充電装置
【課題】より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮する。
【解決手段】車両1の底部にはバッテリを充電するための受電接続部10が設けられており、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて、充電装置2の給電接続部23が車両1に設けられた受電接続部10と接続する位置に移動して、給電接続部23と受電接続部10とが接続されるようになっている。
【解決手段】車両1の底部にはバッテリを充電するための受電接続部10が設けられており、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて、充電装置2の給電接続部23が車両1に設けられた受電接続部10と接続する位置に移動して、給電接続部23と受電接続部10とが接続されるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が予め定められた駐車位置に停車したことが検出されると、電動ロボットのアームを駆動して給電カプラを移動させ、給電カプラに設けられた発光素子から車両に設けられた受電カプラに設けられたリフレクタへ向けて光を射出させながら、このリフレクタにより反射した反射光を受光素子を用いて受光することにより車両に設けられた受電カプラの位置を算出し、給電カプラを受電カプラに嵌合させた後、自動充電を開始する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−93622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された装置では、車両が予め定められた駐車位置に停車したことが検出されてから、電動ロボットのアームを駆動して給電カプラを受電カプラに対して移動させ、給電カプラを受電カプラに嵌合させるようになっているので、車両を停車させてから給電カプラと受電カプラの接続が完了するまでに長い時間を要するといった問題がある。
【0005】
また、給電カプラと受電カプラを嵌合させるのに、発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御したりする必要があるため、構成および制御が複雑であるといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、充電スペースに設置され、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置であって、車両(1)には、バッテリを充電するための受電接続部(10、41)が設けられており、受電接続部(10、41)と接続される給電接続部(23、54)を有し、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部(23、54)を受電接続部(10、41)と接続する位置に移動させる給電接続部移動機構(20、21、22、52、53)を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部(23、54)が車両に設けられた受電接続部(10、41)と接続する位置に移動するので、特許文献1に記載された装置のように発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御させたりする必要がなく、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、受電接続部(10)は、車両(1)の底部に下方に突出するように設けられており、給電接続部移動機構(20、21、22)は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動する給電ステージ(22)を備え、給電ステージ(22)には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、給電接続部(23)は、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)における充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)により給電接続部(23)が車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に案内されるようになっていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、給電ステージ(22)は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動するようになっており、更に、給電ステージ(22)には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、給電接続部(23)は、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)における充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)により給電接続部(23)が車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に案内されるようになっているので、給電接続部(23)と受電接続部(10)の位置ずれを吸収して、給電接続部(23)を車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に正確に案内することが可能である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、車両(1)の底部には、当該車両の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、受電接続部(41)は、アーム(42)の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構(52、53)は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)上の第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されるようになっており、車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴としている。
【0012】
このように、車両(1)の底部には、当該車両(1)の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、受電接続部(41)は、アーム(42)の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構(52、53)は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)上の第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されており、車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動するように構成することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)の長手方向に移動可能に配置されるようになっており、
車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が第1の線状部材(52)の長手方向に移動してアーム(42)の先端に取り付けられた受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、給電接続部(54)が第1の線状部材(52)の長手方向に移動してアーム(42)の先端に取り付けられた受電接続部(41)と接続される位置に移動するので、第1の線状部材(52)に負荷をかけることなく、給電接続部(54)をスムーズに受電接続部(41)と接続される位置に移動させることができる。
【0015】
ところで、受電接続部(41)が給電接続部(54)の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部(41)が給電接続部(54)に引っ掛かって給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動できなくなることが考えられる。
【0016】
しかし、請求項5に記載の発明は、給電接続部(54)における充電スペースの出入り口側の面には、受電接続部(41)との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられているので、受電接続部(41)が給電接続部(54)に引っ掛かって給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動できなくなることを防止することができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、アーム(42)は、先端が上下に移動可能となっており、充電スペースへの車両(1)の入庫を検出する入庫検出手段を備え、入庫検出手段により充電スペースへの車両(1)の入庫が検出された場合、アーム(42)の先端が下降するように指示する信号を車両へ送出する第1のアーム配置指示手段(S102)を備えたことを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、充電スペースへの車両(1)の入庫が検出された場合、アーム(42)の先端が下降するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなくアーム(42)の先端を確実に下降させることができる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号を車両へ送出する第2のアーム配置指示手段(S110)を備えたことを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなく、アーム(42)の先端を確実に上昇させることができ、路上の突起部や落下物との衝突を防止することができる。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出する接続検出手段(50d)を備え、接続検出手段(50d)により給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたことが検出された場合、走行の停止を指示する信号を車両へ送出する走行停止指示手段(S105)を備えたことを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出された場合、走行の停止を指示する信号が車両へ送出されるので、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続された状態で、車両を停車させることが可能である。
【0023】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る充電装置により充電される車両1の底部に取り付けられた受電部の様子を示す図である。
【図4】アームについて説明するための図である。
【図5】受電接続部について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る充電装置の概略構成を示す図である。
【図7】給電接続部について説明するための図である。
【図8】充電装置のブロック構成を示す図である。
【図9】給電器における制御部のフローチャートである。
【図10】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図11】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図12】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図13】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図14】給電接続部と受電接続部の引っ掛かりを防止するための傾斜について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を図1、図2に示す。本充電装置は、プラグインハイブリッド車、電気自動車等の電動機を走行用の動力源として使用する車両1に搭載されたバッテリを充電するための装置である。図1は、側方より車両1および充電装置2を見た概略図、図2(a)、(b)は、鉛直方向から充電装置2を見下ろした概略図である。なお、図2には、後述する板状部材3を取り外した状態が示されており、また、車両1の位置が点線で示されている。また、図2(a)には、受電接続部10と給電接続部23とが接続される前の状態が示されており、図2(b)には、受電接続部10と給電接続部23とが接続された状態が示されている。
【0026】
図1に示すように、車両1の底部には、下方に突出するようにバッテリ(図示せず)を充電するための円柱状の受電接続部10が取り付けられている。この受電接続部10の車両前方の側面には、複数の電極が形成されており、これらの電極は、車両1に搭載されたバッテリ(図示せず)と接続されている。
【0027】
一方、充電装置2は、充電スペースに形成された穴部Hの底部に設置されている。なお、充電装置2の上方には、路面と同一高さで穴部Hを覆うように金属製の板状部材3が敷設されている。
【0028】
給電ステージ22の下方には、複数の支持部22bが延設されている。また、これらの支持部22bの下端は、空気バネを用いたアブソーバ21を介してリニアガイド20と接続されている。給電ステージ22は、リニアガイド20により充電スペースへの進入方向および左右方向に移動可能に支持されている。
【0029】
充電スペースに形成された穴部Hを覆うように敷設された板状部材3には開口部3aが形成されており、この開口部3aから給電ステージ22が地上に露出するようになっている。なお、開口部3aは、給電ステージ22が移動しても、板状部材3と支持部22bとが接触しない寸法となっている。
【0030】
また、充電装置2は、車両1への充電の開始または停止を制御するための制御装置(図示せず)を備えている。この制御装置により充電の開始、充電の停止等の制御が実施される。
【0031】
図2(a)に示すように、充電装置2は、3つのリニアガイド20、アブソーバ21および給電ステージ22を備えている。各リニアガイド20は、充電スペースの奥側(駐車方向の先方側)、充電スペースの右側、充電スペースの左側にそれぞれ配置されている。
【0032】
給電ステージ22は、各リニアガイド20および各アブソーバ21により充電スペースの前後方向および左右方向に移動可能に支持されている。
【0033】
給電ステージ22には、車両1の底部に取り付けられた受電接続部10の位置ずれを吸収するための切欠部Aが形成されている。この切欠部Aは、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなり、途中から受電接続部10の直径と同一幅となっている。
【0034】
切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端部には、充電のための電極(図示せず)および受電接続部10と給電接続部23の接続状態を検出するための接続センサ23aが設けられている。
【0035】
給電接続部23は、給電ステージ22上に形成された切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端部に配置されている。
【0036】
車両1の底部に設けられた受電接続部10は、切欠部Aにより給電接続部23へと案内され、図2(b)に示すように、給電接続部23の側面に車両1の底部に設けられた受電接続部10と給電接続部23とが当接すると、接続センサ23aにより受電接続部10と給電接続部23が接続したことが検出されるようになっている。
【0037】
なお、各リニアガイド20は、それぞれガイドレール20aを備えている。給電ステージ22が充電スペースの前後左右方向に移動すると、各リニアガイド20も、それぞれガイドレール20aに沿って移動するようになっている。
【0038】
上記した構成において、バッテリの充電のために車両1が前進して充電スペースに進入し、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられた受電接続部10が切欠部Aの側面に当接すると、給電ステージ22がガイドレール20aに沿って移動するとともに、各アブソーバ21が伸縮して給電ステージ22が前後方向および左右方向に移動する。
【0039】
そして、図2(a)に示したように、給電ステージ22に形成された切欠部Aにより給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に案内される。このように、給電接続部23と受電接続部10の位置ずれが吸収され、図2(b)に示したように、給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に正確に案内され、受電接続部10と給電接続部23とが嵌合し、受電接続部10に設けられた電極と給電接続部23に設けられた電極とが電気的に接続される。
【0040】
また、給電接続部23の側面に設けられた接続センサ23aにより、受電接続部10と給電接続部23の接続が検出されると、制御装置は車両1に搭載されたバッテリの充電を開始し、バッテリが満充電状態になったことを判定すると充電を停止する。
【0041】
上記した構成によれば、車両1には、バッテリを充電するための受電接続部10が設けられており、受電接続部10と接続される給電接続部23を有し、車両1の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部23が車両に設けられた受電接続部10と接続する位置に移動するので、特許文献1に記載された装置のように発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御させたりする必要がなく、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することができる。
【0042】
また、給電ステージ22は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動するようになっており、更に、給電ステージ22には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部Aが形成されており、給電接続部23は、給電ステージ22上に形成された切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ22に形成された切欠部Aにより給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に案内されるようになっているので、給電接続部23と受電接続部10の位置ずれを吸収して、給電接続部23を車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に正確に案内することが可能である。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る充電装置により充電される車両1の底部に取り付けられた受電部40の様子を図3に示す。この図3は、車両1の鉛直方向から車両1を見下ろした様子が図示されている。
【0044】
受電部40は、受電接続部41、アーム42およびアクチュエータ43により構成されている。
【0045】
受電接続部41は、車両1に搭載されたモータ1bに電力を供給するためのバッテリ1aを充電するためのものであり、T字形状のアーム42の先端に取り付けられている。
【0046】
受電接続部41とバッテリ1aとの間は、ワイヤハーネス44を介して接続されている。なお、アーム42は、中空形状となっており、この中空領域を利用してワイヤハーネス44が配設されている。
【0047】
アーム42の他端は、回転ヒンジにより回転可能に支持されている。図4に、図3中のC方向からアーム42を見た図を示す。この図に示すように、車両1の走行中には、アーム42の先端は車両1の底部に接触するように上昇している。また、車両1のバッテリ1aを充電するために車両1が充電スペースへ進入する前に、図中、点線で示すようにアーム42の先端側が下降するようになっている。すなわち、アーム42は、車両1の底部に、当該車両1の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するように配置されるようになっている。
【0048】
図5に、受電接続部41の斜視図を示す。図中、受電接続部41における左側面および右側面には、それぞれ受電側接続口41aが設けられている。これらの受電側接続口41aは、図示しないケーブルを介して車両1に搭載されたバッテリ1aに接続されている。
【0049】
また、図3に示したように、受電接続部41における車両1の前進方向側の側面には、後述する給電接続部54との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられている。
【0050】
図6に、本実施形態に係る充電装置の概略構成を示す。本充電装置5は、給電器50、3つのワイヤ巻き取り器51、ワイヤ52、53、給電接続部54および車輪検出センサ55により構成されている。
【0051】
給電器50は、充電の開始および停止を制御するものである。ワイヤ巻き取り器51は、いずれも伸長可能なワイヤ52、53の巻き取りを行うためのものであり、充電スペースへの進入方向の先方(駐車方向の奥)、充電スペースの右側、充電スペースの左側にそれぞれ配置されている。
【0052】
ワイヤ52の一端には充電スペースの右側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続され、ワイヤ52の他端には充電スペースの左側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続されている。
【0053】
また、ワイヤ52の中央付近には、給電接続部54が取り付けられている。本実施形態においては、給電接続部54は、ワイヤ52の長手方向に移動可能に取り付けられている。
【0054】
また、ワイヤ53の一端には、給電接続部54が移動可能に取り付けられており、ワイヤ53の他端には、充電スペースの奥側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続されている。本実施形態においては、ワイヤ53は中空状態となっており、この中空領域を利用して給電器50からのワイヤハーネスが設置されている。
【0055】
また、ワイヤ52、53は、それぞれ車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置されるようになっている。また、給電接続部54は、ワイヤ52上のワイヤ53が位置する部位に配置されるようになっている。
【0056】
各ワイヤ巻き取り器51は、それぞれアクチュエータを備えており、アクチュエータを駆動させることにより、ワイヤ52、53の巻き取りを行う。各ワイヤ巻き取り器51は、それぞれ給電器50と接続線(図示せず)を介して接続されており、給電器50からの指示に応じてワイヤ52、53の巻き取り、およびワイヤ52、53の繰り出しを行う。
【0057】
車輪検出センサ55は、充電スペースへの車両1の有無を検出するためのものである。本車輪検出センサ55は、充電スペースへの入口の路面に左右に設けられた板状の検出部を有しており、この板状の検出部の上を車両1の車輪が通過すると、車輪検出センサ55から給電器50へ検知信号が送出されるようになっている。給電器50は、この車輪検出センサ55より送出される検知信号に基づいて車両1が充電スペースに駐車しているか否かを認識することが可能となっている。
【0058】
充電スペースへ車両1が進入していない場合、ワイヤ52、53はそれぞれ弛んだ状態となっており、車輪検出センサ55により充電スペースへの車両1の進入が検知されると、各ワイヤ52、53は、各ワイヤ巻き取り器51により巻き取られ、車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置されるようになっている。
【0059】
図7に、給電接続部54の構成を示す。図に示すように、給電接続部54には、貫通穴54bが形成されており、この貫通穴54bにワイヤ52が挿通されている。
【0060】
また、図中、給電接続部54における左側面および右側面には、それぞれ給電側接続口54aが設けられている。これらの給電側接続口54aは、ケーブル(図示せず)を介して給電器50に接続されている。
【0061】
なお、給電接続部54に設けられた給電側接続口54aと受電接続部41に設けられた受電側接続口41aの各周囲には、それぞれ図示しない磁石が設けられており、これらの磁石の磁力により給電側接続口54aと受電側接続口41aとが互いに吸着するようになっている。
【0062】
また、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の側面には、車両1の底部に設けられた受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられている。
【0063】
図8に、充電装置5のブロック構成を示す。充電装置5は、充電スペースへ進入する車両の車輪を検出する車輪検出センサ55、給電接続部54と受電接続部41の接続を検出する接続センサ50d、無線信号の送受信を行う送受信機50b、充電の開始および停止の切替を行うための切替回路50cおよび制御部50aを備えている。
【0064】
制御部50aは、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして機能するもので、給電器50に内蔵されている。制御部50aのCPUは、メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0065】
また、車両1には、充電装置5と無線信号の送受信を行う送受信機45a、制御回路45、アーム42の先端を上下に移動させるアクチュエータ43が搭載されている。
【0066】
図9に、給電器50における制御部50aのフローチャートを示す。制御部50aは、図9に示す処理を定期的に実施する。以下、図10〜13を参照して、給電器50における制御部50aの処理について説明する。なお、図10、11、13は、給電接続部54と受電接続部41とが接続される様子を示した図であり、車両1の鉛直方向から車両1を見下ろした様子が示されている。また、図10、11、13では、車両1の底部に設けられた受電接続部41およびアーム42等の部分以外を透過するように図示してある。また、図12(a)〜(c)は、図3中のC方向から見た図である。
【0067】
まず、車両1が充電スペースへ進入したか否かを判定する(S100)。本実施形態では、車輪検出センサ55より入力される検知信号に基づいて車両1が充電スペースへ進入したか否かを判定する。
【0068】
ここで、車両1が充電スペースへ進入していない場合、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返し実施する。また、車両1が充電スペースへ進入すると、S100の判定はYESとなり、次に、アーム42の先端を下降させるように指示する信号を車両1へ送信する(S102)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を送受信機45aを介して受信すると、アクチュエータ43を予め定められた方向に回転させる。これにより、アーム42の先端が自動的に、図4の点線で示した位置に下降する。
【0069】
また、各ワイヤ52、53は、各ワイヤ巻き取り器51により巻き取られ、車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置される。
【0070】
次に、給電接続部54と受電接続部41とが接続されたか否かを判定する(S104)。本実施形態では、接続センサ50dより入力される信号に基づいて給電接続部54と受電接続部41とが接続されたか否かを判定する。なお、給電接続部54と受電接続部41とが接続されてない場合、S104の判定はNOとなり、S104の判定を繰り返し実施する。
【0071】
ここで、アーム42の先端が下降した状態で、図10に示すように、車両1が充電スペースへ進入すると、図11(a)に示すように、アーム42がワイヤ52に接触し、図11(b)に示すように、アーム42によりワイヤ52が下方へ押し下げられる。
【0072】
そして、図12に示すように、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられたアーム42がワイヤ52に引っ掛かる。
【0073】
そして、更に、車両1が前進し、図11(c)に示すように、アーム42によりワイヤ52が下方へ押し下げられると、図13に示すように、給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動する。そして、給電接続部54に設けられた給電側接続口54aと受電接続部41に設けられた受電側接続口41aとが電気的に接続される。なお、磁力により吸着給電側接続口54aと受電側接続口41aは磁力により吸着されるため、安定的に接続される。
【0074】
このように、給電接続部54と受電接続部41とが接続されると、S104の判定はYEとなり、次に、車両1に走行の停止を指示する信号を送出する(S105)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を受信すると、車両1のブレーキECUを制御して車両1の走行を停止させる。
【0075】
次に、充電を行う(S106)。具体的には、切替回路50cに充電の開始を指示する信号を送出することにより充電開始する。そして、充電を終了する場合には、切替回路50cに充電の終了を指示する信号を送出ことにより充電を終了する。
【0076】
このように、充電が終了すると、車両1に搭載された制御回路45より給電器50の制御部50aへ充電が終了したことが通知されるようになっている。制御部50aは、この通知を受けると、ワイヤ巻き取り器51に、各ワイヤ52、53の繰り出しを指示し、各ワイヤ52、53がワイヤ巻き取り器51より繰り出される。
【0077】
次に、車両1が充電スペースから出庫したか否かを判定する(S108)。本実施形態では、車輪検出センサ55より入力される検知信号に基づいて車両1が充電スペースから出庫したか否かを判定する。
【0078】
ここで、車両1が出庫してない場合、S108の判定はNOとなる。また、車両1が出庫すると、S108の判定はYESとなり、次に、アーム42の先端を上昇させるように指示する信号を車両1へ送信する(S110)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を送受信機45aを介して受信すると、アクチュエータ43を予め定められた方向に回転させる。これにより、アーム42の先端が自動的に上昇し、走行時にアーム42の先端が路面の突起や落下物等の衝突することを防止することができる。
【0079】
なお、受電接続部41が給電接続部54の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることが考えられるが、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の面には、図14に示すように受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜角θ2の傾斜が設けられているので、受電接続部41と給電接続部54との接続をスムーズに行うことができる。また、更に、受電接続部41における充電スペースへの進入方向側の面にも、給電接続部54との引っ掛かりを防止するための傾斜角θ1の傾斜が設けられているので、更に、受電接続部41と給電接続部54との接続をスムーズに行うことができる。
【0080】
上記したように、車両1の底部には、当該車両1の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム42が配置され、受電接続部41は、アーム42の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構52、53は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能なワイヤ52と、当該ワイヤ52の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置されたワイヤ53と、を備え、ワイヤ52、53は、それぞれ車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部54は、ワイヤ52上のワイヤ53が位置する部位に配置されており、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられたアーム42がワイヤ52と接触すると、給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動するように構成することができる。
【0081】
また、給電接続部54がワイヤ52の長手方向に移動してアーム42の先端に取り付けられた受電接続部41と接続される位置に移動するので、ワイヤ52に負荷をかけることなく、給電接続部54をスムーズに受電接続部41と接続される位置に移動させることができる。
【0082】
ところで、受電接続部41が給電接続部54の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることが考えられる。
【0083】
しかし、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の面には、受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられているので、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることを防止することができる。
【0084】
また、充電スペースへの車両1の入庫が検出された場合、アーム42の先端が下降するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなくアーム42の先端を確実に下降させることができる。
【0085】
また、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム42の先端が上昇するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなく、アーム42の先端を確実に上昇させることができ、路上の突起部や落下物との衝突を防止することができる。
【0086】
また、給電接続部54と受電接続部41とが互いに接続されたか否かを検出された場合、走行の停止を指示する信号が車両へ送出されるので、給電接続部54と受電接続部41とが互いに接続された状態で、車両を停車させることが可能である。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0088】
例えば、上記実施形態では、空気バネを用いたアブソーバとしたが、このような例に限定されるものではなく、例えば、バネ、油圧等を用いてアブソーバ21を構成するようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1、第2実施形態では、車両1が前進して充電スペースへ進入する構成を示したが、このような構成に限定されるものではなく、車両1が後進して充電スペースへ進入する構成としてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、前条部材として、伸長可能なワイヤ52、53を用いたが、ワイヤに限定されるものではない。
【0091】
また、上記第2実施形態では、ワイヤ52の長手方向に給電接続部54を移動可能に配置したが、必ずしもワイヤ52の長手方向に移動可能に配置する必要はない。
【符号の説明】
【0092】
1 車両
2 充電装置
10 受電接続部
20 リニアガイド
20a ガイドレール
21 アブソーバ
22 給電ステージ
23 給電接続部
23a 接続センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が予め定められた駐車位置に停車したことが検出されると、電動ロボットのアームを駆動して給電カプラを移動させ、給電カプラに設けられた発光素子から車両に設けられた受電カプラに設けられたリフレクタへ向けて光を射出させながら、このリフレクタにより反射した反射光を受光素子を用いて受光することにより車両に設けられた受電カプラの位置を算出し、給電カプラを受電カプラに嵌合させた後、自動充電を開始する装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−93622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された装置では、車両が予め定められた駐車位置に停車したことが検出されてから、電動ロボットのアームを駆動して給電カプラを受電カプラに対して移動させ、給電カプラを受電カプラに嵌合させるようになっているので、車両を停車させてから給電カプラと受電カプラの接続が完了するまでに長い時間を要するといった問題がある。
【0005】
また、給電カプラと受電カプラを嵌合させるのに、発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御したりする必要があるため、構成および制御が複雑であるといった問題がある。
【0006】
本発明は上記問題に鑑みたもので、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、充電スペースに設置され、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置であって、車両(1)には、バッテリを充電するための受電接続部(10、41)が設けられており、受電接続部(10、41)と接続される給電接続部(23、54)を有し、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部(23、54)を受電接続部(10、41)と接続する位置に移動させる給電接続部移動機構(20、21、22、52、53)を備えたことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、車両の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部(23、54)が車両に設けられた受電接続部(10、41)と接続する位置に移動するので、特許文献1に記載された装置のように発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御させたりする必要がなく、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、受電接続部(10)は、車両(1)の底部に下方に突出するように設けられており、給電接続部移動機構(20、21、22)は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動する給電ステージ(22)を備え、給電ステージ(22)には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、給電接続部(23)は、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)における充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)により給電接続部(23)が車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に案内されるようになっていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、給電ステージ(22)は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動するようになっており、更に、給電ステージ(22)には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、給電接続部(23)は、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)における充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ(22)に形成された切欠部(A)により給電接続部(23)が車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に案内されるようになっているので、給電接続部(23)と受電接続部(10)の位置ずれを吸収して、給電接続部(23)を車両(1)の底部に設けられた受電接続部(10)と接続される位置に正確に案内することが可能である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、車両(1)の底部には、当該車両の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、受電接続部(41)は、アーム(42)の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構(52、53)は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)上の第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されるようになっており、車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴としている。
【0012】
このように、車両(1)の底部には、当該車両(1)の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、受電接続部(41)は、アーム(42)の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構(52、53)は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)上の第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されており、車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動するように構成することができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、給電接続部(54)は、第1の線状部材(52)の長手方向に移動可能に配置されるようになっており、
車両(1)の走行による推進力を受けて車両(1)の底部に設けられたアーム(42)が第1の線状部材(52)と接触すると、給電接続部(54)が第1の線状部材(52)の長手方向に移動してアーム(42)の先端に取り付けられた受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、給電接続部(54)が第1の線状部材(52)の長手方向に移動してアーム(42)の先端に取り付けられた受電接続部(41)と接続される位置に移動するので、第1の線状部材(52)に負荷をかけることなく、給電接続部(54)をスムーズに受電接続部(41)と接続される位置に移動させることができる。
【0015】
ところで、受電接続部(41)が給電接続部(54)の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部(41)が給電接続部(54)に引っ掛かって給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動できなくなることが考えられる。
【0016】
しかし、請求項5に記載の発明は、給電接続部(54)における充電スペースの出入り口側の面には、受電接続部(41)との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられているので、受電接続部(41)が給電接続部(54)に引っ掛かって給電接続部(54)が受電接続部(41)と接続される位置に移動できなくなることを防止することができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、アーム(42)は、先端が上下に移動可能となっており、充電スペースへの車両(1)の入庫を検出する入庫検出手段を備え、入庫検出手段により充電スペースへの車両(1)の入庫が検出された場合、アーム(42)の先端が下降するように指示する信号を車両へ送出する第1のアーム配置指示手段(S102)を備えたことを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、充電スペースへの車両(1)の入庫が検出された場合、アーム(42)の先端が下降するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなくアーム(42)の先端を確実に下降させることができる。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号を車両へ送出する第2のアーム配置指示手段(S110)を備えたことを特徴としている。
【0020】
このような構成によれば、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなく、アーム(42)の先端を確実に上昇させることができ、路上の突起部や落下物との衝突を防止することができる。
【0021】
また、請求項8に記載の発明は、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出する接続検出手段(50d)を備え、接続検出手段(50d)により給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたことが検出された場合、走行の停止を指示する信号を車両へ送出する走行停止指示手段(S105)を備えたことを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出された場合、走行の停止を指示する信号が車両へ送出されるので、給電接続部(54)と受電接続部(41)とが互いに接続された状態で、車両を停車させることが可能である。
【0023】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る充電装置により充電される車両1の底部に取り付けられた受電部の様子を示す図である。
【図4】アームについて説明するための図である。
【図5】受電接続部について説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る充電装置の概略構成を示す図である。
【図7】給電接続部について説明するための図である。
【図8】充電装置のブロック構成を示す図である。
【図9】給電器における制御部のフローチャートである。
【図10】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図11】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図12】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図13】給電接続部と受電接続部とが接続される様子を示した図である。
【図14】給電接続部と受電接続部の引っ掛かりを防止するための傾斜について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る充電装置の構成を図1、図2に示す。本充電装置は、プラグインハイブリッド車、電気自動車等の電動機を走行用の動力源として使用する車両1に搭載されたバッテリを充電するための装置である。図1は、側方より車両1および充電装置2を見た概略図、図2(a)、(b)は、鉛直方向から充電装置2を見下ろした概略図である。なお、図2には、後述する板状部材3を取り外した状態が示されており、また、車両1の位置が点線で示されている。また、図2(a)には、受電接続部10と給電接続部23とが接続される前の状態が示されており、図2(b)には、受電接続部10と給電接続部23とが接続された状態が示されている。
【0026】
図1に示すように、車両1の底部には、下方に突出するようにバッテリ(図示せず)を充電するための円柱状の受電接続部10が取り付けられている。この受電接続部10の車両前方の側面には、複数の電極が形成されており、これらの電極は、車両1に搭載されたバッテリ(図示せず)と接続されている。
【0027】
一方、充電装置2は、充電スペースに形成された穴部Hの底部に設置されている。なお、充電装置2の上方には、路面と同一高さで穴部Hを覆うように金属製の板状部材3が敷設されている。
【0028】
給電ステージ22の下方には、複数の支持部22bが延設されている。また、これらの支持部22bの下端は、空気バネを用いたアブソーバ21を介してリニアガイド20と接続されている。給電ステージ22は、リニアガイド20により充電スペースへの進入方向および左右方向に移動可能に支持されている。
【0029】
充電スペースに形成された穴部Hを覆うように敷設された板状部材3には開口部3aが形成されており、この開口部3aから給電ステージ22が地上に露出するようになっている。なお、開口部3aは、給電ステージ22が移動しても、板状部材3と支持部22bとが接触しない寸法となっている。
【0030】
また、充電装置2は、車両1への充電の開始または停止を制御するための制御装置(図示せず)を備えている。この制御装置により充電の開始、充電の停止等の制御が実施される。
【0031】
図2(a)に示すように、充電装置2は、3つのリニアガイド20、アブソーバ21および給電ステージ22を備えている。各リニアガイド20は、充電スペースの奥側(駐車方向の先方側)、充電スペースの右側、充電スペースの左側にそれぞれ配置されている。
【0032】
給電ステージ22は、各リニアガイド20および各アブソーバ21により充電スペースの前後方向および左右方向に移動可能に支持されている。
【0033】
給電ステージ22には、車両1の底部に取り付けられた受電接続部10の位置ずれを吸収するための切欠部Aが形成されている。この切欠部Aは、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなり、途中から受電接続部10の直径と同一幅となっている。
【0034】
切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端部には、充電のための電極(図示せず)および受電接続部10と給電接続部23の接続状態を検出するための接続センサ23aが設けられている。
【0035】
給電接続部23は、給電ステージ22上に形成された切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端部に配置されている。
【0036】
車両1の底部に設けられた受電接続部10は、切欠部Aにより給電接続部23へと案内され、図2(b)に示すように、給電接続部23の側面に車両1の底部に設けられた受電接続部10と給電接続部23とが当接すると、接続センサ23aにより受電接続部10と給電接続部23が接続したことが検出されるようになっている。
【0037】
なお、各リニアガイド20は、それぞれガイドレール20aを備えている。給電ステージ22が充電スペースの前後左右方向に移動すると、各リニアガイド20も、それぞれガイドレール20aに沿って移動するようになっている。
【0038】
上記した構成において、バッテリの充電のために車両1が前進して充電スペースに進入し、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられた受電接続部10が切欠部Aの側面に当接すると、給電ステージ22がガイドレール20aに沿って移動するとともに、各アブソーバ21が伸縮して給電ステージ22が前後方向および左右方向に移動する。
【0039】
そして、図2(a)に示したように、給電ステージ22に形成された切欠部Aにより給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に案内される。このように、給電接続部23と受電接続部10の位置ずれが吸収され、図2(b)に示したように、給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に正確に案内され、受電接続部10と給電接続部23とが嵌合し、受電接続部10に設けられた電極と給電接続部23に設けられた電極とが電気的に接続される。
【0040】
また、給電接続部23の側面に設けられた接続センサ23aにより、受電接続部10と給電接続部23の接続が検出されると、制御装置は車両1に搭載されたバッテリの充電を開始し、バッテリが満充電状態になったことを判定すると充電を停止する。
【0041】
上記した構成によれば、車両1には、バッテリを充電するための受電接続部10が設けられており、受電接続部10と接続される給電接続部23を有し、車両1の充電スペースへの走行による推進力を受けて給電接続部23が車両に設けられた受電接続部10と接続する位置に移動するので、特許文献1に記載された装置のように発光素子および受光素子を用いて受電カプラの位置を算出したり、電動ロボットのアームを制御させたりする必要がなく、より簡素な構成で接続を行い、かつ、接続に要する時間を短縮することができる。
【0042】
また、給電ステージ22は、充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動するようになっており、更に、給電ステージ22には、充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部Aが形成されており、給電接続部23は、給電ステージ22上に形成された切欠部Aにおける充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、給電ステージ22に形成された切欠部Aにより給電接続部23が車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に案内されるようになっているので、給電接続部23と受電接続部10の位置ずれを吸収して、給電接続部23を車両1の底部に設けられた受電接続部10と接続される位置に正確に案内することが可能である。
【0043】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る充電装置により充電される車両1の底部に取り付けられた受電部40の様子を図3に示す。この図3は、車両1の鉛直方向から車両1を見下ろした様子が図示されている。
【0044】
受電部40は、受電接続部41、アーム42およびアクチュエータ43により構成されている。
【0045】
受電接続部41は、車両1に搭載されたモータ1bに電力を供給するためのバッテリ1aを充電するためのものであり、T字形状のアーム42の先端に取り付けられている。
【0046】
受電接続部41とバッテリ1aとの間は、ワイヤハーネス44を介して接続されている。なお、アーム42は、中空形状となっており、この中空領域を利用してワイヤハーネス44が配設されている。
【0047】
アーム42の他端は、回転ヒンジにより回転可能に支持されている。図4に、図3中のC方向からアーム42を見た図を示す。この図に示すように、車両1の走行中には、アーム42の先端は車両1の底部に接触するように上昇している。また、車両1のバッテリ1aを充電するために車両1が充電スペースへ進入する前に、図中、点線で示すようにアーム42の先端側が下降するようになっている。すなわち、アーム42は、車両1の底部に、当該車両1の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するように配置されるようになっている。
【0048】
図5に、受電接続部41の斜視図を示す。図中、受電接続部41における左側面および右側面には、それぞれ受電側接続口41aが設けられている。これらの受電側接続口41aは、図示しないケーブルを介して車両1に搭載されたバッテリ1aに接続されている。
【0049】
また、図3に示したように、受電接続部41における車両1の前進方向側の側面には、後述する給電接続部54との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられている。
【0050】
図6に、本実施形態に係る充電装置の概略構成を示す。本充電装置5は、給電器50、3つのワイヤ巻き取り器51、ワイヤ52、53、給電接続部54および車輪検出センサ55により構成されている。
【0051】
給電器50は、充電の開始および停止を制御するものである。ワイヤ巻き取り器51は、いずれも伸長可能なワイヤ52、53の巻き取りを行うためのものであり、充電スペースへの進入方向の先方(駐車方向の奥)、充電スペースの右側、充電スペースの左側にそれぞれ配置されている。
【0052】
ワイヤ52の一端には充電スペースの右側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続され、ワイヤ52の他端には充電スペースの左側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続されている。
【0053】
また、ワイヤ52の中央付近には、給電接続部54が取り付けられている。本実施形態においては、給電接続部54は、ワイヤ52の長手方向に移動可能に取り付けられている。
【0054】
また、ワイヤ53の一端には、給電接続部54が移動可能に取り付けられており、ワイヤ53の他端には、充電スペースの奥側に設置されたワイヤ巻き取り器51が接続されている。本実施形態においては、ワイヤ53は中空状態となっており、この中空領域を利用して給電器50からのワイヤハーネスが設置されている。
【0055】
また、ワイヤ52、53は、それぞれ車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置されるようになっている。また、給電接続部54は、ワイヤ52上のワイヤ53が位置する部位に配置されるようになっている。
【0056】
各ワイヤ巻き取り器51は、それぞれアクチュエータを備えており、アクチュエータを駆動させることにより、ワイヤ52、53の巻き取りを行う。各ワイヤ巻き取り器51は、それぞれ給電器50と接続線(図示せず)を介して接続されており、給電器50からの指示に応じてワイヤ52、53の巻き取り、およびワイヤ52、53の繰り出しを行う。
【0057】
車輪検出センサ55は、充電スペースへの車両1の有無を検出するためのものである。本車輪検出センサ55は、充電スペースへの入口の路面に左右に設けられた板状の検出部を有しており、この板状の検出部の上を車両1の車輪が通過すると、車輪検出センサ55から給電器50へ検知信号が送出されるようになっている。給電器50は、この車輪検出センサ55より送出される検知信号に基づいて車両1が充電スペースに駐車しているか否かを認識することが可能となっている。
【0058】
充電スペースへ車両1が進入していない場合、ワイヤ52、53はそれぞれ弛んだ状態となっており、車輪検出センサ55により充電スペースへの車両1の進入が検知されると、各ワイヤ52、53は、各ワイヤ巻き取り器51により巻き取られ、車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置されるようになっている。
【0059】
図7に、給電接続部54の構成を示す。図に示すように、給電接続部54には、貫通穴54bが形成されており、この貫通穴54bにワイヤ52が挿通されている。
【0060】
また、図中、給電接続部54における左側面および右側面には、それぞれ給電側接続口54aが設けられている。これらの給電側接続口54aは、ケーブル(図示せず)を介して給電器50に接続されている。
【0061】
なお、給電接続部54に設けられた給電側接続口54aと受電接続部41に設けられた受電側接続口41aの各周囲には、それぞれ図示しない磁石が設けられており、これらの磁石の磁力により給電側接続口54aと受電側接続口41aとが互いに吸着するようになっている。
【0062】
また、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の側面には、車両1の底部に設けられた受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられている。
【0063】
図8に、充電装置5のブロック構成を示す。充電装置5は、充電スペースへ進入する車両の車輪を検出する車輪検出センサ55、給電接続部54と受電接続部41の接続を検出する接続センサ50d、無線信号の送受信を行う送受信機50b、充電の開始および停止の切替を行うための切替回路50cおよび制御部50aを備えている。
【0064】
制御部50aは、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして機能するもので、給電器50に内蔵されている。制御部50aのCPUは、メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。
【0065】
また、車両1には、充電装置5と無線信号の送受信を行う送受信機45a、制御回路45、アーム42の先端を上下に移動させるアクチュエータ43が搭載されている。
【0066】
図9に、給電器50における制御部50aのフローチャートを示す。制御部50aは、図9に示す処理を定期的に実施する。以下、図10〜13を参照して、給電器50における制御部50aの処理について説明する。なお、図10、11、13は、給電接続部54と受電接続部41とが接続される様子を示した図であり、車両1の鉛直方向から車両1を見下ろした様子が示されている。また、図10、11、13では、車両1の底部に設けられた受電接続部41およびアーム42等の部分以外を透過するように図示してある。また、図12(a)〜(c)は、図3中のC方向から見た図である。
【0067】
まず、車両1が充電スペースへ進入したか否かを判定する(S100)。本実施形態では、車輪検出センサ55より入力される検知信号に基づいて車両1が充電スペースへ進入したか否かを判定する。
【0068】
ここで、車両1が充電スペースへ進入していない場合、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返し実施する。また、車両1が充電スペースへ進入すると、S100の判定はYESとなり、次に、アーム42の先端を下降させるように指示する信号を車両1へ送信する(S102)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を送受信機45aを介して受信すると、アクチュエータ43を予め定められた方向に回転させる。これにより、アーム42の先端が自動的に、図4の点線で示した位置に下降する。
【0069】
また、各ワイヤ52、53は、各ワイヤ巻き取り器51により巻き取られ、車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置される。
【0070】
次に、給電接続部54と受電接続部41とが接続されたか否かを判定する(S104)。本実施形態では、接続センサ50dより入力される信号に基づいて給電接続部54と受電接続部41とが接続されたか否かを判定する。なお、給電接続部54と受電接続部41とが接続されてない場合、S104の判定はNOとなり、S104の判定を繰り返し実施する。
【0071】
ここで、アーム42の先端が下降した状態で、図10に示すように、車両1が充電スペースへ進入すると、図11(a)に示すように、アーム42がワイヤ52に接触し、図11(b)に示すように、アーム42によりワイヤ52が下方へ押し下げられる。
【0072】
そして、図12に示すように、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられたアーム42がワイヤ52に引っ掛かる。
【0073】
そして、更に、車両1が前進し、図11(c)に示すように、アーム42によりワイヤ52が下方へ押し下げられると、図13に示すように、給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動する。そして、給電接続部54に設けられた給電側接続口54aと受電接続部41に設けられた受電側接続口41aとが電気的に接続される。なお、磁力により吸着給電側接続口54aと受電側接続口41aは磁力により吸着されるため、安定的に接続される。
【0074】
このように、給電接続部54と受電接続部41とが接続されると、S104の判定はYEとなり、次に、車両1に走行の停止を指示する信号を送出する(S105)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を受信すると、車両1のブレーキECUを制御して車両1の走行を停止させる。
【0075】
次に、充電を行う(S106)。具体的には、切替回路50cに充電の開始を指示する信号を送出することにより充電開始する。そして、充電を終了する場合には、切替回路50cに充電の終了を指示する信号を送出ことにより充電を終了する。
【0076】
このように、充電が終了すると、車両1に搭載された制御回路45より給電器50の制御部50aへ充電が終了したことが通知されるようになっている。制御部50aは、この通知を受けると、ワイヤ巻き取り器51に、各ワイヤ52、53の繰り出しを指示し、各ワイヤ52、53がワイヤ巻き取り器51より繰り出される。
【0077】
次に、車両1が充電スペースから出庫したか否かを判定する(S108)。本実施形態では、車輪検出センサ55より入力される検知信号に基づいて車両1が充電スペースから出庫したか否かを判定する。
【0078】
ここで、車両1が出庫してない場合、S108の判定はNOとなる。また、車両1が出庫すると、S108の判定はYESとなり、次に、アーム42の先端を上昇させるように指示する信号を車両1へ送信する(S110)。車両1に搭載された制御回路45は、この信号を送受信機45aを介して受信すると、アクチュエータ43を予め定められた方向に回転させる。これにより、アーム42の先端が自動的に上昇し、走行時にアーム42の先端が路面の突起や落下物等の衝突することを防止することができる。
【0079】
なお、受電接続部41が給電接続部54の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることが考えられるが、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の面には、図14に示すように受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜角θ2の傾斜が設けられているので、受電接続部41と給電接続部54との接続をスムーズに行うことができる。また、更に、受電接続部41における充電スペースへの進入方向側の面にも、給電接続部54との引っ掛かりを防止するための傾斜角θ1の傾斜が設けられているので、更に、受電接続部41と給電接続部54との接続をスムーズに行うことができる。
【0080】
上記したように、車両1の底部には、当該車両1の充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム42が配置され、受電接続部41は、アーム42の先端に取り付けられており、給電接続部移動機構52、53は、充電スペースの左右方向に配置された伸長可能なワイヤ52と、当該ワイヤ52の途中と充電スペースへの進入方向の先方との間に配置されたワイヤ53と、を備え、ワイヤ52、53は、それぞれ車両1の底部に設けられたアーム42の上端よりも低く、かつ、当該アーム42の下端よりも高い位置に配置され、給電接続部54は、ワイヤ52上のワイヤ53が位置する部位に配置されており、車両1の走行による推進力を受けて車両1の底部に設けられたアーム42がワイヤ52と接触すると、給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動するように構成することができる。
【0081】
また、給電接続部54がワイヤ52の長手方向に移動してアーム42の先端に取り付けられた受電接続部41と接続される位置に移動するので、ワイヤ52に負荷をかけることなく、給電接続部54をスムーズに受電接続部41と接続される位置に移動させることができる。
【0082】
ところで、受電接続部41が給電接続部54の駐車スペースへの進行方向の先方に直線状に並ぶような配置となった場合、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることが考えられる。
【0083】
しかし、給電接続部54における充電スペースの出入り口側の面には、受電接続部41との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられているので、受電接続部41が給電接続部54に引っ掛かって給電接続部54が受電接続部41と接続される位置に移動できなくなることを防止することができる。
【0084】
また、充電スペースへの車両1の入庫が検出された場合、アーム42の先端が下降するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなくアーム42の先端を確実に下降させることができる。
【0085】
また、充電スペースからの車両の出庫が検出された場合、アーム42の先端が上昇するように指示する信号が車両へ送出されるので、運転者の操作を必要とすることなく、アーム42の先端を確実に上昇させることができ、路上の突起部や落下物との衝突を防止することができる。
【0086】
また、給電接続部54と受電接続部41とが互いに接続されたか否かを検出された場合、走行の停止を指示する信号が車両へ送出されるので、給電接続部54と受電接続部41とが互いに接続された状態で、車両を停車させることが可能である。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0088】
例えば、上記実施形態では、空気バネを用いたアブソーバとしたが、このような例に限定されるものではなく、例えば、バネ、油圧等を用いてアブソーバ21を構成するようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1、第2実施形態では、車両1が前進して充電スペースへ進入する構成を示したが、このような構成に限定されるものではなく、車両1が後進して充電スペースへ進入する構成としてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、前条部材として、伸長可能なワイヤ52、53を用いたが、ワイヤに限定されるものではない。
【0091】
また、上記第2実施形態では、ワイヤ52の長手方向に給電接続部54を移動可能に配置したが、必ずしもワイヤ52の長手方向に移動可能に配置する必要はない。
【符号の説明】
【0092】
1 車両
2 充電装置
10 受電接続部
20 リニアガイド
20a ガイドレール
21 アブソーバ
22 給電ステージ
23 給電接続部
23a 接続センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電スペースに設置され、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置であって、
前記車両(1)には、前記バッテリを充電するための受電接続部(10、41)が設けられており、
前記受電接続部(10、41)と接続される給電接続部(23、54)を有し、前記車両の前記充電スペースへの走行による推進力を受けて前記給電接続部(23、54)を前記受電接続部(10、41)と接続する位置に移動させる給電接続部移動機構(20、21、22、52、53)を備えたことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記受電接続部(10)は、前記車両(1)の底部に下方に突出するように設けられており、
前記給電接続部移動機構(20、21、22)は、前記充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動する給電ステージ(22)を備え、
前記給電ステージ(22)には、前記充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、
前記給電接続部(23)は、前記給電ステージ(22)に形成された前記切欠部(A)における前記充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、
前記給電ステージ(22)に形成された前記切欠部(A)により前記給電接続部(23)が前記車両(1)の底部に設けられた前記受電接続部(10、41)と接続される位置に案内されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記車両(1)の底部には、当該車両(1)の前記充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、
前記受電接続部(41)は、前記アーム(42)の先端に取り付けられており、
前記給電接続部移動機構(52、53)は、前記充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と前記充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、前記第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ前記車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、前記給電接続部(54)は、前記第1の線状部材(52)上の前記第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されており、
前記車両(1)の走行による推進力を受けて前記車両(1)の底部に設けられた前記アーム(42)が前記第1の線状部材(52)と接触すると、前記給電接続部(54)が前記受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記給電接続部(54)は、前記第1の線状部材(52)の長手方向に移動可能に配置されるようになっており、
前記車両(1)の走行による推進力を受けて前記車両(1)の底部に設けられた前記アーム(42)が前記第1の線状部材(52)と接触すると、前記給電接続部(54)が前記第1の線状部材(52)の長手方向に移動して前記アーム(42)の先端に取り付けられた前記受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記給電接続部(54)における前記充電スペースの出入り口側の面には、前記受電接続部(41)との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記アーム(42)は、先端が上下に移動可能となっており、
前記充電スペースへの前記車両(1)の入庫を検出する入庫検出手段(55)を備え、
前記入庫検出手段(55)により前記充電スペースへの前記車両(1)の入庫が検出された場合、前記アーム(42)の先端が下降するように指示する信号を前記車両へ送出する第1のアーム配置指示手段(S102)を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項7】
前記入庫検出手段(55)により前記充電スペースからの前記車両の出庫が検出された場合、前記アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号を前記車両へ送出する第2のアーム配置指示手段(S110)を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項8】
前記給電接続部(54)と前記受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出する接続検出手段(50d)を備え、
前記接続検出手段(50d)により前記給電接続部(54)と前記受電接続部(41)とが互いに接続されたことが検出された場合、前記走行の停止を指示する信号を前記車両へ送出する走行停止指示手段(S105)を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項1】
充電スペースに設置され、車両に搭載されたバッテリを充電する充電装置であって、
前記車両(1)には、前記バッテリを充電するための受電接続部(10、41)が設けられており、
前記受電接続部(10、41)と接続される給電接続部(23、54)を有し、前記車両の前記充電スペースへの走行による推進力を受けて前記給電接続部(23、54)を前記受電接続部(10、41)と接続する位置に移動させる給電接続部移動機構(20、21、22、52、53)を備えたことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記受電接続部(10)は、前記車両(1)の底部に下方に突出するように設けられており、
前記給電接続部移動機構(20、21、22)は、前記充電スペースへの進入方向に対して前後方向に移動するとともに左右方向に移動する給電ステージ(22)を備え、
前記給電ステージ(22)には、前記充電スペースへの進入方向に進むにつれて徐々に幅が狭くなるように切欠部(A)が形成されており、
前記給電接続部(23)は、前記給電ステージ(22)に形成された前記切欠部(A)における前記充電スペースへの進行方向の先端に配置されており、
前記給電ステージ(22)に形成された前記切欠部(A)により前記給電接続部(23)が前記車両(1)の底部に設けられた前記受電接続部(10、41)と接続される位置に案内されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記車両(1)の底部には、当該車両(1)の前記充電スペースへの進入方向と反対方向に、斜め下方に傾斜するようにアーム(42)が配置され、
前記受電接続部(41)は、前記アーム(42)の先端に取り付けられており、
前記給電接続部移動機構(52、53)は、前記充電スペースの左右方向に配置された伸長可能な第1の線状部材(52)と、当該第1の線状部材(52)の途中と前記充電スペースへの進入方向の先方との間に配置された第2の線状部材(53)と、を備え、前記第1、第2の線状部材(52、53)は、それぞれ前記車両(1)の底部に設けられたアーム(42)の上端よりも低く、かつ、当該アーム(42)の下端よりも高い位置に配置され、前記給電接続部(54)は、前記第1の線状部材(52)上の前記第2の線状部材(53)が位置する部位に配置されており、
前記車両(1)の走行による推進力を受けて前記車両(1)の底部に設けられた前記アーム(42)が前記第1の線状部材(52)と接触すると、前記給電接続部(54)が前記受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項4】
前記給電接続部(54)は、前記第1の線状部材(52)の長手方向に移動可能に配置されるようになっており、
前記車両(1)の走行による推進力を受けて前記車両(1)の底部に設けられた前記アーム(42)が前記第1の線状部材(52)と接触すると、前記給電接続部(54)が前記第1の線状部材(52)の長手方向に移動して前記アーム(42)の先端に取り付けられた前記受電接続部(41)と接続される位置に移動するようになっていることを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項5】
前記給電接続部(54)における前記充電スペースの出入り口側の面には、前記受電接続部(41)との引っ掛かりを防止するための傾斜が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記アーム(42)は、先端が上下に移動可能となっており、
前記充電スペースへの前記車両(1)の入庫を検出する入庫検出手段(55)を備え、
前記入庫検出手段(55)により前記充電スペースへの前記車両(1)の入庫が検出された場合、前記アーム(42)の先端が下降するように指示する信号を前記車両へ送出する第1のアーム配置指示手段(S102)を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項7】
前記入庫検出手段(55)により前記充電スペースからの前記車両の出庫が検出された場合、前記アーム(42)の先端が上昇するように指示する信号を前記車両へ送出する第2のアーム配置指示手段(S110)を備えたことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の充電装置。
【請求項8】
前記給電接続部(54)と前記受電接続部(41)とが互いに接続されたか否かを検出する接続検出手段(50d)を備え、
前記接続検出手段(50d)により前記給電接続部(54)と前記受電接続部(41)とが互いに接続されたことが検出された場合、前記走行の停止を指示する信号を前記車両へ送出する走行停止指示手段(S105)を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−39696(P2012−39696A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175467(P2010−175467)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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