説明

充電回路およびそれを利用した電子機器

【課題】過電圧入力に対する耐性を有しつつも、回路面積を縮小した充電回路を提供する。
【解決手段】スイッチングトランジスタM1は、高耐圧素子で構成される。パルス変調器10は、誤差増幅器EA1〜EA3の出力電圧VERR1〜VERR3を合成した電圧VERRに応じたデューティ比を有するパルス信号S1を生成する。逆流防止回路12は、(1)VIN>VBATのとき、アノードが入力端子P1側の向きで設けられたボディダイオードD1と並列な第1スイッチSW1をオンし、(2)VBAT>VINのとき、カソードが入力端子P1側の向きで設けられたボディダイオードD2と並列な第2スイッチSW2をオンする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次電池を充電する充電回路に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ、ポータブルオーディオプレイヤをはじめとする電池駆動デバイスは、充電可能な2次電池とともに、それを充電するための充電回路を内蔵する。充電回路は、外部のACアダプタやUSBバスから直流電圧を受け、それにもとづいて2次電池を充電する。
【0003】
図1は、本発明者らが検討した充電回路を備える電子機器の構成を示す回路図である。電子機器1は、2次電池2およびそれを充電する充電回路100rを備える。充電回路100rには、ACアダプタやUSBバスをはじめとする外部電源4からの直流電圧VINが入力される。
【0004】
充電回路100rは、主としてOVP(Over Voltage Protection)回路50、DC/DCコンバータ60、リニアチャージャー70を備える。
【0005】
外部電源4からの直流電圧VINのレベルは、電子機器1の仕様もしくは規格によって定められている。しかしながら、サードパーティ製の粗悪な外部電源4は、仕様で定められた範囲外の高い直流電圧VINを発生する場合がある。OVP回路50は、このような過電圧から充電回路100rの内部回路を保護するために設けられる。
【0006】
OVP回路50は、高耐圧トランジスタ52、比較器54、チャージポンプ回路56を備える。高耐圧トランジスタ52はNPN型のパワートランジスタであり、その耐圧は想定される入力電圧VINの過電圧レベルに応じて定められる。たとえば24V程度の高耐圧素子で構成される。比較器54は、入力電圧VINを過電圧しきい値電圧VTHと比較し、VIN>VTHを検出すると、過電圧保護信号SOVPをアサートする。チャージポンプ回路56は、過電圧保護信号SOVPがネゲートされる間、つまり入力電圧VINが正常な範囲である場合には、昇圧動作を行い、高耐圧トランジスタ52にハイレベルのゲート電圧を供給し、高耐圧トランジスタ52をフルオンする。これにより入力電圧VINが、次段のDC/DCコンバータ60に供給される。
【0007】
過電圧保護信号SOVPがアサートされると、つまり入力電圧VINの過電圧状態が検出されると、チャージポンプ回路56は昇圧動作を停止し、高耐圧トランジスタ52のゲート電圧を低下させて高耐圧トランジスタ52をオフする。これにより、過電圧がDC/DCコンバータ60に供給されるのを防止できる。
【0008】
DC/DCコンバータ60は、OVP回路50を経由した入力電圧VINを降圧し、直流電圧VDCを生成する。リニアチャージャー70は、直流電圧VDCを受け、2次電池2を充電する。リニアチャージャー70は、出力トランジスタ72および制御回路74を備える。出力トランジスタ72は、DC/DCコンバータ60の出力から2次電池2に至る充電経路上に設けられる。制御回路74は、2次電池2に対する充電電流ICHGに応じた電流検出信号CSと、電池電圧VBATに応じた電圧検出信号VSとにもとづき、出力トランジスタ72のチャンネルの抵抗成分(ドレインソース間電圧)を調節する。制御回路74は、(1)充電電流ICHGが一定となるように(CV:定電流モード)、もしくは(2)電池電圧VBATが一定となるように(CV:定電圧モード)、出力トランジスタ72のゲート電圧を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−60977号公報
【特許文献2】特開2006−304500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図1の充電回路100では、少なくとも4個のパワートランジスタ、具体的には、OVP回路50の高耐圧トランジスタ52、リニアチャージャー70の出力トランジスタ72、DC/DCコンバータ60の内部に図示しないスイッチングトランジスタおよび同期整流トランジスタが必要となる。
【0011】
パワートランジスタは、半導体基板で非常に大きな面積を占める。したがって図1の充電回路100rを半導体基板に集積化する場合、充電回路100rのチップサイズは大きくなる。また、図1の充電回路100rでは、高耐圧トランジスタ52および出力トランジスタ72のオン抵抗によって電力損失が発生するところ、電力損失を低減するためにはトランジスタサイズをさらに大きくしなければならず、充電回路100rのチップサイズはますます大きくなる。
【0012】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、過電圧入力に対する耐性を有しつつも、回路面積を縮小した充電回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある態様は、直流の入力電圧を受け電池を充電する充電回路に関する。充電回路は、入力電圧を受ける入力端子と、インダクタの一端を接続するためのスイッチング端子と、入力端子とスイッチング端子の間に設けられ、高耐圧素子で構成されたスイッチングトランジスタと、スイッチング端子と接地端子の間に設けられた同期整流トランジスタと、入力端子からスイッチングトランジスタに流れる入力電流に応じた第1検出電圧と所定の第1基準電圧の誤差に応じた第1誤差電圧を生成する第1誤差増幅器と、電池の電圧に応じた第2検出電圧と所定の第2基準電圧の誤差に応じた第2誤差電圧を生成する第2誤差増幅器と、電池に流れる充電電流に応じた第3検出電圧と所定の第3基準電圧の誤差に応じた第3誤差電圧を生成する第3誤差増幅器と、第1誤差電圧から第3誤差電圧を合成した電圧に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、該パルス信号にもとづき、スイッチングトランジスタおよび同期整流トランジスタを相補的にスイッチングするドライバと、スイッチングトランジスタのバックゲートとソースの間に設けられた第1スイッチと、スイッチングトランジスタのバックゲートとドレインの間に設けられた第2スイッチと、入力電圧と電池の電圧を比較し、(1)入力電圧の方が高いとき、第1スイッチおよび第2スイッチのうち、アノードが入力端子側の向きで設けられたボディダイオードと並列な一方をオン、他方をオフし、(2)電池の電圧の方が高いとき、第1スイッチおよび第2スイッチのうち、カソードが入力端子側の向きで設けられたボディダイオードと並列な一方をオンし、他方をオフする逆流防止回路と、を備える。
【0014】
この態様によると、パワートランジスタは、スイッチングトランジスタおよび同期整流トランジスタの2つで足りるため、回路面積を縮小できる。また過電圧入力に対する耐性は、スイッチングトランジスタを高耐圧素子で構成することにより実現される。さらに、逆流防止回路によって、入力端子の地絡を検出でき、地絡時にはスイッチングトランジスタのボディダイオードの向きを切りかえることにより、電池から接地に大電流が流出するのを防止できる。
【0015】
ある態様の充電回路は、入力電圧を所定のしきい値電圧と比較し、入力電圧がしきい値電圧より高いときにアサートされる過電圧検出信号を生成する過電圧検出コンパレータをさらに備えてもよい。ドライバは、過電圧検出信号がアサートされると、スイッチングトランジスタをオフに固定してもよい。
この場合、過電圧が同期整流トランジスタに印加されるのを防止でき、より信頼性を高めることができる。
【0016】
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、電池と、外部電源からの入力電圧を受け、電池を充電する充電回路と、を備える。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、過電圧入力に対する耐性を有しつつも、回路面積を縮小できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明者らが検討した充電回路を備える電子機器の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態に係る充電回路を備える電子機器の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0021】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0022】
図2は、実施の形態に係る充電回路100を備える電子機器1の構成を示す回路図である。電子機器1は、たとえば携帯電話端末や、PDA、ノート型PCなどの電池駆動型の情報端末機器である。電子機器1は、充電回路100および電池2、を備える。
【0023】
電池2は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの2次電池であり電池電圧VBATを出力する。電子機器1には、ACアダプタやUSB(Universal Serial Bus)などの外部電源4が着脱可能なアダプタ端子3が設けられており、外部電源4からの電圧(以下、外部電圧という)VEXTを受ける。
【0024】
充電回路100の入力端子P1には、外部電圧VEXT(入力電圧VINともいう)が入力される。充電回路100は、入力電圧VINを降圧し、電池2を充電する。
【0025】
充電回路100は、スイッチングトランジスタM1、同期整流トランジスタM2、第1誤差増幅器EA1〜第3誤差増幅器EA3、パルス変調器10、ドライバ11、逆流防止回路12、過電圧検出コンパレータ14、を備える。
【0026】
充電回路100は、ひとつの半導体基板上に集積化された機能IC(Integrated Circuit)であり、外付けされるインダクタL1およびキャパシタC1とともに、降圧型DC/DCコンバータを構成する。キャパシタC1の第1端子は接地され、その第2端子は電池2と接続される。インダクタL1は、キャパシタC1の第1端子と充電回路100のスイッチング端子P2の間に設けられる。
【0027】
スイッチングトランジスタM1は、入力端子P1とスイッチング端子P2の間に設けられ、高耐圧素子で構成される。本実施の形態においてスイッチングトランジスタM1はPチャンネルMOSFETである。同期整流トランジスタM2は、スイッチング端子P2と接地端子P3の間に設けられる。同期整流トランジスタM2はNチャンネルMOSFETである。
【0028】
第1誤差増幅器EA1は、入力端子P1からスイッチングトランジスタM1に流れる入力電流IINに応じた第1検出電圧V1と所定の第1基準電圧VREF1の誤差に応じた第1誤差電圧VERR1を生成する。第2誤差増幅器EA2は、電池2の電圧(電池電圧VBAT)に応じた第2検出電圧V2と所定の第2基準電圧VREF2の誤差に応じた第2誤差電圧VERR2を生成する。第3誤差増幅器EA3は、電池2に流れる充電電流ICHGに応じた第3検出電圧V3と所定の第3基準電圧VREF3の誤差に応じた第3誤差電圧VERR3を生成する。
【0029】
パルス変調器10は、第1誤差電圧VERR1から第3誤差電圧VERR3を合成した電圧VERRを受け、電圧VERRに応じたデューティ比を有するパルス信号S1を生成する。たとえば誤差増幅器EA1〜EA3は、いずれもオープンコレクタ形式(オープンドレイン)の出力段を備え、各ドレインが共通に接続されることにより、3つの誤差増幅器EA1〜EA3の出力電圧VERR1〜VERR3が合成される。パルス変調器10は、電圧モード、あるいはピーク電流モード、平均電流モードのパルス幅変調器を備える。パルス幅変調器は公知の技術を用いて構成できるため、ここでは説明を省略する。ドライバ11は、パルス信号S1にもとづき、スイッチングトランジスタM1および同期整流トランジスタM2を相補的にスイッチングする。
【0030】
第1スイッチSW1は、スイッチングトランジスタM1のバックゲートとソースの間に設けられる。第2スイッチSW2は、スイッチングトランジスタM1のバックゲートとドレインの間に設けられる。
【0031】
逆流防止回路12は、入力電圧VINと電池電圧VBATを比較し、比較結果に応じて第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を制御する。具体的には(1)入力電圧VINの方が高いとき、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のうち、アノードが入力端子P1側の向きで設けられたボディダイオードD1と並列な一方(第1スイッチSW1)をオン、他方(第2スイッチSW2)をオフする。逆流防止回路12は、(2)電池電圧VBATの方が高いとき、第1スイッチSW1および第2スイッチSW2のうち、カソードが入力端子P1側の向きで設けられたボディダイオードD2と並列な一方(SW2)をオンし、他方(SW1)をオフする。
【0032】
過電圧検出コンパレータ14は、入力電圧VINを所定のしきい値電圧VOVPと比較し、入力電圧VINがしきい値電圧VOVPより高いときにアサート(たとえばハイレベル)される過電圧検出信号S2を生成する。ドライバ11は、過電圧検出信号S2がアサートされると、スイッチングトランジスタM1をオフに固定する。
【0033】
以上が充電回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
【0034】
アダプタ端子3に外部電源4が接続されると、充電回路100に入力電圧VINが供給される。入力電圧VINが5V程度の正常なレベルであるとき、VBAT<VIN<VOVPが成り立ち、第1スイッチSW1がオンされる。
【0035】
電池電圧VBATが低い状態においては、第3誤差増幅器EA3を介したフィードバックが支配的となり、パルス信号S1のデューティ比は、充電電流ICHGが基準電圧VREF3に応じた一定値となるように調節される。電池電圧VBATがある程度高くなると、第2誤差増幅器EA2を介したフィードバックが支配的となり、パルス信号S1のデューティ比は、電池電圧VBATが基準電圧VREF2に応じたレベルとなるように調節される。また、入力電流IINが大きくなると第1誤差増幅器EA1を介したフィードバックが支配的となり、入力電流IINが基準電圧VREF1に応じた上限値以下となるように調節される。
【0036】
このようにして、入力電流を制限しつつ、定電流制御、定電圧制御が行われ、電池2が充電される。
【0037】
外部電源4が粗悪品である場合、入力電圧VINが30V近くまで上昇することがある。この場合にも、スイッチングトランジスタM1が高耐圧素子で構成されるため、充電回路100の信頼性は保たれる。このとき、過電圧検出コンパレータ14によってスイッチングトランジスタM1をオフすることにより、同期整流トランジスタM2には過電圧が印加されないため、同期整流トランジスタM2の耐圧は低くてよい。
【0038】
アダプタ端子3が地絡したり、入力電圧VINが極端に低い状況を考える。この場合、スイッチングトランジスタM1がオフ状態であっても、ダイオードD2、第1スイッチSW1、入力端子P1を介して、電池2からアダプタ端子3に向かって大電流が流れるおそれがある。
【0039】
そこで、逆流防止回路12は、2つの電圧VINとVBATを比較することにより、入力電圧VINが低い状態を検出する。そして、VIN<VBATを検出すると、第1スイッチSW1をオフ、第2スイッチSW2をオンに切りかえる。これにより、ダイオードD1によって、電池2からアダプタ端子3に向かって流れる電流を阻止することができる。
【0040】
以上が充電回路100の動作である。
充電回路100は、2個のパワートランジスタ(M1、M2)を用いて構成され、図1の4個に比べてその個数は半減されている。したがって、充電回路100の回路面積を大幅に縮小することができる。
【0041】
また、図1のOVP回路50を省略する代わりに、スイッチングトランジスタM1を高耐圧素子で構成することにより、スイッチングトランジスタM1を、図1の高耐圧トランジスタ52としても機能させることができる。その結果、粗悪な外部電源4が接続されて過電圧が印加された場合であっても、充電回路100の信頼性が低下するのを防止できる。
【0042】
また、図1の充電回路100rでは、DC/DCコンバータ60により直流電圧VDCを生成した上で、リニアチャージャー70によって電池2を充電していたため、リニアチャージャー70の制御回路74と、DC/DCコンバータ60の制御回路(不図示)が別々に存在するためシステムが複雑であったが、図2の充電回路100では、DC/DCコンバータによって充電制御を行うため、システムを簡素化できる。
【0043】
さらに、図1では、充電経路上に存在する高耐圧トランジスタ52および出力トランジスタ72により無駄な電力損失が発生していたが、図2の充電回路100では、これらのトランジスタは不要であるため、消費電力を低減し、効率を高めることができる。
【0044】
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0045】
実施の形態では、過電圧が入力されたときには、スイッチングトランジスタM1をオフに固定し、充電を停止する場合を説明したが、過電圧が入力された状態であっても、充電動作を行ってもよい。この場合、同期整流トランジスタM2も、高耐圧素子で構成すればよい。
【0046】
また、実施の形態では、スイッチングトランジスタM1がPチャンネルMOSFETである場合を説明したが、NチャンネルMOSFETで構成してもよい。この場合、PチャンネルMOSFETとはボディダイオードの向きが逆となるため、逆流防止回路12によるスイッチの制御は実施の形態とは逆となる。
【0047】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0048】
1…電子機器、2…電池、4…外部電源、100…充電回路、M1…スイッチングトランジスタ、M2…同期整流トランジスタ、SW1…第1スイッチ、SW2…第2スイッチ、P1…入力端子、P2…スイッチング端子、P3…接地端子、EA1…第1誤差増幅器、EA2…第2誤差増幅器、EA3…第3誤差増幅器、10…パルス変調器、11…ドライバ、12…逆流防止回路、14…過電圧検出コンパレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流の入力電圧を受け電池を充電する充電回路であって、
前記入力電圧を受ける入力端子と、
インダクタの一端を接続するためのスイッチング端子と、
前記入力端子と前記スイッチング端子の間に設けられ、高耐圧素子で構成されたスイッチングトランジスタと、
前記スイッチング端子と接地端子の間に設けられた同期整流トランジスタと、
前記入力端子から前記スイッチングトランジスタに流れる入力電流に応じた第1検出電圧と所定の第1基準電圧の誤差に応じた第1誤差電圧を生成する第1誤差増幅器と、
前記電池の電圧に応じた第2検出電圧と所定の第2基準電圧の誤差に応じた第2誤差電圧を生成する第2誤差増幅器と、
前記電池に流れる充電電流に応じた第3検出電圧と所定の第3基準電圧の誤差に応じた第3誤差電圧を生成する第3誤差増幅器と、
前記第1誤差電圧から前記第3誤差電圧を合成した電圧に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、
前記パルス信号にもとづき、前記スイッチングトランジスタおよび前記同期整流トランジスタを相補的にスイッチングするドライバと、
前記スイッチングトランジスタのバックゲートとソースの間に設けられた第1スイッチと、
前記スイッチングトランジスタのバックゲートとドレインの間に設けられた第2スイッチと、
前記入力電圧と前記電池の電圧を比較し、(1)前記入力電圧の方が高いとき、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのうち、アノードが前記入力端子側の向きで設けられたボディダイオードと並列な一方をオン、他方をオフし、(2)前記電池の電圧の方が高いとき、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチのうち、カソードが前記入力端子側の向きで設けられたボディダイオードと並列な一方をオンし、他方をオフする逆流防止回路と、
を備えることを特徴とする充電回路。
【請求項2】
前記入力電圧を所定のしきい値電圧と比較し、前記入力電圧が前記しきい値電圧より高いときにアサートされる過電圧検出信号を生成する過電圧検出コンパレータをさらに備え、
前記ドライバは、前記過電圧検出信号がアサートされると、前記スイッチングトランジスタをオフに固定することを特徴とする請求項1に記載の充電回路。
【請求項3】
電池と、
外部電源からの入力電圧を受け、前記電池を充電する請求項1または2に記載の充電回路と、
を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−21815(P2013−21815A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153241(P2011−153241)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】