する療法につぼ療法があり、体表面にあるつぼを刺激することで、そのつぼに対応した体の各機能が活性化される。つぼを刺激する方法には、押圧の刺激を与える方法(指圧等)、熱の刺激を与える方法(温灸等)、電気的刺激を与える方法(磁気、低周波電流、微弱電流)の3通りがある。(磁気は磁界の中で発生する微小な起電流を利用するものである)
また健康体を維持するには、余分な脂肪がつかないようにダイエットが必要で、体脂肪が増えすぎると糖尿病や高血圧や高脂血症など、さまざまな生活習慣病を引き起こし易くなる。そのため余分な脂肪を燃焼させる必要があるが、体脂肪は体温の上昇と十分な酸素がないと燃焼できない。そして脂肪の燃焼には脂肪細胞の中の脂肪分解酵素であるリパーゼが脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解して起こるが、体脂肪を分解するリパーゼは体温の上昇により活性化するため、体温を上昇させることが必要であり、体脂肪はおへその周りから溜め込まれるため、腹部についた皮下脂肪を積極的に燃焼して分解させることが必要である。
そこで従来の温熱用具やダイエット器具を検証すると、温熱用具としては体表面に直接貼る温熱シップがあり、その発生する温熱によってその部位の温熱施療のみが可能である。また腹部の脂肪を取るダイエット器具として、ベルトに温熱ヒーターを設けたものや、振動装置(EMS)を設けたものがあるが、いずれもACアダプタや電池などの電源が必要であり、ACアダプタを接続するものでは、ベルトを装着したまま自由に動けなく長時間装着しての施療ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の現状に鑑みてなされたもので、体に装着するサポータにおいて、温熱や押圧や温灸や微弱電流の電気的刺激を幾つか組合せた施療を、無電源でもって同時に且つ効果的に実施できる健康サポータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するために、物性が持つ熱伝導性、熱電対のゼーベック効果、圧電体のピエゾ効果、異種金属間のイオン化傾向の作用を利用して、本発明を構成し実施するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の健康サポータは、物性が持つ熱伝導性や微弱電流を起電する各効果と作用を利用するもので、本発明の構成は無電源で温熱、押圧、温灸、微弱電流の電気的刺激の施療を幾つか組合せて同時に効率良く効果的に施療が可能である。特に本発明では、腰痛や腱鞘炎といった深い部分の疾患や炎症でも、その部位に起電した微弱電流の電気的刺激を加えて施療でき、従来に無い非常に安価で簡単な構成で効果的な施療が半永久的に可能である。
【実施例】
【0007】
本発明を図面を基に説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1実施例を示すもので、腰に巻くサポータ体1をナイロン素材で図のように横幅70〜100cm(Mサイズ:70〜85cm、Lサイズ:80〜100cm)に形成し、その内側中央部に別体のカイロ7を挿脱して収納するポケット部1aを設ける。そのポケット部1aの表面に図1(b)に示すように突出する複数の凸部1b、1b・・・1bを設ける。そしてサポータ体1の両端部に互いに係止する面ファスナー(登録商標:マジックテープ)1c、1cを設けて構成したものである。この構成において、市販のカイロを封を切って袋から出して空気に触れる状態にして、図1(b)(c)に示すようにポケット部1a内にカイロ7を収納すると、カイロ7は空気中の酸素と化学反応を起こして発熱を始める。そして図10(a)に示すように、ポケット部1aの表面が腹部に当接するようにサポータ体1を腰に捲き、両端部の係止部1c、1cを互いに係止してサポータ体1を胴周りに固定すると、その状態でカイロ7から発熱する熱はポケット部1aの表面と接面する腹部の皮膚面を温め始める。そしてその温められた皮膚の皮下組織では、カイロ7の温熱により前述の温熱療法効果が得られ血行が促進される。そして腹部の皮下脂肪は温熱によって燃焼し易くなり、高い温度に長時間温められるその皮膚組織内では、余分な皮下脂肪が積極的に燃焼され続ける。そしてポケット部1aに設けた突出する凸部1b、1b・・・1bによって、当接する皮膚面を押圧するため、その部位において押圧効果が得られると共に、その部位は突出する凸部1bで窪んだ状態に保たれるため、その部位での熱はこもったまま逃げられなく、周りの面よりも高温ポイントになるため、その当接する部位では温灸効果も得られる。図1(c)は、凸部1b、1b・・・1bを熱伝導率の高い鉄やアルミなどの金属球を設けて構成したものである。その構成では熱伝導率の高い凸部1b、1b・・・1bは、周りの面よりもさらに高温になるため、その部位でのさらに高い温灸効果が得られる。尚、腹部には代表的なつぼとして、大巨、天枢、中かん、水分、気海、関元などあり、そのつぼの部位に当接するように凸部1b、1b・・・1bを配設して構成してもよい。またポケット部1a及び凸部1bを遠赤外線を照射する素材で形成して構成してもよい。皮膚面に当接する凸部1b、1b・・・1bの高さは2mm以上あれば好ましい。
【0009】
図2は、本発明の第2実施例を示すもので、カイロ7を収納するポケット部1a内に、熱伝導率の高いアルミ材でなる熱伝導板2を設けたものである。カイロ7から発熱した熱は、接面する熱伝導率の低い空気やナイロン布よりも、熱伝導率の高いアルミ材でなる熱伝導板2へと吸熱されて伝導するため、その構成によりカイロ7から発熱した熱をより効果的に接面する体表面へと伝導できる。そのため前実施例より高い温熱効果が得られる。図2(a)(b)に示す実施例ではポケット部1aのナイロン布を介して熱を伝導しており、その構成では柔らかい温熱効果と、熱伝導板2に設けた凸部2a,2a・・・2aからの柔らかい押圧効果と温灸効果が得られる。図2(c)に示す実施例ではポケット部1aに複数の開口部1d、1d・・・1dを設けており、その開口部1d、1d・・・1dから熱伝導板2に設けた凸部2a,2a・・・2aを突出させて構成したものである。その構成では図2(d)に示すように、突出する凸部2a,2a・・・2aの部位は、周りの面よりもさらに高温になるため、その凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と高い温灸効果が得られる。図2(e)は、熱伝導板2に材質の違う球状の凸部2a,2a・・・2aを設けて構成したものである。例えば熱伝導板2をアルミ材で形成し、凸部2a,2a・・・2aを鉄材やチタン材で形成して構成することができる。前構成と同様にその凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と高い温灸効果が得られる。
【0010】
図3は、ポケット部1a内に導電性の熱伝導板2A,2Bを設け、熱伝導板2Aと熱伝導板2Bとを熱電対3で接続して構成したものである。2つの金属線3aと金属線3bを接合してなる熱電対3において、その接合部を図3(b)の様にポケット部1aの中央部に設け、その接合部がカイロ7に直に接触するように構成する。そして金属線3aと金属線3bの一方の端部を熱伝導板2Aと熱伝導板2B内に各埋設して構成する。その構成において、直接カイロ7の面に接触する金属線3aと金属線3bの接合部と、熱伝導板2Aと熱伝導板2B内に埋設した金属線3aと金属線3bの各端部とでは、両部位に温度差ができるため、ゼーベック効果により金属線3aと金属線3bとの間に微弱な起電流が発生する。その起電した微弱電流は、体表面に当接する熱伝導板2Aの凸部2a,2a・・・2aと熱伝導板2Aの凸部2a,2a・・・2aとの間で閉回路が形成されるため、その微弱電流が当接する皮膚組織内へと流れる。そのためその構成で微弱電流施療(マイクロカレントセラピー)が可能である。構成する金属線3aと金属線3bとの組合せは、例えばクロメルとアルメル、鉄とコンスタンタン、銅とコンスタンタンの組合せで構成して実施が可能である。本実施例の構成では、カイロ7による温熱効果、凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と温灸効果、さらに熱電対3による微弱電流の電気的刺激効果を同時に加えて施療することができる。
【0011】
図4〜図9に示す実施例の構成は、常温で物性が持つ起電作用を利用するもので、結晶体や磁器材料でなる圧電体に圧力を加えると起電するピエゾ効果や、異種金属間に起きるイオン化作用で起電するイオン化傾向の性質がある。そのピエゾ効果やイオン化傾向の作用を利用して起電した微弱電流を体内に流せば、前実施例と同様に微弱電流の施療効果が得られる。体内には100〜200μAの生体電流が流れており、神経繊維や筋繊維では微弱な電流刺激によって、その細胞膜に一連の電気的変化が生じ、1ヵ所に生じた電気的変化により隣接部が刺激されて次々と興奮を起こし、その興奮が繊維を伝わっていく性質がある。またその生体電流が細胞組織の乱れで、細胞組織のイオン配列の障害となってスムーズに流れなくなると、人間が本来持っている自然治癒力が低下し、病気の原因にもなっていた。それで生体電流に近い微弱電流を体外から流してやることで、自然治癒力が高まることがピッツバーグ大学の研究結果で報告されており、その治療法として微弱電流療法(マイクロカレントセラピー)がある。その微弱電流療法によって、個々の細胞や組織が傷ついた場合に、体外から微弱(=損傷)電流を人工的に流してやることで、その修復に必要なエネルギーを供給するATP(アデノシン三燐酸)酵素の生成や、たんぱく質の合成等が促進されて自然治癒力が高まり、治癒(回復)が速まることが証明されている。そして微弱電流治療器として、微弱電流発生装置が開発され製品化されている。
ピエゾ効果を利用して圧電体に加える圧力で起電させる方法を、図7に基づいて説明すると、図7(a)において、圧電体の表面に矢印(↓)の圧電体を圧縮する力(圧縮応力)が加わると、図のように圧電体が縮む方向にひずみ、その際に起電流iを起電する。次に圧縮する力を取り去ると圧電体は元の形に戻り、その際に逆向きの起電流iを起電する。また図7(b)において、圧電体の表面に矢印(↓&↑)の圧電体を曲げる力(せん断応力)が加わると、図のように圧電体が曲がる方向にひずみ、その際に起電流iを起電する。次に曲げる力を取り去ると圧電体は元の形に戻り、その際に逆向きの起電流iを起電する。この場合前記の圧縮する力でひずむ変位量に比べて、曲げる力でひずむ変位量の方がはるかに大きいため、曲げによる力で起電する起電流の方がはるかに大きくなる。
【0012】
図4は、本発明を実施する圧電体4の構成例を示したものである。図4(a)(b)において、厚さ約0.07mm、直径40mmの黄銅でなる基板4bの上面中央に約0.06mm厚で直径30mmの圧電セラミック4A又は圧電フィルム4Bを設け、その圧電セラミック4A又は圧電フィルム4Bの上面全域を、銀でなる電極4aで厚膜印刷(シルクスクリーン印刷)して数10ミクロンの厚みに設けて構成したものである。その構成において、基板4bを金属で形成した場合は、黄銅、アルミ、銅、合金でなる42ALLOY等で形成でき、また基板4bを薄いプラスチック材でその面上に導電性のカーボン等を成膜して構成してもよい。また基板4b全体を導電ゴム材で形成して構成してもよい。基板4bの厚みとしては、適当に撓んで弾性を持つ厚みであればよく、金属板で形成した場合は実施例として0.5〜0.3mm以下で0.1mm以下であれば最もよい。圧電体4を形成する圧電(ピエゾ)セラミック4Aとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の他に、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、ニオブ酸リチウム等を焼結して分極処理したもので構成でき、また圧電(ピエゾ)フィルム4Bとしては、フィルム状のポリフッ化ビニリデン(PVDF)等で構成して実施できる。いずれの物質も圧力を加えることで、物質内に電気分極が生じて起電流を発生する。
図4(c)は、基板4bを設けず、圧電(ピエゾ)フィルム4Bのみで構成して実施するものである。例えば米国MSI(Measurement Specialties. Inc)社が製品化しているポリフッ化ビニリデン(PVDF)でなる圧電(ピエゾ)フィルム4Bは、その圧電フィルム自体が適当に撓んで弾性を持つため、前実施例の構成のように基板4bを設けなくても、その圧電(ピエゾ)フィルム4B自体が外力や圧力によって撓んで起電流を発生する。そしてその外力や圧力を取り去ると元の形状に戻ろうとして逆向きの起電流を発生する。圧電(ピエゾ)フィルム4Bは引張りによっても起電流を発生し、圧電(ピエゾ)フィルム4Bは前記の圧電(ピエゾ)セラミック4Aと比べて、10倍以上の起電圧を発生させることができる。そのため本発明を圧電(ピエゾ)フィルム4Bで構成して実施すれば少ない面積分で済み、その厚みも28μm、52μm、110μmと非常に薄くてかさばらずに実施できる。尚、基板4b及び圧電(ピエゾ)セラミック4Aや圧電(ピエゾ)フィルム4Bの外形形状は、円形状のみに限らず、横長の楕円形状や方形形状等に形成して構成し実施してもよい。また基板4bを2枚の圧電(ピエゾ)セラミック4Aや圧電(ピエゾ)フィルム4Bでサンドイッチ状に挟んで設けた構成(バイモルフ型)で実施してもよい。この構成であれば約2倍の起電力(起電流)が得られる。
【0013】
図5は、前述の圧電体4を実際にサポータ体1に設けた実施例の構成を示したものである。図5(a)のようにサポータ体1の中央部分に圧電体4を設け、その電極4aと基板4bに導電線6aと導電線6bを各々接続し、その導電線6aと導電線6bの一方の端部を導電性の電極部5Aと電極部5Bに接続しており、
その電極部5Aと電極部5Bにはそれぞれ凸部5a,5a・・・5aを設けてあり、その凸部5a,5a・・・5aをサポータ体1に設けた開口部1d、1d・・・1dから突出させて設けた構成である。その構成により図10(b)に示すように、圧電体4を設けた部分が腰部に当接するようにサポータ体1を腰周りに装着させると、その状態での様々な体の動き、腰を曲げたり伸ばしたり、しゃがんだり立ち上がったり、又は腹式呼吸をすると、腰に捲いたサポータ体1の腰部分に圧力が加わるため、その都度当接する腰部から圧電体4を撓ませる圧力が加わり、その圧電体4には前述の図7(a)(b)に示したひずみの変位が起こるため、その起こるひずみの変位ごとに圧電体4には微弱な起電流が発生する。そして図5(c)に示すように、その起電した微弱電流は電極部5Aに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Bに設けた凸部5a,5a・・・5aから接面する腰部の皮膚組織内へと深く流れ、本構成によって常温で且つ無電源で微弱電流の施療ができる。本発明の構成では、体の動きに追従して起電し微弱電流が発生するため、体内に流れる生体電流に連動し、その皮膚組織への刺激効果は増幅されて促進することになる。(既存の微弱電流発生装置は、体の動きに連動して微弱電流を発生するものではない)腰部には胃兪、腎兪、命門、次りょうといった代表的なつぼがあり、前記の凸部5a,5a・・・5aを各つぼに当接するように配設して構成してもよい。腰痛に苦しむ人は少なくなく、しかもその腰痛になる部位は腰内部の深い所に疾患や炎症がある場合が多く、本発明の構成によってそういった腰痛の緩和や施療が可能である。
【0014】
図6は、圧電体を利用した他の実施例の構成を示したもので、電極部5Aと電極部5Bをサポータ体1の両端部にも設け、図6(b)に示すようにサポータ体1を腰に捲いた状態で、腰部と腹部に電極部5Aに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Bに設けた凸部5a,5a・・・5aとが当接するように構成したものである。この構成であれば、サポータ体1の中央部の1ヵ所に設けた1つの圧電体4で、その圧電体4の部分に圧力を加えることで、腰部と腹部に同時に微弱電流を流して施療できる。
【0015】
図11(a)(b)は、圧電体を利用した他の実施例の構成を示したもので、図11(a)に示すように、背部に当接する電極部5Aと電極部5Bを設けることで、その部位間でも同時に微弱電流を流して施療が可能である。背部には身柱、肺兪、心兪、膵兪、肝兪、天宗といった代表的なつぼがあり、その部位に凸部5a,5a・・・5aが各当接するように構成してもよい。図11(b)は、サポータ体1を伸縮する円筒状に形成し、そのサポータ体1を手首に装着した実施例の構成を示したものである。例えば腱鞘炎になった場合、その疾患のある部位には刺激を与えられにくくなかなか治り難いが、本発明の構成により手首の深部へ微弱電流の刺激を加えることができ、その部位の痛みの緩和や治りを速くすることが可能である。元々微弱電流施療はアスリートやプロスポーツ選手が打撲やじん帯損傷などの治療に使われてるもので、ワールドカップイングランド代表のベッカム選手が骨折治療に取り入れ短期間で治療したことが知られている。また微弱電流施療で美白効果もあることが知られている。本発明の構成は手首の他に足首や太ももやふくらはぎや膝や肘等にも装着して実施してよい。尚、電極部5A、5Bはアルミ等の金属材や導電ゴムや導電プラスチック、プラスチック材にアルミ蒸着したもの等で形成して実施でき、その形状も凸部5a,5a・・・5aを設けず平板状で、その平板面が体表面に接面するように構成して実施してもよい。また電極部5A、5Bを設ける箇所も実施例の箇所に限らず、適当な箇所に適当数設けてよく、適所に異極同士の電極部5A、5Bを散在させて設けてもよい。また圧電体4の起電した微弱電流でもって点灯するLEDをサポータ体1に設けて構成してもよく、サポータ体1に設ける圧電体4も1個に限らず複数個設けて構成してもよい。
【0016】
図8、図9は、異種の金属間にイオン化傾向の作用で流れる微弱電流を利用するものである。イオン化傾向が異なる金属でなる電極部5Cと電極部5Dとの間に導電線6を接続すると、その電極部5Cと電極部5Dとの間に起電流が発生し、図8(a)に示すように、電極部5Cと電極部5Dをサポータ体1の中央部に設け、前実施例と同様電極部5Cに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Dに設けた凸部5a,5a・・・5aを腰部に当接するように構成すれば、当接する両部位間に閉回路が形成され、腰部の皮膚組織内へとその起電する微弱電流を流すことができる。図9に示した構成では、イオン化傾向が異なる金属でなる電極部5Cと電極部5Dをサポータ体1の両端部にも設け、その両電極部5C、5Dを導電線6で接続して構成したものである。その実施例の構成によって、接面する腰部と腹部の皮膚組織内へと同時に起電する微弱電流を流すことができる。イオン化傾向としては、イオン化傾向の小さい金属から大きい金属に順に並べると、金→銀→銅→鉛→ニッケル→鉄→亜鉛→アルミニウム→チタン→マグネシウム→ナトリウムとなり、このうち汎用性があり導電性が高い銅とアルミニウム、銅とチタンの組合せで電極部5Cと電極部5Dを構成して実施することができる。本実施例の構成を前実施例と同様、手首や足首や太ももやふくらはぎや膝や肘等に装着して実施することができる。また各実施例を構成する電極部5Aと電極部5B及び電極部5Cと電極部5Dを平板状に形成し、その平板面が体表面に接面するように構成して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)本発明の1実施例の正面図(b)(c)X-Y方向の縦断面図
【図2】(a)(c)本発明の1実施例の正面図(b)(d)(e)X-Y方向の縦断面図
【図3】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図
【図4】(a)(c)本発明の1実施例の側面図(b)本発明の1実施例の平面図
【図5】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図(c)本発明を実施した状態の横断面図
【図6】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明を実施した状態の横断面図
【図7】(a)(b)本発明の原理を説明する側面図
【図8】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図(c)本発明を実施した状態の横断面図
【図9】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明を実施した状態の横断面図
【図10】(a)(b)本発明を実施した状態の正面図
【図11】(a)本発明を実施した状態の正面図(b)本発明を実施した状態の斜視図
【符号の説明】
【0018】
1 : サポータ体
1a : ポケット部
1b : 凸部
1c : 係止部
1d : 開口部
2 : 熱伝導板
2A : (2Bと異極の)導電性の熱伝導板
2B : (2Aと異極の)導電性の熱伝導板
2a : 凸部
3 : 熱電対
3a : (3bと異なる)金属線
3b : (3aと異なる)金属線
4 : 圧電体
4A : 圧電セラミック
4B : 圧電フィルム
4a : 電極
4b : 基板
5 : 電極部
5A : (5Bと異極の)電極部
5B : (5Aと異極の)電極部
5C : (5Dと異種金属の)電極部
5D : (5Cと異種金属の)電極部
5a : 凸部
6 : 導電線
6a : (6bと異極の)導電線
6b : (6aと異極の)導電線
7 : カイロ
【技術分野】
【0001】
本発明は、体に装着して体表面に温熱や押圧や温灸や微弱電流の電気的刺激を同時に加えて施療する健康サポータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康を促進する療法に温熱療法があり、体表面に温熱を加えることで、その温められた部位が温熱による血管拡張作用で血行が良くなり、そしてコラーゲン線維の柔軟化作用で筋肉の疲れやコリを取り、神経痛、筋肉痛の痛みの緩和や疲労回復に効果がある。また腹部を温めれば胃腸の働きを活発にできる。
【0003】
また健康を促進する療法につぼ療法があり、体表面にあるつぼを刺激することで、そのつぼに対応した体の各機能が活性化される。つぼを刺激する方法には、押圧の刺激を与える方法(指圧等)、熱の刺激を与える方法(温灸等)、電気的刺激を与える方法(磁気、低周波電流、微弱電流)の3通りがある。(磁気は磁界の中で発生する微小な起電流を利用するものである)
また健康体を維持するには、余分な脂肪がつかないようにダイエットが必要で、体脂肪が増えすぎると糖尿病や高血圧や高脂血症など、さまざまな生活習慣病を引き起こし易くなる。そのため余分な脂肪を燃焼させる必要があるが、体脂肪は体温の上昇と十分な酸素がないと燃焼できない。そして脂肪の燃焼には脂肪細胞の中の脂肪分解酵素であるリパーゼが脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解して起こるが、体脂肪を分解するリパーゼは体温の上昇により活性化するため、体温を上昇させることが必要であり、体脂肪はおへその周りから溜め込まれるため、腹部についた皮下脂肪を積極的に燃焼して分解させることが必要である。
そこで従来の温熱用具やダイエット器具を検証すると、温熱用具としては体表面に直接貼る温熱シップがあり、その発生する温熱によってその部位の温熱施療のみが可能である。また腹部の脂肪を取るダイエット器具として、ベルトに温熱ヒーターを設けたものや、振動装置(EMS)を設けたものがあるが、いずれもACアダプタや電池などの電源が必要であり、ACアダプタを接続するものでは、ベルトを装着したまま自由に動けなく長時間装着しての施療ができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の現状に鑑みてなされたもので、体に装着するサポータにおいて、温熱や押圧や温灸や微弱電流の電気的刺激を幾つか組合せた施療を、無電源でもって同時に且つ効果的に実施できる健康サポータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するために、物性が持つ熱伝導性、熱電対のゼーベック効果、圧電体のピエゾ効果、異種金属間のイオン化傾向の作用を利用して、本発明を構成し実施するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の健康サポータは、物性が持つ熱伝導性や微弱電流を起電する各効果と作用を利用するもので、本発明の構成は無電源で温熱、押圧、温灸、微弱電流の電気的刺激の施療を幾つか組合せて同時に効率良く効果的に施療が可能である。特に本発明では、腰痛や腱鞘炎といった深い部分の疾患や炎症でも、その部位に起電した微弱電流の電気的刺激を加えて施療でき、従来に無い非常に安価で簡単な構成で効果的な施療が半永久的に可能である。
【実施例】
【0007】
本発明を図面を基に説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1実施例を示すもので、腰に巻くサポータ体1をナイロン素材で図のように横幅70〜100cm(Mサイズ:70〜85cm、Lサイズ:80〜100cm)に形成し、その内側中央部に別体のカイロ7を挿脱して収納するポケット部1aを設ける。そのポケット部1aの表面に図1(b)に示すように突出する複数の凸部1b、1b・・・1bを設ける。そしてサポータ体1の両端部に互いに係止する面ファスナー(登録商標:マジックテープ)1c、1cを設けて構成したものである。この構成において、市販のカイロを封を切って袋から出して空気に触れる状態にして、図1(b)(c)に示すようにポケット部1a内にカイロ7を収納すると、カイロ7は空気中の酸素と化学反応を起こして発熱を始める。そして図10(a)に示すように、ポケット部1aの表面が腹部に当接するようにサポータ体1を腰に捲き、両端部の係止部1c、1cを互いに係止してサポータ体1を胴周りに固定すると、その状態でカイロ7から発熱する熱はポケット部1aの表面と接面する腹部の皮膚面を温め始める。そしてその温められた皮膚の皮下組織では、カイロ7の温熱により前述の温熱療法効果が得られ血行が促進される。そして腹部の皮下脂肪は温熱によって燃焼し易くなり、高い温度に長時間温められるその皮膚組織内では、余分な皮下脂肪が積極的に燃焼され続ける。そしてポケット部1aに設けた突出する凸部1b、1b・・・1bによって、当接する皮膚面を押圧するため、その部位において押圧効果が得られると共に、その部位は突出する凸部1bで窪んだ状態に保たれるため、その部位での熱はこもったまま逃げられなく、周りの面よりも高温ポイントになるため、その当接する部位では温灸効果も得られる。図1(c)は、凸部1b、1b・・・1bを熱伝導率の高い鉄やアルミなどの金属球を設けて構成したものである。その構成では熱伝導率の高い凸部1b、1b・・・1bは、周りの面よりもさらに高温になるため、その部位でのさらに高い温灸効果が得られる。尚、腹部には代表的なつぼとして、大巨、天枢、中かん、水分、気海、関元などあり、そのつぼの部位に当接するように凸部1b、1b・・・1bを配設して構成してもよい。またポケット部1a及び凸部1bを遠赤外線を照射する素材で形成して構成してもよい。皮膚面に当接する凸部1b、1b・・・1bの高さは2mm以上あれば好ましい。
【0009】
図2は、本発明の第2実施例を示すもので、カイロ7を収納するポケット部1a内に、熱伝導率の高いアルミ材でなる熱伝導板2を設けたものである。カイロ7から発熱した熱は、接面する熱伝導率の低い空気やナイロン布よりも、熱伝導率の高いアルミ材でなる熱伝導板2へと吸熱されて伝導するため、その構成によりカイロ7から発熱した熱をより効果的に接面する体表面へと伝導できる。そのため前実施例より高い温熱効果が得られる。図2(a)(b)に示す実施例ではポケット部1aのナイロン布を介して熱を伝導しており、その構成では柔らかい温熱効果と、熱伝導板2に設けた凸部2a,2a・・・2aからの柔らかい押圧効果と温灸効果が得られる。図2(c)に示す実施例ではポケット部1aに複数の開口部1d、1d・・・1dを設けており、その開口部1d、1d・・・1dから熱伝導板2に設けた凸部2a,2a・・・2aを突出させて構成したものである。その構成では図2(d)に示すように、突出する凸部2a,2a・・・2aの部位は、周りの面よりもさらに高温になるため、その凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と高い温灸効果が得られる。図2(e)は、熱伝導板2に材質の違う球状の凸部2a,2a・・・2aを設けて構成したものである。例えば熱伝導板2をアルミ材で形成し、凸部2a,2a・・・2aを鉄材やチタン材で形成して構成することができる。前構成と同様にその凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と高い温灸効果が得られる。
【0010】
図3は、ポケット部1a内に導電性の熱伝導板2A,2Bを設け、熱伝導板2Aと熱伝導板2Bとを熱電対3で接続して構成したものである。2つの金属線3aと金属線3bを接合してなる熱電対3において、その接合部を図3(b)の様にポケット部1aの中央部に設け、その接合部がカイロ7に直に接触するように構成する。そして金属線3aと金属線3bの一方の端部を熱伝導板2Aと熱伝導板2B内に各埋設して構成する。その構成において、直接カイロ7の面に接触する金属線3aと金属線3bの接合部と、熱伝導板2Aと熱伝導板2B内に埋設した金属線3aと金属線3bの各端部とでは、両部位に温度差ができるため、ゼーベック効果により金属線3aと金属線3bとの間に微弱な起電流が発生する。その起電した微弱電流は、体表面に当接する熱伝導板2Aの凸部2a,2a・・・2aと熱伝導板2Aの凸部2a,2a・・・2aとの間で閉回路が形成されるため、その微弱電流が当接する皮膚組織内へと流れる。そのためその構成で微弱電流施療(マイクロカレントセラピー)が可能である。構成する金属線3aと金属線3bとの組合せは、例えばクロメルとアルメル、鉄とコンスタンタン、銅とコンスタンタンの組合せで構成して実施が可能である。本実施例の構成では、カイロ7による温熱効果、凸部2a,2a・・・2aによる押圧効果と温灸効果、さらに熱電対3による微弱電流の電気的刺激効果を同時に加えて施療することができる。
【0011】
図4〜図9に示す実施例の構成は、常温で物性が持つ起電作用を利用するもので、結晶体や磁器材料でなる圧電体に圧力を加えると起電するピエゾ効果や、異種金属間に起きるイオン化作用で起電するイオン化傾向の性質がある。そのピエゾ効果やイオン化傾向の作用を利用して起電した微弱電流を体内に流せば、前実施例と同様に微弱電流の施療効果が得られる。体内には100〜200μAの生体電流が流れており、神経繊維や筋繊維では微弱な電流刺激によって、その細胞膜に一連の電気的変化が生じ、1ヵ所に生じた電気的変化により隣接部が刺激されて次々と興奮を起こし、その興奮が繊維を伝わっていく性質がある。またその生体電流が細胞組織の乱れで、細胞組織のイオン配列の障害となってスムーズに流れなくなると、人間が本来持っている自然治癒力が低下し、病気の原因にもなっていた。それで生体電流に近い微弱電流を体外から流してやることで、自然治癒力が高まることがピッツバーグ大学の研究結果で報告されており、その治療法として微弱電流療法(マイクロカレントセラピー)がある。その微弱電流療法によって、個々の細胞や組織が傷ついた場合に、体外から微弱(=損傷)電流を人工的に流してやることで、その修復に必要なエネルギーを供給するATP(アデノシン三燐酸)酵素の生成や、たんぱく質の合成等が促進されて自然治癒力が高まり、治癒(回復)が速まることが証明されている。そして微弱電流治療器として、微弱電流発生装置が開発され製品化されている。
ピエゾ効果を利用して圧電体に加える圧力で起電させる方法を、図7に基づいて説明すると、図7(a)において、圧電体の表面に矢印(↓)の圧電体を圧縮する力(圧縮応力)が加わると、図のように圧電体が縮む方向にひずみ、その際に起電流iを起電する。次に圧縮する力を取り去ると圧電体は元の形に戻り、その際に逆向きの起電流iを起電する。また図7(b)において、圧電体の表面に矢印(↓&↑)の圧電体を曲げる力(せん断応力)が加わると、図のように圧電体が曲がる方向にひずみ、その際に起電流iを起電する。次に曲げる力を取り去ると圧電体は元の形に戻り、その際に逆向きの起電流iを起電する。この場合前記の圧縮する力でひずむ変位量に比べて、曲げる力でひずむ変位量の方がはるかに大きいため、曲げによる力で起電する起電流の方がはるかに大きくなる。
【0012】
図4は、本発明を実施する圧電体4の構成例を示したものである。図4(a)(b)において、厚さ約0.07mm、直径40mmの黄銅でなる基板4bの上面中央に約0.06mm厚で直径30mmの圧電セラミック4A又は圧電フィルム4Bを設け、その圧電セラミック4A又は圧電フィルム4Bの上面全域を、銀でなる電極4aで厚膜印刷(シルクスクリーン印刷)して数10ミクロンの厚みに設けて構成したものである。その構成において、基板4bを金属で形成した場合は、黄銅、アルミ、銅、合金でなる42ALLOY等で形成でき、また基板4bを薄いプラスチック材でその面上に導電性のカーボン等を成膜して構成してもよい。また基板4b全体を導電ゴム材で形成して構成してもよい。基板4bの厚みとしては、適当に撓んで弾性を持つ厚みであればよく、金属板で形成した場合は実施例として0.5〜0.3mm以下で0.1mm以下であれば最もよい。圧電体4を形成する圧電(ピエゾ)セラミック4Aとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の他に、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛、ニオブ酸鉛、ニオブ酸リチウム等を焼結して分極処理したもので構成でき、また圧電(ピエゾ)フィルム4Bとしては、フィルム状のポリフッ化ビニリデン(PVDF)等で構成して実施できる。いずれの物質も圧力を加えることで、物質内に電気分極が生じて起電流を発生する。
図4(c)は、基板4bを設けず、圧電(ピエゾ)フィルム4Bのみで構成して実施するものである。例えば米国MSI(Measurement Specialties. Inc)社が製品化しているポリフッ化ビニリデン(PVDF)でなる圧電(ピエゾ)フィルム4Bは、その圧電フィルム自体が適当に撓んで弾性を持つため、前実施例の構成のように基板4bを設けなくても、その圧電(ピエゾ)フィルム4B自体が外力や圧力によって撓んで起電流を発生する。そしてその外力や圧力を取り去ると元の形状に戻ろうとして逆向きの起電流を発生する。圧電(ピエゾ)フィルム4Bは引張りによっても起電流を発生し、圧電(ピエゾ)フィルム4Bは前記の圧電(ピエゾ)セラミック4Aと比べて、10倍以上の起電圧を発生させることができる。そのため本発明を圧電(ピエゾ)フィルム4Bで構成して実施すれば少ない面積分で済み、その厚みも28μm、52μm、110μmと非常に薄くてかさばらずに実施できる。尚、基板4b及び圧電(ピエゾ)セラミック4Aや圧電(ピエゾ)フィルム4Bの外形形状は、円形状のみに限らず、横長の楕円形状や方形形状等に形成して構成し実施してもよい。また基板4bを2枚の圧電(ピエゾ)セラミック4Aや圧電(ピエゾ)フィルム4Bでサンドイッチ状に挟んで設けた構成(バイモルフ型)で実施してもよい。この構成であれば約2倍の起電力(起電流)が得られる。
【0013】
図5は、前述の圧電体4を実際にサポータ体1に設けた実施例の構成を示したものである。図5(a)のようにサポータ体1の中央部分に圧電体4を設け、その電極4aと基板4bに導電線6aと導電線6bを各々接続し、その導電線6aと導電線6bの一方の端部を導電性の電極部5Aと電極部5Bに接続しており、
その電極部5Aと電極部5Bにはそれぞれ凸部5a,5a・・・5aを設けてあり、その凸部5a,5a・・・5aをサポータ体1に設けた開口部1d、1d・・・1dから突出させて設けた構成である。その構成により図10(b)に示すように、圧電体4を設けた部分が腰部に当接するようにサポータ体1を腰周りに装着させると、その状態での様々な体の動き、腰を曲げたり伸ばしたり、しゃがんだり立ち上がったり、又は腹式呼吸をすると、腰に捲いたサポータ体1の腰部分に圧力が加わるため、その都度当接する腰部から圧電体4を撓ませる圧力が加わり、その圧電体4には前述の図7(a)(b)に示したひずみの変位が起こるため、その起こるひずみの変位ごとに圧電体4には微弱な起電流が発生する。そして図5(c)に示すように、その起電した微弱電流は電極部5Aに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Bに設けた凸部5a,5a・・・5aから接面する腰部の皮膚組織内へと深く流れ、本構成によって常温で且つ無電源で微弱電流の施療ができる。本発明の構成では、体の動きに追従して起電し微弱電流が発生するため、体内に流れる生体電流に連動し、その皮膚組織への刺激効果は増幅されて促進することになる。(既存の微弱電流発生装置は、体の動きに連動して微弱電流を発生するものではない)腰部には胃兪、腎兪、命門、次りょうといった代表的なつぼがあり、前記の凸部5a,5a・・・5aを各つぼに当接するように配設して構成してもよい。腰痛に苦しむ人は少なくなく、しかもその腰痛になる部位は腰内部の深い所に疾患や炎症がある場合が多く、本発明の構成によってそういった腰痛の緩和や施療が可能である。
【0014】
図6は、圧電体を利用した他の実施例の構成を示したもので、電極部5Aと電極部5Bをサポータ体1の両端部にも設け、図6(b)に示すようにサポータ体1を腰に捲いた状態で、腰部と腹部に電極部5Aに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Bに設けた凸部5a,5a・・・5aとが当接するように構成したものである。この構成であれば、サポータ体1の中央部の1ヵ所に設けた1つの圧電体4で、その圧電体4の部分に圧力を加えることで、腰部と腹部に同時に微弱電流を流して施療できる。
【0015】
図11(a)(b)は、圧電体を利用した他の実施例の構成を示したもので、図11(a)に示すように、背部に当接する電極部5Aと電極部5Bを設けることで、その部位間でも同時に微弱電流を流して施療が可能である。背部には身柱、肺兪、心兪、膵兪、肝兪、天宗といった代表的なつぼがあり、その部位に凸部5a,5a・・・5aが各当接するように構成してもよい。図11(b)は、サポータ体1を伸縮する円筒状に形成し、そのサポータ体1を手首に装着した実施例の構成を示したものである。例えば腱鞘炎になった場合、その疾患のある部位には刺激を与えられにくくなかなか治り難いが、本発明の構成により手首の深部へ微弱電流の刺激を加えることができ、その部位の痛みの緩和や治りを速くすることが可能である。元々微弱電流施療はアスリートやプロスポーツ選手が打撲やじん帯損傷などの治療に使われてるもので、ワールドカップイングランド代表のベッカム選手が骨折治療に取り入れ短期間で治療したことが知られている。また微弱電流施療で美白効果もあることが知られている。本発明の構成は手首の他に足首や太ももやふくらはぎや膝や肘等にも装着して実施してよい。尚、電極部5A、5Bはアルミ等の金属材や導電ゴムや導電プラスチック、プラスチック材にアルミ蒸着したもの等で形成して実施でき、その形状も凸部5a,5a・・・5aを設けず平板状で、その平板面が体表面に接面するように構成して実施してもよい。また電極部5A、5Bを設ける箇所も実施例の箇所に限らず、適当な箇所に適当数設けてよく、適所に異極同士の電極部5A、5Bを散在させて設けてもよい。また圧電体4の起電した微弱電流でもって点灯するLEDをサポータ体1に設けて構成してもよく、サポータ体1に設ける圧電体4も1個に限らず複数個設けて構成してもよい。
【0016】
図8、図9は、異種の金属間にイオン化傾向の作用で流れる微弱電流を利用するものである。イオン化傾向が異なる金属でなる電極部5Cと電極部5Dとの間に導電線6を接続すると、その電極部5Cと電極部5Dとの間に起電流が発生し、図8(a)に示すように、電極部5Cと電極部5Dをサポータ体1の中央部に設け、前実施例と同様電極部5Cに設けた凸部5a,5a・・・5aと電極部5Dに設けた凸部5a,5a・・・5aを腰部に当接するように構成すれば、当接する両部位間に閉回路が形成され、腰部の皮膚組織内へとその起電する微弱電流を流すことができる。図9に示した構成では、イオン化傾向が異なる金属でなる電極部5Cと電極部5Dをサポータ体1の両端部にも設け、その両電極部5C、5Dを導電線6で接続して構成したものである。その実施例の構成によって、接面する腰部と腹部の皮膚組織内へと同時に起電する微弱電流を流すことができる。イオン化傾向としては、イオン化傾向の小さい金属から大きい金属に順に並べると、金→銀→銅→鉛→ニッケル→鉄→亜鉛→アルミニウム→チタン→マグネシウム→ナトリウムとなり、このうち汎用性があり導電性が高い銅とアルミニウム、銅とチタンの組合せで電極部5Cと電極部5Dを構成して実施することができる。本実施例の構成を前実施例と同様、手首や足首や太ももやふくらはぎや膝や肘等に装着して実施することができる。また各実施例を構成する電極部5Aと電極部5B及び電極部5Cと電極部5Dを平板状に形成し、その平板面が体表面に接面するように構成して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(a)本発明の1実施例の正面図(b)(c)X-Y方向の縦断面図
【図2】(a)(c)本発明の1実施例の正面図(b)(d)(e)X-Y方向の縦断面図
【図3】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図
【図4】(a)(c)本発明の1実施例の側面図(b)本発明の1実施例の平面図
【図5】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図(c)本発明を実施した状態の横断面図
【図6】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明を実施した状態の横断面図
【図7】(a)(b)本発明の原理を説明する側面図
【図8】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明の1実施例の一部横断面の平面図(c)本発明を実施した状態の横断面図
【図9】(a)本発明の1実施例の正面図(b)本発明を実施した状態の横断面図
【図10】(a)(b)本発明を実施した状態の正面図
【図11】(a)本発明を実施した状態の正面図(b)本発明を実施した状態の斜視図
【符号の説明】
【0018】
1 : サポータ体
1a : ポケット部
1b : 凸部
1c : 係止部
1d : 開口部
2 : 熱伝導板
2A : (2Bと異極の)導電性の熱伝導板
2B : (2Aと異極の)導電性の熱伝導板
2a : 凸部
3 : 熱電対
3a : (3bと異なる)金属線
3b : (3aと異なる)金属線
4 : 圧電体
4A : 圧電セラミック
4B : 圧電フィルム
4a : 電極
4b : 基板
5 : 電極部
5A : (5Bと異極の)電極部
5B : (5Aと異極の)電極部
5C : (5Dと異種金属の)電極部
5D : (5Cと異種金属の)電極部
5a : 凸部
6 : 導電線
6a : (6bと異極の)導電線
6b : (6aと異極の)導電線
7 : カイロ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に突出する複数の凸部(1b、1b・・・1b)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態でカイロから発熱する温熱の刺激と、前記凸部(1b、1b・・・1b)による押圧の刺激と温灸の刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項2】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に複数の凸部(2a,2a・・・2a)を形成した熱伝導板(2)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態でカイロから発熱する温熱の刺激と、前記凸部(2a,2a・・・2a)による押圧の刺激と温灸の刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項3】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に熱で起電する熱電対(3)と、該熱電対(3)に導通して通電される導電性の熱伝導板(2:2A,2B)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記熱伝導板(2:2A,2B)からカイロの発熱する温熱の刺激と熱電対(3)で起電する微弱電流の電気的刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項4】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)の適所に体の動きで加わる圧力で起電する圧電体(4)と、該圧電体(4)に導通して通電される導電性の電極部(5:5A,5B)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記電極部(5:5A,5B)から圧電体(4)で起電する微弱電流の電気的刺激を体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項5】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)の適所に異種の金属でなる電極部(5:5C,5D)を設け、該電極部(5:5C,5D)同士を導電線(6)で接続し、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記電極部(5:5C,5D)からイオン化傾向の作用で流れる微弱電流の電気的刺激を体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項1】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に突出する複数の凸部(1b、1b・・・1b)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態でカイロから発熱する温熱の刺激と、前記凸部(1b、1b・・・1b)による押圧の刺激と温灸の刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項2】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に複数の凸部(2a,2a・・・2a)を形成した熱伝導板(2)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態でカイロから発熱する温熱の刺激と、前記凸部(2a,2a・・・2a)による押圧の刺激と温灸の刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項3】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)に別体のカイロを挿脱して収納するポケット部(1a)を設け、該ポケット部(1a)に熱で起電する熱電対(3)と、該熱電対(3)に導通して通電される導電性の熱伝導板(2:2A,2B)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記熱伝導板(2:2A,2B)からカイロの発熱する温熱の刺激と熱電対(3)で起電する微弱電流の電気的刺激を同時に体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項4】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)の適所に体の動きで加わる圧力で起電する圧電体(4)と、該圧電体(4)に導通して通電される導電性の電極部(5:5A,5B)を設け、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記電極部(5:5A,5B)から圧電体(4)で起電する微弱電流の電気的刺激を体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【請求項5】
体に装着するサポータにおいて、サポータ体(1)の適所に異種の金属でなる電極部(5:5C,5D)を設け、該電極部(5:5C,5D)同士を導電線(6)で接続し、サポータ体(1)を体に装着した状態で前記電極部(5:5C,5D)からイオン化傾向の作用で流れる微弱電流の電気的刺激を体表面に加えて施療するようにした健康サポータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−54329(P2007−54329A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243548(P2005−243548)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(594195797)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(594195797)
【Fターム(参考)】
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