説明

充電装置

【課題】デジタルカメラの機種に応じた充電制御を行う。
【解決手段】デジタルカメラ10がプリンタドック12にセットされると、プリンタドック12はデジタルカメラ10に電源を供給するとともに、デジタルカメラ10の二次電池を充電する。デジタルカメラ10がプリンタドック12による充電制御に対応する機種か否かを判別する。デジタルカメラ10が固有の充電制御回路を内蔵しない場合、プリンタドック12の充電制御回路を用いて充電する。デジタルカメラ10が固有の充電制御回路を有する場合、プリンタドック12の充電制御回路を停止して充電電力を供給する。充電状態の表示形態は両機種で同一とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電装置、特にデジタルカメラ等の携帯機器を充電する際に、携帯機器の仕様に応じた充電を行う装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラには、ニッケル水素電池(Ni−MHバッテリ)やリチウムイオン電池(Li−ionバッテリ)等の二次電池が組み込まれており、外部電源から電力を供給して充電を行う。デジタルカメラをプリンタドックにセットするだけで簡易にデジタルカメラで撮影した画像を印刷出力できるシステムが提案されており、プリンタドックにデジタルカメラをセットしたときに同時にプリンタドックからデジタルカメラに電力を供給してデジタルカメラの二次電池を充電する技術も搭載されている。
【0003】
一方、プリンタドックにセットすべきデジタルカメラには種々の仕様が存在し、かつ、順次新しい機能が搭載されている。したがって、プリンタドック側としては、これら種々のデジタルカメラに対して広範に対応できることが望ましい。
【0004】
下記の特許文献には、PHSに関するものであるが、充電対応型PHSであるか否かを識別し、充電対応型PHSである場合には充電電圧を5Vとし、充電非対応型である場合には充電電圧を3.8Vに切り替える技術が記載されている。充電対応型であるか否かは、PHS側からPIAFSコネクタを介してPCカードに送信し、PCカード側でいずれの型であるかを識別して充電電圧を切り替える。
【0005】
【特許文献1】特開2002−300234号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、固有の充電制御装置を備えたデジタルカメラも存在しており、充電制御装置を有していないデジタルカメラと充電制御装置を有するデジタルカメラが混在している状況にある。充電制御装置を有していないデジタルカメラがプリンタドックに制御された場合、プリンタドック側の充電制御装置で充電状態を制御しつつデジタルカメラの二次電池を充電できるが、固有の充電制御装置を有するデジタルカメラがセットされた場合には、単に充電電圧を切り替えるだけではなく、デジタルカメラ側の固有の充電制御装置を効率的に活用できることが望ましい。また、ユーザは単にデジタルカメラをプリンタドックにセットするだけでその二次電池が充電されることを欲していると考えられ、ユーザにとってはそのデジタルカメラが充電制御装置を有しているか否かにかからわず同一の手順により自動充電されることが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、異なる仕様を有する機器がセットされた場合でも、確実にその二次電池を充電できる装置を提供することにある。また、異なる仕様を有する機器がセットされた場合でも、同一の手順あるいは態様でその二次電池を充電できる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、二次電池を有する携帯機器と電気的に接続される充電装置であって、前記携帯機器との接続のための少なくとも第1と第2の電気接点と、前記第1の電気接点に接続された前記携帯機器内の二次電池を充電制御するための充電制御手段と、前記第2の電気接点に接続された定電圧電力供給手段と、前記携帯機器内の前記二次電池の充電制御が必要か否かを検出する検出手段とを有しており、接続された前記携帯機器内の前記二次電池が充電制御を必要とすることが検出された場合には前記第1の電気接点を通じて前記携帯機器内の前記二次電池を充電制御し、前記携帯機器内の前記二次電池が充電制御を必要としないことが検出された場合には前記第2の電気接点を通じて電力の供給のみを行い、前記二次電池の充電制御は行わないことを特徴とする。
【0009】
本発明では、携帯機器の二次電池が充電装置側の充電制御を必要とするか否かを検出し、必要とする場合には充電装置側の充電制御手段を用いて二次電池を充電し、必要としない場合に携帯機器側の充電制御手段を用いるべく充電装置側の充電制御装置を動作させず電力の供給のみを行う。したがって、いずれの機種が充電装置にセットされても、携帯機器の二次電池を充電することができる。二次電池の充電状態は、充電装置側の表示手段で表示するが、このときの表示形態をいずれの機種においても同一形態とすると、ユーザは機種の相違を意識せずに充電状態を確認できる。本発明における携帯機器の一例はデジタルカメラであり、充電装置の一例はデジタルカメラがセットされるプリンタドックである。プリンタドックは、デジタルカメラ内の画像データを印刷するプリント機能と、セットされたデジタルカメラの二次電池を充電する充電機能を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、異なる仕様を有する携帯機器がセットされた場合でも、確実にその二次電池を充電できる。また、いずれの機種がセットされてもその充電状態の表示形態を同一とするため、ユーザは仕様あるいは機種の相違を意識することなく、同一の手順で携帯機器の二次電池を充電できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について、デジタルカメラを充電するプリンタドックを例にとり説明する。
【0012】
図1は、本実施形態のシステムを示す。デジタルカメラ10とプリンタドック12から構成される。
【0013】
デジタルカメラ10は、その内部にリチウムイオン電池あるいはニッケル水素電池等の二次電池を有する。撮影された画像データはメモリカード、あるいは内部のフラッシュメモリに格納される。画像データを印刷する場合、ユーザはデジタルカメラ10をプリンタドック12の所定位置にセットする。
【0014】
プリンタドック12は、デジタルカメラ10のメモリに格納された画像データを受信して印刷する印刷機能と、デジタルカメラ10の二次電池を充電する充電機能、及びデジタルカメラ10に動作用の定電圧を供給する電圧供給機能を有する。デジタルカメラ10をプリンタドック12のカメラコネクタ28及びカメラ取付ピン30を介してセットすると、デジタルカメラ10の電源は内蔵の二次電池ではなくプリンタドック12側から供給されることとなる。デジタルカメラ10をプリンタドック12にセットした状態でプリントボタン20を操作すると、デジタルカメラ10のメモリに格納された画像データに基づいて印刷処理が実行され、用紙トレイ18に予めセットされた用紙に印刷されて出力される。印刷処理では、印刷が完了して排紙されるまでに用紙が複数回(例えば4回)往復し、順次イエロー、マゼンダ、シアンの層が印刷され、最後に保護層がコーティングされて排紙される。印刷すべき画像の選択は、プリントボタン20の近傍に配置された選択ボタンの操作により行われる。選択ボタンを操作することで、デジタルカメラ10の背面LCDには撮影画像が順次表示され、ユーザはLCDを視認して印刷すべき画像を確認する。印刷画像サイズは画像サイズボタン22を操作することで切替られ、現在の画像サイズは画像サイズ表示部24に表示される。充電時には、充電状態が充電表示部14に表示される。充電表示部14は、直線上に配列した3個のLEDから構成され、充電状態に応じて発光するLEDの数が制御される。すなわち、充電初期には1個のLEDが発光し、充電が進むにつれて2個、3個のLEDが発光する。3個のLEDの発光で充電完了を示す。なお、プリンタドック12にはコンピュータに接続するためのUSBコネクタ26が設けられている。プリンタドック12をコンピュータに接続して転送ボタン16を操作すると、画像データはプリンタドック12からコンピュータに転送され、この場合、プリンタドック12はデジタルカメラ10とコンピュータとを接続するUSBハブとして機能する。また、USB接続により、プリンタドック12はコンピュータから制御できるプリンタとしても機能する。さらに、プリンタドック12は、PictBridge互換のデジタルカメラを接続するためのUSBコネクタもまた有する。
【0015】
プリンタドック12は、このようにデジタルカメラ10がコネクタ28にセットされると、これを検出してデジタルカメラ10の二次電池の充電を開始するが、デジタルカメラ10の機種として、固有の充電制御装置を有する機種と充電制御装置を有しない機種がある。充電制御装置を有しない機種はプリンタドック12側の充電制御に対応する機種であり、固有の充電制御装置を有する機種はプリンタドック12側の充電制御に対応しない機種である。プリンタドック12は、セットされたデジタルカメラ10との間のデータ送受により、デジタルカメラ10がいずれの機種であるかを識別し、固有の充電制御装置の有無あるいはプリンタドック12側による充電制御への対応の有無に応じて充電方法を切り替える。
【0016】
図2は、プリンタドック12の構成ブロックを示す。プリンタドック12は、上記の印刷機能及び充電機能を実行するCPU(あるいはマイクロプロセッサ)40、ACアダプタ入力より必要な電源を生成するDC−DCコンバータ42、充電すべき二次電池の充電状態に応じた充電電流の制御や充電開始、終了を制御する充電制御回路44、及び上記の充電表示部14の表示を切り替える表示切替回路46を有する。
【0017】
固有の充電制御回路を有しないデジタルカメラ10Aは、二次電池50及び処理回路52を有する。処理回路52内のCPU54はデジタルカメラ10Aの各種機能を統合制御する。固有の充電制御回路を有するデジタルカメラ10Bも、二次電池60及び処理回路62を有する。処理回路62内には固有の充電制御回路64及びCPU66を有する。
【0018】
デジタルカメラ10Aあるいはデジタルカメラ10Bがプリンタドック12にセットされると、CPU54あるいはCPU66とプリンタドック12のCPU40との間で所定のプロトコルに従ったデータ送受が行われる。プロトコルには、電池の種類、容量あるいは充電制御の許可/禁止を送信する手順が含まれ、CPU54あるいはCPU66は、このプロトコルにしたがって充電制御装置の有無あるいは充電制御の許可/禁止をCPU40に送信する。CPU40は、このデータを受信することで充電制御回路44による充電制御を実行するか、あるいは禁止するかを決定して充電制御回路44の動作をON/OFF制御する。CPU54から充電制御の許可信号を受信すると、CPU40は充電制御回路44の動作を許可(ON)してデジタルカメラ10Aの二次電池50を充電する。二次電池50の充電は、二次電池50の種類や容量に応じ、充電電圧あるいは充電電流と充電時間を制御して行われる。一方、CPU66から充電制御の禁止信号を受信すると、CPU40は充電制御回路44の動作を禁止(OFF)してデジタルカメラ10BにDC−DCコンバータ42からの直流電力を供給する。データ送受によるCPU間のネゴシエーションにより充電制御の許可/禁止を識別する方法は一例であって、他の識別方法も可能である。例えば、プリンタドック12とデジタルカメラ10双方に専用端子を設け、プリンタドック12側の端子電位を検出することでセットされたデジタルカメラ10が充電制御対応機種か非対応機種かを識別してもよい。端子電位を用いた機種識別に関しては、さらに後述する。
【0019】
図3は、デジタルカメラ10Aをセットした場合の構成を示す。CPU54は、CPU40との間でデータ送受し、CPU40に対して充電制御の許可信号を送信する。CPU40は、この信号に基づき充電制御回路44の動作を許可する。デフォルト状態を充電制御の許可とし、CPU54から充電制御の禁止信号を受信しない限り充電制御回路44の動作を許可してもよい。DC−DCコンバータ42は、所定の直流電圧を生成して出力する。充電制御回路44は、DC−DCコンバータ42からの直流電圧を二次電池50に供給して充電する。二次電池50の充電状態は二次電池50の端子電圧に基づいて充電制御回路44で検出し、検出した充電状態に応じて表示切替回路46に指令する。二次電池50の端子電圧はCPU54からCPU40に送信し、CPU40が表示切替回路46に指令してもよい。表示切替回路46は、二次電池50の充電状態に応じて上記のように表示部14を構成する3個のLEDの発光数を制御する。ユーザは、プリンタドック12の表示部14を視認することで、デジタルカメラ10の二次電池50が充電されていること、及び充電の完了を知ることができる。なお、デジタルカメラ10Aをプリンタドック12にセットしている場合、デジタルカメラ10Aの二次電池50が満充電となるまで充電制御回路44により充電制御が実行されるが、プリンタドック12がプリント動作を開始した場合には、プリント動作中は充電制御回路44を休止状態とし、プリント動作を停止して一定時間経過後に充電制御を開始することが好適である。プリント動作と充電制御動作のタイミングをシフトさせることで、プリンタドック12の電源容量を抑制することができる。プリント動作中であるか否かはCPU40が監視し、プリント動作を開始するタイミングで充電制御回路44を動作状態から休止状態に制御し、プリント動作が完了してから一定時間経過後に再び充電制御回路44を休止状態から動作状態に制御する。あるいは、CPU40がデジタルカメラ10の電源がOFF状態であることを検出しているときに充電制御を行うようにしてもよい。デジタルカメラ10は、一定時間の無操作状態で電源ON状態から電源OFF状態(オートパワーセーブ)に移行する。デジタルカメラ10の電源OFF状態において充電制御を実行する。その後、ユーザがプリンタドック12のプリントボタン20を操作すると、イベントコマンドがプリンタドック12からデジタルカメラ10に送信され、デジタルカメラ10の電源がON状態となって撮影データがプリンタドック12側に送信されプリント動作が行われる。デジタルカメラ10の電源がON状態となったことをプリンタドック12のCPU40が検出すると、充電制御を休止する。
プリント動作中はデジタルカメラ10の電源はON状態であるため充電制御も休止状態を維持する。プリント動作が完了して一定時間経過すると、デジタルカメラ10の電源が再びOFF状態となる。プリンタドック12のCPU40は、このOFF状態を検出して再び充電制御を開始する。
【0020】
図4は、デジタルカメラ10Bをセットした場合の構成を示す。CPU66は、CPU40との間でデータ送受し、CPU40に対して充電制御の禁止信号を送信する。CPU40は、この信号に基づき充電制御回路44の動作を禁止する。DC−DCコンバータ42からの直流電圧がデジタルカメラ10Bの充電制御回路64に供給され、充電制御回路64で二次電池60の充電を制御する。二次電池60の充電状態は充電制御回路64で検出され、CPU66を介してCPU40に送信される。CPU40は、受信した充電状態に応じて表示切替回路46に指令する。表示切替回路46は、CPU40からの指令に応じて、表示部14を構成するLEDの発光数を制御する。なお、図ではDC−DCコンバータ42から直接デジタルカメラ10Bに充電電力が供給されているが、充電制御回路44を介してデジタルカメラ10Bに充電電力を供給してもよい。充電制御回路44はCPU40からの指令によりその動作を停止しているため充電制御は行わず、単に電力供給路として機能する。プリンタドック12は、デジタルカメラ10Bの充電制御は行わず、デジタルカメラ10Bに充電用の電圧と動作用の定電圧のみを異なる端子から供給する。
【0021】
このように、デジタルカメラ10Aがセットされた場合にはプリンタドック12の充電制御回路44を用いて二次電池50を充電し、デジタルカメラ10Bがセットされた場合にはプリンタドック12の充電制御回路44を動作させることなくデジタルカメラ10B固有の充電制御回路64を用いて二次電池60を充電するので、ユーザは自己の所有するデジタルカメラがいずれの機種であるかを意識することなくプリンタドック12にセットして充電することができる。さらに、本実施形態では、デジタルカメラ10Aあるいはデジタルカメラ10Bのいずれがセットされても、その充電状態が共に表示部14に表示されるため、ユーザは同一手順あるいは態様で自己のデジタルカメラを充電することができる。
【0022】
なお、デジタルカメラ10をプリンタドック12にセットすると、上記のようにデジタルカメラ10の電源は内蔵の二次電池からプリンタドック12の電源に切り替わる。すなわち、プリンタドック12は、デジタルカメラ10に動作電源を供給する。但し、デジタルカメラ10には、3.3Vで動作する(ニッケル水素電池)機種や、5Vで動作する(リチウムイオン電池)機種が存在するため、プリンタドック12からデジタルカメラ10に電源を供給する場合には、デジタルカメラ10の機種に応じた電圧に切り替える必要がある。もちろん、先に3.3Vを供給し、デジタルカメラ10のCPUとプリンタドック12のCPUとの間でデータ送受することで後から5Vに供給電圧を昇圧することも可能であるが、制御が複雑となる。また、デジタルカメラ10Bがプリンタドック12のコネクタ28に接続されていないときはデジタルカメラ10B内の充電機能を利用し、デジタルカメラ10Bがプリンタドック12のコネクタ28にセットされているときはプリンタドック12内の充電機能を利用することも可能である。この場合、デジタルカメラ10B単体で充電するときは小型のACアダプタや充電回路を利用することでやや充電時間は長くなるがデジタルカメラ10Bをコンパクトにでき、かつ、プリンタドック12上ではデジタルカメラ10B単体での充電よりも高速に充電することが可能である。また、デジタルカメラ10単体では実装が難しい、リフレッシュ機能(放電後再充電)の実装も、デジタルカメラ10単体ではなくプリンタドック12の充放電装置を利用することが好適である。
【0023】
そこで、本実施形態では、固有の充電制御装置の有無に応じて充電方法を切り替えるとともに、デジタルカメラ10のパワー電源を供給する際の供給電圧をデジタルカメラ10の機種に応じて自動的に切替制御する。
【0024】
図5は、プリンタドック12の他の構成を示す。プリンタドック12は、マイクロプロセッサ、DC−DCコンバータ、USBコネクタ及び各種端子を有する。各種端子は、カメラコネクタ28のそれぞれの端子に対応する。「CAM_PWR」はデジタルカメラ10に電源電圧を供給するための端子であり、この端子から5Vあるいは3.3Vの電圧が供給される。「GND」端子及び「BATT+」端子は、デジタルカメラ10の二次電池を充電するための端子であり、それぞれデジタルカメラ10の二次電池の端子に接続される。「CD1」、「CD2」、「CD3」は電源供給用の制御端子であり、「CD1」(第3端子)、「CD2」(第4端子)は、デジタルカメラ10をプリンタドック12にセットすることで短絡用抵抗を介して短絡される端子である。これらの端子は、電源電圧供給用端子や充電用端子とは別個に設けられる。短絡用抵抗は、デジタルカメラ10に設けられ、かつ、デジタルカメラ10の動作電圧が5Vであるか3.3Vであるかに応じて異なる抵抗値を有する。例えば、動作電圧5Vのデジタルカメラ10では短絡用抵抗R=10Kであり、動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10では短絡用抵抗R=51Kである。図には、動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cと動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dの短絡用抵抗Rが示されている。プリンタドック12のマイクロプロセッサ(μP)40は、短絡抵抗Rとプリンタドック12内の抵抗の分圧を検出して動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cあるいは動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dのいずれがセットされたかを識別する。すなわち、分圧をプロセッサ内のA/Dコンバータでデジタル値に変換し、デジタル値に基づいていずれがセットされたかを識別する。動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cがセットされた場合、マイクロプロセッサ40は、5V変換用スイッチング回路70を動作させてDC−DCコンバータからの直流電圧を5Vに変換して「CAM_PWR」端子から出力する。一方、動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dがセットされた場合、3.3V変換用スイッチング回路72を動作させてDC−DCコンバータからの直流電圧を3.3Vに変換して「CAM_PWR」端子から出力する。
【0025】
なお、「CD3」端子(第5端子)は、2重安全保護のための端子である。「CD3」端子に対応するデジタルカメラ側の端子には、動作電圧に応じた電圧が設定される。動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cの対応端子はオープンであり、動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dの対応端子はGNDに接続される。したがって、マイクロプロセッサ40は、「CD3」端子の電位を検出することで、「CD1」端子及び「CD2」端子からの信号に基づいて識別した結果をさらに検証することができる。具体的には、「CD1」、「CD2」端子の分圧に基づいて、セットされたデジタルカメラが動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cであると識別し、さらに「CD3」端子がオープン(ハイインピーダンス)であることを検出した場合にデジタルカメラ10Cがセットされていることを検証して供給電圧を5Vとする。「CD1」、「CD2」端子の分圧に基づいて、セットされたデジタルカメラが動作電圧5Vのデジタルカメラ10Cであると識別し、「CD3」端子がGNDであることを検出した場合には、セットされたのは動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dである可能性があるため、供給電圧を3.3Vに設定する。以上により、動作電圧3.3Vのデジタルカメラ10Dに対し、誤って5Vを供給してダメージを与えるおそれを防止できる。また、「SB」(第6端子)、「SCLK」(第7端子)はシリアル通信用の端子であり、これらの端子を用いてマイクロプロセッサ同士が2線式同期型シリアル通信を行い、二次電池50の種類、容量、デジタルカメラ10の充電必要性の有無、電池温度のデータを送受し、また、充電状態データを送受して充電表示を制御する。
【0026】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はデジタルカメラだけでなく、携帯情報端末や携帯音楽/映像再生機器、あるいは携帯電話などの携帯機器に広く適用することができる。また、本実施形態では、充電装置としてデジタルカメラで撮影された画像データを印刷する機能を有するプリンタドックを例示したが、充電機能のみを有していてもよい。また、本実施形態では、二次電池を有するデジタルカメラ10の場合について説明したが、1次電池を有するデジタルカメラ10がセットされた場合、そのデジタルカメラ10から電池の種類データが送信されてくるから、プリンタドック12のCPU40は充電制御を行わず、単に動作用の定電圧のみを供給する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態のシステム構成図である。
【図2】実施形態のブロック構成図である。
【図3】固有の充電制御回路を有しないデジタルカメラがセットされた場合の充電制御説明図である。
【図4】固有の充電制御回路を有するデジタルカメラがセットされた場合の充電制御説明図である。
【図5】他の実施形態の構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0028】
10 デジタルカメラ、10A デジタルカメラ(充電制御回路を有しない)、10B デジタルカメラ(充電制御回路を有する)、10C デジタルカメラ(動作電圧5V)、10D デジタルカメラ(動作電圧3.3V)、12 プリンタドック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を有する携帯機器と電気的に接続される充電装置であって、
前記携帯機器との接続のための少なくとも第1と第2の電気接点と、
前記第1の電気接点に接続された前記携帯機器内の二次電池を充電制御するための充電制御手段と、
前記第2の電気接点に接続された定電圧電力供給手段と、
前記携帯機器内の前記二次電池の充電制御が必要か否かを検出する検出手段と、
を有しており、接続された前記携帯機器内の前記二次電池が充電制御を必要とすることが検出された場合には前記第1の電気接点を通じて前記携帯機器内の前記二次電池を充電制御し、前記携帯機器内の前記二次電池が充電制御を必要としないことが検出された場合には前記第2の電気接点を通じて電力の供給のみを行い、前記二次電池の充電制御は行わないことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、さらに、
接続された前記携帯機器の充電状態を表示する表示手段であって、接続された前記携帯機器内の前記二次電池が充電制御を必要とする場合であっても必要としない場合であっても同一の表示形態で表示する表示手段
を有することを特徴とする充電装置。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかに記載の装置において、さらに、
前記二次電池の種類と容量を判別する判別手段と、
前記二次電池の種類と容量に応じて充電電圧あるいは充電電流と充電時間の少なくともいずれかを切り替える充電切替手段と、
を有することを特徴とする充電装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置において、
前記判別手段は、前記携帯機器がセットされた場合に前記携帯機器の対応する端子にそれぞれ接続される、前記第1及び第2の電気接点と異なる第3端子及び第4端子を有し、前記携帯機器がセットされた場合に前記第3端子と前記第4端子は前記携帯機器側の抵抗により短絡し、前記抵抗による分圧を検出することで前記二次電池の種類を判別することを特徴とする充電装置。
【請求項5】
請求項3記載の装置において、
前記判別手段は、前記携帯機器がセットされた場合に前記携帯機器の対応する端子にそれぞれ接続される、前記第1及び第2の電気接点と異なる第3端子及び第4端子を有し、前記携帯機器がセットされた場合に前記第3端子と前記第4端子は前記携帯機器側の抵抗により短絡し、前記抵抗による分圧を検出することで前記第2の電気接点が必要とする電圧を判別することを特徴とする充電装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置において、
前記判別手段は、さらに前記携帯機器がセットされた場合に前記携帯機器の対応する端子に接続される第5端子を有し、前記第5端子の電位が、判別された電位と相反しない電位であることで検証することを特徴とする充電装置。
【請求項7】
請求項5記載の装置において、
前記判別手段は、前記携帯機器がセットされた場合に前記携帯機器の対応する端子にそれぞれ接続される、前記第1及び第2の電気接点並びに第3端子及び第4端子と異なる第6端子及び第7端子によるシリアル通信部を有し、前記シリアル通信部を用いて前記二次電池の種類、容量、携帯機器の充電必要性の有無、充電表示の少なくともいずれかのデータを送受することを特徴とする充電装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の装置において、
前記携帯機器はデジタルカメラであり、
電気的に接続された前記デジタルカメラからの撮影データを受信して印刷するプリンタとしても機能することを特徴とする充電装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、
前記プリンタのプリント動作中は、前記二次電池の充電制御手段を休止状態とし、プリント動作を停止して一定時間後に充電制御を開始することを特徴とする充電装置。
【請求項10】
請求項8記載の装置において、
前記充電制御手段は、前記デジタルカメラの電源がOFF状態において充電制御を実行するものであり、前記プリンタのプリント動作中であって前記デジタルカメラの電源がON状態となっている間は前記充電制御を休止し、前記プリント動作が停止して前記デジタルカメラの電源がOFF状態となったときに充電制御を開始することを特徴とする充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−211858(P2006−211858A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23002(P2005−23002)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】