説明

光スペクトラムアナライザ

【課題】被測定光の波長毎又は周波数毎の強度特性であるスペクトルの測定に加えて、被測定光の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定することができる光スペクトラムアナライザを提供する。
【解決手段】光スペクトラムアナライザ1は、被測定光L0の光路上に配置されて被測定光L0の光路の周りに回転可能であって被測定光L0を互いに直交する偏光状態の分岐光L1,L2に分岐する偏光解消板12と、分岐光L1,L2の入射面に交差する軸A1の周りに回転可能であって偏光解消板12で分岐された分岐光L1,L2を分散させる回折格子15と、回折格子15で分散された分岐光L1,L2の所定の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を出力する受光部20と、受光部20から出力される受光信号に対して所定の信号処理を行って被測定光L0の偏光特性を求める信号処理部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定光のスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザに関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、光スペクトラムアナライザは、被測定光の波長毎又は周波数毎の強度特性(スペクトル)を測定する装置である。この光スペクトラムアナライザは、一般的に、被測定光を分光する分光器、分光器で分光された光を受光する受光部、受光部から出力される受光信号に対して信号処理を行って被測定光のスペクトルを求める信号処理部、及び信号処理部で求められた被測定光のスペクトルを表示する表示部を備える。
【0003】
上記の分光器としては、ツェルニ・ターナ型の分光器が利用されることが多い。ここで、ツェルニ・ターナ型の分光器は、入射スリットから入射される被測定光を平行光にする第1凹面鏡(コリメータ鏡)、第1凹面鏡からの被測定光を分散させる分散素子である回折格子、及び回折格子で分散された光を射出スリットに集光する第2凹面鏡を備えており、回折格子を回転させることによって射出スリットから射出される光の波長を変化させることができる。
【0004】
一般的に、分光器に設けられる回折格子は、入射光の偏光状態によって回折効率が異なるという偏光依存性を有する。具体的には、回折格子に形成された溝に沿う偏光状態の光と溝に交差する偏光状態の光とは反射率が異なる。このような偏光依存性があると、被測定光の偏光状態に応じて測定される強度が変化するため、被測定光のスペクトルを精確に測定することはできない。
【0005】
以下の特許文献1には、楔形状の水晶板を貼り合わせてなる偏光解消板を設けて回折格子の偏光依存性を解消した分光器が開示されている。この分光器では、上記の偏光解消板を設けて、入射スリットから入射される被測定光がどの様な偏光状態であっても、回折格子の溝に沿う偏光状態の光と溝に交差する偏光状態の光とを常に等しい割合で回折格子に入射させることで回折格子の偏光依存性を解消している。
【特許文献1】特許第2995985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、光スペクトラムアナライザには、波長分解能が高く、広い波長範囲に亘る測定が可能であり、ダイナミックレンジが広く、高速に測定が可能である、等の基本性能が求められる。このため、従来は、主としてこれらの基本性能を向上させるための開発が行われていた。しかしながら、近年においては、これらの基本性能の向上を図るのはもちろんのこと、競合製品からの差別化を図るべく、光スペクトラムアナライザの高機能化を図って付加価値を高めるための開発も行われている。
【0007】
例えば、被測定光の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定する偏光アナライザの機能を、光スペクトラムアナライザに設ける開発が行われている。従来は、被測定光の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定するには、被測定光の波長毎又は周波数毎の強度特性(スペクトル)を測定する光スペクトラムアナライザとは別に偏光アナライザを用意する必要があったが、偏光アナライザの機能を光スペクトラムアナライザに設ければ、2台のアナライザを用意する必要が無くなってユーザの利便性が飛躍的に向上すると考えられる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被測定光の波長毎又は周波数毎の強度特性であるスペクトルの測定に加えて、被測定光の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定することができる光スペクトラムアナライザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の光スペクトラムアナライザは、被測定光(L0)のスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザ(1)において、前記被測定光の光路上に当該光路の周りに回転可能に配置され、前記被測定光を互いに直交する偏光状態の第1,第2分岐光(L1、L2)に分岐する分岐素子(12)と、前記第1,第2分岐光の入射面に交差する軸(A1)の周りに回転可能であり、前記分岐素子で分岐された前記第1,第2分岐光を分散させる分散素子(15)と、前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を出力する受光部(20)と、前記受光部から出力される前記受光信号に対して所定の信号処理を行って前記被測定光の偏光特性を求める信号処理部(30)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、前記分岐素子が、前記第1,第2分岐光の何れか一方の偏光状態が前記分散素子の入射面に対して垂直になるとともに何れか他方の偏光状態が前記分散素子の入射面に対して平行になるよう前記被測定光を分岐する第1回転状態と、前記第1,第2分岐光の偏光状態の双方が前記分散素子の入射面に対して45度の角度をなすように前記被測定光を分岐する第2回転状態との何れか一方の回転状態に設定されることを特徴としている。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、前記分岐素子が、第1光学軸(C1)に対して45度の方向に厚みが連続的に変化する第1光学素子(12a)と、第2光学軸(C2)に対して45度の方向に厚みが連続的に変化する第2光学素子(12b)とが、前記第1光学軸と前記第2光学軸とが互いに直交するように貼り合わされてなるものであることを特徴としている。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、前記分岐素子が前記第1回転状態に設定されている場合に、前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を通過させる第1開口(17b、17c)と、前記分岐素子が前記第2回転状態に設定されている場合に、前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を通過させる第2開口(17a)とが形成された射出スリット(17)と、前記分岐素子の回転状態に応じて前記第1開口を通過した波長成分又は前記第2開口を通過した波長成分が前記受光部で受光されるように前記射出スリットを移動させる移動部(18)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、前記受光部が、前記分散素子で分散された前記第1分岐光の所定の波長成分を受光する第1受光素子(20a)と、前記分散素子で分散された前記第2分岐光の所定の波長成分を受光する第2受光素子(20b)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の光スペクトラムアナライザは、前記信号処理部が、前記分岐素子が前記第1回転状態に設定されている場合に前記受光部から出力される受光信号と、前記分岐素子が前記第2回転状態に設定されている場合に前記受光部から出力される受光信号とを用いて前記被測定光の偏光特性を求めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、被測定光の波長毎又は周波数毎の強度特性であるスペクトルの測定に加えて、被測定光の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザについて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの要部構成を示す斜視図である。尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。但し、説明の便宜のため、各図に示すXYZ直交座標系の原点は固定せずに、各図毎にその位置を適宜変更するものとする。
【0012】
図1に示す通り、本実施形態の光スペクトラムアナライザ1は、分光器10、受光部20、信号処理部30、及び表示部40を備えており、分光器10に入射する被測定光L0の波長毎又は周波数毎の強度特性であるスペクトルの測定に加えて、被測定光L0の波長毎又は周波数毎の偏光特性の測定が可能である。分光器10は、入射スリット11、偏光解消板12(分岐素子)、回転ホルダ13、凹面鏡14、回折格子15(分散素子)、凹面鏡16、射出スリット17、及び可動ホルダ18(移動部)を備えており、入射スリット11から入射される被測定光L0を分光して、被測定光L0に含まれる所定の波長成分のみを射出スリット17から射出する。尚、図1に示す分光器10は、ツェルニ・ターナ型の分光器である。
【0013】
入射スリット11は、分光器10に入射する被測定光L0の強度を制限する。偏光解消板12は、回転ホルダ13に取り付けられた状態で入射スリット11から入射される被測定光L0の光路上に配置されており、被測定光L0を互いに直交する偏光状態の分岐光L1(第1分岐光)と分岐光L2(第2分岐光)とに分岐する。ここで、偏光解消板12は、本来は回折格子15の偏光依存性を解消するために設けられるものであるが、本実施形態では、被測定光L0の光路上に回転可能に配置されており、被測定光L0の偏光特性を測定するためにも用いられる。尚、図1においては、図面の簡略化のために、被測定光L0及び分岐光L1,L2については主光線のみを図示している。
【0014】
ここで、偏光解消板12について詳細に説明する。図2は、偏光解消板12の構成を示す図であって、(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。図2(a)に示す通り、偏光解消板12は、楔形状の水晶板12a(第1光学素子)と楔形状の水晶板12b(第2光学素子)を貼り合わせてなるものである。つまり、偏光解消板12は、自らの光学軸C1(第1光学軸)に対して45°方向に厚みが連続的に変化するように形状設定された水晶板12aと、自らの光学軸C2(第2光学軸)に対して−45°方向に厚みが連続的に変化するように形状設定された水晶板12bとを、光学軸C1と光学軸C2とが互いに直交する状態に貼り合わせてなるものである。このため、図2(b)に示す通り、偏光解消板12の全体形状は、所定の厚さdを有する直方体の形状である。
【0015】
周知の通り、水晶は、その結晶構造のために特定の方向に光学軸を有する。水晶に入射した光(光学軸に沿う方向に進む光を除く)は、水晶の複屈折性によりその偏光状態に応じて異なった位相速度で水晶内を進む。例えば、図2(a)に示す水晶板12aに入射した光のうち、光学軸C1に沿う偏光成分を有する光の位相速度は、光学軸C1に垂直な方向に沿う偏光成分の光の位相速度よりも遅くなるため、両成分の光の間には位相差が生じて偏光状態が変化する。同様に、図2(a)に示す水晶板12bに入射した光のうち、光学軸C2に沿う偏光成分の光の位相速度は、光学軸C2に垂直な方向に沿う偏光成分の光の位相速度よりも遅くなるため、両成分の光の間には位相差が生じて偏光状態が変化する。
【0016】
水晶板12aの内部を進む光に生ずる上記の位相差は水晶板12aの厚みに比例し、水晶板12bの内部を進む光に生ずる上記の位相差は水晶板12bの厚みに比例する。ここで、図2(b)に示した通り、偏光解消板12の全体的な厚みはdで一定であるが、水晶板12a,12bはその厚みが連続的に変化するように形状設定されているため、水晶板12a,12bの各々で生ずる位相差は、光が通過する場所に応じて異なる。
【0017】
例えば、図2(b)に示す通り、偏光状態が同じであって偏光解消板12に対する入射位置が異なる3つの光R1〜R3を考えると、これらの光R1〜R3が通過する水晶板12a,12bの厚みがそれぞれ異なるため、偏光解消板12を通過した後の光R1〜R3の偏光状態はそれぞれ異なったものになる。従って、偏光解消板12は、被測定光L0の偏光状態を様々な偏光状態が混ざった状態に変換することができる。但し、偏光方向が水晶板12aの光学軸C1に沿う方向である光、及び偏光方向が水晶板12bの光学軸C2に沿う方向である光は、偏光解消板12によって偏光状態が変えられることなくそのままの偏光状態で偏光解消板12を通過する。
【0018】
回転ホルダ13は、上面又は底面に偏光解消板12が取り付けられた円環状又は円柱状の部材であって、入射スリット11から入射される被測定光L0の光路に沿うようにその軸が配置されており、被測定光L0の光路の周りに回転可能に構成されている。このため、回転ホルダ13を回転させることにより、回転ホルダ13の上面又は底面に取り付けられて被測定光L0の光路上に配置された偏光解消板12を、被測定光L0の周りに回転させることができる。
【0019】
尚、回転ホルダ13として円柱状の部材を用いる場合には、光学的に等方的であって、光スペクトラムアナライザ1で測定可能な波長範囲における吸収の波長依存性が極めて小さいものを用いるのが望ましい。かかる特性を有する部材を確保することが困難である場合、或いはこのような部材を用いることで生ずる測定精度の悪化等の悪影響を排除する必要がある場合には、回転ホルダ13として円環状の部材を用いるのが好ましい。
【0020】
凹面鏡14は、偏光解消板12で分岐された分岐光L1,L2をそれぞれ平行光にして、回折格子15に入射させる。つまり、凹面鏡14は、いわゆるコリメータ鏡である。回折格子15は、多数の溝が形成された回折面15aを有しており、凹面鏡14によって平行光にされて回折面15aに入射する分岐光L1,L2を分散させる。つまり、回折格子15は、入射する分岐光L1,L2を、波長毎に異なる角度で回折させる。尚、図1に示す通り、回折格子15の回折面15aに形成された多数の溝は、Y方向に延びるものである。
【0021】
また、回折格子15は、分岐光L1,L2の入射面に交差してY方向に延びる軸A1の周りで回転可能に構成されている。回折格子15を軸A1の周りで回転させることで波長毎の回折角度を変化させることができ、これによって射出スリット17から射出される光の波長を変化させることができる。尚、分岐光L1,L2の入射面とは、回折格子15の回折面15aに直交する面であって、分岐光L1又は分岐光L2が含まれる面をいう。
【0022】
ここで、本実施形態では、回転ホルダ13によって偏光解消板12を回転させることにより、回折格子15に入射される分岐光L1,L2の偏光状態を変えることができる。具体的には、偏光解消板12の回転角度を0度(第2回転状態)に設定すると、回折格子15に入射する分岐光L1,L2の偏光状態を、共に回折格子15の入射面に対して45度の角度(正確には±45度)をなす直線偏光にすることができる。また、偏光解消板12の回転角度を45度(第1回転状態)に設定すると、回折格子15に入射する分岐光L1,L2の何れか一方の偏光状態を回折格子15の入射面に対して垂直な直線偏光にし、何れか他方の偏光状態を回折格子15の入射面に対して平行な直線偏光にすることができる。
【0023】
凹面鏡16は、回折格子13によって分散された分岐光L1,L2の波長成分のうち、凹面鏡16に入射した波長成分のみを射出スリット17に集光する。射出スリット17は、凹面鏡16によって集光される光の波長帯域を制限するとともに、分光器10内で生ずる迷光を遮断する。図3は、射出スリット17の正面図である。図3に示す通り、射出スリット17には、スリット17a(第2開口)とスリット17b,17c(第1開口)とが形成されている。
【0024】
スリット17aは射出スリット17の左半分の領域(射出スリット17の中央部から−X側の領域)内において、射出スリット17の中央部から±Y方向にそれぞれ延びるように形成されている。これに対し、スリット17b,17cは何れも射出スリット17の右半分の領域(射出スリット17の中央部から+X端側の領域)内に形成されている。ここで、スリット17b,17cは、Y方向の長さが共にスリット17aの半分程度であるが、スリット17bは射出スリット17の中央部から+Y方向に延びるように形成され、スリット17bはスリット17bとはX方向の位置を異ならせて射出スリット17の中央部から−Y方向に延びるように形成されている。
【0025】
このようなスリット17a〜17cを射出スリット17に形成するのは、偏光解消板12を回転させることで、射出スリット17上における集光位置が変わるためである。具体的には、偏光解消板12の回転角度が0度(第2回転状態)に設定された場合には、回折格子15で分散されて凹面鏡16に入射した分岐光L1,L2の波長成分は、射出スリット17上においてY方向に延びる直線上の異なる位置にそれぞれ集光される。これに対し、偏光解消板12の回転角度が45度(第1回転状態)に設定された場合には、回折格子15で分散されて凹面鏡16に入射した分岐光L1,L2の波長成分は、射出スリット17上においてX方向及びY方向の位置が共に異なる位置にそれぞれ集光される。
【0026】
このため、スリット17aは、偏光解消板12の回転角が0度に設定された場合に、射出スリット17上においてY方向に延びる直線上の異なる位置にそれぞれ集光される分岐光L1,L2の波長成分を透過させるべく形成されている。また、スリット17b,17cは、偏光解消板12の回転角が45度に設定された場合に、射出スリット17上においてX方向及びY方向の位置が共に異なる位置にそれぞれ集光される分岐光L1,L2の波長成分を透過させるべく形成されている。
【0027】
可動ホルダ18は、偏光解消板12の回転に合わせて射出スリット17をX方向に移動させるものである。具体的には、偏光解消板12の回転角度が0度(第2回転状態)に設定された場合には射出スリット17を+X方向に移動させ、偏光解消板12の回転角度が45度(第1回転状態)に設定された場合には射出スリット17を−X方向に移動させる。
【0028】
受光部20は、射出スリット17から射出される分岐光L1,L2の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を出力する。図4は、受光部20の正面図である。図4に示す通り、受光部20には、Y方向に配列された2つの受光素子20a(第1受光素子)及び受光素子20b(第2受光素子)が形成されている。受光素子20aは、射出スリット17に形成されたスリット17a又はスリット17bを介した分岐光L1の波長成分を受光する。これに対し、受光素子20bは、射出スリット17に形成されたスリット17a又はスリット17cを介した分岐光L2の波長成分を受光する。
【0029】
図5は、射出スリット17と受光部20との相対的な位置関係を示す正面図であって、(a)は偏光解消板12の回転角が0度に設定された場合の図であり、(b)は偏光解消板12の回転角が45度に設定された場合の図である。前述した通り、偏光解消板12の回転角が0度に設定される場合には、分岐光L1,L2の波長成分は、射出スリット17上においてY方向に延びる直線上の異なる位置にそれぞれ集光される。このため、図5(a)に示す通り、正面視においてスリット17aを介して受光部20の受光素子20a,20bが共に見えるように射出スリット17が+X方向に移動される。
【0030】
これに対し、偏光解消板12の回転角が45度に設定される場合には、分岐光L1,L2の波長成分は、X方向及びY方向の位置が共に異なる位置にそれぞれ集光される。このため、図5(b)に示す通り、正面視においてスリット17bを介して受光部20の受光素子20aが見えるとともに、スリット17cを介して受光部20の受光素子20cが見えるように射出スリット17が−X方向に移動される。
【0031】
信号処理部30は、受光部20から出力される受光信号に対して所定の信号処理を行って被測定光L0のスペクトル又は偏光特性を測定する。この信号処理部30は、被測定光L0の偏光特性を測定する場合には、偏光解消板12の回転角が0度に設定された場合に受光部20の受光素子20a,20bからそれぞれ出力される受光信号と、偏光解消板12の回転角が45度に設定された場合に受光部20の受光素子20a,20bからそれぞれ出力される受光信号とを用いて信号処理を行う。
【0032】
具体的に、信号処理部30は、ストークスベクトルS(λ)を用いて被測定光L0の偏光状態を測定する。いま、被測定光L0の偏光状態を示すストークスベクトルS(λ)を以下の(1)式で表す。
【数1】

【0033】
ここで、上記(1)式に示すストークスベクトルS(λ)をなす各パラメータS(λ)〜S(λ)は、以下の(2)式で表される。但し、以下の(2)式中におけるE(λ),E(λ)は被測定光L0の電場ベクトルのX成分及びY成分であり、δ(λ)は被測定光L0の電場ベクトルのX成分とY成分との位相差である。
【数2】

【0034】
いま、偏光解消板12の回転角が45度(第1回転状態)に設定された場合に受光部20の受光素子20a,20bからそれぞれ出力される受光信号の信号強度をそれぞれI11(λ),I12(λ)とする。また、偏光解消板12の回転角が0度(第2回転状態)に設定された場合に受光部20の受光素子20a,20bからそれぞれ出力される受光信号の信号強度をそれぞれI21(λ),I22(λ)とする。
【0035】
更に、偏光解消板12の回転角を45度に設定した場合における波長λの分岐光L1,L2に対する分光器10の効率をそれぞれk11(λ),k12(λ)とし、偏光解消板12の回転角を0度に設定した場合における波長λの分岐光L1,L2に対する分光器10の効率をそれぞれk21(λ),k22(λ)とする。尚、これら分光器10の効率k11(λ),k12(λ),k21(λ),k22(λ)を示す情報は、予め測定されて信号処理部30に記憶される。
【0036】
すると、上記(2)式中におけるパラメータS〜Sは、以下の(3)式で表すことができる。
【数3】

上記(3)式を参照すると、被測定光L0の偏光状態を示すストークスベクトルS(λ)の各パラメータS(λ)〜S(λ)が、受光素子20a,20bから出力される受光信号の信号強度I11(λ),I12(λ),I21(λ),I22(λ)と、分光器10の効率k11(λ),k12(λ),k21(λ),k22(λ)とによって表されているのが分かる。このため、受光素子20a,20bから出力される受光信号を用いれば被測定光L0の偏光特性を測定することができる。
【0037】
ここで、上記(3)式におけるパラメータS,Sは、受光素子20a,20bから出力される受光信号の信号強度I21(λ),I22(λ)と、分光器10の効率k21(λ),k22(λ)とを、上記(2)に代入すれば容易に導出することができる。これに対し、上記(3)式におけるパラメータS,Sの導出は多少複雑であるため以下で補足説明する。
【0038】
・パラメータSについて
偏光解消板12の回転角が0度(第2回転状態)に設定された場合に、偏光解消板12によって分岐される分岐光L1は、X軸に対して45度の角度をなす直線偏光になる。この分岐光L1の所定の波長成分は、受光部20の受光素子20aで測定されるため、その受光信号の信号強度は、k11(λ)・I11(λ)で表すことができる。すると、以下の(4)式が成り立つ。但し、以下の(4)式に示す、E(λ),E(λ)は、それぞれE(λ),E(λ)の複素共役である。
【0039】
【数4】

上記(4)式を変形すれば、上記(3)式に示すパラメータS(λ)が得られる。
【0040】
・パラメータSについて
上記(4)式中の第3番目の式からcosδ(λ)は、以下の(5)式で表すことができる。
【数5】

【0041】
ここで、sinδ(λ)とcosδ(λ)とは以下の(6)式に示す関係があるため、sinδ(λ)は以下の(6)式で表すことができる。
【数6】

また、被測定光L0の電場ベクトルのX成分であるE(λ)、及びY成分であるE(λ)は以下の(7)式で表すことができる。
【数7】

【0042】
従って、上記(6),(7)式を前述した(2)式中のパラメータSを示す式に代入すれば、以下の(8)式に示す通り、前述した(3)式に示すパラメータS(λ)が得られる。
【数8】

【0043】
表示部40は、CRT(Cathode Ray Tube)又は液晶表示装置等の表示装置を備えており、信号処理部30で求められた被測定光L0のスペクトル又は偏光特性を表示する。尚、図1においては、図示を省略しているが、偏光解消板12の回転角、回折格子15の回転角、及び可動ホルダ18の移動方向は、光スペクトラムアナライザ1の動作を統括して制御する制御装置によって制御される。
【0044】
次に、上記構成における光スペクトラムアナライザ1の動作について説明する。被測定光L0の偏光特性を測定する場合には、ユーザが光スペクトラムアナライザ1に設けられた操作部(図示省略)を操作して、光スペクトラムアナライザ1の不図示の制御装置に対して偏光特性の測定を指示するとともに測定すべき波長範囲を指示する。そして、被測定光L0が分光器10の入射スリット11に照射されている状態で、ユーザが上記の操作部を操作して制御装置に対して測定開始の指示を行うことにより、被測定光L0の偏光特性の測定が開始される。
【0045】
測定が開始されると、まず偏光解消板12の回転角を0度(第2回転状態)に設定した状態での被測定光L0の測定(第1測定)が行われ、次に偏光解消板12の回転角を45度(第1回転状態)に設定した状態での被測定光L0の測定(第2測定)が行われ、最後に第1,第2測定の各々の測定結果を用いた信号処理が行われて被測定光L0の偏光特性が求められる。以下、これらについて順に説明する。
【0046】
〔第1測定〕
図6は、本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの第1測定時の動作を説明するための図である。第1測定が開始されると、不図示の制御装置の制御の下で、偏光解消板12の回転角が0度に設定されるとともに射出スリット17が+X方向に移動される。これにより、射出スリット17は、図5(a)に示す通り、正面視において受光部20の受光素子20a,20bがスリット17aを介して共に見えるように配置される。更に、不図示の制御装置の制御の下で、回折格子15の回転角が測定を開始すべき波長に応じた角度に設定される。
【0047】
以上の設定が終了すると、入射スリット11から測定光L0が入射されて偏光解消板12に入射し、+Y方向のベクトル成分を有する分岐光L1と、−Y方向のベクトル成分を有する分岐光L2とに分岐される。ここで、図6(a)に示す通り、偏光解消板12で分岐された分岐光L1の偏光状態はX軸に対して+45度の角度をなす直線偏光であり、分岐光L2の偏光状態はX軸に対して−45度の角度をなす直線偏光である。
【0048】
これらの分岐光L1,L2は、凹面鏡14に入射して平行光に変換された後に回折格子15の回折面15aに入射してそれぞれ分散される。図6(a)に示す通り、分岐光L1,L2の偏光状態はそれぞれX軸に対して±45度の角度をなす直線偏光であるため、分岐光L1,L2は、回折格子15の入射面に対して45度(正確には±45度)の角度をなす直線偏光として回折格子15の回折面15aに入射する。
【0049】
回折格子15の回折面15aで分散された分岐光L1,L2の波長成分のうち、凹面鏡16に入射した波長成分は、射出スリット17に形成されたスリット17aに集光される。ここで、図6(b)に示す通り、これらの波長成分は、X方向についてはほぼ同じ位置に集光されるが、Y方向については異なる位置にそれぞれ集光される。尚、図6(b)では、射出スリット17に形成されたスリット17aに集光される分岐光L1の波長成分を符号L11を付した実線で示し、分岐光L2の波長成分を符号L12を付した波線で示している。
【0050】
射出スリット17に形成されたスリット17aを通過した分岐光L1,L2の波長成分L11,L12は受光部20で受光され、波長成分L11,L12の強度に応じた信号強度を有する受光信号が出力される。ここで、図6(c)に示す通り、分岐光L1の波長成分L11は受光部20の受光素子20aで受光され、分岐光L2の波長成分L12は受光部20の受光素子20bで受光される。受光部20から出力された受光信号は信号処理部30に入力されて一時的に記憶される。以上の一連の処理が回折格子15の回転角を変化させつつ行われ、回折格子15の回転角が測定を終了すべき波長に応じた角度になった時点で第1測定が終了する。
【0051】
〔第2測定〕
図7は、本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの第2測定時の動作を説明するための図である。第2測定が開始されると、不図示の制御装置の制御の下で、偏光解消板12の回転角が45度に設定されるとともに射出スリット17が−X方向に移動される。これにより、射出スリット17は、図5(b)に示す通り、正面視において受光部20の受光素子20aがスリット17bを介し、受光素子20bがスリット17cを介してそれぞれ見えるように配置される。更に、不図示の制御装置の制御の下で、回折格子15の回転角が測定を開始すべき波長に応じた角度に設定される。
【0052】
以上の設定が終了すると、入射スリット11から測定光L0が入射されて偏光解消板12に入射し、+X方向のベクトル成分及び+Y方向のベクトル成分を有する分岐光L1と、−X方向のベクトル成分及び−Y方向のベクトル成分を有する分岐光L2とに分岐される。ここで、図7(a)に示す通り、偏光解消板12で分岐された分岐光L1の偏光状態はX軸に平行な直線偏光であり、分岐光L2の偏光状態はY軸に平行な直線偏光である。
【0053】
これらの分岐光L1,L2は、凹面鏡14に入射して平行光に変換された後に回折格子15の回折面15aに入射してそれぞれ分散される。図7(a)に示す通り、分岐光L1の偏光状態はX軸に平行な直線偏光であるため、分岐光L1は回折格子15の入射面に対して平行な直線偏光として回折格子15の回折面15aに入射する。これに対し、図7(a)に示す通り、分岐光L2の偏光状態はY軸に平行な直線偏光であるため、分岐光L2は回折格子15の入射面に対して垂直な直線偏光として回折格子15の回折面15aに入射する。
【0054】
図7(b)に示す通り、回折格子15の回折面15aで分散された分岐光L1の波長成分のうち凹面鏡16に入射した波長成分L11は、射出スリット17に形成されたスリット17bに集光される。これに対し、回折格子15の回折面15aで分散された分岐光L2の波長成分のうち凹面鏡16に入射した波長成分L12は、射出スリット17に形成されたスリット17cに集光される。
【0055】
図7(c)に示す通り、射出スリット17に形成されたスリット17bを通過した分岐光L1の波長成分L11は受光部20の受光素子20aで受光され、スリット17bを通過した分岐光L2の波長成分L12は受光部20の受光素子20bで受光される。そして、受光素子20a,20bからは、波長成分L11,L12の強度に応じた信号強度を有する受光信号がそれぞれ出力される。受光部20から出力された受光信号は信号処理部30に入力されて一時的に記憶される。以上の一連の処理が回折格子15の回転角を変化させつつ行われ、回折格子15の回転角が測定を終了すべき波長に応じた角度になった時点で第2測定が終了する。
【0056】
〔信号処理〕
以上の第1測定及び第2測定が終了すると、信号処理部30において、第1測定で得られた測定結果と第2測定結果とを用いて前述した(3)式から波長毎のストークスベクトルS(λ)が求められ、これにより被測定光L0の波長毎の偏光特性が得られる。信号処理部20で得られた被測定光L0の波長毎の偏光特性は表示部40に表示される。このようにして、被測定光L0の波長毎又は周波数毎の偏光特性が測定される。
【0057】
以上説明した通り、本実施形態では、入射スリット11から入射される被測定光L0を互いに直交する偏光状態の分岐光L11,L12に分岐する偏光解消板12を設け、偏光解消板12の回転角度を0度に設定して回折格子15で分散された分岐光L11,L12の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を得る第1測定を行うとともに、偏光解消板12の回転角度を45度に設定して回折格子15で分散された分岐光L11,L12の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を得る第2測定を行い、これら第1,第2測定で得られた受光信号を用いて所定の信号処理を行っている。このため、被測定光L0の波長毎又は周波数毎の強度特性であるスペクトルの測定に加えて、被測定光L0の波長毎又は周波数毎の偏光特性を測定することができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態による光スペクトラムアナライザについて説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、偏光解消板12として楔形状の水晶板12a,12bを貼り合わせてなるものを例に挙げて説明したが、偏光解消板12の材質としては水晶以外に方解石、雲母、フッ化マグネシウム、YVO(イットリウム・オルトバナデート)、ルチル等の複屈折性を有するものを用いることができる。
【0059】
また、偏光解消板12としては、楔形状の水晶板12a,12bを貼り合わせたウォラストン・プリズム型のものに代えて、サバール板型のもの、或いは偏光ビームスプリッタ等を用いることができる。つまり、偏光解消板12としては、入射する光を互いに直交する偏光状態の複数の分岐光に分岐できるものであれば良い。
【0060】
また、上記実施形態では、ツェルニ・ターナ型の分光器10を備える光スペクトラムアナライザを例に挙げて説明したが、本発明はリトロー型の分光器を始めとして任意の分光器を備える光スペクトラムアナライザに適用することができる。また、凹面鏡14,16に代えてレンズを備えており、レンズを用いて分岐光L1,L2を平行光にして回折格子15に入射させ、レンズを用いて回折格子15で回折された所定の波長成分を射出スリット17に集光させる分光器であってもよい。
【0061】
更に、本発明は、分岐光が回折格子等の分散素子を一度のみ通過するシングルパスの分光器を備える光スペクトラムアナライザのみならず、分岐光が複数回に亘って分散素子を通過するマルチパスの分光器を備える光スペクトラムアナライザにも適用することができる。また、上記実施形態では、分散素子として回折格子を用いていたが、誘電体多層膜フィルタを用いることもできる。
【0062】
更に、上記実施形態では、被測定光L0の波長測定精度を高めるために、3つのスリット17a〜17cが形成された射出スリット17を備える例について説明した。しかしながら、さほど高い波長測定精度が要求されない場合には、スリット17bとスリット17cとが含まれる程度の幅(X方向の幅)を有する矩形形状のスリットのみが形成されている射出スリットを用いることができる。かかる射出スリットを用いると、偏光解消板12の回転角が0度に設定される場合、及び45度に設定される場合の何れの場合であっても、回折格子15によって分散されて凹面鏡16により集光される分岐光L1,L2の波長成分は射出スリットに形成された幅広のスリットを通過することができ、射出スリットをX方向に移動させる必要が無くなって可動ホルダ18を省略することができる。更に、受光部20の受光素子20a,20bの大きさによって受光される波長成分が制限されるため、射出スリット自体を省略することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの要部構成を示す斜視図である。
【図2】偏光解消板12の構成を示す図である。
【図3】射出スリット17の正面図である。
【図4】受光部20の正面図である。
【図5】射出スリット17と受光部20との相対的な位置関係を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの第1測定時の動作を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態による光スペクトラムアナライザの第2測定時の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0064】
1 光スペクトラムアナライザ
12 偏光解消板
12a,12b 水晶板
15 回折格子
17 射出スリット
17a〜17c スリット
18 可動ホルダ
20 受光部
20a,20b 受光素子
30 信号処理部
A1 軸
C1,C2 光学軸
L0 被測定光
L1,L2 分岐光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定光のスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザにおいて、
前記被測定光の光路上に当該光路の周りに回転可能に配置され、前記被測定光を互いに直交する偏光状態の第1,第2分岐光に分岐する分岐素子と、
前記第1,第2分岐光の入射面に交差する軸の周りに回転可能であり、前記分岐素子で分岐された前記第1,第2分岐光を分散させる分散素子と、
前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を個別に受光して各々の受光信号を出力する受光部と、
前記受光部から出力される前記受光信号に対して所定の信号処理を行って前記被測定光の偏光特性を求める信号処理部と
を備えることを特徴とする光スペクトラムアナライザ。
【請求項2】
前記分岐素子は、前記第1,第2分岐光の何れか一方の偏光状態が前記分散素子の入射面に対して垂直になるとともに何れか他方の偏光状態が前記分散素子の入射面に対して平行になるよう前記被測定光を分岐する第1回転状態と、
前記第1,第2分岐光の偏光状態の双方が前記分散素子の入射面に対して45度の角度をなすように前記被測定光を分岐する第2回転状態と
の何れか一方の回転状態に設定されることを特徴とする請求項1記載の光スペクトラムアナライザ。
【請求項3】
前記分岐素子は、第1光学軸に対して45度の方向に厚みが連続的に変化する第1光学素子と、第2光学軸に対して45度の方向に厚みが連続的に変化する第2光学素子とが、前記第1光学軸と前記第2光学軸とが互いに直交するように貼り合わされてなるものであることを特徴とする請求項2記載の光スペクトラムアナライザ。
【請求項4】
前記分岐素子が前記第1回転状態に設定されている場合に、前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を通過させる第1開口と、前記分岐素子が前記第2回転状態に設定されている場合に、前記分散素子で分散された前記第1,第2分岐光の所定の波長成分を通過させる第2開口とが形成された射出スリットと、
前記分岐素子の回転状態に応じて前記第1開口を通過した波長成分又は前記第2開口を通過した波長成分が前記受光部で受光されるように前記射出スリットを移動させる移動部と
を備えることを特徴とする請求項3記載の光スペクトラムアナライザ。
【請求項5】
前記受光部は、前記分散素子で分散された前記第1分岐光の所定の波長成分を受光する第1受光素子と、
前記分散素子で分散された前記第2分岐光の所定の波長成分を受光する第2受光素子と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の光スペクトラムアナライザ。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記分岐素子が前記第1回転状態に設定されている場合に前記受光部から出力される受光信号と、前記分岐素子が前記第2回転状態に設定されている場合に前記受光部から出力される受光信号とを用いて前記被測定光の偏光特性を求めることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の光スペクトラムアナライザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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